(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ステントを設計するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/60 20180101AFI20241217BHJP
【FI】
G16H40/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535264
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2022062063
(87)【国際公開番号】W WO2023111808
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522123500
【氏名又は名称】ビター・メディカル・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VITAA MEDICAL SOLUTIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォドリンガー,ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ランディ・ディ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法であって、動脈瘤を含む身体部分の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することと、身体部分に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信することと、第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、表示のために第2の画像を提供することと、各基準点について、それぞれの直径を算出することと、基準点の位置を使用して少なくとも1つの長さを算出することと、それぞれの直径および少なくとも1つの長さを出力することとを含む、コンピュータが実行する方法が説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法であって、
被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、前記身体部分は、少なくとも胸部大動脈の腎下セグメントと、前記胸部大動脈の前記腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、
複数の基準点の各々の位置を受信することであって、前記基準点は、少なくとも、前記腎上セグメントの変曲点と、前記動脈瘤の首部の底部と、前記動脈瘤の底部と、前記左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、前記右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の首部の前記底部の前記位置を使用して前記首部の第1の長さを算出し、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点の前記位置および前記第2の点の前記位置を使用して左着地領域の第2の長さを算出し、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点の前記位置および前記第2の点の前記位置を使用して右着地領域の第3の長さを算出し、前記基準点のうちのいくつかの前記位置を使用して前記ステントの左脚の第4の長さおよび前記ステントの右脚の第5の長さを算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の前記首部の前記底部の前記位置を使用して腎上首部角度を算出し、前記動脈瘤の前記首部の前記底部の位置および前記動脈瘤の前記底部の前記位置を使用して腎下首部角度を算出することと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を出力することと
を含む、コンピュータが実行する方法。
【請求項2】
前記視覚マーカが中心線に直交する、請求項1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項3】
前記第4の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定され、前記第5の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定される、請求項1または2に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項4】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用して前記ステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項3に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項5】
前記左総腸骨動脈と前記右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を受信することをさらに含む、請求項1または2に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項6】
前記分岐点における前記腎下セグメントの直径を算出して出力することをさらに含む、請求項5に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項7】
前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置ならびに前記分岐点の前記位置を使用して第6の長さを決定することをさらに含み、前記第4の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施され、前記第5の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施される、請求項5または6に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項8】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さ、前記第5の長さおよび前記第6の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を使用してステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項3に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項9】
前記出力することは、各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を表示のために提供することを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項10】
前記視覚マーカの新たな位置を受信することと、
前記視覚マーカを前記第2の画像内の前記新たな位置に移動させることであって、以て、更新済み画像を取得する、移動させることと、
表示のために前記更新済み画像を提供することと、
前記新たな位置においてさらなる直径を算出することと
をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項11】
前記新たな位置にある前記視覚マーカは、前記中心線に直交する、請求項10に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項12】
前記さらなる直径を表示のために提供することをさらに含む、請求項10または11に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項13】
前記胸部大動脈の定型化された腎下セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む、前記身体部分の基準画像を生成することと、
前記基準画像内に前記複数の基準点の各々の視覚インジケータを挿入することと、
前記基準画像を表示のために提供することと
をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項14】
前記基準画像は、それぞれの基準点に各々関連付けられた複数の対話型ボックスをさらに含む、請求項13に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項15】
前記第1の画像内に前記視覚マーカを前記挿入することは、所与の1つの前記対話型ボックスが選択されたという指示を受信した後にのみ実施される、請求項14に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項16】
前記3Dモデルが、局所的大動脈脆弱性(RAW:regional aortic weakness)マップ、歪みマップ、解剖学構造マップ、管腔内血栓(ILT:intraluminal thrombus)マップ、および成長マップのうちの1つを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項17】
前記それぞれの直径は、最大直径、最小直径、および所与の円相当径のうちの1つを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項18】
前記第1の総腸骨動脈および前記第2の総腸骨動脈の各々について、それぞれの腸骨点を受信することと、
前記それぞれの腸骨点におけるそれぞれの湾曲角度を算出することと
をさらに含む、請求項1~17のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項19】
表示のために前記それぞれの湾曲角度を提供することをさらに含む、請求項18に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項20】
前記3Dモデルの識別情報を受信することと、データベースから前記3Dモデルを取り出すこととをさらに含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項21】
前記身体部分が、前記胸部大動脈の腎上セグメントの少なくとも一部分をさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項22】
前記動脈瘤の最大直径を算出することと、
表示のために前記動脈瘤の前記最大直径を提供することと
をさらに含む、請求項1~21のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項23】
前記ステントの前記画像を前記生成することは、事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびに前記ステントの前記本体の前記所与の所定長を使用して、前記事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、前記適切なステント片は、ともに前記ステントを形成する、選択することと、
前記適切なステント片の画像を使用して前記ステントの前記画像を生成することと
を含む、請求項4に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項24】
前記ステントの前記画像を前記生成することは、
事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さ、前記第5の長さおよび前記第6の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を使用して、前記事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、前記適切なステント片は、ともに前記ステントを形成する、選択することと、
前記適切なステント片の画像を使用して前記ステントの前記画像を生成することと
を含む、請求項8に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項25】
ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法であって、
動脈瘤を含む身体部分の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することと、
前記身体部分に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記基準点の前記位置を使用して少なくとも1つの長さを算出することと、
前記それぞれの直径および少なくとも1つの長さを出力することと
を含む、コンピュータが実行する方法。
【請求項26】
ステントを設計するためのシステムであって、
プロセッサと、
命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記プロセッサは、前記命令の実行を受けて、
被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、前記身体部分は、少なくとも胸部大動脈の腎下セグメントと、前記胸部大動脈の前記腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、
複数の基準点の各々の位置を受信することであって、前記基準点は、少なくとも、前記腎上セグメントの変曲点と、前記動脈瘤の首部の底部と、前記動脈瘤の底部と、前記左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、前記右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の首部の前記底部の前記位置を使用して前記首部の第1の長さを算出し、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点の位置および前記第2の点の前記位置を使用して左着地領域の第2の長さを算出し、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点の位置および前記第2の点の位置を使用して右着地領域の第3の長さを算出し、前記基準点のうちのいくつかの前記位置を使用して前記ステントの左脚の第4の長さおよび前記ステントの右脚の第5の長さを算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の前記首部の前記底部の前記位置を使用して腎上首部角度を算出し、前記動脈瘤の前記首部の前記底部の前記位置および前記動脈瘤の前記底部の前記位置を使用して腎下首部角度を算出することと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を出力することと
を行うように構成されている、システム。
【請求項27】
前記視覚マーカが中心線に直交する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第4の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定され、前記第5の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定される、請求項26または27に記載のシステム。
【請求項29】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用して前記ステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記左総腸骨動脈と前記右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を受信することをさらに含む、請求項26または27に記載のシステム。
【請求項31】
前記分岐点における前記腎下セグメントの直径を算出して出力することをさらに含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置ならびに前記分岐点の前記位置を使用して第6の長さを決定することをさらに含み、前記第4の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施され、前記第5の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施される、請求項30または31に記載のシステム。
【請求項33】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さ、前記第5の長さおよび前記第6の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を使用してステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
前記出力することは、各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を表示のために提供することを含む、請求項26~33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記視覚マーカの新たな位置を受信することと、
前記視覚マーカを前記第2の画像内の前記新たな位置に移動させることであって、以て、更新済み画像を取得する、移動させることと、
表示のために前記更新済み画像を提供することと、
前記新たな位置においてさらなる直径を算出することと
をさらに含む、請求項26~34のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記新たな位置にある前記視覚マーカは、前記中心線に直交する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記さらなる直径を表示のために提供することをさらに含む、請求項35または36に記載のシステム。
【請求項38】
前記胸部大動脈の定型化された腎下セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む、前記身体部分の基準画像を生成することと、
前記基準画像内に前記複数の前記基準点の各々の視覚インジケータを挿入することと、
前記基準画像を表示のために提供することと
をさらに含む、請求項26~37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項39】
前記基準画像は、それぞれの基準点に各々関連付けられた複数の対話型ボックスをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1の画像内に前記視覚マーカを前記挿入することは、所与の前記対話型ボックスが選択されたという指示を受信した後にのみ実施される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記3Dモデルが、局所的大動脈脆弱性(RAW:regional aortic weakness)マップ、歪みマップ、解剖学構造マップ、管腔内血栓(ILT:intraluminal thrombus)マップ、および成長マップのうちの1つを含む、請求項26~40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
前記それぞれの直径は、最大直径、最小直径、および所与の円相当径のうちの1つを含む、請求項26~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の総腸骨動脈および前記第2の総腸骨動脈の各々について、それぞれの腸骨点を受信することと、
前記それぞれの腸骨点におけるそれぞれの湾曲角度を算出することと
をさらに含む、請求項26~42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
表示のために前記それぞれの湾曲角度を提供することをさらに含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記3Dモデルの識別情報を受信することと、データベースから前記3Dモデルを取り出すこととをさらに含む、請求項26~44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記身体部分が、前記胸部大動脈の腎上セグメントの少なくとも一部分をさらに含む、請求項26~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記動脈瘤の最大直径を算出することと、
表示のために前記動脈瘤の前記最大直径を提供することと
をさらに含む、請求項26~46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
前記ステントの前記画像を前記生成することは、
事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびに前記ステントの前記本体の前記所与の所定長を使用して、前記事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、前記適切なステント片は、ともに前記ステントを形成する、選択することと、
前記適切なステント片の画像を使用して前記ステントの前記画像を生成することと
を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項49】
前記ステントの前記画像を前記生成することは、
事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さ、前記第5の長さおよび前記第6の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を使用して、前記事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、前記適切なステント片は、ともに前記ステントを形成する、選択することと、
前記適切なステント片の画像を使用して前記ステントの前記画像を生成することと
を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項50】
ステントを設計するためのシステムであって、
プロセッサと、
命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記プロセッサは、前記命令の実行を受けて、
動脈瘤を含む身体部分の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することと、
前記身体部分に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記基準点の前記位置を使用して少なくとも1つの長さを算出することと、
前記それぞれの直径および少なくとも1つの長さを出力することと
を行うように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本技術は、医療撮像、外科計画、外科手術実行および血管系の分野に関する。より詳細には、本技術は、ステントを設計するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
血管組織の幾何学的形状の測定は、術前患者モニタリング、および外科的介入の計画のために、切開および経皮修復の両方で必要とされる。ステントおよび移植片が個々の患者の解剖学構造のために適切にサイズ決定され、適切に構築されることを確実にするために、外科計画が必要とされる。ステントのサイズ決定および構築の誤りは、遅延した、不適切なまたは不正確な処置をもたらし得るか、または死亡を含む重篤な合併症をもたらし得る。
【0003】
幾何学的測定は、一般に、CT、MRI、および3D超音波モダリティを含む3D医療撮像に基づく。典型的には、対象の血管は、手動または自動のいずれかでセグメント化され、コンピュータ画面上で医師に提示される。医師は、しばしば電子ノギスを使用して、直径、角度、および長さを含む幾何学的測定を行う。しかしながら、動脈などの血管組織は、複数の平面内で湾曲およびねじれを生じる複雑な三次元構造であり、二次元コンピュータ画面上で正確に測定することは困難である。
【0004】
医師は、より正確な測定を可能にするように設計されたいくつかの高度な撮像技法を使用して血管の幾何学的形状を測定するために3D医療撮像プログラムを使用することが多い。しかしながら、これらの高度な撮像技法は、極めて複雑で使用に時間がかかり、人為的誤りを起こしやすい。
【0005】
したがって、ステントを設計するための改善された方法およびシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
概要
本技術の目的は、従来技術に存在する不都合の少なくとも一部を改善することである。本技術の1つまたは複数の実施形態は、本技術の目標および目的を達成する手法および/または方法を提供し、および/または、その範囲を拡大することができる。
【0007】
本技術の開発者は、ステントを設計するための本技法が、被検者の解剖学構造のパラメータの測定について医療施術者に依存しているため、不正確であり得ることを認識している。しかしながら、動脈などの血管組織は、複数の平面内で湾曲およびねじれを生じる複雑な三次元構造であり、2Dコンピュータ画面上で正確に測定することは困難である。
【0008】
本方法およびシステムは、正確度を実質的に損なうことなく、はるかに迅速なステント計画を可能にする。それらはさらに、湾曲したまたは多平面の再構成に依存せず、医療施術者によく知られている3D解剖学構造を歪めず、電子ノギスに依存せず、高度に自動化され、以てユーザの労力を最小限に抑えるステント計画システムを可能にする。これは、ステントの設計におけるより少ない誤差およびより良好な患者転帰をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の広い態様によれば、ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法であって、被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、身体部分は、少なくとも胸部大動脈の腎下セグメントと、胸部大動脈の腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、複数の基準点の各々の位置を受信することであって、基準点は、少なくとも、腎上セグメントの変曲点と、動脈瘤の首部の底部と、動脈瘤の底部と、左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、表示のために第2の画像を提供することと、各基準点について、それぞれの直径を算出することと、腎上セグメントの変曲点の位置および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して首部の第1の長さを算出し、左総腸骨動脈上の第1の点の位置および第2の点の位置を使用して左着地領域の第2の長さを算出し、右総腸骨動脈上の第1の点の位置および第2の点の位置を使用して右着地領域の第3の長さを算出し、基準点のうちのいくつかの位置を使用してステントの左脚の第4の長さおよびステントの右脚の第5の長さを算出することと、腎上セグメントの変曲点の位置および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して腎上首部角度を算出し、動脈瘤の首部の底部の位置および動脈瘤の底部の位置を使用して腎下首部角度を算出することと、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を出力することとを含む、コンピュータが実行する方法が提供される。
【0010】
1つの実施形態において、視覚マーカは中心線に直交する。
1つの実施形態において、第4の長さは、変曲点および首部の底部のうちの一方の位置、ならびに、左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して決定され、第5の長さは、変曲点および首部の底部のうちの一方の位置、ならびに、右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して決定される。
【0011】
1つの実施形態において、本方法は、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度、腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用してステントの画像を生成することと、画像上のステントの画像を第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、表示のためにさらなる画像を提供することとをさらに含む。
【0012】
1つの実施形態において、本方法は、左総腸骨動脈と右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を受信することをさらに含む。
【0013】
1つの実施形態において、本方法は、分岐点における腎下セグメントの直径を算出して出力することをさらに含む。
【0014】
1つの実施形態において、本方法は、変曲点および首部の底部のうちの一方の位置ならびに分岐点の位置を使用して第6の長さを決定することをさらに含み、上記第4の長さを上記算出することは、分岐点の位置ならびに左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して実施され、上記第5の長さを上記算出することは、分岐点の位置ならびに右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して実施される。
【0015】
1つの実施形態において、本方法は、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さ、第5の長さおよび第6の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を使用してステントの画像を生成することと、画像上のステントの画像を第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、表示のためにさらなる画像を提供することとをさらに含む。
【0016】
1つの実施形態において、出力するステップは、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度および腎下首部角度を表示のために提供するステップを含む。
【0017】
1つの実施形態において、本方法は、視覚マーカの新たな位置を受信することと、視覚マーカを第2の画像内の新たな位置に移動させることであって、以て、更新済み画像を取得する、移動させることと、表示のために更新済み画像を提供することと、新たな位置においてさらなる直径を算出することとをさらに含む。
【0018】
1つの実施形態において、新たな位置の視覚マーカは中心線に直交する。
1つの実施形態において、本方法は、表示のためにさらなる直径を提供することをさらに含む。
【0019】
1つの実施形態において、本方法は、胸部大動脈の定型化された腎下セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む、身体部分の基準画像を生成することと、基準画像内に複数の基準点の各々の視覚インジケータを挿入することと、基準画像を表示のために提供することとをさらに含む。
【0020】
1つの実施形態において、基準画像は、それぞれの基準点に各々関連付けられた複数の対話型ボックスをさらに含む。
【0021】
1つの実施形態において、第1の画像内に視覚マーカを挿入するステップは、所与の1つの対話型ボックスが選択されたという指示を受信した後にのみ実施される。
【0022】
1つの実施形態において、3Dモデルは、RAWマップ、歪みマップ、解剖学構造マップ、ILTマップ、および成長マップのうちの1つを含む。
【0023】
1つの実施形態において、それぞれの直径は、最大直径、最小直径、および所与の円相当径のうちの1つを含む。
【0024】
1つの実施形態において、本方法は、第1および第2の総腸骨動脈の各々について、それぞれの腸骨点を受信することと、それぞれの腸骨点におけるそれぞれの湾曲角度を算出することとをさらに含む。
【0025】
1つの実施形態において、本方法は、表示のためにそれぞれの湾曲角度を提供することをさらに含む。
【0026】
1つの実施形態において、本方法は、3Dモデルの識別情報を受信することと、データベースから3Dモデルを取り出すこととをさらに含む。
【0027】
1つの実施形態において、身体部分は、胸部大動脈の腎上セグメントの少なくとも一部分をさらに含む。
【0028】
1つの実施形態において、本方法は、動脈瘤の最大直径を算出することと、表示のために動脈瘤の最大直径を提供することとをさらに含む。
【0029】
1つの実施形態において、ステントの画像を生成するステップは、事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスするステップと、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度、腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用して、事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択するステップであって、適切なステント片は、ともにステントを形成する、選択するステップと、適切なステント片の画像を使用してステントの画像を生成するステップとを含む。
【0030】
1つの実施形態において、ステントの画像を生成するステップは、事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスするステップと、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さ、第5の長さおよび第6の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を使用して、事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択するステップであって、適切なステント片は、ともにステントを形成する、選択するステップと、適切なステント片の画像を使用してステントの画像を生成するステップとを含む。
【0031】
別の広範な態様によれば、ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法であって、動脈瘤を含む身体部分の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することと、身体部分に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信することと、第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、表示のために第2の画像を提供することと、各基準点について、それぞれの直径を算出することと、基準点の位置を使用して少なくとも1つの長さを算出することと、それぞれの直径および少なくとも1つの長さを出力することとを含む、コンピュータが実行する方法が提供される。
【0032】
さらなる広範な態様によれば、ステントを設計するためのシステムであって、プロセッサと、命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備え、プロセッサは、命令の実行を受けて、被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、身体部分は、少なくとも胸部大動脈の腎下セグメントと、胸部大動脈の腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、複数の基準点の各々の位置を受信することであって、基準点は、少なくとも、腎上セグメントの変曲点と、動脈瘤の首部の底部と、動脈瘤の底部と、左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、表示のために第2の画像を提供することと、各基準点について、それぞれの直径を算出することと、腎上セグメントの変曲点の位置および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して首部の第1の長さを算出し、左総腸骨動脈上の第1の点の位置および第2の点の位置を使用して左着地領域の第2の長さを算出し、右総腸骨動脈上の第1の点の位置および第2の点の位置を使用して右着地領域の第3の長さを算出し、基準点のうちのいくつかの位置を使用してステントの左脚の第4の長さおよびステントの右脚の第5の長さを算出することと、腎上セグメントの変曲点の位置および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して腎上首部角度を算出し、動脈瘤の首部の底部の位置および動脈瘤の底部の位置を使用して腎下首部角度を算出することと、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を出力することとを行うように構成されている、システムが提供される。
【0033】
1つの実施形態において、視覚マーカは中心線に直交する。
1つの実施形態において、第4の長さは、変曲点および首部の底部のうちの一方の位置、ならびに、左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して決定され、第5の長さは、変曲点および首部の底部のうちの一方の位置、ならびに、右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して決定される。
【0034】
1つの実施形態において、プロセッサは、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度、腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用してステントの画像を生成することと、画像上のステントの画像を第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、表示のためにさらなる画像を提供することとを行うようにさらに構成されている。
【0035】
1つの実施形態において、プロセッサは、左総腸骨動脈と右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を受信するようにさらに構成されている。
【0036】
1つの実施形態において、プロセッサは、分岐点における腎下セグメントの直径を算出して出力するようにさらに構成されている。
【0037】
1つの実施形態において、プロセッサは、変曲点および首部の底部のうちの一方の位置ならびに分岐点の位置を使用して第6の長さを決定するようにさらに構成されており、上記第4の長さを上記算出することは、分岐点の位置ならびに左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して実施され、上記第5の長さを上記算出することは、分岐点の位置ならびに右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点のうちの一方の位置を使用して実施される。
【0038】
1つの実施形態において、プロセッサは、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さ、第5の長さおよび第6の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を使用してステントの画像を生成することと、画像上のステントの画像を第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、表示のためにさらなる画像を提供することとを行うようにさらに構成されている。
【0039】
1つの実施形態において、上記出力することは、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を表示のために提供することを含む。
【0040】
1つの実施形態において、プロセッサは、視覚マーカの新たな位置を受信することと、視覚マーカを第2の画像内の新たな位置に移動させることであって、以て、更新済み画像を取得する、移動させることと、表示のために更新済み画像を提供することと、新たな位置においてさらなる直径を算出することとを行うようにさらに構成されている。
【0041】
1つの実施形態において、新たな位置の視覚マーカは中心線に直交する。
1つの実施形態において、プロセッサは、表示のためにさらなる直径を提供するようにさらに構成されている。
【0042】
1つの実施形態において、プロセッサは、胸部大動脈の定型化された腎下セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む、身体部分の基準画像を生成することと、基準画像内に複数の基準点の各々の視覚インジケータを挿入することと、基準画像を表示のために提供することとを行うようにさらに構成されている。
【0043】
1つの実施形態において、基準画像は、それぞれの基準点に各々関連付けられた複数の対話型ボックスをさらに含む。
【0044】
1つの実施形態において、上記第1の画像内に視覚マーカを上記挿入することは、所与の対話型ボックスが選択されたという指示を受信した後にのみ実施される。
【0045】
1つの実施形態において、3Dモデルは、RAWマップ、歪みマップ、解剖学構造マップ、ILTマップ、および成長マップのうちの1つを含む。
【0046】
1つの実施形態において、それぞれの直径は、最大直径、最小直径、および所与の円相当径のうちの1つを含む。
【0047】
1つの実施形態において、プロセッサは、第1および第2の総腸骨動脈の各々について、それぞれの腸骨点を受信することと、それぞれの腸骨点におけるそれぞれの湾曲角度を算出することとを行うようにさらに構成されている。
【0048】
1つの実施形態において、プロセッサは、表示のためにそれぞれの湾曲角度を提供するようにさらに構成されている。
【0049】
1つの実施形態において、プロセッサは、3Dモデルの識別情報を受信することと、データベースから3Dモデルを取り出すこととを行うようにさらに構成されている。
【0050】
1つの実施形態において、身体部分は、胸部大動脈の腎上セグメントの少なくとも一部分をさらに含む。
【0051】
1つの実施形態において、プロセッサは、動脈瘤の最大直径を算出することと、表示のために動脈瘤の最大直径を提供することとを行うようにさらに構成されている。
【0052】
1つの実施形態において、上記ステントの画像を上記生成することは、事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度、腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用して、事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、適切なステント片は、ともにステントを形成する、選択することと、適切なステント片の画像を使用してステントの画像を生成することとを含む。
【0053】
1つの実施形態において、上記ステントの画像を上記生成することは、事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さ、第5の長さおよび第6の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を使用して、事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、適切なステント片は、ともにステントを形成する、選択することと、適切なステント片の画像を使用してステントの画像を生成することとを含む。
【0054】
さらに別の広範な態様によれば、ステントを設計するためのシステムであって、プロセッサと、命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備え、プロセッサは、命令の実行を受けて、動脈瘤を含む身体部分の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することと、身体部分に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信することと、第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、表示のために第2の画像を提供することと、各基準点について、それぞれの直径を算出することと、基準点の位置を使用して少なくとも1つの長さを算出することと、それぞれの直径および少なくとも1つの長さを出力することとを行うように構成されている、システムが提供される。
【0055】
以下では、「中心線」という表現は、解剖学構造の中心線、すなわち大動脈または動脈の壁の中心線を指す。血栓が存在する実施形態では、中心線は管腔の中心線を指す。
【0056】
用語および定義
本明細書の文脈では、「サーバ」は、適切なハードウェア上で実行されており、ネットワーク(例えば、通信ネットワーク)を介して要求を(例えば、電子デバイスから)受信し、それらの要求を実行するか、またはそれらの要求が実行されるようにすることができるコンピュータプログラムである。ハードウェアは、1つの物理的コンピュータまたは1つの物理的コンピュータシステムであってもよいが、本技術に関してはそうである必要はない。本文脈において、「サーバ」という表現の使用は、すべてのタスク(例えば、受信した命令または要求)または任意の特定のタスクが同じサーバ(すなわち、同じソフトウェアおよび/またはハードウェア)によって受信されるか、実行されるか、または実行されるようにされることを意味するものではない。任意の数のソフトウェア要素またはハードウェアデバイスが、任意のタスクもしくは要求、または任意のタスクもしくは要求の結果を受信/送信すること、実行すること、または実行されるようにすることに関与し得ることを意味することが意図されている。このソフトウェアおよびハードウェアのすべては、1つのサーバまたは複数のサーバであってもよく、これらは両方とも「少なくとも1つのサーバ」および「サーバ」という表現に含まれる。
【0057】
本明細書の文脈では、「電子デバイス」は、手元の関連するタスクに適したソフトウェアを実行することができる任意のコンピューティング装置またはコンピュータハードウェアである。したがって、電子デバイスのいくつかの(非限定的な)例は、汎用パーソナルコンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、ネットブックなど)、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、およびタブレット、ならびにルータ、スイッチ、およびゲートウェイなどのネットワーク機器を含む。本文脈における電子デバイスは、他の電子デバイスに対するサーバとして作用することから排除されないことに留意されたい。「電子デバイス」という表現の使用は、任意のタスクもしくは要求、または任意のタスクもしくは要求の結果を受信/送信すること、実行すること、または実行されるようにすること、あるいは本明細書に記載の任意の方法のステップに、複数の電子デバイスが使用されることを排除するものではない。本明細書の文脈では、「クライアントデバイス」は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどのような、ユーザと関連付けられる様々なエンドユーザクライアント電子デバイスのいずれかを指す。
【0058】
本明細書の文脈では、特に明記されない限り、コンピュータシステムは、「電子デバイス」、「コンピューティングデバイス」、「オペレーションシステム」、「システム」、「コンピュータベースのシステム」、「コンピュータシステム」、「ネットワークシステム」、「ネットワークデバイス」、「コントローラユニット」、「モニタリングデバイス」、「制御装置」、「サーバ」、および/または手元の関連タスクに適切なそれらの任意の組み合わせを指すことができるが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書の文脈において、「コンピュータ可読記憶媒体」という表現(「記憶媒体」および「ストレージ」とも呼ばれる)は、RAM、ROM、ディスク(CD-ROM、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライバ、クラウドストレージなど)、USBキー、ソリッドステートドライブ、テープドライブなどを含むが、これらに限定されない、任意の性質および種類の非一時的媒体を含むことを意図している。同じタイプの2つ以上のメディアコンポーネントおよび/または異なるタイプの2つ以上のメディアコンポーネントを含む複数のコンポーネントを合成して、コンピュータ情報記憶媒体を形成することができる。
【0060】
本明細書の文脈では、「データベース」は、その特定の構造、データベース管理ソフトウェア、または、データが格納され、実装され、または他の様態で使用可能にされるコンピュータハードウェアにかかわりなく、任意の構造化されたデータ集合である。データベースは、データベースに格納された情報を格納または利用するプロセスと同じハードウェア上に存在してもよく、または、専用サーバまたは複数のサーバなどの別個のハードウェア上に存在してもよい。
【0061】
本明細書の文脈において、「情報」という表現は、データベースに格納することができる任意の性質または種類の情報を含む。したがって、情報は、視聴覚著作物(画像、動画、音声記録、プレゼンテーションなど)、データ(ロケーションデータ、数値データなど)、テキスト(意見、コメント、質問、メッセージなど)、文書、スプレッドシート、単語のリストなどを含むが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書の文脈では、特に明記されない限り、情報要素の「指示」は、情報要素自体、または指示の受信者が情報要素を取り出すことができるネットワーク、メモリ、データベース、または他のコンピュータ可読媒体ロケーションを位置特定することを可能にするポインタ、参照、リンク、もしくは他の間接的な機構であってもよい。例えば、文書の指示は、文書自体(すなわち、その内容)を含むことができ、または特定のファイルシステムに関してファイルを識別する一意の文書記述子、またはネットワークロケーション、メモリアドレス、データベーステーブル、またはファイルがアクセスされ得る他のロケーションに指示の受信者を導く他の何らかの手段とすることができる。当業者には認識されるように、そのような指示に必要な精度の程度は、指示の送信者と受信者との間で交換される情報に与えられる解釈に関する任意の事前理解の程度に依存する。例えば、送信者と受信者との間の通信の前に、情報要素の指示が、情報要素を含む所定のデータベースの特定のテーブル内のエントリに対するデータベースキーの形態をとることが理解される場合、データベースキーの送信は、情報要素自体が指示の送信者と受信者との間のように送信されなかったとしても、情報要素を受信者に効果的に伝達するために必要なすべてである。
【0063】
本明細書の文脈において、「通信ネットワーク」という表現は、コンピュータネットワーク、インターネット、電話網、テレックスネットワーク、TCP/IPデータネットワーク(例えば、WANネットワーク、LANネットワークなど)などのような電気通信ネットワークを含むことを意図している。「通信ネットワーク」という用語は、有線ネットワークまたは直接有線接続、ならびに音響、無線周波数(RF:radio frequency)、赤外線および他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体、ならびに上記のいずれかの組み合わせを含む。
【0064】
本明細書の文脈において、「第1」、「第2」、「第3」などの単語は、それらが修飾する名詞を互いに区別することを可能にする目的のためにのみ形容詞として使用されており、それらの名詞間の任意の特定の関係を説明する目的のためのものではない。したがって、例えば、「第1のサーバ」および「第3のサーバ」という用語の使用は、サーバの/サーバ間の任意の特定の順序、タイプ、時系列、階層、またはランク付け(例えば)を暗示することを意図するものではなく、それらの使用(単独で)は、任意の「第2のサーバ」が任意の所与の状況において必ず存在しなければならないことを暗示することを意図するものでもないことを理解されたい。さらに、本明細書において他の文脈で説明するように、「第1の」要素および「第2の」要素への言及は、2つの要素が同じ実際の現実世界の要素であることを排除するものではない。したがって、例えば、場合によっては、「第1の」サーバおよび「第2の」サーバは同じソフトウェアおよび/またはハードウェアであってもよく、他の場合では、それらは異なるソフトウェアおよび/またはハードウェアであってもよい。
【0065】
本技術の実施態様は、各々、上述した目的および/または態様のうちの少なくとも1つを有するが、必ずしもそれらのすべてを有する必要はない。上述の目的を達成しようとする試みから生じた本技術のいくつかの態様は、この目的を満たさない場合があり、および/または本明細書に具体的に列挙されていない他の目的を満たす場合があることを理解されたい。
【0066】
本技術の実装の追加のおよび/または代替の特徴、態様および利点が、以下の説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0067】
図面の簡単な説明
本技術ならびにその他の態様およびさらなる特徴をよりよく理解するために、添付の図面と併せて使用される以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による電子デバイスの概略図である。
【
図2】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態によるシステムの概略図である。
【
図3】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法を示すフローチャートである。
【
図4】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、動脈瘤および2つの総腸骨動脈が与えられた大動脈を含む解剖学構造部分の画像を示す図である。
【
図5】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、第1の基準マーカが追加された
図4の大動脈の画像に対応する図である。
【
図6】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、9つの基準マーカが追加された
図4の大動脈の画像に対応する図である。
【
図7】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、動脈瘤の首部の腎上および腎下角度が示されている
図4の大動脈の画像を示す図である。
【
図8】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、
図4の大動脈の第1の回転を示す図である。
【
図9】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、
図4の大動脈の第1の回転を示す図である。
【
図10】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、
図4の大動脈の断面図である。
【
図11】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、
図4の2つの総腸骨動脈の湾曲を示す図である。
【
図12】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、
図4の解剖学構造部分および解剖学構造部分の定型化された表現を含む画像を示す図である。
【
図13】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、基準マーカが解剖学構造部分の画像上に追加された
図12の画像に対応する図である。
【
図14】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、9つの基準マーカが解剖学構造部分の画像上に追加された
図12の画像に対応する図である。
【
図15】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、設計されたステントの画像が組み込まれた
図4の解剖学構造部分を示す図である。
【
図16】本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、胸部大動脈に挿入されている胸部大動脈瘤のためのステントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
詳細な説明
本明細書に記載される実施例および条件付き文言は、主に読者が本技術の原理を理解するのを助けることを意図しており、その範囲をそのような具体的に記載された実施例および条件に限定することを意図していない。当業者であれば、本明細書に明示的に記載または図示されていないが、それにもかかわらず本技術の原理を具体化し、その思想および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。
【0070】
さらに、理解を助けるために、以下の説明は、本技術の比較的単純化された実施態様を説明し得る。当業者には理解されるように、本技術の様々な実施態様は、より複雑であり得る。
【0071】
場合によっては、本技術に対する修正の有用な例と考えられるものも記載され得る。これは単に理解を助けるためのものであり、これも、本技術の範囲を定義するかまたは本技術の境界を示すためのものではない。これらの修正は網羅的なリストではなく、当業者は、それにもかかわらず本技術の範囲内に留まりながら他の修正を行うことができる。さらに、修正の例が記載されていない場合、修正は不可能であり、および/または記載されているものが本技術のその要素を実装する唯一の方式であると解釈されるべきではない。
【0072】
さらに、本技術の原理、態様、および実施態様、ならびにそれらの特定の例を記載する本明細書のすべての記述は、それらが現在知られているかまたは将来開発されるかにかかわらず、それらの構造的および機能的等価物の両方を包含することを意図している。したがって、例えば、本明細書の任意のブロック図は、本技術の原理を具現化する例示的な処理回路の概念図を表すことが当業者には理解されよう。同様に、任意のフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ可読媒体内で実質的に表され、したがって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行され得る様々なプロセスを表すことが理解されよう。
【0073】
「プロセッサ」または「グラフィックスプロセッシングユニット」とラベル付けされた任意の機能ブロックを含む、図に示された様々な要素の機能は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連付けてソフトウェアを実行することができるハードウェアを使用して提供され得る。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、または、そのうちのいくつかが共有されてもよい複数の個々のプロセッサによって提供されてもよい。本技術のいくつかの非限定的な実施形態では、プロセッサは、中央処理装置(CPU:central processing unit)などの汎用プロセッサ、またはグラフィックスプロセッシングユニット(GPU:graphics processing unit)などの特定の目的専用のプロセッサであってもよい。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、ソフトウェアを格納するための読み出し専用メモリ(ROM:read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、および不揮発性ストレージを暗黙的に含み得るが、これらに限定されない。従来および/またはカスタムの他のハードウェアも含まれてもよい。
【0074】
ソフトウェアモジュール、または単にソフトウェアであると暗示されるモジュールは、本明細書では、フローチャート要素またはプロセスステップの実施を示す他の要素および/またはテキスト記述の任意の組み合わせとして表され得る。そのようなモジュールは、明示的または暗黙的に示されるハードウェアによって実行されてもよい。
【0075】
これらの基本を念頭に置いて、ここで、本技術の態様の様々な実施態様を説明するためにいくつかの非限定的な例を検討する。
【0076】
図2を参照すると、本技術のいくつかの非限定的な実施形態における使用に適した電子デバイス100の概略図が示されている。
【0077】
電子デバイス
電子デバイス100は、プロセッサ110、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU:graphics processing unit)111、ソリッドステートドライブ120、ランダムアクセスメモリ130、ディスプレイインターフェース140、および入出力インターフェース150によって集合的に表される、1つまたは複数のシングルコアまたはマルチコアプロセッサを含む様々なハードウェア構成要素を備える。
【0078】
電子デバイス100の様々な構成要素間の通信は、様々なハードウェア構成要素が電子的に結合される、1つまたは複数の内部および/または外部バス160(例えば、PCIバス、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394「Firewire」バス、SCSIバス、シリアルATAバスなど)によって可能にされ得る。
【0079】
入出力インターフェース150は、タッチスクリーン190および/または1つもしくは複数の内部および/もしくは外部バス160に結合することができる。タッチスクリーン190は、ディスプレイの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、タッチスクリーン190はディスプレイである。タッチスクリーン190は、均等に画面190とも呼ばれ得る。
図2に示す実施形態では、タッチスクリーン190は、タッチハードウェア194(例えば、ユーザとディスプレイとの間の物理的相互作用の検出を可能にするディスプレイの層に埋め込まれた感圧セル)と、ディスプレイインターフェース140ならびに/または1つもしくは複数の内部および/もしくは外部バス160との通信を可能にするタッチ入出力コントローラ192とを備える。いくつかの実施形態では、入出力インターフェース150は、タッチスクリーン190に加えてまたはそれに代えて、ユーザが電子デバイス100とインタラクトすることを可能にするキーボード(図示せず)、マウス(図示せず)またはトラックパッド(図示せず)に接続されてもよい。
【0080】
本技術の実施態様によれば、ソリッドステートドライブ120は、ランダムアクセスメモリ130にロードされ、血管内大動脈修復(EVAR:endovascular aortic repair)の介入前計画および介入後モニタリングのための機械学習モデルを訓練および使用するためにプロセッサ110および/またはGPU111によって実行されるのに適したプログラム命令を格納する。例えば、プログラム命令は、ライブラリまたはアプリケーションの一部であってもよい。
【0081】
電子デバイス100は、当業者によって理解され得るような、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、個人情報端末、または本技術を実装するように構成され得る任意のデバイスの形態で実装されてもよい。
【0082】
システム
図3を参照すると、システム200と呼ばれる通信システム200の概略図が示されており、システム200は、本技術の非限定的な実施形態を実施するのに適している。図示のシステム200は、本技術の例示的な実施態様にすぎないことを明確に理解されたい。したがって、以下のその説明は、本技術の例示的な実施例の説明であることのみを意図している。この説明は、本技術の範囲を定義するかまたは本技術の境界を示すようには意図されていない。場合によっては、システム200の修正の有用な例と考えられるものも下記に記載され得る。これは単に理解を助けるためのものであり、これも、本技術の範囲を定義するかまたは本技術の境界を示すためのものではない。これらの修正は網羅的なリストではなく、当業者には理解されるように、他の修正が可能である可能性が高い。さらに、これが行われていない場合(すなわち、修正の例が記載されていない場合)、修正は不可能であり、および/または記載されているものが本技術のその要素を実装する唯一の方式であると解釈されるべきではない。当業者には理解されるように、これは当てはまらない可能性が高い。加えて、システム200は、特定の事例では、本技術の単純な実施態様を提供することができ、そのような事例では、それらは理解を助けるためにこのように提示されていることを理解されたい。当業者には理解されるように、本技術の様々な実施態様は、より複雑であり得る。
【0083】
システム200は、とりわけ、それぞれの通信リンク225(別個に番号付けされていない)を介して通信ネットワーク220を通じて結合されたワークステーションコンピュータ215、サーバ230、およびデータベース235を備える。
【0084】
1つまたは複数の実施形態において、システム200の少なくとも一部分は、画像保管通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)技術を実装する。
【0085】
ワークステーションコンピュータ
ワークステーションコンピュータ215は、ユーザがステントを設計することを可能にするように構成される。
【0086】
ワークステーションコンピュータ215の実装は、当該技術分野で知られている。ワークステーションコンピュータ215は、電子デバイス100として実装されてもよく、またはプロセッサ110、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU:graphics processing unit)111、ソリッドステートドライブ120、ランダムアクセスメモリ130、ディスプレイインターフェース140、および入出力インターフェース150などのその構成要素を含んでもよい。
【0087】
1つまたは複数の実施形態では、ワークステーションコンピュータ215は、医療撮像情報および関連データの通信および管理のための医用デジタル撮像および通信(DICOM:Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に従って構成される。
【0088】
1つまたは複数の実施形態では、ワークステーションコンピュータ215は、画像をローカルデータベース(図示せず)に格納することができる。
【0089】
ワークステーションコンピュータ215は、それぞれの通信リンク225を介して通信ネットワーク220を通じてサーバ230に接続される。1つまたは複数の実施形態では、ワークステーションコンピュータ215は、その格納および/または処理のために、画像および/または多相スタックをサーバ230および/またはデータベース235に送信することができる。
【0090】
サーバ
本技術の1つまたは複数の実施形態において、サーバ230は、とりわけ、
被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、身体部分は、胸部大動脈の腎下セグメントと、胸部大動脈の腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐の少なくとも一部と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、
複数の基準点の各々の位置を受信することであって、基準点は、少なくとも、腎上セグメントの変曲点と、動脈瘤の首部の底部と、動脈瘤の底部と、左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、
第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために第2の画像を提供すること、
各基準点について、それぞれの直径を決定することと、
腎上セグメントの変曲点の位置および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して首部の第1の長さを決定し、左総腸骨動脈上の第1の点の位置および第2の点の位置を使用して左着地領域の第2の長さを決定し、右総腸骨動脈上の第1の点の位置および第2の点の位置を使用して右着地領域の第3の長さを決定し、基準点のうちのいくつかの位置を使用してステントの左脚の第4の長さおよびステントの右脚の第5の長さを決定することと、
腎上セグメントの変曲点の位置(すなわち、大動脈の腎上セグメントが屈曲しているように見える場所)および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して腎上首部角度を決定し、動脈瘤の首部の底部の位置および動脈瘤の底部の位置を使用して腎下首部角度を決定することと、
各基準点のそれぞれの直径、第1の長さ、第2の長さ、第3の長さ、第4の長さおよび第5の長さ、腎上首部角度ならびに腎下首部角度を出力することと
を行うように構成されている。
【0091】
サーバ230がそのようにするように構成される方法は、下記により詳細に説明される。
【0092】
サーバ230は、従来のコンピュータサーバとして実装することができ、
図2に示す電子デバイス100の構成要素の一部または全部を含むことができる。本技術の1つまたは複数の実施形態の一例では、サーバ230は、Microsoft(商標)Windows Server(商標)オペレーティングシステムを実行するDell(商標)PowerEdge(商標)サーバとして実装されてもよい。言うまでもなく、サーバ230は、任意の他の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアまたはそれらの組み合わせにおいて実装することができる。本技術の図示の非限定的な実施形態では、サーバ230は単一のサーバである。本技術の代替の非限定的な実施形態では、サーバ230の機能は分散されてもよく、複数のサーバ(図示せず)を介して実装されてもよい。
【0093】
サーバ230の実施態様は、本技術の分野の当業者に周知である。しかしながら、簡潔に言えば、サーバ230は、通信ネットワーク220を介して様々なエンティティ(例えばワークステーションコンピュータ215およびネットワーク220に潜在的に結合されている他のデバイスなど)と通信するように構造化および構成された通信インターフェース(図示せず)を備える。サーバ230は、通信インターフェースと動作可能に接続され、本明細書で説明する様々なプロセスを実行するように構造化および構成された少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(例えば、電子デバイス100のプロセッサ110またはGPU111)をさらに備える。
【0094】
1つまたは複数の実施形態では、サーバ230は、電子デバイス100として実装されてもよく、またはプロセッサ110、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU:graphics processing unit)111、ソリッドステートドライブ120、ランダムアクセスメモリ130、ディスプレイインターフェース140、および入出力インターフェース150などのその構成要素を含んでもよい。
【0095】
サーバ230は、表示、確認、および/またはトラブルシューティングのために、1つまたは複数の処理ステップの出力を別の電子デバイスに提供することができることが理解されよう。非限定的な例として、サーバ230は、スマートフォン、タブレットなどのような、電子デバイス100と同様に構成されたクライアントデバイス上に表示するために、マップ(例えば、歪みマップ、RAWマップ、ILTマップなど)および評価の結果(EVAR前およびEVAR後)を送信することができる。
【0096】
データベース
データベース235は、とりわけ、(i)DICOMスタックを格納し、(ii)解剖学構造3Dモデルを格納し、(iii)画像、および/または(iv)事前定義のパラメータまたは特性値を格納するように構成されている。
【0097】
1つまたは複数の実施形態では、データベース235は、.tfrecord、.csv、.npy、および.petastormなどのMLファイルフォーマット、ならびに.pbおよび.pklなどのモデルを格納するために使用されるファイルフォーマットを格納することができる。1つまたは複数の実施形態では、データベース235はまた、限定はしないが、画像ファイルフォーマット(例えば、.png、.jpeg)、動画ファイルフォーマット(例えば、.mp4、.mkvなど)、アーカイブファイルフォーマット(例えば、.zip、.gz、.tar、.bzip2)、文書ファイルフォーマット(例えば、.docx、.pdf、.txt)またはウェブファイルフォーマット(例えば、.html)などの周知のファイルフォーマットを格納してもよい。
【0098】
データベース235は、検証データセット(図示せず)、テストデータセット(図示せず)などのような他のタイプのデータを格納することができることが理解されよう。
【0099】
通信ネットワーク
本技術のいくつかの実施形態では、通信ネットワーク220はインターネットである。代替の非限定的な実施形態では、通信ネットワーク220は、任意の適切なローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、プライベート通信ネットワークなどとして実装することができる。通信ネットワーク220の実施態様は例示のみを目的としていることを明確に理解されたい。ワークステーションコンピュータ215および/またはサーバ230および/または別の電子デバイス(図示せず)と通信ネットワーク220との間の通信リンク225(別個に番号付けされていない)がどのように実装されるかは、とりわけ、医療撮像装置210、ワークステーションコンピュータ215、およびサーバ230の各々がどのように実装されるかに依存する。
【0100】
通信ネットワーク220は、ワークステーションコンピュータ215、サーバ230およびデータベース235の間でデータパケットを送信するために使用することができる。例えば、通信ネットワーク220を使用して、ワークステーションコンピュータ215とサーバ230との間で要求を送信することができる。
【0101】
方法の説明
図3は、本技術の1つまたは複数の非限定的な実施形態による、ステントを設計するための方法300のフローチャートを示す。ステントは、動脈瘤の処置のために被検者の腹部大動脈に挿入されることになる。方法300は、ステントの設計において使用されることになる被検者の解剖学構造の関連特性を決定するために、医師、執刀医などの医療施術者によって使用される。例えば、方法300は、医療施術者が解剖学構造の直径、角度、距離などを精密に決定することを可能にする。
【0102】
1つまたは複数の実施形態では、サーバ230は、コンピュータ可読命令を格納するソリッドステートドライブ120および/またはランダムアクセスメモリ130などの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に動作可能に接続されたプロセッサ110および/またはGPU111などの処理デバイスを備える。処理デバイスは、コンピュータ可読命令を実行すると、方法300を実行するように構成されるか、またはそのように動作可能である。
【0103】
方法300は、処理ステップ302において開始する。3Dモデルの第1の画像400が、ユーザに表示するために提供される。3Dモデルは、被検者の現実の解剖学構造の一部を表す。本体または解剖学構造部分は、被検者の胸部大動脈の腎上セグメント402の少なくとも一部、大動脈内に存在する動脈瘤404、大動脈分岐406、ならびに2つの総腸骨動脈408および410の少なくとも一部を含む。
図4に示すように。腎上セグメント402の上記一部は画像400において省略され得、および/または総腸骨動脈408および410全体が画像400に含まれ得ることが理解されるべきである。
【0104】
画像400は、被検者の現実の解剖学構造の画像であることを理解されたい。1つの実施形態において、画像400は解剖学構造の実寸画像である。
【0105】
1つの実施形態において、画像400は、3Dモデルの2D画像である。別の実施形態では、画像400は、3Dモデルの3D画像である。
【0106】
1つの実施形態において、ユーザは、表されている解剖学構造の異なるビューを見るために画像400を回転させることができる。
【0107】
画像400がユーザディスプレイに表示されると、ユーザは、表示画像上の複数の基準点の位置を選択する。次いで、各選択された点の位置が処理ステップ304において受信される。
【0108】
基準点の位置を選択するために、任意の適切な方法を使用することができることを理解されたい。例えば、ユーザは、マウスを使用して、基準点の所望の位置において表示画像400上で右クリックすることができる。画像400がタッチスクリーン上に表示される別の例では、ユーザは、基準点の所望の位置において画面にタッチすることができる。
【0109】
1つの実施形態において、ユーザは、画像上でいずれの基準点を選択しなければならないかを既に知っている。同じまたは別の実施形態では、選択される基準点を定義する命令をユーザに提供することができる。
【0110】
1つの実施形態において、ユーザによって選択される基準点は、少なくとも以下の基準点、すなわち、腎上セグメントの変曲点、動脈瘤の首部の底部、動脈瘤の底部、左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点、ならびに右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点を含む。動脈瘤の腎上セグメントの変曲点および首部の底部は、ステントの首部のための着地領域を画定するように選ばれ、一方、左総腸骨動脈上で選択される第1の点および第2の点は、ステントの左脚のための着地領域を画定するように選ばれ、右総腸骨動脈上で選択される第1の点および第2の点は、ステントの右脚のための着地領域を画定するように選ばれる。
【0111】
この実施形態において、また、下記に記載されるように、ステントの本体の基準長がメモリに格納され、ステントを設計するために使用される。
【0112】
1つの実施形態において、基準点は、左総腸骨動脈と右総腸骨動脈との間の分岐点をさらに含む。この実施形態では、動脈瘤の首部の底部および分岐点は、ステントの本体の長さを規定するために使用され、例えば、ステントの本体の長さは、動脈瘤の首部の底部および分岐点の位置に基づいて選ばれる。1つの実施形態において、ステントの本体の長さは、動脈瘤の首部の底部と分岐点との間の距離よりも小さくなるように選ばれる。
【0113】
処理ステップ304において、ユーザによって識別された各基準点について、それぞれの視覚マーカが生成され、ユーザから受信した位置において第1の画像に挿入される。例えば、
図5は、ユーザによって選択された動脈瘤の首部の底部の位置に視覚マーカ422が挿入された第1の画像400に対応する解剖学構造の第2の画像420を示す。首部の底部は、ステントのための着地領域の底部を規定する。
【0114】
図示の実施形態では、視覚マーカ422は、選択された位置における大動脈の中心線に直交する線である。画像400が3D画像である実施形態では、視覚マーカは、選択された位置で大動脈の中心線に直交するプレートまたは平面の部分であってもよい。画像内の選択された位置を視覚化することを可能にする任意の適切な視覚マーカが使用され得ることを理解されたい。
【0115】
生成されると、第2の画像420は、表示のために提供される。第2の画像422は、第1の画像400の代わりにユーザに表示されることを理解されたい。
【0116】
視覚マーカ422などの視覚マーカは、各基準点について、ユーザによって選択されたそれぞれの受信位置において画像400に挿入されることを理解されたい。
【0117】
図6は、ユーザによって選択されたそれぞれの位置に9つの視覚マーカ422および432~446が各々追加された第1の画像400に対応する解剖学構造の第3の画像430を示す。図示の例では、視覚マーカ422および432~446は各々、それぞれの位置において解剖学構造の中心線に直交する線に対応する。
【0118】
視覚マーカ432は、胸部大動脈の腎上セグメントの変曲点についてユーザによって選択された位置に位置付けられる。腎上セグメントの変曲点は、大動脈の腎上セグメント内の着地領域の上部を画定する。
【0119】
上述したように、視覚マーカ422は、ユーザによって選択された動脈瘤の首部の底部の位置を示す。
【0120】
視覚マーカ436は、動脈瘤の底部についてユーザによって選択された位置を示す。
視覚マーカ440は、左総腸骨動脈上の第1の基準点に対して選択された位置を示し、視覚マーカ442は、左総腸骨動脈上の第2の基準点に対して選択された位置を示す。図示の実施形態では、視覚マーカ442は、左総腸骨動脈408の分岐点、すなわち、左総腸骨動脈408が左内腸骨動脈と左外腸骨動脈とに分かれる点に位置付けられる。
【0121】
視覚マーカ444は、右総腸骨動脈上の第1の基準点に対して選択された位置を示し、視覚マーカ446は、右総腸骨動脈上の第2の基準点に対して選択された位置を示す。図示の実施形態では、視覚マーカ446は、右総腸骨動脈410の分岐点、すなわち、右総腸骨動脈410が右内腸骨動脈と右外腸骨動脈とに分かれる点に位置付けられる。
【0122】
任意選択的に、ユーザは動脈瘤の中心の位置を選択し、視覚マーカ434は選択された位置に挿入される。ユーザはまた、左総腸骨動脈と右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を選択することもでき、視覚マーカ438が画像に挿入される。
【0123】
1つの実施形態において、基準点の位置がユーザから受信されるとすぐに、視覚マーカが画像400に挿入される。別の実施形態では、すべての基準点の位置が受信されると、視覚マーカが画像400に挿入される。
【0124】
処理ステップ310において、それぞれの位置がユーザによって選択された基準点の少なくともいくつかについて、中心線に直交するそれぞれの位置における解剖学構造の直径が、解剖学構造の3Dモデルを使用して決定される。例えば、腹部大動脈の腎下セグメントの直径は、腎上セグメントの変曲点についてユーザから受信された位置において決定され、すなわち、その位置において腎下セグメントの中心線に直交する変曲点について受信された位置における腎下セグメントの断面の直径が算出される。
【0125】
1つの実施形態において、解剖学構造の直径は、少なくとも以下の基準点、すなわち、視覚マーカ432によって表される腎上セグメントの変曲点、視覚マーカ422によって表される動脈瘤の首部の底部、視覚マーカ440および442によってそれぞれ表される左総腸骨動脈上で選択された第1のおよび第2の点、ならびに視覚マーカ444および446によって表される右総腸骨動脈上の第1のおよび第2の点について決定される。
【0126】
1つの実施形態において、直径はまた、以下のさらなる基準点、すなわち、視覚マーカ432によって表される動脈瘤の底部、視覚マーカ434によって表される動脈瘤の中心、および/または視覚マーカ438によって表される分岐点についても決定される。
【0127】
解剖学構造は通常対称でないため、解剖学構造の直径は解剖学構造の断面内で一定ではない場合がある。1つの実施形態において、処理ステップ310において決定され、基準点と関連付けられる直径は、基準点の位置における断面の最大直径に対応する。別の実施形態において、処理ステップ310において決定され、基準点と関連付けられる直径は、基準点の位置における断面の最小直径に対応する。さらなる実施形態では、処理ステップ310において決定された直径は、最大直径と最小直径との平均などの、最大直径と最小直径との組み合わせに対応する。さらに別の実施形態では、処理ステップ310において決定された直径は、円相当径に対応する。この場合、処理ステップ310は、基準点の位置において解剖学構造の断面の外周を測定し、その周が決定された外周周に等しい円の直径を決定することを含む。
【0128】
本明細書では、基準点の直径は処理ステップ310において決定されるが、処理ステップ310は、直径と半径とが同等であるため、直径の代わりに基準点の位置における断面の半径を決定することを含んでもよいことが当業者には理解されよう。
【0129】
処理ステップ312において、少なくともいくつかの基準点間の複数の距離または長さが、3Dモデルを使用して算出される。1つの実施形態において、処理ステップ312において少なくとも5つの長さが算出される。
【0130】
1つの実施形態において、2つの基準点間の長さまたは距離は、解剖学構造の中心線に沿って得られる。
【0131】
第1の長さは、ステントの首部の長さに対応し、
図6の視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点の位置と、視覚マーカ422によって識別される動脈瘤の首部の底部の位置との間の距離に対応する。
【0132】
第2の長さは、左総腸骨動脈における着地領域の長さに対応し、視覚マーカ440および442によって表される左総腸骨動脈上の第1の基準点および第2の基準点の位置間の距離に対応する。
【0133】
第3の長さは、右総腸骨動脈における着地領域の長さに対応し、視覚マーカ444および446によって表される右総腸骨動脈上の第1の基準点および第2の基準点の位置間の距離に対応する。
【0134】
第4の長さは、左総腸骨動脈と関連付けられ、視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点の位置または視覚マーカ422によって識別される動脈瘤の首部の底部の位置と、視覚マーカ440および442によって識別される左総腸骨動脈上の2つの基準点のうちの一方の位置との間の距離に対応する。
【0135】
第5の長さは、右総腸骨動脈と関連付けられ、視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点の位置または視覚マーカ422によって識別される動脈瘤の首部の底部の位置と、視覚マーカ444および446によって識別される右総腸骨動脈上の2つの基準点のうちの一方の位置との間の距離に対応する。
【0136】
視覚マーカ438によって識別された分岐点の位置がユーザによって選択された実施形態では、第6の長さを決定することができる。第6の長さは、分岐点の位置と、視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点の位置との間の距離に対応するか、または視覚マーカ422によって識別される動脈瘤の首部の底部の位置がさらに決定される。この場合、第4の長さは、左総腸骨動脈と関連付けられ、分岐点の位置と視覚マーカ440および442によって識別される左総腸骨動脈上の2つの基準点のうちの一方の位置との間の距離に対応し得る。同様に、第5の長さは、右総腸骨動脈と関連付けられ、分岐点の位置と視覚マーカ444および446によって識別される右総腸骨動脈上の2つの基準点のうちの一方の位置との間の距離に対応し得る。
【0137】
処理ステップ314において、腎上首部角度αおよび腎下首部角度βが、3Dモデルを使用して決定される。より正確には、後述するように、腎上首部角度αは、腎上セグメントの変曲点の位置および動脈瘤の首部の底部の位置を使用して決定され、腎下首部角度βは、腎上セグメントの変曲点の位置、動脈瘤の首部の底部の位置および動脈瘤の底部の位置を使用して決定される。
【0138】
図7に示すように、腎上首部角度αは、腎上セグメントの中心線450と、変曲点の位置における断面の中心および動脈瘤の首部の底部の位置における断面の中心を通過する軸452との間の角度に対応する。腎下首部角度βは、軸452と、動脈瘤の首部の底部の位置における断面の中心および動脈瘤の底部の位置における断面の中心を通る軸454との間の角度に対応する。
【0139】
腎上首部角度αの値および腎下首部角度βの値が3Dモデルのビューに応じて変化する実施形態では、最も重度または最大の腎上首部角度αおよび最も重度または最大の腎下首部角度βが処理ステップ314において決定される。
【0140】
1つの実施形態において、最も重度の腎上首部角度αおよび腎下首部角度βは、以下のように決定される。
【0141】
最も重度の腎上首部角度αを決定するために、
図8に示すように、3Dモデルを視覚マーカ432の周りで回転させて、腎上首部角度αの中央に垂直なビューを取得し、次いで、3Dモデルを軸452の周りで360°回転させ、360°にわたる軸452と450との間の最も重度の角度αを腎上首部角度αとして得る。
【0142】
最も重度の腎下首部角度βも同様に決定される。
図9に示すように、3Dモデルを視覚マーカ422の周りで回転させて、腎下首部角度βの中央に垂直なビューを取得し、次いで、3Dモデルを軸452の周りで360°回転させ、360°にわたる軸452と454との間の最も重度の角度βを腎下首部角度βとして得る。
【0143】
処理ステップ316において、決定されたパラメータ、すなわち処理ステップ310において決定された直径、処理ステップ312において決定された距離、および処理ステップ314において決定された角度が出力される。
【0144】
1つの実施形態において、決定されたパラメータはメモリに格納される。同じまたは別の実施形態では、決定されたパラメータは表示のために提供される。
【0145】
次いで、方法300は終了する。
1つの実施形態において、基準点は、少なくとも、腎上セグメントの変曲点、動脈瘤の首部の底部、動脈瘤の底部、分岐点、第1の総腸骨動脈上の所与の点、および第2の総腸骨動脈上の所与の点を含む。しかしながら、基準点は、上に列挙された点よりも多くの点を含んでもよいことを理解されたい。
【0146】
処理ステップ310~316が実行される順序は変化してもよいことを理解されたい。例えば、基準点の位置がユーザから受信されるたびに、基準点と関連付けられる解剖学構造の直径が決定されてもよく、別の基準点の位置の受信前に出力されてもよい。代替的に、すべての基準点の位置がユーザから受信された場合にのみ、直径がユーザに表示されてもよい。別の例では、それらが決定され得るとすぐに、2つの基準点間の距離および/または腎上首部角度αおよび/または腎下首部角度βが決定され、出力される。代替的に、すべての距離および角度が決定された場合にのみ、決定された距離および/または決定された角度をユーザに表示することができる。同様に、視覚マーカを画像400に挿入することができ、更新済み画像は、そのそれぞれの基準点の位置が受信されるとすぐにユーザに表示される。代替的に、すべての基準点の位置がユーザから受信されるのを受けてのみ、視覚マーカがユーザに表示されてもよい。
【0147】
1つの実施形態において、視覚マーカ422および432~446は各々対話型であり、すなわち、ユーザは視覚マーカを選択し、それを別の位置に移動して、それに関連付けられる基準点のより良好な位置を規定することができる。この場合、基準マーカと関連付けられる基準点の位置を規定する視覚マーカの新たな位置がサーバ230に送信され、方法300は、基準点の新たな位置を受信する処理ステップをさらに含む。本方法は、パラメータ、例えば、新たな位置における解剖学構造の直径を算出することと、新たな位置を使用することと、パラメータの新たな値を出力することとをさらに含む。
【0148】
視覚マーカ422、432~446が対話型である実施形態では、中心線に直交するようにマーカが生成され、ユーザに表示される。視覚マーカ422、432~446は対話型であるため、ユーザは視覚マーカ422、432~446を初期位置から第2の位置に移動させることができる。1つの実施形態において、最終位置にあるとき、視覚マーカ422、432~446は、中心線に直交するように表示画像内に位置付けられる。1つの実施形態において、視覚マーカ422、432~446は、ユーザが視覚マーカ422、432~446を初期位置から最終位置に移動させている間にユーザに表示され、すなわち、視覚マーカ422、432~446は、初期位置と最終位置との間の各中間位置においてユーザに表示される。1つの実施形態において、各中間位置について、視覚マーカ422、432~446は、中心線に直交するように表示画像内に位置付けられ、すなわち、視覚マーカ422、432~446は、ユーザが視覚マーカ422、432~446を移動させている間、中心線に直交したままにされる。
【0149】
1つの実施形態において、ユーザは、直径が決定されなければならない位置における解剖学構造の断面図を表示することができ、断面図は中心線に直交して得られ得る。例えば、ユーザは、視覚マーカ422を選択し、このロケーションにおける解剖学構造の断面図を表示することができる。この場合、方法300は、ユーザによって示されるロケーション、例えば、視覚マーカ422に対応するロケーションにおいて、3Dモデルの断面図を生成する処理ステップを含む。
図10は、ユーザによって示された位置における例示的な断面
図470を示しており、ユーザに表示される前に視覚マーカ472,474および/または476が追加されている。視覚マーカ472は、ユーザによって示された位置における大動脈の断面の最小の直径に対応する。視覚マーカ474は、ユーザによって示された位置における大動脈の断面の最長直径に対応する。視覚的直径476は、大動脈の断面の中心を中心とし、その周が断面の外周に対応する円である。1つの実施形態において、視覚マーカ472~476のうちの1つのみが生成されてもよい。別の実施形態では、視覚マーカ472~476のうちの2つのみが生成されてもよい。
【0150】
視覚マーカ472~476は対話型であり、すなわち、ユーザはそれらを修正することができる。例えば、ユーザは円476を拡大することができ、円476の新たな直径が決定され、ユーザによって選択された位置と関連付けられる新たな直径として出力される。
【0151】
1つの実施形態において、方法300は、第1の総腸骨動脈408および/または第2の総腸骨動脈410の湾曲を決定することをさらに含む。この場合、方法300は、
図11に示すように、ユーザから総腸骨動脈408、410上の基準点480、482の位置を受信する処理ステップと、点480、482における中心線484、486の湾曲を決定する処理ステップとをさらに含む。本方法は、決定された湾曲を出力するステップをさらに含むことができる。
【0152】
解剖学構造の他の湾曲が決定されてもよいことを理解されたい。例えば、大動脈首部および/または大動脈嚢の外側および/または内側の湾曲を決定し、出力することができる。
【0153】
1つの実施形態において、本方法は、ユーザが選択した基準点および/または中心線を視覚化するのを助けるために、ユーザによって選択された位置および/または画像400内の中心線に視覚マーカを追加することをさらに含む。
【0154】
1つの実施形態において、3Dモデルの画像400の生成および表示に加えて、方法300は、画像を表示するために基準画像500を提供する処理ステップをさらに含む。
図12に示すように、基準画像500は、画像400に示すものと同じ身体部分の定型化された表現、すなわち、胸部大動脈の定型化された腎上セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分の表現を含む。
【0155】
画像500は、複数の相互作用直径ボックス502、複数の対話型長さまたは距離ボックス504、および複数の対話型角度ボックス506をさらに含む。画像500はまた、それぞれの直径ボックス502、距離ボックス504または角度ボックス506と各々関連付けられる視覚マーカ512、514および516を含む。
【0156】
各直径ボックス502は、解剖学構造上のそれぞれの基準点およびそれぞれの視覚マーカ512と関連付けられる。所与の直径ボックス502と関連付けられる視覚マーカ512は、所与の直径ボックス502と関連付けられる基準点の位置において画像500内に位置付けられる。さらに、各直径ボックス502およびそのそれぞれの視覚マーカ512は、ユーザが直径ボックス502と視覚マーカ512との間の関連を視覚化するのを助けるために破線リンクによってリンクされる。
【0157】
各距離ボックス504は、2つのそれぞれの基準点の間のそれぞれの距離または長さ、および、2つの基準点間の矢印の形態のそれぞれの視覚マーカ514と関連付けられている。所与の距離ボックス504と関連付けられる視覚マーカ514、例えば矢印は、解剖学構造の中心線に沿って距離ボックス504と関連付けられる2つの基準点の間に延在するように画像500内に位置付けられる。さらに、各距離ボックス504およびそのそれぞれの視覚マーカ514は、ユーザが距離ボックス504と視覚マーカ514との間の関連を視覚化するのを助けるために破線リンクによってリンクされる。
【0158】
各角度ボックス506は、解剖学構造内のそれぞれの角度およびそれぞれの視覚マーカ516と関連付けられる。各視覚マーカ516は、ユーザがそれぞれの角度ボックス506と関連付けられる角度を識別することを可能にするそれぞれの位置において画像500内に位置付けられる。
【0159】
1つの実施形態において、画像500および400は異なるディスプレイに表示される。別の実施形態では、画像500および400は、例えば、同じディスプレイに並べて表示される。
【0160】
動作中、
図13に示すように、ユーザは、画像500内で所与の直径ボックス502を選択することによって開始し、選択された直径ボックス502の識別情報がサーバに送信される。次に、ユーザは、画像400内で、選択された直径ボックスと関連付けられる基準点の所望の位置を選択する。次いで、画像400内で選択された点の位置がサーバに送信される。選択された点の位置を受信すると、サーバは、上述したように、基準マーカ422を生成し、それを画像400に挿入する。さらに、サーバは、上述したように、受信した位置における解剖学構造の直径を算出する。次いで、算出された直径は、画像500内でユーザによって以前に選択された直径ボックス502に表示される。
【0161】
この動作は、各直径ボックス502について繰り返される。距離ボックス504および角度ボックス506は、ユーザが異なる直径502および画像400内のそれらの関連する基準点の位置を選択すると自動的にデータ投入される。所与の距離ボックス504と関連付けられる2つの基準点の位置がユーザによって選択されるとすぐに、これら2つの点間の距離が算出され、所与の距離ボックス504に表示される。同様に、所与の角度ボックス506と関連付けられる2つの基準点の位置がユーザによって選択され、サーバによって受信されるとすぐに、これら2つの点と関連付けられる角度が自動的に算出され、所与の距離ボックス506に表示される。
【0162】
1つの実施形態において、ユーザは、算出された首部角度において回転画像400を表示し、次いで画像400を回転させてより好ましい角度を決定するか、または首部の上に突出する線をドラッグして角度を変更することができる。
【0163】
図14は、ユーザがすべての直径ボックス502と関連付けられる基準点の位置を選択した後の画像400および500を示す。この場合、各ボックス502、504、506は、その関連するパラメータの値を含む。
【0164】
すべてのパラメータの値が決定されると、方法300は、解剖学構造の決定された特性を使用してステントの特性を決定する処理ステップをさらに含む。
【0165】
1つの実施形態において、方法300は、動脈瘤の容積ならびに/または動脈瘤の最小および/もしくは最大直径を算出するステップと、算出された動脈瘤の容積ならびに/または動脈瘤の最小および/もしくは最大直径を表示するステップとをさらに含む。
【0166】
図15に示されるように、ステント530は、首部532、本体534、左脚536および右脚538を備え、上端540と、左脚536の端部にある左下端542および右脚538の端部にある右下端544との間で延在する。ステント530の左脚536および右脚538は、分岐点546において分離している。ステント530の首部は、上端540と点550との間に延在する。ステントの本体は、点550と分岐点546との間に延在する。ステント530の左脚536は、分岐点546と左下端542との間に延在し、一方、左脚536の着地領域は、点552と下端542との間に延在する。ステント530の右脚538は、分岐点546と右下端544との間に延在し、一方、右脚538の着地領域は、点554と下端544との間に延在する。
【0167】
ステント530の特性は、下記に記載されるように、上述されている決定された直径、長さおよび角度を使用して決定される。ステント530は、ステントの上端540が視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点と位置整合され、ステント530の左下端542が視覚マーカ442によって識別される基準点と位置整合され、ステント530の右下端544が視覚マーカ446によって識別される基準点と位置整合されるように、被検者に挿入されることになる。
【0168】
ステント530の首部の腎上首部角度および腎下首部角度は、動脈瘤の首部について決定される腎上首部角度および腎下首部角度にそれぞれ等しくなるように選ばれる。
【0169】
上端540におけるステント530の直径は、視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点において決定される大動脈の直径に基づいて選ばれ、ステント530の首部550の底部の直径、すなわち点550における直径は、視覚マーカ422によって識別される動脈瘤の首部の底部について決定される直径に基づいて選ばれる。1つの実施形態において、上端540におけるステント530の直径は、腎上セグメントの変曲点において決定される大動脈の直径に等しくなるように選ばれる。別の実施形態において、上端540におけるステント530の直径は、腎上セグメントの変曲点において決定される大動脈の直径よりもわずかに大きくなるように選ばれる。例えば、上端540におけるステント530の直径は、腎上セグメントの変曲点において決定される大動脈の直径よりも約20%大きくなるように選ばれる。同様に、1つの実施形態において、ステント530の首部550の底部の直径は、動脈瘤の首部の底部について決定される直径に等しくなるように選ばれる。別の実施形態において、ステント530の首部550の底部の直径は、動脈瘤の首部の底部について決定される直径よりもわずかに大きくなるように選ばれる。例えば、ステント530の首部550の底部の直径は、動脈瘤の首部の底部について決定される直径よりも約20%大きくなるように選ばれる。
【0170】
1つの実施形態において、首部532の直径は、首部532にフレア形状が与えられるように、その長さに沿って変化する。
【0171】
ステント530の首部532の長さは、視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点と、基準点422によって識別される動脈瘤の首部の底部との間の決定された距離に等しくなるように選ばれる。
【0172】
左下端542における左脚536の直径は、基準点442において決定される左総腸骨動脈の直径に基づいて選ばれ、点552における左脚536の直径は、基準点440において決定される左総腸骨動脈の直径に基づいて選ばれる。1つの実施形態において、左下端542における左脚536の直径は、基準点442において決定される左総腸骨動脈の直径に等しくなるように選ばれる。別の実施形態において、左下端542における左脚536の直径は、基準点442において決定される左総腸骨動脈の直径よりもわずかに大きくなるように選ばれる。例えば、左下端542における左脚536の直径は、基準点442において決定される左総腸骨動脈の直径よりも約20%大きくなるように選ばれる。同様に、点552における左脚536の直径は、基準点440において決定される左総腸骨動脈の直径に等しくなるように選ばれ得る。別の実施形態において、点552における左脚536の直径は、基準点440において決定される左総腸骨動脈の直径よりもわずかに大きくなるように選ばれる。例えば、点552における左脚536の直径は、基準点440において決定される左総腸骨動脈の直径よりも約20%大きくなるように選ばれ得る。
【0173】
1つの実施形態において、左脚536の直径は、左脚536にフレア形状が与えられるように、その長さに沿って変化する。
【0174】
ステント530の左脚536の着地領域の長さは、視覚マーカ440および442によって識別される基準点間の決定された距離に等しくなるように選ばれる。
【0175】
右下端544における右脚538の直径は、基準点446において決定される右総腸骨動脈の直径に基づいて選ばれ、点554における右脚538の直径は、基準点444において決定される右総腸骨動脈の直径に基づいて選ばれる。1つの実施形態において、右下端544における右脚538の直径は、基準点446において決定される右総腸骨動脈の直径に等しくなるように選ばれる。別の実施形態において、右下端544における右脚538の直径は、基準点446において決定される右総腸骨動脈の直径よりもわずかに大きくなるように選ばれる。例えば、右下端544における右脚538の直径は、基準点446において決定される右総腸骨動脈の直径よりも約20%大きくなるように選ばれる。1つの実施形態において、点554における右脚538の直径は、基準点444において決定される右総腸骨動脈の直径に等しくなるように選ばれる。別の実施形態において、点554における右脚538の直径は、基準点444において決定される右総腸骨動脈の直径よりもわずかに大きくなるように選ばれる。例えば、点554における右脚538の直径は、基準点444において決定される右総腸骨動脈の直径よりも約20%大きくなるように選ばれる。
【0176】
1つの実施形態において、右脚538の直径は、右脚538にフレア形状が与えられるように、その長さに沿って変化する。
【0177】
ステント530の右脚538の着地領域の長さは、視覚マーカ444および446によって識別される基準点間の決定された距離に等しくなるように選ばれる。
【0178】
1つの実施形態において、ステント530の本体534の直径は、視覚マーカ422によって識別される首部の底部の決定された直径に等しくなるように選ばれる。
【0179】
1つの実施形態において、ステント530の本体534の長さ、すなわち、首部532の下端550と分岐点546との間の距離は、被検者の身長などの被検者の特徴にしたがって予め規定され、または選択される。この場合、左脚536の長さは、本体534の長さおよび上述の決定された第4の長さを使用して決定される。ステント530の右脚538の長さは、本体534の長さおよび上述の決定された第5の長さを使用して決定される。
【0180】
別の実施形態では、ステント530の本体534の長さは、最大で事前定義の最大長に等しくなるように選ばれる。例えば、本体534の長さは、視覚マーカ422によって識別される首部の底部と視覚マーカ436によって識別される動脈瘤の底部との間の距離と、視覚マーカ422によって識別される首部の底部と視覚マーカ438によって識別される分岐点との間の距離との間に含まれるように選択されてもよいが、事前定義の最大長未満である。
【0181】
1つの実施形態において、ステントの特性が決定されると、方法430は、決定された特性に基づいてステント530の3Dモデルを生成し、ステントの3Dモデルに基づいてステント530の画像を生成し、ステントの画像を解剖学構造の画像400と合成して、ユーザがステント530をその場で見ることを可能にする処理ステップをさらに含む。例えば、ステント530の画像を、
図15に示されるように画像400に重ね合わせることができる。この場合、ステント530の画像は、ステント530の上端532が画像400において視覚マーカ432によって識別される腎上セグメントの変曲点と位置整合され、ステント530の左下端542が視覚マーカ442によって識別される左総腸骨動脈上の基準点と位置整合され、ステント530の右下端544が視覚マーカ446によって識別される右総腸骨動脈上の基準点と位置整合されるように、画像400上に重ね合わされる。
【0182】
1つの実施形態において、ステントの画像および画像400は、合成画像も3D画像であるように、3D画像である。1つの実施形態において、ユーザは、3D合成画像を操作することを可能にされ、例えば、ユーザは、3D合成画像を回転、拡大などすることができる。ユーザはまた、一方の画像を他方に対して移動させることができ、例えば、ユーザは、合成画像内で画像400に対してステントの画像を移動させることができる。
【0183】
1つの実施形態において、事前定義の異なるステントおよび/または事前定義のステント片が、各々それぞれの画像と共にデータベースに格納される。ステント片は、ステントの首部、ステントの本体、脚、ならびにステントの本体および脚を含むアセンブリなどに対応してもよい。データベースがステント片を含む場合、ステントは、ともに組み立てられたときに、その特性が決定された特性に実質的に対応するステントを形成する異なるステント片を選択することによって設計される。例えば、データベースは、事前定義のステント首部の第1のセット、事前定義のステント本体の第2のセット、左脚の第3のセットおよび右脚の第4のセットを含むことができる。この場合、ステントは、選択された首部、本体、左脚および右脚が、その特性がステントについて決定された特性に実質的に対応する選択されたステントをともに形成するように、ステントについて決定された特性に基づいて、第1のセットからの所与の首部、第2のセットからの所与の本体、第3のセットからの左脚および第4のセットからの右脚を選択することによって設計される。
【0184】
データベースが事前定義のステントを含む実施形態では、各事前定義のステントは、それぞれの幾何学的形状およびそれぞれの構成を与えられる。方法300は、事前定義のステントの中から、ステントについて決定された特性に基づいて所与のステントを選択する、例えば、その特性がステントについて決定された特性に最も対応する事前定義のステントを選択する処理ステップを含む。所与の選択された事前定義のステントは、その特性がステント530について決定された特性に最良に一致する事前定義のステントに対応する。選択された事前定義のステントに対応する画像は、データベースから検索され、ユーザに表示するために提供される前に解剖学構造の画像400と合成される。
【0185】
データベースが事前定義のステント片を含む実施形態では、方法300は、事前定義の片の中から、ステント530について決定された特性に最良に一致する所与の片を選択する処理ステップを含む。例えば、所与の首部が、ステント530の首部532について決定された特性に基づいて事前定義の首部の中から選ばれ、すなわち、その特性が首部532について決定された特性に最良に一致する所与の事前定義の首部が選ばれる。本体、左脚および右脚もまた、ステント530について決定された特性に基づいて選択される。選択されたステント本体と関連付けられる画像が、データベースから取り出され、ともに合成されてステントの画像を形成し、ステントの画像は、ユーザに表示される前に画像400と合成される。
【0186】
1つの実施形態において、データベースの中からの適切なステント片の選択は、この目的のために訓練された適切な機械学習アルゴリズム、または任意の他の適切な人工知能技法を使用して行われる。
【0187】
ステント530について決定された特性が出力されることが理解されるべきである。例えば、それらはメモリに格納されてもよい。
【0188】
1つの実施形態において、ユーザに表示されるステントの画像は対話型であり、すなわち、ユーザは、ステント530の特性を修正するために画像を修正することができる。ユーザがステント530の画像を修正すると、ステント530の特性が自動的に更新される。
【0189】
胸部大動脈の腎上セグメントの少なくとも一部分、胸部大動脈の腎下セグメント上の動脈瘤、大動脈分岐、ならびに左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む被検者の解剖学構造の任意の適切な3Dモデルが使用され得ることを理解されたい。例えば、解剖学構造の3Dモデルは、医療撮像装置によって撮影された医療画像から取得される3Dメッシュモデル、RAWマップ、歪みマップ、解剖学構造マップ、ILTマップ、成長マップなどであってもよい。
【0190】
1つの実施形態において、ユーザは1つのモデルから別のモデルに切り替えることができ、初期モデルに存在するマーカは、第2のモデル上の正確に同じ位置に再現される。例えば、表示画像400は、大動脈の3Dメッシュモデルであってもよい。次いで、ユーザは、同じ大動脈のRAWマップを表示することを選択する。次いで、3Dメッシュモデル上に存在し、ユーザによって選択されたマーカが、RAWマップ上の正確に同じ位置に再現される。
【0191】
医療撮像装置
医療撮像装置は、とりわけ、(i)取得パラメータに従って、心周期中に所与の被検者の解剖学構造を含む1つまたは複数の画像を取得し、(ii)画像をデータベースに送信するように構成されている。
【0192】
医療撮像装置は、コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)スキャナ、磁気共鳴撮像(MRI)スキャナ、超音波などのうちの1つを含んでもよい。
【0193】
本技術のいくつかの実施形態では、医療撮像装置は、コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)スキャナ、磁気共鳴撮像(MRI:magnetic resonance imaging)スキャナ、超音波などのうちの1つまたは複数などの複数の医療撮像装置を含んでもよい。
【0194】
医療撮像装置は、患者の大動脈を含む患者の画像を取得するための特定の取得パラメータによって構成することができる。
【0195】
非限定的な例として、医療撮像装置がCTスキャナとして実装される1つまたは複数の実施形態では、R-R間隔を捕捉するための可変線量放射線を用いた術前遡及的ゲートマルチ検出器CT(MDCT-64列マルチスライスCTスキャナ)を含むCTプロトコルを使用することができる。
【0196】
別の非限定的な例として、医療撮像手順がMRIスキャナを含む1つまたは複数の実施形態では、MRプロトコルは、定常状態T2強調高速磁場エコー(TE=2.6ms、TR=5.2ms、フリップ角110度、脂肪抑制(SPIR)、エコー時間50ms、最大25心臓位相、マトリックス256×256、取得ボクセルMPS(測定、位相およびスライス符号化方向)1.56/1.56/3.00mmおよび再構成ボクセルMPS0.78/0.78/1.5)、または研究中の大動脈の部分の同様のシネ収集、軸方向スライスを含むことができる。
【0197】
1つまたは複数の実施形態では、医療撮像装置は、ワークステーションコンピュータおよびサーバ230などの他の電子デバイスと共に医療画像を格納し、取り出すための画像保管通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)の一部である。
【0198】
メッシュ取得手順
メッシュ取得手順は、医療撮像装置によって取得されたマルチスライス画像スタックに基づいて生成された患者の大動脈の3Dメッシュを取得するように構成される。
【0199】
1つまたは複数の実施形態では、メッシュ取得手順は、患者の解剖学構造の3Dメッシュを生成する。
【0200】
1つまたは複数の他の実施形態では、解剖学構造の3Dメッシュは、別の電子デバイスによって生成されていてもよく、メッシュ取得手順は、電子デバイス(図示せず)から3Dメッシュを得てもよい。
【0201】
1つまたは複数の実施形態では、メッシュ取得手順は、生成手順中に中間ステップとして生成された3Dメッシュを使用する。例えば、生成手順は、多相画像スタックに基づいて、歪みマップ(歪み不均一性マップおよび歪み/相対変形マップを含む)、局所的大動脈脆弱性(RAW:regional aortic weakness)マップ、管腔内血栓(ILT:intraluminal thrombus)マップ、および石灰化分布マップのうちの1つまたは複数を生成するために使用されていてもよい。
【0202】
マップ生成手順
生成手順は、所与の患者の多相画像スタックを受信する。多相画像スタックは、心周期中に取得された患者の解剖学構造の画像を含み、患者は大動脈瘤に罹患している。
【0203】
1つまたは複数の実施形態では、多相画像スタックは、医療撮像装置210および/またはワークステーションコンピュータ215から受信される。
【0204】
歪みマップ
生成手順は、多相スタック410に基づいて歪みマップを生成する。
【0205】
1つまたは複数の実施形態では、医療画像に基づいて術前歪みマップを生成するために、生成手順は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同じ出願人によって2020年9月25日に出願されたPCT特許出願番号PCT/IB2020/059018に開示されている方法およびシステムを使用する。
【0206】
歪み/相対変形マップ
1つまたは複数の実施形態では、生成手順は、歪みマップに基づいて、歪みおよび相対変形マップを生成する。
【0207】
歪みおよび相対変形マップは、心周期中の大動脈壁の局所変形の測度を含む。
歪み相対変形マップは、最適なステント配置の判断を支援するために相対的に強いまたは弱い領域を示すために、「より健常」な領域に対する大動脈内の歪みを評価するために使用される。
【0208】
歪み不均一性マップ
1つまたは複数の実施形態では、生成手順は、歪みマップに基づいて歪み不均一性マップを生成する。
【0209】
歪み不均一性マップは、大動脈内の歪み分布の不均一性のレベルを示し、歪みが他の領域と比較して変化する領域を示し、当該領域は異なる歪み範囲に基づいて決定され得る。
【0210】
歪み不均一性マップは、歪み分布の不均一性のレベルを評価するために使用される(すなわち、非常に不均一な領域は、ステントのシールおよび配置に影響を及ぼし得る)。
【0211】
局所的大動脈脆弱性(RAW:regional aortic weakness)マップ
生成手順は、多相画像スタックに基づいてRAWマップを生成する。
【0212】
1つまたは複数の実施形態では、医療画像に基づいて術前RAWマップを生成するために、生成手順は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同じ出願人によって2020年9月25日に出願されたPCT特許出願番号PCT/IB2020/059018に開示されている方法およびシステムを使用する。
【0213】
1つまたは複数の代替の実施形態では、術前RAWマップは任意選択であってもよい。
石灰化分布マップおよび管腔内血栓厚マップ
生成手順は、設定されたセグメント化MLモデルにアクセスする。セグメント化MLモデルは、各患者の医療画像内の大動脈、腸骨動脈、管腔、ならびに壁および管腔内血栓(ILT:intraluminal thrombus)を含む残りの組織内のカルシウム沈着を検出するために使用される。基準点の選択は、カルシウム沈着を回避するために最適化され得る。
【0214】
1つまたは複数の実施形態では、医療画像内で大動脈、腸骨動脈、管腔、ならびに壁および管腔内血栓(ILT:intraluminal thrombus)を含む残りの組織を検出するために、生成手順は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同じ出願人による2021年2月22日に出願された米国仮特許出願第63/152,105号に開示されている方法およびシステムを使用する。
【0215】
生成手順は、多相スタックに基づいて、セグメント化MLモデル280のセットを使用して、管腔内血栓厚(ILT:intraluminal thrombus)マップおよび石灰化分布マップを生成する。
【0216】
1つまたは複数の代替の実施形態では、術前RAWマップを使用せずに、シールゾーンにおける大動脈壁脆弱性値を取得することができる。非限定的な例として、術前RAWマップが使用されない実施形態では、シールゾーンにおける大動脈壁脆弱性値は、別の電子デバイスから受信されてもよい。
【0217】
1つまたは複数の他の実施形態では、3Dメッシュと、局所的大動脈脆弱性(RAW:regional aortic weakness)マップ、歪み不均一性マップ、歪み/相対変形マップ、管腔内血栓厚(ILT:intraluminal thrombus)マップおよび石灰化分布マップのうちの1つまたは複数とは、生成手順を実行する1つまたは複数の他の電子デバイスによって生成され、次いでメッシュ取得手順によって受信されてもよい。
【0218】
1つまたは複数の代替の実施形態では、メッシュ取得手順は、3Dメッシュと、局所的大動脈脆弱性(RAW:regional aortic weakness)マップ、歪み不均一性マップ、歪み/相対変形マップ、管腔内血栓厚(ILT:intraluminal thrombus)マップおよび石灰化分布マップのうちの1つまたは複数とを出力する。
【0219】
上述の方法およびシステムは、他のタイプのステントを設計するために使用されてもよいことを理解されたい。例えば、それらは、
図16に示される胸部大動脈瘤のためのステントを設計するために使用されてもよい。
【0220】
この場合、本方法は、
胸部大動脈の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供するステップと、
胸部大動脈に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信するステップと、
第1の画像内で、各基準点の位置に視覚マーカを挿入するステップであって、以て第2の画像を取得する、挿入するステップと、
表示のために第2の画像を提供するステップと、
各基準点について、それぞれの直径を算出するステップと、
基準点の位置を使用して少なくとも1つの長さを算出するステップと、
任意選択的に、胸部大動脈の湾曲を算出するステップと、
算出された直径、算出された長さ、および任意選択的に湾曲を出力するステップとを含む。
【0221】
本方法は、算出されたパラメータを使用してステントの画像を生成することと、表示前にステントの画像を胸部大動脈の画像と合成することとをさらに含む。
【0222】
本明細書で言及されるすべての技術的効果が、本技術のあらゆる実施形態において享受される必要はないことは明確に理解されたい。例えば、本技術の実施形態は、ユーザがこれらの技術的効果のいくつかを享受することなく実装されてもよく、一方、他の非限定的な実施形態は、ユーザが他の技術的効果を享受するか、または技術的効果をまったく教授することなく実装されてもよい。
【0223】
本技術の上述の実施態様に対する修正および改善が、当業者には明らかになり得る。前述の説明は、限定ではなく例示であることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントを設計するためのコンピュータが実行する方法であって、
被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、前記身体部分は、少なくとも胸部大動脈の腎下セグメントと、前記胸部大動脈の前記腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、
複数の基準点の各々の位置を受信することであって、前記基準点は、少なくとも、前記腎上セグメントの変曲点と、前記動脈瘤の首部の底部と、前記動脈瘤の底部と、前記左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、前記右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の首部の前記底部の前記位置を使用して前記首部の第1の長さを算出し、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点の前記位置および前記第2の点の前記位置を使用して左着地領域の第2の長さを算出し、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点の前記位置および前記第2の点の前記位置を使用して右着地領域の第3の長さを算出し、前記基準点のうちのいくつかの前記位置を使用して前記ステントの左脚の第4の長さおよび前記ステントの右脚の第5の長さを算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の前記首部の前記底部の前記位置を使用して腎上首部角度を算出し、前記動脈瘤の前記首部の前記底部の位置および前記動脈瘤の前記底部の前記位置を使用して腎下首部角度を算出することと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を出力することと
を含む、コンピュータが実行する方法。
【請求項2】
前記第4の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定され、前記第5の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定される、請求項
1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項3】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用して前記ステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項
2に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項4】
前記左総腸骨動脈と前記右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を受信すること
と、前記分岐点における前記腎下セグメントの直径を算出して出力することとをさらに含む、請求項
1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項5】
前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置ならびに前記分岐点の前記位置を使用して第6の長さを決定することをさらに含み、前記第4の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施され、前記第5の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施される、請求項
4に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項6】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さ、前記第5の長さおよび前記第6の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を使用してステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項
5に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項7】
前記視覚マーカの新たな位置を受信することと、
前記視覚マーカを前記第2の画像内の前記新たな位置に移動させることであって、以て、更新済み画像を取得する、移動させることと、
表示のために前記更新済み画像を提供することと
、
前記新たな位置においてさらなる直径を算出することと
、
前記さらなる直径を出力することと
をさらに含む、請求項
1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項8】
前記胸部大動脈の定型化された腎下セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む、前記身体部分の基準画像を生成することと、
前記基準画像内に前記複数の前記基準点の各々の視覚インジケータを挿入することと、
前記基準画像を表示のために提供することと
をさらに含む、請求項
1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項9】
前記第1の総腸骨動脈および前記第2の総腸骨動脈の各々について、それぞれの腸骨点を受信することと、
前記それぞれの腸骨点におけるそれぞれの湾曲角度を算出することと
、
表示のために前記それぞれの湾曲角度を提供することと
をさらに含む、請求項
1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項10】
前記ステントの前記画像を前記生成することは、事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびに前記ステントの前記本体の前記所与の所定長を使用して、前記事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、前記適切なステント片は、ともに前記ステントを形成する、選択することと、
前記適切なステント片の画像を使用して前記ステントの前記画像を生成することと
を含む、請求項
3に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項11】
ステントを設計するためのシステムであって、
プロセッサと、
命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記プロセッサは、前記命令の実行を受けて、
被検者の身体部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することであって、前記身体部分は、少なくとも胸部大動脈の腎下セグメントと、前記胸部大動脈の前記腎下セグメント上の動脈瘤と、大動脈分岐と、左総腸骨動脈および右総腸骨動脈の少なくとも一部とを含む、提供することと、
複数の基準点の各々の位置を受信することであって、前記基準点は、少なくとも、前記腎上セグメントの変曲点と、前記動脈瘤の首部の底部と、前記動脈瘤の底部と、前記左総腸骨動脈上の第1の点および第2の点と、前記右総腸骨動脈上の第1の点および第2の点とを含む、受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の首部の前記底部の前記位置を使用して前記首部の第1の長さを算出し、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点の位置および前記第2の点の前記位置を使用して左着地領域の第2の長さを算出し、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点の位置および前記第2の点の位置を使用して右着地領域の第3の長さを算出し、前記基準点のうちのいくつかの前記位置を使用して前記ステントの左脚の第4の長さおよび前記ステントの右脚の第5の長さを算出することと、
前記腎上セグメントの前記変曲点の前記位置および前記動脈瘤の前記首部の前記底部の前記位置を使用して腎上首部角度を算出し、前記動脈瘤の前記首部の前記底部の前記位置および前記動脈瘤の前記底部の前記位置を使用して腎下首部角度を算出することと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を出力することと
を行うように構成されている、システム。
【請求項12】
前記第4の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定され、前記第5の長さは、前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置、ならびに、前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して決定される、請求
項11に記載のシステム。
【請求項13】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびにステントの本体の所与の所定長を使用して前記ステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記左総腸骨動脈と前記右総腸骨動脈との間の分岐点の位置を受信すること
と、前記分岐点における前記腎下セグメントの直径を算出して出力することとをさらに含む、請求
項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記変曲点および前記首部の前記底部のうちの一方の前記位置ならびに前記分岐点の前記位置を使用して第6の長さを決定することをさらに含み、前記第4の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記左総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施され、前記第5の長さを前記算出することは、前記分岐点の前記位置ならびに前記右総腸骨動脈上の前記第1の点および前記第2の点のうちの一方の前記位置を使用して実施される、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さ、前記第5の長さおよび前記第6の長さ、前記腎上首部角度ならびに前記腎下首部角度を使用してステントの画像を生成することと、
前記画像上の前記ステントの前記画像を前記第1の画像と合成することであって、以て、さらなる画像を取得する、合成することと、
表示のために前記さらなる画像を提供することと
をさらに含む、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記視覚マーカの新たな位置を受信することと、
前記視覚マーカを前記第2の画像内の前記新たな位置に移動させることであって、以て、更新済み画像を取得する、移動させることと、
表示のために前記更新済み画像を提供することと
、
前記新たな位置においてさらなる直径を算出することと
前記さらなる直径を表示のために提供することと
をさらに含む、請求項
11に記載のシステム。
【請求項18】
前記胸部大動脈の定型化された腎下セグメントの少なくとも一部分、定型化された動脈瘤、定型化された大動脈分岐、ならびに第1の定型化された総腸骨動脈および第2の定型化された総腸骨動脈の少なくとも一部分を含む、前記身体部分の基準画像を生成することと、
前記基準画像内に前記複数の前記基準点の各々の視覚インジケータを挿入することと、
前記基準画像を表示のために提供することと
をさらに含む、請求
項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の総腸骨動脈および前記第2の総腸骨動脈の各々について、それぞれの腸骨点を受信することと、
前記それぞれの腸骨点におけるそれぞれの湾曲角度を算出することと
、
表示のために前記それぞれの湾曲角度を提供することと
をさらに含む、請求
項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記ステントの前記画像を前記生成することは、
事前定義のステント片を含むデータベースにアクセスすることと、
各基準点の前記それぞれの直径、前記第1の長さ、前記第2の長さ、前記第3の長さ、前記第4の長さおよび前記第5の長さ、前記腎上首部角度、前記腎下首部角度ならびに前記ステントの前記本体の前記所与の所定長を使用して、前記事前定義のステント片の中から適切なステント片を選択することであって、前記適切なステント片は、ともに前記ステントを形成する、選択することと、
前記適切なステント片の画像を使用して前記ステントの前記画像を生成することと
を含む、請求項
13に記載のシステム。
【請求項21】
ステントを設計するためのシステムであって、
プロセッサと、
命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記プロセッサは、前記命令の実行を受けて、
動脈瘤を含む身体部分の少なくとも一部分の3Dモデルの第1の画像を表示のために提供することと、
前記身体部分に沿って選ばれた複数の基準点の各々の位置を受信することと、
前記第1の画像内で、各基準点の前記位置に視覚マーカを挿入することであって、以て、第2の画像を取得する、挿入することと、
表示のために前記第2の画像を提供することと、
各基準点について、それぞれの直径を算出することと、
前記基準点の前記位置を使用して少なくとも1つの長さを算出することと、
前記それぞれの直径および少なくとも1つの長さを出力することと
を行うように構成されている、システム。
【国際調査報告】