(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】固体凝集体を製造するためのプロセスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
C22B 1/24 20060101AFI20241219BHJP
C22B 1/14 20060101ALI20241219BHJP
C10B 53/08 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C22B1/24
C22B1/14
C10B53/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532912
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 BR2022050451
(87)【国際公開番号】W WO2023097382
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】BR102021024501-8
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524102006
【氏名又は名称】テクノルド・ディセンヴォルヴィメント・テクノロジコ・エス・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ロペス・デ・オリヴェイラ
(72)【発明者】
【氏名】ギリェルメ・フランシスコ・ゴンサウヴェス
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・マイケル・ポッター
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・アラウージョ・ロヴァッティ
【テーマコード(参考)】
4H012
4K001
【Fターム(参考)】
4H012KA04
4K001AA10
4K001BA02
4K001CA25
4K001HA01
(57)【要約】
本発明は、固体凝集体を製造するためのシステムおよびプロセスに関する。このシナリオにおいて、本発明は、粒状組成物を充填することができる空洞(11)が設けられた2つのローラ(10a、10b)を備えるローラプレス(10)により固体凝集体(5)を製造するためのプロセスであって、(i)ローラプレス(10)のローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部角度部分(12a)内に第1の組成物を上方から供給するステップと、(ii)ローラプレス(10)のローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部角度部分(12b)上に第2の組成物を上方から供給するステップであって、同じローラ(10a、10b)に対して、第2の上部角度部分(12b)が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して第1の上部角度部分(12a)の下流に配置されている、ステップと、(iii)第2の組成物によって形成されたコア(5n)および第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、ローラ(10a、10b)上に供給された材料を加圧するステップと、を含むプロセスを提供する。本発明は、上記の方法に関連するシステムも提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状組成物を充填することができる空洞(11)が付けられた2つのローラ(10a、10b)を備えるローラプレス(10)により固体凝集体(5)を製造するためのプロセスであって、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部傾斜部分(12a)上に第1の組成物を上方から提供するステップと、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部傾斜部分(12b)内に第2の組成物を上方から提供するステップであって、同じ前記ローラ(10a、10b)に対して、前記第2の上部角度部分(12b)が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して前記第1の上部角度部分(12a)の下流に配置されている、ステップと、
前記第2の組成物によって形成されたコア(5n)および前記第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、前記ローラ(10a、10b)上に供給された前記材料を加圧するステップと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記第1の上部角度部分(12a)内に前記第1の組成物を提供する前記ステップが、各ロール(10a、10b)に対して同時にかつ別々に実施されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供する前記ステップが、両方のローラ(10a、10b)に対して同じ場所で実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供する前記ステップが、前記ローラ(10a、10b)の間で実施されることを特徴とする、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を供給する前記ステップに先立って、前記第2の組成物を予圧縮するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
粒状組成物を充填することができる空洞(11)が設けられた2つのローラ(10a、10b)を有するローラプレス(10)を備える、固体凝集体(5)を製造するためのシステムであって、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部傾斜部分(12a)上に第1の組成物を上方から提供するための手段と、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部傾斜部分(12b)上に第2の組成物を上方から供給するための手段であって、同じ前記ローラ(10a、10b)に対して、前記第2の上部角度部分(12b)が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して前記第1の上部角度部分(12a)の下流に配置されている、手段と、
前記第2の組成物によって形成されたコア(5n)および前記第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、前記ローラ(10a、10b)上に供給された前記材料を加圧するための手段と、
を備えることを特徴とする、システム。
【請求項7】
前記第1の上部角度部分(12a)内に前記第1の組成物を提供するための前記手段が、
前記第1の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの側部サイロ(30)、
前記第1の組成物の少なくとも1つの側部投与スクリュ(32)、および、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの前記第1の上部角度部分(12a)上に前記第1の組成物を導くように適合された少なくとも1つの通路サイロ(34)
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供するための前記手段が、
前記第2の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの中央サイロ(40)、および、
モータ(44)によって駆動される、前記第2の組成物の少なくとも1つの中央投与スクリュ(42)
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6または7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体凝集体に関する。より具体的には、本発明は、固体凝集体を製造するためのプロセスおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄還元プロセスが行われる設備の主要要素のうちの1つは、溶鉱炉と呼ばれるものである。その機能は、鉄FeをそのFe2O3鉱石から分離することである。この分離は化学的還元によって行われ、この化学的還元は、金属をその酸化物から分離することを伴い、還元剤を使用して実施される。この還元剤は、操業条件下において、還元すべき金属よりも酸素を引き付けなければならない材料である。鉄鋼業界において使用される主要還元剤は、鉱石炭に由来するコークスである。
【0003】
鉄鋼産業は原料炭に依存するところが大きく、これは、生産される鋼鉄の最終原価の大部分を占める。統合されたコークス化製鋼のための鉱石炭は、粘結炭と呼ばれるものであり、これは、酸素と結合すると二酸化炭素、鉄、およびスラグを生成するので、鉄鉱石を金属鉄に還元する際の必須物質である。
【0004】
製鋼に一般に使用される炭の種類は、加熱されたときに固体塊(粘結炭)を形成する瀝青炭(軟炭)であるが、他方では、加熱したときに軟化または凝集しない場合、それは、非粘結炭と呼ばれる。
【0005】
今日では、鉄鋼産業における凝集体の使用は、徐々に増えつつある。凝集プロセスは、より大きな製品を得るために結合剤を使用して微細粒材料をひとまとめにすることから成る。このプロセスは、例えば、通常は廃棄される小さなかけらを活用しながら、高品質の金属凝集体または練炭を作製することができる。場合によっては、石炭凝集体が粘結炭に取って代わってもよく、金属凝集体が鉄鉱石に取って代わってもよい。
【0006】
様々な凝集プロセスの中でも、練炭製造技法は、産業において定着しつつある。鉱石炭および木炭の両方に対して使用することができるこの技法は一般に、以下の段階、すなわち、(i)炭またはバイオマス粒子の粒度釣り合わせ(granulometric balancing)、(ii)結合剤(凝集剤)の混合、(iii)物理的圧密、および(iv)ブリケットの乾燥を伴う。本文献は、練炭およびそれらのそれぞれの作製プロセスの例を以下で説明する。
【0007】
例えば、特許文献1は、炭などの固体燃料をブリケット化するための方法およびシステムを説明している。この文献では、固体燃料は、連続供給固体燃料処理プラントを通して搬送され、電磁エネルギーを用いて処理されて、処理後にブリケット化される。
【0008】
特許文献2は、練炭および練炭を製造するための方法を説明している。前述の練炭を製造するための方法は、(i)低粒度の炭を供給するステップと、(ii)低粒度の炭100重量部に対して1重量部から5重量部の間の硬化剤および5重量部から15重量部の間の結合剤を混合することによって得られる混合物を生成するステップと、(iii)混合物を鋳造するステップと、を含む。低品位炭を供給する段階において、低品位炭は、(i)0重量%超かつ50重量%以内の低品位炭、および(ii)残部の石灰炭を含む。低品位炭は、25重量%から40重量%の揮発性留分(無水ベース)を有し、かつ、0超かつ3未満のるつぼ膨張数(crucible expansion number)を有する。
【0009】
特許文献3は、炭を含有するブリケットを作製するためのプロセスを説明しており、この場合、炭は、結合剤系と一緒に、蒸気導入を伴う混合にさらされ、得られた混合物は、ブリケットを形成するための加圧にさらされる。ここで、(i)混合前に炭素担体を乾燥させるステップ、(ii)混合前の結合剤系と混合されるべき炭素担体の温度を所定の温度範囲内に設定するステップ、(iii)加圧後のブリケットを熱処理するステップのうちの少なくとも1つが、過熱蒸気との直接的または間接的な相互作用によって実施される。得られる残余蒸気は、混合中に導入される蒸気の少なくとも一部として使用される。
【0010】
特許文献4は、低品位炭および骨材材料で構成されたブリケットを形成するためのプロセスであって、低品位炭の供給原料を乾燥させて8重量%から16重量%の間の含水率を有する乾燥炭を作製するステップと、乾燥炭と骨材材料とを混合するステップと、乾燥炭および骨材材料をブリケットに圧縮するステップと、を含むことを特徴とするプロセスを説明している。
【0011】
しかし、現況の技術は、2種類以上の異なる組成物を含んで各組成物がブリケットの特定の領域内に配置されるブリケットの製造を可能にする技法に欠けている。
【0012】
提案する発明は、単純かつ効果的な手法で上記の問題を解決する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第8585786号明細書
【特許文献2】国際公開第2014098413号
【特許文献3】国際公開第2013152959号
【特許文献4】オーストラリア特許第2008203855号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主目的は、2種類以上の別々の組成物をその構造内に含むように固体凝集体を製造するためのシステムおよびプロセスであって、各組成物が固体凝集体の特定の領域内に配置される、システムおよびプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明は、粒状組成物を充填することができる空洞が設けられた2つのローラを備えるローラプレスにより固体凝集体を製造するためのプロセスであって、(i)ローラプレスのローラのそれぞれの第1の上部角度部分内に第1の組成物を上方から提供するステップと、(ii)ローラプレスのローラのそれぞれの第2の上部角度部分上に第2の組成物を上方から提供するステップであって、同じローラに対して、第2の上部角度部分が、各ローラの回転方向に関して第1の上部角度部分の下流に配置されている、ステップと、(iii)第2の組成物によって形成されたコアおよび第1の組成物によって形成されたクラッディングを備える固体凝集体を形成するように、ローラ上に供給された材料を加圧するステップと、を含むプロセスを提供する。
【0016】
さらに、本発明は、粒状組成物を充填することができる空洞が設けられた2つのローラを有するローラプレスを備える、固体凝集体を製造するためのシステムであって、(i)ローラプレスのローラのそれぞれの第1の上部角度部分内に第1の組成物を上方から供給するための手段と、(ii)ローラプレスのローラのそれぞれの第2の上部角度部分上に第2の組成物を上方から供給するための手段であって、同じローラに対して、第2の上部角度部分が、各ローラの回転方向に関して第1の上部角度部分の下流に配置される、手段と、(iii)第2の組成物によって形成されたコアおよび第1の組成物によって形成されたクラッディングを備える固体凝集体を形成するように、ローラ上に供給された材料を加圧するための手段と、を備えるシステムを提供する。
【0017】
以下の詳細な説明は、添付の図およびそれらのそれぞれの参照番号を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】先行技術によるローラプレスシステムの概略断面図である。
【
図2】本発明のシステムの好ましい実施形態の概略断面図である。
【
図3】本発明のシステムの好ましい実施形態によるローラプレスの概略図である。
【
図4】本発明のプロセスおよびシステムを使用して製造された固体凝集体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、本発明の好ましい実施形態に基づくことに予め注目すべきである。しかし、当業者には明らかであろうように、本発明は、この特定の実施形態に限定されるものではない。
【0020】
本発明は、
図1に示されるように、相反する方向に回転しかつ粒状組成物を充填することができる空洞11が設けられた2つのローラ10a、10bを有するローラプレス10を備える、固体凝集体5を製造するためのシステムを提供する。先行技術からすでに知られている前述の技法は、粒状組成物をローラ10a、10bの間に供給し加圧して固体凝集体5を形成するための投与スクリュ42が設けられた中央フィーダを備える。
【0021】
本発明では、
図1における技法とは異なり、一方の組成物によって形成されたコアおよび他方の組成物によって形成されたクラッディングを備える固体凝集体5を形成するために、2種類の異なる組成物が、異なる場所でローラ10a、10bに供給される。
【0022】
本発明のシステムの好ましい実施形態を示す
図2および
図3を参照すると、ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第1の上部傾斜部分12a内に第1の組成物を上方から供給するための手段が設けられている。第1の組成物の供給は、
図2および
図3では緑色の矢印によって示されている。
【0023】
ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第1の上部角度部分12a上に第1の組成物を供給するための手段は、例えば、(i)第1の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの側部サイロ30、(ii)第1の組成物の少なくとも1つの側部投与スクリュ32、および/または(iii)ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第1の上部角度部分12a上に第1の組成物を導くように適合された少なくとも1つの通路サイロ34を含み得る。
【0024】
さらに、本発明は、ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第2の上部傾斜部分12b上に第2の組成物を上方から提供するための手段をさらに備える。第2の組成物の供給は、
図2および
図3では赤色の矢印によって示されている。
【0025】
ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第2の上部角度部分12bに第2の組成物を供給するための手段は、例えば、(i)第2の組成物を貯蔵する少なくとも1つの中央サイロ40、(ii)モータ44によって駆動される、第2の組成物の少なくとも1つの中央投与スクリュ42を含み得る。中央投与スクリュ42はまた、ローラプレス10に第2の組成物を供給するステップに先立って第2の組成物を予圧縮することが好ましい。
【0026】
各ローラ10a、10bの第1の上部角度部分12aおよび第2の上部角度部分12bはシリンダ(ローラ)の相補的な上部角度に対応し、それらは合わせて180°になることが、この説明において定義される。
図3では、第1の上部角度部分12aは、緑色の四分円により各ローラ上に表されており、第2の上部角度部分12bは、赤色の四分円により各ローラ上に表されている。
【0027】
角度部分のそれぞれは、
図3では90°(円の4分の1)の開口角度によって表されているが、これらの部分は、この特定の角度に限定されるものではなく、必要に応じて変化し得る。重要なことは、同じローラ10a、10bに対して、第2の上部角度部分12bが、各ローラ10a、10bの回転方向に関して第1の上部角度部分12aの下流に配置されることを確実にすることである。
【0028】
したがって、本発明のシステムによって製造される所与の固体凝集体に対して、そのクラッディング材料(第1の組成物)は、最初に第1の上部角度部分12aにおいてローラ上に堆積される。この材料は、ローラ10a、10bの空洞11を部分的にまたは完全に満たす。次いで、加圧が行われる場所であるローラ10a、10b間の最小距離点に近い第2の上部角度部分12bにおいて、固体凝集体のコア材料(第2の組成物)が、ローラ10a、10b上に供給される。したがって、加圧が行われると、
図4に示されるように、第1の組成物をそのクラッディング5rに含み第2の組成物をそのコア5nに含む凝集体5が形成される。
【0029】
固体凝集体5のコアにおける材料の量とクラッディングにおける材料の量との比は、プレス10における各材料の送り速度によって調整される。例えば、第2の組成物の送り速度を増大させ、第1の組成物の送り速度を変更しないままにすることにより、より大きくかつ/またはより密なコアを有する固体凝集体が得られる。
【0030】
本発明はさらに、粒状組成物を充填することができる空洞11が設けられた2つのローラ10a、10bを備えるローラプレス10により固体凝集体5を製造するためのプロセスであって、
a)ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第1の上部角度部分12a上に第1の組成物を上方から提供するステップと、
b)ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第2の上部角度部分12b上に第2の組成物を上方から提供するステップであって、同じローラ10a、10bに対して、第2の上部角度部分12bが各ローラ10a、10bの回転方向に関して第1の上部角度部分12aの下流に配置されている、ステップと、
c)第2の組成物によって形成されたコア5nおよび第1の組成物によって形成されたクラッディング5rを備える固体凝集体5を形成するように、ローラ10a、10b上に供給された材料を加圧するステップと、
を含むプロセスを提供する。
【0031】
第1の上部角度部分12a上に第1の組成物を提供するステップは、
図2および
図3に示されるように、各ローラ10a、10bに対して同時にかつ別々に実施されることが好ましい。
【0032】
第2の上部傾斜部分12b上に第2の組成物を提供するステップは、両方のローラ10a、10bに対して同じ場所で実施されることが好ましい。このステップは、ローラ10a、10bの間で実施されることが、より好ましい。
【0033】
本発明のプロセスは、ローラプレス10のローラ10a、10bのそれぞれの第2の上部傾斜部分12b内に第2の組成物を供給するステップに先立って、第2の組成物を予圧縮するステップをさらに含むことが、好ましい。すでに述べたように、このステップは、中央投与スクリュ42によって実施されることが好ましい。
【0034】
上記のプロセスおよびシステムによって形成された固体凝集体5は、
図4に示されており、第2の組成物によって形成されたコア5n、および第1の組成物によって形成されたクラッディング5rを備える。本発明の固体凝集体5は、例えば、ペレットまたは鉄ブリケット(ferrous briquette)などの、可燃性の練炭または金属凝集体であってもよい。
【0035】
燃料ブリケットの場合、コア5nを形成する第2の組成物は、少なくとも1種類の粘結炭および少なくとも1種類の結合剤を含むことが好ましい。したがって、コア材料5nは、燃料ブリケットにおいて一般的に使用されるコークス化材料である。コア5nを形成する第2の組成物は、60質量%~70質量%の粘結炭および6質量%~10質量%の結合剤を含むことが、より好ましい。
【0036】
クラッディング5rを形成する第1の組成物は、非粘結炭またはその残留物、および少なくとも1種類の結合剤を含むことが好ましい。クラッディング組成物5rにおける炭は、例えば、コークスくず、または一般に低品位炭である石炭ガラ、などであってもよい。ここでは、任意の不活性の石炭ガラ(非コークス化)がクラッディング5rの組成物に使用され得ることが、注目に値する。このようにして、還元炉の内側で加熱されると、クラッディング材料5rはコークス化せず、それにより、凝集体の表面が互いに粘着することが防止され、したがってカールの形成が防止される。
【0037】
クラッディング5rを形成する第1の組成物は、70質量%~95質量%の非粘結炭、コークスくず、石炭ガラ、またはそれらの任意の組合せ、および5質量%~15質量%の結合剤を含むことが、最も好ましい。
【0038】
本発明の第2の実施形態では、固体凝集体5は、鉄ペレットまたはブリケットなどの、金属凝集体である。この場合、好ましくは金属を含む不活性物質が、凝集体のクラッディング5rにおいて使用されて、犠牲材料として働く。コア5nは、対象の材料によって形成される。
【0039】
本発明の固体凝集体5は、任意の既存の幾何学的形状において製造可能であり、そのため、本発明の保護範囲は、
図4に表された楕円形状に限定されない。
【0040】
したがって、上述のように、本発明は、固体凝集体が2種類以上の別々の組成物をその構造に含み、各組成物が固体凝集体の特定の領域(クラッディングおよびコア)に配置されるように固体凝集体を製造するためのシステムおよび方法を提供する。
【0041】
本出願の保護範囲に影響する多数の変形が許容される。このことは、本発明が上記の特定の構成/具体化に限定されないという事実を強化する。
【符号の説明】
【0042】
5 固体凝集体
5n コア
5r クラッディング
10 ローラプレス
10a ローラ
10b ローラ
12a 第1の上部角度部分
12b 第2の上部角度部分
11 空洞
30 側部サイロ
32 側部投与スクリュ
34 通路サイロ
42 投与スクリュ
44 モータ
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状組成物を充填することができる空洞(11)が付けられた2つのローラ(10a、10b)を備えるローラプレス(10)により固体凝集体(5)を製造するためのプロセスであって、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部傾斜部分(12a)上に
、第1の組成物を提供するための第1の手段を通じて、前記第1の組成物を上方から提供するステップと、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部傾斜部分(12b)内に
、第2の組成物を提供するための第2の手段を通じて、前記第2の組成物を上方から提供するステップであって、
同じ前記ローラ(10a、10b)に対して、前記第2の上部角度部分(12b)
に受け入れられた前記第2の組成物が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して
、前記第1の組成物を受け入れる前記第1の上部角度部分(12a)の下流に配置されている、ステップと、
前記第2の組成物によって形成されたコア(5n)および前記第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、前記ローラ(10a、10b)上に供給された前記材料を加圧するステップと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記第1の上部角度部分(12a)内に前記第1の組成物を提供する前記ステップが、各ロール(10a、10b)に対して同時にかつ別々に実施されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供する前記ステップが、両方のローラ(10a、10b)に対して同じ場所で実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供する前記ステップが、前記ローラ(10a、10b)の間で実施されることを特徴とする、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を供給する前記ステップに先立って、前記第2の組成物を予圧縮するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
粒状組成物を充填することができる空洞(11)が設けられた2つのローラ(10a、10b)を有するローラプレス(10)を備える、固体凝集体(5)を製造するためのシステムであって、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部傾斜部分(12a)上に第1の組成物を上方から提供するための
第1の手段と、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部傾斜部分(12b)上に第2の組成物を上方から供給するための
第2の手段であって、
同じ前記ローラ(10a、10b)に対して、前記第2の上部角度部分(12b)
に受け入れられた前記第2の組成物が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して
、前記第1の組成物を受け入れる前記第1の上部角度部分(12a)の下流に配置され
るように、前記手段が位置決めされている、
第2の手段と、
前記第2の組成物によって形成されたコア(5n)および前記第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、前記ローラ(10a、10b)上に供給された前記材料を加圧するための手段と、
を備えることを特徴とする、システム。
【請求項7】
前記第1の上部角度部分(12a)内に前記第1の組成物を提供するための前記手段が、
前記第1の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの側部サイロ(30)、
前記第1の組成物の少なくとも1つの側部投与スクリュ(32)、および、
前記ローラプレス(10)の前記ローラ(10a、10b)のそれぞれの前記第1の上部角度部分(12a)上に前記第1の組成物を導くように適合された少なくとも1つの通路サイロ(34)
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供するための前記手段が、
前記第2の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの中央サイロ(40)、および、
モータ(44)によって駆動される、前記第2の組成物の少なくとも1つの中央投与スクリュ(42)
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6または7に記載のシステム。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状組成物を充填することができる空洞(11)が
設けられた2つのローラ(10a、10b)を備えるローラプレス(10)により固体凝集体(5)を製造するためのプロセスであって、
前記ローラプレス(10)の前記
2つのローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部
角度部分(12a)上に、第1の組成物を提供するための第1の手段を通じて、前記第1の組成物を上方から提供するステップと、
前記ローラプレス(10)の前記
2つのローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部
角度部分(12b)内に、第2の組成物を提供するための第2の手段を通じて、前記第2の組成物を上方から提供するステップであって、
同じ前記ローラ(10a、10b)に対して、前記第2の上部角度部分(12b)に受け入れられた前記第2の組成物が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して、前記第1の組成物を受け入れる前記第1の上部角度部分(12a)の下流に配置されている、ステップと、
前記第2の組成物によって形成されたコア(5n)および前記第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、前記
2つのローラ(10a、10b)上に供給された
前記第1の組成物および前記第2の組成物を加圧するステップと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記第1の上部角度部分(12a)内に前記第1の組成物を提供する前記ステップが、各ロール(10a、10b)に対して同時にかつ別々に実施されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供する前記ステップが、
前記2つのローラ(10a、10b)に対して同じ場所で実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供する前記ステップが、前記
2つのローラ(10a、10b)の間で実施されることを特徴とする、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ローラプレス(10)の前記
2つのローラ(10a、10b)のそれぞれの前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を
提供する前記ステップに先立って、前記第2の組成物を予圧縮するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載のプロセス。
【請求項6】
粒状組成物を充填することができる空洞(11)が設けられた2つのローラ(10a、10b)を有するローラプレス(10)を備える、固体凝集体(5)を製造するためのシステムであって、
前記ローラプレス(10)の前記
2つのローラ(10a、10b)のそれぞれの第1の上部
角度部分(12a)上に第1の組成物を上方から提供するための第1の手段と、
前記ローラプレス(10)の前記
2つのローラ(10a、10b)のそれぞれの第2の上部
角度部分(12b)上に第2の組成物を上方から供給するための第2の手段であって、
同じ前記ローラ(10a、10b)に対して、前記第2の上部角度部分(12b)に受け入れられた前記第2の組成物が、各ローラ(10a、10b)の回転方向に関して、前記第1の組成物を受け入れる前記第1の上部角度部分(12a)の下流に配置されるように、前記
第1の手段
および前記第2の手段が位置決めされている、第2の手段と、
前記第2の組成物によって形成されたコア(5n)および前記第1の組成物によって形成されたクラッディング(5r)を備える固体凝集体(5)を形成するように、前記
2つのローラ(10a、10b)上に供給された
前記第1の組成物および前記第2の組成物を加圧するための手段と、
を備えることを特徴とする、システム。
【請求項7】
前記第1の上部角度部分(12a)内に前記第1の組成物を提供するための前記
第1の手段が、
前記第1の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの側部サイロ(30)、
前記第1の組成物の少なくとも1つの側部投与スクリュ(32)、および、
前記ローラプレス(10)の前記
2つのローラ(10a、10b)のそれぞれの前記第1の上部角度部分(12a)上に前記第1の組成物を導くように適合された少なくとも1つの通路サイロ(34)
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の上部角度部分(12b)内に前記第2の組成物を提供するための前記
第2の手段が、
前記第2の組成物を貯蔵するように適合された少なくとも1つの中央サイロ(40)、および、
モータ(44)によって駆動される、前記第2の組成物の少なくとも1つの中央投与スクリュ(42)
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6または7に記載のシステム。
【国際調査報告】