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特表2024-546630没水脱塩システムを使用するグリーン水素生成のための装置および方法
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  • 特表-没水脱塩システムを使用するグリーン水素生成のための装置および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】没水脱塩システムを使用するグリーン水素生成のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/44 20060101AFI20241219BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20241219BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20241219BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20241219BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20241219BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20241219BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
B63B35/44 C
B63B35/00 T
B63B35/44 N
C02F1/44 G
B01D61/02 500
C01B3/02 H
C25B1/04
C25B9/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532962
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 US2022051619
(87)【国際公開番号】W WO2023107339
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/287,013
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522164488
【氏名又は名称】ナチュラル オーシャン ウェル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポーター、マイケル エム.
【テーマコード(参考)】
4D006
4K021
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006JA68A
4D006KA01
4D006KA67
4D006KA72
4D006KB01
4D006KB14
4D006KE30R
4D006PA01
4D006PB03
4D006PC80
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA05
4K021CA08
4K021DC03
(57)【要約】
海洋プラットフォーム、海洋再生可能エネルギー源、没水塩水脱塩装置および水電解装置を使用して、再生可能エネルギー源からの電力および没水塩水脱塩装置からの脱塩水を使用して水素および酸素を生成するグリーン水素生成システムおよび方法。システムおよび方法は、陸上システムおよび没水塩水脱塩装置を利用しないシステムと比較して低減されたエネルギー使用量または資本コストを用いてのグリーン水素生成を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備える、グリーン水素生成システム。
【請求項2】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備える、方法。
【請求項3】
前記海洋プラットフォームが前記海底上にある、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記海洋プラットフォームが前記海底に固定されている、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記海洋プラットフォームが海水中に係留されている、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記海洋プラットフォームが海水中に没水している、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記海洋プラットフォームが海水中に浮遊している、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の風力タービン発電機を有する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項9】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の水中タービンを有する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項10】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の波エネルギー発電機を有する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項11】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数のソーラーパネルを有する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項12】
前記没水塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記脱塩装置を取り囲む耐圧容器を必要とせずに海水を前記脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項13】
前記没水塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記流入口で海水を加圧するためのポンプを必要とせずに海水を前記脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項14】
前記没水塩水脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項15】
前記没水塩水脱塩装置が逆浸透膜を有する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項16】
前記没水塩水脱塩装置が並列アレイ内に配置されている複数の脱塩デバイスを有する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項17】
前記没水塩水脱塩装置が40%以下の回収率で動作する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項18】
前記没水塩水脱塩装置が30%以下の回収率で動作する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項19】
前記水電解装置が前記海底上にあるか、またはそれに固定されている、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記水電解装置が前記プラットフォーム上にあるか、またはそれに固定されている、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項21】
前記水電解装置が前記塩水脱塩装置の上にあるか、またはそれに固定されている、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記水電解装置は、海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している、請求項1に記載のシステムまたは請求項2に記載の方法。
【請求項23】
前記水電解装置によって生成される水素は、船舶または他の好適な容器へ海洋で供給される、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項24】
前記水電解装置によって生成される水素は、前記海洋プラットフォーム上に貯蔵される、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項25】
前記水電解装置によって生成される水素は、陸上に送られる、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項26】
前記水電解装置によって生成される酸素は、海水へと注入されて低酸素状態を低減する、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項27】
飲用水は、前記プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から、船舶または他の近くの容器へ送られる、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項28】
飲用水が前記プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から陸上へ送られる、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項29】
余剰電力は、前記プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、船舶または他の近くの容器に送られる、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項30】
余剰電力は、前記プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、陸上へ送られる、前述の請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【請求項31】
前記没水塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記脱塩装置を通じて海水を押し出すのを助ける少なくとも1つの海水流入口ポンプを有する、請求項1~12または14~30のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年12月7日に提出された米国仮出願第63/287,013号の優先権を主張し、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、塩水脱塩および水素生成に関する。
【背景技術】
【0003】
水素は、化石燃料の潜在的な代替として、輸送、加熱および他の応用においての使用に関してかなりの商業的な関心を集めている。典型的には、水素生成がかなりのエネルギー入力を必要とするので、水素は、エネルギー源というよりむしろエネルギーキャリアである。一般的な水素生成方法は、水蒸気メタン改質(steam methane reforming:SMR)および自己熱改質(auto thermal reforming:ATR)を含む。SMRにおいて、メタンの水蒸気との高温反応が水素および二酸化炭素を生成する。ATRにおいて、炭化水素フィードが酸素および水蒸気を用いて部分的に酸化されて、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素から構成される合成ガス(syngas)を生成し、触媒改質段階、および水素、一酸化炭素、および二酸化炭素の分離がそれに続く。SMRおよびATRは、互いと組み合わされてもよい。SMRまたはATRにおいて生成される二酸化炭素が大気へ放出される場合、水素生成は「グレー水素」と称されることがある。SMRまたはATRからの二酸化炭素が捕捉される場合、水素生成は、「ブルー水素」と称されることがある。
【0004】
いわゆる「グリーン水素」は、再生可能エネルギー源、例えば風力、太陽光、水力、または潮汐エネルギーを使用する電気分解を介して水を分解して、副産物として二酸化炭素を生成せず水素および酸素だけを生成することによって生成された水素である。複数のグリーン水素プロジェクトが提示されているが、ほとんどは提案またはパイロットプロジェクトである。1つの例は、TechnipFMC plc社からの「ディープパープル(Deep Purple)」パイロットプロジェクトであり、これは海洋風力タービン(および風力発電が不十分な場合は燃料電池)を使用して、海洋プラットフォームに取り付けられた逆浸透(reverse osmosis:RO)脱塩ユニットおよび電解装置に給電する。電解装置からの水素は、陸上へパイプで輸送されるか、または海底上でタンク内に貯蔵され得る。陸地ベースの(すなわち、陸上)脱塩プラントを使用する水素生成が、同じく提案されている。
【0005】
現在の推定では、グリーン水素は現在の世界の水素生成の約1%のみである。必要な資本費用およびエネルギー使用量における更なる改善が、グリーン水素生成が広く使用されるようになる前に必要となる可能性が高い。上記から、当技術分野において未だ必要とされているのは、環境上の影響が低減され、かつより低いエネルギーコスト、より低い資本コスト、より低い動作コスト、またはより低いメンテナンス費用のうちの1つまたは複数を提供する水素生成のための改善されたシステムおよび方法であることが理解されるであろう。そのようなシステムが本明細書で開示および特許請求される。
【発明の概要】
【0006】
陸地ベースの海水分離と比較して、没水塩水脱塩システムは複数の重要な利点を提供できる。例えば、静水圧が脱塩のために必要な駆動力の多くまたはすべてを提供できるので、没水して動作させることによって、ポンプ電力要件および資本支出の両方を著しく低減でき、脱塩装置を収納するためにより低コストかつ低減された強度の圧力格納容器が利用されるか、または完全に省かれることさえあり得る。
【0007】
1つの態様において、開示される発明は:
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備えるグリーン水素生成システムを提供する。
【0008】
別の態様において、開示される発明は、グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備える、方法を提供する。
【0009】
開示されるシステムおよび方法は、海洋再生可能エネルギー源を没水「ナチュラルオーシャンウェル」と組み合わせて、陸上システムまたは没水脱塩装置を利用しない海洋システムのいずれかと比較して低減されたエネルギー使用量または資本コストを用いてのグリーン水素生成を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】開示されるシステムおよび方法の2つの実施形態の概略側面図である。
図2】開示されるシステムおよび方法の2つの実施形態の概略側面図である。
【0011】
図面の様々な図における同様の参照符号は、同様の要素を示す。図面における要素は縮尺通りに描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
端点を使用した数値範囲の列挙には、その範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などが含まれる)。
【0013】
「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの(at least one)」、および「1つまたは複数の(one or more)」という用語は交換可能に使用される。したがって、例えば、「1つの(a)」逆浸透膜を含む装置は、「1つまたは複数の(one or more)」そのような膜を含む。
【0014】
「ブライン」という用語は、典型的な塩水に見られるよりも実質的に高い塩化ナトリウム濃度、すなわち、約3.5%を超える塩化ナトリウムに相当する塩分濃度を含む水溶液を指す。異なる管轄区域により、「ブライン」という用語に異なる定義が適用され得るか、または塩分の排出量に対する異なる制限が設定され得ることに留意されたい。例えば、現在のカリフォルニア州の規制では、排出量は、排出地点から水平方向に100メートル以内で測定された自然バックグラウンド塩分濃度を2.0ppt(parts per thousand)上回る1日あたりの最大値を超えてはならない。他の管轄区域では、塩分濃度制限は、例えば、周囲より1ppt高い、周囲より5%高い、または絶対40pptなどのレベルに設定され得る。
【0015】
「濃縮液」という用語は、周囲環境の海水と比較して塩分濃度レベルが高いが、そのようなストリームが生成される該当の管轄区域でブラインとみなされる十分な塩分濃度を必ずしも含まない脱塩装置の排出ストリームを指す。
【0016】
「導管」という用語は、そのような導管を利用する装置の動作中に液体がそれを通じて流れるパイプまたは他の中空構造(例えば、穴、チャネル、ダクト、ホース、線、開口部、流路、ライザ、チューブまたは裸孔)を指す。導管は、断面が円形であり得るが、そうである必要はなく、例えば、楕円形または他の円形または丸みを帯びた形状、三角形、正方形、長方形または他の規則的または不規則な形状を含む他の断面形状を有し得る。導管はまた、その長さに沿って直線状または均一であり得るが、そうである必要はなく、例えば、テーパ状、コイル状、または分岐状(例えば、中央ハブから外向きに放射状に広がる分岐)を含む他の形状を有し得る。
【0017】
没水装置またはそのコンポーネントに関して使用される場合の「深度」という用語は、当該装置またはコンポーネントが没水している水域の自由表面から当該装置内への海水導入点まで、または当該コンポーネントの位置までの鉛直距離、すなわち、水柱の高さを指す。
【0018】
「脱塩水」、「淡水」および「生成水」という用語は、1,000重量ppm(parts per million)未満、より好ましくは500重量ppm未満の溶解無機塩類を含む水を指す。例示的なそのような塩類には、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、および重炭酸ナトリウムが含まれる。
【0019】
「海洋(offshore)」という用語は、海において、および陸からある程度の距離において設置または実行される装置、システム、または方法を指す。
【0020】
「陸上(onshore)」という用語は、陸地の上に設置されているか、またはそこで実行される装置、システム、または方法を指す。
【0021】
「プラットフォーム(platform)」という用語は、典型的には水平かつ平坦で、典型的にはその周囲に対して高くなっており、その上に機器が取り付けられ得る支持表面を指す。いくつかの実施形態において、海洋プラットフォームは、水平ではないか、平坦ではないか、または部分的にまたは全体的に没水していてよい。
【0022】
脱塩装置に関して使用された場合、「回収割合(recovery ratio)」という用語は、装置によって生成された生成水(透過液)の、装置にもたらされる給水に対する体積割合を意味する。
【0023】
「再生可能エネルギー源(renewable energy source)」という用語は、継続的に補給される天然のソースまたはプロセスに由来する、風力、太陽光、潮汐エネルギー、地下熱エネルギーまたは他のクリーンエネルギー源を指す。
【0024】
「海水(seawater)」という用語は、0.5重量pptを超える溶解無機塩類を含む水を指し、ひいては汽水(0.5~3.0重量pptの溶解有機塩類を含む水)および大洋水または3.0重量pptを超える溶解有機塩類を含む他の水の両方を包含する。海洋では、溶解無機塩類は、典型的には、総溶解固形物(TDS)に基づいて測定され、典型的には、平均約35ppt TDSであるが、局所的状況によって塩分濃度がより高いレベルまたはより低いレベルになり得る。
【0025】
「没水(submerged)」という用語は、水中を意味する。
【0026】
「没水可能(submersible)」という用語は、没水しての使用に好適であり、主に没水している間に使用されることを意味する。
【0027】
図1をまず参照すると、没水脱塩装置(すなわち、オーシャンウェル)100が概略側面図中に示されている。原海水(すなわち、給水)102は、前置フィルタスクリーン104を介してオーシャンウェル100に入り、好適な脱塩デバイス(例えば、図1中に図示されないRO膜)によってオーシャンウェル100内部で、生成水透過液ストリーム108および濃縮液またはブライン排出ストリーム110へと分離される。電力は、供給パイプライン(umbilical)112を介してオーシャンウェル100に供給され、透過液108は、下方向向き導管114および上方向向き導管116を介してオーシャンウェル100から除去される。図1中に示される実施形態において、電力および透過液108の両方は、海底120にロッジ(lodge)されているか、アンカボルト固定されているか、または別様に固定されている一点アンカ118を通過する。アンカ118内部のウェットメイト(wet-mate)ホットスタブ(hot-stab)コネクタ(図1中に図示せず)は、必要な場合または好都合な場合にオーシャンウェル100と接続解除することおよびそれを整備することを容易にする。
【0028】
海面132における浮体式プラットフォーム130は、カテナリー係留線134を介して海底120に固定されている。プラットフォーム130は、杭、係留ブイ、浮力デバイス、例えば浮き輪、モータ式推進、および海事分野の当業者によく知られる他の方策を含む様々な他のデバイスを使用して、正しい位置に固定または維持され得る。例えば、プラットフォーム130は、海洋石油またはガスプラットフォーム、海洋風力発電基地支持部、橋脚または他の部分的にまたは全体的に没水している支持構造のコンポーネントであるか、それに係留されているか、またはそれから懸架されていてよい。電力は、海洋再生可能エネルギー源、例えば、風力タービン発電機136、水中(すなわち潮汐)タービン138、波エネルギー発電機140またはソーラーパネル142のうちのいずれか1つまたは複数によって、プラットフォーム130に供給される。図1中に図示されるように、再生可能エネルギー源136、138、140および142は、プラットフォーム130上に取り付けられているが、それらは近く(例えば、プラットフォーム130から約100メートル、約1,000メートル、または約10,000メートル以内)に配置され、プラットフォーム130またはその上の機器に、好適な電気ケーブルによって電気的に接続されてもよい。例えば、再生可能エネルギーは、複数の風力タービン発電機136を有する近くのウインドファームから供給されてよい。開示されるシステムの動作のために必要とされる電力が、選択された再生可能エネルギー源から入手可能な電力を超えることになる場合、いくつかの実施形態において、再生可能ソース、例えば、風力タービン発電機、ソーラーパネル、および水力発電所;炭素排出が少ないソース、例えば、原子力発電所、および必要な場合、炭素排出がより多いソース、例えば、従来の化石燃料発電所を含む好適な陸上電力源によって、補助電力が提供されてよい。
【0029】
再生可能または他のエネルギー源および電解装置150からの電力は、オーシャンウェル100からの脱塩水(すなわち透過液)108を水素152および酸素156へと分解するために使用される。こうして生成された水素152は、好適な洋上の受け手へ(例えば、図1中に図示されない船舶または他の好適な容器へ、燃料として使用するためにまたは他の場所へ移送するために)供給されるか、プラットフォーム130の上の甲板上でまたは海底120上でまたはその近くの海中で好適な貯蔵タンク(図1中に図示せず)または他の施設内に貯蔵されるか、または導管154を介して陸上へ送られる(例えば、パイプで輸送される)ことができる。こうして生成された酸素156は、大気へと放出されるか、導管158を通じて送られて(例えば、低酸素状態を低減するために)任意の所望の深度において周囲の海水へと注入または別様に分散されるか、好適な洋上の受け手へ(例えば、図1中に図示されない船舶または他の好適な容器へ、他の場所へ移送するために)供給されるか、プラットフォーム130の上の甲板上でまたは海底120上でまたはその近くの海中で好適な貯蔵タンク(図1中に図示せず)または他の施設内に貯蔵されるか、または好適な導管(図1中に図示せず)を介して陸上へ送られることができる。
【0030】
図1中に示される実施形態において、オーシャンウェル100は、海面132から深度Dだけ下に示される。海事分野の当業者によく知られる様々なデバイスは、オーシャンウェル100を正しい位置に固定しそれを所望の位置、深度Dおよび海底120に対する適切な高さHにおいて維持するために使用され得、これは上記で言及されたプラットフォーム130デバイス、プラットフォーム130またはその支持部からの吊りケーブル、または(図1中に示されるように)導管114および一点アンカ118を含む。深度Dは、深度Dでの海水の静水圧が、追加のポンプまたはオーシャンウェル100の流入口側の海水102を加圧するための他の方策を必要とせずにオーシャンウェル100を通じて海水102を駆動し所望の総体積および回収割合で生成水108および濃縮液またはブライン110を生成するのに十分であるようなものが好ましい。選択された深度Dは、上記で言及された前置フィルタスクリーン104を隔てた圧力低下;ROカートリッジまたはオーシャンウェル100内の他の脱塩デバイスのタイプ、寸法、および配置;透過液導管114および116のタイプ、サイズ、および動作状態;およびオーシャンウェル100内の任意の必要なポンプのタイプ、サイズおよび動作状態を含む複数の要因に基づいて変動する。例えば、流入口海水を加圧するためのポンプを使用せずに動作する、Nitto Hydranautics社のHYDRANAUTICS(商標)SWC円筒状膜カートリッジを使用する開示される脱塩装置を動作させる場合、RO膜を取り囲む高圧容器の必要性を最小化するまたはなくすために、RO膜から生成水を引き出すためのポンプと共に、少なくとも約350mの深度で動作させることが好ましい。いくつかの以前の没水脱塩装置設計、特に膜を通じて海水を押し流すために圧力ポンプに依存するものでは、塩水脱塩に必要な高圧を収容するために厚い耐圧容器が利用されている。本脱塩装置の好ましい実施形態では、前置フィルタ要素およびRO膜または他の脱塩デバイスは、浄化される流体内にそれらが既に十分に高圧で浸漬されていることになるため、耐圧容器を必要としない。望ましくは、開示される脱塩装置は、取り囲む耐圧容器を使用せずに適切な脱塩デバイスの動作を可能にするために、透過液排出側での十分に低い圧力、および十分な流入口側-流出口側の圧力差を単に維持する。
【0031】
図2は、図1中のシステムと同様だがその中で海底120が上方向に傾斜して、深度Dよりも浅い深度D'を有する棚部220に達しているシステムを示す。結果として、プラットフォーム110は、より深くひいてはより高い静水圧になる深度Dにおいて没水脱塩装置100を動作させることを依然として可能にしつつ、低減されひいてはより費用のかからない深度D'において水中プラットフォーム支持部234上に強固に取り付けられ得る。
【0032】
開示される脱塩装置は、必要に応じて、圧力容器なしで動作させるために必要な深度よりも深い深度(例えば、少なくとも約400m、少なくとも約450m、少なくとも約500m、少なくとも約550m、少なくとも約600m、少なくとも約650m、少なくとも約700m、少なくとも約750m、少なくとも約800m、少なくとも約900m、または少なくとも約1,000m)で動作してよく、そのようなより深い深度での動作は、ポンプ吸入ヘッドおよび流入口圧力を増加させるか、または開示されるシステムからの1つまたは複数のポンプをなくすことを可能にするか、またはより浅い深度において利用され得るのと同じモデルのポンプの使用を可能にする。そのようなより浅い深度は、例えば、少なくとも約300m、少なくとも約200mまたは少なくとも約100mであり得、そのようなより浅い深度での動作では、効率的な脱塩を達成するために、脱塩装置を通じて海水を押し出すのを助ける少なくとも1つのポンプ(または流出口側の好適な真空補助器)が通常必要であり、場合によっては、RO膜または他の脱塩デバイスを取り囲み保護する圧力容器も必要になる。開示される没水脱塩装置の動作のための例示的な総深度は、例えば、海面のすぐ下から(例えば、約10mから)、約100mから、約300mから、または約500mから、最大約2,000mまで、最大約1,500mまで、または最大約1,000mまでである。存在する場合には選択されたポンプおよび脱塩デバイスに応じて、好ましい深度は海面のすぐ下から1,500mもの深度までである。典型的には、海洋の静水圧は、海面の近くにおいて水分離に必要な圧力差を提供するために、機械的にポンプで送り込むことによって増強される必要がある。
【0033】
開示される装置では、原海水、生成水および濃縮液またはブラインは、各々、様々な方向に、例えば、上方向に、下方向に、水平に、斜めに、またはそれらの任意の組み合わせで流れ得る。図1および図2中に示される実施形態において、オーシャンウェル100内の逆浸透膜または他の脱塩デバイスは、濃縮液またはブライン110が概して上方向に排出され、透過液108が下方向に排出されるように、配向されている。そのような脱塩装置および交換可能ROモジュール、ポンプおよびその中で使用するための他のコンポーネントに関する更なる詳細は、SUBMERGED REVERSE OSMOSIS DESALINATION SYSTEMと題する米国特許第11,174,877号B2において、2019年8月7日に提出されBRINE DISPERSAL SYSTEMと題する同時係属出願第16/484,363号において、およびTHERMAL ENERGY CONVERSION SUBMERGED REVERSE OSMOSIS DESALINATION SYSTEMと題する国際出願第WO2021/087468号A1、SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM WITH REPLACEABLE DOCKABLE MEMBRANE MODULESと題する国際出願第WO2021/087469号A1、SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM WITH PRODUCT WATER PUMP CAVITATION PROTECTIONと題する国際出願第WO2021/087470号A1、SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM PUMP LUBRICATED WITH PRODUCT WATERと題する国際出願第WO2021/087471号A1、SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM WITH REMOTE PUMPと題する国際出願第WO2021/087472号A1およびADHESIVELY-BONDED WATER SEPARATION CARTRIDGE MODULEと題する国際出願第WO2021/087473号A1において発見され得、これらの国際出願の各々は、2020年11月2日に提出されており、これらの各々の開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0034】
さらに、深度Dは、設置時点で選択された固定の深度であるか、または、例えば、没水脱塩装置の始動後に変更されるか、または状況の変化(例えば、波、潮汐、水温躍層または塩分躍層の状況の変化、海水の塩分濃度の変化、海面上昇、またはRO膜の動作効率の変化)に応答して変更され得る調節可能な深度であり得る。更なる実施形態では、開示される没水脱塩装置は、所望の静水圧を得るか、RO動作条件を最適化または調節するか、または生成水および濃縮液またはブラインの搬送を最適化または調節するために、システムがその深度を増加または減少させることを可能にする圧力探索機能を含み得る。
【0035】
例として、開示される装置を約700mの深度で動作させる場合、半透性RO膜の高圧側におよそ68バール(6.8メガパスカル)の静水圧がもたらされる。膜の生成物排出側で13バール(1.3メガパスカル)以下である現在好ましい背圧で使用される場合、これにより55バール(およそ800psi)(5.5メガパスカル)以上の圧力差が膜を隔ててもたらされる。より高い塩分濃度またはより低い塩分濃度の海域の状況では、これらの深度および圧力の値は変動し得る。いずれにしても、流入口圧力は通常、選択された脱塩装置の動作深度での海洋静水圧になる。
【0036】
上記に記載された好ましい深度および圧力の値は、RO膜または他の脱塩デバイス上のより低い差圧またはより高い差圧、または、より高い背圧またはより低い背圧を可能にするか、またはそれらを必要とする将来の開発を利用するシステムにおいて変化し得る。そのような開発に対応するための調節は、開示される脱塩装置の好ましい動作深度を増加または減少させ得る。例えば、多くのRO膜において、典型的には低圧側の圧力が深度によってそれほど変化しないため、結果的に動作の深度を変更するだけで、膜を隔てた差圧を調節し、最適な動作条件を達成するのに十分であり得る。
【0037】
高さH(前置フィルタスクリーン104への最も低い流入口および海底120の間の鉛直方向の間隔)は、例えば、少なくとも約3m、少なくとも約5m、少なくとも約10m、少なくとも約20m、少なくとも約40mまたは少なくとも約50mであり得る。より低い高さHが利用され得る。例えば、高さHは、前置フィルタスクリーン104への流入口が海底120の近くまたはそれと同じ深度になるように、ほぼゼロまたはゼロに低減され得る。しかしながら典型的には、そうすることにより前置フィルタ104へ入る海水102の濁度、および異物が前置フィルタ104を通じてオーシャンウェル100へと引き込まれ得る可能性が高まる。
【0038】
本明細書で言及される様々なポンプは、容積式、遠心および軸流の原理を含む様々な流れ方式を使用し得るピストン(例えば、軸流ピストン)、プランジャ、回転部(例えば、遠心インペラポンプおよびリム駆動シャフトレススラスタ)およびねじポンプを含む、多種多様な没水可能な単段ポンプまたは多段ポンプから選択され得る。好適なポンプは、脱塩技術の当業者によく知られる様々なソースから入手可能であり、適切な事例において、海底の石油生成およびガス生成、および海洋(海中を含む)の測位および推進などの他の分野から適合され得る。例示的なポンプサプライヤは、Brunvoll社、Cat Pumps社、Copenhagen Subsea社、Danfoss社、Enitech社、FMC Kongsberg Subsea AS社、Fuglesang Subsea AS社、Halliburton社、Hayward Tyler社、Ocean Yacht Systems社、Parker社、Rolls Royce社、Schlumberger社、Schottel社、Silent Dynamics社、Technical Supply&Logistics社、Vetus社およびVoith社を含む。いくつかの実施形態において、開示されるポンプは、交換、修理、または再構築のために、開示される装置が没水している間に、それから開示されるポンプを除去することを可能にするホットスワップコネクタを含む。
【0039】
十分な深度で動作させる場合、オーシャンウェル100は圧力容器を含む必要はなく、代わりに、耐食性金属の骨組みなどの比較的安価で好適な耐食性の材料から作られた軽量の支持フレームまたは他のハウジング、または好適なプラスチック、繊維強化(例えば、ガラス繊維強化または炭素繊維強化)プラスチックまたは他の複合材料、またはその選択が当業者によって理解されるであろう様々な他の非強化またはエンジニアリングプラスチックから作られたハウジング内にまたはその上にそのコンポーネントを取り付け得る。圧力容器の必要性を回避することにより、陸ベースの脱塩装置を構築するためのコストと比較して、オーシャンウェル100を構築するために必要な資本的支出(CAPEX)が大幅に低減される。複数の個別の脱塩デバイス(例えば、螺旋巻き膜を含むROカートリッジ)を使用する場合、圧力容器の回避によって、陸ベースの脱塩装置において通常利用され得るよりも著しく多い数のデバイスを含み、かつ通常の個別のスループットよりも低いスループットで個別のデバイスを動作させる並列アレイを使用して、デバイスが経済的に配備されることも可能になる。例えば、カートリッジまたは他の脱塩デバイスの数は、陸上脱塩装置で通常利用され得るよりも少なくとも10%多いか、少なくとも15%多いか、少なくとも20%多いか、または少なくとも25%多くてよい。そうすることは、生成水の所望の1日あたりの量を依然として提供しつつ、個別の脱塩デバイスの寿命を延ばすのを助け得る。図1および図2中に示される実施形態において、好ましくは、並列脱塩デバイス(例えば、円筒状のROカートリッジ)の大きなアレイは、個別のスループットが低いだけでなく、回収率も低減されて動作する。そうすることで、濃縮液の塩分濃度を下げ、汚染の可能性を減らすこともでき、好ましい実施形態において、該当の管轄区域でブラインとみなされない大量の濃縮液が得られる。例示的な回収割合は、例えば、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、8%以下または6%以下であり得、かつ例えば、3%未満、少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%であり得る。選択される回収割合は、選ばれた脱塩デバイス、および脱塩装置が動作する深度および該当の管轄区域を含む要因に依存する。選択される回収割合は、ポンプのサイズおよびエネルギーコストにも影響する。例として、Dow FILMTEC RO膜カートリッジを利用して、8%の回収割合で平均34,000ppmの塩分濃度の海水を処理する1つの実施形態に関して、海水流入口ストリームの約8%が500ppm未満の塩分濃度の生成水に変換され、海水流入口ストリームの約92%は、約37,000ppmの塩分濃度の低圧または加圧されていないブラインストリームに変換される。更なる例として、深度約500mでかつ回収割合5%で動作するNitto Hydranautics社のRO膜カートリッジを利用する没水脱塩装置を使用して、現在のバージョンのカリフォルニア水質管理計画ではブラインとみなされない濃縮液を生成し得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、開示される脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作し、RO膜の流入口側で海水ポンプを利用せず、RO膜の流出口側で生成水(淡水)ポンプを利用して、膜を隔てて少なくとも27バール(2.7メガパスカル)、より好ましくは、少なくとも30バール(3.0メガパスカル)または35バール(3.5メガパスカル)の圧力差を維持し、海洋の静水圧が、そのような膜を通じて生成水を押し流すか、または押し流すのを大いに助けることを可能にする。そのような構成の利点には、ポンプが流入口ではなく膜流出口に位置付けられた場合に、必要なエネルギーがはるかに少なくなること、および膜を収納するいかなる圧力容器も不要になるか、またはその要件がはるかに低くなることが含まれる。必要な圧力差が小さい膜を使用すると、より浅い深度での、またはより小さなポンプを使用しての動作が可能になる。現在好ましいそのような膜は、Nitto Hydranautics社のSWC6-LD膜カートリッジ(40バール(4.0メガパスカル)の差圧)およびLG Chem社のLG-SW-400-ES膜カートリッジ(38バール(3.8メガパスカル)の差圧)を含む。例えば、約1700個の上記で言及されたNitto Hydranautics社のカートリッジを使用することによって、開示される脱塩装置は、5%の回収率で動作させた場合、一日あたり約5,000,000ガロン(約18,927立方メートル)を生成し得る。そのカートリッジが使用され得る他のRO膜サプライヤは、当業者には明らかであり、Aquatech International社、Axeon Water Technologies社、DuPont Water Solutions社(上記で言及されたDOW FILMTECカートリッジのメーカ)、Evoqua Water Technologies社、GE Water and Process Technologies社、およびKoch Membrane Systems、Inc.社を含む。必要に応じて、変更された特徴(例えば、層間のより広い隙間、変更されたスペーサ、より緩い膜ロール、修正されたハウジング、または修正された端部)を有するカスタマイズされたカートリッジを利用し得る。
【0041】
多種多様な再生可能エネルギー源が、開示されるシステムにおいて利用され得る。好適な風力タービン発電機は、Alstom社、Areva Turbine Company社、Clipper Windpower社、Doosan Heavy Industries and Construction社、Gamesa Technology社、GE Power社、Senvion社、Siemens社、Sinovel社、およびVestas社から入手可能なものを含む。好適な水中タービンは、Nova Innovation社から入手可能なものを含む。好適な波エネルギー発電機は、CalWave Power Technologies,Inc.社によって開発中のデバイスを含む。好適なソーラーパネルは、Kyocera Corporation社から入手可能なものなどの、プラットフォームに取り付けられた設計および浮体式の設計の両方が含まれる。
【0042】
上記で議論されたように、オーシャンウェル100は、必要に応じて、従来のプラットフォームに取り付けられた電力源、船舶に積載された電力源、または陸上の電力源、例えば、陸上の発電所からの電力を更に供給され得る。そうすることで、開示される再生可能エネルギー源を使用した場合よりも炭素排出が多いという結果になり得るが、開示される再生可能ソースが十分な電力を提供できないか、またはそのような電力が必要とされ得る時間または季節全てにおいてそうすることができない事例において、望ましい場合がある。
【0043】
開示される脱塩装置は、様々な場所で動作し得る。いくつかの実施形態において、装置は、海洋断崖の上に、または海溝(例えば、ハワイ諸島、モントレーサブマリンキャニオン、プエルトリコ海溝、琉球海溝、および当業者によく知られる他のアクセス可能な深海の場所の周囲の海域)の上またはその中に配備される。いくつかの実施形態において、装置は、水素を必要とする有人または無人のエリアの近くに、およびオプションで余剰の脱塩水を必要とする有人または無人のエリアの近くに配備される。脱塩装置流入口の表面は、海洋底または海溝底の深度に配置する必要はなく、代わりに、例えば浮体式のまたは海底に取り付けられたプラットフォームから、またはその上に装置を懸架すること、またはそれを海溝壁または断崖壁に沿って配置することによって、浸透圧膜を通じて海水を駆動するための静水圧の使用を可能にするのに十分な深度で位置決めされ得る。しかしながら、装置は、高濁度または水中なだれを被り得るエリア内またはその近くに配置されないことが望ましい。
【0044】
適切な深度での動作は、毒素および目詰まりを回避するために浅い海水取水口を有する従来の陸ベースのプラントの停止を引き起こし得る、青粉汚染の可能性を大幅に低減するまたはなくすことができる。ほとんどの海洋生物は有光層(水の透明度に応じて、最大約200mまでの深度に相当する)内に見られ、したがって、より深い深度では、脱塩装置の取水口へとまたは前置フィルタスクリーンに対して引き込まれないため、そのような適切な深度での動作では、海洋生物の損失を最小化するまたはなくすこともできる。
【0045】
上記で言及された推奨される動作深度で通常遭遇する冷給水(例えば、5~10℃の水)は、複数の有用な利点を提供できる。例えば、給水には重要な有機および無機汚染物質が比較的含まれていない。それは、有機物またはクロロフィルをほとんど有さず、したがって、バクテリアをほとんど含んでいないが、一方で開示される圧力および深度で存在するイオン性ミネラルおよび微量元素からの貴重な栄養素を依然として保持している。かんがい用水および健康目的のために重要なホウ素除去に関連して、更なる利点が生じる。ホウ素は海水中に存在し、陸上ROユニットで使用されるような従来のRO動作温度では、植物の成長を阻害するのに十分なホウ素がRO膜を通過し得る。従来のRO施設で、ホウ素を農業基準の0.5mg/リットルまで除去するには、2回目のRO通過を使用した水の二重処理が必要になり得、したがって、資本コストおよび動作コストが増加する。しかしながら、逆浸透によるホウ素除去は温度に大きく依存し、より低温では膜を通過するホウ素およびその塩類の量は少なくなる。例えば、ホウ酸塩の通過は、給水温度が10℃低下するごとに数パーセントポイント低下し得る。結果的に、冷たい深海において開示されるシステムを配置することは、二重処理システムのために必要なエネルギー、資本、およびメンテナンスコストを節約しつつホウ素およびその塩類の除去を改善することによって、グリーン水素生成のために必要なものを超える(例えば、飲用水としてまたは農業における使用のための)高品質な余剰の脱塩水を生成するのを助け得る。冷給水はまた、RO膜または他の脱塩デバイスを通じての塩分の通過の総量を結果的に少なくし、規制要件を満たすために低いTDSレベルを維持しつつ、味覚上の理由での生成水の再石灰化を可能にし得る。加えて、冷給水を使用すると、ランゲリア指数で測定されるように、ミネラル沈着による膜のスケーリングをほぼなくすことができる。膜のスケーリングは、陸ベースの浅い取水口のROユニットで問題になり得、システムの効率および寿命を低下させる。開示される脱塩装置において、装置が動作し得る5~10℃の温度においてCOが平衡状態である傾向があるので、スケーリングが最小化される。これにより、陸ベースのROユニットでしばしば利用されるスケーリング防止剤が不要になり得る。膜汚染の別の形態である生体膜成長も温度に依存し、形成される生体膜はより高温ではより多く、開示される脱塩装置の低温の好ましい動作環境ではより少なくなる。したがって、無光、低酸素、冷水温を有する地域の水を使用することに起因して、生物活性ひいては生物付着が低下する。
【0046】
開示される脱塩装置は、圧力容器に関する必要をなくすことによって、5~7個のRO膜カートリッジを直列配置する典型的な海水脱塩業界の慣行とは異なりRO膜または他の脱塩デバイスが並列にアレイをなすことを可能にするので、ブラインストリームにおける従来の陸上脱塩装置に関する場合よりも著しく低い塩の濃度を生成し得る。並列アレイは、従来のROシステムに共通する障害点、すなわち、膜間のOリングの相互接続をなくす。並列配置により、膜あたりの生成水の生成量をより高くすることもできる。加えて、並列配置は、直列で動作する単一RO膜の列(train)よりもはるかに低い塩分濃度の濃縮液またはブラインを作成し、そのような濃縮液またはブラインの塩分濃度は、回収割合を変更することによって簡単に調節できる。開示される脱塩装置の低いブライン塩分濃度を達成する能力は、海洋生物にとって有益であり、濃縮液またはブラインのより容易な希釈を可能にする。例えば、約34,250ppmの周囲TDSを含む南カリフォルニアの海水が供給され、5%の回収割合で動作させる場合、開示される装置は、従来の直列に構成された陸上ROを使用して生じ得る排出ストリームの塩分濃度がほぼ2倍になるのに対して、約36,049TDSのみを含む濃縮液を提供し得る。36,049ppmのTDS排出ストリームは、周囲の1,800ppm超よりも少なくなり、したがって、カリフォルニア海域の周囲TDSの2,000ppm超という現在のブライン排出制限の十分範囲内である。
【0047】
様々な水電解装置(すなわち電解装置)が、開示されるシステムにおいて利用され得る。好適な電解装置は、Accagen SA社、Beijing CEI Technology Co., Ltd.社、ELB Elektrolyse Technik GmbH社、Gaztransport & Technigaz社、Giner Inc.社、Green Hydrogen Systems社、Hydrogenics Corp.社、Igas Energy plc社、McPhy Energy S.A.社、Nel Hydrogen社、Next Hydrogen Solutions社、およびTianjin Mainland Hydrogen Equipment Co., Ltd.社から入手可能なものを含む。上記で述べられたように、電解装置によって生成された水素は、洋上の受け手に供給されるか、甲板上または海中で好適な貯蔵タンクまたは他の施設内に貯蔵されるか、または陸上に送られ得る。電解装置によって生成される酸素は、洋上の受け手に供給されるか、甲板上または海中で好適な貯蔵タンクまたは他の施設内に貯蔵されるか、または陸上に送られるか、または任意の所望の深度において周囲の海水へと注入または別様に分散され得る。
【0048】
開示されるシステムおよび方法全体の主な利益は、そのエネルギーおよび資本要件が著しく低下することである。従来のRO脱塩で最大のエネルギー使用源であるプロセス水の人工加圧を、低減するか、またはなくすことができる。関連する資本的支出および動作支出も、特に海洋プラットフォームに取り付けられたまたは陸上での脱塩に必要なものと比較して、同様に著しく低減できる。従って、開示されるシステムおよび方法のこれらのおよび他の利点は、下記のうちの1つまたは複数を含み得る:
・電力の消費を大幅に低減する(ひいては、電気分解を実行するためのより多くのエネルギーを提供するか、またはより小さなウインドファームまたは他の再生可能エネルギー源の構築を可能にする)。
・所与の量の水素を生成するための温室効果ガス排出を低減する。
・従来の脱塩において使用される人工高圧環境および付随する圧力容器、高圧パイプおよび付属品をなくす。
・部品をなくすことおよび特に高加圧接続を減らすことによって動作およびメンテナンス要件を低減する。
・高価な合金および海水腐食に耐性のある他のエキゾチックマテリアルを必要とする精密部品を少なくする。
・前処理機器およびその関連する動作資本および労力を低減するか、またはなくす。
・局所的なブライン排出を低減する。
・望ましくない有機または無機汚染物質が比較的含まれない深海で取水した海水の使用に起因して、バクテリア含有量およびバクテリア汚染を低減する。
・陸上またはプラットフォームに取り付けられた脱塩ユニットを使用した場合の結果的に生じる過剰な汚泥の生成を回避する。
・青粉によって引き起こされる脱塩の途絶に対する脆弱性を低減する。
・陸からの可視性または不可視性を低減する。
・悪天候事象、火災、テロリズム、または火山噴火に起因する崩壊に対する脆弱性を低減する。
・必要な陸上の不動産を100%も低減する。
・帯水層の枯渇なく持続する淡水の供給をもたらし得る「オーシャンウェル」としての配備に適している。
【0049】
以上のように本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、当業者ならば、本明細書に見出される教示が、本明細書に添付される特許請求の範囲内のさらに他の実施形態に適用され得ることを容易に理解するであろう。すべての特許、特許文献、および刊行物の完全な開示は、個別に組み込まれるかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備える、グリーン水素生成システム。
【請求項2】
前記海洋プラットフォームが前記海底上にある、または、前記海洋プラットフォームが前記海底に固定されている、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項3】
前記海洋プラットフォームが海水中に没水している、または、前記海洋プラットフォームが海水中に浮遊している、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項4】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の風力タービン発電機を有する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項5】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の水中タービンを有する、または、前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の波エネルギー発電機を有する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項6】
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記塩水脱塩装置を取り囲む耐圧容器を必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項7】
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記流入口で海水を加圧するためのポンプを必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項8】
没水している前記塩水脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項9】
没水している前記塩水脱塩装置が逆浸透膜を有する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項10】
没水している前記塩水脱塩装置が並列アレイ内に配置されている複数の脱塩デバイスを有する、および、没水している前記塩水脱塩装置が40%以下の回収率で動作する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項11】
前記水電解装置は、海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項12】
前記水電解装置によって生成される水素は、船舶または他の好適な容器へ海洋で供給される、または、飲用水は、前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から、船舶または他の近くの容器へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、船舶または他の近くの容器に送られる、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項13】
前記水電解装置によって生成される水素は、陸上に送られる、または、飲用水が前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から陸上へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、陸上へ送られる、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項14】
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記塩水脱塩装置を通じて海水を押し出すのを助ける少なくとも1つの海水流入口ポンプを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項15】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備える、方法。
【請求項16】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の風力タービン発電機を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の水中タービンを有する、または、前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の波エネルギー発電機を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記塩水脱塩装置を取り囲む耐圧容器を必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記流入口で海水を加圧するためのポンプを必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
没水している前記塩水脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
没水している前記塩水脱塩装置が逆浸透膜を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
没水している前記塩水脱塩装置が並列アレイ内に配置されている複数の脱塩デバイスを有する、および、没水している前記塩水脱塩装置が40%以下の回収率で動作する、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記水電解装置によって生成される水素は、船舶または他の好適な容器へ海洋で供給される、または、飲用水は、前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から、船舶または他の近くの容器へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、船舶または他の近くの容器に送られる、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記水電解装置によって生成される水素は、陸上に送られる、または、飲用水が前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から陸上へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、陸上へ送られる、請求項15から23のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
以上のように本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、当業者ならば、本明細書に見出される教示が、本明細書に添付される特許請求の範囲内のさらに他の実施形態に適用され得ることを容易に理解するであろう。すべての特許、特許文献、および刊行物の完全な開示は、個別に組み込まれるかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
(他の可能な項目)
(項目1)
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備える、グリーン水素生成システム。
(項目2)
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備える、方法。
(項目3)
前記海洋プラットフォームが前記海底上にある、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目4)
前記海洋プラットフォームが前記海底に固定されている、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目5)
前記海洋プラットフォームが海水中に係留されている、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目6)
前記海洋プラットフォームが海水中に没水している、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目7)
前記海洋プラットフォームが海水中に浮遊している、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目8)
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の風力タービン発電機を有する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目9)
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の水中タービンを有する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目10)
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の波エネルギー発電機を有する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目11)
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数のソーラーパネルを有する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目12)
前記没水塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記脱塩装置を取り囲む耐圧容器を必要とせずに海水を前記脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目13)
前記没水塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記流入口で海水を加圧するためのポンプを必要とせずに海水を前記脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目14)
前記没水塩水脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目15)
前記没水塩水脱塩装置が逆浸透膜を有する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目16)
前記没水塩水脱塩装置が並列アレイ内に配置されている複数の脱塩デバイスを有する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目17)
前記没水塩水脱塩装置が40%以下の回収率で動作する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目18)
前記没水塩水脱塩装置が30%以下の回収率で動作する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目19)
前記水電解装置が前記海底上にあるか、またはそれに固定されている、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目20)
前記水電解装置が前記プラットフォーム上にあるか、またはそれに固定されている、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目21)
前記水電解装置が前記塩水脱塩装置の上にあるか、またはそれに固定されている、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目22)
前記水電解装置は、海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している、項目1に記載のシステムまたは項目2に記載の方法。
(項目23)
前記水電解装置によって生成される水素は、船舶または他の好適な容器へ海洋で供給される、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目24)
前記水電解装置によって生成される水素は、前記海洋プラットフォーム上に貯蔵される、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目25)
前記水電解装置によって生成される水素は、陸上に送られる、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目26)
前記水電解装置によって生成される酸素は、海水へと注入されて低酸素状態を低減する、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目27)
飲用水は、前記プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から、船舶または他の近くの容器へ送られる、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目28)
飲用水が前記プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から陸上へ送られる、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目29)
余剰電力は、前記プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、船舶または他の近くの容器に送られる、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目30)
余剰電力は、前記プラットフォームまたは再生可能エネルギー源から、陸上へ送られる、前述の項目のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
(項目31)
前記没水塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記脱塩装置を通じて海水を押し出すのを助ける少なくとも1つの海水流入口ポンプを有する、項目1~12または14~30のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記海洋プラットフォームから船舶、または他の好適な容器、または陸上へと前記生成された水素送出するためのタンクまたは第2の導管
を備える、グリーン水素生成システム。
【請求項2】
前記海洋プラットフォームが前記海底上にある、または、前記海洋プラットフォームが前記海底に固定されている、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項3】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備え、
前記海洋プラットフォームが海水中に没水している、または、前記海洋プラットフォームが海水中に浮遊している、グリーン水素生成システム。
【請求項4】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の風力タービン発電機を有する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項5】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の水中タービンを有する、または、前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の波エネルギー発電機を有する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項6】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記塩水脱塩装置を取り囲む耐圧容器を必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、グリーン水素生成システム。
【請求項7】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記流入口で海水を加圧するためのポンプを必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、記載のグリーン水素生成システム。
【請求項8】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作する、グリーン水素生成システム。
【請求項9】
没水している前記塩水脱塩装置が逆浸透膜を有する、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項10】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置が並列アレイ内に配置されている複数の脱塩デバイスを有する、および、没水している前記塩水脱塩装置が40%以下の回収率で動作する、グリーン水素生成システム。
【請求項11】
前記水電解装置は、海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項12】
前記水電解装置によって生成される水素は、船舶または他の好適な容器へ海洋で供給される、または、飲用水は、前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から、船舶または他の近くの容器へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは前記海洋再生可能エネルギー源から、船舶または他の好適な容器に送られる、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項13】
前記水電解装置によって生成される水素は、陸上に送られる、または、飲用水が前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から陸上へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは前記海洋再生可能エネルギー源から、陸上へ送られる、請求項1に記載のグリーン水素生成システム。
【請求項14】
a.海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォーム;
b.前記海洋プラットフォームに電力を供給する海洋再生可能エネルギー源;
c.海水中に没水しており脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取り、水素および酸素を前記供給された脱塩水から生成する水電解装置;および
e.前記生成された水素の貯蔵または送出のためのタンクまたは第2の導管
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記塩水脱塩装置を通じて海水を押し出すのを助ける少なくとも1つの海水流入口ポンプを有する、グリーン水素生成システム。
【請求項15】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記海洋プラットフォームから船舶、または他の好適な容器、または陸上へと前記生成された水素を送出する段階
を備える、方法。
【請求項16】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の風力タービン発電機を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の水中タービンを有する、または、前記海洋再生可能エネルギー源が1つまたは複数の波エネルギー発電機を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記塩水脱塩装置を取り囲む耐圧容器を必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、方法。
【請求項19】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、海水のための流入口、および脱塩水および濃縮液またはブラインのための流出口を有し、前記流入口で海水を加圧するためのポンプを必要とせずに海水を前記塩水脱塩装置へと駆動し脱塩水を形成するのに十分な深度で動作する、方法。
【請求項20】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置は、少なくとも約350mの深度で動作する、方法。
【請求項21】
没水している前記塩水脱塩装置が逆浸透膜を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
グリーン水素生成のための方法であって、前記方法は:
a.海洋再生可能エネルギー源から電力を生成する段階;
b.そのような電力を、海底上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊している海洋プラットフォームに供給する段階;
c.脱塩水を、海水中に没水しており前記脱塩水を第1の導管に供給する塩水脱塩装置から生成する段階;
d.前記海底、海洋プラットフォームまたは塩水脱塩装置上にあるまたはそこに固定されているか、または海水中に係留されているか、没水しているか、または浮遊していて、かつ電力を前記海洋再生可能エネルギー源から、および脱塩水を前記第1の導管から受け取る水電解装置から水素および酸素を生成する段階;および
e.前記生成された水素を、タンクまたは第2の導管内に貯蔵または送出する段階
を備え、
没水している前記塩水脱塩装置が並列アレイ内に配置されている複数の脱塩デバイスを有する、および、没水している前記塩水脱塩装置が40%以下の回収率で動作する、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記水電解装置によって生成される水素は、船舶または他の好適な容器へ海洋で供給される、または、飲用水は、前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から、船舶または他の近くの容器へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは前記海洋再生可能エネルギー源から、船舶または他の好適な容器に送られる、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記水電解装置によって生成される水素は、陸上に送られる、または、飲用水が前記海洋プラットフォーム、塩水脱塩装置または水電解装置から陸上へ送られる、または、余剰電力は、前記海洋プラットフォームまたは前記海洋再生可能エネルギー源から、陸上へ送られる、請求項15から23のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】