(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ウエハ・プロービング・システムにおける単一チップの検査
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241219BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20241219BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/68 G
G01R31/28 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531613
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 IB2022060770
(87)【国際公開番号】W WO2023105317
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲントナー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クック ロボ、アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】トッライター、オットー
【テーマコード(参考)】
2G132
4M106
5F131
【Fターム(参考)】
2G132AE02
2G132AE03
2G132AE04
2G132AL03
4M106AA02
4M106DD03
4M106DD10
4M106DJ02
4M106DJ07
4M106DJ32
5F131AA04
5F131BA39
5F131CA18
5F131EA02
5F131EA22
5F131EA24
5F131FA24
5F131FA25
5F131KB22
5F131KB54
(57)【要約】
ウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップを検査する方法であって、少なくとも、ウエハ・プロービング・システムの真空チャックに接触するための境界表面を有するアダプタ・プレートを用意することであって、アダプタ・プレートが、チップ後表面が境界表面と同一平面にある切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するように構成される、用意することと、アダプタ・プレートを少なくとも1つの単一チップとともにウエハ・プロービング・システムに装填することと、探索エリア内でアダプタ・プレートにおける少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定することと、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて、少なくとも1つの単一チップを検査することとを含む、方法。ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するためのデバイスおよびアダプタ・プレート。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップを検査する方法であって、少なくとも
前記ウエハ・プロービング・システムの真空チャックに接触するための境界表面を有するアダプタ・プレートを用意するステップであって、前記アダプタ・プレートが、チップ後表面が前記境界表面と同一平面となる切欠部に前記少なくとも1つの単一チップを収容するように構成される、前記用意するステップと、
前記アダプタ・プレートを前記少なくとも1つの単一チップとともに前記ウエハ・プロービング・システムに装填するステップと、
前記装填されたアダプタ・プレートの識別データを読み取るステップと、
前記装填されたアダプタ・プレートの前記識別データを前記ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶するステップと、
前記真空チャックを前記アダプタ・プレートとともに前記ウエハ・プロービング・システムの所定のプローブ探索エリアに移動させるステップと、
前記探索エリア内で前記アダプタ・プレートにおける前記少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定するステップと、
前記少なくとも1つの単一チップの前面が前記ウエハ・プロービング・システムの前記プローブと接触するための動作領域に入るまで、前記真空チャックの位置を調整するステップと、
前記動作領域内に位置付けられた前記少なくとも1つの単一チップに対応する前記真空チャックの前記調整された位置を、前記装填されたアダプタ・プレートの前記記憶された識別データに追加するステップと、
前記少なくとも1つの単一チップを前記ウエハ・プロービング・システムのプローブと電気的に接触させるステップと、
前記ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて、前記少なくとも1つの単一チップを検査するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記移動させるステップ、前記決定するステップ、前記調整するステップ、前記追加するステップ、前記接触させるステップ、および前記検査するステップが、前記装填されたアダプタ・プレートに取り付けられるすべての単一チップについて繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、チップ・パラメータ、特にアダプタ・プレート上のチップ位置または回転角あるいはその両方が取得される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの単一チップの前記位置または前記回転角あるいはその両方を調整するのに適したパターンを、前記少なくとも1つの単一チップの前面に定めることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの単一チップの前記正確な位置を決定するステップであって、前記決定するステップが、カメラ・システムを用いて手動で、カメラ・システムを用いて自動的に、またはカメラ・システムおよび前記位置付けアルゴリズムを用いて自動的に実施される、前記決定するステップをさらに含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記パターンが、前記少なくとも1つの単一チップの前記前面上のトポロジカル特徴を含み、前記トポロジカル特徴が、はんだボールまたは光学的高コントラスト構造あるいはその両方からなる群から選択される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの探索エリアが、前記少なくとも1つの単一チップの前記位置との前記パターンの一致を見つけるために定められる、請求項4ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記探索エリアが矩形チップの各角部に対して定められる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのチップ位置または回転角あるいはその両方が、前記少なくとも1つの探索エリアと前記パターンとの一致から決定され、製品データのデータベースに記憶される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、前記少なくとも1つの単一チップの光学画像の特徴点を抽出する前記位置付けアルゴリズムの前記決定フェーズにおいて、特徴マッチング・アルゴリズムが使用される、請求項3ないし9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、前記位置付けアルゴリズムの前記決定フェーズにおいて、ニューラル・ネットワークが使用される、請求項3ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記識別データが、前記少なくとも1つの単一チップについて、プレート・タイプ、一意な識別情報、および前記少なくとも1つの切欠部の座標からなる群から選択される、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記識別データが、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、前記アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、および前記アダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法を用いてウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するためのデバイスであって、
アダプタ・プレートの切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するためのアダプタ・プレートであって、前記少なくとも1つの単一チップの後表面が前記アダプタ・プレートの境界表面と同一平面となる、前記アダプタ・プレートと、
前記アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックと、
前記アダプタ・プレートに取り付けられた前記少なくとも1つの単一チップを検査するための前記ウエハ・プロービング・システムのプローブと、
前記アダプタ・プレートの前記切欠部に前記少なくとも1つの単一チップを真空気密状態で固定するための単一チップ固定手段であって、前記固定手段が前記切欠部に配置された前記少なくとも1つの単一チップに付加的に適用される、前記単一チップ固定手段とを提供する、デバイス。
【請求項15】
前記固定手段が接着剤を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記切欠部が、真っ直ぐな側壁、または傾斜した側壁、または凸状側壁、または凹状側壁、または段差を付けられた側壁として成形された側壁を有する、請求項14または15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記切欠部が、前記切欠部の側壁に少なくとも位置合わせ手段を備え、特に、前記少なくとも1つの位置合わせ手段が、ばね要素を含む、請求項14ないし16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
少なくとも1つの角部レリーフが、前記切欠部の隣り合う側壁を接続する角部に設けられる、請求項16または17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記アダプタ・プレートが、標準的な半導体ウエハの寸法で構成され、特に、前記アダプタ・プレートが、前記少なくとも1つの単一チップの厚さに等しい最大厚さを有する、請求項14ないし18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの単一チップの前記後表面が、前記真空チャックと直接的な熱接触をしている、請求項14ないし19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つの単一チップが冷媒によって冷却され、前記冷媒がウェットモードで、前記チップに直接的に循環する、請求項14ないし20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記アダプタ・プレートが、前記少なくとも1つの単一チップについて、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または前記少なくとも1つの切欠部の座標を与える一意な識別データを有するように構成されている、請求項14ないし21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記識別データが、独自の製品名、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、前記アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、および前記アダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数からなる群から選択される、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するデバイス用のアダプタ・プレートであって、前記アダプタ・プレートが少なくとも、
前記少なくとも1つの単一チップを収容するための前記アダプタ・プレートにおける少なくとも1つの切欠部と、
前記少なくとも1つのチップの後表面と同一平面となるように意図された前記アダプタ・プレートの境界表面であって、
前記境界表面が、前記アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックに取り付けられるように構成される、前記境界表面とを提供する、アダプタ・プレート。
【請求項25】
一意な識別データが、少なくとも1つの単一チップについて、プレート・タイプ、一意な識別情報、および前記少なくとも1つの切欠部の座標からなる群から選択される、請求項24に記載のアダプタ・プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体デバイスの製造に関し、より詳細には、ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の半導体デバイスは通常、複数のダイ(一般にダイスまたはチップとも呼ばれる)として製造され、それらは大きく、均一で、薄く、しばしば円形または切り取られた円形の半導体ウエハ上で並列に形成される。デバイスの製造後、ウエハが単一ダイに相当する典型的には矩形断片に切断される前に、デバイスはまだ無傷の、ダイシングされていないウエハ上で初めて検査される。これらのチップは通常、別の検査システムに再び接続する前、またはさらには最終製品に差し込む前に、一般的にセラミックまたは有機材料から構成されるモジュール基板に(例えば、はんだ付けプロセスなどで)装着する必要がある。
【0003】
ウエハ上に形成された電子回路は、一般に、ウエハ・カートリッジから単一ウエハを取り出すように構成された自動ウエハ・ローダ、ウエハの面内回転を調整するシータ・プリアライン・システム、単一ウエハが装填される真空チャック、および電気接触ピンを備えたプローブ・カードを含むウエハ・プローバ・ユニットから構成されるウエハ・プロービング・システムを使用して検査される。チャックの位置は通常、3つの独立した空間方向x,y,zにおいて、マイクロメートル・レンジの精度で設定することができる。チャックはさらに熱的に制御され、真空システムに接続することもできるため、ウエハはその前側の低圧を利用してチャックに固定することができる。プローブ・カードを使用してダイの接点に電気的接触を確立した後、例えば自動検査機器を使用してダイの機能を検査することができる。
【0004】
米国特許第6,541,989(B1)号には、半導体部品の検査デバイスが開示されている。検査デバイスは、外縁を有する支持構造体と、支持構造体上に配置され、接着剤フィルムも半導体ウエハも支持構造体の外縁からはみ出さないように支持構造体上の所定の位置に半導体ウエハを保持する接着剤フィルムとを含む。
【0005】
米国特許第8,703,508(B2)号は、ダイシングされたマルチチップ積層パッケージをウエハ・レベルで検査するための方法を開示している。まず、複数のマルチチップ・パッケージが用意され、各マルチチップ・パッケージは、垂直方向に積層された複数のチップを含み、各マルチチップ・パッケージは、上面、底面、および上面に配置された複数の検査電極を有する。次に、ダイオンウエハ配列構成にしたがって、マルチチップ積層パッケージは、透明再構築ウエハ上に固定され、この透明再構築ウエハは、感光性接着剤を有し、X軸およびY軸によって定められるチップ配列、中央位置合わせマーク、角部位置合わせマーク、または周辺位置合わせマークなどの複数の特定の位置合わせマークによって定められる複数の部品配置領域を含む。感光性接着剤は、マルチチップ積層パッケージの底面に接着するため、マルチチップ積層パッケージは、X軸およびY軸、角部位置合わせマーク、または周辺位置合わせマークを覆うことなく、部品配置領域内に配置される。次に、マルチチップ積層パッケージが接着された透明再構築ウエハを、ウエハ検査機に装填する。そして、ウエハ検査機内に設置されたプローブ・カードの複数のプローブにより、マルチチップ積層パッケージの検査電極をプローブし、マルチチップ積層パッケージの電気検査を行い、表面取り付け前に良品と不良のパッケージを選別する。
【0006】
このように、先行技術では、既存のウエハ・チャックは、真空溝付きウエハ・チャックを使用して、真空の助けを借りて完全なウエハを取り付けることができる。ダイシングされたウエハ/チップは通常、単一チップを扱うことができる特別な機器を用いて検査される。ウエハはチャックに乗せられ、強力な真空で固定される。さらなる用途として、ウエハとチャックの間を循環する冷媒を使用する、いわゆるウェットモード構成も考えられる。ウェットモードは、ウエハとチャック間の熱接触を改善するために使用される。いわゆるブロークン・ウエハ・キット(broken wafer kits)は、ウエハの一部または単一チップを中間プレートに取り付けるために使用できる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するための方法が提案され、少なくとも以下を備える:(i)ウエハ・プロービング・システムの真空チャックに接触するための境界表面を有するアダプタ・プレートを用意することであって、アダプタ・プレートが、チップ後表面が境界表面と同一平面となる切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するように構成される、用意することと、(ii)アダプタ・プレートを少なくとも1つの単一チップとともにウエハ・プロービング・システムに装填することと、(iii)装填されたアダプタ・プレートの識別データを読み取ることと、(iv)装填されたアダプタ・プレートの識別データをウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶することと、(v)真空チャックをアダプタ・プレートとともにウエハ・プロービング・システムの所定のプローブ探索エリアに移動させることと、(vi)探索エリア内でアダプタ・プレートにおける少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定することと、(vii)少なくとも1つの単一チップの前面がウエハ・プロービング・システムのプローブと接触するための動作領域に入るまで、真空チャックの位置を調整することと、(viii)動作領域内に位置付けられた少なくとも1つの単一チップに対応する真空チャックの調整された位置を、装填されたアダプタ・プレートの記憶された識別データに追加することと、(ix)少なくとも1つの単一チップをウエハ・プロービング・システムのプローブと電気的に接触させることと、(x)ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて、少なくとも1つの単一チップを検査することと。
【0008】
提案される方法は、標準ウエハ・プロービング・システムで専用サイズの単一チップを検査することを可能にする。ウエハ・プロービング・システムは少なくとも、アダプタ・プレートが装填される真空チャック、真空チャックのための位置決めシステム、および電気接触ピンを備えた検査システムから構成されるウエハ・プローバ・ユニットを含む。
【0009】
さらに、同じ種類のダイシングされたウエハの複数の切り離されたチップを検査することも可能である。この方法により、アダプタ・プレート上のターゲット・チップを簡単に見つけることができる。有利なことに、ウエハ・プロービング・システムの冷却装置との、既存の解決策よりも良好な熱的接続が実現され得る。検査中のチップを対象とする追加的なウェットモード検査も可能である。検査中のチップは、プローブにより生じる接触力で動かないように保護されている。アダプタ・プレートの剛性は、アダプタ・プレートをウエハ・プロービング・システムに挿入・移動する際に有利となる場合がある。既存のツールの取り扱い、または単一チップの自動検査アルゴリズムとの干渉は生じない。構築されたアダプタ・プレートは、ISO93000の基準を満たすためにアーカイブされる場合がある。
【0010】
提案される方法の一実施形態によれば、真空チャックを覆うためにウエハサイズのアダプタ・プレートが使用される。アダプタ・プレートは、検査中のチップのサイズより少し大きい、少なくとも1つの切欠部を有する。切欠部のそれぞれの開口部に検査中のチップを固定するために、適切な接着剤を使用することができる。アダプタ・プレートの厚さは、検査中のチップの厚さよりわずかに薄い。
【0011】
有利なことに、アダプタ・プレート、接着剤、およびチップが真空密閉バリアを形成するため、真空チャックのすべての真空ダクトが覆われる。検査中のチップの後面は真空チャックと直接的な熱接触がある。そのため、チップ操作中の真空チャックによる冷却が強化される。ウェットモードでの冷媒は、チップに直接的に循環することさえある。アダプタ・プレートの後表面は平滑で、真空チャック上での真空密閉配置用に適合される。
【0012】
チップの交換は、新しいアダプタ・プレートを使用するか、接着剤に適した溶剤を使用することで可能である。アダプタ・プレートは、標準ウエハと同様に使用できる。
【0013】
各アダプタ・プレートは、プレート・タイプおよび識別のために、ラベリングなどの一意なプローバ可読識別データを有する。
【0014】
アダプタ・プレートの最大厚さは、チップの厚さとすることができる。特殊な縁部形状/ダクトを使用して、接着剤の特性をサポートすることができる。
【0015】
少なくとも1つの実施形態において、アダプタ・プレートは、検査時間を短縮するために特定の目的に合わせてカスタマイズすることができる。1枚のアダプタ・プレートには、特定の特性を持つ複数の検査済みチップを収容することができる。
【0016】
アダプタ・プレートを迅速にプロトタイプすることにより、アダプタ・プレート上でのチップの再配置/交換が容易に実現できる。
【0017】
単一チップを効率的に検査することで、特定の特性を共有するチップでソートできるため、検査済みチップのより良好なアーカイブが可能になる。
【0018】
提案される方法を用いた検査は、標準的な検査フローにシームレスに組み込むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、ステップ(v)から(x)を、装填されたアダプタ・プレートに取り付けられるすべての単一チップについて繰り返すことができる。このようにして、ダイシングされたウエハの多数のチップの効果的な検査を合理的な時間で完了することができる。
【0020】
本発明の一実施形態では、位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、追加的または代替的に、さらに少なくともチップ・パラメータ、特にアダプタ・プレート上のチップ位置または回転角あるいはその両方を、取得することができる。
【0021】
真空チャック上のアダプタ・プレートのオートレベリングおよび正しいチップ・マップ・ステッピングをサポートするために、ウエハ・プロービング・システムの距離および角度認識システムがアダプタ・プレートをサポートすることがある。単一チップ用途では、レガシのブロークン・ウエハ・キット用の既存の位置付けアルゴリズムを使用することができる。列と行のある規則的なグリッドに複数の切欠部がある装置の場合、位置付けアルゴリズムは、アダプタ・プレート上の正しいチップ場所を見つけるように適合させることができる。検査のために、最初のチップ・ピンは常に同一の相対的な場所、例えばチップの左上位置にある必要がある。
【0022】
本発明の一実施形態において、追加的または代替的に、方法は、少なくとも1つの単一チップの位置または回転角あるいはその両方を調整するのに適したパターンを、少なくとも1つの単一チップの前面に定めることをさらに含んでいてもよい。したがって、決定フェーズでは、アダプタ・プレート上のチップの正確な座標を決定することができる。
【0023】
本発明の一実施形態において、追加的または代替的に、方法はさらに以下を含むことができる:(i)カメラ・システムを用いて手動で少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定すること、または(ii)カメラ・システムを用いて自動的に少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定すること、または(iii)カメラ・システムおよび位置付けアルゴリズムを用いて自動的に少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定すること。少なくとも一実施形態では、位置決定にカメラ・システムを使用してもよい。先行技術によるウエハ・プロービング・システムでは、このような光学的な決定は、自動化または半自動化された方法で実施することができる。
【0024】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、パターンは、少なくとも1つの単一チップの前面上のトポロジカル特徴、特に、はんだボールまたは光学的高コントラスト構造あるいはその両方などの特徴を含んでもよい。
【0025】
先行技術によるウエハ・プロービング・システムのプローブの位置決めおよびウエハ・プロービング・システムにおけるステップ座標は、通常、ウエハ上のソー・マークから学習される。アダプタ・プレートを用いる単一チップのプロービングでは、ソー・マークが存在しないため、これはもはや適したものではない。この目的のために、外側のはんだボールおよび隣接する光学的高コントラスト構造を、チップ境界インジケータとして使用することができる。
【0026】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、少なくとも1つの単一チップの位置とのパターンの一致を見つけるための、少なくとも1つの探索エリアを定めることができる。ウエハ・プロービング・システムの位置付けアルゴリズムは、一定の探索エリア内で一致する構造を見つけようとすることがある。
【0027】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、探索エリアは矩形チップの各角部に対して定められてもよい。このようにして、チップの正常なプロービングを実現できるようにするべく真空チャックの位置を調整するための調整値を得るために、チップ位置の正確な座標を決定することができる。
【0028】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、少なくとも1つのチップ位置または回転角あるいはその両方は、少なくとも1つの探索エリアとパターンとの一致から決定され、製品データのデータベースに記憶することができる。このようにして、チップの正常なプロービングを実現できるようにするべく真空チャックの位置を調整するための調整値を得るために、チップ位置の正確な座標を決定することができる。
【0029】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、少なくとも1つの単一チップの光学画像の特徴点を抽出する位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、特徴マッチング・アルゴリズムを使用することができる。
【0030】
ある画像と、同一画像を回転または並進あるいその両方を行ったものとの特徴点を抽出する、特徴マッチング・アルゴリズムを適用することもできる。次に、これらの特徴を、両方の画像における同一特徴のペアと照合する。これらのマッチしたペアから並進行列および回転行列を決定することができる。
【0031】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、ニューラル・ネットワーク、特に畳み込みニューラル・ネットワークを使用することができる。
【0032】
画像ペアの回転または並進あるいはその両方の歪みを見つけることに対して訓練された畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)を使用することも好ましい場合がある。真っ直ぐなチップ画像は、サンプルのデータセットおよびそのグランド・トゥルースとして使用できる。この場合、方位角が0度の画像、および並進していないことを意味するフレーム中心の画像が使用されてもよい。このCNNの結果は、真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために使用することもできる。
【0033】
本発明の一実施形態において、追加的または代替的に、識別データは、少なくとも1つの単一チップについて、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部の座標を与えることができる。このように、チップの位置および方向は、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶され、検査中のチップを正しくプロービングするために真空チャックの位置を調整するために使用される。
【0034】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、識別データは、独自の製品名、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、およびアダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数を少なくとも与えることができる。
【0035】
識別データは、アダプタ・プレート・ラベルとすることができる。このラベルは次のようにフォーマットすることができる:
<name>_mcap_<dw>x<dh>+<ox>+<oy>_<w’>x<h’>_<#w>x<#h>,ここで
<name> :独自の製品名
mcap :固定識別子→これはマルチチップ・アダプタ・プレートである(ソフトウェア・ヒント)
<dw>x<dh> :グリッド・ステップ・サイズ
<ox>+<oy> :アダプタ・プレートのpos11位置の原点(dw,dhの基点)
<w’>x<h’>:開口寸法
<#w>x<#h>:直交する方向wとhにおけるチップ数。
【0036】
さらに、ある方法を用いてウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップを検査するためのデバイスが提案され、以下を提供する:(i)アダプタ・プレートの切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するためのアダプタ・プレートであって、少なくとも1つの単一チップの後表面がアダプタ・プレートの境界表面と同一平面となる、アダプタ・プレートと、(ii)アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックと、(iii)アダプタ・プレートに取り付けられた少なくとも1つの単一チップを検査するためのウエハ・プロービング・システムのプローブと、(iv)アダプタ・プレートの切欠部に少なくとも1つの単一チップを真空気密状態で固定するための単一チップ固定手段であって、固定手段は切欠部に配置された少なくとも1つの単一チップに付加的に適用される、単一チップ固定手段と。
【0037】
提案されるデバイスは、標準ウエハ・プロービング・システムで専用サイズの単一チップを検査することを可能にする。さらに、同じ種類のダイシングされたウエハの複数の切り離されたチップを検査することも可能である。このデバイスにより、アダプタ・プレート上のターゲット・チップを簡単に見つけることができる。有利なことに、ウエハ・プロービング・システムの冷却装置との、既存の解決策よりも良好な熱的接続が実現され得る。検査中のチップを対象とする追加的なウェットモード検査も可能である。検査中のチップは、プローブにより生じる接触力で動かないように保護されている。一実施形態では、アダプタ・プレートの剛性は、アダプタ・プレートをウエハ・プロービング・システムに挿入・移動する際に有利となる場合がある。既存のツールの取り扱い、または単一チップの自動検査アルゴリズムとの干渉は生じない。構築されたアダプタ・プレートは、ISO93000の基準を満たすためにアーカイブされる場合がある。
【0038】
提案されるデバイスの一実施形態によれば、真空チャックを覆うためにウエハサイズのアダプタ・プレートが使用される。アダプタ・プレートは、検査中のチップのサイズより少し大きい、少なくとも1つの切欠部を有する。切欠部のそれぞれの開口部に検査中のチップを固定するために、適切な接着剤を使用することができる。アダプタ・プレートの厚さは、検査中のチップの厚さよりわずかに薄い。
【0039】
有利なことに、アダプタ・プレート、接着剤、およびチップが真空密閉バリアを形成するため、真空チャックのすべての真空ダクトが覆われる。検査中のチップの後面は真空チャックと直接的な熱接触がある。そのため、チップ操作中の真空チャックによる冷却が強化される。ウェットモードでの冷媒は、チップに直接的に循環することさえある。
【0040】
チップ交換は、新しいアダプタ・プレートを使用するか、接着剤に適した溶剤を使用することで可能である。アダプタ・プレートは、標準ウエハと同様に使用できる。
【0041】
各アダプタ・プレートは、プレート・タイプおよび識別のために、ラベリングなどの一意なプローバ可読識別データを有する。
【0042】
アダプタ・プレートの最大厚さは、チップの厚さとすることができる。特殊な縁部形状/ダクトを使用して、接着剤の特性をサポートすることができる。
【0043】
一実施形態において、アダプタ・プレートは、検査時間を短縮するために特定の目的に合わせてカスタマイズすることができる。1枚のアダプタ・プレートには、特定の特性を持つ複数の検査済みチップを収容することができる。
【0044】
アダプタ・プレートを迅速にプロトタイプすることにより、アダプタ・プレート上でのチップの再配置/交換が容易に実現できる。
【0045】
一実施形態では、少なくとも1つの単一チップの後面と真空チャックとの直接的な熱接触が達成され、これにより検査中のチップの効率的な冷却を確保することができる。
【0046】
本発明の一実施形態において、追加的または代替的に、固定手段は接着剤を含んでもよい。標準的な接着剤、特に紫外線硬化型接着剤、例えばLoctite(R)139(LoctiteおよびすべてのLoctiteベースの商標およびロゴは、Henkel AG & Co.KGaAまたはその関連会社あるいはその組合せの、商標または登録商標である)を使用して、アダプタ・プレートの切欠部にチップを確実に固定することができる。こうして、プロービング中にチップが動くのを回避することができる。
【0047】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、切欠部は、真っ直ぐな側壁、または傾斜した側壁、または凸状側壁、または凹状側壁、または段差を付けられた側壁として成形された側壁を有することができる。一実施形態では、アダプタ・プレートの切欠部にチップを固定するために選択された接着剤の特性をサポートするために、特別な縁形状またはダクトあるいはその両方を使用することができる。
【0048】
本発明の一実施形態では、付加的または代替的に、切欠部は、切欠部の側壁に少なくとも位置合わせ手段を備えることができる。特に、少なくとも1つの位置合わせ手段は、ばね要素を含むことができる。位置合わせ手段は、チップを定められた方法で切欠部の側壁に押し付けることができる。したがって、側壁はチップ位置を決定するための基準として機能することができる。
【0049】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、切欠部の隣り合う側壁を接続する角部に少なくとも1つの角部レリーフを設けることができる。角部レリーフは、切欠部の2つの矩形寸法において、側壁に対するチップの適切な位置合わせとして機能することができる。
【0050】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、アダプタ・プレートは、標準的な半導体ウエハの寸法で構成することができ、特に、アダプタ・プレートは、少なくとも1つの単一チップの厚さに等しい最大厚さを有することができる。そのため、標準ウエハ・プロービング・システムの真空チャックには、標準ウエハの代わりにアダプタ・プレートを取り付けることができる。一実施形態では、単一チップを検査するためのウエハ・プロービング・システムの適合を最小限にすることができる。
【0051】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、少なくとも1つの単一チップの後表面を真空チャックと直接熱接触させてもよい。そのため、チップ操作中の真空チャックによる冷却が強化される。
【0052】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、少なくとも1つの単一チップは冷媒によって、特にチップに直接的に循環するウェットモードで冷却することができる。そのため、チップ操作中の真空チャックによる冷却が強化される。
【0053】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、アダプタ・プレートは、少なくとも1つの単一チップについて、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部の座標を与える一意な識別データ、例えばラベルで構成することができる。このように、チップの位置および方向は、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶され、検査中のチップを正しくプロービングするために真空チャックの位置を調整するために使用される。
【0054】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的にさらに識別データ、例えばラベルは、独自の製品名、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、およびアダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数を少なくとも与えることができる。このように、標準ウエハ・プロービング・システムで単一チップを検査するために必要なすべての情報は、アダプタ・プレートの標準化された識別データによって、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに提供される。
【0055】
さらに、ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するデバイス用のアダプタ・プレートが提案され、このアダプタ・プレートは、少なくとも1つの単一チップを収容するためのアダプタ・プレートにおける少なくとも1つの切欠部と、少なくとも1つのチップの後表面と同一平面となるように意図されたアダプタ・プレートの境界表面であって、境界表面が、アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックに取り付けられるように構成される、境界表面と、を少なくとも提供する。
【0056】
提案されるアダプタ・プレートは、標準ウエハ・プロービング・システムで専用サイズの単一チップを検査することを可能にする。さらに、同じ種類のダイシングされたウエハの複数の切り離されたチップを検査することも可能である。このアダプタ・プレートにより、ターゲット・チップを簡単に見つけることができる。有利なことに、ウエハ・プロービング・システムの冷却装置との、既存の解決策よりも良好な熱的接続が実現され得る。検査中のチップを対象とする追加的なウェットモード検査も可能である。検査中のチップは、プローブにより生じる接触力で動かないように保護されている。アダプタ・プレートの剛性は、アダプタ・プレートをウエハ・プロービング・システムに挿入・移動する際に有利となる場合がある。既存のツールの取り扱い、または単一チップの自動検査アルゴリズムとの干渉は生じない。構築されたアダプタ・プレートは、ISO93000の基準を満たすためにアーカイブされる場合がある。
【0057】
ウエハサイズのアダプタ・プレートは、真空チャックを覆うために使用することができる。アダプタ・プレートは、検査中のチップのサイズより少し大きい、少なくとも1つの切欠部を有する。切欠部のそれぞれの開口部に検査中のチップを固定するための固定手段として、適切な接着剤を使用することができる。アダプタ・プレートの厚さは、検査中のチップの厚さよりわずかに薄い。
【0058】
有利なことに、アダプタ・プレート、接着剤、およびチップが真空密閉バリアを形成するため、真空チャックのすべての真空ダクトが覆われる。検査中のチップの後面は真空チャックと直接的な熱接触がある。そのため、チップ操作中の真空チャックによる冷却が強化される。ウェットモードでの冷媒は、チップに直接的に循環することさえある。
【0059】
アダプタ・プレートの最大厚さは、チップの厚さとすることができる。特殊な縁部形状/ダクトを使用して、接着剤の特性をサポートすることができる。
【0060】
一実施形態において、アダプタ・プレートは、検査時間を短縮するために特定の目的に合わせてカスタマイズすることができる。1枚のアダプタ・プレートには、特定の特性を持つ複数の検査済みチップを収容することができる。
【0061】
アダプタ・プレートを迅速にプロトタイプすることにより、アダプタ・プレート上でのチップの再配置/交換が容易に実現できる。
【0062】
一実施形態では、少なくとも1つの単一チップの後面と真空チャックとの直接的な熱接触が達成され、これにより検査中のチップの効率的な冷却を確保することができる。
【0063】
一実施形態では、少なくとも1つの単一チップは、接着剤を含み得る固定手段によってアダプタ・プレートの切欠部に固定することができる。アダプタ・プレートの切欠部にチップを確実に固定するために、標準的な接着剤、特に紫外線硬化型接着剤、例えばLoctite(R)139を使用することができる。こうして、プロービング中にチップが動くのを回避することができる。
【0064】
一実施形態では、切欠部は、真っ直ぐな側壁、または傾斜した側壁、または凸状側壁、または凹状側壁、または段差を付けられた側壁として成形された側壁を有することができる。一実施形態では、アダプタ・プレートの切欠部にチップを固定するために選択された接着剤の特性をサポートするために、特別な縁形状またはダクトあるいはその両方を使用することができる。
【0065】
一実施形態では、切欠部は、切欠部の側壁に少なくとも位置合わせ手段を備えることができる。特に、少なくとも1つの位置合わせ手段は、ばね要素を含むことができる。位置合わせ手段は、チップを定められた方法で切欠部の側壁に押し付けることができる。したがって、側壁はチップ位置を決定するための基準として機能することができる。
【0066】
一実施形態では、切欠部の隣り合う側壁を接続する角部に少なくとも1つの角部レリーフを設けることができる。角部レリーフは、切欠部の2つの矩形寸法において、側壁に対するチップの適切な位置合わせとして機能することができる。
【0067】
一実施形態では、アダプタ・プレートは、標準的な半導体ウエハの寸法で構成することができ、特に、アダプタ・プレートは、少なくとも1つの単一チップの厚さに等しい最大厚さを有することができる。そのため、標準ウエハ・プロービング・システムの真空チャックには、標準ウエハの代わりにアダプタ・プレートを取り付けることができる。一実施形態では、単一チップを検査するためのウエハ・プロービング・システムの適合を最小限にすることができる。
【0068】
本発明の一実施形態では、追加的または代替的に、アダプタ・プレートは、少なくとも1つの単一チップについて、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部の座標を与える一意な識別データを有するように構成することができる。
【0069】
各アダプタ・プレートは、プレート・タイプおよび識別のために、ラベリングなどの一意なプローバ可読識別データを有することができる。このように、チップの位置および方向は、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶され、検査中のチップを正しくプロービングするために真空チャックの位置を調整するために使用される。
【0070】
一実施形態では、識別データ、例えばラベルは、独自の製品名、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、およびアダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数を少なくとも与えることができる。このように、標準ウエハ・プロービング・システムで単一チップを検査するために必要なすべての情報は、アダプタ・プレートの標準化された識別データによって、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに提供される。
【0071】
本発明は、上記およびその他の目的および利点とともに、以下の実施形態の詳細な説明から最もよく理解されるが、その実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】本発明の実施形態による、真空チャックに取り付けられた切欠部にチップを収容するアダプタ・プレートを備えたデバイスを通る断面図である。
【
図2】本発明の実施形態による、切欠部の側壁が真っ直ぐな断面で成形されている、チップを収容するアダプタ・プレートを通る断面図である。
【
図3】本発明のさらなる実施形態による、切欠部の側壁が段差を付けられた断面で成形されている、チップを収容するアダプタ・プレートを通る断面図である。
【
図4】本発明のさらなる実施形態による、切欠部の側壁が傾斜した断面で成形されている、チップを収容するアダプタ・プレートを通る断面図である。
【
図5】本発明のさらなる実施形態による、切欠部の側壁が凸状断面で成形されている、チップを収容するアダプタ・プレートを通る断面図である。
【
図6】本発明のさらなる実施形態による、切欠部の側壁が凹状断面で成形されている、チップを収容するアダプタ・プレートを通る断面図である。
【
図7】本発明のさらなる実施形態による、チップを収容する多数の切欠部を有するアダプタ・プレートの上面図である。
【
図8】アダプタ・プレートの切欠部において異なる位置にあるチップの図である。
【
図9】本発明のさらなる実施形態による、位置合わせ手段を有するアダプタ・プレートの切欠部の図である。
【
図10】本発明のさらなる実施形態による、マーク付けされたウエハ・プロービング・システムの探索エリアを有する、はんだボールを担持するチップ表面の一部の図である。
【
図11】本発明のさらなる実施形態による、決定フェーズにおける位置付けアルゴリズムのフローチャート図である。
【
図12】本発明の実施形態による、ウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップを検査するための検査フローの図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図面では、同様の要素には同じ参照符号が付されている。図面は単なる模式的な表現であり、本発明の特定のパラメータを描写することを意図したものではない。さらに、図面は、本発明の典型的な実施形態のみを描写することを意図しており、したがって、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0074】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、ある方法を用いてウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップを検査するためのデバイスを提供し、以下を提供する:(i)アダプタ・プレートの切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するためのアダプタ・プレートであって、少なくとも1つの単一チップの後表面がアダプタ・プレートの境界表面と同一平面となる、アダプタ・プレートと、(ii)アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックと、(iii)アダプタ・プレートに取り付けられた少なくとも1つの単一チップを検査するためのウエハ・プロービング・システムのプローブと、(iv)アダプタ・プレートの切欠部に少なくとも1つの単一チップを真空気密状態で固定するための単一チップ固定手段であって、固定手段は切欠部に配置された少なくとも1つの単一チップに付加的に適用される、単一チップ固定手段と。
【0075】
アダプタ・プレートの後表面は平滑で、真空チャック上での真空密閉配置用に適合される。
【0076】
例示的な実施形態は、ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するための方法にさらに使用することができ、少なくとも以下を含む:(i)ウエハ・プロービング・システムの真空チャックに接触するための境界表面を有するアダプタ・プレートを用意することであって、アダプタ・プレートが、チップ後表面が境界表面と同一平面となる切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するように構成される、用意することと、(ii)アダプタ・プレートを少なくとも1つの単一チップとともにウエハ・プロービング・システムに装填することと、(iii)装填されたアダプタ・プレートの識別データを読み取ることと、(iv)装填されたアダプタ・プレートの識別データをウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶することと、(v)真空チャックをアダプタ・プレートとともにウエハ・プロービング・システムの所定のプローブ探索エリアに移動させることと、(vi)探索エリア内でアダプタ・プレートにおける少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定することと、(vii)少なくとも1つの単一チップの前面がウエハ・プロービング・システムのプローブと接触するための動作領域に入るまで、真空チャックの位置を調整することと、(viii)動作領域内に位置付けられた少なくとも1つの単一チップに対応する真空チャックの調整された位置を、装填されたアダプタ・プレートの記憶された識別データに追加することと、(ix)少なくとも1つの単一チップをウエハ・プロービング・システムのプローブと電気的に接触させることと、(x)ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて、少なくとも1つの単一チップを検査することと。
【0077】
図1は、本発明の実施形態による、真空チャック60に取り付けられた切欠部28にチップ10を収容するアダプタ・プレート20を備えたデバイス100を通る断面を示す。
【0078】
ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップ10を検査するためのデバイス100は、アダプタ・プレート20の切欠部28に少なくとも1つの単一チップ10を収容するためのアダプタ・プレート20であって、少なくとも1つの単一チップ10の後表面12がアダプタ・プレート20の境界表面16と同一平面となる、アダプタ・プレート20を提供する。
【0079】
さらに、デバイス100は、アダプタ・プレート20に真空を作用させるための真空チャック60と、アダプタ・プレート20に取り付けられた少なくとも1つの単一チップ10を検査するためのウエハ・プロービング・システムのプローブ(図示せず)とを設ける。
【0080】
さらにデバイス100は、少なくとも1つの単一チップ10をアダプタ・プレート20の切欠部28に真空気密状態で固定するための単一チップ固定手段24を提供する。固定手段24は加えて、切欠部28に配置された少なくとも1つの単一チップ10に適用される。固定手段24は接着剤26を含む。
【0081】
少なくとも1つの単一チップ10の後表面12は、真空チャック60と直接的な熱接触64をしている。したがって、真空チャック60と少なくとも1つの単一チップ10の後面との直接的な熱接触64が達成される。さらに、少なくとも1つの単一チップ10は、チップ10に直接的に循環する、特にウェットモードの冷媒によって冷却することができる。
【0082】
図2~
図6は、切欠部28の異なる側壁形状を有する、本発明の実施形態によるチップ10を収容するアダプタ・プレート20を通る断面を描いている。
【0083】
切欠部28の側壁30、32、34、36、37は、接着剤26の要件により側壁30、32、34、36、37を成形する様々な可能性を示すために、異なるやり方で成形されている。側壁30、32、34、36、37の間の自由空間には、適当な接着剤26が充填されている。したがって、固定手段24の接着剤特性を向上させるために、真っ直ぐな側壁30または傾斜した側壁32または凸状側壁34または凹状側壁36または段差を付けられた側壁を実現することができる。
【0084】
ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップ10を検査するための方法は、ウエハ・プロービング・システムの真空チャック60に接触するための境界表面16を有するアダプタ・プレート20を用意することを少なくとも含む。アダプタ・プレート20は、切欠部28に多数の単一チップ10を収容するように構成されており、チップ後表面12は境界表面16と同一表面となる。単一チップ10を伴うアダプタ・プレート20は、ウエハ・プロービング・システムに装填される。装填されたアダプタ・プレート20の識別データ、例えばラベル48のデータが読み取られる。装填されたアダプタ・プレート20の識別データ、例えばラベル48のデータは、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶される。真空チャック60は、アダプタ・プレート20とともに、ウエハ・プロービング・システムのプローブ用の所定の探索エリア50に移動される。探索エリア50内でアダプタ・プレート20における、少なくとも1つの単一チップ10の正確な位置が決定される。真空チャック60の位置は、少なくとも1つの単一チップ10の前面54が、ウエハ・プロービング・システムのプローブが接触するための動作領域66に入るまで調整される。動作領域66内に位置付けられた少なくとも1つの単一チップ10に対応する真空チャック60の調整された位置は、装填されたアダプタ・プレート20の記憶された識別データ、例えばラベル48のデータに追加される。少なくとも1つの単一チップ10は、ウエハ・プロービング・システムのプローブと電気的に接触する。少なくとも1つの単一チップ10は、ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて検査される。
【0085】
真空チャック60を所定の探索エリア50に移動させるステップから、チップ10を検査するステップまでは、装填されたアダプタ・プレート20に取り付けられるすべてのチップ10について繰り返される。
【0086】
図7は、本発明のさらなる実施形態による、チップ10を収容する多数の切欠部28を有するアダプタ・プレート20の上面図を示す。
【0087】
アダプタ・プレート20は、標準的な半導体ウエハの寸法で構成されている。特に、アダプタ・プレート20の最大厚さは、少なくとも1つの単一チップ10の厚さに等しい。アダプタ・プレート20は、切欠部として成形された位置合わせマーク58によって位置合わせをサポートする真空チャック60に取り付けることができる。
【0088】
真空チャック60上のアダプタ・プレート20のオートレベリングと正しいチップ・マップ・ステッピングをサポートするために、ウエハ・プロービング・システムの距離および角度認識システムは、アダプタ・プレート20をサポートすることができる。単一チップ用途では、レガシのブロークン・ウエハ・キット用の既存の位置付けアルゴリズムを使用することができる。列と行のある規則的なグリッドに複数の切欠部28がある装置の場合、位置付けアルゴリズムは、アダプタ・プレート20上の正しいチップ場所を見つけるように適合させることができる。検査のために、最初のチップ・ピンは常に同一の相対的な場所、例えばチップ10の左上位置にある必要がある。
【0089】
プレート座標は、プレートの識別データ、例えばプレート・ラベル48に記録される。
【0090】
図7に示す実施形態のアダプタ・プレート20は、少なくとも1つの単一チップ10について、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部28の座標を与えるラベル48のような、一意な識別データを有するように構成される。識別データ、例えばラベル48は、少なくとも、独自の製品名、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、アダプタ・プレート20上の切欠部28の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部28の開口寸法、およびアダプタ・プレート20の表面54の異なる方向における切欠部28の数を与えることができる。
【0091】
図3に描かれた実施形態のアダプタ・プレート識別データ、例えばラベル48のフォーマットは次の通りである。
<name>_mcap_<dw>x<dh>+<ox>+<oy>_<w’>x<h’>_<#w>x<#h>,ここで
<name> :独自の製品名=”plate1”
mcap :固定識別子→これはマルチチップ・アダプタ・プレートである(ソフトウェア・ヒント)
<dw>x<dh> :グリッド・ステップ・サイズ[mm]=60*140
<ox>+<oy> :アダプタ・プレート上のpos11位置の原点[mm]=50+80
<w’>x<h’>:開口寸法[mm]=24*30
<#w>x<#h>:直交する方向wとhにおけるチップ数=4*3。
【0092】
チップ寸法はw*hである。切欠部28の大きさは、
図7に2つの切欠部28で示したように、w’*h’である。これにより、両側の接着剤の厚さは(h’-h)/2、と(w’-w)/2となる。この接着剤の厚さの範囲内では、
図8に示すように、製造上の不正確さや公差によってチップがわずかにずれて回転することがある。グリッド幅のオフセット
【数1】
とグリッド高のオフセット
【数2】
に対して、それぞれ位置を調整するようにソフトウェアを準備する必要がある。このオフセットは位置ごとに変化するため、
図7の例では合計12のオフセット座標70および回転座標72を、ウエハ・プローバに記憶する必要がある。
図8に示すベクトル
【数3】
は、pos11/pos21、pos11/pos12のように、隣接(近接)する2つのチップ位置間の位置決め誤差のプレースホルダである。
【0093】
図8は、アダプタ・プレート20の切欠部28の異なる位置にあるチップ10を示している。
【0094】
少なくとも1つの単一チップ10の前面18には、少なくとも1つの単一チップ10の位置70または回転角72あるいはその両方を調整するのに適したパターン52を定めることができる。
【0095】
パターン52は、少なくとも1つの単一チップ10の前面18上のトポロジカルな特徴、特に
図10に示されるはんだボール56または光学的高コントラスト構造あるいはその両方などの特徴を含み得る。
【0096】
パターン52と少なくとも1つの単一チップ10の位置70との一致を見つけるために、少なくとも1つの探索エリア50を定めることができる。一実施形態では、探索エリア50は矩形チップ10の各角部に対して定めてられてもよい。したがって、少なくともチップ位置70または回転角72あるいはその両方は、少なくとも1つの探索エリア50とパターン52との一致から決定し、製品データのデータベース74に記憶することができる。
【0097】
さらなる実施形態により、少なくとも1つの単一チップ10の正確な位置70は、カメラ・システムを用いて手動で決定してもよいし、カメラ・システムを用いて自動的に決定してもよいし、カメラ・システムと位置付けアルゴリズムとを用いて自動的に決定してもよい。
【0098】
図9は、本発明のさらなる実施形態による、位置合わせ手段38を有するアダプタ・プレート20の切欠部28を示している。
【0099】
切欠部28は、切欠部28の側壁30、32、34、36に少なくとも位置合わせ手段38を備える。特に位置合わせ手段38は、
図9に示すようにばね要素40を含む。さらに、切欠部28の隣り合う側壁30、32、34、36を接続する角部44には、少なくとも1つの角部レリーフ46が設けられている。
【0100】
端部に丸みを帯びたプランジャを持つ2本のバーは、位置合わせ手段38として機能する。左位置合わせ手段38のプランジャ先端と切欠部28の左側面との間の幅は、チップ幅よりも僅かに小さい。チップ高さについても同様である。位置合わせ手段38のバーは、ばね40として機能する。このメカニズムにより、チップ10は切欠部28の左上の角部44に押し付けられ、切欠部28の上側と左側とに位置合わせされる。これにより、
図8に示すように、グリッドずれベクトル
【数4】
の絶対値が低減される。左上角部レリーフ46は、良好な位置合わせ結果を得るために役立つ。チップ10とアダプタ・プレート20の間の空きスペースは、下にある真空チャック60に作用する真空によってチップ10の固定を可能にするため、接着剤26で充填される。
【0101】
図10は、本発明のさらなる実施形態による、マーク付けされたウエハ・プロービング・システムの探索エリア50を有する、はんだボール56を担持するチップ前面18の一部を示す。
【0102】
先行技術によるウエハ・プロービング・システムのプローブの位置決めおよびウエハ・プロービング・システムにおけるステップ座標は、通常、ウエハ上のソー・マークから学習される。アダプタ・プレート20を用いる単一チップのプロービングでは、ソー・マークが存在しないため、これはもはや適したものではない。この目的のために、外側のはんだボール56および隣接する光学的高コントラスト構造を、チップ境界インジケータとして使用することができる。位置付けアルゴリズムのソフトウェアは、一定の探索エリア50内で一致する構造を見つけようとすることがある。
【0103】
図11は、本発明のさらなる実施形態による、決定フェーズにおける位置付けアルゴリズムのフローチャートを示している。
【0104】
図8に示すように、チップ10の4つの探索エリア50がすべて処理され、各探索エリア50で一致が見つかった場合、グリッド位置からのチップ・オフセットと回転角72(度)を計算し、アダプタ・プレート製品データの一部とすることができる。位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、チップ位置、特にアダプタ・プレート20上のチップ位置70または回転角72あるいはその両方を決定する方法を
図11に説明する。
【0105】
図11のフローチャートのステップS107に示すように、初期チップ位置の決定は、チップ角部はんだボール56、いわゆる「C4ボール」のような4つの高コントラスト・エリアを手動で選択する手動ステップとすることができる。探索エリア50ごとの画像は、製品データ74に記憶される。C4ボール位置はプローブのニードル位置に直接並進するため、はんだボール位置の手動での微調整から、回転オフセットおよび並進オフセットをウエハ・プロービング・システムによって計算し、各位置について製品データ74に記憶することができる。
【0106】
あるいは、これはウエハ・プロービング・システムがチップ10の回転オフセットおよび並進オフセットを検出する自動ステップによって行ってもよい。
【0107】
位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおけるチップ位置の自動決定は、真空チャック60の調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、少なくとも1つの単一チップ10の光学画像の特徴点を抽出する特徴マッチング・アルゴリズムによって実行することができる。
【0108】
付加的または代替的に、真空チャック60の調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、ニューラル・ネットワーク、特に畳み込みニューラル・ネットワークを使用することができる。
【0109】
最初の初期決定フェーズが達成されれば、以下のパラメータが既知である:独自の製品名、チップ寸法、原点(左上のグリッド位置)、チップ数、アダプタ・プレート20上のチップ分布、チップ位置pos11、pos12、pos21・・・の位置、オフセットおよび角度、規則的なグリッド寸法
【数5】
。
【0110】
第2の決定フェーズでは、ウエハ・プロービング・システムのソフトウェアは、残りのチップ位置をステップ・スルーし、オフセット・ベクトル
【数6】
、および回転角rota
ikを評価する(ただしiはアダプタ・プレート20上の列数における数、kは行数における数)。この情報は製品データ74に追加される。
【0111】
図11に示すフローチャートによれば、ステップS100で開始した後、ステップS102でアダプタ・プレート20がウエハ・プロービング・システムに装填される。次にステップS104でアダプタ・プレート20の識別データ、例えばラベル48が読み取られ、ステップS106でアダプタ・プレート20のプレート・タイプおよび固有情報が製品データ74に記憶される。
【0112】
次に、ブロックS107において、チップ10の第1の角部に対し、第1のチップ位置x=pos11、およびn=1で開始して、位置付け決定アルゴリズムが実行される。真空チャック60は、ステップS108において、
図7に描かれたチップ位置xの、
図8に描かれたn番目の探索エリア50に移動される。次に、ステップS110において、位置付けアルゴリズムの決定フェーズは継続され、例えば
図10に描かれているようなパターン認識用のピクチャからのデータが製品データ74に記憶される。製品データ74に記憶されているラベル48などの識別データの典型的な情報を
図11に示す。
【0113】
ステップS112では、nが既に4に等しいかどうかがチェックされる。そうでない場合は、nは1だけインクリメントされ、ステップS108が繰り返される。
【0114】
このループは、チップ10の4つの角部44の4つの探索エリア50がすべて処理されるまで続けられる。その後、アルゴリズムはステップS114で次のチップ位置に進む。ステップS116では、これが最後のチップ位置であったかどうかがチェックされる。そうでない場合、カウンタnは1にリセットされ、位置付け決定アルゴリズムは次のチップ位置から再開される。
【0115】
すべてのチップ位置が終了した場合、決定アルゴリズムはステップS118で終了する。
【0116】
一実施形態では、アダプタ・プレート20は、検査時間を短縮するために特定の目的に合わせてカスタマイズすることができる。1枚のアダプタ・プレート20には、特定の特性を持つ複数の検査済みチップ10を収容することができる。
【0117】
アダプタ・プレート20を迅速にプロトタイプすることにより、アダプタ・プレート20上のチップ10の再配置または交換あるいはその両方が容易に実現できる。
【0118】
単一チップ10を効率的に検査することで、特定の特性を共有するチップ10でソートできるため、検査済みチップ10のより良好なアーカイブが可能になる。
【0119】
提案される方法を用いた検査は、標準的な検査フローにシームレスに組み込むことができる。
【0120】
図12は、本発明の実施形態による、ウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップ10を検査するための検査フローを示している。
【0121】
図に示すように、本発明の実施形態によるアダプタ・プレート20を用いた検査は、ウエハ・プロービング・システムを用いたチップの標準検査フローにシームレスに組み込まれる。
【0122】
標準検査フローは、ステップS200の標準製造検査で開始する。分割されたハードウェアは、ステップS212の特性検査に直接移されてもよい。ステップS202の通常のフローによれば、検査されたウエハに対して検査結果の結果評価が行われる。ここから選択されたウエハが、検査結果に応じて、ステップS212の特性検査に直接移されることもある。
【0123】
次に、ステップS204において、検査フローが分岐する。検査結果が所定の仕様に適合する場合、ステップS206において、さらなる処理に使用できるモジュールを構築することができる。検査結果が所定の仕様に適合しない場合、ステップS208において、特性検査の基準が満たされるかどうかがチェックされる。この場合、ステップS210では、単一チップに対して特性検査を実施できるように、アダプタ・プレート20を構築することができる。
【0124】
次に、ステップS212では、特性検査を伴う標準検査手順を進める。ここで、ステップS212の特性検査を実施できるようにするために、
図10に示し、より詳細には
図11に示す実施形態で既に説明した位置付けアルゴリズムを適用することができる。
【0125】
特性の基準が満たされない場合、検査フローは終了する。
【0126】
本発明は、統合のあらゆる可能な技術的詳細レベルにおける、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはその組合せであってもよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0127】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持および記憶することができる有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイスまたは前述のあらゆる好適な組合せであってもよいが、それに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的な列挙としては、以下が挙げられる:ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピ・ディスク、命令が記録されたパンチカードまたは溝に刻まれた構造などの機械的にエンコードされたデバイス、および前述のあらゆる好適な組合せ。本明細書において使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を介して伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、または電線を介して伝送される電気的信号など、一過性の信号そのものであると解釈されてはならない。
【0128】
本明細書において説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から個別のコンピューティング/処理デバイスに、あるいは、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークもしくは無線ネットワークまたはその組合せなどのネットワークを介して、外部のコンピュータまたは外部のストレージ・デバイスに、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅の伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイヤウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータまたはエッジ・サーバあるいはその組合せを含むことができる。それぞれのコンピューティング/処理デバイスのネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、個別のコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0129】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の設定データ、あるいはスモールトーク(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語などの手続き型プログラミング言語もしくは類似するプログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語のあらゆる組合せで記述された、ソース・コードまたはオブジェクト・コードのいずれかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、すべてユーザのコンピュータ上で、一部はユーザのコンピュータ上でスタンドアロンのソフトウェア・パッケージとして、一部はユーザのコンピュータ上で一部はリモートのコンピュータ上で、またはすべてリモートのコンピュータ上もしくはサーバ上で、実行することができる。後者のシナリオでは、リモートのコンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含むあらゆるタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用するインターネットを介して)外部のコンピュータに対してなされてもよい。一部の実施形態において、例えば、プログラマブル・ロジック回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し、電子回路を個別化することができる。
【0130】
本発明の態様は、本明細書では、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方のそれぞれのブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装されることが理解されよう。
【0131】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/作用を実装する手段を作成すべく、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されて機械を作るものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/作用の態様を実装するための命令を含む製造物品を備えるべく、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、または他のデバイスあるいはその組合せに特定のやり方で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0132】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイスで実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/作用を実装するように、コンピュータ実装プロセスを作るべく、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実施させるものであってもよい。
【0133】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態にしたがって、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態の、アーキテクチャ、機能、および動作を図示している。この点において、フローチャートまたはブロック図のそれぞれのブロックは、指定される論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表現することができる。一部の代替的な実装形態では、ブロックで示される機能は図面で示した順とは異なって発生してもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックは関与する機能によっては、時に逆の順で実行されてもよい。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のそれぞれのブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組合せは、指定される機能もしくは作用を実施する、または特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する、特殊目的ハードウェア・ベースのシステムによって実装されることにも留意されたい。
【0134】
本開示のさらなる例示的な実施形態は、以下の番号付けされた条項で説明する。
【0135】
条項1:ウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップ(10)を検査する方法であって、少なくとも以下を含む、方法:
(i)ウエハ・プロービング・システムの真空チャック(60)に接触するための境界表面(16)を有するアダプタ・プレート(20)を用意することであって、アダプタ・プレート(20)が、チップ後表面(12)が境界表面(16)と同一平面となる切欠部(28)に少なくとも1つの単一チップ(10)を収容するように構成される、用意することと、
(ii)アダプタ・プレート(20)を少なくとも1つの単一チップ(10)とともにウエハ・プロービング・システムに装填することと、
(iii)装填されたアダプタ・プレート(20)の識別データを読み取ることと、
(iv)装填されたアダプタ・プレート(20)の識別データをウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶することと、
(v)真空チャック(60)をアダプタ・プレート(20)とともにウエハ・プロービング・システムの所定のプローブ探索エリア(50)に移動させることと、
(vi)探索エリア(50)内でアダプタ・プレート(20)における少なくとも1つの単一チップ(10)の正確な位置を決定することと、
(vii)少なくとも1つの単一チップ(10)の前面(54)がウエハ・プロービング・システムのプローブと接触するための動作領域(66)に入るまで、真空チャック(60)の位置を調整することと、
(viii)動作領域(66)内に位置付けられた少なくとも1つの単一チップ(10)に対応する真空チャック(60)の調整された位置を、装填されたアダプタ・プレート(20)の記憶された識別データに追加することと、
(ix)少なくとも1つの単一チップ(10)をウエハ・プロービング・システムのプローブと電気的に接触させることと、
(x)ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて、少なくとも1つの単一チップ(10)を検査することと。
【0136】
条項2:ステップ(v)から(x)が、装填されたアダプタ・プレート(20)に取り付けられるすべての単一チップ(10)について繰り返される、条項1に記載の方法。
【0137】
条項3:位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、さらに少なくともチップ・パラメータ、特にアダプタ・プレート(20)上のチップ位置(70)または回転角(72)あるいはその両方を取得する、条項1または2に記載の方法。
【0138】
条項4:少なくとも1つの単一チップ(10)の位置(70)または回転角(72)あるいはその両方を調整するのに適したパターン(52)を、少なくとも1つの単一チップ(10)の前面(18)に定めることをさらに含む、条項3に記載の方法。
【0139】
条項5:
(i)カメラ・システムを用いて手動で少なくとも1つの単一チップ(10)の正確な位置(70)を決定すること、または
(ii)カメラ・システムを用いて自動的に少なくとも1つの単一チップ(10)の正確な位置(70)を決定すること、または
(iii)カメラ・システムおよび位置付けアルゴリズムを用いて自動的に少なくとも1つの単一チップ(10)の正確な位置(70)を決定することをさらに含む、条項3または4に記載の方法。
【0140】
条項6:パターン(52)が、少なくとも1つの単一チップ(10)の前面(18)上のトポロジカル特徴、特に、はんだボール(56)または光学的高コントラスト構造あるいはその両方などの特徴を含む、条項4または条項5に記載の方法。
【0141】
条項7:少なくとも1つの探索エリア(50)が、少なくとも1つの単一チップ(10)の位置(70)とのパターン(52)の一致を見つけるために定められる、条項4ないし条項6のいずれか一項に記載の方法。
【0142】
条項8:探索エリア(50)が矩形チップ(10)の各角部に対して定められる、条項7に記載の方法。
【0143】
条項9:少なくとも1つのチップ位置(70)または回転角(72)あるいはその両方が、少なくとも1つの探索エリア(50)とパターン(52)との一致から決定され、製品データのデータベース(74)に記憶される、条項7または8に記載の方法。
【0144】
条項10:真空チャック(60)の調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、少なくとも1つの単一チップ(10)の光学画像の特徴点を抽出する位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、特徴マッチング・アルゴリズムが使用される、条項3ないし9のいずれか一項に記載の方法。
【0145】
条項11:真空チャック(60)の調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、ニューラル・ネットワーク、特に畳み込みニューラル・ネットワークが使用される、条項3ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
条項12:識別データがさらに、少なくとも1つの単一チップ(10)について、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部(28)の座標を与える、条項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
条項13:識別データがさらに、
- 独自の製品名、
- 固定識別子、
- グリッド・ステップ・サイズ、
- アダプタ・プレート(20)上の切欠部(28)の左上位置の原点、
- 1つまたは複数の切欠部(28)の開口寸法、
- アダプタ・プレート(20)の表面(54)の異なる方向における切欠部(28)の数を少なくとも与える、条項12に記載の方法。
【0148】
条項14:条項1ないし13のいずれか一項に記載の方法を用いてウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップ(10)を検査するためのデバイス(100)であって、以下を提供する、デバイス(100):
(i)アダプタ・プレート(20)の切欠部(28)に少なくとも1つの単一チップ(10)を収容するためのアダプタ・プレート(20)であって、少なくとも1つの単一チップ(10)の後表面(12)がアダプタ・プレート(20)の境界表面(16)と同一平面となる、アダプタ・プレート(20)と、
(ii)アダプタ・プレート(20)に真空を作用させるための真空チャック(60)と、
(iii)アダプタ・プレート(20)に取り付けられた少なくとも1つの単一チップ(10)を検査するためのウエハ・プロービング・システムのプローブと、
(iv)アダプタ・プレート(20)の切欠部(28)に少なくとも1つの単一チップ(10)を真空気密状態で固定するための単一チップ固定手段(24)であって、固定手段(24)が切欠部(28)に配置された少なくとも1つの単一チップ(10)に付加的に適用される、単一チップ固定手段(24)と。
【0149】
条項15:固定手段(24)が接着剤(26)を含む、条項14に記載のデバイス。
【0150】
条項16:切欠部(28)が、真っ直ぐな側壁(30)、または傾斜した側壁(32)、または凸状側壁(34)、または凹状側壁(36)、または段差を付けられた側壁(37)として成形された側壁(30、32、34、36、37)を有する、条項14または15に記載のデバイス。
【0151】
条項17:切欠部(28)が、切欠部(28)の側壁(30、32、34、36、37)に少なくとも位置合わせ手段(38)を備え、特に、少なくとも1つの位置合わせ手段(38)が、ばね要素(40)を含む、条項14ないし16のいずれか一項に記載のデバイス。
【0152】
条項18:少なくとも1つの角部レリーフ(46)が、切欠部(28)の隣り合う側壁(30、32、34、36、37)を接続する角部(44)に設けられる、条項16または17に記載のデバイス。
【0153】
条項19:アダプタ・プレート(20)が、標準的な半導体ウエハの寸法で構成され、特に、アダプタ・プレート(20)が、少なくとも1つの単一チップ(10)の厚さに等しい最大厚さを有する、条項14ないし18のいずれか一項に記載のデバイス。
【0154】
条項20:少なくとも1つの単一チップ(10)の後表面(12)が、真空チャック(60)と直接的な熱接触をしている(64)、条項14ないし19のいずれか一項に記載のデバイス。
【0155】
条項21:少なくとも1つの単一チップ(10)が、チップ(10)に直接的に循環する、特にウェットモードの冷媒によって冷却される、条項14ないし20のいずれか一項に記載のデバイス。
【0156】
条項22:アダプタ・プレート(20)が、少なくとも1つの単一チップ(10)について、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部(28)の座標を与える一意な識別データを有するように構成されている、条項14ないし21のいずれか一項に記載のデバイス。
【0157】
条項23:識別データがさらに、
- 独自の製品名、
- 固定識別子、
- グリッド・ステップ・サイズ、
- アダプタ・プレート(20)上の切欠部(28)の左上位置の原点、
- 1つまたは複数の切欠部(28)の開口寸法、
- アダプタ・プレート(20)の表面(54)の異なる方向における切欠部(28)の数を少なくとも与える、条項12に記載の方法。
【0158】
条項24:ウエハ・プロービング・システムにおいて条項13ないし23のいずれか一項にしたがって少なくとも1つの単一チップ(10)を検査するデバイス(100)用のアダプタ・プレート(20)であって、アダプタ・プレート(20)が少なくとも以下を提供する、アダプタ・プレート(20):
- 少なくとも1つの単一チップ(10)を収容するためのアダプタ・プレート(20)の少なくとも1つの切欠部(28)と、
- 少なくとも1つのチップ(10)の後表面(12)と同一平面となるように意図されたアダプタ・プレート(20)の境界表面(16)であって、
- 境界表面(16)が、アダプタ・プレート(20)に真空を作用させるための真空チャック(60)に取り付けられるように構成される、境界表面(16)と。
【0159】
条項25:少なくとも1つの単一チップ(10)について、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または少なくとも1つの切欠部(28)の座標を与える一意な識別データを有するように構成される、条項24に記載のアダプタ・プレート。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ・プロービング・システムにおいて、少なくとも1つの単一チップを検査する方法であって、少なくとも
前記ウエハ・プロービング・システムの真空チャックに接触するための境界表面を有するアダプタ・プレートを用意するステップであって、前記アダプタ・プレートが、チップ後表面が前記境界表面と同一平面となる切欠部に前記少なくとも1つの単一チップを収容するように構成される、前記用意するステップと、
前記アダプタ・プレートを前記少なくとも1つの単一チップとともに前記ウエハ・プロービング・システムに装填するステップと、
前記装填されたアダプタ・プレートの識別データを読み取るステップと、
前記装填されたアダプタ・プレートの前記識別データを前記ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶するステップと、
前記真空チャックを前記アダプタ・プレートとともに前記ウエハ・プロービング・システムの所定のプローブ探索エリアに移動させるステップと、
前記探索エリア内で前記アダプタ・プレートにおける前記少なくとも1つの単一チップの正確な位置を決定するステップと、
前記少なくとも1つの単一チップの前面が前記ウエハ・プロービング・システムの前記プローブと接触するための動作領域に入るまで、前記真空チャックの位置を調整するステップと、
前記動作領域内に位置付けられた前記少なくとも1つの単一チップに対応する前記真空チャックの前記調整された位置を、前記装填されたアダプタ・プレートの前記記憶された識別データに追加するステップと、
前記少なくとも1つの単一チップを前記ウエハ・プロービング・システムのプローブと電気的に接触させるステップと、
前記ウエハ・プロービング・システムのコントローラに記憶された検査ルーチンを用いて、前記少なくとも1つの単一チップを検査するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記移動させるステップ、前記決定するステップ、前記調整するステップ、前記追加するステップ、前記接触させるステップ、および前記検査するステップが、前記装填されたアダプタ・プレートに取り付けられるすべての単一チップについて繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
位置付けアルゴリズムの決定フェーズにおいて、チップ・パラメータ、特にアダプタ・プレート上のチップ位置または回転角あるいはその両方が取得される、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの単一チップの前記位置または前記回転角あるいはその両方を調整するのに適したパターンを、前記少なくとも1つの単一チップの前面に定めることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの単一チップの前記正確な位置を決定するステップであって、前記決定するステップが、カメラ・システムを用いて手動で、カメラ・システムを用いて自動的に、またはカメラ・システムおよび前記位置付けアルゴリズムを用いて自動的に実施される、前記決定するステップをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記パターンが、前記少なくとも1つの単一チップの前記前面上のトポロジカル特徴を含み、前記トポロジカル特徴が、はんだボールまたは光学的高コントラスト構造あるいはその両方からなる群から選択される、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの探索エリアが、前記少なくとも1つの単一チップの前記位置との前記パターンの一致を見つけるために定められる、請求項
4に記載の方法。
【請求項8】
前記探索エリアが矩形チップの各角部に対して定められる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのチップ位置または回転角あるいはその両方が、前記少なくとも1つの探索エリアと前記パターンとの一致から決定され、製品データのデータベースに記憶される、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、前記少なくとも1つの単一チップの光学画像の特徴点を抽出する前記位置付けアルゴリズムの前記決定フェーズにおいて、特徴マッチング・アルゴリズムが使用される、請求項
3に記載の方法。
【請求項11】
前記真空チャックの調整位置を定める並進行列および回転行列を決定するために、前記位置付けアルゴリズムの前記決定フェーズにおいて、ニューラル・ネットワークが使用される、請求項
3に記載の方法。
【請求項12】
前記識別データが、前記少なくとも1つの単一チップについて、プレート・タイプ、一意な識別情報、および前記少なくとも1つの切欠部の座標からなる群から選択される、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記識別データが、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、前記アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、および前記アダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法を用いてウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するためのデバイスであって、
アダプタ・プレートの切欠部に少なくとも1つの単一チップを収容するためのアダプタ・プレートであって、前記少なくとも1つの単一チップの後表面が前記アダプタ・プレートの境界表面と同一平面となる、前記アダプタ・プレートと、
前記アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックと、
前記アダプタ・プレートに取り付けられた前記少なくとも1つの単一チップを検査するための前記ウエハ・プロービング・システムのプローブと、
前記アダプタ・プレートの前記切欠部に前記少なくとも1つの単一チップを真空気密状態で固定するための単一チップ固定手段であって、前記固定手段が前記切欠部に配置された前記少なくとも1つの単一チップに付加的に適用される、前記単一チップ固定手段とを提供する、デバイス。
【請求項15】
前記固定手段が接着剤を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記切欠部が、真っ直ぐな側壁、または傾斜した側壁、または凸状側壁、または凹状側壁、または段差を付けられた側壁として成形された側壁を有する、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記切欠部が、前記切欠部の側壁に少なくとも位置合わせ手段を備え、特に、前記少なくとも1つの位置合わせ手段が、ばね要素を含む、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項18】
少なくとも1つの角部レリーフが、前記切欠部の隣り合う側壁を接続する角部に設けられる、請求項
16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記アダプタ・プレートが、標準的な半導体ウエハの寸法で構成され、特に、前記アダプタ・プレートが、前記少なくとも1つの単一チップの厚さに等しい最大厚さを有する、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの単一チップの前記後表面が、前記真空チャックと直接的な熱接触をしている、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つの単一チップが冷媒によって冷却され、前記冷媒がウェットモードで、前記チップに直接的に循環する、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項22】
前記アダプタ・プレートが、前記少なくとも1つの単一チップについて、少なくともプレート・タイプおよび/または一意な識別情報および/または前記少なくとも1つの切欠部の座標を与える一意な識別データを有するように構成されている、請求項14ないし21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記識別データが、独自の製品名、固定識別子、グリッド・ステップ・サイズ、前記アダプタ・プレート上の切欠部の左上位置の原点、1つまたは複数の切欠部の開口寸法、および前記アダプタ・プレートの表面の異なる方向における切欠部の数からなる群から選択される、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
ウエハ・プロービング・システムにおいて少なくとも1つの単一チップを検査するデバイス用のアダプタ・プレートであって、前記アダプタ・プレートが少なくとも、
前記少なくとも1つの単一チップを収容するための前記アダプタ・プレートにおける少なくとも1つの切欠部と、
前記少なくとも1つのチップの後表面と同一平面となるように意図された前記アダプタ・プレートの境界表面であって、
前記境界表面が、前記アダプタ・プレートに真空を作用させるための真空チャックに取り付けられるように構成される、前記境界表面とを提供する、アダプタ・プレート。
【請求項25】
一意な識別データが、少なくとも1つの単一チップについて、プレート・タイプ、一意な識別情報、および前記少なくとも1つの切欠部の座標からなる群から選択される、請求項24に記載のアダプタ・プレート。
【国際調査報告】