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特表2024-546562車両開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/20 20180101AFI20241219BHJP
【FI】
G06F8/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518096
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022132006
(87)【国際公開番号】W WO2023124597
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111680458.2
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100221372
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 信治
(72)【発明者】
【氏名】周▲歓▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼▲錦▼文
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BA18
5B376GA07
(57)【要約】
車両開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両であり、当該開発プラットフォームは、相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォームサービス層、及びアプリケーション層を含み、ハードウェア層は、ソフトウェアリソースのキャリアとしてリソースプールを形成し、オペレーティングシステム及びドライバ層は、ハードウェア層上で実行され、当該プラットフォームサービス層に実行条件を提供するように動作し、プラットフォームサービス層は、オペレーティングシステム上で実行され、車両内のデータを伝送して管理し、アプリケーション層は、車両上位層のサービスプログラム及びアプリケーションプログラムをロードする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両コントローラ上で実行される車両開発プラットフォームであって、
下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォームサービス層、及びアプリケーション層を含み、
前記ハードウェア層は、ソフトウェアリソースのキャリアとしてリソースプールを形成し、
前記オペレーティングシステム及びドライバ層は、前記ハードウェア層上で実行され、前記プラットフォームサービス層に実行条件を提供し、
前記プラットフォームサービス層は、前記オペレーティングシステム上で実行され、車両内のデータを伝送して管理し、
アプリケーション層は、車両上位層のサービスプログラム及びアプリケーションプログラムをロードすることを特徴とする車両開発プラットフォーム。
【請求項2】
前記プラットフォームサービス層は、データバスモジュール、データ機能モジュール及びオペレーティングシステムインタフェースモジュールを含み、
前記データバスモジュールは、車両上のドメインコントローラ間又はドメインコントローラ内部のデータ伝送及び共有に用いられ、
前記データ機能モジュールは、データを記憶して更新し、
前記オペレーティングシステムインタフェースモジュールは、上位層のサービス及びアプリケーションを処理してオペレーティングシステム及びドライバを呼び出すことを特徴とする請求項1に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項3】
前記オペレーティングシステム及びドライバ層におけるオペレーティングシステムは、Linux(登録商標)オペレーティングシステム及びQNXオペレーティングシステムを含み、
各前記オペレーティングシステムが1つのPOSIXオペレーティングシステムインタフェースに対応することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項4】
各前記オペレーティングシステムの最下層に最下層ハードウェアインタフェースが配置されることを特徴とする請求項3に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項5】
前記データ機能モジュールは、時間同期ユニット、サービス管理ユニット、データ永続化ユニット、ログ及びトレースユニット、データ更新ユニット、アクチュエータ制御サービスユニット、ネットワーク管理、セキュリティ管理、信号収集サービスユニット及び/又は診断サービスユニットを含むことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項6】
前記アプリケーション層は、アプリケーションサービス層及びアプリケーションプログラム層を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項7】
前記アプリケーションサービス層は、車両状態サービスモジュール、信号発信サービスモジュール、信号解析サービスモジュール、空調制御サービスモジュール、窓制御サービスモジュール、ドア制御サービスモジュール及び/又は身分認証サービスモジュールを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項8】
前記アプリケーションプログラム層は、メーターアプリケーションモジュール、空調プリケーションモジュール、ライト制御アプリケーションモジュール、ドア制御アプリケーションモジュール、窓制御アプリケーションモジュール、遠隔制御運転アプリケーションモジュール及び/又はクラウドサービスアプリケーションモジュールを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項9】
サービス指向アーキテクチャに基づいて開発されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、請求項1~9のいずれか一項に記載の車両開発プラットフォームがインストールされることを特徴とするドメインコントローラ。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項10に記載のドメインコントローラを含むことを特徴とする車両制御システム。
【請求項12】
請求項11に記載の車両制御システムがインストールされることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連開示の相互参照)
本開示は、出願番号202111680458.2、出願日2021年12月30日の中国特許出願に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、自動車の技術分野に関し、特に車両開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の発展に伴い、自動車分野の制御にますます多くの発展空間を提供している。
【0004】
現在の自動車制御システムでは、車両コントローラ、モータコントローラ及びマイクロ基地局を配置し、無線伝送ネットワークを構築することにより、自動車の運転中に、車両コントローラが信号送受信機を介してモータコントローラと通信し、モータコントローラに制御命令を送信して、モータコントローラが制御命令に基づいて車両運転状態を制御する。
【0005】
上記自動車制御システムは、大量のデータが無線ネットワークを介して二次伝送されるため、そのリアルタイム性及び安定性が高くなく、信号が干渉されやすい。また、車両コントローラの総制御により、メンテナンスコストが高くなり、性能が単一であり、拡張可能性が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術における上記欠陥又は不足に鑑み、車両開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両を提供することが望まれる。ドメインコントローラに異種オペレーティングシステムをインストールすることにより、車両制御システムにおける各機能のドメインコントローラを独立開発してシームレスに統合し、互いに呼び出して、車両制御の性能及び拡張性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様では、本開示の実施例に係る、車両のコントローラ上で実行される車両開発プラットフォームは、下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォームサービス層、及びアプリケーション層を含み、
当該ハードウェア層は、ソフトウェアリソースのキャリアとしてリソースプールを形成し、
当該オペレーティングシステム及びドライバ層は、ハードウェア層上で実行され、当該プラットフォームサービス層に実行条件を提供し、
当該プラットフォームサービス層は、当該オペレーティングシステム上で実行され、車両内のデータを伝送して管理し、
アプリケーション層は、車両上位層のサービスプログラム及びアプリケーションプログラムをロードする、ことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該プラットフォームサービス層は、データバスモジュール、データ機能モジュール及びオペレーティングシステムインタフェースモジュールを含み、
当該データバスモジュールは、車両上のドメインコントローラ間又はドメインコントローラ内部のデータ伝送及び共有に用いられ、
当該データ機能モジュールは、データを記憶して更新し、
当該オペレーティングシステムインタフェースモジュールは、上位層のサービス及びアプリケーションを処理してオペレーティングシステム及びドライバの機能を呼び出す。
【0009】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該オペレーティングシステム及びドライバ層におけるオペレーティングシステムは、Linux(登録商標)オペレーティングシステム及びQNXオペレーティングシステムを含み、各オペレーティングシステムが1つのPOSIXオペレーティングシステムインタフェースに対応する。
【0010】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、各当該オペレーティングシステムの最下層に最下層インタフェースが配置される。
【0011】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該データ機能モジュールは、時間同期ユニット、サービス管理ユニット、データ永続化ユニット、ログ及びトレースユニット、データ更新ユニット、アクチュエータ制御サービスユニット、ネットワーク管理、セキュリティ管理、信号収集サービスユニット及び/又は診断サービスユニットを含む。
【0012】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該アプリケーション層は、アプリケーションサービス層及びアプリケーションプログラム層を含み、当該アプリケーションサービス層が車両をロードする。
【0013】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該アプリケーションサービス層は、車両状態サービスモジュール、信号発信サービスモジュール、信号解析サービスモジュール、空調制御サービスモジュール、窓制御サービスモジュール、ドア制御サービスモジュール及び/又は身分認証サービスモジュールを含む。
【0014】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該アプリケーションプログラム層は、メーターアプリケーションモジュール、空調プリケーションモジュール、ライト制御アプリケーションモジュール、ドア制御アプリケーションモジュール、窓制御アプリケーションモジュール、遠隔制御運転アプリケーションモジュール及び/又はクラウドサービスアプリケーションモジュールを含む。
【0015】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づいて開発される。
【0016】
好ましくは、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、当該ドメインコントローラ開発プラットフォームに最下層インタフェースが配置される。
【0017】
第2態様では、本開示の実施例に係るドメインコントローラは、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、当該ドメインコントローラには、上記第1態様に記載の車両開発プラットフォームがインストールされる。
【0018】
第3態様では、本開示の実施例に係る車両制御システムは、少なくとも1つの第2態様に記載のドメインコントローラを含む。
【0019】
第4態様では、本開示の実施例に係る車両には、第3態様に記載の車両制御システムがインストールされる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の実施例に係る車両開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両では、車両のコントローラにおいて、下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォームサービス層、及びアプリケーション層を含むプラットフォームを開発することにより、全てのロジック層を統合した後、車両のコントローラの開発及びアプリケーションにプラットフォームを提供する。これにより、異なる機能のコントローラを独立開発し、異なる機能を実現することができる。さらに、機能が完全な車両制御システムを構築して、車両システムの実行中に、大量のデータのコントローラ間でのリアルタイムな伝送を実現し、ユーザ及び車両の安全を保証し、制御システムが実際のニーズに応じて遠隔で呼び出すことができる。
【0021】
以下の図面を参照して行われた非限定的な実施例に対する詳細な説明を読むことにより、本開示の他の特徴、目的及び利点は、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施例に係る車両ドメインコントローラの最上層ロジックフレームワークの概略図である。
図2】本開示の実施例に係るドメインコントローラのソフトウェアアーキテクチャの概略図である。
図3】本開示の実施例に係るドメインコントローラのソフトウェア階層の概略図である。
図4】本開示の実施例に係るドメインコントローラの開発モジュールの概略構成図である。
図5】本開示の実施例に係るドメインコントローラのオペレーティングシステムインタフェースの概略図である。
図6】本開示の実施例に係るドメインコントローラの開発モジュールの概略構成図である。
図7】本発明の実施例に係る処理機器のコンピュータの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び実施例を参照して本開示をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は、関連する開示を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。なお、説明の便宜上、図面は、開示に関連する部分のみを示す。
【0024】
なお、本開示の実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しながら実施例を挙げて本開示を詳細に説明する。
【0025】
理解できるように、車両制御システムの物理ハードウェアレイアウトは、複数のアーキテクチャを含んでもよい。例えば、1つ以上のドメインコントローラ、1つ以上の従来の車載コントローラ(ECU)及び1つのセントラルゲートウェイを含んでもよく、実行中に、データは、CAN又はイーサネット(登録商標)を介して伝送される。
【0026】
技術の統合に伴い、上記アーキテクチャが徐々に簡略化され、新しいレイアウトアーキテクチャが生成されている。即ち、従来の構造のECUの数がますます少なくなり、最終的には2つ又はそれ以上のドメインコントローラ及びセントラルゲートウェイへと発展している。そのうちのセントラルゲートウェイは、その1つのドメインコントローラに統合され、イーサネット(登録商標)を介して接続することができる。
【0027】
プロセッサ性能の更なる向上に伴い、車両制御システムは、1つの中央処理装置のみを含んでもよい。
【0028】
これに基づいて、図1に示すように、本開示の実施例では、車両制御システムの時効性と各機能の独立性とを向上させるために、車両において実現する必要がある機能に基づいて、車両制御システムを複数の独立したドメインコントローラに分ける。
【0029】
例えば、車両制御システムは、1つ以上のドメインコントローラを含んでもよい。各ドメインコントローラは、センサ及び実行機構と、ゼロ又は複数の従来ECUと、ゼロ又は複数のセントラルゲートウェイとにアクセスしてもよい。
【0030】
理解できるように、本開示の実施例に係る車両制御システムの物理アーキテクチャに基づいて、ドメインコントローラ間の相互協働と、プログラムの遠隔呼び出しと、データのトランスペアレント伝送とを実現するために、物理アーキテクチャにおけるドメインコントローラに開発ソフトウェアプラットフォーム、即ち車両開発プラットフォームを配置する必要があり、それにより当該開発プラットフォームに基づいてドメインコントローラのロジックアーキテクチャを実現し、各ドメインコントローラの独立を実現する。
【0031】
理解できるように、図2に示すように、上記目的を達成するために、具体的には、例えば、各ドメインコントローラにおいてマイクロサービス、センサ及びアクチュエータの任意のアクセス、無線通信を経由したデータ送受信(OTA)、端末装置の機能モジュールなどを実現し、ドメインコントローラにおいて開発されたソフトウェアプラットフォームを実行する。即ち、開発プラットフォームの異種フレームワークを構築して、異なるサプライヤー及び開発チームがこの開発プラットフォームにおいてドメインコントローラのアプリケーションを開発するようにする。
【0032】
理解できるように、「異種(heterogeneous)」とは異種コントローラであり、即ち開発プラットフォームが異なるアーキテクチャのドメインコントローラのECU上で実行可能となっている必要があり、これらの異なるアーキテクチャのドメインコントローラは、マルチコア及びマルチプロセッサを有する。最も複雑なアーキテクチャは、人工知能(AI)計算ユニット付きのCPU+デジタル集積回路チップ(FPGA)+人工知能(AI)チップ+CPUである。
【0033】
また、「異種」は、ネットワークをさらに含む。即ち、車両の観点から見ると、ドメインコントローラのソフトウェアプラットフォームは、異種であり、Antosarプラットフォームと従来のECUプログラムとがある。即ち、ドメインコントローラ上で実行される車両開発プラットフォームは、このようなネットワークの差異に対応する必要がある。
【0034】
例えば、図1に示す車両制御システムにおいて、複数のドメインコントローラの間は、イーサネット(登録商標)を介して通信を実現することにより、ネットワークセキュリティを確保し、ハッカー攻撃を予防する。
【0035】
また、実際のニーズに応じて遠隔呼び出しを行うことができ、ユーザが車両を使用することと、開発チームが車載ソフトウェアを遠隔呼び出すための開発を行うこととがより便利になる。
【0036】
したがって、ドメインコントローラのソフトウェアアーキテクチャは、車両開発プラットフォームとするものであり、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づく異種ドメインコントローラとして設計されてもよい。
【0037】
理解できるように、SOAは、サービス指向のアーキテクチャであり、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームを、プラットフォームサービスとアプリケーションサービスとに分割する。プラットフォームサービスとアプリケーションサービスとの間で相互に呼び出すことができ、アプリケーションサービスとアプリケーションサービスとの間で相互に呼び出すことができ、アプリケーションプログラムは、プラットフォームサービスを呼び出すことができ、アプリケーションサービスは、他のドメインコントローラ上のアプリケーションサービスをさらに遠隔で呼び出すことができる。
【0038】
加えて、車両におけるドメインコントローラでは、開発されたソフトウェアプラットフォームを利用して、センサ、アクチュエータ及びコントローラを柔軟に配置(デカップリング)する。センサデータ収集、アクチュエータ制御及びコントローラ機能を緊密にカップリングしなくなり、それによりデータのトランスペアレント共有を確保し、データソースが広く、データ量が大きく、ドメインコントローラ間及びドメインコントローラの内部チップ間のデータのトランスペアレント共有をサポートする必要がある。
【0039】
そして、当該開発プラットフォームに基づいて、全てのドメインコントローラに開放性を持たせ、協調開発することにより、各機能を異なる開発チーム、サプライヤーなどに配布して独立開発し、シームレスに統合することができる。
【0040】
また、ドメインコントローラ上で、開発されたソフトウェアプラットフォームを実行することにより、異なるハードウェアプラットフォームをサポートすることができる。ハードウェアプラットフォームが変更又はアップグレードされる場合、各機能ソフトウェアモジュールを修正する必要がなく、リアルタイム性の高いアプリケーション、例えば遠隔制御運転アプリケーションなどに迅速に応答することができる。また、スリープ、ウェイクアップ機能などを実現するように消費電力管理を行うこともできる。それにより、車両の消費電力を制御するとともに、複数のドメインコントローラの間でクロックを一致させ、同期を保つことができる。
【0041】
理解できるように、本開示の実施例に係る車両制御システムのロジックアーキテクチャでは、データは、無線ネットワークを介して伝送されるのではなく、ドメインコントローラを介して直接伝送されることにより、データのリアルタイム性、完全性及び安全性を保証し、さらにドメインコントローラ間での大量のデータのリアルタイムな伝送を実現することができる。したがって、電気機器の自動化、インテリジェント化、大量のビデオ、オーディオデータをドメインコントローラの間でリアルタイムに伝送することにより、ユーザにとって、自動車の安全性を向上させ、即ちユーザと車両の安全を保証する。
【0042】
そして、各ドメインコントローラは、車両の実際の機能に応じて独立して存在する。即ち、機能と機能との間が相互に独立し、相互に干渉しない。それにより、ドアロックアセンブリ、窓制御アセンブリ、ワイパーアセンブリ、シートアセンブリ、ボディ制御モジュール(Body Control Module、BCM)などの機能が独立するように隔離することができる。
【0043】
図3は、車両開発プラットフォーム、即ちソフトウェアプラットフォームの階層図である。最下層は、ハードウェア層である。中間は、プラットフォームサービス層であり、リアルタイムマルチタスクオペレーティングシステム(RTOS)、機器ドライバ及びサービス層を含んでもよい。最上層は、ポータブルオペレーティングシステムインタフェース(POSIX)及びアプリケーション層であり、当該アプリケーション層は、アプリケーションサービス層及びアプリケーションプログラム層を含んでもよい。
【0044】
本開示の実施例に係るドメインコントローラ上で実行される車両開発プラットフォームをよりよく理解するために、以下、図4図6を用いて詳細に説明する。
【0045】
図4は、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームのソフトウェアアーキテクチャの概略図である。図4に示すように、当該車両開発プラットフォームは、車両のドメインコントローラ上で実行され、当該車両開発プラットフォームは、下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、プラットフォームサービス層、インタフェース層及びアプリケーション層を含む。
【0046】
当該ハードウェア層は、ソフトウェアリソースのキャリアとしてリソースプールを形成するように構成される。
【0047】
当該オペレーティングシステムインタフェースは、前記ハードウェア層上で実行され、前記オペレーティングシステム及びドライバ層は、前記プラットフォームサービス層に実行条件を提供する。
【0048】
プラットフォームサービス層は、前記オペレーティングシステム上で実行され、車両内のデータを伝送して管理する。
【0049】
アプリケーション層は、車両上位層のサービスプログラム及びアプリケーションプログラムをロードして、車両に必要な機能を実現する。
【0050】
具体的には、本開示の実施例に係るドメインコントローラ上で実行される車両開発プラットフォームでは、ロジック層から理解されるように、当該車両開発プラットフォームの最下層は、ハードウェア層であり、リソースプールを形成するように、実際のドメインコントローラであってもよく、仮想マシン又はコンテナなどであってもよい。
【0051】
例えば、鉄道車両の場合、当該ハードウェア層は、車両の異なる位置に取り付けられたドメインコントローラであってもよい。
【0052】
ハードウェア層の上に実行されるのは、オペレーティングシステム及びドライバ層であり、プラットフォームサービス層に実行条件を提供し、主に上位層サービス及びアプリケーションを処理してオペレーティングシステム又はドライバの機能を呼び出す。当該オペレーティングシステムは、リアルタイムマルチタスクオペレーティングシステム(TROS)、ANX又はRLinux(登録商標)などのオペレーティングシステムであってもよい。
【0053】
理解できるように、車両開発プラットフォームでは、異なるドメインコントローラハードウェアをサポートする必要があり、異なる機能ドメインコントローラに対して、安定性及びリアルタイム性の要求が異なるため、選択されるオペレーティングシステムが異なる可能性がある。例えば、ボディードメインコントローラについて、オペレーティングシステムのリアルタイム性に対する要求が高くなく、コストの考慮に基づいて、Linux(登録商標)オペレーティングシステムを選択する可能性があるが、パワードメインコントローラについて、安定性及びリアルタイム性のいずれに対する要求が高く、QNXオペレーティングシステムを選択する可能性がある。
【0054】
本開示の実施例は、具体的なオペレーティングシステムを限定せず、実際の状況に応じて柔軟に設定することができる。
【0055】
オペレーティングシステム及びドライバ層の上にあるのは、プラットフォームサービス層であり、オペレーティングシステムの実行中に生成されたデータの伝送及び管理、例えば記憶、転送などを実現することに用いることができる。プラットフォームサービス層の上にあるのは、アプリケーション層であり、車両上位層のサービスプログラム及びアプリケーションプログラムをロードして、車両の異なる機能、例えば、空調制御、ライト制御、パワー制御、ドア制御、メーター表示及び様々なユーザ向けのサービスなどを実現する。
【0056】
理解できるように、本開示の実施例に係るドメインコントローラ開発プラットフォームでは、開発された、異なるロジックモジュールを含む車両開発プラットフォームをドメインコントローラ上で実行することにより、全てのロジックモジュールを統合した後、ドメインコントローラの開発及びアプリケーションにプラットフォームを提供する。このように、異なる機能のドメインコントローラを独立開発し、異なる機能を実現して完全な機能の車両制御システムを構築できる。ドメインコントローラの間での大量のデータのリアルタイムな伝送を実現し、ユーザ及び車両の安全を保証する。
【0057】
好ましくは、いくつかの実施形態では、当該プラットフォームサービス層は、データバスモジュール、データ機能モジュール及びオペレーティングシステムインタフェースモジュールを含んでもよい。当該データバスモジュールは、ドメインコントローラの間又はドメインコントローラの内部でデータを伝送して共有する。当該データ機能モジュールは、データを記憶して更新する。当該オペレーティングシステムインタフェースモジュールは、上位層のサービス及びアプリケーションを処理してオペレーティングシステム及びドライバの機能を呼び出す。
【0058】
例えば、図4及び図6に示すように、当該プラットフォームサービス層は、データバスと、複数の処理モジュールを含むデータ機能モジュールと、オペレーティングシステムインタフェースモジュールとの3つの部分を含んでもよい。第1部分としてのデータバスモジュールは、主にドメインコントローラ間又はドメインコントローラ内部のデータ伝送及び共有を担当する。第2部分としての各データ機能モジュールは、それぞれ対応するデータ処理機能を実現する。例えば、信号収集サービスは、センサ信号の収集を担当し、データ永続化管理は、アプリケーションプログラムの状態又は設定データの記憶などを担当する。第3部分としてのオペレーティングシステムインタフェースモジュールは、主に上位層のサービス及びアプリケーションを処理してオペレーティングシステム及びドライバの機能を呼び出す。
【0059】
図4に示すように、データ機能モジュールは、具体的には、時間同期ユニット、サービス管理ユニット、データ永続化ユニット、ログ及びトレースユニット、データ更新ユニット、診断サービスユニット、ネットワーク管理ユニット、セキュリティ管理ユニット、起動管理ユニット、信号収集サービスユニット、アクチュエータ制御サービスユニット、構成管理ユニット、通信プロトコルスタックユニット、Restインタフェースユニット及び/又はドメイン制御状態管理ユニットなどを含んでもよい。
【0060】
理解できるように、上記データ機能モジュールにおけるデータ処理ユニットの設定は、例示的な説明に過ぎず、具体的なものを実際の状況に応じて柔軟に設定することができ、本開示はこれを限定しない。
【0061】
当該データバスは、具体的には、DPC、CPC及びIPCを含んでもよい。
【0062】
好ましくは、本開示の実施例では、異なる機能があるドメインコントローラに対して、安定性及びリアルタイム性の要求が異なるため、選択されるオペレーティングシステムが異なる。開発されたプラットフォームの移植性を保証するために、図5に示すように、プラットフォームサービス層の最下層にオペレーティングシステムインタフェース層を保留する必要がある。
【0063】
好ましくは、いくつかの実施例では、当該オペレーティングシステム及びドライバ層におけるオペレーティングシステムは、Linux(登録商標)オペレーティングシステム又はQNXオペレーティングシステムを含んでもよく、各オペレーティングシステムが1つのオペレーティングシステムインタフェースに対応する。例えば、図5に示すように、いくつかの実施例では、オペレーティングシステムインタフェースは、ポータブルオペレーティングシステムインタフェース(POSIX)であってもよい。
【0064】
他の実施例では、各ハードウェアの接続を実現するために、各オペレーティングシステムの最下層に最下層ハードウェアのインタフェースが配置される。
【0065】
図6に示すように、本開示のいくつかの実施例におけるアプリケーション層は、アプリケーションサービス層及びアプリケーションプログラム層を含む。
【0066】
ここで、最下層は、車両システムサービス、信号発信サービス、信号解析サービス、空調制御サービス、窓制御サービス、ドア制御サービス及び身分認証サービスなどのアプリケーションサービス層である。
【0067】
当該車両システムサービスは、外部に車両状態信号、例えばパワーシフト通知、シフト状態、位置、速度、加速度、電気量、油量、航続距離などの車両状態信号を提供することができる。当該信号発信サービスは、例えばライト信号、空調オン/オフ信号などの信号を外部に送信することができる。信号解析サービスは、データバスから信号生データを読み取り、具体的なプロトコルに基づいて具体的な信号値に解析することができる。当該空調制御サービスは、空調オン/オフ、風量の設定、温度設定などの空調制御に関連する機能を提供することができ、当該身分認証サービスは、操作者の身分に対して合法的認証を行うことができる。
【0068】
上位層は、アプリケーションプログラムである。具体的なアプリケーションロジックに従って、アプリケーションプログラムは、メーターアプリケーション、空調アプリケーション、ライトアプリケーション、遠隔制御運転、遠隔呼び出し、クラウドサービスなどのアプリケーションとして開発することができる。上位層アプリケーションは、下位層のアプリケーションサービスを自由に呼び出すことができる。例えば、メーターアプリケーションプログラムは、車両状態サービスを呼び出して、車両の情報を取得し、アプリケーションロジックに基づいて、メーターインタフェースをリフレッシュすることができる。また、外部に信号を送信しようとする場合、信号発信サービスを呼び出して、信号の外部送信を実現することができる。クラウドサービスは、制御サービスを呼び出して、空調のオン、窓のロック解除、シートの加熱通風などを実現することもできる。
【0069】
理解できるように、上記実施例の車両開発プラットフォームには設けられた、相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォームサービス層、インタフェース層、アプリケーションサービス層、及びアプリケーションプログラム層は、プラットフォームの実際の適用中に、センサによって収集された車両データのような最下層のハードウェアによって収集されたデータを、オペレーティングシステムのインタフェースを介してプラットフォームサービス層に伝送し、プラットフォームサービス層でログを更新するなどの対応する処理をさらに行い、上位層の異なるアプリケーションサービス層及びアプリケーションプログラム層にさらに伝送して、データ共有と、車両動力システム、空調又はドアなどの部品の制御のような適用とを実現する。
【0070】
したがって、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームでは、ドメインコントローラのロジックアーキテクチャに基づいて、センサ、アクチュエータ及びコントローラを柔軟に配置(デカップリング)できる。センサデータ収集、アクチュエータ制御及びコントローラ機能を緊密にカップリングしないでデータのトランスペアレント共有を確保し、データソースが広く、データ量が大きく、ドメインコントローラ間及びドメインコントローラの内部チップ間のデータのトランスペアレント共有をサポートする必要がある。また、開放性を持たせ、協調開発して、各機能を異なる開発チーム、サプライヤーなどに配布して独立開発し、シームレスに統合することができる。異なるハードウェアプラットフォームをサポートし、ハードウェアプラットフォームが変更又はアップグレードされる場合、各機能ソフトウェアモジュールを修正する必要がない。リアルタイム性の高いアプリケーション、例えば遠隔制御運転アプリケーションなどに迅速に応答することができる。消費電力管理を行って、スリープ及びウェイクアップ機能を実現し、車両の消費電力を制御し、ドメインコントローラの間でクロックを一致させ、同期を保つ。車両ドメインコントローラにはイーサネット(登録商標)が設けられることにより、ネットワークセキュリティを備え、ハッキングを予防する。
【0071】
一方では、本開示の実施例に係るドメインコントローラに上記実施例のドメインコントローラ開発プラットフォームがインストールされることにより、当該開発プラットフォームがインストールされた後、異なるユーザは、実現したい具体的な機能に応じて、ドメインコントローラに対して対応する独立開発を行うことができる。
【0072】
一方では、本開示の実施例に係る車両制御システムは、少なくとも上記実施例におけるプレコントローラを含む。
【0073】
例えば、いくつかの実施例では、図1に示すように、当該車両制御システムは、少なくとも1つのドメインコントローラを含んでもよい。
【0074】
当該車両制御システムは、ゲートウェイと、普通車載コントローラと、コントローラを接続するための、CANネットワーク及び/又はイーサネットなどのネットワークシステムとをさらに含んでもよい。
【0075】
理解できるように、当該ドメインコントローラは、開発プラットフォーム、即ちドメインコントローラのオペレーティングシステムにロードされた後、当該オペレーティングシステムに基づいて、異なるサプライヤー及び開発チームは、このプラットフォームでドメインコントローラのアプリケーションを開発することにより、異なる機能を実現することができる。即ち、車両の各機能を異なる開発チーム及びサプライヤーなどに配布して独立開発し、さらにシームレスに統合して、車両制御システムの構築を完了することができる。
【0076】
理解できるように、車両制御システムの構築を完了すると、センサ、アクチュエータ及びコントローラを柔軟に配置(デカップリング)し、センサデータ収集、アクチュエータ制御及びコントローラ機能を緊密にカップリングしないで、データソースが広く、データ量が大きく、ドメインコントローラ間及びドメインコントローラの内部チップ間のデータのトランスペアレント共有をサポートする。
【0077】
一方では、本開示の実施例に係る車両には、上記実施例に係る車両制御システムが実行される。
【0078】
例えば、地下鉄又は軽便鉄道などの鉄道車両には、上記実施例に係る車両制御システムが実行され、当該車両制御システムは、上記実施例に係るドメインコントローラを少なくとも1つ含み、当該ドメインコントローラに上記実施例に係る開発プラットフォームが構築される。
【0079】
本開示の実施例に係るドメインコントローラは、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、当該ドメインコントローラには、上記実施例に記載のドメインコントローラ開発プラットフォームがインストールされる。
【0080】
以下、図7は、本開示の実施例に係るドメインコントローラのコンピュータ電子機器の構造概略図である。
【0081】
図7に示すように、コンピュータ電子機器500は、中央処理ユニット(CPU)501を含む。当該中央処理ユニット501は、読み取り専用メモリ(ROM)502に記憶されたプログラム又は記憶部分502からランダムアクセスメモリ(RAM)503にロードされたプログラムに基づいて各種の適切な動作及び処理を実行することができる。RAM503には、電子機器500の操作に必要な各種のプログラム及びデータがさらに記憶される。CPU501、ROM502及びRAM503は、バス504を介して相互に接続される。入力/出力(I/O)インタフェース505も、バス504に接続される。
【0082】
キーボード、マウスなどを含む入力部506と、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)など及びスピーカなどを含む出力部507と、ハードディスクなどを含む記憶部508と、LANカード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部509とは、I/Oインタフェース505に接続される。通信部509は、インターネットなどのネットワークを介して通信処理を実行する。ドライバ510も必要に応じてI/Oインタフェース505に接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル媒体511は、そこから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部508にインストールされるように、必要に応じてドライバ510に取り付けられる。
【0083】
特に、本開示の実施例によれば、上記フローチャートを参照して説明したプロセスは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、コンピュータプログラム製品を含む。当該コンピュータプログラム製品は、機械可読媒体に搭載されるコンピュータプログラムを含む。当該コンピュータプログラムは、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例では、当該コンピュータプログラムは、通信部509によりネットワークからダウンロードされてインストールされ、及び/又はリムーバブル媒体511からインストールされてもよい。当該コンピュータプログラムが中央処理ユニット(CPU)501により実行される場合、本開示の電子機器に限定された上記機能が実行される。
【0084】
なお、本開示に係るコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体、コンピュータ可読記憶媒体、又は上記両者の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体の電子機器、装置又はデバイス、又はこれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上の導線を有する電気接続、ポータブルコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上記任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。本開示において、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを含むか又は記憶する任意の有形媒体であってもよく、当該プログラムは、命令実行電子機器、装置又はデバイスによって使用されるか又はそれらと組み合わせて使用されてもよい。本開示において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンド又は搬送波の一部として伝播されるデータ信号を含んでもよく、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを乗せる。このような伝播されたデータ信号は、様々な形式を用いることができ、電磁信号、光信号又は上記任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよく、当該コンピュータ可読媒体は、命令実行電子機器、装置又はデバイスによって使用されるか、それと組み合わせて使用されるプログラムを送信、伝播又は伝送することができる。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適切な媒体で伝送されてもよく、無線、電線、光ケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0085】
なお、図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施例に係る処理機器、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点について、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、1つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができる。上記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は、規定されたロジック機能を実現するための1つ以上の実行可能な命令を含む。なお、一部の代替可能な実現において、ブロック内に示された機能は、図面に示された順序とは異なる順序で実行されてもよい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、ほぼ並行して実行されてもよく、逆の順序で実行されてもよく、これは、関連する機能によって決められる。なお、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロックとブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、規定された機能又は操作を実行する、ハードウェアに基づく専用電子機器で実現されてもよく、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されてもよい。
【0086】
本開示の実施例に係るユニット又はモジュールは、ソフトウェアの形態で実現されてもよく、ハードウェアの形態で実現されてもよい。記載されたユニット又はモジュールは、プロセッサにおいて設定されてもよい。
【0087】
別の態様として、本開示に係るコンピュータ可読記憶媒体は、上記実施例に係る電子機器に含まれるものであってもよく、当該電子機器に装着されずに単独で存在するものであってもよい。上記コンピュータ可読記憶媒体には、1つ以上のプログラムが記憶されており、上記プログラムは、1つ以上のプロセッサによって本開示のドメインコントローラ開発プラットフォームに記述された各プログラムにおける対応するデータ処理を実行する。
【0088】
以上のように、本開示の実施例に係るドメインコントローラ開発プラットフォーム、ドメインコントローラ、車両制御システム及び車両は、ドメインコントローラにおいて、下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォーム層、及びアプリケーション層を含むオペレーティングシステムを開発することにより、全てのロジック層を統合した後、ドメインコントローラの開発及びアプリケーションにプラットフォームを提供する。これにより、異なる機能のドメインコントローラを独立開発し、異なる機能を実現することができ、さらに、機能が完全な車両制御システムを構築して、車両システムの実行中に、大量のデータのドメインコントローラ間でのリアルタイムな伝送を実現し、ユーザ及び車両の安全を保証し、制御システムが実際のニーズに応じて遠隔で呼び出すことができる。
【0089】
以上の説明は、本開示の好ましい実施例及び適用される技術原理の説明に過ぎない。当業者であれば、本開示に係る公開の範囲は、上記技術的特徴の特定の組み合わせからなる技術手段に限定されるものではなく、同時に上記開示の主旨から逸脱しない範囲で上記技術的特徴又はその等価な特徴によって任意に組み合わせて形成される他の技術手段を含むことが理解されるべきである。例えば、上記特徴は、本開示において開示されている(これらに限定されない)同様の機能を有する技術的特徴と相互に置換されて形成された技術手段である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両コントローラ上で実行される車両開発プラットフォームであって、
下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、オペレーティングシステム及びドライバ層、プラットフォームサービス層、及びアプリケーション層を含み、
前記ハードウェア層は、ソフトウェアリソースのキャリアとしてリソースプールを形成し、
前記オペレーティングシステム及びドライバ層は、前記ハードウェア層上で実行され、前記プラットフォームサービス層に実行条件を提供し、
前記プラットフォームサービス層は、前記オペレーティングシステム上で実行され、車両内のデータを伝送して管理し、
アプリケーション層は、車両上位層のサービスプログラム及びアプリケーションプログラムをロードすることを特徴とする車両開発プラットフォーム。
【請求項2】
前記プラットフォームサービス層は、データバスモジュール、データ機能モジュール及びオペレーティングシステムインタフェースモジュールを含み、
前記データバスモジュールは、車両上のドメインコントローラ間又はドメインコントローラ内部のデータ伝送及び共有に用いられ、
前記データ機能モジュールは、データを記憶して更新し、
前記オペレーティングシステムインタフェースモジュールは、上位層のサービス及びアプリケーションを処理してオペレーティングシステム及びドライバを呼び出すことを特徴とする請求項1に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項3】
前記オペレーティングシステム及びドライバ層におけるオペレーティングシステムは、Linux(登録商標)オペレーティングシステム及びQNXオペレーティングシステムを含み、
各前記オペレーティングシステムが1つのPOSIXオペレーティングシステムインタフェースに対応することを特徴とする請求項1に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項4】
各前記オペレーティングシステムの最下層に最下層ハードウェアインタフェースが配置されることを特徴とする請求項3に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項5】
前記データ機能モジュールは、時間同期ユニット、サービス管理ユニット、データ永続化ユニット、ログ及びトレースユニット、データ更新ユニット、アクチュエータ制御サービスユニット、ネットワーク管理、セキュリティ管理、信号収集サービスユニット及び/又は診断サービスユニットを含むことを特徴とする請求項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項6】
前記アプリケーション層は、アプリケーションサービス層及びアプリケーションプログラム層を含むことを特徴とする請求項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項7】
前記アプリケーションサービス層は、車両状態サービスモジュール、信号発信サービスモジュール、信号解析サービスモジュール、空調制御サービスモジュール、窓制御サービスモジュール、ドア制御サービスモジュール及び/又は身分認証サービスモジュールを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項8】
前記アプリケーションプログラム層は、メーターアプリケーションモジュール、空調プリケーションモジュール、ライト制御アプリケーションモジュール、ドア制御アプリケーションモジュール、窓制御アプリケーションモジュール、遠隔制御運転アプリケーションモジュール及び/又はクラウドサービスアプリケーションモジュールを含むことを特徴とする請求項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項9】
サービス指向アーキテクチャに基づいて開発されることを特徴とする請求項に記載の車両開発プラットフォーム。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、請求項1~9のいずれか一項に記載の車両開発プラットフォームがインストールされることを特徴とするドメインコントローラ。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項10に記載のドメインコントローラを含むことを特徴とする車両制御システム。
【請求項12】
請求項11に記載の車両制御システムがインストールされることを特徴とする車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
図4は、本開示の実施例に係る車両開発プラットフォームのソフトウェアアーキテクチャの概略図である。図4に示すように、当該車両開発プラットフォームは、車両のドメインコントローラ上で実行され、当該車両開発プラットフォームは、下から上へ相互に接続されて相互に通信するハードウェア層、インタフェース層、プラットフォームサービス層、及びアプリケーション層を含む。
【国際調査報告】