(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】アルカリ電解槽装置
(51)【国際特許分類】
C25B 9/60 20210101AFI20241219BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20241219BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241219BHJP
C25B 9/77 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
C25B9/60
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/77
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024533911
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2022084720
(87)【国際公開番号】W WO2023110564
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソーバーン、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】レアル-アヤラ、アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ビスコピン、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】チャルトウニ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】プリマス、ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ケーニッヒ、カイ
(72)【発明者】
【氏名】グタームート、ゲオルグ
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA01
4K021CA15
4K021DB04
4K021DB31
4K021DB36
4K021DB53
4K021DC03
(57)【要約】
本発明は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置(10、40、70、310)に関する。本装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット(11、41、71、311)及び第2のアルカリ電解槽ユニット(21、51、81、321)を備え、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットの各々は、第1のエンドプレート(13、23、43、53、73、83、313、323)、第2のエンドプレート(15、25、45、55、75、85、315、325)、及び第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタック(17、27、47、57、77、87、117、317、327)を形成する複数の電解槽セル(19、29、49、59)を備える。本アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニットと第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された耐荷重面(30、30’、60、90、330)を更に備え、これにより、第2のアルカリ電解槽ユニットは、第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、耐荷重面によって支持される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置(10、40、70、310)であって、前記アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット(11、41、71、311)及び第2のアルカリ電解槽ユニット(21、51、81、321)を備え、前記第1のアルカリ電解槽ユニット及び前記第2のアルカリ電解槽ユニットの各々は、第1のエンドプレート(13、23、43、53、73、83、313、323)、第2のエンドプレート(15、25、45、55、75、85、315、325)、及び前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタック(17、27、47、57、77、87、117、317、327)を形成する複数の電解槽セル(19、29、49、59)を備え、前記アルカリ電解槽装置は、前記第1のアルカリ電解槽ユニットと前記第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された耐荷重面(30、30’、60、90、330)を更に備え、これにより、前記第2のアルカリ電解槽ユニットは、前記第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、前記耐荷重面によって支持され、前記耐荷重面(30、30’、60、90、330)は、前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、41、71、311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(21、51、81、321)のうちの一方に一体化されている、アルカリ電解槽装置(10、40、70、310)。
【請求項2】
前記耐荷重面(60、90)は、前記第1のアルカリ電解槽ユニット(41、71)の前記第1のエンドプレート(43、73)及び前記第2のエンドプレート(45、75)の少なくとも一方に含まれている、請求項1に記載のアルカリ電解槽装置(40、70)。
【請求項3】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(41)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(51)のそれぞれの前記セルスタック(47、57)内の前記電解槽セル(49、59)は、垂直方向に積み重ねられている、請求項2に記載のアルカリ電解槽装置(40)。
【請求項4】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、71、311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(21、81、321)のそれぞれの前記セルスタック(17、77、317)内の前記電解槽セルは、水平方向に積み重ねられている、請求項1又は2に記載のアルカリ電解槽装置(10、70、310)。
【請求項5】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、311)は、前記第1のエンドプレート(13、313)から前記第2のエンドプレート(15、315)まで延在する平面構造体(31、331)を更に備え、前記平面構造体は、前記耐荷重面(30、330)を備える、請求項4に記載のアルカリ電解槽装置(10、310)。
【請求項6】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、71)の前記第1のエンドプレート(13、73)と前記第2のエンドプレート(15、75)との間に配置された中間耐荷重プレート(14、74、174)を更に備え、前記第2のアルカリ電解槽ユニット(21、81)は、前記中間耐荷重プレート(14、74、174)によって少なくとも部分的に支持されている、請求項4又は5に記載のアルカリ電解槽装置(10、70)。
【請求項7】
前記耐荷重面(30、330)は、格子又はグリッド(31’)である、請求項1~6のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(10、310)。
【請求項8】
少なくとも前記第1のアルカリ電解槽ユニット(71)は、前記第1のエンドプレート(73)から前記第2のエンドプレート(75)まで延在するように配置され、かつ前記セルスタック(77)内の前記電解槽セルを圧縮するように構成された少なくとも1つの接続ロッド(78)を更に備え、前記耐荷重面(90)は、前記少なくとも1つの接続ロッド(78)とは離れている、請求項1~7のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(70)。
【請求項9】
前記セルスタック(317)の前記電解槽セルから生成ガスを輸送するように構成された配管(314)を更に備え、前記配管は、前記第1のアルカリ電解槽ユニット(311)と前記第2のアルカリ電解槽ユニット(321)との間に垂直方向に配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
【請求項10】
前記耐荷重面(30、30’、60、90、330)は、水平方向に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(10、40、70、310)。
【請求項11】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(321)を収容する封入マントル(400)を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
【請求項12】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(321)からの任意の漏出ガスを検出するように構成されたガスセンサ(410、420)を更に備え、前記ガスセンサは、前記第2のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に前記封入マントル内に配置されている、請求項11に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
【請求項13】
前記封入マントル(400)は、前記封入マントルの上部分(401)に配置されたガイド面(403、405)を備え、前記ガイド面は、任意の漏出したガスを前記ガスセンサ(410、420)にガイドするように構成されている、請求項12に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置に関し、アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備える。
【背景技術】
【0002】
より多くの国が脱炭素戦略を推し進めるにつれて、エネルギー輸送体である水素がより重要になる可能性が最も高い。水素の使用は、直接電化が困難な分野、例えば、製鉄及び特定の化学製造、長距離輸送、すなわち船舶輸送及び航空において、特に関連する。好ましくは、生成された水素は、カーボンフットプリントが低く、例えば、再生可能資源からの電気を使用した水の電気分解によって生成されることによって最終的にグリーンである。規制及びマーケットデザインに加えて、水素生成のコストが依然として障壁である。
【0003】
電解槽、すなわち水電解槽は、電流を通すことによって水分子を水素と酸素に分解するために使用される電気化学デバイスである。電解槽は、電気化学的プロセスが生じる電解槽セルを備える。電解槽セルは、典型的には、液体電解質中に浸漬された又は固体電解質に隣接した2つの電極(陽極及び陰極)と、反応物の輸送及び生成物の除去を容易にする膜又は他の多孔質輸送層とからなる。電極において、水は、イオン、典型的にはH+又はOH-が液体電解質又は固体膜電解質を通過して、酸素と水素に分解される。両電極間にある膜も、生成ガス(水素及び酸素)を分離したままに保ち、ガスの混合を回避することを担う。
【0004】
電解槽は、典型的には、セルスタック内に配置され、かつ機械的支持を提供する2つのエンドプレート間に配置されたそのような電解槽セルを複数備える。セルスタックは更に、電解槽セル内の2つの対向する電極間の絶縁材料であるスペーサと、シールと、更なる機械的支持のためのフレームとを含み得る。更に、冷却、水素の処理(例えば、純度及び圧縮のため)、電気入力の変換(例えば、変圧器及び整流器)、給水の処置(例えば、脱イオン化)、及び(例えば、酸素の)ガス出力のための機器を含む電解槽システム内に複数の電解槽ユニットが配置され得る。そのような電解槽システムが、例えば、水素製造プラントに含まれていてよい。
【0005】
電解槽は、典型的には、電解質及び動作温度に基づいて異なる技術に分けられる。例えば、アルカリ電解槽は液体アルカリ電解質を使用するが、プロトン交換膜(PEM)型電解槽は固体ポリマー電解質を使用し、固体酸化物型電解槽(SOEC)は電解質として固体セラミック材料を使用する。
【0006】
すべてのタイプの電解槽が、水素生成のコストが比較的高くなってしまっている。しかしながら、アルカリ電解槽は、典型的には、PEMで通常使用される白金族金属系触媒と比べてより安価な触媒に関連している。更に、アルカリ電解槽のほうが、典型的には、交換可能な電解質及び陽極触媒のより低い溶解に起因して耐久性が高い。更に、アルカリ電解槽は、典型的には、アルカリ電解質中のガス拡散性がより低いことに起因してより高いガス純度を達成する。
【0007】
しかしながら、特に、設置のために大きい表面積を必要とする水素プラントでは、電解槽に関連する課題が依然としてある。このことから、大型水素プラントの設置が比較的少ないことと合わせて、電解槽装置をより効率的にし、コスト効果を高くする必要性が求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上記問題の少なくともいくつかを克服し、先行技術の解決手段と比較して少なくともある程度改善された、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置を提供することである。この目的及び以下で明らかになる他の目的は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置によって達成され、本装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備える。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置が提供される。本装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備え、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットの各々は、第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、及び第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタックを形成する複数の電解槽セルを備え、アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニットと第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された耐荷重面を更に備え、これにより、第2のアルカリ電解槽ユニットは、第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、耐荷重面によって支持される。
【0010】
これによって、電解槽装置の設置のための表面積がより効率的に使用される。言い換えれば、電解槽装置の設置のための同じ量の表面積を使用することによって、電解槽装置の容量が増加する。したがって、本発明によって、表面積当たりの電解槽装置の容量が増加する。容量は、例えば、水素生成容量として定義することができる。
【0011】
第2のアルカリ電解槽ユニットが、第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、耐荷重面によって支持されることを述べるとき、耐荷重面が第1のアルカリ電解槽ユニットと第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された状態で、第2のアルカリ電解槽ユニットが第1のアルカリ電解槽ユニットの上に配置されていることを理解されたい。よって、第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、及び第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタックを形成する複数の電解槽セルを備える第2のアルカリ電解槽ユニットは、第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、及び第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタックを形成する複数の電解槽セルを備える第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、第2のアルカリ電解槽ユニットは、耐荷重面によって支持される。
【0012】
第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートは、それぞれ、第1のユニットの第1のエンドプレート及び第1のユニットの第2のエンドプレートと呼ばれることもある。更に、第1のユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置された複数の電解槽セルのセルスタックは、第1のユニットのセルスタックと呼ばれることもある。これに対応して、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートは、それぞれ、第2のユニットの第1のエンドプレート及び第2のユニットの第2のエンドプレートと呼ばれることもある。更に、第2のユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置された複数の電解槽セルのセルスタックは、第2のユニットのセルスタックと呼ばれることもある。
【0013】
第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット各々のセルスタック内の電解槽セルは、典型的には、膜によって分離されており、かつ水電解を達成するために液体アルカリ電解質溶液(単にアルカリ電解質と呼ぶ)中で動作している2つの電極(陽極及び陰極)を備えることを理解されたい。使用時には、陽極においてOHの陰イオンによって酸素ガス(及び水)が生成され、陰極において供給された電子によって水素ガス(及びOHの陰イオン)が生成される。アルカリ電解質及び/又は水が、アルカリ電解槽ユニットに連続的に供給され得る。OHの陰イオンは、陰極から膜を介して陽極に輸送される。第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットの各セルスタックは、そのような電解槽セルを複数備える。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット各々のセルスタック内の電解槽セル内の電極の表面積は、0.5~3m2である。
【0015】
第1のアルカリ電解槽ユニットが、第2のアルカリ電解槽ユニットとは別個のユニットであることを理解されたい。よって、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルから分離されており、独立して動作される。例えば、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されているが、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、(第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されるので)配置されていない。第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルが、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルから分離されており、独立して動作される限り、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートは、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートに接続されてもよいし、又は一体化されてもよいことを理解されたい。これに対応して、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルが、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルから分離されており、独立して動作される限り、第1のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートは、第2のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートに接続されてもよいし、又は一体化されてもよい。しかしながら、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルが、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルから分離されており、独立して動作されていても、第1及び第2の電解槽ユニットは、生成ガス(水素及び/又は酸素)を共通配管に提供するように構成され得る。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のエンドプレートは、ベースプレート又は荷重キャリアプレート(load carrier plate)である。よって、第1及び第2のエンドプレートは、関連付けられた電解槽ユニットのセルスタックのための主キャリア構造体を形成する。典型的には、第1及び第2のエンドプレートは、セルスタックの任意の電極とは異なる。
【0017】
第2のアルカリ電解槽ユニットが第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、耐荷重面によって支持されることを述べるとき、アルカリ電解槽装置は、3次元空間との関連で説明されていることを理解されたい。例えば、デカルト座標系(x軸、y軸、及びz軸によって定義されるxyz系)では、水平面はx軸及びy軸によって定義され(すなわちxy平面)、z軸は水平面を垂直に切断する垂直軸である。換言すれば、z軸、すなわち垂直軸は、重力が従う軸に平行である。よって、z軸に関する第2のアルカリ電解槽ユニットの位置は、第1のアルカリ電解槽ユニットの位置と比較して高い。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第2のアルカリ電解槽ユニットの最低z座標は、第1のアルカリ電解槽ユニットの最高z座標よりも高い。
【0018】
第2のアルカリ電解槽ユニットが、典型的には、第1のアルカリ電解槽ユニットの上に配置されることを理解されたい。例えば、第2のアルカリ電解槽ユニットは、x軸及びy軸に関して(すなわち、水平面において)第1のアルカリ電解槽ユニットと同じ位置に配置される。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第2のアルカリ電解槽ユニットのx軸及びy軸に関する位置は、第1のアルカリ電解槽ユニットのx軸及びy軸に関する位置と少なくとも部分的に重なる。よって、第2のアルカリ電解槽ユニットは、水平面(xy平面)において第1のアルカリ電解槽ユニットに位置合わせされていてもよいし、又はわずかにオフセットされていてもよい。
【0019】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのうちの一方に含まれている。
【0020】
これによって、第2のアルカリ電解槽ユニットが第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、かつ耐荷重面によって支持されるように耐荷重面を配置するために別個の組み立てステップは必要ない。言い換えれば、耐荷重面は、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのうちの一方に一体化されている。よって、単に第2のアルカリ電解槽ユニットを第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置することによって、第2のアルカリ電解槽ユニットが第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、かつ耐荷重面によって支持されるように、耐荷重面が配置される。
【0021】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、第1のアルカリ電解槽ユニットに含まれている。好ましくは、第1のアルカリ電解槽ユニットの耐荷重面は、第1のアルカリ電解槽ユニットの上面である。よって、アルカリ電解槽装置の組み立て中、第1のアルカリ電解槽ユニットは、その正しい位置に置かれてよく、その後に、第2のアルカリ電解槽ユニットは、第1のアルカリ電解槽ユニットの上に配置され、そこで第1のアルカリ電解槽ユニットの耐荷重面によって支持される。これによって、アルカリ電解槽装置の組み立てが改善される。
【0022】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートの少なくとも一方に含まれている。
【0023】
これによって、耐荷重面は、第1のアルカリ電解槽ユニットの既存の構成部品に一体化される。よって、耐荷重面を備える、第1のアルカリ電解槽ユニットと第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された別個の耐荷重構造体を省略することができる。更に、第1及び第2のエンドプレートは、典型的には、荷重キャリアプレートであるので、耐荷重面は、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタックのための主キャリア構造体に一体化される。耐荷重面は、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレート及び/又は第2のエンドプレートに含まれていてもよいし、又は一体化されていてもよい。
【0024】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのそれぞれのセルスタック内の電解槽セルは、垂直方向に積み重ねられる。
【0025】
これによって、表面積当たりの容量を更に増加させることができる。よって、電解槽セルは、垂直方向に、すなわち前述のデカルト座標系に関して説明したz軸に沿って差し込まれる。よって、第1のエンドプレート、セルスタック、及び第2のエンドプレートが垂直方向に順に配置される。換言すれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットの中心軸は垂直軸である。典型的には、そのような垂直スタック配置構成の各電解槽セルは、垂直方向に、すなわちz軸に沿って差し込まれた電極及び膜を備える。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電極及び/又は膜は、ガストラップを回避するためにxy平面に対して傾斜しているか、又は傾いている。
【0026】
例えば、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートは、アルカリ電解槽装置の電解槽現場の地面に配置される。第1のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートは、第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向に配置されたセルスタックが第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されるように、第1のエンドプレートと位置合わせされ、第1のエンドプレートの上方に配置される。第2のエンドプレートは、第2のアルカリ電解槽ユニットがその上に支持される耐荷重面を備える。よって、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートは、第1のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレート上に配置される。第2のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートは、第2のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向に配置されたセルスタックが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置され、かつ第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置されるように、第1のエンドプレートと位置合わせされ、第1のエンドプレートの上方に配置される。
【0027】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1のアルカリ電解槽ユニットは、第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまで延在する平面構造体を更に備え、平面構造体は、耐荷重面を備える。
【0028】
これによって、第1及び第2のエンドプレートとは別個の耐荷重構造体であり、耐荷重面を備える平面構造体が、第1のアルカリ電解槽ユニットに含まれている。そのような平面構造体は、第2のアルカリ電解槽ユニットのための有利な支持体を提供する。
【0029】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、平面構造体は、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタックに面するように配置された内側に面する面と、第2のアルカリ電解槽ユニットに面するように配置された外側に面する面とを備え、外側に面する面は、耐荷重面である。
【0030】
よって、前述の第1のアルカリ電解槽ユニットの上面は、好ましくは、平面構造体の外側に面する面であり、耐荷重面としての役割をする。これによって、第1のアルカリ電解槽ユニットの上に第2のアルカリ電解槽ユニットを配置することが改善される。
【0031】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重構造体は、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのうちの少なくとも一方の第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまで延在する。これによって、耐荷重構造体は、対応するアルカリ電解槽ユニットの堅牢性を高めるために設けられ得る。例えば、耐荷重構造体は、セルスタック内の電解槽セルを圧縮するように構成され得る。これによって、接続ロッドを省略するか、少なくとも減らすことができる。
【0032】
耐荷重構造体は、例えば、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートの上部分又は上面に取り付けられ、第1のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートの上部分又は上面に取り付けられ、それによって、第1のエンドプレートの上部分又は上面から第2のエンドプレートの上部分又は上面まで延在し得る。エンドプレートの上部分又は上面は、ここでは、第2のアルカリ電解槽ユニットに面するエンドプレートの部分又は表面を指す。代替として、耐荷重構造体は、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートの下部分又は下面に取り付けられ、第2のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートの下部分又は下面に取り付けられ、それによって、第1のエンドプレートの下部分又は下面から第2のエンドプレートの下部分又は下面まで延在してもよい。エンドプレートの下部分又は下面は、ここでは、第1のアルカリ電解槽ユニットに面するエンドプレートの部分又は表面を指す。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、第1又は第2のアルカリ電解槽ユニットの耐荷重構造体(又は平面構造体)に、又は対応するアルカリ電解槽ユニットの電解質と接触している第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートの少なくとも一方に一体化されている。よって、耐荷重面は、耐荷重面を備える構造体が第1のアルカリ電解槽ユニットの電解質と接触していることによって、第1のアルカリ電解槽ユニットに一体化され得る。代替として、耐荷重面は、耐荷重面を備える構造体が第2のアルカリ電解槽ユニットの電解質と接触していることによって、第2のアルカリ電解槽ユニットに一体化されていてもよい。例えば、耐荷重面が第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートの少なくとも一方に含まれている実施形態では、第1及び第2のエンドプレートは、第1のアルカリ電解槽ユニットの電解質と接触している。更に、耐荷重面が、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのうちの少なくとも一方の第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまで延在する耐荷重構造体又は平面構造体に含まれている実施形態では、耐荷重構造体又は平面構造体は、対応するアルカリ電解槽ユニットの電解質と接触するように配置され得る。
【0034】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのそれぞれのセルスタック内の電解槽セルは、水平方向に積み重ねられる。
【0035】
これによって、従来のセルスタック配置構成をアルカリ電解槽装置のために使用することができる。よって、電解槽セルは、水平方向に、すなわち前述のデカルト座標系に関して説明したx軸又はy軸に沿って差し込まれる。よって、第1のエンドプレート、セルスタック、及び第2のエンドプレートは、水平方向に(x軸又はy軸に沿って)順に配置されている。換言すれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットの中心軸は水平軸である。典型的には、そのような水平スタック配置構成の各電解槽セルは、水平方向に、すなわち、x軸又はy軸に沿って差し込まれた電極及び膜を備える。
【0036】
例えば、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートは、アルカリ電解槽装置の電解槽現場の地面に配置される。第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートは、典型的には、第1のアルカリ電解槽ユニットの水平方向に配置されたセルスタックが第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されるように、水平方向に位置合わせされ、並んで配置されている。耐荷重面が第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートに含まれている少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、典型的には、第1のエンドプレートの上面と第2のエンドプレートの上面とで分割されており、その上に、第2のアルカリ電解槽ユニットのそれぞれの第1及び第2のエンドプレートが支持される。よって、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートは、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートの上に配置され、第2のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートは、第1のアルカリ電解槽ユニットの第2のエンドプレートの上に配置される。よって、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートと、これらの間に配置された水平方向に配置されたセルスタックとが、第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置される。
【0037】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、格子又はグリッドである。
【0038】
これによって、強度があるが比較的低重量の耐荷重面が設けられる。例えば、耐荷重面を備える耐荷重構造体は、格子又はグリッドとして配置される。代替として、耐荷重面が第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び/又は第2のエンドプレートに含まれている実施形態では、対応する第1及び/又は第2のエンドプレート(単数又は複数)は、格子又はグリッドとして配置される。例えば、格子又はグリッドは、高い垂直荷重(すなわち、少なくとも第2のアルカリ電解槽ユニットの重量に相当)に耐えるように構成された構造体を提供するために、3Dプリントされるか、又は他の方法で製造される。耐荷重面として格子又はグリッドを有することによって、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットへの及び/又はそれらからのガス又は液体の輸送が格子又はグリッドの開口部を介して達成できるので、そのような輸送が容易になる。
【0039】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置された中間耐荷重プレートを更に備え、第2のアルカリ電解槽ユニットは、中間耐荷重プレートによって少なくとも部分的に支持される。
【0040】
そのような中間耐荷重プレートは、典型的には、セルスタックの一部分を取り囲むように配置されるか、又はセルスタックの一部を形成する中央構造を備える。このような中央構造は、例えば、アルカリ電解質がそこを通って流れることを可能にするグリッド又は格子を備え得る。例えば、中央構造は、2つの電極間に配置され、ダミーセル(すなわち、ダミーセルの電極間に印加電位がないので水素も酸素も生成しない、セルスタック内のセル)を形成し得る。中間耐荷重プレートは、典型的には、第1及び第2のエンドプレートから等距離に配置されることによって、典型的には、第1及び第2のエンドプレートから離れて配置される。アルカリ電解槽装置は、1つより多くの中間耐荷重プレートを備え得る。そのような実施形態では、複数の中間耐荷重プレートは、第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまでの距離に沿って配置される。中間耐荷重プレートは、中間耐荷重構造体と呼ばれることもある。
【0041】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第2のアルカリ電解槽ユニットが中間耐荷重プレートによって少なくとも部分的に支持されることは、耐荷重面が中間耐荷重プレートならびに第1のアルカリ電解槽ユニットの第1及び第2のエンドプレートに含まれていることによって達成される。耐荷重面は、典型的には、第1のエンドプレートの上面と、第2のエンドプレートの上面と、中間耐荷重プレートの上面とで分割されており、その上に、第2のアルカリ電解槽ユニットのそれぞれの第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、及び中間プレートが支持される。よって、そのような実施形態では、第2のアルカリ電解槽ユニットは、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に、第1の電解槽ユニットの中間耐荷重プレートに対応して配置された中間プレートを備える。代替として、第2のアルカリ電解槽ユニットが中間耐荷重プレートによって少なくとも部分的に支持されることは、耐荷重構造体が第1及び第2のエンドプレート並びに中間耐荷重プレートによって支持されることによって達成され、耐荷重構造体は、前述のような耐荷重面を備える。
【0042】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アルカリ電解槽装置は、温度、圧力、及び/又は導電率を測定するように構成された1つ又は複数のセンサを備え、1つ又は複数のセンサは、中間耐荷重プレートに一体化されている。このような一体化は、中間耐荷重プレートの配置により、センサ(単数又は複数)をセルスタックの中央部分に容易に配置することができるので有利である。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも第1のアルカリ電解槽ユニットは、第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまで延在するように配置され、かつセルスタック内の電解槽セルを圧縮するように構成された少なくとも1つの接続ロッドを更に備え、耐荷重面は、少なくとも1つの接続ロッドと離れている。
【0044】
よって、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、少なくとも1つの接続ロッドによって第1及び第2のエンドプレート内で圧縮され、しっかりと保持される。耐荷重面が少なくとも1つの接続ロッドと離れていることを述べるとき、耐荷重面が少なくとも1つの接続ロッドとは異なるものであることを理解されたい。言い換えれば、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、少なくとも1つの接続ロッドにも、第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまで延在するように配置され、かつセルスタック内の電解槽セルを圧縮するように構成された任意の接続ロッドにも含まれていない。しかしながら、少なくとも1つの代替の例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットの上述の垂直方向に配置されたセルスタックの場合、第1のアルカリ電解槽ユニットは、少なくとも2つの接続ロッドを備えてよく、少なくとも2つの接続ロッドの第2のアルカリ電解槽ユニットに面するそれぞれの端面が、耐荷重面を備える。よって、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートは、第1のアルカリ電解槽ユニットの少なくとも2つの接続ロッドの端面によって支持され得る。
【0045】
典型的には、第2のアルカリ電解槽ユニットも、第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートから第2のエンドプレートまで延在するように配置された少なくとも1つの接続ロッドを備え、接続ロッドは、セルスタック内の電解槽セルを圧縮するように構成される。よって、耐荷重面は、少なくとも1つの接続ロッドとは離れているか、又は異なるものである。
【0046】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アルカリ電解槽装置は更に、セルスタックの電解槽セルから生成ガスを輸送するように構成された配管を備え、配管は、第1のアルカリ電解槽ユニットと第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に垂直方向に配置される。
【0047】
これによって、配管を配置する効率的な方法が提供される。例えば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットは、生成ガスを同じ配管に提供するように構成され得る。例えば、配管は、生成された水素ガスを取り扱うための第1の配管系と、生成された酸素ガスを取り扱うための第2の配管系とを備え、第2の配管系は、第1の配管系とは分離されており、異なるものである。
【0048】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、配管は更に、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットに及びそれらからアルカリ電解質(又はその対応する溶液)及び/又は水を輸送するように構成される。よって、配管は、アルカリ電解質及び/又は水を取り扱うための第3の配管系を備え得る。典型的には、アルカリ電解質及び/又は水は、セルスタックの内外に再循環される。
【0049】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、配管は、前述の耐荷重面を備える耐荷重構造体に少なくとも部分的に含まれている。耐荷重構造体は更に、ガス又は液体の流れを測定するためのセンサ又は計量機器を備え得る。
【0050】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、耐荷重面は、水平方向に配置される。
【0051】
これによって、第2のアルカリ電解槽ユニットのための有利な支持体が提供される。すなわち、耐荷重面は、典型的には、xy平面に延在する水平面である。
【0052】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アルカリ電解槽装置は更に、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットを収容する封入マントルを備える。
【0053】
これによって、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットからの漏出ガスが、封入マントルの内部に捕捉され得る。
【0054】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットからの任意の漏出ガスを検出するように構成されたガスセンサを更に備え、ガスセンサは、第2のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に封入マントル内に配置される。
【0055】
よって、漏出ガスを検出するための効率的な手段が提供される。ガスセンサは、典型的には、水素ガス及び/又は酸素ガスを検出するように構成される。
【0056】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、封入マントルは、封入マントルの上部分に配置されたガイド面を備え、ガイド面は、漏出したガスをガスセンサにガイドするように構成される。
【0057】
これによって、漏出ガスの検出が改善される。よって、ガスセンサは、典型的には、封入マントルの上部分に配置される。
【0058】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットは、直列又は並列に接続される。
【0059】
すなわち、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットは、直列又は並列に電気的に接続され得る。
【0060】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットは、冗長ユニットとして動作するように配置される。代替として、それらは、水素ガスを提供するために互いに依存して(又は共通して)動作するように配置される。
【0061】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2の電解槽ユニット各々の動作温度は、70~90℃である。そのような動作温度は、通常動作温度と呼ばれることもある。第1及び第2の電解槽ユニット各々の動作圧力は、例えば1~30バールであり得る。
【0062】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アルカリ電解質は、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化ナトリウム(NaOH)である。KOHの場合、濃度は、例えば、57M(モル)であり得る。
【0063】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、セルスタックにおいて使用される膜の材料は、ZrO又はNiOである。膜は、メッシュ、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS:polyphenylene sulfide)メッシュで安定化され得る。膜は、例えば、薄い多孔性の箔から構成されていてよい。そのような箔の厚さは、例えば0.05~0.5mmであり得る。しかしながら、ガスの混合を回避するために、少なくとも0.25の厚さが好ましい。膜は電子を伝導せず、よって、電解槽セルの陽極と陰極との間の電気的短絡を回避するとともに、電極間の距離を小さくすることを可能にすることを理解されたい。膜は、アルカリ電解質が膜の孔に浸透し得るので、OHの陰イオンを伝導するように構成される。更に、膜は、膜の別個の側で生成されたガス(酸素及び水素)を分離する。膜がダイアフラム又はセパレータと呼ばれこともあることに留意されたい。
【0064】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、陽極、すなわち酸素側のためにセルスタック内で使用される電極(及び触媒)は、ニッケルめっき鋼電極、例えばニッケルめっき穿孔ステンレス鋼電極である。
【0065】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、陰極、すなわち水素側のためにセルスタック内で使用される電極(及び触媒)は、ニッケルめっき鋼電極、例えばニッケルめっき穿孔ステンレス鋼電極である。
【0066】
よって、酸素側及び水素側のためにセルスタック内で使用される電極(及び触媒)は、同じタイプのものであってもよい。言い換えれば、陽極及び陰極は、同じ材料から作られていてもよい。
【0067】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2の電解槽ユニットの各々は、陽極又は陰極に多孔質輸送層を備える。そのような輸送層は、Niメッシュから構成されていてよい。
【0068】
本装置は更に、当業者には既知であるように、生成された酸素及び水素それぞれのためのガスセパレータ機器、生成された水素ガスを乾燥させるためのドライヤ機器、アルカリ溶液及び水のポンプ又は他の輸送手段、並びに装置の動作に必要な関連付けられた電気機器を備え得る。
【0069】
本発明の第2の態様によれば、水素プラントが提供される。水素プラントは、本発明の第1の態様に係るアルカリ電解槽装置を複数備える。よって、アルカリ電解槽ユニットは、水素生成アルカリ電解槽ユニットと呼ばれることもある。
【0070】
例えば、単一のアルカリ電解槽ユニットは、数MWの電力需要に相当する容量を有してよく、典型的には、生成されるNm3H2(標準立方メートル)当たり4~5kWhのエネルギー入力が必要になる。例えば、水素プラントは、1GWの電力需要に相当する50~150個のアルカリ電解槽ユニットを備え得る。
【0071】
本発明の第2の態様の効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連させて上述したものと大部分が類似している。本発明の第1の態様に関連して言及した実施形態は、本発明の第2の態様と大部分が互換性があり、そのうちのいくつかを以下で例示する。
【0072】
本発明の更なる利点及び特徴について、以下の説明及び添付図面において開示及び説明する。
【0073】
次に、本発明のこれらの態様及び他の態様について、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】本発明の例示的な実施形態にしたがって使用されるアルカリ電解槽ユニットの斜視図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態に係るアルカリ電解槽ユニットにおいて使用される電解槽セルの概略図である。
【
図3】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、第1の電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備えるアルカリ電解槽装置を概略的に例示する。
【
図4A】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態にしたがって使用される耐荷重面を備える耐荷重構造体を概略的に例示する。
【
図4B】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態にしたがって使用される耐荷重面を備える別の耐荷重構造体を概略的に例示する。
【
図4C】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、例えば
図3のアルカリ電解槽装置の中間プレートの正面図である。
【
図5】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備えるアルカリ電解槽装置の概略的な斜視図である。
【
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備えるアルカリ電解槽装置の別の概略的な斜視図である。
【
図7】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備える更に別のアルカリ電解槽装置を概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下の説明には、限定ではなく説明を目的として、本発明の完全な理解を提供するために、例えば特定の構成部品、インターフェース、技法等の特定の詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、本発明がこれらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態で実施されてもよいことが明らかになるであろう。他の事例では、周知のユニット、デバイス又はシステム、電解槽セル、及び方法の詳細な説明を、不要な詳細で本発明の説明を曖昧にしないように省略する。
【0076】
図1は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽ユニット101を概略的に示す。アルカリ電解槽ユニット101は、以下で説明するように、アルカリ電解槽装置の第1及び/又は第2のアルカリ電解槽ユニットとして使用され得る。よって、最初に、アルカリ電解槽ユニット101について大まかに説明し、次いで、第1のアルカリ電解槽ユニット及び第2のアルカリ電解槽ユニットを備えるアルカリ電解槽装置の様々な実施形態について説明する。
【0077】
アルカリ電解槽ユニット101は、第1のエンドプレート103、第2のエンドプレート105、及び第1のエンドプレート103と第2のエンドプレート105との間に配置されたセルスタック107を備える。セルスタック107は、複数の電解槽セル109から形成されており、
図1には、そのうちの3つのみが概略的に示されている。しかしながら、セルスタック107は、典型的には、より多くの電解槽セル、例えば、50~700個の電解槽セル、典型的には150~500個の電解槽セルを備える。典型的な電解槽セルについて、
図2を参照して以下で説明する。アルカリ電解槽ユニット101は更に、セルスタック107内の電解槽セル109を圧縮するために、第1のエンドプレート103から第2のエンドプレート105まで延在するように配置された2つの接続ロッド111a、111bを備える。
図1の2つの接続ロッド111a、111bは、セルスタック107を通して延在しているので、部分的に破線で示されている。接続ロッド111a、111bは、例えば、ナット又はスクリューナット(図示せず)によって第1及び第2のエンドプレート103、105の各々に取り付けられ得る。
【0078】
図1のアルカリ電解槽ユニット101のセルスタック107は、以下で詳述するように、セルスタック107から生成ガスを輸送するため、並びに/又はセルスタック107に及び/若しくはセルスタック107からアルカリ電解質を輸送するための配管113に接続されている。
【0079】
図2は、電解槽セル209を概略的に示す。
図2の電解槽セル209は、
図1のセルスタック107の複数の電解槽セル109の各々に使用され得る。電解槽セル209は、陽極201である第1の電極201と、陰極203である第2の電極203とを備える。陽極201及び陰極203は、膜205によって分離されている。陽極201及び陰極203は、水電解を達成するために、以下では単にアルカリ電解質207と呼ぶ液体アルカリ電解質溶液207中で動作している。使用時には、陽極201においてOHの陰イオンによって酸素ガスと水が生成され、陰極203において供給された電子によって水素ガスとOHの陰イオンが生成される。電子は、電子移動ブリッジ211によって陽極側から陰極側に移動される。OHの陰イオンは、陰極203から膜205を介して陽極201に輸送される。
図1のアルカリ電解槽ユニット101のセルスタック107は、典型的には、このような電解槽セル209を複数備える。
【0080】
図3は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置10を概略的に示す。アルカリ電解槽装置10は、2つのアルカリ電解槽ユニット11、21を備えるが、2つよりも多い数のアルカリ電解槽ユニットがアルカリ電解槽装置10に含まれていてもよい。2つのアルカリ電解槽ユニット11、21の各々は、好ましくは、
図1のアルカリ電解槽ユニット101として構成され得る。すなわち、第1のアルカリ電解槽ユニット11は、第1のエンドプレート13、第2のエンドプレート15、及び第1のエンドプレート13と第2のエンドプレート15との間に配置されたセルスタック17を形成する複数の電解槽セル19(そのうちの3つのみが図示されている)を備える。これに対応して、第2のアルカリ電解槽ユニット21は、第1のエンドプレート23、第2のエンドプレート25、及び第1のエンドプレート23と第2のエンドプレート25との間に配置されたセルスタック27を形成する複数の電解槽セル29(そのうちの3つのみが図示されている)を備える。
図3に示すように、第1のアルカリ電解槽ユニット11は任意選択的に、第1のエンドプレート13と第2のエンドプレート15との間に別個に配置された中間耐荷重プレート14(破線で示す)を備え得る。そのような中間耐荷重プレート14は、典型的には、セルスタック17の一部分を取り囲むように配置されるか、又はセルスタック17の一部を形成する中央構造(
図4Cに更に示す)を備える。
図1に示すような任意の配管及び接続ロッドは、簡潔にするために取り除かれている。
【0081】
アルカリ電解槽装置10は更に、第1のアルカリ電解槽ユニット11と第2のアルカリ電解槽ユニット21との間に配置された耐荷重面30を備え、これにより、第2のアルカリ電解槽ユニット21は、第1のアルカリ電解槽ユニット11の垂直方向上方に配置され、耐荷重面30によって支持される。
図3の実施形態では、耐荷重面30は、第1のエンドプレート13から第2のエンドプレート15まで延在する平面構造体31である耐荷重構造体31として一体化されることによって、第1のアルカリ電解槽ユニット11に含まれている。
図3では、耐荷重性が、任意選択の中間耐荷重プレート14によって高められ得る。よって、耐荷重構造体31は、第1及び第2のエンドプレート13、15、ならびに中間耐荷重プレート14によって支持されている。よって、第2のアルカリ電解槽ユニット21は、中間耐荷重プレート14によって少なくとも部分的に支持される。
【0082】
しかしながら、代替として、耐荷重面30は、第2のアルカリ電解槽ユニット21に含まれていてもよいし、又は一体化されていてもよい。
【0083】
平面構造体31は、第1のアルカリ電解槽ユニット11のセルスタック17に面するように配置された内側に面する面31aと、第2のアルカリ電解槽ユニット21に面するように配置された外側に面する面31bとを備える。よって、外側に面する面31bは、耐荷重面30を備えるか、又は形成している。平面構造体31である耐荷重構造体31は、
図4Aの斜視図に別個に示すように、典型的には直方体として形成されている。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、
図4Bに示すように、耐荷重面30’を備える耐荷重構造体は、格子又はグリッド31’として形成される。これによって、低重量と十分な耐荷重性との有利な組合せが提供される。
【0084】
図1及び
図3に示すように、アルカリ電解槽ユニット101、11、21のそれぞれのセルスタック107、17、27内の電解槽セル109、19、29は、水平方向に積み重ねられている。x軸、y軸、及びz軸によって定義されるデカルト座標系、すなわちxyz系(
図1の斜視図に示されており、
図3ではz軸及びx軸のみが示されている)では、水平面はx軸及びy軸によって定義され(すなわちxy平面)、z軸は水平面を垂直に切断する垂直軸である。換言すれば、z軸、すなわち垂直軸は、重力が従う軸に平行である。よって、水平セルスタック107、17、27に対して、電解槽セル109、19、29は、水平方向に、すなわち
図3に示すx軸に沿って差し込まれている。よって、第1のエンドプレート103、13、23、セルスタック107、17、27、及び第2のエンドプレート105、15、25は、水平方向に(x軸又はy軸に沿って)順に配置されている。換言すれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット101、11、21の中心軸は水平軸である。典型的には、そのような水平スタック配置構成の各電解槽セル109、19、29は、水平方向に、すなわち、x軸又はy軸に沿って差し込まれた電極201、203及び膜205を備える。
【0085】
しかしながら、
図5に示す少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニットのそれぞれのセルスタック内の電解槽セルは、垂直方向に積み重ねられている。
図5は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置40の斜視図を概略的に示し、これは、
図3のアルカリ電解槽装置10と原理的には同様であるが、以下に説明するある構造的な違いがある。
図5のアルカリ電解槽装置40は、2つのアルカリ電解槽ユニット、すなわち第1のアルカリ電解槽ユニット41及び第2のアルカリ電解槽ユニット51を備えるが、2つよりも多い数のアルカリ電解槽ユニットがアルカリ電解槽装置40に含まれていてもよい。2つのアルカリ電解槽ユニット41、51の各々は、好ましくは、
図1のアルカリ電解槽ユニット101として構成され得るが、水平スタック配置構成ではなく垂直スタック配置構成を有する。すなわち、第1のアルカリ電解槽ユニット41は、第1のエンドプレート43、第2のエンドプレート45、及び第1のエンドプレート43と第2のエンドプレート45との間に配置されたセルスタック47を形成する複数の電解槽セル49(そのうちの3つのみが図示されている)を備え、セルスタック47内の電解槽セル49は、垂直方向に積み重ねられている。これに対応して、第2のアルカリ電解槽ユニット51は、第1のエンドプレート53、第2のエンドプレート55、及び第1のエンドプレート53と第2のエンドプレート55との間に配置されたセルスタック57を形成する複数の電解槽セル59(そのうちの3つのみが図示されている)を備え、セルスタック57内の電解槽セル59は、垂直方向に積み重ねられている。これによって、表面積当たりの容量を更に増加させることができる。
【0086】
より詳細には、第1のアルカリ電解槽ユニット41の第1のエンドプレート43は、アルカリ電解槽装置40の電解槽現場の地面600に配置される。第1のアルカリ電解槽ユニット41の第2のエンドプレート45は、第1のアルカリ電解槽ユニット41の垂直方向に配置されたセルスタック47が垂直方向に関して第1のエンドプレート43と第2のエンドプレート45との間に配置されるように、第1のエンドプレート43と位置合わせされ、第1のエンドプレート43の上方に配置される。第2のエンドプレート45、又はより厳密にいえば第2のエンドプレート45の外側に面する面は、第2のアルカリ電解槽ユニット51がその上に支持される耐荷重面60を備える。よって、第2のアルカリ電解槽ユニット51の第1のエンドプレート53は、第1のアルカリ電解槽ユニット41の第2のエンドプレート45上に配置される。第2のアルカリ電解槽ユニット51の第2のエンドプレート55は、第2のアルカリ電解槽ユニット51の垂直方向に配置されたセルスタック57が、垂直方向に関して第1のエンドプレート53と第2のエンドプレート55との間に配置され、かつ第1のアルカリ電解槽ユニット41の垂直方向上方に配置されるように、第1のエンドプレート53と位置合わせされ、第1のエンドプレート53の上方に配置される。よって、第2のアルカリ電解槽ユニット51は、第1のアルカリ電解槽ユニット41の第2のエンドプレート45及びそこに含まれている耐荷重面60によって、第1のアルカリ電解槽ユニット41の上に配置される。
【0087】
図1のアルカリ電解槽ユニット101に関して示されているような任意の配管及び接続ロッドは、簡潔にするために取り除かれている。しかしながら、第2のアルカリ電解槽ユニット51のための耐荷重面60を形成する第2のエンドプレート45を有するのではなく、セルスタック47内の電解槽セル49を圧縮するように構成された少なくとも2つの接続ロッドのそれぞれの端面が、第2のアルカリ電解槽ユニット51の第1のエンドプレート53と接触して配置され、したがって耐荷重面を形成してもよいことに留意されたい。更なる代替として、第1のアルカリ電解槽ユニット41の第2のエンドプレート45と第2のアルカリ電解槽ユニット51の第1のエンドプレート53との間に、別個の中間支持プレートが配置されてもよい。
【0088】
図5に見られるように、それぞれのセルスタック47、57の電解槽セル49、59は、水平面(xy平面)に対して傾斜しているか、又は傾いている。よって、電解槽セル49、59の電極201、203及び/又は膜205は、ガストラップを回避するために、水平面に対して傾斜しているか、又は傾いている。水平面に対するそのような傾きの傾斜角は、例えば、5°~45°であり得る。
【0089】
図6は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置70の斜視図を概略的に示し、これは、
図3のアルカリ電解槽装置10と原理的に同様であるが、以下に説明するある構造的な違いがある。
図6のアルカリ電解槽装置70は、2つのアルカリ電解槽ユニット、すなわち第1のアルカリ電解槽ユニット71及び第2のアルカリ電解槽ユニット81を備えるが、2つよりも多い数のアルカリ電解槽ユニットがアルカリ電解槽装置70に含まれていてもよい。2つのアルカリ電解槽ユニット71、81の各々は、好ましくは、
図1のアルカリ電解槽ユニット101として構成され得る(すなわち、水平セルスタックを有する)。すなわち、第1のアルカリ電解槽ユニット71は、第1のエンドプレート73、第2のエンドプレート75、及び第1のエンドプレート73と第2のエンドプレート75との間に配置されたセルスタック77を形成する複数の電解槽セル(別個に図示せず)を備える。これに対応して、第2のアルカリ電解槽ユニット81は、第1のエンドプレート83、第2のエンドプレート85、及び第1のエンドプレート83と第2のエンドプレート85との間に配置されたセルスタック87を形成する複数の電解槽セル(別個に図示せず)を備える。
【0090】
任意選択的に、第1のアルカリ電解槽ユニット71は、
図3に示すものと同様の中間耐荷重プレート74を備える。例えば、中間耐荷重プレート74は、
図4Cを参照して説明するように配置される。よって、中間耐荷重プレート74は、第1のアルカリ電解槽ユニット71の第1のエンドプレート73と第2のエンドプレート75との間に配置される。これに対応して、第2のアルカリ電解槽ユニット81は、第2のアルカリ電解槽ユニット81の第1のエンドプレート83と第2のエンドプレート85との間に配置された中間プレート84を備え得る。第2のアルカリ電解槽ユニット81の中間プレート84は、
図4Cを参照して説明するように配置され得る。
【0091】
図3のアルカリ電解槽装置10と比較して、
図6のアルカリ電解槽装置70には別個の耐荷重構造体がなく、その代わりに、耐荷重面90が、第1のアルカリ電解槽ユニット71の第1及び第2のエンドプレート73、75に、並びに任意選択的に中間耐荷重プレート74に含まれている。これによって、耐荷重面90は、第1のアルカリ電解槽ユニット71の既存の構成部品に一体化される。よって、耐荷重面を備える別個の耐荷重構造体が必要ない。
【0092】
図6に示すように、耐荷重面90は、典型的には、第1のエンドプレート73の上面73aと第2のエンドプレート75の上面75aとで分割されており、その上に、第2のアルカリ電解槽ユニット81のそれぞれの第1及び第2のエンドプレート83、85が支持されている。第1のアルカリ電解槽ユニット71の中間耐荷重プレート74と、第2のアルカリ電解槽ユニット81の中間プレート84とを含む実施形態では、耐荷重面90は更に、中間耐荷重プレート74の上面74aに含まれ、その上に、第2のアルカリ電解槽ユニット81の中間プレート84が支持される。よって、耐荷重面90は、少なくとも2つの別個の耐荷重面部分73a、75aと、任意選択的に上面部分74aとを備える。よって、第2のアルカリ電解槽ユニット81の第1のエンドプレート83は、第1のアルカリ電解槽ユニット71の第1のエンドプレート73の上に配置され、第2のアルカリ電解槽ユニット81の第2のエンドプレート85は、第1のアルカリ電解槽ユニット71の第2のエンドプレート75の上に配置され、任意選択的に、第2のアルカリ電解槽ユニット81の中間プレート84は、第1のアルカリ電解槽ユニット71の中間耐荷重プレート74の上に配置される。よって、第2のアルカリ電解槽ユニット81の第1及び第2のエンドプレート83、85と、これらの間に配置された水平方向に配置されたセルスタック87とが、第1のアルカリ電解槽ユニット71の垂直方向上方に配置される。更に、第1のアルカリ電解槽ユニット71の第1及び第2のエンドプレート73、75、並びに任意選択の中間耐荷重プレート74は、典型的には、荷重キャリアプレートであるので、耐荷重面90は、第1のアルカリ電解槽ユニット71の主キャリア構造体に一体化されている。更に、
図6に明確に示すように、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット71、81の任意の接続ロッド78、88は、耐荷重面90とは離れており、異なるものである。
【0093】
図4Cは、アルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置される例示的な中間プレート174の正面図を概略的に示す。中間プレート174は、例えば、
図3の実施形態の中間耐荷重プレート14、又は
図6の実施形態の中間耐荷重プレート74のような、例えば、第1のアルカリ電解槽ユニットの中間耐荷重プレートであり得る。更に、中間プレート174は、例えば
図6の実施形態の中間プレート84のような、第2のアルカリ電解槽ユニットの中間プレートであり得る。
【0094】
中間プレート174は、典型的には、(例えば、
図3及び
図6の実施形態のセルスタック17、77、87のうちのいずれか1つのような)セルスタック117の一部を形成する中央構造174aを備えるように配置される。このような中央構造174aは、例えば、アルカリ電解質がそこを通って流れることを可能にするグリッド又は格子174bを備え得る。例えば、中央構造174aは、2つの電極(図示せず)間に配置され、ダミーセルを形成し得る。ダミーセルは、ダミーセルの電極間に印加電位がないので水素も酸素も生成しない、セルスタック117内のセルである。代替として、中間プレート174は、単にセルスタック117の一部分を取り囲むフレームを備え得る。
【0095】
温度、圧力、及び/又は導電率を測定するように構成された1つ又は複数のセンサ174cが、中間プレート174に一体化され得る。このような一体化は、中間プレート174の配置により、センサ(単数又は複数)174cをセルスタックの中央部分に容易に配置することができるので有利である。
【0096】
図7は、水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置310の斜視図を概略的に示し、これは、
図3のアルカリ電解槽装置10と原理的に同様であるが、以下に説明するある構造的な違いがある。
図7のアルカリ電解槽装置310は、2つのアルカリ電解槽ユニット、すなわち第1のアルカリ電解槽ユニット311及び第2のアルカリ電解槽ユニット321を備えるが、2つよりも多い数のアルカリ電解槽ユニットがアルカリ電解槽装置310に含まれていてもよい。2つのアルカリ電解槽ユニット311、321の各々は、好ましくは、
図1のアルカリ電解槽ユニット101として構成され得る(すなわち、水平セルスタックを有する)。すなわち、第1のアルカリ電解槽ユニット311は、第1のエンドプレート313、第2のエンドプレート315、及び第1のエンドプレート313と第2のエンドプレート315との間に配置されたセルスタック317を形成する複数の電解槽セル(別個に図示せず)を備える。これに対応して、第2のアルカリ電解槽ユニット321は、第1のエンドプレート323、第2のエンドプレート325、及び第1のエンドプレート323と第2のエンドプレート325との間に配置されたセルスタック327を形成する複数の電解槽セル(別個に図示せず)を備える。
【0097】
図3のアルカリ電解槽装置10と同様に、第1のアルカリ電解槽ユニット311は、第1のエンドプレート313から第2のエンドプレート315まで延在する耐荷重構造体331を備える。耐荷重構造体331は、前述のように耐荷重面330を備え、
図7に示す実施形態では、格子又はグリッド(例えば
図4Bに示す)として配置される。よって、耐荷重構造体331及び耐荷重面330は、第2のアルカリ電解槽ユニット321が第1のアルカリ電解槽ユニット311の垂直方向上方に配置され、かつ耐荷重面330によって支持されるように、第1のアルカリ電解槽ユニット311と第2のアルカリ電解槽ユニット321との間に配置される。耐荷重構造体331の格子又はグリッドにより、配管314が、有利なことに、第1のアルカリ電解槽ユニット311のセルスタック317から耐荷重構造体331を通って延在し、耐荷重構造体331の上方の配管部分と相互作用することができる。
【0098】
図7に示すように、
図7のアルカリ電解槽装置310は、セルスタック317、327の電解槽セルから生成ガスを輸送するように構成された配管314を備える。配管314は、第1のアルカリ電解槽ユニット311と第2のアルカリ電解槽ユニット321との間に垂直方向に配置されている。より詳細には、配管314は、生成された水素ガスを取り扱うための第1の配管系314aと、生成された酸素ガスを取り扱うための第2の配管系314bとを備える。
図7の実施形態に示すように、第1及び第2の配管系314a、314bは、互いに分離されている。第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット311、321は、
図7では、生成ガスを共通して第1及び第2の配管系314a、314bに提供するように配置されている。しかしながら、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット311、321は、生成ガスを別個の配管系に提供するように配置されてもよい。
【0099】
図7のアルカリ電解槽装置310は、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット311、321を収容する封入マントル400を備える。これによって、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット311、321からの漏出ガスが、封入マントル400の内部に捕捉され得る。また
図7に示すように、アルカリ電解槽装置310は、第1のガスセンサ410及び第2のガスセンサ420を備え、その両方は、第1及び第2のアルカリ電解槽ユニット311、321からの漏出ガスを検出するように構成されている。第1及び第2のガスセンサは、第2のアルカリ電解槽ユニット321の垂直方向上方に封入マントル400内に配置されている。よって、漏出したガスは、典型的には、封入マントル400内を上方に移動していくので、漏出ガスを検出するための効率的な手段が設けられている。第1及び第2のガスセンサは、典型的には、水素ガス及び/又は酸素ガスを検出するように構成される。
【0100】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、封入マントル400は、封入マントル400の上部分401に配置されたガイド面403、405を備え、ガイド面は、漏出したガスをそれぞれの第1及び第2のガスセンサ410、420にガイドするように構成される。すなわち、第1のガイド面403は、漏出したガスを第1のガスセンサ410にガイドするように構成されており、典型的には第1のガスセンサ410に向かって傾斜している。これに対応して、第2のガイド面405は、漏出したガスを第2のガスセンサ420にガイドするように構成されており、典型的には第2のガスセンサ420に向かって傾斜している。これによって、漏出ガスの検出が改善される。
【0101】
本発明について、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関連させて説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、その反対に、様々な修正形態及び均等な配置構成を包含することを意図するものであることを理解されたい。追加として、開示された実施形態の変形形態が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の参酌から、請求項に記載の発明概念を実施する際に当業者によって理解及び達成され得る。特許請求の範囲において、「備える」という語は他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すわけではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置
(40、7
0)であって、前記アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット
(41、7
1)及び第2のアルカリ電解槽ユニット
(51、8
1)を備え、前記第1のアルカリ電解槽ユニット及び前記第2のアルカリ電解槽ユニットの各々は、第1のエンドプレート
(43、53、73、8
3)、第2のエンドプレート
(45、55、75、8
5)、及び前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタック
(47、57、77、8
7)を形成する複数の電解槽セル
(49、59)を備え、前記アルカリ電解槽装置は、前記第1のアルカリ電解槽ユニットと前記第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された耐荷重面(30、30’、60、90、330)を更に備え、これにより、前記第2のアルカリ電解槽ユニットは、前記第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、前記耐荷重面によって支持され、前記耐荷重面
(60、9
0)は、
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(41、71)の前記第1のエンドプレート(43、73)及び前記第2のエンドプレート(45、75)の少なくとも一方に一体化されている、アルカリ電解槽装置
(40、7
0)。
【請求項2】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(41)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(51)のそれぞれの前記セルスタック(47、57)内の前記電解槽セル(49、59)は、垂直方向に積み重ねられている、請求項
1に記載のアルカリ電解槽装置(40)。
【請求項3】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(
71)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(
81)のそれぞれの前記セルスタック(
77)内の前記電解槽セルは、水平方向に積み重ねられている、請求項
1に記載のアルカリ電解槽装置(
70)。
【請求項4】
前記第1のアルカリ電解槽ユニット(
71)の前記第1のエンドプレート(
73)と前記第2のエンドプレート(
75)との間に配置された中間耐荷重プレート(
74)を更に備え、前記第2のアルカリ電解槽ユニット(
81)は、前記中間耐荷重プレート(
74)によって少なくとも部分的に支持されている、請求項
3に記載のアルカリ電解槽装置(10、70)。
【請求項5】
少なくとも前記第1のアルカリ電解槽ユニット(71)は、前記第1のエンドプレート(73)から前記第2のエンドプレート(75)まで延在するように配置され、かつ前記セルスタック(77)内の前記電解槽セルを圧縮するように構成された少なくとも1つの接続ロッド(78)を更に備え、前記耐荷重面(90)は、前記少なくとも1つの接続ロッド(78)とは離れている、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(70)。
【請求項6】
前記セルスタッ
クの前記電解槽セルから生成ガスを輸送するように構成された配管(314)を更に備え、前記配管は、前記第1のアルカリ電解槽ユニッ
トと前記第2のアルカリ電解槽ユニッ
トとの間に垂直方向に配置されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装
置。
【請求項7】
前記耐荷重面
(60、9
0)は、水平方向に配置されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装
置(40、7
0)。
【請求項8】
前記第1のアルカリ電解槽ユニッ
ト及び前記第2のアルカリ電解槽ユニッ
トを収容する封入マントル(400)を更に備える、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装
置。
【請求項9】
前記第1のアルカリ電解槽ユニッ
ト及び前記第2のアルカリ電解槽ユニッ
トからの任意の漏出ガスを検出するように構成されたガスセンサ(410、420)を更に備え、前記ガスセンサは、前記第2のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に前記封入マントル内に配置されている、請求項
8に記載のアルカリ電解槽装
置。
【請求項10】
前記封入マントル(400)は、前記封入マントルの上部分(401)に配置されたガイド面(403、405)を備え、前記ガイド面は、任意の漏出したガスを前記ガスセンサ(410、420)にガイドするように構成されている、請求項
9に記載のアルカリ電解槽装
置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第1のアルカリ電解槽ユニットが、第2のアルカリ電解槽ユニットとは別個のユニットであることを理解されたい。よって、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルから分離されており、独立して動作される。例えば、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、第1のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されているが、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルは、(第2のアルカリ電解槽ユニットの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されるので)配置されていない。しかしながら、第1のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルが、第2のアルカリ電解槽ユニットのセルスタック内の電解槽セルから分離されており、独立して動作されていても、第1及び第2の電解槽ユニットは、生成ガス(水素及び/又は酸素)を共通配管に提供するように構成され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
本発明について、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関連させて説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、その反対に、様々な修正形態及び均等な配置構成を包含することを意図するものであることを理解されたい。追加として、開示された実施形態の変形形態が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の参酌から、請求項に記載の発明概念を実施する際に当業者によって理解及び達成され得る。特許請求の範囲において、「備える」という語は他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すわけではない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 水素ガスを生成するためのアルカリ電解槽装置(10、40、70、310)であって、前記アルカリ電解槽装置は、第1のアルカリ電解槽ユニット(11、41、71、311)及び第2のアルカリ電解槽ユニット(21、51、81、321)を備え、前記第1のアルカリ電解槽ユニット及び前記第2のアルカリ電解槽ユニットの各々は、第1のエンドプレート(13、23、43、53、73、83、313、323)、第2のエンドプレート(15、25、45、55、75、85、315、325)、及び前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されたセルスタック(17、27、47、57、77、87、117、317、327)を形成する複数の電解槽セル(19、29、49、59)を備え、前記アルカリ電解槽装置は、前記第1のアルカリ電解槽ユニットと前記第2のアルカリ電解槽ユニットとの間に配置された耐荷重面(30、30’、60、90、330)を更に備え、これにより、前記第2のアルカリ電解槽ユニットは、前記第1のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に配置され、前記耐荷重面によって支持され、前記耐荷重面(30、30’、60、90、330)は、前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、41、71、311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(21、51、81、321)のうちの一方に一体化されている、アルカリ電解槽装置(10、40、70、310)。
[2] 前記耐荷重面(60、90)は、前記第1のアルカリ電解槽ユニット(41、71)の前記第1のエンドプレート(43、73)及び前記第2のエンドプレート(45、75)の少なくとも一方に含まれている、[1]に記載のアルカリ電解槽装置(40、70)。
[3] 前記第1のアルカリ電解槽ユニット(41)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(51)のそれぞれの前記セルスタック(47、57)内の前記電解槽セル(49、59)は、垂直方向に積み重ねられている、[2]に記載のアルカリ電解槽装置(40)。
[4] 前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、71、311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(21、81、321)のそれぞれの前記セルスタック(17、77、317)内の前記電解槽セルは、水平方向に積み重ねられている、[1]又は[2]に記載のアルカリ電解槽装置(10、70、310)。
[5] 前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、311)は、前記第1のエンドプレート(13、313)から前記第2のエンドプレート(15、315)まで延在する平面構造体(31、331)を更に備え、前記平面構造体は、前記耐荷重面(30、330)を備える、[4]に記載のアルカリ電解槽装置(10、310)。
[6] 前記第1のアルカリ電解槽ユニット(11、71)の前記第1のエンドプレート(13、73)と前記第2のエンドプレート(15、75)との間に配置された中間耐荷重プレート(14、74、174)を更に備え、前記第2のアルカリ電解槽ユニット(21、81)は、前記中間耐荷重プレート(14、74、174)によって少なくとも部分的に支持されている、[4]又は[5]に記載のアルカリ電解槽装置(10、70)。
[7] 前記耐荷重面(30、330)は、格子又はグリッド(31’)である、[1]~[6]のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(10、310)。
[8] 少なくとも前記第1のアルカリ電解槽ユニット(71)は、前記第1のエンドプレート(73)から前記第2のエンドプレート(75)まで延在するように配置され、かつ前記セルスタック(77)内の前記電解槽セルを圧縮するように構成された少なくとも1つの接続ロッド(78)を更に備え、前記耐荷重面(90)は、前記少なくとも1つの接続ロッド(78)とは離れている、[1]~[7]のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(70)。
[9] 前記セルスタック(317)の前記電解槽セルから生成ガスを輸送するように構成された配管(314)を更に備え、前記配管は、前記第1のアルカリ電解槽ユニット(311)と前記第2のアルカリ電解槽ユニット(321)との間に垂直方向に配置されている、[1]~[8]のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
[10] 前記耐荷重面(30、30’、60、90、330)は、水平方向に配置されている、[1]~[9]のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(10、40、70、310)。
[11] 前記第1のアルカリ電解槽ユニット(311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(321)を収容する封入マントル(400)を更に備える、[1]~[10]のいずれか一項に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
[12] 前記第1のアルカリ電解槽ユニット(311)及び前記第2のアルカリ電解槽ユニット(321)からの任意の漏出ガスを検出するように構成されたガスセンサ(410、420)を更に備え、前記ガスセンサは、前記第2のアルカリ電解槽ユニットの垂直方向上方に前記封入マントル内に配置されている、[11]に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
[13] 前記封入マントル(400)は、前記封入マントルの上部分(401)に配置されたガイド面(403、405)を備え、前記ガイド面は、任意の漏出したガスを前記ガスセンサ(410、420)にガイドするように構成されている、[12]に記載のアルカリ電解槽装置(310)。
【国際調査報告】