(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】配線基板、機能バックプレーン及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20241219BHJP
H05K 1/09 20060101ALI20241219BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H05K3/34 501D
H05K1/09 C
H01L21/92 602D
H01L21/92 603B
H01L21/92 604A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579657
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2021143613
(87)【国際公開番号】W WO2023123328
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ ニエンチ
(72)【発明者】
【氏名】リー フェイフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ニン ツェ
(72)【発明者】
【氏名】リー ジェンリャン
(72)【発明者】
【氏名】フー ヘヘ
(72)【発明者】
【氏名】ヘー ジアユ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ クン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ジャンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ク
【テーマコード(参考)】
4E351
5E319
【Fターム(参考)】
4E351BB01
4E351BB35
4E351CC03
4E351CC06
4E351DD04
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD19
4E351DD21
4E351GG15
5E319AA03
5E319CC33
5E319GG03
(57)【要約】
【要約】
配線基板は、ベース基板と複数の第1接続パッドとを含む。複数の第1接続パッドは、ベース基板上に設けられる。複数の第1接続パッドは、少なくとも1層の電気接続層を含み、各層の電気接続層は、本体材料層と、少なくとも1層の保護層とを含む。少なくとも1層の保護層は、本体材料層のベース基板から離れる側に設けられる。少なくとも1層の保護層は、第1基準保護層を含み、第1基準保護層は、少なくとも1層の保護層のうちのベース基板から最も離れる保護層であり、本体材料層の材料は、銅を含む。少なくとも1層の電気接続層は、第1電気接続層を含み、第1電気接続層は、少なくとも1層の電気接続層のうちのベース基板から最も離れる電気接続層であり、第1電気接続層に含まれる少なくとも1層の保護層において、少なくとも第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板上に設けられる複数の第1接続パッドと、
を含み、
前記複数の第1接続パッドは、少なくとも1層の電気接続層を含み、各層の電気接続層は、本体材料層と、少なくとも1層の保護層とを含み、前記少なくとも1層の保護層は、前記本体材料層の前記ベース基板から離れる側に設けられ、前記少なくとも1層の保護層は、第1基準保護層を含み、前記第1基準保護層は、前記少なくとも1層の保護層のうちの前記ベース基板から最も離れる保護層であり、前記本体材料層の材料は、銅を含み、
前記少なくとも1層の電気接続層は、第1電気接続層を含み、前記第1電気接続層は、前記少なくとも1層の電気接続層のうちの前記ベース基板から最も離れる電気接続層であり、前記第1電気接続層に含まれる前記少なくとも1層の保護層において、少なくとも前記第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる、
配線基板。
【請求項2】
前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料は、金属単体または金属合金である、
請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記金属単体は、Cu、Ni、Fe、Ag、及びAuのうちのいずれか1つを含み、
前記金属合金は、ニッケル合金または銅合金を含む、
請求項2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記ニッケル合金は、ニッケルバナジウム合金、ニッケルアルミニウム合金、ニッケルタングステン合金、銅ニッケルチタン合金、及び銅ニッケルアルミニウム合金のうちのいずれか1つを含む、
請求項1~3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1電気接続層に含まれる各保護層の厚さは、いずれも300Å以上30000Å以下である、
請求項1~4のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】
前記第1電気接続層に含まれる前記少なくとも1層の保護層の厚さまたは材料は、さらに前記第1電気接続層に含まれる前記本体材料層内への第1半田の拡散を遮断するように構成される、
請求項1~5のいずれかに記載の配線基板。
【請求項7】
前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料に、銅または銅ニッケル合金が含まれる場合、前記第1基準保護層の厚さは、300Å~600Åの間で値を取り、
前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料に、銅が含まれていない場合、前記第1基準保護層の厚さは、300Å~3000Åの間で値を取る、
請求項6に記載の配線基板。
【請求項8】
前記少なくとも1層の保護層における前記第1半田の拡散深さは、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さ以上である、
請求項7に記載の配線基板。
【請求項9】
前記少なくとも1層の保護層は、第2基準保護層をさらに含み、前記第2基準保護層は、前記第1基準保護層と前記ベース基板との間に位置し、前記第2基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、または、前記第2基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができない、
請求項1~8のいずれかに記載の配線基板。
【請求項10】
前記第2基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、
少なくとも2層の保護層の材料は異なり、または、少なくとも1層の保護層の厚さは500Åより大きく、または、少なくとも2層の保護層の厚さとの和は500Åより大きい、
請求項9に記載の配線基板。
【請求項11】
前記少なくとも2層の保護層の材料が異なることは、
含まれる元素の種類が異なること、
または、
含まれる元素の種類が同じであり、各元素間の割合が異なること、
または、
含まれるベース元素の種類及び割合がいずれも同じであり、少なくとも1層の保護層が、前記少なくとも1層の保護層に含まれるベース元素にドープされたドーピング材料をさらに含むこと、
を含む、
請求項10に記載の配線基板。
【請求項12】
前記ドーピング材料は、金属タングステン、または金属アルミニウム、または金属バナジウムである、
請求項11に記載の配線基板。
【請求項13】
前記ベース基板に徐々に近づく方向に沿って、単位時間当たりの前記第1半田及び前記少なくとも2層の保護層の拡散深さは、徐々に減少し、及び/又は、前記少なくとも2層の保護層の材料の融点は、徐々に増大する、
請求項10~12のいずれかに記載の配線基板。
【請求項14】
前記ベース基板に徐々に近づく方向に沿って、前記少なくとも2層の保護層における、前記第1半田と第1金属間化合物を形成可能な元素の割合は、徐々に減少する、
請求項10~13のいずれかに記載の配線基板。
【請求項15】
前記ベース基板に徐々に近づく方向に沿って、前記少なくとも2層の保護層の厚さは、徐々に増大する、
請求項10~14のいずれかに記載の配線基板。
【請求項16】
前記第2基準保護層の厚さは、1000Å以上30000Å以下であり、前記第1基準保護層の厚さは、300Å以上1000Å以下である、
請求項15に記載の配線基板。
【請求項17】
前記少なくとも1層の保護層における前記第1半田の拡散深さは、前記第1基準保護層の厚さ以上であり、前記第1基準保護層の厚さと前記第2基準保護層の厚さとの和以下である、
請求項10~16のいずれかに記載の配線基板。
【請求項18】
前記少なくとも1層の電気接続層は、第2電気接続層をさらに含み、前記第2電気接続層は、前記第1電気接続層と前記ベース基板との間に位置し、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、または、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができない、
請求項1~17のいずれかに記載の配線基板。
【請求項19】
前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、300Å以上30000Å以下である、
請求項18に記載の配線基板。
【請求項20】
前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、
前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さよりも大きい、
請求項18または19に記載の配線基板。
【請求項21】
前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、1000Å以上30000Å以下であり、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、300Å以上1000Å以下である、
請求項20に記載の配線基板。
【請求項22】
前記少なくとも1層の電気接続層における前記第1半田の拡散深さは、前記第1電気接続層に含まれる第1基準保護層の厚さ以上であり、前記第1電気接続層の厚さと前記第2電気接続層に含まれる第1基準保護層の厚さとの和以下である、
請求項18~21のいずれかに記載の配線基板。
【請求項23】
前記ベース基板上に設けられる複数の第2接続パッドであって、回路基板に電気的に接続されるように構成される複数の第2接続パッドをさらに含む、
請求項1~22のいずれかに記載の配線基板。
【請求項24】
請求項1~23のいずれかに記載の配線基板及び第1半田と、
少なくとも1つの電子部品であって、各電子部品は、ピンを含み、前記電子部品は、前記ピン及び前記第1半田を介して前記第1接続パッドに溶接する少なくとも1つの電子部品と、
を含み、
前記第1半田は、前記第1電気接続層に含まれる少なくとも前記第1基準保護層と第1金属間化合物を形成する、
機能バックプレーン。
【請求項25】
前記少なくとも1つの電子部品は、少なくとも1つの第1電子部品を含み、前記少なくとも1つの第1電子部品に含まれるピンに溶接する第1接続パッドにおいて、前記少なくとも1つの第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の前記ベース基板から離れる表面には、溝が形成され、前記溝内には、第2半田が設けられ、前記第2半田は、少なくとも前記溝の側壁と第1金属間化合物を形成する、
請求項24に記載の機能バックプレーン。
【請求項26】
前記少なくとも1層の電気接続層は、第3電気接続層をさらに含み、第3電気接続層は、前記少なくとも1層の電気接続層のうちの前記ベース基板に最も近い電気接続層であり、
前記第1接続パッドの前記溝の底部の一方側に位置する部分は、少なくとも前記第1接続パッドにおける前記第3電気接続層に含まれる部分を含み、前記第3電気接続層に含まれる部分は、少なくとも前記第3電気接続層に含まれる本体材料層における部分を含む、
請求項25に記載の機能バックプレーン。
【請求項27】
配線基板を製造するステップであって、前記配線基板は、ベース基板と、複数の第1接続パッドとを含み、前記複数の第1接続パッドは、前記ベース基板上に設けられ、前記複数の第1接続パッドは、少なくとも1層の電気接続層を含み、各層の電気接続層は、本体材料層と、少なくとも1層の保護層と、を含み、前記少なくとも1層の保護層は、前記本体材料層の前記ベース基板から離れる側に設けられ、前記少なくとも1層の保護層は、第1基準保護層を含み、前記第1基準保護層は、前記少なくとも1層の保護層のうちの前記ベース基板から最も離れる保護層であり、前記本体材料層の材料は、銅を含み、前記少なくとも1層の電気接続層は、第1電気接続層を含み、前記第1電気接続層は、前記少なくとも1層の電気接続層のうちの前記ベース基板から最も離れる電気接続層であり、前記第1電気接続層に含まれる少なくとも1層の保護層において、少なくとも第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができるステップと、
少なくとも1つの電子部品を提供するステップであって、各電子部品はピンを含むステップと、
前記ピン及び前記第1半田を介して、前記少なくとも1つの電子部品を前記第1接続パッドに溶接するステップであって、前記第1半田は、前記第1電気接続層に含まれる少なくとも前記第1基準保護層と第1金属間化合物を形成し、前記第1半田は、前記ピンと第2金属間化合物を形成するステップと、
を含む、
機能バックプレーンの作製方法。
【請求項28】
前記ピン及び前記第1半田を介して、前記少なくとも1つの電子部品を前記第1接続パッドに溶接するステップは、
各電子部品に含まれるピンと前記第1接続パッドとの間に、第1半田を設けるステップであって、前記第1半田を、それぞれ前記第1接続パッド及び前記ピンと反応させ、前記少なくとも1つの電子部品を、ピン及び第1半田を介して前記第1接続パッドに溶接するステップを含む、
請求項27に記載の機能バックプレーンの作製方法。
【請求項29】
前記複数の電子部品が少なくとも1つの第1電子部品を含む場合、前記製造方法は、さらに、
前記複数の電子部品と前記第1接続パッドとの接続状態を検出するステップと、
第2電子部品と前記第1接続パッドとの接続状態が要件を満たさない場合、前記第2電子部品を交換し、前記第2電子部品を前記第1電子部品に置き換えるステップと、
を含む、
請求項27または28に記載の機能バックプレーンの作製方法。
【請求項30】
前記第2電子部品を交換し、前記第2電子部品を前記第1電子部品に置き換えるステップは、
前記第2電子部品を除去し、前記第1接続パッドの前記ベース基板から離れる表面に、溝を形成するステップと、
前記溝に第2半田を設け、前記第2半田を介して前記第1電子部品に含まれるピンを前記第1接続パッドに溶接し、前記第2半田は、少なくとも前記溝の側壁と前記第1金属間化合物を形成するステップと、
を含む、
請求項29に記載の機能バックプレーンの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明及び表示技術分野に関し、特に配線基板、機能バックプレーン及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode,発光ダイオード) は、OLED(Organic Light-Emitting Diode,有機発光ダイオード) 発光デバイスに対して、無機半導体材料を用いてpn接合を形成し、電界駆動により、キャリアがpn接合中で複合して発光を実現し、発光輝度と応答速度が比較的に高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、配線基板が提供され、前記配線基板は、ベース基板と複数の第1接続パッドとを含む。前記複数の第1接続パッドは、前記ベース基板上に設けられる。前記複数の第1接続パッドは、少なくとも1層の電気接続層を含み、各層の電気接続層は、本体材料層と、少なくとも1層の保護層とを含み、前記少なくとも1層の保護層は、前記本体材料層の前記ベース基板から離れる側に設けられる。前記少なくとも1層の保護層は、第1基準保護層を含み、前記第1基準保護層は、前記少なくとも1層の保護層のうちの前記ベース基板から最も離れる保護層であり、前記本体材料層の材料は、銅を含む。前記少なくとも1層の電気接続層は、第1電気接続層を含み、前記第1電気接続層は、前記少なくとも1層の電気接続層のうちの前記ベース基板から最も離れる電気接続層であり、前記第1電気接続層に含まれる前記少なくとも1層の保護層において、少なくとも前記第1基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができる。
【0004】
幾つかの実施例では、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料は、金属単体または金属合金である。
【0005】
幾つかの実施例では、前記金属単体は、Cu、Ni、Fe、Ag、及びAuのうちのいずれか1つを含み、前記金属合金は、ニッケル合金を含む。
【0006】
幾つかの実施例では、前記ニッケル合金は、ニッケルバナジウム合金、ニッケルアルミニウム合金、ニッケルタングステン合金、銅ニッケルチタン合金、及び銅ニッケルアルミニウム合金のうちのいずれか1つを含む。
【0007】
幾つかの実施例では、前記第1電気接続層に含まれる各保護層の厚さは、いずれも300Å以上30000Å以下である。
【0008】
幾つかの実施例では、前記第1電気接続層に含まれる前記少なくとも1層の保護層の厚さまたは材料は、さらに前記第1電気接続層に含まれる前記本体材料層内への第1半田の拡散を遮断するように構成される。
【0009】
幾つかの実施例では、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料が、銅または銅ニッケル合金を含む場合、前記第1基準保護層の厚さは、300Å~600Åの間で値を取る。前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料が、銅を含まない場合、前記第1基準保護層の厚さは、300Å~30000Åの間で値を取る。
【0010】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1層の保護層における前記第1半田の拡散深さは、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さ以上である。
【0011】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1層の保護層は、第2基準保護層をさらに含み、前記第2基準保護層は、前記第1基準保護層と前記ベース基板との間に位置し、前記第2基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができ、または、前記第2基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができない。
【0012】
幾つかの実施例では、前記第2基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができ、少なくとも2層の保護層の材料は異なり、または、少なくとも1層の保護層の厚さは500Åより大きく、または、少なくとも2層の保護層の厚さとの和は500Åより大きい。
【0013】
幾つかの実施例では、前記少なくとも2層の保護層の材料が異なることは、含まれる元素の種類が異なること、または、含まれる元素の種類が同じであり、各元素間の割合が異なること、または、含まれるベース元素の種類及び割合がいずれも同じであり、少なくとも1層の保護層が、前記少なくとも1層の保護層に含まれるベース元素にドープされたドーピング材料をさらに含むこと、を含む。
【0014】
幾つかの実施例では、前記ドーピング材料は、金属タングステン、または金属アルミニウム、または金属バナジウムである。
【0015】
幾つかの実施例では、前記ベース基板に徐々に近づく方向に沿って、単位時間当たりの前記第1半田及び前記少なくとも2層の保護層の拡散深さは、徐々に減少し、及び/又は、前記少なくとも2層の保護層の材料の融点は、徐々に増大する。
【0016】
幾つかの実施例では、前記ベース基板に徐々に近づく方向に沿って、前記少なくとも2層の保護層における前記第1半田と第1金属間化合物を形成できる元素の割合は、徐々に減少する。
【0017】
幾つかの実施例では、前記ベース基板に徐々に近づく方向に沿って、前記少なくとも2層の保護層の厚さは、徐々に増大する。
【0018】
幾つかの実施例では、前記第2基準保護層の厚さは、1000Å以上30000Å以下であり、前記第1基準保護層の厚さは、300Å以上1000Å以下である。
【0019】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1層の保護層における前記第1半田の拡散深さは、前記第1基準保護層の厚さ以上であり、前記第1基準保護層の厚さと前記第2基準保護層の厚さとの和以下である。
【0020】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1層の電気接続層は、第2電気接続層をさらに含み、前記第2電気接続層は、前記第1電気接続層と前記ベース基板との間に位置し、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができ、または、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができない。
【0021】
幾つかの実施例では、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、300Å以上30000Å以下である。
【0022】
幾つかの実施例では、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さより大きい。
【0023】
幾つかの実施例では、前記第2電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、1000Å以上30000Å以下であり、前記第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の厚さは、300Å以上1000Å以下である。
【0024】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1層の電気接続層における前記第1半田の拡散深さは、前記第1電気接続層に含まれる第1基準保護層の厚さ以上であり、前記第1電気接続層の厚さと前記第2電気接続層に含まれる第1基準保護層の厚さとの和以下である。
【0025】
幾つかの実施例では、前記ベース基板上に設けられる複数の第2接続パッドであって、回路基板に電気的に接続されるように構成される複数の第2接続パッドをさらに含む。
【0026】
別の態様では、機能バックプレーンが提供され、前記機能バックプレーンは、上記の配線基板及び第1半田と、少なくとも1つの電子部品とを含む。各電子部品は、ピンを含み、前記電子部品は、前記ピン及び前記第1半田を介して前記第1接続パッドに溶接する。前記第1半田は、前記第1電気接続層に含まれる少なくとも前記第1基準保護層と第1金属間化合物を形成し、前記第1半田と前記ピンとが第2金属間化合物を形成する。
【0027】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1つの電子部品は、少なくとも1つの第1電子部品を含み、前記少なくとも1つの第1電子部品に含まれるピンに溶接する第1接続パッドにおいて、前記少なくとも1つの第1電気接続層に含まれる前記第1基準保護層の前記ベース基板から離れる表面には、溝が形成され、前記溝内には、第2半田が設けられ、前記第2半田と少なくとも前記溝の側壁とが第1金属間化合物を形成する。
【0028】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1層の電気接続層は、第3電気接続層をさらに含み、第3電気接続層は、前記少なくとも1層の電気接続層のうちの前記ベース基板に最も近い電気接続層である。
【0029】
前記第1接続パッドの前記溝の底部の一方側に位置する部分は、少なくとも前記第1接続パッドにおける前記第3電気接続層に含まれる部分を含み、前記第3電気接続層に含まれる部分は、少なくとも前記第3電気接続層に含まれる本体材料層における部分を含む。
【0030】
また、別の態様では、機能バックプレーンの製造方法が提供され、前記機能バックプレーンの製造方法は、
【0031】
配線基板を製造するステップを含み、前記配線基板は、ベース基板と、複数の第1接続パッドとを含み、前記複数の第1接続パッドは、前記ベース基板上に設けられ、前記複数の第1接続パッドは、少なくとも1層の電気接続層を含み、各層の電気接続層は、本体材料層と、少なくとも1層の保護層と、を含み、前記少なくとも1層の保護層は、前記本体材料層の前記ベース基板から離れる側に設けられ、前記少なくとも1層の保護層は、第1基準保護層を含み、前記第1基準保護層は、前記少なくとも1層の保護層のうちの前記ベース基板から最も離れる保護層であり、前記本体材料層の材料は、銅を含み、前記少なくとも1層の電気接続層は、第1電気接続層を含み、前記第1電気接続層は、前記少なくとも1層の電気接続層のうちの前記ベース基板から最も離れる電気接続層であり、前記第1電気接続層に含まれる少なくとも1層の保護層において、少なくとも第1基準保護層の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができる。
【0032】
少なくとも1つの電子部品を提供して、各電子部品はピンを含む。
【0033】
前記ピン及び前記第1半田を介して、前記少なくとも1つの電子部品を前記第1接続パッドに溶接して、前記第1半田と前記第1電気接続層に含まれる少なくとも前記第1基準保護層とが第1金属間化合物を形成し、前記第1半田と前記ピンとが第2金属間化合物を形成する。
【0034】
幾つかの実施例では、前記ピン及び前記第1半田を介して、前記少なくとも1つの電子部品を前記第1接続パッドに溶接することは、
【0035】
各電子部品に含まれるピンと前記第1接続パッドとの間に、第1半田を設け、前記第1半田を、それぞれ前記第1接続パッド及び前記ピンと反応させて、前記少なくとも1つの電子部品を、ピン及び第1半田を介して前記第1接続パッドに溶接することを含む。
【0036】
幾つかの実施例では、前記複数の電子部品が少なくとも1つの第1電子部品を含む場合、前記作製方法は、
【0037】
前記複数の電子部品と前記第1接続パッドとの接続状態を検出するステップをさらに含む。
【0038】
第2電子部品と前記第1接続パッドとの接続状態が要件を満たさない場合、前記第2電子部品を交換し、前記第2電子部品を前記第1電子部品に置き換える。
【0039】
幾つかの実施例では、前記第2電子部品を交換し、前記第2電子部品を前記第1電子部品に置き換えることは、
【0040】
前記第2電子部品を除去し、前記第1接続パッドの前記ベース基板から離れる表面に、溝を形成することを含む。
【0041】
前記溝内に第2半田を設け、前記第2半田を介して前記第1電子部品に含まれるピンを前記第1接続パッドに溶接し、前記第2半田と少なくとも前記溝の側壁とが前記第1金属間化合物を形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
以下、本開示に係る技術案をより明確に説明するために、本開示における幾つかの実施例で使用される図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本開示における幾つかの実施例の一部にすぎないことは明らかである。当業者であれば、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。また、以下の説明における図面は、概略図と見なすことができ、本開示の実施例に係る製品の実際の寸法、方法の実際の流れ、信号の実際のタイミングなどを限定するものではない。
【0043】
【
図1】幾つかの実施例に係る機能バックプレーンの構造を示す断面図である。
【0044】
【
図2A】幾つかの実施例に係る第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0045】
【
図2B】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0046】
【
図2C】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0047】
【
図2D】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0048】
【
図2E】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0049】
【
図2F】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0050】
【
図2G】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0051】
【
図2H】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0052】
【
図2I】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0053】
【
図2J】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0054】
【
図2K】本開示の幾つかの実施例に係るさらに別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0055】
【
図2L】幾つかの実施例に係るさらに別の第1接続パッドの構造を示す断面図である。
【0056】
【
図3】幾つかの実施例に係る第1接続パッドとピンとの接続の構造図である。
【0057】
【
図4】幾つかの実施例に係る第1配線層と第1接続パッドの上面図である。
【0058】
【
図5】幾つかの実施例に係る
図4におけるAA’方向に沿った断面図である。
【0059】
【
図6】幾つかの実施例に係る回路基板及び電子部品が配線基板に電気接続の構造を示す断面図である。
【0060】
【
図7A】幾つかの実施例に係る第1接続パッドとピンとの接続の構造図である。
【0061】
【
図7B】幾つかの実施例に係る別の第1接続パッドとピンとの接続の構造図である。
【0062】
【
図7C】幾つかの実施例に係るさらに別の第1接続パッドとピンとの接続の構造図である。
【0063】
【
図8】幾つかの実施例に係る機能バックプレーンの製造方法のフローチャートである。
【0064】
【
図9】幾つかの実施例に係る第1半田と少なくとも第1基準保護層とが第1金属間化合物を形成するフローチャートである。
【0065】
【
図10】幾つかの実施例に係る第2電子部品を第1電子部品に置き換えるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、図面を参照して、本開示の幾つかの実施例に係る技術案を明確かつ完全に説明する。説明される実施例はあくまで本開示の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本開示に係る実施例に基づいて、当業者はが得られた他のすべての実施例は、いずれも本開示の権利範囲に含まれるものとする。
【0067】
文脈上別段の解釈を要しない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体において、用語「含む(comprise)」及びその他の形式、例えば、第三人称の単数形である「含む(comprises)」及び現在分詞の形式である「含む(comprising)」は、開放、包括的な意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。明細書の説明において、用語「1つの実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施例(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定の例(specific example)」、又は「幾つかの例(some examples)」などは、その実施例又は例に関連する特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことが意図される。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含み得る。
【0068】
以下において、「第1」、「第2」という用語は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして、若しくは指示された技術的特徴の数量を暗示するものと理解されるべきでない。従って、「第1」、「第2」と定義された特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗示的に含み得る。本開示の実施例の説明では、特に説明がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0069】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」は、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」と同じ意味を有し、いずれも以下のA、B及びCの組み合わせ:Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組合せ、A及びCの組合せ、B及びCの組合せ、並びにA、B及びCの組合せを含む。
【0070】
「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、及びAとBの組合せの3つの組合せを含む。
【0071】
本明細書において、「…に適用する」又は「…ように配置される」の使用は開放的且つ包括的な言語を意味し、追加のタスク又はステップを実行するように適用又は配置される装置を排除しない。
【0072】
本開示の幾つかの実施例は、発光装置が提供される。当該発光装置は、機能バックプレーンを含む。勿論、他の構成要素も含むことができる。例えば、機能バックプレーンに電気信号を提供して、当該機能バックプレーンを駆動するために使用される回路を含むことができる。当該回路は制御回路と呼ぶことができ、機能バックプレーンに電気的に接続される回路基板及び/又はIC(Integrate Circuit,集積回路)を含むことができる。
【0073】
幾つかの実施例では、当該発光装置は照明装置であってもよい。この場合、発光装置は光源として使用され、照明機能を実現する。例えば、発光装置は、液晶表示装置におけるバックライトモジュール、内部または外部の照明用のランプ、または各種信号ランプなどであってもよい。
【0074】
幾つかの他の実施例では、当該発光装置は表示装置であってもよい。この場合、当該機能バックプレーンは表示基板であり、画像(すなわち、画面)を表示する機能を実現するように使用される。発光装置は、ディスプレイまたはディスプレイを含む製品を含むことができる。ここで、ディスプレイはFDP(Flat Panel Dispaly,フラットパネルディスプレイ)やマイクロディスプレイなどであってもよい。ユーザがディスプレイの背面が見えるか否かに応じて、ディスプレイは、透明ディスプレイまたは不透明ディスプレイに区別されてもよい。ディスプレイが折り曲げられるか、捲れ返られるかに応じて、ディスプレイは、フレキシブルディスプレイまたは通常のディスプレイ(リジッドディスプレイと呼ぶことができる)に区別されてもよい。例示的に、ディスプレイを含む製品は、コンピュータディスプレイ、テレビ、看板、ディスプレイ機能付きレーザープリンター、電話、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant,パーソナルデジタルアシスタント)、ノート型コンピュータ、デジタルカメラ、ポータブルカメラビデオレコーダー、ビューファインダ、車両、広い面積の壁、劇場のスクリーンまたはスタジアムの看板などを含むことができる。
【0075】
STMは表面実装技術(表面貼付技術)(Surface Mounted Technologyの略称)であり、電子組立業界において最もポピュラーな技術と工程であり、ピンを有する電子部品を、回路及び接続パッド(パッドとも呼ぶ)を有するベース基板の表面上に配置し、リフロー半田やディップ半田などの方法により、溶接して組み立てる技術である。電子部品と接続パッドとの固定接続を完成するために、ベース基板上の電子部品と電気的に接続する予定がある接続パッド上に半田を設け、または、電子部品のピンに半田を設ける必要がある。次に、電子部品を接続パッドと位置合わせして接触するように設け、例えば、230℃~260℃の高温で、半田を溶融させて良好な湿潤を得てから、急速に冷却させて温度を下げ、電子部品と接続パッドとの固定接続または溶接を実現する。接続パッドの材料は、一般的に銅であるが、銅は酸化しやすいため、接続パッドを表面処理し、銅の酸化を防止する必要がある。接続パッドの表面処理方式は、接続パッドの表面に銅合金層を形成して、銅の酸化を防止することを含む。これにより、電子部品は、半田を介して銅合金層と直接溶接することが実現される。しかし、本開示の発明者は、リフロー半田過程において、半田と銅合金層及び接続パッドと金属間化合物(Intermetallic Ccompound,IMCと略称する)が形成されることがあり、金属間化合物の厚さと組成は、溶接工程の時間、温度及び適用条件などと関数関係をなし、且つ材料接合部位の内部応力を変化させ、一般的に、金属間化合物の厚さの増加につれて、内部応力が徐々に増大することにより、電子部品と導電性ガスケットとの接触部位(溶接点)が脆くなり、さらに破断が生じる現象を引き起し、両者の接続強度と信頼性に影響を与えることを見出した。
【0076】
具体的には、リフロー半田過程において、半田と銅合金層と接続パッドとの間に金属間化合物が急速に生成されることがあり、半田と銅合金層及び接続パッドと直接接触して、銅合金層と接続パッドにおける銅は、半田における錫とCuxSnyシリーズの「一時安定的」化合物を形成することがある。ここで、CuxSnyにおいて、x=3、4、5、6、y=2、3、4、5であり、これらのCuxSnyシリーズの化合物の厚さと厚さ割合は、溶接工程の温度、時間、環境及び使用条件などにつれて変化する。ここで、Cu3Sn2化合物は半田から最も離れる領域に位置し、Cu6Sn5化合物は半田から最も近い領域に位置し、Cu3Sn2化合物の溶接可能性は非常に悪く、Cu6Sn5化合物は溶接可能性を有するが、その厚さが比較的に薄いため、溶接点の接続強度が低く、信頼性が悪い。
【0077】
また、電子部品に不完全溶接や溶接位置ずれが生じる場合、電子部品を除去して正しい位置に強固に溶接し直すために、横方向の剪断力を加える必要がある。電子部品を除去する過程において、接続パッドが破損する可能性があるため当該接続パッドは、電子部品との溶接を再び実現することができなくなる。
【0078】
本開示の幾つかの実施例は機能バックプレーン100が提供される。
図1に示すように、機能バックプレーン100は、配線基板10と、少なくとも1つの電子部品20と、を含む。少なくとも1つの電子部品20は、配線基板10上に設けられる。各電子部品20は、ピン30を含む。電子部品20は、ピン30を介して配線基板10に電気的に接続される。電子部品20は、マイクロ発光ダイオード、マイクロチップ、マイクロセンサー、マイクロドライブなどを含むことができ、ここでは限定されない。
【0079】
具体的には、電子部品20が2つのピンを有することを例に挙げると、ピン30は、カソードピン30a及びアノードピン30bを含むことができる。配線基板10は、ベース基板1と、複数の第1接続パッド2とを含む。ベース基板1は、デバイス領域Aを有する。複数の第1接続パッド2は、ベース基板1上に設けられ、デバイス領域Aに位置する。電子部品20は、ピン30(カソードピン30a及びアノードピン30b)及び第1半田X1(基体材料が錫である合金を含み、例えば錫銀銅合金である)を介して第1接続パッド2に電気的に接続され、これにより、電子部品20と配線基板10との電気接続が実現される。
【0080】
電子部品20がマイクロ発光ダイオードであることを例に挙げると、具体的には、サイズが約50ミクロン~500ミクロンである発光ダイオードを指す。
【0081】
バックライト適用について、電子部品20がマイクロ発光ダイオードである場合、複数のマイクロ発光ダイオードをマトリクス配置し、領域調光技術(local dimming technology)と組み合わせることにより、より小さい光混合距離内でより良好な輝度均一性とより高い色コントラストを実現することができ、さらに端末製品の超薄型、高演色性、高コントラスト及び高輝度を実現し、従来の直下型またはエッジ入(edge-lit)型のバックライトアーキテクチャより優れることを実現する。また、複数のマイクロ発光ダイオードを可撓性基板上に設けることができ、さらに曲面を有する受動型表示パネルと協働して、画質を保証しながら有機発光ダイオードみたいの技術で実現された曲面ディスプレイを実現することができる。ディスプレイ適用について、マイクロ発光ダイオードは、3色(例えば、Red Green Blue,赤緑青)のマイクロ発光ダイオードを含み、当該3色のマイクロ発光ダイオードは、より高い輝度とコントラストを有する。
【0082】
幾つかの実施例では、
図2A~
図2Lに示すように、複数の第1接続パッド2は、少なくとも1層の電気接続層21を含む。各電気接続層21は、本体材料層211と、少なくとも1層の保護層212とを含み、少なくとも1層の保護層212は、本体材料層211のベース基板から離れる側に設けられる。少なくとも1層の保護層212は、第1基準保護層212Aを含む。第1基準保護層212Aは、少なくとも1層の保護層212のうちのベース基板1から最も離れる保護層212である。本体材料層211の材料は銅を含む。少なくとも1層の電気接続層21は、第1電気接続層21Aを含む。前記第1電気接続層21Aは、少なくとも1層の電気接続層21のうちのベース基板1から最も離れる電気接続層21である。 第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212において、少なくとも第1基準保護層212Aの材料と第1半田と第1金属間化合物が形成することができる。
【0083】
ここで、複数の第1接続パッド2は少なくとも1層の電気接続層21を含み、各層の電気接続層21は、本体材料層211と、少なくとも1層の保護層212とを含み、少なくとも1層の保護層212は、本体材料層211のベース基板1から離れる側に設けられる。これからわかるように、いずれかの第1接続パッド2において、電気接続層21の層数は1層又は多層であり、各層の電気接続層21は、いずれも1層の本体材料層211と、1層または多層の保護層212を含み、1層または多層の保護層212は、当該本体材料層211のベース基板1から離れる側に設けられる。
【0084】
ここで、電気接続層21の層数が1層である場合、当該電気接続層21は第1電気接続層21Aである。この際に、第1電気接続層21Aは、1層または多層の保護層212を含むことができることによれば、2つの可能な状況を有する。第1状況は、
図2A及び
図2Bに示すように、第1電気接続層21Aは1層の保護層212を含み、当該保護層212は第1基準保護層212Aである。第2状況は、
図2C~
図2Gに示すように、第1電気接続層21Aは多層の保護層212を含み、多層の保護層212のうちのベース基板1から最も離れる保護層212は、第1基準保護層212Aである。電気接続層21の層数が多層である場合、
図2H~
図2Lに示すように、第1電気接続層21Aは、多層の電気接続層21のうちのベース基板1から最も離れる電気接続層21である。この際に、第1電気接続層21Aは1層または多層の保護層212を含むことによれば、2つの可能な状況を有する。第1状況は、
図2H~
図2Lに示すように、第1電気接続層21Aは1層の保護層212を含み、当該保護層212は第1基準保護層212Aである。第2状況は、第1電気接続層21Aは多層の保護層212を含み、多層の保護層212のうちのベース基板1から最も離れる保護層212は、第1基準保護層212Aである。
【0085】
これにより、各第1接続パッド2において、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aは、少なくとも1層の電気接続層21に含まれる少なくとも1層の保護層212のうちの外部に露出した保護層212である。第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212において、少なくとも第1基準保護層212Aの材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができ、従って、第1半田を用いて電子部品20のピン30と第1接続パッド2とを溶接する過程において、第1半田と第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも第1基準保護層212Aとが第1金属間化合物を形成し、第1半田とピン30とが第2金属間化合物を形成することにより、溶接を実現する。
【0086】
金属と金属、または金属とメタロイド(例えば、H、B、N、S、P、C、Siなど)によって形成される化合物は、金属間化合物(Intermetallic Compound,略称IMC)と呼ぶ。金属間化合物における元素同士は、金属結合によって結合され、金属特性を保持する。金属間化合物は界面反応の生成物である。第1半田を用いて電子部品20のピン30と第1接続パッド2とを溶接する過程において、第1半田はまず加熱下で溶融され、次いで、第1接続パッド2において、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が溶融され、同時に、ピン30の材料も溶融され、その後、第1半田における金属原子は、拡散しながら、第1基準保護層212Aにおける金属原子及びピン30における金属原子とそれぞれ反応し、第1基準保護層212Aにおける金属原子と第1金属間化合物を形成し、ピン30における金属原子と第2金属間化合物を形成し、同時に、第1半田が拡散し続けるにつれて、第1半田における金属原子と本体材料層における金属原子とが第1金属間化合物を形成することもできる。
【0087】
金属間化合物の形成速度が、材料の組成、融点、温度及び反応時間などに関連付けられていると理解される。また、拡散係数の異なる2つの金属は、拡散が進むにつれて、両者がある膜層の元接触界面が移動することがある。一般的に、界面は拡散係数の大きい金属が存在する膜層に向かって移動する。場合によっては、拡散係数の大きい金属が存在する膜層も、ナノメートルまたはミクロンサイズの空洞または空隙などを形成することがある。
【0088】
研究を経て、以下のようなことを見出した。第1接続パッド2が第1電気接続層21Aのような電気接続層21を含み、且つ第1電気接続層21Aが第1基準保護層212Aのみを含み、且つ第1基準保護層212Aの材料は銅ニッケル合金を含み、銅ニッケル合金におけるニッケルの質量割合が40%未満であり、第1基準保護層212Aの厚さが500Åである場合、第1半田を用いて電子部品20のピン30と第1接続パッド2とを溶接する過程において、第1半田が第1基準保護層212A内に拡散するにつれて、第1基準保護層212Aと第1金属間化合物を形成し、且つ第1半田と第1基準保護層212Aとが第1金属間化合物を形成した後に、第1半田は当該第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211内に速やかに拡散し、当該第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211と第1金属間化合物を形成することにより、溶接点界面第1金属間化合物の厚さが厚くなりすぎて、溶接点が脆くなり、機械的強度が悪くなり、これにより、溶接点が室温下で界面に脆性割れが発生しやすくなり、例えば、溶接不良(例えば、不完全溶接(pseudo soldering)や電子部品20の位置ずれが発生する)が発生する場合、補修が必要となる。電子部品20を除去する過程において、当該第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211も容易に除去されるため、当該第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の銅が欠落し、補修が実現できない。
【0089】
本開示の実施例では、第1接続パッド2は少なくとも1層の電気接続層21を含み、少なくとも1層の電気接続層21は第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aは少なくとも1層の保護層212を含むため、関連技術において、第1電気接続層21Aが1層の保護層212のみを含むことに比べると、第1電気接続層21Aに含まれる保護層212の層数、各層の材料及び/又は厚さなどを合理的に設定することにより、第1半田と第1基準保護層212Aとの反応速度を遅くすれば、第1電気接続層2Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することができるので、溶接点界面第1金属間化合物の厚さが厚すぎて本体材料層211における銅が欠落することを回避することができ、補修可能率を向上させることができる。
【0090】
幾つかの実施例では、
図2A~
図2Lに示すように、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の厚さd1は、3000Å以上50000Å以下である。
【0091】
すなわち、これらの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の厚さd1は、3000Å~50000Åの範囲内で値を取ることができる。
【0092】
選択的に、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の厚さd1は、6000Åである。
【0093】
ここで、上記の第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、特に限定されない。当該第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成可能な任意の材料であってもよい。例示的に、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、金属材料及び/又は非金属材料を含むことができる。
【0094】
本開示の幾つかの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、金属単体または金属合金である。
【0095】
幾つかの実施例では、金属単体は、Cu、Ni、Fe、Ag及びAuのうちのいずれか1つを含む。金属合金は、Cu、Ni、Fe、Ag及びAuのうちの1つ、または、ニッケル合金、銀合金、銅合金などのような複数単体の金属合金を含むことができる。
【0096】
幾つかの例では、金属合金はニッケル合金であってもよい。ニッケル合金は、銅合金、鉄合金、銀合金及び金合金よりも、安価で入手しやすい。
【0097】
ここで、ニッケル合金は、ニッケルを含む任意の二元または三元合金であってもよく、例えば、Cu、Al、La、Pb、Co、Ag、Sb、In、Ga、Zn、Ta、Ru、Ti、Bi、Nd、Pd、Mg、Li、Sc、Y、Zr、Sr、Rb、Cs、Hf、Mn、Cr、Ge、Tl、Ce、PrなどとNiからなる二元合金または三元合金である。
【0098】
幾つかの例では、ニッケル合金は、ニッケルバナジウム合金、ニッケルアルミニウム合金、ニッケルタングステン合金、銅ニッケルチタン合金、銅ニッケルアルミニウム合金を含む。銅合金は、銅ニッケル合金または銅マグネシウムアルミニウム合金のうちのいずれか1つを含む。ニッケルバナジウム合金において、バナジウムの質量割合は、例えば7%または40%であってもよい。ニッケルアルミニウム合金において、アルミニウムの質量割合は、例えば20%であってもよい。ニッケルタングステン合金において、タングステンの質量割合は、例えば49%であってもよい。
【0099】
勿論、幾つかの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料には、他の元素(例えば、上記に列挙されていない他の金属元素または非金属元素など)がドープされてもよい。
【0100】
ここで、上記のニッケル合金において、ニッケル合金におけるニッケルの質量割合は、任意の値であってもよい。例えば、ニッケル銅合金において、ニッケルの質量割合は5%~99%であってもよい。ニッケルアルミニウム合金において、ニッケルの質量割合も5%~99%であってもよい。
【0101】
ここで、第1電気接続層21Aに含まれる1層または多層の保護層212の厚さd2は、特に限定されない。実際作業において、必要に応じて合理的に設定することができ、溶接時、第1半田と少なくとも第1基準保護層212Aとによって形成される第1金属間化合物は、十分な厚さを有し、溶接の堅牢性を向上させることを確保する。
【0102】
幾つかの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる各保護層212の厚さd2は、いずれも300Å以上30000Å以下である。
【0103】
幾つかの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212の厚さd2または材料は、さらに第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断するように構成される。
【0104】
これらの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212の厚さd2または材料を選択することにより、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212と第1半田との反応速度を調節することができる。例えば、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212の厚さd2を大きくすることができ、同じ反応時間内において、第1電気接続層21Aにおける第1半田の拡散深さを小さくすることができ、これにより、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することができ、補修可能率を向上させることができる。
【0105】
幾つかの実施例では、
図3に示すように、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が、銅または銅ニッケル合金を含み、且つ銅ニッケル合金におけるニッケルの質量割合が40%未満である場合、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、1000Å以上である。例示的に、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、3000Åであってもよい。第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が銅ニッケル合金を含み、且つ銅ニッケル合金におけるニッケルの質量割合が40%以上である場合、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、800Å以上である。例示的に、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、1000Åであってもよい。第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が銅を含まない場合、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、300Å~30000Åである。例示的に、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、500Åであってもよい。
【0106】
これらの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料及び厚さd21を上記の範囲内に限定することにより、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田X1の拡散を遮断することができるので、電子部品20を除去した後、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211が完全に除去されることがなく、補修可能率を向上させることができる。
【0107】
幾つかの例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が銅ニッケル合金を含み、且つ銅ニッケル合金におけるニッケルの質量割合が40%未満である場合、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21を10000Åに制御することにより、第1半田を用いて1回の溶接を行った後、第1半田と第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211とによって形成される第1金属間化合物の厚さは、約15000Åである。第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21を40000Åまで大きくする場合、第1半田と第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211とによって形成される第1金属間化合物の厚さは、10000Åまで薄くなる。
【0108】
上記から分かるように、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が同じである場合、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aを厚くするという増厚処理を行うことにより、溶接点界面第1金属間化合物IMC1の厚さを小さくすることができるので、補修可能率を向上させることができる。
【0109】
幾つかの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が銅または銅ニッケル合金を含む場合、第1基準保護層212Aの厚さd21は、300Å~600Åの間で値を取る。第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料が銅を含まない場合、第1基準保護層212Aの厚さd21は、300Å~3000Åの間で値を取る。
【0110】
これらの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料及び厚さd21を上記の範囲内に限定することにより、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211内への第1半田X1の拡散を遮断することができるので、電子部品20を除去した後、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211が完全に除去されることがなく、補修可能率を向上させることができる。
【0111】
幾つかの実施例では、
図2Bに示すように、少なくとも1層の保護層212における第1半田の拡散深さD1は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21以上である。
【0112】
これらの実施例では、少なくとも1つの保護層212における第1半田の拡散深さD1を上記の範囲内に制御することにより、補修可能率を向上させるとともに、第1半田と第1電気接続層21Aとによって形成される第1金属間化合物が十分な厚さを有することを確保し、溶接の堅牢性と導電性を向上させることができる。
【0113】
幾つかの実施例では、
図2C~
図2Gに示すように、少なくとも1層の保護層212は、第2基準保護層212Bをさらに含む。第2基準保護層212Bは、第1基準保護層212Aとベース基板1との間に位置する。第2基準保護層212Bの材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができ、または、第2基準保護層212Bの材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成することができない。
【0114】
これらの実施例では、第2基準保護層212Bの材料が第1半田と第1金属間化合物を形成することができる場合、第2基準保護層212Bの材料は、第1基準保護層212Aの材料と同じであっても異なってもよい。第2基準保護層212Bの材料が第1半田と第1金属間化合物を形成することができない場合、第2基準保護層212Bの材料は、モリブデン、チタン、アルミニウムのうちの1つの単体、または、モリブデン、チタン、アルミニウムのうちの1つまたは複数の単体を含む合金、例えばモリブデン合金などから選択することができる。
【0115】
ここで、第1電気接続層21Aに含まれる第2基準保護層212Bの材料が、第1半田と第1金属間化合物を形成することができない場合、補修可能率を向上させるために、上記の第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料及び厚さd21の選択については、上記の説明を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0116】
第2基準保護層212Bの材料が、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる場合、第1基準保護層212Aの材料及び厚さd21が補修可能率を確保するのに十分でない場合、補修可能率を確保するために、第2基準保護層212Bの材料及び厚さd22を設定することもできる。例えば、第1基準保護層212Aの材料が銅ニッケル合金を含み、且つ銅ニッケル合金におけるニッケルの質量割合が40%未満であり、第1基準保護層212Aの厚さd21が500Å以下である場合、第2基準保護層212Bの材料及び厚さd22を選択することにより、同様に第1半田と第2基準保護層212Bとによって形成される第1金属間化合物の厚さを調節することができるので、第1半田と第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211とによって形成される第1金属間化合物の厚さを小さくすることができ、補修可能率を向上させることができる。
【0117】
幾つかの実施例では、第2基準保護層212Bの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。少なくとも2層の保護層212の材料は異なる。または、
図2C~
図2Gに示すように、少なくとも1層の保護層212の厚さd2は500Åより大きく、または、前記少なくとも2層の保護層の厚さd2の和は500Åより大きい。
【0118】
これらの実施例では、関連技術における電気接続層21の層数は1層であり、当該電気接続層21は1層の保護層212のみを含み、当該保護層212の材料は銅ニッケル合金であり、且つニッケルの質量割合は40%未満であり、保護層212の厚さは500Åであることに比べると、少なくとも2層の保護層212の材料を選択することにより、例えば、少なくとも1層の保護層212(例えば、第1基準保護層212Aまたは第2基準保護層212B)は、第1半田と第1金属間化合物を形成しにくい材料(銅合金と比較する)に選択し、第1金属間化合物の厚さを小さくすれば、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することができる。
【0119】
または、関連技術における電気接続層21の層数は1層であり、当該電気接続層21は1層の保護層212のみを含み、当該保護層212の材料は銅ニッケル合金であり、且つニッケルの質量割合は40%未満であり、保護層212の厚さは500Åであるものに比べると、少なくとも2層の保護層212の材料及び厚さd2を合理的に設定することにより、例えば、少なくとも2層の保護層212の材料は、関連技術における保護層212の材料と同じになるように選択するが、厚さd21の和が比較的厚くて、例えば、第1基準保護層212Aの厚さd21と第2基準保護層212Bの厚さd22との和が1000Åであるものに選択し、または、少なくとも2層の保護層212のうち、少なくとも1層の保護層212の材料は、関連技術における保護層212の材料と異なるになるように選択し、厚さd2は関連技術における保護層212の厚さと同じであっても異なってもよいものに選択することにより、同様に、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することができる。
【0120】
幾つかの実施例では、上記の少なくとも2層の保護層212の材料は異なり、多くの可能な状況を有する。
【0121】
第1状況は、少なくとも2層の保護層212に含まれる元素の種類が異なる。
【0122】
第2状況は、少なくとも2層の保護層212に含まれる元素の種類が同じであり、各元素間の割合が異なる。
【0123】
第3状況は、少なくとも2層の保護層212に含まれるベース元素の種類及び割合が、いずれも同じであり、少なくとも1層の保護層212が、当該少なくとも1層の保護層212に含まれるベース元素にドープされたドーピング材料をさらに含む。
【0124】
第1状況では、少なくとも2層の保護層212に含まれる元素の種類が異なるというのは、各保護層212は1つの元素または複数の元素を含んでもよいことを指す。各保護層212がいずれも1つの元素を含む場合、当該各保護層212の材料は、いずれも単体である。各保護層212がいずれも複数の元素を含む場合、各保護層212の材料は、いずれも合金であってもよい。各保護層212において、第1部分保護層212(例えば、保護層212は3層であり、第1部分保護層212は、そのうちの第1基準保護層212Aである)が1つの元素を含み、第2部分保護層212(例えば、3層の保護層212のうちの第1基準保護層212Aを以外の残りの2層の保護層212である)が、複数の元素を含む場合、第1部分保護層212の材料は単体であってもよく、第2部分保護層212の材料はいずれも合金であってもよい。
【0125】
ここで、各保護層212がいずれも単体である場合、少なくとも2層の保護層212は、いずれも異なる単体から選択され、ここでは、各保護層212がいずれも金属単体から選択される場合を例に挙げて、保護層212の層数が3層である場合、3層の保護層212は、それぞれ3つの異なる金属単体から選択されることができる。例示的に、3層の保護層212の材料は、それぞれ銅単体、ニッケル単体及び銀単体であってもよい。各保護層212がいずれも合金である場合、少なくとも2層の保護層212は、いずれも異なる合金から選択され、ここで、各保護層212がいずれも金属合金から選択される場合を例に挙げて、保護層212の層数が3層である場合、3層の保護層212において、2つずつ含まれる金属単体のうち、少なくとも1つの金属単体は異なる。例示的に、3層の保護層212の材料は、それぞれ銅ニッケル合金、銅銀合金及びニッケル銀合金であってもよい。少なくとも2層の保護層212において、第1部分保護層212が単体から選択され、第2部分保護層212が合金から選択される場合、第2部分保護層212において、2つずつ含まれる合金の金属単体のうち、少なくとも1つの金属単体は異なる。例示的に、3層の保護層212の材料は、それぞれ銅単体、銅ニッケル合金及び銅銀合金であってもよい。少なくとも2層の保護層212において、第1部分保護層212が合金から選択され、第2部分保護層212が単体から選択される場合、第2部分保護層212において、2つずつ含まれる金属単体は異なる。例示的に、3層の保護層212の材料は、それぞれ銅単体、ニッケル単体及び銅ニッケル合金であってもよい。
【0126】
第2状況では、少なくとも2層の保護層212に含まれる元素の種類が同じであり、各元素間の割合が異なるというのは、各保護層212に含まれる元素はいずれも複数種であり、且つ種類はいずれも同じであり、各元素間の質量比は異なることを指す。また各保護層212がいずれも金属合金から選択される場合を例に挙げて、保護層212の層数が3層である場合、3層の保護層212の材料は、いずれも銅ニッケル合金であってもよいが、少なくとも2層の保護層212のうちの銅とニッケルの質量比は異なる。
【0127】
第3状況では、ベース元素とは、少なくとも2層の保護層212における全ての元素のうち、含有量(例えば質量割合)が比較的に多い元素を指す。ベース元素に対して、ドーピング材料とは、少なくとも2層の保護層212における含有量(例えば質量割合)が比較的に小さい元素を指す。少なくとも2層の保護層212に含まれるベース元素の種類及び割合が、いずれも同じであり、少なくとも1層の保護層212が、当該少なくとも1層の保護層212に含まれるベース元素にドープされたドーピング物質をさらに含むというのは、少なくとも2層の保護層212に含まれるベース元素の種類及び質量割合は、いずれも同じであること、すなわち、基底材料は同じであることを指す。基底材料に異なる種類または異なる(例えば質量)割合のドーピング材料をドープすることにより、(少なくとも2層の保護層212)異なる材料が得られる。
【0128】
少なくとも2層の保護層212に含まれるベース元素の種類及び割合が同じであり、少なくとも1層の保護層212が、当該少なくとも1層の保護層212に含まれるベース元素にドープされたドーピング材料をさらに含むというのは、保護層212の層数が2層である場合、この2層の保護層212に含まれるベース元素の種類及び質量割合は、いずれも同じであることを指す。ベース元素は、質量割合が40:60の銅とニッケルであってもよく、または、ベース元素はニッケル単体であり、その場合、2層の保護層212のうちの1層の保護層212は、当該保護層212に含まれるベース元素にドープされたドーピング材料(例えばタングステン)をさらに含む。または、この2層の保護層はいずれも上記のドーピング材料を含み、この2層の保護層212が各自に含まれるドーピング材料の種類は異なり、例えば、この2層の保護層212に含まれるドーピング材料は、それぞれタングステンとアルミニウムである。または、この2層の保護層212に含まれるドーピング材料の種類は同じであり、各自のドープされた割合は異なり、例えば、この2層の保護層212に含まれるドーピング材料は、いずれもタングステンであり、保護層212におけるタングステンの質量割合は、それぞれ5%と10%である。保護層212の層数が3層である場合、この3層の保護層に含まれるベース元素の種類及び質量割合は、いずれも同じであり、例えば、この3層の保護層212に含まれるベース元素は、質量割合が40:60の銅とニッケルであってもよく、または、ベース元素はニッケル単体であり、この3層の保護層212のうち、少なくとも2層の保護層212は、いずれも上記のドーピング材料を含み、この少なくとも2層の保護層212のうち、各2つの各自に含まれるドーピング材料の種類はいずれも異なり、例えば、この3層の保護層に含まれるドーピング材料は、それぞれタングステン、アルミニウム、ネオジム、バナジウムのうちのいずれか3つである。または、任意の2つまたは2つずつの間の各自に含まれるドーピング材料の種類は同じであり、ドープされた質量割合は異なり、例えば、この3層の保護層212に含まれるドーピング材料は、いずれもタングステンであり、保護層212におけるタングステンの質量割合は、それぞれ5%、10%及び20%である。
【0129】
ここで、各保護層212の基底材料が金属単体である場合、少なくとも2層の保護層212の材料を各自に含まれるベース元素とドーピング材料との混合材料と見なすことができることは、当業者であれば、理解され得る。上記の第2状況との相違点は、上記の第2状況では、少なくとも2層の保護層212に含まれる各元素の含有量が相当する(すなわち、含有量に大きな差がなく、例えば、同じ保護層212における各元素の質量割合の差が10%以下である)のに対し、第3状況では、ドーピング材料の含有量はベース元素の含有量より少なく、例えば、保護層212は2つの金属単体を含み、そのうちの1つの金属単体の元素はベース元素であり、別の1つの金属単体の元素はドーピング材料に含まれる元素である場合、保護層212におけるドーピング材料の質量割合は、40%未満であってもよく、例えば、10%、15%または20%などであってもよい。
【0130】
幾つかの実施例では、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212における単位時間当たりの第1半田の拡散深さは、徐々に減少し、及び/又は、少なくとも2層の保護層212の材料の融点は、徐々に増大する。
【0131】
これらの実施例では、ベース基板1に徐々に離れる方向に沿って、少なくとも2層の保護層212における単位時間当たりの第1半田の拡散深さが徐々に減少するというのは、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、第1半田と少なくとも2層の保護層212の材料との反応速度は徐々に低下することを指す。すなわち、ベース基板1に近づくにつれて、保護層212の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成する速度が小さくなり、すなわち、保護層212の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成しにくくなる。この際に、2つの可能な状況を有する。第1状況は、ベース基板1に近づくにつれて、保護層212の材料における、第1半田と第1金属間化合物を形成可能な元素の質量割合が小さくなり、及び/又は、保護層212の材料における、第1半田と第1金属間化合物を形成する元素の反応能力が低くなる。第2状況では、ベース基板1に近づくにつれて、保護層212の材料と第1半田とが第1金属間化合物を形成する条件が厳しくなり、例えば、反応温度が高くなるなどである。
【0132】
第1状況では、反応条件がちょうど少なくとも2層の保護層212と第1半田とが第1金属間化合物を形成させることができる場合、ベース基板1に近づくにつれて、材料により、保護層212と第1半田とが第1金属間化合物を形成する速度が遅くなり、これにより、第1半田が保護層212内に拡散し続けるにつれて、第1半田と保護層212とが第1金属間化合物を形成し、その拡散速度が減少し続けるので、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することができる。第2状況では、ベース基板1に近づくにつれて、反応条件が変化し続け、例えば、ベース基板1に近づくにつれて、第1保護層212は、第1温度で第1半田と第1金属間化合物を形成し、第2保護層212は、第2温度で第1半田と第1金属間化合物を形成し、第3保護層212は、第3温度で第1半田と第1金属間化合物を形成し、第1温度は第2温度より低く、第2温度は第3温度より低い。3層の保護層212が作製された場合、溶接を行うときに、まず第1温度でベース基板1から最も離れる1層の保護層212(すなわち、上記の第1保護層212)と第1半田とが第1金属間化合物を形成させることができる。この際に、第1半田は、他の保護層212(例えば、第2保護層212と第3保護層212)と第1金属間化合物を形成することはなく、または、第1半田が他の保護層212に拡散する速度が遅いため、第1半田と少なくとも2層の保護層212とによって形成される第1金属間化合物の厚さを制御することができ、補修が必要な場合には、ベース基板1から最も離れる保護層212(すなわち、第1基準保護層212A)と第1半田とによって形成される第1金属間化合物のみを除去し、比較的過酷な条件(例えば、第2温度)で、第1半田と第2保護層212とが第1金属間化合物を形成し続けることにより、補修を実現することができる。
【0133】
ここで、幾つかの例では、上記の第1温度は250℃以上300℃以下であってもよく、第2温度は300℃以上350℃以下であってもよく、第3温度は350℃以上400℃以下であってもよい。
【0134】
第1金属間化合物の形成メカニズムによれば、一定の温度で、第1半田と保護層212のうちの少なくとも1つの元素とが互いに融合して第1金属間化合物を得られる。加熱時間が延長するにつれて、第1半田と保護層212のうちの少なくとも1つの元素とによって形成される第1金属間化合物の厚さが厚くなる。この加熱温度は、第1半田の融点及び保護層212における材料の融点に関連付けられている。第1半田が決定される場合、少なくとも2層の保護層212の材料の融点が高いほど、上記の加熱温度が高くなり、すなわち、上記の反応温度が高くなる。この際に、上記の第2状況と同様に、第1半田と少なくとも2層の保護層212とによって形成される第1金属間化合物の厚さを制御することができ、補修が必要な場合には、ベース基板1から最も離れる保護層212(すなわち、第1基準保護層212A)と第1半田とによって形成される第1金属間化合物のみを除去し、比較的過酷な条件(例えば、比較的に高い温度)により、第1半田と第2保護層212とが第1金属間化合物を形成し続けることができるので、補修を実現することができる。すなわち、上記のように、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層の材料の融点は徐々に増大する。
【0135】
幾つかの実施例では、ドーピング材料は金属アルミニウムであってもよい。
【0136】
すなわち、これらの実施例では、ベース元素をニッケル元素に選択し、ドーピング材料をAl、La、Pb、Co、Ag、Sb、In、Ga、Zn、Ta、Ru、Ti、Bi、Ndなどのうちのいずれか1つ、例えば金属アルミニウムに選択することにより、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212におけるドーピング元素の質量割合を徐々に増大させることにより、少なくとも2層の保護層212における単位時間当たりの第1半田の拡散深さを徐々に減少させるという目的を達成することができる。
【0137】
勿論、上記は一例に過ぎず、ベース元素が銅及びニッケル以外の残りの金属単体に含まれる元素であってもよいことは、理解される。この際に、金属ニッケルは銅以外に最も第1半田と第1金属間化合物を形成しやすく、従って、ベース元素を銅及びニッケル以外の残りの金属単体に含まれる元素、例えば、Al、La、Pb、Co、Ag、Sb、In、Ga、Zn、Ta、Ru、Ti、Bi、Ndなどの元素に選択することにより、ドーピング材料を金属ニッケルに選択し、且つベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212における金属ニッケルの質量割合を徐々に減少させることにより、同様に少なくとも2層の保護層212における単位時間当たりの第1半田の拡散深さを徐々に減少させるという目的を達成することができる。
【0138】
幾つかの他の実施例では、ドーピング材料は金属タングステンであってもよい。
【0139】
上記の少なくとも2層の保護層212に含まれるベース元素の種類及び割合が、いずれも同じであり、少なくとも1層の保護層212が、当該少なくとも1層の保護層212に含まれるベース元素にドープされたドーピング材料をさらに含み、且つベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212の材料の融点が徐々に増加する場合、ベース元素は、タングステン以外の残りの金属単体に含まれる元素であってもよく、例えば、ニッケル元素である。この場合、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212における金属タングステンの質量割合を徐々に増加させることにより、少なくとも2層の保護層212の材料の融点を徐々に増加させるという目的を達成することができる。
【0140】
幾つかの実施例では、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212のうち、前記第1半田と第1金属間化合物を形成することができる元素の割合は、徐々に減少する。
【0141】
例示的に、少なくとも2層の保護層212に含まれるベース元素をニッケル元素であり、ドーピング元素をタングステン元素であることを例に挙げて、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、タングステンの質量割合は徐々に増大し、これに対応して、ニッケルの質量割合は徐々に減少する。
【0142】
ここで、上記の少なくとも2層の保護層212の厚さd2の分布は特に限定されず、例えば、少なくとも2層の保護層212の厚さd2は、同じであっても異なってもよい。
【0143】
少なくとも2層の保護層212の厚さd2が同じである場合、少なくとも2層の保護層212の厚さd2はいずれも6000Åであってもよい。少なくとも2層の保護層212の厚さd2が異なる場合、例えば、第1基準保護層212Aの厚さd21が500Åであれば、第2基準保護層212Bの厚さd22は500Å未満であってもよく、500Åより大きくてもよい。
【0144】
幾つかの実施例では、
図2E及び
図2Fに示すように、ベース基板1に徐々に近づく方向に沿って、少なくとも2層の保護層212の厚さd2は、徐々に増大する。これにより、第1半田が下方に拡散し続けることにより、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を制御しやすくなるため、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することにより有利になる。
【0145】
幾つかの例では、
図2E及び
図2Fに示すように、第2基準保護層212Bの厚さd22は、1000Å以上30000Å以下であり、第1基準保護層212Aの厚さd21は、300Å以上1000Å以下である。
【0146】
これらの実施例では、第1基準保護層212Aの厚さd21及び第2基準保護層212Bの厚さd22を上記の範囲内に限定することにより、後続の補修可能率を確保しつつ、第2基準保護層212Bが後続の複数回の補修のために使用されることに可能性を提供することができ、補修可能率をさらに向上させることができる。
【0147】
ここで、上記の保護層212の層数は、特に限定されず、保護層212の層数が増加するにつれて、各保護層212の材質及び厚さd2がいずれも1回の補修を満たすことができる場合、実施可能な後続の補修の回数が多くなる。
【0148】
例示的に、上記の保護層212の層数は、2層、3層、4層、さらに5層、6層またはそれ以上であってもよい。
【0149】
生産能力への影響を考慮すると、選択的に、
図2C~
図2Gに示すように、保護層212の層数は2層~3層である。
【0150】
ここで、なお、上記の保護層212の層数が多層である場合、少なくとも2層の保護層212の材料及び厚さd2は、さらに第1電気接続層21Aにおける第1半田の拡散深さを調節するように構成され、第1電気接続層21A内における第1半田の拡散深さが比較的に大きいことを確保し、溶接堅牢性を向上させる。
【0151】
幾つかの実施例では、
図2Gに示すように、第1電気接続層21Aにおける第1半田の拡散深さD2は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21以上であり、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21と第1電気接続層21Aに含まれる第2基準保護層212Bの厚さd22との和以下である。
【0152】
これらの実施例では、第1電気接続層21Aにおける第1半田の拡散深さD2を上記の範囲内に制御することにより、溶接の堅牢性を確保するとともに、後続の補修も可能になる。
【0153】
幾つかの実施例では、
図2H~
図2Lに示すように、少なくとも1層の電気接続層21は、第2電気接続層21Bをさらに含む。第2電気接続層21Bは、第1電気接続層21Aとベース基板1との間に位置する。
図2H、
図2J、
図2K及び
図2Lに示すように、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。または、
図2Hに示すように、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができない。
【0154】
ここで、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料が第1半田と第1金属間化合物を形成することができる場合、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料と同じであっても異なってもよい。第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料が第1半田と第1金属間化合物を形成することができない場合、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、モリブデン、チタン、アルミニウムのうちの1つの単体、またはモリブデン、チタン、アルミニウムのうちのいずれか1つまたは複数の単体を含む合金から選択することができ、例えば、モリブデン合金などを選択することができる。
【0155】
ここで、なお、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料が第1半田と第1金属間化合物を形成することができない場合、補修可能率を向上させるために、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211及び少なくとも1層の保護層212の材料及び厚さは、上記の少なくとも1層の電気接続層21が第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212の材料及び厚さの設定についての説明を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料が、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる場合、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212が補修可能率を確保するのに十分でない場合、第2電気接続層21Bに含まれる少なくとも1層の保護層212の材料及び厚さd2を選択することもできるので、補修可能率を確保する。例えば、第1電気接続層21Aの材料及び厚さは、関連技術によって提供される1層の電気接続層21の材料及び厚さといずれも同じであり、後続の補修の際に、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211を完全に除去する場合、第2電気接続層21Bの存在により、補修を継続することもできため、補修可能率を向上させる。
【0156】
幾つかの実施例では、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料とは異なる。または、
図2Iに示すように、第2電気接続層21Bに含まれる前記第1基準保護層212A及び前記第1電気接続層21Aに含まれる前記第1基準保護層212Aのうち、少なくとも一方の厚さd21は500Åより大きい。または、
図2H、
図2J、
図2K及び
図2Lに示すように、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21と第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21との和は500Åより大きい。
【0157】
これらの実施例では、関連技術における電気接続層21の層数は1層であり、当該電気接続層21は1層の保護層212のみを含み、当該保護層212の材料は銅ニッケル合金であり、且つニッケルの質量割合は40%未満であり、保護層212の厚さは500Åであることに比べると、第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bの材料を選択することにより、例えば、少なくとも1層の第1電気接続層21Aに含まれる保護層212を、第1半田と第1金属間化合物を形成しにくい材料に選択し、第1金属間化合物の厚さを小さくすれば、後続の補修も可能になる。
【0158】
または、関連技術における電気接続層21の層数は1層であり、当該電気接続層21は1層の保護層212のみを含み、当該保護層212の材料は銅ニッケル合金であり、且つニッケルの質量割合は40%未満であり、保護層212の厚さは500Åであることに比べると、少なくとも2層の電気接続層21の材料及び厚さd2を合理的に設定すること、例えば、第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bにおける少なくとも1層の電気接続層21に含まれる保護層212の厚さd2を500Åより大きくするように制御すること、または、第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bに含まれる保護層212の厚さd2の和を500Åより大きくするように制御することにより、同様に後続の補修も可能になる。
【0159】
幾つかの実施例では、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料とは異なり、多くの可能性がある状況を有する。具体的には、上記の電気接続層21が第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも2層の保護層212の材料が異なる場合についての説明を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0160】
上記の電気接続層21が第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aが多層の保護層212のみを含むこととは異なり、ここでの少なくとも2層の電気接続層21は、保護層212に加えて、各層の電気接続層21は、本体材料層211をさらに含み、本体材料層211の厚さd1は、後続の1回または複数回の補修も可能になるという技術的効果を発揮することができる。本体材料層211が補修効果を有することを考慮しない場合、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212A及び第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料の選択と厚さ関係は、上記の第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212A及び第2基準保護層212Bの材料の選択及び厚さ関係についての説明を参照することができる。本体材料層211が修復効果を有することを考慮する場合、実際の作業において、同じ技術的効果を得るために、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料の選択及び第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料の選択は、上記の少なくとも1層の電気接続層21が第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212A及び第2基準保護層212Bの材料の選択と同じである場合、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚みd21と第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚みd21との和は、上記の少なくとも1層の電気接続層21が第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21と第2基準保護層212Bの厚さd22との和よりも小さくてもよい。
【0161】
幾つかの実施例では、第2電気接続層21Bに含まれる本体材料層211の厚さd1は、3000Å以上50000Å以下である。すなわち、これらの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の厚さd1は、3000Å~50000Åの範囲内に値を取ることができる。
【0162】
選択的に、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の厚さd1は6000Åである。
【0163】
幾つかの実施例では、第2電気接続層21Bに含まれる本体材料層211の厚さd1は、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211の厚さd1と同じであっても異なってもよい。
【0164】
上記では、少なくとも1層の電気接続層21が第1電気接続層21Aと第2電気接続層21Bを含む場合のみを示したが、少なくとも1層の電気接続層21が第3電気接続層及び第4電気接続層などをさらに含むことができ、少なくとも1層の電気接続層21が第3電気接続層及び第4電気接続層をさらに含む場合、第3電気接続層及び第4電気接続層は、第2電気接続層21Bとベース基板1との間に設けられることができ、且つ設置方式が上記の第2電気接続層21Bを参照することができ、また、第1電気接続層21A、第2電気接続層21B、第3電気接続層及び第4電気接続層の材料の選択と厚さも、上記の少なくとも1層の電気接続層21が第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aに含まれる多層の保護層212(例えば、4層以上)の材料の選択と厚さについての説明を参照することができることは、理解される。
【0165】
ここで、少なくとも1層の電気接続層21が第2電気接続層21Bをさらに含む場合、少なくとも2層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さ分布は、特に限定されない。少なくとも2層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、同じであっても異なってもよい。
【0166】
少なくとも2層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21が同じである場合、少なくとも2層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、いずれも6000Åであってもよい。少なくとも2層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21が異なる場合、各隣接する2層の電気接続層21において、下層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、上層の電気接続層21に含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21より大きくても小さくてもよい。例えば、第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bにおいて、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21が500Åである場合、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Bの厚さd21は、500Å未満であってもよく、500Åより大きくてもよい。
【0167】
幾つかの実施例では、
図2Hに示すように、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21より大きい。
【0168】
これらの実施例では、第1半田の下方への拡散経路が長くなるにつれて、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を制御しやすくなるため、第1電気接続層21Aに含まれる本体材料層211への第1半田の拡散を遮断することにより有利になる。
【0169】
幾つかの例では、
図2Hに示すように、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、1000Å以上30000Å以下である。第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は、300Å以上1000Å以下である。
【0170】
これらの実施例では、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21と、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21とを上記の範囲内に限定することにより、後続の補修可能率を確保しつつ、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aが後続の複数回の補修のために使用されることは可能になり、補修可能率をさらに向上させることができる。
【0171】
選択的に、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は500Åであり、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21は6000Åである。
【0172】
ここで、上記の電気接続層21の層数は、特に限定されない。上記の電気接続層21の層数は、2層、3層、4層、さらに5層、6層またはそれ以上であってもよい。電気接続層21の層数が増加するにつれて、各層の電気接続層21の材料及び厚さDがいずれも1回の補修を満たすことができる場合、実施可能な後続の補修の回数が多くなる。
【0173】
生産能力への影響を考慮すると、選択的に、電気接続層21の層数は5層以下である。
【0174】
ここで、なお、上記の電気接続層21の層数が多層である場合、少なくとも2層の電気接続層21の材料及び厚さは、さらに多層の電気接続層21における第1半田の拡散深さD3を調節するように構成され、それにより、多層の電気接続層21における第1半田の拡散深さD3が比較的に大きいことを確保し、溶接の堅牢性を向上させる。
【0175】
例示的に、少なくとも1層の電気接続層21が、少なくとも第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bを含み、且つ第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bが、いずれも本体材料層211及び第1基準保護層212Aを含み、且つ第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料が、いずれも第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bに含まれる本体材料層211の材料が、いずれも第1半田と第1金属間化合物を形成することができることを例に挙げて、
図2Lに示すように、第1電気接続層21A及び第2電気接続層21Bにおける第1半田の拡散深さD3は、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21以上であり、第1電気接続層21Aの厚さD11と第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの厚さd21との和以下である。
【0176】
幾つかの実施例では、
図1に示すように、ベース基板1は、バインディング領域Bをさらに含む。配線基板10は、複数の第2接続パッド3をさらに含む。複数の第2接続パッド3は、ベース基板1上に設けられ、且つバインディング領域Bに位置する。複数の第2接続パッド3は、回路基板及び/又はIC(Integrate Circuit,集積回路)に電気的に接続されるように構成される。
【0177】
これらの実施例では、第2接続パッド3と第1接続パッド2は同じ膜層に位置しており、第2接続パッド3と第1接続パッド2は1回パターニング工程を用いて形成することができる。1回パターニング工程とは、1回成膜とフォトリソグラフィープロセスを経て、必要なパターンを形成することを指す。1回パターニング工程には、成膜、露光、現像、エッチング、剥離などの工程が含まれる。第2接続パッド3と第1接続パッド2は同じ膜層に位置するため、パターニング工程の回数を減らし、製造工程を簡略化し、製造コストを大幅に低減することができる。ここで、第1接続パッド2が1層の電気接続層21を含み、電気接続層21が本体材料層211及び1層の保護層212を含むことを例に挙げて、第2接続パッド3と第1接続パッド2が同じ膜層に位置するというのは、第2接続パッド3も1層の電気接続層31を含み、電気接続層31は本体材料層311及び1層の保護層312を含み、本体材料層311と本体材料層211は同じ膜層に位置し、保護層312と保護層212は同じ膜層に位置することを指す。同時に、第2接続パッド3の構造は第1接続パッド2の構造と同じであるため、第1接続パッド2の構造が補修可能率を実現することができる場合、当該機能バックプレーン1のバインディング領域Bでバインディングエラーが発生したとき、同様に回路基板及び/又はIC(Integrate Circuit,集積回路)の補修も実現することができる。
【0178】
幾つかの実施例では、
図1に示すように、配線基板10は、第1配線層4をさらに含む。第1配線層4は、第1接続パッド2とベース基板1との間に位置する。第1配線層4は、積層された第1サブ金属層41、第1サブ配線層42及び第2サブ金属層43を含む。ここで、第1接続パッド2及び第2接続パッド3は、それぞれ第2サブ金属層43における異なる導電パターン/導電線路に電気的に接続される。
【0179】
第1サブ金属層41及び第2サブ金属層43の材料はモリブデンニオブ合金を含む。モリブデンニオブ合金は、接着性を有し、第1配線層4とベース基板1との間の接着力を高める。場合によっては、第1配線層4の全体面積が大きすぎてベース基板1に過大な応力がかかって破片が生じることを防止するために、ベース基板1と第1配線層4との間に緩衝層を設けることができる。また、材料がモリブデンニオブ合金を含む第1サブ金属層41は、第1配線層4と緩衝層との間の接着力を高めることもでき、緩衝層の材料は、例えば窒化ケイ素である。同時に、材料がモリブデンニオブ合金を含む第2サブ金属層43は、第1接続パッド2に接続され、モリブデンニオブ合金は接着性を有するため、第1配線層4と第1接続パッド2との接続安定性を保証することができ、また、モリブデンニオブ合金は導電性を有するため、第1接続パッド2と第1配線層4との間の導電性を保証することができる。第1サブ配線層42の材料は銅を含むことができ、銅は良好な導電性を有するため、膜層間の電気接続を確保することができ、銅の抵抗は小さいため、動作時の電流ロスを低減することができ、銅の価格は安いため、アレイ基板の製造コストを低減することができる。また、材料がモリブデンニオブ合金を含む第2サブ金属層43は、第1サブ配線層42の銅を保護し、銅の酸化を防止することができる。第1サブ配線層42の材料は銅を含むことができ、銅は良好な導電性を有するため、膜層間の電気接続を確保することができ、銅の抵抗は小さいため、動作時の電流ロスを低減することができ、銅の価格は安いため、機能バックプレーンの製造コストを低減することができる。
【0180】
幾つかの実施例では、
図1に示すように、第1サブ配線層42の厚さは、1μm~3μmであってもよい。
【0181】
幾つかの実施例では、
図1に示すように、第2接続パッド3は、第1接続パッド2と同層に設けられた膜層を用いて例を挙げられたが、勿論、第2接続パッド3は、第1配線層4と同層に設けてもよく、または、第2接続パッド3は、同時に第1配線層4及び第1接続パッド2と同層に設けられた膜層を用いる。
【0182】
幾つかの実施例では、
図1に示すように、デバイス領域Aは、第1パッシベーション層51と、第1平坦層61と、第2平坦層62とを含む。第1パッシベーション層51は、第1配線層4と第1接続パッド2との間に位置する。第1平坦層61は、第1パッシベーション層51と第1接続パッド2との間に位置する。第2平坦層62は、第1接続パッド2のベース基板1から離れる側に位置し、且つ複数の第1接続パッド2間の領域を覆う。
【0183】
ここで、
図4及び
図5に示すように、
図5は、
図4におけるAA’方向に沿った断面図である。第1配線層4は、アノード配線44及びカソード配線45を含むことができる。すなわち、アノード配線44及びカソード配線45は、いずれも積層された第1サブ金属層41、第1サブ配線層42及び第2サブ金属層43を用いて設けられる。電圧降下(IR Drop)を低減するために、第1サブ配線層42の厚さは、第1接続パッド2における1層の本体材料層211の厚さより大きく、第1サブ配線層42の厚さは、バックプレーンのサイズと正の相関がある。スパッタリングプロセスを用いて、第1サブ金属層41、第1サブ配線層42及び第2サブ金属層43を順次に作製することができる。第2サブ金属層43は、第1サブ配線層42を保護し、第1サブ配線層42の表面の酸化を防止することができる。
【0184】
幾つかの実施例では、
図5に示すように、第1パッシベーション層51は、アノード配線44とカソード配線45との間に位置する部分を含み、隣接する配線を隔てて隣接する配線における間違った電気接続を回避する。第1パッシベーション層51の材料は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素などであってもよい。第1平坦層61は、アノード配線44とカソード配線45との間の領域を覆う。当該第1平坦層61は、有機膜であってもよく、配線間の隙間領域を埋めるために用いられ、後続の工程に大きな段差が生じることを回避し、電子部品が配線基板に接続されるときに電子部品ずれの問題が生じないことを保証し、機能バックプレーンの平坦度を向上させると共に、第1平坦層61は絶縁の役割も果たすことができる。
【0185】
幾つかの実施例では、
図5に示すように、第1パッシベーション層51の厚さは、1000オングストローム~4000オングストロームであってもよい。
【0186】
幾つかの実施例では、
図1に示すように、配線基板10は、接着層7をさらに含むことができる。接着層7は、少なくとも1層の電気接続層21と第1平坦層61との間に設けられる。接着層7の材料は、モリブデンニオブ合金を含むことができる。モリブデンニオブ合金は接着性を有するため、第1接続パッド2と第1平坦層61との間の接着力を高めることができる。
【0187】
幾つかの他の実施例では、接着層7の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。接着層7の材料は、ニッケル合金または銅合金を含むことができ、例えば、ニッケルバナジウム合金、ニッケルアルミニウム合金、またはニッケルタングステン合金、銅ニッケルチタン合金、銅ニッケルアルミニウム合金、銅マグネシウムアルミニウム合金のうちのいずれか1つである。ここで、ニッケル合金におけるニッケルの質量分率は50%より大きくてもよい。この際に、上記の第1接続パッド2におけるベース基板1に最も近い電気接続層21のうちの本体材料層211が完全に除去された後、第1半田も接着層7と第1金属間化合物を形成することができ、同様に補修可能率を向上させることができる。
【0188】
幾つかの実施例では、
図1及び
図5に示すように、バインディング領域Bは、第2パッシベーション層52と、第3平坦層63と、第4平坦層64と、をさらに含む。第2パッシベーション層52は、第1配線層3と第2接続パッド3との間に位置する。第3平坦層63は、第2パッシベーション層52と第2接続パッド3との間に位置する。第4平坦層64は、第2接続パッド3のベース基板1から離れる側に位置し、且つ複数の第2接続パッド3間の領域を覆う。
【0189】
ここで、第3平坦層63は第1平坦層61と同層に設けられ、一体構造を形成してもよく、その材料は有機材料であってもよく、例えば、樹脂であり、平坦化するために用いられ、後続工程(例えば、第1接続パッド2、第2接続パッド50等)の製造に有利である。第4平坦層64は第2平坦層62と同層に設けられ、一体構造を形成してもよく、その材料は有機材料であってもよく、例えば、樹脂であり、平坦化するために用いられ、後続工程(例えば、保護層8)の製造に有利である。第2パッシベーション層52は第1パッシベーション層51と同層に設けられ、一体構造を形成してもよく、その材料はオキシ窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素などであってもよい。
【0190】
具体的には、
図5に示すように、第2パッシベーション層52の厚さは1000Å~9000Åであってもよい。
【0191】
幾つかの実施例では、上記の複数の第1接続パッドは、複数の第1接続パッド組に分けることができる。各第1接続パッド組は、1つの電子部品を接続するために用いられ、且つペアとして設けられるカソードパッドとアノードパッドとを含む。ここで、電子部品のカソードピンに溶接される第1接続パッドに含まれる本体材料層をカソードパッドと呼び、電子部品のアノードピンに溶接される第1接続パッドに含まれる本体材料層をアノードパッドと呼ぶ。
図4に示すように、各第1接続パッド組は、ペアとして設けられるカソードパッド211’とアノードパッド211とを含む。カソードパッド211’とアノードパッド211に含まれる膜層構造は同じである。
【0192】
図6に示すように、回路基板200は、接続部20を介して第2接続パッドにバインディングして接続される。具体的には、回路基板は、プリント回路基板、フレキシブル回路基板、集積回路チップなどを含み、接続部の材質は、熱硬化性接着剤または異方性導電接着剤であってもよい。
【0193】
具体的に実施するとき、本発明の実施例によって提供される上記の機能性バックプレーンにおいて、
図4及び
図5に示すように、複数の第1接続パッドは、複数組の第1接続パッドに分けられ、各組の第1接続パッドは、ヘアとして設けられるカソードパッド211’とアノードパッド211とを含む。
【0194】
機能バックプレーンは、第2配線層をさらに含む。第2配線層は、複数の第1接続パッドと同層に設けられる。第2配線層は、複数組の第1接続パッドの直列接続または並列接続を実現するために使用され、且つ第2配線層は、第1平坦層61及び第1パッシベーション層51を貫通するビアホールを介して第1配線層4と電気的に接続されるためにも使用される。
【0195】
具体的には、
図4及び
図5に示すように、第2配線層は、配線11及び配線12を含む。
図5に示すように、配線12と第1接続パッド2は一体構造であり、
図5では配線12と第1接続パッド2とを点線で区別する。
【0196】
上記の複数の第1パッド組の具体的な接続方式は限定されない。
図4では、隣接する2つの第1パッド組が直列に接続されることを例にして示している。
図4及び
図5に示すように、複数の第1接続パッド2は、複数の第1接続パッド組に分けることができる。各第1接続パッド組は、1つのマイクロ発光ダイオードをバインディングするために使用され、且つペアとして設けられるカソードパッドとアノードパッドとを含む。第1配線層4は、アノード配線44及びカソード配線45を含むことができる。隣接する2組の第1接続パッドは、配線11を介して直列に接続される。
図4及び
図5に示すように、直列に接続されている2つの第1接続パッド組のうち、その中の1組のアノードパッドは1つの配線12に接続され、配線12は、第1パッシベーション層51及び第1平坦層61を貫通するビアホールV1を介してアノード配線44に電気的に接続される。アノード配線44は、第1パッシベーション層51及び第1平坦層61を貫通するビアホールを介して1つの第2接続パッド3に電気的に接続される。他の組のカソードパッドは他の配線12に接続され、当該配線12は、第1パッシベーション層51及び第1平坦層61を貫通する他のビアホールV1を介してカソード配線45に接続され、カソード配線45は、第1パッシベーション層51及び第1平坦層61を貫通するビアホールを介して他の第2接続パッド3に電気的に接続される。
図4において、カソードパッド、アノードパッド、第2接続パッド3、配線11及び配線12は、同層に設けられ、同じ充填パターンを用いてカソードパッド、アノードパッド、第2接続パッド3、配線11及び配線12を示す。アノード配線44とカソード配線45は同層に設けられ、同じ充填パターンを用いてアノード配線44とカソード配線45を示す。
【0197】
本開示が、機能バックプレーンの駆動方式を限定しなく、
図4に示すように、機能バックプレーンが、受動的な方式を用いて発光ユニットを駆動することができ、または、薄膜トランジスタを含む駆動回路を介して発光ユニットに信号を提供することもでき、または、マイクロチップを介して発光ユニットに信号を提供することもできることは、理解される。
【0198】
具体的には、マイクロチップを介して発光ユニットに信号を提供するとき、各マイクロチップは複数のピンを含む。配線基板は、デバイス領域に位置する第3接続パッドをさらに含み、第3接続パッドは、マイクロチップのピンとバインディングして接続するために使用される。第3接続パッドの構造は第1接続パッドと同様であり、第1接続パッドと同じの膜層構造を用いて作製することができる。複数の電子部品は複数のランプ領域に分けることができ、各ランプ領域は少なくとも1つの電子部品を含み、各マイクロチップは少なくとも1つのランプ領域の電子部品を駆動して発光させるために用いられる。
【0199】
幾つかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の機能バックプレーンにおいて、
図5及び
図6に示すように、保護層8をさらに含む。保護層8は、第2配線層の一方側に位置する。保護層8は第1接続パッド2を露出する。保護層8の材料はオキシ窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素を含むことができる。
【0200】
幾つかの実施例では、
図7A~
図7Cに示すように、機能バックプレーンにおいて、複数の電子部品は少なくとも1つの第1電子部品を含む。少なくとも1つの第1電子部品に含まれるピン30に溶接する第1接続パッド2において、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aのベース基板1から離れる表面に溝Wが形成される。溝W内に第2半田X2が設けられる。第2半田X2は、少なくとも溝Wの側壁と第1金属間化合物IMC1を形成する。
【0201】
これらの実施例では、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aは、第1接続パッド2におけるベース基板1から最も離れる保護層212である。この際に、電気接続層21の層数が1層であるか多層であるか、及び溝Wの底部が本体材料層211と直接接触しているかまたは保護層212と直接接触しているかに応じて、異なる状況が存在する可能性がある。
【0202】
ここで、電気接続層21の層数が2層のみであり、各層の電気接続層21が、1層の本体材料層211と1層の保護層212と(すなわち、上記の第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212A及び第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212A)を含むことを例に挙げると、第2半田X2が少なくとも溝Wの側壁と第1金属間化合物IMC1を形成することについて説明する。
【0203】
第1状況は、
図7Aに示すように、2層の電気接続層21に含まれる保護層212の材料は、いずれも第1半田と第1金属間化合物を形成可能な材料から選択される。第1回目の溶接を行った後、第1半田はベース基板1から最も離れる側の電気接続層21(すなわち、第1電気接続層21A)に含まれる保護層212Aと第1金属間化合物を形成する。第1金属間化合物の厚さは上層の電気接続層21に含まれる保護層212Aの厚さよりも小さい。電子部品に不完全溶接や位置ずれが生じる場合、電子部品の除去と同時に上記の第1金属間化合物も除去され、この際に、電気接続層21Aに含まれる保護層212Aのベース基板1から離れる表面は、溝Wを形成し、電気接続層21Aに含まれる保護層212Aはまだ保留するものがあり、すなわち、溝Wの側壁及び底部はいずれも当該保護層212Aである。この際に、溝W内に第2半田X2を設けることにより、第2半田X2を、溝Wの側壁及び底部(すなわち、保護層212A)の両方と第1金属間化合物IMC1-1を形成し続け、新たな電子部品のピン30を第1接続パッド2に溶接すれば、補修を実現することができる。
【0204】
第2状況は、
図7Bに示すように、2層の電気接続層21に含まれる保護層212(すなわち、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aと、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212A)の材料は、いずれも第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。第1回目の溶接を行った後、第1半田X1は、ベース基板1から最も離れる側の電気接続層21Aに含まれる保護層212Aと第1金属間化合物を形成し、上層の電気接続層21に含まれる本体材料層211と第1金属間化合物も形成する。第1半田と上層の電気接続層21に含まれる本体材料層211とによって形成される第1金属間化合物の厚さは、当該本体材料層211の厚さよりも薄い。電子部品に不完全溶接や位置ずれが生じる場合、電子部品を除去した後、電気接続層21Aに含まれる保護層212A及び本体材料層211のベース基板1から離れる表面に溝Wを形成し、溝Wの底部は本体材料層211であり、溝Wの側壁は保留された保護層212と保留された本体材料層211の両方を含む。この際に、溝W内に第2半田X2を設けることにより、第2半田X2を、溝Wの側壁(すなわち、電気接続層21Aに含まれる保護層212A)及び底部(すなわち、電気接続層21Aに含まれる本体材料層211)と反応させ続け、それぞれ第1金属間化合物IMC1-1及び第1金属間化合物IMC1-2を形成し、新たな電子部品のピン30を第1接続パッド2に溶接し、それにより、補修を実現する。
【0205】
第3状況は、
図7Cに示すように、2層の電気接続層21において、上層の電気接続層21Aに含まれる保護層(すなわち、上記の第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層)の材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができ、下層の電気接続層21に含まれる保護層212(すなわち、第2電気接続層21Bに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができず、例えば、モリブデンニオブ合金であってもよい。第1回目の溶接を行った後、第1半田は上層の電気接続層21に含まれる保護層及び本体材料層211の両方と第1金属間化合物を形成し、第1金属間化合物の厚さは、上層の電気接続層21に含まれる保護層の厚さと上層の電気接続層21に含まれる本体材料層211の厚さとの和に等しい。電子部品に不完全溶接や位置ずれが生じる場合、電子部品を除去した後、上層の電気接続層21に含まれる保護層が完全に除去され、且つ溝Wの底部が下層の電気接続層21であれば、溝Wの側壁は保留された本体材料層211である。溝W内に第2半田X2を設けることにより、第2半田X2を、溝Wの側壁(すなわち、上層の電気接続層21に含まれる本体材料層211における部分)と第1金属間化合物IMC1-2を形成させ続け、新たな電子部品のピン30を第1接続パッド2に溶接すれば、補修を実現することができる。
【0206】
これらの実施例では、少なくとも1つの第1電子部品20Aに含まれるピン30に溶接される第1接続パッド2において、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aのベース基板から離れる表面に溝Wが形成される。この溝Wは、第1接続パッド2における第1金属間化合物を除去することにより形成される。具体的には、上記の電気接続層21に含まれる保護層212の厚さ及び材料を選択することにより、溶接不良が生じたとき、電子部品を除去すれば、第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aのベース基板1から離れる表面に、溝Wを形成することができ、少なくとも溝Wの側壁を保留する部分は、第1半田と第1金属間化合物IMC1を形成可能な材料である。従って、補修時に、第2半田X2を用いて、少なくとも溝Wの側壁と第1金属間化合物IMC1を形成すればよい。ここで、第2半田X2の材料は、第1半田の材料と同じであってもよく、例えば、いずれも基体材料が錫である合金を含み、例えば錫銀銅合金である。または、第2半田X2は、第1電気接続層2Aに含まれる第1基準保護層212A及び本体材料層211と第1金属間化合物IMC1を形成することができる材料であってもよい。
【0207】
幾つかの実施例では、
図7A~
図7Cに示すように、少なくとも1層の電気接続層21は、第3電気接続層21Cをさらに含む。第3電気接続層21Cは、少なくとも1層の電気接続層21のうちのベース基板1に最も近い電気接続層21である。第1接続パッド2の溝Wの底部の一方側に位置する部分は、少なくとも第1接続パッド2における第3電気接続層21Cに含まれる部分を含む。第3電気接続層21Cに含まれる部分は、少なくとも第3電気接続層21Cに含まれる本体材料層211における部分を含む。
【0208】
ここで、電気接続層21が1層である場合、第3電気接続層21Cは、上記の第1電気接続層21Aであり、電気接続層21が2層である場合、第3電気接続層21Cは、上記の第2電気接続層21Bである。
【0209】
これらの実施例では、第1接続パッド2の溝Wの底部の一方側に位置する部分が、第3電気接続層21Cに含まれる部分というのは、補修後に、第1接続パッド2において、少なくとも第3電気接続層21Cに含まれる本体材料層211における部分が保留され、第1接続パッド2における最も底層の本体材料層211が完全に除去されることは生じないことを指し、それにより、上記の接着層のみが保留され、接着層の材料が第1半田と第1金属間化合物を形成することができず、補修不良が生じる状況を回避することができる。
【0210】
本開示の幾つかの実施例は機能バックプレーンの製造方法が提供される。
図8を参照すると、前記機能バックプレーンの作製方法は、S1)~S2)を含む。
【0211】
S1)配線基板10を作製する。配線基板10は、ベース基板1と複数の第1接続パッド2とを含む。ベース基板1はデバイス領域Aを有し、複数の第1接続パッド2はデバイス領域A内に位置する。複数の第1接続パッド2は、少なくとも1層の電気接続層21を含む。各層の電気接続層21は、本体材料層211及び少なくとも1層の保護層212を含む。少なくとも1層の保護層212は、本体材料層211のベース基板1から離れる側に位置する。少なくとも1層の保護層212は、第1基準保護層212Aを含み、第1基準保護層212Aは、少なくとも1層の保護層のうちのベース基板1から最も離れる保護層212である。本体材料層211の材料は銅を含む。少なくとも1層の電気接続層21は、第1電気接続層21Aを含み、第1電気接続層21Aは、少なくとも1層の電気接続層21のうちのベース基板1から最も離れる電気接続層21である。第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも1層の保護層212において、少なくとも第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。
【0212】
ここで、上記の配線基板の作製方法は、以下の通りである。
【0213】
ステップ1)ベース基板1上に第1サブ金属層41及び第1サブ配線層42を形成する。第1サブ金属層41及び第2サブ金属層43の材料は、モリブデン含有合金であってもよく、その材料は、接着性と耐酸化性を有し、スパッタリング方式により作製することができ、その厚さは数百オングストロームから数千オングストロームの範囲内で値を取る。第1サブ配線層42の材料は銅であってもよい。第1サブ配線層42の厚さは1μm~5μmであってもよく、スパッタリングまたは電気めっきのプロセスにより形成することができる。
【0214】
勿論、第1サブ金属層41、第1サブ配線層42及び第2サブ金属層43は、連続蒸着及びパターニングによって形成することもできる。
【0215】
ステップ2)第1パッシベーション層(SiN)51を蒸着し、パターニングしてビアホールを形成する。第1パッシベーション層51の厚さは1000Å~4000Åである。
【0216】
ステップ3)第1パッシベーション層51が形成されたベース基板1上に第1平坦層61を形成し、パターニングしてビアホールを形成する。
【0217】
ステップ4)接着層7、第2配線層及び少なくとも1層の電気接続層を形成する。各層の電気接続層21は、本体材料層211及び少なくとも1層の保護層212を含む。少なくとも1層の電気接続層21は、第1電気接続層21Aを含み、少なくとも1層の保護層212は、第1基準保護層212Aを含む。第1基準保護層212Aは、少なくとも1層の保護層212のうちのベース基板1から最も離れる保護層212である。第1電気接続層21Aに含まれる第1基準保護層212Aの材料は、第1半田と第1金属間化合物を形成することができる。本体材料層211の材料は金属銅を含む。接着層7は、上記の第1パッシベーション層51及び第1平坦層61におけるビアホールを介して、第2サブ金属層43に電気的に接続される。
【0218】
ステップ5)第2パッシベーション層52、第2平坦化層62及び保護層8を蒸着してパターニングし、第1接続パッド2を露出する。
【0219】
S2)少なくとも1つの電子部品20を提供する。各電子部品20はピン30を含む。少なくとも1つの電子部品20を、ピン30及び第1半田X1を介して第1接続パッド2に溶接する。第1半田X1は、第1電気接続層21Aに含まれる少なくとも第1基準保護層212Aと第1金属間化合物を形成する。第1半田は、ピン30と第2金属間化合物を形成する。
【0220】
幾つかの実施例では、
図8及び
図9に示すように、少なくとも1つの電子部品20を、ピン30及び第1半田X1を介して第1接続パッド2に溶接することは、
【0221】
各電子部品20に含まれるピン30と第1接続パッド2との間に第1半田X1を設け、第1半田X1を、それぞれ第1接続パッド2及びピン30と反応させて、それにより、少なくとも1つの電子部品20を、ピン30及び第1半田X1を介して第1接続パッド2に溶接する。
【0222】
具体的には、第1半田X1を、第1接続パッド2及びピン30と高温状態で反応させることができる。具体的には、リフロー半田工程であってもよい。この際に、第1半田X1は、第1接続パッド2に含まれる第1電気接続層21Aにおける少なくとも第1基準保護層212Aと第1金属間化合物IMC1(例えば、IMC1-1)を形成することができ、第1半田X1は、ピン30と第2金属間化合物IMC2を形成することにより、第1接続パッド2とピン30とを溶接することができる。
【0223】
ここで、反応終了後、第1金属間化合物IMC1と第2金属間化合物IMC2との間に、未反応の第1半田X1が残されてもよいし、第1半田X1が全く残されてもいなくてもよい。すなわち、第1半田X1は、第1接続パッド2及びピン30内に完全に拡散し、第1接続パッド2及びピン30とそれぞれ第1金属間化合物IMC1及び第2金属間化合物IMC2を形成する。
【0224】
幾つかの実施例では、少なくとも1つの電子部品20が少なくとも1つの第1電子部品を含む場合、作製方法はさらに、
【0225】
少なくとも1つの電子部品20と配線基板10との接続状態を検出するステップを含む。
【0226】
すなわち、少なくとも1つの電子部品20と配線基板10との電気接続が不完全溶接であるか否か、または、少なくとも1つの電子部品20がずれているか否かを検出することができる。
【0227】
第2電子部品と配線基板10との接続状態が要件を満たさない場合、第2電子部品を交換し、第2電子部品を第1電子部品に置き換えるステップを含む。
【0228】
第2電子部品と配線基板10との接続状態が要件を満たさない場合とは、第2電子部品と配線基板10との間は不完全溶接であり、または、第2電子部品がずれていることを指す。この際に、第2電子部品を交換し、すなわち、第2電子部品を補修する。
【0229】
幾つかの実施例では、
図10に示すように、第2電子部品を交換し、第2電子部品を第1電子部品に置き換えることは、下記のステップを含む。
【0230】
S21)第2電子部品20Bを除去し、第1接続パッド2のベース基板1から離れる表面に溝Wを形成する。
【0231】
例えば、第2電子部品20Bに横方向の剪断力を加えて、第2電子部品20Bを除去することができる。この過程において、第1接続パッド2のうち、第1半田X1と第1金属間化合物IMC1(例えば、IMC1-1)を形成する部分も除去されるため、第1接続パッド2のベース基板1から離れる表面に溝Wが形成される。
【0232】
S22)溝W内に第2半田X2を設ける。第1電子部品20Aに含まれるピン30を、第2半田X2によって第1接続パッド2に溶接する。第2半田X2は少なくとも溝Wの側壁と第1金属間化合物IMC1を形成する。
【0233】
ここで、上記の溝Wの底部が本体材料層211と直接接触しているかまたは保護層212と直接接触しているか、Wの底部が第2半田X2と第1金属間化合物IMC1を形成することができるか否かに応じて、第2半田X2は、溝Wの側壁と第1金属間化合物IMC1を形成することができ、または、第2半田X2は、溝Wの側壁及び底部の両方といずれも第1金属間化合物IMC1を形成することができる。具体的には、上記の電気接続層21の層数が2層であり、第2半田X2が少なくとも溝Wの側壁と第1金属間化合物IMC1を形成するについての説明を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0234】
上記は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本開示の技術的範囲内で当業者が容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された範囲を準拠するものとする。
【国際調査報告】