(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】物体認知及び車両のアシストシステムの走行意図をアニメで表現する方法、アシストシステム、コンピュータプログラム及びコンピュータ読取可能な(記憶)媒体
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20241219BHJP
【FI】
B60W50/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530528
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022081514
(87)【国際公開番号】W WO2023110238
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133174.9
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】イェルク・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】マイザー・クリストフ
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241DC01Z
(57)【要約】
【課題】システム理解を促進するためにどのように車両の運転者によるアシストシステム情報の認知を改善できるかという解決手段を示す。
【解決手段】物体認知と、車両の自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図とをアニメで表現する方法であって、
-物体認知をアシストシステムによって表現すること、
-物体認知をアニメ化することと
を含み、車両がアバター7を用いて表され、検出された物体とのアバター7との相互作用がアニメ化において行われる、前記方法において、
-アバター7が、物体認知のアニメ化において、追加的な動作9をまねし、
-制御ストラテジの存在を表すアシストシステムの走行意図が表現され、及び
-アシストシステムの走行意図の表現が行われ、走行意図が、アニメ化においてアバター7によってまねされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物体認知と、車両(1)の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図とをアニメで表現する方法であって、
-前記少なくとも1つの物体認知において前記車両(1)の周囲(4)における検出された物体が前記アシストシステムの前記少なくとも部分的に自動化された操縦の制御ストラテジに影響を与える場合に、前記少なくとも1つの物体認知を前記アシストシステムによって表現するステップと、
-前記少なくとも1つの物体認知をアニメ化するステップと
を含み、前記車両(1)がアバター(7)を用いて表され、検出された物体と前記アバター(7)との相互作用が前記アニメ化において行われる、前記方法において、
-前記車両(1)の前記周囲(4)における前記検出された物体が制御ストラテジに影響を与える場合に、前記アバター(7)が、前記少なくとも1つの物体認知のアニメ化において、少なくとも1つの追加的な動作(9)をまねること、
-前記検出された物体により影響を受ける前記制御ストラテジの存在を表す前記アシストシステムの走行意図が表現されること、及び
-前記アシストシステムの走行意図の表現がアニメ化されて行われ、前記車両(1)の運転者のシステム理解を改善するために、前記走行意図が、アニメ化において前記アバター(7)によってまねされること
を特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのアニメーションパラメータが、前記少なくとも1つの物体認知に依存して、及び/又は前記アシストシステムの走行意図に依存して決定され、前記少なくとも1つのアニメーションパラメータが前記アニメ化に影響を与えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアニメーションパラメータが、前記制御ストラテジの実行の少なくとも1つの緊急性を表し、前記アニメ化が該緊急性に依存して行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの物体認知あるいは前記アシストシステムの走行意図が運転者によって本質的に周辺視野における目視により認知されるように、アニメ化された表現が行われることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの物体認知及びアシストシステムの走行意図を請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に従いアニメにより表現するように構成された表示装置(3)を含むことを特徴とする車両(1)用のアシストシステム。
【請求項6】
演算装置によるプログラムの実行時に、少なくとも1つの物体認知及び車両(1)の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図を、前記演算装置に、アシストシステムの請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に従い表示装置(3)においてアニメにより表現させるコマンドを含んでいることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
演算装置によるプログラムの実行時に、少なくとも1つの物体認知及び車両(1)の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図を、前記演算装置に、アシストシステムの請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に従い表示装置(3)においてアニメにより表現させるコマンドを含んでいることを特徴とするコンピュータ読取可能な(記憶)媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの物体認知及び車両のアシストシステムの走行意図をアニメで表現する方法に関するものである。さらに、本発明は、車両用のアシストシステムに関するものである。最後に、本発明は、コンピュータプログラム及びコンピュータ読取可能な(記憶)媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の操縦時に運転者をサポートする異なる運転者アシストシステムが従来技術から知られている。例えば、速度制御システム(英語ではAdaptive Cruise Control(アダプティブクルーズコントロール)、短くACCと呼ばれる)、車線変更アシストシステム及び車両の少なくとも部分的に自動化された操縦のための別のアシストシステムが知られている。このようなアシストシステムは、通常、車両の周囲における物体を検知することが可能な複数の周囲センサを含んでいる。少なくとも部分的に自動化された操縦は、車両の周囲において検知された物体に依存して、アシストシステムを用いて計画されることが可能である。周囲において検知された物体は、少なくとも部分的に自動化された操縦の間にアシストシステムの制御ストラテジに影響を与え得る。
【0003】
周囲において検知された物体に対する操縦あるいは制御が少なくとも部分的に自動化されて行われるにもかかわらず、現在、車両の運転者は、多くの場合、規則に従い正しく動作するアシストシステムに対して責任を負っている。したがって、車両の運転者が現在の交通状況にかかわらず常に良好なシステム理解を有することが不可欠である。そのため、場合によっては修正するように介入することができるように、運転者が適当な交通状況においてアシストシステムの走行意図及びその物体認知について通知されることが必要である。
【0004】
このために、従来技術から公知の現在のアシストシステムは、関連する情報がコンビネーションメータ(複合計器)、ヘッドアップディスプレイ及び/又はこれに類するものに表示されることで車両の運転者に通知される。しかし、このとき、示される情報の運転者による認知が合目的で直感的な形態であることが保証されない。したがって、運転者の直感的なシステム理解が全ての交通状況において保証され得ない。
【0005】
特許文献1は、周囲データに基づき車両の周囲における物体を認識するステップと、表示される物体を有する表示と、認識された物体及び/又は車両の周囲を描写する表示された周囲とを提供するステップと、示された物体及び/又は表示された周囲に依存して運転者アシストシステムの応答を実行するステップと、表示された物体及び/又は表示された周囲を操作入力によって変更するためのユーザインタフェースを提供するステップと、操作入力において行われる表示された物体及び/又は表示された周囲の変更に依存して運転者アシストシステムの応答を適合させるステップとを有する車両の運転者アシストシステムを動作させる方法に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願第102020106380号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、アシストシステムの場合に、システム理解を促進するためにどのように車両の運転者によるアシストシステム情報の認知を改善できるかという解決手段を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該課題は、本発明により、方法によって、アシストシステムによって、コンピュータプログラム及びコンピュータ読取可能な(記憶)媒体によって解決される。本発明の有利な発展形態は、各従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明による方法は、少なくとも1つの物体認知及び車両の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図をアニメで(アニメ化して)表現(図示)することに用いられる。方法は、アシストシステムを動作させるためにも用いられることが可能である。方法は、少なくとも1つの物体認知において検出される物体が車両の周囲においてアシストシステムの少なくとも部分的に自動化された操縦に影響を与える場合に、少なくとも1つの物体認知をアシストシステムによって表現することを含む。加えて、方法は、少なくとも1つの物体認知をアニメ化し、車両がアバターを用いて表され、検出された物体とのアバターとの相互作用がアニメ化において行われる。このとき、車両の周囲において検出された物体が制御ストラテジに影響を与える場合に、アバターは、少なくとも1つの物体認知のアニメ化において、少なくとも1つの追加的な動作をまねる。加えて、方法は、検出された物体により影響を受ける制御ストラテジの存在(企図)を表すアシストシステムの走行意図を表現することを含む。最後に、アシストシステムの走行意図の表現が行われ、車両の運転者のシステム理解を改善するために、走行意図が、アニメ化においてアバターによってまねされる。
【0010】
このとき、走行あるいは操縦の「少なくとも部分的に自動化された」という概念は、任意の自動化度合いでの自動化された走行を含む。例示的な自動化度合いは、(自動化度合いが順に大きくなるように)アシストされた走行、部分的に自動化された走行、高度に自動化された走行、全自動の走行及び自律的な走行である。
【0011】
本明細書では用いられるようなアシストシステムの物体認知及び物体解釈の概念は、物体検出のステップを表すとともに、例えばロボットの制御の所定の制御パラダイムにおいて、しばしばセンスステップと呼ばれる(英語あるいは専門用語に基づき、このようなステップは、Sense-Plan-Act-Paradimasにおいて知られている)。個の意味合いでは、本明細書で用いられるようなアシストシステムの走行意図という概念(用語)は、プランステップの実際の意図あるいは実際の動作目標と理解され得る。
【0012】
ここで、実際の意図あるいは実際の動作目標は、異なる態様で達成され得る。例えば、車両の実際の走行速度の低減は、駆動トルクの低減によって、及びブレーキ介入によって達成されることが可能である。特に、走行意図の実現においては、複数の異なる介入が必要となり得る。したがって、本明細書で用いられるような影響を受ける制御ストラテジの概念(用語)は、物体認知に基づきアシストシステムの変化する走行意図と理解され得る。
【0013】
したがって、方法を用いて、車両の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムについての運転者のシステム理解を改善することが可能である。方法においては、アシストシステムの少なくとも1つの物体認知及び走行意図をアニメによって(アニメ化して)表現することが可能である。アシストシステムが、許容最高速度を示し車両の現在の走行速度の低減を必要とさせる交通標識を例えばカメラによって検出すると、検出された交通標識は、アシストシステムの制御ストラテジに影響を与える。その後、車両のアシストシステムについてのシステム理解の改善に寄与する関連する情報が車両の運転者にアニメ化して表現されることが可能である。したがって、運転者は、アシストシステムの物体認知及びその走行意図について常に直感的に通知されることが可能である。
【0014】
上述の場合によれば、アシストシステムは、例えば、現在許容される最高速度の認識による速度制御システムであり得る。この例では、検出された物体は交通標識であり得るとともに、交通標識に描かれた交通標識は、許容される最高速度を示している。しかし、さらに、別のアシストシステムあるいはアシスト機能も考えられる。加えて、検出された物体は、車両の周囲における任意の物体、すなわち、例えば別の交通参加者、障害物、車線マーク又はこれらに類するものであり得る。
【0015】
アニメによる表示においては、車両あるいは自車は、アバターを用いて表されることが可能である。アバターは、例えば、中国の竜、乗馬するカウボーイ、犬ぞり又はこれに類するものであってよい。少なくとも1つの物体認知において物体、例えば交通標識が車両の周囲において検出されると、検出された物体は、車両を表すアバターと共に図示されることが可能である。加えて、物体あるいは少なくとも1つの物体認知の図示は、アニメ化されて、すなわち時間的に変化するように行われることが可能である。アニメ化によって、すなわち動く画像が運転者に示唆する多数の個別画像を表示することで、システム理解の改善を達成することが可能である。さらに、図示された情報の運転者による認知性を向上させることが可能である。
【0016】
アバターは、アニメ化における検出された物体と相互作用(連携)することが可能であることが強調されるべきである。このような相互作用は、例えば中国の竜の場合には、検出された物体の方向へ火を吹くことであり得る。乗馬するカウボーイの場合には、検出された物体を捕捉する回転する投げ縄の形態で図示されることが可能である。
【0017】
したがって、換言すれば、アニメ化における検出された物体とのアバターの相互作用は追加的な動作をまねるものであり、車両の周囲で検出された物体が制御ストラテジに影響を与える場合にのみ、追加的な動作がアバターによってまねされる。したがって、許容される最大速度を制限する交通標識での上述の例では、車両の現在の速度の低減が必要な場合、あるいは現在の走行速度が許容される最高速度が大きい場合に、追加的な動作がまねされることが可能である。
【0018】
さらに、アニメによる表現(図示)においては、アシストシステムの走行意図も表現(図示)されることが可能である。制御ストラテジが様々な態様で影響を受け得る一方、アシストシステムの走行意図は、車両の運転者にアシストシステムの実際の意図を示すことが可能である。このとき、走行意図の表示は、アニメ化されて行われることができる、運転者のシステム理解の改善に貢献する。
【0019】
例えば、車両の現在の走行速度よりも大きな許容される最高速度を許容する交通標識がアシストシステムによって検出されると、アシストシステムの少なくとも部分的に自動化された操縦の制御ストラテジが影響を受け得る。車両は、アニメ化において例えば乗馬するカウボーイとして表現されると、乗馬するカウボーイが投げ縄で交通標識を捕捉するように、交通標識の少なくとも1つの物体認知がアニメ化して表現される。これにより、まず、この場合は交通標識である物体が検出され、これにより制御ストラテジが影響を受けることを車両の運転者に明示される。
【0020】
しかし、この時点では、制御ストラテジの影響の結果は車両の運転者にはまだ認識されていない。これがより大きな走行速度につながり得ることは、アシストシステムの走行意図のアニメ化された表現によって運転者に通知されることが可能である。このとき、例えば、乗馬するカウボーイの馬は、蹄をかいて、意図する加速に依存して多かれ少なかれ素早く駆け出すことが可能である。
【0021】
したがって、まとめると、少なくとも1つの物体認知及びアシストシステムの走行意図のアニメ化された図示のための本発明による方法を用いて、運転者がアシストシステムの関連する情報をより良好に認知し、これにより、より良好なシステム理解を得ることを保証することが可能である。アニメ化された表現により、静的な表現に比して運転者の認知を改善することが可能である。
【0022】
加えて、少なくとも1つのアニメーションパラメータが、少なくとも1つの物体認知に依存して、及び/又はアシストシステムの走行意図に依存して決定され、少なくとも1つのアニメーションパラメータがアニメ化に影響を与えれば、有利である。例えば、検出された物体に依存して、及び/又は走行意図に依存して車両のアバターを変更することが可能である。加えて、物体認知及び/又はアシストシステムの走行意図に依存して少なくとも1つの物体認知のアニメ化においてアバターがまねることが考えられる。また、アニメーションパラメータがアニメ化された表現の速度にも影響を与えることが可能である。
【0023】
したがって、アニメーションパラメータは、アシストシステムの情報の運転者による認知が更に改善され、システム理解が向上される。
【0024】
ここで、少なくとも1つのアニメーションパラメータが、制御ストラテジの実行の少なくとも1つの緊急性を表し、アニメ化が緊急性に依存して行われれば、特に有利である。例えば、車両の前方に入り込む別の交通参加者により車両の現在の走行速度を大きく低減する必要があり得る。検出された物体、すなわちこの例では入り込む別の交通参加者は、アシストシステムによる物体認知において検出されることが可能である。制御パラメータの実行の少なくとも1つの緊急性を表す少なくとも1つのアニメーションパラメータは、例えば、入り込む別の交通参加者との車両の衝突までの時間を表す時間(英語、専門用語では、Time-to-Collisionと呼ばれる)によって決定されることが可能である。
【0025】
さらに、少なくとも1つのアニメーションパラメータあるいは緊急性に依存して、例えばアニメーション速度に影響を与えることが考えられる。加えて、緊急性に依存して、少なくとも1つの物体認知のアニメ化においてアバターが別の動作をまねることが考えられる。別の動作をまねることによって、車両の運転者は、実際にクリティカルな状況に気付くことが可能であり、場合によっては介入することが可能である。
【0026】
最後に、少なくとも1つの物体認知あるいはアシストシステムの走行意図が運転者によって本質的に周辺視野における目視により認知されるように、アニメ化された表現が行われることも有利である。ここで、周辺視野における目視は、中央の網膜に描写されない運転者の視野の範囲における認知である。周辺視野での(又は間接的な)目視においては、運転者は、事実上アニメ化された表現において受け流す(傍らで見る)。周辺視野での目視は、移動の認知に対して非常に効果的である。したがって、一方では、車両の運転者は、物体認知及び走行意図のアニメ化された表現によって煩わされず、他方では、周辺視野での目視により、アバターのアニメ化された表現、すなわち動きによって効果的な認知が保証される。したがって、全体として、車両の運転者の周辺視野における目視によって認知されそのため道路へ向けられた運転者の実際の視野の外部にある範囲におけるアニメ化された表現により、相乗効果が得られる。
【0027】
本発明による車両用のアシストシステムは、少なくとも1つの物体認知及びアシストシステムの走行意図を本発明による方法に従いアニメにより表現するように構成された表示装置を含んでいる。加えて、アシストシステムは、少なくとも1つの周囲センサ及び電子制御機器あるいは演算装置を含むことが可能である。アシストシステムは、特に少なくとも部分的に自動化された操縦のために、すなわち例えば部分的に自動化された長手方向運転及び/又は横方向運転のために構成されることが可能である。
【0028】
本発明による車両、特に自家用車は、本発明によるアシストシステムを含んでいる。
【0029】
本発明の別の態様は、演算装置によるプログラムの実行時に、少なくとも1つの物体認知及び車両の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図を、演算装置に、アシストシステムの本発明の方法に従い表示装置においてアニメにより表現させるコマンドを含んでいるコンピュータプログラムに関するものである。さらに、本発明は、演算装置によるプログラムの実行時に、少なくとも1つの物体認知及び車両の少なくとも部分的に自動化された操縦のためのアシストシステムの走行意図を、演算装置に、アシストシステムの本発明の方法に従い表示装置においてアニメにより表現させるコマンドを含んでいることを特徴とするコンピュータ読取可能な(記憶)媒体に関するものである。
【0030】
このとき、表示装置は、例えば、モニタ、コンビネーションメータ(複合計器)の一部、ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ又はこれらに類するものであってよい。ここで、演算装置は、特に少なくとも1つのプロセッサを含んでいる。加えて、演算装置は、記憶装置(メモリ)を備えることができる。演算装置は、少なくとも1つの電子制御機器によって形成されることができる。
【0031】
本発明による方法に関して提示される好ましい実施形態及びその利点は、本発明によるアシストシステム、本発明による車両、本発明によるコンピュータプログラム及び本発明によるコンピュータ読取可能な(記憶)媒体にも対応して当てはまる。
【0032】
本発明の別の特徴は、特許請求の範囲、図面及び図面による説明から明らかである。本明細書において上述した特徴及び特徴の組合せ並びに以下において図面による説明及び/又は図面において単に示される特徴及び特徴の組合せは、本発明の範囲を逸脱することなく、それぞれ記載された組合せにおいてのみならず、他の組合せ又は単独で使用可能である。
【0033】
本発明を、好ましい実施例に基づいて、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】車両の表示パネルを概略的に示す図であり、表示パネルは、物体認知のアニメによる図示が示唆される表示装置を含んでいる。
【
図2】車両の表示パネルを概略的に示す図であり、表示パネルは、物体認知及び走行意図のアニメによる図示が示唆される表示装置を含んでいる。
【
図3】
図2による表示装置を拡大した形態で概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
各図では、同一又は機能的に同一の要素には同一の参照符号が付されている。
【0036】
図1には車両1の表示パネル2が概略的に示されており、表示パネル2は、車両1のアシストシステムの物体認知のアニメによる図示が示唆される表示装置3を含んでいる。さらに、車両1の周囲4が車両1の運転者の視点から図示されており、当該視点は、車両1のフロントガラスを通して見たものである。
【0037】
アシストシステムは、例えば、交通標識認識、車間距離制御及び/又はこれに類するものを有する速度制御システムとして形成されることが可能である。表示装置3は、アシストシステムの物体認知を概略的に図示する。物体認知においては、アシストシステムが一時停止標識5を検出する。車両1の周囲4における一時停止標識5は、表示装置3においてバーチャルな一時停止標識5’によって図示されている。車両1の周囲4における停止線6は、表示装置3においてバーチャルな停止線6’によって図示されている。車両1は、アバター7を用いて図示される。アバター7は、
図1の例では中国の竜として図示されている。
【0038】
図1の例では、アシストシステムが車両1の長手方向運転(長手方向ガイド)を引き受ける。このとき、車両1は、周囲4において交差点8へ向けて移動する。交差点8では、優先通行権が一時停止標識5によって規定されている。一時停止標識5は、物体認知に際してアシストシステムによって検出される。しかし、車両1のアシストシステムによる一時停止標識5の検出の瞬間に、すなわち、物体認知の瞬間に、車両1のアシストシステムによって一時停止標識5が正確に検出されることを車両1の運転者は必ずしも認識していない。
【0039】
したがって、事情によっては、少なくとも部分的に自動化されたアシストシステムの操縦の制御ストラテジ、すなわち、特にアシストシステムによる車両1の長手方向制御が影響されることを運転者はなおさら認識していない。したがって、車両1の運転者は、事情によっては、一時停止標識5が検出されたこと、及びアシストシステムが制御ストラテジをその後変更することについて気付いていない。したがって、換言すれば、事情によっては、運転者は、車両1のアシストシステムが意図的に停止線6において停止することを認識していない。
【0040】
物体認知に際して一時停止標識5がアシストシステムによって検出されることは、アバターがまねる(ここでは口から火を吹くこと9)少なくとも1つの追加的な動作によって少なくとも1つの物体認知のアニメーション化において車両1の運転者に明示されることが可能である。これに代えて、アバターがまねる追加的な動作は、バーチャルの一時停止標識5’を食べ尽くすことであり得る。
【0041】
したがって、まとめると、少なくとも1つの物体認知及びアシストシステムの走行意図のアニメ化された図示のための本発明による方法を用いて、運転者がアシストシステムの関連する情報をより良好に認知し、これにより、より良好なシステム理解を得ることを保証することが可能である。
【0042】
図2には車両1の表示パネル2が概略的に示されており、表示パネル2は、車両1のアシストシステムの物体認知及び走行意図のアニメによる図示が示唆される表示装置3を含んでいる。さらに、車両1の周囲4が車両1の運転者の視点から図示されており、当該視点は、車両1のフロントガラスを通して見たものである。
【0043】
車両1は、周囲4において、3つの車線を有する走行路を有する高速道路10において移動する。このとき、車両1は、走行路の左側の車線14において移動する。さらに、車線減少標識11が左側の車線14の終部を示している。
【0044】
中央の車線には別の交通参加者12が存在する。本例では車両1の少なくとも1つの横方向運転及び長手方向運転を制御するアシストシステムが動作している場合には、ここで図示された例では、車両1の運転者は、車線減少標識11及び左側の車線14の終部がアシストシステムによって正確に検出されたことを認識していない。このことは、表示装置3を用いて車両1の運転者に示されることが可能である。
【0045】
図2に基づく例では、別の交通参加者12は、追加のアバター12’(本例では羊として示されている)を用いて表示装置3に示されることが可能である。車線減少標識11は、表示装置3において、バーチャルな車線減少標識11’によって示されることが可能である。アシストシステムによる車線減少標識11の検出は、アバター7の少なくとも1つの追加的な動作をまねることで運転者に新たに知らされる(ここでは火を吹くこと9として新たに知らされる)。
【0046】
しかし、事情によっては、この時点で、車両1の運転者は、車線減少標識11によりアシストシステムの制御ストラテジあるいは走行意図についての結果が生じるかを認識していない。したがって、換言すれば、アシストシステムがどのような走行意図を有しているかが運転者にとって不明である場合があり得る。したがって、アシストシステムは、左側の車線14における車両1を強く減速させ、別の両交通参加者12の後方に入り込ませることがあり得る。同様に、つづいて別の両交通参加者12の間に入り込むために車両1を加速させる走行意図をアシストシステムが有していることもあり得る。
【0047】
図2の例では、アシストシステムの走行意図は、車両1をまずは加速させ、つづいて別の両交通参加者12の間に入り込ませることにある。これは、軌道13による図示によって示唆されている。アシストシステムの走行意図のアニメによる図示においては、アバター7(ここでは例示的に中国の竜として示唆されている)が軌道13に沿って移動し、車両の運転者にアシストシステムの走行意図を明示することが可能である。
【0048】
別の両交通参加者12の間に入り込ませるために車両1をどのくらい強く加速させるべきかに依存して、例えばアニメーションパラメータを決定することが可能である。このようなアニメーションパラメータは、制御ストラテジの実行(すなわち例えば加速)の緊急性を記述することができるとともに、アニメーション速度に影響を与えることが可能である。これにより、車両1の運転者に緊急性を明示することが可能である。
【0049】
図3には、
図2の交通状況による表示装置の拡大した形態での概略的な図が示されている。
【国際調査報告】