(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】血圧測定方法、電子デバイス、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0225 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61B5/0225 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533250
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022139279
(87)【国際公開番号】W WO2023116546
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111569275.3
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210383491.7
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジア、ゼン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ホンバオ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ペン、ジアフイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジアビン
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA08
4C017AB02
4C017AC03
4C017BD06
4C017CC02
4C017CC06
4C017DD01
4C017DD14
4C017DE10
4C017FF08
(57)【要約】
血圧測定方法、電子デバイス、及び媒体が提供される。血圧測定方法において、ユーザに対して血圧測定を行うかどうか、及びユーザに対して血圧測定を行うのに使用する特定の血圧測定モードは、ユーザの睡眠ステータスに対する影響の度合いに基づいて決定される。測定モードは、第1の測定モード及び第2の測定モードに分類される。第1の測定モードにおいて、ユーザは、血圧測定要件を満たすために血圧測定姿勢を調節するよう促される必要がある。姿勢が調節されたことをユーザが確認した後に、ユーザに対して血圧測定が行われる。第2の測定モードにおいて、血圧測定姿勢を調節するようユーザに促すことなくユーザに対して血圧測定を行うことができ、最終的に、ユーザの血圧測定値は、その姿勢でのユーザの血圧測定値、及び血圧測定のために使用される姿勢でのユーザの血圧測定値の間の誤差に基づいて補償される。このようにして、ユーザの睡眠ステータスに対する血圧測定加圧の影響を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスに適用される血圧測定方法であって、前記ウェアラブルデバイスはフォトプレチスモグラフィPPGセンサ、マイクロポンプ、及びエアバッグを有し、前記方法は:
前記PPGセンサに基づいてユーザの心拍数を決定する段階;
前記ユーザの前記心拍数が第1の心拍数閾値より大きい場合に、第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;
前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記マイクロポンプを制御して、前記エアバッグに対して第1の測定動作を行う段階、ここで前記第1の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される;
前記ユーザの前記心拍数が第2の心拍数閾値より小さい場合に、現時点が第1の時間範囲内であるかどうか決定する段階、ここで前記第2の心拍数閾値は、前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい;及び
前記現時点が前記第1の時間範囲内である場合に、前記エアバッグに対して第2の測定動作を行うようマイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される
を備え、
前記第1の測定動作及び前記第2の測定動作について同じ加圧モードが使用される
方法。
【請求項2】
前記ウェアラブルデバイスがジャイロスコープセンサ及び圧力センサをさらに有し、前記圧力センサは、前記エアバッグの圧力を検出するように構成されており、前記方法は:
前記第1の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第1の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第2の信号を決定する段階;及び
前記第1の信号が第1の条件を満たす場合に、前記第1の測定動作の後に第2のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第2のユーザインタフェースは第1の血圧値を含み、前記第1の血圧値は前記第2の信号に基づいて決定される;又は
前記第1の信号が前記第1の条件を満たさない場合に、第3のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第3のユーザインタフェースは、測定が無効であることを前記ユーザに通知するために使用される
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のユーザインタフェースは、前記第1の測定動作が終了した後に表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェアラブルデバイスが前記ジャイロスコープセンサ及び前記圧力センサをさらに有し、前記圧力センサは、前記エアバッグの前記圧力を検出するように構成されており、前記方法は:
前記第2の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第3の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第4の信号を決定する段階;及び
前記第2の測定動作の後に、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する段階
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さい継続時間が第1の予め設定された継続時間より長い場合に、前記エアバッグに対して前記第2の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第1の予め設定された期間内である場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、前記血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;及び
前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記エアバッグに対して前記第1の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第2の予め設定された期間内である場合、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きい継続時間が第2の予め設定された継続時間より短い場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階
をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が第3の閾値より大きく第4の閾値より小さい場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階、ここで前記第3の心拍数閾値は前記第2の心拍数閾値より大きい又はそれに等しく、前記第4の心拍数閾値は前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい
をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第1の挟角を含み、前記第1の条件は、前記第1の挟角が第1の予め設定された角度範囲内であることを含む
請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第3の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第2の狭角を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する前記段階は:
前記第3の信号に基づいて第3の血圧値を決定し、前記第4の信号に基づいて第4の血圧値を決定する段階;及び
前記第3の血圧値及び前記第4の血圧値に基づいて前記第2の血圧値を決定する段階
を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の時間範囲が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の時間範囲が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の予め設定された期間が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の予め設定された期間が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項7に記載の方法。
【請求項17】
可読媒体であって、前記可読媒体は命令を記憶し、前記命令が電子デバイス上で実行されると、前記電子デバイスは、請求項1から16のいずれか一項に記載の血圧測定方法を行うことが可能になる、可読媒体。
【請求項18】
電子デバイスであって、前記電子デバイスは:
前記電子デバイスの1つ又は複数のプロセッサによって実行される命令を記憶するように構成されたメモリ;及び
前記電子デバイスのプロセッサのうちの1つであり、請求項1から16のいずれか一項に記載の血圧測定方法を行うように構成されたプロセッサ
を備える、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月21日に中国国家知識財産権局に出願された、「DYNAMIC BLOOD PRESSURE MONITORING DEVICE AND METHOD」と題する中国特許出願第202111569275.3号、及び2022年4月12日に中国国家知識財産権局に出願された、「BLOOD PRESSURE MEASUREMENT METHOD,ELECTRONIC DEVICE,AND MEDIUM」と題する中国特許出願第202210383491.7号の優先権を主張し、これらは両方とも、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、生理学的及び健康技術の分野に関し、特に、血圧測定方法、電子デバイス、及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ウェアラブルデバイス、例えばスマートウォッチは、ユーザの睡眠ステータスを監視する機能及びユーザの血圧を測定する機能の両方を有し得る。
【0004】
ウェアラブルデバイス、例えばスマートウォッチ(以下では「腕時計」と称される)が動的血圧監視を行うために使用される場合、通常、2つのユーザ姿勢があり、一方は座った姿勢であり、他方は横たわった姿勢である。座った姿勢とは、ユーザが椅子に座り、背中のサポートを有し、両足を地面につけ、手首にある腕時計を心臓と水平にするように腕を持ち上げ、次に、従来のオシロメトリック法を使用して、脈波に基づいて血圧を計算することを意味する。横たわった姿勢とは、ユーザがベッドの上に平らに横たわる又はベッドの側部に横たわることを意味する。この場合、手首にある腕時計及び心臓の間に高低差があり得る。横たわった姿勢を判定するためにジャイロスコープを使用する必要があり、次に、高低差により引き起こされた血圧測定の逸脱を補償する、すなわち、補正オシロメトリック法である。
【0005】
動的血圧監視を行う具体的な方式は、通常、ユーザが血圧測定開始時間及び間隔の継続時間を設定し、次に、ある期間の間隔でユーザに対して血圧測定を行うことである。しかしながら、ユーザが睡眠状態にあるときに動的血圧監視が行われると、ユーザの手首を加圧するプロセスにおいてウェアラブルデバイスがユーザを起こす場合があり、ユーザの睡眠に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0006】
前述の問題を解決するために、本願は、血圧測定方法、電子デバイス、及び媒体を提供する。
以下では、これを詳細に説明する。
【0007】
第1の態様によれば、本願の一実施形態は、ウェアラブルデバイスに適用される血圧測定方法を提供し、前記ウェアラブルデバイスはフォトプレチスモグラフィPPGセンサ、マイクロポンプ、及びエアバッグを含み、前記方法は:前記PPGセンサに基づいてユーザの心拍数を決定する段階;前記ユーザの前記心拍数が第1の心拍数閾値より大きい場合に、第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記マイクロポンプを制御して、前記エアバッグに対して第1の測定動作を行う段階、ここで前記第1の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される;前記ユーザの前記心拍数が第2の心拍数閾値より小さい場合に、現時点が第1の時間範囲内であるかどうか決定する段階、ここで前記第2の心拍数閾値は、前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい;及び前記現時点が前記第1の時間範囲内である場合に、前記エアバッグに対して第2の測定動作を行うようマイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される、を含み、前記第1の測定動作及び前記第2の測定動作について同じ加圧モードが使用される。
【0008】
ユーザのステータスを決定するためにユーザの心拍数が使用される。例えば、ユーザの心拍数が第1の心拍数閾値より大きい場合、ユーザが起床状態であると決定される。この場合、血圧測定要件を満たすために姿勢を調節するようユーザに促すために、対応するプロンプト情報が第1のユーザインタフェースに表示され得る。ユーザが姿勢を調節して後、ユーザは、第1の動作をタップすることによって、姿勢の調節が完了したことを確認してよく、その結果、ウェアラブルデバイスは血圧測定を行うことができる。具体的には、血圧測定プロセスは:ウェアラブルデバイスが、エアバッグに対して第1の測定動作を行うようマイクロポンプを制御することを含み、第1の測定動作は、エアバッグの膨張及び収縮を行うようにマイクロポンプを制御するために使用される。この血圧測定モードは、第1の測定モードとも称される。
【0009】
ユーザの心拍数が第2の心拍数閾値より小さい場合、ユーザが睡眠状態にあると決定され、現時点が第1の時間範囲内である場合、ユーザは促されない場合があり、次に、マイクロポンプは、エアバッグに対して第2の測定動作を行うよう制御され、ここで第2の測定動作は、エアバッグの膨張及び収縮を行うようマイクロポンプを制御するために使用される。この血圧測定モードは、第2の測定モードとも称される。
【0010】
さらに、第1の測定動作の加圧モードは、第2の測定動作のそれと同じである。すなわち、第1の測定動作及び第2の測定動作に関連する加圧プロセスにおいて、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値は、ユーザの血圧値のみに関連し、ユーザのステータスには無関係である。
【0011】
第1の時間範囲は夜間の範囲である。代替的に、第1の時間範囲は、ユーザの労働及び休息の傾向の統計データ収集に基づいて決定されてよく、又は、関連する動作設定インタフェースにおいてユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定されてよい。詳細については、以下の具体的な実施形態の部分で説明する。
【0012】
本方法によれば、ユーザの睡眠ステータスに対する影響を低減するために、ユーザのステータスに基づいて適切な測定モードでユーザに対して血圧測定が行われ得る。
【0013】
さらに、既存の解決手段とは異なり、ユーザが睡眠状態にあるとき、ユーザに対して血圧測定を行うためにユーザの手首に加えられる圧力の上限値を低減する方式は、血圧測定結果の精度を低下させる。本願の血圧測定方法では、加圧プロセスは各測定モードにおいて同じであり、すなわち、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値は、ユーザの血圧値のみに関連し、ユーザのステータスとは無関係である。したがって、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値は、ユーザが睡眠状態にある場合であっても減少しない。このようにして、本願における血圧測定方法はまた、血圧測定結果の精度を確実にする。
【0014】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記ウェアラブルデバイスがジャイロスコープセンサ及び圧力センサをさらに含み、前記圧力センサは、前記エアバッグの圧力を検出するように構成されており、前記方法は:前記第1の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第1の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第2の信号を決定する段階;及び前記第1の信号が第1の条件を満たす場合に、前記第1の測定動作の後に第2のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第2のユーザインタフェースは第1の血圧値を含み、前記第1の血圧値は前記第2の信号に基づいて決定される;又は前記第1の信号が前記第1の条件を満たさない場合に、第3のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第3のユーザインタフェースは、測定が無効であることを前記ユーザに通知するために使用される、をさらに含む。
【0015】
言い換えれば、第1の測定モードでユーザに対して血圧測定を行うプロセスにおいて、現在の血圧測定が有効であるかどうかは、ジャイロスコープセンサによって決定された第1の信号を参照して決定する必要がある。第1の信号が第1の条件を満たす場合、それは、現在の血圧測定が有効であることを示し、現在の血圧測定の結果が第2のユーザインタフェースに表示される。第1の信号が第1の条件を満たさない場合、それは、現在の血圧測定が無効であることを示し、現在の測定が無効であることをユーザに通知するために第3のユーザインタフェースが使用される。
【0016】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第1の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第1の挟角を含み、前記第1の条件は、前記第1の挟角が第1の予め設定された角度範囲内であることを含む。言い換えれば、現在の測定が有効かどうかは、ウェアラブルデバイス及び水平面の間の第1の挟角を検出することによって決定される。第1の挟角が第1の予め設定された角度範囲内である場合、現在の測定は有効であると決定される。第1の挟角が第1の予め設定された角度範囲内でない場合、現在の測定が無効であると決定される。第1の予め設定された角度範囲は、経験値又は実験値である。例えば、第1の予め設定された角度範囲は60°より大きく、90°より小さくてよい。
【0017】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、第3のユーザインタフェースは第1の測定動作が終了した後に表示される。言い換えれば、ユーザは、現在の測定が終了した後に、測定が無効であることを通知され得る。
【0018】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記ウェアラブルデバイスが前記ジャイロスコープ及び前記圧力センサをさらに含み、前記圧力センサは、前記エアバッグの前記圧力検出するように構成されており、前記方法は:前記第2の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第3の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第4の信号を決定する段階;及び前記第2の測定動作の後に、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する段階をさらに含む。
【0019】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第3の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第2の狭角を含む。
【0020】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する前記段階は:前記第3の信号に基づいて第3の血圧値を決定し、前記第4の信号に基づいて第4の血圧値を決定する段階;及び前記第3の血圧値及び前記第4の血圧値に基づいて前記第2の血圧値を決定する段階を含む。
【0021】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記方法は:前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さく、前記現時点が第2の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さい継続時間が第1の予め設定された継続時間より長い場合に、前記エアバッグに対して前記第2の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される、をさらに含む。言い換えれば、ユーザが睡眠状態にあり、現時点が日中であるとき、ユーザが深い睡眠状態に入ったかどうかを決定するために、ユーザが睡眠状態にある継続時間が第1の予め設定された継続時間を超えるかどうかをさらに決定する必要がある。ユーザが深い睡眠状態に入った場合、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定される。第1の予め設定された継続時間は、経験値又は実験値である。例えば、第1の予め設定された継続時間の値は30分であってよい。
【0022】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記方法が:前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第1の予め設定された期間内である場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、前記血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;及び前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記エアバッグに対して前記第1の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階をさらに含む。第1の予め設定された期間は、ユーザの労働及び休息の傾向についての統計データ収集に基づいて決定され得る。例えば、ユーザが、夜間の10:00から12:00まで労働状態にあることが多い場合、第1の予め設定された期間は労働期間である。言い換えれば、ユーザが起床状態にあり、現時点が夜間であり、かつ現時点も労働期間内である場合、第1の血圧測定モードでユーザに対して血圧測定が行われる。
【0023】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記方法は:前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第2の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第2の予め設定された期間内である場合、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階をさらに含む。第2の予め設定された期間は、ユーザの労働及び休息の傾向についての統計データ収集に基づいて決定され得る。例えば、ユーザが、夜間の10:00から12:00まで不眠状態であることが多い場合、第1の予め設定された期間は不眠期間である。言い換えれば、ユーザが起床状態にあり、現時点が夜間であり、かつ現時点も不眠期間内である場合、ユーザのその後の睡眠に影響を及ぼすことを回避するために、ユーザに対して血圧測定が実行されない。
【0024】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記方法が:前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きい継続時間が第2の予め設定された継続時間より短い場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階をさらに含む。言い換えれば、ユーザが起床状態にあり、現時点が夜間であり、かつユーザの心拍数が第1の心拍数閾値より大きい継続時間が第2の予め設定された継続時間より短い場合、それは、ユーザが、夜間に覚醒状態にある、又は夜間に短時間の起床状態にあることを示す。ユーザのその後の睡眠に影響を及ぼすことを回避するために、ユーザに対して血圧測定は行われない。第2の予め設定された継続時間は、経験値又は実験値である。例えば、第2の予め設定された継続時間の値は10分であり得る。
【0025】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記方法は:前記ユーザの前記心拍数が第3の閾値より大きく第4の閾値より小さい場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階をさらに含み、ここで前記第3の心拍数閾値は前記第2の心拍数閾値より大きい又はそれに等しく、前記第4の心拍数閾値は前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい。
【0026】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第1の時間範囲は以下の方式で決定され得る:前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される。
【0027】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第2の時間範囲は以下の方式で決定され得る:前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される。
【0028】
言い換えれば、第1の時間範囲及び第2の時間範囲は、ユーザの労働及び休息の傾向についての統計データ収集に基づいて決定され得る。例えば、ユーザの労働及び休息が、ユーザが20:00pmから翌日の6:00amまで休息し、ユーザが翌日の6:00amから20:00pmまで労働するというものである場合、第1の時間範囲は20:00pm~翌日の6:00であり得、第2の時間範囲は翌日の6:00am~20:00pmであり得る。
【0029】
代替的に、第1の時間範囲及び第2の時間範囲はユーザによって設定され得る。例えば、ユーザは、9:00am~22:00pmを第2の時間範囲として設定し、22:00pm~翌日の9:00amを第1の時間範囲として設定する。これは、本願において限定されるものではない。
【0030】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第1の予め設定された期間が以下の方式で決定され得る:前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される。
【0031】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記第2の予め設定された期間が以下の方式で決定され得る:前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される。
【0032】
第2の態様によれば、本願の一実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、コンピュータプログラム命令を記憶するメモリ、及びプロセッサを含み、プロセッサはメモリに連結されている。メモリに記憶されたコンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行されると、電子デバイスは、第1の態様の実装例のいずれか1つに記載の血圧測定方法を実装することが可能となる。
【0033】
第3の態様によれば、本願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1の態様の実装例のいずれか1つに記載の血圧測定方法が実装される。
【0034】
第4の態様によれば、本願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が電子デバイス上で起動されると、電子デバイスは、第1の態様の実装例のいずれか1つに記載の血圧測定方法を行うことが可能となる。
【0035】
第2の態様から第4の態様の有利な効果について、第1の態様における関連する説明を参照されたいことが理解され得る。ここでは、詳細を再び説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本願の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態又は従来の技術を説明するために添付図面について簡潔に説明する。以下の説明における添付図面は、単に、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、当業者は、創造的努力を伴わずにこれらの添付図面から他の図面をさらに導き得ることが明らかである。
【0037】
【
図1】本願の方法を実装するためのウェアラブルデバイスのハードウェア構造の図である。
【0038】
【
図2】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0039】
【
図3】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0040】
【
図4】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0041】
【
図5】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0042】
【
図6】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0043】
【
図7】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0044】
【
図8】本願の方法において提供される血圧測定モードを決定する図である。
【0045】
【
図9】本願の方法を実装するための概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、当業者によって一般的に使用される用語を使用することによって例示的な実施形態の態様について説明する。
【0047】
この解決手段の理解を容易にするために、本願におけるいくつかの基礎的概念及び技術用語について最初に説明する。
【0048】
血圧(blood pressure):血管内で血液が流れるときに血管の側壁に対して作用する、単位面積当たりの側圧。血圧は血流の主要な駆動機構である。人体の血圧は正常な変動範囲内に維持する必要があり、過度に高い又は低い血圧は人間の健康に対して悪影響を有する。異なる血管により、血圧は、動脈圧(上腕動脈)、静脈圧、及び毛細管圧に分類され得る。概して、測定される血圧は動脈圧である。
【0049】
オシロメトリック法:血圧を測定するための方法。具体的には、血管壁からの変動エンベロープは、血液が流れるときの血管壁の衝突により引き起こされる振動を通して取得され、血圧値は、変動エンベロープ及び動脈圧の間の関係を使用して取得される。具体的な測定中、人の脚にエアバッグなどを縛り付ける必要があり、測定されるユーザの動脈を圧縮するためにエアバッグが使用され、測定されるユーザの動脈における血圧がエアバッグに当たると、エアバッグ内部の気体圧力に圧力変動が生じ、次に、エアバッグ内部の気体圧力の変動ステータスに基づいて、測定されるユーザの血圧インジケータが計算される方法が使用される。この血圧測定方法は、血圧が通常、ウェアラブルデバイスを使用することによって測定される場合に、ユーザの血圧を測定するのに使用される。
図9を参照しながら、具体的な実装例の方法について以下で説明する。
【0050】
補正オシロメトリック法:血圧測定原理はオシロメトリック法の圧力測定原理と同じであり、血圧測定中にユーザの手首に加えられる圧力も同じである。しかしながら、上で説明したように、ユーザが横たわった姿勢にある、例えば、ユーザが平らに横たわった又は横向きに横たわったときに、手首にあるウェアラブルデバイス及びユーザの心臓の間に高低差があるため、その高低差により、上腕動脈及び心臓の間で静水圧差が引き起こされ、ユーザの血圧変化がもたらされる。概して、人体における血液の割合は、水銀の1/13.6である。したがって、上腕動脈及び心臓の間の水平距離が1cm短くなるたびに、人の血圧は概して1/13.6mmHg、すなわち、0.735mmHgだけ増加する。したがって、補正オシロメトリック法を使用することによってユーザに対して血圧測定を行う場合、最終的な血圧測定結果を取得するために、オシロメトリック法を使用することによって測定された血圧値は前述の高低差を使用することによって補償される。ビッグデータの統計によれば、ユーザが睡眠状態にある場合、ユーザは概して、平らに横たわった状態である。したがって、本願の実装例では、ユーザが睡眠状態にあると検出された場合、ユーザはデフォルトで平らに横たわった状態である。この場合、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している部分及び心臓の間の高低差によって引き起こされる血圧差は2つの事例に分類され得る:第1の事例では、ユーザは平らに横たわった状態にあり、ユーザの手は重ねて腹部の上に置かれている。この場合、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している部分及び心臓の間の高低差によって引き起こされる血圧値は、オシロメトリック法を使用することによって測定されるユーザの血圧値より3~5mmHgだけ低い。第2の事例では、ユーザは平らに横たわった状態にあり、ユーザの手はベッドの上に置かれている。この場合、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している部分及び心臓の間の高低差によって引き起こされる血圧値は、オシロメトリック法を使用することによって測定されるユーザの血圧値より3~5mmHgだけ高い。したがって、平らに横たわっている間のユーザの特定の姿勢に基づいて、オシロメトリック法を使用することによって測定されたユーザの血圧値を補償することが決定され得る。平らに横たわっている間のユーザの姿勢を決定するための方法については以下で説明しており、詳細については本明細書では説明しない。
【0051】
動的血圧監視:24時間動的血圧監視とも称される。これは、24時間以内のユーザの血圧変動の変化が検出されることを意味し、特定の時間の間隔での測定を通して取得された血圧値は動的血圧と称される。さらに、臨床的な血圧検出要件に基づき、動的血圧監視は通常、日中に15~20分ごとに1回行われ、測定値の数は20より多い必要がある。しかしながら、夜間の睡眠中は、測定は30分ごとに1回行われ、測定値の数は7より多い必要がある。このようにして、ユーザのよりプロフェッショナルで正確な血圧測定結果を提供するために、ユーザの睡眠に影響を及ぼすことなく、測定値のデータが臨床的な血圧検出要件を満たすことを確実にすることができる。本願の実装例では、これを説明のために一例として使用する。いくつかの実装例では、ユーザに対して動的血圧監視を行う場合、日中及び夜間の時間間隔は代替的には同じであり得ることが理解され得る。例えばは、検出は、日中に20分ごとに1回行われ、検出はまた、夜間には睡眠中に20分ごとに1回行われる。これは、本願において限定されるものではない。
【0052】
以下では、本願における血圧測定方法について説明する。
【0053】
背景において説明したように、従来の動的血圧測定方法では、ユーザが起床状態にあるか睡眠状態にあるかどうかにかかわらず、加圧機能が通常、自動的に有効化されており、ユーザの血圧を測定するためにユーザの手首が加圧される。このようにして、ユーザが睡眠状態にあるととき、特にユーザがただ眠りに落ちたときに、ユーザは容易に目を覚まし、ユーザの睡眠に影響が及ぼされる。
【0054】
さらに、現在の解決手段では、血圧測定プロセスにおいて、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値は、ユーザのステータスを参照して制御される。例えば、同じユーザについて、ユーザの血圧は140mmHgである。ユーザが起床状態にあるとき、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値は180mmHgである。ユーザが睡眠状態にあるとき、ユーザの睡眠状態に影響を及ぼすことを回避するために、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値は150mmHgである。しかしながら、一態様では、ユーザがただ眠りに落ちていて睡眠が浅い場合、又はユーザの睡眠が通常、日中の昼寝の間は浅い場合、低強度の加圧モード(例えば、ユーザの睡眠状態において、ユーザの血圧を測定するのに150mmHgの圧力が使用される)であっても、ユーザは目を覚ます場合があり、ユーザの睡眠に影響が及ぼされる。別の態様では、低強度の加圧モードにおける血圧測定の精度は概して、通常の強度の加圧モードにおける血圧測定の精度より低い。しかしながら、低強度の加圧モードが、通常の強度の加圧モードに対応する精度を取得するのにも使用される場合、より高度なハードウェア設備が使用され、これは間違いなく、ウェアラブルデバイスの製造コストを高めることになる。
【0055】
血圧測定がユーザの睡眠に影響を及ぼすことを防ぎ、血圧測定結果の精度を維持するために、本願は血圧測定方法を提供する。
【0056】
外部環境要因によって異なるステータスにあるユーザに干渉する難易度は異なることが理解され得る。したがって、ユーザのステータスは、外部環境要因によってユーザに干渉する難易度に基づいて、睡眠状態、擬似睡眠状態、及び起床状態に分類されてよく、ユーザの睡眠度合い、すなわち、ユーザが深い睡眠状態にあるか又は浅い睡眠状態にあるかは、ユーザが睡眠状態にある継続時間に基づいてさらに決定される。深い睡眠状態にあるユーザは外部環境要因によって干渉されることが困難であり、浅い睡眠状態にあるユーザは外部環境要因によって干渉されることが容易である。擬似睡眠状態は、ユーザが睡眠の準備をしている状態である。例えば、ユーザは、ベッドの上に平らに横たわり、目を閉じて休息し、また、外部環境要因によって干渉されることが容易である。ユーザが睡眠状態にある継続時間に基づいてユーザの睡眠度合いを決定することについて以下で説明する。
【0057】
これに基づき、本願における血圧測定方法では、ユーザに対して血圧測定を行うかどうかは、ユーザの異なるステータスに基づいて決定され得る。具体的には、ユーザが起床状態にあるとき、ユーザに対して血圧測定が行われ得る。ユーザが深い睡眠状態にあるとき、外部環境要因によって干渉されることが困難であるため、この場合にもユーザに対して血圧測定が行われ得る。ユーザが浅い睡眠状態にあるとき、外部環境要因によって干渉されることが容易であるため、この場合、ユーザに対して血圧測定が行われない場合がある。ユーザが擬似睡眠状態にあるとき、ユーザのその後の睡眠に影響を及ぼすことを回避するために、この場合、ユーザに対して血圧測定は実行されない。前述の方法によれば、ユーザの睡眠ステータスに対する血圧測定の影響を低減することができる。
【0058】
さらに、上で説明したように、ユーザの血圧を測定するとき、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している部位(例えば、手首)及び心臓の間の高低差をできるだけ小さくする必要がある。したがって、ユーザに対して血圧測定を行うとき、血圧測定結果がより正確になるように、血圧測定要件を満たすためにユーザの姿勢を調節するようユーザに促すことが提唱される。
【0059】
具体的には、本願のいくつかの実装例では、ユーザが血圧測定要件を満たすために姿勢を調節するように、ユーザが起床状態にあるときにユーザが促され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、心臓と水平になるように手首を持ち上げるようユーザに促すためにプロンプト情報を表示し、ジャイロスコープセンサを使用することによってウェアラブルデバイス及び水平面の間の角度を検出する。ウェアラブルデバイス及び水平面の間の角度が第1の条件を満たす場合、オシロメトリック法を使用することによってユーザの血圧が測定される。ウェアラブルデバイス及び水平面の間の狭角が第1の条件を満たさない場合、プロンプト情報がユーザに送られて、現在の測定が無効であることをユーザに通知する。第1の条件は、血圧測定に使用される特定の姿勢に基づいて予め設定される。例えば、ウェアラブルデバイスが心臓と水平になるように、ウェアラブルデバイスが装着されている手首をユーザが持ち上げることを血圧測定姿勢が要求する場合、ウェアラブルデバイスを装着している腕はユーザの身体に密接し、手のひらは肩に置かれ、予め設定された角度条件は、ウェアラブルデバイス及び水平面の間の角度が60°より大きいことである。説明を容易にするために、以下ではこのモードは第1の測定モードと称される。
【0060】
しかしながら、ユーザが睡眠状態にあるとき、ユーザは促されない。さらに、ユーザが睡眠状態にあるとき、ユーザはデフォルトで平らに横たわっている。したがって、この場合、ユーザの特定の平らに横たわった姿勢、例えば、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している手がユーザの腹部の上に置かれているか又はベッドの上に置かれているかに基づいて、対応する血圧測定補償値が決定され得る。具体的には、ユーザが手を腹部の上に置くときのウェアラブルデバイス及び水平面の間の狭角は、10°~20°であり、ユーザが手をベッドの上に置くときのウェアラブルデバイス及び水平面の間の狭角は0°~5°であり、2つの平らに横たわった姿勢におけるウェアラブルデバイス及び水平面の間の狭角は異なる。したがって、ユーザが睡眠状態にあるとき、ユーザの特定の平らに横たわった姿勢を決定するために、ジャイロスコープセンサを使用することによってウェアラブルデバイス及び水平面の間の狭角が検出され得る。次に、オシロメトリック法を使用することによる測定を通して取得されたユーザの血圧測定値は、前述の補正オシロメトリック法において、ユーザの特定の平らに横たわった姿勢に対応する血圧補償値に基づいて補償される。説明を容易にするために、以下ではこのモードが第2の測定モードと称される。第1の測定モードにおける加圧モードは、第2の測定モードにおけるそれと同じである。すなわち、ユーザの血圧が第1の測定モードで測定されるか又は第2の測定モードで測定されるかにかかわらず、血圧測定プロセスにおいて、ユーザの手首に対してウェアラブルデバイスによって加えられる圧力の上限値は、ユーザの血圧値のみに関連し、ユーザのステータスとは無関係である。
【0061】
さらに、第2の測定モードでは、実際の用途において、特に臨床的用途において、前述の動的血圧監視方法は概して、24時間以内のユーザの血圧変化ステータスを監視するのに使用されることが理解され得る。さらに、日中のユーザの血圧は夜間のユーザの血圧とは異なり、日中のユーザの血圧は概して、夜間の血圧より高い。したがって、動的血圧監視が使用されるとき、日中、及びユーザの睡眠に対する影響が低いことが確実である場合の夜間における血圧測定時間間隔及び測定値の数の要件は異なる。例えば、上で説明したように、日中の血圧測定時間間隔が概して短く、測定は15~20分ごとに1回行われ、測定値の数は20より多い又はそれに等しい必要がある。しかしながら、夜間にユーザの睡眠に対する影響を低減するために、血圧測定時間間隔は長く、測定は30分ごとに1回行われ、測定値の数は7より多い又はそれに等しい必要がある。
【0062】
したがって、本願における血圧測定方法を臨床的血圧監視分野に広く適用可能にするために、いくつかの実装例では、本願における血圧測定方法は、日中及び夜間におけるユーザの異なるステータスに基づいて、前述の異なる血圧測定モードを使用してユーザの血圧を測定することを決定するのにさらに使用される。異なる血圧測定モードを使用することによってユーザの血圧を測定することを決定する方式については、前述の関連する説明を参照されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0063】
日中及び夜間が区別されていない前述の血圧測定方式との相違点は、ユーザは、日中よりも夜間に眠りに落ちる可能性が高く、夜間の血圧測定時間間隔が長いことである。したがって、ユーザが夜間に睡眠状態にあるとき、ユーザが深い睡眠状態にあるかどうかは、ユーザが睡眠状態にある継続時間に基づいて決定されない場合があり、ユーザは、ユーザが夜間に眠りに落ちた後にデフォルトで深い睡眠状態にある。言い換えれば、ユーザが夜間に睡眠状態にあるとき、ユーザの血圧が第2の測定モードで測定される。
【0064】
さらに、ほとんどの人が夜間に起床状態にある場合についてのビッグデータの統計に基づき、夜間に起床状態にある場合、ほとんどの人は通常、夜間に起きる、夜間に労働/楽しむ、又は、不眠であることを知ることができる。これらの状態では、ユーザに対して血圧測定を行うかどうかは、ユーザの睡眠に対して異なる影響を有する。例えば、ユーザは、夜間に起きた後に睡眠を継続する。この場合、ユーザの血圧を測定することはユーザのその後の睡眠に影響を及ぼす場合があり、ユーザが不眠である場合も、血圧を測定することはユーザのその後の睡眠に影響を及ぼす。
【0065】
したがって、本願の実装例では、ユーザの夜間の起床状態は、夜間におけるユーザのその後の睡眠に対する影響に基づいて、夜間覚醒状態、夜間労働/娯楽状態、及び不眠状態にさらに分類される。次に、夜間におけるユーザの異なる起床状態に基づき、ユーザの血圧を測定するために前述の異なる血圧測定モードを使用することが決定される。
【0066】
具体的には、ユーザが夜間覚醒状態又は不眠状態にあるとき、ユーザの血圧を測定することは、この場合、ユーザのその後の睡眠に影響を及ぼす。したがって、ユーザに対して血圧測定が行われない。ユーザが夜間労働/娯楽状態にあるとき、ユーザの血圧は迅速な測定モードで測定される。
【0067】
前述の方法では、ユーザの血圧に対する血圧測定の影響を低減し得るように、日中及び夜間におけるユーザの異なるステータスを参照して異なる血圧測定モードでユーザの血圧が測定され、本願の血圧測定方法の適用範囲を広げるために、臨床的な動的血圧監視の関連する要件も満たされることを知ることができる。以下では、これを説明のための一例として使用する。
【0068】
説明を容易にするために、本願における血圧測定方法では、ユーザの1日の継続時間(日中及び夜間)を、ほとんどのユーザの労働及び休息の傾向に基づいて、第1の時間範囲(例えば、9:00am~20:00pm)及び第2の時間範囲(例えば、20:00pm~翌日の9:00am)に分割する。第1の時間範囲及び第2の時間範囲は、代替的には、ユーザの労働及び休息の傾向に基づいてユーザによって設定され得る。例えば、ユーザは、10:00am~22:00pmを第1の時間範囲として設定し、22:00pm~翌日の10:00amを第2の時間範囲として設定し得る。これは、本願において限定されるものではない。いくつかの実装例では、ユーザは、代替的には、特定の要件に基づいて、日中及び夜間を複数の時間範囲に分割し得る。例えば、日中を、2つの時間範囲、すなわち、6:00~12:00及び12:00~18:00に分割し、夜間も2つの時間範囲、すなわち、18:00~22:00及び22:00~翌日の6:00に分割する。これは、本願において限定されるものではない。
【0069】
次に、予め設定された血圧測定時間に、時間範囲及びユーザのステータスに基づいて異なる血圧測定モードでユーザの血圧が測定される。予め設定された血圧測定時間は動的血圧監視時間であり、動的血圧監視の開始時間はユーザによって設定され得る。例えば、ユーザは動的血圧監視の開始時間を00:00に設定し得る。次に、動的血圧監視は、第1の時間範囲では20分ごとに1回行われ、第2の時間範囲では30分ごとに1回行われる。これは、本願において限定されるものではない。いくつかの他の実装例では、動的血圧監視測定値要件が満たされる場合、異なる時間範囲における動的血圧監視の測定時間間隔は、代替的には、具体的な事例に基づいてユーザによって設定され得る。これは、本願において限されるものではない。
【0070】
具体的には、ユーザが第1の時間範囲において起床状態にあるとき、ユーザの血圧は第1の測定モードで測定される。ユーザが第1の時間範囲において深い睡眠状態にあるとき、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定される。ユーザが第1の時間範囲において深くない睡眠状態にあるとき、ユーザの血圧は測定されない。ユーザが第2の時間範囲において睡眠状態にあるとき、上で説明したように、ユーザはデフォルトで深い睡眠状態にあり、すなわち、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定される。ユーザが第2の時間範囲において起床状態にあるとき、上で説明したように、ユーザの血圧を測定する方式は、ユーザが夜間覚醒状態、夜間労働/娯楽状態、又は不眠状態にあるかどうかに基づいてさらに決定される。ユーザが夜間覚醒状態又は不眠状態にある場合、ユーザのその後の睡眠に影響を及ぼすことを回避するために、ユーザの血圧は測定されない。ユーザが夜間労働/娯楽状態にある場合、ユーザの血圧は第1の測定モードで測定される。しかしながら、ユーザが擬似睡眠状態にあるとき、ユーザがどの範囲にあるかにかかわらず、ユーザの血圧は測定されない。
【0071】
より具体的には、例えば、予め設定された血圧測定時間に、ユーザが第1の時間範囲(9:00~20:00)に起床状態にあると検出される。ユーザが9:00~20:00に起床状態にあるため、この場合、ユーザの血圧は第1の測定モードで測定される。いくつかの実装例では、プロンプト方式は、振動、音声ブロードキャストを通してプロンプトを行う、又はプロンプト情報をユーザに送ることによって行う方式を含むが、これらに限定されない。これは、本願において限定されるものではない。
【0072】
別の例として、予め設定された血圧測定時間に、ユーザが第2の時間範囲(20:00~9:00)に起床状態にあると検出され、ユーザが夜間覚醒、不眠、又は夜間労働/学習/娯楽状態などであり得ることが推測され得る。したがって、ユーザが夜間覚醒又は不眠シナリオにあるか、夜間労働/学習/娯楽状態などにあるかをさらに決定する必要があり、次に、ユーザのステータスを参照して、ユーザの血圧を測定するための特定の血圧測定モードが決定される。ユーザが夜間覚醒状態にある場合、ユーザは、ユーザが夜間に起きた後に再び睡眠状態に入るため、この場合、ユーザに対する血圧測定はユーザのその後の睡眠に影響を及ぼす。さらに、夜間に起きる間にユーザの動きは大きく変動し、この場合、ユーザに対する血圧測定の結果が不正確であり得る。したがって、ユーザが夜間覚醒状態にあるとき、ユーザに対して血圧測定は行われない。ユーザが不眠状態にある場合、ユーザの睡眠に対する影響を悪化させることを回避するために、ユーザに対して血圧測定は行われない。ユーザが夜間労働/学習/娯楽状態などにある場合、ユーザの血圧は第1の測定モードで測定される。具体的には、いくつかの実装例では、ユーザが夜間労働/学習/娯楽状態などにある場合、ユーザに対して血圧測定を行う前に、ウェアラブルデバイスは、血圧測定姿勢を調節するようユーザに促すために、「手首の位置が心臓と水平であることを確認してください」というプロンプト情報を表示し得、ユーザが対応する確認ボタンをタップして姿勢の調節が完了したことを確認した後に、ウェアラブルデバイスは続いてユーザに対して血圧測定を行う。
【0073】
別の例として、予め設定された血圧測定時間に、ユーザが第1の時間範囲(9:00~20:00)に睡眠状態にあると検出される。上で説明したように、ユーザは日中には睡眠が浅く、外部の干渉を受けやすい。したがって、ユーザが深い睡眠状態にあるかどうかを決定するために、ユーザが睡眠状態にある時間が第1の予め設定された値より長いかどうかをさらに決定する必要がある。ユーザが睡眠状態にある時間が第1の予め設定された値を超える場合、それは、ユーザが深い睡眠状態に入ったことを示している。この場合、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定され得る。第1の予め設定された値は、経験値又は実験値である。例えば、第1の予め設定された値は1.5時間であり得る。
【0074】
別の例として、予め設定された血圧測定時間に、ユーザが第2の時間範囲(20:00~翌日の9:00)に睡眠状態にあると検出された場合、一態様では、上で説明したように、第2の時間範囲の測定間隔(30分)は第2の時間範囲の測定間隔(20分)より長く、第1の時間範囲の継続時間(9:00~20:00)は第2の時間範囲の継続時間(20:00~9:00)より短い。したがって、ユーザが睡眠状態にある継続時間が第1の予め設定された値を超えたとなお決定された場合、取得された夜間測定データの数は、臨床的な動的血圧監視のために使用される7以上の数を満たさない場合がある。別の態様では、生理学的な観点から、ユーザは、日中よりも夜間に寝る可能性が高い。例えば、ユーザの身体は睡眠のために夜間にメラトニンを分泌し、環境の干渉又は騒音及び周囲光などの人的要因に起因して日中に寝ることがより困難である。したがって、ユーザが第2の時間範囲に睡眠状態にあると検出された場合、ユーザが睡眠状態にある継続時間が第1の予め設定された値より長いかどうかを決定することは不要であるが、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定される。
【0075】
別の例として、予め設定された血圧測定時間に、ユーザが第1の時間範囲(9:00~20:00)又は第2の時間範囲(20:00~翌日の9:00)に擬似睡眠状態にあると検出される。ユーザは寝ている、例えば、平らに横たわって休息している場合があるため、この場合、ユーザの睡眠に影響を及ぼすことを回避するために、ユーザに対して血圧測定は行われない。
【0076】
前述の方法によれば、ユーザの睡眠に影響を及ぼすことなく圧力測定結果の精度を確実にすることができ、臨床的な動的血圧監視要件も満たすことができ、その結果、正確かつプロフェッショナル血圧測定結果がユーザに提供されて、ユーザ体験が向上する。
【0077】
血圧測定方法は、スマートウォッチ又はスマートバンドなどのウェアラブルデバイス、又は任意のデバイスに適用され得る。ウェアラブルデバイスは、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)、Harmony(商標)、又は別のオペレーティングシステムがインストールされた携帯型端末デバイスを含むがこれらに限定されない。ウェアラブルデバイスの具体的なタイプは本願において限定されない。
【0078】
図1は、本願の一実施形態によるウェアラブルデバイスのハードウェア構造の図である。
【0079】
図1に示されるように、ウェアラブルデバイス100の構造は、コントローラ110、フォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography:PPG)センサ111、圧力センサ112、空気ポンプ113、加速度計(accelerometer:ACC)センサ114、エアバッグ115、時計116、ディスプレイ117、モータ118、ジャイロスコープセンサ119、及びメモリ120を含む。
【0080】
いくつかの実装例では、PPGセンサ111及び/又はACCセンサ114は、ユーザのステータス、すなわち、ユーザが起床状態、擬似睡眠状態、又は睡眠状態にあるかを監視するように構成された睡眠監視モジュールを形成し得る。
【0081】
PPGセンサ111は、ユーザの心拍数に基づいてユーザのステータスを決定するために、ユーザの心拍数を収集するように構成されている。例えば、起床状態にあるユーザの心拍数は概して70回/分である。ユーザが睡眠状態にあるとき、心拍数は10~15回/分だけ下がり、55回/分~60回/分に変化する。ユーザが擬似睡眠状態にあるとき、ユーザの心拍数はその2つの間である。したがって、いくつかの実装例では、55回/分~60回/分の心拍数に対応する状態が睡眠状態に設定され得、70回/分以上の心拍数に対応する状態が起床状態に設定され得、60回/分~70回/分の心拍数に対応する状態が擬似睡眠状態に設定され得る。心拍数には個人差があることが理解され得る。したがって、いくつかの実装例では、前述の状態は、代替的には、心拍数及び生理学的インジケータデータ、例えば、特定のユーザの労働及び休息ステータス及び対応する心拍数に基づいて設定されてよく、その結果、心拍数及びユーザのステータスの間の対応関係が、特定のユーザの実際の状況についてより好適となり得る。これは、本願において限定されるものではない。
【0082】
いくつかの実装例では、正常な洞調律の間隔シーケンス及び呼吸信号も、PPGセンサ111によって収集された心拍数信号から抽出され得、ヒルベルト・ファン変換(Hilbert-Huang Transform:HHT)技術を使用することによって2つの信号の相関関係及びクロススペクトルパワーが分析され、次に、睡眠中の心肺カップリング(cardiopulmonary coupling:CPC)動的スペクトルが生成されて、ユーザのステータスが決定されることが理解され得る。これは、本願において限定されるものではない。
【0083】
ACCセンサ114は、ユーザが連続運動を有しているかどうか、すなわち、ユーザが連続運動状態にあるかどうかを決定して、ユーザのステータスをさらに決定するために、ユーザの加速度データを収集するように構成されている。例えば、ある期間においてユーザの加速度値が0ではない、又は予め設定された加速度閾値より大きいと検出された場合、この場合、それはユーザが連続運動状態にあることを示し、また、ユーザが起床状態にあると決定され得る。ある期間(例えば、20分)においてユーザの加速度値が0である、又は予め設定された加速度閾値より小さいと検出された場合、それはユーザが連続運動状態にない、すなわち、ユーザは睡眠状態又は擬似睡眠状態にあり得ることを示す。この場合、ユーザのステータスは、PPGセンサ211によって収集されたユーザの心拍数を参照してさらに決定され得る。PPGセンサ111によって収集されたユーザの心拍数が60回/分より少ない場合、ユーザが睡眠状態にあると決定され得る。PPGセンサ111によって収集されたユーザの心拍数が60回/分より多い場合、ユーザが擬似睡眠状態にあると決定され得る。
【0084】
空気ポンプ113、エアバッグ115、及び圧力センサ112は、システムバスを使用することによってコントローラ110への通信接続を確立し、エアバッグ115は、空気ポンプ113及び圧力センサ112に接続されている。ウェアラブルデバイス100が、エアバッグ115を膨張及び収縮させるように空気ポンプ113を制御するとき、ウェアラブルデバイス100は、血管を圧縮し、圧力センサ112を使用することによって脈波信号を収集し、次に、脈波信号を使用することによってユーザの血圧値を当てはめ得る。いくつかの実装例では、第1の測定モードに対応して、血圧測定姿勢が調節されたとユーザが確認するタッチ操作を検出した後に、ウェアラブルデバイス100は、エアバッグ115に対して第1の測定動作を行うよう空気ポンプ113を制御し、すなわち、血管を圧迫して圧力センサ112を使用することによって脈波信号を収集するために、エアバッグ115を膨張及び収縮させるよう空気ポンプ113を制御し、次に、ユーザの第1の血圧値を当てはめる。いくつかの他の実装例では、第2の測定モードに対応して、ウェアラブルデバイス100は、エアバッグ115に対して第2の測定動作を行うよう空気ポンプ113を制御し、すなわち、血管を圧迫して圧力センサ112を使用することによって脈波信号を収集するために、エアバッグ115を膨張及び収縮させるよう空気ポンプ113を制御し、次に、ウェアラブルデバイス100及び水平面の間にあり、ジャイロスコープセンサ119によって検出される狭角に対応する血圧補償値を参照してユーザの第2の血圧値を計算する。第1の測定動作及び第2の測定動作は同じ加圧モードに対応する。同じ加圧モードとは、ユーザの手首に加えられる圧力の上限値が、ユーザの血圧値のみに関連し、ユーザのステータスとは無関係であることを意味する。時計116は、クロック情報を取得するように構成されている。本願のこの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、PPGセンサ111及びACCセンサ114を参照してユーザの睡眠状態をさらに決定するために、クロック情報を取得することによって、現時点が第1の時間範囲であるか、又は第2の時間範囲であるかを決定し、次に、時間範囲及びユーザの睡眠状態に基づいて異なる血圧測定モードでユーザに対して血圧測定を行い得る。
【0085】
ジャイロスコープセンサ119は、狭角を使用することによってユーザの血圧値補償を行う方式を後に決定するために、ユーザがウェアラブルデバイス100を装着している腕及び水平面の間の狭角を検出するように構成されている。いくつかの実装例では、ジャイロスコープセンサ119は、第1の測定モードにおいて、ウェアラブルデバイス100が、決定する結果に基づいて現在の測定が無効であるかどうか決定することができるように、ウェアラブルデバイス100及び水平面の間の狭角が第1の条件を満たすかどうかを検出するようにさらに構成され得る。
【0086】
コントローラ110は、中央処理装置(central processing unit、CPU)であり得る。コントローラ110は、ユーザのものであり、PPGセンサ111、ACCセンサ114、及び時計116によって決定される時間範囲及びステータスを参照して、ユーザの血圧を測定するための特定の血圧測定モードを決定し、特定の血圧測定モードに基づいて、エアバッグ115を膨張させる又はエアバッグ115を収縮させるよう空気ポンプ113を制御し得る。
【0087】
メモリ120は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory:RAM)などの揮発性メモリ(volatile memory)を含み得る;メモリはまた、リードオンリメモリ(read-only memory:ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive:HDD)、又はソリッドステートドライブ(solid-state drive:SSD)などの不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含み得る;又は、メモリは前述のタイプのメモリの組み合わせをさらに含み得る。いくつかの他の実装例では、ユーザが睡眠状態に入った時点に基づいてユーザが睡眠状態に入っている継続時間を決定する、又は、ユーザが起床状態に入った時点に基づいてユーザが起床状態に入っている継続時間を決定するために、メモリ120はさらに、ユーザが睡眠状態に入った時点及びユーザが起床状態に入った時点を毎回記録し得る。
【0088】
図1に示される構造は単に一例に過ぎず、ウェアラブルデバイス100のハードウェア構造に対して具体的な制限を構成するものではないことが理解され得る。別の実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、圧力センサ、スピーカ、及びジャイロスコープセンサなどのより多くのハードウェアをさらに含み得る。
【0089】
以下では、
図2から
図8を参照して、本願における血圧測定方法の具体的な実装例のプロセスについて説明する。
【0090】
上で説明したように、予め設定された血圧測定時間は、00:00から開始して、第1の時間範囲では測定が20分ごとに1回行われ、第2の時間範囲では測定が30分ごとに1回行われるようなものであり得る。
【0091】
例えば、予め設定された血圧測定時間が13:00であると想定する。予め設定された血圧測定時間が到来した後に、ウェアラブルデバイス100はユーザの現在のステータスを検出する。ユーザが起床状態にある場合、
図2に示されるように、ユーザの血圧は第1の測定モードで測定される。ユーザが擬似睡眠状態にある場合、
図3に示されるように、ユーザのその後の睡眠に影響を及ぼすことを回避するために、ユーザの血圧は測定されない。
図4に示されるように、ユーザが睡眠状態にある場合、ユーザが睡眠状態にある継続時間が第1の予め設定された値より長いかどうかがさらに決定され、すなわち、ユーザが今回睡眠状態に入った時点から予め設定された血圧測定時間までの持続時間tが第1の予め設定された値より大きいかどうかが決定される。ユーザが睡眠状態にある時点から予め設定された血圧測定時間までの継続時間が第1の予め設定された値より大きいと決定された場合、それはユーザが深い睡眠状態に入り得ることを示し、この場合、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定される。ユーザが睡眠状態にある時点から予め設定された血圧測定時間までの継続時間が第1の予め設定された値より小さい又はそれに等しいと決定された場合、それはユーザが睡眠状態に入っている時間が短く、すなわち、ユーザが深い睡眠状態に入らない場合があることを示す。例えば、ユーザは労働のインターバルで昼寝をとるのみである。この場合、ユーザの睡眠を妨害することを回避するために、ユーザの血圧は測定されない。ユーザが睡眠状態にある継続時間を計算するとき、ウェアラブルデバイス100は、ユーザが今回睡眠状態に入った時点をメモリ120から取得し得、現時点、及びユーザが今回睡眠状態に入った時点の間の継続時間は、ユーザが今回睡眠状態に入った継続時間である。
【0092】
例えば、ユーザが睡眠状態に入って時点が12:30であるとウェアラブルデバイス100が検出し、予め設定された血圧測定時間13:00で終了する持続時間tが0.5時間であり、第1の予め設定された値(1.5時間)より短いと想定する。したがって、これは、ユーザが深い睡眠状態に入っていないことを示し、したがって、ユーザの血圧は測定されない。予め設定された血圧測定時間13:20が到来すると、この場合、ユーザが睡眠状態にある持続時間tが第1の予め設定された値を超えたかどうかを継続して検出する。持続時間tが第1の予め設定された値を超えない場合、ユーザの血圧は依然として測定されない。その後、予め設定された血圧測定時間が到来するたびに、ユーザが睡眠状態にある継続時間が第1の予め設定された値を超えたかどうかが、継続時間が第1の予め設定された値を超えるまで決定され、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定される。ユーザが睡眠状態にある継続時間が第1の予め設定された値を超えない場合、ユーザの血圧は測定されない。
【0093】
別の例として、予め設定された血圧測定時間が21:15であると想定する。ユーザのステータスは、予め設定された血圧測定時間が到来したときに検出される。予め設定された血圧測定時間にユーザが起床状態にあると検出された場合、最新の睡眠状態からのユーザの継続時間t2が第2の予め設定された値より長いかどうか、すなわち、予め設定された血圧測定時間及びユーザが前回睡眠状態に入った時点の間の継続時間t2が第2の予め設定された値より長いかどうかがさらに決定される。継続時間t2が第2の予め設定された値より長い場合、
図5に示されるように、それは、ユーザが夜間に長時間にわたり起床状態にあったこと、すなわち、ユーザは、夜間労働/学習/娯楽などのシナリオ又は夜間不眠状態にあり得ることを示す。ユーザが夜間労働/学習/娯楽状態などにある場合、ユーザの血圧は第1の測定モードで測定される。ユーザが夜間不眠状態にある場合、ユーザの睡眠に対する血圧測定の影響を悪化させることを回避するために、ユーザの血圧は測定されない。いくつかの実装例では、第2の予め設定された値は、経験値又は実験値である。例えば、第2の予め設定された値は10時間であり得る。
【0094】
いくつかの実装例では、具体的には、ユーザは、ユーザの労働及び休息の傾向に基づいてユーザの夜間労働/娯楽状態又は不眠状態を予め設定し得る。
【0095】
例えば、ユーザが夜間の期間に働く又は楽しむことが多い場合、ユーザは、ウェアラブルデバイスを使用することによって予め設定された血圧測定開始時間を設定するときに、対応する動作設定インタフェースにおいてその期間を労働又は娯楽期間として設定し得る。このようにして、ユーザが予め設定された血圧測定時間(21:15)に労働又は娯楽期間にあると検出するときも、ウェアラブルデバイス100はユーザが夜間労働/娯楽状態にあると決定し、ユーザの血圧を第1の測定モードで測定し得る。
【0096】
ユーザが夜間の期間に不眠であることが多い場合、ユーザは、ウェアラブルデバイスを使用することによって予め設定された血圧測定開始時間を設定するときに、対応する動作設定インタフェースにおいてその期間を不眠期間として設定し得る。このようにして、ユーザが予め設定された血圧測定時間(21:15)に不眠期間にあると検出するときも、ウェアラブルデバイス100はユーザが不眠状態にあると決定し、ユーザの血圧を測定しない。これは、本願において限定されるものではない。
【0097】
ユーザが予め設定された血圧測定時間に起床状態にあると検出されたが、ユーザが起床状態にある継続時間t3が第3の予め設定された値より短いことも検出された場合、
図6に示されるように、それは、ユーザが夜間覚醒シナリオにあり得る、すなわち、ユーザは短い期間だけ起きていることを示す。一態様では、ユーザは、夜間に起きた後に休息を継続し、この場合、ユーザの血圧を測定した場合、ユーザの睡眠は影響を受ける。別の態様では、ユーザはまた、夜間に起きたときにアクティブな状態にあり、ユーザの血圧に対する測定はこの場合、不正確であり得る。したがって、ユーザが予め設定された血圧測定時間に起床状態にある継続時間t3が第3の予め設定された値より短いと検出された場合、 ユーザの血圧は測定されない。いくつかの実装例では、第3の予め設定された値は、経験値又は実験値である。例えば、第3の予め設定された値は0.1時間であり得る。
【0098】
ユーザが予め設定された血圧測定時間に擬似睡眠状態にあると検出された場合、
図7に示されるように、ユーザの血圧は測定されない。ユーザが予め設定された血圧測定時間に睡眠状態にあると検出された場合、
図8に示されるように、上で説明したように、ユーザは、日中よりも夜間に深い睡眠状態に入る可能性が高く、言い換えれば、ユーザは、日中よりも迅速に睡眠状態に入ることができる。したがって、この場合、ユーザの血圧は第2の測定モードで測定され得る。
【0099】
前述の実装例のプロセスの理解を容易にするために、以下では、
図9を参照して、本願における血圧測定方法の具体的な実装例の詳細について説明する。方法はウェアラブルデバイス100によって実装される。別の実施形態では、方法は、代替的に、スマートフォンなどの別の電子デバイスと協働してウェアラブルデバイス100によって実装され得ることが理解され得る。例えば、スマートフォンが、ユーザのものであり、ウェアラブルデバイス100によって監視されているステータス及び時間範囲を取得し、次に、スマートフォンが、ユーザの血圧を測定するためにウェアラブルデバイス100によって使用される特定の血圧測定モードを制御する。これは、本願において限定されるものではない。
【0100】
901:クロック情報を取得する。
【0101】
ウェアラブルデバイス100は、時計116のクロック情報に基づいて、取得したクロック情報をコントローラ110に送り得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、時計116におけるローカル時間を読み出してクロック情報を取得し、取得したクロック情報をコントローラ110に送る。ローカル時間はユーザによって設定され得ることが理解され得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100の起動中のプロセスにおいて、特定の数のオフセットがローカル時間において生成され得る。結果として、ローカル時間のみに依拠することにより、取得した時間が正確で安定していることが確実でない場合がある。したがって、ウェアラブルデバイス100は無線通信モジュールをさらに有し、無線通信モジュールにおける電子デバイスから正確なネットワーク時間を正確なクロック情報として取得し得る。無線通信モジュールは、例えば、Bluetooth(登録商標)又は近距離無線通信(near field communication:NFC)であり得る。これは、本願において限定されるものではない。さらに、クロック情報は、代替的には、手動入力又は計算方式における自動較正などの任意の他の方式で取得され得る。これは、本明細書において限定されるものではない。いくつかの実施形態では、クロック情報は、全地球測位システム(global positioning system:GPS)時間サービスなどであり得る。
【0103】
902:予め設定された血圧測定時間に基づいて、ウェアラブルデバイスが第1の時間範囲にあるか第2の時間範囲にあるかを決定する。予め設定された血圧測定時間、第1の時間範囲、及び第2の時間範囲は全て、ユーザによって手動で設定され得る。例えば、ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて、ユーザは、9:00~20:00を第1の時間範囲として設定し、20:00~00:00及び00:00~9:00を第2の時間範囲として設定する。次に、ユーザは動的血圧測定開始時間を00:00に設定し、第1の時間範囲では測定が20分ごとに1回行われ、第2の時間範囲では測定が30分ごとに1回行われて、ユーザの労働又は休息に対して頻繁に影響を及ぼすことなく、第1の時間範囲及び第2の時間範囲における有効な測定値が前述の臨床的な動的血圧測定要件(日中における実効値の数が20より多い又はそれに等しく、夜間における実効値の数が7より多い又はそれに等しい)を満たすことを確実にする。
【0104】
いくつかの実施形態では、第1の時間範囲及び第2の時間範囲は代替的には他の時間範囲であり得る。例えば、7:00~22:00が第1の時間範囲であり、22:00~00:00及び00:00~7:00が第2の時間範囲である。これに対応して、各時間範囲における実効値が前述の臨床的な動的血圧測定要件を満たすことを確実にするために、要件に基づいて、予め設定された血圧測定時間及び時間間隔が代替的に調節され得る。これは、本願において限定されるものではない。
【0105】
第1の時間範囲(例えば、9:00~20:00)、第2の時間範囲、動的血圧測定開始時間(00:00)、及び時間間隔(第1の時間範囲では測定が20分ごとに1回行われ、第2の時間範囲では測定が30分ごとに1回行われる)が設定された後、予め設定された血圧測定時間に基づいて、ユーザが現在いる時間範囲が決定される。例えば、00:00から開始して、その期間の間の予め設定された血圧測定時間は00:30であると想定され、その時間に基づいて、ユーザが00:30にいる時間範囲が第2の時間範囲であると決定される。別の例として、00:00に開始して、その期間の間の予め設定された血圧測定時間が9:50であると想定され、その時間に基づいて、ユーザが9:50にいる時間範囲が第1の時間範囲であると決定される。
【0106】
903:ウェアラブルデバイスがある時間範囲に基づいて、ユーザのステータスを参照して血圧測定モードを決定する。上で説明したように、異なる時間範囲では血圧測定時間間隔が異なり、ユーザが深い睡眠に入る難易度も異なる。したがって、ユーザ第1の時間範囲及び第2の時間範囲において同じ状態にあっても、ユーザの睡眠に対して影響を低減するために、異なる血圧測定モードを使用してユーザの血圧を測定する必要がある場合がある。ユーザのステータス及びユーザがいる時間範囲を参照して血圧測定モードを決定するための具体的な方法については、
図2~
図8における関連する説明を参照されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0107】
具体的には、いくつかの実施形態では、ユーザの血圧を測定する方式はリニアブースト方式であり得る。具体的には、ウェアラブルデバイス100のコントローラ110は、空気ポンプ113がエアバッグ115を第1の気体圧力値(単位:ミリメートルマーキュリー(millimeter of mercury:mmHg))まで加圧するように空気ポンプを制御し、次に、コントローラ110は圧力センサ112によって収集されたパルス信号を取得し、パルス信号に基づいてユーザの血圧を決定する。いくつかの実施形態では、第1の気体圧力値は[160mmHg、200mmHg]、例えば、170mmHgであり得る。いくつかの実施形態では、空気ポンプ113を使用してエアバッグ115が加圧及び再起動され、その結果、エアバッグ115の内圧が特定の速度で線形式にブーストされる(例えば、3mmHgから6mmHg)。さらに、エアバッグ115に接続された圧力センサ112がエアバッグ115の内圧を検出し、圧力信号を取得する。次に、静圧信号及び脈波信号が圧力信号から抽出される。抽出された静圧信号及び脈波信号に基づいて収縮期圧及び拡張期圧が取得される。当業者は、静圧信号及び脈波信号を使用することによって収縮期圧及び拡張期圧を計算する方式が、既存の解決手段における計算方式と同じであることを留意すべきであり、本明細書では詳細については説明しない。エアバッグ115における気体圧力がある程度加圧されると、脈波信号の全ての特徴が抽出される。ウェアラブルデバイス100は、加圧を停止して収縮を行うよう空気ポンプ113を制御し得る。この場合、血圧測定プロセスが終了する。
【0108】
いくつかの実装例では、加圧プロセスにおいて、元の圧力信号から抽出された脈波信号及び静圧信号は、大きな脈波信号における1つ又は複数の特徴点を抽出することであり得、静圧信号は静圧値であり得る。静圧値は、脈波信号における特徴点に対応する静圧値である。脈波信号の全ての特徴情報を抽出するために、圧力は通常、高レベルまで増大される。例えば、正常な人体の収縮期圧(99mmHg~119mmHg)より20mmHg~40mmHg高い圧力が加えられる、例えば、170mmHgが加えられる。
【0109】
以下では、異なる時間範囲においてユーザのステータスを決定するための方法について説明する。
【0110】
上で説明したように、ユーザが異なるステータスにあるとき、ユーザの心拍数の値は異なり、ユーザが睡眠状態及び起床状態にあるとき、ユーザは異なる運動ステータスを有する。したがって、ユーザのステータスは、PPGセンサ111を使用することによってユーザの心拍数を検出することによって、及び/又は、ACCセンサ114を使用することによってユーザの運動ステータスを検出することによって決定され得る。
【0111】
具体的には、いくつかの実装例では、ユーザの心拍数は、PPGセンサ111を使用することによって検出され得、次に、前述の、ユーザの心拍数及びユーザのステータスの間の予め設定されたマッピング関係に基づいてユーザのステータスが決定される。
【0112】
例えば、ユーザの心拍数が第1の心拍数閾値より大きい場合、ユーザが現在起床状態であると決定される。ユーザの心拍数が第2の心拍数閾値より小さい場合、ユーザが現在睡眠状態にあると決定される。ユーザの心拍数が第3の心拍数閾値より大きく、第4の心拍数閾値より小再場合、ユーザが擬似睡眠状態にあると決定される。第1の心拍数閾値、第2の心拍数閾値、及び第3の心拍数閾値は全て、実験値又は経験値である。第1の心拍数閾値の値は、例えば、70回/分であり得る。第2の心拍数閾値の値は、例えば、60回/分であり得る。第3の心拍数閾値は、第2の心拍数閾値より小さい又はそれに等しくてよく、例えば、第3の心拍数閾値の値は55回/分であり得る。第4の心拍数閾値は、第2の心拍数閾値より大きい又はそれに等しくてよく、例えば、60回/分であり得る。これは、本願において限定されるものではない。
【0113】
いくつかの他の実装例では、ユーザのステータスは、代替的には、ACCセンサ114によって検出されたユーザの加速度値に基づいて決定され得る。例えば、ACCセンサ114は、ユーザがウェアラブルデバイス100を装着している身体部位で連続運動が生じたことを検出した場合、ユーザが起床状態にあると決定され得る。擬似睡眠状態及び睡眠状態の場合、2つに対応する運動ステータスは類似しているため、この場合、上で説明したように、ユーザが擬似睡眠状態にあるかどうかは、PPCセンサ111によって検出されたユーザの心拍数を参照して共同に決定され得る。例えば、ユーザが連続運動にあるとACCセンサ114が検出せず、PPGセンサ111によって検出されたユーザの心拍数が第3の心拍数閾値より大きく第4の心拍数閾値より小さい場合、ユーザが擬似睡眠状態にあると決定され得る。ユーザの身体部位において連続運動が生じたとACCセンサ114が検出せず、PPGセンサ111によって検出されたユーザの心拍数が第2の心拍数閾値より小再場合、ユーザが睡眠状態にあると決定され得る。
【0114】
本願の一実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは:少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶され、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能であるコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムを実行するとき、プロセッサは前述した方法の実施形態のいずれか1つにおける段階を実装する。
【0115】
本願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前述した方法の実施形態における段階が実装され得る。
【0116】
本願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がモバイル端末上で起動すると、前述した方法の実施形態における段階がモバイル端末によって実装され得る。
【0117】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合、統合ユニットはコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本願において、前述の実施形態における方法のプロシージャの全て又はいくつかは、関連するハードウェアを命令するコンピュータプログラムによって実装され得る。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行された場合、方法の実施形態における段階が実装され得る。コンピュータプログラムはコンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、実行可能ファイル形式、又は中間形式などであり得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムコードを撮影装置/端末デバイス、記録媒体、コンピュータメモリ、リードオンリメモリ(read-only memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)、電気キャリア信号、電気通信信号、及びソフトウェア配信媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、取り外し可能なハードディスク、磁気ディスク、又は光学ディスクに搬送することができる少なくとも任意のエンティティ又は装置を含み得る。いくつかの管轄区域において、コンピュータ可読媒体は、法令及び特許実務による電気キャリア信号又は電気通信信号であり得ない。
【0118】
前述の実施形態では、全ての実施形態の説明はそれぞれの焦点を有する。一実施形態では詳細に説明されていない部分については、別の実施形態における関連する説明を参照されたい。
【0119】
当業者は、本明細書において開示された実施形態では説明された例との組み合わせで、ユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって実装され得ることを認識し得る。これらの機能がハードウェアにより実行されるか、又はソフトウェアにより実行されるかは、具体的な用途及び技術的解決手段の設計上の制約条件によって決まる。当業者であれば、異なる方法を用いて、説明された機能を具体的な用途の各々のために実装し得るが、このことは、当該実装が本願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
【0120】
本願で提供される実施形態では、開示される装置/ネットワークデバイス及び方法が他の方式で実装され得ることが理解されるべきである。例えば、説明された装置/ネットワークデバイスの実施形態は単なる一例にすぎない。例えば、モジュール又はユニットへの分割は単に論理的な機能分割であり、実際の実装中は他の分割であってよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが、別のシステムへ組み合わされ、又は統合されてよく、又は、いくつかの機能が、無視されてよく、又は実行されなくてよい。さらに、表示又は説明された相互連結又は直接的連結又は通信接続は、いくつかのインタフェースを通じて実装されてよい。装置又はユニット間の間接連結又は通信接続は、電気的形態、機械的形態又は他の形態で実装されてよい。
【0121】
別個の部品として記載されるユニットは、物理的に別個である場合とそうでない場合とがあり、ユニットとして表示される部品は、物理ユニットである場合とそうでない場合があり、1つの位置に位置している場合と複数のネットワークユニットに分散されている場合とがある。これらのユニットのいくつか又は全てが、実施形態の解決手段の目的を実現するための実際の要件に基づいて選択され得る。
【0122】
前述の説明では、限定ではなく例示のために、本願の実施形態の完全な理解のために特定のシステム構造及び技術などの具体的な詳細が提供されている。しかしながら、当業者は、本願は、これらの具体的な詳細を伴わずに他の実施形態でも実装され得ることを理解するべきである。他の場合では、不要な詳細により不明瞭にされることなく本願が説明されるように、周知のシステム、装置、回路、及び方法の詳細な説明は省略される。
【0123】
本願の本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「含む(include)」という用語は、説明された機能、全体、段階、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を示すが、その1つ又は複数の他の機能、全体、段階、動作、要素、コンポーネント、及び/又は設定の存在又は追加を排除するものではないことが理解されるべきである。
【0124】
本願の本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「及び/又は」という用語は、任意の組み合わせ、及び関連して列挙された1つ又は複数の項目の全ての可能な組み合わせを示し、その組み合わせを含むことがさらに理解されるべきである。
【0125】
本願の本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、文脈にに基づき、「場合(if)」という用語は、「とき(when)」又は「いったん(once)」又は「決定に応答して(in response to determining)」、又は「検出に応答して(in response to detecting)」として解釈され得る。同様に、「と決定された場合」又は「(説明された条件又は事象)が検出された場合」という語句は、文脈に応じて、「いったんそのように決定された場合」又は「決定したことに応答して」又は「いったん(説明された条件又は事象)が検出されると」又は「(説明された条件又は事象)が検出されたことに応答して」の意味として解釈され得る。
【0126】
さらに、本願の本明細書及び添付の特許請求の範囲の説明において、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語は、単に区別した説明の目的のために意図されているに過ぎず、相対的な重要性の指示又は示唆として理解されるべきではない。
【0127】
本願の本明細書において説明される「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」などへの言及は、実施形態を参照して説明した、本願の1つ又は複数の実施形態が特定の機能、構造、又は特徴を含むことを示す。したがって、本明細書の様々な箇所に現れる「一実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「いくつかの他の実施形態では」、及び「他の実施形態では」などの記述は、必ずしも同じ実施形態への言及を意味しているわけではない。その代わりに、そのような記述は、別のやり方で特に強調されない限り、「実施形態の1つ又は複数であって、その全てではない」ことを意味している。「include(含む)」、「have(有する)」という用語及びその変形は全て、別のやり方で特に強調されない限り、「~を含むが、それに限定されない」ことを意味している。
【0128】
前述の実施形態は、単に、本願の技術的解決手段を説明することを意図しており、本願を限定するものではない。本願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本願の実施形態の技術的解決手段の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態で説明した技術的解決手段に対して依然として変更をなし得る、又はそのいくつかの技術的特徴に対して等化の置き換えをなし得、これらの変更及び置き換えは本願の保護範囲に含まれることを理解するべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスに適用される血圧測定方法であって、前記ウェアラブルデバイスはフォトプレチスモグラフィ(PPG)センサ、マイクロポンプ、及びエアバッグを有し、前
記血圧測定方法は:
前記PPGセンサに基づいてユーザの心拍数を決定する段階;
前記ユーザの前記心拍数が第1の心拍数閾値より大きい場合に、第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;
前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記マイクロポンプを制御して、前記エアバッグに対して第1の測定動作を行う段階、ここで前記第1の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される;
前記ユーザの前記心拍数が第2の心拍数閾値より小さい場合に、現時点が第1の時間範囲内であるかどうか決定する段階、ここで前記第2の心拍数閾値は、前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい;及び
前記現時点が前記第1の時間範囲内である場合に、前記エアバッグに対して第2の測定動作を行うようマイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される
を備え、
前記第1の測定動作及び前記第2の測定動作について同じ加圧モードが使用され
る
血圧測定方法。
【請求項2】
前記ウェアラブルデバイスがジャイロスコープセンサ及び圧力センサをさらに有し、前記圧力センサは、前記エアバッグの圧力を検出するように構成されており、前
記血圧測定方法は:
前記第1の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第1の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第2の信号を決定する段階;及び
前記第1の信号が第1の条件を満たす場合に、前記第1の測定動作の後に第2のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第2のユーザインタフェースは第1の血圧値を含み、前記第1の血圧値は前記第2の信号に基づいて決定される;又は
前記第1の信号が前記第1の条件を満たさない場合に、第3のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第3のユーザインタフェースは、測定が無効であることを前記ユーザに通知するために使用される
をさらに備える、請求項1に記載
の血圧測定方法。
【請求項3】
前記第3のユーザインタフェースは、前記第1の測定動作が終了した後に表示される、請求項2に記載
の血圧測定方法。
【請求項4】
前記ウェアラブルデバイス
がジャイロスコープセンサ及
び圧力センサをさらに有し、前記圧力センサは、前記エアバッグ
の圧力を検出するように構成されており、前
記血圧測定方法は:
前記第2の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第3の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第4の信号を決定する段階;及び
前記第2の測定動作の後に、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する段階
をさらに備える、請求項
1に記載
の血圧測定方法。
【請求項5】
前
記血圧測定方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さい継続時間が第1の予め設定された継続時間より長い場合に、前記エアバッグに対して前記第2の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される
をさらに備える、請求項1に記載
の血圧測定方法。
【請求項6】
前
記血圧測定方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第1の予め設定された期間内である場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、前記血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;及び
前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記エアバッグに対して前記第1の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階
をさらに備える、請求項1に記載
の血圧測定方法。
【請求項7】
前
記血圧測定方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第2の予め設定された期間内である場合、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階
をさらに備える、請求項1に記載
の血圧測定方法。
【請求項8】
前
記血圧測定方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きい継続時間が第2の予め設定された継続時間より短い場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階
をさらに備える、請求項
1に記載
の血圧測定方法。
【請求項9】
前
記血圧測定方法は:
前記ユーザの前記心拍数が第3
の心拍数閾値より大きく第4
の心拍数閾値より小さい場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階、ここで前記第3の心拍数閾値は前記第2の心拍数閾値より大きい又はそれに等しく、前記第4の心拍数閾値は前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい
をさらに備える、請求項
1に記載
の血圧測定方法。
【請求項10】
前記第1の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第1の挟角を含み、前記第1の条件は、前記第1の挟角が第1の予め設定された角度範囲内であることを含む
請求項2に記載
の血圧測定方法。
【請求項11】
前記第3の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第2の狭角を含む、請求項4に記載
の血圧測定方法。
【請求項12】
前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する前記段階は:
前記第3の信号に基づいて第3の血圧値を決定し、前記第4の信号に基づいて第4の血圧値を決定する段階;及び
前記第3の血圧値及び前記第4の血圧値に基づいて前記第2の血圧値を決定する段階
を有する、請求項11に記載
の血圧測定方法。
【請求項13】
前記第1の時間範囲が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項1に記載
の血圧測定方法。
【請求項14】
第2の時間範囲が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項6に記載
の血圧測定方法。
【請求項15】
前記第1の予め設定された期間が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項6に記載
の血圧測定方法。
【請求項16】
前記第2の予め設定された期間が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
請求項7に記載
の血圧測定方法。
【請求項17】
電子デバイ
スに、請求項1から16のいずれか一項に記載の血圧測定方法
を行わせるためのプログラム。
【請求項18】
電子デバイスであって、前記電子デバイスは:
前記電子デバイスの1つ又は複数のプロセッサによって実行される命令を記憶するように構成されたメモリ;及び
前記電子デバイスのプロセッサのうちの1つであり、請求項1から16のいずれか一項に記載の血圧測定方法を行うように構成されたプロセッサ
を備える、電子デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第1の態様を参照すると、第1の態様の可能な実装形態では、前記ウェアラブルデバイスが前記ジャイロスコープセンサ及び前記圧力センサをさらに含み、前記圧力センサは、前記エアバッグの前記圧力検出するように構成されており、前記方法は:前記第2の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第3の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第4の信号を決定する段階;及び前記第2の測定動作の後に、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する段階をさらに含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
前述の実施形態は、単に、本願の技術的解決手段を説明することを意図しており、本願を限定するものではない。本願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本願の実施形態の技術的解決手段の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態で説明した技術的解決手段に対して依然として変更をなし得る、又はそのいくつかの技術的特徴に対して等化の置き換えをなし得、これらの変更及び置き換えは本願の保護範囲に含まれることを理解するべきである。
[項目1]
ウェアラブルデバイスに適用される血圧測定方法であって、前記ウェアラブルデバイスはフォトプレチスモグラフィPPGセンサ、マイクロポンプ、及びエアバッグを有し、前記方法は:
前記PPGセンサに基づいてユーザの心拍数を決定する段階;
前記ユーザの前記心拍数が第1の心拍数閾値より大きい場合に、第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;
前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記マイクロポンプを制御して、前記エアバッグに対して第1の測定動作を行う段階、ここで前記第1の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される;
前記ユーザの前記心拍数が第2の心拍数閾値より小さい場合に、現時点が第1の時間範囲内であるかどうか決定する段階、ここで前記第2の心拍数閾値は、前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい;及び
前記現時点が前記第1の時間範囲内である場合に、前記エアバッグに対して第2の測定動作を行うようマイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される
を備え、
前記第1の測定動作及び前記第2の測定動作について同じ加圧モードが使用される
方法。
[項目2]
前記ウェアラブルデバイスがジャイロスコープセンサ及び圧力センサをさらに有し、前記圧力センサは、前記エアバッグの圧力を検出するように構成されており、前記方法は:
前記第1の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第1の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第2の信号を決定する段階;及び
前記第1の信号が第1の条件を満たす場合に、前記第1の測定動作の後に第2のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第2のユーザインタフェースは第1の血圧値を含み、前記第1の血圧値は前記第2の信号に基づいて決定される;又は
前記第1の信号が前記第1の条件を満たさない場合に、第3のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第3のユーザインタフェースは、測定が無効であることを前記ユーザに通知するために使用される
をさらに備える、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記第3のユーザインタフェースは、前記第1の測定動作が終了した後に表示される、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記ウェアラブルデバイスが前記ジャイロスコープセンサ及び前記圧力センサをさらに有し、前記圧力センサは、前記エアバッグの前記圧力を検出するように構成されており、前記方法は:
前記第2の測定動作のプロセスにおいて、前記ジャイロスコープセンサに基づいて第3の信号を決定し、前記圧力センサに基づいて第4の信号を決定する段階;及び
前記第2の測定動作の後に、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する段階
をさらに備える、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第2の心拍数閾値より小さい継続時間が第1の予め設定された継続時間より長い場合に、前記エアバッグに対して前記第2の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階、ここで前記第2の測定動作は、前記血圧を測定するために使用される
をさらに備える、項目1に記載の方法。
[項目6]
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第1の予め設定された期間内である場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する段階、ここで前記第1のユーザインタフェースは、前記血圧を測定するよう前記ユーザを促すために使用される;及び
前記第1のユーザインタフェース上で行われた、検出された第1の動作に応答して、前記エアバッグに対して前記第1の測定動作を行うよう前記マイクロポンプを制御する段階
をさらに備える、項目1に記載の方法。
[項目7]
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記現時点が第2の予め設定された期間内である場合、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階
をさらに備える、項目1に記載の方法。
[項目8]
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きく、前記現時点が前記第1の時間範囲内であり、かつ前記ユーザの前記心拍数が前記第1の心拍数閾値より大きい継続時間が第2の予め設定された継続時間より短い場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階
をさらに備える、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記方法は:
前記ユーザの前記心拍数が第3の閾値より大きく第4の閾値より小さい場合に、前記ユーザに対して血圧測定を行うことをスキップする段階、ここで前記第3の心拍数閾値は前記第2の心拍数閾値より大きい又はそれに等しく、前記第4の心拍数閾値は前記第1の心拍数閾値より小さい又はそれに等しい
をさらに備える、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記第1の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第1の挟角を含み、前記第1の条件は、前記第1の挟角が第1の予め設定された角度範囲内であることを含む
項目2に記載の方法。
[項目11]
前記第3の信号は、前記ウェアラブルデバイス及び水平面の間にあり、前記ジャイロスコープセンサによって検出される第2の狭角を含む、項目4に記載の方法。
[項目12]
前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて第2の血圧値を決定する前記段階は:
前記第3の信号に基づいて第3の血圧値を決定し、前記第4の信号に基づいて第4の血圧値を決定する段階;及び
前記第3の血圧値及び前記第4の血圧値に基づいて前記第2の血圧値を決定する段階
を有する、項目11に記載の方法。
[項目13]
前記第1の時間範囲が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
項目1に記載の方法。
[項目14]
前記第2の時間範囲が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
項目6に記載の方法。
[項目15]
前記第1の予め設定された期間が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
項目6に記載の方法。
[項目16]
前記第2の予め設定された期間が以下の方式で決定される:
前記ユーザの労働及び休息の傾向に基づいて決定される、又は
第4のユーザインタフェースにおいて前記ユーザによって入力される時間範囲情報に基づいて決定される
項目7に記載の方法。
[項目17]
可読媒体であって、前記可読媒体は命令を記憶し、前記命令が電子デバイス上で実行されると、前記電子デバイスは、項目1から16のいずれか一項に記載の血圧測定方法を行うことが可能になる、可読媒体。
[項目18]
電子デバイスであって、前記電子デバイスは:
前記電子デバイスの1つ又は複数のプロセッサによって実行される命令を記憶するように構成されたメモリ;及び
前記電子デバイスのプロセッサのうちの1つであり、項目1から16のいずれか一項に記載の血圧測定方法を行うように構成されたプロセッサ
を備える、電子デバイス。
【国際調査報告】