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特表2024-546552飲料製造機のための洗浄装置及び飲料製造機を洗浄するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】飲料製造機のための洗浄装置及び飲料製造機を洗浄するための方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/60 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A47J31/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504822
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2022081381
(87)【国際公開番号】W WO2023110233
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133520.5
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523198431
【氏名又は名称】エバシス ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー、トルステン
(72)【発明者】
【氏名】ベッセ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ロシェール、グレゴワール
(72)【発明者】
【氏名】ロビル、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンタン、デイビッド
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA30
4B104BA20
4B104BA90
4B104CA30
4B104EA17
(57)【要約】
本発明は、洗浄剤8を受け入れるための第1のチャンバ4と、水を供給するための水接続部20に接続可能な水ライン1を備える液体ラインシステム1、13と、第1のチャンバ4に接続され且つ飲料製造機15に接続可能な排出ライン13と、を含む、飲料製造機15のための、特にコーヒーマシンのための洗浄装置であって、第1のピストン6が、第1のチャンバ4に挿入可能である、洗浄装置に関する。この洗浄装置によって、洗浄剤8は、第1のチャンバ4において完全に且つ均一に溶解させられ、これにより、均一な洗浄剤溶液に変換されることができ、洗浄剤溶液は、洗浄プロセスを行うために排出ライン13を介して飲料製造機15へ供給されることができる。発明は、更に、このような洗浄装置によって飲料製造機15を洗浄するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄剤(8)を受け入れるための第1のチャンバ(4)と、水を供給するための水接続部(20)に接続可能な水ライン(1)を備える液体ラインシステム(1、13)と、前記第1のチャンバ(4)に接続され且つ前記飲料製造機(15)に接続可能な排出ライン(13)と、を含む、飲料製造機(15)、特にコーヒーマシンのための洗浄装置であって、前記第1のチャンバ(4)に挿入可能な第1のピストン(6)を特徴とする、洗浄装置。
【請求項2】
前記第1のピストン(6)は、前記第1のピストン(6)が前記第1のチャンバ(4)から引き出されるベース位置(a)と、前記第1のピストン(6)が前記第1のチャンバ(4)内に配置される作動位置(b)との間で可動であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記第1のピストン(6)は、前記第1のピストン(6)、第2のピストン(5)及び前記第1のピストン(6)と前記第2のピストン(5)との間に配置された接続ライン(18)を含むピストンユニット(5、6、18)の一部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記第2のピストン(5)は、第2のチャンバ(3)に可動に配置されており、前記第2のチャンバ(3)は、前記第1のチャンバ(4)の上流に配置されており且つ前記接続ライン(18)を介して前記第1のチャンバ(4)と流体連通しており、ノズル(11)が、好ましくは、前記接続ライン(18)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記第2のピストン(5)の移動は、前記接続ライン(18)を介して前記第1のピストン(6)に伝達される、請求項3又は4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記ピストンユニット(5、6、18)は、ばねエレメント(7)を含み、前記ばねエレメント(7)は、特に前記第1のピストン(6)と前記第2のピストン(5)との間に、特に前記接続ライン(18)の周囲に配置されていることを特徴とする、請求項3から5までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記ばねエレメント(7)は、前記第2のチャンバ(3)において支持部(19)に支持されており且つ前記支持部(19)と前記第2のピストン(5)との間に延びており、前記支持部(19)は、前記第2のチャンバ(3)の端部領域、特に前記第2のチャンバ(3)の底部に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項8】
負荷をかけられていない状態における前記ばねエレメント(7)は、前記第1のピストン(6)が前記第1のチャンバ(4)から引き出されるベース位置(a)に前記第1のピストン(6)を維持するプリテンションを前記第1のピストン(6)に加えること及び/又は水が前記水ライン(1)を通じて供給されると、前記第1のピストン(6)は、前記ばねエレメント(7)によって生じたプリテンションに抗して、ベース位置(a)から、前記第1のピストン(6)が前記第1のチャンバ(4)内に配置される作動位置(b)へ移動させられることができることを特徴とする、請求項6又は7に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記第2のチャンバ(3)は、特に前記第2のチャンバ(3)の上端部の領域に配置されたストッパ(21)を有し、前記第2のピストン(5)は、負荷をかけられていないベース位置(a)において前記ストッパ(21)に当接していることを特徴とする、請求項4から8までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記第2のチャンバ(3)は、より大きな断面、特に、前記第1のチャンバ(4)よりも大きな直径を有すること及び/又は前記第2のピストン(5)は、より大きな断面、特に、前記第1のピストン(6)よりも大きな直径を有することを特徴とする、請求項4から9までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記第1のピストン(6)及び前記第2のピストン(5)はそれぞれ、少なくとも1つのシーリングエレメント(17、17’)を含み、前記第1のピストン(6)の前記シーリングエレメント(17)は、前記第1のチャンバ(4)の内壁に対して密封式に当接しており、前記第2のピストン(5)の前記シーリングエレメント(17’)は、前記第2のチャンバ(3)の内壁に対して密封式に当接していることを特徴とする、請求項3から10までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項12】
前記第1のチャンバ(4)は、洗浄剤アクセス(12)を含み、前記洗浄剤アクセス(12)は、好ましくは、前記第1のチャンバ(4)の上側領域又は上端部に配置されており、前記洗浄剤アクセス(12)は、好ましくは、前記第1のチャンバ(4)の壁部における開口を含むことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項13】
作動位置(b)における前記第1のピストン(6)は、前記洗浄剤アクセス(12)、特に前記開口から前記第1のチャンバ(4)内へのアクセスがブロックされる程度まで前記第1のチャンバ(4)内に配置されている、請求項12に記載の洗浄装置。
【請求項14】
前記洗浄剤アクセス(12)は、前記洗浄剤アクセス(12)を通じて前記第1のチャンバ(4)内へ前記洗浄剤を投与する、洗浄剤ディスペンサ又は投与装置に接続されていることを特徴とする、請求項12又は13に記載の洗浄装置。
【請求項15】
前記第2のチャンバ(3)は、圧縮ガスライン(2)に接続されており、前記圧縮ガスライン(2)は、圧縮ガス源(16)に結合されることができ、好ましくは、上側セクション又は上側において前記第2のチャンバ(3)内へ又は前記水ライン(1)内へ開放していることを特徴とする、請求項3から14までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項16】
前記第1のチャンバ(4)及び前記第2のチャンバ(3)は、垂直方向に延びる長手方向に延びており、前記第1のチャンバ(4)及び前記第2のチャンバ(3)は、好ましくは、中空円筒状の設計であることを特徴とする、請求項4から15までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項17】
遮断弁(10)及び/若しくは制御弁、特に圧力制御弁、及び/若しくは減圧弁が、前記水ライン(1)に配置されていること並びに/又は遮断弁及び/若しくは制御弁(14)が、前記排出ライン(13)に配置されていることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項18】
前記第2のチャンバ(3)は、好ましくは、特に40℃~100℃の温度を有する、温水を提供する水接続部(20)に接続されていることを特徴とする、請求項4から17までのいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか一項に記載の洗浄装置を有する、飲料製造機(15)、特にコーヒーマシン及び/又は粉末飲料を製造するための機械であって、前記飲料製造機(15)は、好ましくは、高温飲料を抽出するための抽出装置及び/又は牛乳を加熱するための且つ/若しくは泡立てるための装置を含み、前記洗浄装置は、特に前記抽出装置及び/又は前記牛乳を加熱するための且つ/若しくは泡立てるための装置に結合されている、飲料製造機(15)、特にコーヒーマシン及び/又は粉末飲料を製造するための機械。
【請求項20】
第1のチャンバ(4)及び前記第1のチャンバに導入されることができる第1のピストン(6)を含み、特定の量の好ましくは固体の洗浄剤(8)が前記第1のチャンバ(4)内へ計量され、次いで、水接続部(20)に接続されることができる水ライン(1)を介して前記第1のチャンバ(4)内へ水が供給される一方で、前記ピストン(6)は前記第1のチャンバ(4)において作動位置へ挿入され、これにより、前記洗浄剤(8)が洗浄剤溶液において溶解及び/又は混合させられ、前記洗浄剤溶液が、前記第1のチャンバ(4)に接続された排出ライン(13)を介して前記飲料製造機(15)へ供給される、洗浄装置、特に、請求項1から19までのいずれか一項に記載の洗浄装置によって飲料製造機(15)を洗浄するための方法。
【請求項21】
前記第1のチャンバ(4)に供給される水は、少なくとも40℃、好ましくは60℃よりも高い、特に60℃~100℃の温度を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のチャンバ(4)は、第2のチャンバ(3)に流体結合されており、前記水導管(1)は、前記第2のチャンバ(3)及び前記第1のチャンバ(4)へ水を送り込むために前記第2のチャンバ(3)に接続されており、前記第1のチャンバ(4)へ前記洗浄剤を投与した後、前記第1のピストン(6)が、作動位置において前記第1のチャンバ(4)内へ導入されることを特徴とする、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のピストン(6)が前記第1のチャンバ(4)内へ導入された後、前記水が、接続ライン(18)を通じて前記第1のチャンバ(4)内へ導入され、前記接続ライン(18)は、好ましくは、前記第1のピストン(6)を通過していることを特徴とする、請求項20から22までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のピストン(6)は、前記接続ライン(18)を介して第2のピストン(5)に結合されており、前記第2のピストン(5)は、第1のチャンバ(3)に可動に配置されており、前記第1のチャンバ(4)は、前記接続ライン(18)を介して前記第2のチャンバ(3)に流体結合されており、前記水ライン(1)は、前記第2のチャンバ(3)に接続されており、前記第1のピストン(6)は、水が前記水ライン(1)を通じて供給されるときに導入される前記水によって生じる圧力によって前記第1のチャンバ(4)内へ押し込まれ、導入される前記水によって生じる圧力は、前記第2のピストン(5)に作用し、前記第2のピストン(5)によって前記第1のピストン(6)へ伝達されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のチャンバ(4)へ供給された前記水に前記洗剤(8)を溶解又は混合させることによって前記洗浄剤溶液が生成された後、前記水の供給がまず停止させられ、次いで、圧縮ガスを前記第1のチャンバ(4)内へ導入することによって前記洗浄剤溶液が前記第1のチャンバ(4)から前記排出ライン(13)へ押し出されることを特徴とする、請求項20から24までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記洗浄剤溶液が前記排出ライン(13)内へ完全に移動させられると、前記第1のチャンバ(4)内への前記圧縮ガスの前記導入が停止させられ、前記第1のピストン(6)は、前記圧縮ガスの前記導入が終了した後に復元力により前記第1のチャンバ(4)から出てベース位置(a)へ自動的に移動することを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のチャンバ(4)内へ供給される前記水は、少なくとも0.3MPa(3bar)、好ましくは0.5MPa~1MPa(5bar~10bar)の圧力を有することを特徴とする、請求項20から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記排出ライン(13)を開閉させるための遮断弁及び/又は制御弁(14)が、前記排出ライン(13)に配置されており、前記排出ライン(13)が少なくとも部分的に開放しているとき、水が前記第1のチャンバ(4)を通過させられ、これにより、前記洗浄剤(8)が前記洗浄剤溶液において溶解又は混合させられ、前記洗浄剤溶液が、前記排出ライン(13)を通じて前記飲料製造機(15)へ排出されることを特徴とする、請求項20から27までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記排出ライン(13)を開閉させるための遮断弁及び/又は制御弁(14)が、前記排出ライン(13)に配置されており、前記排出ライン(13)が閉鎖されているとき、水が前記第1のチャンバ(4)を通過させられ、その結果、前記洗浄剤(8)が前記洗浄剤溶液において溶解又は混合させられ、前記排出ライン(13)が開放された後、前記洗浄剤溶液が前記飲料製造機(15)へ排出されることを特徴とする、請求項20から27までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる飲料製造機のための洗浄装置及び飲料製造機を洗浄するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半自動又は全自動のコーヒーマシンなどの飲料製造機に組み込まれた洗浄装置は、飲料製造機を洗浄するための従来技術より知られている。洗浄装置は、例えば、コーヒー及び牛乳運搬構成要素からコーヒー及び牛乳残留物及び不純物を除去し、これにより、飲料製造機を常に完璧な衛生的条件に保つために、作動中及び飲料製造機がスイッチオフされた後の両方で所定の洗浄サイクルにおいて使用される。洗浄サイクルは、オペレータによって手動で開始されるか又は飲料製造機の制御システムによって自動的に開始されることができる。
【0003】
飲料製造機の自動洗浄のための洗浄装置は、従来技術より知られており、この場合、洗浄剤が挿入されたカートリッジが使用される。このような洗浄装置は、例えば、DE10 2015 108 438A1より知られており、この場合、洗浄剤で満たされたカートリッジは、液体、特に水をカートリッジ内へ供給し、カートリッジ内に含まれた固体洗浄剤を溶解させるために、飲料製造機における高温飲料製造のための液体供給部に接続される。洗浄剤はカートリッジ内に封止された状態で保管されているので、飲料製造機のオペレータが強力な洗浄剤と接触しないことを保証することができる。しかしながら、カートリッジへ供給される液体におけるカートリッジにおける洗浄剤の溶解は、しばしば不完全である。なぜならば、カートリッジを通過させられる水は、固体洗浄剤を液体洗浄剤溶液に完全には変換することができないからである。このことは、洗浄サイクルを完了するために必要とされる洗浄剤の量、又は洗浄剤を液体において溶解させることによって製造される洗浄剤溶液においてこの目的のために必要とされる洗浄剤の濃度を、正確に計量することを困難にしている。更に、洗浄剤カートリッジを有する洗浄装置は、廃棄物回避の観点から欠点を有する。なぜならば、通常はプラスチックハウジングを有する空になったカートリッジは、一回の使用を意図されており、廃棄されなければならないからである。
【0004】
水タンク、加熱装置、抽出ユニット、及び水タンクから水ラインシステムを通じて水を搬送するための供給ポンプを備える水ラインシステムを有する、コーヒーマシンを洗浄するための別の装置が、DE10 2011 054 601A1より知られており、この場合、洗浄装置は、スケール除去及び/又は洗浄剤のためのチャンバを含み、このチャンバは、水ラインシステムに接続可能又は接続されており、これにより、水タンクからの水は、コーヒーマシンの供給ポンプによってチャンバを通じてコーヒーマシンの水ラインシステムへ搬送されることができる。この洗浄装置は、スケール除去及び/又は洗浄剤の完全な溶解及び混合を達成することが意図されており、チャンバ内に配置された薬剤は、チャンバを通じた水の導入及び搬送によって水溶液に溶解させられ、特に抽出ユニット及び/又は加熱装置を洗浄剤溶液によって洗浄するために、水溶液が、チャンバからコーヒーマシンの水ラインシステム内へ搬送される。しかしながら、この装置によってさえ、洗浄プロセスのために必要とされる洗浄剤の量又は洗浄剤溶液における洗浄剤の濃度を正確に計量することは困難である。
【0005】
飲料製造機において洗浄プロセスを行うために必要とされる洗浄剤の特定の量の正確な計量のために、洗浄剤のための計量装置を備える洗浄装置が従来技術より知られており、この場合、例えば、粉末状、顆粒状、固体又はタブレット状の固体洗浄剤が、計量装置へ供給される。EP1 210 894B1より、例えば、特にプレスボディ状の固体洗浄剤のための供給装置を備える飲料機械、特にコーヒーマシンが知られており、この場合、洗浄剤のための自動的に計量する、内蔵計量装置が提供されている。投与装置は、固体洗浄剤のための貯蔵コンテナと、可動な投与チャンバを備える投与ユニットとを含み、可動な投与チャンバを通じて、所定の量の洗浄剤を貯蔵コンテナから出口へ搬送することができる。
【0006】
自動飲料ディスペンサ、特にコーヒーマシンのための更なる洗浄システムが、EP2 584 946B1より知られており、この場合、洗浄システムは、洗浄液によって、飲料と接触する構成要素を周期的に洗浄するための洗浄装置を含む。洗浄液を製造するために、特に球状又はタブレット状であってよい固体洗浄剤は、洗浄装置において洗浄液に溶解させられる。洗浄装置は、計量バリアを備える制御される計量装置を含み、計量バリアは、貯蔵コンテナに貯蔵されている洗浄球体又はタブレットを、計量開口を備える排出シュート内へ解放する。2つの逆回転する計量スクリュが、貯蔵コンテナと排出シュートとの間に配置されており、この計量スクリュを通じて、洗浄球体又はタブレットを個々に排出シュート内へ搬送することができる。
【0007】
固体洗浄剤の計量された供給のための計量装置を備える従来技術より知られている洗浄装置は、一方では、洗浄剤の単純且つ安全な取扱いを可能にし、他方では、洗浄プロセスのために必要とされる洗浄剤の量の正確な計量及び固体洗浄剤を溶解させることによって製造される洗浄液における洗浄剤の正確に計量された活性物質濃度を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】DE10 2015 108 438A1
【特許文献2】DE10 2011 054 601A1
【特許文献3】EP1 210 894B1
【特許文献4】EP2 584 946B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これに基づき、洗浄剤溶液の用量の体積にわたる均一な濃度分布を有する洗浄剤溶液において洗浄剤の最適な濃度を生じるために、洗浄剤溶液、特に洗浄剤の水性溶液において、計量装置によって例えば粉末状又はタブレット状で供給される洗浄剤の完全な溶解を可能にする、飲料製造機を洗浄するための洗浄装置が必要とされている。特に、洗浄剤溶液における洗浄剤の完全な溶解又は均一な混合が達成されるものとする。更に、洗浄剤の消費が最小限に抑えられる必要がある。洗浄装置は、例えば、洗浄サイクルのために必要とされる洗浄剤の量の正確な計量及び洗浄サイクルのために必要とされる洗浄剤溶液の用量における洗浄剤の最適な濃度で完全に自動的に予めプログラムされた洗浄サイクルを行うことができるために、飲料製造機の制御装置によって完全に自動的に制御可能である必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの課題は、請求項1の特徴を有する飲料製造機を洗浄するための装置及び請求項19の特徴を有する飲料製造機を洗浄するための方法によって解決される。洗浄装置及びシステムの好ましい実施例は、従属請求項に見ることができる。
【0011】
本発明による洗浄装置は、洗浄剤、特に固体洗浄剤を受け入れるための第1のチャンバと、第1のチャンバに結合され且つ水を供給するための水接続部に接続可能な水ラインを備える液体ラインシステムと、第1のチャンバに接続可能で且つ飲料製造機に接続可能な排出ラインと、を含み、第1のチャンバに挿入可能な第1のピストンが設けられている。
【0012】
水性洗浄剤溶液において第1のチャンバ内で所定の量の洗浄剤を溶解させるために、水ラインを通じて、水を第1のチャンバ内へ供給することができる。これにより、第1のチャンバ内へ挿入可能な第1のピストンは、水性洗浄剤溶液における洗浄剤の良好且つ均一な混合を可能にし、ピストンは、作動位置においてピストンが第1のチャンバ内へ挿入されたとき、それを通じて洗浄剤が供給される第1のチャンバ内への洗浄剤アクセスも閉鎖する。第1のピストンが第1のチャンバにおいて作動位置にあるとき、チャンバ内にある洗浄剤溶液において所定の量の洗浄剤を溶解させるために、水ラインを介して水を第1のチャンバに導入することができる。このために、第1のピストンは、好ましくは、第1のピストンが第1のチャンバから引き出される上側ベース位置と、第1のピストンが第1のチャンバ内に配置される下側作動位置との間を可動に第1のチャンバに配置されている。このことは、一方では、洗浄剤溶液における洗浄剤の完全な溶解及び均一な混合並びに洗浄剤溶液の所定の用量における洗浄剤の均一な濃度を可能にし、他方では、挿入されたピストンによってチャンバの洗浄剤アクセスが閉鎖されるので、洗浄剤の溶解又は混合の間に更なる洗浄剤がチャンバに進入することができないことを保証する。
【0013】
洗浄装置の好ましい実施例において、第1のピストンは、第1のピストン、第2のピストン及び第1のピストンと第2のピストンとの間に配置され且つ2つのピストンを接続する接続ラインを含むピストンユニットの一部である。この場合、第2のピストンは、好ましくは、第2のチャンバにおいて可動に配置されており、第2のチャンバは、水ラインを介して供給される水の流れ方向で見て、第1のチャンバの上流に配置されており、接続ラインを介して流体案内形式で第1のチャンバに接続されている。接続ラインを介して、第2のチャンバにおける第2のピストンの移動が第1のピストンに伝達される。これにより、水ラインは、好ましくは、第2のチャンバの水入口接続部に接続されている。この配置は、水ラインを通じて第2のチャンバに水が導入されたとき、それぞれ第1及び第2のチャンバにおける接続ラインを介して、第1のピストン及びそれに接続された第2のピストンの自動的な移動を可能にする。導入された水の圧力は、第2のピストンを第2のチャンバにおいてベース位置から作動位置へ、特に上から下へ移動させ、これにより、第1のピストンも作動位置へ移動する一方で、水は、接続ラインを通じて第2のチャンバから第1のチャンバへ流れることができ、これにより、第1のチャンバを水で満たし、第1のチャンバに存在する所定の量の洗浄剤を溶解させる。
【0014】
ピストンユニットに予め負荷をかけるために、ピストンユニットは、好ましくは、ベース位置において第2のチャンバ内の第2のピストンに予め負荷をかけるばねエレメントを含む。水が第2のチャンバに導入されると、ばねエレメントは、その復元力に抗して水圧によって圧縮され、第2のピストン及び第1のピストンをそれぞれの作動位置へもたらす。ばねエレメントは、便宜上、第1のピストンと第2のピストンとの間に、特に、管状接続ラインの周囲に配置されており、ばねエレメントは、好ましくは、第2のチャンバにおける支持部に支持されている。支持部は、好ましくは、第2のチャンバの端部領域、特に、第2のチャンバの底部に配置されており、ばねエレメントは、支持部と、第2のピストンの端面、特に下側端面との間に延びている。この配置によって、ばねエレメントは、負荷をかけられていない状態において第1及び第2のピストンにバイアスを加え、このバイアスは、第1及び第2のピストンをそれぞれのベース位置に保持し、このベース位置において、第1のピストンは、そのベース位置において第1のチャンバから引き出され、第2のピストンは、第2のピストンが第2のチャンバの(上側)ストッパに対して当接する(上側)限界位置において第2のチャンバ内のベース位置に配置されている。
【0015】
水ラインを通じて水が導入されるときに作動位置への第1のピストンの安全な移動を保証し且つ水の導入中に第1のピストンをこの作動位置に保持するために、第2のチャンバは、好ましくは、より大きな断面、特に、第1のチャンバよりも大きな直径を有し、対応して、第2のピストンも、より大きな断面、特に、第1のピストンよりも大きな直径を有する。第2のピストンの断面と比較して第1のピストンのより大きな断面により、第1のチャンバへ導入される水によって第1のピストン、特にその下端面に加えられる反力は、水圧によって第2のピストン、特にその上端面に加えられる力よりも小さく、その結果、水ラインを通じて水が導入される限り、第1及び第2のピストンはそれぞれ作動位置に保持される。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの弁、特に遮断弁及び/又は制御弁、特に圧力制御弁、及び/又は減圧弁が、水ラインに配置されている。遮断弁の配置は、水ラインを開閉させ、これにより、洗浄装置へ水を導入すること及び給水を停止させることを可能にする。水ラインにおける圧力調整弁及び/又は減圧弁の配置は、好ましくは0.3MPa~1MPa(3~10bar)の範囲の所定の水圧を設定することを可能にする。
【0017】
第1及び第2のチャンバを封止するために、第1のピストン及び第2のピストンは、好ましくは、それぞれ少なくとも1つのシーリングエレメントを有し、第1のピストンのシーリングエレメントは、第1のチャンバの内壁に対して密封式に当接しており、第2のピストンのシーリングエレメントは、第2のチャンバの内壁に対して密封式に当接している。
【0018】
所定の量の洗浄剤の供給のために、第1のチャンバは、好ましくは、少なくとも1つの洗浄剤アクセスを有し、洗浄剤アクセスは、便宜上、第1のチャンバの上側領域又は上端部に配置されている。各洗浄剤アクセスは、第1のチャンバの壁部における開口を含み、この開口を通じて、例えば、タブレット又は球体の形式で又は顆粒、粉末又は液体としても存在する洗浄剤を第1のチャンバに導入することができる。
【0019】
好ましくは、作動位置において、第1のピストンは、洗浄剤入口の開口から第1のチャンバへのアクセスがブロックされる程度に第1のチャンバに配置されている。これは、第1のチャンバへの水の導入中に更なる洗浄剤を第1のチャンバへ導入することができないことを保証し、これにより、第1のチャンバにおける洗浄剤の量の正確な計量及び洗浄剤溶液における洗浄剤の正確な濃度を保証する。
【0020】
便宜上、洗浄剤アクセスは、洗浄剤アクセスを通じて第1のチャンバ内へ所定の量の洗浄剤を分配するために洗浄剤ディスペンサ又は投与装置に結合されている。洗浄剤ディスペンサ又は投与装置は、好ましくは、それによって、貯蔵コンテナに貯蔵された洗浄剤の球体又はタブレットを個々に洗浄剤アクセスへ供給することができるディスペンサである。このような投与装置は、例えば、EP2 584 946B1より知られている。これは、洗浄剤アクセスを介して第1のチャンバへ導入される洗浄剤の量の正確な計量を保証する。例えば、所定の数の洗浄剤球体又はタブレットを第1のチャンバへ導入することができ、これにより、第1のチャンバの利用可能な体積によって予め規定された洗浄剤溶液の用量において洗浄剤の異なる濃度を生じるために、その数の球体又はタブレットを使用することができる。
【0021】
第1のチャンバにおいて生成された洗浄剤溶液を、飲料製造機のラインシステムに接続された排出ラインへ排出するために、洗浄装置は、好ましくは、圧縮ガス源に結合されることができる圧縮ガスラインを含む。好ましくは、第2のチャンバは、このために圧縮ガスラインに接続されており、加圧ガスラインは、便宜上、上側セクション又は上側において第2のチャンバ内へ開放している。代替的に、圧縮ガスラインは、水ラインへ開放していることもできる。圧縮ガスラインを介して、給水が終了した後、好ましくは洗浄剤溶液における洗浄剤の完全な溶解の後、第1のチャンバにおいて生成された洗浄剤溶液を、第1のチャンバに接続された排出ラインへ押し出すために、圧縮ガス(圧縮ガス)、例えば圧縮空気を、洗浄装置内へ、特に第2のチャンバ内へ、また接続ラインを介して第1のチャンバ内へ導入することができる。
【0022】
排出ラインを開閉させることができるために又は排出ラインにおける特定の通水断面を設定することができるために、遮断弁及び/又は制御弁が、好ましくは、排出ラインに配置されている。排出される洗浄剤溶液の体積流量及び/又は第1のチャンバにおける圧力は、排出ラインに配置された制御弁を介して調整することができる。
【0023】
排出ラインにおける遮断弁又は制御弁の位置に応じて、洗浄装置は、連続モード又はバッチモードで作動させられることができる。連続作動において、排出ラインにおける遮断弁又は制御弁は、水が第1のチャンバを通じて連続的に供給される間、少なくとも部分的に開放しており、これにより、第1のチャンバにおける洗浄剤は、洗浄剤溶液において溶解又は混合させられ、洗浄剤溶液は、開放した排出ラインを通じて飲料製造機へ直接且つ連続的に排出される。この場合、排出ラインにおける通水断面を制御弁の位置によって調整することができるので、排出ラインにおける制御弁の使用は有利である。排出ラインにおける通水断面を変化させることによって、洗浄剤溶液の体積流量及び洗浄剤溶液における洗浄剤の濃度を調整することができる。接続ラインに配置されたノズルは、排出ラインにおける制御弁の位置にかかわらず、ピストンユニット、特に第1のピストンが所定の作動位置に保持されることを保証する。
【0024】
バッチ作動において、水が所定の圧力で水ラインを介して第1のチャンバ内へ供給される間、排出ラインにおける遮断弁又は制御弁は閉鎖されている。特定の水圧を設定するために、圧力調整弁及び/又は減圧弁が、好ましくは、水ラインに配置されている。水圧を介して、排出ラインが作動位置において閉鎖されている洗浄装置のバッチ作動において、第1のチャンバにおける第1のピストンの正確な位置を設定することができる。これにより、作動位置における第1のピストンの位置は、洗浄剤を溶解又は混合させることによって洗浄剤溶液が生成される第1のチャンバにおける体積を決定する。したがって、作動位置における第1のピストンの位置は、洗浄運転を行うために洗浄装置によって提供される洗浄剤溶液の用量の体積を決定する。洗浄剤溶液における洗浄剤の溶解又は混合の完了後、排出ラインにおける遮断弁又は制御弁を閉鎖することによって給水が停止させられ、排出ラインにおける弁が開放している間に圧縮ガス、例えば、圧縮空気を第1のチャンバへ導入することによって、第1のチャンバに配置された洗浄剤溶液の用量が飲料製造機へ送り込まれる。飲料製造機へ供給される洗浄剤溶液の体積流量は、排出ラインに配置された制御弁の位置によって調整することができる。
【0025】
飲料製造機を洗浄するための洗浄プロセスを制御するために、洗浄装置は、好ましくは、飲料製造機の制御装置に結合されており、この制御装置は、所定の時間及び/又はイベントにおいて、例えば、飲料製造機がスイッチオン又はオフされたとき又は所定の数の飲料購入の後に、洗浄プロセスを自動的に開始する。様々な洗浄プロセスが、制御装置において設定されることもでき又は制御装置においてプログラムされており、各洗浄プロセスは、好ましくは、洗浄剤溶液の特定の用量及び/又は濃度に割り当てられている。好ましくは、制御装置は、オペレータが、自分のニーズに従って又は飲料製造機によって製造される飲料に応じて特定の洗浄プロセス及び洗浄サイクルを個々に設定することができるようにプログラム可能である。
【0026】
洗浄装置を制御するために、水ライン及び排出ラインに配置された弁は、制御装置に結合されている。その結果、水ライン及び排出ラインを開閉させることができるか又は水ラインにおける特定の水圧及び/又は洗浄剤溶液の特定の体積流量を、飲料製造機へ供給されるときに制御装置によって設定することができる。更に、制御装置は、好ましくは、圧縮ガスの供給を制御するために、圧縮ガス源及び/又は圧縮ガスラインにおける弁にも結合されている。洗浄剤入口がディスペンサ又は投与装置に結合されている場合、ディスペンサ又は投与装置も、便宜上、制御装置によって制御される。
【0027】
固体洗浄剤が溶解する第1のチャンバへ温水又は湯が供給されると、洗浄剤溶液における固体洗浄剤の特に迅速且つ完全な溶解を達成することができる。したがって、水ラインは、好ましくは、特に40℃~100℃の温度を有する湯を提供する水接続部に結合されている。これに関して、水接続部は、便利には、飲料製造のための湯を製造する、飲料製造機のボイラ又はフロー・ヒータに結合されている。好ましい実施例において、第2のチャンバは、これにより、水ラインを介して、少なくとも60℃の温度を有する湯を提供するボイラ又は瞬間湯沸かし器に接続されている。
【0028】
特に本発明による洗浄装置であり且つ少なくとも1つの第1のチャンバを含む洗浄装置によって飲料製造機を洗浄するための本発明による方法において、特定の量の洗浄剤が、第1のチャンバ内へ計量され、次いで、水接続部に接続されることができる水ラインを介して水が第1のチャンバ内へ供給され、その結果、洗浄剤が洗浄剤溶液において溶解し、その後又は給水の間、第1のチャンバに接続された排出ラインを介して洗浄剤溶液が飲料製造機に供給される。第1のチャンバへ供給される水は、少なくとも40℃、好ましくは60℃よりも高い、特に60℃~100℃の温度を有することが条件である。更に、第1のチャンバに供給される水は、好ましくは、少なくとも0.3MPa(3bar)、好ましくは0.3MPa~1MPa(3bar~10bar)、特に0.4MPa~0.6MPa(4bar~6bar)の圧力を有する。
【0029】
システムにおいて、第1のチャンバは、好ましくは、第2のチャンバに流体結合されており、温水を搬送する水ラインは、温水を第2のチャンバ及び第1のチャンバ内へ送り込むために第2のチャンバに接続されている。これにより、所定の量の洗浄剤の投与の後、温水が第1のチャンバに導入される。これにより、給水の間、第1のピストンが挿入され、第1のチャンバにおける作動位置に保持される。これにより、湯は、第1のピストンが挿入された後、第1及び第2のピストンを接続する接続ラインを通じて第1のチャンバへ流入する。第1のチャンバと第2のチャンバとの間の流体接続を確立するために、特に管状の接続ラインが、好ましくは、第1及び第2のピストンを通って延びている。
【0030】
この場合、水ラインを通じて水が供給されるとき、導入される水によって生じる圧力が第1のピストンを第1のチャンバ内へ押し込み、導入された水によって生じる圧力はまず、第2のピストン、特にその上端面に作用し、上端面によって第1のピストンに伝達される。この場合、水の圧力が作用する第2のピストンの断面は、好ましくは、接続ラインを介して第1のチャンバに流入する水によって生じる反力が作用する第1のピストンの断面よりも大きい。
【0031】
第1のチャンバに供給された温水において洗浄剤を溶解させることによって洗浄剤溶液が生成された後、給水がまず停止させられ、次いで、第1のチャンバに圧縮ガス、特に圧縮空気を導入することによって洗浄剤溶液が第1のチャンバから排出ライン内へ押し出され、これにより、飲料製造機へ供給される。連続作動において、第1のチャンバにおいて生成された洗浄剤溶液は、既に給水の間に排出ライン内へ供給されることもできる。
【0032】
洗浄剤溶液が排出ラインへ完全に移動させられるやいなや、第1のチャンバ内への加圧ガスの導入が停止させられ、ばねエレメントの復元力により第2のピストンを自動的に第1のチャンバからベース位置へ移動させる。
【0033】
第1のピストンが第1のチャンバの外のベース位置にあるとき、洗浄剤が第1のチャンバへ導入される洗浄剤アクセスはブロックされておらず、第1のピストンが第1のチャンバ内の作動位置にあるとき、洗浄剤アクセスはブロックされている。これは、洗浄剤溶液が生成されている間に洗浄剤が更に第1のチャンバへ進入することを防止する。
【0034】
システムは、好ましくは、洗浄剤溶液を製造し且つ洗浄プロセスを行うための上記で説明されたステップを行うために、特に、水ラインにおける弁及び/又は水ラインに接続された水接続部、決定された量の洗浄剤を分配するためのディスペンサ又は投与装置、圧縮ガスを第1のチャンバへ導入するための圧縮ガス源、及び排出ラインにおける弁を制御する制御装置によって自動的に制御される。
【0035】
これに関して、制御装置は、好ましくは、洗浄プロセスが、特に飲料製造装置の作動に依存する所定のイベントの後及び/又は所定の時間の後又は所定の時間にシステムによって自動的に行われるようにセットアップされている又はプログラム可能であり、このケースでは、洗浄プロセスにおいて、特に、飲料を製造するための液体及び/又は飲料製造装置において製造された飲料と接触する飲料製造装置の構成要素が、洗浄剤溶液によって洗浄される。
【0036】
更に、本発明の目的は、飲料製造機に本発明による洗浄装置が装備されている、好ましくは一体化された牛乳モジュールを介して、ホットミルク及び高温又は低温の牛乳の泡を製造することもできる、飲料製造機、特にコーヒーマシン及び/又は粉末飲料を製造するための機械を提供することである。好ましくは、本発明による洗浄装置は、飲料製造機に一体化されている又は交換可能な洗浄モジュールとして挿入されることができる。特に、飲料製造機は、例えば、粉砕されたコーヒー粉末、茶葉又はココア粉末から高温飲料を抽出するための抽出装置、及び/又は牛乳を加熱する且つ/若しくは泡立てるための牛乳モジュール、並びに水を抽出装置に供給し且つ抽出された飲料及び/又は加熱された若しくは泡立てられた牛乳を出口へ排出するためのラインシステムを含み、洗浄装置は、便宜上、洗浄プロセス中に洗浄装置において生成された洗浄剤溶液によって、抽出装置及び/又は牛乳モジュール並びに飲料及び飲料成分が搬送されるラインシステムのラインを洗浄することができるように、飲料製造機のラインシステムを介して抽出装置及び/又は牛乳モジュールに結合されている。
【0037】
本発明のこれらの及びその他の利点並びに特徴は、図面を参照して以下に説明される実施例の例から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ベース位置における本発明による洗浄装置の第1の実施例の概略図である。
図2】洗浄サイクルの開始及び実行の間の様々な位置における図1の洗浄装置の概略図であり、図2(a)は、固体洗浄剤が供給されるベース位置における洗浄装置を示しており、図2(b)は、水が供給され、洗浄剤が水に溶解させられ、洗浄剤溶液を形成する、作動位置における洗浄装置を示しており、図2(c)は、洗浄剤溶液が排出される作動位置における洗浄装置を示しており、図2(d)は、固体洗浄剤を受け入れる準備ができたベース位置における洗浄装置を再び示している。
図3】ベース位置における本発明による洗浄装置の第2の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1に示された洗浄装置は、その中に第1のピストン6が可動に配置されている第1のチャンバ4と、その中に第2のピストン5が可動に配置されている第2のチャンバ3とを有する。第1のチャンバ4及び第2のチャンバ3は、中空の円筒状の設計であり、それぞれ円筒状の壁部を有する。第1のチャンバ4は、開放した上端部から下端部まで垂直方向に延びており、下端部は、漏斗状であり、第1のチャンバ4に接続された排出ライン13内へ開放している。第1のピストン6は、開放した上端部を通じて第1のチャンバ4へ挿入することができる。第2のチャンバ3は、第1のチャンバ4の上に配置されており、同様に上端部と下端部との間に延びており、下端部は、中央開口を備える底部を有する。第2のチャンバ3の上端部には、水入口ポートが配置されており、水入口ポートには水ライン1が接続されている。水ライン1は、水ライン1及び排出ライン13を含む洗浄装置の流体ラインシステムの一部である。水ライン1は、水接続部20に接続されており、水接続部20は、特に、好ましくは少なくとも40℃、特に60℃~100℃の範囲の温度を有する加熱された水を提供する。水ライン1を開閉するために働く遮断弁10が水ライン1に配置されている。遮断弁の代わりに又は遮断弁に加えて、制御弁及び/又は減圧弁も水ライン1に配置することができる。
【0040】
ストッパ21が、第2のチャンバ3の上端部の領域に配置されており、ストッパ21は、例えば、第2のチャンバ3の壁部からチャンバ内部へ突出した環状のフランジによって形成されることができる。第2のピストン5は、第2のチャンバ3内に可動に配置されており、ベース位置aと作動位置bとの間を第2のチャンバ3において移動することができ、図1に示されたベース位置aにおける第2のピストン5の上側は、ストッパ21に当接しており、図2bに示された作動位置bにおける第2のピストン5の下側は、第2のチャンバ3の底部に当接している又は少なくとも底部の近くに配置されている。
【0041】
図1に見られるように、第2のチャンバ3は、より大きな断面、特に第1のチャンバ4よりも大きな直径を有する。したがって、第2のピストン5も、より大きな断面、特に第1のピストン6よりも大きな直径を有する。
【0042】
第1のピストン6及び第2のピストン5はそれぞれ、円筒状又はディスク状であり、接続ライン18を介して互いに接続されており、接続ライン18は、第1のピストン6及び第2のピストン5を貫通して延びており、第2のチャンバ3の底部における中央開口を通過している。これにより、接続ライン18は、第1のチャンバ4と第2のチャンバ3との間の流体連通を提供する。ノズル11は、好ましくは、接続ライン18に配置されている。
【0043】
第2のピストン5の下側と第2のチャンバ3の底部との間に延びるばねエレメント7、例えば、渦巻きばねが、第2のチャンバ3に配置されている。図1に見られるように、ばねエレメント7は、特に接続ライン18の周囲に配置されている。第2のチャンバの底部は、ばねエレメント7が支持される支持部19を形成している。第2のチャンバ3における第2のピストン5は、ばねエレメント7によって(上側の)ベース位置aにおいて予め負荷をかけられている。したがって、接続ライン18を介して第2のピストン5に接続された第1のピストン6も、(上側の)ベース位置にあり、この位置において、第1のピストン6は第1のチャンバ4から引き出される。
【0044】
第1のピストン6及び第2のピストン5はそれぞれ、外周において少なくとも1つの周囲シーリングリング17、17’を有し、第2のピストン5が第2のチャンバ3において(上側の)ベース位置aから(下側の)作動位置bへ移動させられ且つ第1のピストン6が同時に第1のチャンバ4内へ移動したとき、第1のピストン6のシーリングリング17は、第1のチャンバ4の壁部の内側に当接し、第2のピストン5のシーリングリング17’は、第2のチャンバ3の壁部の内側に当接する。
【0045】
第1のピストン6、第2のピストン5、並びに接続ライン18、及びばねエレメント7は、ピストンユニットを形成しており、ピストンユニットは、ばねエレメント7によってベース位置aにおいて予め負荷をかけられており、外力を加えることによってベース位置aから作動位置bへ移動させられることができる。
【0046】
洗浄剤アクセス12が、第1のチャンバ4の上端部の領域に配置されている。洗浄剤アクセス12は、ここには示されていない、第1のチャンバ4の壁部における横方向開口を含み、この横方向開口を通じて、例えば、タブレット状又は球状の固体洗浄剤8を第1のチャンバ4に導入することができる。固体洗浄剤8を所定の量で第1のチャンバ4内へ投与するために、洗浄剤アクセス12は、洗浄剤アクセス12を通じて第1のチャンバ4内へ固体洗浄剤8を投与する洗浄剤ディスペンサ又は投与装置に接続されている。好ましくは、固体洗浄剤8は、タブレット又は球体の形状であり、これらは、洗浄剤ディスペンサ又は投与装置によって第1のチャンバ4内へ個々に投与される。固体洗浄剤8の幾つかのタブレット又は球体が、第1のチャンバ4の下側の漏斗状の端部に配置されている2つの洗浄剤球体8によって図1に示されているように、洗浄剤アクセス12を介して第1のチャンバ4内へ導入されることもできる。
【0047】
上端部の領域において、圧縮ガスライン2が、第2のチャンバ3内へ開放している。圧縮ガスライン2は、逆止め弁9を含み、逆止め弁9の上流において、圧縮ガス、例えば、圧縮空気を提供する圧縮ガス源16に接続されている。圧縮空気の代わりに、その他の食品グレードガスを圧縮ガス源16によって圧力下で提供することもできる。このために、例えば、圧縮窒素ガス又は圧縮二酸化炭素が、圧縮空気の代わりに使用されてもよい。圧縮ガス源16は、例えば、周囲空気を引き込み、これを所定の圧力に圧縮する圧縮機によって形成することができる。
【0048】
洗浄装置において生成された水性洗浄剤溶液を、飲料製造機15の流体ラインシステム、特に、その中で製造された飲料及び/又はそのために使用される飲料成分と接触する飲料製造機15の構成要素内へ送り込むために、第2のチャンバ4の下端部に接続された排出ライン13は、飲料製造機15に結合されており、特に、飲料製造機15の流体ラインシステムに接続されている。排出ライン13を開閉させるために、少なくとも1つの弁が排出ライン13に配置されている。好ましくは、排出ライン13は、調整可能な通水断面を有する制御弁14を含む。
【0049】
図1に示された洗浄装置は、便宜上、飲料製造機15のハウジングに配置されている。好ましくは、洗浄装置は、飲料製造機15のハウジングにおいて交換可能なモジュールとして挿入されている。これにより、水接続部20及び圧縮ガス源16は、好ましくは、飲料製造機15の構成要素であり、一方では、温水及び圧縮ガスの提供のために飲料製造機における飲料の製造において使用されることができ、他方では、洗浄装置に、水ライン1を介して温水を、また圧縮ガスライン2を介して圧縮ガスを供給することができる。これに関連して、水接続部20は、特に、飲料製造機15のボイラ又は通流温水器によって形成されることができる。
【0050】
洗浄装置を制御するために制御装置が設けられており、制御装置は、特に、水ライン1及び排出ライン13における弁10及び14、並びに圧縮ガスライン2を通じた圧縮ガス源16からの圧縮ガスの供給及び第1のチャンバ4への洗浄剤アクセス12を通じた固体洗浄剤8の導入を制御する。これにより、制御装置は、便宜上、飲料製造機15の制御装置の一部であることができ、特に飲料製造機15における飲料の製造に依存する所定の時間又はイベントの後又はその時に洗浄プロセスが洗浄装置によって開始されるように設定されている。
【0051】
図2には、図1の洗浄装置によって行うことができる洗浄プロセスの個々の段階が、洗浄装置の異なる位置によって示されており、図2に示された段階は、洗浄装置において生成された洗浄剤溶液を飲料製造機へ連続的作動又はバッチ作動において供給するために洗浄プロセスにおいて連続的に行われる。
【0052】
図2aは、図1における描写に対応するベース位置aにおける洗浄装置を示す。洗浄プロセスを開始するために、圧縮ガス源16が遮断されるか又は圧縮ガスライン2が閉鎖され、弁10及び14が閉鎖された状態で、所定の量の洗浄剤8、例えば、所定の量の洗浄剤タブレット又は球体が、最初に洗浄剤アクセス12を通じて第1のチャンバ4内へ供給される。次いで、図2bに示されているように、水ライン1における弁10が開放される。更に、排出ライン13における制御弁14が少なくとも部分的に開放され、特に、所定の通水断面に設定される。その結果、例えば、40℃~80℃の温度と、好ましくは0.3MPa(3bar)よりも高い、特に0.4MPa~4MPa(4bar~10bar)の、特に公共水道によって提供される水圧に依存する所定の圧力とを有する好ましくは温水が、水ライン1から第2のチャンバ3の上側領域に流入する。これにより、水圧は、必要であれば、水ライン1における圧力調整弁又は減圧弁によって特定の値に設定されることができる。第2のピストン5の上端面に作用する流入する水の圧力の結果、第2のチャンバ3内の第2のピストン5は、図2aに示されたベース位置aから、図2bに示された作動位置bへ移動させられ、この位置において、第2のチャンバ3内の第2のピストン5は底部の近くに配置されている。第2のピストン5は接続ライン18を介して第1のピストン6に結合されているので、これにより、第1のピストン6も、第1のピストン6が第1のチャンバ4から引き出されている、図2aに示されたベース位置aから、第1のピストン6が所定の高さにおいて第1のチャンバ4内に配置されている、図2bに示された作動位置bへ移動する。これにより、図2bに示されているように、第1のピストン6が、第1のチャンバ4に配置された洗浄剤8の球体の上に配置される。第1のピストン6を図2bに示された作動位置bへ移動させることによって、洗浄剤アクセス12、特に第1のチャンバ4の壁部における開口が閉鎖され、もはや洗浄剤は第1のピストン6の下の領域において第1のチャンバ4に進入することができない。
【0053】
水ライン1を介して第2のチャンバ3に流入する水は、接続ライン18におけるノズル11を通って、流体案内形式で接続ライン18を介して第2のチャンバ3に接続された第1のチャンバ4へ流入する。第2のピストン5の断面と比較して第1のピストン6のより大きな断面により、第1のチャンバ4へ導入された水によって第1のピストン6に加えられる反力は、水圧によって第2のピストン5に加えられる力よりも小さく、その結果、第1のピストン6及び第2のピストン5はそれぞれ、水が水ライン1を介して導入される限りそれらの作動位置bに保持される。これにより、ノズル11は、ピストンユニットをその作動位置bに維持するためにノズル11の上流において十分に高い圧力を保証する。
【0054】
水が第1のピストン6の下の領域において第1のチャンバ4へ流入すると、第1のチャンバ4における洗浄剤8の球体が溶解し、水性洗浄剤溶液を形成する。洗浄剤溶液における洗浄剤8の濃度は、第1のチャンバ4における洗浄剤の量と、排出ライン13における設定された通水断面によって決定される、通流する水の体積流量とによって決定される。
【0055】
閉鎖された洗浄剤アクセス12は、洗浄剤8が溶解させられている間に更なる洗浄剤を第1のチャンバ4における洗浄剤溶液へ追加することができないことを保証する。
【0056】
したがって、排出ライン13における所定の通水断面及び第1のチャンバ4における洗浄剤8の所定の量の場合、所定の洗浄剤濃度が洗浄剤溶液において確立され、この洗浄剤溶液は、連続的に排出ライン13へ流入し、これにより、飲料製造機15、特に飲料製造機15の流体ラインシステム内へ搬送される。そこで、特に、飲料の製造中に飲料及び/又は飲料成分(例えば、コーヒー粉末、牛乳又は牛乳の泡など)と接触する飲料製造機15の構成要素は、水性洗浄剤溶液によって洗浄される。
【0057】
第1のチャンバ4に導入される水の温度及び圧力は、洗浄剤溶液における固体洗浄剤8の完全な溶解を保証する。洗浄プロセスのための十分な量の水性洗浄剤溶液の移動後、水ライン1の弁10は閉鎖され、これにより、給水を停止させる。次いで、図2cに示されているように、圧縮ガス、特に圧縮空気が、圧縮ガスライン2を介して第2のチャンバ3の上側領域へ導入され、圧縮ガスの圧力は、好ましくは、0.1MPa(1bar)よりも高い、特に0.15MPa~0.3MPa(1.5bar~3bar)である。第2のチャンバ3から接続ライン18を介して第1のチャンバ4へ流入する、導入された圧縮ガスの圧力は、依然として第1のチャンバ4内にある洗浄剤溶液の残りの量を排出ライン13へ押し出す。
【0058】
上記で説明された連続的な作動の代わりに、洗浄装置は、バッチモードで作動させられることもでき、このバッチモードでは、洗浄剤の所定の濃度を有する洗浄剤溶液の所定の用量が、最初に第1のチャンバにおいて生成され、次いで、排出ライン13を通じて飲料製造機15へ供給される。このバッチ作動では、生成される洗浄剤溶液の用量の体積は、作動位置bにおける第1のチャンバ4における第1のピストン6の位置によって決定される。なぜならば、この位置は、固体洗浄剤8が配置されている第1のピストン6の下の第1のチャンバ4の体積を決定するからである。これに関して、作動位置における第1のチャンバ4における第1のピストン6の位置は、排出ライン13が閉鎖されているときに水ライン1を介して導入される水の圧力によって調整することができる。したがって、第1のチャンバ4における水性洗浄剤溶液の用量の体積は、水圧によって変化させられることができる。したがって、固体洗浄剤8が溶解させられると、水性洗浄剤溶液において洗浄剤8の所定の濃度が生じ、この濃度は、第1のチャンバ4における洗浄剤8の所定の量及びピストン6の下の第1のチャンバ4の体積によって決定される。
【0059】
洗浄剤溶液における洗浄剤8の溶解の後、水ライン1における弁10が閉鎖された状態で、排出ライン13、特に弁14を開放させることによって、洗浄剤溶液の生成された用量が排出ライン13を介して飲料製造機15へ供給され、圧縮ガスライン2によって圧縮ガスが第1のチャンバ4へ導入される。水性洗浄剤溶液の用量は、洗浄剤溶液における洗浄剤の所定の濃度を有し、これにより、濃度は、第1のチャンバ4へ供給される洗浄剤8の量及び洗浄剤溶液の製造中の水圧によって変化させられることができる。排出ライン13に配置された制御弁14は、有利には、洗浄剤溶液が排出されるときに第1のチャンバ4から排出ライン13への水性洗浄剤溶液の所定の体積流量の設定を可能にする。
【0060】
洗浄装置の連続作動又はバッチ作動における第1のチャンバ4から飲料製造機15の流体ラインシステムへの洗浄剤溶液の移動の後、洗浄プロセスが完了し、弁10が閉鎖された状態での圧縮ガスライン2を介して圧縮ガスの供給を停止することによって(圧縮ガス源16をスイッチオフすることによって又は圧縮ガスライン2を弁によって閉鎖することによって)、洗浄装置はそのベース位置aへ戻される。これにより、第1のピストン6、第2のピストン5及び接続ライン18を含むピストンユニットは、図2dに示されたベース位置aへ再び移動する。この場合、ピストンユニットは、ばねエレメント7の復元力によりベース位置aへ自動的にもたらされ、このベース位置aにおいて、第2のピストン5は、第2のチャンバ3のストッパ21に当接し、第1のピストン6は、少なくとも図2dに示されているように第1のピストン6が洗浄剤アクセス12よりも上に、特に第1のチャンバ4の壁部における開口よりも上に配置される程度まで、第1のチャンバ4から引き出される。洗浄装置のこのベース位置aにおいて、第1のチャンバ4は、再び所定の量の固体洗浄剤8を受け入れるために、特に洗浄剤8の所定の数の球体又はタブレットを受け入れるために利用可能であり、洗浄装置は、次の洗浄プロセスのために使用されることができる。
【0061】
図3は、ベース位置における本発明による洗浄装置の第2の実施例を示す。この実施例は、圧縮ガスライン2の配置を除いて図1の洗浄装置に対応し、圧縮ガスライン2は、図3の実施例では、第2のチャンバ3内へ開放しているのではなく、水ライン1内へ開放している。この場合、圧縮ガスが水接続部20の方向へ圧縮ガスライン2から流出することを防止するために、更なる逆止め弁9’が水ライン1に配置されている。この実施例において、洗浄剤が洗浄剤溶液において完全に溶解又は混合された後に、水ライン1における弁10が開放しているときに第1のチャンバ4に配置された洗浄剤溶液を排出ライン13へ押し出すために、圧縮ガス源16からの圧縮ガスが圧縮ガスライン2を介して水ライン1内へ送り込まれる。図3の実施例は、第2のチャンバ3のより単純な構造によって図1の実施例とは区別される。
【0062】
本発明による洗浄装置は、特に水ライン1を介して供給される水の圧力及び温度により、水性洗浄剤溶液における固体洗浄剤の迅速且つ完全な溶解を可能にする。更に、固体洗浄剤8の量の正確な投与量及び水性洗浄剤溶液における洗浄剤の所定の濃度の維持が保証され、洗浄剤の正確な濃度を、特に水ライン1を通じて供給される水の水圧によって制御することができる。洗浄装置は、単純且つコンパクトな設計を有し、ベース位置から作動位置bへ、及びその逆に洗浄装置を移動させるためのモータ制御を必要としない。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図2(d)】
図3
【国際調査報告】