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特表2024-546523人体の自律神経系の一部の経血管刺激のための、特に経血管腎神経刺激または頸動脈小体の経血管刺激のためのアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-25
(54)【発明の名称】人体の自律神経系の一部の経血管刺激のための、特に経血管腎神経刺激または頸動脈小体の経血管刺激のためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/05 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A61N1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534579
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022085221
(87)【国際公開番号】W WO2023105061
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2113336
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517352315
【氏名又は名称】エレクトロデューサー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン・フォリー
(72)【発明者】
【氏名】マリー-クロード・モリス
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC03
(57)【要約】
本発明は、人体の自律神経系の一部の経血管刺激のための、特に経血管腎神経刺激または頸動脈小体の経血管刺激のためのアセンブリに関する。本発明は本質的に、動脈の内側からの単極経血管刺激のためのアセンブリからなり、これにより動脈の周りの自律神経系の領域の神経刺激が可能になり、この刺激は急速またはマッピング目的のためのいずれかであることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の自律神経系の一部の経血管刺激のためのキットであって、
前記人体の血管に導入されるように意図された導入器またはガイドカテーテル(1)と、
前記導入器またはガイドカテーテルの周りに装着されるように適合されたスリーブ(2)であって、前記スリーブはその外周の少なくとも一部にわたって導電性材料で作製され、前記ガイドカテーテルが前記血管に導入されると、前記スリーブの前記導電性外周が前記人体の皮下組織と、または前記血管の壁と接触するようになっており、前記スリーブは加えて、それ自体が前記体の外部の電気パルス発生器(3)の電極に接続されている電気接続部に接続される、スリーブと、
前記導入器に、または前記ガイドカテーテルの導入器シース(11)に挿入されるように意図された細長電気刺激要素(4)であって、
前記血管に対して非外傷性であり、前記血管の周りの前記自律神経系の前記一部に面するその刺激位置にあるときに前記血管と少なくとも1つの接触点を持つように成形されるように構成された導電性遠位部分(40)と、
電気絶縁性中央部分と、
前記成形された遠位部分を通して電気刺激を行うよう、前記電気パルス発生器の他方の電極に接続するために機能する導電性近位部分(41)と
を含む、細長要素と
を含む、キット。
【請求項2】
前記導入器または前記ガイドカテーテルの前記導入器シースの周りに装着された前記導電性スリーブに接続される前記電気パルス発生器の前記電極は陽極である一方、前記細長要素の前記近位部分に接続される方は陰極である、請求項1に記載の刺激キット。
【請求項3】
前記導電性スリーブは、カーボンなどの導電性材料で作製された一体部品で構成されている、請求項1および2のいずれか一項に記載の刺激キット。
【請求項4】
前記スリーブは、カーボンコーティングなどの導電性コーティングをその外周に有するシースで構成されている、請求項3に記載の刺激キット。
【請求項5】
前記スリーブは、通常は外径が1.6と20mmとの間である、異なる直径の末梢動脈または静脈カテーテルシース上に嵌合することができるように弾性である、請求項3または4に記載の刺激キット。
【請求項6】
人体の自律神経系の一部の経血管刺激のためのキットであって、
前記人体の血管に導入されるように意図された導入器またはガイドカテーテルであって、前記導入器または前記ガイドカテーテルは、少なくとも1つの管状導入器シースおよび少なくとも1つの導電性要素を含み、前記導電性要素の遠位部分が、前記体の皮下組織と、または前記血管の壁と接触するように、前記シースの外周の少なくとも一部にわたって露出し、前記導電性要素の近位部分が、前記体(C)の外側からアクセス可能であり、前記体への電気パルス発生器の電極への接続部として機能するように電気接続部を含む、導入器またはガイドカテーテルと、
前記導入器に、または前記ガイドカテーテルの前記導入器シースに挿入されるように意図された細長電気刺激要素(4)であって、
前記血管に対して非外傷性であり、前記血管の周りの前記自律神経系の前記一部に面するその刺激位置にあるときに前記血管と少なくとも1つの接触点を持つ形状(400)に成形されるように構成された導電性遠位部分と、
電気絶縁性中央部分と、
前記成形された遠位部分を通して電気刺激を行うよう、前記電気パルス発生器の他方の電極に接続するための導電性近位部分と
を含む、細長要素と
を含む、キット。
【請求項7】
前記導入器に、または前記ガイドカテーテルに接続される前記電気パルス発生器の前記電極は陽極である一方、前記細長要素の前記近位部分に接続される方は陰極である、請求項6に記載の刺激キット。
【請求項8】
前記導入器の、または前記ガイドカテーテルの前記導電性要素は、前記シースの厚さ内に少なくとも部分的に収容され、および遠位部分が前記シースの外周で露出しているワイヤまたは金属ストリップである、請求項6および7のいずれか一項に記載の刺激キット。
【請求項9】
前記ワイヤの、または前記金属ストリップの断面は0.25と5mm2との間である、請求項8に記載の刺激キット。
【請求項10】
前記細長要素は直線状ワイヤであり、前記直線状ワイヤの遠位部分は接触形状を含み、前記接触形状は前記ワイヤの軸に沿って放射状に延在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の刺激キット。
【請求項11】
前記接触形状は、前記ワイヤの端に、または前記ワイヤの直線端の近傍にある少なくとも1つのループ(400)を含む、請求項10に記載の刺激キット。
【請求項12】
前記接触形状は、前記ワイヤの直線端の近傍にある少なくとも1つのリング(401、402、403)、好ましくは少なくとも2つの隣接するリングを含む、請求項10に記載の刺激キット。
【請求項13】
前記接触形状は、前記ワイヤの直線端の近傍にある少なくとも1つの自由ストランド(405)、好ましくは互いに90°の4つのストランドを含む、請求項10に記載の刺激キット。
【請求項14】
前記細長要素は、ガイドワイヤ(42)と、前記ガイドワイヤの周りに配置され、前記ガイドワイヤに一時的に取り付けられた形状記憶合金製のチューブ(43)とを含み、前記ガイドワイヤの遠位部分がその刺激位置に到達したら、前記ガイドワイヤを前記体の外側に向かって引き抜くことにより、前記チューブの遠位部分が前記接触形状をとるようになっている、請求項1から9のいずれか一項に記載の刺激キット。
【請求項15】
前記チューブの前記遠位部分の前記接触形状は螺旋形状(430)である、請求項14に記載の刺激キット。
【請求項16】
前記細長要素の前記遠位部分は1つまたは複数の放射線不透過性マーカー(60、61、62、63、64、65)を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の刺激キット。
【請求項17】
経血管腎神経刺激のためのキット、さらには腎除神経キットである、請求項1から16のいずれか一項に記載の刺激キット。
【請求項18】
頸動脈小体の刺激のためのキット、さらには頸動脈拡張のためのステントまたはバルーンの送達のためのキットである、請求項1から17のいずれか一項に記載の刺激キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人体の自律神経系の一部の経血管刺激のためのキットに関する。
【0002】
ここで、そして本発明の文脈において、「自律神経系」は、内部の有機的機能を指揮し、人体の自発的な機構を管理しない神経系を意味し、そのため、体と外界の関係に関する体性系とは異なる。自律神経系は本質的に内臓を神経支配し、この系の感覚ニューロンは内臓機能に関する情報を中枢神経系に伝える。自律神経系においては通常、交感神経系、副交感神経系、および腸神経系の3つのカテゴリが区別される。
【0003】
ここで、そして本発明の文脈において、「血管」は静脈または動脈を意味する。
【0004】
本発明は第1に、特に外科的または経皮的介入を視野に入れた、特に迅速な診断のための、および/または神経領域のマッピングのための、経血管刺激のための簡単で効果的な解決策を提案することを目的とする。
【0005】
本発明は、腎神経刺激のための使用に関して説明されているが、人体の自律神経系の一部の刺激のための任意の他の使用にも適用される。特に、本発明は頸動脈小体の神経刺激にも適用される。
【背景技術】
【0006】
カテーテルによる腎交感神経除神経は、主に高血圧、また心不全、不整脈、糖尿病、および閉塞性睡眠時無呼吸症を含む疾患/機能不全の治療に有望であると思われる。
【0007】
特に、高血圧は世界中で大きな健康問題となっており、脳卒中の危険性の大幅な増加に関連している。
【0008】
ほとんどの患者は自身の高血圧の治療に有効な薬剤での長期治療に同意するが、その大半は、副作用の可能性、および/または最大の許容される治療法にもかかわらず薬剤が血圧目標を達成することができないということに関して観察されていない。いくつかの場合において、高血圧は薬物療法に抵抗性がある。
【0009】
そのため、交感神経系を調節することによって血圧を制御することを助けるため、医療機器の使用に基づいたいくつかの新しい治療戦略が最近開発された。
【0010】
これらのうち、腎交感神経除神経が、最も研究されているものである。腎除神経は、腎動脈の周りにある求心性および遠心性神経の表面刺激を伴う技術であり、高周波発生器に接続された単電極カテーテルを使用するか、超音波発生器に接続された多電極カテーテルを使用するか、アルコールベースの液体製品を注入するために針がその遠位端に設けられているカテーテルを使用するかのいずれかである。
【0011】
この除神経技術の大きな課題の1つは、破壊されるべき神経の一部の正確な場所を特定する腎動脈に沿ったマーカーがないこと、そしてそのため除神経治療の効果を最適化するために治療されるべき領域を決定することにある。
【0012】
抵抗性高血圧に対するカテーテルによる腎動脈除神経の高周波発生器を使用する最初の試験では、一貫した臨床効果が示されず、主に得られた除神経の完全性の評価を制限する処置上の要因のためであると広く考えられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】[1]: Pierre C. Qian et al. “Transvascular Pacing of Aorticorenal Ganglia Provides a stable Procedural Endpoint for Renal Artery Denervation”, Cardiovascular Interventions, vol. 12, no. 12, 2019, by the American College of Cardiology Foundation.
【非特許文献2】[2]: Masaomi Chinushi, et al. “Blood Pressure and Autonomic Responses to Electrical Stimulation of the Renal Arterial Nerves Before and After Ablation of the Renal Artery” Hypertension. 2013; 61:450-456. http://hyper.ahajournals.org
【非特許文献3】[3]: Konstantinos P. Tsioufis et al. “Safety and performance of diagnostic electrical mapping of renal nerves in hypertensive patients” EuroIntervention 2018; 14: E1334-e1342 published online September 2018. DOI: 10.4244/EIJ-D-18-00536
【0014】
文献[1](非特許文献1)の著者らによれば、腎除神経の予測の難しさ、および降圧治療としての腎除神経のパラダイムをめぐる論争は、処置中に除神経を評価する手段、すなわち処置の成功を確認するための測定可能な基準がないことに大きく起因している。
【0015】
何人かの著者は、
大動脈腎神経節は、下大静脈または大動脈、またはその分枝に、25mAの電流で、10Hzで高周波単極電気刺激を与える経血管アプローチによって局所化することができ、
大動脈腎神経節を刺激すると、動脈の収縮とそれに伴う血圧の上昇が誘発され、
腎除神経により、求心性腎神経の活性化が阻止され、続いて大動脈腎神経節の刺激に対する腎血管反応が消失する
ことを示している。
【0016】
文献[2](非特許文献2)では、10mAの電流で5msのパルスを伴う20Hzでの電気刺激について言及しており、同様の観察がなされている。
【0017】
一方、文献[3](非特許文献3)の著者らは、「Confident(商標)」という名称で販売されている多電極カテーテルを使用しており、その遠位端は、ハンドル上のボタンが押されると、それぞれが電極を支える、4つの分枝を備えた楕円の形に展開する。このカテーテルは、その直径が、2.67mm(8フレンチ)程度とかなりであるため、非常に侵襲的であり、著者らはこのようなカテーテルを使用する神経マッピングの可能性について言及しているが、少なくとも他の神経部位に容易に到達するために動脈内で実際に移動させることができない展開された形状を考慮すると、これは実証されるべき状態に留まっている。このカテーテルの配置も実行が容易ではない。
【0018】
そのため、これまでに提案された装置は侵襲的すぎると考えることができ、腎動脈のマッピングを確実にするには必ずしも信頼できず、および/または使用が簡単ではない。
【0019】
したがって、上の欠点を克服するため、腎神経刺激装置を改良する必要性がある。
【0020】
より一般的には、自律神経系の一部の神経刺激を可能にし、簡単で、特に除神経の有効性をマッピングまたは監視するという目的のために効果的で、そして非侵襲的である医療機器の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、この必要性に少なくとも部分的に応えることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このため、本発明は、第1の代替案によれば、人体の自律神経系の一部の経血管刺激のためのキットに関し、これは、
人体の血管に導入されるように意図された導入器またはガイドカテーテルと、
導入器またはガイドカテーテルの周りに装着されるように適合されたスリーブであって、スリーブはその外周の少なくとも一部にわたって導電性材料で作製され、ガイドカテーテルが血管に導入されると、スリーブの導電性外周が人体の皮下組織と、または血管の壁と接触するようになっており、スリーブは加えて、それ自体が体の外部の電気パルス発生器の電極に接続されている電気接続部に接続される、スリーブと、
導入器に、またはガイドカテーテルの導入器シースに挿入されるように意図された細長電気刺激要素であって、
血管に対して非外傷性であり、血管の周りの自律神経系の一部に面するその刺激位置にあるときに血管と少なくとも1つの接触点を持つ形状に成形されるように構成された導電性遠位部分と、
電気絶縁性中央部分と、
成形された遠位部分を通して電気刺激を行うよう、電気パルス発生器の他方の電極に接続するための導電性近位部分と
を含む、細長要素と
を含む。
【0023】
有利な構成によれば、導入器またはガイドカテーテルの導入器シースの周りに装着された導電性スリーブに接続されるべき電気パルス発生器の電極は陽極である一方、細長要素の近位部分に接続されるべき方は陰極である。
【0024】
有利な変形例によれば、導電性スリーブは、カーボンなどの導電性材料で作製された一体部品で構成されている。
【0025】
この変形例によれば、スリーブは好ましくは、カーボンコーティングなどの導電性コーティングをその外周に有するシースで構成されている。
【0026】
この変形例によれば、スリーブは、通常は外径が1.6と20mmとの間である、異なる直径の末梢動脈または静脈カテーテルシース上に嵌合することができるように好ましくは弾性である。
【0027】
第2の代替案によれば、本発明はまた、人体の自律神経系の一部の経血管刺激のためのキットに関し、これは、
人体の血管に導入されるように意図された導入器またはガイドカテーテルであって、導入器またはガイドカテーテルは、少なくとも1つの管状導入器シースおよび少なくとも1つの導電性要素を含み、導電性要素の遠位部分が、体の皮下組織と、または血管の壁と接触するように、シースの外周の少なくとも一部にわたって露出し、導電性要素の近位部分が、体(C)の外側からアクセス可能であり、体への電気パルス発生器の電極への接続部として機能するように電気接続部を含む、導入器またはガイドカテーテルと、
導入器に、またはガイドカテーテルの導入器シースに挿入されるように意図された細長電気刺激要素であって、
血管に対して非外傷性であり、血管の周りの自律神経系の一部に面するその刺激位置にあるときに血管と少なくとも1つの接触点を持つ形状に成形されるように構成された導電性遠位部分と、
電気絶縁性中央部分と、
成形された遠位部分を通して電気刺激を行うよう、電気パルス発生器の他方の電極に接続するための導電性近位部分と
を含む、細長要素と
を含む。
【0028】
有利な構成によれば、導入器に、またはガイドカテーテルに接続されるべき電気パルス発生器の電極は陽極である一方、細長要素の近位部分に接続されるべき方は陰極である。
【0029】
有利な変形例によれば、導入器の、またはガイドカテーテルの導電性要素は、シースの厚さ内に少なくとも部分的に収容され、および遠位部分がシースの外周で露出しているワイヤまたは金属ストリップである。
【0030】
好ましくは、ワイヤの、または金属ストリップの断面積は0.25と5mm2との間である。
【0031】
第1の有利な実施形態によれば、細長要素は直線状ワイヤであり、直線状ワイヤの遠位部分は接触形状を含み、接触形状はワイヤの軸に沿って放射状に延在する。
【0032】
接触形状を生成するためのいくつかの有利な代替案が可能である。
【0033】
したがって、接触形状は、
ワイヤの端に、またはワイヤの直線端の近傍にある少なくとも1つのループ、
ワイヤの直線端の近傍にある少なくとも1つのリング、好ましくは少なくとも2つの隣接するリング、
ワイヤの直線端の近傍にある少なくとも1つの自由ストランド、好ましくは互いに90°の4つのストランド、
を含むことができる。
【0034】
第2の有利な実施形態によれば、細長要素は、ガイドワイヤと、ガイドワイヤの周りに配置され、ガイドワイヤに一時的に取り付けられた形状記憶合金製のチューブとを含み、ガイドワイヤの遠位部分がその刺激位置に到達したら、ガイドワイヤを体の外側に向かって引き抜くことにより、チューブの遠位部分が接触形状をとるようになっている。
【0035】
好ましくは、チューブの遠位部分の接触形状は螺旋形状である。
【0036】
有利な変形実施形態によれば、細長要素の遠位部分は1つまたは複数の放射線不透過性マーカーを含む。
【0037】
このキットは、経血管腎神経刺激のためのキット、さらには腎除神経キットとすることができる。
【0038】
これは、頸動脈小体の刺激のためのキット、さらには頸動脈拡張のためのステントまたはバルーンの送達のためのキットとすることもできる。
【0039】
本発明はまた、患者の自律神経系の一部の神経刺激のための、そして必要であれば、外科的介入のための方法に関し、これは次のステップ、すなわち、
i/ガイドまたは導入器カテーテルの周りにスリーブを装着するステップであって、スリーブはその外周の少なくとも一部にわたって導電性材料で作製され、体の外部の電気パルス発生器の電極への電気接続部をさらに含む、ステップと、
ii/ガイドカテーテルまたは導入器を人体の大腿動脈または橈骨動脈に導入し、スリーブの導電性外周が体の皮下組織と、または動脈もしくは静脈の壁と接触するようにする、ステップと、
iii/ガイドカテーテルの、または導入器の導入器シースにワイヤを導入するステップであって、ワイヤは、
血管に対して非外傷性であり、血管の周りの自律神経系の一部に面するその刺激位置にあるときに血管と少なくとも1つの接触点を持つ形状に成形されるように構成された導電性遠位部分と、
電気絶縁性中央部分と、
成形された遠位部分を通して電気刺激を行うよう、電気パルス発生器の他方の電極に接続するために機能する導電性近位部分と
を含む、ステップと、
iv/外部電気パルス発生器によってワイヤに直接単極神経刺激を行うステップと、
v/必要であれば、ステップiv/にしたがって刺激された1つまたは複数の領域に外科的に介入するステップと
を含む。
【0040】
このように、本発明は、動脈内からの単極経血管刺激のためのキットからなり、これにより動脈の周りの自律神経系の領域の神経刺激が可能になり、この刺激は急速またはマッピング目的のためのいずれかとすることができる。
【0041】
この神経刺激は特に、動脈性高血圧を引き起こす可能性がある交感神経系の領域の経血管(動脈または静脈)腎刺激とすることができる。そのため高血圧を軽減または除去するために神経領域を完全に特定して除神経することが可能である。この刺激により、以前に実行された除神経の効果を確認することも可能になる。
【0042】
これは頸動脈小体の経血管(動脈または静脈)刺激も伴う。急速な刺激を実行することによって、誘発される一時的な低血圧および/または徐脈(心拍数の低下)を観察することが可能である。これにより、頸動脈形成術の前に徐脈または動脈性低血圧を予測すること、およびしたがってそれを予期してこの危険を回避するために薬剤を投与することができるようになることが可能になる。
【0043】
本発明による刺激キットのガイドカテーテルまたは導入器は、診断されるべき血管の解剖学的構造について完全に従来のものであってもよい。
【0044】
電気刺激要素、特にその近位および遠位部分が導電性の単純なワイヤは、血管の周りにある、刺激されるべき神経系の末端に面する血管(動脈または静脈)の特定の領域と接触する非外傷性の接触形状を有する。
【0045】
加えて、神経刺激の要求される強度は低い。通常、供給される交流電流の強度は、200から800/分の範囲にある周波数(10から20Hz)で、約10から60秒間、10から25mAの範囲にあり得る。
【0046】
キットのすべての部品の取り扱いは簡単であり、そのため手術を担当する外科医は、電気パルス発生器の電極、通常は陽極を、カテーテルガイドの周りに装着された導電性スリーブに容易に接続し、次いで通常どおり、他方の電極、通常は陰極を電気刺激ワイヤに接続することができる。
【0047】
要するに、診断目的の経血管神経刺激キットの利点は多数あるが、その中でも、
設置が簡単である医療機器、
患者の自律神経系の神経領域を非常に正確にマッピングすることが可能になる信頼できる経血管神経刺激装置、
除神経または頸動脈治療処置前のマッピングに加えて、その介入中および介入後にその効果を確認することが可能になる装置、
必要とされるすべては、刺激されるべき静脈または動脈に導入する前に、このカテーテルの周りに導電性スリーブを装着すること、そしてカテーテルに挿入されたワイヤに電気接続を行うことであるため、任意の既存のガイドカテーテルに対する実装の可能性、
通常、先行技術による装置のように8フレンチではなく6フレンチの直径を備えた、より細く、より低侵襲性のカテーテルを、特に可能な外科手術の上流で使用する可能性、
心臓専門医または外科医に馴染みのあるワイヤまたはガイドを使用することができる可能性、
を挙げることができる。
【0048】
スリーブの唯一の関連する制約は、準備中の介入の開始時にあり、ガイドカテーテルまたは導入器の導入器シースの周りにスリーブを装着することにある。
【0049】
しかしながら、この処置は非常に簡単で、実施が容易であり、このタスクに何の特別なスキルも有する必要がないアシスタントまたは看護師によって実行することができる。
【0050】
次の図を参照して、非限定的な例示として提供される詳細な説明を読むと、さらなる利点および特徴がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】ガイドカテーテルおよび本発明による刺激スリーブを備えた本発明による腎神経刺激キットの使用を示す概略図であり、ガイドカテーテルは患者の末梢動脈に直接導入されている。
図2】周囲の神経系の神経刺激のための腎動脈内の図1によるキットの電気刺激ワイヤの構成を示す。
図3図1および図2に示すようなガイドカテーテルの周りに装着されるように意図された本発明による導電性スリーブの斜視図である。
図4】ガイドカテーテルの周りに装着された図3によるスリーブを示す部分縦断面図である。
図5A】本発明による電気刺激ワイヤの遠位端の接触形状のさまざまな代替実施形態を示す概略図である。
図5B】本発明による電気刺激ワイヤの遠位端の接触形状のさまざまな代替実施形態を示す概略図である。
図5C】本発明による電気刺激ワイヤの遠位端の接触形状のさまざまな代替実施形態を示す概略図である。
図5D】本発明による電気刺激ワイヤの遠位端の接触形状のさまざまな代替実施形態を示す概略図である。
図6】チューブの展開前および展開後の、本発明による電気刺激チューブを備えたワイヤの別の変形実施形態を概略的に示す。
図7】患者の腎動脈の周りの腎神経系をマッピングするための異なる電気刺激位置を概略的に示す。
図8】ガイドカテーテルおよび本発明による刺激スリーブを備えた本発明による頸動脈神経刺激キットの使用を示す概略図であり、ガイドカテーテルは患者の末梢動脈に直接導入されている。
【発明を実施するための形態】
【0052】
次の説明において、そして本願全体を通して、「遠位」および「近位」という用語は、腎神経刺激または頸動脈神経刺激に続いて、必要があれば、介入が行われる患者の身体に対して使用される。したがって、ワイヤの遠位端は、診断のための神経刺激中に患者の内側で最も遠くに位置する端である。
【0053】
さまざまな要素が必ずしも縮尺どおりに示されているわけではないことが留意されよう。
【0054】
図1および図2は本発明による診断キットを示す。
【0055】
ガイドカテーテル1が大腿動脈に導入されている。
【0056】
このようなガイドカテーテル1は小さな直径のものとすることができる。これは、既存の末梢血管内カテーテルに関する規格に準拠している。カテーテル1は、適切な洗浄液でカテーテル1の内側を洗浄するため、または造影剤を注入するための、一般に「バルブ」または「Yピース」と呼ばれる、ストップコックを備えた洗浄装置10を含むことができる。
【0057】
導電性スリーブ2が導入器またはガイドカテーテル1の周りに直接装着されている。スリーブ2は電気接続部20に接続されており、これはそれ自体、電気供給ワイヤ30によって、体Cの外部にある、通常は電気パルス発生器3の陽極である電極に接続されている。
【0058】
電気刺激ワイヤ4がガイドカテーテル1のシース11に導入される。このワイヤ4の長さは通常180と300cmとの間である。
【0059】
図2に示すように、ワイヤ4は、腎動脈に対して非外傷性であり、腎動脈を包囲する交感神経系Sを刺激するよう、腎動脈との少なくとも1つの接触点を持つ形状400にしたがって成形されるように構成された導電性遠位部分40を含む。
【0060】
図2に示す例において、接触形状400は単一のループとすることができ、これは近位部分の端に配置することもできる。
【0061】
このループ400は、展開されると、ワイヤの軸を中心とする、実質的な円形を有し、これにより、ワイヤ4がその刺激位置にくると、血管、ここでは腎動脈との円周方向接触が可能になる。通常、この円形400の直径は3から8mmまで変動する。
【0062】
ワイヤ4の中央部分、少なくとも接触形状400に近接し、ワイヤ4の近位部分41に向かう部分は、刺激電流が血管壁に伝導しないよう、電気的に絶縁されている。
【0063】
ワイヤの近位部分41は導電性であり、他方の電極、通常は外部電気発生器3の陰極への接続部として機能する。
【0064】
電気接続を確実にするため、ワイヤ4の近位部分41を挟むことによってワニ口クリップ5が固定される。このクリップ5は電気供給ワイヤ31によって電気発生器3の陽極に接続される。
【0065】
ワイヤ4の直径は、その接触形状400を含め、直径1.4mm(5フレンチ)または1.8mm(6フレンチ)のガイドカテーテルのシース11の内腔に適合可能とすることができる。
【0066】
本発明によるスリーブ2を図3に示す。これはチューブの形状であり、その外周の少なくとも一部は導電性である。
【0067】
この導電部分は、通常はコネクタの形態の電気接続部20に、電気供給ワイヤ21によって接続される。スリーブ2、コネクタ20および電気供給ワイヤ21は有利には、カテーテル1の周りに装着され、電気発生器3の電極に接続されるためのキットを構成することができる。
【0068】
スリーブ2は円筒形または円錐台形の形状とすることができる。その形状はガイドカテーテル1の導入器シースの外形に可能な限り近く一致する。
【0069】
スリーブ2は、適切な洗浄液によってカテーテルの、または導入器1の内側を洗浄するように統合された、一般に「フラッシュ」と呼ばれる、ストップコックを備えた洗浄装置22を含むことができる。
【0070】
図4において見られるように、このスリーブ2の厚さは、通常1ミリメートル以下のオーダーであり、導入器の、またはガイドカテーテル1のシース11に小さな余分な厚さを追加するのみであり、したがって、末梢動脈Vへのその導入中にその前進を妨げない。
【0071】
スリーブ2は、完全に導電性の一体部品の形状に、または導電性コーティングで被覆された部品の形状にすることができる。導電性材料として有利にはカーボンを選択することができる。
【0072】
有利な変形例によれば、スリーブ2は、弾性であるため、末梢動脈カテーテルの任意の既存のサイズに適合することができるように設計することができる。
【0073】
実際には、以下に説明するように、腎神経刺激(図1)または頸動脈神経刺激(図8)を実行したい外科医または介入医は、導入器またはガイドカテーテル1の周りに導電性スリーブ2を配置することによって始める。導電性スリーブの配置は非常に簡単で容易であるため、これは、何の特別な技術を採用する必要なく、アシスタントまたは看護師によって行うことができる。
【0074】
スリーブ2が患者の皮下領域または患者の末梢動脈もしくは静脈の壁のいずれかに接触するようにスリーブ2がガイドカテーテル1の導入器シースの周りに装着および配置されると、配置が達成される。
【0075】
この配置が実行されたら、接続ワイヤ30によって外部心臓刺激装置3の陽極に電気接続部20を直接接続することができる。
【0076】
通常、ワニ口クリップ5などのクリップ5は次には、末梢カテーテル1のシース11に挿入されたワイヤ4の近位部分41を挟むことによって固定することができる。このクリップ5は接続ワイヤ31によって外部電気発生器3の陰極に接続される。
【0077】
このように、ガイドカテーテル1の周りのワイヤ4に電気的に接続された陰極と本発明によるスリーブ2に電気的に接続された陽極との間の単極電気刺激によって、腎動脈ARを通した交感神経系Sの神経刺激を行うことができる。
【0078】
ワイヤ4の遠位部分40に接触形状を生成するため、図5Aから図5Dに示すさまざまな代替案を提供することができる。
【0079】
図5Aは、ワイヤ4の遠位部分40の端にあるループ400である接触形状に関する。血管造影による識別を容易にするため、ワイヤ4のループ400の基部に1つまたは複数の放射線不透過性マーカー(目盛り)60が有利には埋め込まれている。
【0080】
図5Bは、ワイヤ4の直線端に近い、3つの隣接するリング401、402、403を含む接触形状に関する。放射線不透過性マーカー61、62、63が有利には、これらの3つのリング401、402、403のそれぞれの基部に埋め込まれている。放射線不透過性マーカーは、たとえば1センチメートル間隔で配置することができる。
【0081】
図5Cは、ワイヤ4の直線端に近い単一リング404を備えた接触形状に関する。1つまたは複数の放射線不透過性マーカー64が有利には単一リング404の基部に埋め込まれている。
【0082】
図5Dは、ワイヤ4の直線端に近い、互いに90°の4本のストランド405を備えた接触形状に関する。放射線不透過性マーカー65が有利にはこれらのストランド405の接合点に埋め込まれている。
【0083】
これらの変形例のそれぞれを、たとえば患者の解剖学的構造に応じて施術者が使用することができる。
【0084】
単一のワイヤ4に代わる電気刺激要素の代替一実施形態を図6に示す。
【0085】
この代替案において、電気刺激要素4は、ガイドワイヤ42と、ガイドワイヤの周りに配置され、ガイドワイヤ42に一時的に固定された、形状記憶合金、好ましくはニチノール製のチューブ43とを含む。
【0086】
遠位部分40がその刺激位置に到達したら(図6の上図)、ガイドワイヤ42を体の外側に向かって引き出すことにより、チューブ43の遠位部分が接触形状430をとるようになっている(図6の下図)。
【0087】
図示の例において、接触形状430は、交感神経系Sに沿って腎動脈(RA)の内側に延在する螺旋形状である。
【0088】
ガイドワイヤ42の直径は、たとえば、0.3556mm(0.014インチ)または0.4572mm(0.018インチ)とすることができる。この直径は、すでに市販されている、そしてステント、バルーンまたは他の刺激もしくは除神経装置を、高周波技術、超音波またはアルコールの注入を使用するかどうかにかかわらず、腎または頸動脈内で搬送することが可能になる通常の直径に対応する。
【0089】
有利な一実施形態によれば、電気刺激要素4は、近位部分41の異なる位置に配置された刺激マーカーを含むことができる。
【0090】
このような一実施形態を図7に示す。近位部分41に一定の間隔で3つの位置P1、P2、P3に3つのマーカーが埋め込まれ、これらのそれぞれに刺激クリップ5を配置することができる。そのため、接触形状400から405と位置P1からP3の1つとの間の正確な距離が分かると、刺激されることになる神経系Sの領域を正確に知ることが可能になる。
【0091】
そのため、接触形状400から405で実行される電気刺激に敏感である可能性がある、またはそうでない可能性がある神経系Sの領域の本当のマッピングを実行することが可能である。
【0092】
これにより、続いて除神経されるべき領域の場所を正確に知ることが可能になり得る。
【0093】
次いで、除神経処置が実行されたら、効果的に除神経されている領域を正確に観察する。
【0094】
次に、上述のキットによって実施される腎神経刺激の、および適切な場合、除神経の方法を説明する。
【0095】
この方法は、施術者が特に除神経を目的として、腎動脈の診断を行いたいときに適用される。
【0096】
ステップi/:看護師または施術者が、ガイドカテーテル1の周りに導電性スリーブ2を装着することを進める。
【0097】
ステップii/:施術者は次いでガイドカテーテル1を人体Cの大腿動脈に導入し、スリーブ2の導電性周辺部が体の皮下組織と、または動脈もしくは静脈の壁と接触するようにする。
【0098】
ステップiii/:施術者は次いで、その接触形状400を備えた遠位部分40が、診断されるべき腎動脈ARに正しく配置されていることが確認されるまで、ワイヤ4をガイドカテーテル1の導入器シース11に導入する。
【0099】
施術者は次いで外部電気発生器3への電気接続を進めることができる。
【0100】
このように、看護師または施術者は、一方で、スリーブ2を電極、通常は外部心臓刺激装置3の陽極に、他方で、ワイヤ4の近位部分41を外部発生器3の他方の電極に接続する。
【0101】
ステップiv/:ワイヤ4に直接単極刺激が実行される。より正確には、ワイヤ4は単極モードで電流を伝導する。供給される電流は、1分間に200と800/分との間の周波数(10から20Hz)で15mAから25mA程度とすることができる。
【0102】
この単極刺激に対する反応を次いで、ワイヤ4の接触形状400から405と接触している領域に面する神経系Sの各領域について測定する。
【0103】
今説明した、すなわち腎動脈の周りの交感神経系の刺激のための腎神経刺激キットを使用して腎除神経を実行することもできる。
【0104】
実際、ステップiv/の終了時、神経領域Sが刺激に対して顕著に反応することが確認されたら、ガイドワイヤ、たとえば、高周波信号、超音波を発するための、またはアルコール注入のための装置も組み込んでいるガイドワイヤ42を選択することによって、キットの部品のいずれをも取り外すことなく、ステップv/にしたがって腎除神経を実行することが可能である。
【0105】
このキットは除神経制御キットも構成するが、これは、除神経が実行されると、除神経動作が実際に実行されたことを確認するため、接触形状400から405によって、除神経されると想定される各領域の単極電気刺激を再度実行することが可能であるためである。
【0106】
説明した同じ部品と、頸動脈器官に適合されたガイドカテーテル1および電気刺激要素4とで、図8に概略的に示すような頸動脈神経刺激キットを製造することが可能である。
【0107】
ステップi/からiv/は同じままで、接触形状400から405が頸動脈小体と接触する。
【0108】
この使用において、本発明による刺激キットは、頸動脈拡張ステントまたはバルーンの送達のためのキットを構成することもできる。ステップv/はしたがって、頸動脈拡張ステントまたはバルーンを送達することからなる。
【0109】
本発明は、先ほど説明した例に限定されず、特に、例示した例の特徴を、図示していない代替案で互いに組み合わせることができる。
【0110】
他の代替案および改良を、これによって本発明の範囲から逸脱することなく、想定することができる。
【0111】
図示の例において、ガイドカテーテルまたは導入器の導入は、大腿経路によって、すなわち鼠径部にある大腿動脈に行われているが、橈骨経路によって、すなわち患者の手首にある橈骨動脈に行うこともできる。
【0112】
ガイドカテーテルの代わりに、導入器を使用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 ガイドカテーテル
2 導電性スリーブ
3 電気パルス発生器
4 電気刺激ワイヤ
5 ワニ口クリップ
10 洗浄装置
11 シース
20 電気接続部
21 電気供給ワイヤ
22 洗浄装置
30 電気供給ワイヤ
31 電気供給ワイヤ
40 遠位部分
400から405 接触形状
41 近位部分
60 放射線不透過性マーカー
61 放射線不透過性マーカー
62 放射線不透過性マーカー
63 放射線不透過性マーカー
64 放射線不透過性マーカー
42 ガイドワイヤ
43 チューブ
430 接触形状
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
【国際調査報告】