(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ウェブブラウザデータの削除
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20241217BHJP
【FI】
G06F21/62 363
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535211
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 IB2022062207
(87)【国際公開番号】W WO2023111889
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523419716
【氏名又は名称】アイランド テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ドロール アミット
(72)【発明者】
【氏名】ロットマン ドール
(72)【発明者】
【氏名】レイボヴィッチ ロイ
(72)【発明者】
【氏名】アミガ ダン
(57)【要約】
ウェブブラウザデータの削除は、統一資源位置指定子(URL)のホスト名セットを保存するステップであって、URLのホスト名は、URLがウェブブラウザによってアクセスされていることと、論理グループを定義する定義済みグループ化条件がURLによって満たされていると判断することとに応答して、ホスト名セットに追加されるステップと、ホスト名セット内のホスト名に関連付けられたURLに関連してウェブブラウザによって保存された1つ以上の種類のデータを削除するステップであって、削除される種類のデータを指定する定義済み削除ポリシーと、定義済み削除条件とに従って実行され、定義済み削除条件が満たされていると判断することと、ウェブブラウザがホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれのURLにも現在アクセスしていないと判断することとに応答して実行されるステップと、を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統一資源位置指定子のホスト名セットを保存するステップであって、統一資源位置指定子のホスト名は、前記統一資源位置指定子がウェブブラウザによってアクセスされていることに応答して、前記ホスト名セットに追加され、前記統一資源位置指定子のホスト名は、論理グループを定義する1つ以上の定義済みグループ化条件のセット内の各条件が前記統一資源位置指定子によって満たされていると判断することに応答して、前記ホスト名セットに追加されるステップと、
前記ホスト名セット内のホスト名に関連付けられた統一資源位置指定子に関連して前記ウェブブラウザによって保存された1つ以上の種類のデータを削除するステップであって、削除される1つ以上の種類のデータを指定する定義済み削除ポリシーと、1つ以上の定義済み削除条件とに従って実行され、前記1つ以上の定義済み削除条件のセット内の各条件が満たされていると判断することと、前記ウェブブラウザが前記ホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断することとに応答して実行されるステップと
を含む、ウェブブラウザデータを削除する方法。
【請求項2】
前記定義済みグループ化条件は、共通の定義済み統一資源位置指定子部分を有する統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記定義済みグループ化条件は、定義済み統一資源位置指定子のグループに属する統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記定義済みグループ化条件は、定義済みウェブサイトカテゴリに関連付けられた統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記定義済みグループ化条件は、定義済みリスク評判に関連付けられた統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
削除するステップは、前記ウェブブラウザが前記ホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断してから定義済み時間が経過した後に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記削除ポリシーは、前記削除ポリシーが適用されるホスト名の論理グループを1つ以上指定する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェブブラウザが保存するステップ及び削除するステップを実行するように構成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
統一資源位置指定子のホスト名セットを保存するように構成されたホスト名管理部であって、統一資源位置指定子のホスト名は、前記統一資源位置指定子がウェブブラウザによってアクセスされていることに応答して、前記ホスト名セットに追加され、前記統一資源位置指定子のホスト名は、論理グループを定義する1つ以上の定義済みグループ化条件のセット内の各条件が前記統一資源位置指定子によって満たされていると判断することに応答して、前記ホスト名セットに追加される、ホスト名管理部と、
前記ホスト名セット内のホスト名に関連付けられた統一資源位置指定子に関連して前記ウェブブラウザによって保存された1つ以上の種類のデータを削除するように構成されたデータ削除管理部であって、削除される1つ以上の種類のデータを指定する定義済み削除ポリシーと、1つ以上の定義済み削除条件とに従って、前記1つ以上の種類のデータを削除するように構成され、前記1つ以上の定義済み削除条件のセット内の各条件が満たされていると判断することと、前記ウェブブラウザが前記ホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断することとに応答して、前記1つ以上の種類のデータを削除するように構成された、データ削除管理部と
を含む、ウェブブラウザデータを削除するシステム。
【請求項10】
前記定義済みグループ化条件は、共通の定義済み統一資源位置指定子部分を有する統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記定義済みグループ化条件は、定義済み統一資源位置指定子のグループに属する統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記定義済みグループ化条件は、定義済みウェブサイトカテゴリに関連付けられた統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記定義済みグループ化条件は、定義済みリスク評判に関連付けられた統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ削除管理部は、前記ウェブブラウザが前記ホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断してから定義済み時間が経過した後に、前記1つ以上の種類のデータを削除するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記削除ポリシーは、前記削除ポリシーが適用されるホスト名の論理グループを1つ以上指定する、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記ホスト名管理部及び前記データ削除管理部は、前記ウェブブラウザに組み込まれる、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェブブラウザデータを削除する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クッキーなどの機密データを記憶するウェブブラウザは、通常、ユーザがそのようなデータを手動で削除するか、又は、例えばウェブブラウザの実行を終了する場合などにそのようなデータを全て削除するようにウェブブラウザを構成することができる。残念ながら、このようなメカニズムは、そのようなデータにアクセスしようとする悪意のある行為者に対してある程度の保護を提供するが、必ずしも利用できるとは限らない、ユーザの意識及び注意力を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様では、ウェブブラウザデータを削除する方法が提供され、該方法は、統一資源位置指定子のホスト名セットを保存するステップであって、統一資源位置指定子のホスト名は、統一資源位置指定子がウェブブラウザによってアクセスされていることに応答して、ホスト名セットに追加され、統一資源位置指定子のホスト名は、論理グループを定義する1つ以上の定義済みグループ化条件のセット内の各条件が統一資源位置指定子によって満たされていると判断することに応答して、ホスト名セットに追加されるステップと、ホスト名セット内のホスト名に関連付けられた統一資源位置指定子に関連してウェブブラウザによって保存された1つ以上の種類のデータを削除するステップであって、削除される1つ以上の種類のデータを指定する定義済み削除ポリシーと、1つ以上の定義済み削除条件とに従って実行され、1つ以上の定義済み削除条件のセット内の各条件が満たされていると判断することと、ウェブブラウザがホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断することとに応答して実行されるステップと、を含む。
【0004】
本発明の他の態様では、定義済みグループ化条件は、共通の定義済み統一資源位置指定子部分を有する統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む。
【0005】
本発明の他の態様では、定義済みグループ化条件は、定義済み統一資源位置指定子のグループに属する統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む。
【0006】
本発明の他の態様では、定義済みグループ化条件は、定義済みウェブサイトカテゴリに関連付けられた統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む。
【0007】
本発明の他の態様では、定義済みグループ化条件は、定義済みリスク評判に関連付けられた統一資源位置指定子を論理的にグループ化する条件を含む。
【0008】
本発明の他の態様では、削除するステップは、ウェブブラウザがホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断してから定義済み時間が経過した後に実行される。
【0009】
本発明の他の態様では、削除ポリシーは、削除ポリシーが適用されるホスト名の論理グループを1つ以上指定する。
【0010】
本発明の他の態様は、ウェブブラウザが保存するステップ及び削除するステップを実行するように構成するステップを更に含む。
【0011】
本発明の他の態様では、ウェブブラウザデータを削除するシステムが提供され、該システムは、統一資源位置指定子のホスト名セットを保存するように構成されたホスト名管理部であって、統一資源位置指定子のホスト名は、統一資源位置指定子がウェブブラウザによってアクセスされていることに応答して、ホスト名セットに追加され、統一資源位置指定子のホスト名は、論理グループを定義する1つ以上の定義済みグループ化条件のセット内の各条件が統一資源位置指定子によって満たされていると判断することに応答して、ホスト名セットに追加される、ホスト名管理部と、ホスト名セット内のホスト名に関連付けられた統一資源位置指定子に関連してウェブブラウザによって保存された1つ以上の種類のデータを削除するように構成されたデータ削除管理部であって、削除される1つ以上の種類のデータを指定する定義済み削除ポリシーと、1つ以上の定義済み削除条件とに従って、1つ以上の種類のデータを削除するように構成され、1つ以上の定義済み削除条件のセット内の各条件が満たされていると判断することと、ウェブブラウザがホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断することとに応答して、1つ以上の種類のデータを削除するように構成された、データ削除管理部と、を含む。
【0012】
本発明の他の態様では、データ削除管理部は、ウェブブラウザがホスト名セット内のホスト名に関連付けられたいずれの統一資源位置指定子にも現在アクセスしていないと判断してから定義済み時間が経過した後に、1つ以上の種類のデータを削除するように構成される。
【0013】
本発明の他の態様では、ホスト名管理部及びデータ削除管理部は、ウェブブラウザに組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の態様は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことで、より完全に理解され認識されるであろう。
【0015】
【
図1A】本発明の実施形態に従って構成され動作する、ウェブブラウザデータを削除するシステムの簡略化した概念図である。
【
図1B】本発明の実施形態に従って動作する、
図1Aのシステムの例示的な動作方法の簡略化したフローチャート図である。
【
図2】本発明の実施形態に従って動作する、ホスト名セットにURLのホスト名を追加するソースコードの例である。
【
図3】本発明の実施形態に従って動作する、ウェブページの非アクティブ状態を検出するソースコードの例である。
【
図4】本発明の実施形態に従って動作する、URLのホスト名セットがどのようにIndexedDBを利用したGoogle Chrome(商標)ウェブブラウザによって保存され得るかを示す例である。
【
図5】本発明の実施形態に従って動作する、コンピュータにURL関連データを記憶する簡略化した方法である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここでは、
図1A及び
図1Bを参照し、
図1Aは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、ウェブブラウザデータを削除するシステムの簡略化した概念図であり、
図1Bは、本発明の実施形態に従って動作する、
図1Aのシステムの例示的な動作方法の簡略化したフローチャート図である。
図1Aのシステム及び
図1Bの方法では、ウェブブラウザ100は、従来のウェブブラウザの機能、例えばGoogle(商標)Chromium(商標)アーキテクチャに基づく機能を組み込むように構成され、更に、以下に説明するように動作するように構成される。ウェブブラウザ100は、インターネットなどのコンピュータネットワーク104に接続されたホストコンピュータ102などの任意の計算デバイスによってホストされ得る。
【0017】
ウェブブラウザ100は、ウェブブラウザ100によってアクセスされる統一資源位置指定子(ユニフォームリソースロケータ、URL)の1つ以上のホスト名セット108を保存するように構成されたホスト名管理部106を含む。ウェブブラウザ100がURLにアクセスする場合、ホスト名管理部106は、URLが1つ以上の定義済み(predefined)グループ化条件セット110で指定された条件を満たしているか否かを判断し、各グループ化条件セット110は、URLの論理グループを定義する。例えば、セット110は、以下のグループ化条件のうちの1つ以上を含んでもよい。
・同一のホスト名(例えば、「salesforce.com」)を含むURLなどの共通部分を有するURL
・複数の関連するホスト名の定義済みリストにホスト名が存在する(例えば、同一のアプリケーションで共有される)URL
・URLの定義済みグループに属するURL
・サードパーティのウェブサイトカテゴリプロバイダーによって提供され得るURLなどの同一のウェブサイトカテゴリに関連付けられたURL
・提供されるサードパーティのウェブサイトのリスク評判によって提供され得るURLなどの同一のリスク評判を共有するURL
【0018】
ウェブブラウザ100によってアクセスされ、かつ所定のグループ化条件セット110で指定された同一の条件を満たすURLのホスト名は、ホスト名管理部106によって同一のホスト名セット108に追加される。したがって、例えば、所定のグループ化条件セット110で、同一のウェブサイトカテゴリに関連付けられたURLが論理的にグループ化されることが指定される場合、「銀行ウェブサイト」のウェブサイトカテゴリに関連付けられたURLのホスト名は、ホスト名管理部106によって1つのホスト名セット108に全て追加され、「エンターテイメントウェブサイト」のウェブサイトカテゴリに関連付けられたURLのホスト名は、ホスト名管理部106によって別のホスト名セット108に全て追加される。ウェブブラウザ100には、グループ化条件セット110が予め設定されてもよい。追加的又は代替的に、グループ化条件セット110は、システム管理者によって、例えば米国特許出願第17/740457号に記載された技術に従ってコンピュータサーバー112からウェブブラウザ100に提供され得る。
【0019】
ウェブブラウザ100は、任意のホスト名セット108内のホスト名に関連してウェブブラウザ100によって保存された1つ以上の種類のデータ116を削除するように構成された、データ削除管理部114を更に含む。ウェブブラウザ100は、削除される種類のデータを指定する定義済み削除ポリシー118と、1つ以上の削除条件とに従って、データを削除する。また、各削除ポリシー118は、削除ポリシー118が適用されるホスト名の論理グループを1つ以上指定することが好ましい。
【0020】
削除ポリシー118がその削除を指定し得る種類のデータのいくつかの例は、クッキー、キャッシュデータ、HTML5ローカルストレージ、閲覧履歴などを含む。削除条件のいくつかの例は、
・ホスト名セット内の任意のホスト名に関連付けられた任意のウェブページでキーボード又はマウスのインタラクションが行われていない定義済み時間が経過したという条件と、
・ホスト名セット内の任意のホスト名に関連付けられたウェブページが表示されたウェブブラウザのタブが閉じられたという条件と、
・コンピュータがロックされたという条件と、
・ウェブブラウザをホストするコンピュータがアイドル状態になる定義済み時間が経過したという条件と、
・ウェブブラウザがその実行を自己終了するという条件と、
・ウェブブラウザの実行が終了されたが自己によって終了されていない場合、ウェブブラウザが再起動されたという条件と、
・現在時刻が指定時刻であるという条件と、
・指定されたコンピュータの動作が変更されており、例えば、ウェブブラウザをホストするコンピュータでアンチウイルスソフトウェアの動作が停止するという条件と、
・特定のコンピュータネットワークの特性が変更されており、例えば、コンピュータがその接続を承認済みネットワークから承認されていないネットワークに切り替えたという条件と、
・ウェブブラウザ又はウェブブラウザをホストするコンピュータがシステム管理者から命令を受け取って、例えば、全てのユーザをsalesforce.comのURLからログアウトするという条件と
を含む。
【0021】
ウェブブラウザ100は、所定のホスト名セット108毎に、また、所定のホスト名セット108に適用可能な所定の削除ポリシー118毎に、所定の削除ポリシー118内の各削除条件が満たされているか否かを判断し、更に、ウェブブラウザ100が所定のホスト名セット108内のホスト名に関連付けられたいずれかのURLに現在アクセスしているか否かを判断する。所定の削除ポリシー118内の各削除条件が満たされている場合、また、ウェブブラウザ100が所定のホスト名セット108内のホスト名に関連付けられたいずれのURLにも現在アクセスしていない場合、ウェブブラウザ100は、所定のホスト名セット108内のホスト名に関連してウェブブラウザ100によって保存された、所定の削除ポリシー118によって指定される種類のデータを削除する。ウェブブラウザ100は、選択可能に、ウェブブラウザ100が所定のホスト名セット108内のホスト名に関連付けられたいずれのURLにも現在アクセスしていないと判断してから定義済み「猶予」時間が経過した後にのみ削除を行うように構成され、猶予時間は、所定の削除ポリシー118によって示されてもよい。ウェブブラウザ100には、削除ポリシー118が予め設定されてもよい。追加的又は代替的に、削除ポリシー118は、システム管理者によって、例えば米国特許出願第17/740457号に記載された技術に従ってコンピュータサーバー112からウェブブラウザ100に提供され得る。
【0022】
以下、
図2及び
図3を参照して、
図1Aのシステム及び
図1Bの方法の態様を実施するソースコードの例を示す。以下、
図4を参照して、ホスト名セット108がどのようにGoogle Chrome(商標)ウェブブラウザによって保存され得るかを示す例が示される。
【0023】
ホスト名セットにホスト名を追加するソースコードの例を
図2に示す。この例では、データ構造は、関心のあるホスト名を記憶するために保存される。URLが
図1Aのウェブブラウザ100などのウェブブラウザによってアクセスされるとき、URLのホスト名がホスト名の論理グループの一部としてデータ構造の既存のレコードにまだ記憶されていない場合、論理グループに対して新しいレコードが作成され、ホスト名が新しいレコードに記憶される。レコードを有する論理グループの基準をURLが満たす場合、URLのホスト名は、レコードに追加され、論理グループに関連付けられたタイムスタンプが更新される。
【0024】
ウェブページの非アクティブ状態を検出するソースコードの例を
図3に示す。この例では、ホスト名を追跡するデータ構造は、データ削除に関するイベントがトリガーされたときにクエリが行われ、クエリは、ホスト名の論理グループのレベルで実行され、タイムスタンプが指定された時間でアクティブでないことを示すグループを検索し、これは、システム管理者が設定できることが好ましい。次に、コードは、論理グループ内のホスト名に関連付けられたURLがウェブブラウザのタブによって現在アクセスされているか否かを判断する。論理グループ内のホスト名に関連付けられたURLがウェブブラウザのタブによって現在アクセスされていない場合、論理グループ内のホスト名に関連付けられた任意のURLに関連してウェブブラウザによって記憶されたデータをその後に削除する。そうでなければ、論理グループのタイムスタンプを更新し、このグループの更なるチェックを遅らせる。
【0025】
ホスト名セットがどのようにIndexedDBを利用したGoogle Chrome(商標)ウェブブラウザによって保存され得るかを示す例を
図4に示す。この例は、ホスト名の論理グループを追跡するために使用されるデータ構造を示し、各論理グループは、唯一の論理グループIDと、グループ内のホスト名のリストと、グループで最後に開いているタブがチェックされた日時を示すタイムスタンプを有する。
【0026】
ここで、
図5を参照し、
図5は、本発明の実施形態に従って動作する、コンピュータにURL関連データを記憶する簡略化した方法である。
図1Aのウェブブラウザ100で使用できる
図5の方法では、ユーザ関連暗号鍵を、
図1Aのコンピュータサーバー112などのコンピュータサーバーによってウェブブラウザ100などのウェブブラウザに提供する。ユーザ関連暗号鍵を、例えば米国特許出願第17/740457号に記載された技術に従って、ウェブブラウザのユーザがコンピュータサーバーによって認証された後にウェブブラウザに提供する。ユーザ関連暗号鍵は、ウェブブラウザ又はウェブブラウザをホストするコンピュータと組み合わせて、ユーザに一意的に関連付けられることが好ましい。ウェブブラウザの使用中にユーザによってアクセスされるURLに関連してウェブブラウザによって記憶される全てのデータを、従来技術に従ってウェブブラウザをホストするコンピュータがウェブブラウザに提供するコンピュータ提供の暗号鍵とユーザ関連暗号鍵との組み合わせである暗号鍵を使用してウェブブラウザによって暗号化した後、ウェブブラウザをホストするコンピュータに記憶する。コンピュータ提供の暗号鍵は、例えば、Microsoft Windows(商標) Data Protection Application Programming Interface(データ保護アプリケーションプログラミングインタフェース、DPAPI)によって提供されてもよく、Apple macOS(商標)オペレーティングシステムのKeychain Access(キーチェーン・アクセス)アプリケーションによって記憶される、ランダムに生成された鍵であってもよい。ユーザ関連暗号鍵とコンピュータ提供の暗号鍵は、単純連結などの従来手段に従って組み合わせることができる。暗号化されたデータは、任意のデータ記憶媒体に記憶することができる。その後、ウェブブラウザは、このように暗号化されたデータがウェブブラウザで必要となった場合、組み合わせられた鍵を使用してデータを復号する。
【0027】
図5の方法は、例えば、ChromiumのCanonicalCookieの実装を、CanonicalCookieの値を保存するEncryptedCanonicalCookieクラスに拡張することにより、Google(商標)Chromium(商標)アーキテクチャに基づくウェブブラウザによって実装でき、該値は、ユーザ関連暗号鍵とコンピュータ提供の暗号鍵との組み合わせを使用して暗号化され、鍵を保存するプロセスによってEncryptedCanonicalCookie::Value()が呼び出されるときに、好ましくはメモリ内の値が必要になる直前に復号される。
【0028】
本明細書に記載された本発明のいかなる態様も、コンピュータハードウェア及び/又は従来技術に従って非一時的コンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータソフトウェアで実装することができ、コンピュータハードウェアは、従来技術に従って相互運用する1つ以上のコンピュータプロセッサ、コンピュータメモリ、I/Oデバイス及びネットワークインタフェースを含む。
【0029】
なお、本明細書で使用される「プロセッサ」又は「デバイス」という用語は、例えば、CPU(中央処理装置)及び/又はその他の処理回路を含むものなど、あらゆる処理デバイスを含むことを意図している。また、「プロセッサ」又は「デバイス」という用語は、複数の処理デバイスを指してもよく、処理デバイスに関連付けられた様々な要素は、他の処理デバイスによって共有されてもよいことを理解されたい。
【0030】
本明細書で使用される「メモリ」という用語は、例えば、RAM、ROM、固定メモリデバイス(例えば、ハードドライブ)、リムーバブルメモリデバイス(例えば、ディスケット)、フラッシュメモリなど、プロセッサ又はCPUに関連付けられたメモリを含むことを意図している。このようなメモリは、コンピュータ可読記憶媒体とみなすことができる。
【0031】
更に、本明細書で使用される「入力/出力デバイス」又は「I/Oデバイス」という用語は、例えば、処理ユニットにデータを入力する1つ以上の入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、スキャナなど)、及び/又は、処理ユニットに関連付けられた、結果を提示する1つ以上の出力デバイス(例えば、スピーカ、ディスプレイ、プリンタなど)を含むことを意図している。
【0032】
本発明の実施形態は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品を含んでもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるための、コンピュータ可読プログラム命令を有する、コンピュータ可読記憶媒体(又は、複数の媒体)を含んでもよい。
【0033】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保存し記憶することができる、有形のデバイスであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は、前述のものの任意の適切な組み合わせであってもよいが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク(登録商標)、命令が記録されるパンチカード又は溝内の一段高い構造などの機械的に符号化されるデバイス、及び、前述のものの任意の適切な組み合わせが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、本質的に、電波もしくは他の自由伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を介して伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、又は、電線を介して伝送される電気信号などの、一時的な信号であると解釈すべきではない。
【0034】
本明細書で説明するコンピュータ可読プログラム命令は、それぞれの計算/処理デバイスにコンピュータ可読記憶媒体から、或いは、外部コンピュータ又は外部記憶デバイスに、ネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又はワイヤレスネットワークを介してダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。各計算/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースが、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれの計算/処理デバイスの内部のコンピュータ可読記憶媒体での記憶のために転送する。
【0035】
本発明の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態セッティングデータ、又は、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き表される、ソースコードもしくはオブジェクトコードのいずれかであってもよく、それらのプログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む。コンピュータ可読プログラム命令は、全体的にユーザのコンピュータで実行されてもよく、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータで実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータで実行され、かつ部分的にリモートコンピュータで実行されてもよく、全体的にリモートコンピュータ又はサーバで実行されてもよい。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータと接続されてもよく、(例えば、インターネットサービスプロバイダを利用したインターネットを介して)外部コンピュータと接続されてもよい。一部の実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路網、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0036】
本発明の態様は、本明細書では、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品の、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
【0037】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為を実装する手段を創出するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンを作り出すものであってもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は更に、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置及び/又は他のデバイスに対して特定の方法で機能するように指示できるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されるものであってもよい。
【0038】
コンピュータ可読プログラム命令は更に、コンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイスで実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為を実装するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置又は他のデバイスにロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイスで一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装プロセスを生み出すものであってもよい。
【0039】
図面におけるフローチャート図及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に係る、システム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能及び動作を示す。これに関して、フローチャート図又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装する1つ以上の実行可能なコンピュータ命令を含む、モジュール、セグメント又はコンピュータ命令の一部を表し得る。一部の代替的実装形態では、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序と異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、これらのブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。なお、フローチャート図及びブロック図の各ブロック、並びにこのようなブロックの組み合わせは、指定された機能又は行為を実行する専用のハードウェアベースのシステム及び/又はソフトウェアベースのシステムによって実装することができる。
【0040】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたものであるが、網羅的であることも、開示された実施形態に限定することも意図されていない。説明された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく多くの変更及び変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【国際調査報告】