(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】充電装置の過温度保護方法及び装置、電気自動車
(51)【国際特許分類】
H02J 7/04 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H02J7/04 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515843
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022141823
(87)【国際公開番号】W WO2023125378
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111649681.0
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
(72)【発明者】
【氏名】▲ざい▼震
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼俊▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】梁▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼宇麟
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB13
5G503FA06
(57)【要約】
充電装置の過温度保護方法及び装置、電気自動車(200)、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。過温度保護方法は、充電中の充電装置の充電パラメータを取得するステップであって、充電パラメータが時間と温度を含み、時間と温度が対応関係であるステップと、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測するステップと、温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップとを含む。充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電中の前記充電装置の充電パラメータを取得するステップであって、前記充電パラメータが時間と温度を含み、前記時間と前記温度が対応関係であるステップと、
前記充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測するステップと、
前記温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、前記最高予測温度が前記所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップとを含む、ことを特徴とする充電装置の過温度保護方法。
【請求項2】
前記充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測するステップは、
複数のサンプリングポイントの充電パラメータ及びフィッティング関数を決定するステップと、
各前記サンプリングポイントの充電パラメータを前記フィッティング関数に代入して、前記フィッティング関数における各パラメータを取得するステップと、
取得された前記各パラメータを前記フィッティング関数に代入して、前記充電装置の温度予測モデルを取得するステップと、
前記充電パラメータ及び前記温度予測モデルに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項3】
前記フィッティング関数は、下記式で表され、
T=C
0+C
1t+C
2t
2+C
3t
3+…+C
n-1t
n-1、
ここで、Tは、前記充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、C
0~C
n-1は、前記フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、前記温度サンプリングポイントの個数である、ことを特徴とする請求項2に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項4】
前記フィッティング関数は、下記式で表され、
【数1】
ここで、Tは、前記充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、A
0、B
1~B
n、C
1~C
nは、前記フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、前記温度サンプリングポイントの個数である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項5】
前記最高予測温度が前記所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップは、
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限することにより、前記最高予測温度を所定の温度区間内にするステップを含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項6】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
充電中の初期電流を決定するステップと、
前記初期電流を所定のステップサイズだけ下げ、第1電流を取得するステップと、
前記第1電流で機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、第1所定の時間内の充電パラメータを取得し、前記第1所定の時間内の充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された前記最高予測温度を取得し、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値を超えていれば、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値を超えなくなるまで、前記第1電流を所定のステップサイズだけ下げ続けるステップとを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項7】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第1電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値を超えていなければ、更新された前記最高予測温度と前記所定の温度区間の下限値との関係を更に判断するステップであって、
更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の下限値よりも小さければ、前記初期電流及び前記第1電流に基づいて第2電流を決定し、第2電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御し、第2所定の時間内の充電パラメータを取得し、前記第2所定の時間内の充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された前記最高予測温度を取得し、更新された前記最高予測温度が依然として前記所定の温度区間の下限値よりも小さければ、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の下限値以上になるまで、前記第2電流の値を前記第1電流として与え、前記第2電流が前記第1電流よりも大きく、かつ前記初期電流よりも小さい、ステップを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項8】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第2電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値よりも大きければ、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値以下になるまで、前記第2電流の値を前記初期電流として与えるステップを更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項9】
前記初期電流及び前記第1電流に基づいて第2電流を決定するステップは、
前記初期電流と前記第1電流とを加算してから二分し、前記第2電流を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項10】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第2電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項7~9に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項11】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第1電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、前記更新された最高予測温度が前記所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項6~10に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項12】
取得モジュールと、予測モジュールと、保護制御モジュールとを含み、
前記取得モジュールは、充電中の前記充電装置の充電パラメータを取得し、前記充電パラメータは、時間と温度を含み、前記時間と前記温度は、対応関係であり、
前記予測モジュールは、前記充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測し、
前記保護制御モジュールは、前記温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が前記所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する、ことを特徴とする充電装置の過温度保護装置。
【請求項13】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能な充電装置の過温度保護プログラムとを含み、前記プロセッサが前記過温度保護プログラムを実行すると、請求項1~11のいずれか一項に記載の充電装置の過温度保護方法を実現する、ことを特徴とする電気自動車。
【請求項14】
充電装置の過温度保護プログラムが記憶されており、前記過温度保護プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~11のいずれか一項に記載の充電装置の過温度保護方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年12月30日に提出された、出願番号が202111649681.0である中国特許出願に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、充電過温度保護の技術分野に関し、特に、充電装置の過温度保護方法、充電装置の過温度保護装置、電気自動車及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の発展に伴い、電気自動車の充電電力が徐々に増大するため、充電車両のソケットの過温度によるアブレーションの故障リスクが高まっている。現在よく使用されている充電車両のソケットの過温度保護対策は、充電車両のソケットの内部端子に温度センサを配置し、端子の温度として許容される最高温度上限(温度閾値)を設定することである。端子の温度が温度上限に達すると、車両が充電電流を小さくし、それにより、充電車両のソケットの温度を低下させる。
【0004】
上記技術手段では、温度閾値を高く設定すると、端子の温度が充電装置の材料の耐熱限界を超える可能性があり、材料の耐熱限界を超えると、材料の機械的性能、電気的性能が劣化し、このような劣化が不可逆的であるため、車両の装置に永久的な損傷を与える。充電ポートの温度閾値を低く設定すると、頻繁に電流を制限することが発生し、充電時間が長くなり、ユーザ体験が低下する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。このため、本開示は、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い、充電装置の過温度保護方法を提供する。
【0006】
本開示は、充電装置の過温度保護装置を提供する。
【0007】
本開示は、電気自動車を提供する。
【0008】
本開示は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0009】
本開示の第1態様の実施例に係る充電装置の過温度保護方法は、充電中の充電装置の充電パラメータを取得するステップであって、充電パラメータが時間と温度を含み、時間と温度が対応関係であるステップと、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測するステップと、温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップとを含む。
【0010】
本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護方法は、まず、充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、そして、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、最後に、温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。これにより、当該方法は、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測し、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0011】
また、本開示の上記実施例に係る充電装置の過温度保護方法は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有することができる。
【0012】
本開示の一実施例では、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測するステップは、複数のサンプリングポイントの充電パラメータ及びフィッティング関数を決定するステップと、各サンプリングポイントの充電パラメータをフィッティング関数に代入して、フィッティング関数における各パラメータを取得するステップと、取得された各パラメータをフィッティング関数に代入して、充電装置の温度予測モデルを取得するステップと、充電パラメータ及び温度予測モデルに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測するステップとを含む。
【0013】
本開示の一実施例では、フィッティング関数は、下記式で表され、
T=C0+C1t+C2t2+C3t3+…+Cn-1tn-1
ここで、Tは、充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、C0~Cn-1は、フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である。
【0014】
本開示の別の実施例では、フィッティング関数は、下記式で表され、
【数1】
ここで、Tは、充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、A
0、B
1~B
n、C
1~C
nは、フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である。
【0015】
本開示の一実施例では、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップは、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限することにより、最高予測温度を所定の温度区間内にするステップを含む。
【0016】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、充電中の初期電流を決定するステップと、初期電流を所定のステップサイズだけ下げ、第1電流を取得するステップと、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、第1所定の時間内の充電パラメータを取得し、第1所定の時間内の充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された最高予測温度を取得し、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えていれば、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値以下になるまで、第1電流を所定のステップサイズだけ下げ続けるステップとを含む。
【0017】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えていなければ、更新された最高予測温度と所定の温度区間の下限値との関係を更に判断するステップであって、更新された最高予測温度が所定の温度区間の下限値よりも小さければ、初期電流と第1電流に基づいて第2電流を決定し、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、第2所定の時間内の充電パラメータを取得し、第2所定の時間内の充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された最高予測温度を取得し、更新された最高予測温度が依然として所定の温度区間の下限値よりも小さければ、更新された最高予測温度が所定の温度区間の下限値以上になるまで、第2電流の値を第1電流に付与し、第2電流が第1電流よりも大きく、かつ初期電流よりも小さいステップを更に含む。
【0018】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値よりも大きければ、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値以下になるまで、第2電流の値を初期電流に付与するステップを更に含む。
【0019】
本開示の一実施例では、初期電流及び第1電流に基づいて第2電流を決定するステップは、初期電流と第1電流とを加算してから二分し、第2電流を取得するステップを含む。
【0020】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む。
【0021】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む。
【0022】
本開示の第2態様の実施例に係る充電装置の過温度保護装置は、取得モジュールと、予測モジュールと、保護制御モジュールとを含み、取得モジュールは、充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、充電パラメータは、時間と温度を含み、時間と温度は、対応関係であり、予測モジュールは、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、保護制御モジュールは、温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。
【0023】
本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護装置は、取得モジュールによって充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、予測モジュールによって充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、保護制御モジュールによって温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。これにより、当該装置は、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0024】
本開示の第3態様の実施例に係る電気自動車は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能な充電装置の過温度保護プログラムとを含み、プロセッサが過温度保護プログラムを実行すると、上記充電装置の過温度保護方法を実現する。
【0025】
本開示の実施例に係る電気自動車は、上記充電装置の過温度保護方法に基づいて、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0026】
本開示の第4態様の実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、充電装置の過温度保護プログラムが記憶されており、当該過温度保護プログラムがプロセッサによって実行されると、上記充電装置の過温度保護方法を実現する。
【0027】
本開示の実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記充電装置の過温度保護方法に基づいて、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0028】
本開示の付加的な態様及び利点については、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の一実施例に係る充電装置の端子とそれと対になる他の充電装置の端子の概略構造図である。
【
図3】本開示の1つの具体的な実施例に係る充電装置の過温度保護方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の1つの具体的な実施例に係る、充電電流を段階的に制御することを示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護装置の概略ブロック図である。
【
図6】本開示の実施例に係る電気自動車の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施例を詳細に説明する。説明される実施例の例は図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0031】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護方法、充電装置の過温度保護装置、電気自動車及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を説明する。
【0032】
図1は、本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護方法のフローチャートである。当該充電装置は、電気自動車、電動車両などの充電操作を必要とする機器に適用することができる。
【0033】
図1に示すように、本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護方法は、以下のステップS1~S3を含む。
【0034】
S1では、充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、充電パラメータは、時間と温度を含み、時間と上記温度は、対応関係である。
【0035】
具体的には、充電装置の端子に取り付けられた温度センサによって、端子のリアルタイム温度を充電装置の充電パラメータにおける温度として収集することができ、即ち、充電し始めた後、その時点に対応する端子の温度を充電パラメータとして記録し、例えば、収集周期を予め設定することができ、充電し始めたとき、充電時間を0として記録し、現在の温度を収集し、サンプリング中に、サンプリング周期ごとに端子の温度T及び対応するサンプリング時間tを順に収集し、充電パラメータを(t,T)として記録し、このようにして充電中の複数の充電パラメータを取得する。
【0036】
なお、上記充電パラメータの数及びサンプリング周期は、実際の状況に応じて設定することができる。
【0037】
S2では、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測する。
【0038】
具体的には、充電装置の端子とそれと対になる他の充電装置の端子の構造は、
図3に示すとおりであり、充電装置内の高圧端子の発熱率は、I
2Rであり、Iは、充電電流であり、Rは、端子の接続抵抗である。接続抵抗は、ケーブル圧着位置(即ち、ケーブル1の圧着位置A4と圧着位置B6)における接続抵抗と、リード突き合わせ部位5(即ち、ジャック2とピン3の突き合せ部位)における接続抵抗とを含む。充電プロセス全体において、充電装置の端子の発熱率と放熱率は、下記関係式を有し、
CmΔτ=I
2R-(φ
1+φ
2+φ
3)
ここで、Cは、端子の比熱容量であり、mは、端子の質量であり、Δτは、端子の温度上昇速度であり、φ
1、φ
2、φ
3は、それぞれ、伝導放熱率、対流放熱率、放射放熱率である。
【0039】
充電し始めたとき、端子の温度と環境温度との差が小さいため、放熱率(φ1+φ2+φ3)<発熱率(I2R)となる。上記式から分かるように、比熱容量Cと質量mが決定した場合、充電し始めたときに温度上昇速度Δτが最大値に達する。時間の経過とともに、端子の温度が上昇し続け、放熱率が徐々に発熱率に近づくことになり、温度上昇速度Δτも小さくし続ける。発熱率と放熱率が等しくなるまで端子の温度が上昇すると、温度上昇速度は、0となり、その後に温度が上昇せず、温度平衡状態となる。
【0040】
上記分析から分かるように、端子の充電中の時間-温度上昇曲線は、初期傾きが、ある特定値Z(Z>0)であり、傾きが充電時間tの増加に伴って小さくし続け、ある時点T0で、傾きZ=0であるとともに、端子の温度Tが、ある特定値T0に収束する。
【0041】
上記充電装置の充電中の温度-時間関係の取得は、試験によって得られた複数の充電パラメータを、横軸を時間tとし、縦軸を温度Tとした座標系に表記し、そして結んで対応する温度-時間関係曲線を得て、充電装置の温度変化傾向を予測してもよく、温度と時間の関係式を構築することにより、充電装置の温度変化傾向を予測してもよい。充電装置の構造を分析することにより関係式を導出して解析することが困難であるため、本実施例では、取得された充電パラメータによって当該曲線をフィッティングし、即ち、取得された充電パラメータ(t,T)を所定のフィッティング関数に代入することにより、関数を構築することで対応する温度-時間関係を得て、充電装置の充電中の時間-温度上昇曲線、即ち、温度と時間の変化関係を得る。フィッティング関数は、テイラーの式、最小二乗フィッティング関数の式などで表すことができる。理解できるように、フィッティングによって記述された曲線は、原曲線の近似に過ぎないが、当該曲線における既知ポイントの数が十分に多ければ、フィッティングによって原曲線の変化法則をより正確に記述することができる。
【0042】
なお、上記予測が充電装置の現在の充電プロセスに対するものであるため、予測終了時間は、充電装置の充電プロセスの終了時間に設定されてもよく、充電装置の充電時間は、充電電力に基づいて予測されてもよく、当該充電装置を適用する機器の型番を照会することにより決定されてもよく、具体的な方法については、ここでは説明を省略する。
【0043】
以下、関数を構築することにより、充電装置の充電中の温度変化傾向を予測する方法について詳しく説明する。
【0044】
本開示の一実施例では、各温度サンプリングポイントの温度サンプリング時刻及び温度サンプリング値に基づいて、車両の充電中の充電ソケットの温度と時間の変化関係をフィッティングするステップは、複数のサンプリングポイントの充電パラメータ及びフィッティング関数を決定するステップと、各サンプリングポイントの充電パラメータをフィッティング関数に代入して、フィッティング関数における各パラメータを取得するステップと、取得された各パラメータをフィッティング関数に代入して、充電装置の温度予測モデルを取得するステップと、充電パラメータ及び温度予測モデルに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測するステップとを含む。
【0045】
なお、上記サンプリングポイントの数は、フィッティング関数における未知の各パラメータを解くために、フィッティング関数における各パラメータの数以上である必要がある。
【0046】
本開示の一実施例では、フィッティング関数は、下記式で表され、
T=C0+C1t+C2t2+C3t3+…+Cn-1tn-1 (1)
ここで、Tは、充電ソケットの温度を表し、tは、充電時間を表し、C0~Cn-1は、フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である。
【0047】
具体的には、式(1)をフィッティング関数の代表式とすると、その各パラメータの数は、nである。充電し始めたとき、充電装置の端子に配置された温度センサによって端子の温度を収集し、時間と合わせて充電パラメータ(t0,T0)として記録し、サンプリング周期ごとに1回の温度収集と記録を行い、最終的にn個のサンプリングポイント(t0,T0)、(t1,T1)、…、(tn-1,Tn-1)を得て、その後、このn個のサンプリングポイントの充電パラメータを上記一元のテイラーの式(1)に代入し、各パラメータC0~Cn-1を解き、解いたC0~Cn-1を式(1)に代入すると、充電装置の温度予測モデルの構築が完了し、構築が完了した式(1)によって次のサンプリング時間の温度を予測することができ、このように類推して、充電装置の当該充電中の温度変化傾向の予測を完了する。
【0048】
なお、上記式(1)は、1種類のフィッティング関数のみであり、他のフィッティング関数で代替してもよく、同じ効果を達成することもでき、本開示の他の実施例では、フィッティング関数は、下記式で表されてもよく、
【数2】
ここで、Tは、充電ソケットの温度を表し、tは、充電時間を表し、A
0、B
1~B
n、C
1~C
nは、フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である。
【0049】
なお、上記式(1)、式(2)に加えて、フィッティング関数は、実際の状況に応じて他の式で表されてもよく、即ち、上記2種類のフィッティング関数は、より優れたフィッティング精度と予測効果を達成するために、他の種類の関数で置き換えられてもよい。
【0050】
S3では、温度変化に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。充電装置の所定の温度閾値は、充電装置の実際の適用要件に応じて予め定められてもよく、例えば、所定の温度閾値は、充電ポートの材料の最高耐熱温度に設定されてもよい。
【0051】
具体的には、上記フィッティング関数の構築が完了した後、充電中に、上記フィッティング関数によって充電中の全ての時刻での充電装置の温度を計算し、かつ充電中の最大温度を最高予測温度とし、最高予測温度と所定の温度閾値とを比較することができる。例えば、予測時間tnでの充電ソケットの温度Tnが充電プロセス全体における最高予測温度であると仮定し、温度Tnと所定の温度閾値とを比較し、Tnが所定の温度閾値よりも大きければ、充電装置が充電中に過温度現象が発生することを説明し、そのため、時間tnに達する前に充電電流を調整し、即ち、温度が所定の限界温度を超える前に充電電流を事前に低減して、充電装置の充電中の温度を低下させ、それにより、過温度現象の発生を回避し、例えば、過温度現象が発生すると予測される現在の時刻で充電電流を調整してもよく、tn時間前のある所定の時点で充電電流を調整してもよく、調整時間とtnの時間間隔は、実際の状況に応じて設定することができる。温度Tnが所定の温度閾値を超えていないと判断した場合、充電装置が充電プロセス全体において過温度現象が発生しないことを説明し、充電電流、即ち、充電電力を制限する必要がなく、当該充電電流で充電操作全体を完了する。これにより、当該方法は、数学モデルを用いて温度を予測し、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断し、従来の温度保護方法に比べて、より安全で信頼性が高い。
【0052】
本開示の一実施例では、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップは、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限することにより、最高予測温度を所定の温度区間内にするステップを含む。所定の温度区間は、実際の状況に応じて設定することができる。
【0053】
即ち、充電装置が充電中に過温度現象が存在すると判断した場合、まず、充電電流を小幅に調整し、その後、更新された充電装置の温度変化傾向を取得し、更新された温度変化傾向に基づいて充電中の最高予測温度を再取得し、更に再取得された最高予測温度が所定の温度区間内にあるか否かを判断し、所定の温度区間の要件を依然として満たしていなければ、充電電流を再び調整し、このように循環して、更新された最高予測温度が所定の温度区間を超えていないと判断した場合、充電電流を調整せず、現在の電流を充電電流として充電プロセス全体を完了し、これにより、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、充電装置に過温度が発生しない場合、できるだけ大きな充電電流を保証する。
【0054】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、充電中の初期電流を決定するステップと、初期電流を所定のステップサイズだけ下げ、第1電流を取得するステップと、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、第1所定の時間内の充電パラメータを取得し、第1所定の時間内の充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された最高予測温度を取得し、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えていれば、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値よりも小さくなるまで、第1電流を所定のステップサイズだけ下げ続けるステップとを含む。第1所定の時間、所定のステップサイズは、実際の状況に応じて設定することができる。
【0055】
具体的には、所定の温度区間が[T’,T’’]であり、所定のステップサイズがΔIであり、充電中の初期電流がIであると仮定すると、充電中に所定の温度閾値よりも大きい最高予測温度が存在すると予測した場合、初期電流IからΔIを減算して第1電流I1を得て、第1電流I1で充電し続け、温度センサによって温度サンプリングを再び行い、第1所定の時間内のn個の充電パラメータを得て、再取得されたn個の充電パラメータを上記式(1)又は(2)に代入して新たな充電装置の温度予測モデルを得て、その後、充電パラメータ及び温度予測モデルを再取得することによって充電装置の温度変化傾向を再予測して更新された最高予測温度T1を得て、温度T1と所定の温度区間の上限値T’’とを比較し、T1がT’’よりも大きければ、I1をΔIだけ下げ続け、更新された最高予測温度T1が上限値T’’以下になるまで上記操作を繰り返す。
【0056】
更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えていない場合、最高予測温度と所定の温度区間の下限値とを比較する。本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度と所定の温度区間の下限値との関係を更に判断するステップであって、更新された最高予測温度が所定の温度区間の下限値よりも小さければ、初期電流と第1電流に基づいて第2電流を決定し、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、第2所定の時間内の充電パラメータを取得し、第2所定の時間内の充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された最高予測温度を取得し、更新された最高予測温度が依然として所定の温度区間の下限値よりも小さければ、更新された最高予測温度が所定の温度区間の下限値以上になるまで、第2電流の値を第1電流に付与し、第2電流が第1電流よりも大きく、かつ初期電流よりも小さく、上記第2所定の時間が実際の適用状況に応じて設定することができるステップを更に含む。
【0057】
本開示の一実施例では、初期電流及び第1電流に基づいて第2電流を決定するステップは、初期電流と第1電流とを加算してから二分し、第2電流を取得するステップを含む。
【0058】
具体的には、引き続き、所定の温度区間を[T’,T’’]とし、充電中の初期電流をIとし、第1電流をI1として説明すると、T’’以下の温度T1と所定の温度区間の下限値T’とを比較し、T1がT’よりも小さければ、式(I+I1)/2=I2によって第2電流I2を計算し、電流I2を充電電流として充電操作を行い、第2所定の時間内に充電パラメータを取得し、上記方法によって新たな温度予測モデルを取得し、I2を充電電流として再取得した充電パラメータ及び温度予測モデルに基づいて新たな最高予測温度を取得して温度T2として記録し、温度T2と下限値T’とを比較し、温度T2が依然としてT’よりも小さければ、I1=I2となり、即ち、I2をI1に付与し、再付与されたI1を式(I+I1)/2=I2に代入し、新たな第2電流I2を充電電流として再取得して充電操作を行い、上記操作を繰り返して予測モデル及び対応する更新された最高予測温度T2を再取得し、充電装置の最高予測温度T2が下限値T’以上になるまで、このように類推する。
【0059】
更に、本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値よりも大きければ、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値以下になるまで、第2電流の値を初期電流に付与するステップを更に含む。
【0060】
即ち、上記第2電流I2による充電時に予測して取得された最高予測温度T2が上限値T”よりも大きければ、I2を初期電流Iに付与し、即ち、I=I2であり、再付与されたIを式(I+I1)/2=I2に代入し、新たな第2電流I2を再び取得し、T2が上限値T”以下になるまで、上記操作を繰り返して新たな最高予測温度T2を取得する。
【0061】
当該実施例は、上記フィッティング関数によって充電装置の温度上昇を予測した後、まず、所定のステップサイズで充電電流を小幅に調整し、このときの充電装置の温度変化傾向を検出して新たな所定の最高温度を取得し、次に、再取得された所定の最高温度と所定の温度区間との関係に基づいて、再取得された所定の最高温度が所定の温度区間よりも大きければ、更に所定のステップサイズによって電流を調整し、再取得された所定の最高温度が所定の温度区間よりも小さければ、充電電流を変化前後の中間値に調整して所定の最高温度を再取得し、これにより、更新された所定の最高温度が許容範囲(即ち、所定の温度区間)内で変動するまで、連続的に電流平均値を繰り返して求め、充電電流の調整を停止し、充電電流が最適値に達したと考えられ、当該方法は、充電装置に過温度が発生しない場合、充電プロセスが自動的に最大許容充電電流に達することができ、従来の温度閾値の設定が困難である問題を回避する。
【0062】
なお、上記第2電流の取得方法は、上記式(I+I1)/2=I2に加えて、実際の状況に応じて自ら設定することもできる。
【0063】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む。
【0064】
即ち、充電電流が第2電流I2である場合、現在の温度T2がT’≦T1≦T”を満たしていれば、充電電流の調整を停止し、充電が終了するまで、第2電流I2を充電電流として充電操作を行い続ける。
【0065】
本開示の一実施例では、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限するステップは、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む。
【0066】
即ち、第1電流I1による充電中に予測して得られた最高予測温度T1がT’≦T1≦T”を満たしていれば、電流の調整を停止し、充電が終了するまで、第1電流I1で充電し続ける。
【0067】
理解できるように、充電中に、充電電流の調整は、更に、機器における電池、モータ、電気制御部品などによって制御されるため、上記充電装置の過温度保護方法は、機器の他の部品の制限と組み合わせて、総合的な条件で充電電流を制御する必要があり、各部品の温度制限要件を満たす。
【0068】
本開示の1つの具体的な実施例として、充電装置の端子に温度センサを取り付け、端子のリアルタイム温度を充電装置の温度として収集し、
図3及び
図4に示すように、当該充電装置の過温度保護方法は、以下のステップS101~S107を含み、所定のサンプリングの数は、Nであり、フィッティング関数の式は一元のN個の未知パラメータのテイラーの式であり、即ち、式における各パラメータの数は、Nであり、充電装置の所定の温度閾値は、充電ポート材料の最高耐熱温度である。
【0069】
S101では、充電し始め、時間を第0sとして記録し、センサが初期環境温度を記録し、端子の温度を収集し始める。
【0070】
S102では、所定のサンプリング時間ごとに端子の温度Tと充電時間tを1回収集し、充電パラメータ(t,T)として記録する。
【0071】
S103では、サンプリングポイントの数がN以上であるか否かを判断する。Yesであれば、ステップS104を実行し、Noであれば、ステップS102を実行する。
【0072】
S104では、N個の充電パラメータを一元のN個の未知パラメータのテイラーの式に代入し、各パラメータを取得し、充電装置の温度予測モデルを得る。
【0073】
S105では、充電パラメータ及び温度予測モデルによって予測された温度変化傾向によって決定された最高予測温度が所定の温度閾値よりも大きいか否かを判断する。Yesであれば、ステップS106を実行し、Noであれば、ステップS107を実行する。
【0074】
S106では、端子の温度が所定の温度閾値に達する前に、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限する。
【0075】
S107では、充電が終了するまで、現在の電流で充電し続ける。
【0076】
上記ステップS106の具体的な操作ステップは、
図4に示すように、以下のステップS201~S210を含み、所定の温度区間は、[T’,T’’]であり、所定のステップサイズは、△Iである。
【0077】
S201では、充電中の初期電流Iを決定する。
【0078】
S202では、初期電流IをΔIだけ下げ、第1電流値I1及び更新された最高予測温度T1を取得する。
【0079】
S203では、T1がT”よりも大きいか否かを判断する。Yesであれば、ステップS202を実行し、Noであれば、ステップS204を実行する。
【0080】
S204では、T1がT’よりも小さいか否かを判断し、Yesであれば、ステップS206を実行し、Noであれば、ステップS205を実行する。
【0081】
S205では、充電が終了するまで、現在の充電電流をそのまま保持する。
【0082】
S206では、充電電流を第2電流I2=(I+I1)/2に調整し、更新された最高予測温度T2を取得する。
【0083】
S207では、T2がT’よりも小さいか否かを判断し、Yesであれば、ステップS208を実行し、Noであれば、ステップS209を実行する。
【0084】
S208では、I2の値をI1に付与し、ステップS206を実行する。
【0085】
S209では、T2がT”よりも大きいか否かを判断する。Yesであれば、ステップS210を実行し、Noであれば、ステップS205を実行する。
【0086】
S210では、I2の値をIに付与し、ステップS206を実行する。
【0087】
以上より、本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護方法は、まず、充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、充電パラメータが時間と温度を含み、時間と温度が対応関係であり、そして、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、最後に、温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。これにより、当該方法は、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測し、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0088】
上記実施例に対応して、本開示は、充電装置の過温度保護装置を更に提供する。
【0089】
図5に示すように、本開示の実施例の充電装置の過温度保護装置は、取得モジュール10と、予測モジュール20と、保護制御モジュール30とを含んでもよい。
【0090】
取得モジュール10は、充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、充電パラメータは、時間と温度を含み、時間と温度は、対応関係である。予測モジュール20は、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測する。保護制御モジュール30は、温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。
【0091】
本開示の一実施例では、予測モジュール20は、充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、具体的には、複数のサンプリングポイントの充電パラメータ及びフィッティング関数を決定し、各サンプリングポイントの充電パラメータをフィッティング関数に代入して、フィッティング関数における各パラメータを取得し、取得された各パラメータをフィッティング関数に代入して、充電装置の温度予測モデルを取得し、充電パラメータ及び温度予測モデルに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測する。
【0092】
本開示の一実施例では、予測モジュール20におけるフィッティング関数は、下記式で表され、
T=C0+C1t+C2t2+C3t3+…+Cn-1tn-1
ここで、Tは、充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、C0~Cn-1は、フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である。
【0093】
本開示の別の実施例では、予測モジュール20におけるフィッティング関数は、下記式で表され、
【数3】
ここで、Tは、充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、A
0、B
1~B
n、C
1~C
nは、フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である。
【0094】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限し、具体的には、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限することにより、最高予測温度を所定の温度区間内にする。
【0095】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限し、具体的には、充電中の初期電流を決定し、初期電流を所定のステップサイズだけ下げ、第1電流を取得し、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、第1所定の時間内の充電パラメータを取得し、第1所定の時間内の充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された最高予測温度を取得し、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えていれば、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えなくなるまで、第1電流を所定のステップサイズだけ下げ続ける。
【0096】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限し、具体的には、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値を超えていなければ、更新された最高予測温度と所定の温度区間の下限値との関係を更に判断し、更新された最高予測温度が所定の温度区間の下限値よりも小さければ、初期電流と第1電流に基づいて第2電流を決定し、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、第2所定の時間内の充電パラメータを取得し、第2所定の時間内の充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された最高予測温度を取得し、更新された最高予測温度が依然として所定の温度区間の下限値よりも小さければ、更新された最高予測温度が所定の温度区間の下限値以上になるまで、第2電流の値を第1電流に付与し、第2電流が第1電流よりも大きく、かつ初期電流よりも小さい。
【0097】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限し、具体的には、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値よりも大きければ、更新された最高予測温度が所定の温度区間の上限値以下になるまで、第2電流の値を初期電流に付与する。
【0098】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、初期電流及び第1電流に基づいて第2電流を決定し、具体的には、初期電流と第1電流とを加算してから二分し、第2電流を取得する。
【0099】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限し、具体的には、第2電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持する。
【0100】
本開示の一実施例では、保護制御モジュール30は、充電電流を段階的に調整する方式で充電電流を制限し、具体的には、第1電流で機器を充電するように充電装置を制御する場合、更新された最高予測温度が所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持する。
【0101】
なお、本開示の実施例の充電装置の過温度保護装置に開示されていない詳細については、本開示の上記実施例の充電装置の過温度保護方法に開示された詳細を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0102】
以上より、本開示の実施例に係る充電装置の過温度保護装置は、取得モジュールによって充電中の充電装置の充電パラメータを取得し、予測モジュールによって充電パラメータに基づいて充電装置の温度変化傾向を予測し、保護制御モジュールによって温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、最高予測温度が所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限する。これにより、当該装置は、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0103】
上記実施例に対応して、本開示は、電気自動車を更に提供する。
【0104】
図6に示すように、本開示の実施例の電気自動車200は、メモリ210と、プロセッサ220と、メモリ210に記憶されてプロセッサ220で実行可能な充電装置の過温度保護プログラムとを含んでもよく、プロセッサ220が過温度保護プログラムを実行する場合、上記充電装置の過温度保護方法を実現する。
【0105】
本開示の実施例に係る電気自動車は、上記充電装置の過温度保護方法に基づいて、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0106】
上記実施例に対応して、本開示は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供する。
【0107】
本開示の実施例のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、充電装置の過温度保護プログラムが記憶されており、当該過温度保護プログラムがプロセッサによって実行されると、上記充電装置の過温度保護方法を実現する。
【0108】
本開示の実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記充電装置の過温度保護方法に基づいて、充電パラメータによって充電装置の温度変化傾向を予測することにより、充電中に充電装置が過温度であるか否かを事前に判断することができ、充電電流をより迅速かつ効果的に調整することができ、より安全で信頼性が高い。
【0109】
なお、フローチャートに示されるか又は本開示で他の方式で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順序付けられたリストとしてみなされてもよく、具体的には、任意のコンピュータ可読媒体に具体的に実現されることにより、命令実行システム、装置若しくは機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置若しくは機器から命令を読み取って命令を実行できる他のシステム)によって使用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置若しくは機器と組み合わせて使用されてもよい。本明細書において、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、装置又は機器によって使用されるか、これらの命令実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用されるためのプログラムを格納、記憶、通信し、伝播又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、更に、例えば、紙又は他の媒体を光学的にスキャンし、次に編集し、解釈するか、又は必要に応じて他の適切な方式で処理することにより、上記プログラムを電子的に取得し、その後にコンピュータメモリに記憶することができるので、上記プログラムを印刷することができる紙又は他の適切な媒体であってもよい。
【0110】
本開示の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせによって実現することができることを理解されたい。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、かつ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアによって実現される場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有する離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの本分野の公知技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現することができる。
【0111】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などを参照した説明は、当該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0112】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に明示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0113】
以上、本開示の実施例を示して説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本開示を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電中の充電装置の充電パラメータを取得するステップであって、前記充電パラメータが時間と温度を含み、前記時間と前記温度が対応関係であるステップと、
前記充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測するステップと、
前記温度変化傾向に基づいて最高予測温度が所定の温度閾値を超えると決定した場合、前記最高予測温度が前記所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップとを含む、ことを特徴とする充電装置の過温度保護方法。
【請求項2】
前記充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測するステップは、
複数のサンプリングポイントの充電パラメータ及びフィッティング関数を決定するステップと、
各前記サンプリングポイントの充電パラメータを前記フィッティング関数に代入して、前記フィッティング関数における各パラメータを取得するステップと、
取得された前記各パラメータを前記フィッティング関数に代入して、前記充電装置の温度予測モデルを取得するステップと、
前記充電パラメータ及び前記温度予測モデルに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項3】
前記フィッティング関数は、下記式で表され、
T=C
0+C
1t+C
2t
2+C
3t
3+…+C
n-1t
n-1、
ここで、Tは、前記充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、C
0~C
n-1は、前記フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である、ことを特徴とする請求項2に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項4】
前記フィッティング関数は、下記式で表され、
【数1】
ここで、Tは、前記充電装置の温度を表し、tは、充電時間を表し、A
0、B
1~B
n、C
1~C
nは、前記フィッティング関数の各パラメータを表し、nは、温度サンプリングポイントの個数である、ことを特徴とする請求項
2に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項5】
前記最高予測温度が前記所定の温度閾値を超える前に充電電流を制限するステップは、
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限することにより、前記最高予測温度を所定の温度区間内にするステップを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項6】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
充電中の初期電流を決定するステップと、
前記初期電流を所定のステップサイズだけ下げ、第1電流を取得するステップと、
前記第1電流で機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、第1所定の時間内の充電パラメータを取得し、前記第1所定の時間内の充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された前記最高予測温度を取得し、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値を超えていれば、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値を超えなくなるまで、前記第1電流を所定のステップサイズだけ下げ続けるステップとを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項7】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第1電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値を超えていなければ、更新された前記最高予測温度と前記所定の温度区間の下限値との関係を更に判断するステップであって、
更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の下限値よりも小さければ、前記初期電流及び前記第1電流に基づいて第2電流を決定し、第2電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御し、第2所定の時間内の充電パラメータを取得し、前記第2所定の時間内の充電パラメータに基づいて前記充電装置の温度変化傾向を予測し、更新された前記最高予測温度を取得し、更新された前記最高予測温度が依然として前記所定の温度区間の下限値よりも小さければ、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の下限値以上になるまで、前記第2電流の値を前記第1電流として与え、前記第2電流が前記第1電流よりも大きく、かつ前記初期電流よりも小さい、ステップを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項8】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第2電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値よりも大きければ、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間の上限値以下になるまで、前記第2電流の値を前記初期電流として与えるステップを更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項9】
前記初期電流及び前記第1電流に基づいて第2電流を決定するステップは、
前記初期電流と前記第1電流とを加算してから二分し、前記第2電流を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項10】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第2電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、更新された前記最高予測温度が前記所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項11】
前記充電電流を段階的に調整する方式で前記充電電流を制限するステップは、
前記第1電流で前記機器を充電するように前記充電装置を制御する場合、前記更新された最高予測温度が前記所定の温度区間にあれば、現在の充電電流をそのまま保持するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項
6に記載の充電装置の過温度保護方法。
【請求項12】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能な充電装置の過温度保護プログラムとを含み、前記プロセッサが前記過温度保護プログラムを実行すると、請求項1~11のいずれか一項に記載の充電装置の過温度保護方法を実現する、ことを特徴とする電気自動車。
【請求項13】
充電装置の過温度保護プログラムが記憶されており、前記過温度保護プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~11のいずれか一項に記載の充電装置の過温度保護方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
具体的には、充電装置の端子とそれと対になる他の充電装置の端子の構造は、図2に示すとおりであり、充電装置内の高圧端子の発熱率は、I2Rであり、Iは、充電電流であり、Rは、端子の接続抵抗である。接続抵抗は、ケーブル圧着位置(即ち、ケーブル1の圧着位置A4と圧着位置B6)における接続抵抗と、リード突き合わせ部位5(即ち、ジャック2とピン3の突き合せ部位)における接続抵抗とを含む。充電プロセス全体において、充電装置の端子の発熱率と放熱率は、下記関係式を有し、
CmΔτ=I2R-(φ1+φ2+φ3)
ここで、Cは、端子の比熱容量であり、mは、端子の質量であり、Δτは、端子の温度上昇速度であり、φ1、φ2、φ3は、それぞれ、伝導放熱率、対流放熱率、放射放熱率である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
上記分析から分かるように、端子の充電中の時間-温度上昇曲線は、初期傾きが、ある特定値Z(Z>0)であり、傾きが充電時間tの増加に伴って小さくし続け、ある時点t0で、傾きZ=0であるとともに、端子の温度Tが、ある特定値T0に収束する。
【国際調査報告】