(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電気駆動可能な車両の充電接続装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241219BHJP
H01R 13/447 20060101ALI20241219BHJP
H01R 13/52 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
H01R13/447
H01R13/52 302D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532991
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2022084318
(87)【国際公開番号】W WO2023104675
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021006078.4
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】マルク・レンナー
(72)【発明者】
【氏名】カリーナ・コーラー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・ベネッケ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・シュタイン
【テーマコード(参考)】
5E087
5G503
【Fターム(参考)】
5E087EE10
5E087EE11
5E087LL02
5E087LL17
5E087LL23
5E087PP01
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR17
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
(57)【要約】
本発明は、電気駆動可能な車両の充電接続装置(100)に関し、相並んで配置された2つの充電接続部(12、22)、特に充電ソケットを有し、2つの充電接続部(12、22)のうち少なくとも一方は2つの種類の接触部材(16、17)を有する直流交流複合充電接続部(12)として構成され、他方の充電接続部(12、22)は直流充電接続部(22)又は交流充電接続部(22)として、又は別の直流交流充電接続部として構成される。相並んで配置された2つの充電接続部(12、22)は共通の電路(30)を介して電気的に接続される。更に、充電接続装置は可動に取り付けられた少なくとも2つの充電接続部カバー(14、15、24)を有し、それぞれ1つの充電接続部(12、22)にそれぞれ充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つが割り当てられる。充電接続部カバー(14、15、24)は、それぞれ少なくとも1つのカバー位置にあるときに対応する充電接続部(12、22)をカバーし、少なくとも1つの開放位置にあるときに対応する充電接続部(12、22)の接触部材(16、17、26)を少なくとも部分的に開放する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動可能な車両の充電接続装置(100)であって、
-相並んで配置された2つの充電接続部(12、22)、特に充電ソケットを有し、2つの前記充電接続部(12、22)のうちの少なくとも一方は2つの種類の接触部材(16、17)を有する直流交流複合充電接続部(12)として構成され、他方の充電接続部(12、22)は直流充電接続部(22)又は交流充電接続部(22)として、又は別の直流交流充電接続部として構成され、相並んで配置された2つの前記充電接続部(12、22)は共通の電路(30)を介して電気的に接続されるものであり、
-可動に取り付けられた少なくとも2つの充電接続部カバー(14、15、24)を有し、それぞれ1つの前記充電接続部(12、22)にそれぞれ前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つが割り当てられ、
前記充電接続部カバー(14、15、24)は、それぞれ少なくとも1つのカバー位置にあるときに対応する前記充電接続部(12、22)をカバーし、少なくとも1つの開放位置にあるときに対応する前記充電接続部(12、22)の接触部材(16、17、26)を少なくとも部分的に開放し、
前記充電接続部カバー(14、15、16)に割り当てられた前記充電接続部(12、22)又はその接触部材(16、17、26)の開放が現在の充電モードに必要ない場合に、及び/又は前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つが開放位置のうちの1つを有している場合に、ロック機構(40)が、少なくとも1つのカバー位置から少なくとも1つの開放位置への移行について、又はそれぞれの開放位置の間での移行について、前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つをロックし、
それにより充電プロセス中に、そのつど充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、22)だけが、又は充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、24)の前記接触部材(16、17、26)だけが接触のためにアクセス可能であり、それに対して2つの前記充電接続部(12、22)のうちの他方、又は他の接触部材(16、17、26)は、それぞれの前記充電接続部カバー(14、15、24)によってカバーされ、特に接触防止式にカバーされる、前記充電接続装置。
【請求項2】
前記ロック機構(40)と接続された少なくとも1つのセンサ機構が前記充電接続部カバー(14、15、24)の現在の位置を監視し、及び/又は現在の充電モードを認識する、請求項1に記載の充電接続装置。
【請求項3】
少なくとも1つの駆動部が、前記センサ機構により認識された充電モードに依存して、前記充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、22)だけが、又は前記充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、24)の前記接触部材(16、17、26)だけが開放される位置へと前記充電接続部カバー(14、15、24)を移行させる、請求項2に記載の充電接続装置。
【請求項4】
可動に取り付けられた少なくとも3つの充電接続部カバー(14、15、24)が設けられ、第1の充電接続部カバー(14)は直流交流複合充電接続部(12)の交流接触部材(16)に、第2の充電接続部カバー(15)は前記直流交流複合充電接続部(12)の直流接触部材(17)に、及び少なくとも第3の充電接続部カバー(24)は前記他方の充電接続部(22)に割り当てられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項5】
可動に取り付けられた2つの充電接続部カバー(14、24)が設けられ、第1の充電接続部カバー(14)は直流交流複合充電接続部(12)に割り当てられ、第2の充電接続部カバー(24)は前記他方の充電接続部(22)に割り当てられ、少なくとも前記第1の充電接続部カバー(14)はカバー位置と2つの開放位置との間で可動であり、前記第1の充電接続部カバー(14)はカバー位置にあるとき前記交流接触部材(16)と前記直流接触部材(17)をカバーし、第1の開放位置にあるとき前記交流接触部材(16)を開放して前記直流接触部材(17)をカバーし、第2の開放位置にあるとき前記交流接触部材(16)と前記直流接触部材(17)を開放する、請求項1から3のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項6】
2つの前記充電接続部(12、22)は共通の充電トレイ(10)の中に、又は特に相並んで位置する2つの別個の充電トレイ(10)の中に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記充電トレイ(10)は、少なくとも1つのカバー部材(18)を備え、前記カバー部材(18)は、少なくとも第1の位置にあるときに対応する前記充電トレイ(10)をカバーするとともに少なくとも第2の位置にあるときに対応する前記充電トレイ(10)を少なくとも部分的に開放するものであり、特に前記カバー部材(18)は車両周囲に関して前記充電接続部カバー(14、15、24)の上に配置される、請求項6に記載の充電接続装置。
【請求項8】
前記ロック機構(40)は、対応する前記充電接続部カバー(14、15、24)を少なくとも1つのカバー位置で、又は少なくとも1つの開放位置で固定する少なくとも1つの固定部材を含み、及び/又は、前記充電接続部カバー(14、24)を駆動する少なくとも1つの駆動部をブロックする少なくとも1つのブロック機構を含む、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項9】
前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つ、及び/又は少なくとも1つの前記カバー部材(18)は、回転運動可能及び/又は並進運動可能なように取り付けられるフラップとして製作される、請求項7又は8に記載の充電接続装置。
【請求項10】
前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つ、及び/又は少なくとも1つの前記カバー部材(18)は、折畳可能又は巻取可能又は撓曲可能なブラインドとして製作される、請求項7から9のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの充電接続部を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1の直流充電接続部と、第2の直流及び/又は交流充電接続部とを含む、相並んで配置された2つの充電接続部を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置を開示している。更に、この充電接続装置は、2つの充電接続部のうちの少なくとも一方を覆う少なくとも1つの充電接続部カバーを含んでいる。このとき充電接続部カバーは、2つの充電接続部のうちのそのつど一方だけが接触のためにアクセス可能であり、それに対して2つの充電接続部のうちの他方は充電接続部カバーによってカバーされるように構成されている。
【0003】
電気自動車は、従来技術では、各々の充電標準について独自の充電接続部を必要とし、したがって、それぞれ異なる標準の2つの充電手段について、同じく2つの充電接続部が車両に設けられる。
【0004】
充電標準は直流充電を含むことができ、これは直流による充電であると理解され、又は交流充電を含むことができ、これは交流による充電であると理解される。
【0005】
ヨーロッパで現在適用されている充電標準は、たとえば、いわゆるコンバインド充電システム(CCS)である。その場合、直流と交流による充電が可能である。日本で開発された標準としての更に別の標準CHAdeMO=“Charge de Move”は、最大50kWまでの充電出力を提供する。
数百キロワットの出力、又はこれを超えて少なくとも1メガワット以上の出力を有する、代替的又は将来的な充電標準のためには、別の代替的なコネクタ規格に基づく別の充電接続部、特に直流電圧接続部が設けられる。複数の充電接続部が電気的に1つの経路に配線されていてよく、それにより、各充電ソケットには同時に電圧がかかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、2つの充電接続部を有する、電気駆動可能な車両の改良された充電接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、独立請求項の構成要件によって解決される。
【0009】
本発明の好都合な実施形態と利点は、その他の請求項、発明の詳細な説明、及び図面から明らかとなる。
【0010】
本発明の1つの態様では、共通の電路を介して電気的に接続された、相並んで配置された2つの充電接続部を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置が提案される。2つの充電接続部のうちの少なくとも一方は、2つの種類の接触部材を有する直流交流複合充電接続部として構成される。他方の充電接続部は、直流充電接続部として、又は交流充電接続部として、又は別の直流交流充電接続部として構成される。相並んで配置された2つの充電接続部は、共通の電路を介して電気的に接続される。この充電接続装置は、可動に取り付けられた少なくとも2つの充電接続部カバーを更に含み、それぞれ1つの充電接続部に、充電接続部カバーのうちの少なくとも1つが割り当てられる。充電接続部カバーは、それぞれ少なくとも1つのカバー位置にあるときに対応する充電接続部をカバーし、少なくとも1つの開放位置にあるときに対応する充電接続部の接触部材を少なくとも部分的に開放する。充電接続部カバーに割り当てられた充電接続部又はその接触部材の開放が現在の充電モードに必要ない場合には、ロック機構が、少なくとも1つのカバー位置から少なくとも1つの開放位置への移行について充電接続部カバーのうちの少なくとも1つをロックし、又は、それぞれの開放位置の間での移行について少なくとも1つの充電接続部カバーをロックする。その代替又は追加として、ロック機構は、他の充電接続部カバーのうちの少なくとも1つが開放位置のうちの1つを有しているときに、少なくとも1つの充電接続部カバーをロックする。それにより充電プロセス中に、充電モードに割り当てられた充電接続部だけが、又は充電モードに割り当てられた充電接続部の接触部材だけが、接触のためにアクセス可能であり、それに対して2つの充電接続部のうちの他方は、又は他の接触部材は、それぞれの充電接続部カバーによりカバーされ、特に接触防止式にカバーされる。
【0011】
以下において充電接続部とは、エネルギー蓄積器と電気的に接続されていて、電圧源と電気的に接続された対応するプラグと電気的に接続することができる装置、たとえば充電ソケットであると理解される。接続された状態のとき、電気駆動可能な車両のエネルギー蓄積器が電圧源によって充電される。充電接続部はコネクタフェースの形態で配置された接触部材を有し、プラグは、充電接続部の接触部材と合同に配置された接触部材を有するコネクタフェースを有する。
【0012】
充電接続部のうちの1つは、直流交流複合充電接続部として、特にCCS充電接続部として、構成され、2つの種類の接触部材を有する。交流接触部材は、車両ないしそのエネルギー蓄積器を交流で充電するために、合同の接触部材を有するプラグのコネクタフェースと結合することができる第1のコネクタフェースを構成する。直流接触部材は、第2のコネクタフェースを構成する。車両ないしそのエネルギー蓄積器を交流で充電するために、直流交流複合充電接続部と結合されるプラグは、直流交流複合充電接続部の2つのコネクタフェースと結合することができる2つのコネクタフェースを有する。
【0013】
他方の充電接続部は、直流充電接続部又は交流充電接続部又は別の直流交流複合充電接続部であってよい。
【0014】
2つの充電接続部の共同で利用される電路により、車両の高圧車載電気システムの電気的なアーキテクチャにおいて、電気エネルギー蓄積器を接続するための1つの接触器を使用するだけで足りる。それに伴い、2つの接触器を含む配線に比べてコスト、設計スペース、及び重量を削減することができる。共同で利用される電路への2つの充電接続部の配置のもとで、両方の充電接続部は同時に電圧のもとにおかれる。
【0015】
充電接続部カバーにより、それぞれの充電接続部、ないし現在の充電モードに必要のない接触部材が機械式にカバーされる。
【0016】
充電接続部カバーとロック機構により、充電接続装置は実質的に4つ又はそれ以上の状態を有することができ、第1の状態では両方の充電接続部がそれぞれの1つの充電接続部カバーによって、又はそれぞれの複数の充電接続部カバーによってカバーされる。充電接続装置の第2の状態では、直流交流複合充電接続部の直流接触部材が、及び他方の充電接続部が、それぞれの充電接続部カバーによってカバーされていてよい。それによって第2の状態では、直流交流複合充電接続部の交流接触部材だけがCCS交流充電モードのために開放される。充電接続装置の第3の状態では、他方の充電接続部がそれぞれの充電接続部カバーによってカバーされていてよく、直流交流複合充電接続部の交流接触部材と直流接触部材は、CCS直流充電モードのために開放されていてよい。第4の状態では、直流交流複合充電接続部がそれぞれの少なくとも1つの充電接続部カバーによってカバーされていてよく、他方の充電接続部は少なくとも部分的に、それぞれの少なくとも1つの充電接続部カバーによって、対応する充電モードのために開放されていてよい。他方の充電接続部が、異なる充電モードのためのさまざまな接触部材を同じく有している場合には、充電接続部カバーの更に別の状態が考えられる。
【0017】
充電接続装置のこれらの状態により、充電ケーブルの充電プラグを充電接続部の相応の接触部材とだけ結合することが可能であり、このとき他方の充電接続部、ないし必要ない接触部材はそれぞれの充電接続部カバーで接触防止式にカバーされる。それにより、エネルギー蓄積器の充電中に、電圧のかかっている使用されない接触部材が接触防止式にカバーされることを保証できるという利点がある。これに加えて、電圧のかかっている使用されない接触部材を、汚れや水などの環境要因から防護できるという利点がある。これに加えて充電接続部カバーは、車両が充電されることがない走行又は駐車中に、それぞれの充電接続部を高い信頼度でカバーして、環境要因や可能性のある接触に対して接触部を防護する。
【0018】
充電接続部カバーとロック機構により、充電接続部のうちの1つの無電圧切換を省略できるという利点がある。それによって対応する切換デバイス、いわゆるスイッチボックスを省略することができ、それにより、追加のコストと追加の設計スペースを節減することができる。
【0019】
充電接続装置の好ましい実施形態では、ロック機構と結合される少なくとも1つのセンサ機構が、充電接続部カバーの現在の位置を監視することができる。その代替又は追加として、ロック機構と結合されるセンサ機構が現在の充電モードを認識することができる。現在の充電モードが判定されることで、現在の充電モードに割り当てられる必要な接触部材を現在の充電モードについて判定し、相応の充電接続部カバーを対応する位置へと完全自動式又は半自動式に移行させることができる。更に、必要とされない接触部材に割り当てられる充電接続部カバーが、必要とされない接触部材をカバーする位置で固定されることが考えられ、それは、当該接触部材の開放を困難にし、又は防止するためである。充電接続部カバーの位置が監視されることで、対応する充電接続部カバーによって接触部材がすでに開放されているか否かを判定することができる。それにより、その他の接触部材をカバーしている充電接続部カバーを相応の位置で、当該接触部材を開放する位置への移行についてロックすることができる。少なくとも1つのセンサ機構は、リミットスイッチ及び/又は光学センサ及び/又はカメラ及び/又は距離測定システムもしくはポテンショメータを含むことができる。更に、センサ機構は、選択された充電モードに関する情報を得るために、通信システムを介して充電スタンドと接続されていてよい。
【0020】
充電接続装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つの駆動部が、センサ機構により認識された充電モードに依存して、当該充電モードに割り当てられた充電接続部だけが、又は当該充電モードに割り当てられた充電接続部の接触部材だけが開放される位置へと充電接続部カバーを移行させることができる。それにより、必要な接触部材の完全自動式又は半自動式の開放が可能である。
【0021】
充電接続装置の好ましい実施形態では、可動に取り付けられた少なくとも3つの充電接続部カバーが設けられていてよく、第1の充電接続部カバーは直流交流複合充電接続部の交流接触部材に、第2の充電接続部カバーは直流交流複合充電接続部の直流接触部材に、及び少なくとも1つの第3の充電接続部カバーは他方の充電接続部に割り当てられる。CCS交流充電モードが認識されると、第1の充電接続部カバーが開放位置へと移行するか、開放位置への移行のために開放される。第2の充電接続部カバー及び少なくとも1つの第3の充電接続部カバーはカバー位置にとどまり、更に、第2の充電接続部カバー及び少なくとも1つの第3の充電接続部カバーをカバー位置で固定することができる。CCS直流充電モードが認識されると、第1の充電接続部カバー及び第2の充電接続部カバーが開放位置へと移行するか、開放位置への移行のために開放される。少なくとも1つの第3の充電接続部カバーはカバー位置にとどまり、更に、少なくとも1つの第3の充電接続部カバーをカバー位置で固定することができる。他方の充電接続部により実行される充電モードが認識されると、少なくとも1つの第3の充電接続部カバーが開放位置へと移行するか、移行のために開放される。第1の充電接続部カバー及び第2の充電接続部カバーはカバー位置にとどまり、更に、第1の充電接続部カバー及び第2の充電接続部カバーをカバー位置で固定することができる。
【0022】
充電接続装置の好ましい実施形態では、可動に取り付けられた2つの充電接続部カバーが設けられていてよく、第1の充電接続部カバーは直流交流複合充電接続部に割り当てられ、第2の充電接続部カバーは他方の充電接続部に割り当てられ、少なくとも1つの第1の充電接続部カバーはカバー位置と2つの開放位置との間で可動である。第1の充電接続部カバーは、カバー位置にあるとき、交流接触部材と直流接触部材とをカバーする。第1の充電接続部カバーは、第1の開放位置にあるとき、交流接触部材を開放して直流接触部材をカバーする。第1の充電接続部カバーは、第2の開放位置にあるとき、交流接触部材と直流接触部材とを開放する。CCS交流充電モードが認識されると、第1の充電接続部カバーが開放位置へと移行するか、開放位置への移行のために開放される。更に、第1の充電接続部カバーが第1の開放位置で固定されていてよい。第2の充電接続部カバーはカバー位置にとどまり、更に、第2の充電接続部カバーをカバー位置で固定することができる。CCS交流充電モードが認識されると、第1の充電接続部カバーが第2の開放位置へと移行するか、開放位置への移行のために開放される。更に、第1の充電接続部カバーが第2の開放位置で固定されていてよい。第2の充電接続部カバーはカバー位置にとどまり、更に、第2の充電接続部カバーがカバー位置で固定されていてよい。他方の充電接続部によって実行される充電モードが認識されると、第2の充電接続部カバーが開放位置へと移行するか、移行のために開放される。第1の充電接続部カバーはカバー位置にとどまり、更に、第1の充電接続部カバーがカバー位置で固定されていてよい。
【0023】
充電接続装置の好ましい実施形態では、2つの充電接続部は共通の充電トレイの中に、又は2つの別個の、特に相並んで位置する充電トレイの中に配置されていてよい。共通の充電トレイの中への配置では、充電接続部を車両に省スペースに配置することができる。別個の充電トレイへの配置では、充電接続部の位置決めをいっそうフレキシブルに形成することができる。
【0024】
充電接続装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つの充電トレイは、少なくとも1つのカバー部材を備えることができ、カバー部材は少なくとも第1の位置にあるとき対応する充電トレイをカバーするとともに少なくとも第2の位置にあるとき対応する充電トレイを少なくとも部分的に開放する。このときカバー部材は、車両周囲に関して、相応の充電トレイに配置された充電接続部カバーの上に配置されていてよい。追加のカバー部材により、充電トレイに配置された1つの充電接続部及びこれに割り当てられた少なくとも1つの充電接続部カバーを、又は充電トレイに配置された複数の充電接続部及びこれらに割り当てられた充電接続部カバーを追加的にカバーすることができ、汚れないし水分及び/又は雪から防護することができる。特に共通の充電トレイの中への充電接続部の配置の場合、両方の充電接続部及びその充電接続部カバーを、同一のカバー部材によってカバーすることができるか、少なくとも部分的に開放することができる。カバー部材は、対応する充電トレイの一方の側に配置されていてよい。カバー部材は完全自動式又は半自動式に、相応の充電トレイをカバーする位置と、相応の充電トレイを少なくとも部分的に開放する位置との間で動かすことができるか、そのような運動のために開放することができる。
【0025】
充電接続装置の好ましい実施形態では、ロック機構は、対応する充電接続部カバーを少なくとも1つのカバー位置で、又は少なくとも1つの開放位置で固定する少なくとも1つの固定部材を含むことができる。その追加又は代替として、ロック機構は、充電接続部カバーを駆動する少なくとも1つの駆動部をブロックする少なくとも1つのブロック機構を含むことができる。少なくとも1つの固定部材によって、及び/又は少なくとも1つのブロック機構によって、有利には、他方の充電接続部カバーが開放位置のうちの1つを有しているときに、カバー位置を有している充電接続部カバーが開放位置へと移行するのを防止することができるか、少なくとも困難にすることができる。更に、第1の開放位置を有している充電接続部カバーが第2の開放位置へと移行するのを防止することができるか、困難にすることができる。このとき固定部材は、たとえば対応する充電接続部カバーを機械的に固定する固定ピンとして製作することができる。このような固定ピンは、適当な機構を通じて固定位置と固定解除位置との間で動かすことができる。固定部材により、この固定部材で固定される対応する充電接続部カバーが手動で動かされることを防止するか、困難にすることができ、更に、固定部材により固定される対応する充電接続部カバーが適当な駆動部を通じて機械式に動かされることを防止するか、又は困難にすることができる。ブロック機構は、ブロック状態にあるとき、充電接続部カバーを駆動する少なくとも1つの駆動部を機械的にブロックする。その代替又は追加として、ブロック機構はブロック状態にあるとき、駆動部と対応する充電接続部カバーとの間の機械的な力伝達経路に作用してこれをブロックするか、充電接続部カバーから結合解除する。更に、電気モータ又は調節駆動部として製作される駆動部については、ブロック状態のときブロック機構によって電流供給が断絶されることが考えられる。ブロック機構により、充電接続部カバーがカバー位置又は第1の開放位置にあるとき、駆動部を通じて開放位置又は第2の開放位置へと移行するのを防止するか、困難にすることができる。更に、力抵抗によって、対応する充電接続部カバーが手動で動かされることを困難にするか、防止することができる。このことは、センサ及びアクチュエータを通じて制御式に可能であってよいが、単に機械的な機能によって受動式に実施してもよい。
【0026】
充電接続装置の好ましい実施形態では、充電接続部カバーのうちの少なくとも1つ、及び/又は少なくとも1つのカバー部材は、回転運動可能及び/又は並進運動可能に取り付けられたフラップとして製作される。このときフラップは適当な軸で上方に向かって、又は下方に向かって、又は側方へ、又は対角線上で外方に向かって、それぞれの充電接続部又は充電トレイから離反回動又は離反旋回することができ、そのようにして開放位置へと移行する。たとえばフラップは、通常のフューエルフラップに類似する方式で、内燃機関車両の場合に配置されるフューエルトレイに相当し得る充電トレイの側又は充電接続部の側に配置されていてよい。その代替としてフラップは、1つの面において、充電トレイと平行に回転することができる。その代替としてフラップは、相応の案内部を介して上方に向かって、又は下方に向かって、又は側方へスライドすることができ、そのようにして開放位置のうちの1つへと移行することができる。このときそれぞれのフラップは、外方に向かってアウターシェルの前へとスライドすることができ、又は内方に向かってアウターシェルの下でスライドすることができ、そのようにして開放位置のうちの1つへと移行することができる。旋回と回転の組み合わせ、又は旋回とスライドの組み合わせ、又は回転とスライドの組み合わせも考えられる。更に、充電接続部カバーをそれぞれ別様に動かすことができる。たとえば第1の充電接続部カバーは旋回することができ、第2の充電接続部カバーはスライドすることができる。その代替として、両方の充電接続部カバーの開メカニズムは同一に、又は互いに鏡像対称に構成されていてよい。更にカバー部材は、充電接続部カバーのうちの少なくとも1つとは別様に動かされ得る。その代替としてカバー部材は、少なくとも1つの充電接続部カバーの開メカニズムに対して同一に、又は鏡像対称に構成されていてよい。
【0027】
充電接続装置の好ましい実施形態では、充電接続部カバーのうちの少なくとも1つは、及び/又は少なくとも1つのカバー部材は、折畳可能又は巻取可能又は撓曲可能なブラインドとして製作されていてよい。ブラインドはプラスチック又は金属板から構成することができる。このときブラインドは一体的に製作されていてもよいし、又は複数のディスクプレートを有してもよい。折畳可能な、又はディスクプレートから構成される実施形態では、開放位置のうちの1つへ、又はカバー位置へ移行させるためにブラインドを畳み込むことができ、また折畳を展開することができる。巻取可能な実施形態では、開放位置のうちの1つへ、又はカバー位置へ移行させるためにブラインドを巻き取り、巻き出すことができる。撓曲可能な実施形態では、開放位置のうちの1つへと移行させるために、ブラインドをカバー位置から内方に向かって、又は外方に向かって、又は側方へ離反回動させることができる。更に、センタコンソールカバーに類似する、内方に向かって離反移動する機構や、内方に向かってS字型に離反回動する機構が考えられる。別の実施形態として、少なくとも1つの角度だけ離反巻取することができるディスクプレート及びブラインドシステム及び撓曲可能な実施形態が可能である。このとき、個々のディスクプレートを有さない可撓の板材、たとえばばね板を離反屈曲させることができ、及び/又はコーナーの周りで、もしくは1つの角度だけ離反変位させることができる。ブラインドの各位置の間の運動を、上方に向かって、下方に向かって、左方に向かって、又は右方に向かって行うこともできる。
【0028】
本発明による充電接続装置によって、有利には、そのつど1つの充電接続部だけが、又は特定の接触部材だけが接触のためにアクセス可能であり、他方の充電接続部又はそれ以外の接触部材は、それぞれ接触防止式にカバーされることを保証できる。
【0029】
その他の利点は以下の図面の説明から明らかとなる。図面には、本発明の実施例が示されている。図面、発明の詳細な説明、及び特許請求の範囲は、数多くの構成要件を組み合わせとして含んでいる。当業者は、これらの構成要件を目的に即して単独で着目し、有意義な別の組み合わせにまとめることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1の実施例に基づく、2つの充電接続部を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置であり、充電接続部は完全にカバーされている。
【
図2】直流交流複合充電接続部の交流接触部材が開放されている、
図1に示す充電接続装置である。
【
図3】直流交流複合充電接続部の交流接触部材及び直流接触部材が開放されている、
図1及び2に示す充電接続装置である。
【
図4】本発明の第2の実施例に基づく、2つの充電接続部を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置であり、充電接続部は完全にカバーされている。
【
図5】直流交流複合充電接続部の交流接触部材が開放されている、
図4に示す充電接続装置である。
【
図6】直流交流複合充電接続部の交流接触部材及び直流接触部材が開放されている、
図4及び5に示す充電接続装置である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
各図において、同一の要素又は機能が同一の部材には同じ参照符号を付している。各図は例示にすぎず、限定をするものとは理解されない。
【0032】
図1から3は、本発明の第1の実施例に基づく、2つの充電接続部12、22を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置100を示している。
【0033】
図4から6は、本発明の第2の実施例に基づく、2つの充電接続部12、22を有する、電気駆動可能な車両の充電接続装置100を示している。
【0034】
以下においては、まず充電接続装置100の図示した実施例の共通性について説明し、その後の過程で、図示した充電接続装置100の間の相違点について説明する。
【0035】
図1から6より明らかとなるように、電気駆動可能な車両の充電接続装置100の図示した実施例は、それぞれ相並んで配置された2つの充電接続部12、22を含んでいる。
【0036】
図2、3、5及び6から更に明らかとなるように、充電接続部12、22は充電ソケットに相当するが、これ以外の適当な充電接続部12、22も考えられる。
図2、3、5及び6から更に明らかとなるように、左側に配置された充電接続部12は、充電接続装置100の対応する実施例では、直流交流複合充電接続部12として構成される。右側に配置された充電接続部22は、直流充電接続部22として、又は交流充電接続部22として、又は別の直流交流複合充電接続部22として構成されていてよい。
【0037】
当然ながら、左側及び右側という呼称は例示である。図示した直流交流複合充電接続部12は、当然ながら右側に配置されていてもよい。更に充電接続部12、22は、図示しない実施例では互いにオフセットされて、又は相上下して配置されていてもよい。
【0038】
図1から6より更に明らかとなるように、充電接続部12、22は共通の電路30を介して電気的に接続されている。共通の電路30に相並んで配置された2つの充電接続部12、22は、並列につながれている。ここでは各々の充電接続部12、22は、それぞれ電気的接続部31、32を有している。ここでは充電接続部12、22を分離するための分離部材は必要ではない。両方の充電接続部12、22には電圧がかかっている。
【0039】
図3及び6より更に明らかとなるように、直流交流複合充電接続部12は2つの種類の接触部材16、17を有している。交流接触部材16が、直流接触部材17の上方に配置されている。
【0040】
図1から6より更に明らかとなるように、可動に取り付けられた少なくとも2つの充電接続部カバー14、15、24が、それぞれ充電接続部12、22の1つに割り当てられており、充電接続部カバー14、15、24はそれぞれ少なくとも1つのカバー位置にあるときに対応する充電接続部12、22をカバーし、少なくとも1つの開放位置にあるときに対応する充電接続部12、22の接触部材16、17、26を少なくとも部分的に開放する。
【0041】
図1から6より更に明らかとなるように、少なくとも1つのカバー位置から少なくとも1つの開放位置への移行について、又はそれぞれの開放位置の間の移行について、充電接続部カバー14、15、16に割り当てられている充電接続部12、22もしくはその接触部材16、17、26が現在の充電モードに必要ない場合、及び/又は充電接続部カバー14、15、24のうちの少なくとも1つが開放位置のうちの1つを有している場合に、ロック機構40が充電接続部カバー14、15、24のうちの少なくとも1つをロックする。それにより充電プロセス中に、そのつど充電モードに割り当てられた充電接続部12、22だけが、又は充電モードに割り当てられた充電接続部12、24の接触部材16、17、26だけが接触のためにアクセス可能であり、それに対して2つの充電接続部12、22のうちの他方、又は他の接触部材16、17、26は、それぞれの充電接続部カバー14、15、24によってカバーされ、特に接触防止式にカバーされる。それにより、プラグを対応する充電接続部12、22に差し込むことだけが、又は対応する接触部材16、17、26と結合することだけが可能となり、そのとき、プラグに割り当てられた充電モードに割り当てられていない他方の充電接続部12、22又は他の接触部材16、17、26は、それぞれの充電接続部カバー14、15、24によって接触防止式にカバーされる。それにより充電中に、電圧がかかっている利用されない充電接続部22又は利用されない接触部材16、17、26は、接触防止式にカバーされることが保証される。これに加えて、電圧がかかっている利用されない充電接続部22又は利用されない接触部材16、17、26は、汚れや水などの環境要因に対して防護される。
【0042】
図1から6より更に明らかとなるように、充電接続装置100は実質的に4つ又はそれ以上の状態を有する。
【0043】
第1の状態(
図1及び4)では、両方の充電接続部12、22がそれぞれ1つの充電接続部カバー14、15、24によって、又はそれぞれ複数の充電接続部カバー14、15、24によってカバーされる。図示した実施例では、追加の共通のカバー部材18が、すべての充電接続部12、22及びそれぞれの充電接続部カバー14、15、24をカバーする。
【0044】
充電接続装置100の第2の状態では(
図2及び5)、直流交流複合充電接続部12の直流接触部材17と、他方の充電接続部22とが、それぞれの充電接続部カバー14、15、24によってカバーされる。それにより第2の状態では、直流交流複合充電接続部12の交流接触部材16だけがCCS交流充電モードのために開放される。
【0045】
充電接続装置100の第3の状態では(
図3及び6)、他方の充電接続部22がそれぞれの充電接続部カバー24によってカバーされ、直流交流複合充電接続部12の交流接触部材16と直流接触部材17がCCS直流充電モードのために開放される。
【0046】
図示しない第4の状態では、直流交流複合充電接続部12がそれぞれの少なくとも1つの充電接続部カバー14、15によってカバーされ、他方の充電接続部22はそれぞれの少なくとも1つの充電接続部カバー24によって、対応する充電モードのために少なくとも部分的に開放される。他方の充電接続部22が、異なる充電モードのために異なる種類の接触部材26を同じく有している場合には、更に別の状態が考えられる。
【0047】
詳しくは図示しないロック機構40は、充電接続装置100の1つの実施例において、対応する充電接続部カバー14、15、24をカバー位置で、又は交流接触部材16が開放されて直流接触部材17がカバーされる第1の開放位置で固定する少なくとも1つの固定部材を含むことができる。その代替又は追加として、ロック機構40は、充電接続部カバー14、15、24のうちの少なくとも1つを駆動する駆動部をブロックする少なくとも1つのブロック機構を含むことができる。駆動部は、調節駆動部又は適当なアクチュエータであってよい。固定部材は、固定位置と固定解除位置との間で動かすことができる固定ピンであってよい。固定ピンにより、それぞれの充電接続部カバー14、15、24の機械的な固定を行うことができる。ブロック機構により、駆動部の機械的ブロック、又は駆動部とそれぞれの充電接続部カバー14、15、24との間の機械的な力伝達経路の機械的なブロックを具体化することができる。更に、それぞれの充電接続部カバー14、15、24と相応の駆動部との間の機械的な力伝達経路の切り離し、又は相応の電気駆動部の電流供給の断絶を具体化可能である。
【0048】
1つの考えられる具体化は、センサ及びアクチュエータを通じての制御のもとで可能にすることができる。その追加又は代替として、簡易な機械的機能による受動的な具体化も可能である。
【0049】
たとえば充電接続部カバー14、15、24は、充電接続部カバー14、15、24のうちの1つの位置変更が、少なくとも1つの他の充電接続部カバー14、15、24の固定又はブロックをもたらすように、機械的に互いに結合されていてよい。
【0050】
ロック機構40と接続された図示しない少なくとも1つのセンサ機構が、充電接続部カバー14、15、24の現在の位置を監視する。その代替又は追加として、少なくとも1つのセンサ機構は現在の充電モードを認識することができる。少なくとも1つの駆動部は、センサ機構により認識された充電モードに依存して、当該充電モードに割り当てられた充電接続部12、22だけが、又は当該充電モードに割り当てられた充電接続部12、24の接触部材16、17、26だけが開放される位置へと充電接続部カバー14、15、24を移行させる。センサ機構は、リミットスイッチ及び/又は光学センサ及び/又はカメラ及び/又は距離測定システムもしくはポテンショメータを含むことができる。センサ機構により、どのカバー14、15、18、24が開いているかを適当な評価ユニットが認識して、固定部材又はブロック機構を相応に制御する。このことは、適当なアクチュエータを通じて機械式に、又は適当な部材を通じて電気式に行うことができる。
【0051】
図1から6より更に明らかとなるように、2つの充電接続部12、22は、充電接続装置100の図示した実施例では、共通の充電トレイ10の中に配置されて電気的につながれており、両方の充電接続部12、22に等しい電圧が印加される。
【0052】
充電接続装置100の第1の状態のときに充電トレイ10をカバーする追加のカバー部材18が設けられる。充電接続装置100の別の状態のうちの1つでは、カバー部材18が充電トレイ10を少なくとも部分的に開放する。図示したカバー部材18は、高さ方向へスライド可能に取り付けられており、充電トレイ10を開放するために上方に向かって動き、充電トレイ10をカバーするために下方に向かって動く。図示しない代替の実施例では、カバー部材18がそれ以外の適当な方向へスライドすることもできる。更にカバー部材18は、周知のタンクキャップと同様に、適当な軸を中心として旋回可能に取り付けられていてもよい。更にカバー部材18は、代替の実施形態では、折畳可能又は巻取可能又は撓曲可能なブラインドとして製作されていてよい。更に、この追加のカバー部材18によって、充電トレイ10のカバーを省略することができる。
【0053】
図示しない代替の実施形態では、充電接続部12、22は、互いに分離されて配置されて内部で電気的につながれた、特に相並んで位置する別個の充電トレイ10の中に配置されていてよく、両方の充電接続部12、22に等しい電圧が印加される。
【0054】
図1から6より更に明らかとなるように、充電接続装置100の図示した実施例では、充電接続部カバー14、15、24は並進運動可能に取り付けられたフラップとして製作される。図示した実施例では、充電接続部カバー14、15、24はアウターシェルの前へとスライドすることができるが、アウターシェルの後ろへとスライドすることも可能であろう。
【0055】
充電接続装置100の図示しない代替の実施形態では、充電接続部カバー14、15、24のうちの少なくとも1つは回転運動可能に取り付けられたフラップとして製作される。この場合、フラップは適当な軸で前方に向かって旋回又は回動することができる。更に、フラップの並進運動と回転運動との組み合わせも考えられる。
【0056】
更に、1つのフラップがスライド可能であり、1つのフラップが旋回可能又は回転可能に取り付けられていてよい。
【0057】
充電接続装置100の図示しない代替の実施形態では、充電接続部カバー14、15、24のうちの少なくとも1つは折畳可能又は巻取可能又は撓曲可能なブラインドとして製作されていてよい。その場合、ブラインドは巻き取られて折り畳まれる、又は内方に向かって離反移動ことができるプラスチック又は金属板から構成されていてよい。更に、ブラインドを内方に向かってS字型に離反回動させることができる。この運動は内方、下方、左方、又は右方に向かって行うことができる。ブラインドはディスクプレートの機構として製作されていてよく、又は撓曲可能なばね板として製作されていてよい。更に別の選択肢として、巻き取ることができる、又は少なくとも1つの角度だけ離反巻取することができるディスクプレート及びブラインドシステムが考えられる。更に、個々のディスクプレートを有していないが、離反屈曲させることができる、又は1つのコーナーもしくは1つの角度だけ離反変位させることができる可撓の板材としてブラインドを構成するという選択肢も考えられる。
【0058】
図1から3より更に明らかとなるように、充電接続装置100の第1の実施例は、可動に取り付けられた少なくとも3つの充電接続部カバー14、15、24を含んでいる。第1の充電接続部カバー14は、直流交流複合充電接続部12の交流接触部材16に、第2の充電接続部カバー15は直流交流複合充電接続部12の直流接触部材17に、及び第3の充電接続部カバー24は他方の充電接続部22に割り当てられている。第1の充電接続部カバー14と第2の充電接続部カバー15は、図示した実施例では、これらに割り当てられた接触部材16、17を開放するために左方に向かって動く。第1の充電接続部カバー14と第2の充電接続部カバー15は、これらの割り当てられた接触部材16、17をカバーするために右方に向かって動く。第1の充電接続部カバー14と第2の充電接続部カバー15は、充電接続装置100が第1及び第4の状態にあるときにカバー位置を有する。更に、第2の充電接続部カバー15は、充電接続装置100が第2の状態にあるときにカバー位置を有する。
【0059】
その代替として、接触部材16、17を開放するために、第1の充電接続部カバー14が上方に向かって、及び第2の充電接続部カバー15が下方に向かって動くこともできる。また、旋回運動や回転運動も考えられる。第2の充電接続部カバー14で留意すべきは、これが開放位置にあるとき(
図3)、交流接触部16、17を隠さないことである。
【0060】
同じく第3の充電接続部カバー24も、これに割り当てられた他方の充電接続部22を開放するために、側方へ、又は上方に向かって、又は下方に向かって動くことができ、又は、これに割り当てられた充電接続部22をカバーするために、これと反対の方向へ動くことができる。また、旋回運動や回転運動も考えられる。第3の充電接続部カバー24は、充電接続装置100が第1、第2、及び第3の状態にあるときにカバー位置を有する。
【0061】
図4から6から更に明らかとなるように、充電接続装置100の第2の実施例は、可動に取り付けられた2つの充電接続部カバー14、24を含んでいる。第1の充電接続部カバー14は直流交流複合充電接続部12に割り当てられ、第2の充電接続部カバー24は他方の充電接続部22に割り当てられている。少なくとも、第1の充電接続部カバー14はカバー位置(
図4)と2つの開放位置(
図5及び6)との間で可動である。第1の充電接続部カバー14は、カバー位置にあるとき(
図4)、交流接触部材16と直流接触部材17をカバーする。第1の充電接続部カバー14は、充電接続装置100が第1の状態及び第4の状態にあるとき、この位置を有する。第1の開放位置(
図5)にあるとき、充電接続部カバー14は交流接触部材(16)を開放し、直流接触部材17をカバーする。第1の充電接続部カバー14は、充電接続装置100が第2の状態にあるときに第1の開放位置を有する。第2の開放位置(
図6)にあるとき、第1の充電接続部カバー14は交流接触部材16と直流接触部材17を開放する。第1の充電接続部カバー14は、充電接続装置100が第3の状態にあるときに第2の開放位置を有する。ここではカバー位置から第2の開放位置への移行のとき、第1の充電接続部カバー14は第1の開放位置で止まることなく第2の開放位置へと動くことができる。
【0062】
同じく第2の充電接続部カバー24も、これに割り当てられた他方の充電接続部22を開放するために側方へ、又は上方に向かって、又は下方に向かって動くことができ、又は、これに割り当てられた他方の充電接続部22をカバーするために、これと反対の方向へ動くことができる。また、旋回運動や回転運動も考えられる。第2の充電接続部カバー24は、充電接続装置100が第1、第2、及び第3の状態にあるときにカバー位置を有する。開放位置にあるとき、第2の充電接続部カバー22は、図示した実施例では他方の充電接続部22を開放する。第2の充電接続部カバー22は、充電接続装置100が第4の状態にあるときに開放位置を有する。
【0063】
充電接続装置100の図示しない実施例では、第1の実施例と第2の実施例のカバー態様を互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 充電トレイ
12 充電接続部
14 第1の充電接続部カバー
15 第2の充電接続部カバー
16 交流接触部材
17 直流接触部材
18 カバー部材
22 充電接続部
24 充電接続部カバー
26 接触部材
30 電路
31 電気的接続部
32 電気的接続部
40 ロック機構
100 充電接続装置
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動可能な車両の充電接続装置(100)であって、
-相並んで配置された2つの充電接続部(12、22)、特に充電ソケットを有し、2つの前記充電接続部(12、22)のうちの少なくとも一方は2つの種類の接触部材(16、17)を有する直流交流複合充電接続部(12)として構成され、他方の充電接続部(22)は直流充電接続部(22)又は交流充電接続部(22)として、又は別の直流交流充電接続部として構成され、相並んで配置された2つの前記充電接続部(12、22)は共通の電路(30)を介して電気的に接続されるものであり、
-可動に取り付けられた少なくとも2つの充電接続部カバー(14、15、24)を有し、それぞれ1つの前記充電接続部(12、22)にそれぞれ前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つが割り当てられ、
前記充電接続部カバー(14、15、24)は、それぞれ少なくとも1つのカバー位置にあるときに対応する前記充電接続部(12、22)をカバーし、少なくとも1つの開放位置にあるときに対応する前記充電接続部(12、22)の接触部材(16、17、26)を少なくとも部分的に開放し、
前記充電接続部カバー(14、15、16)に割り当てられた前記充電接続部(12、22)又はその接触部材(16、17、26)の開放が現在の充電モードに必要ない場合に、及び/又は前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つが開放位置のうちの1つを有している場合に、ロック機構(40)が、少なくとも1つのカバー位置から少なくとも1つの開放位置への移行について、又はそれぞれの開放位置の間での移行について、前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つをロックし、
それにより充電プロセス中に、そのつど充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、22)だけが、又は充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、24)の前記接触部材(16、17、26)だけが接触のためにアクセス可能であり、それに対して2つの前記充電接続部(12、22)のうちの他方、又は他の接触部材(16、17、26)は、それぞれの前記充電接続部カバー(14、15、24)によってカバーされ、特に接触防止式にカバーされる、前記充電接続装置
において、
前記ロック機構(40)と接続された少なくとも1つのセンサ機構が前記充電接続部カバー(14、15、24)の現在の位置を監視し、及び/又は現在の充電モードを認識することを特徴とする、前記充電接続装置。
【請求項2】
少なくとも1つの駆動部が、前記センサ機構により認識された充電モードに依存して、前記充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、22)だけが、又は前記充電モードに割り当てられた前記充電接続部(12、24)の前記接触部材(16、17、26)だけが開放される位置へと前記充電接続部カバー(14、15、24)を移行させる
ことを特徴とする、請求項
1に記載の充電接続装置。
【請求項3】
可動に取り付けられた少なくとも3つの充電接続部カバー(14、15、24)が設けられ、第1の充電接続部カバー(14)は直流交流複合充電接続部(12)の交流接触部材(16)に、第2の充電接続部カバー(15)は前記直流交流複合充電接続部(12)の直流接触部材(17)に、及び少なくとも第3の充電接続部カバー(24)は前記他方の充電接続部(22)に割り当てられる
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項4】
可動に取り付けられた2つの充電接続部カバー(14、24)が設けられ、第1の充電接続部カバー(14)は直流交流複合充電接続部(12)に割り当てられ、第2の充電接続部カバー(24)は前記他方の充電接続部(22)に割り当てられ、少なくとも前記第1の充電接続部カバー(14)はカバー位置と2つの開放位置との間で可動であり、前記第1の充電接続部カバー(14)はカバー位置にあるとき前記交流接触部材(16)と前記直流接触部材(17)をカバーし、第1の開放位置にあるとき前記交流接触部材(16)を開放して前記直流接触部材(17)をカバーし、第2の開放位置にあるとき前記交流接触部材(16)と前記直流接触部材(17)を開放する
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項5】
2つの前記充電接続部(12、22)は共通の充電トレイ(10)の中に、又は特に相並んで位置する2つの別個の充電トレイ(10)の中に配置される
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記充電トレイ(10)は、少なくとも1つのカバー部材(18)を備え、前記カバー部材(18)は、少なくとも第1の位置にあるときに対応する前記充電トレイ(10)をカバーするとともに少なくとも第2の位置にあるときに対応する前記充電トレイ(10)を少なくとも部分的に開放するものであり、特に前記カバー部材(18)は車両周囲に関して前記充電接続部カバー(14、15、24)の上に配置される
ことを特徴とする、請求項
5に記載の充電接続装置。
【請求項7】
前記ロック機構(40)は、対応する前記充電接続部カバー(14、15、24)を少なくとも1つのカバー位置で、又は少なくとも1つの開放位置で固定する少なくとも1つの固定部材を含み、及び/又は、前記充電接続部カバー(14、24)を駆動する少なくとも1つの駆動部をブロックする少なくとも1つのブロック機構を含む
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項8】
前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つ、及び/又は少なくとも1つの前記カバー部材(18)は、回転運動可能及び/又は並進運動可能なように取り付けられるフラップとして製作される
ことを特徴とする、請求項
6に記載の充電接続装置。
【請求項9】
前記充電接続部カバー(14、15、24)のうちの少なくとも1つ、及び/又は少なくとも1つの前記カバー部材(18)は、折畳可能又は巻取可能又は撓曲可能なブラインドとして製作される
ことを特徴とする、請求項
6に記載の充電接続装置。
【国際調査報告】