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特表2024-546653血管内デバイスのデジタル制御のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】血管内デバイスのデジタル制御のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20241219BHJP
   A61F 2/86 20130101ALI20241219BHJP
【FI】
A61F2/95
A61F2/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533805
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 IB2022062141
(87)【国際公開番号】W WO2023111846
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/265,331
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/381,286
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/422,074
(32)【優先日】2022-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514102803
【氏名又は名称】ラピッド メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エックハウス,ローネン
(72)【発明者】
【氏名】コーンブラウ,ジオラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァクニン,ユヴァル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267AA52
4C267AA56
(57)【要約】
開示される実施形態に一致して、血管内デバイスのデジタル制御及び血管内デバイスの移動を制御するためのシステム、デバイス、方法、及びコンピュータ可読媒体が提供され得る。実施形態は、患者の体外に配置されるように構成された制御デバイスを含み得る。実施形態はまた、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構を含み得る。実施形態はまた、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を制御するように構成されたデバイス移動機構であって、血管内デバイスの可動部は、患者の体内に配置されるように構成されている、デバイス移動機構を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内デバイスのデジタル制御のためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサであって、
患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得し、
前記入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定し、
前記決定された少なくとも1つの特性に基づいて、前記血管内デバイスの制御デバイスに、前記血管内デバイスの第1の部分に前記第1の力を作用させ、前記血管内デバイスの前記第1の部分は、前記患者の体外に配置され、前記第1の力の作用は、前記血管内デバイスの第2の部分に、前記身体構造内で前記第1の所望のアクションを実行させる
ように構成されている、少なくとも1つのプロセッサ
を含む、システム。
【請求項2】
前記入力は、
前記血管内デバイスを用いて処置を実施するユーザからの入力、
前記血管内デバイスを用いて実施される処置の前又は処置中に撮影された少なくとも1つの医療画像の第1のデータ、又は
少なくとも1つのセンサ出力から得られた第2のデータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザからの前記入力は、
前記少なくとも1つのプロセッサに動作的に接続された制御ハンドル、又は
少なくとも第2のプロセッサを含むデバイス
のうちの少なくとも一方から取得される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの医療画像の畳み込みを計算し、畳み込み値を導出し、
前記導出された畳み込み値に基づいて、前記第1の力の前記少なくとも1つの特性を決定する
ように構成されている、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの医療画像内で、前記身体構造、又は前記身体構造内の前記血管内デバイスの前記第2の部分のうちの少なくとも一方を検出し、
前記身体構造、又は前記身体構造内の前記血管内デバイスの前記第2の部分のうちの前記少なくとも一方の前記検出に基づいて、前記第1の力の前記少なくとも1つの特性を決定する
ように構成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの医療画像を分析し、第2の対象物に対する前記血管内デバイスの前記第2の部分の位置を決定し、
前記第2の対象物に対する前記血管内デバイスの前記第2の部分の前記決定された位置に基づいて、前記第1の力の前記少なくとも1つの特性を決定する、
ように構成されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサ出力は、前記身体構造から前記血管内デバイスを除去するために作用される力を示す、請求項2~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記入力は、ナビゲーションターゲットを示し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ナビゲーションターゲットに基づいて、前記第1の力の前記少なくとも1つの特性を決定するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは更に、
前記入力に基づいて、前記身体構造内の前記血管内デバイスの前記第1の所望のアクションが所定の閾値を超えると判定し、
前記身体構造内の前記血管内デバイスの前記第1の所望のアクションが前記閾値を超えるとの前記判定に基づいて、アラートを出力する
ように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の力の前記少なくとも1つの特性は、
前記第1の力の大きさ、
前記第1の力の持続時間、又は
前記第1の力の方向
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記血管内デバイスの前記第2の部分は、
ガイドワイヤの遠位部、
カテーテルの遠位部、又は
前記血管内デバイスの拡張可能遠位部
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の所望のアクションは、
前記身体構造内でガイドワイヤの遠位部を曲げること、
前記身体構造内でガイドカテーテルの遠位部を曲げること、
前記血管内デバイスの遠位部の拡張、
前記血管内デバイスの遠位部の収縮、又は
前記血管内デバイスの先端部の移動、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは更に、
前記入力又は第2の入力のうちの少なくとも一方に基づいて、第2の力の少なくとも1つの特性を決定し、
前記血管内デバイスの前記制御デバイスに、前記血管内デバイスの前記第1の部分に前記第1の力を作用させた後、及び前記第2の力の前記決定された少なくとも1つの特性に基づいて、前記血管内デバイスの前記制御デバイスに、前記血管内デバイスの前記第1の部分又は前記血管内デバイスの第3の部分のうちの一方に前記第2の力を作用させる
ように構成されており、
前記第2の力の作用は、前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記血管内デバイスの第4の部分のうちの少なくとも一方に、前記身体構造内で第2の所望のアクションを実行させる
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の所望のアクションは、前記血管内デバイスの前記第1の所望のアクションを完了すること又は前記第1の所望のアクションとは異なる前記血管内デバイスの別の所望のアクションを実行することのうちの少なくとも一方を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の所望のアクションは、
前記血管内デバイスの拡張した遠位部の収縮、又は
前記身体構造から前記血管内デバイスの前記第2の部分を除去すること、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の力の前記少なくとも1つの特性は、前記血管内デバイスの前記第1の部分に前記第1の力を作用させる前に決定される、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2の力の前記少なくとも1つの特性は、前記血管内デバイスを使用して処置を実施するユーザからの第2の入力に基づいて決定され、前記第2の入力は、前記制御デバイスに、前記血管内デバイスの前記第1の部分に前記第1の力を作用させた後に受け取られる、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の力の前記少なくとも1つの特性は、前記制御デバイスに、前記血管内デバイスの前記第1の部分に前記第1の力を作用させた後に撮影された少なくとも1つの医療画像の分析に基づいて決定される、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の力の前記少なくとも1つの特性は、
前記血管内デバイスの特性、
前記身体構造の特性、
前記身体構造内の閉塞物のタイプ、
前記身体構造内の狭窄のタイプ、又は
前記身体構造内における前記血管内デバイスの位置
のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記血管内デバイスの前記第2の部分に移動を実施させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分を拡張させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分を収縮させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分に反復運動を実施させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分を曲げる、又は
前記血管内デバイスの前記第2の部分を真っ直ぐにする、
のうちの少なくとも1つのために前記第1の力の前記少なくとも1つの特性を決定するように構成されている、
請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記第4の部分に移動を実施させる
前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記第4の部分を拡張させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記第4の部分を収縮させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記第4の部分に反復運動を実施させる、
前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記第4の部分を曲げる、又は
前記血管内デバイスの前記第2の部分又は前記第4の部分を真っ直ぐにする、
のうちの少なくとも1つのために前記第2の力の前記少なくとも1つの特性を決定するように構成されている、請求項13~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、血管内デバイスのデジタル制御のための操作を実施させる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記操作は、
患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得することと、
前記入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定することと、
前記決定された少なくとも1つの特性に基づいて、前記血管内デバイスの制御デバイスに、前記血管内デバイスの第1の部分に前記第1の力を作用させ、前記血管内デバイスの前記第1の部分は、前記患者の体外に配置され、前記第1の力の作用は、前記血管内デバイスの第2の部分に、前記身体構造内で前記第1の所望のアクションを実行させることと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
血管内デバイスのデジタル制御の方法であって、
患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得することと、
前記入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定することと、
前記決定された少なくとも1つの特性に基づいて、前記血管内デバイスの制御デバイスに、前記血管内デバイスの第1の部分に前記第1の力を作用させ、前記血管内デバイスの前記第1の部分は、前記患者の体外に配置され、前記第1の力の作用は、前記血管内デバイスの第2の部分に、前記身体構造内で前記第1の所望のアクションを実行させることと、
を含む、方法。
【請求項24】
血管内デバイスの移動を制御するための制御デバイスであって、当該制御デバイスは、患者の体外に配置されるように構成されており、当該制御デバイスは、
ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、
前記血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を制御するように構成されたデバイス移動機構であって、前記血管内デバイスの前記可動部は、前記患者の体内に配置されるように構成されている、デバイス移動機構と、
少なくとも1つのプロセッサであって、
第1の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を移動させて、前記血管内デバイスを第1の構成に移動させるように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、制御デバイス。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
第2の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を移動させて、前記血管内デバイスを前記第1の構成とは異なる第2の構成に移動させるように構成されている、請求項24に記載の制御デバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記血管内デバイスの第1の可動部と第2の可動部を同じ方向に移動させる、
前記血管内デバイスの前記第1の可動部を第1の方向に移動させ、前記血管内デバイスの前記第2の可動部を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させる、又は
前記血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を移動させる一方で、前記血管内デバイスの別の部分は、前記制御デバイスに対して静止したままである、
のうちの少なくとも1つを行うように前記デバイス移動機構を作動させるように構成されている、請求項24又は25に記載の制御デバイス。
【請求項27】
前記第1の入力又は前記第2の入力のうちの少なくとも一方は、前記入力機構を介して受け取ったユーザ入力である、請求項24~26のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項28】
前記血管内デバイスは、拡張可能メッシュと、前記拡張可能メッシュの遠位端に対して固定されたコアワイヤとを含み、
前記制御デバイスは、前記コアワイヤを作動させ、前記拡張可能メッシュの拡張及び/又は収縮を生じさせるように構成されている、
請求項24~27のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項29】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記コアワイヤを第1の方向に移動させて、それにより前記メッシュを拡張させる、及び/又は
第2の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記コアワイヤを前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させて、それにより前記血管内メッシュを収縮させる
ように構成されている、請求項28に記載の制御デバイス。
【請求項30】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
第3の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記コアワイヤを移動させて、身体構造の内面に脈動力を作用させる、及び/又は
第4の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記コアワイヤを前記第2の方向に移動させて、それにより前記メッシュを収縮させ、その後、前記身体構造から前記血管内デバイスを後退させる
ように構成されている、請求項28又は29に記載の制御デバイス。
【請求項31】
当該制御デバイスは、
前記血管内デバイスで治療されるべき身体構造の直径、
前記血管内デバイスで治療されるべき狭窄又は閉塞物のタイプ、
前記血管内デバイスで治療されるべき血餅のタイプ、
前記拡張可能メッシュの所望の拡張直径、
前記拡張可能メッシュの所望の拡張形状、
前記メッシュを指定された構成に拡張させる命令、
前記メッシュを指定された構成に収縮させる命令、
所望の拡張時間、又は
所望の収縮時間
のうちの少なくとも1つを指定するユーザ入力に基づいて、前記拡張可能メッシュの拡張及び収縮を生じさせるように構成されている、請求項28~30のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項32】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記入力機構を介して受け取ったユーザ入力、
少なくとも1つのセンサからの信号、
ユーザインターフェースデバイスのプロセッサからの信号、又は
メモリに格納された、前記デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記拡張可能メッシュの拡張及び収縮を生じさせるように構成されている、請求項28~31のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項33】
前記少なくとも1つのセンサは、力計を含む、請求項32に記載の制御デバイス。
【請求項34】
前記血管内デバイスは、コアワイヤを有するガイドワイヤデバイスであり、
前記デバイス移動機構は、前記コアワイヤを作動させて、前記ガイドワイヤデバイスの遠位部の偏向及び直線化を制御するように構成されている、
請求項24~27のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項35】
前記ガイドワイヤデバイスは、中空の細長いシャフトを含み、前記コアワイヤは、前記ガイドワイヤデバイスの前記中空の細長いシャフトを通過し、前記ガイドワイヤデバイスの前記偏向可能遠位部に接続する、請求項34に記載の制御デバイス。
【請求項36】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記ガイドワイヤデバイスの前記細長いシャフトを静止させたままで、前記ガイドワイヤデバイスの前記コアワイヤを第1の方向に移動させて、それにより前記ガイドワイヤデバイスの前記遠位部を、真っ直ぐにされた構成から第1の曲げられた構成に曲げる、及び/又は
第2の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記ガイドワイヤデバイスの前記細長いシャフトを静止させたままで、前記ガイドワイヤデバイスの前記コアワイヤを前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させて、それにより前記ガイドワイヤデバイスの前記遠位部を、前記第1の曲げられた構成から前記真っ直ぐにされた構成又は第2の曲げられた構成のうちの一方に曲げる
ように構成されている、請求項35に記載の制御デバイス。
【請求項37】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記入力機構を介して受け取ったユーザ入力、
少なくとも1つのセンサからの信号、
ユーザインターフェースデバイスのプロセッサからの信号、又は
メモリに格納された、ガイドワイヤデバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ガイドワイヤデバイスの前記遠位部の偏向及び直線化を生じさせるように構成されている、請求項34~36のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項38】
前記デバイス移動機構は、モータ、エンコーダ、又はギアのうちの少なくとも1つを含む、請求項24~37のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項39】
前記デバイス移動機構の前記モータ、前記エンコーダ、又は前記ギアのうちの前記少なくとも1つは、
前記入力機構により受け取られたユーザ入力、
少なくとも1つのセンサからの信号、
ユーザインターフェースデバイスのプロセッサからの信号、又は
メモリに格納された、前記血管内デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を移動させるように構成されている、請求項38に記載の制御デバイス。
【請求項40】
前記デバイス移動機構は、少なくとも1つの磁石を含み、前記少なくとも1つの磁石の第1の作動に応答して、前記デバイス移動機構は、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部の移動を生じさせ、前記血管内デバイスを前記第1の構成に移動させるように構成されている、請求項24~39のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項41】
前記少なくとも1つの磁石は、ユーザインターフェースデバイスの少なくとも第2の磁石によって制御可能に作動されるように構成されている、請求項40に記載の制御デバイス。
【請求項42】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記入力機構により受け取られたユーザ入力、
前記血管内デバイスを用いて実施される処置中に撮影された少なくとも1つの医療画像のデータ、
少なくとも1つのセンサからの出力、又は
メモリに格納された、前記血管内デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記少なくとも1つの磁石の作動を制御するように構成されている、請求項40又は41に記載の制御デバイス。
【請求項43】
当該制御デバイスは、少なくとも1つの周辺デバイスに動作的に接続されるように構成されており、前記少なくとも1つの周辺デバイスは、
画像ディスプレイ画面、
制御画面、又は
コンピューティングデバイス
を含む、請求項24~42のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項44】
当該制御デバイスは、力計に動作的に接続されるように構成されており、前記力計は、前記血管内デバイスによって前記患者の体に作用される力を測定するように構成されている、請求項24~43のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項45】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記力計から力測定信号を取得し、
前記力測定信号に基づいて、前記デバイス移動機構による前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部の移動を制御する
ように構成されている、請求項44に記載の制御デバイス。
【請求項46】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記患者の身体構造内での前記血管内デバイスの所望のアクションを示す入力を取得し、
前記得られた入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定し、
前記決定された少なくとも1つの特性に基づいて、前記デバイス移動機構に、前記血管内デバイスの近位部に前記第1の力を作用させ、前記血管内デバイスの前記近位部は、前記患者の体外に配置され、前記第1の力は、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部に、前記身体構造内で前記所望のアクションを実行させる
ように構成されている、請求項24~45のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項47】
前記第1の力の前記少なくとも1つの特性は、
前記第1の力の大きさ、
前記第1の力の持続時間、又は
前記第1の力の方向
のうちの少なくとも1つを含む、請求項46に記載の制御デバイス。
【請求項48】
前記所望のアクションは、
前記身体構造内でガイドワイヤの遠位部を曲げること、
前記身体構造内でのコイルの少なくとも一部の脱離、
前記血管内デバイスの遠位部の拡張、
前記血管内デバイスの遠位部の収縮、又は
前記血管内デバイスの遠位部の移動
のうちの少なくとも1つを含む、請求項46又は47に記載の制御デバイス。
【請求項49】
前記第1の力の前記少なくとも1つの特性は、
前記血管内デバイスの特性、
前記身体構造の特性、
前記身体構造内の閉塞物のタイプ、又は
前記身体構造内における前記血管内デバイスの位置
のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、請求項46~48のいずれか一項に記載の制御デバイス。
【請求項50】
血管内治療システムであって、
患者の体内の治療部位における制御可能な移動のために構成された血管内デバイスであって、前記血管内デバイスは、少なくとも1つの可動部を含む、血管内デバイスと、
前記血管内デバイスを制御するための制御デバイスであって、前記制御デバイスは、
ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、
前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を制御するように構成されたデバイス移動機構と、
少なくとも1つのプロセッサであって、
第1の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を移動させて、前記治療部位において前記血管内デバイスを第1の構成に移動させるように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、制御デバイスと、
を含む、血管内治療システム。
【請求項51】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
第2の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を移動させて、前記治療部位において前記血管内デバイスを第2の構成に移動させ、前記第2の構成は、前記第1の構成とは異なる
ように構成されている、請求項50に記載の血管内治療システム。
【請求項52】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つのプロセッサは、前記デバイス移動機構による前記血管内デバイスの第1の可動部の変位と前記デバイス移動機構による前記血管内デバイスの第2の可動部の対応する変位との間の比を調整するように構成されている、請求項50又は51に記載の血管内治療システム。
【請求項53】
前記入力機構は、少なくとも、前記ユーザから前記第1の入力を受け取るための第1の入力構造と、前記ユーザから前記第2の入力を受け取るための第2の入力構造とを含み、前記第1の入力構造及び前記第2の入力構造のそれぞれは、ボタン、キーボード、コンピュータマウス、レバー、ジョイスティック、又はタッチスクリーンのうちの少なくとも1つを含む、請求項51又は52に記載の血管内治療システム。
【請求項54】
前記血管内デバイスは、拡張可能メッシュと、前記拡張可能メッシュの遠位端に対して固定されたコアワイヤとを含み、
前記制御デバイスは、前記コアワイヤを作動させ、前記拡張可能メッシュの拡張及び収縮を生じさせるように構成されている、
請求項50~53のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項55】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記血管内デバイスの前記コアワイヤを第1の方向に移動させて、それにより前記メッシュを拡張させる、及び/又は
第2の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記コアワイヤを第2の方向に移動させて、それにより前記メッシュを収縮させる
ように構成されている、請求項54に記載の血管内治療システム。
【請求項56】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つのプロセッサは、
第3の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記デバイスの前記コアワイヤを移動させて、前記身体構造の内面に脈動力を作用させる、及び/又は
第4の入力に応答して、前記デバイス移動機構を作動させ、前記コアワイヤを前記第2の方向に移動させて、それにより前記メッシュを収縮させ、その後、前記身体構造から前記デバイスを後退させる
ように構成されている、請求項54又は55に記載の血管内治療システム。
【請求項57】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記入力機構を介したユーザ入力、
少なくとも1つのセンサからの信号、
ユーザインターフェースデバイスのプロセッサからの信号、又は
メモリに格納された、前記デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記拡張可能メッシュの拡張及び収縮を生じさせるように構成されている、請求項54~56のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項58】
力計、
ユーザインターフェースデバイス、又は
画像ディスプレイデバイス
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項50~57のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項59】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記力計から力測定信号を取得し、
前記力測定信号に基づいて、前記デバイス移動機構による前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部の移動を制御する
ように構成されている、請求項58に記載の血管内治療システム。
【請求項60】
前記ユーザインターフェースデバイスは、前記血管内デバイスの遠隔制御のために構成されている、請求項58又は59に記載の血管内治療システム。
【請求項61】
前記デバイス移動機構は、モータ、エンコーダ、又はギアのうちの少なくとも1つを含む、請求項50~60のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項62】
前記デバイス移動機構のモータ、エンコーダ、又はギアのうちの前記少なくとも1つは、
前記制御デバイスの前記入力機構を介して得られたユーザ入力、
前記制御デバイスに動作的に接続されたユーザインターフェースデバイスを介して得られたユーザ入力、
力計から得られた力測定信号、又は
メモリに格納された、前記デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部を移動させるように構成されている、請求項61に記載の血管内治療システム。
【請求項63】
前記制御デバイスの前記デバイス移動機構は、少なくとも1つの磁石を含み、
前記少なくとも1つの磁石の第1の作動に応答して、前記デバイス移動機構は、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの可動部の移動を生じさせ、前記血管内デバイスを前記第1の構成に移動させるように構成されている、
請求項50~62のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項64】
少なくとも第2の磁石を有するユーザインターフェースデバイスを更に含み、前記第2の磁石は、前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石を作動させるように構成されている、請求項63に記載の血管内治療システム。
【請求項65】
前記ユーザインターフェースデバイスは、
前記第2の磁石の移動を制御するように構成されたアクチュエータ機構と、
少なくとも1つのプロセッサであって、
少なくとも1つの入力機構により受け取られたユーザ入力、
前記血管内デバイスを用いて実施される処置中に撮影された少なくとも1つの医療画像のデータ、
少なくとも1つのセンサからの出力、又は
メモリに格納された、前記血管内デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記アクチュエータ機構に前記第2の磁石を移動させるように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、請求項64に記載の血管内治療システム。
【請求項66】
血管内治療システムであって、
患者の体内の治療部位における血管内デバイスのアクションを制御するための制御デバイスであって、前記制御デバイスは、
前記患者の体外に配置されるように構成された制御デバイス本体と、
前記血管内デバイスの少なくとも1つの調節可能部分を制御するように構成されたデバイス移動機構であって、前記少なくとも1つの調節可能部分は、前記患者の前記体内の前記治療部位に配置されるように構成されている、デバイス移動機構と、
前記デバイス移動機構に動作的に接続された少なくとも1つの磁石と、
を含み、
前記少なくとも1つの磁石の第1の作動に応答して、前記デバイス移動機構は、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの調節可能部分によるアクションを生じさせ、前記治療部位において前記血管内デバイスを第1の構成に移行させるように構成されている、
制御デバイス
を含む、血管内治療システム。
【請求項67】
前記少なくとも1つの磁石の第2の作動に応答して、前記デバイス移動機構は、前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの調節可能部分の第2のアクションを生じさせ、前記治療部位において前記血管内デバイスを第2の構成に移行させ、前記第2の構成は、前記第1の構成とは異なるように構成されている、請求項66に記載の血管内治療システム。
【請求項68】
前記磁石は、前記デバイス移動機構に固定されている、請求項66又は67に記載の血管内治療システム。
【請求項69】
前記磁石は、ギア機構を介して前記デバイス移動機構に接続されている、請求項66又は67に記載の血管内治療システム。
【請求項70】
ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、
前記ユーザから受け取った前記入力に基づいて前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石を作動させるように構成された少なくとも第2の磁石と、
を含むユーザインターフェースデバイスを更に含む、請求項66~69のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項71】
前記第2の磁石は、複数の磁石を含む、請求項70に記載の血管内治療システム。
【請求項72】
前記ユーザインターフェースデバイスは、前記第2の磁石の移動を制御するように構成されたアクチュエータを更に含む、請求項70又は71に記載の血管内治療システム。
【請求項73】
前記ユーザインターフェースデバイスは、
前記入力機構により受け取られたユーザ入力、
前記血管内デバイスを用いて実施される処置中に撮影された少なくとも1つの医療画像のデータ、
少なくとも1つのセンサからの出力、又は
メモリに格納された、前記血管内デバイスによる治療のためのコンピュータ実行可能命令
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記アクチュエータに、前記第2の磁石の移動を制御させるように構成された少なくとも1つのプロセッサを更に含む、請求項72に記載の血管内治療システム。
【請求項74】
前記少なくとも1つのセンサは、前記治療部位における身体構造から前記血管内デバイスを除去するのに作用される力を測定するように構成された力計を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記力計から力測定信号を取得し、
前記力測定信号に基づいて、前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石を作動させるように、前記アクチュエータによる前記第2の磁石の移動を制御する、
ように構成されている、請求項73に記載の血管内治療システム。
【請求項75】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記治療部位における前記血管内デバイスの所望の移動を示す入力を取得し、
前記入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定し、
前記決定された少なくとも1つの特性に基づいて、前記アクチュエータに、前記ユーザインターフェースデバイスの前記第2の磁石に前記第1の力を作用させ、前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石を作動させ、前記第2の磁石に対する前記第1の力の作用は、前記デバイス移動機構に、前記治療部位における前記所望の移動を実行するように前記血管内デバイスの前記少なくとも1つの調節可能部分を制御させる、
ように構成されている、請求項73又は74に記載の血管内治療システム。
【請求項76】
前記第1の力の前記少なくとも1つの特性は、
前記第1の力の大きさ、
前記第1の力の持続時間、又は
前記第1の力の方向
のうちの少なくとも1つを含む、請求項75に記載の血管内治療システム。
【請求項77】
前記ユーザインターフェースデバイスは、前記ユーザに対して1つ以上の通知を出力するための少なくとも1つの出力機構を含む、請求項70~76のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項78】
前記血管内デバイスは、前記患者の中空体器官内の閉塞物又は狭窄に係合するように構成された拡張可能メッシュを含み、前記制御デバイスの前記デバイス移動機構は、前記拡張可能メッシュを拡張及び/又は収縮させるように構成されている、請求項66~77のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項79】
拡張可能メッシュを含む前記血管内デバイスは、
前記拡張可能メッシュの近位に配置された細長いシャフトと、
前記細長いシャフトを通って延び、前記拡張可能メッシュの遠位端に対して固定されたコアワイヤと、
を含む、請求項78に記載の血管内治療システム。
【請求項80】
前記デバイス移動機構は、
前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石の前記第1の作動に応答して、前記コアワイヤを第1の方向に移動させ、それにより前記メッシュを拡張させる、及び/又は
前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石の第2の作動に応答して、前記コアワイヤを第2の方向に移動させ、それにより前記メッシュを収縮させる
ように構成されている、請求項79に記載の血管内治療システム。
【請求項81】
前記デバイス移動機構は、
前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石の第3の作動に応答して、前記コアワイヤを移動させ、前記治療部位における身体構造の内面に脈動力を作用させる、及び/又は
前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石の第4の作動に応答して、前記コアワイヤを第2の方向に移動させ、それにより前記メッシュを収縮させ、その後、前記患者の体から前記拡張可能メッシュを含む前記血管内デバイスを抜去する
ように構成されている、請求項79又は80に記載の血管内治療システム。
【請求項82】
前記制御デバイスは、前記ユーザインターフェースデバイスの前記入力機構を介して得られたユーザ入力に基づいて、前記メッシュの拡張及び収縮を生じさせるように構成されており、前記ユーザ入力は、
前記治療部位における身体構造の直径、
前記血管内デバイスで治療されるべき狭窄又は閉塞物のタイプ、
前記血管内デバイスで治療されるべき血餅のタイプ、
前記拡張可能メッシュの所望の拡張直径、
前記拡張可能メッシュの所望の拡張形状、
前記メッシュを特定の構成に拡張させるための命令、
前記メッシュを特定の構成に収縮させるための命令、又は
所望の拡張及び/又は収縮時間
のうちの少なくとも1つを指定する、請求項79~81のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項83】
前記血管内デバイスは、コアワイヤを有するガイドワイヤデバイスを含み、前記制御デバイスは、前記コアワイヤにより前記ガイドワイヤデバイスの遠位部の偏向及び直線化を制御するように構成されている、請求項66~77のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【請求項84】
前記ガイドワイヤデバイスの前記第1の部分は、中空の細長いシャフトを含み、前記ガイドワイヤデバイスの前記第2の部分は、前記コアワイヤを含む、請求項83に記載の血管内治療システム。
【請求項85】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石の前記第1の作動に応答して、前記デバイス移動機構は、前記ガイドワイヤデバイスの前記細長いシャフトを静止させたままで、前記ガイドワイヤデバイスの前記コアワイヤを第1の方向に移動させて、それにより前記ガイドワイヤデバイスの前記遠位部を、真っ直ぐにされた構成から第1の曲げられた構成に曲げるように構成されている、請求項83又は84に記載の血管内治療システム。
【請求項86】
前記制御デバイスの前記少なくとも1つの磁石の第2の作動に応答して、前記デバイス移動機構は、前記ガイドワイヤデバイスの前記細長いシャフトを静止させたままで、前記ガイドワイヤデバイスの前記コアワイヤを前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させて、それにより前記ガイドワイヤデバイスの前記遠位部を、前記第1の曲げられた構成から前記真っ直ぐにされた構成又は第2の曲げられた構成のうちの一方に曲げるように構成されている、請求項85に記載の血管内治療システム。
【請求項87】
患者の体内の治療部位におけるアクションを制御可能に実行するように構成された血管内デバイスを更に含み、前記血管内デバイスは、少なくとも1つの調節可能部分を含む、請求項66~86のいずれか一項に記載の血管内治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001] 本出願は、2021年12月13日に出願された米国特許仮出願第63/265,331号、2022年10月27日に出願された米国特許仮出願第63/381,286号、及び2022年11月3日に出願された米国特許仮出願第63/422,074号の優先権の利益を主張するものであり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野及び背景
[002] 本開示は、血管内デバイスのデジタル制御のためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。例えば、開示される実施形態は、患者の身体構造内で少なくとも1つの所望のアクションを実行するように血管内デバイスをデジタル制御するように構成され得る。
【背景技術】
【0003】
[003] 動脈瘤塞栓術又は拡張可能メッシュデバイスを用いた血栓の治療などの血管内処置は、今日の心血管及び神経血管疾患の治療における重要なツールである。血管内処置は、狭く蛇行した血管系で行われることが多い非常に複雑な操作である。しかし、この複雑さにも関わらず、ほとんどの血管内処置は手動で行われ、医師が血管内デバイスを精密な操縦で機械的に操作し、治療部位に配置された血管内デバイスの部分による所望のアクションを達成する。この複雑さに加えて、異なる血管内デバイスで実施された場合、異なる特性を持つ患者に使用する場合、又は異なるサイズ及び種類の解剖学的構造を治療する場合、医師による同じ操縦が異なる結果をもたらすことがある。医師により印加される力の誤りは、手のすべりによるもの、判断エラーによるもの、又は特定の血管内デバイスに関する経験の不足によるもののいずれにおいても、重大な結果を招く可能性がある。したがって、血管内デバイスの機械的制御をデジタル制御機構に置き換えることで、体内での血管内デバイスの移動の精密な制御を行う必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[004] 本開示に一致する実施形態は、概して、血管内デバイスのデジタル制御に関するシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体を提供する。開示されるシステム及び方法は、従来のハードウェア及びソフトウェアの組合せ、並びに開示される方法の工程に関連する機能を実施するために特に構築及び/又はプログラムされた機械などの専用のハードウェア及びソフトウェアを使用して実施され得る。他の開示される実施形態と一致して、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの処理デバイスによって実行可能であり、本明細書に記載される任意の工程及び/又は方法を実施するプログラム命令を格納し得る。
【0005】
[005] 開示される実施形態に一致して、血管内デバイスのデジタル制御のためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサはまた、入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサはまた、決定された少なくとも1つの特性に基づいて、血管内デバイスの制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させ、血管内デバイスの第1の部分は、患者の体外に配置されるように構成され得る。開示される実施形態では、第1の力の作用は、血管内デバイスの第2の部分に、身体構造内で第1の所望のアクションを実行させ得る。
【0006】
[006] 開示される実施形態に一致して、血管内デバイスの移動を制御するための制御デバイスが開示される。制御デバイスは、患者の体外に配置されるように構成され得る。制御デバイスは、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を制御するように構成されたデバイス移動機構であって、血管内デバイスの可動部は、患者の体内に配置されるように構成されている、デバイス移動機構と、少なくとも1つのプロセッサとを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、第1の入力に応答して、デバイス移動機構を作動させ、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を移動させて、血管内デバイスを第1の構成に移動させるように構成され得る。
【0007】
[007] 開示される実施形態に一致して、血管内デバイスを制御するための制御デバイスが開示される。制御デバイスは、患者の体外に配置されるように構成されている。制御デバイスは、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、血管内デバイスのシャフトを制御するための第1の機構と、血管内デバイスのコアワイヤを制御するための第2の機構とを含み得る。制御デバイスは、ユーザからの第1の入力に応答して、第1の機構及び第2の機構を作動させ、血管内デバイスのシャフトを第1の方向に第1の距離だけ移動させ、血管内デバイスのコアワイヤを第1の方向とは反対の第2の方向に第2の距離だけ移動させるように構成され得る。
【0008】
[008] 開示される実施形態に一致して、血管内デバイスを制御するための制御デバイスが開示される。制御デバイスは、患者の体外に配置されるように構成され得る。制御デバイスは、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、血管内デバイスのコアワイヤを制御するための第1の機構であって、コアワイヤは、血管内デバイスのシャフトを通って延びる、第1の機構とを含み得る。制御デバイスは、ユーザからの入力に応答して、第1の機構を作動させ、血管内デバイスのシャフト内で血管内デバイスのコアワイヤを移動させるように構成され得る。
【0009】
[009] 開示される実施形態に一致して、血管内治療のためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、患者の体内の治療部位における制御可能な移動のために構成された血管内デバイスであって、血管内デバイスは、少なくとも1つの可動部を含む、血管内デバイスを含み得る。実施形態はまた、血管内デバイスを制御するための制御デバイスを含み得る。制御デバイスは、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構と、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を制御するように構成されたデバイス移動機構と、少なくとも1つのプロセッサとを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、第1の入力に応答して、デバイス移動機構を作動させ、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を移動させて、治療部位において血管内デバイスを第1の構成に移動させるように構成され得る。
【0010】
[010] 開示される実施形態に一致して、血管内治療のためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、患者の体内の治療部位における血管内デバイスのアクションを制御するための制御デバイスを含み得る。制御デバイスは、患者の体外に配置されるように構成された制御デバイス本体と、血管内デバイスの少なくとも1つの調節可能部分を制御するように構成されたデバイス移動機構であって、少なくとも1つの調節可能部分は、患者の体内の治療部位に配置されるように構成されている、デバイス移動機構と、デバイス移動機構に動作的に接続された少なくとも1つの磁石とを含み得る。少なくとも1つの磁石の第1の作動に応答して、デバイス移動機構は、血管内デバイスの少なくとも1つの調節可能部分によるアクションを生じさせ、治療部位において血管内デバイスを第1の構成に移行させるように構成され得る。
【0011】
[011] 前述の概要は、本開示のおおよその知識を提供するために、開示される実施形態の特定の例を提供するものであり、開示される実施形態の全ての態様の概要を述べることを意図するものではない。開示される実施形態の追加の特徴及び利点は、一部が後述する説明に記載され、一部は説明から明らかとなり、又は開示される実施形態の実践により知ることができる。開示される実施形態の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組合せによって実現され、達成されるであろう。
【0012】
[012] 前述の一般的説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示及び説明であり、特許請求される開示の実施形態を限定するものではないことを理解されたい。
【0013】
[013] 別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び/又は科学用語は、本開示が関係する分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ又は類似の意味を有する。方法及び/又は材料の例を以下に記載するが、本開示の実施形態の実践及び/又は試験において、記載されるものと類似又は同等の方法及び/又は材料が使用されてもよい。矛盾が生じた場合には、定義を含む特許明細書が優先されるものとする。材料、方法、及び例は、例示的なものにすぎず、必ずしも限定を意図するものではない。
【0014】
[014] 添付の図面は、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、明細書と共に、添付の特許請求の範囲に説明する開示の実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【0015】
[015] 本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、開示される実施形態を示し、明細書と共に、開示される実施形態を説明する役割を果たす。示される詳細は、例示的なものであり、本開示の実施形態の例証的な説明のためのものである。図面と共になされる説明により、本開示の実施形態がどのように実施され得るかが当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[016]開示される実施形態に一致する血管内治療システムの一例を示す。
図2】[017]開示される実施形態に一致する血管内治療システムの制御デバイスの概略図を示す。
図3A】[018]開示される実施形態に一致する血管内治療システムの制御デバイスの第1の例の外観図を示す。
図3B】[019]開示される実施形態に一致する血管内治療システムの制御デバイスの第2の例の外観図を示す。
図4A】[020]開示される実施形態に一致する、収縮状態にある拡張可能メッシュを有する血管内デバイスを示す。
図4B】[021]開示される実施形態に一致する、患者の体内の治療部位に配置された図4Aの拡張可能メッシュの拡大図を示す。
図4C】[022]開示される実施形態に一致する、拡張状態にある拡張可能メッシュを有する図4Aの血管内デバイスを示す。
図4D】[023]開示される実施形態に一致する、患者の体内の治療部位に配置された図4Cの拡張可能メッシュの拡大図を示す。
図5A】[024]開示される実施形態に一致する、真っ直ぐな状態にあるガイドワイヤを有する血管内デバイスを示す。
図5B】[025]開示される実施形態に一致する、曲げられた状態にあるガイドワイヤを有する図5Aの血管内デバイスを示す。
図6】[026]開示される実施形態に一致する、偏向可能なカテーテルを有する血管内デバイスを示す。
図7】[027]いくつかの開示される実施形態に一致する、血管内デバイスをデジタル制御する一例を示すフローチャートである。
図8】[028]開示される実施形態に一致する、血管内デバイスによる中空体器官の部分的に自動化された治療中の、血管内デバイスの拡張可能メッシュのサイズの経時的変化を示すグラフを示す。
図9A】[029]開示される実施形態に一致する、図1の血管内治療システムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例を示す。
図9B】[029]開示される実施形態に一致する、図1の血管内治療システムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例を示す。
図9C】[029]開示される実施形態に一致する、図1の血管内治療システムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例を示す。
図10】[030]開示される実施形態に一致する、図2の制御デバイスのデバイス移動機構の一例を示す。
図11】[031]開示される実施形態に一致する、図2の制御デバイスのデバイス移動機構の一例を示す。
図12】[032]開示される実施形態に一致する、図2の制御デバイスのデバイス移動機構の一例を示す。
図13】[033]開示される実施形態に一致する、図2の制御デバイスのデバイス移動機構の一例を示す。
図14】[034]開示される実施形態に一致する、血管内治療システムの一例を示す。
図15A】[035]開示される実施形態に一致する、図14の血管内治療システムの磁石制御式デバイス移動機構の例を示す。
図15B】[035]開示される実施形態に一致する、図14の血管内治療システムの磁石制御式デバイス移動機構の例を示す。
図15C】[035]開示される実施形態に一致する、図14の血管内治療システムの磁石制御式デバイス移動機構の例を示す。
図16】[036]開示される実施形態に一致する、図14の血管内治療システムのデバイス移動機構の一例を示す。
図17】[037]開示される実施形態に一致する、図14の血管内治療システムのデバイス移動機構の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
[038] 実施形態の例は、添付の図面を参照して説明される。必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない図において、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図を特定する。便宜上、同じ部分又は同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。開示される原理の例及び特徴が本明細書に記載されているが、修正、適応、及び他の実装は、開示される実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能である。また、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、及び「含む(including)」という語、並びに他の類似の形態は、意味において同等であり、これらの語のいずれか1つの後に続く1つ又は複数の項目は、そのような1つ又は複数の項目の網羅的リストを意味するものではなく、又は列挙された1つ又は複数の項目のみに限定されることを意味するものではないという点で、オープンエンドであることを意図する。本開示及び添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈で別段の明確な指示のない限り、複数形の参照を含むことにも留意されたい。
【0018】
[039] 特に明示的に述べられない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「処理」、「計算」、「演算」、「決定」、「生成」、「設定」、「構成」、「選択」、「定義」、「適用」、「取得」、「監視」、「提供」、「特定」、「区分化」、「分類」、「分析」、「関連付け」、「抽出」、「格納」、「受信」、「送信」などの用語を用いた説明は、データを他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータのアクション及び/又はプロセスを含み、データは、例えば電子量などの物理量として表され、及び/又はデータは、物理的物体を表す。「コンピュータ」、「プロセッサ」、「コントローラ」、「処理ユニット」、「演算ユニット」、及び「処理モジュール」という用語は、非限定的な例として、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、スマートグラス、タブレット、スマートフォン、サーバ、コンピューティングシステム、クラウドコンピューティングプラットフォーム、通信デバイス、場合により組み込みメモリを有するプロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、イメージシグナルプロセッサ(ISR)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(CPA)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ビジュアル処理ユニット(VPU)など)、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、プロセッサ内のコア、任意の他の電子コンピューティングデバイス、又は上記のいずれかの組合せを含む、データ処理能力を有するあらゆる種類の電子デバイス、コンポーネント又はユニットを包含するように広く解釈されるべきである。
【0019】
[040] 本明細書の教示に従った操作は、記載された機能を実施するように特別に構築又はプログラムされたコンピュータによって実施され得る。
【0020】
[041] 本明細書で使用する場合、「例えば(for example)」、「などの(such as)」、「例えば(for instance)」というフレーズ及びそれらの変化形は、本開示の対象の非限定的な実施形態を説明する。本明細書における、「実施形態」、「1つの場合」、「いくつかの場合」、「他の場合」又はそれらの変化形の特徴の参照は、記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の対象の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、そのような用語の出現は、同じ実施形態を必ずしも指すわけではない。本明細書で使用する場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のあらゆる組合せを含む。本明細書で使用する場合、「~又は~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙された項目のそれぞれを個々に又は列挙された項目の任意の組合せを含み得る。例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という表現は、A、B、又はCのいずれかを単独で、又はA、B、及びCの任意の組合せ(例えば、A+B、A+C、B+C、又はA+B+C)を含み得る。
【0021】
[042] 本開示の対象の特徴は、簡潔にするために、特定の実施形態の文脈で記載される。しかしながら、一実施形態に関連して記載される特徴は、他の実施形態にも適用可能であることを理解されたい。同様に、特定の組合せの文脈で記載される特徴は、単独又は特定の組合せ以外の文脈のいずれかで、別個の実施形態と見なされ得る。
【0022】
[043] 本開示の対象の実施形態では、図に示される1つ以上の段階は、異なる順序で実行されてもよく、及び/又は1つ以上の段階群が同時に実行されてもよく、その逆もまた然りである。図は、本開示の対象の実施形態に従ったシステムアーキテクチャの一般的な概略を示す。図中の各モジュールは、本明細書に定義され、説明される機能を実施するソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアの任意の組合せで構成され得る。図中のモジュールは、1つの場所に集中させてもよく、又は1つより多い場所に分散させてもよい。
【0023】
[044] 本開示の対象の例は、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構成の詳細及び配置への適用に限定されない。本対象は、様々な手法で実践又は実行され得る。また、本明細書で用いられる語法及び専門用語は、説明の目的のためであり、限定であると考えるべきではないことを理解されたい。
【0024】
[045] 本文書では、図面の範囲内に記載されておらず、前の図面に記載されている番号が付された図面の要素は、前の図面と同じ用途及び説明を有し得る。
【0025】
[046] 本文書の図面は、任意の縮尺に従っていない場合がある。異なる図は、異なる縮尺を使用している場合があり、同じ図面内でさえ、異なる縮尺、例えば、同じ物体の異なる図に対して異なる縮尺、又は2つの隣接する物体に対して異なる縮尺を使用することができる。
【0026】
[047] 開示される実施形態に一致して、「少なくとも1つのプロセッサ」は、1つ又は複数の入力に対して論理演算を実施する電気回路を有する任意の物理デバイス又はデバイスの群を構成し得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)の全部若しくは一部、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、サーバ、仮想サーバ、又は命令の実行若しくは論理演算の実施に適した他の回路を含む1つ以上の集積回路(IC)を含み得る。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに統合された若しくは埋め込まれたメモリに予め読み込まれてもよく、又は別個のメモリに格納されてもよい。メモリとしては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の永続的、固定的、若しくは揮発性メモリ、又は命令を格納することができる任意の他の機構が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つより多いプロセッサを含み得る。各プロセッサは、同様の構成を有してもよく、又はプロセッサは、互いに電気的に接続又は切断される異なる構成のものであってもよい。例えば、プロセッサは、別個の回路であってもよく、又は単一の回路に統合されてもよい。1つより多いプロセッサが使用される場合、プロセッサは、独立して又は協働して動作するように構成され得る。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、又はそれらが相互作用することを可能にする他の手段によって結合され得る。
【0027】
[048] 開示される実施形態は、データ構造を含み得る及び/又はこれにアクセスし得る。本開示に一致するデータ構造には、データ値の任意の集合及びそれらの間の関係が含まれ得る。データは、線的に、水平に、階層的に、関係的に、非関係的に、一次元的に、多次元的に、操作的に、順序ありの手法で、順序なしの手法で、オブジェクト指向の手法で、集中型の手法で、非集中型の手法で、分散型の手法で、カスタムの手法で、又はデータアクセスを可能にする任意の手法で格納され得る。非限定的な例として、データ構造は、配列、連想配列、連結した、連結リスト、二分木、平衡木、ヒープ、スタック、キュー、セット、ハッシュテーブル、レコード、タグ付き共用体、ERモデル、及びグラフを含み得る。例えば、データ構造は、XMLデータベース、RDBMSデータベース、SQLデータベース、又はデータ格納/検索のためのNoSQLの代替物、例えば、MongoDB、Redis、Couchbase、Datastax Enterprise Graph、Elastic Search、Splunk、Solr、Cassandra、Amazon DynamoDB、Scylla、HBase、及びNeo4Jなどを含み得る。データ構造は、開示されるシステムの構成要素又はリモートコンピューティング構成要素(例えば、クラウドベースのデータ構造)であり得る。データ構造内のデータは、連続又は非連続のメモリに格納され得る。更に、データ構造は、本明細書で使用する場合、情報が同じ場所にあることを必要としない。データ構造は、例えば、同じ又は異なる実体によって所有又は運用され得る複数のサーバに分散され得る。したがって、「データ構造」という用語は、本明細書で単数形で使用される場合、複数のデータ構造を包含する。
【0028】
[049] 本開示の実施形態は、少なくとも1つの血管内デバイスのデジタル制御を含む、本明細書に記載される様々な操作又は機能を実施するためのシステムに関する。開示されるシステムは、特定の目的のために特別に構築されてもよく、及び/又は少なくとも1つのプロセッサによって実行されるソフトウェアプログラムによって選択的にアクティベート若しくは構成される少なくとも1つの汎用プロセッサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、開示されるシステムによって又は開示されるシステムの少なくとも1つのプロセッサによって実施される操作及び機能は、追加的又は代替的に、方法若しくはプロセスの工程として、又は非一時的コンピュータ可読媒体に含まれる命令が(例えば、少なくとも1つのプロセッサによって)実行されたときに実施される操作として実施されてもよい。
【0029】
[050] 本開示の実施形態は、少なくとも1つの血管内デバイスのデジタル制御を含む、本明細書に記載される様々な操作又は機能を実施するための方法に関する。本明細書に開示される方法の態様は、少なくとも1つのプロセッサなどによって電子的に実施されてもよく、有線、無線、又は有線及び無線の両方のネットワーク上で生じ得る。本明細書に開示される方法の態様は、追加的又は代替的に、非電子的な手段を使用して実施されてもよい。最も広い意味において、開示される方法は、特定の物理的及び/又は電子的な手段に限定されず(本開示又はここに提示される特許請求の範囲で指定される場合を除く)、むしろ、多くの異なる手段を用いて達成されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法の工程は、開示されるシステムの特徴によって(例えば、本明細書に開示されるシステムの少なくとも1つのプロセッサによって)実施され得る、又は非一時的コンピュータ可読媒体に含まれる命令が(例えば、少なくとも1つのプロセッサによって)実行されるときに実施される操作として実施され得る。
【0030】
[051] 本開示の実施形態は、少なくとも1つの血管内デバイスのデジタル制御を含む、本明細書に記載される様々な操作又は機能を実施するための命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体に関する。開示される実施形態に一致して、非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であり、実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載される工程及び/又は方法を実施させることができるプログラム命令を格納してもよい。本明細書で使用する場合、非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能な情報又はデータを格納することができる任意のタイプの物理メモリを指す場合がある。例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、CD ROM、DVD、フラッシュドライブ、ディスク、及び任意の他の既知の物理記憶媒体が挙げられ得る。「メモリ」及び「コンピュータ可読媒体」などの単数形の用語は、いくつかの実施形態では、複数のメモリ又はコンピュータ可読媒体などの複数の構造を指すことがある。コンピュータ可読媒体は、本明細書に開示される実施形態に一致する工程又は段階をプロセッサに実施させるための命令を含む、少なくとも1つのプロセッサによる実行のための命令を格納し得る。更に、コンピュータ実施方法を実施する際に、1つ以上のコンピュータ可読媒体が用いられてもよい。「コンピュータ可読媒体」という用語は、有形の物品を含み、搬送波及び過渡信号は除外するものと理解されるべきである。
【0031】
[052] 本開示の実施形態は、血管内デバイス、並びに血管内デバイスを制御するためのシステム、方法、及び非一時的コンピュータ可読媒体に関する。本明細書で使用する場合、血管内デバイスは、例えば患者を診断及び/又は治療するために、医療目的で人体内の血管若しくは別の身体構造若しくは器官内に配置されるように、又は例えば患者を診断及び/又は治療するために、医療目的で人体内の血管若しくは別の身体構造若しくは器官の内部で操作するように構成された任意のデバイス又は器具を指す場合がある。開示される実施形態では、身体構造は、患者の体内の中空の解剖学的特徴を含み得る。身体構造の非限定的な例としては、血管、毛細血管、動脈瘤、食道、胃、腸、胆嚢、尿道、卵管、腟管、膀胱、又は任意の他の中空の身体構造若しくは器官が挙げられる。いくつかの実施形態では、血管内デバイスは、本明細書により詳細に記載されるように、血管内手術及び処置中に使用されるように、又はそうでなければ血管内手術及び処置を容易にするように構成された任意のデバイス又は器具を含み得る。血管内デバイスは、第1の場所(例えば、体外の場所)から血管若しくは他の身体構造内の治療部位にデバイス、薬物、若しくは物質を送達するように、及び/又はデバイス、物体、若しくは物質(例えば、血栓又は他の閉塞物)を血管若しくは他の身体構造から除去するように構成され得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、血管内デバイスは、血管内の治療部位に一時的又は永続的な変化又は変形を生じさせるように構成され得る(例えば、狭窄した血管を拡張させる又は血管組織を切除する)。本開示に一致する血管内デバイスのいくつかの非限定的な例としては、カテーテル(例えば、吸引カテーテル又はガイドカテーテル)、マイクロカテーテル、バルーンカテーテル、拡張可能メッシュを有するデバイス(例えば、調節可能メッシュ及び/又はステント回収器を有するデバイス)、医療用シース、ガイドワイヤ(例えば、制御可能なガイドワイヤ)、コイル、血管内血管再生デバイス、塞栓術デバイス、アブレーションデバイス、ステント、ステント回収器、又は血管若しくは他の身体構造内に配置されるように構成された任意の他のデバイスが挙げられ得る。
【0032】
[053] 本開示の実施形態は、概して、体内の閉塞を治療するための医療デバイス、方法、及びシステムに関する。より具体的には、本開示の実施形態は、血管などの中空の身体構造又は器官から栓子及び血栓を含むがこれに限定されない血餅を除去するためのデバイス及び方法に関する。追加的又は代替的に、本開示の実施形態はまた、閉塞した中空の身体構造又は器官(例えば血管)を拡張させるために、並びに中空の身体構造又は器官(例えば血管)の支持が望まれる他の医療処置に用いられてもよい。医療処置の例としては、血栓除去術、血管リモデリング、血管支持、血管拡張、血管形成術、及び動脈瘤の塞栓術が挙げられるが、これらに限定されない。更に、本開示の実施形態はまた、体の血管系の他の疾患に対処するために用いられ得る。
【0033】
[054] 図4A図4Dは、制御デバイス1400(以下で更に詳細に説明する)より制御されるように構成された血管内デバイス1200aの第1の非限定的な例を示す。血管内デバイス1200aは、制御デバイス1400に対してしっかりと取り付けられた中空の細長いシャフト4220と、シャフト4220の遠位端に接続された又はそうでなければその遠位に位置する少なくとも1つの拡張可能メッシュセグメント4210とを含み得る。任意選択的に、可撓性の非外傷性先端部4240が、血管内デバイス1200aの遠位端にしっかりと取り付けられ得る。メッシュセグメント4210は、拡張可能メッシュを形成するように編まれた又は巻かれた複数のワイヤによって形成され得る。血管内デバイス1200aは、コアワイヤ4230(例えば制御ワイヤ)も含み得、コアワイヤ4230は、メッシュセグメント4210の収縮状態(図4A図4B)と拡張状態(図4C図4D)との間での半径方向の拡張及び収縮を生じさせるように操作され得る。図示の例では、コアワイヤ4230の第1の端部は、メッシュセグメントの遠位端4212に(又はメッシュセグメント4210又は血管内デバイス1200aの任意の他の適切な部分に)しっかりと取り付けられ得る。コアワイヤ4230は、コアワイヤの第2の端部が制御デバイス1400に接続され得るように、細長いシャフト4220を通って一体に延び得る。例えば、コアワイヤ4230の第2の端部は、制御デバイス1400のデバイス移動機構2412に動作的に接続され得る。デバイス移動機構2412は、コアワイヤ4230を近位方向(図4A図4Dでは右)又は遠位方向(図4A図4Dでは左)に軸方向に移動させるように構成され得、したがって、メッシュ遠位端4212をメッシュ近位端4214に対して移動させ、メッシュセグメント4210を拡張又は収縮させる。開示される実施形態に一致して、血管内デバイス1200aは、血餅回収デバイス、身体構造(例えば血管)の機械的拡張のためのデバイス、又は血管リモデリングデバイスとして構成され得る。追加的又は代替的に、血管内デバイス1200aは、動脈瘤の治療中(例えば、動脈瘤に充填するためにコイル又は他の材料が動脈瘤内に送達される間)に血管を支持するように構成され得る。
【0034】
[055] メッシュセグメント4210は、メッシュセグメント4210が送達デバイス内に保持されるようなサイズにされ得るように、収縮状態において減少した外径(例えば、0.5mm~2.0mm)を有し得る。メッシュを拡張させるために、メッシュの遠位端4212と近位端4214は、引いて互いに近づけられ(例えば、コアワイヤ4230に遠位端4212を近位方向に引かせることにより)、メッシュセグメント4210の中央部を血管壁4010に向かって外向きに拡張させることができる。したがって、メッシュセグメント4210の外径は、拡張状態にあるときにより大きくなる。いくつかの実施形態では、遠位端4212と近位端4214との間の距離を調節することにより、メッシュセグメント4210の異なる拡張の程度が達成され得る。例えば、メッシュセグメント4210は、メッシュの遠位端4212と近位端4214とを第1の距離だけ引き離すことによって部分的に拡張させることができる。これと比較して、メッシュセグメント4210は、所望の拡張の程度又はサイズが達成されるまで(例えば、メッシュセグメント4210が血管壁4010に接触するまで)遠位端4212と近位端4214との間の距離を減らし続けることによって完全に拡張させることができる。
【0035】
[056] いくつかの実施形態では、メッシュセグメント4210を形成するワイヤは、血管内で少なくとも1つのアクションを実施するための特定のパターンで編組され得る。例えば、メッシュセグメント4210のワイヤは、血餅捕捉機構を形成するように編組され得、個々のワイヤ間の開口部4216(図4Dを参照)は、メッシュセグメントが拡張されたときに閉塞物質(例えば血栓)を捕捉及び保持するような大きさである。追加的又は代替的に、メッシュセグメント4210のワイヤは、血管壁4010に向かって半径方向外向きに拡張して、閉塞物4012(図4Dを参照)を捕らえるように構成された血餅アンカリングセグメントを形成するように編まれてもよく、拡張したメッシュセグメント4210が近位に引かれると、それは捕らえられた閉塞物4012を上流に押すことができるため、閉塞物は体から除去され得る。
【0036】
[057] 図4A図4Dに示される例は、単一のメッシュセグメント4210を含むが、血管内デバイス1200aの代替的実施形態は、2つのメッシュセグメント、3つのメッシュセグメント、4つのメッシュセグメント、又は任意の他の適切な数のメッシュセグメントを含んでもよい。複数のメッシュセグメントを含む実施形態では、各メッシュセグメントは、個々に拡張可能であってもよく(例えば、各セグメントは、独自のコアワイヤを含んでもよい)又は、代替的に、メッシュセグメントの全ては、(例えば、最遠位メッシュセグメントに接続された単一のコアワイヤによって)同時に拡張されるように構成され得る。
【0037】
[058] 図5A及び図5Bは、制御デバイス1400により制御され得る血管内デバイス1200bの別の非限定的な例を示す。血管内デバイス1200bは、偏向可能ガイドワイヤを含み得、偏向可能ガイドワイヤは、ガイドワイヤの少なくとも1つの曲げ可能セクション5202の曲げ及び直線化を制御するように構成され得る制御デバイス1400に接続された中空の細長いシャフト5220(例えばハイポチューブ)を含む。いくつかの実施形態では、細長いシャフト5220(例えばハイポチューブ)は、ヒトの血管系を横断するようなサイズ及び構成にされ得る。いくつかの実施形態では、血管内デバイス1200bは、参照により本明細書に組み込む米国特許第11,389,172号に図示及び記載されているような、細長いシャフト5220(例えばハイポチューブ)の遠位端に対してしっかりと取り付けられた細長いコイルを含み得る。血管内デバイス1200bは、制御デバイス1400に接続され、細長いシャフト5220(例えばハイポチューブ)を通って細長いシャフト5220との接続点(例えば、血管内デバイス1200bの遠位端5420などの、血管内デバイス1200bの曲げ可能セクション5202の遠位部又はその近傍)まで延びるコアワイヤ(例えば、制御ワイヤ、図示せず)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、血管内デバイス1200bのコアワイヤは、コアワイヤを近位方向(図5A図5Bでは右)又は遠位方向(図5A図5Bでは左)に軸方向に移動させるように構成され得る、制御デバイス1400のデバイス移動機構2412に動作的に接続され得る。例えば、ガイドワイヤの曲げを生じさせるために、デバイス移動機構2412は、コアワイヤを近位方向に引いてもよく、これにより、接続点(例えば遠位端5240)を制御デバイス1400に向かって引き、曲げ可能セクション5202を曲げてもよい。ガイドワイヤを真っ直ぐにするために、例えば、デバイス移動機構2412は、コアワイヤを遠位方向に押してもよく、これにより、接続点(例えば遠位端5240)を制御デバイス1400から押し離し、曲げ可能セクション5202を真っ直ぐにしてもよい(即ち、曲げ可能セクション5202の曲げの程度を減少させる)。
【0038】
[059] 図5A図5Bに示される例は、単一の曲げ可能セクション5202を含む。血管内デバイス1200bの代替的実施形態は、2つの曲げ可能セクション、3つの曲げ可能セクション、4つの曲げ可能セクション、又は任意の他の適切な数の曲げ可能セクションを含んでもよい。複数の曲げ可能セクションを含む実施形態では、各曲げ可能セクションは、個々に曲げられてもよい(例えば、各セグメントは、独自の制御ワイヤを含んでもよい)。
【0039】
[060] 図6は、制御デバイス1400により制御可能に曲げられ、及び真っ直ぐにされ得る偏向可能なカテーテルを含む血管内デバイス1200cの別の非限定的な例を示す。図6のカテーテルは、吸引カテーテル、ガイドカテーテル、又は任意の他の適切な種類のカテーテル、又は医療シースデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、血管内デバイス1200cのカテーテルは、一方向に曲がる、二方向に曲がるように構成されてもよく、又はそれ以外の曲がるための構成を有してもよい。血管内デバイス1200cは、可撓性の細長いシース6220と、任意選択的に、血管内デバイス1200cの遠位端の近傍に配置された可撓性コイルセグメント6222とを含んでもよい。血管内デバイス1200cはまた、細長いシース6220を通って、及びいくつかの実施形態では、コイルセグメント6222を通って延びるコアワイヤ(例えば、制御ワイヤ、図示せず)を含んでもよい。コアワイヤの第1の端部は、制御デバイス1400にしっかりと取り付けられてもよく、コアワイヤの第2の端部は、血管内デバイスの遠位先端部6240にある又はその近傍の接続点などの、カテーテルの偏向可能セグメント6202に対してしっかりと取り付けられてもよい。
【0040】
[061] いくつかの実施形態では、デバイス移動機構2412は、コアワイヤの近位端にしっかりと取り付けられ得、コアワイヤを軸方向に移動させ、血管内デバイス1200cの偏向可能セグメント6202の曲げ及び直線化を生じさせるように構成され得る。一例として、1つの実装形態では、デバイス移動機構2412は、コアワイヤを遠位方向に押し、偏向可能セグメント6202を第1の方向(例えば、図6では時計回り)に湾曲させることができる。デバイス移動機構2412はまた、コアワイヤを近位方向に引き、偏向可能セグメント6202を反対方向(例えば、図6では反時計回り)に湾曲させることができる。
【0041】
[062] いくつかの実施形態では、血管内デバイスは、制御可能に加熱及び/又は切断され得るワイヤ及び/又はコイルであり得る。ワイヤ及び/又はコイルは、動脈瘤を治療するための塞栓処置、又はワイヤ及び/又はコイルを使用し得る任意の他の適切な血管内処置で使用され得る。ワイヤは、動脈瘤の内部で巻かれるように構成され、血液が動脈瘤に又は動脈瘤から流れるのを防止するように、可撓性であり得る。
【0042】
[063] いくつかの実施形態では、デバイス移動機構2412は、ワイヤの近位端にしっかりと取り付けられ得、ワイヤを軸方向に移動させるように構成され得る。一例として、1つの実装形態では、デバイス移動機構2412は、ワイヤを遠位方向に押し、ワイヤを動脈瘤の内部で巻くことができる。デバイス移動機構2412はまた、ワイヤを近位方向に引くことができる。
【0043】
[064] 開示される実施形態は、血管内デバイス又は複数の血管内デバイスのデジタル制御のためのシステム、方法、及び非一時的コンピュータ可読媒体を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、血管内デバイスのデジタル制御のための操作を実施させる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。本明細書で使用する場合、血管内デバイスのデジタル制御のためのシステムは、少なくとも1つのデジタルプロセッサを使用して、患者の体内及び体外の両方における血管内デバイスのアクションを制御するシステムを指す場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、血管内デバイスは、医師又は他のユーザが血管内デバイスを手動で操作することなく血管内処置を実施するようにデジタルプロセッサによって制御及び操作され得る。ユーザは、インターベンション放射線専門医、インターベンション心臓専門医、インターベンション神経科医、外科医、看護師、及び技術者などであるがこれらに限定されない任意の医療従事者であり得る。同様に、血管内デバイスのデジタル制御の方法は、デジタルコンピューティングデバイスにより血管内デバイスのアクションを操作又は制御する方法を指す場合がある。いくつかの実施形態では、開示されるシステムは、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの移動又は血管内デバイスによる他のアクションを生じさせる構成要素(例えば、血管内デバイスの移動を生じさせるためのモータ、又は血管内デバイスのコアワイヤを前進若しくは後退させるための機構)に電子的に接続される、を含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、構成要素にデジタル信号を出力するように構成され得、構成要素は、デジタル信号に基づいて血管内デバイスの移動又は他のアクションを制御し得る。
【0044】
[065] 図1は、血管内デバイス1200のデジタル制御のためのシステム1000の非限定的な例を示す。血管内デバイス1200は、図4A図6に示されるデバイス1200a~1200cを含む任意の適切な血管内デバイスを含み得る。システム1000は、血管内デバイス1200の移動及び他のアクションを制御するように構成された制御デバイス1400を含み得る。例えば、及び本開示の他の場所に記載されるように、制御デバイス1400は、ユーザから入力を受け取るための入力機構を含み得、受け取ったユーザ入力に基づいて血管内デバイス1200を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御デバイス1200は、1つより多い血管内デバイス1200を(例えば、同時的に又は互いに続いて)制御するように構成され得る。
【0045】
[066] いくつかの実施形態では、システム1000は、患者の体又は血管内デバイス1200の特性を測定するように構成された少なくとも1つのセンサ1600を含み得る。例えば、センサ1600は、血管内デバイス1200が血管から除去されるときに(例えば、血管内デバイス1200が制御デバイス1400又はユーザによって患者の体から除去されるときに)作用される力を測定するように構成された力センサを含み得る。センサ1600は、センサ出力を制御デバイス1400に提供することができ、制御デバイス1400は、このセンサ出力を使用して、血管内デバイス1200を制御し得る。図1は、制御デバイス1400とセンサ1600との間の有線接続を示し、代替的実施形態では、制御デバイス1400とセンサ1600とは、無線接続によって(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、又はRF信号によって)接続され得る。いくつかの実施形態では、センサ1600は、センサ出力を周辺デバイス1800に提供し得る。周辺デバイス1800とセンサ1600は、有線接続によって接続され得る。他の実施形態では、周辺デバイス1800とセンサ1600は、無線接続によって(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、又はRF信号によって)接続され得る。他の実施形態によれば、センサ1600は、制御デバイス1400及び周辺デバイス1800の両方にセンサ出力を提供し得る。別の実施形態によれば、システム1000は、センサ1600を含まなくてもよい。
【0046】
[067] いくつかの実施形態では、システム1000は、有線接続及び/又は無線接続によって制御デバイス1400に接続される周辺デバイス1800を含み得る。周辺デバイス1800は、少なくとも1つのプロセッサと、視覚ディスプレイ又はグラフィカルユーザインターフェース(GUI)などのユーザインターフェースとを含み得る。例えば、周辺デバイス1800としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、外科用制御デバイス又はパネル、ディスプレイ画面、テレビ、ハンドヘルドデバイス、タッチスクリーンデバイス、又は別の器具が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、アラート及び血管内デバイス1200の操作に関連する他のフィードバックが周辺デバイス1800のユーザインターフェースを介して提供され得る。追加的又は代替的に、医師又は他のユーザが、周辺デバイス1800のユーザインターフェースを介して入力を提供してもよく、周辺デバイス1800は、ユーザの入力に基づいて血管内デバイス1200のアクションを制御するために制御デバイス1400に入力を中継することができる。
【0047】
[068] 図2は、制御デバイス1400の概略図を示す。いくつかの実施形態では、制御デバイス1400は、医師又は他のユーザが血管内デバイス1200による処置中に容易に保持して操作することができる携帯型ハンドヘルドデバイスとして構成され得る。制御デバイス1400は、デバイスカバー2410と、デバイス移動機構2412と、コントローラ2414と、電源2416(例えば、電池又は外部電源)とを含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ2414は、デバイス移動機構2412のモータコントローラと、データ構造(例えばメモリ)と、通信機構(例えば、無線周波信号又は任意の他の適切な通信媒体を介した無線通信用のアンテナ)とを有するプリント回路基板(PCB)を含み得る。制御デバイス1400は、センサ1600から出力を受け取るためのセンサ入力2418も含み得る。したがって、コントローラ2414は、センサ1600から出力を受け取るための力センサインターフェース回路に接続され得る。制御デバイス1400は、血管内デバイス1200とデバイス移動機構2412との間に機械的接続を提供し得る少なくとも1つの血管内デバイスアクチュエータ2420も含み得る。アクチュエータ2420は、アクチュエータ2420の移動が血管内デバイスに所望のアクションを実施させ得るように、血管内デバイス1200の制御機能(例えば、図4A図4Dの血管内デバイス1200aの制御ワイヤ4230、ガイドワイヤの制御ワイヤ、又はガイドカテーテルの制御ワイヤ)として構成され得る。デバイス移動機構2412は、アクチュエータ2420に接続され得、アクチュエータ2420を軸方向に(例えば、図2では左又は右に)、回転方向に、又は任意の他の所望の移動で移動させるように構成され得、それにより血管内デバイス1200の移動及び他のアクションを制御する。いくつかの実施形態では、制御デバイス1400は、デバイス移動機構2412のみを含み得、プロセッサは含まない。
【0048】
[069] 開示される実施形態では、デバイス移動機構2412は、血管内デバイス1200の少なくとも1つの可動部を移動させるように構成され得るモータ、エンコーダ、又はギアのうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、コントローラ2414は、モータ、エンコーダ、又はギアのうちの少なくとも1つを使用して血管内デバイス1200の所望の移動を実行するようにデバイス移動機構2412を制御し得る。いくつかの実施形態では、モータ、エンコーダ、又はギアのうちの少なくとも1つは、制御デバイス1400の入力機構(例えば、図3A及び図3Bに示される制御ボタン)により受け取られたユーザ入力、少なくとも1つのセンサ(例えばセンサ1600)からの信号、ユーザインターフェースデバイス(例えば周辺デバイス1800)のプロセッサからの信号、又はコントローラ2414のメモリに格納された、血管内デバイス1200による治療のためのコンピュータ実行可能命令のうちの少なくとも1つに基づいて、血管内デバイス1400の少なくとも1つの可動部を移動させるように構成され得る。
【0049】
[070] いくつかの実施形態では、制御デバイス1400は、デバイス1800などの少なくとも1つの周辺デバイスに動作的に接続されるように構成され得る。周辺デバイス1800は、画像ディスプレイ画面、制御画面、又はコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。制御デバイス1400は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、又は任意の他の適切な通信媒体などを介して、有線接続及び/又は無線接続によって周辺デバイス1800に接続され得る。
【0050】
[071] 開示される実施形態は、本開示の他の場所に定義されるように、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。例えば、開示される血管内デバイスのデジタル制御のためのシステムは、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。図2において、コントローラ2414は、少なくとも1つのプロセッサの一例である。
【0051】
[072] 開示される実施形態は、患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得することを含み得る。例えば、開示されるシステムの少なくとも1つのプロセッサは、患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得するように構成され得る。本明細書で使用する場合、血管内デバイスの第1の所望のアクションは、血管内デバイスの移動(例えば、血管内デバイスの前方若しくは遠位方向への移動又は後方若しくは近位方向への移動)、指定された位置(例えば、患者の体内の治療部位、又は身体構造の分岐などの指定された解剖学的位置)における血管内デバイスの位置決め、患者の体からの血管内デバイスの除去、血管内デバイスの構成要素のアクティベーション又はディアクティベーション(例えば、血管内デバイスの電極のアクティベーション)、血管内デバイスの変化又は変形(例えば、血管内デバイスのメッシュセグメントの拡張若しくは収縮、血管内デバイスの遠位部の曲げ、又は温度変化)、又は血管内デバイスにより達成される任意の他の所望の帰結又は効果を含み得る。
【0052】
[073] 開示される実施形態では、第1の所望のアクションは、身体構造内でガイドワイヤの遠位部(例えば、ガイドワイヤの遠位先端部)又はガイドカテーテルの遠位部を曲げることを含み得る。例としては、ガイドワイヤ又はガイドカテーテルの少なくとも1つの遠位部を所望の曲率に曲げること、及びガイドワイヤ又はガイドカテーテルの少なくとも1つの遠位部を湾曲構成から直線構成に曲げることが挙げられる。例示として、図5A図5Bは、血管内デバイス1200bのガイドワイヤの曲げ可能セクション5202をガイドワイヤの遠位端(図5A)又はデバイスの別の遠位曲げ可能部分(図5B)において直線構成から湾曲構成に曲げることを示す。別の例として、図6は、血管内デバイス1200cのカテーテルの偏向可能セグメント6202を曲げることを示す。
【0053】
[074] 追加的又は代替的に、第1の所望のアクションは、血管内デバイスの遠位部の拡張又は収縮を含み得る。本明細書で使用する場合、血管内デバイスの遠位部の拡張は、血管内デバイスのサイズ又は少なくとも1つの寸法の増加(例えば、血管内デバイスの遠位部の外径、内径、高さ、長さ、又は幅の増加)を指す場合がある。更に、収縮は、血管内デバイスの遠位部のサイズ又は少なくとも1つの寸法の減少を指す場合があり、潰れ又は弛緩とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、血管内デバイスの遠位部は、拡張可能メッシュ又はステント又は膨張可能バルーンなどの、デバイスの残りの部分は変化しないままで、拡張及び収縮するように構成された構造を含み得る。例えば、第1の所望のアクションは、特定のサイズ、又は完全収縮状態、完全拡張状態、若しくは拡張状態と収縮状態との間の少なくとも1つの中間状態を含む拡張若しくは収縮の程度を達成するために、血管内デバイスの遠位部を拡張又は収縮させることを含み得る。例示として、図4A図4Dは、血管内デバイス1200aの遠位部における、収縮状態(図4A図4B)から拡張状態(図4C図4D)への拡張可能メッシュセグメント4210の拡張を示す。
【0054】
[075] 追加的又は代替的に、第1の所望のアクションは、血管内デバイスの先端部又は血管内デバイス全体の移動を含み得る。例えば、先端部の移動には、前方(遠位方向)への移動、後方(近位方向)への移動、横方向又は左右の移動、垂直移動、曲げ、直線化、回転、又は血管内デバイスの先端部の任意の他の所望の移動が含まれ得る。他の例には、患者の体内の所望の位置への血管内デバイスの前進を制御すること、又は患者の体から血管内デバイスを除去することが含まれる。説明のために、図6は、遠位先端部6240を含む血管内デバイス1200cの偏向可能セグメント6202の移動(具体的には、曲げ)を制御することを示す。
【0055】
[076] 更に、いくつかの実施形態では、第1の所望のアクションは、血管内デバイスの加熱又は切断を含み得る。例えば、第1の所望のアクションは、低体温症の場合に迅速で制御された再加温を提供するために、血管内カテーテルが患者の体内にあるままで血管内デバイスを加熱することを含み得る。別の例として、第1の所望のアクションは、コイル塞栓術中の血管内コイルの脱離を生じさせるために血管内デバイスを加熱することを含み得る。更に、更に別の例では、第1の所望のアクションは、コイル塞栓術中の血管内コイルの機械的な脱離を含み得る。
【0056】
[077] いくつかの実施形態では、入力は、ユーザインターフェースから得られてもよく、血管内デバイスの第1の所望のアクションを指定するユーザ入力を構成し得る。例えば、所望の第1のアクションを示す入力は、血管内デバイスを用いて処置を実施するユーザからの入力を含み得る。したがって、得られた入力によって指定された所望の第1のアクションは、血管内デバイスを用いて実施される処置の次の工程に対応し得る。いくつかの実施形態では、ユーザからの入力は、手動入力機構(例えば、ボタン、キーボード、コンピュータマウス、レバー、ジョイスティック、フットスイッチ若しくはペダル、又はタッチスクリーン)、音声入力機構(例えば、口頭コマンドを認識するように構成されたマイクロフォンデバイス)、グラフィカルユーザインターフェース、又は血管内デバイスの第1の所望のアクションを指定するユーザからの入力を受け取るための任意の他のインターフェースのうちの少なくとも1つから得られ得る。
【0057】
[078] 開示される実施形態では、第1の所望のアクションを示すユーザからの入力は、少なくとも1つのプロセッサに動作的に接続された制御ハンドルから得られ得る。例えば、ユーザは、第1の所望のアクションを少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)に示すために、制御ハンドル1400のインターフェースを操作してもよい。図3A及び図3Bは、制御デバイス1400のユーザインターフェースの2つの非限定的な例を示す。図3Aに示される例では、制御デバイス1400aは、少なくとも1つのプロセッサに血管内デバイスの第1の所望のアクションを指定するためのボタン又は他の手動入力機構の配置を含み得る。制御デバイス1400aのユーザインターフェースは、血管内デバイスの拡張可能部分(例えば、メッシュセグメント又は膨張可能バルーン)を拡張させるためのボタン3430と、血管内デバイスの拡張可能部分(例えば、メッシュセグメント又は膨張可能バルーン)を収縮させるためのボタン3432とを含み得る。更に、ボタン3434は、血管内デバイスの拡張可能部分による(例えば、メッシュセグメント又は膨張可能バルーンの)脈動運動のアクティベーション又は停止を生じさせてもよく、ボタン3436は、制御デバイス1400aに、血管内デバイス1200を(例えば、血管内デバイス1200の拡張可能部分、例えばメッシュセグメント又は膨張可能バルーンを収縮させること、及び/又は身体構造から及び/又は患者の体から血管内デバイスを除去することにより)回収位置に移動させてもよく、ボタン3438は、制御デバイス1400により血管内デバイス1200を制御するための自動操作を(例えば、更なるユーザ入力なしで)生じさせてもよい。例えば、ボタン3438は、デバイスが所定の場所にあり、自動化が開始又は再開されてもよいことを示すために、ユーザによって押されてもよい。制御デバイス1400aのユーザインターフェースのボタンを操作することにより、ユーザは、少なくとも1つのプロセッサに血管内デバイス1200の第1の所望のアクションを指定することができ、少なくとも1つのプロセッサは、患者の身体構造において第1の所望のアクションを実行するように血管内デバイスを制御することができる。
【0058】
[079] 図3Bは、少なくとも1つのプロセッサに血管内デバイスの第1の所望のアクションを指定するための、制御デバイス1400b上のボタン又は他の手動入力機構の配置の別の非限定的な例を示す。制御デバイス1400bのユーザインターフェースは、血管内デバイス1200の拡張可能部分の所望のサイズ、形状、若しくは寸法を示す及び/又は血管内デバイス1200で治療されるべき身体構造のサイズ、形状、若しくは寸法を示す複数のボタン3444~3450を含み得る。例えば、ボタン3444、3446、3448、及び3450は、血管内デバイス1200の拡張可能部分(例えば、拡張可能メッシュ又は膨張可能バルーン)をそれぞれ1mm、2mm、3mm、及び4mmの外径を有するように拡張させるために制御デバイス1400bに信号を送信してもよい。制御デバイス1400bの図示例は、血管内デバイスの拡張可能部分のサイズを指定するための4つのボタン3444~3450を示すが、代替的実施形態では、より多い又は少ないボタンが実装されてもよい。追加的又は代替的に、送達デバイスから患者の体内に前進させる血管内デバイスの曲率の程度又は長さなどの、血管内デバイス1200の他の寸法又は特性の特定の値を指定するために、1つ以上のボタンが制御デバイス1400b上に設けられてもよい。任意選択的に所定の期間にわたる血管内デバイス1200による特定の運動(例えば、脈動運動又はマッサージ運動)の自動アクティベーション又は停止を指定するためのボタン3440も制御デバイス1400bに設けられてもよい。ボタン3436(上述したような)も制御デバイス1400bに設けられてもよい。
【0059】
[080] 当業者であれば、図3A及び図3Bに示される制御デバイス1400のボタンは、非限定的な例として設けられるものであり、異なる形状、サイズ、及び/又は色のボタン又は他の構造を含む任意の適切な構成のボタン又は他の入力構造、並びに任意の所望の数のボタン又は他の構造が制御デバイス1400のユーザインターフェースに含まれてもよいことを理解するであろう。
【0060】
[081] 追加的又は代替的に、第1の所望のアクションを示すユーザからの入力は、少なくとも第2のプロセッサを含むデバイスから得られ得る。少なくとも第2のプロセッサを含むデバイスは、有線接続、無線接続、又は磁気接続(以下に更に詳細に記載する)によって制御デバイスに接続されるデバイスを含み得、任意選択的に、血管内デバイスの第1の所望のアクションを示すユーザからの入力を受け取るためのユーザインターフェースを含む。したがって、ユーザ入力は、少なくとも第2のプロセッサを含むデバイスから遠隔的に得られ、制御デバイスに送信され得る。開示される実施形態では、少なくとも第2のプロセッサを含むデバイスのユーザインターフェースは、上述したような制御デバイスのユーザインターフェースの機能を含み得る。少なくとも第2のプロセッサを含むデバイスの一例には、本開示の他の場所で説明したような図1の周辺デバイス1800が含まれる。
【0061】
[082] 開示される実施形態では、所望の第1のアクションを示す入力は、追加的又は代替的に、血管内デバイスを用いて実施される処置の前又は処置中に撮影された少なくとも1つの医療画像の第1のデータを含み得る。例えば、少なくとも1つの医療画像は、処置の前に撮影され得、処置中に、治療される患者の体内の部位の状態を示す。侵襲的処置の前とは、侵襲的処置が実施される前、血管内デバイスが患者に挿入される前、及び/又は血管内デバイスが患者の体内の特定の位置に到達する前の期間を指す場合がある。医療画像のデータは、体内の治療部位で血管内デバイスによって実施される特定のアクションを含む、血管内デバイスによる処置を計画するために使用され得る。追加的又は代替的に、撮像デバイスは、治療部位及び/又は血管内デバイスの少なくとも1つの医療画像を撮影するために、処置中に提供され得る。少なくとも1つの医療画像の非限定的な例としては、血管造影、コンピュータ断層撮影画像、磁気共鳴画像、超音波、又はX線が挙げられ得る。少なくとも1つの医療画像のデータは、処置の1つ以上のパラメータを変更するためのフィードバックとして(例えば、治療部位の状態に関するフィードバック、特定の解剖学的位置における血管内デバイスの配置に関する情報、又は処置中の血管内デバイスの状態に関する情報として)、又は血管内デバイスによるアクションが安全閾値を超えたとき(例えば、血管内デバイスを損傷し得る閉塞物が患者の体内で可視化されたとき、血管内デバイスが患者の体の誤った部分に接触したとき、又は血管内デバイスによって身体構造などに過度の力が作用したとき)に警報を発生させるために使用され得る。図1を参照すると、撮像デバイスは、システム1000に周辺デバイス1800として含まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、周辺撮像デバイス1800は、少なくとも1つの医療画像を撮影し、少なくとも1つの医療画像を処理し、少なくとも1つの医療画像のデータを制御デバイス1400及び/又はシステム1000の少なくとも1つのプロセッサに送信し得る。追加的又は代替的に、撮像デバイスは、システム100内に追加の撮像デバイス(図1には図示せず)として含まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、追加の撮像デバイスは、少なくとも1つの医療画像を撮影し、少なくとも1つの医療画像を処理し、少なくとも1つの医療画像のデータを周辺デバイス1800、制御デバイス1400、及び/又はシステム1000の少なくとも1つのプロセッサに送信し得る。送信される少なくとも1つの医療画像のデータは、生の医療画像データ、処理済み医療画像データ、又は周辺デバイス1800及び/又は加の撮像デバイスによる少なくとも1つの医療画像の分析から生成されたデータを含み得る。
【0062】
[083] 開示される実施形態では、所望の第1のアクションを示す入力は、追加的又は代替的に、少なくとも1つのセンサ出力から得られた第2のデータを含み得る。例えば、患者の体及び/又は血管内デバイスの状態を監視するためのセンサが開示されるシステムに提供され得る。センサからの出力は、血管内デバイスのアクションを制御するためのフィードバックとして使用され得る。図1では、センサ1600が患者の体及び/又は血管内デバイスを監視するために使用され得、制御デバイス1400にセンサ出力を提供し得る。例えば、センサ1600は、血管内デバイス1200が制御デバイス1400又はユーザによって身体構造(例えば血管)から除去されるときに作用される力を測定するための力計として構成され得る。センサ1600によって測定された力が閾値を超えると、警報を発生させてユーザに(例えば、制御デバイス1400のユーザインターフェースを介して、又は周辺デバイス1800を介して、又はセンサ1600の振動などのセンサ1600の要素を介して)通知することができる、及び/又は自動化された安全プロトコルが、血管内デバイスによって作用される力の大きさを減少させるために若しくはアクションを停止するために、制御デバイス1400によって実行され得る。例えば、身体構造から血管内デバイスを回収するための自動化された安全プロトコルは、アクションの継続の前に、血管内デバイスによって作用される力の大きさを減少させるために拡張可能メッシュセグメント又は膨張可能バルーンを閉じてもよい。
【0063】
[084] 開示される実施形態は、第1の所望のアクションを示す入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定することを含み得る。例えば、開示されるシステムは、第1の所望のアクションを示す入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。いくつかの実施形態では、「第1の力」とは、血管内デバイスの第2の遠位部に第1の所望のアクションを実行させるために、制御デバイス1400によって血管内デバイス1200の第1の近位部に作用される力を指す場合がある。第1の力の少なくとも1つの特性は、第1の力の大きさ、第1の力の持続時間、又は第1の力の方向のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0064】
[085] 例えば、図4A図4Dを参照すると、得られる入力は、拡張可能メッシュセグメント4210の所望の拡張サイズを示す場合がある(例えば、入力は、メッシュセグメント4210が2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmなどであるがこれらに限定されない2mm~15mmの外径を有するように拡張されることを示す場合がある)。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、撮像データ(例えば、周辺デバイス1800からの)、センサ1600からのセンサ出力データ、及び/又は血管内デバイス1200の移動の過去のデータなどからメッシュセグメント4210の現在のサイズを決定し得る。メッシュセグメント4210の現在のサイズに基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、メッシュセグメント4210の所望のサイズを達成するために、移動の方向(例えば、メッシュセグメントの拡張対収縮)及び移動の程度(例えば、メッシュセグメント4210の外径の変化、又はメッシュセグメントの遠位端4212と近位端4214との間の距離の変化)の両方を決定し得る。更に、少なくとも1つのプロセッサは、メッシュセグメント4210の移動(例えば、メッシュセグメント4210の外径の変化、又はメッシュセグメントの遠位端4212と近位端4214との間の距離の変化)と、デバイス移動機構2412によるアクチュエータ2420の対応する移動との間の比を決定する又は得ることができる。この情報に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、示されたサイズを有するように(即ち、身体構造内で血管内デバイス1200によって第1の所望のアクションを実行するように)メッシュセグメント4210を調節するために、デバイス移動機構2412によってアクチュエータ2420に作用される、方向及び大きさを含む第1の力の特性を決定し得る。
【0065】
[086] 別の例では、図5A図5Bを参照すると、得られる入力は、蛇行した解剖学的構造を通して前進させるための血管内デバイス1200b(例えば、ガイドワイヤ)の遠位端5240の所望の曲げ曲率を示す場合がある。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、撮像データ(例えば、周辺デバイス1800からの)、センサ1600からのセンサ出力データ、及び/又は血管内デバイス1200の移動の過去のデータなどから遠位端5240の現在の曲げ曲率を決定し得る。遠位端5240の現在の曲げ曲率に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、コアワイヤの移動の方向(例えば、遠位端5240をそれぞれ曲げる又は真っ直ぐにするためのコアワイヤの引き対押し)及びコアワイヤの移動の速度の両方を決定し得る。更に、少なくとも1つのプロセッサは、コアワイヤの移動とデバイス移動機構2412によるアクチュエータ2420の対応する移動との間の比を決定する又は得ることができる。この情報に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、デバイス移動機構2412によってアクチュエータ2420に作用される、示される曲げ曲率を有するように(即ち、身体構造内で血管内デバイス1200によって第1の所望のアクションを実行するように)遠位端5240を調節するために、方向及び大きさを含む第1の力の特性を決定し得る。
【0066】
[087] 開示される実施形態は、第1の力の決定された少なくとも1つの特性に基づいて、血管内デバイスの制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させることを含み得る。例えば、開示されるシステムは、第1の力の決定された少なくとも1つの特性に基づいて、血管内デバイスの制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させるように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。本明細書で使用する場合、「血管内デバイスの第1の部分」とは、制御デバイス1400と相互作用し、制御デバイス1400によって操作される血管内デバイス1200の部分を含む場合がある。血管内デバイスの第1の部分の一例としては、図2のアクチュエータ2420が挙げられ、これには、血管内デバイス1200による所望のアクションを達成するために制御デバイス1400によって操作される制御ワイヤ又は他のステアリング機構が含まれ得る。例えば、図4A図4Dでは、血管内デバイス1200aの「第1の部分」は、デバイス移動機構2412に動作的に接続された制御ワイヤ4230の近位端を含み得る。同様に、図5A図5B及び図6では、血管内デバイス1200b及び血管内デバイス1200cの「第1の部分」は、曲げ可能部分5202及び曲げ可能部分6202の曲げ及び直線化を生じさせるためにデバイス移動機構2412によって操作され得る、各血管内デバイスの制御ワイヤの近位端を含み得る。開示される実施形態では、血管内デバイスの第1の部分は、患者の体外に配置され得る。例えば、血管内デバイスの第1の部分は、制御デバイス1400に接続され得る、又はその近傍に少なくとも位置し得る。制御デバイス1400もまた、血管内デバイス1200による処置中に患者の体外に配置され得る。
【0067】
[088] 開示される実施形態では、血管内デバイスの第1の部分に対する第1の力の作用は、血管内デバイスの第2の部分に、身体構造内で第1の所望のアクションを実行させ得る。いくつかの実施形態では、「血管内デバイスの第2の部分」は、血管内デバイスによる処置中に、治療部位に又はその近傍に位置する血管内デバイス1200の部分を含み得る。これには、血管内デバイス1200の遠位部又は遠位端が含まれ得る。いくつかの実施形態では、「血管内デバイスの第2の部分」は、蛇行した解剖学的構造を通してナビゲートするように使用される血管内デバイス1200の部分(例えば、遠位曲げ可能セクション)を含み得る。開示される実施形態では、血管内デバイスの第2の部分は、治療部位において所望の治療を実施するために使用される構造を含み得る。例えば、血管内デバイスの第2の部分は、ガイドワイヤの遠位部、ガイドカテーテルの遠位部、カテーテルの遠位部(例えば、吸引カテーテルの遠位部)、血管内デバイスの拡張可能遠位部(例えば、メッシュセグメント)、又は血管内デバイスの遠位膨張可能セクション(例えば、膨張可能バルーン)のうちの少なくとも1つを含み得る。説明するために、血管内デバイス1200の第2の部分は、図4A図4Dの拡張可能メッシュセグメント4210、図5A及び図5Bのガイドワイヤの曲げ可能セクション5202、及び図6のカテーテルの偏向可能セグメント6202を含み得る。
【0068】
[089] 開示される実施形態では、第1の所望のアクションを示す入力は、ナビゲーションターゲットを示すものであり得る。本明細書で使用する場合、ナビゲーションターゲットとは、血管内デバイスの特定の部分(例えば、遠位端などの遠位部)が配置されるべき患者の体内の標的部位を指す場合がある。いくつかの実施形態では、ナビゲーションターゲットは、座標データ、経路データ、又は他のデータによって示され得る。少なくとも1つのプロセッサは、ナビゲーションターゲットに基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイス1200の現在位置を(例えば、周辺デバイス1800などからの撮像データから、センサ1600からのセンサ出力から、及び/又は血管内デバイス1200の移動履歴データから)決定することができ、血管内デバイス1200をナビゲーションターゲットまで進めるための距離及び/又はナビゲーション経路を計算することができる。少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイス1200を患者の体を通して導き、ナビゲーションターゲットに到達させるために、印加される第1の力の大きさ及び方向などの第1の力の特性を、時間の関数として決定し得る。
【0069】
[090] 開示される実施形態では、第1の力の少なくとも1つの特性は、血管内デバイス、治療されるべき身体構造、治療されるべき身体構造の位置、治療されるべき適応症(例えば、身体構造内の狭窄又は身体構造内の閉塞物)、又は治療部位若しくはその近傍の他の構造のうちの少なくとも1つに関する情報に基づいて決定され得る。例えば、第1の力の少なくとも1つの特性は、血管内デバイスの特性又は身体構造内の血管内デバイスの位置に基づいて決定され得る。血管内デバイスの特性は、デバイスの現在のサイズ(例えば直径)、構成(例えば、拡張した、収縮した、曲げられた、真っ直ぐにされた、膨らんだ、縮んだ)、又は位置に関する情報を含み得、これらは、血管内デバイスをその現在位置及び構成から所望の位置及び構成に移動させるために必要な力を決定するための入力として使用され得る。更に、身体構造内における血管内デバイスの位置に関する情報は、血管内デバイスをナビゲーションターゲットに移動させるのに必要な更なる移動を示すことがあり、血管内デバイスが所望の治療部位から逸脱して、治療されるべきでない組織に接触する可能性があることを示すことがあり、又は血管内デバイスが、ナビゲーショナルターゲットに到達するのに必要な所望のナビゲーション経路から逸脱していることを示すことがある。血管内デバイスの特性は、血管内デバイス内に含まれる個々の構成要素(例えば、血管内デバイスの1つ以上の部分を示す1つ以上のマーカ)、血管内デバイスの材料、又は血管内デバイスの機能をアクティベート若しくはディアクティベートするための機構に関する情報も含み得る。
【0070】
[091] 追加的又は代替的に、第1の力の少なくとも1つの特性は、身体構造のサイズ又は形状、身体構造の曲率又は平坦度、身体構造の直径、身体構造を形成する組織の種類、及び身体構造の医療歴又は手術歴などの身体構造の特性に基づいて決定され得る。追加的又は代替的に、第1の力の少なくとも1つの特性は、身体構造内の閉塞物のタイプ又は狭窄のタイプに基づいて決定され得る。例えば、閉塞物のタイプには、血栓、プラーク、又は異物が含まれ得る。更に、身体構造内の狭窄のタイプには、血管痙攣又はアテローム性動脈硬化症(例えば、頭蓋内動脈狭窄症)が含まれ得る。閉塞物又は狭窄のタイプに基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、第1の力の大きさ(例えば、閉塞物のいくつかのタイプでは打ち勝つためにより大きな力を要するため)、並びに閉塞物又は狭窄のタイプに最も適した血管内デバイスの第2の部分の移動を達成するための第1の力の方向及びタイミングを決定し得る。
【0071】
[092] 開示される実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分に実質的に一定の速度で移動を実施させるための第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、治療部位におけるあらゆる抵抗(例えば、血管内デバイスの第2の部分に接触する血栓又は閉塞物による)に打ち勝ち、実質的に一定の速度を達成するためにアクチュエータ2420に印加されるべき力の量、並びに血管内デバイスの移動の方向に対応する第1の力の方向を決定し得る。少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスが所望の時間長にわたって実質的に一定の速度で移動するように、第1の力の印加の持続時間も決定し得る。
【0072】
[093] 追加的又は代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分(例えば、拡張可能メッシュ4210)を拡張又は収縮させるために、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、少なくとも1つの特性は、例えば所定の直径サイズまでの、血管内デバイス1200の第2の部分の拡張又は収縮のうちの所望の一方を達成するための第1の力の方向を含み得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分に反復運動(脈動運動とも呼ばれる)を実施させるための第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、拡張可能メッシュ4210で反復的なマッサージ運動を実施するために、少なくとも1つのプロセッサは、最大限の血餅の取り込み(maximal clot integration)のための所定の拡張及び/又は収縮直径を達成するためにアクチュエータ2420に作用されるべき対応する反復的な第1の力を決定し得る。反復的な第1の力の少なくとも1つの特性には、反復的な第1の力の各サイクルの持続時間、時間の関数としてのアクチュエータ2420の移動の方向、並びに拡張可能メッシュ4210による反復運動の所望のタイプ、持続時間、及び反復数を達成するためにアクチュエータ2420に作用されるべき力の大きさが含まれ得る。いくつかの実施形態では、反復的な第1の力の各サイクルの持続時間は、1秒、5秒、10秒、15秒、20秒、30秒、60秒、90秒、120秒、150秒、180秒などであるがこれらに限定されない、1秒~3分であり得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分を曲げる又は真っ直ぐにするための第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの曲げ又は直線化のうちの所望の一方を達成するための第1の力の方向、及び血管内デバイスの第2の部分の曲率を変化させるために必要な力の大きさを決定し得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分を膨らませる又は縮ませるための第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。
【0073】
[094] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第1の力の特性を決定するために医療画像データ(入力として得られる画像データなど)を利用してもよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの医療画像の畳み込みを計算し、畳み込み値を導出するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサは、導出された畳み込み値に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、医療画像の少なくとも一部の畳み込みが計算され得、デジタル信号が、計算された畳み込みの値に基づいて生成され得る。
【0074】
[095] 更に、少なくとも1つのプロセッサは、治療部位に関するフィードバック、血管内デバイスに関するフィードバック、及び/又は身体構造内の血管内デバイスの解剖学的位置に関するフィードバックを決定するために、医療画像データを使用し得る。決定されたフィードバックは、第1の力の特性を決定するために使用されてもよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの医療画像内で、身体構造、又は身体構造内の血管内デバイスの第2の部分のうちの少なくとも一方を検出するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの医療画像から検出された情報に基づいて、血管内デバイスの第2の部分が身体構造内の正しい位置にあるかどうか、及び血管内デバイスが正しいサイズ又は構成を有するかどうかを決定し得る。少なくとも1つのプロセッサは、身体構造、又は身体構造内の血管内デバイスの第2の部分のうちの少なくとも一方の検出に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、画像データから、血管内デバイスの位置、サイズ、又は構成の調整が必要かどうかを決定し得る。少なくとも1つのプロセッサは、その後、所望の調整を達成するための第1の力の特性を決定し得る。
【0075】
[096] 開示される実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの医療画像を分析し、第2の対象物に対する血管内デバイスの第2の部分の位置を決定するように構成され得る。例えば、第2の対象物には、血餅又は他の閉塞物、別のデバイス(例えば、第2の血管内デバイス)の一部分、血管狭窄の部位、又は別の解剖学的構造が含まれ得る。少なくとも1つのプロセッサは、第2の対象物に対する血管内デバイスの第2の部分の決定された位置に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、必要に応じて、血管内デバイスの第2の部分が第2の対象物を回避するための第1の力の少なくとも1つの特性を決定し得る。或いは、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分が、検出された血餅を除去する又は血管狭窄の部位を半径方向に拡張させるなどにより、第2の対象物との所望の相互作用を実施するための第1の力の少なくとも1つの特性を決定し得る。
【0076】
[097] 上述のように、第1の所望のアクションを示す得られた入力は、センサ出力に由来するデータを含み得る。開示される実施形態では、センサ出力は、身体構造から血管内デバイスを除去するために作用される力を示すことがある。例えば、センサデバイス1600は、身体構造から回収されるときに血管内デバイス1200によって作用される力の大きさを測定するように構成された力計を含み得る。したがって、例えば、拡張可能メッシュ4210を有するデバイスなどの血管内デバイス1200が拡張して血管の内壁4010に接触すると、血管内デバイス1200を回収するために印加される力により血管壁が損傷する可能性がある。追加的又は代替的に、蛇行した解剖学的構造を通して血管内デバイス1200を回収するために印加される力により、作用される力が組織損傷を生じさせることになる可能性がある。少なくとも1つのプロセッサは、力計1600から出力を受け取り、血管4010からメッシュ4210を除去するために印加される力が所定の安全閾値を超える時を特定し得る。いくつかの実施形態では、閾値を超える場合、少なくとも1つのプロセッサは、(例えば、制御デバイス1400のユーザインターフェースを介して、周辺デバイス1800を介して、又はセンサ1600の要素を介して)アラートを出力し得る、及び/又は体内での血管内デバイスの操作を変更し得る(例えば、血管内デバイスによる力の印加を減らすことによって、又はアクションを停止することによって)。
【0077】
[098] 開示される実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、得られた入力に基づいて、身体構造内の血管内デバイスの第1の所望のアクションが所定の閾値を超えると判定するように構成され得る。例えば、閾値は、血管内デバイスによる身体構造に対する最大の力の印加、又は血管内デバイスと血管内デバイスで治療されるべきではない組織との間に維持されなければならない最小距離を示すことがある。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、上述した力計などのセンサデバイス1600からの出力に基づいて、閾値を超えると判定し得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、画像データを利用して、治療部位及びその周囲の血管内デバイス及び患者の解剖学的構造の各々の位置を評価し得る。少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスが誤った位置にある、又は治療されるべきではない解剖学的構造に近すぎる距離にあると判定された場合に、閾値を超えると判定し得る。
【0078】
[099] 開示される実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、身体構造内の血管内デバイスの第1の所望のアクションが閾値を超えるとの判定に基づいて、アラートを出力するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、制御デバイス1400のユーザインターフェースを介して、周辺デバイス1800を介して、又はセンサ1600の要素を介してユーザにグラフィカルアラート、音声アラート、及び/又は感覚アラート(例えば振動)を出力し得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、身体構造内の血管内デバイスの第1の所望のアクションが閾値を超えるとの判定に基づいて、第1の力の少なくとも1つのパラメータを変更するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、デバイス移動機構2412に、アクチュエータ2420に作用される力の大きさを減少させることができ、これによりひいては、血管内デバイス1200によって身体構造に作用される力を減少させる。或いは、少なくとも1つのプロセッサは、デバイス移動機構2412に、危険な力の印加又は血管内デバイスの移動が即座に停止されるように、血管内デバイスの全ての移動を停止させてもよい。
【0079】
[100] 開示される実施形態では、第1の所望のアクションを実行した後に、血管内デバイスで第2の所望のアクションを実行することが望まれる場合がある。例えば、各アクションは、外科的処置の工程と見なされてもよく、工程は、互いに連続して進む。したがって、少なくとも1つのプロセッサは、身体構造内での血管内デバイスの第2の所望のアクションを示す得られた入力に基づいて、第2の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の力の少なくとも1つの特性は、上述した第1の力と同じ入力に基づいて決定され得る。追加的又は代替的に、第2の力の少なくとも1つの特性は、第2の入力に基づいて決定され得る。上述した第1の入力と同様に、第2の入力は、血管内デバイスを用いて処置を実施するユーザからの入力、少なくとも1つの医療画像の第1のデータ、又は少なくとも1つのセンサ出力から得られた第2のデータのうちの少なくとも1つを含み得る。開示される実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させた後に、血管内デバイスの制御デバイスに、第2の力を作用させるように構成され得る。上述した第1の力の作用と同様に、少なくとも1つのプロセッサは、第2の力の決定された少なくとも1つの特性に基づいて、血管内デバイスの制御デバイスに、第2の力を作用させることができる。例えば、図1図2では、少なくとも1つのプロセッサは、第2の力の決定された少なくとも1つの特性に基づいて、制御デバイス1400に、血管内デバイス1200に第2の力を作用させることができる。
【0080】
[101] いくつかの実施形態では、血管内デバイス1400の第2の所望のアクションは、血管内デバイスの第1の部分(即ち、第1の所望のアクションを実施するように制御される血管内デバイス1400の同じ部分)に第2の力を作用させることによって実行され得る。例えば、制御デバイス1400は、アクチュエータ2420に第1の力及び第2の力を作用させるように構成され得、アクチュエータ2420は、血管内デバイス1200に対応する力を作用し得る。或いは、制御デバイスは、血管内デバイスの第1の部分とは異なる血管内デバイスの第3の部分に第2の力を作用し得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御デバイス1400は、複数のアクチュエータ2420を含み得、そのそれぞれは、血管内デバイス1200の異なる部品に接続され、それらを制御し得る。そのような実施形態では、2つの別個のアクチュエータ2420が、血管内デバイスの第1の部分及び第3の部分に対応し得る。更に、異なるアクチュエータによってそれぞれ制御される血管内デバイス1200の2つの異なる部品は、血管内デバイスの第2の部分及び第4の部分に対応し得る。開示される実施形態では、第2の力の作用により、血管内デバイスの第2の部分又は血管内デバイスの第4の部分のうちの少なくとも一方に、身体構造内で第2の所望のアクションを実行させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の力及び第2の力の作用により、血管内デバイス1200の同じ部品に第1の所望のアクション及び第2の所望のアクションを実施させることができる。例えば、第1の力及び第2の力は、血管内デバイス1200の同じ部品の移動を生じさせるために同じアクチュエータ2420に印加され得る。或いは、第1の力及び第2の力の作用により、血管内デバイス1200の2つの異なる部品(具体的には、それぞれ第2の部分及び第4の部分)に第1の所望のアクション及び第2の所望のアクションを実施させることができる。例えば、血管内デバイス1200は、デバイスの異なる部品を制御する(例えば、図5A図5Bの曲げ可能セグメント5202の反対方向の曲げを生じさせることができる、又は図5A図5Bの同じ血管内デバイス内の2つの別個の曲げ可能セグメント5202の曲げを生じさせることができる)複数のアクチュエータ2420を含み得る。第1の力及び第2の力は、異なるアクチュエータ2420に作用され、血管内デバイスによる異なるアクションを生じさせることができる(例えば、曲げ可能セグメント5202を、連続する工程で又は同時的に異なる方向に曲げる)。
【0081】
[102] 開示される実施形態では、第2の所望のアクションは、血管内デバイスの第1の所望のアクションを完了すること又は第1の所望のアクションとは異なる血管内デバイスの別の所望のアクションを実行することのうちの少なくとも一方を含み得る。開示される実施形態では、第2の所望のアクションは、血管内デバイスの拡張した遠位部の収縮を含み得る。例えば、第1の所望のアクションは、メッシュセグメント4210を拡張させることを含み得る一方で、第2の所望のアクションは、拡張したメッシュセグメント4210を収縮させることを含み得る。別の例では、第1の所望のアクションは、メッシュセグメント4210をある直径まで拡張させることを含み得る一方で、第2の所望のアクションは、メッシュセグメント4210を第2の直径まで(例えば、完全に拡張した直径まで)拡張させることを含み得る。更に別の例では、第1の所望のアクションは、メッシュセグメント4210をある直径まで収縮させることを含み得る一方で、第2の所望のアクションは、メッシュセグメント4210を第2の直径まで(例えば、完全に潰れた直径まで)収縮させることを含み得る。追加的又は代替的に、第2の所望のアクションは、身体構造から血管内デバイスの第2の部分を除去することを含み得る。例えば、ユーザは、図3A又は図3Bのボタン3436を押すことによって第2の方向のアクションを示すことがあり、これにより、拡張したメッシュセグメント4210をその完全収縮状態まで収縮させ、患者の体から除去させ得る。
【0082】
[103] いくつかの実施形態では、第2の力の少なくとも1つの特性は、所定の手術計画の一連の工程などにおいて、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させる前に決定され得る。追加的又は代替的に、第2の力の少なくとも1つの特性は、血管内デバイスを使用して処置を実施するユーザからの第2の入力に基づいて決定され得る。例えば、ユーザは、図3A図3Bの制御ハンドル1400a又は制御ハンドル1400bのボタンの1つを使用して第2の入力を提供し得る。追加的又は代替的に、第2の入力は、制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させた後に受け取られ得る。例えば、第2の入力は、上述のように、センサ1600からのデータとして、撮像デバイス1800からのデータとして、及び/又は血管内デバイスによる第1の所望のアクションの実行に関するフィードバックを提供する追加の撮像デバイス(図示せず)からのデータとしてユーザから受け取られ得る。例えば、第2の力の少なくとも1つの特性は、制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させた後に(例えば、周辺撮像デバイス1800によって又は追加の撮像デバイスによって)撮影された少なくとも1つの医療画像の分析に基づいて決定され得る。
【0083】
[104] 上述した第1の力の少なくとも1つの特性を決定することと同様に、少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの第2の部分に(例えば、実質的に一定の速度で)移動を実施させるために、血管内デバイスの第2の部分を拡張させるために、デバイスの第2の部分を膨らませるために、デバイスの第2の部分を縮めるために、血管内デバイスの第2の部分を収縮させるために、血管内デバイスの第2の部分に反復運動を実施させるために、血管内デバイスの第2の部分を曲げるために、及び/又は血管内デバイスの第2の部分を真っ直ぐにするために、第2の力の少なくとも1つの特性を決定するように構成され得る。
【0084】
[105] 図1図3Bに戻り、制御デバイス1400に関連する実施形態をここで説明する。いくつかの実施形態では、血管内デバイスの移動を制御するための制御デバイスが提供され得る。制御デバイスは、患者の体外に配置されるように構成され得る。例えば、制御デバイス1400は、制御ワイヤ4230を近位及び/又は遠位に移動させることにより図4A図4Dの血管内デバイス1200aの移動を制御するように構成され得、これにより、メッシュセグメント4210の拡張及び収縮を生じさせることができる。同様に、制御デバイス1400は、血管内デバイス1200b及び血管内デバイス1200cの移動を、それらの各々の制御ワイヤを移動させることによって制御するように構成され得、それにより、偏向可能セグメント5202及び偏向可能セグメント6202の曲げ及び/又は直線化を生じさせる。いくつかの実施形態では、制御デバイスは、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構を含み得る。入力機構の例には、図3A及び図3Bに示される少なくとも1つの入力構造(例えば、ボタン)の配置が含まれる。追加的又は代替的に、制御デバイス1400の入力機構は、ボタン、キーボード、コンピュータマウス、レバー、ジョイスティック、又はタッチスクリーンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0085】
[106] 開示される実施形態では、制御デバイスは、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を制御するように構成されたデバイス移動機構を含み得る。例えば、及び上述のように、デバイス移動機構2412は、拡張可能メッシュ4210の拡張及び収縮、ガイドワイヤの偏向可能セグメント5202の曲げ及び直線化、並びにカテーテルの偏向可能セグメント6202の曲げ及び直線化を制御するように構成され得る。血管内デバイスの可動部は、可動部が制御デバイスの制御下で移動する間を含めて、患者の体内に配置されるように構成され得る。開示される実施形態では、制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサも含み得、その一例としては、図2に示されるコントローラ2414が挙げられ得る。
【0086】
[107] いくつかの実施形態では、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、第1の入力に応答して、デバイス移動機構を作動させるように構成され得る。第1の入力は、制御デバイスの入力機構(例えば、図3A及び図3Bに示されるボタンのうちの1つ)を介してユーザから受け取られ得る。追加的又は代替的に、第1の入力は、周辺デバイス1800のユーザインターフェース(この例には、タッチスクリーン又はGUIが含まれ得る)を介してユーザから受け取られ得る。例えば、医師は、周辺デバイス1800を使用して、血管内デバイス1200による処置をデジタル制御し得る。周辺デバイス1800は、いくつかの実施形態では、制御デバイス1400よりも大きなユーザインターフェースを提供し得る。追加的又は代替的に、第1の入力は、(上述したように)センサデバイス1600から得られ得る。追加的又は代替的に、第1の入力は、メモリ(例えば、コントローラ2414のメモリ構成要素)に格納された、血管内デバイス1200による治療のためのコンピュータ実行可能命令に対応し得る。
【0087】
[108] いくつかの実施形態では、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、第1の入力に応答して、デバイス移動機構を作動させ、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を移動させて、血管内デバイスを第1の構成に移動させるように構成され得る。例えば、第1の入力は、所望のアクション又は血管内デバイスの移動を示すことがある(例えば、ユーザは、図3Aに示されるボタン3430又はボタン3432のうちの一方を押すことができ、これは、制御デバイス1400に拡張可能メッシュを拡張若しくは収縮させる、又はガイドワイヤ若しくはカテーテルを曲げる若しくは真っ直ぐにするための命令を示すことがある)。これに応答して、デバイス移動機構2412は、(例えば、制御ワイヤ又は血管内デバイスの他のアクチュエータを操作することにより)血管内デバイス1200の要求された移動を実行し得る。別の例として、第1の入力は、血管内デバイスの所望の構成を示すことがある(例えば、ユーザは、図3Bのボタン3444~3450のうちの1つを押すことができ、これは、血管内デバイスの特定の配置又は血管内デバイスによるアクションを示すことがある(例えば、完全拡張状態、完全収縮状態、90%拡張の状態、80%拡張の状態等などの拡張可能メッシュ4210の所望の拡張直径又は形状、所望の拡張時間(例えば、拡張は、10秒~3分の範囲の時間にわたって起こる)、又は所望の収縮時間(例えば、収縮は、10秒~3分の範囲の時間にわたって起こる))、又はその代わりに、血管内デバイス1200で治療される患者の体内の治療部位の特性(例えば、血管内デバイスで治療されるべき身体構造の直径、血栓、血管痙攣、プラークなどの、血管内デバイスで治療されるべき狭窄若しくは閉塞物のタイプ、又は脂肪沈着物若しくはカルシウム沈着物を含む血栓及び血餅などの、血管内デバイスで治療されるべき血餅のタイプ))を示すことがある。これに応答して、デバイス移動機構は、血管内デバイス1200を、受け取った入力に対応する形状又は構成へと移動させるように血管内デバイスアクチュエータ2420(例えば、制御ワイヤ)を制御し得る。
【0088】
[109] 開示される実施形態では、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、第2の入力に応答して、デバイス移動機構を作動させるように構成され得る。その結果、血管内デバイス1200は、第1の構成とは異なる第2の構成に移動され得る。例えば、血管内デバイス1200により実施される処置の過程で、一連の入力が受け取られ得る。制御デバイスのプロセッサは、受け取った各入力に応答して、血管内デバイス1200を異なる構成に移動させることができ、それにより、所望の処置を実施する。
【0089】
[110] いくつかの実施形態では、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、デバイス移動機構2412を作動させ、血管内デバイス1200の第1の可動部と第2の可動部を同じ方向に移動させるように構成され得る。図4A図4Dに示される拡張可能メッシュデバイスを含む実施形態によれば、デバイス移動機構2412は、拡張可能メッシュデバイスの制御ワイヤ4230及び細長いシャフト4220の両方を移動させるように構成され得る。制御ワイヤ4230は、メッシュの遠位端4212に対してしっかりと取り付けられ得る一方で、シャフト4214は、メッシュの近位端4214に対してしっかりと取り付けられ得る。その結果、メッシュの2つの端部は、移動可能であり得、したがって、デバイス移動機構2412の制御下で、メッシュ4210の所望の形状及び/又は構成を達成するように操作され得る。いくつかの実施形態では、デバイス移動機構2412は、遠位端4212と近位端4214を同じ方向に移動させることができる(例えば、治療部位へのメッシュ4210の前進中に、両方を遠位方向に移動させることができる)。追加的又は代替的に、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、デバイス移動機構2412を作動させ、血管内デバイスの第1の可動部を第1の方向に移動させ、血管内デバイスの第2の可動部を第1の方向とは反対の第2の方向に移動させるように構成され得る。例えば、デバイス移動機構2412は、メッシュ4210を拡張させることができ、遠位端4212を近位方向に移動させる一方で、また、近位端4214を遠位方向に移動させることができる。追加的又は代替的に、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、デバイス移動機構2412を作動させ、血管内デバイスの少なくとも1つの可動部を移動させる一方で、血管内デバイスの別の部分は、制御デバイスに対して静止したままであるように構成され得る。例えば、デバイス移動機構2412はまた、メッシュの遠位端4212及び近位端4214のうちの一方を移動させる一方で、メッシュの他方の端部は静止したままであるように構成され得る。この代替的な手法により、メッシュ4210は、拡張及び/又は収縮させることができる。
【0090】
[111] いくつかの実施形態では、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、第3の入力に応答して、デバイス移動機構2412を作動させ、血管内デバイスのコアワイヤ4230を移動させ、身体構造の内面に脈動力(例えば、律動的なマッサージ運動)を作用させるように構成され得る。例えば、脈動運動は、図3Aに示される制御デバイス1400aのボタン3434によってアクティベートされ得る。脈動運動は、血管内デバイスのメッシュ4210の運動を、最大半径方向力を生じさせる第1の位置からより低い力を生じさせる第2の位置まで変動させることにより、血管内デバイス1200と血餅4012又は他の閉塞物との間の取り込みを向上させるように最適化され得る。上述の脈動運動の周波数は、0.1Hz~5Hzの範囲であり得る。
【0091】
[112] いくつかの実施形態では、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、第4の入力に応答して、駆動デバイス移動機構2412を作動させ、コアワイヤ(例えば制御ワイヤ4230)を第2の方向(例えば遠位方向)に移動させ、それによりメッシュ4210を収縮させ、その後、身体構造(血管を含み得る)から血管内デバイスを後退させるように構成され得る。例えば、制御デバイス1400上のボタン3436(図3A及び図3Bを参照)は、血管内デバイス1200を回収位置に戻すことができ、回収位置は、血管内デバイスのメッシュ4210の閉鎖若しくは半径方向収縮、又は代替的実施形態では、血管内デバイスのガイドワイヤの直線化(図5A図5Bを参照)若しくはカテーテル(図6を参照)の直線化を含み得る。制御デバイス1400は、血管内デバイス1200を送達カテーテルに引き込む(又は除去する)及び/又は患者の体から引き出すように構成され得る。
【0092】
[113] 図5A図5Bのガイドワイヤデバイスを含む実施形態によれば、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、第1の入力に応答して、デバイス移動機構2412を作動させ、ガイドワイヤデバイスの細長いシャフト5220を静止したままにしながら、ガイドワイヤデバイスのコアワイヤ(例えば制御ワイヤ、図示せず)を第1の方向(例えば、近位方向、図5A図5Bでは右)に移動させ、それによりガイドワイヤデバイスの遠位部5202を、真っ直ぐにされた構成から第1の曲げられた構成に曲げるように構成され得る。更に、第2の入力に応答して、制御デバイスの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、デバイス移動機構2412を作動させ、ガイドワイヤデバイスの細長いシャフト5220を静止したままにしながら、ガイドワイヤデバイスのコアワイヤを第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、遠位方向、又は図5A図5Bでは左)に移動させ、それによりガイドワイヤデバイスの遠位部5202を、第1の曲げられた構成から真っ直ぐにされた構成又は第2の曲げられた構成のうちの一方に曲げるように構成され得る。
【0093】
[114] 図7は、開示される実施形態に一致する、血管内デバイスをデジタル制御するためのプロセス7000の一例を示すフローチャートである。プロセス7000は、例として提供され、当業者であれば、本開示に一致する血管内デバイスのデジタル制御のための他の様々なプロセスを理解するであろう。工程7010において、プロセス7000は、患者の身体構造内での血管内デバイスの第1の所望のアクションを示す入力を取得することを含み得る。血管内デバイスの例は、図4A図4Dの拡張可能メッシュ4210を含む血管内デバイス、図5A図5Bの少なくとも1つの曲げ可能セクションを含むガイドワイヤ、及び図6の少なくとも1つの曲げ可能セクションを含むカテーテルを含む。工程7020において、プロセス7000は、得られた入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定することを含み得る。工程7030において、プロセス7000は、決定された少なくとも1つの特性に基づいて、血管内デバイスの制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分に第1の力を作用させることを含み得る。いくつかの実施形態では、血管内デバイスの第1の部分は、患者の体外に配置され得る。第1の力の作用は、血管内デバイスの第2の部分(例えば、患者の体内の一部分)に、身体構造内で第1の所望のアクションを実行させることができる。工程7040において、プロセス7000は、患者の身体構造内での血管内デバイスの第2の所望のアクションを示す第2の入力を取得することを含み得る。工程7050において、プロセス7000は、得られた第2の入力に基づいて、第2の力の少なくとも1つの特性を決定することを含み得る。工程7060において、プロセス7000は、第2の力の決定された少なくとも1つの特性に基づいて、血管内デバイスの制御デバイスに、血管内デバイスの第1の部分及び/又は血管内デバイスの第3の部分に第2の力を作用させることを含み得る。第2の力の作用は、血管内デバイスの第2の部分又は第4の部分(例えば、患者の体内の一部分)に、身体構造内で第2の所望のアクションを実行させることができる。
【0094】
[115] 図8は、開示される実施形態に一致する、血管内デバイス1200による身体構造の部分的に自動化された治療中の、血管内デバイス1200の拡張可能メッシュ4210のサイズの経時的変化の一例を示すグラフを示す。部分的な自動化には、ユーザから(例えば、図3A及び図3Bに示される制御デバイス構成のうちの一方を介して)受け取った入力に基づいて実行される操作の一部、及び自動化された(即ち、ユーザ入力なしに、予めプログラムされた命令に基づいて制御デバイス1400により実行される)操作の一部が含まれ得る。例えば、血管内デバイスが、拡張可能メッシュ4210を有するデバイスである実施形態では、メッシュサイズは、血管内デバイス1200のシース除去段階時に増加し得る。シース除去は、ユーザからの入力に応答して実行され得る。メッシュ4210のサイズは、血管内デバイス1200の拡張段階時に段階的に増加し得る。拡張は、ユーザからの入力に応答して実行され得る。メッシュサイズは、自動化によって制御される「マッサージ」又は脈動又は周期的段階時に変動し得る。更に、メッシュサイズは、自動化によって制御される回収段階時に減少し、変動し得る。図8では、折れ線グラフの薄いグレーの部分は、アクションがユーザ入力に応答して実行されることを示し、その一方で、折れ線グラフの黒色の部分は、アクションが自動化されることを示す。
【0095】
[116] 図9A図9Cは、周辺デバイス1800などの血管内治療システム1000のコンピューティングデバイス上に表示するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例を示す。図9A図9Cに示されるGUIは、血管内デバイス1200による1つ以上の特定の操作を実行するように制御デバイス1400に指示するユーザ入力フィールド(例えばボタン)を含み得る。例えば、血管内デバイスが、拡張可能メッシュ4210を有するデバイスである実施形態では、GUI上のボタンは、制御デバイス1400に、メッシュを拡張させ、メッシュを弛緩させ、マッサージ(脈動又は周期的)機構を動作させ、及び(例えば、メッシュが潰れた状態で)回収位置に進ませる(戻らせる)ことができる。図9A図9Cに示されるGUIの操作はまた、ユーザが、血管の直径、又は血管内デバイス1200により治療されるべき血餅若しくは他の閉塞物若しくは狭窄のタイプ、自動化のオプション、又は開口部血管内デバイス1200の最大の大きさを挿入するオプションを選択することを可能にし得る。自動化のオプションは、ユーザが、血管内デバイス1200の自動機能のための対話型キー又はボタンを押すことを含み得る。
【0096】
[117] 図9Aに示されるように、第1の対話型ディスプレイは、ユーザが、血管内デバイス1200を配置し、シース除去するように制御デバイス1400に指示するための入力(例えばボタン)を含み得る。図9Aの第1の対話型ディスプレイは、血管内デバイスのメッシュ4210を拡張させるための対話型選択部も含み得る。図9Bに示されるように、第2の対話型ディスプレイは、血管内デバイス1200のメッシュサイズを調節するように制御デバイス1400に命令し得る。第2の対話型ディスプレイは、メッシュ4210を拡張又は弛緩させるなど、メッシュサイズを調節するための対話型選択部を含み得る。第2の対話型ディスプレイはまた、血管内デバイス1200が作動中であるかどうかを表示し得る。更に、図9Bの第2の対話型ディスプレイは、取り込みまでの推定時間を表示し得る。図9Cに示されるように、第3の対話型ディスプレイは、患者の体から血管内デバイス1200を除去するように制御デバイス1400に命令し得る。図9Cの第3の対話型ディスプレイは、血管内デバイス1200のメッシュ4210を拡張又は弛緩させるなど、メッシュサイズを調節するための対話型選択部を含み得る。第3の対話型ディスプレイはまた、血管内デバイス1200の現在のモードを表示し得る。更に、第3の対話型ディスプレイは、センサ1600によって測定された力を表示し得る。
【0097】
[118] 図10は、開示される実施形態に一致する、制御デバイス1400のデバイス移動機構2412aの一実施形態を示す。デバイス移動機構2412aは、モータ10010、ギアボックス10020、ヘリカル又はスクリューギア10030、スクリューギア負荷10040、及びエンコーダ10050を含み得る。モータ10010は、電源2416(図2を参照)によって給電され、コントローラ2414から受信された信号によって制御され得る。モータ10010は、ギアボックス10020によってスクリューギア10030に動作的に接続され得る。スクリューギア負荷10040の第1の端部は、血管内デバイス1200のコアワイヤ10230(例えば、図4A図4Dのコアワイヤ4230)にしっかりと取り付けられ得る一方で、スクリューギア負荷10040の第2の端部は、スクリューギア10030の歯に係合する歯を含み得る。モータ10010は、スクリューギア10030の回転を駆動することができ、この回転は、スクリューギア負荷10040の長手方向の移動(図10では左及び右)に変換され得る。スクリューギア負荷10040の長手方向の移動は、コアワイヤ10230を血管内デバイス1200のシャフト10220(例えば、図4A図4Dの細長いシャフト4220、図5A図5Bの細長いシャフト5220、又は図6の細長いシース6220)に対して移動させることができる。シャフト10220は、制御デバイス1400又はその一部分にしっかりと取り付けられ得、したがって、コアワイヤ10230の移動が血管内デバイス1200の所望のアクションの実行に変換されることを可能にする。エンコーダ10050は、スクリューギア10030の回転速度及び方向を検知し、検出された回転を、検出された速度及び方向に関するフィードバックの形態として、コントローラ2414に出力され得る電気信号に変換し得る。コントローラ2414は、エンコーダ10050からフィードバック信号を受信することができ、信号に基づいてモータ10010の動作を(例えば、モータ10010の速度を増加若しくは減少させることにより、モータ10010をスクリューギア10030に接続するギアボックス10020のギアを変更することにより、又はモータ10010の駆動を開始若しくは停止することにより)制御することができる。
【0098】
[119] 図11は、開示される実施形態に一致する、制御デバイス1400のデバイス移動機構2412bの別の実施形態を示す。デバイス移動機構2412bは、モータ11010と、コアワイヤ10230に接続されたベルト11060を駆動し得るプーリ11070の回転を駆動するように構成されたギアボックス11020とを含み得る。したがって、コアワイヤ10230は、駆動ベルト11060へのコアワイヤの接続により、血管内デバイスシャフト10220に対して移動され得る(上記で詳述したように)。デバイス移動機構2412bは、同様に、エンコーダ11050を含み得、エンコーダ11050は、駆動ベルト11060の速度及び回転方向に関するフィードバックをコントローラ2414に提供し得る(上述したように)。
【0099】
[120] 図12は、開示される実施形態に一致する、制御デバイス1400のデバイス移動機構2412cの別の実施形態を示す。デバイス移動機構2412cは、(コアワイヤ10230の移動に加えて)血管内デバイスシャフト10220を移動させるための機構を追加し、図10のデバイス移動機構2412aと同様に構成され得る。デバイス移動機構2412cは、第2のスクリューギア12032と、スクリューギア10030を第2のスクリューギア12032に接続するギアホイール12034とを含み得る。第2のスクリューギア12032は、剛性コネクタ12036を介して血管内デバイスシャフト10220に接続され得、第2のスクリューギア12032の対応する移動に応答してシャフト10220を移動させることができる。モータ10010がスクリューギア10030の回転及びコアワイヤ10230の対応する移動を駆動すると、ギアホイール12034は、スクリューギア10030の回転を第2のスクリューギア12032の対応する軸方向(図12では左右)の移動に変換し得る。いくつかの実施形態では、第2のスクリューギア12032は、スクリューギア負荷10040の反対方向に並進することができ、それらの各々の並進の大きさは、ギアホイール12034の構成に依存する。例えば、モータ10010が遠位方向(図12では右)に並進するようにスクリューギア負荷10040を駆動する場合、第2のスクリューギア12032は、近位方向(図12では左)に並進するように駆動され得、その逆もまた然りである。剛性コネクタ12036を介した第2のスクリューギア12032と血管内デバイスシャフト10220との間の接続により、第2のスクリューギア12032の並進は、シャフト10220の同様の並進を生じさせることができる。その結果、コアワイヤ10230とシャフト10220の両方は、モータ10010によって反対方向に移動され得る。拡張可能メッシュ4210を含むいくつかの実施形態では、コアワイヤ10230は、メッシュ遠位端4212(又はメッシュ遠位端4212に対してしっかりと取り付けられ得る遠位先端部4240)に接続され得る一方で、シャフト10220は、メッシュ近位端4214に接続され得る。したがって、デバイス移動機構2412cがモータ10010によって駆動されると、メッシュの遠位端4212と近位端4214は、一緒に又は離れるように駆動し、それぞれメッシュ4210の拡張又は収縮を生じさせ得る。いくつかの実施形態では、スクリューギア負荷10040と第2のスクリューギア12032との間の移動の比(したがって、コアワイヤ10230とシャフト10220との間の移動の比)は、ギアホイール12034の選択に依存し得る。いくつかの実施形態では、制御デバイスコントローラ2414は、ギアホイール12034を、スクリューギア負荷10040と第2のスクリューギア12032との間の軸方向の移動の比を変更する(したがって、コアワイヤ10230とシャフト10220の各々の移動の比を変更する)異なるギアホイールに変更することによって、コアワイヤ10230とシャフト10220との間の移動の比を調整するように構成され得る。
【0100】
[121] 図13は、開示される実施形態に一致する、制御デバイス1400のデバイス移動機構2412dの別の実施形態を示す。デバイス移動機構2412dは、(コアワイヤ10230の移動に加えて)血管内デバイスシャフト10220を移動させるための機構を追加し、図11のデバイス移動機構2412bと同様に構成され得る。デバイス移動機構2412cは、駆動ベルト11060を血管内デバイスシャフト10220に接続する剛性コネクタ13080を含み得る。したがって、モータ11010がベルト11060を駆動してコアワイヤ10230の移動を生じさせると、剛性コネクタ13080は、ベルト11060の回転を血管内デバイスシャフト10220に伝え、したがって、コアワイヤ10230とシャフト10220の、同時に起こり得る等しい、反対の移動を生じさせることができる。
【0101】
[122] 開示される実施形態に一致して、制御デバイス1400が、血管内デバイス1200を制御するために提供され得、制御デバイスは、血管内デバイス1200の複数の可動部の移動を制御するように構成されている。例えば、制御デバイス1400は、血管内デバイスのシャフト10220を制御するための第1の機構と、血管内デバイスのコアワイヤ10230を制御するための第2の機構(例えば制御ワイヤ)とを含み得る。第1の機構の例には、図12の剛性コネクタ12036及び図13の剛性コネクタ13080が含まれ得る。第2の機構の例には、図10及び図12のスクリューギア負荷10040並びに図11及び図13の駆動ベルト11060が含まれ得る。開示される実施形態では、制御デバイス1400は、ユーザからの第1の入力に応答して、第1の機構及び第2の機構を作動させるように構成され得る。例えば、入力は、制御デバイス1400のボタン又は他のユーザ入力機構(例えば、図3A又は図3Bに示されるボタン)から得られ得る。第1の入力に応答して、制御デバイス1400は、第1の機構及び第2の機構を作動させ、血管内デバイスのシャフト10220を第1の方向(例えば、遠位方向)に第1の距離だけ移動させ、血管内デバイスのコアワイヤ10230を第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、遠位方向)に第2の距離だけ移動させ得る。第1の方向と第2の方向は、反対であってもよく、例えば、モータ10010がコアワイヤ10230の移動を遠位方向に駆動する場合、モータ10010はまた、シャフト10220の移動を近位方向に駆動してもよく、その逆もまた然りである。いくつかの実施形態では、制御デバイス1400の第1の機構及び第2の機構は、図12及び図13に示される実施形態などでは、シャフト10220とコアワイヤ10230を同時に移動させるように構成され得る。追加的又は代替的に、制御デバイス1400の第1の機構及び第2の機構は、シャフト10220とコアワイヤ10230を逐次的に(即ち、一方の移動が他方の移動の前に起こる状態で)移動させるように構成され得る。開示される実施形態では、制御デバイス1400は、(例えば、図3A図3Bに示されるボタンなどの、制御デバイス1400のユーザインターフェース上の単一のボタンをユーザが押すことによる)ユーザからの単一の入力に応答して、第1の機構及び第2の機構を作動させるように構成され得る。
【0102】
[123] いくつかの実施形態では、第1の距離(即ち、シャフト10220の移動の距離)は、第2の距離(即ち、コアワイヤ10230の移動の距離)と大きさが等しくてもよい。追加的又は代替的に、第1の距離及び第2の距離の一方は、他方よりも大きくてもよい。追加的又は代替的に、制御デバイス1400のコントローラ2414は、シャフト10220の変位(例えば、第1の距離)とコアワイヤ10230の対応する変位(例えば、第2の距離)との間の比を制御可能に調整するように構成され得る。例えば、制御デバイス1400は、図12の実施形態ではギアホイール12034を変更することができ、これにより、コアワイヤ及びシャフトの両方がモータ10010によって駆動される場合に、コアワイヤ10230が移動する距離とシャフト10220が移動する距離との間の比を調整し得る。その結果、制御デバイス1400の少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ2414)は、デバイス移動機構2412による血管内デバイスの第1の可動部(例えば、メッシュ近位端4214)の変位とデバイス移動機構2412による血管内デバイスの第2の可動部(例えば、メッシュ遠位端4212)の対応する変位との間の比を調整するように構成され得る。
【0103】
[124] いくつかの実施形態では、制御デバイス1400は、更に、血管内デバイス1200により実施される処置中などに、ユーザからの第2の入力に応答して、第1の機構及び第2の機構を作動させるように構成され得る。第2の入力に応答して、制御デバイス1400は、第1の機構及び第2の機構を作動させ、シャフト10220を第1の方向(例えば、近位方向)に第3の距離だけ移動させ、コアワイヤ10220を第2の方向(例えば、遠位方向)に第4の距離だけ移動させることができ、第3の距離は、第1の距離とは異なり、第4の距離は、第2の距離とは異なる。例えば、第1の距離及び第2の距離がそれぞれ第3の距離及び第4の距離よりも大きくなり得るように、第2の入力は、第1の入力よりも小さいスケールの移動を示すことがある。いくつかの実施形態では、第2の距離と第1の距離との間の比は、第4の距離と第3の距離との間の比と実質的に同じであり得る(同じギアホイール12034が使用されるときなど)。代替的実施形態では、ユーザからの各入力(即ち、第1の入力及び第2の入力)は、各々の大きさと関連付けられ得る。そのような例では、第3の距離と第1の距離との間の比は、第2の入力と関連付けられた大きさと第1の入力と関連付けられた大きさとの間の比と実質的に同じであり得る。例えば、第1の入力及び第2の入力の各々の大きさがそれぞれ2及び1であるなど、第1の入力は、第2の入力よりも大きいスケールの移動(即ち、シャフト10220及びコアワイヤ10230の両方のより大きい変位)を示すことがある。(これは、例えば、ユーザが、第2の入力よりも第1の入力において2倍長くアクティベーションボタン3430を押したままにすることにより起こり得、これは、第1の入力の大きさ「2」、及び第2の入力の大きさ「1」に対応し得る。)第1の入力に応答したシャフト10220の対応する移動と第2の入力に応答したシャフト10220の対応する移動は、したがって、2:1の比を有する。同様に、第1の入力に応答したコアワイヤ10230の対応する移動と第2の入力に応答したコアワイヤ10230の対応する移動もまた、したがって、2:1の比を有する。
【0104】
[125] 開示される実施形態では、制御デバイス1400は、ユーザからの第3の入力に応答して、第1の機構及び第2の機構を作動させ、血管内デバイスのシャフト10220を第2の方向(例えば、近位方向)に移動させ、血管内デバイスのコアワイヤ10230を解放するように構成され得る。例えば、第3の入力は、血管内デバイス1200の完全な収縮又は「潰れ」を示すことがある。コアワイヤ10230を解放し、シャフト10220を近位に移動させることにより、制御デバイス1400は、血管内デバイス1200(例えば、メッシュセグメント4210)を最も収縮した薄型の構成に移動させることができる。これにより、(例えば、図3A図3Bの制御デバイス上のボタン3436が押されたときに)治療部位からの血管内デバイス1200の除去を可能にし得る。
【0105】
[126] 開示される実施形態に一致して、図14は、血管内デバイス1200を磁力で制御するように構成された血管内治療システム14000を示す。システム14000は、患者の体内の治療部位における血管内デバイス1200のアクションを制御するように構成され得る制御デバイス14400を含み得る。制御デバイス14400は、制御デバイス本体14410を含み得、携帯型の使い捨てハンドヘルドデバイスとして構成され得、患者の体外に配置されるように構成され得る。制御デバイス14400は、血管内デバイス1200の少なくとも1つの調節可能部分を制御するように構成されたデバイス移動機構を含み得る。少なくとも1つの調節可能部分の例は、図4A図4Dの拡張可能メッシュ4210、図5A図5Bに示されるガイドワイヤの曲げ可能セグメント5202、及び図6に示されるカテーテルの偏向可能セグメント6202を含み得る。拡張可能メッシュ4210を含む実施形態では、血管内デバイスは、ステント回収器(例えば、血餅回収デバイス)であってもよく、又は調節可能メッシュデバイス(例えば、動脈瘤の治療中に血管に支持を提供するように構成されている、又は狭窄した血管を拡張するように構成されている)であってもよい。血管内デバイス1200の少なくとも1つの調節可能部分は、血管内デバイスを用いて実施される処置中などに、患者の体内の治療部位に配置されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、血管内デバイス1200のシャフト4220及び/又は血管内デバイス1200のコアワイヤ4230に接続され得、(上述したように)血管内デバイス1200の移動を生じさせるために、シャフト4220及び/又はコアワイヤ4230を移動させるように構成され得る。
【0106】
[127] 制御デバイス14400は、デバイス移動機構に動作的に接続された少なくとも1つの磁石14420を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの磁石14420は、単一の磁石又は複数の磁石を含み得る。いくつかの実施形態では、磁石14420は、デバイス移動機構に直接固定され得る。或いは、少なくとも1つの磁石14420は、ギア機構を介してデバイス移動機構に接続され得る。少なくとも1つの磁石14420は、ユーザインターフェースデバイス14500の第2の磁石14520(以下で更に説明する)によって作動されるように構成され得、これにより、少なくとも1つの磁石14420及びデバイス移動機構に血管内デバイス1200の移動を制御させることができる。例えば、少なくとも1つの磁石14420の第1の作動に応答して、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、血管内デバイス1200の少なくとも1つの調節可能部分によるアクションを生じさせ、治療部位において血管内デバイスを第1の構成に移行させるように構成され得る。アクションは、メッシュセグメント4210の拡張若しくは収縮、血管内デバイスの遠位部の曲げ若しくは直線化(例えば、図5A図5Bの曲げ可能セグメント5202又は図6の偏向可能セグメント6202)、又はバルーンデバイス(図示せず)を膨らませること若しくは縮めることを含み得る。
【0107】
[128] 少なくとも1つの磁石14420の第2の作動に応答して、デバイス移動機構は、血管内デバイス1200の少なくとも1つの調節可能部分の第2のアクションを生じさせ、治療部位において血管内デバイスを第2の構成に移行させ、第2の構成は、第1の構成とは異なるように構成され得る。例えば、制御デバイス14400は、血管内デバイス1200を使用して治療部位において実施される処置の工程として、血管内デバイス1200を第1の構成及び第2の構成に移動させることができる。第2の構成の例には、メッシュセグメント4210の拡張若しくは収縮又は血管内デバイスの遠位部(例えば、図5A図5Bの曲げ可能セグメント5202又は図6の偏向可能セグメント6202)の曲げ若しくは直線化が含まれ得る。
【0108】
[129] システム14000は、治療部位における血管内デバイス1200のアクションを制御するためにユーザが操作し得るユーザインターフェースデバイス14500を含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースデバイス14500は、携帯型の再利用可能なハンドヘルドデバイスである。ユーザインターフェースデバイス14500は、血管内処置の全体を通して滅菌状態を維持するために、滅菌ポリエチレンバッグ(又は類似の無菌パウチ又はピールパック)内に入れられ得る。ユーザインターフェースデバイス14500は、ユーザから入力を受け取るように構成された入力機構14540を含み得る。例えば、入力機構14540は、ボタン、キーボード、コンピュータマウス、レバー、ジョイスティック、又はタッチスクリーンのうちの少なくとも1つなどの第1の入力構造を含み得る。ユーザインターフェースデバイス14500は、入力機構14540を介してユーザから受け取った入力に基づいて制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420を作動させるように構成された少なくとも第2の磁石14520も含み得る。ユーザインターフェースデバイス14500の少なくとも1つの第2の磁石14520は、単一の磁石又は複数の磁石を含み得る。
【0109】
[130] いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースデバイス14500は、第2の磁石の移動14520を制御するように構成されたアクチュエータ14530を含み得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ14530は、モータを含み得る。追加的又は代替的に、アクチュエータ14530は、機械的なコネクタ、ギア機構、又は任意の他の適切な種類の接続機構によって第2の磁石14520に接続され得る。ユーザインターフェースデバイス14500は、少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)も含み得、少なくとも1つのプロセッサは、入力機構14540により受け取られたユーザ入力、血管内デバイスを用いて実施される処置中に撮影された少なくとも1つの医療画像のデータ(図1に示される周辺撮像デバイス1800によって又は追加の撮像デバイスによって撮影された画像など)、少なくとも1つのセンサからの出力(図1に示されるセンサ1600からの出力など)、又はメモリに格納された、血管内デバイス1200による治療のためのコンピュータ実行可能命令のなどのうちの少なくとも1つに基づいて、アクチュエータ14530に第2の磁石14520の移動を制御させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ(例えば、図1のセンサ1600)は、身体構造から血管内デバイス1200を除去するために制御デバイス14400によって又はユーザによって作用される力を測定するように構成された力計を含み得る。そのような場合、ユーザインターフェースデバイス14500の少なくとも1つのプロセッサは、力計から力測定信号を取得し、力測定信号に基づいて、制御デバイスの少なくとも1つの磁石14420を作動させるように、アクチュエータ14530による第2の磁石14520の移動を制御するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの磁石14420の作動を生じさせ、血管内デバイス1200によって身体構造に作用される力の大きさを減少させることができる。追加的又は代替的に、ユーザインターフェースデバイス14500の少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイス1200の除去中に作用される力の大きさが大きすぎるときにユーザに警告するために、ディスプレイ機構14510上にアラート通知を出力してもよい。
【0110】
[131] いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースデバイス14500の少なくとも1つのプロセッサは、治療部位における血管内デバイス1200の所望の移動を示す入力を取得し、入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定し、決定された少なくとも1つの特性に基づいて、アクチュエータ14530に、第2の磁石14520に第1の力を作用させ、制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420を作動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の磁石14520に対する第1の力の作用は、制御デバイス14400のデバイス移動機構(少なくとも1つの磁石14420に接続され得る)に、治療部位における所望の移動を実行するように血管内デバイス1200の少なくとも1つの調節可能部分を制御させ得る。第1の力の少なくとも1つの特性は、第1の力の大きさ、第1の力の持続時間、又は第1の力の方向のうちの少なくとも1つを含み得る。図14の実施形態では、ユーザインターフェースデバイス14500の少なくとも1つのプロセッサは、血管内デバイスの所望の移動を示す入力を取得し、入力に基づいて、第1の力の少なくとも1つの特性を決定し、図1に示される実施形態の上記の説明に一致する手法で、決定された少なくとも1つの特性に基づいて、アクチュエータ14530に、第2の磁石14520に第1の力を作用させるように構成され得る。
【0111】
[132] 開示される実施形態では、ユーザインターフェースデバイス14500は、ユーザに対して1つ以上の通知を出力するための少なくとも1つの出力機構を含み得る。出力機構の例には、視覚ディスプレイ機構14510及び音声出力機構が含まれ得る。ユーザインターフェースデバイス14500は、電源(図示せず)も含み得る。
【0112】
[133] いくつかの実施形態では、血管内治療システム14000は、拡張可能メッシュ4210などの調整可能(例えば、拡張可能)メッシュを有する血管内デバイスのアクションを制御するように構成され得る。開示される実施形態では、(少なくとも1つの磁石14420に接続され得る)制御デバイス14400のデバイス移動機構は、血管内デバイス1200のコアワイヤ4230に接続され得る。シャフト4220は、制御デバイス14400に接続され得る、又は制御デバイス14400に対してしっかりと取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420の第1の作動に応答して、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、コアワイヤを第1の方向(例えば、近位方向)に移動させるように構成され得る。コアワイヤ4230のこの移動により、血管内デバイス1200の拡張可能メッシュ4210を拡張させることができる。追加的又は代替的に、制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420の第2の作動に応答して、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、コアワイヤ4230を第2の方向(例えば、遠位方向)に移動させ、それによりメッシュ4210を収縮させるように構成され得る。
【0113】
[134] 追加的又は代替的に、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420の第3の作動に応答して、血管内デバイス1200のコアワイヤを移動させ、治療部位における身体構造の内面に脈動力を作用させるように構成され得る。図14の実施形態における脈動力の作用は、図3A図3BB及び図8の実施形態に関する脈動力の作用の上記説明と類似の手法で達成され得る。追加的又は代替的に、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、制御デバイスの少なくとも1つの磁石14420の第4の作動に応答して、コアワイヤ4230を第2の方向(例えば、遠位方向)に移動させ、これにより、メッシュ4210を収縮させることができるように構成され得る。デバイス移動機構はまた、その後、身体構造から及び/又は患者の体から収縮したメッシュ4210を有する血管内デバイス1200を抜去するように構成され得る。
【0114】
[135] 開示される実施形態では、制御デバイス14400は、ユーザインターフェースデバイス14500の入力機構14540を介して得られたユーザ入力に基づいて、メッシュ4210の拡張及び収縮を生じさせるように構成され得る。得られたユーザ入力は、治療部位における身体構造の直径、血管内デバイス1200で治療されるべき狭窄若しくは閉塞物のタイプ(例えば、血栓、血管痙攣、又はプラーク)、血管内デバイス1200で治療されるべき血餅のタイプ、拡張可能メッシュ4210の所望の拡張直径若しくは形状、メッシュ4210を特定の構成に拡張若しくは収縮させるための命令、又は所望の拡張及び/又は収縮時間(例えば、脈動又はマッサージ運動)のうちの少なくとも1つを指定し得る。制御デバイス14400は、ユーザ入力によって指定された血管内デバイスの構成を達成するために、拡張可能メッシュ4210の移動を制御するように構成され得る。
【0115】
[136] いくつかの実施形態では、血管内治療システム14000は、ガイドワイヤである血管内デバイス(例えば、図5A図5Bの血管内デバイス1200b)のアクションを制御するように構成され得る。制御デバイス14400は、ガイドワイヤデバイス(図示せず)のコアワイヤを操作することによってガイドワイヤデバイスの少なくとも1つの遠位部5202の曲げ及び/又は直線化を制御するように構成され得る。コアワイヤは、制御ワイヤとして構成され得る。遠位部は、遠位先端部を含み得る。
【0116】
[137] 制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420の第1の作動に応答して、デバイス移動機構は、ガイドワイヤデバイスの細長いシャフト5220を静止したままにしながら、ガイドワイヤデバイスのコアワイヤ(例えば、制御ワイヤ)を第1の方向(例えば、近位方向)に移動させ、それにより、ガイドワイヤデバイスの曲げ可能遠位部5202を、真っ直ぐにされた構成から第1の曲げられた構成に曲げるように構成され得る。制御デバイス14400の少なくとも1つの磁石14420の第2の作動に応答して、デバイス移動機構は、ガイドワイヤデバイスの細長いシャフト5220を静止したままにしながら、ガイドワイヤデバイスのコアワイヤを、第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、遠位方向)に移動させ、それにより、ガイドワイヤデバイスの遠位部5202を、第1の曲げられた構成から真っ直ぐにされた構成又は第2の曲げられた構成のうちの一方に曲げるように構成され得る。
【0117】
[138] 図15A図15Cは、血管内治療システム14000のデバイス移動機構のいくつかの実施形態による磁石の断面のそれぞれ等角図、平面図、及び正面図を示す。磁気移動ハウジング15430は、第1の少なくとも1つの磁石14420を収容し得る。第1の少なくとも1つの磁石14420は、図14に示されるようにデバイス移動機構に動作的に接続され得る。第1の少なくとも1つの磁石14420は、図14に示されるようにユーザインターフェースデバイス14500の第2の少なくとも1つの磁石14520によって作動されるように構成され得る。第2の少なくとも1つの磁石14520は、移動カート15532内に含まれ得る。移動カート15532は、図14に示されるユーザインターフェースデバイス14500のアクチュエータ14530に接続され得る。第1の少なくとも1つの磁石14420の第1の作動に応答して、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、図14を参照して上述したように、血管内デバイス1200の少なくとも1つの調節可能部分によるアクションを生じさせるように構成され得る。追加的又は代替的に、制御デバイス14400のデバイス移動機構は、上述したように、血管内デバイス1200の(例えば、遠位方向又は近位方向の)移動を生じさせるように構成され得る。
【0118】
[139] 第1の少なくとも1つの磁石14420及び第2の少なくとも1つの磁石14520は、複数組の磁石を形成し得る。例えば、図15A図15Bに示される実施形態に示されるように、第1の少なくとも1つの磁石14420及び第2の少なくとも1つの磁石14520は、4組の磁石を形成し得る。第1の少なくとも1つの磁石14420及び第2の少なくとも1つの磁石14520は、2組、3組、4組、5組、6組、7組、8組、9組、10組、又はそれより多い磁石などであるがこれらに限定されない任意の数の組の磁石を形成し得ることが考えられる。
【0119】
[140] デバイス移動機構の断面の平面図を示す図15Bに示される実施形態に示されるように、第1の少なくとも1つの磁石14420及び第2の少なくとも1つの磁石14520は、各組の磁石に関して、反対の極(北はN及び南はS)が互いに面するように配置され得る。いくつかの実施形態では、強磁性体15534が、磁力線を閉じるために及び/又は望ましくない磁力の発生を防止するために、第2の少なくとも1つの磁石14520の外側縁部に配置され得る。
【0120】
[141] 図15Cに示されるように、磁気移動ハウジング15430は、制御デバイス14400の制御デバイス本体14410に配置され得る。制御デバイス本体14410は、血管内デバイスのコアワイヤ(図示せず)に接続され得る。いくつかの実施形態では、制御デバイス本体14410は、他のタイプの血管内デバイスに接続され得る。いくつかの実施形態では、滅菌バッグ15502がユーザインターフェースデバイス14500を部分的に又は完全に被包し、非滅菌ユーザインターフェースデバイス14500を滅菌血管内デバイス(図示せず)及び滅菌制御デバイス本体14410から隔て得る。
【0121】
[142] 図16は、開示される実施形態に一致する、血管内治療システム14000のデバイス移動機構2412eの一実施形態を示す。デバイス移動機構2412eは、図10のデバイス移動機構2412a及び/又は図12のデバイス移動機構2412cと同様に構成され得る。デバイス移動機構2412eは、モータ16010と、ギアボックス16020と、スクリューギア16030と、スクリューギア負荷16040と、エンコーダ16050とを含み得る。デバイス移動機構2412eは、磁気移動ハウジング15430及び移動カート15532も含み得る。磁気移動ハウジング15430は、第1の少なくとも1つの磁石14420を含み得る。移動カート15532は、第2の少なくとも1つの磁石14520を含み得る。第1の少なくとも1つの磁石14420は、上述したように、ユーザインターフェースデバイス14500の第2の少なくとも1つの磁石14520によって作動されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の少なくとも1つの磁石14420は、コアワイヤ10230に接続され得る。スクリューギア負荷10040の長手方向の移動は、第1の少なくとも1つの磁石14520及び磁気移動ハウジング15430の移動をもたらすことができ、同様に、コアワイヤ10230を血管内デバイス1200のシャフト10220(例えば、図4A図4Dの細長いシャフト4220、図5A図5Bの細長いシャフト5220、又は図6の細長いシース6220)に対して移動させることができる。シャフト10220は、制御デバイス14410又はその一部分にしっかりと取り付けられ得、したがって、コアワイヤ10230の移動が血管内デバイス1200の所望のアクションの実行に変換されることを可能にする。一実施形態によれば、磁気移動ハウジング15430はまた、第1の少なくとも1つの磁石14520及び磁気移動ハウジング15430の対応する移動に応答して血管内デバイスシャフト10220を移動させることができる剛性コネクタ10230を介して血管内デバイスシャフト10220に接続され得る。
【0122】
[143] 図17は、開示される実施形態に一致する、血管内治療システム14000のデバイス移動機構2412fの一実施形態を示す。デバイス移動機構2412fは、図11のデバイス移動機構2412b及び/又は図13のデバイス移動機構2412dと同様に構成され得る。デバイス移動機構2412fは、モータ17010と、ギアボックス17020と、ベルト17060と、プーリ17070と、エンコーダ17050とを含み得る。デバイス移動機構2412fは、磁気移動ハウジング15430及び移動カート15532も含み得る。磁気移動ハウジング15430は、第1の少なくとも1つの磁石14420を含み得る。移動カート15532は、第2の少なくとも1つの磁石14520を含み得る。第1の少なくとも1つの磁石14420は、上述したように、ユーザインターフェースデバイス14500の第2の少なくとも1つの磁石14520によって作動されるように構成され得る。
【0123】
[144] 上記の説明は、説明の目的で提示されたものである。それは網羅的なものではなく、開示される正確な形態又は実施形態に限定されるものではない。実施形態の修正及び適応は、本明細書の考察及び開示される実施形態の実施から明らかとなるであろう。特定の構成要素は互いに結合されていると説明されているが、そのような構成要素は、互いに一体化されていても、任意の適切な手法で分散されていてもよい。
【0124】
[145] 更に、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、その範囲には、本開示に基づく均等な要素、修正、省略、組合せ(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)、適応及び/又は変更を有する一切の実施形態が含まれる。特許請求の範囲の要素は、特許請求の範囲で用いられる言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書又は本出願の出願手続中に説明される例に限定されるべきではなく、これらの例は、非排他的なものとして解釈されるべきである。更に、開示される方法の工程は、工程の順序変更及び/又は工程の挿入若しくは削除を含む任意の手法で修正することができる。
【0125】
[146] 本開示の特徴及び利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲が本開示の真の趣旨及び範囲内にある全てのシステム及び方法を包含することが意図される。本明細書で使用する場合、不定冠詞「a」及び「an」は、「1つ以上」を意味する。同様に、複数形の用語の使用は、所与の文脈で明白でない限り、必ずしも複数を示すものではない。「及び」又は「又は」などの語は、特に指示されない限り、「及び/又は」を意味する。更に、本開示の研究から多数の修正及び変形が容易に生じるため、本開示を図示及び記載される正確な構造及び操作に限定することは望ましくなく、したがって、本開示の範囲内にある全ての適切な修正及び均等物が用いられてもよい。
【0126】
[147] 本出願を通して、本開示の様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡略化のためであり、本開示の範囲に関する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことは理解すべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内の全ての可能な部分範囲及び個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲並びにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、及び6を含むと見なされるべきである。これは、範囲の広さに関わらず当てはまる。
【0127】
[148] 他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示される実施形態の実施から明らかとなるであろう。明細書及び例は、単なる例と見なされ、開示される実施形態の実際の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
【国際調査報告】