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特表2024-546557モータコントローラ冷却装置、モータコントローラ及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】モータコントローラ冷却装置、モータコントローラ及び車両
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241219BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20241219BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
B60K11/02
H05K7/20 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514076
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2022134371
(87)【国際公開番号】W WO2023124681
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202123405296.X
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼海▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼海星
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】黄丹丹
【テーマコード(参考)】
3D038
5E322
5H770
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC23
5E322AA05
5E322AA10
5E322AA11
5E322DA00
5E322DA04
5H770AA21
5H770BA01
5H770PA12
5H770PA17
5H770QA06
5H770QA28
(57)【要約】
モータコントローラ冷却装置、モータコントローラ、及び車両を開示する。モータコントローラ冷却装置は、モータコントローラ筐体と、モータコントローラ筐体に取り付けられた流路カバーとを含み、モータコントローラ筐体は、流路入口、筐体内部流路入口、筐体内部出口及び流路出口を含み、流路カバーは、流路カバー入口、パワーモジュール入口、取付溝、パワーモジュール出口及び流路カバー出口を含み、モータコントローラのパワーモジュールが取付溝に取り付けられるとき、パワーモジュールの放熱面が流路カバーの取付溝に密着して取り付けられて、冷却収容室が形成され、流路入口は、筐体内部流路入口及び流路カバー入口と順に連通し、流路カバー入口は、パワーモジュール入口、冷却収容室、パワーモジュール出口、流路カバー出口、筐体内部出口及び流路出口と連通する。モータコントローラ冷却装置は、管路が簡単で適用性が高く、モータコントローラの放熱が不均一であり、内部管路が複雑であるという問題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータコントローラ筐体と、前記モータコントローラ筐体に取り付けられた流路カバーとを含み、前記モータコントローラ筐体は、流路入口、筐体内部流路入口、筐体内部出口及び流路出口を含み、
前記流路カバーは、流路カバー入口、パワーモジュール入口、取付溝、パワーモジュール出口及び流路カバー出口を含み、
前記取付溝は、モータコントローラのパワーモジュールを取り付けるために用いられ、前記パワーモジュールが前記取付溝に取り付けられるとき、前記パワーモジュールの放熱面が前記流路カバーの取付溝に密着して取り付けられて、冷却収容室が形成され、
前記流路入口は、前記筐体内部流路入口と連通し、前記筐体内部流路入口は、前記流路カバー入口と連通し、前記流路カバー入口は、前記パワーモジュール入口、前記冷却収容室、前記パワーモジュール出口、前記流路カバー出口と順に連通し、前記流路カバー出口は、前記筐体内部出口と連通し、前記筐体内部出口は、前記流路出口と連通する、ことを特徴とするモータコントローラ冷却装置。
【請求項2】
前記モータコントローラ筐体は、第2流路入口及び第2放熱流路をさらに含み、前記流路カバー出口は、前記第2流路入口と連通し、前記第2流路入口は、前記第2放熱流路と連通し、前記第2放熱流路は、前記筐体内部出口と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項3】
前記流路カバー出口は、前記第2流路入口に嵌合し、
前記流路カバー出口と前記第2流路入口との間の管路は、弧状に設計され、
前記第2流路入口は、前記第2放熱流路に垂直に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項4】
前記第2放熱流路は、U字状に配置され、
前記第2放熱流路は、扁平状管路であり、前記第2流路入口は、前記第2放熱流路に嵌合する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項5】
前記流路入口の位置は、前記筐体内部流路入口の位置よりも高い、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項6】
前記筐体内部流路入口に案内面が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項7】
前記モータコントローラシステムのパワーモジュールと前記流路カバーとの間にシールリングが取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項8】
前記流路カバーは、パワーモジュールを取り付けるための取付溝を複数含み、各前記取付溝は、それぞれ対応する前記パワーモジュール入口及び前記パワーモジュール出口と連通し、隣接する2つの前記取付溝は、それぞれ対応する前記パワーモジュール入口及び前記パワーモジュール出口を介して連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項9】
前記流路カバーは、パワーモジュールを取り付けるための取付溝を複数含み、各前記取付溝は、それぞれ対応する前記パワーモジュール入口及び前記パワーモジュール出口と連通し、
前記流路カバーは、第1分岐流路及び第2分岐流路をさらに含み、前記第1分岐流路は、前記流路カバー入口に接続され、前記第2分岐流路は、前記流路カバー出口に接続され、各前記取付溝のパワーモジュール入口は、前記第1分岐流路に接続され、各前記取付溝のパワーモジュール出口は、前記第2分岐流路に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のモータコントローラ冷却装置と、パワーモジュールとを含む、モータコントローラ。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載のモータコントローラ冷却装置を含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月31日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202123405296.Xで、出願名称が「モータコントローラ冷却装置、モータコントローラ及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、モータコントローラのアセンブリの技術分野に関し、特にモータコントローラ冷却装置、モータコントローラ及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
モータコントローラに他の高圧制御モジュールが統合されており、そして、モータコントローラのIGBTデバイスの熱流密度がますます大きくなり、モータコントローラの放熱性能に対する要求がますます高くなり、良好な放熱対策がないと、モータコントローラの温度がデバイスのジャンクション温度以上になるため、デバイスの性能の劣化、ひいては損傷につながるおそれがある。
【0004】
関連技術において、高度に統合されたモータコントローラシステムの放熱要求を満たすために、通常、複数の放熱通路が必要であり、その結果、システムの内部管路及び管継手が多くなり、漏水リスクが存在し、システムの小型化、統合化、高密度化の発展にも不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決しようとする。このため、本願の1つの目的は、モータコントローラの放熱が不均一であり、内部管路が複雑であるという問題を解決するモータコントローラ冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係るモータコントローラ冷却装置は、モータコントローラ筐体と、モータコントローラ筐体に取り付けられた流路カバーとを含み、モータコントローラ筐体は、流路入口、筐体内部流路入口、筐体内部出口及び流路出口を含み、
流路カバーは、流路カバー入口、パワーモジュール入口、取付溝、パワーモジュール出口及び流路カバー出口を含み、
取付溝は、モータコントローラのパワーモジュールを取り付けるために用いられ、パワーモジュールが取付溝に取り付けられるとき、パワーモジュールの放熱面が流路カバーの取付溝に密着して取り付けられ、冷却収容室が形成され、
流路入口は、筐体内部流路入口と連通し、筐体内部流路入口は、流路カバー入口と連通し、流路カバー入口は、パワーモジュール入口、冷却収容室、パワーモジュール出口、流路カバー出口と順に連通し、流路カバー出口は、筐体内部出口と連通し、筐体内部出口は、路出口と連通する。
【0007】
好ましくは、モータコントローラ筐体は、第2流路入口及び第2放熱流路をさらに含み、流路カバー出口は、第2流路入口と連通し、第2流路入口は、第2放熱流路と連通し、第2放熱流路は、筐体内部出口と連通する。
【0008】
好ましくは、流路カバー出口は、第2流路入口に嵌合し、
流路カバー出口と第2流路入口との間の管路は、弧状に設計され、
第2流路入口は、第2放熱流路に垂直に接続される。
【0009】
好ましくは、第2放熱流路は、U字状に配置され、
第2放熱流路は、扁平状管路であり、第2流路入口は、第2放熱流路に嵌合する。
【0010】
好ましくは、流路入口の位置は、筐体内部流路入口の位置よりも高い。
【0011】
好ましくは、筐体内部流路入口に案内面が設けられる。
【0012】
好ましくは、モータコントローラのパワーモジュールと流路カバーとの間にシールリングが取り付けられる。
【0013】
好ましくは、流路カバーは、パワーモジュールを取り付けるための取付溝を複数含み、各取付溝は、それぞれ対応するパワーモジュール入口及びパワーモジュール出口と連通し、隣接する2つの取付溝は、それぞれ対応するパワーモジュール入口及びパワーモジュール出口を介して連通する。
【0014】
好ましくは、流路カバーは、パワーモジュールを取り付けるための取付溝を複数含み、各取付溝は、それぞれ対応するパワーモジュール入口及びパワーモジュール出口と連通し、
流路カバーは、第1分岐流路及び第2分岐流路をさらに含み、第1分岐流路は、流路カバー入口に接続され、第2分岐流路は、流路カバー出口に接続され、各取付溝のパワーモジュール入口は、第1分岐流路に接続され、各取付溝のパワーモジュール出口は、第2分岐流路に接続される。
【0015】
本願の第2態様は、モータコントローラを開示し、本願に係るモータコントローラは、上記冷却装置を含む。
【0016】
本願の第3態様は、車両を開示し、本願に係る車両は、上記モータコントローラ冷却装置を含む。
【発明の効果】
【0017】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0019】
図1】本願の実施例に係るモータコントローラ冷却装置の組立構造の分解図である。
図2】本願の実施例に係るモータコントローラ筐体の背面の概略構成図である。
図3】本願の実施例に係るモータコントローラ冷却装置の内部構造断面図である。
図4】本願の実施例に係る流路カバーの正面図である。
図5】本願の実施例に係る冷却装置の流路カバーの背面図である。
図6】本願の実施例に係る流路カバーの流路の概略図である。
図7】本願の実施例に係る流路カバーの複数のパワーモジュールの流路の直列接続概略図である。
図8】本願の実施例に係る流路カバーの複数のパワーモジュールの流路の並列接続概略図である。
図9】本願の実施例に係る流路カバーの複数のパワーモジュールの流路の並列接続概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0021】
以下、図1図9を参照して本願の実施例に係るモータコントローラ冷却装置を説明する。モータコントローラは、統合型モータコントローラであってもよく、モータコントローラの制御モジュールと、パワーモジュールとを含み、統合電源モジュール、OBC充電モジュールなどの電気部品が統合されている。
【0022】
図1図6に示すように、モータコントローラ冷却装置は、モータコントローラ筐体1と、モータコントローラ筐体に取り付けられる流路カバー2とを含む。モータコントローラ筐体1は、モータコントローラの各電気部品の放熱及び取付のための本体構造であり、流路カバー2は、摩擦溶接によりモータコントローラ筐体1に固定され、密封される。モータコントローラ筐体1と流路カバー2は、摩擦溶接により溶接されると、流路カバー2とモータコントローラ筐体1との固定強度及び密閉度を確保することができる。
【0023】
モータコントローラ筐体1は、流路入口11、筐体内部流路入口12、筐体内部出口13及び流路出口14を含み、流路入口11は、モータコントローラ筐体1の外面に開口し、外部の冷却液供給管路に接続されて冷却液を供給するために用いられる。筐体内部流路入口12は、モータコントローラ筐体1の内面に開口し、流路入口11と連通する。流路出口14は、モータコントローラ筐体1の外面に開口し、外部の冷却液排出管路に接続されて冷却液を排出するために用いられる。筐体内部出口13は、モータコントローラ筐体1の内面に開口する。流路出口14は、モータコントローラ筐体1の外面に開口し、筐体内部出口13は、モータコントローラ筐体1の内面に開口し、流路出口14と連通する。
【0024】
流路カバー2は、流路カバー入口21、パワーモジュール入口22、取付溝23、パワーモジュール出口24及び流路カバー出口25を含む。流路カバー入口21は、パワーモジュール入口22と連通し、パワーモジュール入口22とパワーモジュール出口24は、それぞれ取付溝23と連通し、流路カバー出口25は、パワーモジュール出口24と連通する。流路カバー2がモータコントローラ筐体1に取り付けられるとき、流路カバー入口21は、筐体内部流路入口12に嵌合して接合され、流路カバー出口25は、筐体内部出口13に嵌合して接合される。
【0025】
取付溝23は、モータコントローラのパワーモジュール3を取り付けるために用いられ、パワーモジュール3が取付溝23に取り付けられるとき、パワーモジュール3の放熱面は、流路カバー2の取付溝23に被せられ、パワーモジュール3の放熱面の放熱ピンは、取付溝23内に置かれ、パワーモジュール3の放熱面は、流路カバー2の取付溝23に密着して取り付けられ、冷却収容室が形成される。流路カバー2のパワーモジュール入口22及びパワーモジュール出口24は、取付溝23の両側に入水及び出水のための通水孔を形成する。
【0026】
パワーモジュール3が取付溝23に取り付けられるとき、流路入口11は、筐体内部流路入口12と連通し、筐体内部流路入口12は、流路カバー入口21と連通し、流路カバー入口21は、パワーモジュール入口22、冷却収容室、パワーモジュール出口24及び流路カバー出口25と順に連通し、流路カバー出口25は、筐体内部出口13と連通し、流路出口14と順に連通する。冷却液は、流路入口11から筐体に入り、筐体内部流路入口12から流路カバー入口21に流入してから、パワーモジュール入口22から冷却収容室に流入してパワーモジュール3を放熱させた後、パワーモジュール出口24及び流路カバー出口25から流出してから、筐体内部出口13及び流路出口14を通ってモータコントローラ筐体1から流出する。
【0027】
本願の実施例に係る冷却装置では、流路カバー2とモータコントローラ筐体1にいずれも流路があり、両者が緊密に嵌合して取り付けられた後、完全な冷却流路管路が形成され、内部管路が簡単であり、異なるパワーモジュール3に応じて流路カバー2を交換することができ、適用性がより高くなり、モータコントローラのシステム化、統合化レベルが向上する。
【0028】
一実施形態において、モータコントローラ筐体1は、第2流路入口26及び第2放熱流路27をさらに含み、流路カバー出口25は、第2流路入口26と連通し、第2流路入口26は、第2放熱流路27と連通し、第2放熱流路27は、筐体内部出口13と連通する。モータコントローラ筐体には、他の部品、例えば統合電源、OCB充電モジュールなどが第2放熱流路27に密着して配置される。冷却液は、流路入口11を通って筐体に入り、筐体内部流路入口12から流路カバー入口21に流入してから、パワーモジュール入口22から冷却収容室に流入してパワーモジュール3を放熱させた後、パワーモジュール出口24及び流路カバー出口25を通って第2流路入口26へ流れ、第2放熱流路27に入って他の部品を放熱させてから、筐体内部出口13及び流路出口14を通ってモータコントローラ筐体から流出する。
【0029】
上記過程において、該冷却装置は、モータコントローラのパワーモジュール3の放熱需要を実現することができるだけでなく、モータコントローラ内の他の部品、例えば統合電源、OBC充電モジュールなどを放熱させ、モジュールの温度を低下させ、高度に統合されたモータコントローラの放熱需要を満たすこともでき、モータコントローラの信頼性が向上する。
【0030】
1つの具体的な実施形態において、流路カバー出口25は、第2流路入口26に嵌合し、流路カバー2がモータコントローラ筐体に緊密に取り付けられるとき、流路カバー出口25が第2流路入口26に緊密に接合されることにより、流路の密封を保証し、流路内の冷却液の漏れによる高圧電気機器の短絡などの危険な状況を回避することができる。また、流路カバー出口25と第2流路入口26の2つの流路の接合断面積が一致することを保証し、冷却液の流路を流れる流れ抵抗が最小であることを保証することができる。
【0031】
流路カバー出口25と第2流路入口26との間の管路が弧状に設計されることにより、流路の緩衝を実現し、流路の水力抵抗を低減することができ、第2流路入口26が第2放熱流路27に垂直に接続され、冷却液が第2流路入口26から第2放熱流路27に垂直に入ることにより、冷却液の流路に入る流れ方向が第2放熱流路27の方向に平行であることを回避し、さらに第2放熱流路27の下部領域に冷却液が入らず、第2放熱流路27の放熱が不均一になることを回避することができる。このような構造を利用することにより、冷却液が第2放熱流路27に垂直な流れ方向で第2放熱流路27に入り、それにより第2放熱流路27の冷却液がより均一になるとともに、流れ抵抗を低減し、放熱効率を向上させることができる。
【0032】
第2放熱流路27がU字状に配置されることにより、モータコントローラ筐体内の第2放熱流路27の配置範囲がより広くなり、放熱範囲が大きくなる。また、第2放熱流路27が扁平状管路であり、第2放熱流路27の外側が放熱流路壁であり、放熱流路壁の外側に他の電子部品が取り付けられることにより、熱を放熱流路壁に伝導し、第2放熱流路27によって放熱し、扁平状の第2放熱流路27が放熱対象の部品と流路との放熱接触面積を増大させることができる。
【0033】
第2流路入口26が第2放熱流路27に嵌合することにより、第2流路入口26と第2流路入口26の接合断面積が一致することを保証することができ、それにより第2流路入口26から第2放熱流路27に流入する冷却液の第2放熱流路27を流れる流れ抵抗が最小である。
【0034】
1つの具体的な実施形態において、流路入口11の位置が筐体内部流路入口12の位置よりも高いことにより、流路入口11から筐体内部流路入口12に供給された冷却液は、ポテンシャル差を形成し、一定の位置エネルギーを有することができる。また、筐体内部流路入口12に案内面が設けられることにより、筐体内部流路入口12に入った冷却液を案内し、流れ方向を流路カバー入口21の方向に制限する一方、流路の緩衝を実現し、流れ抵抗を低減することができる。
【0035】
好ましくは、モータコントローラのパワーモジュール3と流路カバー2との間にシールリングが取り付けられることにより、パワーモジュール3の放熱面と流路カバー2の取付溝23が緊密に取り付けられることを保証し、冷却収容室が密封され漏れが発生しないことを確保し、冷却収容室からの冷却液の漏れによる高圧電気機器の短絡などの危険な状況を回避することができる。
【0036】
一実施形態において、図7に示すように、モータコントローラは、複数のパワーモジュール3を有してもよく、このとき、複数のパワーモジュール3の放熱によりよく適応するために、流路カバー2は、パワーモジュール3を取り付けるための取付溝23を複数含み、各取付溝23は、それぞれ対応するパワーモジュール入口22及びパワーモジュール出口24と連通し、隣接する2つの取付溝23は、それぞれ対応するパワーモジュール入口22及びパワーモジュール出口24を介して連通する。複数のパワーモジュール3が並列に配列されるとき、隣接する2つの取付溝23がそれぞれ対応するパワーモジュール入口22及びパワーモジュール出口24を介して連通することにより、並列に配列された複数のパワーモジュール3の冷却収容室が互いに直列に接続され、流路管路が減少する。
【0037】
パワーモジュール入口22とパワーモジュール出口24が取付溝23の左右両側にそれぞれ接続されてもよく、それによりパワーモジュール入口22、取付溝23、パワーモジュール出口24が基本的に一直線にあり、隣接する2つの取付溝23がそれぞれ対応するパワーモジュール入口22とパワーモジュール出口24を介して連通するとき、直列に接続された複数の冷却収容室の入口と出口も一直線にあり、それにより流れ抵抗を低減し、流れ速度を増加させ、冷却液の流れをよりスムーズにすることができる。
【0038】
一実施形態において、図8及び図9に示すように、モータコントローラは、複数のパワーモジュール3を有してもよく、このとき、複数のパワーモジュール3の放熱によりよく適応するために、流路カバー2は、パワーモジュール3を取り付けるための取付溝23を複数含み、各取付溝23は、それぞれ対応するパワーモジュール入口22及びパワーモジュール出口24と連通し、流路カバー2は、第1分岐流路28及び第2分岐流路29をさらに含み、第1分岐流路28は、流路カバー入口21に接続され、第2分岐流路29は、流路カバー出口25に接続され、各取付溝23のパワーモジュール入口22は、第1分岐流路28に接続され、各取付溝23のパワーモジュール出口24は、第2分岐流路29に接続される。
【0039】
パワーモジュール入口22とパワーモジュール出口24が取付溝23の前後両側にそれぞれ接続されてもよく、複数のパワーモジュール3が並列に配列されるとき、各取付溝23のパワーモジュール入口22が第1分岐流路28に接続され、各取付溝23のパワーモジュール出口24が第2分岐流路29に接続されることにより、並列に配列された複数のパワーモジュール3の冷却収容室が互いに並列に接続され、各パワーモジュール3の冷却収容室がいずれも独立した分岐流路にあり、それによりパワーモジュール間の相互影響を低減し、放熱効率を向上させることができる。
【0040】
本願は、上記モータコントローラ冷却装置を含むモータコントローラをさらに開示する。
【0041】
本願は、上記モータコントローラ冷却装置を含む車両をさらに開示する。
【0042】
本願の実施例に係る車両は、上記モータコントローラ冷却装置を利用することにより、モータコントローラの放熱が不均一であり、内部管路が複雑であるという問題を解決し、そして、モータコントローラ筐体内に第2放熱流路を設けることにより、冷却装置がモータコントローラのパワーモジュールの放熱需要を実現することができるだけでなく、モータコントローラ内の他の部品、例えば統合電源、OBC充電モジュールなどを放熱させ、モジュールの温度を低下させ、高度に統合されたモータコントローラの放熱需要を満たすこともできる。
【0043】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などの用語を参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0044】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
【0045】
また、本発明の実施例において使用される「第1」、「第2」などの用語は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆したり、本実施例において示された技術的特徴の数を暗示的に示したりするためのものであると理解すべきではない。これにより、本発明の実施例において「第1」、「第2」などの用語で限定された特徴は、該実施例において少なくとも1つの該特徴を含むことを明示的又は暗示的に示し得る。本発明の説明において、「複数」という用語は、実施例において明確な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つ、4つなどを意味する。
【0046】
本発明において、実施例において他の明確な関連規定又は限定がない限り、実施例に現れる「取付」、「連結」、「接続」及び「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、接続は、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、理解できるように、機械的接続、電気的接続などであってもよく、もちろん、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、2つの部品の内部の連通であっても、2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な実施状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0047】
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接的に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことだけを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことだけを表してもよい。
【0048】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 モータコントローラ筐体
2 流路カバー
3 パワーモジュール
11 流路入口
12 筐体内部流路入口
13 筐体内部出口
14 流路出口
15 シールストリップ
21 流路カバー入口
22 パワーモジュール入口
23 取付溝
24 パワーモジュール出口
25 流路カバー出口
26 第2流路入口
27 第2放熱流路
28 第1分岐流路
29 第2分岐流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータコントローラ筐体と、前記モータコントローラ筐体に取り付けられた流路カバーとを含み、前記モータコントローラ筐体は、流路入口、筐体内部流路入口、筐体内部出口及び流路出口を含み、
前記流路カバーは、流路カバー入口、パワーモジュール入口、取付溝、パワーモジュール出口及び流路カバー出口を含み、
前記取付溝は、モータコントローラのパワーモジュールを取り付けるように構成され、前記パワーモジュールが前記取付溝に取り付けられるとき、前記パワーモジュールの放熱面が前記流路カバーの取付溝に密着して取り付けられて、冷却収容室が形成され、
前記流路入口は、前記筐体内部流路入口と連通し、前記筐体内部流路入口は、前記流路カバー入口と連通し、前記流路カバー入口は、前記パワーモジュール入口、前記冷却収容室、前記パワーモジュール出口、前記流路カバー出口と連通し、前記流路カバー出口は、前記筐体内部出口と連通し、前記筐体内部出口は、前記流路出口と連通する、ことを特徴とするモータコントローラ冷却装置。
【請求項2】
前記モータコントローラ筐体は、第2流路入口及び第2放熱流路をさらに含み、前記流路カバー出口は、前記第2流路入口と連通し、前記第2流路入口は、前記第2放熱流路と連通し、前記第2放熱流路は、前記筐体内部出口と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項3】
前記流路カバー出口は、前記第2流路入口に嵌合し、
前記流路カバー出口と前記第2流路入口との間の管路は、弧状に構成され
前記第2流路入口は、前記第2放熱流路に直角に接続される断面を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項4】
前記第2放熱流路は、U字状であり
記第2流路入口は、前記第2放熱流路に嵌合する、ことを特徴とする請求項2に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項5】
前記流路入口の位置は、前記筐体内部流路入口の位置よりも高い、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項6】
前記筐体内部流路入口に案内面が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項7】
ワーモジュールと前記流路カバーとの間にシールリングが取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項8】
前記流路カバーは、パワーモジュールを取り付けるための取付溝を複数含み、各前記取付溝は、それぞれ対応する前記パワーモジュール入口及び前記パワーモジュール出口と連通し、隣接する2つの前記取付溝は、それぞれ対応する前記パワーモジュール入口及び前記パワーモジュール出口を介して連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項9】
前記流路カバーは、パワーモジュールを取り付けるための取付溝を複数含み、各前記取付溝は、対応する前記パワーモジュール入口及び前記パワーモジュール出口と連通し、
前記流路カバーは、第1分岐流路及び第2分岐流路をさらに含み、前記第1分岐流路は、前記流路カバー入口に接続され、前記第2分岐流路は、前記流路カバー出口に接続され、各前記取付溝のパワーモジュール入口は、前記第1分岐流路に接続され、各前記取付溝のパワーモジュール出口は、前記第2分岐流路に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のモータコントローラ冷却装置。
【請求項10】
パワーモジュールと、請求項1~9のいずれか一項に記載のモータコントローラ冷却装置と、を含む、モータコントローラ。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載のモータコントローラ冷却装置を含む、ことを特徴とする車両。
【国際調査報告】