(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】二次アルミ灰の処理装置及び処理方法
(51)【国際特許分類】
B09B 3/70 20220101AFI20241219BHJP
【FI】
B09B3/70 ZAB
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518462
(86)(22)【出願日】2023-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2023111166
(87)【国際公開番号】W WO2024113940
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202211505167.4
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524107414
【氏名又は名称】中▲るい▼鄭州有色金属研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHENGZHOU NON-FERROUS METALS RESEARCH INSTITUTE CO., LTD. OF CHALCO
【住所又は居所原語表記】No. 82 Jiyuan Road, Shangjie District, Zhengzhou, Henan 450041, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】康 澤双
(72)【発明者】
【氏名】劉 中凱
(72)【発明者】
【氏名】田 野
(72)【発明者】
【氏名】李 花霞
(72)【発明者】
【氏名】張 永臣
(72)【発明者】
【氏名】▲いぇん▼ ▲くぉん▼
(72)【発明者】
【氏名】張 騰飛
(72)【発明者】
【氏名】炊 英鋒
(72)【発明者】
【氏名】許 ▲がん▼正
(72)【発明者】
【氏名】張 延利
(72)【発明者】
【氏名】孫 鳳娟
(72)【発明者】
【氏名】範 澤坤
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA44
4D004AB05
4D004AC05
4D004CA34
4D004CB04
4D004CB31
4D004CC11
(57)【要約】
本開示は、順次に連通される貯蔵タンク、昇温反応手段、及び保温反応手段を含み、貯蔵タンクにはアルミ灰を供給するための供給口が設置され、昇温反応手段は、それぞれが第1級昇温反応タンク、第2級昇温反応タンク……第n級昇温反応タンクである互いに直列接続されるn個の昇温反応タンクを含み、互いに直列接続されるn個の昇温反応タンクには、いずれも気体を排出するための第一排気口が設置され、保温反応手段は、それぞれが第1級保温反応タンク、第2級保温反応タンク……第m級保温反応タンクである互いに直列接続されるm個の保温反応タンクを含み、互いに直列接続されるm個の保温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第二排気口が設置される二次アルミ灰の処理装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次に連通される貯蔵タンク、昇温反応手段及び保温反応手段を含み、
前記貯蔵タンクには、アルミ灰を供給するための供給口が設置され、
前記昇温反応手段は、それぞれが第1級昇温反応タンク、第2級昇温反応タンク……第n級昇温反応タンクである互いに直列接続されているn個の昇温反応タンクを含み、前記互いに直列接続されているn個の昇温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第一排気口が設置されており、
前記保温反応手段は、それぞれが第1級保温反応タンク、第2級保温反応タンク……第m級保温反応タンクである互いに直列接続されているm個の保温反応タンクを含み、前記互いに直列接続されているm個の保温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第二排気口が設置されている、ことを特徴とする二次アルミ灰の処理装置。
【請求項2】
前記nは、0.45+58×X-260×X
2という式で算出された結果を四捨五入にした整数であり、
X=A+B、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl
4C
3が二次アルミ灰に占める質量比である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次アルミ灰の処理装置。
【請求項3】
前記mは、22×Z+1.2という式で算出された結果を四捨五入にした整数であり、
Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次アルミ灰の処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の二次アルミ灰の処理装置を提供すること、
二次アルミ灰と水を前記供給口から前記貯蔵タンクに供給し、前記貯蔵タンクに第一スラリーを形成すること、
前記第一スラリーを第1級昇温反応タンクに案内しながら、前記1級昇温反応タンク内に、単体AlとAl
4C
3の加水分解を促進する一方、AlNの加水分解を抑制するための安定剤を供給して、第二スラリーを形成すること、
第二スラリーが第1級昇温反応タンクより第n級昇温反応タンクに流れるようにし、第n級昇温反応タンクに第三スラリーを形成し、第1級昇温反応タンクから第n級昇温反応タンク内に反応して発生した気体を収集すること、
第三スラリーを第1級保温反応タンクに案内しながら、第1級保温反応タンクに、AlNの加水分解活性を高めるための活性化剤を供給して、第四スラリーを形成すること、
第四スラリーが第1級保温反応タンクより第n級保温反応タンクに流れるようにし、前記第n級保温反応タンクに、固体粒子の粒度を増加しながら塩類物質の析出を促進するための脱塩剤を供給し、脱塩剤と第四スラリーを混合して反応することにより第五スラリーを形成し、第1級保温反応タンク乃至n級保温反応タンク内に反応して発生した気体を収集すること、及び、
前記第五スラリーをろ過してろ過液を取得して、前記ろ過液を濃縮して結晶を行うこと、ことを含む、ことを特徴とする二次アルミ灰の処理方法。
【請求項5】
前記貯蔵タンクに素材を供給してから前記第五スラリーを形成する二次アルミ灰の時間は、30min~600minである、ことを特徴とする請求項4に記載の二次アルミ灰の処理方法。
【請求項6】
X=A+Bになり、
Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl
4C
3が二次アルミ灰に占める質量比であり、X≦10%である、ことを特徴とする請求項4に記載の二次アルミ灰の処理方法。
【請求項7】
前記貯蔵タンクにおける温度は、10℃~30℃に制御される、ことを特徴とする請求項4に記載の二次アルミ灰の処理方法。
【請求項8】
前記第1級昇温反応タンクよりn級昇温反応タンクまでの温度が段々に昇温し、第1級昇温反応タンクの温度が10℃~30℃であり、第n級昇温反応タンクの温度が40℃~60℃であり、及び/又は、
全ての前記保温反応タンクの温度が90℃~100℃である、ことを特徴とする請求項4に記載の二次アルミ灰の処理方法。
【請求項9】
前記安定剤は、リン酸二水素カルシウム、ヒドロキシリン酸カルシウム、クエン酸第二鉄アンモニウム、アルギン酸ナトリウムのうちの少なくとも一つを含み、及び/又は、
前記活性化剤は、鉄鋼スラグ粉末、乾式脱硫灰、変性ベントナイト、ハイドロキシアパタイトのうちの少なくとも一つを含み、及び/又は、
前記脱塩剤包括ポリケイ酸アルミニウム硫酸鉄、フライアッシュ、脱硫石膏のうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の二次アルミ灰の処理方法。
【請求項10】
前記安定剤の添加量は、二次アルミ灰質量の0.5%~1.5%であり、及び/又は、
前記活性化剤の添加量は、二次アルミ灰質量の0.5%~2%であり、及び/又は、
前記脱塩剤の前記安定剤の添加量は、二次アルミ灰質量の0.5%~1.5%である、ことを特徴とする請求項9に記載の二次アルミ灰の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互引用>
本願は、2022年11月28日付にて出願され、出願番号が202211505167.4になる中国特許出願に基づいて優先権を主張しており、これの全内容を本明細書において参考として援用されたものである。
【背景技術】
【0002】
本開示は、アルミニウムの産業分野に関し、特に、二次アルミ灰の処理装置及び処理方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、アルミニウムに対する消費量が高まっているにつれ、アルミニウム材の加工の産出も段々に上がっていく。エネルギーの不足及び環境保護からの圧力により、バージンアルミニウムを高いエネルギーの消費で生産する産出に制約や制限が与えられてしまい、そして、アルミニウムスクラップを再生させる業界は、アップグレードや展開が行われつつあることにより、アルミ灰の産出量が次第に増えている。アルミ灰は、アルミニウムの産業において生産を行う際に発生する固体危険・廃棄物であり、アルミ灰における金属アルミニウム含有量によって、一次アルミ灰と二次アルミ灰に分けられる。溶鉱炉に排出されるアルミ灰は、「一次アルミ灰」、それとも、「白アルミ灰」とも呼ばれる。二次アルミ灰は、一次アルミ灰から、金属アルミニウムを取り出してから発生するアルミ灰である。二次アルミ灰においては、アルミニウムを主に含む物質がAl2O3、AlN、Al、MgAl2O4、Al4C3などであり、主な塩化物塩の物質がNaCl、KCl等であり、フッ素含有物質がCaF2、Na3AlF6等であり、若干のSiO2、Fe2O3等の酸化物をさらに含む。二次アルミ灰は、AlN、単体Alやフッ化物などを含むことから、反応性を有し、毒性を浸出し、2021年に「国家危険・廃棄物名簿(2021年版)」にも記入され、危険・廃棄の基準に従って利用や取り扱いをしなければならない。
【0004】
従来の二次アルミ灰処理方法は、主に、単一の間欠式反応システムに依存して、二次アルミ灰を「単一の間欠式反応」させるという処理の問題を解決し、つまり、二次アルミ灰を同一の反応空間に間欠反応させることになる。二次アルミ灰は、単一の間欠式反応処理をすると、異なる反応の段階において二次アルミ灰における活性成分が主にAlN、単体Al及びAl4C3になり、AlN、単体 Al及びAl4C3についてそれぞれの反応程度や反応速度も異なることから、二次アルミ灰に反応をさせている際に、異なる段階に気体発生速度と気体算出量も異なり、気体発生の反動が大きく、反応速度も制御され難い。つまり、二次アルミ灰の反応が進んでいるにつれ、反応システムにおける状態の変化も激しく、制御が難しい。故に、単一の間欠式反応は、稼働を安定に行うことが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の内容を用いた一つ又は複数の実施形態は、単一の間欠式反応が安定に稼働し難しいという技術問題を解決することができる。
【0006】
本開示による第一局面によると、順次に連通される貯蔵タンク、昇温反応手段及び保温反応手段を含み、前記貯蔵タンクにはアルミ灰を供給するための供給口が設置され、昇温反応手段は、それぞれが第1級昇温反応タンク、第2級昇温反応タンク……第n級昇温反応タンクである互いに直列接続されるn個の昇温反応タンクを含み、前記互いに直列接続されるn個の昇温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第一排気口が設置されており、保温反応手段は、それぞれが第1級保温反応タンク、第2級保温反応タンク……第m級保温反応タンクである互いに直列接続されるm個の保温反応タンクを含み、前記互いに直列接続されるm個の保温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第二排気口が設置されている、二次アルミ灰の処理装置を提供する。
【0007】
本開示による第二局面によると、二次アルミ灰の処理方法を提供する。前記二次アルミ灰の処理方法は、第一局面における実施例の何れか一つに記載の二次アルミ灰の処理装置を提供するステップと、二次アルミ灰と水を前記供給口から前記貯蔵タンクに供給し、前記貯蔵タンクに第一スラリーに形成するステップと、前記スラリーを第1級昇温反応タンクに案内しながら、前記1級昇温反応タンクに単体AlとAl4C3加水分解するように促進する一方AlNが加水分解するように抑制するための安定剤を供給し、第二スラリーを形成するステップと、第二スラリーが第1級昇温反応タンクより第n級昇温反応タンクに流れるようにし、第n級昇温反応タンクに第三スラリーを形成し、第1級昇温反応タンクから第n級昇温反応タンクに反応して発生した気体ステップを収集するステップと、第三スラリーを第1級保温反応タンクに案内しながら、第1級保温反応タンクに、AlNの加水分解活性を高めるための活性化剤を供給し、第四スラリーを形成するステップと、第四スラリーが第1級保温反応タンクより第n級保温反応タンクに流れるようにし、前記n級保温反応タンクに、固体粒子の粒度を増加しながら塩類物質の析出を促進するための脱塩剤を供給するステップと、脱塩剤と第四スラリーを混合して反応することにより第五スラリーを形成し、第1級保温反応タンク乃至第n級保温反応タンク内に反応して発生した気体を収集するステップと、前記第五スラリーをろ過してろ過液を取得して、前記ろ過液を濃縮して結晶を行うステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ここでの図面は、明細書に取り込んで明細書の一部を構成し、本開示に合致する実施例を示し、明細書と共に、本開示の趣旨を解釈するためのものである。
【0009】
本開示の実施例又は従来技術における技術手段を一層明確に説明するためには、以下、実施例又は従来技術に記載されることに必要な図面を簡単に紹介するが、明らかなことは、当業者にとって、進歩性に値する労働がない限り、これらの図面に基づいて他の図面を取得することも可能である。
【0010】
【
図1】本開示における幾つかのイ実施例による二次アルミ灰の処理装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施例の目的、技術手段及び利点を一層明確にするためには、以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術手段を明確かつ完全的に説明する。明らかなことは、記載される実施例が本開示の実施例の一部に過ぎず、実施例の全てでない。本開示における実施例に基づいて、当業者にとって進歩性を付けない労働が無い限りなされる他の実施例の全てが、いずれも、本開示の保護しようとする範囲に属される。
【0012】
特別な説明がない限り、本明細書に使用される用語は、当業において一般的に使用される意味と理解されるべきである。従って、他の定義が無い限り、本明細書に使用される技術や科学技術の用語の全ては、当業者にとって一般的な理解と同じな意味を備える。矛盾が存在する場合は、本明細書のほうが優先になる。
【0013】
特別な説明が無い限り、本開示に用いられる各原材料、試薬、機器又はディバイスなどは、市販により得又は従来方法により製造して得られるものである。
【0014】
従来の二次アルミ灰の処理装置及び方法は、単一の間欠式反応により稼働を安定に行うことが難しい技術問題が存在している。本開示の実施例が提供する技術手段は、上記の技術問題について全体的な発想が以下の通りである。
【0015】
第一局面は、
図1を参照する。本開示の実施例が提供する二次アルミ灰の処理装置は、順次に連通される貯蔵タンク、昇温反応手段及び保温反応手段を含む。貯蔵タンクには、二次アルミ灰を供給するための供給口が設置される。昇温反応手段は、それぞれが第1級昇温反応タンク、第2級昇温反応タンク……第n級昇温反応タンクである互いに直列接続されるn個の昇温反応タンクを含む。互いに直列接続されるn個の昇温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第一排気口が設置される。保温反応手段は、それぞれが第1級保温反応タンク、第2級保温反応タンク……第m級保温反応タンクである互いに直列接続されるm個の保温反応タンクを含む。互いに直列接続されるm個の保温反応タンクには、いずれも、気体を排出するための第二排気口が設置される。
【0016】
貯蔵タンクは、原材料を配合するためのものであり、原材料を配合する過程は、二次アルミ灰と水を均一に混合する。貯蔵タンクには、二次アルミ灰と水を均一に混合するための装置が設置される。この装置は、本分野に良く見られる装置であり、例えば、ミキシングパドルやミキシングスクリュー等であってもよい。
【0017】
二次アルミ灰と水との反応が進んでいるにつれ、反応システムの状態が常に変化していく。n個だけの昇温反応タンクとm個だけの保温反応タンクを設置することにより、反応段階が異なる反応システムを異なるタンク体に制御することができる。
【0018】
異なる反応段階において、二次アルミ灰の活性成分が主に、AlN、単体Al及びAl4C3であり、AlN、単体Al及びAl4C3の反応程度と反応速度も異なる。そのうち、単体Al及びAl4C3は、反応活性が比較的高く、主に、昇温反応手段において反応がされ、水素や炭化水素類などを含んだ可燃気体が発生する。AlNは、主に、保温反応手段に反応がされ、アンモニアが主に発生する。
【0019】
本開示は、互いに直列接続される複数の昇温反応タンクと互いに直列接続される複数の保温反応タンクを設置することにより、反応段階が異なる反応システムが異なるタンク体において反応を行うことが可能になり、反応の進捗が容易に制御される。単体AlとAl4C3が主に昇温反応手段内に反応を行い、AlNが主に保温反応手段内に反応を行うことにより、それぞれ発生した可燃気とアンモニアとを容易に収集することができる。しかも、本開示に係る二次アルミ灰の処理装置は、その構成が簡単であり、大規模化にして実施され易い。
【0020】
本開示における幾つかの実施例では、nが0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にして取得した整数を採用する。そのうち、X=A+B、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比である。
【0021】
上記式を取得する過程が以下の通りである。単体Al、Al4C3及びAlN含有量が異なる二次アルミ灰については、互いに直列接続される反応タンクを用いて連続的に反応試験を行い、二次アルミ灰が加水分解の反応を行った複数の規律的なデータを取得し、各データにおけるXが同じであり、変数がnである。反応の進捗を監視することにより、AlとAl4C3との十分な反応に役立つと共にAlNの反応を抑制するn値を見つける。異なるデータにおいて、Xの値が異なることから、一連のXとAlとAl4C3の十分な反応に役立つn値を取得することができる。観察によると、nとXとの線性関係が比較的悪く、Xが増えるにつれ、nの上昇する傾向が先に急速で増えてから徐々に増えるものになると分かる。従って、二次方程式により曲線をあてはめると、当てはめた結果が比較的良い。従って、Xと昇温反応タンクの個数nとの関係は、二次方程式に合致し、数値のシミュレーションにより上記式を算出して取得する。
【0022】
本開示における幾つかの実施例では、mが22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にして取得した整数であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0023】
上記式を取得する過程は、以下の通りである。単体Al、Al4C3及びAlN含有量が異なる二次アルミ灰については、連続的反応タンクを用いて連続的に反応試験を行い、二次アルミ灰が加水分解の反応を行った複数の規律的なデータを取得し、各データにおけるZが同じであり、変数がmである。反応の進捗を監視することにより、AlNが十分に加水分解したm値を見つける。異なるデータにおいて、Zの値が異なることから、一連のZとAlNが十分に加水分解することに役立つm値を取得することができる。観察によると、mとZとの線性関係が比較的良い。従って、一次方程式により当てはめるを行い、当てはめた結果が比較的良い。従って、本開示においてAlNがアルミ灰に占める質量比Zと保温反応タンク体の個数mとの関係が一次方程式に合致し、Zが増えるにつれ、mが線性に増える傾向になる。従って、数値のシミュレーションにより上記式を算出して取得する。
【0024】
第二の局面によると、本開示の実施例が二次アルミ灰の処理方法を提供する。前記二次アルミ灰の処理方法は、以下のステップを含む。
ステップS1は、第一局面における実施例のいずれかの一つに記載の二次アルミ灰の処理装置を提供する。
ステップS2は、二次アルミ灰と水を供給口から貯蔵タンクに供給し、貯蔵タンクに第一スラリーを形成する。
ステップS3は、第一スラリーを第1級昇温反応タンクに案内しながら、第1級昇温反応タンク内に、単体AlとAl4C3との加水分解を促進する一方AlNの加水分解を抑制するための安定剤を供給して、第二スラリーを形成する。
ステップS4は、第二スラリーが第1級昇温反応タンクより第n級昇温反応タンクに流れるようにし、第n級昇温反応タンクに第三スラリーを形成し、第1級昇温反応タンク乃至第n級昇温反応タンク内に反応して発生した気体を収集する。
ステップS5は、第三スラリーを第1級保温反応タンクに案内しながら、第1級保温反応タンクに、AlNの加水分解活性を高めるための活性化剤を供給して、第四スラリーを形成する。
ステップS6は、第四スラリーが第1級保温反応タンクより第n級保温反応タンクに流れるようにし、第n級保温反応タンクに固体粒子の粒度を増加しながら塩類物質の析出を促進するための脱塩剤を供給し、脱塩剤と第四スラリーを混合して反応することにより第五スラリーを形成し、第1級保温反応タンク乃至第n級保温反応タンク内に反応して発生した気体を収集し、第五スラリーをろ過してろ過液を取得して、ろ過液を濃縮して結晶行う。
【0025】
当業者にとって理解可能なことは、反応を行う過程において液相が常にスラリーという態様で存在しており、本分野によく見られる一般的方法により体系的スラリーに動力をかけてスラリーを貯蔵タンクから次第に第n級保温反応タンクに案内する。例を挙げると、スラリーに動力を提供する方法は、液体ポンプを追加して取り付け、液体ポンプによりスラリーの流れに動力を提供し、又は、貯蔵タンク、第1級昇温反応タンク乃至第n級昇温反応タンク、第1級保温反応タンク乃至第n級保温反応タンクを高いところから低いところまで設置して、重力を用いてスラリーの運動に動力を提供すると共に、調節バルブを設置してスラリーの流れを制御する。
【0026】
実際に生産を行う際に、二次アルミ灰の処理方法は、一般的に生産を連続的に行う形態が用いられ、つまり、絶え間がないように、供給口より、二次アルミ灰と水を供給すると共に第n級保温反応タンクより材料を排出するという形態が用いられる。
【0027】
本開示における幾つかの実施例において、二次アルミ灰を貯蔵タンクに供給するということから、原材料を配合して第五スラリーを形成するということまでの時間は、30min~600minである。
【0028】
素材について材料供給から材料排出までの時間を制限することにより、昇温反応タンクと保温反応タンクを含む各タンク体内にスラリーが止まる時間を制限して、スラリーが各タンク体内に制御される反応段階にそれぞれ位置するようになることができる。
【0029】
実際に生産を行う際には、さらに、温度、安定剤と活性化剤の添加量により時間を調整することもできる。
【0030】
本開示における幾つかの実施例では、ステップS2に、二次アルミ灰と水との質量比が1:(1~5)とされる。
【0031】
二次アルミ灰と水との比例を制御する目的は、第一スラリーの濃度や黏度などの性質を調節することにより、第一スラリーを次の装置に入力することが易くなるということにある。
【0032】
本開示における幾つかの実施例において、各スラリーが貯蔵タンク、各昇温反応タンク及び各保温反応タンクに占める容積は、30%~50%である。
【0033】
各スラリーの体積を、貯蔵タンク、各昇温反応タンク及び各保温反応タンクにおける容積の30%~50%に設置する目的は、各タンク内におけるスラリーの体積占比を制御することから、スラリーが反応している過程に攪拌の役割により発生する大量の気体がタンク内の液面の上がりを連れて、気体の排出に影響を与えてしまうこと、及び/又は、スラリーが第一排気口及び/又は第二排気口を塞ぐことを防ぐためである。
【0034】
本開示における幾つかの実施例では、X=A+Bとなり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、X≦10%である。
【0035】
X≦10%になるように制御される目的は、二次アルミ灰における単体AlとAl4C3の質量含有量を制御することにより、加水分解する際に大量の放熱を減らして昇温反応段階においてAlNの加水分解に与える影響を避けるためである。幾つかの実施例では、ボールミルのふるいにより分けられた二次アルミ灰における単体AlとAl4C3は、10%以下になる。本開示における幾つかの実施例では、貯蔵タンクにおいて温度を10℃~30℃に制御する。
【0036】
貯蔵タンクの温度を制御することは、貯蔵タンクにおける二次アルミ灰の反応速度を落として、貯蔵タンクにおける二次アルミ灰の反応をできるだけ減らすためである。
【0037】
貯蔵タンクの温度を制御するためには、降温装置を設置してもよい。例示としては、循環水冷却システムにより降温を行ってもよい。
【0038】
本開示における幾つかの実施例では、互いに直列接続される昇温反応タンクの温度は、第1級昇温反応タンクから第n級昇温反応タンクまで次第に高まり、そのうち第1級昇温反応タンクの温度が10℃~30℃、第n級昇温反応タンクの温度が40℃~60℃、及び/又は、保温反応タンクの全ての温度が90℃~100℃とされてもよい。
【0039】
互いに直列接続される昇温反応タンクの温度が第1級昇温反応タンクから第n級昇温反応タンクまで次第に高まることは、単体AlとAl4C3が順に加水分解するように促進することに役立つ。昇温反応タンクの温度は、低すぎる場合に単体AlとAl4C3が加水分解するように役立たなく、高すぎる場合にAlNが大量に加水分解してしまうことが招致される恐れがある。
【0040】
保温反応タンクにおいて、温度が比較的高い場合は、AlNが十分に加水分解することに役立つ。
【0041】
本開示における幾つかの実施例では、安定剤がリン酸二水素カルシウム、ヒドロキシリン酸カルシウム、クエン酸第二鉄アンモニウム、アルギン酸ナトリウムのうちの少なくとも一つを含み、及び/又は、活性化剤は、鉄鋼スラグ粉末、乾式脱硫灰、変性ベントナイト、ハイドロキシアパタイトのうちの少なくとも一つを含み、及び/又は、脱塩剤は、ポリケイ酸アルミニウム硫酸鉄、フライアッシュ、脱硫石膏のうちの少なくとも一つを含む。
【0042】
本開示における幾つかの実施例では、安定剤の添加量が二次アルミ灰の質量の0.5%~1.5%、及び/又は、活性化剤の添加量が二次アルミ灰の質量の0.5%~2%、及び/又は、脱塩剤の添加量が二次アルミ灰の質量の0.5%~1.5%である。
【0043】
安定剤は、主な役割が、アルミ灰と微粒素材を分散させ、スラリーの十分な分散を図ると共に、AlNの加水分解の反応を抑制することにより、単体AlとAl4C3が選択的に加水分解すること、及び、H2とCH4が混合した可燃性気体を安定に放出することが実現されるということにある。しかし、安定剤の添加は、添加量が少ない場合に二次アルミ灰において大量のAlNが加水分解して反応することが招致され易く、添加量が比較に大きい場合にそれからの昇温にAlNの反応が行われにくいことになりやすい。
【0044】
活性化剤は、主な役割が、AlNが加水分解して発生した水酸化アルミニウムによりゲル被覆膜が発生してしまうということを避け、水酸化アルミニウムのゲル被覆膜を破り、AlNと水が十分に接触するように促進するということにある。しかし、活性化剤は、比較的多い場合に、一次性反応が激しく、反応温度を調節して制御することができなくなり、また、多過ぎる不純物の成分が取り込まれてしまう一方、比較的少ない場合にAlNが加水分解する反応の効率に影響が与えられてしまう。
【0045】
脱塩剤は、主な役割が、二次アルミ灰が反応した後に高アルミニウム素材の粒度を高め、スラリーのろ過性能を高め、微粒子の発生を少なくして、可溶性塩をアルミ灰粒子から析出するように促進し、脱塩効率を高め、フィルターケーキの水含有率を低くするということにある。しかし、脱塩剤は、比較的多い場合に、これからの高アルミニウム素材に不純物が多過ぎることになる一方、比較的少ない場合に、スラリーのろ過性能が下がり、ろ過されたフィルターケーキの水含有率が比較的高くなり、高アルミニウム素材の塩含有量が増え、これからの高アルミニウム素材の乾燥や利用に不利益を与えてしまう。
【0046】
上記の内容に基づいて、具体的な実施例を参照しながら、本開示をさらに説明する。理解すべきことは、これらの実施例が本開示を説明するための物に過ぎず、本開示の範囲を限制するためのものでない。下記の実施例に明記されていない具体的な条件による試験は、一般的に、国家標準に従ってすればよい。対応する国家標準が無ければ、通用国際標準、通常条件又は製造者が薦める条件に従ってすればよい。
【0047】
実施例1
本開示の実施例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。二次アルミ灰を提供し、二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が13.72%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が1.25%である。0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が1である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
【0048】
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が4であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0049】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至第4級保温反応タンクを含む。
【0050】
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:1に従って二次アルミ灰と水を計量し貯蔵タンクに供給し原材料を配合して、スラリーを取得する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が50%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を30℃に制御する。次に、スラリーが第1級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにリン酸二水素カルシウムを供給する。リン酸二水素カルシウムは、供給量が二次アルミ灰質量の0.5%である。スラリーは、貯蔵タンクより第1級昇温反応タンクに入る温度が40℃と上がり、次に、順次に第1級保温反応タンク乃至第4級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至第4級保温反応タンクにおいて維持される温度が共に90℃である。また、第一級保温反応タンク(第1級保温反応タンク)にハイドロキシアパタイトを供給する。最後の保温反応タンク(第4級保温反応タンク)にフライアッシュを供給する。ハイドロキシアパタイトは、添加量が二次アルミ灰の質量の0.85%である。フライアッシュは、添加量が二次アルミ灰の質量の1%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクに原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が310minである。第1級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると、可燃気収集システムに入り、燃料として燃焼して使用される。収集された気体における水素の体積比が88.12%であり、メタンの体積比が5.28%である。第1級保温反応タンク乃至第4級保温反応タンクに発生した気体におけるアンモニアの体積比は、96.43%である。アンモニアは、冷却水吸収システムにより水酸化アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離してフィルターケーキを取得する。当該フィルターケーキは、水含有率が21.36%である。フィルターケーキを乾燥して再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材において、AlNの質量含有量が0.152%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.052%、可溶性塩の質量の含有量が0.291%である。
【0051】
実施例2
本開示の実施例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
【0052】
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が32.63%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が3.48%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が2である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
【0053】
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数は8であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0054】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンク乃至第2級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクを含む。
【0055】
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:4に従って二次アルミ灰と水を計量し貯蔵タンクに供給して原材料を配合して、スラリーを取得する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が40%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を23℃に制御する。次に、スラリーが第1級昇温反応タンク乃至2級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにクエン酸第二鉄アンモニウムを供給する。クエン酸第二鉄アンモニウムは、供給量が二次アルミ灰の質量の0.8%である。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至2級昇温反応タンクに反応した後に、温度が23℃から45℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクに維持される温度が95℃であり、最初の保温反応タンク(第1級保温反応タンク)に乾式脱硫灰を供給し、最後の保温反応タンク(第8級保温反応タンク)に脱硫石膏を供給し、乾式脱硫灰は、添加量が二次アルミ灰の質量の2.0%であり、脱硫石膏は、添加量が二次アルミ灰の質量の1.2%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクの原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が600minである。第1級昇温反応タンク乃至第2級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体における水素の体積比が85.36%であり、メタンの体積比が12.52%である。第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクに発生する気体において、アンモニアの体積比が97.15%である。アンモニアは、冷却水吸収システムにより水酸化アンモニウムを取得する。反応されたスラリーは、固液分離して分離されたフィルターケーキの水含有率が19.78%である。フィルターケーキを乾燥して再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材において、AlNの質量含有量が0.257%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.103%、可溶性塩の質量の含有量が0.225%である。
【0056】
実施例3
本実施例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
【0057】
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が27.63%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が5.94%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が3である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数は7であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0058】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンクを含む。
【0059】
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:5に従って二次アルミ灰と水を計量し貯蔵タンクに供給して、原材料を配合する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が30%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を15℃に制御する。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至3級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにヒドロキシリン酸カルシウムを供給し、ヒドロキシリン酸カルシウムは、供給量が二次アルミ灰の質量の1.2%である。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクに反応した後に、温度が15℃から55℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンクに維持される温度が92℃である。最初の保温反応タンク(第1級保温反応タンク)に変性ベントナイトを供給し、最後の保温反応タンク(第7級保温反応タンク)にフライアッシュを供給し、変性ベントナイトは、添加量が二次アルミ灰の質量の1.5%であり、フライアッシュは、添加量が二次アルミ灰の質量の0.7%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクの原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が450minである。第1級保温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体においては、水素の体積比が90.31%、メタンの体積比が4.56%である。第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンクに発生する気体においては、アンモニアの体積比が95.34%である。アンモニアは、希硫酸により吸収されてから硫酸アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離し、分離されたフィルターケーキの水含有率が24.59%である。フィルターケーキを乾燥して、再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材において、AlNの質量含有量が0.213%であり、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.097%、可溶性塩の質量の含有量が0.281%である。
【0060】
実施例4
本実施例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
【0061】
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が22.76%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が9.56%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が4である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が6であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0062】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至第6級保温反応タンクを含む。
【0063】
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:3に従って二次アルミ灰と水を貯蔵タンクに供給して、原材料を配合する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が35%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を18℃に制御する。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至4級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにアルギン酸ナトリウムを供給し、アルギン酸ナトリウムは、供給量が二次アルミ灰の質量の1.5%である。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクに反応した後に、温度が18℃から50℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至6級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至6級保温反応タンクに維持される温度が98℃である。最初の保温反応タンク(第1級保温反応タンク)に鉄鋼スラグ粉末を供給し、最後の保温反応タンク(第6級保温反応タンク)にポリケイ酸アルミニウム硫酸鉄を供給し、鉄鋼スラグ粉末は、添加量が二次アルミ灰の質量の1.35%であり、ポリケイ酸アルミニウム硫酸鉄は、添加量が二次アルミ灰の質量の0.5%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクに原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が480minである。第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体においては水素の体積比が84.72%、メタンの体積比が10.27%である。第1級保温反応タンク乃至第6級保温反応タンクに発生する気体においてアンモニアの体積比が98.67%である。アンモニアは、希硫酸により吸収されて硫酸アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離し、分離されたフィルターケーキの水含有率が20.41%である。フィルターケーキを乾燥して、再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材において、AlNの質量含有量が0.182%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.127%であり、可溶性塩の質量の含有量が0.245%である。
【0064】
実施例5
本実施例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が6.35%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が7.32%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が3である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が3であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0065】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至第3級保温反応タンクを含む。
【0066】
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:2に従って二次アルミ灰と水とを計量し貯蔵タンクに供給して原材料を配合する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が45%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を10℃に制御する。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至3級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにヒドロキシリン酸カルシウムを供給し、ヒドロキシリン酸カルシウムは、供給量が二次アルミ灰の質量の1.3%である。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクに反応した後に、温度が10℃から60℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至第3級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至3級保温反応タンクに維持される温度が100℃である。最初の保温反応タンク(第1級保温反応タンク)にハイドロキシアパタイトを供給し、最後の保温反応タンク(第3級保温反応タンク)にフライアッシュを供給し、ハイドロキシアパタイトは添加量が二次アルミ灰の質量の0.5%であり、フライアッシュは、添加量が二次アルミ灰の質量の1.5%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクの原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が360minである。第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体において水素の体積比が85.39%、メタンの体積比が9.63%である。第1級保温反応タンク乃至第6級保温反応タンクに発生する気体において、アンモニアの体積比が96.25%である。アンモニアは、冷却吸収システムにより水酸化アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離し、分離されたフィルターケーキの水含有率が18.67%である。フィルターケーキを乾燥して、再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材においては、AlNの質量の含有量が0.227%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.143%であり、可溶性塩の質量の含有量が0.177%である。
【0067】
対比例1
本対比例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が32.63%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が3.48%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が2である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量の含有量の総計である。
【0068】
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が8であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0069】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、二つの昇温反応タンクと八つの保温反応タンクを含む。
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:4に従って二次アルミ灰と水とを計量し貯蔵タンクに供給して原材料を配合する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が40%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を23℃に制御する。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至2級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにクエン酸第二鉄アンモニウムを供給し、クエン酸第二鉄アンモニウムは供給量が二次アルミ灰の質量の0.8%である。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至2級昇温反応タンクに反応した後に、温度が23℃から45℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクに維持される温度が95℃である。最後の保温反応タンク(第8級保温反応タンク)にのみ脱硫石膏を供給し、脱硫石膏は、添加量が二次アルミ灰の質量の1.2%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクに原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が310minである。第1級昇温反応タンク乃至第2級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体においては水素の体積比が85.79%、メタンの体積比が11.25%である。第1級保温反応タンク乃至第8級保温反応タンクに発生する気体においてアンモニアの体積比が95.63%である。アンモニアは、冷却水吸収システムにより、水酸化アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離し、分離されたフィルターケーキの水含有率が23.32%である。フィルターケーキを乾燥して、再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材においては、AlNの質量含有量が3.56%であり、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.128%であり、可溶性塩の質量含有量が0.257%である。
【0070】
対比例2
本対比例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
【0071】
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が27.63%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が5.94%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が3である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
【0072】
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が7であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0073】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至7級保温反応タンクを含む。
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:5に従って二次アルミ灰と水を計量し貯蔵タンクに供給して原材料を配合する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が30%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を15℃に制御する。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクに入り、第1級昇温反応タンクにヒドロキシリン酸カルシウムを供給し、ヒドロキシリン酸カルシウムは、供給量が二次アルミ灰の質量の1.2%である。スラリーの温度については、第1級昇温反応タンク乃至3級昇温反応タンクに反応した後に、温度が15℃から55℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンクに維持される温度が92℃である。最初の保温反応タンク(第1級保温反応タンク)にのみ変性ベントナイトを供給し、変性ベントナイトは、添加量が二次アルミ灰の質量の1.5%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクに原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が600minである。第1級昇温反応タンク乃至第3級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体において水素の体積比が89.65%、メタンの体積比が3.72%である。第1級保温反応タンク乃至第7級保温反応タンク気体に発生する気体において、アンモニアの体積比が97.43%である。アンモニアは、希硫酸により吸収され硫酸アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離し、分離されたフィルターケーキの水含有率が31.24%である、フィルターケーキを乾燥して、再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材において、AlNの質量含有量が0.231%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が0.147%、可溶性塩の質量含有量が0.744%である。
【0074】
対比例3
本対比例が提供する二次アルミ灰の処理装置と処理方法は、以下の通りである。
【0075】
二次アルミ灰を提供する。二次アルミ灰においてAlNの質量含有量が22.76%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が9.56%である。
0.45+58×X-260×X2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が4である。そのうち、X=A+Bになり、Aは、二次アルミ灰において単体Alが二次アルミ灰に占める質量比であり、Bは、二次アルミ灰においてAl4C3が二次アルミ灰に占める質量比であり、つまり、Xは、単体AlとAl4C3が二次アルミ灰に占める質量含有量の総計である。
【0076】
22×Z+1.2という式により算出した結果を四捨五入にした整数が6であり、そのうち、Zは、二次アルミ灰においてAlNが二次アルミ灰に占める質量比である。
【0077】
つまり、二次アルミ灰の処理装置は、第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクと第1級保温反応タンク乃至第6級保温反応タンクを含む。
【0078】
以下の方式により上記二次アルミ灰を処理する。
質量比例の1:3に従って二次アルミ灰と水を計量し貯蔵タンクに供給し、原材料を配合する。そのうち、スラリーは、送られる際に貯蔵タンクと各反応タンクにおける容積が35%である。スラリーは、貯蔵タンクに原材料を配合する温度を18℃に制御する。スラリーは、第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクに入る。スラリーの温度については、第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクに反応した後に、温度が18℃から50℃に昇温し、次に、第1級保温反応タンク乃至第6級保温反応タンクに入り、第1級保温反応タンク乃至6級保温反応タンクに維持される温度が98℃である。最初の保温反応タンク(第1級保温反応タンク)に鉄鋼スラグ粉末を供給し、最後の保温反応タンク(第6級保温反応タンク)にポリケイ酸アルミニウム硫酸鉄を供給し、鉄鋼スラグ粉末は、添加量が二次アルミ灰の質量の1.35%であり、ポリケイ酸アルミニウム硫酸鉄は、その添加量が二次アルミ灰の質量の0.5%である。二次アルミ灰は、貯蔵タンクの原材料を供給するから第五スラリーを形成するまでの時間が450minである。第1級昇温反応タンク乃至第4級昇温反応タンクに発生する気体は、降温を経て収集されると可燃気収集システムに入り燃料として燃焼して使用される。収集された気体において、水素の体積比が72.34%、メタンの体積比が3.12%である。第1級保温反応タンク乃至第6級保温反応タンクに発生する気体においてアンモニアの体積比が88.15%である。アンモニアは、希硫酸により吸収され、硫酸アンモニウムを製造する。反応されたスラリーは、固液分離し、分離されたフィルターケーキの水含有率が23.98%である。フィルターケーキを乾燥して、再生高アルミニウム素材を取得する。再生高アルミニウム素材において、AlNの質量含有量が0.296%であり、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が1.781%、可溶性塩の質量の含有量が0.233%である。
【0079】
関連する試験の効果とデータ
以上の実施例と対比例によると分かるように、本開示の実施例が提供した二次アルミ灰の処理装置と処理方法を採用すると、反応されたスラリーは、固液分離し、スラリーを固液分離させたフィルターケーキの水含有率<25%、再生高アルミニウム素材においてAlNの質量含有量<0.3%、単体AlとAl4C3の質量含有量の総計<0.2%、可溶性塩的質量含有量<0.1%、昇温反応タンクから収集された気体において水素とメタンとの体積比>93%、保温反応タンクから収集された気体においてアンモニアの体積比>95%になる。対比例1、2及び3について、実施例2、3、4を基礎に、活性化剤、脱塩剤及び安定剤を添加するステップを行わなかった。その処理の効果が明らかに変わった。対比例1では、活性化剤を添加しなかったので、そのフィルターケーキを乾燥して取得した再生高アルミニウム素材においてAlNの質量含有量が3.56%になり、活性化剤を供給する効果よりも遥か高い。対比例2は、脱塩剤を添加しなかったので、反応されたスラリーは、固液分離して得られたフィルターケーキの水含有率が31.24%になり、フィルターケーキを乾燥して取得した再生高アルミニウム素材において可溶性塩の質量含有量が0.744%になり、フィルターケーキは、脱水と脱塩とを問わず、それによる効果が共に比較的悪い。対比例3は、安定剤を添加しなかったので、得られた再生高アルミニウム素材において単体AlとAl4C3の質量含有量の総計が1.781%であり、その単体AlとAl4C3が加水分解する反応の効果比較的悪い。
【0080】
本開示における各実施例は、一つの範囲を有する形態として存在してもよい。理解すべきことは、便宜さと簡潔さのために、一範囲の形態による説明をしたが、本開示の範囲に対する必要な制限として理解することができない。故に、前記の範囲についての説明は、あらゆる可能なサブ範囲及び当該範囲に位置する単一の数値を既に具体的に開示したものとして理解するべきである。例えば、1乃至6の範囲についての記載は、例えば1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などのサブ範囲、及び、例えば1、2、3、4、5及び6という前記範囲に位置する単一数値を既に具体的に開示したものとして理解するべきである。範囲が一体何でも、いずれも適用され得る。また、本明細書に数値範囲を言及する度には、係る範囲における如何なる引用された数値(分数又は整数)を含むということを意味する。
【0081】
本開示では、逆に説明がない限り、「上」や「下」などの方位表現が具体的に図面に示される方向である。また、本開示の明細書の説明では、「含み」や「含まれ」などが「〇〇〇を含むがそれらの限りでない」を意味する。また、「含み」や「含まれ」などの表現又は如何なる類似語は、非排他的包含を網羅するということを目指し、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置に、それらの要素だけでなく、明確に挙げられなかった他の要素をさらに含み、または、この過程、方法、物品又は装置のために固有する要素をさらに含む。それ以上の制限がない限り、「〇〇〇を含む」というセンテンスにより限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は装置に、他の同じ要素をさらに含むことを排除することがない。本明細書では、例えば、「第一」と「第二」などの関係を示す用語が、一つの実体又は操作を他の実体又は操作から区別するということだけのためであり、これらの実体又は操作間に、このような如何なる実際関係又は順番を必ず含まなければならないということを要求又は暗示することがない。本明細書では、「及び/又は」という関連対象の関連関係を表現する用語が、三つの関係が存在してもよいと表現する。例えば、A及び/又はBは、Aだけが存在してもよいし、AとBとの両方が同時に存在してもよいし、Bだけが存在してもよいという場合を表現する。「及び/又は」により記載する三つ以上の関連対象の関連関係は、この三つの関連対象について、いずれかの一つだけが存在してもよいし、又は、そのうちの少なくとも二つが同時に存在してもよいということを表現する。例えば、A及び/又はB及び/又はCは、A、B、Cのうちのいずれか一つだけが存在してもよいし、又は、そのうちのいずれかの二つが同時に存在してもよいし、そのうちの三つが同時に存在してもよいということを表現する。本明細書では、「少なくともの一つ」が、一つ又は複数、「複数」が二つ又は二つ以上を意味する。「少なくともの一つ」、「以下、少なくともの一つ(一項)」又は他の類似する表現は、これらの項目における任意の組み合わせを指し、一項(個)又は複数の項(個)についての任意の組み合わせを含む。例えば、「a、b又はcのうちの少なくともの一項(個)」、又は、「a、b及びcのうちの少なくともの一項(個)」は、いずれも、a、b、c、a-b(つまり、aとb)、 a-c、 b-c、 又は、a-b-cを表現し、そのうち、a、b、cがそれぞれ一つであってもよいし、複数であってもよい。
【0082】
以上に記載されたのは、本開示における具体的な実施形態に過ぎず、当業者が本開示を理解又は実施可能にするようになるためのものである。これらの実施例に対する複数の変形は当業者にとって明らかなものである。本明細書に定義された一般的な原理は、本開示の趣旨や範囲を逸脱しない限り、在他の実施例にも実施され得る。従って、本開示は、本明細書に開示されたこれらの実施例に限られず、本明細書に出願された原理や新規性を付けた特徴に合致している最も幅広い範囲に該当するべきものである。
【国際調査報告】