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特表2024-546639注ぎ込み可能な製品を含む複数のパックを形成及びシールするための包装アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】注ぎ込み可能な製品を含む複数のパックを形成及びシールするための包装アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20241219BHJP
【FI】
B65B9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533067
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2022085604
(87)【国際公開番号】W WO2023110859
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21215467.8
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ピフェリ、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルディ、マリーノ
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA01
3E050AB08
3E050BA01
3E050CA01
3E050CB01
3E050DD03
3E050DE03
3E050DE04
3E050DF03
3E050GC01
(57)【要約】
包装材料のチューブ(3)から、注ぎ込み可能な製品を含む複数のパッケージ(2)を形成し、シールするための包装アセンブリ(1)について記載する。使用時にチューブ(3)が送られる長手方向軸(A)と、前記長手方向軸(A)の反対側に配置されたシール部材(12)及びカウンターシール部材(13)を有し、前記チューブ(3)を連続する断面において繰り返しシールするためのシール装置(11)と、前記長手方向軸(A)の反対側に配置され、前記長手方向軸(A)に対して横断する第1の方向(X)に沿って互いに近接し、及び互いに離れて移動可能であり、シール部材(12)を担持する第1のアーム(14a)と、カウンターシール部材(13)を担持する第2のアーム(14b)とを含む、少なくとも一対のアーム(14)と、前記シール部材(12)と前記カウンターシール部材(13)は、前記チューブをシールするために顎状に互いに周期的に協働するように構成され、前記包装アセンブリ(1)は、少なくとも前記シール部材(12)に向かって冷却流体及び/又は潤滑流体を供給するための分注装置(15)をさらに備え、前記分注装置(15)は、前記第2のアーム(14b)によって担持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料のチューブ(3)から、注ぎ込み可能な製品を含む複数のパッケージ(2)を形成し、シールするための包装アセンブリ(1)であって、
前記包装アセンブリ(1)は、
使用時にチューブ(3)が送られる長手方向軸(A)と、
前記長手方向軸(A)の反対側に配置されたシール部材(12)及びカウンターシール部材(13)を有し、前記チューブ(3)を連続する断面において繰り返しシールするためのシール装置(11)と、
前記長手方向軸(A)の反対側に配置され、前記長手方向軸(A)に対して横断する第1の方向(X)に沿って互いに近接し、及び互いに離れて移動可能であり、シール部材(12)を担持する第1のアーム(14a)と、カウンターシール部材(13)を担持する第2のアーム(14b)とを含む、少なくとも一対のアーム(14)と、
前記シール部材(12)と前記カウンターシール部材(13)は、前記チューブをシールするために顎状に互いに周期的に協働するように構成され、
前記包装アセンブリ(1)は、少なくとも前記シール部材(12)に向かって冷却流体及び/又は潤滑流体を供給するための分注装置(15)をさらに備え、
前記分注装置(15)は、前記第2のアーム(14b)によって担持される、
包装アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記分注装置(15)は、前記第2のアーム(14b)に固定的に取り付けられている、
請求項1に記載の包装アセンブリ。
【請求項3】
前記分注装置(15)は、前記第2のアーム(14b)と一体的に動作する、
請求項1又は2に記載の包装アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のアーム(14a)及び前記第2のアーム(14b)は、前記長手方向軸(A)に平行な第2の方向(Z)に沿って往復運動が可能であり、
前記分注装置(15)は、前記往復運動と一体である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項5】
前記分注装置は、前記流体を前記シール部材(12)に向けて噴霧するためのノズル(15)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項6】
前記ノズル(15)は、前記長手方向軸(A)に対して横方向の方向(W)に沿って前記第1のアーム(14a)に向かって流体を噴霧するために、前記第2アーム(14b)によって担持される、
請求項5に記載の包装アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のアーム(14a)及び前記第2のアーム(14b)の各1つは、
前記チューブ(3)に面するように構成され、前記シール部材(12)又は前記カウンターシール部材(13)が取り付けられる第1の部分(16)と、
前記アーム自体に平行で、前記第1の方向(X)に横切る第3の方向(Y)に沿って、前記第1の部分(16)に隣接する第2の部分(17)と、
を備え、
前記ノズル(15)は、前記チューブ(3)を介在させることなく前記第1アーム(14a)の前記第1部分(16)に向かって流体を噴霧するために、前記第2アーム(14b)の前記第2部分(17)に取り付けられ、それによってチューブ(3)を迂回又は回避する、
請求項6に記載の包装アセンブリ。
【請求項8】
前記シール部材(12)及び前記カウンターシール部材(13)が、前記第1の方向(X)に沿って互いに向かって及び互いに離れて移動可能であり、前記第1の方向(X)が前記長手方向軸(A)に対して垂直であり、
前記ノズル(15)は、前記第1の方向(X)及び前記第3の方向(Y)に対して傾斜した方向(W)に沿って前記流体を前記シール部材(12)に向けるために、前記第2の部分(17)に配置される、
請求項7に記載の包装アセンブリ。
【請求項9】
前記ノズル(15)は、前記シール部材(12)が前記カウンターシール部材(13)から離間するときに、前記シール部材(12)に向かって前記流体を噴霧するように構成される、
請求項5~8のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項10】
前記ノズル(15)は、前記シール部材(12)と前記カウンターシール部材(13)とが顎状に互いに協働するときに前記流体を噴霧するように構成される、
請求項5~8のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項11】
前記ノズル(15)は、前記流体を連続的に噴霧するように構成される、
請求項5~8のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項12】
前記ノズル(15)は、霧化された流体の雲(18)を形成するために流体を霧化するように構成される、
請求項5~8のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項13】
前記チューブ(3)の連続部分を成形するための成形装置を備え、
前記成形装置は、前記長手方向軸線(A)の対向する側に配置された一対の成形シェル(10)を有し、前記第1のアーム(14a)は、一方の成形シェル(10)を担持し、前記第2のアーム(14b)は、他方の成形シェル(10)を担持し、前記成形シェル(10)が前記チューブ(3)と繰り返し協働して接触するように互いに向かって及び互いに離れて移動可能であり、
前記ノズル(15)は、前記雲(18)が前記成形シェル(10)を取り囲んで周回するように前記流体を霧化するように構成される、
請求項12に記載の包装アセンブリ。
【請求項14】
前記カウンターシール部材(13)に向かって冷却流体及び/又は潤滑流体を供給するためのさらなる分注装置を備え、
前記さらなる分注装置は、第1のアーム(14a)によって担持される、
請求項1~13のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項15】
前記分注装置は、金属材料製のノズル(15)を備える、
請求項1~14のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注ぎ込み可能な製品、好ましくは注ぎ込み可能な食品を含む複数のパックを形成及びシールするための包装アセンブリに関する。
【0002】
特に、本発明は、包装材料のチューブから出発して、注ぎ込み可能な製品を含む包装を充填、成形、シール、切断、折り畳むように構成された包装アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
周知のように、フルーツジュース、UHT(超高温処理)牛乳、ワイン、トマトソース等、多くの注ぎ込み可能な食品は、滅菌された包装材料から作られたパッケージで販売されている。
【0004】
典型的な例として、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られる注ぎ込み可能な食品用の平行六面体パッケージが挙げられ、ラミネートされた包装材料をシールして折り畳むことによって作られている。この包装材料は、例えば、紙や厚紙等のベース層の両側をヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンの層で覆った多層構造を有する。
【0005】
UHT牛乳等の長期保存可能な製品用の無菌包装の場合、包装材料は酸素バリア材料の層、例えばアルミニウム箔の層を含み、この層はヒートシールプラスチック材料の層と重なり、さらに別のヒートシールプラスチック材料の層で覆われて、最終的に食品に接触する包装の内面を形成する。
【0006】
この種類のパッケージは、通常、全自動包装アセンブリで製造され、この全自動包装アセンブリでは、最初にリールに巻かれ、このような包装アセンブリの複数の巻き戻しローラーを通して供給される包装材料のウェブから出発して、連続チューブが形成される。包装材料のウェブは、例えば過酸化水素水溶液等の化学的滅菌剤を塗布することによって包装アセンブリ内で滅菌され、滅菌が完了すると、例えば加熱によって蒸発させて包装材料の表面から除去される。こうして滅菌されたウェブは、その後、密閉された無菌環境に保たれ、前述の巻き戻しローラーによって前進させられ、公知のウェブ折り畳み装置によって長手方向に折り畳まれてシールされ、チューブが形成される。
【0007】
このチューブは、第1の方向、通常はまっすぐな垂直方向に沿って連続的に供給され、上方から滅菌された食品で充填され、第2の方向、通常は第1の方向と直交する方向に沿って延びる等間隔の横断面に沿って成形、シールされ、その後切断される。これにより、縦方向シールバンド、上部横方向シールバンド及び下部横方向シールバンドを有する、いわゆるピローパックが得られる。ピローパックはその後、互いに分離されるように断面で切断され、その最終的な折り畳みのために包装アセンブリの折り畳み装置に導かれる。
【0008】
成形及びシール作業を行うために、公知の包装アセンブリは、パッケージの所望の形状に対応する外形をチューブに刻印するためにチューブを成形するように構成された成形装置と、チューブの前進方向に直交する等間隔の断面でチューブをシールするように構成されたシール装置とを備える。
【0009】
上記タイプの包装アセンブリは、国際公開第2007114752号から知られている。このような包装アセンブリは、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向への往復運動で制御可能な、交互に移動可能な一対の成形・シールジョーを備え、その連続部分でチューブと相互作用する。
【0010】
特にジョーは、チューブが平行に走る駆動・案内ロッドによって案内・駆動される。
【0011】
成形装置は、包装材料のチューブの対向する側方に配置され、互いに対向し、使用時に、チューブの連続する部分を環状に取り囲んで、これらの部分に所定の外形を順次付与又は転写する、典型的にはシェルの形態の少なくとも一対の成形部材を備える。
【0012】
各ジョーについて、シール装置は、第1の方向に沿って、チューブの前進方向に対して、成形装置の作動的に下流側に配置され、典型的にはクランプの形態の少なくとも一対のシール要素を備え、互いに対向する包装材料のチューブの対向する横側面に配置され、使用時に、チューブの連続する等間隔の横方向断面をそれらの間で周期的に把持して、これらの横方向断面においてチューブを順次シールし、それによってピローパックを形成する。
【0013】
詳細には、シール装置は、加熱手段を担持するシール部材と、加熱手段が当接するための当接面を規定するカウンターシール部材の2つのシール要素を備える。
【0014】
より詳細には、シール要素間に把持された各チューブ部分は、加熱手段によってヒートシールされ、この加熱手段は、使用時に、把持された領域のヒートシール可能なプラスチック材料を局所的に溶融させる。
【0015】
バリア材の層が導電性材料のシート、例えばアルミニウムのシートによって画定されている包装材料は、通常、周知の誘導ヒートシールプロセスによってヒートシールされる。このプロセスでは、チューブがシール部材とカウンターシール部材の間に把持されると、アルミニウムのシートに電流が誘導され、アルミニウムのシートが局所的に加熱され、それによってヒートシール可能なプラスチック材料が局所的に溶融される。
【0016】
より具体的には、この後者の場合、加熱手段は、実質的にインダクタを備え、このインダクタは、シール部材によって担持され、高周波電流発生器によって供給され、実質的に、第2の方向に平行に延在する、導電性材料からなる1つ又は複数の誘導バーを備えるコイルによって画定され、包装材料に電流を誘導して、包装材料を必要なヒートシール温度まで加熱する。
【0017】
カウンターシール部材は、2つの圧力要素、好ましくはエラストマー材料製の2つの圧力パッドを備え、上記当接面を規定するそれぞれの前面接触面を有する。
【0018】
ヒートシール操作が完了すると、2つのシール部材のうちの1つ、通常はカウンターシール部材によって運ばれる切断部材が作動し、それによって包装材料のチューブと相互作用して、先に形成されたそれぞれのシール帯に沿ってチューブを切断し、それによって包装材料のチューブの下端からピローパックを分離(切断)する。通常、切断部材は2つの圧力パッドの間に配置されたスロットから引き出され、シール部材の凹部に係合する。
【0019】
切断作業が完了すると、シール部材とカウンターシール部材は互いに離れ、チューブの別の後続部分を把持できる状態になる。
【0020】
成形装置を潤滑する必要性は、この分野で知られている。特に、成形シェルは、チューブに向かって、またチューブから離れる周期的な動きのために、チューブと協働する間に一定の摩擦を生じることが知られている。
【0021】
シール装置を冷却する必要性も、この分野では知られている。特に、シール部材の加熱手段が包装材料を局所的に加熱することが知られている。あるサイクルの後、またある操作条件下では、加熱が特定の閾値を超え、それによってシール部材が過熱し、包装材料の外部プラスチック層に不注意に付着する可能性がある。
【0022】
公知の解決策によれば、包装アセンブリは、潤滑・冷却流体、通常は水を成形装置とシール装置に供給するための流体分配装置を備える。
【0023】
特に、円弧状のダクトをチューブの周囲に固定配置し、チューブを少なくとも部分的に取り囲むようにし、成形ジョー及びシールジョーの上流側の固定位置に配置し、チューブの外面に連続的に水を流すように構成されていることが知られている。
【0024】
詳細には、ダクトには複数の穴があり、その穴を通して水がチューブ上に流される。
【0025】
重力により、洗浄された水は、成形シェルとシール部材がチューブと相互採用する際にも接触し、一定の潤滑と冷却を決定する。
【0026】
公知の包装アセンブリは機能的には有効であるが、本出願人は、特に水の消費量の削減、潤滑と冷却の有効性、部品の寿命の延長、完成したパッケージの構造的改良など、さらなる改良が必要であることを確認している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従って、本発明の目的は、上記のニーズの少なくとも1つを簡単かつ低コストで満たすように設計された包装アセンブリを提供することである。
【0028】
この目的は、請求項1に記載の包装アセンブリによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による注ぎ込み可能な製品を充填した包装体を製造するための包装アセンブリの斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
図2図1の包装アセンブリの成形・シール装置の拡大斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
図3図2の装置の詳細を示す拡大斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
図4図2の装置の概略側面図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
図5】それぞれ異なる作動状態における図2の装置の構成要素の拡大詳細図である。
図6】それぞれ異なる作動状態における図2の装置の構成要素の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照すると、番号1は、全体として、包装材料のチューブ3から出発して、注ぎ込み可能な製品、好ましくは低温殺菌又はUHTミルク、水、フルーツジュース、ワイン、エンドウ豆、豆等の注ぎ込み可能な食品を含む複数のシールパッケージ2を製造するための包装アセンブリを示している。
【0032】
詳細には、包装アセンブリ1は、リール5から巻き戻され、成形経路に沿って供給される包装材料のウェブ状シート4から出発してチューブ3を成形するように構成される。
【0033】
より詳細には、包装アセンブリ1は、チューブ3から出発して、注ぎ込み可能な製品を含む複数のピローパック2aを形成し、シールし、次いで、注ぎ込み可能な製品を含む、形成され、シールされ、折り畳まれた前述のパッケージ2を得るためにピローパック2aを折り畳むように構成される。
【0034】
好ましくは、包装材は多層構造(図示せず)を有し、繊維質材料、例えば紙の層の両面をヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンのそれぞれの層で覆われている。
【0035】
UHT牛乳等の長期保存製品用の無菌パッケージ2の場合、包装材料は、ガスと光のバリア材料の層、例えばアルミニウム箔又はエチレンビニルアルコール(EVOH)フィルムを備え、これはヒートシールプラスチック材料の層と重ね合わされ、さらに別のヒートシールプラスチック材料の層で覆われ、後者は最終的に注ぎ込み可能な製品に接触するパッケージ2の内側面を形成する。
【0036】
好都合なことに、リール5から巻き戻された後、チューブ3に成形される前に、包装材料のシート4は、例えば過酸化水素水溶液等の化学的殺菌剤を塗布することによって殺菌され、殺菌が完了したら、例えば加熱によって蒸発させるなどして包装材料の表面から除去される。
【0037】
次に、包装アセンブリ1は、順次、以下の動作を実行するように構成される:
- 包装材料のシート4を長手方向に折り曲げて、それ自体公知であり詳細には説明しない折り曲げ手段6によってチューブ3を得て、チューブ3を長手方向にシールして長手方向のシールバンドを形成する;
- 充填チューブ3に(上方から)注ぎ込み可能な製品を充填する;
- チューブ3の連続部分に所定の外形形状を付与する(与える)ようにチューブ3を形成する;
- ピローパック2aが得られるように、チューブ3を等間隔に横方向にシールする;
- ピローパック2aを互いに分離するために、上記断面でチューブ3を切断する;及び、
- ピローパック2aを折り畳み、完全に折り畳まれたパッケージ2を得る。
【0038】
好都合なことに、包装アセンブリ1は、内部環境、特に無菌ガスを含む内部無菌環境を画定し、外部環境から分離された隔離チャンバ7を備える。有利なことに、チューブ3を長手方向にシールする作業とチューブ3を成形する作業は、隔離チャンバ7内で行われる。
【0039】
包装アセンブリ1は、ピローパック2aを成形しシールするための成形シール装置8を備え、使用時に、チューブ3が供給される長手方向軸Aを有する。
【0040】
すなわち、使用時に、チューブ3は、軸Aに平行な第1の方向Z、特にまっすぐな垂直方向に沿って連続的に供給される。
【0041】
軸Aに沿って供給されながら、チューブ3は、既知の方法で、詳細には説明しないが、上方から注ぎ込み可能な製品で充填される。
【0042】
チューブ3を成形する操作を行うために、装置8は、軸Aの反対側、すなわちチューブ3の反対側に、互いに対向して配置された少なくとも一対の成形シェル10を備える。公知の態様によれば、図2に示され、図4に概略的に示されているように、成形シェル10は、チューブ3の連続する部分を取り囲むために互いに周期的に協働するように、互いに向かって、及び互いに離れて繰り返し移動可能であり、それにより、チューブ3に所定の外形を順次付与する。
【0043】
特に、成形シェル10は、第1の方向Z及び軸Aに対して横断的な、より詳細には直交する第2の方向Xに沿って互いに移動可能である。
【0044】
さらに、成形シェル10は、軸Aに沿ったチューブ3の前進に追従するように、第1の方向Zに沿って往復移動可能である。
【0045】
好都合なことに、装置8は2対の成形シェル10を備え、各対は前述の往復方法で移動可能である。
【0046】
より正確には、第1の方向Zに沿った各組の成形シェル10の速度は、使用時に、軸Aに沿ったチューブ3の前進速度と一致し、各組の成形シェル10は、周期的に、それぞれの部分を取り囲むことができる。
【0047】
詳細には、チューブ3は軸Aに沿って下方に送られる。従って、成形シェル10は、チューブ部分に追従して取り囲むように下方に移動する。
【0048】
そして、成形が完了すると、成形シェル10はチューブ部分から離脱し、後続のチューブ部分に追従するように上方に移動し、そこで成形作業を繰り返す。
【0049】
2対の成形シェル10は上記の操作を交互に行い、チューブ3の連続した部分を成形する。
【0050】
シール作業を行うために、装置8は、チューブ前進方向に直交する、すなわち軸A及び第1方向Zに直交する、等間隔に配置された断面においてチューブ3を繰り返しシールするように構成された少なくとも1つのシール装置11を備える。
【0051】
詳細には、図4図5及び図6に概略的に示すように、シール装置11は、軸Aの反対側、特にチューブ3の反対側に、互いに対向するように配置されたシール部材12及びカウンターシール部材13を有する。
【0052】
公知の態様によれば、シール部材12及びカウンターシール部材13は、互いに周期的に協働するように、互いに向かって及び互いに離れて繰り返し移動可能であり(図4)、それにより、チューブ3をシールするために、前記断面において顎状にチューブ3を締め付けてシールし、第1の方向Z及び第2の方向Xの両方に直交する第3の方向Yに沿って延びる横方向のシールバンドを画定する。
【0053】
好都合なことに、装置8は2つのシール装置11からなり、それぞれのシール装置11は、軸A(及び第1の方向Z)に沿って、それぞれの対の成形シェル10と一体的に運動する。
【0054】
詳細には、各シール装置11及び各一対の成形シェル10について、シール部材12は一方の成形シェル10と一体であり、好ましくは後者の下方に配置され、カウンターシール部材13は他方の成形シェル10と一体であり、好ましくは後者の下方に配置される。
【0055】
この目的のために、装置8は、軸Aの反対側、特にチューブ3の反対側に配置された少なくとも1つ、特に2対のアーム14を備え、各対のアームは、一対の成形シェル10と1つのシール装置11を担持する。
【0056】
各対のアームについて、アーム14は、
- 軸Aに直交する方向に沿って、特に第2の方向Xに沿って、互いに近接して、及び互いに離れて移動が可能であり;
- 軸Aに沿ったチューブ3の前進に追従するように、第1の方向Zに沿って往復移動が可能である。
【0057】
このようなアーム14の往復運動や周期運動、シェル10、シール部材12、カウンターシール部材13の形成は公知であり、例えば国際公開第2007114752号に記載されている。
【0058】
このようにして、各組のアーム14は、それぞれの組の成形シェル10の動きと、それぞれのシール装置11の動きを制御し、決定する。
【0059】
実際には、アーム14は、交互に移動可能な成形ジョーとシールジョーを画定しており、この成形ジョーは、その連続部分でチューブ3と相互作用するように、第1の方向Zと第2の方向Xに往復運動で制御可能である。
【0060】
簡潔にするために、以下では、一対の成形シェル10と1つのシール装置11を搭載する一対のアーム14について言及する。しかしながら、このような一対のアーム14の機能的及び構造的特徴は、装置8の他の一対のアーム14にも同様に適用可能である。
【0061】
一対のアーム14は以下のものを含む:
- シール部材12と1つの成形シェル10を担持する第1のアーム14a;及び
- カウンターシール部材13と一方の成形シェル10を担持する第2のアーム14b。
【0062】
第1のアーム14aと第2のアーム14bは、実質的に第3の方向Yに沿って延びるように配置されている。
【0063】
以上のことから、シール部材12とカウンターシール部材13は、アーム14の動きによって、チューブ3をシールするために、互いに顎状に周期的に協働するように構成されている。
【0064】
好ましくは、シール部材12は、ヒートシールプラスチック材料の外層を局所的に加熱するための加熱手段を備える。
【0065】
詳細には、シール部材12とカウンターシール部材13の間に把持された各チューブ部分は、加熱手段によってヒートシールされ、この加熱手段は、使用時に、把持領域のヒートシール可能なプラスチック材料を局所的に溶融させる。
【0066】
一実施形態では、シール部材12は、バリア層が導電性材料で作られている場合には、使用時にバリア層に電流を誘導する公知のインダクタを備える。誘導電流により、バリア層が加熱され、それによりプラスチック材料が局所的に加熱される。
【0067】
別の実施形態では、シール部材12は、超音波振動によって熱を発生するように構成された公知のソノトロードを備える。
【0068】
好ましくは、シール部材12がインダクタを備える場合、カウンターシール部材13は、シール部材12に対向し、後者のための当接面を規定するエラストマー要素を備える。
【0069】
以上のことから、シール部材12は外層のプラスチック材料を局所的に加熱する。したがって、シール部材12を冷却する必要性がある。
【0070】
この目的のために、包装アセンブリ1、特に装置8は、少なくともシール部材12に向けて冷却流体及び/又は潤滑流体を供給するための分注装置15をさらに備える。
【0071】
好ましくは、流体は水である。
【0072】
分注装置15は第2のアーム14bによって運ばれる。
【0073】
特に、分注装置は、シール部材12に向けて流体を噴霧するためのノズル15を備える。
【0074】
図2、3、4、5、6に開示されているとおり、ノズル15は第2のアーム14bに固定的に取り付けられている。
【0075】
詳細には、ノズル15は第2のアーム14bと一体的に動作する。
【0076】
以上のことから、ノズル15は、第2のアーム14bが第1のアーム14aに近接したり、離れたりする動きと一体となっている。
【0077】
さらに、ノズル15は第2アーム14bの往復運動と一体化している。
【0078】
有利には、ノズル15は、軸Aに横切る方向に沿って第1のアーム14aに近接して流体を噴霧するために、第2のアーム14bによって運ばれ、好ましくは固定的に取り付けられる。
【0079】
この構成は、図3に特に示されている。
【0080】
特に、装置8は2つの分注装置、すなわちノズル15を備え、それぞれが一対のアーム14と関連している。
【0081】
特に、各対のアーム14の第2のアーム14bは、それぞれのシール部材12に向けて水を噴霧するための1つのそれぞれのノズル15を担持しており、このノズル15は、そのような第2のアーム14bに対向し相対する第1のアーム14aによって担持されている。
【0082】
上記の構成のおかげで、流体を各シール部材12に向けてより正確に供給することができ、それによって、水が重力によってのみシール部材12を周回する、チューブ3及びシール部材12に対して固定位置に配置されたダクトによって上方から水が供給される場合と比べて、より効果的な局所的冷却を得ることができる。
【0083】
さらに、ノズル15の有利な構成により、シール部材12のより効率的な潤滑が可能になる。
【0084】
好ましくは、各ノズル15は、それ自体既知であり図示されていない冷却及び/又は潤滑流体の供給源、例えば貯水槽に流体接続されている。
【0085】
図示されていない代替実施形態によれば、包装アセンブリ1、特に装置8は、各アーム14に対して1つのノズル15を備え、すなわち、各対のアーム14について、第1のアーム14a及び第2のアーム14bの各1つが1つのノズル15を担持する。
【0086】
このようにして、シール装置11の冷却及び/又は潤滑の効率はさらに改善される。
【0087】
図2及び図3に見えるように、第1のアーム14a及び第2のアーム14bのそれぞれは、
- チューブ3又は軸Aに面するように構成され、シール部材12又はカウンターシール部材13が取り付けられる第1の部分16と、
- アーム14自体に平行な方向に沿って、特に第3の方向Yに沿って、第1の部分16に隣接する第2の部分17と、
を備える。
【0088】
詳細には、各第1部分16は、1つの成形シェル10と、シール部材12及びカウンターシール部材13の一方を担持している。
【0089】
従って、第1アーム14aの第1部分16は、第2アーム14bの第1部分16に面している。
【0090】
有利なことに、ノズル15は、チューブ3を介することなく第1アーム14aの第1部分16に向かって流体を噴霧するために、第2アーム14bの第2部分17に取り付けられている。言い換えれば、チューブ3は、第1アーム14aの第1部分16に向かう、すなわちシール部材12に向かう流体の流れを妨げない。
【0091】
実際には、ノズル15は、使用時に、噴霧された流体がチューブ3を迂回する、又は回避するように配置される。
【0092】
より正確には、ノズル15は、流体を、第2の方向Xに対して傾斜した第4の方向Wに沿ってシール部材12に向けるために配置される。
【0093】
特に、第4の方向Wは、第2の方向Xと第3の方向Yの両方に対して傾斜している。より詳細には、第4の方向Wは、第1の方向Zに対しても傾斜している。
【0094】
このようにして、ノズル15は、第1の部分16の間に配置されたチューブ3を第2の方向Xに対して相対的に介在させることなく、流体をシール部材12に向けて直接噴霧することができる。
【0095】
好ましくは、ノズル15は、シール部材12がカウンターシール部材13から離間しているときに、シール部材12に向かって流体を噴霧するように構成される。
【0096】
特に、ノズル15は、シール作業が完了し、シール部材12とカウンターシール部材13が第2の方向Xに沿って互いに離れるように移動し、アーム14が第1の方向Zに沿って上方に移動し始めるとすぐに、流体を噴霧するように構成される。
【0097】
このようにして、シール部材12はシールサイクルの終了直後に冷却され、次のシールサイクル中の過熱を避けることができる。
【0098】
あるいは、ノズル15は、シール部材12とカウンターシール部材13との間の顎状協働中に流体を噴霧するように構成される。
【0099】
この場合、ノズル15は、第1の方向Zに沿ったアーム14の下方への移動中に流体を噴霧する。
【0100】
このようにして、シール部材12はシールサイクルの全行程で冷却され、シール動作中の過熱を回避し、インダクタ又はソノトロードのプラスチック材料への固着を回避することができる。
【0101】
一実施形態では、ノズル15は、シール作業中に流体を連続的に噴霧するように構成される。
【0102】
このようにして、インダクタやソノトロードの過熱をさらに防ぐことができる。
【0103】
さらに、成形シェル10は、チューブ3との間で周期的に移動するため、チューブ3と協働する間に一定の摩擦を生じることが当該分野で知られている。したがって、成形シェル10を潤滑する必要性がある。
【0104】
この目的のために、本発明によるノズル15は、有利には、霧化された流体の雲18(図3図4、特に図5及び図6に見える)を形成するために流体を霧化するように構成される。
【0105】
特に、ノズル15は、クラウド18がシェル10を取り囲んで周回するように流体を霧化するように構成される。
【0106】
より正確には、前述のネブライゼーションによって、ノズル15は、運転中、チューブ3の周囲に懸濁状態で残る複数の液滴18aを生成するように構成され、それによってチューブ3をラッピングし、シェル10を形成する。
【0107】
より具体的には、前述したアーム14の往復運動により、また、アーム14が互いに近づいたり離れたりする運動により、ノズル15は、チューブ3の周囲の軸方向に細長い領域を占める雲18を形成するように構成される。
【0108】
このような動きにより、成形シェル10は、シール部材12及びカウンターシール部材13とともに、常にこのような雲18に浸される。
【0109】
この構成は、ノズル15が動作中に流体を連続的に霧化する場合に特に有効である。
【0110】
上記の構成のおかげで、ノズル15が流体をシール部材12に向けて直接噴射するにもかかわらず、成形シェル10を効率的かつ効果的に潤滑することができる。
【0111】
有利には、ノズル15は金属材料で作られている。このようにして、石灰石によるノズル流体通路の詰まりの危険性が低減される。
【0112】
以下、包装アセンブリ1の動作を、一対のアーム14を参照して説明し、アーム14がチューブ3の前進速度に合わせて第1の方向Zに沿って下方に移動している状態から開始する。
【0113】
この状態では、成形シェル10は、シール部材12とカウンターシール部材13と同様に、互いに向かって動き始める。
【0114】
シール部材12とカウンターシール部材13がチューブ3を把持することにより、チューブ3がシールされ、第3の方向Yに沿った横方向のシールバンドが形成される。
【0115】
その直後、成形シェル10がチューブ3を取り囲み、所望の外形を与える。
【0116】
成形とシーリングが終わると、成形シェル10は、シール部材12とカウンターシール部材13と同様に、互いに離される。
【0117】
本発明によれば、ノズル15は、操作中にシール部材12に向けて水を噴霧、特に霧状に噴射する。
【0118】
この操作は、装置8のもう一対のアーム14についても同様に繰り返される。
【0119】
本発明による包装アセンブリ1の利点は、前述の説明から明らかであろう。
【0120】
特に、上記の構成のおかげで、流体を各シール部材12に向けてより正確に供給することができ、それによって、ダクトによって上方から水を供給する場合と比べて、より効果的かつ局所的な冷却を得ることができる。
【0121】
さらに、分注装置は、水を噴霧するノズル15によって画定され、単にチューブ3に水を流すだけではないことから、本出願人は、流体(水)の消費量が減少することを確認した。
【0122】
ちなみに、上記の結果、完成したパッケージ2の構造的品質もさらに向上する。なぜなら、水の量が少ないと、ベース層の紙材料が(吸収によって)浸る危険性が減少し、それによってパッケージ2の望ましくない変形が減少するからである。
【0123】
最後に、前述の霧状の噴霧のおかげで、ノズル15が流体をシール部材12に向けて直接噴霧するという事実にもかかわらず、成形シェル10、そして一般に装置8の操作ゾーン全体の潤滑を確保することができる。
【0124】
それゆえ、摩擦の減少により、包装材料の構造的品質のみならず、成形シェル10の寿命も向上させることができる。
【0125】
添付の特許請求の範囲に定義される保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される包装アセンブリ1に変更を加えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】