(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】飲料メニューの作成
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241219BHJP
G07F 13/06 20060101ALI20241219BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/12
G07F13/06 Z
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528598
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2022084689
(87)【国際公開番号】W WO2023104842
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】バラン, サジャン
【テーマコード(参考)】
3E047
5L030
5L050
【Fターム(参考)】
3E047BA01
3E047BA02
3E047GA01
5L030BB72
5L050CC24
(57)【要約】
本発明は、複数の飲料を注出するように構成された飲料注出マシンの更新された飲料メニューを電子デバイス上に自動的に表示するためのコンピュータ実装方法に関する。本方法は、マシン及び飲料のデータを飲料注出マシンからリモートサーバに送信する工程と、マシン及び飲料のデータを使用してリモートサーバのデータベースを更新する工程と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料注出マシン(1)の飲料メニューを電子デバイス(2)上に表示するためのコンピュータ実装方法であって、前記マシンは、複数の異なる飲料を注出するように構成されており、前記方法が、
a前記電子デバイス(2)上で実行されるコンピュータプログラムによって、マシン及び飲料のデータを前記飲料注出マシン(1)からリモートサーバ(3)に送信する工程と、
b前記リモートサーバ(3)において、前記マシン及び飲料のデータを飲料メニューへとコンパイルする工程と、
c前記リモートサーバ(3)においてコンパイルされた前記飲料メニューを、通信ネットワークを介して前記コンピュータプログラムに送信し、かつ前記飲料メニューを前記電子デバイス(2)上に表示する工程と、
を含む、方法において、
前記リモートサーバ(3)が、複数の飲料注出マシンに関する情報のデータベースを記憶し、前記方法が、工程aと工程bとの間で、前記マシン及び飲料のデータを用いて前記データベースを更新する工程を含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記電子デバイス(2)上に表示された前記飲料メニューが、前記飲料注出マシン(1)の画面上に同時に表示される前記飲料メニューの複製である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マシン及び飲料のデータが、少なくとも、
前記飲料注出マシン(1)の識別子と、
前記飲料注出マシン(1)によって注出される前記異なる飲料の各々の識別子と、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記マシン及び飲料のデータが、前記飲料注出マシン(1)によって注出される前記異なる飲料の各々の価格、名称、及び原材料を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マシン及び飲料のデータが、前記飲料注出マシン(1)のファイルに記憶され、前記ファイルが複数の行を含み、各行が、一意の識別子によって表される異なるタイプのデータに対応している、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記一意の識別子が、前記複数の行の各々の先頭にある、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マシン及び飲料のデータが、前記複数の行の各々をパースし、かつ前記一意の識別子を使用して少なくとも飲料の識別子又は前記飲料注出マシン(1)の識別子に対応する行を読み出すことによって、前記ファイルから抽出される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ファイルが、EVAデータ転送規格でフォーマットされる、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記飲料注出マシン(1)が、前記マシン及び飲料のデータを前記ファイルから抽出するための制御ユニットを更に備える、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記制御ユニットが、前記ファイルから抽出された前記マシン及び飲料のデータを記憶するためのメモリユニットを更に備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コンピュータプログラムと前記リモートサーバとの間の前記通信ネットワークが、通信のためのネットワークインターフェースを備え、前記ネットワークインターフェースが、例えば、無線ベースのネットワーク、Bluetooth(登録商標)ベースのネットワーク、近距離通信インターフェースベースのネットワーク、モデムベースのネットワーク、又はGSMベースのネットワークである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記マシン及び飲料のデータを前記マシン(1)から前記リモートサーバ(3)に送信する工程が、
前記飲料注出マシン(1)上に提示された少なくとも前記マシン及び飲料のデータをエンコードするコードを、カメラ又はスキャナを装備した前記電子デバイス(2)上で実行される前記コンピュータプログラムによって読み取る工程と、
前記コンピュータプログラムによって前記コードをデコードし、かつ前記コンピュータプログラムによってデコードされた前記コードを、前記通信ネットワークを介して前記リモートサーバ(3)に送信する工程と、
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記コードは、インターネットアドレス、好ましくは、前記リモートサーバ(3)に接続するためのURLを更にエンコードする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コードは、バーコード、OID、QRコード、及び/又は電磁気であり得る、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記電子デバイス(2)が、スマートフォンである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の飲料を注出するように構成された飲料注出マシンの飲料メニューを電子デバイス上に表示するためのコンピュータ実装方法に関する。
【0002】
本明細書の目的では、「飲料」は、茶、コーヒー、温かい又は冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、人が摂取できる任意の液体物質を含むと意図されている。
【背景技術】
【0003】
多くの飲料注出マシンは、レストラン、食堂、病院、鉄道駅、売店のような家庭以外の様々な場所に提供される。
【0004】
これらの飲料注出マシンは、技術者によって現地でセットアップされる。操作者は、価格データ、温度設定、淹出時間、製品タイプ、及びマシン内における製品位置に関するパラメータを設定することができる。例えば、製品タイプ又は価格が定期的に変動する場合、操作者は、設定データをかなり頻繁に更新する必要があり得る。
【0005】
しかしながら、一般に、マシン操作者の業務はマシンの更新に限定されない。飲料注出マシンでは、消費者の電子デバイス上に、例えばスマートフォン上にマシンの飲料メニューが表示されなければならない場合、メニューは、リモートサーバプラットフォーム上で手動で作成され、マシンにリンクされなければならない。次いで、電子デバイスは、更新された飲料メニューをリモートサーバから受信することができる。
【0006】
各メニューは、手動で作成され、リモートサーバ上の対応するマシンにリンクされなければならない。消費者の電子デバイスがマシンに接続できるようになると、電子デバイスは、リモートサーバに接続し、マシン上に示されたメニューと同一である手動で作成されたメニューをダウンロードする。
【0007】
操作者が、現地でメニューをマシン側で更新することは容易である。しかしながら、リモートサーバ側でメニューを更新するには時間がかかり、現地の操作者が、リモートサーバ上のデータベースを手動で更新する人に情報を送信しなければならない。
【0008】
この手法は、操作を複雑にし、ヒューマンエラーのリスクを生み出す。サーバは、新しいマシンが設置されると又は設置されたマシンのメニューに変更があると、リモートサーバとマシンとを別々にセットアップする必要があり、2回、すなわち、マシン上で1回、リモートサーバ上で1回、更新しなければならない。
【0009】
例えば、先行技術において、製品在庫及びそのような製品の配送を管理するシステム及び方法を開示している文献WO021981A2が知られている。より具体的には、WO021928A2は、遠隔に位置している機器から直接抽出されたデータから、製品在庫及び/又は操作性を追跡、管理、会計処理するシステム及び方法に関する。国際公開第021928(A2)号は、他のデバイスの中でも少なくとも1つの自動販売機がつながれる相互接続ネットワークを開示している。これらのデバイスは、携帯情報端末(portabledigital assistant、PDA)などのハンドヘルド回路、コンピューティングデバイス、スマートカード、ネットワークストレージデバイス、サーバ、ネットワークアプライアンス、などを含み得る。自動販売機は、相互接続ネットワークを介してこれらのデバイスと通信することができる。自動販売機は、データパケットをハンドヘルドデバイス又はサーバに送信する。サーバは、データパケットを操作する、データパケットを記憶する、データパケットからの情報をデータベースに追加する、又は他の機能を実行することができる。他の例示的な実施形態では、自動販売機は、データパケットなどの情報をハンドヘルドデバイスに転送することができる。ハンドヘルドデバイスは、データパケットを相互接続ネットワークを介してサーバに転送することができる。更なる例示的な実施形態では、自動販売機は、ポーリング信号に応答して、データパケットを相互接続ネットワークを介して転送することができる。ポーリング信号は、とりわけ、ハンドヘルドデバイス、携帯電話、又はサーバによって開始され得る。
【0010】
国際公開第021928(A2)号には飲料メニューについての言及はなく、マシンから送信されたデータは、販売された商品の追跡、管理、会計処理に使用される。国際公開第021928(A2)号の自動販売機は、サービス要員がハンドヘルドデバイスを使用するための追加のサーバなどを必要とし、又はサーバと直接通信することができるように追加のネットワーク要素を必要とし、それにより、マシンの製造コストが増加する。
【0011】
現地の操作者からの特定のアクションを必要とせず、かつマシンの製造に重要なコストを追加することなく、リモートサーバ上にあるデータベースを飲料情報を用いて自動的に更新することを可能にするプロセスが必要である。
【0012】
飲料注出マシン産業における別の問題は、世界規模なパンデミックにより、消費者の大半が手指衛生に関して過度に用心深くなり、消費者が公衆の場において不必要に物に触れることを避けるようになったことである。飲料ディスペンサマシンの大半は、異なる飲料の注文を可能にする複数の選択ボタンを備える画面を備える。しかしながら、現在のところ、消費者は、マシンに接続された電子デバイスから直接注文することを好んでいる。
【0013】
飲料の注文を完了するためにマシンの画面に触れる代わりに、消費者が自分の電子デバイス、例えばスマートフォンから直接注文することを可能にするプロセスが必要である。
【0014】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点を克服する方法を提供することである。
【0015】
以下の説明を読むことで明らかとなるこれらの目的及び他の目的は、独立請求項の主題によって解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態に言及する。
【発明の概要】
【0016】
これらの目的及び他の利点は、飲料注出マシンの飲料メニューを電子デバイス上に表示するためのコンピュータ実装方法よって達成され、マシンは、複数の異なる飲料を注出するように構成されており、本方法は、電子デバイス上で実行されるコンピュータプログラムによって、マシン及び飲料のデータをマシンからリモートサーバに送信する工程と、リモートサーバにおいて、データを飲料メニューへとコンパイルする工程と、リモートサーバにおいてコンパイルされた飲料メニューを、通信ネットワークを介してコンピュータプログラムに送信し、飲料メニューを電子デバイス上に表示する工程と、を含み、リモートサーバが、複数の飲料注出マシンに関する情報のデータベースを記憶し、本方法が、マシン及び飲料のデータをマシンからリモートサーバに送信する工程と、リモートサーバにおいて、データを飲料メニューへとコンパイルする工程との間で、マシン及び飲料のデータを用いてデータベースを更新する工程を更に含む。
【0017】
好ましくは、電子デバイス上に表示された飲料メニューは、飲料注出マシンの画面上に同時に表示される飲料メニューの複製である。
【0018】
好ましくは、マシン及び飲料のデータは、少なくとも、飲料注出マシンの識別子と、飲料注出マシンによって注出される異なる飲料の各々の識別子と、を含む。
【0019】
好ましくは、マシン及び飲料のデータは、飲料注出マシンによって注出される異なる飲料の各々の価格、名称、及び原料を更に含む。
【0020】
実施形態では、マシン及び飲料のデータは、飲料注出マシンのファイルに記憶され、ファイルは複数の行を含み、各行は、一意の識別子によって表される異なるタイプのデータに対応している。
【0021】
好ましくは、一意の識別子は、行の先頭にある。
【0022】
実施形態では、マシン及び飲料のデータは、複数の行の各々をパース(parse)し、かつ一意の識別子を使用して、少なくとも飲料の識別子又は飲料注出マシンの識別子に対応する行を読み出すことによって、ファイルから抽出される。
【0023】
好ましくは、ファイルは、EVAデータ転送規格でフォーマットされる。
【0024】
好ましくは、飲料注出マシンは、マシン及び飲料のデータをファイルから抽出するための制御ユニットを更に備える。
【0025】
好ましくは、制御ユニットは、ファイルから抽出されたマシン及び飲料のデータを記憶するためのメモリユニットを更に備える。
【0026】
好ましくは、コンピュータプログラムとリモートサーバとの間の通信ネットワークは、ネットワークインターフェースを備え、ネットワークインターフェースは、例えば、無線ベースのネットワーク、Bluetooth(登録商標)ベースのネットワーク、近距離通信インターフェースベースのネットワーク、モデムベースのネットワーク、又はGSM(登録商標)ベースのネットワークである。
【0027】
実施形態では、マシン及び飲料のデータをマシンからリモートサーバに送信する工程は、飲料注出マシン上に提示された少なくともマシン及び飲料のデータをエンコードするコードを、カメラ又はスキャナを装備した電子デバイス上で実行されるコンピュータプログラムによって読み取る工程と、コンピュータプログラムによってコードをデコードし、かつコンピュータプログラムによってデコードされたコードを、通信ネットワークを介してリモートサーバに送信する工程と、を含む。
【0028】
好ましくは、コードは、インターネットアドレス、好ましくは、リモートサーバに接続するためのURLを更にエンコードする。
【0029】
コードは、バーコード、OID、QRコード(登録商標)、及び/又は電磁気であり得る。
【0030】
好ましくは、電子デバイスはスマートフォンである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明による方法の異なる工程を示す図である。
【
図2】本発明による、データベースの更新がどのように行われるかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の必須要素、すなわち、飲料注出マシン1、電子デバイス2、及びデータベース4を記憶するリモートサーバ3が、
図1に示されている。
【0033】
図1に示すように、マシン1は、マシン及び飲料のデータを電子デバイス2に送信し、電子デバイス2は、当該データを通信ネットワークを介してリモートサーバ3に送信する。結果的に、マシン1は、マシン及び飲料のデータを、電子デバイス2によって間接的にリモートサーバ3に送信する。
【0034】
データベース4は、複数の飲料注出マシンに関する情報を含む。リモートサーバ3は、データベース4を電子デバイス2から受信したデータと比較し、データベース4を当該データを用いて更新する。
【0035】
電子デバイス2とリモートサーバ3との間の通信ネットワークは、ネットワークインターフェースを備え、ネットワークインターフェースは、例えば、無線ベースのネットワーク、Bluetooth(登録商標)ベースのネットワーク、近距離通信インターフェースベースのネットワーク、モデムベースのネットワーク、又はGSMベースのネットワークである。
【0036】
データベース4の更新後、リモートサーバ3は、データを飲料メニューへとコンパイルし、その飲料メニューを電子デバイス2に送信する。次いで、電子デバイス2は、その画面上に飲料メニューを表示する。
【0037】
電子デバイス2によって受信された飲料メニューは、飲料注出マシン1の画面上に同時に表示される飲料メニューの複製である。
【0038】
電子デバイス2は、飲料注出マシン1からリモートサーバ3にデータを送信できるようにする中間デバイスとして使用される。
【0039】
したがって、消費者又はマシン操作者の電子デバイス2は、飲料注出マシン1とリモートサーバ3との間のブリッジとして機能する。その結果、飲料注出マシン1は、リモートサーバ3への直接接続を確立するためのいかなる追加の要素も必要としない。
【0040】
例えば、電子デバイス2は、スマートフォン、マシンからデータを抽出することができるリーダ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、又はタブレットコンピュータからなる群から選択される少なくとも1つを備えることができる(又はそれらの内部に含まれ得る)。
【0041】
電子デバイス2によって飲料注出マシン1からリモートサーバ3に送信されたデータは、飲料注出マシン1のファイルに記憶される。
【0042】
ファイルは複数の行を含む。各行は、異なるタイプのデータに対応する。データの各タイプは、一意の識別子によって表される。一意の識別子を使用する利点は、ファイルに含まれているすべてのデータをパースする必要がなく、一意の識別子をキー要素として使用して要求されたデータを抽出できることである。
【0043】
プロセスを容易にするために、ファイルは、好ましくは、EVAデータ転送規格でフォーマットされることが好ましい。EVA-DTSは、欧州自動販売協会(EuropeanVending Association、EVA)によって開発された電子データ転送規格である。
【0044】
今日、飲料注出マシンの大半は、EVA-DTS対応であり、マシン操作者は、異なる製造業者によって作製されたマシンのために異なるアップロードサービス及びダウンロードサービスを購入する必要なく、標準インターフェースを介してマシンと通信できることを保証されている。
【0045】
この規格は、要求されるサービスをマシンが提供できるようにするためには、異なるタイプのデータをマシンに入力する必要があるという概念に基づいている。更に、マシンに蓄積及び記憶されたデータは、商業的な又は技術的な制御を目的として、マシン操作者によってアクセスされ、管理システムに転送される必要がある。
【0046】
データセグメントは、類似する機能のデータ要素のグループで構成される。これらの要素は個々には送信されず、その代わりに、単一の行へと統合され、その行の先頭にブロック識別子を有する。データセグメントのブロック識別子は、上述した一意の識別子と等しい。
【0047】
一実施形態では、飲料及びマシンに関する情報を含むデータは、少なくとも、飲料注出マシン1の識別子と、飲料注出マシン1によって注出される異なる飲料の各々の識別子と、を含み得る。
【0048】
データは、飲料注出マシン1によって注出される異なる飲料の各々の価格、名称、販売窓口、マシンイベント、マシン識別子、及び原料を更に含み得る。
【0049】
図1に示すように、例えば、行の先頭にあるブロック識別子「ID101」の後には、マシン識別子が続く。マシン識別子はマシンアルファである。行の先頭にあるブロック識別子「PA103」の後には、飲料識別子が続く。飲料識別子はX及びYである。したがって、
図1のファイルは、注出できる飲料X及びYを有するマシンアルファを表す。
【0050】
飲料注出マシン1の制御ユニットは、ファイルからデータを抽出するように構成されている。そうするために、制御ユニットは、各行(データセグメント)のブロック識別子をパースし、必要な行を、例えば、ブロック識別子「ID101」及び「PA103」で始まるすべての行をフィルタリングする。データが抽出され、飲料注出マシン1の制御ユニットに記憶されると、飲料注出マシン1は、当該データを電子デバイス2に送信する準備が整う。
【0051】
コンピュータプログラム、例えばモバイルアプリケーションは、制御ユニットからデータを受信し、それをリモートサーバ3に送信するために電子デバイス2上で実行される。送信は、Bluetoothアダプタ、モデムアダプタ又はWi-Fiアダプタなどのデータ送信機手段によって行われる。
【0052】
制御ユニットからコンピュータプログラムへのデータの送信は、コードを使用して行われる。マシン1は、少なくともマシン及び飲料に関するデータをエンコードするコードを提示する。
【0053】
コンピュータプログラムは、電子デバイス2のカメラ又はスキャナを用いてコードを読み取って、それをデコードする。次いで、コンピュータプログラムによってデコードされたコードは、次いで、通信ネットワークを介してリモートサーバ3に送信される。
【0054】
コードは、バーコード、OID、QRコード、及び/又は電磁気であり得る。通常、コードは、ディスペンサ上に取り付けられるラベル上に印刷される、又はディスペンサ上に描かれる。コードは、インターネットアドレス、好ましくは、マシン1に対応するリモートサーバ3に接続するためのURLを更にエンコードし得る。
【0055】
通常、コードは、ディスペンサ上に取り付けられるラベル上に印刷される、又はディスペンサ上に描かれる。コードは、好ましくは、ディスペンサ上の、消費者がすぐに見ることができる場所に配置される。
【0056】
代替的には、データの一部は、ネットワーク接続を使用して送信されてもよい。この実施形態では、データは2つに分割され、データの第1の部分は飲料識別子を含み、データの第2の部分は残りの情報を含む。第1の工程として、電子デバイスは、飲料注出マシン1を識別するためのコードを読み取る。第2の工程として、飲料注出マシン1と電子デバイスとの間のネットワーク接続が確立され、データの第2の部分が、飲料注出マシン1のネットワークユニットを介して電子デバイス2に送信される。
【0057】
リモートサーバ3へのデータの送信後、リモートサーバ3は、当該データをデータベースに記憶されたデータと比較し、マシン1について、当該データを用いてデータベースを更新する。
【0058】
電子デバイス2から受信したデータとデータベースに記憶されたデータとを比較するために、リモートサーバ3は、まず、マシン識別子を使用して、データベース内のマシン1に関するすべてのデータを識別する。リモートサーバ3は、一致するマシン識別子を見つけるまで、データベースに記憶されたすべてのマシン識別子をパースする。
【0059】
データベース内のマシン1のデータを識別した後、リモートサーバ3は、識別したデータを当該データと比較する。これら2つの間に差異がある場合、リモートサーバ3は、当該データを用いてデータベースを更新する。したがって、更新後、データベースは、マシン1と同じデータを含む。
【0060】
図2には、リモートサーバ3によるデータベースの更新の一例が示されている。データベースは、各々が識別子によって表される複数のマシンにリンクされた情報を含んでいる。
【0061】
新しいマシンを設置する場合、データベースは、
図2の第1の表に示される飲料注出マシン1の飲料に関する情報を含んでいない。電子デバイス2からデータが受信されると、比較工程はなく、当該データはマシンアルファのデータベース内に自動的に保存される。
【0062】
別のシナリオでは、
図2の第2の表に示されるように、データベースが飲料注出マシン1の飲料に関する情報をすでに含んでいる場合、リモートリソース3は、まず、電子デバイス2から受信したデータを比較し、次いで、それに応じてデータベースを更新する。
【0063】
図2は単純な論理を示しているが、当業者には、データベース及びデータが、飲料メニューの飲料価格、各飲料の名称、及び各飲料の調製のための原料などの他の要素を含んでいてもよいことが明らかであろう。
【0064】
次の工程として、リモートサーバ3は、データを飲料メニューへとコンパイルする。この文脈におけるコンパイルは、リモートサーバ3が、データベースに記憶された多くの情報を収集してまとめることを意味する。
【0065】
飲料メニューのコンパイル中、何らかのエラー又は関連性のないデータについてデータを検証することによってクリーニングが行われる。コンパイルはまた、欠損値を決定する工程と、最も適切な値を適所に入力する工程と、を含む。
【0066】
したがって、データが何らかの理由でデータベース4内で正しく更新されない場合、コンピュータプログラムは、それ自体を適合させ、リモートサーバ内に記憶されたデフォルト値を用いて欠損値を完成させることができる。
【0067】
飲料メニューがコンパイルされて、送信する準備が整うと、リモートサーバ3は、電子デバイス2上で実行されるコンピュータプログラムに飲料メニューを送信し、次いで、電子デバイス2は、画面上で飲料メニューを消費者に表示する。その結果、消費者には、飲料注出マシン1の画面上に同時に表示される飲料メニューの複製である最新の飲料メニューが見える。
【0068】
この方法を使用する利点は、飲料注出マシン1のメニューに変更があると、飲料メニューの変更後に飲料注出マシン1を使用する第1の消費者の電子デバイス2が、中間的役割を果たし、リモートサーバ3に記憶されたデータベース4を更新するためにデータをリモートサーバ3に送信することである。
【0069】
更新は電子デバイス2によって自動的に行われるので、飲料注出マシン1の操作者は、飲料注出マシン1上の飲料メニューを更新した後にいかなる追加のアクションもとる必要がない。
【0070】
データベース4を少なくとも毎日更新するためには、1日あたり少なくとも1人の消費者がいれば十分である。結果として、現地の操作者の作業が簡略化される。現地の操作者が、自分の電子デバイス2を使用してリモートサーバのデータベース4を更新することを忘れた場合、代わりに次の消費者が更新する。
【0071】
飲料メニューを、電子デバイス2の画面上に現すことができる。写真又はフィルムの形態の命令を示すことができる画面を電子デバイス2が備える場合、命令を特に容易に実施することができる。
【0072】
そのような構成では、電子デバイス2の画面が顧客に同じ情報を提供し、顧客が飲料(単数又は複数)を注文することを可能にするため、飲料の選択を消費者が入力するための対話型画面を有する飲料ディスペンサマシンを製造する必要はもはやない。
【0073】
以下の段落では、この方法に適合された飲料注出マシン1をより詳細に説明する。
【0074】
飲料注出マシン1は、エスプレッソ及び他のコーヒー飲料、ミルク飲料、チョコレート飲料、茶飲料、並びにスープなどの複数の異なる飲料を注出するように構成されている。
【0075】
このマシン1は、家庭内のマシンであっても、又は家庭外のマシンであってもよい。
【0076】
マシン1は、飲料を収集するために、容器支持体、例えば、マシン1が配置される外部配置支持体上、又はマシン支持体、例えば、移動可能な若しくは取り外し可能なマシン支持体上などの、容器配置領域に配置されるカップ又はマグなどのユーザ容器に飲料を注出するための出口を備え得る。
【0077】
容器は、マシンによって構成された支持体、例えば移動可能若しくは取り外し可能なマシン支持体によって形成されてもよい。容器配置領域は、出口の下にそのようなユーザ受容器を支持するためのマシン受容部支持体と関連付けることができる。
【0078】
マシン1は、異なる飲料原材料を貯蔵し、1回分計量し、注出するための複数の容器を備える。マシン1は、飲料原材料のうちの少なくとも1つ及び希釈剤から飲料を調製するための少なくとも1つの飲料調製ユニットを更に備える。
【0079】
マシン1は、飲料原材料のうちの少なくとも1つから飲料を調製するために容器に動作可能に連結された少なくとも1つの飲料調製ユニットを備える。
【0080】
本発明の制御ユニットの主な有用性について上記で説明している。すなわち、制御ユニットは、ファイルからデータを抽出するように構成されており、データ送信機手段は、電子デバイス2のコンピュータプログラムにデータを送信する。
【0081】
制御ユニットはまた、飲料を調製するために容器及び飲料調製ユニット(単数又は複数)を制御する工程を含む調製プロセスを実行するように動作可能である。制御ユニットはまた、飲料原材料の量を1回分計量し、飲料調製ユニットの一部内に1回分を注出するように、容器に関連付けられたモータを制御することができる。制御ユニットは、飲料原材料の1回分を希釈剤と混合するために、飲料調製ユニットを作動させることができる。
【0082】
好ましくは、制御ユニットは、ファイルから読み出されたデータを記憶するためのメモリユニットを備える。メモリ8ユニットは、典型的には、プログラムコード及び動作パラメータを記憶するための不揮発性メモリ、例えば、EPFROM、EEPROM、又はFLASHと、データを記憶するための揮発性メモリ(RAM)と、を備えている。メモリ8ユニットは、別個の及び/又は(例えば、プロセッサのダイ上に)一体化されたメモリを備えてもよい。
【0083】
コードを使用して飲料注出マシン1から電子デバイス2のコンピュータプログラムにデータを送信するために、飲料注出マシン1は、飲料注出マシン1上に提示されたコードを読み取り、コードをデコードし、デコードされた形態のデータをリモートサーバ3に送信するためのコード処理システムを更に備える。
【0084】
飲料注出マシン1は、電子デバイス2との間に接続を確立するためのネットワークユニットを備えることができる。ネットワークユニットは、注出される飲料の選択などのコマンドを電子デバイス2から受信するために使用され得る。
【0085】
飲料注出マシン1は、画面を更に備えてもよい。上記段落で説明したように、電子デバイス2により、消費者が自分の飲料の選択を入力できるため、入力を受信するために画面を対話型に構成する必要はない。次いで、消費者の入力は、通信ネットワークを使用して電子デバイス2からマシン1に送信され得る。
【国際調査報告】