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特表2024-546613エアロゾル化可能材料を加熱するための装置と共に用いるための物品
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  • 特表-エアロゾル化可能材料を加熱するための装置と共に用いるための物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】エアロゾル化可能材料を加熱するための装置と共に用いるための物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241219BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20241219BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241219BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241219BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241219BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/20
A24F40/42
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531517
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 GB2022053302
(87)【国際公開番号】W WO2023118837
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】2118571.5
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファロン, ゲイリー
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA41
4B045AB05
4B045AB08
4B045AB16
4B045BB03
4B045BC24
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC14
4B162AC17
(57)【要約】
エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するようにエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための物品。例において、物品は、エアロゾル生成材料を含有する空洞を画定する第1のセクションを含み、エアロゾル生成材料は空洞を部分的に埋める。物品は、空洞内に、装置の加熱要素を受けるように構成される。エアロゾル生成材料は、加熱要素に対し空洞内で変位可能であるように配置される。別の例において、物品は、エアロゾル生成材料を含有する第1のセクションを含み、エアロゾル生成材料は、タバコを含む複数の材料片を含む。物品は、第1のセクションの第1の端部を画定する第1のプラグを含み、第1のプラグはタバコを含む。また、前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるようにエアロゾル生成材料を加熱するように配置された加熱装置と、上記で説明した物品とを備えるシステムも開示される。加熱装置は、使用時に物品のエアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つのヒーター要素を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するように前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための物品であって、前記物品が、
エアロゾル生成材料を含有する空洞を画定する第1のセクションを備え、前記エアロゾル生成材料が前記空洞を部分的に充填し、前記物品が、前記空洞において前記装置の加熱要素を受けるように構成され、前記エアロゾル生成材料が、前記加熱要素に対し前記空洞内で変位可能であるように配置される、物品。
【請求項2】
前記物品の移動により、前記加熱要素に対しエアロゾル生成材料を再配置するための前記空洞内の前記エアロゾル生成材料の変位が生じるように、前記エアロゾル生成材料が前記空洞内に配置される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記エアロゾル生成材料が、複数の個々のエアロゾル生成材料片、及び好ましくは個々のタバコ材料片を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記エアロゾル生成材料が、複数のビーズ又はペレットを含む、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記エアロゾル生成材料が、前記空洞の容積の約80%~95%を占有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
エアロゾル生成材料が、前記空洞の前記容積の約88%~92%を占有する、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記第1のセクションが、前記空洞の第1の端部を画定する第1の閉塞部材を含み、好ましくは、前記第1の閉塞部材が第1のプラグである、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の閉塞部材がエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、タバコ材料を含む、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記第1のセクションが、前記空洞の第2の端部を画定する第2の閉塞部材を含み、好ましくは、前記第2の閉塞部材が第2のプラグである、請求項7又は8に記載の物品。
【請求項10】
前記第2の閉塞部材がエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、タバコ材料を含む、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記第1の閉塞部材が、前記物品が前記装置に挿入されるとき、前記装置の前記加熱要素が前記第1の閉塞部材を通って前記空洞内に延びることを可能にするように配置される、請求項7~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記物品が管フィルタセクションを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記物品が冷却セクションを更に含み、好ましくは、前記冷却セクションがエアロゾル生成材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
フィルタセクションを更に備え、好ましくは、前記フィルタセクションが前記物品の口部端にある、請求項1~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記フィルタセクションが、エアロゾル変性剤を含み、好ましくは香味料を含む、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記エアロゾル変性剤を含むエアロゾル変性剤放出成分を含み、好ましくは、前記エアロゾル変性剤放出成分がカプセルである、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するように前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置において用いるための物品であって、前記物品が、
エアロゾル生成材料を含有する第1のセクションを含み、前記エアロゾル生成材料が、タバコを含む複数の材料片を含み、前記物品が、前記第1のセクションの第1の端部を画定する第1のプラグを含み、前記第1のプラグがタバコを含む、物品。
【請求項18】
前記第1のプラグの前記タバコは再生タバコを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記物品が、前記第1のセクションの第2の端部を画定する第2のプラグを含み、前記第2のプラグがタバコを含み、好ましくは再生タバコを含む、請求項17又は18に記載の物品。
【請求項20】
タバコを含む前記複数の材料片が、タバコビーズ又はペレットを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
前記第1のセクションが、前記エアロゾル生成材料を含む空洞を画定し、前記エアロゾル生成材料が、前記空洞の容積の約80%~95%を占有する、請求項17~20のいずれか一項に記載の物品。
【請求項22】
エアロゾル生成材料が、前記空洞の前記容積の約88%~92%を占有する、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
前記物品が、前記第1のセクションにおいて、前記装置の加熱要素を受けるように構成され、タバコを含む前記複数の材料片が、前記第1のセクション内で、前記加熱要素に対し再配置可能であるように変位可能である、請求項17~22のいずれか一項に記載の物品。
【請求項24】
エアロゾル生成材料を加熱して、前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置された加熱装置と、前記加熱装置と共に用いるための、請求項1~23のいずれか一項に記載の物品とを備えるシステムであって、
前記加熱装置が、
使用時に前記物品の前記エアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つのヒーター要素を備える、システム。
【請求項25】
ハウジングが、前記物品を前記加熱装置に挿入することができる第1の開口部を備える、請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための物品に関する。
【背景】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の物品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。これらの物品の代替品を、燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。このような製品の例には、エアロゾル化可能材料を燃焼させるのではなく加熱することによって化合物を放出する、タバコ加熱製品又はタバコ加熱装置としても知られる、いわゆる「非燃焼加熱式」製品がある。この材料は、例えばタバコ若しくは他の非タバコ製品、又はブレンドミックス等の組合せとすることができ、これらはニコチンを含む場合も含まない場合もある。
【概要】
【0003】
本開示によれば、エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するようにエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための物品が提供され、物品は、エアロゾル生成材料を含有する空洞を画定する第1のセクションを備え、エアロゾル生成材料は空洞を部分的に充填し、物品は、空洞において装置の加熱要素を受けるように構成され、エアロゾル生成材料は、加熱要素に対し空洞内で変位可能であるように配置される。
【0004】
いくつかの実施形態では、物品の移動により、加熱要素に対しエアロゾル生成材料を再配置するための空洞内のエアロゾル生成材料の変位が生じるように、エアロゾル生成材料が空洞内に配置される。
【0005】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、複数の個々のタバコ材料片を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は複数のビーズ又はペレットを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、ビーズ又はペレットは、タバコビーズ又はペレットである。
【0008】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、空洞の容積の約80%~95%を占有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、空洞の容積の約88%~92%を占有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のセクションは、空洞の第1の端部を画定する第1の閉塞部材を含み、好ましくは、第1の閉塞部材は第1のプラグである。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の閉塞部材はエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、タバコ材料を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のセクションは、空洞の第2の端部を画定する第2の閉塞部材を含み、好ましくは、第2の閉塞部材は第2のプラグである。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2の閉塞部材はエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、タバコ材料を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、空洞内のエアロゾル生成材料は第1のエアロゾル生成材料であり、物品は、第2のエアロゾル生成材料を更に含む。第1及び/又は第2の閉塞部材は、第2のエアロゾル生成材料を含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方の密度は、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方の密度よりも少なくとも約25%高い。しかしながら、他の実施形態において、第1及び第2のエアロゾル生成材料は同じである。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方は、約0.1g/cm3~約1g/cm3の密度を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方は、約0.4g/cm3~約2g/cm3の密度を有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、物品の加熱は、吸入可能な媒体への揮発性化合物の比較的一定の放出を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料は押出タバコを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料はビーズを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル生成材料は、ラミナタバコ及び再生タバコ材料からなる群から選択された1つ又は複数のタバコ材料を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの少なくとも1つは、ラミナ及び再生タバコ材料の組合せを含む。いくつかの実施形態では、ラミナ及び再生タバコ材料は、1:4~4:1の重量比でエアロゾル生成材料内に存在する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、同じレベルの揮発性化合物を有する。いくつかの実施形態では、揮発性化合物はニコチンである。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料からの揮発性化合物の放出は、材料が所与の温度に達するとき、同じレートにある。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、1:10~10:1の重量比で物品内に存在する。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の閉塞部材は、物品が装置に挿入されるとき、装置の加熱要素が第1の閉塞部材を通って空洞内に延びることを可能にするように配置される。
【0027】
いくつかの実施形態では、物品は管フィルタセクションを更に備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、物品は冷却セクションを更に含み、好ましくは、冷却セクションはエアロゾル生成材料を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、物品はフィルタセクションを更に備え、好ましくは、フィルタセクションは物品の口部端にある。
【0030】
いくつかの実施形態では、フィルタセクションは、エアロゾル変性剤を含み、好ましくは香味料を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、物品は、エアロゾル変性剤放出成分を含み、好ましくは、エアロゾル変性剤放出成分はカプセルである。
【0032】
本開示によれば、エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するようにエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置において用いるための物品が提供され、この物品は、
エアロゾル生成材料を含有する第1のセクションを含み、エアロゾル生成材料は、タバコを含む複数の材料片を含み、物品は、第1のセクションの第1の端部を画定する第1のプラグを含み、第1のプラグはタバコを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のプラグのタバコは再生タバコを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、物品は、第1のセクションの第2の端部を画定する第2のプラグを含み、第2のプラグはタバコを含み、好ましくは再生タバコを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、タバコを含む複数の材料片は、タバコビーズ又はペレットを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のセクションは、エアロゾル生成材料を含む空洞を画定し、エアロゾル生成材料は、空洞の容積の約80%~95%を占有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、空洞の容積の約88%~92%を占有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、物品は、第1のセクションにおいて、装置の加熱要素を受けるように構成され、タバコを含む複数の材料片は、第1のセクション内で、加熱要素に対し再配置可能であるように変位可能である。
【0039】
本開示によれば、エアロゾル生成材料を加熱して、前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置された加熱装置と、加熱装置と共に用いるための、本明細書に開示された物品とを備えるシステムも提供され、加熱装置は、使用時に物品のエアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つのヒーター要素を備える。
【0040】
いくつかの実施形態では、ヒーター要素はハウジング内に配置される。
【0041】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、物品を加熱装置に挿入することができる第1の開口部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0042】
ここで、実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
図1】エアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための物品の例の概略断面側面図である。
図2図1の物品の概略断面斜視図である。
図3】装置に挿入される図1及び図2の物品を用いてエアロゾル化可能材料を加熱するための装置の例の概略断面側面図である。
【詳細な説明】
【0043】
本明細書において用いられるとき、「送達システム」という用語は、ユーザへ少なくとも1つの物質を送達するシステムを包含することを意図したものであり、
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用又は手巻き若しくは手作りシガレット用のタバコ等の燃焼式エアロゾル供給システム(タバコ、タバコ派生品、膨化タバコ、再生タバコ、タバコ代替品、又は他の喫煙材に基づくか否かにかかわらない)と、
エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するための電子タバコ、タバコ加熱製品、及び混合システム等、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する不燃式エアロゾル供給システムと、
限定ではないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸引可能な粉末を含む物品、並びに、スヌース及び湿潤嗅ぎタバコを含む口腔タバコ等の口腔製品を含む少なくとも1つの物質であって、ニコチンを含む場合も含まない場合もある少なくとも1つの物質を、エアロゾルを形成することなく経口的、経鼻的、経皮的、又は別の方法でユーザに送達する、エアロゾルのない送達システムと、
を含む。
【0044】
本開示によれば、「不燃式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその成分)が燃焼されない又は燃やされないシステムである。
【0045】
いくつかの実施形態において、送達システムは、動力供給式の不燃式エアロゾル供給システム等の不燃式エアロゾル供給システムである。
【0046】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0047】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの例はタバコ加熱システムである。
【0048】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するための混合システムであり、エアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体又はゲルの形態とすることができ、ニコチンを含有している場合も含有していない場合もある。いくつかの実施形態において、混合システムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを含む。固体のエアロゾル生成材料は、植物由来の材料、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含むことができる。
【0049】
典型的には、不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイスと、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品とを備えることができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いられるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示全体を通じて、場合によっては物品と呼ばれる。
【0051】
本明細書で用いられる「上流」及び「下流」という用語は、主流エアロゾルが使用中の物品又はデバイスを通って吸い込まれる方向に関連して定義される相対的な用語である。「遠位端」への言及は、デバイスの上流端を指すのに対し、「近位端」は、デバイスの下流端を指す。
【0052】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システム、例えば不燃式エアロゾル供給システムの不燃式エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを備えることができる。動力源は、例えば、電源又は発熱源とすることができる。いくつかの実施形態において、発熱源は、発熱源の近傍のエアロゾル生成材料又は熱伝達材料に熱の形態で動力を分散させるために励磁することができる炭素基質を備える。
【0053】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、消耗品を受けるための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル変性剤を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、フィルタ、マウスピース、及び/又はエアロゾル変性剤を含んでもよい。
【0055】
消耗品は、送達される物質を含む。送達される物質は、エアロゾル生成材料である。適宜、物質は、1つ若しくは複数の活性成分、1つ若しくは複数の香料、1つ若しくは複数のエアロゾル形成剤材料、及び/又は1つ若しくは複数の他の機能材料を含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、送達される物質は活性物質を含む。本明細書において用いられるとき、活性物質は、生理学的反応を達成又は強化することを意図した材料である生理学的活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神活性物質から選択されてもよい。活性物質は、天然由来であっても合成的に得られるものであってもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはC等のビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体、若しくは組合せを含むことができる。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物性物質の1つ又は複数の成分、誘導体、又は抽出物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0057】
本明細書に記載するように、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質、又は、その成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよく、又はこれに由来してもよい。本明細書において用いられるとき、「植物性物質」という用語は、限定ではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、外皮、殻等を含む植物由来の任意の材料を含む。代替的に、材料は、合成的に得られる、植物性物質に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、微粉、粉砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シート等の形態であってもよい。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、ローズ、セージ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カーヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、ヨウシュハッカ(Mentha Arvensis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cardifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択されたものであってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質はタバコである。
【0059】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア、及び麻から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0061】
いくつかの実施形態において、送達される物質は香料を含む。
【0062】
本明細書において用いられるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、地域の規制が許す場合に、成人消費者向けの製品に所望の味、香り、又は他の体性感覚センセーションを作り出すために使用され得る材料を指す。それらの材料は、天然由来の香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、日本ミント、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、松、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピメンタ、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、メンタ属の任意種のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、ローズ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カーヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加剤を含むことができる。それらの材料は、模造品、合成若しくは天然成分、又はそれらの混合物であってもよい。それらの材料は、任意の好適な形態、例えば、油等の液体、粉末等の固体、又は気体であってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、香料は、通常、香り若しくは味覚神経に加えて又はそれに代えて第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘導されて知覚される体性感覚センセーションを実現するように意図された感覚惹起物質を含むことができ、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、麻酔効果を提供する薬剤を含むことができる。好適な熱効果剤は、限定ではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、好適な冷却剤は、限定ではないが、ユーカリプトールWS-3であってもよい。
【0065】
エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含むか、又は「非晶質固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、非晶質固体であるエアロゾル生成フィルムを含む。非晶質固体は、「モノリシック固体」であってもよい。非晶質固体は、実質的に非繊維質であってもよい。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体等の何らかの流体を中に保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態において、非結晶固体は、例えば、約50重量%、60重量%、又は70重量%の非晶質固体~約90重量%、95重量%、又は100重量%の非晶質固体を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、エアロゾル化可能材料と呼ばれてもよい。
【0066】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射又は任意の他の方法で活性化されたとき、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体又はゲルの形態とすることができ、活性物質及び/又は香味料を含有している場合も含有していない場合もある。エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成システムにおいて用いるために物品に組み込まれている。
【0067】
本明細書において用いられるとき、「タバコ材料」という用語は、タバコ又はその派生物若しくは代替物を含む任意の材料を指す。タバコ材料は、任意の好適な形態をとることができる。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ又はタバコ代替物のうちの1つ又は複数を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、タバコラミナ、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0068】
消耗品は、一部又は全てがユーザによって使用中に消費されることが意図されるエアロゾル生成材料を含むか、又はエアロゾル生成材料から構成される物品である。消耗品は、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル変性剤等の1つ又は複数の他の構成要素を備えることができる。消耗品は、使用中に発熱してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させる、エアロゾル生成器、特に加熱要素を備えることもできる。ヒーターは、電気伝導により加熱可能な材料、又はサセプタを備えることができる。
【0069】
エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料、1つ又は複数のエアロゾル形成剤材料、並びに任意選択で1つ又は複数の他の機能材料を含んでもよい。
【0070】
エアロゾル化可能材料は、基板上に存在してもよい。基板は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル化可能材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0071】
エアロゾル形成剤材料は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0072】
1つ又は複数の他の機能材料は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0073】
消耗品は、一部又は全てがユーザによって使用中に消費されることが意図されるエアロゾル生成材料を含むか、又はエアロゾル生成材料から構成される物品である。消耗品は、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル変性剤等の1つ又は複数の他の構成要素を備えることができる。消耗品は、使用中に発熱してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させる、ヒーター等のエアロゾル生成器を備えることもできる。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導により加熱可能な材料、又はサセプタを備えることができる。
【0074】
サセプタは、交流磁場等の変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、導電性材料に変動磁場が侵入することによって加熱材料の誘導加熱を生じさせるようになっている。加熱材料は磁性材料であってもよく、磁性材料に変動磁場が侵入することによって、加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようになっている。サセプタは導電性及び磁性の両方であってもよく、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されるデバイスは、本明細書において、磁場生成器と呼ばれる。
【0075】
エアロゾル変性剤は、通常はエアロゾル生成領域の下流に配置され、例えばエアロゾルの風味、香味、酸味、又は別の特性を変更することによって、生成されたエアロゾルを変性させるように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、このエアロゾル変性剤を選択的に放出させるように動作可能なエアロゾル変性剤放出成分内に設けられていてもよい。
【0076】
エアロゾル変性剤は、例えば添加剤であってもよいし、吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば香味料、着色料、水、及び炭素吸着剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体であってもよいし、液体であってもよいし、ゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉末状であってもよいし、糸状であってもよいし、顆粒状であってもよい。エアロゾル変性剤は、ろ過材を有していなくてもよい。
【0077】
エアロゾル生成器は、エアロゾルがエアロゾル生成材料から生成されるようにするように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル材料を熱エネルギーにかけ、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように構成されたヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾルが加熱なしでエアロゾル生成材料から生成されるようにするように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、圧力上昇、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数にかけるように構成されてもよい。
【0078】
本明細書に記載するフィラメントトウ材料は、酢酸セルロースの繊維トウを含むことができる。フィラメントトウはまた、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-co-テレフタレート)(PBAT)、デンプン系材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマー、又はこれらの組合せ等、繊維を形成するために用いられる他の材料を用いて形成することができる。フィラメントトウは、材料が酢酸セルローストウである場合はトリアセチン等、トウにとって好適な可塑剤によって可塑化されてもよく、又はトウは非可塑化されてもよい。トウは、「Y」字形又は「X」字形等の他の断面、2.5~15の単繊度、例えば8.0~11.0の単繊度という単繊度値、及び5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総繊度値を有する繊維等、任意の好適な仕様を有することができる。
【0079】
本明細書に説明される図において、類似の参照符号が等価な特徴、物品又は構成要素を説明するのに用いられる。
【0080】
図1図3を参照すると、エアロゾル送達デバイスを含むエアロゾル送達システムにおいて用いるための物品1(特に図1及び図2を参照)の例が示されている。本例において、エアロゾル送達デバイスは、非液体エアロゾル化可能材料を非燃焼加熱して、エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置100(図3に示す)である。
【0081】
この例において、物品1は、同軸位置合わせで配置された4つのセクション、すなわち、第1のエアロゾル生成材料5を含有する第1のセクション3(本例において、非液体エアロゾル化可能材料5)、管フィルタセクション7、冷却セクション9及びエンドフィルタセクション11を含む実質的に円筒形のロッドの形態をとる。
【0082】
物品1は、遠位端13及び近位端15を含む。第1のセクション3は、物品1の遠位端13に向かって位置し、エンドフィルタセクション11は、近位端15に向かって位置する。この例において、管フィルタセクション7は、第1のセクション3及び冷却セクション9の間に位置し、その各々と当接する。この例において、冷却セクション9は、管フィルタセクション7及びエンドフィルタセクション11の間に位置し、その各々と当接する。
【0083】
他の例において、図1の例に示す当接セクションのうちの任意のもの間に分離が存在してもよく、より多くの又はより少ないセクションが存在してもよい。
【0084】
図1に示す例において、物品1は、4つのセクションを取り囲むか又は包むカバー又は外側ハウジング17を更に備える。外側ハウジング17は、任意の好適な材料、例えば、プラスチック及び紙を含むことができ、1つ又は複数の層を含むことができる。
【0085】
物品1の近位端15は、この例において、ユーザが使用中に口に挿入する物品1の口部端である。
【0086】
図1の例において、第1のセクション3は、第1のエアロゾル生成材料(本明細書において「エアロゾル化可能材料5」と呼ばれる)を含有する空洞19を画定する。物品1は、図3に示すように、物品1が装置100に挿入されるとき、物品1が空洞19内に装置100の加熱要素102を受けるように構成される。
【0087】
以下でより詳細に説明されるように、使用時に、ユーザは、空洞19内に受けられる加熱要素102がエアロゾル化可能材料5を加熱して、エアロゾル化可能材料5の少なくとも1つの成分を揮発させてエアロゾルを生成するように装置100を動作させる。ユーザが近位端15を吸い込むとき、エアロゾル流が物品1を通って流れ、図1の矢印Aによって示されるように、ユーザによって吸入される。
【0088】
エアロゾル化可能材料5は、空洞19を部分的にのみ充填し、加熱要素102に対し空洞19内で変位可能であるように配置される。
【0089】
図1図3の例において、エアロゾル化可能材料5は、例えば、装置100及び物品1がユーザの口に向けて持ち上げられるか、又は物品1がタップされるか、衝撃を受けるか、又は他の形で動かされるとき、物品1の動きが、空洞19内のエアロゾル化可能材料5の変位を引き起こし、これにより、加熱要素102に対しエアロゾル化可能材料5が再配置されるように配置される。
【0090】
このようにして、物品1の繰り返された動きにより、加熱要素102と接触しているか又は近接しているエアロゾル化可能材料5における繰り返された変化が生じ、これにより、エアロゾル化可能材料が挿入される加熱要素に対し静的である配置と比較して改善されたユーザ体験を提供する。
【0091】
エアロゾル化可能材料5は、タバコを含んでいてもよく、実質的に全体がタバコを含んでいてもよく、タバコ及びタバコ以外のエアロゾル化可能材料を含んでいてもよく、タバコ以外のエアロゾル化可能材料を含んでいてもよく、タバコを含んでいなくてもよい。エアロゾル化可能材料5は、グリセロール等のエアロゾル形成剤を含むことができる。
【0092】
図1及び図2に示すように、エアロゾル化可能材料5は、複数の個々の材料片、例えばタバコ片を含むことができ、これらは、例えば物品1が動かされるとき、加熱要素102に対して動くことができる。
【0093】
複数の個々の材料片は、複数のビーズ又はペレット、例えばタバコビーズ又はペレットを含むことができる。ビーズ又はペレットの形態で複数の個々の材料片を提供する結果として、物品1が動かされるときの加熱要素に関するエアロゾル化可能材料5の特に効率的な再配分が得られる。各ビーズ又はペレットは、例えば、実質的に球形の形態をとってもよく、0.5~3mmの範囲内、好ましくは1~2mmの範囲内の直径を有してもよい。
【0094】
いくつかの例において、エアロゾル化可能材料5によって占有される容積は、空洞19の容積の80%~95%の範囲内にある。この範囲は、空洞19内に、エアロゾル化可能材料5が変位されるときの加熱要素102に関するエアロゾル化可能材料5の良好な再分布を確実にするための十分な自由空間が空洞19内に存在すること、及び十分な量のエアロゾルを生成するための十分なエアロゾル化可能材料5が空洞19内に存在することに起因して、この範囲が良好なユーザ体験を提供すると考えられている。最適な結果は、エアロゾル化可能材料5によって占有される容積は、空洞19の容積の88%~92%の範囲内にあるときに達成される。
【0095】
図1及び図2に最も良好に示すように、第1のセクション3は、空洞19の第1の端部を画定する物品1の遠位端13に位置する第1の閉塞部材21を含むことができる。本例において、第1の閉塞部材21は第1のエンドプラグ21である。第1のセクション3は、空洞19の第2の端部を画定する第2の閉塞部材23も含むことができる。本例において、第2の閉塞部材23は第2のエンドプラグ23である。
【0096】
第1の閉塞部材21は、任意選択で第1のラッパー(図示せず)によって取り囲まれる材料21の第1の本体を含む。第1のラッパーは、例えば、紙又は厚紙を含むことができる。
【0097】
第2の閉塞部材23は、任意選択で第2のラッパー(図示せず)によって取り囲まれる材料23の第2の本体を含む。第2のラッパーは、例えば、紙又は厚紙を含むことができる。
【0098】
第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は概ね円筒形であってもよい。しかしながら、一方又は双方の閉塞部材21、23が異なる形状を有してもよいことが認識されるべきである。
【0099】
物品1は、少なくとも10mm、好ましくは少なくとも12、14、16、18、20、22又は23mmの軸方向の長さを有してもよい。
【0100】
物品1は、最大でも36mm、好ましくは最大でも34、32、30、28、26、24又は23mmの軸方向の長さを有してもよい。
【0101】
物品1は、10~36mmの範囲の軸方向の長さを有してもよく、好ましくは、14~32mmの範囲、20~26mmの範囲、又は22~24mmの範囲を有してもよい。
【0102】
第1の閉塞部材21は、少なくとも3mm、好ましくは少なくとも4、5、6又は7mmの軸方向の長さを有してもよい。
【0103】
第1の閉塞部材21は、最大でも20mm、好ましくは最大でも15、12、10、又は8mmの軸方向の長さを有してもよい。
【0104】
第1の閉塞部材21は、3~20mmの範囲、好ましくは、4~15mm、5~12mm、又は7~10mmの範囲の軸方向の長さを有してもよい。
【0105】
第2の閉塞部材23は、少なくとも3mm、好ましくは少なくとも4、5、6又は7mmの軸方向の長さを有してもよい。
【0106】
第2の閉塞部材23は、最大でも20mm、好ましくは最大でも15、12、10又は8mmの軸方向の長さを有してもよい。
【0107】
第2の閉塞部材23は、3~20mmの範囲、好ましくは、4~15mm、5~12mm、又は7~10mmの範囲の軸方向の長さを有してもよい。
【0108】
第1及び第2の閉塞部材21、23は、少なくとも4mm、好ましくは少なくとも5又は6mmの距離だけ軸方向に離間されてもよい。
【0109】
第1及び第2の閉塞部材21、23は、最大でも22mm、好ましくは、最大でも20、18、16、14又は12mm.の距離だけ軸方向に離間されてもよい。
【0110】
第1及び第2の閉塞部材21、23は、4~22mmの範囲、好ましくは6~12mmの範囲だけ軸方向に離間されてもよい。
【0111】
第1のエンドプラグ21及び第2のエンドプラグ23は、ハウジング17内で密に嵌まり、エアロゾル化可能材料5を空洞19内に保持する役割を果たす。
【0112】
いくつかの例において、第1のエンドプラグ21は、ユーザが物品1の近位口部端15を吸い込むとき、空気が空洞19内に流れることを可能にするように透過性である。任意選択で、物品1は、空気が物品1内に流れることを可能にする1つ又は複数の換気孔(図示せず)を含んでもよい。
【0113】
第2のエンドプラグ23は、エアロゾルの流れが空洞19の外に、物品1に沿って軸方向に、図1における矢印Aに示すような物品1の近位口部端15を通って外に流れることを可能にするように透過性である。
【0114】
いくつかの例において、第1のエンドプラグ21及び第2のエンドプラグ23のうちの一方又は双方が第2のエアロゾル生成材料を含む。例えば、第のエンドプラグ21及び第2のエンドプラグ23のうちの一方又は双方が、タバコ、例えば、再生タバコを含んでもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、物品におけるエアロゾル生成材料の合計重量が150~350mgの範囲内にあり、好ましくは、200~300mg、220~280mg、又は230~260mgの範囲内にある。
【0116】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、閉塞部材のmm長あたり7mg/mm~13mgの範囲のエアロゾル生成材料、好ましくは、閉塞部材のmm長あたり8~12、9~11.5、9~11、又は9.5~10.5mgの範囲のエアロゾル生成材料を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、空洞19は、空洞19のmm長あたり7mg/mm~13mgの範囲のエアロゾル生成材料5、好ましくは、空洞19のmm長あたり8~12、9~11.5、9~11、又は9.5~10.5mgの範囲のエアロゾル生成材料5を含む。
【0118】
本実施形態において、第1の閉塞部材21はエアロゾル生成材料を含み、第2の閉塞部材23はエアロゾル生成材料を含む。本例において、第1の閉塞部材21はエアロゾル生成材料のプラグであり、第2の閉塞部材23はエアロゾル生成材料のプラグである。他の実施形態において、第1及び第2の閉塞部材21、23の一方又は双方は、エアロゾル生成材料を含まないことを認識すべきである。
【0119】
エアロゾル生成材料を含む第1及び/又は第2の閉塞部材21、23の利点は、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23が、空洞19からエアロゾル生成材料5が落ちることを阻止することが可能であり、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23も自身がエアロゾルを生成することが可能であり、以て、別個の閉塞部材及び更なるエアロゾル生成領域が提供される構成と比較して、空間及び材料が節減されるということである。また、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料には、空間19におけるエアロゾル生成材料5と異なる1つ又は複数の特性を提供することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は、タバコ材料を含むか、タバコ材料からなるか、又は本質的にタバコ材料からなることができる。上記で説明したように、「タバコ材料」という用語は、タバコ又はその派生物若しくは代替物を含む任意の材料を指す。タバコ材料は、任意の好適な形態をとることができる。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ又はタバコ代替物のうちの1つ又は複数を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、タバコラミナ、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、更に又は代替的に、1つ又は複数のエアロゾル形成剤材料を含む。例えば、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、更に又は代替的に、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含んでもよい。エアロゾル形成剤材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含む。エアロゾル形成剤材料は、グリセロール又はプロピレングリコールとすることができる。
【0122】
空洞19内又は第1及び/又は第2の閉塞部材21、23におけるエアロゾル生成材料5は、タバコ材料等の植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、タバコ材料等の植物由来の材料を含むエアロゾル化可能材料のシート又は細断されたシートであってもよい。
【0123】
植物由来の材料は、微粒子又は粒状材料であってもよい。いくつかの実施形態では、植物由来の材料は粉末である。代替的に又は加えて、植物由来の材料は、細片、ストランド、又はタバコの繊維を含んでもよい。例えば、タバコ材料が提供される場合、タバコ材料は、タバコの粒子、顆粒、繊維、細片及び/又はストランドを含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、タバコ材料の粒子又は顆粒からなる。
【0124】
空洞19内の又は第1及び/又は第2の閉塞部材21、23のタバコ材料は、タバコ植物の任意の部分から得られたタバコを含んでもよい。いくつかの実施形態では、タバコ材料はタバコ葉を含む。
【0125】
シート又は細断されたシートは、5重量%~約90重量%のタバコ葉を含むことができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、空洞19並びに第1及び/又は第2の閉塞部材21、23内のエアロゾル生成材料5のうちの1つ若しくは複数又は全ては、タバコ材料を含むか、タバコ材料からなるか、又は本質的にタバコ材料からなる。
【0127】
エアロゾル形成剤材料は、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料5と混合されてもよく、又は他の形でエアロゾル生成材料5に加えられてもよい。エアロゾル形成剤材料は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含む。エアロゾル形成剤材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含む。エアロゾル形成剤材料は、グリセロール又はプロピレングリコールとすることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は、エアロゾル形成剤材料を含むエアロゾル化可能材料のシート又は細断されたシートを含む。任意選択で、エアロゾル形成剤材料は、シート又は細断されたシートの乾量基準で最大約50重量%の量で提供される。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、シート若しくは細断されたシートの乾量基準で約5重量%~約40重量%、シート若しくは細断されたシートの乾量基準で約10重量%~約30重量%、又はシート若しくは細断されたシートの乾量基準で約10重量%~約20重量%の量で提供される。
【0129】
空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料はフィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、シート又は細断されたシートはフィルタを含む。充填剤は、概して非タバコ成分であり、すなわちタバコ由来の原料を含まない成分である。充填剤は、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム及びモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤等の1つ又は複数の無機充填材料を含んでもよい。充填剤は、木材繊維若しくはパルプ又は小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。充填剤は、セルロースを含む材料とすることができ、又は材料はセルロースの派生物を含む。充填剤成分はまた、非タバコキャスト材料又は非タバコ押出材料であってもよい。
【0130】
空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は、本明細書に記載の香料のうちの任意のもの等のエアロゾル変性剤を含むことができる。1つの実施形態において、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料はメンソールを含む。空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料が、エアロゾル供給システムにおける使用のために物品1に組み込まれるとき、物品は、メンソール含浸物品1と呼ばれてもよい。空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は、0.5mg~20mgのメンソール、0.7mg~20mgのメンソール、1mg~18mg又は8mg~16mgのメンソールを含むことができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、物品1は、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成成分を含む。エアロゾル生成材料は、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0132】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射又は任意の他の方法で活性化されたとき、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は、例えば、活性物質及び/又は香味料を含有する場合もしない場合もある固体、液体又は半固体(ゲル等)であってもよい。
【0133】
エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は、結合剤及びエアロゾル形成剤を含んでもよい。任意選択で、活性物質及び/又は充填剤も存在してもよい。任意選択で、水等の溶媒も存在し、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の他の成分は、溶媒内で溶融可能であっても可能でなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は、実質的に植物性材料を含んでいない。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は実質的にタバコを含んでいない。
【0134】
エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は、「非晶質固体」を含むか又は「非晶質固体」であってもよい。非晶質固体は、「モノリシック固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体等の何らかの流体を中に保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%、又は70重量%の非晶質固体~約90重量%、95重量%、又は100重量%の非晶質固体を含んでもよい。非晶質固体は、実質的に非繊維質であってもよい。
【0135】
エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は、エアロゾル生成フィルムを含むか、又はエアロゾル生成フィルムであってもよい。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤等の結合剤を水等の溶媒、エアロゾル形成剤、及び活性物質等の1つ又は複数の他の成分と組み合わせて、スラリーを形成し、次にスラリーを加熱して、溶媒のうちの少なくともいくらかを揮発させて、エアロゾル生成フィルムを形成することによって形成されてもよい。スラリーは、溶媒の少なくとも約60wt%、70wt%、80wt%、85wt%又は90wt%を除去するように加熱することができる。エアロゾル生成フィルムは、連続フィルム又は不連続フィルム、例えば、支持体上のフィルムの別個の部分の構成体であってもよい。エアロゾル生成フィルムには、実質的にタバコを含んでいなくてもよい。
【0136】
エアロゾル生成フィルムは、シートを含むか又はシートであってもよく、シートは任意選択で、細断されたシートを形成するように細断されてもよい。
【0137】
エアロゾル生成材料(例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料)は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料、1つ又は複数のエアロゾル形成剤材料、並びに任意選択で、1つ又は複数の他の機能材料を含んでもよい。
【0138】
本明細書に記載の物品1の実施形態の各々において、物品はそのようなエアロゾル生成材料を含んでもよく、そのようなエアロゾル生成組成を含んでもよい。
【0139】
空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は紙再生タバコ材料を含むことができる。組成は、代替的に又は加えて、本明細書に記載のタバコの形態のうちの任意のものを含むことができる。空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は、10重量%~90重量%のタバコ葉を含むタバコ材料を含むシート又は細断されたシートを含むことができ、エアロゾル形成剤材料は、最大約20重量%の量のシート又は細断されたシートで提供され、タバコ材料の残りは紙再生タバコを含む。
【0140】
空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料が、非晶質固体材料を含む場合、非晶質固体材料は、メンソールを含む乾燥ゲルであってもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、空洞19内のエアロゾル生成材料5、並びに/又は第1及び/若しくは第2の閉塞部材21、23のエアロゾル生成材料は、押出エアロゾル生成材料を含み、次にこれがペレットのビーズになるように切断される。
【0142】
本例において、第1のエアロゾル生成材料5(すなわち、空洞19において提供される)は、タバコビーズを含み、第1の閉塞部材21のエアロゾル生成材料は、タバコラミナ及び/又は細断された再生タバコのプラグを含み、第2の閉塞部材23のエアロゾル生成材料は、タバコラミナ及び/又は細断された再生タバコのプラグを含む。
【0143】
上記の実施形態において、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、エアロゾル生成材料のプラグ、例えば、タバコ繊維のプラグ、又は再生タバコの細片、又はプラグ内に収集される再生タバコのシートを含む。1つの実施形態において、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23の材料の本体は、エアロゾル生成材料の捲縮シート(例えば、再生タバコ)から形成される。エアロゾル生成物品1において用いるための捲縮ウェブを製造するための装置及び方法が当該技術分野において既知であり、一般的に、複数の平行な等距離の長手方向に延びる捲縮波形をウェブ又はシートに適用する、交互配置ローラの対間にウェブ又はシートを供給することを伴う。捲縮されると、シート又はウェブは、連続ロッドを形成するように収集される。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23の材料の本体は、シートの鋳造中に加えられるエアロゾル生成材料を有する材料のシートから形成される。例えば、シート材料はスラリーから鋳造されてもよく、エアロゾル生成材料(例えば、タバコ繊維、顆粒、ペレット、ビーズ若しくは微粉及び/又は他の植物性材料を含む、繊維、顆粒、ペレット、ビーズ若しくは微粉)は、鋳造中にスラリーに加えられる。他の実施形態において、エアロゾル生成材料は、シート材料が形成されると、シート材料に加えられる。例えば、エアロゾル生成材料(例えば、タバコ繊維、顆粒、ペレット、ビーズ若しくは微粉及び/又は他の植物性材料を含む、繊維、顆粒、ペレット、ビーズ若しくは微粉)は、接着剤を用いてシート材料に接着されるか、又はシート材料に施され、次に、プラグ内に収集されるとき、シート材料内に保持される。いくつかの実施形態では、シート材料は、紙又はゲルシートを含み、エアロゾル生成材料はシート内に組み込まれるか又はシートに施される。
【0145】
他の実施形態において、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、エアロゾル生成材料を含まないことを認識すべきである。例えば、1つの代替的な実施形態において、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、エアロゾル生成材料がプラグのシート材料に施されることも、このシート材料に組み込まれることもなくプラグ内に形成された(例えば、捲縮されるか若しくは細片に切断され、プラグ内に形成された)紙を含む。
【0146】
図3に示すように、いくつかの例において、物品1が装置100に挿入されるとき、加熱要素102は第1のエンドプラグ21を穿孔し、部分的に空洞19内に入る。図3に示す例において、加熱要素102は、空洞19内に概ね75%延びる。加熱要素102は、例えば、第1のエンドプラグ21への穿孔を促進するように、細長いブレード又はスパイクの形態をとってもよい。
【0147】
第1のエンドプラグ21が香料材料を含む例において、加熱要素102は、第1のエンドプラグ21の香料材料を直接加熱し、その香料材料の1つ又は複数の成分を揮発させ、次にこれがエアロゾルの流れの一部になる。第2のエンドプラグ23が香料材料を含む例において、第2のエンドプラグ23を通過するエアロゾルの流れは、第2のエンドプラグ23の香料材料の1つ又は複数の成分を中に同伴してもよい。
【0148】
いくつかの例において、管フィルタセクション7は、エアロゾル化可能材料3から生成された加熱エアロゾル流が、物品1を通って軸方向に流れる際に冷却するための冷却及びフィルタリングチャンバを提供する、ハウジング17内の中空管である。
【0149】
いくつかの例において、冷却セクション9は、
いくつかの実施形態では、物品は、冷却要素とも呼ばれる冷却セクション9を更に含む。いくつかの実施形態では、冷却セクション9は、使用時に、冷却セクションが管フィルタセクション7の下流にあるように配置される。
【0150】
いくつかの実施形態では、冷却セクション9はエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、プラグの形態のエアロゾル生成材料を含む。いくつかの実施形態では、冷却セクション9は、香味料を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、冷却セクション9は、材料の本体を形成するように収集されるシート材料を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、冷却セクション9はエアロゾル生成材料を含む。いくつかの実施形態では、冷却セクションは非晶質固体を含む。
【0153】
1つの実施形態(図示せず)において、冷却セクション9は、約1mm~約4mm、例えば約2mm~約4mmの内径を有する中空チャネルを含む。中空チャネルは約3mmの内径を有することができる。中空チャネルは冷却セクション9の全長に沿って延びる。冷却セクション9は、単一の中空チャネルを含むことができる。代替的な実施形態において、冷却セクション9は、複数のチャネル、例えば、2、3又は4つのチャネルを含んでもよい。単一の中空チャネルは実質的に円筒形であってもよいが、代替的な実施形態において、他のチャネル形状/断面が用いられてもよい。中空チャネルは、冷却セクション9内に引き込まれたエアロゾルが膨張し、冷却することができる空間を提供することができる。冷却セクション9は、中空チャネル(複数可)の断面積を制限し、使用時の冷却セクション9内へのタバコの変位を制限するように構成されてもよい。冷却セクション9は、径方向に壁厚を有してもよい。冷却セクション9の所与の外径についての冷却セクション9の壁厚が、冷却セクション9の壁によって取り囲まれるチャンバの内径を画定する。冷却セクション9は、少なくとも約1.5mm~最大約2mmの壁厚を有することができる。本例において、冷却セクション9は、約2mmの壁厚を有する。
【0154】
いくつかの実施形態では、冷却セクション9はフィラメントトウから形成される。平行に巻き付けられ、突合せ縫いされて、冷却セクション9を形成する複数の紙層、又は螺旋状に巻かれた紙層、厚紙管、パピエマシェ型プロセスから形成された管、成形若しくは押し出しされたプラスチック管又は類似のもの等の他の構成が用いられてもよい。冷却セクション9は、製造中及び物品1の使用時に生じ得る軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。
【0155】
冷却セクション9の壁材料は、比較的非多孔質とすることができ、それによってエアロゾル生成材料3によって生成されたエアロゾルの少なくとも90%が、冷却セクション9の壁材料ではなく1つ又は複数の中空チャネルを通って長手方向に通過する。例えば、エアロゾル生成材料3によって生成されるエアロゾルの少なくとも92%又は少なくとも95%が1つ又は複数の中空チャネルを長手方向に通過することができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、冷却セクション9は、冷却セクション9の第1の上流端に入る加熱揮発成分と冷却セクション9の第2の下流端から出る加熱揮発成分との間に、少なくとも40℃の温度差をもたらすように構成することができる。冷却セクション9は、冷却セクション9の第1の上流端に入る加熱揮発成分と冷却セクション9の第2の下流端から出る加熱揮発成分との間に、少なくとも60℃、又は少なくとも80℃、又は少なくとも100℃の温度差をもたらすように構成することができる。この冷却セクション9の長さ全体にわたる温度差は、加熱時に、エンドフィルタセグメント11をエアロゾル生成材料5の高温から保護する。
【0157】
エンドフィルタセグメント11は、エアロゾル流から1つ又は複数の揮発した化合物を除去するのに十分な任意のフィルタ材料を含むことができる。1つの例において、エンドフィルタセグメント11は、酢酸セルロース等のモノアセテート材料から作製される。エンドフィルタセグメント11は、加熱された揮発した成分の量をユーザが満足できないレベルまで減少させることなく、加熱された揮発した成分からの冷却及び刺激低減を提供する。
【0158】
1つの例において、エンドフィルタセグメント11は、8Y15グレードのフィルタトウ材料で作られ、これは、エアロゾル流に対して濾過効果を提供する一方で、加熱された揮発した材料から生じる凝縮されたエアロゾル液滴のサイズを低減させ、その結果、加熱された揮発した材料の刺激及び喉への影響を十分なレベルまで減少させる。
【0159】
エンドフィルタセグメント11の存在は、冷却セクション9を出るエアロゾル流に更なる冷却を提供することによって、絶縁効果を提供する。この更なる冷却効果は、エンドフィルタセグメント11の表面上のユーザの唇の接触温度を低下させる。
【0160】
いくつかの実施形態において、エンドフィルタセグメント11は、エアロゾル変性剤を含む。エアロゾル変性剤は、通常はエアロゾル生成領域の下流に配置され、例えばエアロゾルの風味、香味、酸味、又は別の特性を変更することによって、生成されたエアロゾルを変性させるように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、このエアロゾル変性剤を選択的に放出させるように動作可能なエアロゾル変性剤放出成分内に設けられていてもよい。エアロゾル変性剤は、例えば添加剤であってもよいし、吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば香味料、着色料、水、及び炭素吸着剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体であってもよいし、液体であってもよいし、ゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉末状であってもよいし、糸状であってもよいし、顆粒状であってもよい。エアロゾル変性剤は、ろ過材を有していなくてもよい。
【0161】
本例において、エンドフィルタセグメントは、エアロゾル変性剤を含む1つ又は複数のエアロゾル変性剤放出成分25を含む。エアロゾル変性剤放出成分25はカプセルであるが、他の実施形態では、スレッド又はビーズであってもよい。1つ又は複数のエアロゾル変性剤放出成分25は、香料成分であってもよい。いくつかの例において、1つ又は複数の香料成分25は、フィルタ材料、例えばエンドフィルタセグメント11の酢酸セルローストウ内に1つ又は複数の香味付けされた破壊可能カプセル又は他の香料キャリアを含む。他の例において、1つ又は複数の香料成分は、エンドフィルタセグメント11に直接注入された、香味付けされた液体の形態をとる。
【0162】
1つの例において、エンドフィルタセグメント11は、長さが6mm~10mmであり、より好ましくは、長さが8mmである。
【0163】
別の実施形態において、管フィルタセクション7、冷却セクション9及び/又はエンドフィルタセグメント11のうちの1つ又は複数が省かれてもよいことを認識すべきである。1つのそのような実施形態において、第1及び第2の閉塞部材21、23が物品1の第1及び第2の端部を形成するように、管フィルタセクション7、冷却セクション9及びエンドフィルタセグメント11の全てが省かれる。
【0164】
特に図3を参照すると、装置100は、近位端104a及び遠位端104bを含むハウジング104を備える。装置100は、装置100の使用時にユーザによって手持ち可能である。ハウジング104は、加熱要素102が装着される加熱ゾーン106、例えば加熱チャンバ106を含む。ハウジング104は、加熱要素102が第1のエンドプラグ21を通って空洞19内に延びるように、物品1をハウジング104に取り外し可能に挿入することができる開口部108を近位端104aに含む。物品1の近位端15は、使用時に近位端15をユーザの口に挿入することができるように、ハウジング104の外側に延びる。
【0165】
ハウジング104は、この例において、装置100の後部に向けて、制御回路部110及び電源112を更に含む。この例において、加熱要素102、制御回路部110及び電源112は、横方向に隣接(すなわち、端部から見たときに隣接)しており、制御回路部110は通常、ヒーター要素102と電源112との間に位置するが、他の構成も可能である。
【0166】
制御回路部110は、上記で論じたように物品1内のエアロゾル化可能材料5の加熱を制御するように構成及び配置されたマイクロプロセッサ装置等のコントローラを含むことができる。
【0167】
装置100は、ハウジング104の外部に制御入力114を有し、これによって、ユーザは装置100をオン及びオフに切り替え、装置100の動作を制御するように制御回路部110を動作させることができる。
【0168】
電源112は、例えば充電可能なバッテリー又は充電不可のバッテリー等のバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例は、例えば、リチウムイオンバッテリー、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリー等)、アルカリバッテリー等を含む。バッテリー112はヒーター102に電気的に接続され、上記で論じたように、物品1におけるエアロゾル化可能材料5を加熱するために、必要に応じて、制御回路部110の制御の下で電力を供給する。
【0169】
上記で説明した物品の例の各々において(図1図3に示す物品を含む)、物品は、異なる密度を有するエアロゾル生成材料を含んでもよい。例えば、空洞19内のエアロゾル生成材料5は第1のエアロゾル生成材料と呼ばれてもよく、物品は、第2のエアロゾル生成材料を更に含んでもよい。第2のエアロゾル生成材料は、空洞19内に(例えば、ビーズ又はペレットの形態で)提供することもできる。別の実施形態において、第1及び/又は第2の閉塞部材21、23は、第2のエアロゾル生成材料を含むことができる。1つのそのような実施形態において、第1及び第2の閉塞部材21、23は共に、第2のエアロゾル生成材料を含む。また更なる実施形態において、第1及び第2の閉塞部材21、23のうちの一方は、第2のエアロゾル生成材料を含み、第1及び第2の閉塞部材のうちの他方は、第3のエアロゾル生成材料(任意選択で、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方又は双方と同じ又は異なる密度を有することができる)。
【0170】
第1及び第2のエアロゾル生成材料は、異なる密度を有していてもよい。そうでない場合、物品のエアロゾル生成材料は同じであっても異なっていてもよい。他の実施形態において、第1及び第2のエアロゾル生成材料の密度は同じであってもよい。
【0171】
異なる密度の第1及び第2のエアロゾル生成材料を提供することは、双方の材料が同じ加熱にかけられているとき、より高い密度の材料がより低速に加熱し、このため、より高い密度の材料が、より低い密度の材料よりも低速で揮発性化合物(例えば、ニコチン)を放出することを意味することがわかっている。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料は、第2のエアロゾル生成材料よりも高い密度を有し、それによって、同じ加熱にかけられているとき、第1のエアロゾル生成材料は第2のエアロゾル生成材料よりも低速に加熱し、第2のエアロゾル生成材料よりも低速で揮発性化合物(例えば、ニコチン)を放出することになる(しかしながら、他の実施形態では、第2のエアロゾル生成材料が第1のエアロゾル生成材料よりも高い密度を有するような、逆が真であってもよい)。このため、様々な密度を有するエアロゾル生成材料を組み合わせることにより、揮発性化合物のより一貫した、長く持続する放出がもたらされる。いくつかの実施形態では、様々な密度のエアロゾル生成材料は、任意選択で異なる時点に及び/又は異なる温度で、これらの材料の別個の加熱と組み合わされ、以て、例えば、物品の消費期間にわたる揮発性化合物のより調整された放出の提供を可能にする。代替的に、ユーザに、使用によるより大きな最初のインパクトを与えるために、物品の消費の開始に向けて、揮発性物質のより高速な又はより大きな放出を行うことが望ましい場合がある。消費期間にわたって揮発性化合物の特に望ましい放出を依然として達成しながら、物品を比較的小さくすることができるため、エアロゾル生成及び揮発性化合物放出を制御する能力が特に有利であり得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方は、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方の密度よりも少なくとも約25%高い、任意選択で、少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%高い密度を有する。第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記一方は、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方の密度よりも約200%以下高い、任意選択で、約150%、125%、100%又は75%以下高い密度を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方は、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方の密度よりも約25%~約75%高い密度を有する。
【0173】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記一方は、少なくとも約0.4g/cm3、任意選択で少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9又は2g/cm3以上の密度を有する。第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記一方は、約2g/cm3以下、任意選択で約1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6又は0.5g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記一方の密度は、約0.4~1.99g/cm3以上である。
【0174】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記他方は、少なくとも約0.1g/cm3、任意選択で少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9g/cm3以上の密度を有する。第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記他方は、約1g/cm3以下、任意選択で、約0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3又は0.2g/cm3以下の密度を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの前記他方の密度は、約0.1~0.9g/cm3以上である。
【0175】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は同じ成分を含む。したがって、加熱時に、これらは、潜在的に同じ含有量の活性物質及び/又は香料等を有する非常に類似のエアロゾルを放出することになる。これらの異なる密度により、エアロゾルが加熱中に異なる速度で及び/又は異なる時点に2つの材料から生成されることが可能になる。
【0176】
他の実施形態において、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、異なる成分を含む(同じ又は異なる密度を有していてもよい)。したがって、加熱時に、これらは、潜在的に異なる構成の活性物質及び/又は香料等を有する異なるエアロゾルを放出することになる。これらの異なる密度により、異なるエアロゾルが加熱中に異なる速度で及び/又は異なる時点に2つの材料から生成され、潜在的に、使用期間にわたって変化するエアロゾルを提供することが可能になる。
【0177】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料はそれぞれタバコを含む。タバコは、ニコチン、香り及び香料を含む揮発性成分を含有することになる。タバコは、任意の種類のタバコ、並びにタバコ葉、ラミナ、茎、葉柄、葉脈、スクラップ及びショーツ(short)、又はそれらの2つ以上の混合物を含むタバコ植物の任意の部分であってもよい。好適なタバコ材料としては、以下の種類が挙げられる:バージニア若しくはフルキュアードタバコ(flue-cured tobacco)、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、又は本明細書に列挙したものを任意選択で含むタバコ材料のブレンド。タバコは、膨化、例えば、ドライアイス膨化タバコ(DIET)であってもよく、又は任意の他の手段で加工されていてもよい。いくつかの実施形態では、タバコ材料は再生タバコ材料であってもよい。タバコは、予備加工されていても、未加工であってもよく、例えば、固体茎(SS);細断乾燥茎(SDS);蒸気処理茎(STS);又はそれらの任意の組合せであってもよい。タバコ材料は、発酵、乾燥(cured)、非乾燥(uncured)、焼成(toasted)又は他の方法で予備処理されていてもよい。
【0178】
第1及び第2のエアロゾル生成材料は、異なるタバコを含んでいてもよい。代替的に、タバコは同じであってもよいが、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方が、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方よりも高い密度を有するような、異なる形態で提供される。
【0179】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料は、第2のエアロゾル生成材料と異なる少なくとも1つの(更なる)特性を有する。異なる特性は、形態、サイズ、水含有量、量(重量)、1つ若しくは複数の材料、又は第1及び第2のエアロゾル生成材料を構成する材料の比率(それぞれが2つ以上の材料から製造されるときのエアロゾル生成材料の処方を含む)のうちの1つ又は複数であってもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、それらの異なる密度以外に異なる特性を有しない。他の実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料の密度は同じである。
【0180】
いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル生成材料は、切断ラグの形態の1つ又は複数のタバコを含む。このタバコ材料は、ラミナ又は再生タバコ材料であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル生成材料は、ラミナ及び再生タバコの双方を含むブレンドである。例えば、ラミナ及び再生タバコの比率は、約1:4~約4:1であってもよい。
【0181】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料は、第2のエアロゾル生成材料よりも高い密度を有する。いくつかの実施形態では、このより密度の高い、第1のエアロゾル生成材料は、粒子を含むか、又はビーズ若しくは1つ若しくは複数のシート(例えば、空洞19内のビーズ5)の形態をとってもよい。各ビーズ又はシートは、凝集したより小さな粒子から形成されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、第2のエアロゾル生成材料は、第1のエアロゾル生成材料よりも密度が高くてもよく、例えば、ビーズ又は1つ若しくは複数のシートの形態をとってもよいことが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料の双方は、ビーズ又は1つ若しくは複数のシートの形態をとってもよく、任意選択で、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの一方が、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの他方よりも高い密度を有するように処理されてもよい。
【0182】
本明細書において用いられるとき、「ビーズ」という用語は、所望の形状に形作られ、成形され、圧縮され、又は他の形で作られたビーズ、ペレット、又は他の別個の小さなユニットを含むことを意味する。ビーズは、平滑で規則的な外形(例えば、球、円筒、卵型)を有してもよく、及び/又は不規則な外形を有してもよい。
【0183】
いくつかの実施形態では、ビーズは、少なくとも約0.5mm、任意選択で少なくとも約1、1.5、2、2.5又は3mmの直径(例えば、篩分けによって測定される)を有する。ビーズは、約5mm以下、任意選択で、約4.5、4、3.5、3、2.5、2又は1.5mm以下の直径(例えば、篩分けによって測定される)を有してもよい。いくつかの実施形態では、各ビーズの直径は、約0.5mm~約3mm、又は約1mm~約2mmの範囲をとってもよい。ビーズのサイズは、数又は量平均サイズ等の平均サイズを指してもよい。
【0184】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料の所望の密度は、材料の製法、及び/又は材料が処理される方法を通じて達成又は制御される。凝集、特に、いくらかの圧縮力の付加による凝集を伴うプロセスは、材料の密度を増大させる傾向にある。
【0185】
このため、いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のエアロゾル生成材料は、凝集される材料の粒子を含む。
【0186】
シート材料の場合、シートは、結合され、任意選択で、所望の寸法及び密度を有するシートを形成するように圧縮された材料の粒子から形成されてもよい。
【0187】
いくつかの実施形態では、ビーズ又はペレットは、いわゆるmarumarisingプロセスを用いて形成することができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、凝集はペレット化によるものである。ペレット化は、材料の微粒子を、任意選択で賦形剤と共に、ペレットと呼ばれる自由流動ユニットに変換する凝集プロセスである。選択される機器及びプロセスのタイプに依拠して、ペレット形成及び成長が複数の方式で行われてもよい。これらのペレットは、攪拌によって形成されてもよく、粒子は好適な量の液体の存在下で回転し転がるため、凝集体が形成される。ボーリングは、パン、ディスク、ドラム又はミキサ等の、ペレットを生成する装置の使用を伴ってもよい。圧縮ペレット化は、圧力凝集の形態をとり、粒子は、機械的力により、任意選択で製法の支援により、互いに押し付けられる。圧縮力は、形成されたペレットが開始材料と比較して高い密度を有することを意味する。
【0189】
いくつかの実施形態では、凝集は押出しによるものである。いくつかの実施形態では、ペレット化によって形成されるペレットは、より高い密度の押出物を形成するように押し出されてもよい。
【0190】
押し出される粒子は、より密なエアロゾル生成材料(例えば、より密な第1又は第2のエアロゾル生成材料)を生成するように選択されたサイズを有することができ、これは、材料内の熱伝達、及び揮発性成分の放出に対する影響を有することになる。
【0191】
押出しは、ダイを通じて組成物(前駆体組成物とも呼ばれる)を供給し、押出物を生成することを含む。プロセスは、せん断力と組み合わされた圧力を組成物に加える。
【0192】
押出しは、押出機の主なクラス、:スクリュー、篩及び籠、ロール、ラム及びピンバレル押出機のうちの1つを用いて実行されてもよい。単軸スクリュー又は二軸スクリュー押出機が用いられてもよい。押出機によるタバコビーズの形成は、この処理が、組成物の圧縮、混合、調整、均質化及び成形を組み合わせるという利点を有する。
【0193】
いくつかの実施形態では、押出中、タバコ粒子等の粒子を含む自由流動組成物は、上昇した圧力及び温度にかけられ、成形ノズル又はダイ等のオリフィスを通され、押出物が形成される。いくつかの実施形態では、押出物はロッド状の形態を有し、所望の長さのセグメントに切断されてもよい。
【0194】
いくつかの実施形態では、組成物は、押出機内で、約40℃~約150℃、又は約80℃~約130℃、又は約60℃~約95℃の温度にかけられる。いくつかの実施形態では、二重押出しを用いるものを含めて、前駆体組成物は、押出機内で約70℃~約95℃の温度にかけられる。いくつかの実施形態では、単一押出しを用いるものを含めて、前駆体組成物は、押出機内で約60℃~約80℃の温度にかけられる。
【0195】
組成物は、用いられるダイ又はノズルの設計に依拠して、約2バール~約100バール、又は約5バール~約60バールの範囲をとる圧力にかけられてもよい(ダイ又はノズルの直前)。圧力が高いほど、突出物の密度が大きくなる可能性が高い。このため、押出しプロセスは、所望の密度を有する、押し出されたエアロゾル生成材料を提供するように調整されてもよい。
【0196】
タバコ粒子が押し出されるいくつかの実施形態において、押出物の比較的高い密度、及びその中のタバコ粒子の比較的開いた表面に起因して、押出物から形成されたタバコビーズは、良好な熱伝達及び質量伝達を呈し、これは、香料及びニコチン等の、タバコ成分の放出にプラスの影響を有する。
【0197】
いくつかの実施形態では、押出しは、一般的にドライプロセスであってもよく、組成物は、ドライであるか又は実質的にドライであるエアロゾル生成粒子を含む。組成物は、任意選択で、例えば、ベース、希釈剤、固体エアロゾル形成剤、固体香料変性剤等を含む他の粒子材料を含んでもよい。
【0198】
いくつかの実施形態では、押出しプロセスの前又は押出しプロセス中に液体が組成物に加えられてもよい。例えば、組成物の成分の分解若しくは可溶化を支援するための、又は結合若しくは凝集を支援するための加工助剤として、例えば水を加えてもよい。代替的に又は更に、湿潤剤を組成物に加えてもよい。
【0199】
いくつかの実施形態では、液体は、グリセロール又は本明細書において論じた他のもの等のエアロゾル形成剤材料であってもよい。液体がこのように組成物に加えられるとき、液体は、表面に施されるのみでなく、押出機圧力が、高いせん断力による強力な混合と組み合わされる結果として、押出物に液体が浸透する。液体がエアロゾル形成剤材料である場合、この結果として、揮発性成分の蒸発を促進するために、結果として得られるビーズにおけるエアロゾル形成剤材料の高い利用可能性を得ることができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、押出しビーズに埋め込まれるエアロゾル形成剤材料の量は、最大約30重量%、更には最大約40重量%であってもよい。元々、そのような大量のエアロゾル形成剤材料は、組成剤の扱いを困難にし得る。しかしながら、押出しの結果として、粒子にエアロゾル形成剤材料が浸透する場合、これはあまり問題とならない。エアロゾル形成剤材料を、少なくとも約10重量%又は少なくとも約20重量%等の量で含めることが望ましい場合があり、ここで、ビーズは、揮発性成分の放出に加えてエアロゾルを生成することになる。最大約5重量%等のより少量のエアロゾル形成剤材料が十分である場合があり、ここで、ビーズの主な機能は、ビーズによって既存のエアロゾル又はエアフロー内に搬送される揮発性成分を放出することである。
【0201】
いくつかの実施形態では、凝集物は、結合剤又は結合添加剤を含まない。例えば、押出しビーズは、構造的一体性を維持するための結合剤を必要としない場合がある。他の実施形態において、凝集物は、結合剤又は結合添加剤を含む。結合添加剤は、粒子が互いに、及び組成物内の他の成分に接着するのに役立つことによって、凝集構造の形成を支援するように選択されてもよい。好適な結合添加剤は、例えば、ゼラチン、デンプン、ポリサッカリド、ペクチン、アルギネート、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース等の、熱可逆的ゲル化剤を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、押出しによる処理は、所望の場合に、より高い密度の第1又は第2のエアロゾル生成材料を提供するのに十分である。しかしながら、他の実施形態において、押出物は、第1又は第2のエアロゾル生成材料の密度を増大させるように更に処理されてもよい。
【0203】
例えば、いくつかの実施形態では、押し出しされたエアロゾル生成材料は球状化を受ける。球状化において、押し出しされた円筒形状の粒子は、均一な長さに破断され、塑性変形に起因して徐々に球形状に変形される。押出物が最初に均一な長さに破断される場合、均一な直径を有する球が球状化ステップによって生成される。
【0204】
本明細書に論じられる実施形態の1つの特定の例によれば、第1のエアロゾル生成材料のサンプルが以下のように生成された(しかし、いくつかの実施形態において、代わりに第2のエアロゾル生成材料について用いられるサンプルが、以下に従って生成されてもよいことに留意されたい)。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料のサンプルは、本明細書に記載の物品の実施形態のうちの任意のものの空洞19内のエアロゾル生成材料5として用いられ得る。
【0205】
結合剤あり及びなしの3つのサンプル製法が表1に示されており、量はパーセントウエット重量基準(WWB)で示されている。
【0206】
【表1】
【0207】
タバコは、タバコを過熱しないように注意しながら、微粒子を生成するように挽かれた。挽きタバコ粒子は、篩分けされ、所望のサイズ、例えば250μm未満、100μm未満又は60μm未満の粒子サイズを有するものが選択された。
【0208】
次に、製法の全ての乾燥(非液体)成分が組み合わされ、ミキサにおいて混合又は混和された。この特定の例において混合物は、75RPMの速度で1分間混合された。これは、乾燥成分が混合物内で均一に分散することを確実にするためのものであった。
【0209】
次に、グリセロールの半分及び水の半分が乾燥混合物に加えられ、混合された。特に、混合物は、75RPMで更に1分間混合された。次に、残りのグリセロール及び水が加えられ、再び75RPMで1分間混合された。次に、均一な混合物が達成されたことを確実にするために、混合物が、塊になるように絞り出され得る、ほろほろとした粘性(crumbly consistency)を有するまで混合が継続された。この特定の例において追加の混合は3分持続した。
【0210】
次に、混合物は、Caleva Multilabを用いて押し出された。押出機は、約1500rpmで動作され、スパゲティに似た押出物の長さが生成された。
【0211】
押出物は、押出機から出る際に可変長片に破断された。これらの片は次に球状化された。球状化は、球形ビーズが形成されるまで行われた。この事例において、押出物は、最初に、1分間2500RPMで動作するCaleva Multilabにおいて球状化され、次に、ビーズが欠陥についてチェックされた。次に、球状化が更に1~2分にわたって継続した。この球状化ステップは、押出タバコを個々の片に破断し、密な球形ビーズを形成した。
【0212】
最終的なステップにおいて、球状化ビーズは、オーブンで30分の期間にわたって65℃で乾燥された。各乾燥期間後、ビーズが重量測定され、所望の水分重量損失に達したとき、乾燥が停止された。一般的に、そのような乾燥は約1時間かかる。
【0213】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のエアロゾル生成材料のうちの他方は、別個の粒子の形態をとるか、又は粒子の凝集体の形態をとる。これらの粒子は、第1及び第2のエアロゾル生成材料のうちの(より密度の高い)一方と、粒子サイズ等の様々な特性を共有してもよいが、より低い密度を有する。上記で説明したように、粒子、ビーズ又はペレットへの材料の製法及び/又は加工等のエアロゾル生成材料の密度を調整する様々な方式が存在する。
【0214】
いくつかの実施形態では、より密度が低い第1及び第2のエアロゾル生成材料は、60%再生タバコ及び40%ラミナタバコの組合せを含み、この材料の密度は、約0.1~約0.9g/cm3の範囲内にある。より密度が高い第1及び第2のエアロゾル生成材料は、密度が約0.4~約1.99g/cm3の範囲内の約30~約90%のタバコを含む。第1及び/又は第2のエアロゾル生成材料に含まれるエアロゾル形成材料の量は、約8~約15%であってもよい。第1及び/又は第2のエアロゾル生成材料は、大部分が球形のビーズを含み、粒子サイズは約0.5~約3mmである。いくつかの実施形態では、物品内のエアロゾル生成材料は、第1のエアロゾル生成材料の約50重量%を含み、第2のエアロゾル生成材料の約50重量%を含む。このため、例えば、260mgのエアロゾル生成材料を含む物品は、130mgの第1のエアロゾル生成材料及び130mgの第2のエアロゾル生成材料を含むことができる。
【0215】
エアロゾル生成材料がタバコを含むいくつかの実施形態において、タバコは、エアロゾル生成材料の約10重量%~約90重量%の量、存在する。
【0216】
いくつかの実施形態では、タバコは、エアロゾル生成材料の重量に基づいて、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、又は少なくとも約35%のタバコの量、存在してもよい。
【0217】
いくつかの実施形態では、タバコは、エアロゾル生成材料の重量に基づいて、約90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%以下、又は約40%以下のタバコの量、存在してもよい。
【0218】
本明細書に記載のタバコはニコチンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ニコチン含有量は、タバコの0.5~2重量%であり、例えば、0.5~1.75重量%、タバコの0.8~1.2%、又はタバコの約0.8~約1.75重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、ニコチン含有量は、タバコの0.8~1重量%であってもよい。
【0219】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、同じニコチン含有量を有する。
【0220】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、1つ又は複数の揮発性成分を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエアロゾル生成材料は同じ揮発性成分含有量を有する。
【0221】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のエアロゾル生成材料はタバコを含む。例えば、第1及び/又は第2のエアロゾル生成材料は、約80~約350mgのタバコを含む。いくつかの特定の実施形態において、物品又は消耗品におけるエアロゾル生成材料は、例えばラミナ及び再生タバコのブレンドを含む130mgの第2のエアロゾル生成材料と、例えば高密度のタバコビーズを含む130mgの第1のエアロゾル生成材料との組合せを含む、260mgの重量を有する。
【0222】
いくつかの実施形態では、物品は、エアロゾル生成材料の領域を含み、各領域は、等しい量のタバコを含有するエアロゾル生成材料を含む。代替的な実施形態において、領域は、異なる量のタバコを含有してもよい。タバコの合計量が約80~約350mgである場合、エアロゾル生成材料の一方の領域は、約20~約330mg、又は約50~約300mg、又は約40~約125mgのタバコを含み、エアロゾル生成材料の他方の領域は、約20~約330mg、又は約30~約300mg、又は約40~約125mgのタバコを含む。
【0223】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は、例示及び例として、特許請求される発明を実施することができ、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための優れた物品を提供する様々な実施形態を示す。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルにすぎず、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらは、特許請求される特徴及び他の形で開示される特徴の理解の支援及び教示のためにのみ提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される本開示に対する制限とも、特許請求の範囲の同等物に対する制限とも考えるべきではなく、また、本開示の範囲及び/又は主旨から逸脱することなく、他の実施形態の利用及び改良が可能であることを理解されたい。種々実施形態は、開示の要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の種々組合せを好適に含んでいてもよいし、種々組合せからなっていてもよいし、種々組合せから本質的になっていてもよい。本開示は、現時点では請求されていないものの、将来的に請求され得る他の発明を含んでいてもよい。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するように前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に用いるための物品であって、前記物品が、
エアロゾル生成材料を含有する空洞を画定する第1のセクションを備え、前記エアロゾル生成材料が前記空洞を部分的に充填し、前記物品が、前記空洞において前記装置の加熱要素を受けるように構成され、前記エアロゾル生成材料が、前記加熱要素に対し前記空洞内で変位可能であるように配置される、物品。
【請求項2】
前記物品の移動により、前記加熱要素に対しエアロゾル生成材料を再配置するための前記空洞内の前記エアロゾル生成材料の変位が生じるように、前記エアロゾル生成材料が前記空洞内に配置される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記エアロゾル生成材料が、複数の個々のエアロゾル生成材料片、及び好ましくは個々のタバコ材料片を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記エアロゾル生成材料が、複数のビーズ又はペレットを含む、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記エアロゾル生成材料が、前記空洞の容積の約80%~95%を占有する、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
エアロゾル生成材料が、前記空洞の前記容積の約88%~92%を占有する、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記第1のセクションが、前記空洞の第1の端部を画定する第1の閉塞部材を含み、好ましくは、前記第1の閉塞部材が第1のプラグである、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の閉塞部材がエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、タバコ材料を含む、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記第1のセクションが、前記空洞の第2の端部を画定する第2の閉塞部材を含み、好ましくは、前記第2の閉塞部材が第2のプラグである、請求項7に記載の物品。
【請求項10】
前記第2の閉塞部材がエアロゾル生成材料を含み、好ましくは、タバコ材料を含む、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記第1の閉塞部材が、前記物品が前記装置に挿入されるとき、前記装置の前記加熱要素が前記第1の閉塞部材を通って前記空洞内に延びることを可能にするように配置される、請求項7に記載の物品。
【請求項12】
前記物品が管フィルタセクションを更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記物品が冷却セクションを更に含み、好ましくは、前記冷却セクションがエアロゾル生成材料を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
フィルタセクションを更に備え、好ましくは、前記フィルタセクションが前記物品の口部端にある、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記フィルタセクションが、エアロゾル変性剤を含み、好ましくは香味料を含む、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記エアロゾル変性剤を含むエアロゾル変性剤放出成分を含み、好ましくは、前記エアロゾル変性剤放出成分がカプセルである、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
エアロゾル生成材料を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するように前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置において用いるための物品であって、前記物品が、
エアロゾル生成材料を含有する第1のセクションを含み、前記エアロゾル生成材料が、タバコを含む複数の材料片を含み、前記物品が、前記第1のセクションの第1の端部を画定する第1のプラグを含み、前記第1のプラグがタバコを含む、物品。
【請求項18】
前記第1のプラグの前記タバコは再生タバコを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記物品が、前記第1のセクションの第2の端部を画定する第2のプラグを含み、前記第2のプラグがタバコを含み、好ましくは再生タバコを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項20】
タバコを含む前記複数の材料片が、タバコビーズ又はペレットを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記第1のセクションが、前記エアロゾル生成材料を含む空洞を画定し、前記エアロゾル生成材料が、前記空洞の容積の約80%~95%を占有する、請求項17に記載の物品。
【請求項22】
エアロゾル生成材料が、前記空洞の前記容積の約88%~92%を占有する、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
前記物品が、前記第1のセクションにおいて、前記装置の加熱要素を受けるように構成され、タバコを含む前記複数の材料片が、前記第1のセクション内で、前記加熱要素に対し再配置可能であるように変位可能である、請求項17に記載の物品。
【請求項24】
エアロゾル生成材料を加熱して、前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置された加熱装置と、前記加熱装置と共に用いるための、請求項1又は17に記載の物品とを備えるシステムであって、
前記加熱装置が、
使用時に前記物品の前記エアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つのヒーター要素を備える、システム。
【請求項25】
ハウジングが、前記物品を前記加熱装置に挿入することができる第1の開口部を備える、請求項24に記載のシステム。
【国際調査報告】