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特表2024-546683バックライトシステム、ディスプレイシステム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】バックライトシステム、ディスプレイシステム、および方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241219BHJP
   H04N 13/302 20180101ALI20241219BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241219BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241219BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20241219BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20241219BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241219BHJP
   F21Y 105/00 20160101ALN20241219BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20241219BHJP
【FI】
F21S2/00 430
H04N13/302
G09F9/00 336J
G09F9/00 361
G09F9/00 336G
F21Y115:30
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:10
F21Y105:00 300
F21Y101:00 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534010
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2021062277
(87)【国際公開番号】W WO2023107104
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ファッタル,デイヴィッド エー.
【テーマコード(参考)】
3K244
5G435
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA03
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA03
3K244DA04
3K244DA05
3K244DA10
3K244EA24
3K244EA26
3K244EC08
3K244EE05
5G435AA16
5G435AA18
5G435BB12
5G435CC11
5G435EE27
5G435FF02
5G435FF03
5G435FF08
5G435GG23
5G435GG26
(57)【要約】
バックライトシステム、マルチビューディスプレイシステム、およびバックライトシステム動作の方法は、第1の導光体から導波光を抽出し、抽出された光を第2の導光体に提供するために光抽出要素を用いる。バックライトシステムは、第1の導光体、および第1の導光体の長さに沿って離間される光抽出要素を含む。光抽出要素は、第1の導光体から導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を形成するように構成される。バックライトは、複数の光抽出要素から受ける抽出された光を組み合わせて、組み合わされた導波光を形成するように構成される第2の導光体をさらに含む。マルチビューディスプレイシステムは、抽出された光を受けるマルチビューバックライトの外へ光を散乱させるように構成されるマルチビーム要素を含み、散乱された光は、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトシステムであって、
第1の導光体であって、光を導波光として前記第1の導光体の長さに沿って導くように構成される第1の導光体と、
前記第1の導光体の前記長さに沿って離間される複数の光抽出要素であって、前記複数の光抽出の各光抽出要素は、前記第1の導光体から前記導波光の一部分を抽出して、抽出した光部分を形成するように構成される、複数の光抽出要素と、
前記複数の光抽出要素から受ける前記抽出された光部分を組み合わせて、組み合わされた導波光を形成するように構成される第2の導光体であって、前記組み合わされた導波光を前記第2の導光体の長さに沿って前記複数の抽出要素および前記第1の導光体から離れる方へ導くようにさらに構成される、第2の導光体と
を備える、バックライトシステム。
【請求項2】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導波光の前記抽出された光部分を前記第2の導光体の方へ反射するように構成される側壁を備える、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項3】
前記光抽出要素の前記側壁は、湾曲形状を有する、請求項2に記載のバックライトシステム。
【請求項4】
前記光抽出要素の前記側壁は、内部全反射に従って前記導波光の前記抽出された光部分を反射するように構成される、請求項2に記載のバックライトシステム。
【請求項5】
前記光抽出要素の前記側壁は、前記導波光の前記抽出された光部分を反射するように構成される反射材料を備える、請求項2に記載のバックライトシステム。
【請求項6】
前記複数の抽出要素の隣接する光抽出要素は、前記第1の導光体の前記長さに沿ってエアギャップによって離間される、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項7】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記第2の導光体と一体であり、前記第1の導光体の縁に接触して、前記光抽出要素と前記第1の導光体との接触点において光抽出をもたらす、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項8】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記第1の導光体と一体であり、前記光抽出要素の入力におけるアパーチャが前記第1の導光体からの光抽出をもたらす、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項9】
前記導波光として導かれるように前記第1の導光体に光を提供するように構成される発光ダイオードをさらに備え、前記発光ダイオードは、前記第1の導光体の端に配設され、また前記第1の導光体の端を通じて光を提供するように配置され、前記複数の光抽出要素は、前記端と直交する前記第1の導光体の側面に配設される、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項10】
前記第2の導光体は、平面であり、矩形領域の上に延び、前記第1の導光体は、前記第2の導光体の前記矩形領域の縁に沿って、およびその範囲に、延びる、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項11】
前記第2の導光体は、前記矩形領域の上に分散され、また前記組み合わされた導波光の一部分を放出光として前記第2の導光体から散乱させるように構成される、複数の散乱特徴部を含む、請求項10に記載のバックライトシステム。
【請求項12】
前記複数の散乱特徴部の散乱特徴部は、マルチビーム要素を備え、前記マルチビーム要素は、前記第2の導光体から、前記組み合わされた導波光の一部分を、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして散乱させるように構成され、前記組み合わされた導波光は、前記複数の光抽出要素によって決定される所定の視準因子を有する、請求項11に記載のバックライトシステム。
【請求項13】
マルチビューディスプレイシステムであって、
光を導波光として導くように構成されるバー導光体と、
導光板および複数のマルチビーム要素を備えるマルチビューバックライトと、
前記バー導光体の側面に沿って互いから離間され、前記バー導光体から前記導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を構成するように、および前記抽出された光部分を組み合わされた導波光として前記マルチビューバックライトに提供するように構成される複数の光抽出要素と、を備え、
前記複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素は、前記組み合わされた導波光を前記導光板から、前記マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームとして散乱させるように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
【請求項14】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導波光の前記抽出された光部分を前記マルチビューバックライトの前記導光板の方へ反射するように構成される側壁を備え、前記側壁は、湾曲形状および傾斜直線形状のうちの一方を有する、請求項13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項15】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導光板と一体および前記バー導光体と一体、の一方または両方である、請求項13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項16】
前記バー導光体の端に光源をさらに備え、前記光源は、前記バー導光体によって前記導波光として導かれるべき光を提供するように構成される、請求項13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項17】
前記指向性光ビームを変調してマルチビュー画像を提供するように構成されるライトバルブのアレイをさらに備える、請求項13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項18】
バックライトシステム動作の方法であって、
光を導波光として第1の導光体の長さに沿って導くステップと、
前記第1の導光体長さに沿って離間される光抽出要素を使用して、前記第1の導光体から前記導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を形成するステップと、
前記抽出された光部分を第2の導光体に提供し、前記第2の導光体内の前記抽出された光部分を組み合わされた導波光として組み合わせるステップと、を含み、
前記組み合わされた導波光は、前記第2の導光体によって前記光抽出要素および前記第1の導光体から離れる方へ導かれる、バックライトシステム動作の方法。
【請求項19】
前記導波光の部分を抽出することは、内部全反射および前記側壁の反射材料の両方の一方を使用して、前記光抽出要素の側壁において、前記抽出された光部分を反射することを含む、請求項18に記載のバックライトシステム動作の方法。
【請求項20】
光抽出要素は、前記第2の導光体と一体および前記第1の導光体と一体の一方または両方であり、前記第2の導光体と一体である前記光抽出要素は、前記第1の導光体の縁に接触して、前記光抽出要素と前記第1の導光体との接触点において光抽出をもたらす一方、前記第1の導光体と一体である前記光抽出要素は、前記光抽出要素の入力におけるアパーチャを通じて前記第1の導光体からの光抽出をもたらす、請求項18に記載のバックライトシステム動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
米国政府の支援による研究開発に関する陳述
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイスおよび製品の使用者に情報を通信するために、ほぼいたるところに存在する媒体である。最も一般的に用いられている電子ディスプレイには、陰極線管(CRT)、プラズマ表示パネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)およびアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、ならびに電気機械的または電気流体的な光変調を用いる様々なディスプレイ(たとえば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)が含まれる。概して、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を放出するディスプレイ)、または受動ディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)として類別することができる。アクティブディスプレイの最も明白な例としては、CRT、PDP、およびOLED/AMOLEDが挙げられる。放出される光を考慮したときに典型的には受動であると分類されるディスプレイには、LCDおよびEPディスプレイが挙げられる。受動ディスプレイは、それだけに限定されるものではないが、本質的に電力消費が低いことを含めて、魅力的な性能特性を呈することが多いが、光を放出する能力を欠くことから、多くの実際的な適用分野では用途がやや限定されると考えられることがある。発光バックライトを使用した背面照明は、限定されるものではないがLCDおよびEPディスプレイなどの様々な受動ディスプレイが、伝統的なアクティブディスプレイ技術にしばしば付随して起こるサイズ、複雑性、および電力の増加を招くことなく、発光型ディスプレイに効果的に変換されることを可能にし得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載する原理による例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することで、より容易に理解することができる。添付の図面では、同様の参照番号が同様の構造的要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図である。
図2】本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分のグラフィック表示を例証する図である。
図3-1】図3Aは本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステムの斜視図である。図3Bは本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステムの平面図である。
図3-2】図3Cは本明細書に説明される原理に一貫した別の実施形態による一例におけるバックライトシステムの平面図である。
図4-1】図4Aは本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステムの一部分の上面図である。
図4-2】図4Bは本明細書に説明される原理に一貫した別の実施形態による一例におけるバックライトシステムの一部分の上面図である。図4Cは本明細書に説明される原理に一貫したさらに別の実施形態による一例におけるバックライトシステムの一部分の上面図である。
図5】本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるマルチビューディスプレイシステムのブロック図である。
図6】本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステム動作の方法を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
特定の例および実施形態は、上記で参照した図に示す特徴に対する追加および代替のうちの1つである他の特徴を有する。上記その他の特徴は、上記で参照した図を参照して以下で詳述する。
【0007】
本明細書に説明される原理による実施形態および例は、第1の導光体から光を抽出し、抽出された光を、ディスプレイ内のバックライトとして使用され得る第2の導光体に提供するために様々な光抽出要素を用いる背面照明を提供する。特に、本発明に説明される原理の様々な実施形態によると、第1の導光体内で導かれる光の部分を抽出するために第1の導光体の縁または側面に沿って分散される複数の光抽出要素を含むバックライトシステムが提供される。光の抽出された部分は、次いで、第2のバックライト内へ向けられ、そこで、抽出された部分は、第2の導光体を照明するために、組み合わされたガイド光として一緒に組み合わされる。導光体の端において光を受けるように、および受受けた光を導光体の長さに沿って導波光として導くように構成される導光体を含む、が提供される。組み合わされた導波光は、ディスプレイ内での使用のために放出光として第2の導光体の外へ散乱され得る。
【0008】
導光板の縁に沿って離間される1列の離散光源(たとえば、発光ダイオード)を含み得る単一導光体システムと比較して、本明細書に説明されるバックライトシステムは、導光板を完全に照明することが要求されるいくつかの離散光源を低減または統合し得る。たとえば、複数の光源は、1つまたはおそらくは2つの離散光源へと低減され得る。次には、光源に電力供給し、またこれを制御するために使用される電力消費ならびに電気接続の複雑性も低減され得る。さらに、第2の導光体の縁に沿って光を分散するために第1の導光体を使用することは、第2の導光体に送達される光をランダム化および均質化するのを助け得、これが、バックライトシステム内の光、およびバックライトシステムによって放出される光の均一性を改善させ得る。たとえば、第2の導光体の縁に沿って光を分散するために第1の導光体を使用することは、これがなければ離散光源が使用されるときに問題を引き起こし得る強度および/または色温度における非均一性をマスクするのを助け得る。
【0009】
本明細書内では、「二次元ディスプレイ」または「2Dディスプレイ」は、画像が閲覧される方向(すなわち、2Dディスプレイの既定のビュー角度または範囲内)にかかわらず実質的に同じである画像のビューを提供するように構成されるディスプレイと定義される。多くのスマートフォンおよびコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。対照的に、本明細書内では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向において、または異なるビュー方向から、マルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成される電子ディスプレイまたはディスプレイシステムと定義される。特に、異なるビューは、マルチビュー画像のシーンまたは物体の異なる視点ビューを表し得る。本明細書に説明される片側背面照明および片側マルチビューディスプレイの使用は、限定されるものではないが、携帯電話(たとえば、スマートフォン)、腕時計、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ(たとえば、ラップトップコンピュータ)、パーソナルコンピュータおよびコンピュータモニタ、自動車ディスプレイコンソール、カメラディスプレイ、また、様々な他のモバイルならびに実質的に非モバイルのディスプレイアプリケーションおよびデバイスも含む。
【0010】
図1は、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を例証する。図1に例証されるように、マルチビューディスプレイ10は、マルチビュー画像を見えるように表示するために画面12を備える。画面12は、たとえば、電話(たとえば、携帯電話、スマートフォンなど)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータのコンピュータモニタ、カメラディスプレイ、または実質的にあらゆる他のデバイスの電子ディスプレイのディスプレイ画面であり得る。
【0011】
マルチビューディスプレイ10は、画面12に対して異なるビュー方向16にマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、様々な異なる主角度方向に画面12から延びる矢印として例証される。異なるビュー14は、矢印(すなわち、ビュー方向16を描写する)の終端に影付きの多角形の枠として例証される。4つのビュー14および4つのビュー方向16のみが例証され、すべて例であり、限定ではない。異なるビュー14は、画面より上にあるものとして図1に例証されるが、ビュー14は、実際には、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10上に表示されるとき、画面12上、または画面12の近くに現れる。ビュー14を画面12より上に描写することは、単に例証の簡略性のためであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれからマルチビューディスプレイ10を閲覧することを表すことが意図される。2Dディスプレイは、マルチビューディスプレイ10と実質的に同様であり得るが、ただし、2Dディスプレイは、マルチビューディスプレイ10によって提供されるマルチビュー画像の異なるビュー14とは対照的に、一般的に、表示画像の単一のビュー(たとえば、ビュー14と同様の1つのビュー)を提供するように構成される。
【0012】
ビュー方向、または等価に、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、一般的に、本明細書の定義により、角度成分{θ,φ}によって得られる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書内では、光ビームの「上昇成分」または「上昇角度」と称される。角度成分φは、光ビームの「方位成分」または「方位角度」と称される。定義上、上昇角度θは、垂直平面(たとえば、マルチビューディスプレイ画面の平面に直交する)内の角度である一方、方位角度φは、水平平面(たとえば、マルチビューディスプレイ画面平面に平行である)内の角度である。
【0013】
図2は、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(たとえば、図1内のビュー方向16)に対応する特定の主角度方向を有する光ビーム20の角度成分{θ,φ}のグラフィック表示を例証する。加えて、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の地点から放出または放射される。すなわち、定義上、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点と関連付けられた中心光線を有する。図2は、光ビーム(またはビュー方向)原点Oも例証する。
【0014】
本明細書では、「導光体」は、内部全反射を使用して構造内で光を導く構造として定義される。特に、導光体は、導光体の動作波長で実質上透過性のコアを含むことができる。「導光体」という用語は概して、内部全反射を用いて導光体の誘電体材料と導光体を取り囲む材料または媒体との間の境界面で光を導く誘電体光導波路を指す。定義により、内部全反射に対する条件は、導光体の屈折率が、導光体材料の表面に隣接している周囲媒体の屈折率より大きいことである。いくつかの実施形態では、導光体は、内部全反射をさらに容易にするために、前述の屈折率の差に対する追加または代替として被覆を含むことができる。被覆は、たとえば、反射性の被覆とすることができる。導光体は、それだけに限定されるものではないが、板またはスラブガイドおよびストリップガイドの一方または両方を含むいくつかの導光体のいずれか1つとすることができる。
【0015】
さらに、本明細書では、「導光板」と同様に導光体に適用されるときの「板」という用語は、区分的または差分的に平面の層またはシートとして定義され、これは「スラブ」ガイドと呼ばれることがある。特に、導光板は、導光体の上面および底面(すなわち、対向面)によって境界が定められた2つの実質上直交する方向に光を導くように構成された導光体として定義される。さらに、本明細書の定義により、上面および底面はどちらも、互いから分離され、少なくとも差分的に互いに実質上平行にすることができる。すなわち、導光板の任意の差分的に小さい区間内で、上面および底面は、実質上平行または共平面である。
【0016】
いくつかの実施形態では、導光板は、実質上平坦とする(すなわち、平面に制限する)ことができ、したがって導光板は、平面の導光体である。他の実施形態では、導光板は、1つまたは2つの直交寸法に湾曲させることができる。たとえば、導光板を単一の寸法に湾曲させて、円筒形の導光板を形成することができる。しかし、あらゆる湾曲の曲率半径は、光を導くように導光板内で内部全反射が維持されることを確実にするのに十分な大きさである。
【0017】
本明細書内で、「回折格子」は、一般的に、回折格子に入射する光の回折を提供するように配置される複数の特徴部(すなわち、回折性特徴部)と定義される。いくつかの例において、複数の特徴部は、周期的または準周期的な様式で配置され得る。たとえば、回折格子は、一次元(1D)アレイに配置される複数の特徴部(たとえば、材料表面内の複数の溝または畝)を含み得る。他の例において、回折格子は、特徴部の二次元(2D)アレイであり得る。回折格子は、たとえば、材料表面上の突起または材料表面内の孔の2Dアレイであり得る。
【0018】
そのようなものとして、また、本明細書の定義により、「回折格子」は、回折格子に入射する光の回折を提供する構造体である。光が導光体から回折格子に入射する場合、提供された回折または回折性散乱が結果として生じ得、故にこれは、回折格子が回折により導光体の外へ光を結合し得るという点において、「回折結合」と称され得る。回折格子はまた、回折による光の角度(すなわち、回折角度)を方向転換または変更する。特に、回折の結果として。回折格子を出る光は、一般的に、回折格子に入射する光(すなわち、入射光)の伝搬方向とは異なる伝搬方向を有する。回折による光の伝搬方向の変更は、本明細書内では「回折方向転換」と称される。故に、回折格子は、回折格子に入射する光を回折的に方向転換する回折特徴部を含む構造体であると理解され得、また、光が導光体から入射する場合、回折格子はまた、導光体からの光を外へ回折的に結合するように構成され得る。
【0019】
さらに、本明細書の定義により、回折格子の特徴部は、「回折性特徴部」と称され、材料表面、材料表面内、および材料表面上のうちの1つまたは複数(すなわち、2つの材料の間の境界)にあり得る。表面は、たとえば、導光体の表面であり得る。回折性特徴部は、表面、表面内、または表面上の溝、畝、孔、および突起のうちの1つまたは複数を含むがこれに限定されない、光を回折する様々な構造体のいずれかを含み得る。たとえば、回折格子は、材料表面内の複数の実質的に平行の溝を含み得る。別の例において、回折格子は、材料表面から立ち上がる複数の平行畝を含み得る。回折性特徴部(たとえば、溝、畝、孔、突起など)は、正弦曲線プロファイル、矩形プロファイル(たとえば、バイナリ回折格子)、三角形プロファイル、および鋸歯プロファイル(たとえば、ブレーズド格子)のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、回折を提供する様々な断面形状またはプロファイルのいずれかを有し得る。
【0020】
本明細書に説明される様々な例によると、回折格子(たとえば、以下に説明されるようなマルチビーム要素の回折格子)は、光を光ビームとして導光体(たとえば、導光板)の外へ回折的に散乱または結合させるために用いられ得る。特に、局所的に周期的な回折格子の、またはこれによって提供される、回折角度θは、以下の等式(1)によって得られ、
【0021】
【数1】
式中、λは、光の波長であり、mは、回折次数であり、nは、導光体の屈折率であり、dは、回折格子の特徴部間の距離または間隔であり、θは、回折格子への光の入射角である。簡略性のため、等式(1)は、回折格子が導光体の表面に隣接し、導光体の外側の材料の屈折率が1に等しい(すなわち、nout=1)と仮定する。一般に、回折次数mは、整数で得られる。回折格子によって産出される光ビームの回折角度θは、等式(1)によって得ることができ、回折次数mは、正である(たとえば、m>0)。たとえば、一次回折は、回折次数mが1に等しい(すなわち、m=1)ときに提供される。
【0022】
本明細書の定義により、「マルチビーム要素」は、複数の指向性光ビームを含む光を産出するバックライトまたはディスプレイの構造体または要素である。いくつかの実施形態において、マルチビーム要素は、導光体内で導かれる光の一部分を外へ結合することによって光ビームを提供するためにバックライトの導光体に光学的に結合され得る。さらに、マルチビーム要素によって産出される複数の光ビームの光ビームは、本明細書の定義により、互いと異なる主角度方向を有する。特に、定義上、複数のうちのある光ビームは、光ビーム複数のうちの別の光ビームとは異なる所定の主角度方向を有する。さらには、光ビーム複数は、光場を表し得る。たとえば、光ビーム複数は、空間の略円すい領域に制約され得るか、または光ビーム複数内の光ビームの異なる主角度方向を含む所定の角拡散を有し得る。そのようなものとして、組み合わせた光ビーム(すなわち、光ビーム複数)の所定の角拡散は、光場を表し得る。様々な実施形態によると、様々な光ビームの異なる主角度方向は、マルチビーム要素のサイズ(たとえば、長さ、幅、面積など)を含むがこれに限定されない特徴によって決定される。いくつかの実施形態において、マルチビーム要素は、「広がった点光源(extended point source)」、すなわち、本明細書の定義により、マルチビーム要素の範囲にわたって分散される複数の点光源と見なされ得る。
【0023】
本明細書内では、「サイズ」は、長さ、幅、または面積を含むがこれらに限定されない様々な様式のいずれかで規定され得る。たとえば、マルチビーム要素のサイズは、マルチビーム要素の長さであり得る。別の例において、サイズは、マルチビーム要素の面積を指し得る。いくつかの実施形態において、マルチビーム要素のサイズは、複数の指向性光ビームの指向性光ビームを変調するために使用されるライトバルブのサイズと同等である。そのようなものとして、マルチビーム要素サイズは、マルチビーム要素サイズがライトバルブサイズの約25%~約200%であるとき、ライトバルブサイズと同等であり得る。たとえば、マルチビーム要素サイズが「s」と示され、ライトバルブサイズが「S」と示される場合、マルチビーム要素サイズsは、以下の等式(2)により得ることができる:
【0024】
【数2】
【0025】
他の例において、マルチビーム要素サイズは、ライトバルブサイズの約50%よりも大きく、またはライトバルブサイズの約60%、またはライトバルブサイズの約70%、またはライトバルブサイズの約80%よりも大きく、またはライトバルブサイズの約90%よりも大きく、またマルチビーム要素は、ライトバルブサイズの約180%よりも小さく、またはライトバルブサイズの約160%よりも小さく、またはライトバルブサイズの約140%よりも小さく、またはライトバルブサイズの約120%よりも小さい。たとえば、マルチビーム要素は、サイズにおいてライトバルブサイズと同等であり得、マルチビーム要素サイズは、ライトバルブサイズの約75%~約150%である。別の例において、マルチビーム要素およびライトバルブは、サイズにおいて同等であり得、マルチビーム要素サイズは、ライトバルブサイズの約125%~約85%である。いくつかの実施形態によると、マルチビーム要素およびライトバルブの同等のサイズは、マルチビューディスプレイのビュー間の暗い区域を低減するか、またはいくつかの例においては、最小限にし、それと同時に、マルチビューディスプレイのビュー同士の重複を低減するか、またはいくつかの例においては、最小限にするように選択され得る。
【0026】
本明細書では、「視準因子」は、光が視準される程度として定義される。特に、本明細書の定義により、視準因子は、視準された光ビームの範囲内の光線の角度的な広がりを定義する。たとえば、視準因子σは、視準光のビーム内の光線の大部分が、特定の角度的な広がり(たとえば、視準される光ビームの中心または主角度方向に対して±σ度)の範囲内になるように指定することができる。いくつかの例によれば、視準された光ビームの光線は、角度に関してガウス分布を有することができ、角度的な広がりは、視準された光ビームのピーク強度の2分の1によって決まる角度とすることができる。
【0027】
本明細書では、「光源」は、光の供給源(たとえば、光を生成および放出するように構成された光エミッタ)として定義される。たとえば、光源は、起動または電源投入されたときに光を放出する発光ダイオード(LED)などの光エミッタを備えることができる。特に本明細書では、光源は、実質上任意の光源とすることができ、またはそれだけに限定されるものではないが、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、高分子発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、蛍光灯、白熱灯、および事実上あらゆる他の光源のうちの1つまたは複数を含む実質上任意の光エミッタを備えることができる。光源によってもたらされる光は、色を有することができ(すなわち、特定の波長の光を含むことができる)、または波長の範囲とすることができる(たとえば、白色光)。いくつかの実施形態では、光源は、複数の光エミッタを備えることができる。たとえば、光源は、1組または1群の光エミッタを含むことができ、光エミッタのうちの少なくとも1つが、その組または群の少なくとも1つの他の光エミッタによってもたらされた光の色または波長とは異なる色、または等価に、波長を有する光をもたらす。異なる色は、たとえば原色(たとえば、赤色、緑色、青色)を含むことができる。
【0028】
本明細書では、冠詞の「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つまたは複数」を有することを意図している。たとえば、「光抽出要素(a light extraction element)」は、1つまたは複数の光抽出要素を意味し、したがって、本明細書内では「光抽出要素(the light extraction element)」は、「光抽出要素(複数可)」を意味する。また、本明細書では、「頂部」、「底部」、「上部」、「下部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「第1」、「第2」、「左」、または「右」へのあらゆる参照は、本明細書の限定になることを意図したものではない。本明細書では、値に適用される「約」という用語は、概して、別途明示しない限り、その値をもたらすために使用される機器の公差範囲内であることを意味し、または±10%、または±5%、または±1%を意味することができる。さらに、本明細書では、用語「実質的に」および「約」は、大部分、またはほぼすべて、またはすべて、または約51%~約100%の範囲内の量を意味する。さらには、本明細書の例は、例示のみを意図したものであり、限定ではなく議論の目的で提示されている。
【0029】
本明細書に説明される原理のいくつかの実施形態において、バックライトシステムが提供される。図3Aは、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステム100の斜視図を例証する。図3Bは、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステム100の平面図を例証する。図3Cは、本明細書に説明される原理に一貫した別の実施形態による一例におけるバックライトシステム100の平面図を例証する。
【0030】
例証されるように、バックライトシステム100は、第1の導光体110を備える。第1の導光体110は、光を導波光112として第1の導光体110の長さに沿って導くように構成される。様々な実施形態によると、導波光112は、第1の導光体110内の内部全反射に従って導かれる。たとえば、第1の導光体110は、光導波路として構成される誘電材料を含み得る。光導波路の誘電材料は、誘電光導波路を囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有し得る。屈折率の差は、第1の導光体110の1つまたは複数のガイドモードに従って導波光112の内部全反射を促進するように構成される。
【0031】
様々な実施形態によると、第1の導光体110の光透過性誘電材料は、様々なタイプのガラス(たとえば、石英ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、1つまたは複数の実質的に光透過性プラスチックもしくはポリマー(たとえば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、様々な誘電材料のいずれかを含み得るか、またはこれで構成され得る。いくつかの実施形態において、第1の導光体110は、第1の導光体110の表面の少なくとも一部分(たとえば、上面、側面、および底面のうちの1つまたは複数)にクラッド層(例証されない)をさらに含み得る。クラッド層は、いくつかの例によると、内部全反射をさらに促進するために使用され得る。
【0032】
様々な実施形態において、第1の導光体110は、たとえば、図3A-3Cに例証されるように、バー形状の円柱光導波路であるか、またはこれを備える。特に、例証されるように、第1の導光体110は、x方向における幅Wおよびz方向における高さHの両方よりも大きいy方向における長さL(すなわち、L>WおよびL>H)を伴うバー形状を有する。上で述べたように、導波光112は、長さLに沿って導かれ、その長さに沿ったいずれかの方向に導かれ得る。たとえば、導波光112は、様々な実施形態によると、第1の導光体110内で第1の端から第2の端へ向けて、または第2の端から第1の端へ向けて、または第1および第2の端の各々から導かれ得る。
【0033】
図3A-3Cに例証されるように、バックライトシステム100は、第1の導光体110の長さに沿って互いから離間される複数の光抽出要素120をさらに備える。複数の光抽出要素の光抽出要素120は各々、第1の導光体110から導波光112のそれぞれの部分を抽出して、抽出された光部分122を形成するように構成される。図3A-3Cにおいて、抽出された光部分122は、矢印として描写され、この矢印は、抽出された光部分122の光または光ビームを単に表すものと理解されたい。たとえば、例証された矢印は、抽出された光部分122の光の単一ビームを表し得る。
【0034】
図3A-3Cに例証されるバックライトシステム100は、第2の導光体130をさらに備える。第2の導光体130は、抽出された光部分122を組み合わせて、組み合わされた導波光132を形成するように構成される。第2の導光体130は、組み合わされた導波光132を第2の導光体130の長さに沿って複数の光抽出要素120および第1の導光体110から離れる方へ導くようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、第2の導光体130は、以下にさらに説明されるように、組み合わされた導波光132、またはそれらの一部分を、放出光134として放出するようにさらに構成され得る。たとえば、第2の導光体130は、組み合わされた導波光132の放出される部分を使用してディスプレイを照明するためにバックライトとして使用され得る。
【0035】
様々な実施形態によると、第2の導光体130は、第1の導光体110と実質的に同様であり得る。すなわち、第2の導光体130は、光導波路として構成される光透過性誘電材料内での内部全反射に従って光を導くように構成される。第2の導光体130の光透過性誘電材料は、様々なタイプのガラス(たとえば、石英ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、1つまたは複数の実質的に光透過性プラスチックもしくはポリマー(たとえば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、様々な誘電材料のいずれかを含み得るか、またはこれで構成され得る。いくつかの実施形態において、第2の導光体130は、第1の導光体110の表面の少なくとも一部分(たとえば、上面、側面、および底面のうちの1つまたは複数)にクラッド層(例証されない)をさらに含み得る。クラッド層は、いくつかの例によると、内部全反射をさらに促進するために使用され得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、第2の導光体130は、平面または略平面(すなわち、導光板)であり、矩形領域の上に延びる。他の実施形態において、第2の導光体130は、六角形および三角形を含むがこれらに限定されない、矩形以外の形状を有し得る。これらの実施形態において、第1の導光体110は、第2の導光体130の縁の少なくとも部分に沿って、たとえば、図3A-3Cに例証されるような第2の導光体130の矩形領域または形状の縁に沿って延び得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、第2の導光体130は、第2の導光体130の領域にわたって分散される複数の散乱特徴部を備え得る。たとえば、散乱特徴部は、第2の導光体130の矩形領域の上に分散され得る。散乱特徴部は、組み合わされた導波光132の一部分を第2の導光体130から放出光として散乱させるように構成される。いくつかの実施形態において、複数の散乱特徴部の散乱特徴部は、マルチビーム要素を備える。マルチビーム要素は、第2の導光体130から、組み合わされた導波光132の一部分を、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして散乱させるように構成される。いくつかの実施形態において、散乱特徴部は、以下により詳細に説明されるように、マルチビーム要素のアレイを備える。
【0038】
様々な実施形態によると、複数の光抽出要素120の光抽出要素120は、対応する抽出された光部分122を第2の導光体130の方へ反射するように構成される側壁124を備える。いくつかの実施形態において、光抽出要素120の側壁124は、直線形状を有するか、または直線もしくは略直線の反射面を備える。たとえば、図3Aおよび図3Bに例証される光抽出要素120は、直線形状を伴う側壁124を有し、すなわち、直線側壁124を備える。他の実施形態において、光抽出要素の側壁124は、湾曲形状を有する。たとえば、側壁124の湾曲形状は、図3Cに例証されるように、円形または半円形であり得る。別の例において、湾曲形状は、放物曲線または双曲線を含み得る。さらに他の実施形態において、側壁124は、限定されるものではないが、区分的線形または区分的湾曲形状などの複雑な形状を有し得、すなわち、湾曲形状またはさらに別の複雑な形状に近似する複数の直線区域(区分的線形)または複数の湾曲区域(区分的湾曲)を備え得る。
【0039】
いくつかの実施形態によると、光抽出要素120の側壁124は、内部全反射に従って、抽出された光部分122を反射するように構成される。すなわち、光抽出要素120は、側壁124において内部全反射を使用して、抽出された光部分122を導くために導光体として作用する。他の実施形態において、光抽出要素120の側壁124は、抽出された光部分122を反射するように構成される反射材料を備える。さらに他の実施形態において、側壁124は、内部全反射および側壁124の反射材料、たとえば、反射性クラッド、の両方を使用して、抽出された光部分122を反射するように構成される。
【0040】
図4Aは、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステム100の一部分の上面図を例証する。例証されるように、バックライトシステム100の部分は、第1の導光体110、光抽出要素120、および第2の導光体130を含む。図4Aに例証される光抽出要素120は、直線または略直線である側壁124を有する。加えて、直線側壁124は、例証されるように、第1の導光体110の側面の面法線ならびに第2の導光体130の縁または端の面法線に対して角度付けまたは傾斜付けされる。すなわち、側壁124は、以下に説明されるように、光抽出要素120が、第1の導光体110に隣接する端において、より狭いか、またはより小さいアパーチャを有し、第1の導光体隣接端と反対の端、たとえば、第2の導光体130に隣接する端において、より広いか、またはより大きいアパーチャを有するように、y方向に角度付けされるか、または傾けられる。図4Aはまた、光抽出要素120に入り、側壁124によって反射されて、抽出された光部分122として光抽出要素120から出る導波光112を例証する。上で述べたように、図3A-3Bはまた、湾曲側壁124を有する光抽出要素120を例証する。
【0041】
図4Bは、本明細書に説明される原理に一貫した別の実施形態による一例におけるバックライトシステム100の一部分の上面図を例証する。図4Bに例証されるバックライトシステム100の部分は、第1の導光体110、第2の導光体130、および湾曲した側壁124を有する光抽出要素120を含む。様々な実施形態によると、湾曲側壁124は、たとえば、例証されるように、半円湾曲形状を有し得る。図4Aにあるように、図4Bに例証される光抽出要素120は、光抽出要素120の反対端における光抽出要素120のアパーチャよりも小さい第1の導光体110に隣接するアパーチャを有する。いくつかの実施形態において、第1の導光体110に隣接するアパーチャは、例証されるように、たとえば、光抽出要素120の端において側壁124の半円形状に接する、第1の導光体110と光抽出要素120との間の点接触であり得るか、またはそれを表し得る。光抽出要素120に入り、湾曲側壁124によって反射されて、抽出された光部分122として光抽出要素120から出る導波光112が、図4Bに例証される。図3Cもまた、上で述べたように、湾曲側壁124を有する光抽出要素120を例証する。
【0042】
図4Cは、本明細書に説明される原理に一貫したさらに別の実施形態による一例におけるバックライトシステム100の一部分の上面図を例証する。図4A-4Bにあるように、バックライトシステム100の部分は、第1の導光体110、光抽出要素120、および第2の導光体130を含む。図4Cにおいて、光抽出要素120は、区分的線形である側壁124を有する。すなわち、区分的線形側壁124は、例証されるように、湾曲表面または形状に近似するために結合する複数の直線セグメントを備える。ここでも、第1の導光体110に隣接する光抽出要素120のアパーチャは、図4Cに例証されるように、光抽出要素120の反対端における光抽出要素120のアパーチャよりも小さい。光抽出要素120に入り、側壁124によって反射されて、抽出された光部分122として光抽出要素120から出る導波光112もまた、図4Cに例証される。
【0043】
図4A-4Cの各々に関して上で述べたように、導波光112の一部分は、第1の導光体110から第1の伝搬角度で光抽出要素120に入り得る。次いで、側壁124は、導波光112の部分を反射して、反射後に異なる第2の伝搬角度で、抽出された光部分122を提供する。側壁124の角度または湾曲の結果として、第2の伝搬角度は、様々な実施形態によると(たとえば、例証されるように)、第1の導光体110の端または縁の面法線に対する第1の伝搬角度よりも小さくてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、光抽出要素120は、互いに直接隣接し得る。すなわち、隣接する光抽出要素120の間に空間は存在しないか、または実質的に存在しない。他の実施形態において、複数の光抽出要素120の隣接する光抽出要素120は、第1の導光体110の長さに沿ってエアギャップによって離間される。いくつかの実施形態によると、個々の光抽出要素120のサイズは、約5マイクロメートル(μm)~約500マイクロメートル(μm)である。他の実施形態において、個々の光抽出要素120のサイズは、約10マイクロメートル(μm)~約300マイクロメートル(μm)である。より小さい光抽出要素120、たとえば、約50μmまたは100μm未満のものは、第1の導光体110の長さに沿った光抽出要素120のより密な分散を促進し得る。より密な分散は、たとえば、組み合わされた導波光132に、より均一性を提供し得る。その一方で、より大きい光抽出要素120、たとえば、約200マイクロメートル(μm)より大きいものは、製造可能性を改善または促進し得る。
【0045】
様々な実施形態によると、光抽出要素120は、限定されるものではないが、光透過性誘電材料などの誘電材料を備える。いくつかの実施形態において、複数の光抽出要素120の光抽出要素120は、第2の導光体130と一体である一方、第1の導光体110とは別々である。これらの実施形態において、光抽出要素120は、第1の導光体110の縁に接触して、光抽出要素120と第1の導光体110との間の接触の領域において光抽出をもたらし得る。他の実施形態において、複数の光抽出要素120の光抽出要素120は、第1の導光体110と一体である。これらの実施形態において、光抽出要素120の入力におけるアパーチャは、第1の導光体110から光抽出をもたらすように提供される。さらに、光抽出要素120は、いくつかの実施形態において、第2の導光体130の縁に接触し得る。さらに他の実施形態において、複数の光抽出要素120は、第1および第2の導光体110、130の両方と別々である構造体である。これらの実施形態において、複数の光抽出要素120は、第1の導光体110と第2の導光体130との間に、挟まれるか、または別途位置付けられ得る。
【0046】
これらの実施形態のいくつかにおいて、組み合わされた導波光132は、複数の光抽出要素120によって決定される所定の視準因子を有し得る。特に、いくつかの実施形態において、複数の光抽出要素120は、抽出された光部分122を視準し、抽出された光部分122を、組み合わされた導波光132として導かれるように第2の導光体130に提供するように構成される。いくつかの実施形態において、光抽出要素120は、所定の視準因子σに従って、抽出された光部分122を視準する。
【0047】
いくつかの実施形態において(たとえば、図3A-3Cに例証されるように)、バックライトシステム100は、光源140をさらに備える。光源140は、光を、導波光112として導かれるように第1の導光体110に提供するように構成される。いくつかの実施形態において、光源140は、第1の導光体110の端に配設され、複数の光抽出要素120は、この端に直交する第1の導光体110の側面に配設される。これらの実施形態において、光源140は、第1の導光体110の端を通じて光を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、光源140は、第1の導光体110の各端に1つ、すなわち2つの部分を含み得る。これらの実施形態において、光源140は、第1の導光体110の両方の端に光を提供し得る。いくつかの実施形態において、光源140は、発光ダイオードを備え得る。
【0048】
本明細書に説明される原理の実施形態は、ディスプレイシステム、およびより具体的には、上に説明されるバックライトシステム100の様々な部分または要素を用い得るマルチビューディスプレイシステムをさらに提供する。図5は、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるマルチビューディスプレイシステム200のブロック図を例証する。例証されるように、マルチビューディスプレイシステム200は、バー導光体210を備える。バー導光体210は、光を導波光として導くように構成される。いくつかの実施形態において、バー導光体210は、バックライトシステム100に関して上に説明される第1の導光体110と実質的に同様であり得る。
【0049】
図5に例証されるマルチビューディスプレイシステム200は、複数の光抽出要素220をさらに備える。複数の光抽出要素220は、バー導光体210の側面に沿って、配設され、また互いから離間される。様々な実施形態によると、複数の光抽出要素220は、バー導光体210から導波光の部分を抽出して、抽出された光部分222を形成するように構成される。いくつかの実施形態において、複数の光抽出要素220は、上記のバックライトシステム100の複数の光抽出要素120と実質的に同様であり得る。
【0050】
特に、いくつかの実施形態において、複数の光抽出要素220の光抽出要素220は、光抽出要素220の出力において対応する抽出された光部分を導光板の方へ反射するように構成される側壁を備え得る。たとえば、導光板は、以下に説明されるマルチビューバックライトの導光板であり得る。様々な実施形態において、側壁は、たとえば、図4A-4C内で上に例証されるように、湾曲形状および直線形状のうちの一方を有し得る。様々な実施形態において、複数の光抽出要素220の光抽出要素220は、導光板と一体である、バー導光体210と一体である、ならびに導光板およびバー導光体210の両方とは別々の要素である、たとえば、導光板とバー導光体210との間に挟まれる、のうちの1つまたは複数であり得る。
【0051】
図5に例証されるように、マルチビューディスプレイシステム200は、マルチビューバックライト230をさらに備える。マルチビューバックライト230は、導光板232および複数のマルチビーム要素234を備える。いくつかの実施形態において、導光板232は、上に説明されるバックライトシステム100の第2の導光体130と実質的に同様であり得る。特に、導光板232は、抽出された光部分222を組み合わせて、組み合わされた導波光を形成するように構成される。次には、複数のマルチビーム要素234は、導光板から、組み合わされた導波光を、マルチビューディスプレイシステム200のビュー方向に対応する方向、または等価に、マルチビューディスプレイシステム200によって表示されるマルチビュー画像のビューに対応する方向を有する指向性光ビーム202として散乱させるように構成される。
【0052】
様々な実施形態によると、マルチビーム要素234は、導光板232から導波光の一部分を散乱させるように構成されるいくつかの異なる構造体のいずれかを備え得る。たとえば、異なる構造体は、限定されるものではないが、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、またはそれらの様々な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、回折格子を備えるマルチビーム要素234は、導波光部分を、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビーム202として回折的に散乱させるように構成される。他の実施形態において、マイクロ反射要素を備えるマルチビーム要素234は、導波光部分を複数の指向性光ビーム202として反射的に散乱させるように構成されるか、または、マイクロ屈折要素を備えるマルチビーム要素234は、導波光部分を、屈折によって、または屈折を使用して、複数の指向性光ビーム202として散乱させる(すなわち、導波光部分を屈折的に散乱させる)ように構成される。いくつかの実施形態において、マルチビーム要素234は、マルチビューディスプレイシステム200のライトバルブのサイズの25%~200%であるサイズを有する。
【0053】
いくつかの実施形態によると(たとえば、図5に例証されるように)、マルチビューディスプレイシステム200は、光源240をさらに備える。光源240は、バー導光体210によって導かれるべき光を提供するように構成される。光源240は、上記のバックライトシステム100の光源140と実質的に同様であり得る。特に、光源240は、バー導光体210の端に配設され得る。さらに、光源240は、いくつかの実施形態において、発光ダイオードを備え得る。
【0054】
図5のマルチビューディスプレイシステム200は、ライトバルブ250のアレイを備える。ライトバルブ250のアレイは、様々な実施形態によると、マルチビュー画像を提供するために指向性光ビーム202を変調するように構成される。破線矢印は、変調された指向性光ビーム202を例証するために図5内で使用される。
【0055】
様々な実施形態において、異なるタイプのライトバルブが、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングに基づいたライトバルブのうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、ライトバルブアレイのライトバルブ250として用いられ得る。様々な実施形態において、マルチビーム要素234のサイズは、ライトバルブ250のサイズのサイズと同等であり得る。特に、マルチビーム要素サイズは、ライトバルブサイズの約25%~約200%または約50%~150%であり得る。
【0056】
本明細書に説明される原理のさらに他の実施形態によると、バックライトシステム動作の方法が提供される。図6は、本明細書に説明される原理に一貫した一実施形態による一例におけるバックライトシステム動作の方法300を例証する。例証されるように、バックライト動作の方法300は、光を導波光として第1の導光体の長さに沿って導くこと310を含む。いくつかの実施形態において、第1の導光体は、バックライトシステム100に関して上に説明される第1の導光体110と実質的に同様であり得る。特に、第1の導光体は、バー形状の導光体であり得る。
【0057】
図6の方法300は、抽出された光部分を形成するために、第1の導光体の長さに沿って離間される光抽出要素を使用して、第1の導光体から導波光の部分を抽出すること320をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、導波光の部分を抽出すること320に使用される光抽出要素は、上記のバックライトシステム100の光抽出要素120と実質的に同様であり得る。特に、導波光の部分を抽出すること320は、いくつかの実施形態において、内部全反射および側壁の反射材料の一方または両方を使用して、光抽出要素の側壁において、抽出された光部分を反射することを含み得る。
【0058】
様々な実施形態によると、方法300は、抽出された光部分を第2の導光体に提供し、第2の導光体内の抽出された光部分を組み合わせて、組み合わされた導波光を形成すること330をさらに含む。いくつかの実施形態によると、第2の導光体は、上に説明されるバックライトシステムの第2の導光体130と実質的に同様であり得る。特に、組み合わされた導波光は、様々な実施形態によると、第2の導光体によって光抽出要素および第1の導光体から離れる方へ導かれる。さらに、いくつかの実施形態において、組み合わされた導波光は、光抽出要素によって視準因子に従って視準され得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、光抽出要素は、第2の導光体と一体、および第1の導光体と一体の一方または両方であり得る。第2の導光体と一体である光抽出要素は、第1の導光体の縁に接触して、光抽出要素と第1の導光体との間の接触の領域において光抽出をもたらし得る。第1の導光体と一体である光抽出要素は、光抽出要素のそれぞれの入力におけるアパーチャを通じて第1の導光体から光抽出をもたらし得る。
【0060】
故に、バックライトシステム、マルチビューディスプレイシステム、およびバックライトシステム動作の方法の例および実施形態が説明されており、ここでは光抽出要素は、第1の導光体から導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を形成するために用いられ、そしてこの抽出された光部分は、組み合わされた導波光を形成するために組み合わされるように、第2の導光体に提供される。前述の例は、本明細書に記載する原理を表す多くの特有の例のいくつかの単なる例示であることを理解されたい。当業者であれば、以下の特許請求の範囲に定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の配置を容易に考案することができることが明らかである。
【符号の説明】
【0061】
10 マルチビューディスプレイ
12 画面
14 ビュー
16 ビュー方向
20 光ビーム
100 バックライトシステム
110 第1の導光体
112 導波光
120 光抽出要素
122 抽出された光部分
124 側壁
130 第2の導光体
132 組み合わされた導波光
134 放出光
140 光源
200 マルチビューディスプレイシステム
202 指向性光ビーム
210 バー導光体
220 光抽出要素
222 抽出された光部分
230 マルチビューバックライト
232 導光板
234 マルチビーム要素
240 光源
250 ライトバルブ
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトシステムであって、
第1の導光体であって、光を導波光として前記第1の導光体の長さに沿って導くように構成される第1の導光体と、
前記第1の導光体の前記長さに沿って離間される複数の光抽出要素であって、前記複数の光抽出要素の各光抽出要素は、前記第1の導光体から前記導波光の一部分を抽出して、抽出した光部分を形成するように構成される、複数の光抽出要素と、
前記複数の光抽出要素から受ける前記抽出された光部分を組み合わせて、組み合わされた導波光を形成するように構成される第2の導光体であって、前記組み合わされた導波光を前記第2の導光体の長さに沿って前記複数の抽出要素および前記第1の導光体から離れる方へ導くようにさらに構成される、第2の導光体と
を備え
前記光抽出要素の側壁は半円形である、
バックライトシステム。
【請求項2】
前記光抽出要素の前記側壁は、前記導波光の前記抽出された光部分を前記第2の導光体の方へ反射するように構成される請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項3】
前記光抽出要素の前記側壁は、内部全反射に従って前記導波光の前記抽出された光部分を反射するように構成される、請求項2に記載のバックライトシステム。
【請求項4】
前記光抽出要素の前記側壁は、前記導波光の前記抽出された光部分を反射するように構成される反射材料を備える、請求項2に記載のバックライトシステム。
【請求項5】
前記複数の抽出要素の隣接する光抽出要素は、前記第1の導光体の前記長さに沿ってエアギャップによって離間される、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項6】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記第2の導光体と一体であり、前記第1の導光体の縁に接触して、前記光抽出要素と前記第1の導光体との接触点において光抽出をもたらす、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項7】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記第1の導光体と一体であり、前記光抽出要素の入力におけるアパーチャが前記第1の導光体からの光抽出をもたらす、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項8】
前記導波光として導かれるように前記第1の導光体に光を提供するように構成される発光ダイオードをさらに備え、前記発光ダイオードは、前記第1の導光体の端に配設され、また前記第1の導光体の端を通じて光を提供するように配置され、前記複数の光抽出要素は、前記端と直交する前記第1の導光体の側面に配設される、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項9】
前記第2の導光体は、平面であり、矩形領域の上に延び、前記第1の導光体は、前記第2の導光体の前記矩形領域の縁の範囲に沿ってびる、請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項10】
前記第2の導光体は、前記矩形領域の上に分散され、また前記組み合わされた導波光の一部分を放出光として前記第2の導光体から散乱させるように構成される、複数の散乱特徴部を含む、請求項に記載のバックライトシステム。
【請求項11】
前記複数の散乱特徴部の散乱特徴部は、マルチビーム要素を備え、前記マルチビーム要素は、前記第2の導光体から、前記組み合わされた導波光の一部分を、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして散乱させるように構成され、前記組み合わされた導波光は、前記複数の光抽出要素によって決定される所定の視準因子を有する、請求項10に記載のバックライトシステム。
【請求項12】
マルチビューディスプレイシステムであって、
光を導波光として導くように構成されるバー導光体と、
導光板および複数のマルチビーム要素を備えるマルチビューバックライトと、
前記バー導光体の側面に沿って互いから離間され、前記バー導光体から前記導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を構成するように、および前記抽出された光部分を組み合わされた導波光として前記マルチビューバックライトに提供するように構成される複数の光抽出要素と、を備え、
前記複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素は、前記組み合わされた導波光を前記導光板から、ルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームとして散乱させるように構成され
前記光抽出要素の側壁は半円形である、
マルチビューディスプレイシステム。
【請求項13】
前記光抽出要素の前記側壁は、前記導波光の前記抽出された光部分を前記マルチビューバックライトの前記導光板の方へ反射するように構成される請求項12に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項14】
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導光板と一体および前記バー導光体と一体、の一方または両方である、請求項12に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項15】
前記バー導光体の端に光源をさらに備え、前記光源は、前記バー導光体によって前記導波光として導かれるべき光を提供するように構成される、請求項12に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項16】
前記指向性光ビームを変調してマルチビュー画像を提供するように構成されるライトバルブのアレイをさらに備える、請求項12に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項17】
バックライトシステム動作の方法であって、
光を導波光として第1の導光体の長さに沿って導くステップと、
前記第1の導光体長さに沿って離間される光抽出要素を使用して、前記第1の導光体から前記導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を形成するステップと、
前記抽出された光部分を第2の導光体に提供し、前記第2の導光体内の前記抽出された光部分を組み合わされた導波光として組み合わせるステップと、を含み、
前記組み合わされた導波光は、前記第2の導光体によって前記光抽出要素および前記第1の導光体から離れる方へ導かれ
前記光抽出要素の側壁は半円形である、
バックライトシステム動作の方法。
【請求項18】
前記導波光の部分を抽出することは、内部全反射および前記側壁の反射材料の一方又は両方使用して、前記光抽出要素の前記側壁において、前記抽出された光部分を反射することを含む、請求項17に記載のバックライトシステム動作の方法。
【請求項19】
光抽出要素は、前記第2の導光体と一体および前記第1の導光体と一体の一方または両方であり、前記第2の導光体と一体である前記光抽出要素は、前記第1の導光体の縁に接触して、前記光抽出要素と前記第1の導光体との接触点において光抽出をもたらす一方、前記第1の導光体と一体である前記光抽出要素は、前記光抽出要素の入力におけるアパーチャを通じて前記第1の導光体からの光抽出をもたらす、請求項17に記載のバックライトシステム動作の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
故に、バックライトシステム、マルチビューディスプレイシステム、およびバックライトシステム動作の方法の例および実施形態が説明されており、ここでは光抽出要素は、第1の導光体から導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を形成するために用いられ、そしてこの抽出された光部分は、組み合わされた導波光を形成するために組み合わされるように、第2の導光体に提供される。前述の例は、本明細書に記載する原理を表す多くの特有の例のいくつかの単なる例示であることを理解されたい。当業者であれば、以下の特許請求の範囲に定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の配置を容易に考案することができることが明らかである。
なお、本明細書には以下の態様が開示されていることを付記する。
[態様1]
バックライトシステムであって、
第1の導光体であって、光を導波光として前記第1の導光体の長さに沿って導くように構成される第1の導光体と、
前記第1の導光体の前記長さに沿って離間される複数の光抽出要素であって、前記複数の光抽出の各光抽出要素は、前記第1の導光体から前記導波光の一部分を抽出して、抽出した光部分を形成するように構成される、複数の光抽出要素と、
前記複数の光抽出要素から受ける前記抽出された光部分を組み合わせて、組み合わされた導波光を形成するように構成される第2の導光体であって、前記組み合わされた導波光を前記第2の導光体の長さに沿って前記複数の抽出要素および前記第1の導光体から離れる方へ導くようにさらに構成される、第2の導光体と
を備える、バックライトシステム。
[態様2]
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導波光の前記抽出された光部分を前記第2の導光体の方へ反射するように構成される側壁を備える、態様1に記載のバックライトシステム。
[態様3]
前記光抽出要素の前記側壁は、湾曲形状を有する、態様2に記載のバックライトシステム。
[態様4]
前記光抽出要素の前記側壁は、内部全反射に従って前記導波光の前記抽出された光部分を反射するように構成される、態様2に記載のバックライトシステム。
[態様5]
前記光抽出要素の前記側壁は、前記導波光の前記抽出された光部分を反射するように構成される反射材料を備える、態様2に記載のバックライトシステム。
[態様6]
前記複数の抽出要素の隣接する光抽出要素は、前記第1の導光体の前記長さに沿ってエアギャップによって離間される、態様1に記載のバックライトシステム。
[態様7]
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記第2の導光体と一体であり、前記第1の導光体の縁に接触して、前記光抽出要素と前記第1の導光体との接触点において光抽出をもたらす、態様1に記載のバックライトシステム。
[態様8]
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記第1の導光体と一体であり、前記光抽出要素の入力におけるアパーチャが前記第1の導光体からの光抽出をもたらす、態様1に記載のバックライトシステム。
[態様9]
前記導波光として導かれるように前記第1の導光体に光を提供するように構成される発光ダイオードをさらに備え、前記発光ダイオードは、前記第1の導光体の端に配設され、また前記第1の導光体の端を通じて光を提供するように配置され、前記複数の光抽出要素は、前記端と直交する前記第1の導光体の側面に配設される、態様1に記載のバックライトシステム。
[態様10]
前記第2の導光体は、平面であり、矩形領域の上に延び、前記第1の導光体は、前記第2の導光体の前記矩形領域の縁に沿って、およびその範囲に、延びる、態様1に記載のバックライトシステム。
[態様11]
前記第2の導光体は、前記矩形領域の上に分散され、また前記組み合わされた導波光の一部分を放出光として前記第2の導光体から散乱させるように構成される、複数の散乱特徴部を含む、態様10に記載のバックライトシステム。
[態様12]
前記複数の散乱特徴部の散乱特徴部は、マルチビーム要素を備え、前記マルチビーム要素は、前記第2の導光体から、前記組み合わされた導波光の一部分を、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして散乱させるように構成され、前記組み合わされた導波光は、前記複数の光抽出要素によって決定される所定の視準因子を有する、態様11に記載のバックライトシステム。
[態様13]
マルチビューディスプレイシステムであって、
光を導波光として導くように構成されるバー導光体と、
導光板および複数のマルチビーム要素を備えるマルチビューバックライトと、
前記バー導光体の側面に沿って互いから離間され、前記バー導光体から前記導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を構成するように、および前記抽出された光部分を組み合わされた導波光として前記マルチビューバックライトに提供するように構成される複数の光抽出要素と、を備え、
前記複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素は、前記組み合わされた導波光を前記導光板から、前記マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームとして散乱させるように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
[態様14]
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導波光の前記抽出された光部分を前記マルチビューバックライトの前記導光板の方へ反射するように構成される側壁を備え、前記側壁は、湾曲形状および傾斜直線形状のうちの一方を有する、態様13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[態様15]
前記複数の光抽出要素の光抽出要素は、前記導光板と一体および前記バー導光体と一体、の一方または両方である、態様13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[態様16]
前記バー導光体の端に光源をさらに備え、前記光源は、前記バー導光体によって前記導波光として導かれるべき光を提供するように構成される、態様13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[態様17]
前記指向性光ビームを変調してマルチビュー画像を提供するように構成されるライトバルブのアレイをさらに備える、態様13に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[態様18]
バックライトシステム動作の方法であって、
光を導波光として第1の導光体の長さに沿って導くステップと、
前記第1の導光体長さに沿って離間される光抽出要素を使用して、前記第1の導光体から前記導波光の部分を抽出して、抽出された光部分を形成するステップと、
前記抽出された光部分を第2の導光体に提供し、前記第2の導光体内の前記抽出された光部分を組み合わされた導波光として組み合わせるステップと、を含み、
前記組み合わされた導波光は、前記第2の導光体によって前記光抽出要素および前記第1の導光体から離れる方へ導かれる、バックライトシステム動作の方法。
[態様19]
前記導波光の部分を抽出することは、内部全反射および前記側壁の反射材料の両方の一方を使用して、前記光抽出要素の側壁において、前記抽出された光部分を反射することを含む、態様18に記載のバックライトシステム動作の方法。
[態様20]
光抽出要素は、前記第2の導光体と一体および前記第1の導光体と一体の一方または両方であり、前記第2の導光体と一体である前記光抽出要素は、前記第1の導光体の縁に接触して、前記光抽出要素と前記第1の導光体との接触点において光抽出をもたらす一方、前記第1の導光体と一体である前記光抽出要素は、前記光抽出要素の入力におけるアパーチャを通じて前記第1の導光体からの光抽出をもたらす、態様18に記載のバックライトシステム動作の方法。
【国際調査報告】