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特表2024-546514ターボ機械用の可変入口ガイドベーン、可変入口ガイドベーンを含むターボ機械及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ターボ機械用の可変入口ガイドベーン、可変入口ガイドベーンを含むターボ機械及び方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/46 20060101AFI20241217BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
F04D29/46 D
F04D29/62 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539656
(86)(22)【出願日】2023-02-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2023025082
(87)【国際公開番号】W WO2023160875
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】102022000003599
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビギ,マヌエレ
(72)【発明者】
【氏名】カマッティ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ドッジーニ,マテオ
(72)【発明者】
【氏名】ベロブオーノ,エルナーニ フルビオ
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB27
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA97B
3H130CA03
3H130DF01X
3H130EA02A
3H130EA07A
3H130ED01A
3H130ED01B
3H130ED04A
3H130ED04B
(57)【要約】
【解決手段】 可変入口ガイドベーン装置は、ディスク状部材と、ディスク状部材と同軸でありディスク状部材と共にユニットを形成する環状部材とを備えている。一組の可変入口ガイドベーンが、ディスク状部材と環状部材との間に枢動可能に取り付けられている。各可変入口ガイドベーンは、第1の枢動ピン及び第2の枢動ピンを備える。第1の枢動ピンは、ディスク状部材内に収容された第1の軸受によって枢動可能に支持され、第2の枢動ピンは、環状部材内に収容された第2の軸受によって枢動可能に支持される。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械用の可変入口ガイドベーン装置であって、
ディスク状部材と、
前記ディスク状部材と同軸であり前記ディスク状部材と共にユニットを形成する環状部材と、
前記ディスク状部材と前記環状部材との間に枢動可能に取り付けられた一組の可変入口ガイドベーンと、
を備え、
各可変入口ガイドベーンは、第1の枢動ピン及び第2の枢動ピンを備え、各第1の枢動ピンは、前記ディスク状部材に収容された第1の軸受によって枢動可能に支持され、前記第2の枢動ピンは、前記環状部材に収容された第2の軸受によって枢動可能に支持され、
各可変入口ガイドベーンは、前記枢動ピンと一体であり、前記ディスク状部材及び前記環状部材に対して前記枢動ピンの軸の周りで移動可能である後方部分を備え、前記可変入口ガイドベーンの少なくともいくつかは、前記ディスク状部材及び前記環状部材に対して静止している先頭部分を含む、装置。
【請求項2】
前記ディスク状部材と前記環状部材とを互いに堅固に接続して前記ユニットを形成する複数の接続部材を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各接続部材が、前記可変入口ガイドベーンのうちの1つのそれぞれの先頭部分を通って延びる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ディスク状部材が、前記環状部材に面する第1の側と、前記環状部材の反対側に面する第2の側と、を備え、前記可変入口ガイドベーンの角度変位を制御するための作動システムが、前記ディスク状部材の前記第2の側の座部に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
ターボ機械であって、
ケーシングと、
前記ハウジング内に回転可能に支持された少なくとも1つのインペラと、
入口プレナムと、
前記入口プレナムと前記インペラの入口との間に、前記インペラと同軸に配置された、請求項1~4のいずれか一項に記載の可変入口ガイドベーン装置と、
を備える、ターボ機械。
【請求項6】
前記ターボ機械は、遠心圧縮機である、請求項5に記載のターボ機械。
【請求項7】
前記ケーシング内に静止して配置され、前記インペラと同軸であるダイアフラムを更に備え、前記ディスク状部材は、前記ダイアフラム内に収容される、請求項5又は6に記載のターボ機械。
【請求項8】
前記環状部材は、前記インペラと同軸の座部に収容され、前記ケーシングの前部に配置される、請求項7に記載のターボ機械。
【請求項9】
ターボ機械用の可変入口ガイドベーンを組み立てる方法であって、
一組の第1の軸受をディスク状部材に取り付けることと、
一組の第2の軸受を環状部材に取り付けることと、
複数の可変入口ガイドベーンがその間に収容された状態で、前記ディスク状部材と前記環状部材とを互いに堅固に接続することと、
を含み、各可変入口ガイドベーンが、前記第1の軸受内で回転するように支持された第1のピンと、前記第2の軸受内で回転するように支持された第2のピンとを備え、前記ディスク状部材、前記環状部材、及びそれらの間に配置された前記可変入口ガイドベーンは、ユニットを形成し、各可変入口ガイドベーンは、前記枢動ピンと一体であり、前記ディスク状部材及び前記環状部材に対して前記枢動ピンの軸の周りで移動可能である後方部分を備え、前記可変入口ガイドベーンの少なくともいくつかは、前記ディスク状部材及び前記環状部材に対して静止している先頭部分を含む、方法。
【請求項10】
前記可変入口ガイドベーンの角変位を制御するための作動システムを前記ディスク状部材の前記第2の側の座部に取り付け、各可変入口ガイドベーンを前記作動システムに接続することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ユニットをターボ機械に取り付けることを更に含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ターボ機械は、遠心圧縮機である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユニットは、前記ターボ機械の固定ダイアフラムと前記ターボ機械の前方ケーシング部分との間に配置される、請求項11又は12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ターボ機械の分野に関し、特に、限定するものではないが、遠心圧縮機などに関する。具体的には、本開示は、ターボ機械用の可変入口ガイドベーン、例えば、遠心圧縮機、及びターボ機械に可変入口ガイドベーンを取り付けて設置する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、一般に、入口と、ケーシング内で回転するように配置された1つ以上のインペラと、出口とを含む流体用の流路を含む。遠心圧縮機などの圧縮機では、機械的動力は、インペラを回転させ、流体を圧縮するために使用され、一方、エキスパンダでは、圧縮された流体が膨張し、インペラを回転駆動して機械的動力を生成する。
【0003】
例えば遠心圧縮機などのいくつかのターボ機械は、第1の、即ち最も上流のインペラの入口に配置された可変入口ガイドベーン(Variable Inlet Guide Vanes、略してIGVとも呼ばれる)を含む。入口ガイドベーンの幾何形状は、ターボ機械の動作条件が変化するとき、例えば、回転速度が設計動作点に対して増加又は減少するとき、ターボ機械の効率を最大にするように制御及び変更することができる。
【0004】
各入口ガイドベーンに同時に作用し、必要に応じて各入口ガイドベーンの傾斜を変更するために、作動システム又はシステムが設けられる。可変入口ガイドベーン及び関連する作動システムは、複雑な機械構成要素であり、ターボ機械ケーシング内で、通常は入口プレナムと第1のインペラの入口側との間で組み立てる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可変IGV及び関連する作動システムを単純化し、それらの組み立てをより容易かつ迅速にすることが有益であろう。
【0006】
一態様によれば、現在の技術の可変IGVシステムの欠点を克服又は軽減するために、本明細書で開示されるのは、ディスク状部材と、ディスク状部材と同軸でありディスク状部材と共にユニットを形成する環状部材とを組み合わせて備える、ターボ機械用の可変入口ガイドベーン装置である。一組の可変入口ガイドベーンが、ディスク状部材と環状部材との間に枢動可能に取り付けられている。
【0007】
各可変入口ガイドベーンは、第1の枢動ピン及び第2の枢動ピンを備える。各第1の枢動ピンは、ディスク状部材内に収容された第1の軸受又はブッシングによって枢動可能に支持され、各第2の枢動ピンは、環状部材内に収容された第2の軸受又はブッシングによって支持される。各可変入口ガイドベーンの第1及び第2の枢動ピンは、ディスク状部材及び環状部材の軸に平行であり得る枢動軸を共通に画定する。
【0008】
各可変入口ガイドベーンは、枢動ピンと一体であり、ディスク状部材及び環状部材に対して枢動ピンの軸の周りで移動可能である後方部分を備える。可変入口ガイドベーンの少なくともいくつかは、ディスク状部材及び環状部材に対して静止している先頭部分を含む。
【0009】
ディスク状部材、環状部材、及びそれらの間に配置された可変入口ガイドベーンは、単一のユニット、アセンブリ、又は装置として組み立てることができ、ターボ機械に取り付ける前に試験することができる。次に、このユニットは、サブアセンブリとしてターボ機械に簡単かつ迅速な取り付けで設置することができる。
【0010】
ディスク状部材及び環状部材は、ねじ又は他の締結又は接続部材によって互いに締結することができる。
【0011】
本明細書に開示される実施形態では、各可変入口ガイドベーンは、いわゆるフラップ可変IGVとすることができる。そのような実施形態では、各可変IGVは、ディスク状部材及び環状部材に対して静止しており入口ガイドベーンの前縁を形成する、先頭部分を備えることができる。各可変IGVは、入口ガイドベーンの後縁を形成する後方部分を更に含むことができる。後方部分は、第1の枢動ピン及び第2の枢動ピンと一体である。各入口ガイドベーンの後方部分は、ディスク状部材及び環状部材に対して、第1枢動ピン及び第2枢動ピンの軸回りに回動可能である。
【0012】
更なる態様によれば、本明細書で開示されるのは、ケーシングと、ケーシング内に回転可能に支持された少なくとも1つのインペラとを備える、ターボ機械、特に遠心圧縮機である。ターボ機械は、入口プレナムと、上記で概説したように、インペラと同軸に配置され入口プレナムとインペラの入口との間に位置決めされた可変IGV装置とを更に含む。
【0013】
更なる態様によれば、本明細書で開示されるのは、ターボ機械用の可変入口ガイドベーンを組み立てる方法であり、この方法は、
一組の第1の軸受をディスク状部材に取り付けることと、
一組の第2の軸受を環状部材に取り付けることと、
ディスク状部材と環状部材とを、それらの間に複数の可変入口ガイドベーンが収容された状態で、互いに堅固に接続することと、を含む。各可変入口ガイドベーンは、第1の軸受内で回転するように支持された第1のピンと、第2の軸受内で回転するように支持された第2のピンとを備える。更に、各可変入口ガイドベーンは、枢動ピンと一体であり、ディスク状部材及び環状部材に対して枢動ピンの軸の周りで移動可能である後方部分を備え、可変入口ガイドベーンの少なくともいくつかは、ディスク状部材及び環状部材に対して静止している先頭部分を含む。
【0014】
本方法は、このように形成された可変IGV装置又はサブアセンブリを試験するステップと、最後に可変IGV装置をターボ機械に取り付けるステップとを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
ここで、添付図面を簡単に参照する。
図1図1は、本発明に係る可変IGV装置を含む遠心圧縮機の部分断面図である。
図1A図1Aは、図1の拡大詳細図である。
図2図2は、入口プレナムに面する側からの可変IGV装置の不等角投影図である。
図3図3は、インペラに面する側から見た図2の装置の不等角投影図である。
図4図4は、可変IGV装置の軸線を含む可変IGV装置の断面図である。
図5図5は、図4のV-Vによる断面図である。
図6図6は、図5のVI-VIによる断面図である。
図7図7は、本開示による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
可変入口ガイドベーン配置のための新規な構造が本明細書に開示される。可変IGV配置の設計、組み立て、及び試験を簡略化するために、ベーンは、2つの同軸構成要素間に枢動可能に取り付けられ、したがって、2つの同軸構成要素とその間に配置された可変入口ガイドベーンとを含む単一のユニット又はアセンブリを形成する。ユニットは、入口ガイドベーンの角変位を制御するための作動システムを更に含むことができる。
【0017】
可変入口ガイドベーンと、2つの同軸構成要素と、作動システムとを含むユニットは、ターボ機械の単一のサブアセンブリとしてターボ機械に挿入する前に組み立てて試験することができる。したがって、ターボ機械における組み立て、試験、及び取り付けが、より迅速かつより簡単になる。
【0018】
ここで図面を参照すると、図1及び、図1Aの拡大図は、本開示による単一の装置として組み立てられた可変入口ガイドベーンを含む遠心圧縮機の断面図を示す。図1の圧縮機1は、ターボ機械の非限定的な例示的実施形態として示されており、本開示の新規な可変入口ガイドベーンを使用することができる。当業者は、圧縮機が図1に示される例と実質的に異なってもよいことを理解するであろう。また、ターボ機械の当業者は、本明細書で開示される入口ガイドベーンが、エキスパンダ又はタービンなどの異なる種類のターボ機械においても使用され得ることを理解するであろう。
【0019】
圧縮機1は、入口5及び出口7を備えたケーシング3を含む。図1の例示的な実施形態では、ケーシングは、垂直方向に分割された配置でバレル3A及び前方閉鎖部3Bを備える。他の実施形態では、ケーシングは、2つのケーシング部分が圧縮機の回転軸に平行な平面に沿って結合された状態で、水平分割ケーシングとすることができる。
【0020】
シャフト11は、ケーシング3内で軸A-Aを中心に回転するように支持される。1つ以上の圧縮機インペラが、シャフト11と共回転するようにシャフト11に取り付けられている。他の実施形態では、インペラは、例えば中央タイロッドを有する積層インペラとして構成されてもよい。
【0021】
図1の例示的な実施形態では、圧縮機1は、第1の上流インペラ13と、第2の下流インペラ15とを備える。第1インペラ13の周囲には第1ダイアフラム17が配置され、第2インペラ19の周囲には第2ダイアフラム19が配置されている。インペラの数及びその配置は、非限定的な例として示されている。
【0022】
ガス流路は、圧縮機入口5から入口プレナム21、第1のインペラ13及び第2のインペラ15を通って圧縮機出口7に向かって延びる。可変入口ガイドベーン装置23は、入口プレナム21と第1のインペラ13の吸引側又は入口側13Aとの間に配置される。装置23の詳細は、図2図3図4図5及び図6を参照して以下に開示される。
【0023】
可変入口ガイドベーン装置23は、装置23の軸A-Aの周りに円周方向に配置された複数の入口ガイドベーン25を備える。圧縮機1に取り付けられると、装置23の軸A-Aは、シャフト11の回転軸A-Aと一致する。
【0024】
図示の実施形態では、各可変入口ガイドベーン25は、図5に最もよく示されているように、先頭部分27と後方部分29とを含む。先頭部分27は、それぞれの可変入口ガイドベーン25の前縁25Lを特徴とし、後方部分29は、可変入口ガイドベーン25の後縁25Tを特徴とする。図5に最もよく示されるように、入口ガイドベーン25の形状は、軸A-Aの周りで一方のベーンから他方のベーンへと変化し得る。いくつかの実施形態では、後方部分29Xを含むが、先頭部分を含まない1つ又はいくつかの追加の可変入口ガイドベーン25Xを、一組の可変入口ガイドベーン25に追加することができる。
【0025】
図4及び図6に最もよく示されるように、可変入口ガイドベーン25の各後方部分29は、それぞれの可変入口ガイドベーン、より具体的には可変入口ガイドベーンの後方部分29を枢動可能に支持するように適合された第1のピン31及び第2のピン33を含む。
【0026】
可変IGV装置23は、互いに連結されたディスク状部材35と環状部材37とを、入口ガイドベーン25がそれらの間に配置された状態で、備えている。環状部材37とディスク状部材35とは、連結部材39によって互いに強固に連結されている。いくつかの実施形態では、接続部材39は、ねじであってもよく、又はねじを含んでもよい。接続部材39は、好ましくは、図1A図2及び図5に最もよく示されているように、少なくともいくつかの可変入口ガイドベーンの先頭部分27を通って延在し、可変IGV装置23を通って延びるガス経路にそれらが干渉しないようにする。
【0027】
ディスク状部材35は軸方向開口41を備え、環状部材37は軸方向開口43を備える。2つの軸方向開口41、43は同軸であり、圧縮機シャフトがそれを通って延びることを可能にする。更に、軸方向開口41及び、可変入口ガイドベーン25間の流路は、装置23が圧縮機1内に取り付けられたときにインペラ入口13Aに向かうガス流路を特徴とする(図1及び図1A参照)。
【0028】
ディスク状部材35は、複数の第1の軸受又はブッシング45を備える。各第1の軸受又はブッシング45は、それぞれの第1のピン31を収容する。環状部材37は、複数の第2の軸受又はブッシング47を備える。各第2の軸受又はブッシング47は、それぞれの第2のピン33を収容する。したがって、可変入口ガイドベーン25の各後方部分29は、ディスク状部材35と環状部材37との間に支持され、それぞれの同軸の第1のピン31及び33の軸の周りを回転することができる。
【0029】
各後方部分39の角変位は、作動システム51によって制御することができる(図3参照)。作動システム51は、環状部材37の反対側に面するディスク状部材35の側部に形成された座部52内に収容することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、図3に最もよく示されているように、作動システム51は、サーボアクチュエータなど(図示せず)に接続するためのコネクタ53を含む。コネクタ53は、ディスク状部材35及び環状部材37と同軸のリング55にヒンジ結合されている。リング55は、装置23の軸A-Aの周りで角変位を行うことができる。リング55は、接続レバー57、59によって可変入口ガイドベーン25の各後方部分の第1のピン31に駆動可能に結合することができる。したがって、作動システム51は、可変入口ガイドベーン25の各後方部分29の同時回転を制御するように適合される。
【0031】
したがって、軸受又はブッシング45、47、ディスク状部材35、環状部材37、及び作動システム51は、圧縮機1とは別個に組み立てることができる単一のユニット又はサブアセンブリに組み合わされる。一旦組み立てられると、装置23は試験され、最終的に圧縮機1に設置され得る。
【0032】
可変IGV装置23は、入口プレナム21を第1のインペラ13の吸引側13Aに流体結合する環状開口内に入口ガイドベーン25が配置されるような位置で圧縮機1内に収容される。図1の実施形態では、ディスク状部材35は、固定ダイアフラム17に形成された座部に収容され、より具体的には、入口プレナム21に面するダイアフラム17の表面に設けられた環状座部18に収容される。一旦取り付けられると、可変IGV装置23の環状部材37は、ケーシング3の前方部分に形成された座部20内に少なくとも部分的に収容することができ、これは、図面に示される実施形態では、前方閉鎖部3Bによって特徴付けられる。
【0033】
図7は、圧縮機内に入口ガイドベーンを組み立てて取り付ける方法を要約するフローチャートを示す。
【0034】
方法は、ディスク状部材35に第1の軸受45を取り付けるステップ(ステップ101)と、環状部材37に第2の軸受47を取り付けるステップ(ステップ102)とを含む。ステップ101及び102は、任意の順序で又は同時に実行することができる。本方法は、可変入口ガイドベーン25がその間に収容された状態で、ディスク状部材35と環状部材37とを互いに堅固に接続するステップ(ステップ103)を更に含む。各可変入口ガイドベーン25は、それぞれの第1の軸受45内で回転するように収容された第1のピン31と、それぞれの第2の軸受47内で回転するように収容された第2のピン33とを有する。したがって、ディスク状部材35、環状部材37及び可変入口ガイドベーン25は、ユニット又はサブアセンブリを形成する。作動システム51は、ディスク状部材35の背面に取り付けることができる(ステップ104)。このように組み立てられたサブアセンブリ又はユニットは、試験され(ステップ105)、その後、圧縮機1に導入されて取り付けることができる(ステップ106)。
【0035】
上述した動作の順序は、ステップのいくつかが逆の順序で実行されるように変更することができる。例えば、作動システム51は、入口ガイドベーン25がディスク状部材35に取り付けられた後に、第1のピン31が第1のブッシング又は軸受45に導入された状態で取り付けることができ、次いで、環状部材37は、第2のピン33が第2の軸受又はブッシング47に導入された状態でディスク状部材35に取り付けることができる。
【0036】
例示的な実施形態は、上記で開示され、添付の図面に示されている。以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示されているものに、様々な変更、省略、及び追加を行ってもよいことが、当業者には理解されるであろう。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】