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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】中空シャフトインペラ
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/06 20060101AFI20241219BHJP
   B01F 33/452 20220101ALI20241219BHJP
【FI】
C12M1/06
B01F33/452
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523673
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2022079926
(87)【国際公開番号】W WO2023122396
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,445
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガラルサ,スアリネス
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,アン
(72)【発明者】
【氏名】メイ,エイミー
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,エイミー
(72)【発明者】
【氏名】ビーニャ,ジェームズ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】マーハー,マリサ
【テーマコード(参考)】
4B029
4G036
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA27
4B029BB01
4B029CC01
4B029DB02
4B029GA08
4B029GB10
4G036AC23
(57)【要約】
中空シャフトインペラは、中空インペラハウジングと、磁石と、インペラキャップと、インペラリテーナと、複数のインペラブレードと、を有する。インペラハウジングは、内部容積を画定するハブおよび内部容積へのアクセスを提供するインペラボアを有する。磁石は、内部容積内に配置されるような寸法であってもよい。インペラキャップは、インペラボアに近接して中空インペラハウジングに取り外し可能に結合されてもよい。インペラリテーナは、磁石に取り外し可能に結合され、内部容積内に配置されるような寸法であってもよい。複数のインペラブレードは、ハブから突出してもよい。任意選択的に、フィンは、複数のインペラブレードの各々に配置されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空シャフトインペラであって、
内部容積を画定するハブと、内部容積へのアクセスを提供するインペラボアとを有する中空インペラハウジングと、
内部容積内に配置可能な寸法の磁石と、
インペラボアに近接して中空インペラハウジングに取り外し可能に結合されたインペラキャップと、
磁石に取り外し可能に結合され、内部容積内に配置される寸法のインペラリテーナと、
ハブから突出する複数のインペラブレードと、を備える、中空シャフトインペラ。
【請求項2】
複数のインペラブレードは、3枚、4枚、または5枚のインペラブレードを含む、請求項1に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項3】
複数のインペラブレードの各インペラブレード上に配置された、少なくとも1枚のフィンをさらに備える、請求項1に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項4】
少なくとも1枚のフィンは三角形状である、請求項3に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項5】
少なくとも1枚のフィンは、複数のインペラブレードの各インペラブレード上で、複数のインペラブレードの各インペラブレードの上縁と底縁との間で配置される、請求項3に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項6】
少なくとも1枚のフィンは、複数のインペラブレードの各インペラブレードのブレード面上に配置され、かつブレード面から延在する、請求項3に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項7】
インペラキャップに結合され、かつインペラキャップと共にインペラボアで内部容積を密封するように構成されているガスケットをさらに備える、請求項1に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項8】
ガスケットはOリングである、請求項7に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項9】
ガスケットはエラストマー材料を含有する、請求項7に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項10】
エラストマー材料は、ビニル材料、ポリエチレン材料、ポリプロピレン材料、ナイロン材料、シリコン材料、ポリテトラフルオロエチレン材料、またはゴム材料である、請求項9に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項11】
インペラリテーナは、
上面および反対側の底面を有する円形フランジを備える、請求項1に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項12】
インペラリテーナは、
円形フランジの上面から突出するボスをさらに備える、請求項11に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項13】
インペラリテーナが内部容積内に配置される場合、ボスは、インペラキャップと相互作用するように構成されている、請求項12に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項14】
インペラリテーナは、
円形フランジの底面から下降するシリンダをさらに備える、請求項11に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項15】
インペラリテーナのシリンダは、
シリンダの外面の周りに配置された複数のレールを備える、請求項14に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項16】
磁石は、
磁石の中心に配置されたボアと、
ボアの外周の周りに配置された複数のスロットと、を備える、請求項15に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項17】
シリンダおよび複数のレールは、磁石のボアおよび複数のスロットがインペラリテーナのシリンダおよび複数のレールを少なくとも部分的に受け入れるように構成されるように、磁石のボアおよび複数のスロットにキー止めされる、請求項16に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項18】
シリンダとインペラリテーナの複数のレールとが磁石のボアおよび複数のスロット内に配置される場合、磁石はインペラリテーナに結合される、請求項17に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項19】
インペラキャップは、
インペラキャップの周りに配置されたキャップ梁とキャップスロットとを備える、請求項1に記載の中空シャフトインペラ。
【請求項20】
中空シャフトインペラのインペラボアは、
インペラボアの周りに配置されたハブ梁とハブスロットとを備え、キャップ梁はハブスロット内に配置されるように構成され、ハブ梁はインペラキャップが中空インペラハウジングに結合されたときにキャップスロット内に配置されるように構成されている、請求項19に記載の中空シャフトインペラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「HOLLOW SHAFT IMPELLER」と題される、2021年12月22日に出願された米国仮特許出願第63/292,445号の優先権を主張するものであり、その開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、貯蔵タンク、バイオリアクタ、および他の容器などのバイオプロセシングコンテナに関する。特に、本明細書に開示される技術の実施形態は、バイオプロセシングコンテナに有用なミキサに関する。
【背景技術】
【0003】
細胞および他のウイルスベクターを含む生体液は、製薬およびバイオ医薬品産業におけるバイオリアクタおよび他の容器内で製造される。以前のバイオリアクタは、pH、酸素および二酸化炭素濃度、濁度、ならびに温度を含む高度に制御された処理パラメータを有する剛性ステンレス鋼またはガラスであり、これらは剛性バイオリアクタに内蔵された永久センサによって監視および制御されていた。バイオプロセシング中、例えばバイオリアクタ中の生体液内の細胞増殖中、温度、ガス、および栄養素の均一な分布は混合によって維持されていた。適切な混合システムは、3つの機能、すなわち、均質な分布の安定した環境(栄養素、pH、温度など)の作成、ガスの分散(すなわち、Oの供給およびCOの抽出)、および熱伝達の最適化を提供する。緩衝液、アジュバント、酸素、細胞培養培地等などの多くの成分が生体液に混合される。損傷を与える剪断効果を与えることなく許容可能な混合を提供することは、バイオリアクタコンテナの規模が増大するにつれてより困難になる。良好に設計されたインペラを含むことにより、高いインペラ速度に関連する高い剪断のリスクなしに、より良好な混合効率が可能になる。
【0004】
混合システムは、典型的には、シャフトを有するインペラと、シャフトから突出するブレードとを備え、シャフトは、バイオリアクタの外側に位置したモータに接続されている。複数回使用型ステンレス鋼リアクタは、再使用前に集中的な洗浄および滅菌を必要とする。インペラ、スパージャ、およびセンサ(例えば、ガス、温度、およびpHセンサ)も複数回使用型の構成要素であり、各バッチプロセス後に滅菌が必要である。バイオプロセシングのより最近の発展は、使い捨てバイオリアクタの出現をもたらし、これは製造におけるより大きな柔軟性を提供し、機器の有効な再生または滅菌に影響を及ぼす、それらに必要な時間を短縮し得る。プロセッサは、一度使用されて廃棄されるバッグなどの廃棄可能な滅菌コンテナを利用し始めており、典型的には上部に取り付けられたモータに接続されたシャフトも使用している。使い捨てバイオリアクタは、薄い可撓性ポリマーフィルムから構成される廃棄可能なバッグを用いる。構成要素(例えば、使い捨てセンサおよびインペラ)を含む滅菌済使い捨てバッグは、洗浄、滅菌、および検証の必要性を排除する。したがって、それらの使用は、製造および保守コストの大幅な節約をもたらす。使い捨てバッグおよび構成要素に関連するバイオプロセシングの課題は、滅菌後の可撓性バイオリアクタ内での構成要素の位置決めである。滅菌後、可撓性バイオリアクタは保管され、出荷される。剛性のステンレス鋼容器とは異なり、バイオリアクタバッグは、構造的剛性を有さず、摩耗および引き裂きされ易い。
【0005】
一般に、インペラシャフト、スパージャ、およびセンサのようなバイオリアクタ構成要素は、ねじ付きポスト、ボルト、クランプ、ならびに/またはシールおよび軸受を有する他の接合方法によって剛性容器の内部に取り付けられていた。これらの方法は、可撓性バイオリアクタバッグの損傷、漏れ、汚染、ならびに処理前および処理中の両方の他の故障モードをもたらすため、可撓性バイオリアクタバッグには適していなかった。
【0006】
均質な混合が重要である。しかしながら、徹底的な混合は、高い量の剪断を導入することによって細胞を損傷し得る。多くの混合操作は、容器の底部付近に装着された混合インペラを有するバイオリアクタ中で実施される。異なる寸法および形状のインペラハブ、インペラブレード、およびシャフトを有する種々のインペラが、多くの異なる寸法および形状のバイオリアクタ内で混合するために必要であった。過去の先行技術のバイオプロセシングは、混合プロセスを完了するための撹拌タンクおよびシステムを含んでいた。そのようなシステムは、機械的撹拌機を使用することによって混合を達成し、撹拌機は容器の上部の開口部を通って生体液中に下げられ、外部モータによって回転されて所望の混合作用を作り出す。そのようなシステムはまた非効率的であり、追加のモータおよび構成要素を必要とした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの問題を解決するための試みは、シャフトおよび導電要素と磁気的に結合された回転磁気インペラを使用して生体液を混合するためのシステムからなる。磁気インペラは、容器内に設置され、導電要素に隣接して位置決めされている。容器は、その中の磁気インペラと共に密封され、密封後に生体液が送達された。しかしながら、この手法に残る制限は、磁気相互作用のみが磁気インペラの「支持」を提供することである。これらのシステムは、インペラの垂直浮上を制御したが、横方向の制御が不十分である。特に高速では、浮上インペラが揺動し、その結果、使い捨てバイオリアクタが損傷する。次に、磁気インペラを横方向に安定させるために外部軸受リングが使用されたが、これは良好に動作せず、重く、大量のトルクを必要とした。フィードバック制御を利用するマイクロプロセッサは、高価な軸受リング型インペラを安定させるためにも必要である。過去の或るインペラは、シャフトを通る流路を提供することによってこれらの処理の問題を解決しようと試みたが、これらは揺動し、乱流に耐えることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
最適な細胞培養増殖に必要な均質な混合を達成するために、以前の欠点を克服する新規なインペラを有する、生体液処理のための使い捨てコンテナまたはバイオリアクタのための、改善された混合システムを提供することは、当技術分野の進歩を表す。効率の大幅な向上、混合時間の短縮、電力使用量の低減および供給電力の増加、剪断およびインペラの揺動の低減、ならびに使いやすさが現在実現されており、高度な混合システムが使用され得る潜在的な用途を大幅に拡大している。また、本明細書に記載の新規かつ発明的な実施形態は、10リットルを超える流体体積を保持することができる容器、コンテナ、および/またはバイオリアクタに有用である。或る実施形態では、流体体積は、10L~50Lである。さらなる或る実施形態では、流体体積は、40L~200Lである。なおさらなる或る実施形態では、流体体積は、100L~500Lである。追加の或る実施形態では、流体体積は、200L~1000Lである。さらに、或る実施形態では、流体体積は、400L~2000Lである。例えば50Lを保持することができるコンテナまたはバイオリアクタは、例えば10Lなどの著しく少ない流体を処理する場合があることを理解されたい。
【0009】
インペラキャップ、任意選択のガスケット、インペラリテーナ、および円形磁石を含むことができるインペラが開示され、そのすべてが中空インペラハウジング内に少なくとも部分的に収容され得る。中空インペラハウジングは、インペラボアおよびハブを含んでもよい。円形磁石はボアを含んでもよく、インペラボア内に設置されてもよい。インペラキャップは任意選択のガスケットまたはOリングと嵌合されてもよく、インペラリテーナと共にインペラボア内に少なくとも部分的に配置されてもよい。インペラは複数のインペラブレードをさらに含んでもよく、複数のインペラブレードは、図のうちの少なくとも1つに示され、かつ/またはそれに関連して説明されるようにハブから突出してもよい。本開示の新規かつ発明的な特徴、ならびにその例示的な実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解されるであろう。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、中空シャフトインペラは、中空インペラハウジング、磁石、インペラキャップ、インペラリテーナ、および複数のインペラブレードを含む。中空インペラハウジングは、内部容積を画定するハブおよび内部容積へのアクセスを提供するインペラボアを有してもよい。磁石は、内部容積内に配置されるような寸法であってもよい。加えて、インペラキャップは、インペラボアに近接して中空インペラハウジングに取り外し可能に結合されてもよい。インペラリテーナは、磁石に取り外し可能に結合されてもよく、内部容積内に配置され得るような寸法であってもよい。複数のインペラブレードは、中空インペラハウジングのハブから突出してもよい。
【0011】
場合によっては、複数のインペラブレードは、3枚、4枚、5枚、またはそれ以上のインペラブレードを含む。さらなる或る例では、少なくとも1枚のフィンが複数のインペラブレードの各インペラブレード上に配置されてもよく、少なくとも1枚のフィンは三角形状であってもよい。よりさらなる或る例では、少なくとも1枚のフィンは、複数のインペラブレードの各インペラブレード上で、複数のインペラブレードの各インペラブレードの上縁と底縁との間に配置されてもよい。少なくとも1枚のフィンは、複数のインペラブレードの各インペラブレードのブレード面上に配置され、ブレード面から延在してもよい。
【0012】
なおさらなる或る例では、中空シャフトインペラは、インペラキャップに結合されたガスケットをさらに含む。ガスケットは、インペラキャップと共に、インペラボアの内部容積を密封するように構成されてもよい。追加の或る例では、ガスケットは、Oリングであってもよい。よりさらなる或る例では、ガスケットは、これらに限定されないが、ビニル材料、ポリエチレン材料、ポリプロピレン材料、ナイロン材料、シリコン材料、ポリテトラフルオロエチレン材料、またはゴム材料などのエラストマー材料を含む。
【0013】
或る他の例では、インペラリテーナは、上面、反対側の底面、円形フランジの上面から突出するボス、および円形フランジの底面から下降するシリンダを有する円形フランジを含んでもよい。インペラリテーナが内部容積内に配置される場合、ボスは、インペラキャップと相互作用するように構成されてもよい。インペラリテーナのシリンダは、シリンダ外面の周りに配置された複数のレールを含んでもよい。さらなる或る例では、磁石は、磁石の中心に配置されたボアおよびボアの周囲に配置された複数のスロットを含んでもよい。シリンダおよび複数のレールは、磁石のボアおよび複数のスロットがインペラリテーナのシリンダおよび複数のレールを少なくとも部分的に受け入れるように構成されるように、磁石のボアおよび複数のスロットにキー止めされてもよい。或る追加の例では、インペラリテーナのシリンダおよび複数のレールが磁石のボアおよび複数のスロット内に配置される場合、磁石は、インペラリテーナに結合されてもよい。
【0014】
よりさらなる或る例では、インペラキャップは、インペラキャップの周りに配置されたキャップ梁およびキャップスロットを含んでもよい。加えて、中空シャフトインペラのインペラボアは、インペラボアの周りに配置されたハブ梁およびハブスロットを含んでもよい。キャップ梁は、ハブスロット内に配置されるように構成されてもよく、ハブ梁は、インペラキャップが中空インペラハウジングに結合された場合にキャップスロット内に配置されるように構成されてもよい。
【0015】
本明細書で具体化されるこれらの進歩およびその他は、以下の説明、特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。本開示の様々な利点、態様、新規かつ独創的特徴、ならびにその例示的な実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解されるであろう。本明細書に開示された特徴を詳細に理解することができる方法(すなわち、上で簡単に要約した本開示の実施形態の、より具体的な説明)は、添付の図面を参照することによって得られ得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを図示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。記載された実施形態は、他の同等に効果的なバッグ、バイオコンテナ、フィルム、および/または材料を許容し得る。また、一実施形態の要素および特徴は、さらなる列挙なしに他の実施形態に見出されることができ、可能な場合には、図に共通する同等の要素を示すために同一の参照番号が使用されていることも理解されたい。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、これらの実施形態が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0016】
本開示では、一体化された、または単一の部品が参照される。本明細書の目的のために、単一または一体化された部品は、部品を破壊することなく分解することができない部品を示す。例えば、ハブに対して追加または取り去ることができるインペラアームを有するハブは、一体でも単一でもない。逆に、ハブに対して追加または取り去ることができないインペラアームを有するハブは、単一および/または一体型である。いくつかの実施形態では、一体化されたまたは単一部品は、単一の製造プロセス、例えば、単一の射出成形サイクルでのハブおよびインペラアームの射出成形によって形成される。
【0017】
本明細書に提示される装置、システム、機器、および構成要素は、以下の図面および説明を参照することによってより良好に理解され得る。図中のいくつかの要素は、必ずしも一定の縮尺でなくてもよく、本明細書に開示された原理を説明することに重点が置かれていることを理解されたい。図において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分/ステップを示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の或る実施形態による中空シャフトインペラの分解側面斜視図である。
図2】本開示の或る実施形態による、ハブおよび、フィンを有するインペラブレードの側面図の一部を示す図である。
図3】本開示の或る実施形態による中空シャフトインペラ用のキャップの上面斜視図である。
図4】本開示の或る実施形態による中空シャフトインペラの上面斜視図である。
図5】本開示の或る実施形態による、使い捨てバイオリアクタおよびフィンをさらに備えるインペラブレードを有する中空シャフトインペラを備えるバイオプロセシングシステムの側面斜視図である。
図6】本開示の或る実施形態による、試験された回転速度におけるインペラの傾斜パラメータを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に記載されているのは、インペラの或る実施形態であり、インペラは、回転駆動シャフトと直接接続するシステムおよび、磁石を備える磁気的に結合された浮上中空シャフトインペラの両方で使用され得る。本開示による或るインペラの実施形態は、中空シャフトを備える。或るインペラの実施形態は、中空シャフト上に設置されたキャップをさらに備える中空シャフトを備える。或るインペラの実施形態は、3ピッチブレードまたは4ピッチブレードインペラをさらに備える中空シャフトを備える。或るインペラの実施形態は、1枚以上のブレード上に1枚以上のフィンを有する3ピッチブレードまたは4ピッチブレードインペラをさらに備える中空シャフトを備える。中空シャフトは、液体の侵入を実質的に防止するキャップによって密封されてもよく、空洞は、固体シャフトの追加の重量またはフロースルーシャフトの付随する揺動なしに液体に浸漬されたインペラを平衡化および/または安定化する。また、追加の重量は、追加のトルクを必要とし、それは追加のコストをもたらし、インペラの揺動を好ましくないほど促進する。1つ以上の中空シャフトがトルクをより良好に分配するとさらに考えられる。底部に装着されたインペラの場合、中空シャフト設計は、揺動を低減し、混合時間を短縮する。さらに、揺動の低減は、処理中に中空シャフトインペラを含有するバッグを保護するのに役立つ。中空シャフトインペラの多くの実施形態が、本開示内で企図される。例えば、中空シャフト上の様々な寸法のブレード、様々な形状のブレード、ブレードまたは中空シャフト上に配置された様々な寸法のフィン、およびブレード上に配置されたフィンの様々な位置が本明細書に開示される。例えば、本開示の実施形態は、シャフト上の1枚以上のフィン、1枚以上のブレードの上部の1枚以上のフィン、1枚以上のブレードの底部の1つ以上のフィン、および/または1枚以上のブレードの中央の1枚以上のフィンを備える。1枚以上のインペラの或る実施形態の追加の本発明の特徴は、ピンおよび穴の設計を有するキャップ、ならびにトルクの伝達、安定性の維持、および例えばモータ磁石を適所に保つための中空シャフト内の内部シリンダを備える。本明細書に開示される中空シャフトの実施形態は、より軽量であり、より少ない材料を有し、より高い慣性極モーメントを有し、より高い旋回半径を有し、より高いねじり強度を有する。本開示の実施形態はまた、200L~2000Lで使用されるインペラおよびより大きな寸法のバイオリアクタについて、より短い混合時間、より高い供給電力、および揺動の有意な減少を呈する。インペラブレードが、インペラブレードの幅の中心線の約10%以内に位置するフィンを有する、或る中空シャフトインペラの実施形態は、高い毎分回転数(RPM)(例えば、100~120RPM)でもほとんど揺動を呈さず、押し下げられない。インペラブレードの幅の中心線の10%以内に位置するフィンをさらに備えるインペラブレードを有する中空シャフトインペラは、以下でより完全に説明するように、高いRPMであっても、インペラブレードおよび/またはフィンがバイオリアクタバッグまたはバイオコンテナの底部に当たらないほどのわずかしか揺動を呈さない。
【0020】
バイオコンテナという用語は、内容積または領域内に流体を保持することができる任意のリアクタ、コンテナ、または容器として定義され、二次元、三次元、および/または多面のバッグまたはバイオリアクタの形態であってもよい。或る実施形態では、バイオコンテナまたはバイオリアクタは可撓性であり、その中に組み込まれたバッフルを有し、バッフルは、インペラなどのミキサが液体を混合するときに形成される液体内の渦を乱すことができる。また、或る実施形態は、バイオリアクタにガスを送達および分配するためのスパージャを備える。バイオリアクタまたはコンテナは、フィルムを備えてもよい。本開示の意味におけるフィルムという用語は、ポリマーシート、複合材料、積層体、単層および/または多層ポリマー材料を含むがこれらに限定されない、別の可撓性フィルムと融合することができる任意の可撓性材料を意味する。これらのフィルムは、プラスチック網、織物、不織布、ニット、および/または金属箔ならびに他の可撓性構造体および材料を含有し得る基材をさらに備えてもよい。或る実施形態では、可撓性フィルムは、外部の高融点ポリマーの内部に低融点材料を有する積層フィルム構造を備える。また、或る実施形態では、可撓性フィルムは、高融点織布、ニット、または不織布材料を取り囲む低融点材料を有する積層フィルム構造体を備える。或る実施形態では、底部フィルム、中間フィルム、または上部フィルムのいずれかは、その全体が参照により組み込まれる国際公開第2020101848号に記載されているようなフィルムのいずれかを備える。或る実施形態では、これらのフィルムのうちの1つ以上は、米国マサチューセッツ州バーリントンのEMD Millipore Corporationによって市販されているPUREFLEX(R)、PUREFLEXPLUS(R)、またはULTIMUS(R)フィルムと実質的に同様である。
【0021】
図1は、本開示の或る実施形態による中空シャフトインペラ100の側面分解斜視図を示す。中空シャフトインペラ100は、任意選択的にガスケット104と嵌合するインペラキャップ102を備える。例えば、インペラキャップ102は、ガスケット104を収容するための溝103を備えてもよい。或る実施形態では、ガスケット104は、Oリングである。或る実施形態では、ガスケット104またはOリングは、エラストマー材料、例えばビニル材料、ポリエチレン材料、ポリプロピレン材料、ナイロン材料、シリコン材料、ポリテトラフルオロエチレン材料、ゴム材料、および/または当業者に知られているような他のポリマー材料で作製される。インペラリテーナ106は、上部円形表面110aおよび反対側の底部円形表面110bを具備する円形フランジ110を備える。図示されるように、ボス107は、上部円形表面110aから突出している。インペラリテーナ106は、底部円形表面110bから下降または突出するシリンダ116をさらに備える。シリンダ116は、シリンダ116の外面の周りに配置された複数のレール112を含んでもよい。円形フランジ110は、中空シャフトインペラ100(この図には示されていない)の内側部分上のノブと相互作用する切り欠き114および円形フランジ110の周囲上に形成された中心合わせ部材118をさらに備える。シリンダ116の複数のレール112は、円形磁石108の中央に配置されたボア126の周囲に形成された複数のスロット122にキー止めされるように構成される。したがって、円形磁石108のボア126は、インペラリテーナ106のシリンダ116を少なくとも部分的に受け入れるように構成されてもよく、複数のスロット122は、シリンダ116の複数のレール112を少なくとも部分的に受け入れるように構成される。インペラリテーナ106のシリンダ116および複数のレール112が磁石108のボア126および複数のスロット122内に配置される場合、磁石108は、インペラリテーナ106に取り外し可能に結合される。
【0022】
中空インペラハウジング120は、内部容積128を画定し得るハブ130と、内部容積128へのアクセスを提供するインペラボアとをさらに備えてもよい。インペラリテーナ106および円形磁石108は、インペラリテーナ106および円形磁石108が中空インペラハウジング120内に収容されるように構成されるために、内部容積128内に配置されるような寸法および形状にされる。インペラキャップ102は、インペラボアで中空インペラハウジング120に取り外し可能に結合されてもよく、ガスケット104は、インペラボアに近接してシールを形成して内部容積128を密封するように構成されてもよい。
【0023】
本明細書に開示される或る実施形態によれば、かつ先に説明したように、中空インペラハウジング120は、上端と、下端と、実質的に垂直に配列され、上端から下端に向かって延在する少なくとも第1および第2のインペラアームスロット132とを含むハブ130を備えてもよい。インペラキャップ102は、その中の空洞を密封するために、ハブ130の上端に設置されてもよい。また、少なくとも第1および第2のインペラブレード134は、アームスロット132においてハブ130から延在する。図1に図示される実施形態に示されるように、ハブ130は、4つのアームスロット132および4つのインペラブレード134を含む。各インペラブレード134は、ブレード面136を備える。加えて、各インペラブレード134は、外縁138、外縁138と反対側の内縁142、外縁138と内縁142との間に広がる底縁145、底縁145と反対側にあり、外縁138と内縁142との間にも広がる上縁147を有してもよい。インペラブレード134の内縁142は、内縁142がスロット132に係合され得るスロット132に延在してもよい。或る実施形態では、インペラブレード134の内縁142は、別のインペラブレードと係合してもよい。以下でさらに詳細に説明するように、各インペラブレード134は、ブレード面136上に配置され、そこから突出/延在するフィン140をさらに備えてもよい。
【0024】
本明細書では、インペラブレード134およびハブ130は、単一の一体部品、すなわち、射出成形プロセスによって作製されたプラスチック部品とすることができ、プラスチック部品は、破壊なしに分解することはできないと考えられる。フィン140は、後にインペラブレード134に取り付けられ得る。例えば、フィン140は、ねじ、ボルト、リベット、接着剤、片持ち梁、スナップ嵌め、および/または当業者に知られている他の取付手段を使用して取り付けられてもよい。あるいは、インペラブレード134およびフィン140は、単一の一体部品として成形され、続いてハブ130に取り付けられてもよい。前述のように、単体の単一部品として成形されたフィン140を有するインペラブレード134は、ねじ、ボルト、リベット、接着剤、片持ち梁、スナップ嵌め、および/または当業者に知られている他の取付手段を使用して取り付けられてもよい。或る実施形態では、ねじ、ボルト、リベット、接着剤、片持ち梁、スナップ嵌め、および/または当業者に知られている他の取付手段が、インペラブレード134をハブ130に取り付け、フィン140をインペラブレード134に取り付けるために、使用され得る。さらに、図示された実施形態は、4つのブレード134を含むが、中空シャフトインペラ100は、3つのブレード134、4つのブレード134、5つのブレード134などを含むがこれらに限定されない任意の数のブレード134を含んでもよい。
【0025】
或る実施形態では、フィン140は、それぞれ実質的に三角形状であってもよく、フィン140は縁部140a、140b、および140cを有し、縁部140aは、インペラブレード134に取り付けられる。縁部140a、140b、および140cは、直線状であってよく、あるいは曲線または放物線の関数を形成してもよい。示されるように、フィン140の縁部140bは、ハブ130からのある距離で始まり、インペラブレード134の外縁138で終わる。フィン140は、外縁138まで延在する必要がないことがさらに考えられる。さらに、フィン140は、ハブ130の表面に近接してまたはそれに至るまで延在してもよい。フィン140は、インペラブレード134と直角αを形成してもよく、または90°より大きいもしくは小さい角度αを形成してもよいことがさらに考えられる。例えば、或る実施形態では、角度αは、約50~80°である。或る例示的な実施形態では、角度αは、インペラブレード134の外縁138を見て、ハブ130に向かって時計回りの回転軸線に対して76°である。
【0026】
図2は、本開示の或る実施形態による、ハブ130およびフィン140を有するインペラブレード134の側面斜視図の一部を示す。インペラブレード134は、高さBH、長さBL、および中心線162を有する。加えて、フィン140は、インペラブレード134の高さBHに沿った長さFLおよび高さ位置FHを有する。或る実施形態では、フィン140は、インペラブレード134の底縁145と上縁147との間のほぼ中間に位置する。示されるように、フィン140は、底縁145からインペラブレード高さBHに沿って約40%に位置する。他の実施形態では、フィン140は、底縁145からインペラブレード高さBHに沿って約60%に位置してもよい。或る実施形態では、インペラブレード134に沿ったフィン140の高さFHは、インペラブレード134の高さBHの約25%~75%であってもよい。フィン140は、フィン140がインペラブレード134の中心線162から距離164で配置されるように、インペラブレード高さBHに沿って位置してもよい。ハブ130の外径は、約2センチメートル(cm)~15センチメートルであってもよい。或る実施形態では、ハブ130の外径は、約10~11cmであってもよい。インペラブレード134の長さBLは、約1cm~15cmであってもよい。或る実施形態では、中空シャフトインペラ100は、インペラブレード134が互いに等距離に離間するようにハブ130の周りに配置された4つのインペラブレード134を備える。或る実施形態では、中空シャフトインペラ100の全直径は、約40~45cmであり、ハブ130の外径は、約10~30cmであり、直径方向に対向する各インペラブレード134は、それぞれ約12cmの長さである。或る例示的な実施形態では、ハブ130の外径は、12cmである。
【0027】
インペラブレード134は、厚さTを有する。一般に、厚さTは、異なるインペラに対して拡張可能であり、例えば、厚さTは、約0.20~0.5cmであってもよい。フィン140は、インペラブレード134の厚さTよりも一般に小さい厚さT、例えば0.15~0.4cmを有する。フィン140は、或る実施形態では、インペラブレード134の長さBLの50%の長さFLを有する。他の実施形態では、長さFLは、インペラブレード134の長さBLの90%であってもよい。図2に示されるように、長さFLは、長さBLの約90%である。長さFLは、長さBLよりも短い場合、ハブ130の近位またはハブ130から遠位の点で開始することができることを理解されたい。或る例示的な実施形態では、長さBLは、インペラブレード134の長さBLの約60%~80%であってもよい。インペラブレード134は、インペラブレード134がハブ130の底縁149から角度θになるように、ハブ130上に方向づけられてもよい。或る例示的な実施形態では、角度θは、60~80°であってもよい。或る例示的な実施形態では、角度θは、76°であってもよい。
【0028】
図3は、本開示の或る実施形態による、中空シャフトインペラ100用のインペラキャップ102の上面斜視図を示す。インペラキャップ102は、使用中に中空シャフトインペラ100を流体からシールするための表面150を有する。インペラキャップ102はまた、ガスケット104を収容するための溝103を備える。インペラキャップ102は、任意選択的に、インペラキャップ102をハブ130の穴144内に係止するためのスタッド152を備える(図4に最もよく示されている)。インペラキャップ102は、対応するハブ梁155およびハブスロット146(図4に最もよく示されている)と係止するためのキャップ梁148およびキャップスロット153をさらに備えてもよい。より具体的には、キャップ梁148は、ハブスロット146内に配置されるように構成されてもよく、ハブ梁155は、インペラキャップ102が中空インペラハウジング120に取り外し可能に結合された場合にキャップスロット153内に配置されるように構成されてもよい。
【0029】
図4は、本開示の或る実施形態による、中空シャフトインペラ100用のハブ130の一部の上面斜視図を示す。ハブ130は、内部容積128(図1を参照して上述のように)を有する上側部157および下側部159を備える。ハブ130の上側部157は、底縁149でハブ130の下側部159と接する。示されるように、ボス107を備えるインペラリテーナ106は、ハブ130の内部容積128の内側に設置される。図示されていないが、上述されて図1に図示される円形磁石108は、インペラリテーナ106によってハブ130の内部容積128内の所定の位置に保たれる。前述したように、円形磁石108は、円形フランジ110の底部円形表面110bから突出するシリンダ116にキー止めされるように構成される。したがって、ハブ130の内部容積128内に配置される場合、円形磁石108は、インペラリテーナ106の円形フランジ110の下方に配置される。インペラリテーナ106のボス107は、インペラキャップ102がハブ130に結合された場合に、インペラリテーナ106とインペラリテーナ106の円形フランジ110の下に配置された円形磁石108との両方をハブ130の内部容積128内に留めるために、インペラキャップ102の表面150と相互作用するように構成される。この配置は、円形磁石108が中空シャフトインペラ100内で上下に動くのを防止する。インペラリテーナ106の円形フランジ110は、円形磁石108をハブ130の内部容積128内に中心位置決めするようにさらに機能する。
【0030】
図5は、本開示の或る実施形態による、使い捨てバイオリアクタバッグ202と、フィン140を備えるインペラブレード134を有する中空シャフトインペラ100とを備えるバイオプロセシングシステム200の側面斜視図を示す。バイオプロセシングシステム200は、当業者に知られているように、第1の端部および第2の端部を有する回転シャフトをさらに備え、回転シャフトは、垂直回転軸線を有する。バイオリアクタバッグ202は、10リットル(L)~10,000Lの内容積を有してもよい。或る実施形態では、バイオリアクタバッグ202は、混合を強化するためのバッフル204をさらに備える。本明細書に開示されるインペラの実施形態は、中空シャフトおよびインペラブレード上のフィンを備える。特に、200Lを超える内容積を有するバイオリアクタの場合、ブレード上のフィンの有無にかかわらず、中空シャフトインペラ100が特に効果的であることに留意されたい。
【0031】
図6は、本開示の実施形態による、105RPMでのインペラの傾斜パラメータを示すグラフを図示する。傾斜パラメータは、インペラ自体から受ける傾斜の量を定量化する無次元数である。傾斜の限界を定量化するために、インペラは、ブレードがタンクまたはカップの側面に触れるまで押し下げられ、これは最悪の場合または最大傾斜パラメータと見なされる。図6のグラフのデータは、インペラブレード134を有する4ピッチ中空シャフトインペラ100から作成され、各ブレード134は、インペラブレード134の中央に位置する1枚のフィン140をさらに備える。示されるように、3つの異なる寸法のフィン140が試験された。試験されたインペラの寸法は、直径16インチを有し、或る例示的な実施形態では2000Lのバイオリアクタバッグ202内に設置された。図6のグラフのデータは、異なる寸法のフィン140を有する中空シャフトインペラ100が受けるインペラ揺動の異なる量を表す。異なる寸法のフィン140の3つはすべて、最大105RPMで許容可能な傾斜パラメータを実証し、スタビライザ用のフィンを含まない中空シャフトインペラを含む他のインペラからの改善を示した。研究されたフィン140の最小寸法は、約21.9cmまたは3.4inのフィン面積を備える。研究された小型フィンは、約41.3cmまたは6.4inのフィン面積を備える。研究された大型フィンは、約69.7cmまたは10.8inのフィン面積を備える。図6のグラフのバーは、左から右に向かって、フィンなし、ブレードの中央に配置された最小型フィン、ブレードの中央に配置された小型フィン、およびブレードの中央に配置された大型フィンである。図6のグラフに示されるように、小型フィンは、特に効果的であり、インペラの傾斜/揺動の最良の改善をもたらす。
【0032】
本明細書に列挙される製剤のすべての範囲は、それらの間の範囲を含み、終点を含むかまたは除外することができる。任意選択の含まれる範囲は、それらの間の整数値(または1つの元の終点を含む)からのものであり、列挙された大きさの桁、または次に小さい大きさの桁である。例えば、下側範囲値が0.2である場合、任意選択で含まれる終点は、0.3、0.4、...1.1、1.2等、および1、2、3等であってよく、より高い範囲が8である場合、任意選択で含まれる終点は、7、6等、および7.9、7.8等であり得る。3以上などの片側境界も同様に、列挙された大きさの桁の、またはそれよりも1桁小さい整数値から始まる一貫した境界(または範囲)を含む。例えば、3以上は、4または3.1以上を含む。
【0033】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、「或る実施形態」、または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特徴、構造、材料、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。したがって、本明細書全体を通して、「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、「或る実施形態では」、または「実施形態では」などの語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。
【0034】
或る実施形態を上述したが、他の実装形態および用途も以下の特許請求の範囲内である。本明細書は、特定の実施形態を参照して説明しているが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。したがって、例証的な実施形態に対して多数の修正が行われてもよく、本開示による実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく他の配置およびパターンを考案され得ることをさらに理解されたい。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、実施形態のいずれか1つ以上において任意の適切な方法で組み合わせられ得る。
【0035】
本明細書で引用された特許出願および特許ならびに他の非特許文献の刊行物は、あたかも各個々の刊行物または参考文献が、完全に記載されているように参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、引用された部分全体にその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願が優先権を主張する任意の特許出願も、刊行物および参考文献について上述した方法で参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】