(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置及びその光色調整方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241219BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241219BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20241219BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20241219BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20241219BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20241219BHJP
C03C 10/00 20060101ALI20241219BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241219BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20241219BHJP
【FI】
G09F9/30 310
G09F9/33
F21V9/08 200
F21V9/38
H01L33/00 L
H01L33/50
C03C10/00
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520652
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2022138841
(87)【国際公開番号】W WO2024103474
(87)【国際公開日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】202211440746.5
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524124363
【氏名又は名称】浙江長興諾万特克玻璃有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】マウリジオ モリネリ
(72)【発明者】
【氏名】沈 延安
(72)【発明者】
【氏名】周 小▲ヘイ▼
(72)【発明者】
【氏名】程 北
(72)【発明者】
【氏名】于 川
(72)【発明者】
【氏名】▲セン▼ 道軍
【テーマコード(参考)】
4G062
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
4G062AA11
4G062BB01
4G062MM12
4G062NN05
5C094AA08
5C094AA44
5C094BA23
5C094EB01
5C094ED20
5C094JA11
5F142AA23
5F142CB14
5F142DA64
5F142DA73
5F142DB40
5F142EA31
5F142GA21
5F142HA01
5F142HA05
(57)【要約】
本発明は、結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置及びその光色調整方法を提供し、光色調整技術を利用して結晶化ガラスパネルと光源とからなる発色装置を白色光に発色させ、ハードウェアにおいて、必要な装置は、光源と結晶化ガラスパネルであり、方法において、提出された光色調整技術は、結晶化ガラスパネルのフィルタ特性及び色度座標図における白色領域範囲に基づいて、光源の色度座標に影響を与える光学パラメータ(例えば、光強度、スペクトル範囲、スペクトル半値幅)を調整することにより、光源と結晶化ガラスパネルとからなる発色装置の透過光を白色光にする。該装置は、簡単な構造、安定した発光特性で、光源の光色だけを調整することにより、結晶化ガラスパネルが白色を表示できないという難題を解決することができ、結晶化ガラスパネルの発色に重要な意義を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶化ガラスパネル及び光源を含み、
前記結晶化ガラスパネルは、表示面を有し、
前記光源は、前記結晶化ガラスパネルの非表示面側に位置し、前記結晶化ガラスパネルの表示面に白色光を表示させ、
前記結晶化ガラスパネルを通過したCIE標準照明体からの透過光がCIE標準色度システムに表す色度座標領域W1は、以下の座標により特定され、
【表1】
前記光源からの光が前記結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示し、CIE白色度式と色許容差式により得られた白色色度座標領域W2は、以下の座標により特定される、ことを特徴とする結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【表2】
【請求項2】
前記結晶化ガラスパネルは、380nm~780nmの可視光スペクトル範囲において、平均透過率が7%以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【請求項3】
前記光源のスペクトルには、1~4個の固有ピークがある、ことを特徴とする請求項1に記載の白色光発色装置。
【請求項4】
前記光源からなる発光デバイスは、LEDデバイス、蛍光デバイス、量子ドットデバイスのうちの1つを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置による光色調整方法であって、
光強度と主波長スペクトル幅を含む前記光源の光学パラメータを調整して、スペクトルカバー範囲を調整することにより、前記光源から発せられた光が結晶化ガラスパネルを透過して表示された白色光を白色色度座標領域W2に位置させる、ことを特徴とする光色調整方法。
【請求項6】
該方法は、Grassman色法則における補色の法則によるものであり、
(1)光度計により測定された前記結晶化ガラスパネルの透過率関数は、φ
i(λ)であり、iは、前記結晶化ガラスパネルの番号であり、CIE標準色度システムの刺激式及び色マッチング関数を用いて、前記結晶化ガラスパネルに対応する色度領域W1を計算するステップであって、
【数1】
式中、X
i、Y
i、Z
iは、選択された結晶化ガラスパネルの三刺激値であり、X
i,Y
i,Z
iは、選択された結晶化ガラスパネルの色度座標であり、
【数2】
は、CIE1931標準色度システムにおける三刺激値関数であり、Δλは、波長ピッチであり、λは、波長であり、
結晶化ガラスパネルに対応する色度領域W1内の任意の結晶化ガラスパネルの色度座標に対して、該結晶化ガラスパネルの色度座標点を通って白色色度座標領域W2の接線を引くステップであって、該接線とスペクトル軌跡線で囲まれた領域が前記白色光発色装置の光源の光色調整範囲W3であるステップと、
(2)白色色度座標領域W2から白色色度座標点(u,v)を選択し、結晶化ガラスパネルの色度座標が(x
i,y
i)であることが分かった場合、以下の式2-1~式1-1に基づいて所望の光源の色度座標(m
i,n
i)を計算するステップであって、
【数3】
式中、
【数4】
は、それぞれ結晶化ガラスの色度-波長関数のλに関する二次導関数であり、
【数5】
は、それぞれ光源の色度-波長関数のλに関する二次導関数であり、
【数6】
は、CIE1931標準色度システムにおける色マッチング関数のλに関する一次導関数であるステップと、
(3)W3の範囲から色度座標が(m
i,n
i)である光源を選択するか、又は選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源の色度座標を(m
i,n
i)に調整し、色度座標が(x
i,y
i)である前記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して表示した該光源からの白色光を白色色度座標領域W2に位置させるか、又は前記白色色度座標が(u,v)である白色光を表示可能にするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の光色調整方法。
【請求項7】
結晶化ガラスパネルに対応する色度領域W1から任意の点を選択するか、又は該既知の結晶化ガラスパネルの色度座標(x
i,y
i)を選択し、選択された点と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から色度座標が(m
i,n
i)である光源を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源の色度座標を(m
i,n
i)に調整し、該光源からの光が色度座標が(x
i,y
i)である前記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、前記白色色度座標が(u,v)である白色光を表示面に表示可能にする、ことを特徴とする請求項6に記載の光色調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光色調整技術を用いて結晶化ガラスパネルと光源とからなる表示デバイスを白色光に発色させ、係る分野は、測光学における混色調整技術、スペクトル分析技術、及び白色表示技術を含み、係る応用分野は、コンロパネル表示、カーテンウォール表示、宇宙表示などを含むが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
現代の結晶化ガラスは、高硬度、耐食性、耐圧性、及び耐衝撃性を有し、吸水性がなく、埃がつきにくく、放射性がないなどの優れた特性により、航空宇宙、建築装飾、家具、生活家電、消費電子などの分野で広く応用されている。建築装飾や家具、生活家電に使用される結晶化ガラスパネル表示装置は、暗色又は茶色の低透明色の結晶化ガラスパネルシート(ベース)と信号灯(光源)とからなることが多い。信号灯が組み合わせられた結晶化ガラスパネルは、表示パネルとして使用されることが多く、信号灯は、表示パネルを介して装置の作動状態(オン、待機、正常、異常など)、作動時間、作動モードをユーザに知らせ、生活家具の表示装置(コンロパネル、冷凍庫など)において、一般的には小型LEDデジタルチューブが灯具として使用され、建築のカーテンウォール表示では、LEDパネル、蛍光灯、又は量子ドットパネルが灯具としてよく使用される。一般に、このような表示は、使用される結晶化ガラスパネルが可視光カットフィルタの特性を有するため、赤色光及び赤外線のみを透過することができ、ユーザの多様な表示ニーズを満たすことが困難である。
【0003】
白色は現代、最も表示しにくい色として、赤緑青三原色を等割合で混合する必要があり、結晶化ガラスパネルにとって、白色を表示することは、より困難である。従来技術及び実現においては、解決手段は、1つしかない。結晶化ガラスパネルと光源との中間にフィルタシート又はフィルタフィルムを入れて発色させ(特許CN103250004Bを参照)、該解決手段は、生産コストを増加させるだけでなく、表示装置の信頼性及び発色寿命を低下させ、より重要なことは、該解決手段が光源の光強度を犠牲にし、装置の表示効果を低下させ、発色がくすみ、光線が十分な明視野において、キーのコントラストが低く、顧客の使用に不便をもたらし、安全上のリスクをもたらすことである。
【発明の概要】
【0004】
発明の目的は、結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置及びその光色調整方法を提供することであり、上記表示デバイスを用いて、結晶化ガラスパネルを透過した光のパワーを簡単で確実な実施形態で向上させ、光学ツールの光強度及びスペクトル性能を最大限に発揮させて白色を表示させることにより、従来技術において光源と結晶化ガラスパネルとの間にフィルタシート又はフィルタフィルムなどの光学補償器を入れることにより、発色がくすみ、かつコストが高いという技術課題を解決する。
【0005】
本発明に係る技術手段は、以下のとおりである。
【0006】
結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置を提供し、該白色光発色装置は、結晶化ガラスパネル及び光源を含み、前記結晶化ガラスパネルは、表示面を有し、前記光源は、前記結晶化ガラスパネルの非表示面側に位置し、前記結晶化ガラスパネルの表示面に白色光又は色収差のある白色光を表示させ、前記結晶化ガラスパネルを通過したCIE標準照明体からの透過光がCIE標準色度システムに表す色度座標領域W1は、以下の座標により特定され、表1に示し、
【0007】
【表1】
表1 結晶化ガラスパネルの透過光が表す色度座標領域W1
【0008】
前記光源からの光が前記結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示し、CIE白色度式と色許容差式により得られた白色色度座標領域W2は、以下の座標により特定され、表2に示し、
【0009】
【表2】
表2 白色光発色装置の白色色度座標領域W2
【0010】
好ましくは、前記結晶化ガラスパネルは、380nm~780nmの可視光スペクトル範囲において、平均透過率が7%以下である。
【0011】
好ましくは、前記光源のスペクトルには、1~4個の固有ピークがあり、各固有ピークは、1つの発光体又は発光材料に対応し、各固有ピークは、スペクトルにおいて、10nm以上の半スペクトル幅がある。
【0012】
好ましくは、前記光源からなる発光デバイスは、LEDデバイス、蛍光デバイス、量子ドットデバイスのうちの1つを含む。
【0013】
本発明は、上記いずれか1項に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置による光色調整方法をさらに提供し、該方法は、光強度と主波長スペクトル幅を含む前記光源の光学パラメータを調整して、スペクトルカバー範囲を調整することにより、前記光源から発せられた光が結晶化ガラスパネルを透過して表示された白色光を白色色度座標領域W2に位置させるようにする。
【0014】
好ましくは、該方法は、Grassman色法則における補色の法則によるものであり、
(1)光度計により測定された前記結晶化ガラスパネルの透過率関数は、φi(λ)であり、iは、前記結晶化ガラスパネルの番号であり、CIE標準色度システムの刺激式及び色マッチング関数を用いて、前記結晶化ガラスパネルに対応する色度座標領域W1を計算するステップであって、
【0015】
【数1】
式中、X
i、Y
i、Z
iは、選択された結晶化ガラスパネルの三刺激値であり、X
i,Y
i,Z
iは、選択された結晶化ガラスパネルの色度座標であり、
【数2】
は、CIE1931標準色度システムにおける三刺激値関数であり、Δλは、波長ピッチであり、λは、波長であり、
結晶化ガラスパネルに対応する色度座標領域W1内の任意の結晶化ガラスパネルの色度座標に対して、該結晶化ガラスパネルの色度座標点を通って白色色度座標領域W2の接線を引くステップであって、該接線と色度座標図におけるスペクトル軌跡線との交点が、該結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示する光源の白色補色の色度座標であり、該接線とスペクトル軌跡線で囲まれた領域が前記白色光発色装置の光源の光色調整範囲W3であるステップと、
(2)白色色度座標領域W2から白色色度座標点(u,v)を選択し、結晶化ガラスパネルの色度座標が(x
i,y
i)であることが分かった場合、以下の式2-1~式1-1に基づいて所望の光源の色度座標(m
i,n
i)を計算するステップであって、
【0016】
【数3】
式中、
【数4】
は、それぞれ結晶化ガラスパネルの色度-波長関数のλに関する二次導関数であり、
【数5】
は、それぞれ光源の色度-波長関数のλに関する二次導関数であり、
【数6】
は、CIE1931標準色度システムにおける色マッチング関数のλに関する一次導関数であるステップと、
(3)W3の範囲から色度座標が(m
i,n
i)である光源を選択するか、又は選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源の色度座標を(m
i,n
i)に調整し、色度座標が(x
i,y
i)である前記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して表示した該光源からの白色光を白色色度座標領域W2に位置させるか、又は前記白色色度座標が(u,v)である白色光を表示可能にするステップと、を含む。
【0017】
好ましくは、結晶化ガラスパネルに対応する色度座標領域W1から任意の点を選択するか、又は該既知の結晶化ガラスパネルの色度座標(xi,yi)を選択し、選択された点と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から色度座標が(mi,ni)である光源を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源の色度座標を(mi,ni)に調整し、該光源からの光が色度座標が(xi,yi)である前記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、前記白色色度座標が(u,v)である白色光を表示面に表示可能にする。
【0018】
本発明の利点は、以下のとおりである。
【0019】
(1)本発明は、光源と結晶化ガラスパネルのみを白色光発色装置として使用し、光色調整技術により、光源のスペクトル性能を最大限に発揮させ、結晶化ガラスパネルを透過した光を修正して白色を表示させ、装置の構造が簡単で、信頼性が高く、もう1つの白色光表示手段(特許番号CN201180059416.5)と比較して、遮光インク、フィルタ補償器を追加する必要がなく、製造プロセスが簡単で、良品率が高く、多様な応用シーンに適合することができ、特に、コンロパネルの白色表示、航空宇宙などの空間の狭い構造における高い光強度の白色表示シーンに適合し、
(2)本発明は、従来技術(特許番号CN201180059416.5)における白色表示手段に比べて、同じ白色光発色強度で光源のスペクトル性能(光強度、スペクトル範囲、スペクトル幅)を最大限に利用することができ、装置の消費電力が低く、白色光の色温度の調整性が高く、色許容差が大きく、小型の信号灯又は表示ユニットの様々な表示シーンのニーズに適合し、提供された白色領域の色温度が1670Kから正の無限大までをカバーし、色収差が1.5よりも小さく、明暗照明(明視野照明>10cd/m2、暗視野照明<1cd/m2)で白色をよく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1におけるW1~W4の領域範囲図である。
【
図2】実施例1における21種類のガラスのスペクトル透過率曲線図である。
【
図3】実施例2で用いたRGBA四色ランプビーズの等パワー時のスペクトル分布図である。
【
図4】実施例2で用いた結晶化ガラスパネルの透過スペクトル分布図である。
【
図5】実施例2における白色光発色装置の白色表示時に用いたRGBA四色ランプビーズのスペクトル分布図である。
【
図6】実施例2における白色光発色装置の白色表示時の光源、結晶化ガラスパネル、白色光発色装置の色度座標分布図である。
【
図7】実施例3で用いたRGB三色ランプビーズの等パワー時のスペクトル分布図である。
【
図8】実施例3で用いた結晶化ガラスパネルの透過スペクトル分布図である。
【
図9】実施例3における白色光発色装置の白色表示時に用いたRGB三色ランプビーズのスペクトル分布図である。
【
図10】実施例3における白色光発色装置の白色表示時の光源、結晶化ガラスパネル、白色光発色装置の色度座標分布図である。
【
図11】実施例4で用いたLED光源の等パワー時のスペクトル分布図である。
【
図12】実施例4で用いた結晶化ガラスパネルの透過スペクトル分布図である。
【
図13】実施例4における白色光発色装置の白色表示時に用いたLED光源のスペクトル分布図である。
【
図14】実施例4における白色光発色装置の白色表示時の光源、結晶化ガラスパネル、白色光発色装置の色度座標分布図である。
【
図15】比較例における結晶化ガラスパネルにフィルタ補償器を貼り付けた前後の光透過率スペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施例及び図面を参照して本発明をさらに説明するが、これにより本発明の保護範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0022】
本実施例は、光色調整技術を用いて結晶化ガラスパネルと光源からなる表示デバイスを白色光に発色させ、結晶化ガラスパネルの色度座標を既知の情報とし、上記光源の光学パラメータを調整することにより光色調整を行い、上記光源からの光が上記結晶化ガラスパネルの表示面に白色光を表示することを実現し、表示面に表示された白色光が白色色度座標領域W2にあり、非表示面側の入射光の色度座標が光源の固有色度座標であり、かつ表示面の色度座標と異なる。
【0023】
白色光発色装置は、光源及び結晶化ガラスパネルからなり、可視光透過率が7%以下の黒色結晶化ガラスを表示パネルとした。CIE 1931標準色度システム、『色の表示方法』(GB/T3977-2008)、『標準照明体と幾何学条件』(GB/T3978-2008)、『物体色の測定方法」(GB/T3979-2008)及び『建築ガラス、可視光透過率、太陽光直射透過率、太陽エネルギー総透過率、紫外線透過率及び窓ガラス関連のパラメータ測定』(GB/T2680-94)に基づいて、分光光度計を用いて1°~4°の視野角、視野輝度が10cd/m
2よりも大きいなどの実験条件で実施例における21個の結晶化ガラスパネルに対してスペクトル表現を行い、
図2に示すような結晶化ガラスパネルの透過スペクトルパワーφ
i(λ)を得て、i=1,2,3,…,21である。
【0024】
上記標準における計算方法に基づいて、計算式(1-1)~(1-7)を用いて、既知の結晶化ガラスパネルに対応する色度座標を計算し、該色度座標は、上記色度座標領域W1にあり、
選択された21種類の結晶化ガラスパネルの可視光透過率及び色度座標を
図4に示す。
【0025】
【表3】
表4 21種類の結晶化ガラスパネルの可視光透過率及び色度座標
【0026】
結晶化ガラスパネルの色度座標領域がW1であることが分かり、光源の光学パラメータを調整して、該光源からの光が結晶化ガラスパネルの表示面を透過して発生した光効果が白色色度座標領域W2にあることを実現し、
前記光源からの結晶化ガラスパネルの表示面を透過した白色光の色許容差は、0~1.5であり、CIE白色度式(3-1~3-4)によって計算され、式中、Wは、白色度であり、淡い色調指数は、TWであり、Yは、表示された白色光の刺激値であり、x,yは、表示された白色光の色度座標であり、xn,ynは、完全拡散反射体の色度座標であり、それぞれ0.31006、0.31615である。
【0027】
W=Y+800(xn-x)+1700(yn-y)(3-1)
TW=1000(xn-x)-650(yn-y)(3-2)
40<W<5Y-280(3-3)
-4<TW<2(3-4)
【0028】
ここで、色温度Tcは、式(3-1)及び(3-2)によって計算され、
【0029】
【0030】
式中、Acは、等色温度線Tcの直線の傾きの逆数であり、白色色度座標領域W2が得られ、上記光源からの光が上記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して発生した光効果は、白色色度座標領域W2にあり、W2は、以下の表5の座標により特定され、
【0031】
【0032】
その中心位置は、等エネルギー白色光の色度点であり、座標が(0.3333,0.3333)である。
【0033】
米国国家標準ANSI NEMA ANSLG C78.377-2008(電球類固体照明製品の色度の仕様)に基づいて、上記白色色度座標領域W2から色温度が2700kから∞までの白色最適発色の色度座標領域W4を選択し、表6に示し、それに対応する白色色度座標領域図を
図1に示す。
【0034】
【表5】
【表6】
表6 白色光発色装置の白色最適発色の色度座標領域
【0035】
白色最適発色の色度座標領域W4及びガラスの固有色度座標値に基づいて、LEDの色度座標範囲を
図1に示し、表7に示すように求める。
【0036】
【0037】
結晶化ガラスパネルに対応する色度座標領域W1から該既知の結晶化ガラスパネルの色度座標を選択し、白色色度座標領域W2に接し、得られた最大交差領域範囲W3は、光源の光色調整の色度座標範囲である。
【0038】
主波長又は補色波長を用いてガマットリングスに基づいて補色し、一定の色収差を有する白色を得る。光源コントローラによって該光源の固有色度座標を最大交差領域範囲W3内に修正することにより、上記光源からの光が上記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して発生した光効果が、要求される指定白色色度座標領域W2にある。
【0039】
最大交差領域範囲W3から光源を選択し、その色度座標を測定し、該色度座標は、上記光源からの光が上記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して発生した光効果が、要求される指定白色色度座標領域W2にあるようにする。
【0040】
また、好ましくは、結晶化ガラスパネルに対応する色度座標領域W1から任意の点を選択するか、又は該既知の結晶化ガラスパネルの色度座標を選択し、選択された点と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から光源の色度座標を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源からの光が結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、指定された白色色度座標の白色光を表示可能にする。
【実施例2】
【0041】
本実施例は、RGBA三色ランプビーズの光強度比を変更することにより、装置が発色する色位置を変更し、4つの固有ピークを有する光源からの光が結晶化ガラスパネルの表示面を透過して白色光を表示できることを実現する。
【0042】
本実施例は、結晶化ガラスパネルとRGBA4つの単色LED光源を備える白色光発色装置を提供し、RGBA4色LEDの光強度比を調整することにより、RGBA4単色LED光源からの光が結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示できることを実現し、使用される装置は、結晶化ガラスパネルと、RGBA4色LEDランプビーズからなる光源とを含み、使用される結晶化ガラスパネルは、表示面を有し、上記光源は、結晶化ガラスパネルの非表示面側に位置し、該光源の等パワーでのスペクトル図を
図3に示し、この時、その色度座標は、(0.2941,0.2363)である。
【0043】
使用される光源のスペクトルには、4つの固有ピークがあり、各固有ピークは、1つの発光ランプビーズに対応し、赤色Rランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が628nm、半値幅が618nm~637nm、計19nm、最大光強度に対応する色位置が(0.6852,0.3088)であり、緑色Gランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が520nm、半値幅が504nm~540nm、計36nm、最大光強度に対応する色位置が(0.1783,0.7207)であり、青色Bランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が460nm、半値幅が450nm~472nm、計22nm、最大光強度に対応する色位置が(0.1410,0.0491)であり、アンバー色Aランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が592nm、半値幅が581nm~602nm、計21nm、光源の最大光強度に対応する色位置が(0.5719,0.4215)であり、RGBA光源の色域を表8に示す。
【0044】
【0045】
使用される結晶化ガラスパネルは、厚さ範囲が4mmであり、薄層状を呈し、380nm~780nmの可視光スペクトル範囲において、平均透過率が1.47%であり、スペクトル図を
図4に示し、その色度座標が(0.5791,0.3383)であり、上記結晶化ガラスパネルの色度座標領域W1の範囲にある。
【0046】
使用される光源からの光は、等パワーで、使用される結晶化ガラスパネルの表示面を透過した後、その色度座標が(0.5045,0.2989)であり、白色ではなくピンク色を表示し、実施例1の光色調整技術における式に基づいて、光源の色度座標が(0.2236,0.3391)であることを計算することができ、ランプビーズの光強度比を変更し、この時、光源のスペクトルを
図5に示し、結晶化ガラスパネルを透過した光が白色を表示し、透過光の色度座標が(0.3077,0.3248)である。
図6は、装置の白色光表示時の光源、ガラス、装置の色度座標分布であり、図から分かるように、装置が表示した白色光は、実施例1における白色最適発色の色度座標領域W4の範囲にあり、結晶化ガラスパネルは、W1の範囲にあり、選択された4色LED光源は、W3の範囲にある。
【0047】
また、好ましくは、上記結晶化ガラスパネルの色度座標(0.5791,0.3383)と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から光源の色度座標を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、光源の色度座標を(0.2236,0.3391)に調整し、それにより該光源からの光が色度座標が(0.5791,0.3383)である結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、指定された白色色度座標(0.3077,0.3248)の白色光を表示面に表示可能にする。
【実施例3】
【0048】
本実施例は、RGB 3色ランプビーズの光強度比を変更することにより、装置が発色する色位置を変更し、3つの固有ピークを有する光源からの光が結晶化ガラスパネルの表示面を透過して白色光を表示できることを実現する。
【0049】
本実施例は、結晶化ガラスパネルとRGB3色LED光源を備える白色光発色装置を提供し、RGB3色LED光源の光強度比を調整することにより、RGB3色LED光源からの光が結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示できることを実現し、使用される装置は、結晶化ガラスパネルと、RGB3色LEDランプビーズからなる光源とを含み、使用される結晶化ガラスパネルは、表示面を有し、上記光源は、結晶化ガラスパネルの非表示面側に位置し、該光源の等パワーでのスペクトルパワー図を
図7に示し、この時、その色度座標は、(0.1874,0.2516)である。
【0050】
使用される光源のスペクトルには、3つの固有ピークがあり、各固有ピークは、1つの発光ランプビーズに対応し、赤色Rランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が625nm、半値幅が617nm~632nm、計15nm、最大光強度に対応する色位置が(0.6682,0.3119)であり、緑色Gランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が525nm、半値幅が493nm~542nm、計39nm、最大光強度に対応する色位置が(0.1777,0.7468)であり、青色Bランプビーズは、特徴ピーク(主波長)が455nm、半値幅が448nm~465nm、計17nm、最大光強度に対応する色位置が(0.1474,0.0351)であり、RGB光源の色域を表9に示す。
【0051】
【0052】
使用される結晶化ガラスパネルは、厚さ範囲が4.27mmであり、薄層状を呈し、380nm~780nmの可視光スペクトル範囲において、平均透過率が2.451%であり、スペクトル図を
図8に示し、その色度座標が(0.5973,0.3463)であり、上記結晶化ガラスパネルの色度座標領域W1の範囲にある。
【0053】
使用される光源からの光は、等光強度で、使用される結晶化ガラスパネルの表示面を透過した後、その色度座標が(0.6057,0.3484)であり、オレンジがかった赤色を表示し、実施例1の光色調整技術における式に基づいて、光源の色度座標が(0.2245,0.3412)であることを計算することができ、光源の光強度比を変更し、この時、光源のスペクトルパワーを
図9に示し、結晶化ガラスパネルを透過した光が白色を表示し、透過光の色度座標が(0.3248,0.3315)である。
図10は、装置の白色光表示時の光源、ガラス、装置の色度座標分布であり、図から分かるように、装置が表示した白色光は、実施例1における白色最適発色の色度座標領域W4の範囲にあり、結晶化ガラスパネルは、W1の範囲にあり、選択された3色LED光源は、W3の範囲にある。
【0054】
また、好ましくは、上記結晶化ガラスパネルの色度座標(0.5973,0.3463)と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から光源の色度座標を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、光源の色度座標を(0.2245,0.3412)に調整し、それにより該光源からの光が色度座標が(0.5973,0.3463)である結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、指定された白色色度座標(0.3248,0.3315)の白色光を表示面に表示可能にする。
【実施例4】
【0055】
本実施例は、青色LEDに蛍光粉をドーピングした後のスペクトル範囲を変更することにより、装置が発色する色位置を変更し、2つの特徴ピークを有する光源からの光が結晶化ガラスパネルの表示面を透過して白色光を表示できることを実現する。
【0056】
本実施例は、結晶化ガラスパネルと2色LED光源を備える白色光発色装置を提供し、B+蛍光粉の濃度を調整することにより、2色LED光源からの光が結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示できることを実現し、使用された装置は、結晶化ガラスパネルと、蛍光粉が添加された青色LEDランプビーズからなる光源とを含み、使用される結晶化ガラスパネルは、表示面を有し、上記光源は、結晶化ガラスパネルの非表示面側に位置し、該光源にイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce
3+)蛍光粉を添加した後のスペクトル図を
図11に示し、この時、その色度座標は、(0.2279,0.2760)であり、白色を表示する。
【0057】
使用される光源のスペクトルには、2つの固有ピークがあり、それらは、1つの発光ランプビーズ及び1種類の蛍光発光材料に対応し、発光ランプビーズは、青色LEDランプビーズであり、特徴ピーク(主波長)が458nm、半値幅が453nm~481nm、計28nmであり、発光蛍光は、特徴ピーク(主波長)が535nm、半値幅が505nm~580nm、計75nmである。
【0058】
使用される結晶化ガラスパネルは、厚さ範囲が3.95mmであり、薄層状を呈し、380nm~780nmの可視光スペクトル範囲において、平均透過率が0.8%であり、スペクトル図を
図12に示し、色度座標が(0.5927,0.3214)であり、請求項1に記載の結晶化ガラスパネルの色度座標領域W1の範囲にある。
【0059】
使用される光源からの光は、使用される結晶化ガラスパネルの表示面を透過した後、その色度座標が(0.2279,0.2260)であり、青色を表示し、実施例1の光色調整技術における式に基づいて、光源の色度座標が(0.2176,0.3405)であることを計算することができ、ランプビーズパッケージホットメルト内にドーピングされた蛍光粉の濃度を変更することにより、この時、光源のスペクトルを
図13に示し、結晶化ガラスパネルを透過した光が白色を表示し、透過光の色度座標が(0.3262,0.3311)である。
図14は、装置の白色光表示時の光源、ガラス、装置の色度座標分布であり、図から分かるように、装置が表示した白色光は、実施例1における白色最適発色の色度座標領域W4の範囲にあり、結晶化ガラスパネルは、W1の範囲にあり、選択された3色LED光源は、W3の範囲にある。
【0060】
また、好ましくは、上記結晶化ガラスパネルの色度座標(0.5927,0.3214)と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から光源の色度座標を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、光源の色度座標を(0.2176,0.3405)に調整し、それにより該光源からの光が色度座標が(0.5927,0.3214)である結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、指定された白色色度座標(0.3262,0.3311)の白色光を表示面に表示可能にする。
比較例
【0061】
i=21の結晶化ガラスパネルを選択し、該LEDスペクトルを利用して特許CN103250004Bにおけるフィルタフィルムを追加する手段と比較し、得られた結晶化ガラスパネルにフィルタ補償器を貼り付ける前後の光透過率スペクトル図を
図15に示し、該図から分かるように、フィルタフィルム又は補償器を追加する手段は、結晶化ガラスパネルの透過率を低下させ、白色光における赤色、緑色、青色の波長帯に対して結晶化ガラスパネルがほぼ同じ透過率を保持することにより、RGB3色ランプビーズからなるLEDが結晶化ガラスパネルを透過した後、依然として元の色を保持する。本発明は、光源の光色を調整することによって白色光の表示を実現し、結晶化ガラスパネルの透過率を低下させず、光源と表示パネルにいずれの物体も追加せず、両者は、最終的に白色光を表示するが、使用される光源の色度が異なる。
【0062】
特に、該発色装置及び光色調整方法は、結晶化ガラスコンロパネルの白色光表示に特に適用され、光透過率が比較的小さい結晶化ガラスを選択することができ、特に光透過率が0.2-3%であることが好ましく、遮光インク、フィルタ補償器などの手段を追加する必要がない場合、光学ツールの光強度とスペクトル性能を最大限に発揮し、結晶化ガラスを透過する光パワーを増強して白色光を表示し、表示される白色光が強く、非表示面側のデバイスが見えないか又は見えにくい。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶化ガラスパネル及び光源を含み、
前記結晶化ガラスパネルは、表示面を有し、
前記光源は、前記結晶化ガラスパネルの非表示面側に位置し、前記結晶化ガラスパネルの表示面に白色光を表示させ、
前記結晶化ガラスパネルを通過したCIE標準照明体からの透過光がCIE標準色度システムに表す色度座標領域W1は、以下の座標により特定され、
【表1】
前記光源からの光が前記結晶化ガラスパネルを透過して白色光を表示し、CIE白色度式と色許容差式により得られた白色色度座標領域W2は、以下の座標により特定される、ことを特徴とする結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【表2】
【請求項2】
前記結晶化ガラスパネルは、380nm~780nmの可視光スペクトル範囲において、平均透過率が7%以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【請求項3】
前記光源のスペクトルには、1~4個の固有ピークがある、ことを特徴とする請求項1に記載の
結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【請求項4】
前記光源からなる発光デバイスは、LEDデバイス、蛍光デバイス、量子ドットデバイスのうちの1つを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置。
【請求項5】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の結晶化ガラスパネルに基づく白色光発色装置による光色調整方法であって、
光強度と主波長スペクトル幅を含む前記光源の光学パラメータを調整して、スペクトルカバー範囲を調整することにより、前記光源から発せられた光が結晶化ガラスパネルを透過して表示された白色光を白色色度座標領域W2に位置させる、ことを特徴とする光色調整方法。
【請求項6】
該方法は、Grassman色法則における補色の法則によるものであり、
(1)光度計により測定された前記結晶化ガラスパネルの透過率関数は、φ
i(λ)であり、iは、前記結晶化ガラスパネルの番号であり、CIE標準色度システムの刺激式及び色マッチング関数を用いて、前記結晶化ガラスパネルに対応する色度
座標領域W1を計算するステップであって、
【数1】
式中、X
i、Y
i、Z
iは、選択された結晶化ガラスパネルの三刺激値であり、X
i,Y
i,Z
iは、選択された結晶化ガラスパネルの色度座標であり、
【数2】
は、CIE1931標準色度システムにおける三刺激値関数であり、Δλは、波長ピッチであり、λは、波長であり、
結晶化ガラスパネルに対応する色度
座標領域W1内の任意の結晶化ガラスパネルの色度座標に対して、該結晶化ガラスパネルの色度座標点を通って白色色度座標領域W2の接線を引くステップであって、該接線とスペクトル軌跡線で囲まれた領域が前記白色光発色装置の光源の光色調整範囲W3であるステップと、
(2)白色色度座標領域W2から白色色度座標点(u,v)を選択し、結晶化ガラスパネルの色度座標が(x
i,y
i)であることが分かった場合、以下の式2-1~式1-1に基づいて所望の光源の色度座標(m
i,n
i)を計算するステップであって、
【数3】
式中、
【数4】
は、それぞれ結晶化ガラス
パネルの色度-波長関数のλに関する二次導関数であり、
【数5】
は、それぞれ光源の色度-波長関数のλに関する二次導関数であり、
【数6】
は、CIE1931標準色度システムにおける色マッチング関数のλに関する一次導関数であるステップと、
(3)W3の範囲から色度座標が(m
i,n
i)である光源を選択するか、又は選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源の色度座標を(m
i,n
i)に調整し、色度座標が(x
i,y
i)である前記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して表示した該光源からの白色光を白色色度座標領域W2に位置させるか、又は前記白色色度座標が(u,v)である白色光を表示可能にするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の光色調整方法。
【請求項7】
結晶化ガラスパネルに対応する色度
座標領域W1から任意の点を選択するか、又は該既知の結晶化ガラスパネルの色度座標(x
i,y
i)を選択し、選択された点と色度座標図における等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを接続して延長線を引き、延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分上の任意の点(等エネルギー白色点を除く)におけるスペクトル色の主波長は、光源の標準白色光の補色主波長であり、
延長線とスペクトル軌跡線との交点と、等エネルギー白色点(0.333,0.333)とを結ぶ線分から色度座標が(m
i,n
i)である光源を任意に選択し、選択された光源の光学パラメータを調整することにより、該光源の色度座標を(m
i,n
i)に調整し、該光源からの光が色度座標が(x
i,y
i)である前記結晶化ガラスパネルの表示面を透過して、前記白色色度座標が(u,v)である白色光を表示面に表示可能にする、ことを特徴とする請求項6に記載の光色調整方法。
【国際調査報告】