(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】カスタマイズ課程体系の構築方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538121
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2022141066
(87)【国際公開番号】W WO2023116830
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111594308.X
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521017642
【氏名又は名称】山東大学
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.17923, Jingshi Road, Lixia District Jinan, Shandong 250061, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 恒旭
(72)【発明者】
【氏名】曹 永吉
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲ボウ▼淞
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC34
(57)【要約】
本発明は、カスタマイズ課程体系の構築方法及びシステムを開示し、課程体系構築の技術分野に関し、課程マトリックスを構築するステップ1と、専攻最高レベル課程を取得するステップ2、前記課程マトリックスから対応課程の全ての先行履修課程を抽出するステップ3と、対応課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、ステップ5を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了し、完全な課程体系を出力するステップ4と、全ての先行履修課程から対応課程の直接先行履修課程を選択し、次のレベルの課程とし、そしてステップ3に戻るステップ5と、を含む。本発明は、上記方法によって、課程体系を迅速且つ科学的に構築することができ、課程が完備し且つ履修順序が合理的であり、本発明は専攻課程体系の自動カスタマイズを完全に実現することができ、大学課程体系の構築に対して極めて大きな利便性と進歩的意義を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
課程マトリックスを構築するステップ1と、
専攻最高レベル課程を取得するステップ2と、
前記課程マトリックスから対応課程の全ての先行履修課程を抽出するステップ3と、
対応課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、ステップ5を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了し、完全な課程体系を出力するステップ4と、
全ての先行履修課程から対応課程の直接先行履修課程を選択し、次のレベルの課程とし、そしてステップ3に戻るステップ5と、を含むことを特徴とする、カスタマイズ課程体系の構築方法。
【請求項2】
前記課程マトリックスには複数の課程が含まれ、各課程は、課程名、先行履修的知識点、修得的知識点、単位の4つの部分が含まれ、さらにn×4の課程マトリックスが形成され、前記nは課程マトリックスに含まれる課程の総数を表すことを特徴とする、請求項1に記載のカスタマイズ課程体系の構築方法。
【請求項3】
前記専攻最高レベル課程の数は≧1であり、専攻最高レベル課程のいずれに対してもステップ3からステップ5を実行することを特徴とする、請求項1に記載のカスタマイズ課程体系の構築方法。
【請求項4】
ステップ3では、各課程の全ての先行履修課程を取得する具体的な方法は、
前記課程マトリックスにおける先行履修的知識点と修得的知識点との間の重複関係に基づいて、任意の2つの課程間の順次関係を決定し、各課程の全ての先行履修課程及び後続課程を得ることを特徴とする、請求項1に記載のカスタマイズ課程体系の構築方法。
【請求項5】
ステップ5では、各課程の直接先行履修課程の選択方法は、
ステップ3で取得された各課程の全ての先行履修課程に基づいて、その中から後続課程が対応課程のみである全ての課程をスクリーニングし、対応課程の直接先行履修課程とすることを特徴とする、請求項1に記載のカスタマイズ課程体系の構築方法。
【請求項6】
課程マトリックスを構築するための課程マトリックス構築モジュールと、
専攻最高レベル課程を取得するための第1取得モジュールと、
前記課程マトリックスから対応課程の全ての先行履修課程を抽出するための第2取得モジュールと、
対応課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、第3取得モジュールの操作を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了し、出力モジュールの操作を実行するための判断モジュールと、
完全な課程体系を出力するための出力モジュールと、
全ての先行履修課程から対応課程の直接先行履修課程を選択し、次のレベルの課程とし、そして第2取得モジュールに戻るための第3取得モジュールと、を含むことを特徴とする、カスタマイズ課程体系の構築システム。
【請求項7】
前記課程マトリックスには複数の課程が含まれ、各課程は、課程名、先行履修的知識点、修得的知識点、単位の4つの部分を含み、さらにn×4の課程マトリックスが形成され、前記nは課程マトリックスに含まれる課程の総数を表すことを特徴とする、請求項6に記載のカスタマイズ課程体系の構築システム。
【請求項8】
前記専攻最高レベル課程の数は≧1であり、専攻最高レベル課程のいずれに対しても第2取得モジュールから第3取得モジュールの操作を実行することを特徴とする、請求項6に記載のカスタマイズ課程体系の構築システム。
【請求項9】
第2取得モジュールでは、各課程の全ての先行履修課程を取得する具体的な方法は、
前記課程マトリックスにおける先行履修的知識点と修得的知識点との間の重複関係に基づいて、任意の2つの課程間の順次関係を確定し、各課程の全ての先行履修課程及び後続課程を得ることを特徴とする、請求項6に記載のカスタマイズ課程体系の構築システム。
【請求項10】
第3取得モジュールでは、各課程の直接先行履修課程の選択方法は、
第2取得モジュールによって取得された各課程の全ての先行履修課程に基づいて、その中から後続課程が対応課程のみである全ての課程をスクリーニングし、対応課程の直接先行履修課程とすることを特徴とする、請求項6に記載のカスタマイズ課程体系の構築システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2021年12月23日に中国特許局に出願した、出願番号が202111594308.Xで、発明の名称が「カスタマイズ課程体系の構築方法及びシステム」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全ては参照によって本発明に組み込まれる。
本発明は、課程体系構築の技術分野に関し、さらに具体的には、カスタマイズ課程体系の構築方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
課程体系は、教育理念と人材育成目標に向けて、課程科目の選択と課程の履修順序を最適化したものである。課程体系は、大学の人材育成の土台、専門育成プログラムのコア、教育理念と人材育成目標を実現する橋渡しである。学生が専攻学習を通じて得られる知識構造は、専攻課程体系にかなりの程度左右される。そのため、専攻課程体系の改革は新工科建設における最も重要な一環であり、創造力に富んだ多面的な優秀工学人材の育成に重要な役割を果たしている。
【0003】
近年、新工科建設は国内の高等工学教育分野において焦点となっている。現在、新工科建設はすでに効果が見られているが、新工科専攻の課程体系の制定を支援する自動化ツールと方法はまだ現れず、異なる大学、異なる新工科専攻の課程体系改革案には大きな差異があり、学科の優位性に基づいて異なる新工科専攻の課程体系を構築するにはそれぞれ調査チームを編成する必要があり、このため、新工科専攻の課程体系の全面的な建設の複雑さは大きくなっている。このように、現在の大学課程体系の構築効率が低く、且つ異なる専攻の学生に応じてそれ自身に適した個性的な課程体系をカスタマイズすることができない。これに基づいて、どのようにカスタマイズ課程体系の構築方法とプラットフォームを提供するかは、当業者が早急に解決しなければならない問題である。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、学生自身の状況に基づいて課程体系を正確に、効率的に構築することができる、カスタマイズ課程体系の構築方法及びシステムを提供する。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0006】
カスタマイズ課程体系の構築方法であって、
課程マトリックスを構築するステップ1と、
専攻最高レベル課程を取得するステップ2と、
前記課程マトリックスから対応課程の全ての先行履修課程を抽出するステップ3と、
対応課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、ステップ5を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了し、完全な課程体系を出力するステップ4と、
全ての先行履修課程から対応課程の直接先行履修課程を選択し、次のレベルの課程とし、そしてステップ3に戻るステップ5と、を含む。
【0007】
上記ステップによって、全ての課程の前後順序を並び替え、課程が完備しており且つ履修順序が合理的な専攻課程体系を得ることができ、体系中の課程は全て履修の前後順序に従って並び替えられてレベル付けされ、最低レベルは専攻の基礎課程であり、最高レベルは直接専攻の育成目標に向ける上級専攻課程である。
【0008】
さらに、前記課程マトリックスには複数の課程が含まれ、各課程は、課程名、先行履修的知識点、修得的知識点、単位の4つの部分が含まれ、さらにn×4の課程マトリックスが形成され、前記nは課程マトリックスに含まれる課程の総数を表す。この課程マトリックスは、後でレベル付けを行うためのデータ基盤を提供する。
【0009】
さらに、前記専攻最高レベル課程の数は≧1であり、専攻最高レベル課程のいずれに対してもステップ3からステップ5を実行する。
【0010】
さらに、ステップ3では、各課程の全ての先行履修課程を取得する具体的な方法は、
前記課程マトリックスにおける先行履修的知識点と修得的知識点との間の重複関係に基づいて、任意の2つの課程間の順次関係を決定し、各課程の全ての先行履修課程及び後続課程を得る。
【0011】
さらに、ステップ5では、各課程の直接先行履修課程の選択方法は、
ステップ3で取得された各課程の全ての先行履修課程に基づいて、その中から後続課程が対応課程のみである全ての課程をスクリーニングし、対応課程の直接先行履修課程とする。
【0012】
本発明は、同様に、
課程マトリックスを構築するための課程マトリックス構築モジュールと、
専攻最高レベル課程を取得するための第1取得モジュールと、
前記課程マトリックスから対応課程の全ての先行履修課程を抽出するための第2取得モジュールと、
対応課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、第3取得モジュールの操作を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了し、出力モジュールの操作を実行するための判断モジュールと、
完全な課程体系を出力するための出力モジュールと、
全ての先行履修課程から対応課程の直接先行履修課程を選択し、次のレベルの課程とし、そして第2取得モジュールに戻るための第3取得モジュールと、を含む、カスタマイズ課程体系の構築システムを提供する。
【0013】
さらに、前記課程マトリックスには複数の課程が含まれ、各課程は、課程名、先行履修的知識点、修得的知識点、単位の4つの部分を含み、さらにn×4の課程マトリックスが形成され、前記nは課程マトリックスに含まれる課程の総数を表す。
【0014】
さらに、前記専攻最高レベル課程の数は≧1であり、専攻最高レベル課程のいずれに対しても第2取得モジュールから第3取得モジュールの操作を実行する。
【0015】
さらに、第2取得モジュールでは、各課程の全ての先行履修課程を取得する具体的な方法は、
前記課程マトリックスにおける先行履修的知識点と修得的知識点との間の重複関係に基づいて、任意の2つの課程間の順次関係を決定し、各課程の全ての先行履修課程及び後続課程を得る。
【0016】
さらに、第3取得モジュールでは、各課程の直接先行履修課程の選択方法は、
第2取得モジュールによって取得された各課程の全ての先行履修課程に基づいて、その中から後続課程が対応課程のみである全ての課程をスクリーニングし、対応課程の直接先行履修課程とする。
【0017】
上記技術的解決手段によると、本発明はカスタマイズ課程体系の構築方法及びシステムを提供し、従来技術に比べて、以下の有益な効果を有する。
【0018】
上記方式を使用すれば、異なる学生に適した個性的な課程体系を迅速かつ科学的に構築することができ、構築された課程体系は課程が完備し且つ履修順序が合理的な専攻課程体系であり、体系中の課程は全て履修の前後順序に従って並び替えられてレベル付けされ、最低レベルは専攻の基礎課程であり、最高レベルは直接専攻の育成目標に向ける上級専攻課程である。学期ごとに選択された課程の総単位がほぼ同じであるという原則で、この専攻課程体系を履修の前後順序に従って全ての学期に割り当てることで、学期ごとの課程表を生成し、専攻課程体系の自動カスタマイズを完全に実現することができる。大学課程体系の構築に対して極めて大きな利便性と進歩的意義を有する。
【0019】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下において、実施例又は従来技術の説明に使用される図面を簡単に説明し、当然ながら、以下の説明における図面は本発明の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、提供された図面から他の図面に想到し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】本発明の実施例における可視化プラットフォームのインタフェース模式図である。
【
図4】本発明の実施例における可視化プラットフォームで構築された課程体系の一部のスクリーンショット模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0022】
本発明は、いずれかの専攻課程体系内の全ての課程間の論理的関係をめぐって分析し、専攻課程体系の最適化カスタマイズに焦点を当て、課程体系の論理的分析方法を形成し、そしてその上で課程体系の論理的分析と可視化プラットフォームを形成する。プラットフォームは既存の専攻課程体系を見直すことができ、新しい専攻の育成要求に基づいて、課程データベースを自動的に分析し、完備している専攻課程体系を生成し且つ可視化することができる。本発明により形成された専攻課程体系の論理的分析方法と可視化プラットフォームは新工科専攻の課程体系の構築に参考価値がある。課程体系の改訂では、専攻課程体系の論理的分析方法と可視化プラットフォームは補助的な役割を果たしている。プラットフォームは、自動的に生成された課程体系と既存の課程体系との差を比較することによって、既存の課程体系の合理性評価と見直しを行う。本発明の課程体系構築方法及び可視化プラットフォームの支援により、各学生の完全な課程体系の見直しが専攻教師によって手動で行われる場合に比べて、課程体系のカスタマイズ効率が大幅に向上する。
【0023】
本発明の実施例は、カスタマイズ課程体系の構築方法を開示し、
図1を参照すると、以下のステップを含む。
【0024】
ステップ1で、課程マトリックスを構築する。
【0025】
課程マトリックスには複数の課程が含まれ、各課程は、課程名、先行履修的知識点、修得的知識点、単位の4つの部分を含み、さらにn×4の課程マトリックスが形成され、表1に示すように、nは課程マトリックスに含まれる課程の総数を表し、各行は1つの課程を表し、各列はそれぞれ課程の課程名、先行履修的知識点、修得的知識点、単位を表す。ここで、先行履修的知識点とは、1つの課程を学ぶ前に学習しなければならない知識点を指し、修得的知識点とは、1つの課程を学ぶことで得られる知識点を指す。
【0026】
【0027】
ステップ2で、専攻最高レベル課程を取得する。
【0028】
専攻最高レベル課程は専攻の最終的な育成目標に基づいて決定され、数は≧1且つ≦3であり、専攻最高レベル課程のいずれに対してもステップ3からステップ5を実行する。
【0029】
ステップ3で、課程マトリックスからこの課程の全ての先行履修課程を抽出する。
【0030】
各課程の全ての先行履修課程を取得する具体的な方法は、課程マトリックスにおける先行履修的知識点と修得的知識点との間の重複関係に基づいて、任意の2つの課程間の順次関係を決定し、各課程の全ての先行履修課程及び後続課程を得る。例として、課程マトリックスにおけるi(i≦n)行目の2列目の要素とj(j≦n&j≠i)行目の3列目の要素に重複部分があると仮定すると、課程マトリックスにおけるi番目の課程の先行履修的知識点とj番目の課程の修得的知識点との間に重複があることが分かり、これによりj番目の課程がi番目の課程の先行履修課程であると判定する。このように課程マトリックスに含まれる全ての課程をトラバースすることで、任意の2つの課程の間に知識の学習上の順次関係があるか否かを判定して、各課程の全ての先行履修課程及び後続課程を得ることができる。
【0031】
ステップ4で、この課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、ステップ5を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了する。
【0032】
ステップ5で、全ての先行履修課程からこの課程の全ての直接先行履修課程を選択し、順に次のレベルの課程とし、そしてステップ3に戻る。
【0033】
各課程の直接先行履修課程の選択方法は、ステップ3で取得された各課程の全ての先行履修課程に基づいて、その中から後続課程がこの課程のみである全ての課程をスクリーニングし、この課程の直接先行履修課程とする。
【0034】
上述した最高レベル課程、各課程の直接先行履修課程はいずれも複数であってもよい。上記プロセスにより、課程体系全体の最低レベルの課程が得られるまで、各レベルの課程を反復的に生成することができ、さらに完全な課程体系が得られる。
【0035】
具体的な実施例において、各課程の先行履修的知識点と修得的知識点は両方とも複合要素であり、具体的な単一の知識点が多く含まれているため、課程マトリックスはネスト構造を有するデータ体である。課程体系の論理的分析を容易にするために、課程マトリックスは特定のデータ構造で課程データベースに保存する必要がある。
【0036】
課程データベースに、それぞれ課程リスト、先行履修的知識点リスト、修得的知識点リストの3つのデータテーブルを作成する。課程リストの構造を表2に、修得的知識点リストの構造を表3に示す。課程リストの各行は1つの課程を表し、課程リストには、それぞれ課程番号、課程名、単位の計3列がある。先行履修的知識点リストには、全ての課程を履修する前に習得しなければならない知識点が含まれており、各行は1つの単一の知識点を表し、リストには、知識点番号、知識点の名称、知識点が属する科目の3列がある。修得的知識点リストには、全ての課程を履修した後に得られた知識点が含まれており、その構造が先行履修的知識点リストと同じである。先行履修的知識点リスト及び修得的知識点リストにおける知識点が属する科目は、課程リストに存在する課程科目でなければならない。上記の3つのデータテーブルからなる課程データベースは、課程マトリックスのネスト構造を技術的に実現する。
【0037】
【0038】
【0039】
本発明の実施例では、同様に、カスタマイズ課程体系の構築システムが開示されており、
図2を参照すると、課程マトリックスを構築するための課程マトリックス構築モジュールと、
専攻最高レベル課程を取得するための第1取得モジュールと、
前記課程マトリックスから対応課程の全ての先行履修課程を抽出するための第2取得モジュールと、
対応課程の全ての先行履修課程の数が0であるか否かを判断し、0でなければ、第3取得モジュールの操作を実行し、0であれば、課程体系の構築が終了し、出力モジュールの操作を実行するための判断モジュールと、
完全な課程体系を出力するための出力モジュールと、
全ての先行履修課程から対応課程の直接先行履修課程を選択し、次のレベルの課程とし、そして第2取得モジュールに戻るための第3取得モジュールと、を含む。
【0040】
上記技術的解決手段をもとに、さらにその具体的な実施形態を紹介し、本発明は、上述した課程体系構築方法及びシステムに基づいて、可視化プラットフォームを構築し、全体的アーキテクチャは課程データベース、論理的分析と可視化メインプログラム、グラフィカルインタフェースプログラムの3つの部分からなる。プラットフォームの開発言語はPythonとSQL言語である。プラットフォームが依存する課程データベースはSQLiteエンジンによって作成され、管理され、データベースファイルはコードとともに実行可能ファイルにパッケージ化され、サーバ側を必要とせずにローカルに実行可能である。プラットフォームの論理的分析メインプログラムは、課程データベース内のデータを抽出して分析し、課程マトリックス内部の論理的関係を決定する。課程データベースに含まれる課程の数が十分である前提で、課程体系の論理的分析プラットフォームは任意の専攻の課程体系を分析することができ、任意の専攻の課程体系を生成することができる。プラットフォームの可視化メインプログラムはPythonの第三者ライブラリpyechartsを呼び出し、論理的分析メインプログラムによって生成されたネストデータ構造をツリー図に変換し、プラットフォームのグラフィックスインタフェースに表示する。
【0041】
プラットフォームのグラフィックスインタフェースプログラムはPythonの第三者ライブラリPyQt5を呼び出し、ユーザ入力とプログラム出力結果の可視化表示に使用される簡潔なグラフィックスインタフェースを形成し、良好なヒューマンコンピューターインタラクション特性を有する。
【0042】
コード及び依存リソースを実行可能ファイルにパッケージ化するプロセスにはpythonの第三者ライブラリcx_Freezeが使用されており、パッケージ化後に形成された課程体系の論理的分析及び可視化プラットフォームは、実行時にPython環境を必要とせず、ユーザが直接使用しやすい。
【0043】
図3に示すように、上記可視化プラットフォームには、次の3つの機能がある。
【0044】
1.いずれか1つの課程を取得した場合、履修前に習得しなければならない知識点及び履修後に得られた知識点をツリー図で可視化して示し、且つ該課程の先行履修課程及び後続課程を可視化して示すことができる。
【0045】
2.既存の専攻課程体系を見直す。課程履修の前後順序に従ってある専攻の既存の専攻課程を入力することで、この専攻課程体系のスケジュールが合理的か否かを自動的に分析することができる。全ての課程の前後順序が合理的で、課程が完備し且つ余計な課程がない場合、該専攻課程体系が合理的であると判定する。上記条件が満たされていなければ、当該専攻の既存の課程体系が合理的ではないと判定し、この課程体系を自動的に修正し、完備させ、可視化して示す。
【0046】
3.新しい専攻の育成目標に基づいて、ある新しい専攻の最高レベル課程を人為的に決定した後、プログラムを通じてこの専攻に必要な全ての専攻課程を生成し、履修の前後順序に従って並び替え、新しい専攻に対する最適な課程体系を形成し、そしてツリー図で可視化して示すことができる。
【0047】
課程体系の論理的分析と可視化プラットフォームの1つの入力サブインタフェースを
図3に示す。プラットフォームの機能2は、人為的に入力された既存の課程体系を見直すと同時に、最高レベルの専攻課程に基づいて完備している専攻課程体系を自動的に生成し、既存の課程体系と比較して分析し、修正後の新しい専攻課程体系を生成する必要がある。機能2は、3つの機能のうち最も包括的なものである。このため、機能2を例とし、プラットフォームの実際の使用効果を示す。
【0048】
電気工学及びその自動化という専攻の最高レベルのコア課程を『電力システム分析』、『電力システムスケジューリング運転と制御』及び『電力システムリレー保護』と設定するとともに、完備しない電気工学及びその自動化の専攻課程体系を入力し(
図3に示すとおり)、プラットフォームは自動的に検証修正を行う。
図4に示すように、プラットフォームは分析が完了した後、出力サブインタフェースにおいて、修正後の課程体系図をツリー図の形で可視化して示す。完全な課程体系図が大きすぎるため、プラットフォームの出力サブインタフェースをスライドさせてページをめくって確認し、
図4には修正後の電気工学及びその自動化の専攻課程体系の一部のスクリーンショットが示されている。
【0049】
上述した本発明の方法によって構築された可視化プラットフォームは、本発明の方法を実現する1つの具体的な形態であり、完全な課程体系を簡単に得ることができ、従来の方法において教師、学生が専攻課程体系を自らカスタマイズするのに手間がかかるという弊害を回避し、該プラットフォームは専攻課程体系をカスタマイズする補助ツールとなり、教育者が新工学科課程体系の改革を行うのに役立つだけでなく、学生が学習興味に基づいて個性的な課程体系を自主的にカスタマイズするのにもサポートの役割を果たす。
【0050】
本明細書における各実施例は漸進的に説明されたが、各実施例において重点として説明したのは全て他の実施例との相違点であり、各実施例間の同じ又は類似的な部分については互いに参照すればよい。実施例に開示された装置については、実施例に開示された方法に対応するので、説明は比較的簡単であり、関連部分については方法の説明の一部を参照すればよい。
【0051】
開示された実施例についての以上の説明により、当業者は本発明を実現又は使用することができる。これらの実施例に対する様々な修正は当業者にとって自明であり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の精神又は範囲を逸脱しない限り、他の実施形態において実施され得る。したがって、本発明は、本明細書に示されるこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に適合する。
【国際調査報告】