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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】自動車用ロック装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/24 20140101AFI20241219BHJP
   E05B 81/16 20140101ALI20241219BHJP
   E05B 79/10 20140101ALI20241219BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
E05B77/24
E05B81/16
E05B79/10
B60J5/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533853
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2022084109
(87)【国際公開番号】W WO2023110442
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133115.3
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハントケ, アーミン
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ37
2E250LL01
2E250QQ04
2E250RR11
2E250SS08
(57)【要約】
本発明は、作動レバー(4)と、作動レバーに解除可能に結合可能な解除レバー(2)とから本質的になる結合配置(2, 4)を装備した自動車のロック装置に関する。作動レバー(4)および解除レバー(2)は、作動レバー(4)の2行程作動によって、非結合の基本位置から開始して互いに結合することができる。動作レバー(4)の第1行程を記憶するアキュムレータレバー(9)を追加的に設け、操作レバー(4)は、その第2の行程中、アキュムレータレバー(9)に続く解除レバー(2)に作用することができる。本発明によれば、安全レバー(6)が、その「固定」位置において、作動レバー(4)の第2の行程中の解除レバー(2)のその後の運動を抑制し、その「固定されていない」位置における前記運動を可能にする補助装置として設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動レバー(4)と解除可能に結合可能解除レバー(2)とから本質的になるクラッチ配置(2,4)を備え、前記作動レバー(4)と前記解除レバー(2)は、非結合解除される基本位置から開始して、前記作動レバー(4)に対する2行程作用によって互いに結合することができ、前記作動レバー(4)の第1の行程を記憶するアキュムレータレバー(9)が設けられ、前記作動レバー(4)がその第2の行程中に前記アキュムレータレバー(9)に続いて前記解除レバー(2)に作用することができる自動車用ロック装置であって、
安全レバー(6)が追加的に設けられ、前記安全レバー(6)は、その「固定される」位置において、前記作動レバー(4)の第2の行程中の前記解除レバー(2)のその後の運動を防止し、その「ロック解除」位置において、それを可能にすることを特徴とする、自動車用ロック装置。
【請求項2】
前記安全レバー(6)は、前記アキュムレータレバー(9)の解除可能な格納位置を実現するように設定されたラッチ要素(10)と相互作用することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記安全レバー(6)は、前記ラッチ要素(10)に作用する駆動外形部(6b)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ロックレバー(6)は、前記駆動外形部(6b)を介して、前記ラッチ要素(10)を、前記アキュムレータレバー(9)の前記格納位置を可能にするラッチ位置から前記格納位置を防止する解除位置へ、およびその逆に移動させることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記安全レバー(6)は、ハンドルおよび/または電動駆動装置(8)との相互作用のための停止外形部(6a)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記安全レバー(6)を感知するセンサ(11)が設けられていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記アキュムレータレバー(9)に加えて、切換レバー(12)が実装されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記シフトレバー(12)は、バネ(13)を介して前記アキュムレータレバー(9)に結合されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記シフトレバー(12)は、前記解除レバー(2)と相互作用する少なくとも1つの停止外形部(12a、12b)を有することを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記シフトレバー(12)、前記アキュムレータレバー(9)、前記解除レバー(2)は、互いに同軸上に回転可能に装着されていることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、自動車用ロック装置に関するが、この自動車用ロック装置は、作動レバーと、解除可能な方法で結合可能な解除レバーとを本質的に備えるクラッチ配置を有する自動車用ロック装置であって、作動レバーと解除レバーは、係合解除された基本位置から開始して、作動レバーに対する2行程作用によって互いに結合することができ、作動レバーの第1の行程を格納するアキュムレータレバーが設けられ、作動レバーがその第2の行程中にアキュムレータレバーに続いて解除レバーに作用することができるようにする。
【0002】
[0002]基本的に作動レバーと、作動レバーに着脱可能結合することができる解除レバーとからなる結合配置を備えた自動車用ロック装置は、自動車用ロックにおける内部作動レバーチェーンの実現に関連して自動車用ロック装置としてしばしば使用される。もちろん、これは制限ではない。いずれにしても、このような内部動作レバーチェーンは、安全上の理由から2行程モードで作用されることが多い。動作レバーの第1の行程は、車両ロック、特に車両ドアロックをロック解除するために使用される。第2の行程では、作動レバーチェーンの端部に設けられた予め閉鎖されたロック機構が開放される。これにより、意図しないドアの開放が防止され、セキュリティが向上する。
【0003】
[0003]DE 10 2020113992 A1による一般的な従来技術において、この目的のための設計は、作動レバーの第1の行程がアキュムレータレバーの助けを借りて格納されるようになっている。その結果、作動レバーは、その第2の行程中、解除レバーに作用することができる。この目的のためにラッチ要素が設けられ、それによってアキュムレータレバーの解除可能な格納位置を実現することができる。このようにして、自動車用ロック装置は、ほとんど技術的な努力なしに利用可能となる。これは基本的に成功していることが証明されている。
【0004】
[0004]このような内部動作レバーチェーンにおいて、特に車両後部の側部扉に、いわゆるチャイルドセーフティ機能を設けることもできる。これは、内部動作レバーチェーンがアクティブまたは非アクティブのいずれかに設定されていることに対応する。後者の無効な内部動作レバーチェーンの状態は「チャイルドプルーフ」位置に対応し、一方、「チャイルドプルーフ」状態は内部動作レバーチェーンが有効なときに観察される。特に、最後に述べた機能位置の「チャイルドプルーフ」において、ロック機構は、作動レバーが作用されると、ロック機構が第1の行程で開放するように定期的に動作される。
【0005】
[0005]言い換えれば、ロック解除状態でロック機構を開放するために通常の2行程作動が依然として必要とされるように、説明された2行程作動を安全機能と組み合わせるための説得力のあるアプローチは、現在の技術水準には存在しない。この機能の欠如は、使用者間で混乱や苛立ちを引き起こす可能性がある。本発明は、全体としてこれを改善しようとするものである。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明は、このような自動車用ロック装置を更に発展させて、ロック機能やロックユニットを付加で実装しても通常の2行程動作を維持できるようにすることを技術的課題とする。
【0007】
[0007]この技術的問題を解決するために、本発明は、本発明の範囲内の一般的な自動車用ロック装置に基づいて、「固定された」位置において、作動レバーの第2の行程中の解除レバーのその後の運動を防止し、「ロック解除された」位置において、それを可能にする追加の安全レバーを設けることを提案する。
【0008】
[0008]したがって、本発明の範囲内において、作動レバーと解除可能な解除レバーとアキュムレータレバーとを本質的に備えたクラッチ配置に加えて、安全レバーも実現される。ロックレバーは、ロックユニットの構成部品とすることができる。この安全ユニットは、必ずしもチャイルド安全ユニットに限定しなくてもよい。しかしながら、原理的には、安全ユニットは、ロックユニット、盗難防止ユニット、または両者の組み合わせであってもよい。
【0009】
[0009]本発明の範囲内の設計は、その「固定」位置にある安全レバーが、作動レバーの第2の行程中、解除レバーのその後の運動を防止するようなものである。これは、安全レバーの「固定された」位置において、作動レバーが変更されずに第1の行程を行い続けることを意味する。しかしながら、この第1の行程中、アキュムレータレバーは、ロックレバーの「固定された」位置にある格納位置を取らず、これについては以下でより詳細に説明する。その結果、解除レバーは、作動レバーの第2の行程でアキュムレータレバーに追従することができず、それに応じてロック機構を開放することができない。本発明によれば、作動レバーの第2の行程中の解除レバーのこのような後続の運動は、安全レバーがその「ロック解除」位置をとる場合にのみ可能である。
【0010】
[0010]したがって、本発明の範囲内の安全レバーの「ロック解除」位置であっても、作動レバーの第1の行程でアキュムレータレバーが最初にその格納位置に移動することが依然として必要である。これは、安全レバーの「ロック解除」位置で明示的に許可され、少なくとも一時的に想定される。その結果、ロックレバーのこの「ロック解除」位置において、作動レバーの第2の行程は、解除レバーがアキュムレータレバーと、従って作動レバーと共に移動することができることを意味し、その結果、以前に閉鎖されていたロック機構が解除レバーを介して開放される。それ自体、これは普通ではない。なぜなら、通常、ロックレバー、従って関連するロックユニットの「ロック解除」位置において、作動レバーの単一の第1の行程が直ちにロック機構を開放するからである。
【0011】
[0011]しかしながら、本発明によれば、記載された2行程作動は、この目的のために依然として必要である。これは、動作者が、たとえば、本発明の意味での追加の安全レバーを伴わない、説明された2行程動作を伴う前部自動車の側部扉に作用するか、または後部自動車のサイドドアに作用するかに拘わらず、動作者にとって何も変更しない。これは、たとえば、チャイルドプルーフ機能を追加しても、動作が変わらないことを意味する。
【0012】
[0012]これら全ての場合において、作動レバーの部分の2行程作動の後、パワープル閉鎖装置はその初期位置にリセットされるので、この点に関する使用者の混乱も回避される。加えて、安全レバーは、有利には、手動で及び/又は電気モータによって作動させることができ、その結果、たとえば、後部車両側部扉上の車両ドアロックまたは車両ロック装置を容易に同期させることができる。これらが主な利点である。
【0013】
[0013]一般に、さらなる設計は、ロックレバーがラッチ要素と相互作用するようなものであり、ラッチ要素は、アキュムレータレバーの前述の解除可能な格納位置を実現するように設定される。この目的のために、ロックレバーは、通常、駆動外形部(contour)を有する。駆動外形部の助けを借りて、問題のロック要素にロックレバーを作用させることができる。実際、ロックレバーは、通常、駆動外形部を介して、アキュムレータレバーの格納位置を許容するロック位置から格納位置を防止する解除位置へ、及びその逆にロック要素を移すことができるように動作される。
【0014】
[0014]それに応じて安全レバーを「ロックされた」および「ロック解除された」2つの位置に移動させるために、通常、停止外形部も設けられる。ロックレバーの停止外形部は、ハンドルおよび/または電気モータ駆動装置と相互作用するように設計されている。このようにして、安全レバーは、所望の「ロックされた」または「ロック解除された」機能位置に、たとえば、ハンドルを用いて手動で、または電気モータ駆動装置を用いて遠隔制御によって、あるいはその両方によって容易に移動させることができる。
【0015】
[0015]既に説明したように、安全レバーの「固定された」位置は、解除レバーが作動レバーの第2の行程に追従できないという事実に対応し、閉鎖されたロック機構が開放されないことを意味する。対照的に、安全レバーの「ロック解除」位置は、作動レバーの第2の行程における作動レバーの行程に続く解除レバーに対応し、それに応じてロック機構を開放する。この目的のために、作用される解除レバーは、通常、爪部およびキャッチ部からなるロック機構の一部として爪部に働く。ロック機構が閉鎖されたとき、爪部がキャッチ部とラッチ係合しているので、解除レバーの一部における開放運動によって、爪部がキャッチ部とのラッチ係合から持ち上げられる。これに続いて、キャッチ部のバネ補助による開放と、以前に捕捉されていたロック用ボルトの解除が行われる。関連する車両ドアおよび関連する車両用ロックまたは車両ドア用ロックを開放することができる。
【0016】
[0016]原則として、安全レバーを感知するセンサを設ける。このセンサは、「ロック解除」または「固定」の観点から安全レバーのそれぞれの位置および設定を照会するために使用することができる。最も単純なケースにおいて、センサは、たとえば、安全レバーの外形部を介して作用するスイッチである。
【0017】
[0017]特に重要な別の有利な実施形態によれば、アキュムレータレバーに加えてシフトレバーが実現される。シフトレバーは、一般に、バネを介してアキュムレータレバーに弾性的に結合される。これは、アキュムレータレバーが格納位置をとると、2つのレバーを弾性的に結合するバネは、シフトレバーが最終的にアキュムレータレバーに追従することを確実にし、アキュムレータレバーは一時的に格納位置に留まることを意味する。これは、作動レバーの第2の行程中、作動レバーが格納位置においてアキュムレータレバーに追従し、作動レバーがシフトレバーに作用することを可能にすることを意味する。さらに、この位置において、シフトレバーは、通常、解除レバーと相互作用する停止外形部を有する解除レバーに対して静止しているので、作動レバーの第2の行程は、解除レバーに伝達され、解除レバーは、前述のように、必要に応じてロック機構を開放する。この目的のために、シフトレバー、アキュムレータレバー、および解除レバーは、通常、かつ有利には、それらが軸方向に整列し、回転可能であるように装着される。これは、上述の3つのレバーが、それらの回転運動のための共通の軸を有することを意味する。
【0018】
[0018]その結果、付加的に設けられたロックレバー、従って対応するロックユニットが「ロック解除」位置にある場合であっても、ロック機構を開放するために2行程作動を必要とする自動車のロック装置が設けられる。その結果、安全レバーが追加的に実現されるか否かに関して、本発明に係る自動車用ロック装置に対する作用に関して、動作者にとって差異はない。これらが主な利点である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[0019]以下、1つの例示的な実施形態のみを示す図面を参照して、より詳細に本発明を説明する。
図1図1から図6は、安全レバーを「固定された」位置に移動させた本発明による自動車用ロック装置を示す。
図2図2は、安全レバーを「固定された」位置に移動させた本発明による自動車用ロック装置を示す。
図3図3は、安全レバーを「固定された」位置に移動させた本発明による自動車用ロック装置を示す。
図4図4は、安全レバーを「固定された」位置に移動させた本発明による自動車用ロック装置を示す。
図5図5は、安全レバーを「固定された」位置に移動させた本発明による自動車用ロック装置を示す。
図6図6は、安全レバーを「固定された」位置に移動させた本発明による自動車用ロック装置を示す。
図7図7は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図8図8は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図9図9は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図10図10は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図11図11は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図12図12は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図13図13は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
図14図14は、安全レバーを「ロック解除」位置に残した当該車両ロック装置を示す。
【詳細な説明】
【0020】
[0020]図は自動車用ロック装置を示しており、第一に、実質的にキャッチ部と爪部からなるロック機構1を有している。図1では、ロック機構1は閉鎖状態にあり、爪部がキャッチ部と係合している。これに対して、図14は、ロック機構1の開放プロセスを示しており、これは、ロック機構1が解除レバー2によって作用されることに対応する。これは、図1図14を比較することによって分かるように、解除レバー2がその軸3を中心に時計回りのスイベル運動を行うことを必要とする。
【0021】
[0021]この車両用ロック装置の基本構成は、前述した解除レバー2と作動レバー4とからなるクラッチ配置2, 4を含んでいる。この目的のために、作動レバー4は、軸3から離れた別の回転軸5を中心に回転できるように装着されている。加えて、そして重要なことに、安全レバー6も設けられ、それは軸7の周りに回転可能に装着され、電気モータ駆動装置8によって作用されることができる。ロックレバー6の軸7を中心とした時計回り方向への回転運動は、図1と2図とを比較することによって分かるように、これに対応する。これに伴い、ロックレバー6の機能位置が変化する。図1および図7、ならびに後続の図8から図14(安全レバー6は図示せず)において、これは「ロック解除」位置にあるが、図2から図6において、安全レバー6は「固定」位置にある。
【0022】
[0022]この目的のために、ロックレバー6は、電気モータ駆動装置8と相互作用するか又は電気モータ駆動装置8によって作用される停止外形部6aを装備している。実際、図1によるロックレバー6の「ロック解除」位置から図2に示す「固定」位置への移行は、電気モータ駆動装置8が多かれ少なかれ顕著な直線運動を行い、したがってロックレバー6を停止外形部6aを介して所望のようにその軸7を中心に時計回りにスイベルさせるという事実に対応する。電動駆動装置8に代わるものとして、ロックレバー6の上述の旋回は、詳細には示されていないが、停止外形部6aとの対応する相互作用によってハンドルを介して手動で行うこともできる。
【0023】
[0023]加えて、追加のラッチ要素10と相互作用することができるアキュムレータレバー9が示されている。この目的のために、アキュムレータレバー9およびラッチ要素10は、対応する連動するラッチ要素9a、10aを有する。ラッチ要素9a、10aは、ラッチ要素10が図1に示されたラッチ位置をとる場合にのみ相互作用し、その結果、図1から図9への移行に見られるように、アキュムレータレバー9が作動レバー4の助けを借りて作用されるとき、2つのラッチ要素9a、10aは互いに相互作用することができる。これは、図9に示すアキュムレータレバー9の格納位置に相当する。
【0024】
[0024]一方、図2に示されるように、ラッチ要素10がその解除位置をとる場合、2つのラッチ要素9a、10aの間にラッチの相互作用はない。ラッチ要素10を図1に示すラッチ位置から解除位置、たとえば、図2に示す解除位置に移動させるために、ラッチ要素10は、ロックレバー6の助けを借りて作用される。この目的のために、ロックレバー6は、ラッチ要素10に作用するために使用される駆動外形部6bを有する。
【0025】
[0025]最後に、図は、例示的な実施形態によれば、限定的な意味ではなく、スイッチであるセンサ11も示す。センサ11またはスイッチは、センサ11を介してロックレバー6の位置を問い合わせるように設定されるだけでなく、電気モータ駆動装置8を制御するようにも機能する制御ユニット(図示せず)に接続することができる。センサ又はスイッチ11を用いた安全レバー6の位置感知は、安全レバー6が図1のセクションに示す切換外形部6cを有するように行われ、この切換外形部6cは、安全レバー6が図1に示す「ロック解除」位置から図2に示す「固定」位置に移動するときに、センサ又はスイッチ11に属するバネに作用し、従ってセンサ又はスイッチ11に作用する。
【0026】
[0026]本発明にとって特に重要なことは、作動レバー4および解除レバー2が、既に説明したクラッチ配置2、4を規定するだけでなく、作動レバー4および解除レバー2が、図1に示す係合解除基本位置から開始して、図13および図14から分かるように、以下に詳細に説明する作動レバー2の2行程作動によって互いに結合できるという事実である。この手順は、まず、作動レバー4の第1の行程を格納するアキュムレータレバー9を設ける。言い換えれば、作動レバー4の第1の行程は、図10図13に示されるように、アキュムレータレバー9がその格納位置に移動することを確実にする。このようにして、作動レバー4は、図14に見られるように、その第2の行程中、アキュムレータレバー9に続いて解除レバー2に作用することができる。
【0027】
[0027]本発明によれば、安全レバー9が追加的に設けられ、安全レバー9は、図2から図6に示される「固定」位置において、作動レバー4の第2の行程中の前述の解除レバー2のその後の運動を防止し、図10から図14の一連の図が明らかにするように、その「ロック解除」位置において、それを可能にする。
【0028】
[0028]特に重要なことは、安全レバー6及びアキュムレータレバー9に加えて、シフトレバー12も設けられていることである。シフトレバー12は、バネ13を介してアキュムレータレバー9に結合されている。加えて、シフトレバー12は、解除レバー2と相互作用する停止外形部12aを有する。さらに、シフトレバー12には、後述する別の停止外形部12bが実現されている。シフトレバー12の停止外形部12aが解除レバー2と係合すると、図11から図14の順序で示すように、解除レバー2は、作動レバー4によってその軸3を中心に時計回りに旋回することができ、ロック機構1を開放することができる。例示的な実施形態によれば、シフトレバー12、アキュムレータレバー9、および最終的に解除レバー2は、互いに同じ軸上に装着され、それぞれ共通の軸3を中心に回転可能であることが分かる。
【0029】
[0029]動作モードは次のとおりである。図1では、ロック機構1が閉鎖された状態となる。安全レバー6は「ロック解除」位置にある。図1から出発して、電動駆動装置8が左から右へ直線的に運動を行うように作用されると、電動駆動装置8は、ロックレバー6の停止外形部6aを介して、図1から図2への移行中にロックレバー6がその軸7を中心に時計回りに旋回することを確実にする。その結果、安全レバー6は、その切換外形部6cを介してセンサ又はスイッチ11を作動させ、安全レバー6が「固定された」位置を図示しない制御ユニットに伝達する。このプロセスの間、ロックレバー6が軸7を中心に時計回りに旋回されるので、ロックレバー6の駆動外形部6bはまた、ロック要素10が図1から図2への移行中に時計回りの旋回運動を行うことを確実にする。その結果、ラッチ要素10上のラッチ外形部10aは、その後、アキュムレータレバー9上の対応するラッチ外形部9aと相互作用することができない。
【0030】
[0030]これは、図2から図3への移行で明らかになる。ここで、作動レバー4は、図2から図3への移行中にその軸5を中心に反時計回りの運動を行うように作用されている。これにより、作動レバー4は、この運動が図3から図4に進むにつれて分かるように、アキュムレータレバー9に対して次第に作用することができる。アキュムレータレバー9のこのスイベル運動中、一方ではラッチ要素10上のラッチ外形部9aおよび10a、他方ではアキュムレータレバー9上のラッチ外形部9aおよび10aは、図4に示される機能位置において互いに相互作用しない。
【0031】
[0031]この結果、図4から図5への移行中に作動レバー4がもはや作用せず、その結果、作動レバー4がその軸5を中心に時計回りに(通常はバネで補助されて)後退する場合、図5から図6への運動のさらなる進行から分かるように、アキュムレータレバー9は作動レバー4が後退するのに従って追従する。図6において、車両用ロック装置は、図1の機能位置と同等の基本休止位置をとるが、唯一の違いは、図6の機能位置において安全レバー6が依然として「固定」位置をとることである。ロックレバー6のこの「固定された」位置において、作動レバー4への作用は、ロック機構1に対して空の運動をもたらす。したがって、これは開放されない。
【0032】
[0032]図6から図7への移行中、電動駆動装置8は、左への直線移動を行うように作用され、その結果、ロックレバー6は、ロックレバー6上の停止外形部6aを介してその軸7を中心に反時計回りに後方に旋回され、図1において既に想定されている「ロック解除」位置に戻る。
【0033】
[0033]ここで、図7による安全レバー6の「ロック解除」位置から開始して、作動レバー4がその軸5を中心に前述の反時計回りの運動を行うように、作動レバー4が再び第1の行程を受けると、図7から図8へ、そして図9への移行中に、図9の機能位置にあるアキュムレータレバー9が前述の格納位置に移される。この格納位置において、2つのラッチ外形部9a、10aは、一方ではラッチ要素10上で、他方ではアキュムレータレバー9上で互いに係合する。これにより、動作レバー4における作用が終了してもアキュムレータレバー9は図9に示すような機能位置に保持される。
【0034】
[0034]これは、図10への移行に見られるように、作動レバー4(バネ支持)が図9の位置からその軸5を中心に時計回りに後退することに対応する。アキュムレータレバー9は、図9から図10への移行中、その格納位置を変化させずに保持するので、シフトレバー12とアキュムレータレバー9とを結合するバネ13は、シフトレバー12がアキュムレータレバー9に追従することを確実にする。これは、図10から図11への移行で明らかになる。アキュムレータレバー9に対するシフトレバー12のこの追跡により、図10から図11への移行部に見られるように、シフトレバー12がバネ13の助けにより共通軸3を中心に時計回りに旋回することになる。これにより、シフトレバー12は動作レバー4の係合範囲内に位置する。
【0035】
[0035]ここで、図11に示された機能位置から開始して、作動レバー4がその軸5を中心にして反時計回り方向に第2の行程で作用されると、図11から図12への移行部において、作動レバー4がシフトレバー12と相互作用できることが分かる。図12から図13への移行中に作動レバー4がシフトレバー12と相互に作用する結果、シフトレバー12がその軸3を中心に時計回りに旋回され、シフトレバー12上の停止外形部12aが解除レバー2に働き、共通軸3を中心とするシフトレバー12の時計回りの運動に関して解除レバー2を伴出させる(entraining)。このプロセスは、図12から図13への移行に見られる。
【0036】
[0036]ここで、軸3を中心とした解除レバー2の時計回りの運動は、図12から図13を経て図14への更なる移行中に、ロック機構1が作用され、上述したように、解除レバー2の助けによって開放されるという効果を有する。
【0037】
[0037]同時に、このプロセスの間および作動レバー4の第2の行程の終了時、図13から図14への移行中、シフトレバー12は作動レバー4の助けによって作用するだけでなく、アキュムレータレバー9によっても作用する。その結果、この2の行程作用の終了時に、アキュムレータレバー9は、アキュムレータレバー9に加圧することによって、ラッチ要素10から解除される。ここで、作動レバー4が解除され、図14の図に基づいて、作動レバー4への2行程作用の後に、その開始位置に(バネ荷重で)戻ると、図14の図に基づいて、図7による機能位置に再び到達し、したがって、2行程作用の前の開始位置または静止位置、すなわち、安全レバー6がまだ「ロック解除」位置にある状態になる。
【0038】
[0038]さらに、シフトレバー12上の前述の停止外形部12bは、ラッチ外形部9a、10aが互いから解除されることをさらに確実にすることができる。これは、図14に示すように、解除レバー2をロック機構1の開放位置からリセットすると、解除レバー2が軸3を中心に反時計回りに回転するからである。停止外形部12bは、シフトレバー12、したがってアキュムレータレバー9を移動させるためにも使用することができる。ロック外形部9a、10aは分離される。
【符号の説明】
【0039】
1…ロック機構、
2…解除レバー、
3…軸、
4…作動レバー、
2,4…結合配置、
5…(回転)軸、
6…固定レバー、
6a…停止外形部、
6b…駆動外形部、
6c…シフト外形部、
7…軸、
8…電気モータ駆動装置、
9…アキュムレータレバー、
9a…ラッチ外形部、
10…ラチェット要素、
10a…ラッチ外形部、
11…スイッチ、
12…シフトレバー、
12a…停止外形部、
13…バネ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動レバー(4)と解除可能に結合可能解除レバー(2)とから本質的になるクラッチ配置(2,4)を備え、前記作動レバー(4)と前記解除レバー(2)は、非結合解除される基本位置から開始して、前記作動レバー(4)に対する2行程作用によって互いに結合することができ、前記作動レバー(4)の第1の行程を記憶するアキュムレータレバー(9)が設けられ、前記作動レバー(4)がその第2の行程中に前記アキュムレータレバー(9)に続いて前記解除レバー(2)に作用することができる自動車用ロック装置であって、
安全レバー(6)が追加的に設けられ、前記安全レバー(6)は、その「固定される」位置において、前記作動レバー(4)の第2の行程中の前記解除レバー(2)のその後の運動を防止し、その「ロック解除」位置において、それを可能にすることを特徴とする、自動車用ロック装置。
【請求項2】
前記安全レバー(6)は、前記アキュムレータレバー(9)の解除可能な格納位置を実現するように設定されたラッチ要素(10)と相互作用することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記安全レバー(6)は、前記ラッチ要素(10)に作用する駆動外形部(6b)を有することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ロックレバー(6)は、前記駆動外形部(6b)を介して、前記ラッチ要素(10)を、前記アキュムレータレバー(9)の前記格納位置を可能にするラッチ位置から前記格納位置を防止する解除位置へ、およびその逆に移動させることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記安全レバー(6)は、ハンドルおよび/または電動駆動装置(8)との相互作用のための停止外形部(6a)を有することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記安全レバー(6)を感知するセンサ(11)が設けられていることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記アキュムレータレバー(9)に加えて、切換レバー(12)が実装されていることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記シフトレバー(12)は、バネ(13)を介して前記アキュムレータレバー(9)に結合されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記シフトレバー(12)は、前記解除レバー(2)と相互作用する少なくとも1つの停止外形部(12a、12b)を有することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記シフトレバー(12)、前記アキュムレータレバー(9)、前記解除レバー(2)は、互いに同軸上に回転可能に装着されていることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の装置。
【国際調査報告】