(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】チャイルドシート自動取付システム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20241219BHJP
B60N 2/28 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534036
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 US2022052006
(87)【国際公開番号】W WO2023107489
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スクワイヤーズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ベルワディ,アディティア
(72)【発明者】
【氏名】リアウ,フォレスト
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
3B087DE10
(57)【要約】
チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両シートに自動的に係合及び固定するための取付システムが提供される。システムは、1つ以上のアンカーを後退位置と伸展位置との間で移動させて、チャイルドシート上のフック又は他の取付具に係合させるように構成されたアクチュエータを含む。物理スイッチは、アクチュエータを作動させてアンカーを動かすことができる。制御部は、センサからのトリガ信号又は張力情報に少なくとも部分的に基づいてアクチュエータを制御するように構成することができる。処理構成要素は、有線又は無線通信を可能にして、チャイルドシートの様々な状態を監視する、又はシステムの動作パラメータを決定するように構成することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両に取り付けるためのシステムであって、前記着脱可能物が第1フック及び第2フックを備え、前記システムが、
前記第1フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第1ロアアンカーと、
前記第2フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第2ロアアンカーと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記車両のシート及び背もたれを更に備え、前記第1ロアアンカー及び前記第2ロアアンカーが、前記伸展位置及び前記後退位置にあるときに、前記シート及び背もたれの間に少なくとも部分的に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ユーザによって作動されるように構成されたスイッチを更に備え、前記スイッチの作動によって、前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方を前記伸展位置と前記後退位置との間で移動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
制御部を更に備え、前記制御部が、前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方を前記伸展位置と前記後退位置との間で移動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
テザーアンカーを更に備え、前記テザーアンカーが、前記着脱可能物から延びるストラップを固定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方を前記伸展位置と前記後退位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクチュエータがギヤ駆動アクチュエータである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクチュエータがリニアアクチュエータである、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記アクチュエータが電気機械式ソレノイドである、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記車両のシート及び背もたれを更に備え、前記アクチュエータの少なくとも一部が前記シートの下に配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1ロアアンカー及び前記第2ロアアンカーの各々が、軸線を中心に湾曲した形状を有するワイヤを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記軸線が、前記後退位置と前記伸展位置との間を移動するときの前記第1及び第2ロアアンカーの移動方向に対して垂直である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御部が、前記第1又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を、前記それぞれの第1又は第2フックと係合させるために前記後退位置から前記伸展位置に移動させ、次いで、係合されると、前記第1又は第2ロアアンカーの前記少なくとも一方を、前記係合された第1又は第2フックと共に前記後退位置に向かって移動させ始めることによって、前記着脱可能物を前記車両に固定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御部が、トリガ信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方を移動させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記トリガ信号がスマートフォンによって提供される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記トリガ信号が前記車両によって提供される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記トリガ信号が、前記着脱可能物によって提供される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記着脱可能物に接続するように構成された処理構成要素を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記処理構成要素が、電力及び/又はデータ接続を介して情報を受信及び送信することができる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理構成要素が、有線又は無線である、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記処理構成要素が、前記着脱可能物の温度及び/又は湿気を監視するために使用される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記処理構成要素が、動作パラメータを決定するために使用される、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
それぞれの前記第1フック又は第2フックに少なくとも係合したときに、前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの張力を検知するように構成されたセンサを更に備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項24】
前記制御部が、前記検知された張力に少なくとも部分的に基づいて、前記第1ロアアンカー及び/又は前記第2ロアアンカーが前記着脱可能物の前記第1及び第2フックにそれぞれ緊密に取り付けられているかを判定するように更に構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記制御部が、前記検知された張力に基づいて、前記第1ロアアンカー及び/又は前記第2ロアアンカーを更に後退させるように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記制御部が、前記張力を示す状態信号を生成するように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記状態信号が前記車両に提供される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記状態信号が、前記車両のユーザに提供される、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記状態信号が、前記車両の所有者に提供される、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記制御部が、前記第1ロアアンカー及び/又は前記第2ロアアンカーが前記着脱可能物の前記第1及び第2フックにそれぞれ緊密に取り付けられているかを定期的に判定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項31】
前記制御部が、前記第1ロアアンカー及び/又は前記第2ロアアンカーが前記着脱可能物の前記第1及び第2フックにそれぞれ緊密に取り付けられているかを連続的に判定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項32】
チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両シートに固定するための方法であって、
前記車両シートから1つ以上のアンカーを伸展させて前記着脱可能物と係合させるステップと、
前記1つ以上のアンカーを後退させて前記1つ以上のアンカーと前記着脱可能物との間に張力を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項33】
チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両シートに固定するための方法であって、
トリガ信号を受信するステップと、
前記トリガ信号に基づいてアンカーを後退位置から伸展位置に移動させるステップと、
前記アンカーを前記着脱可能物と係合させるステップと、
前記アンカーを前記後退位置に向かって移動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項34】
前記アンカーが前記着脱可能物と係合したときに前記アンカーの張力を測定するステップを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記張力を示す状態信号を生成するステップを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記張力の値が所定値未満である場合、前記アンカーを前記伸展位置に向かって移動させるステップを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両内に取り付けるための自動化システムであって、前記着脱可能物が第1フック及び第2フックを備え、前記車両がシート及び背もたれを備え、前記システムが、
前記第1フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第1ロアアンカーと、
前記第2フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第2ロアアンカーと、
前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方を前記後退位置と前記伸展位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータと、
を含み、
前記第1ロアアンカー及び前記第2ロアアンカーは、前記伸展位置及び前記後退位置にあるときに、前記シートと背もたれとの間に少なくとも部分的に配置される、システム。
【請求項38】
ユーザによって作動されるように構成されたスイッチを更に備え、前記スイッチの作動によって、前記アクチュエータが、前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方を前記伸展位置と前記後退位置との間で移動させる、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの少なくとも一方の、前記伸展位置と前記後退位置との間の移動を制御するように構成された制御部を更に備える、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記着脱可能物から延びるストラップを固定するように構成されたテザーアンカーを更に備える、請求項37に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年12月8日に出願された米国仮出願第63/265,115号の利益を主張し、その全開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、車両シートのための安全システムに関する。より詳細には、安全システムは、安全かつ堅固な設置を簡略化し、保証するために、車両内のチャイルドシート又は他の着脱可能物のための取付具を作動及び監視する。
【背景技術】
【0002】
一般的に説明すると、様々な前向き及び後向きのチャイルドシートを車両に設置することができる。より具体的には、車両シート上のラッチ及びテザーは、チャイルドシートを定位置に固定するように構成することができる。世界中の多くの国では、車両内のチャイルドカーシートの全体的な安全性を向上させるために、チャイルドシートを車両シートにどのように固定するか、及び衝撃が発生した場合にカーシートの動きをどのように制御するかが標準化されている。米国では、チャイルドシートの車両シートへの相互接続は、Lower Anchors and Tethers for Children(LATCH)と呼ばれるシステムを採用している。LATCHは、2つのロアアンカー取付具及び上部テザーを採用している。欧州では、チャイルドシートを車両シートに相互接続するための同様のシステムは、ISOFIXと呼ばれている。
【0003】
現在の相互接続システムは紙上では良好に設計されているが、システムによって提供される安全性の水準は、チャイルドシートが車両に適切に設置されているか、及び適切な設置が経時的に維持されるかに大きく依存する。チャイルドシートの設置は物理的に困難であることが多く、ユーザにとって紛らわしいものであり得る。研究は、車両内におけるチャイルドシートの誤設置率が高いことを示している。衝撃の場合に子供に提供される安全性の水準を向上させるために、チャイルドシートと車両との間の相互接続を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、概して、子供の拘束及び安全装置に関する。より具体的には、本開示は、チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両シートに固定し、固定を維持するためのシステムに関する。
【0005】
一つの態様は、チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両内に取り付けるためのシステムに関する。着脱可能物は、第1フック及び第2フックを含む。システムは、第1フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第1ロアアンカーと、第2フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第2ロアアンカーとを含む。
【0006】
上記態様の変形例は、車両のシート及び背もたれを更に含み、第1ロアアンカー及び第2ロアアンカーは、伸展位置及び後退位置にあるときに、シート及び背もたれの間に少なくとも部分的に配置される。
【0007】
上記態様の変形例は、ユーザによって作動されるように構成されたスイッチを更に含み、スイッチの作動によって、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を伸展位置と後退位置との間で移動させる。
【0008】
上記態様の変形例は、制御部を更に含み、制御部は、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を伸展位置と後退位置との間で移動させるように構成される。
【0009】
上記態様の変形例は、テザーアンカーを更に含み、テザーアンカーは、着脱可能物から延びるストラップを固定するように構成される。
【0010】
上記態様の変形例は、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を伸展位置と後退位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータを更に含む。
【0011】
上記の態様の変形例において、アクチュエータはギヤ駆動アクチュエータである。
【0012】
上記態様の変形例において、アクチュエータはリニアアクチュエータである。
【0013】
上記態様の変形例において、アクチュエータは電気機械式ソレノイドである。
【0014】
上記態様の変形例は、車両のシート及び背もたれを更に含み、アクチュエータの少なくとも一部がシートの下に配置される。
【0015】
上記態様の変形例において、第1ロアアンカー及び第2ロアアンカーの各々は、軸線を中心に湾曲した形状を有するワイヤを含む。
【0016】
上記態様の変形例において、軸線は、後退位置と伸展位置との間を移動するときの第1及び第2ロアアンカーの移動方向に対して垂直である。
【0017】
上記態様の変形例において、制御部は、第1又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を、それぞれの第1又は第2フックと係合させるために後退位置から伸展位置に移動させ、次いで、係合されると、第1又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を、係合された第1又は第2フックと共に後退位置に向かって移動させ始めることによって、着脱可能物を車両に固定するように構成される。
【0018】
上記態様の変形例において、制御部は、トリガ信号に少なくとも部分的に基づいて、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を移動させる。
【0019】
上記態様の変形例において、トリガ信号はスマートフォンによって提供される。
【0020】
上記態様の変形例において、トリガ信号は車両によって提供される。
【0021】
上記態様の変形例において、トリガ信号は着脱可能物によって提供される。
【0022】
上記態様の変形例は、着脱可能物に接続するように構成された処理構成要素を更に含む。
【0023】
上記態様の変形例において、処理構成要素は、電力及び/又はデータ接続を介して情報を受信及び送信することができる。
【0024】
上記態様の変形例において、処理構成要素は有線又は無線である。
【0025】
上記態様の変形例において、処理構成要素は、着脱可能物の温度及び/又は湿気を監視するために使用される。
【0026】
上記態様の変形例において、処理構成要素は、動作パラメータを決定するために使用される。
【0027】
上記態様の変形例は、それぞれの第1フック又は第2フックに少なくとも係合したときに、前記第1ロアアンカー又は前記第2ロアアンカーの張力を検知するように構成されたセンサを更に含む。
【0028】
上記態様の変形例において、制御部は、検知された張力に少なくとも部分的に基づいて、第1ロアアンカー及び/又は第2ロアアンカーが、着脱可能物の第1及び第2フックにそれぞれ緊密に取り付けられているかを判定するように更に構成される。
【0029】
上記態様の変形例において、制御部は、検知された張力に基づいて、第1ロアアンカー及び/又は第2ロアアンカーを更に後退させるように構成される。
【0030】
上記態様の変形例において、制御部は、張力を示す状態信号を生成するように構成される。
【0031】
上記態様の変形例において、状態信号は車両に提供される。
【0032】
上記態様の変形例において、状態信号は車両のユーザに提供される。
【0033】
上記の態様の変形例において、状態信号は車両の所有者に提供される。
【0034】
上記の態様の変形例において、制御部は、第1ロアアンカー及び/又は第2ロアアンカーチャイルドが、着脱可能物の第1及び第2フックにそれぞれ緊密に取り付けられているかを定期的に判定するように構成される。
【0035】
上記の態様の変形例において、制御部は、第1ロアアンカー及び/又は第2ロアアンカーが、着脱可能物の第1及び第2フックにそれぞれ緊密に取り付けられているかを連続的に判定するように構成される。
【0036】
一つの態様は、チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両シートに固定するための方法に関する。方法は、車両シートから1つ以上のアンカーを伸展させて着脱可能物と係合させることと、1つ以上のアンカーを後退させて1つ以上のアンカーと着脱可能物との間に張力を生成することと、を含む。
【0037】
一つの態様は、チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両シートに固定するための方法に関する。方法は、トリガ信号を受信することと、トリガ信号に基づいてアンカーを後退位置から伸展位置に移動させることと、アンカーを着脱可能物と係合させることと、アンカーを後退位置に向かって移動させることと、を含む。
【0038】
上記態様の変形例は、アンカーが着脱可能物と係合したときにアンカーの張力を測定することを更に含む。
【0039】
上記態様の変形例は、張力を示す状態信号を生成することを更に含む。
【0040】
上記態様の変形例は、張力の値が所定値未満である場合、アンカーを伸展位置に向かって移動させることを更に含む。
【0041】
一つの態様は、チャイルドシート又は他の着脱可能物を車両内に取り付けるための自動化システムに関する。着脱可能物は、第1フック及び第2フックを含む。車両は、シート及び背もたれを含む。システムは、第1フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第1ロアアンカーと、第2フックに接続するように構成及び配置され、後退位置と伸展位置との間で移動可能な第2ロアアンカーと、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を後退位置と伸展位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータと、を含む。第1ロアアンカー及び第2ロアアンカーは、伸展位置及び後退位置にあるときに、シートと背もたれとの間に少なくとも部分的に配置される。
【0042】
上記態様の変形例は、ユーザによって作動されるように構成されたスイッチを更に含み、スイッチの作動によって、アクチュエータが、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方を伸展位置と後退位置との間で移動させる。
【0043】
上記態様の変形例は、第1ロアアンカー又は第2ロアアンカーの少なくとも一方の、伸展位置と後退位置との間の移動を制御するように構成された制御部を更に含む。
【0044】
上記態様の変形例は、着脱可能物から延びるストラップを固定するように構成されたテザーアンカーを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本開示は、同様の参照符号が同様の要素を参照する添付の図面を参照して説明される。
【0046】
【
図1】本開示の一実施形態によるチャイルドシートを車両シートに固定するためのシステムのブロック図である。
【0047】
【
図2A】
図1のシステムによって車両シートに取り付けられた後向きチャイルドシートの例示的な図である。
【0048】
【
図2B】後退位置及び伸展位置にあるシステムの1つ以上のアンカーを示すためにチャイルドシートが取り外された
図1のシステムの斜視図である。
【0049】
【0050】
【
図3B】
図3Aの車両シートの下に配置されたアクチュエータの断面図である。
【0051】
【
図4】アンカーが後退位置にある、
図1のアンカー及びアクチュエータを含むアセンブリの側面図である。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【
図9】後退位置にあるアンカーを示す、
図8の線B-Bに沿った断面図である。
【0057】
【
図10】アンカーが伸展位置に移動されていることを除き、
図9と同様の図である。
【0058】
【
図11】後退位置にあるアンカーを示す、
図8の線A-Aに沿った断面図である。
【0059】
【
図12】1つ以上のアンカーを伸展位置に移動させてチャイルドシートのフックに係合させ、次いで1つ以上のアンカーを後退位置に移動させてチャイルドシートを車両シートに堅固に固定するための、
図1の制御部によって実行される例示的なプロセスのフローチャートである。
【0060】
【
図13A】伸展位置にあるアンカーを示す、本開示の別の実施形態によるチャイルドシート取付システムの斜視図である。
【0061】
【
図13B】チャイルドシート取付システムがチャイルドシートを適切に固定したことを示す緑色に点灯したLEDライトを示す、
図13Aのシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
一般的に説明すると、本開示の1つ以上の態様は、車両用の安全システムに関する。特定の実施形態では、本開示は、様々な着脱可能物(例えば、荷物、食料品、電子機器など)に接続するように構成及び配置することができ、着脱可能物又は乗客が便利かつ確実に車両に取り付けられることを可能にする取付システムに関する。
【0063】
本開示の実施形態は、一般にチャイルドシート又はチャイルド安全システムと呼ばれる、子供用に設計された装置を固定することができる。実例として、そのようなチャイルドシート又はチャイルド安全システムは、後向きカーシート(例えば、チャイルドシート、コンバーチブルシート及び一体型シート)及び前向きカーシート(例えば、コンバーチブルシート、コンビネーションシート及び一体型シート)を含む様々な装置/システムを含むことができる。多くの管轄区域/地域には、年齢、身長、体重又は個々の乗客の組み合わせに基づいて車両に安全システムを組み込まなければならない法律、規制又は管理手順がある。例えば、ほとんどの管轄区域は、通常、車両の乗客である8歳未満若しくは8歳前後の幼児又は子供のための認証された安全シート/システムを要求する法律を有する。
【0064】
従来の手法は、車両シート上の所定の位置に固定された規制基準に適合するアンカーを含む。そのような固定されたアンカーへのチャイルドシートの設置は、多くの場合、安全でないか、又は正しくない可能性がある。他の手法は、チャイルドシートを受け入れるために車両シートに取り付けられなければならない安全システムを含む。そのような安全システムは、ラッチ機構を更に不明瞭化し、しばしば、システムを車両シート上に半永久的に設置し、シート位置を特定のチャイルドシートの使用専用にする必要がある。
【0065】
チャイルドシート取付システムの利点には、使いやすさが含まれ得る。例えば、システムは、それ自体を見ることのできる取付具(self-presenting attachments)(例えば、アンカー)を含み、正しい装着感及び安全性を確認することができる。特定の実施形態では、チャイルドシート取付システムは、チャイルドシート基部の必要性を排除する。このようにして、システムは、代わりに車両シートに組み込まれるはずのチャイルドシート基部の重量及び費用を軽減することができる。特定の実施形態では、システムは、電気機械的な検証、チャイルドシート対車両の検証、子供対チャイルドシートの検証、及び/又は子供の状態を含む、正しい使用を確認することができる。特定の実施形態では、システムは子供(例えば、心拍数、水分及び/又は顔の画像)を監視することができる。
【0066】
チャイルドシート取付システムは、後退位置と伸展位置との間で移動することができる1つ以上のアンカーを含むことができ、チャイルドシートを便利かつ確実に取り付けることができる。特定の実施形態では、アクチュエータは、1つ以上のアンカーを後退位置と伸展位置との間で移動させるように構成される。
【0067】
特定の実施形態では、チャイルドシートは、車両の後部座席(例えば、シート及び背もたれ)に取り付けられる。特定の実施形態では、1つ以上のロアアンカーを、後部座席のシートと背もたれとの間の隙間又は溝に配置することができる。特定の他の実施形態では、1つ以上のロアアンカーは、少なくとも伸展位置にあるときにユーザがアクセスできるように後部座席のシートに配置することができる。
【0068】
特定の実施形態では、1つ以上のアンカーは、テザーアンカーとして構成される。特定の実施形態では、テザーアンカーは、チャイルドシートから延びる上部テザーを固定するように構成される。
【0069】
特定の実施形態では、システムはスイッチを含むことができる。特定の実施形態では、スイッチは、ユーザによって、又は他の手段によって作動させて、1つ以上のアンカーを伸展位置と後退位置との間で移動させることができる。
【0070】
特定の実施形態では、チャイルドシート取付システムは、1つ以上のアンカーを後退位置と伸展位置との間で移動させて、チャイルドシート上の取付部(例えば、フック)への1つ以上のアンカーの係合を容易にするように構成された制御部を含むことができる。特定の実施形態では、チャイルドシートのフック又は別の種類の取付部に係合させた後、制御部は、チャイルドシートを車両に堅固に固定するように、係合されたチャイルドシートのフック又は別の種類の取付部と共に1つ以上のアンカーを後退位置に向かって更に移動させることができる。特定の実施形態では、制御部は、トリガ信号に少なくとも部分的に基づいてアンカーを移動させる。そのようなトリガ信号は、トリガ源、例えば、スマートフォン、車両又はチャイルドシート自体によって提供され得る。
【0071】
特定の実施形態では、チャイルドシート取付システムは、チャイルドシートに接続するように構成された電源及び/又はデータ接続を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、様々なセンサ、カメラ、一体型構成要素などから生成された情報を、電力及び/又はデータ接続を介して処理構成要素に提供することができる。実例として、チャイルド安全システム又は車両などのそのような処理構成要素は、チャイルドシートの様々な状態(例えば、温度、湿気など)を基に処理することができる。
特定の実施形態では、処理構成要素は更に、処理された情報を、有線又は無線を介して車両、ユーザ又は車両の所有者に送信及び提供することができる。
【0072】
特定の実施形態では、システムは、1つ以上のアンカーがチャイルドシートのフック又は別の種類の取付部に係合したときに、1つ以上のアンカーに加えられた張力を検知するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。特定の実施形態では、制御部は、センサから張力情報を受信し、1つ以上のアンカーが、チャイルドシートをシートに対して堅固に維持するのに十分な水準の張力を受けているかを定期的又は連続的に判定することができる。例えば、特定の実施形態では、制御部は、検知された張力に基づいて、カーシートの初期設置後であっても、1つ以上のアンカーを(係合されたフックと共に)更に後退させることができる。1つ以上のアンカーを更に後退させることによって、チャイルドシートを車両に十分に固定する水準まで張力を増加させることができる。
【0073】
特定の実施形態では、制御部は、適時的な張力を示す状態信号(数値、水準、カラーコードなど)を生成し、状態信号を車両、ユーザ、車両の所有者などに提供するように構成することができる。次いで、車両のユーザ又は所有者は、状態信号に基づいて、チャイルドシートが車両に堅固に取り付けられていることを確認するように行動することができる。
【0074】
図1は、1つ以上のアンカー10を後退位置2と伸展位置3との間で移動させるように構成されたチャイルドシート取付システム1のブロック図である。システム1は、様々な異なるチャイルドシート103を固定するために様々な車両シート100に組み込むことができる。例えば、チャイルドシート取付システム1の実施形態は、後向きカーシート(例えば、チャイルドシート、コンバーチブルシート及び一体型シート)及び前向きカーシート(例えば、コンバーチブルシート、コンビネーションシート及び一体型シート)を含む多種のチャイルドシートを固定することができる。例えば、
図2Aは、車両シート100に接続された例示的な後向きチャイルドシート103の斜視図を含み、
図2Bは、チャイルドシート103が取り外された車両シート100の斜視図を示す。
【0075】
システム1は、1つ以上のアンカー10を含む。特定の実施形態では、1つ以上のアンカー10は、第1ロアアンカー10A及び第2ロアアンカー10Bを含む。特定の実施形態では、第1ロアアンカー10A及び第2ロアアンカー10Bは、後退位置2と伸展位置3との間を移動し、後退位置2と伸展位置3との間の任意の点に留まることができる。
【0076】
図1に示すように、特定の実施形態では、システム1は、1つ以上のアクチュエータ20を含むことができる。アクチュエータ20は、任意の種類(例えばギヤ駆動アクチュエータ、リニアアクチュエータ、電気機械式ソレノイドなど)とすることができる。特定の実施形態では、アクチュエータ20は、ロアアンカー10A、10Bのうちの少なくとも1つを後退位置2と伸展位置3との間で移動させるように構成される。特定の実施形態では、各アクチュエータ20は、それぞれのアンカー10に関連付けられる。アクチュエータ20は、ロアアンカー10A、10Bのうちの少なくとも1つを後退位置2と伸展位置3との間で移動させるように構成される。
【0077】
図1に示すように、特定の実施形態では、システム1はスイッチ50を含むことができる。特定の実施形態では、スイッチ50の作動によって、アクチュエータ20は、ロアアンカー10A、10Bのうちの少なくとも1つを後退位置2と伸展位置3との間で移動させる。特定の実施形態では、スイッチ50は、ユーザによって作動されるように構成される。
【0078】
特定の実施形態では、システム1は制御部30を含むことができる。特定の実施形態では、制御部30は、ロアアンカー10A、10Bのうちの少なくとも1つを後退位置2と伸展位置3との間で移動させるように構成される。特定の実施形態では、制御部30は、トリガ信号31を受信するように構成することができる。特定の実施形態では、トリガ信号31は信号源32によって提供される。特定の実施形態では、制御部30は、信号源32からトリガ信号31を受信することに応答して、ロアアンカー10A、10Bのうちの少なくとも1つを後退位置2と伸展位置3との間で移動させる。特定の実施形態では、信号源32は、スマートフォン若しくはスマートデバイス、車両に関連する入力構成要素(例えば、タッチスクリーンインターフェース、マイクロフォン、視覚システム、圧力検知システムなど)、又はチャイルドシート103自体であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ユーザがチャイルドシート103にシステム1を実装する車両に近づいているとき、制御部30は、Bluetooth(登録商標)又は他の無線手段を介して信号源32(例えば、チャイルドシートに接続されたスマートフォン又はチャイルドシート自体)からトリガ信号31を受信することができる。トリガ信号31を受信すると、制御部30は、アクチュエータ20を制御して、ロアアンカー10A、10Bのうちの少なくとも1つを後退位置2から伸展位置3に移動させてもよい。制御部30は、ユーザが車両ドアを開くときまでにチャイルドシート103を取り付けるためのアンカー10A、10Bの準備が整うように、アンカー10A、10Bが自動的に伸展するように制御することができる。
【0079】
特定の実施形態では、システム1は、1つ以上のセンサ40を更に含むことができる。1つ以上のセンサ40は、画像センサ、温度センサ、湿度センサ又は任意の他のセンサを含むことができる。制御部30は、1つ以上のセンサ40から情報を受信し、その情報を処理のために処理構成要素60に、又は監視/処理のためにユーザ若しくは外部装置に直接送信することができる。特定の実施形態では、例えば、制御部30は、画像センサからビデオデータを受信し、そのビデオデータを適時的又は定期的にスマートデバイスに送信することによって、ユーザがシステム1のチャイルドシート103内の子供の状態を監視することができる。特定の実施形態では、1つ以上のセンサ40は、1つ以上のアンカー10とチャイルドシート103との間の張力を検知するように構成することができる。例えば、特定の実施形態では、制御部30は、センサ40から張力情報を受信する。特定の実施形態では、制御部30は、1つ以上のアンカー10がチャイルドシート103のフック又は別の種類の取付部に緊密に取り付けられているかを更に判定することができる。特定の実施形態では、制御部30は、チャイルドシート103と車両シート100との間の取り付けの緊密性(例えば、張力)を定期的又は連続的に判定するように構成することができる。特定の実施形態では、緊密性は適時的に判定される。
【0080】
特定の実施形態では、制御部30は、取り付けの緊密性又は完全性を示す状態信号を更に生成することができる。いくつかの実施形態では、チャイルドシート取付システム1は、チャイルドシート103が堅固に取り付けられているかを示すように構成されたLED照明を含むことができる。例えば、
図13A及び
図13Bに示すように、制御部30は、LEDライト41を制御して、チャイルドシート103が車両シート100に適切に取り付けられているかを(例えば、検知された張力に基づき)、カラーコードにしたがって示すように構成することができる(例えば、
図13Bに示すように適切に取り付けられている場合、LEDは緑色に変わる)。
【0081】
特定の実施形態では、制御部30は、1つ以上のセンサ40によって検知された張力に基づいてアンカー10を更に後退させ、チャイルドシート103と車両シート100との間の取り付けを緊密にする(例えば、張力を増加させる)ように構成される。特定の実施形態では、制御部30は、張力を示す状態信号を生成するように構成される。状態信号は、車両又は車両のユーザ若しくは所有者に提供することができる。
【0082】
特定の実施形態では、システム1は、チャイルドシート103に接続するように構成された処理構成要素60を更に含むことができる。1つ以上の処理構成要素は、チャイルドシート103の様々な条件(例えば、温度、湿気など)を監視するために、又はシステム1の使用に関連する動作パラメータを決定するために、電力及び/又はデータ接続を介して提供されるデータを受信又は測定することができる。特定の実施形態では、条件情報は、1つ以上のセンサ及び/又はカメラによって収集することができる。いくつかの実施形態では、処理構成要素60は、有線又は無線とすることができ、それによって、例えば、スマートフォン、車両、又は車両のユーザ若しくは所有者に条件情報を送信することを可能にする。特定の実施形態では、処理構成要素60は制御部30に接続する。特定の実施形態では、処理構成要素60は別個のユニットである。
【0083】
図3Aは、
図2Aの車両シート100の例示的な図であり、
図3Bは、アクチュエータ20の断面図を示す。車両シート100は、シート101及び背もたれ102を含む。
図3Aに示すように、特定の実施形態では、アクチュエータ20は、シート101の下に少なくとも部分的に配置され得る。特定の実施形態では、1つ以上のアンカー10は、後退位置2及び伸展位置3にあるとき、シート101と背もたれ102との間に部分的に配置され得る。特定の実施形態では、各アンカー10は、チャイルドシート103のフック又は別の種類の取付部と係合するような寸法及び形状のワイヤ又は任意の他の構造を含む。特定の実施形態では、各アンカー10は、後退位置と伸展位置との間を移動するときに湾曲した経路をたどるように湾曲形状を有する。このようにして、1つ以上のアンカー10はまた、アクチュエータ20内に後退させられるときに湾曲した経路をたどることができ、これにより、アクチュエータ20は小型な設計を有し、シート101の下に収納されることが可能になる。
【0084】
特定の実施形態では、1つ以上のアンカー10は、チャイルドシート103から延びるストラップを固定するように構成されたテザーアンカーを含むことができる。
【0085】
特定の実施形態では、1つ以上のアンカーの各々は、代替的に、アンカーが直線軸に沿って伸展及び後退できるようにする直線ワイヤであってもよい。直線アンカーを用いるチャイルドシート取付システムは、リニア作動システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、リニア作動システムは、シートの下ではなく車両シートの後ろに配置することができる。リニアシステムを有するシステムは、移動しないシートを有する2シート車両により好適であり得る。
【0086】
様々な実施形態によれば、本明細書に開示される取付システムは、他の着脱可能物を固定するために使用することもできる。例えば、取付システムは、様々な機能(例えば、バッグ収納、カップホルダー、隣接する座席シートに展開することができるテーブルなど)を有するコンソールを固定するために使用することができる。取付システムはまた、任意選択の加熱又は冷却機能を有する食品配送貯蔵ボックスを固定するために使用することができる。本明細書に開示の取付システムを使用してペットキャリアを固定することも有利であり得る。更に、取付システムは、他の複雑な固定方法(例えば、シートベルト)の必要性を回避するために、電気装置、例えばOptimusの二足用ロボットを固定するために使用し、充電機能を提供することもできる。
【0087】
図4は、アンカー10が後退位置2にある、
図1の1つ以上のアンカー10のうちの1つ及び関連するアクチュエータ20を含むアセンブリの側面図である。
図4に示すアクチュエータ20の例示的な実施形態は、モータ21と、第1ギヤ22と、ギヤラック23と、ウォームギヤ24と、クランプ又はハウジング11とを含む。クランプ又はハウジング11は、第1ギヤ22を保持することができる。
図5は、アクチュエータ20と、後退位置2にあるアンカー10とを示す、
図4とは反対側のアセンブリの側面図である。
【0088】
図6は、クランプ又はハウジング11と、後退位置2にあるアンカー10とを示す、
図4のアセンブリの側面斜視図である。
図7は、
図4のアセンブリの反対側の斜視図である。特定の実施形態では、アクチュエータ20は、ギヤ駆動アクチュエータとすることができる。特定の実施形態では、アクチュエータ20は、リニアアクチュエータ、電気機械式ソレノイド又は任意の他の種類のアクチュエータとすることができる。
【0089】
図8は、
図4のアセンブリの上面図である。
図9は、
図8の線B-Bに沿った断面図であり、第1ギヤ25と係合した第2ギヤ25と、後退位置2で第1ギヤ22及びギヤラック23と係合したアンカー10とを示している。特定の実施形態では、アセンブリは、アンカー10を支持するためのクランプ12を含む。
図10は、アンカー10が伸展位置3に移動されていることを除き、
図9と同様の図である。
【0090】
図11は、アクチュエータ20のモータ21、ウォームギヤ24及び第2ギヤ25を示す、
図8の線A-Aに沿った断面図である。特定の実施形態では、モータ21は、第2ギヤ25と係合するウォームギヤ24を移動させることができ、第2ギヤ25は第1ギヤ22と係合し、それによってギヤラック23及びアンカー10をギヤラック23と共に移動させる。
【0091】
図12は、1つ以上のアンカー10を伸展位置3に移動させてチャイルドシート103のフック又は別の種類の取付部に係合させ、次いで1つ以上のアンカー10を後退位置2に移動させてチャイルドシート103を車両シート100に堅固に固定するための、
図1の制御部30によって実行される例示的なプロセス200のフローチャートである。
【0092】
プロセス200は、各個々のアクチュエータ20に関する情報を受信又は提供し、各個々のアクチュエータ20の動作パラメータを決定するように構成された制御部30などによって、各個々のアクチュエータ20に対して実施することができる。代替的に、プロセス200は、車両に配置された一連のアクチュエータ20に対して実施されてもよい。
【0093】
ブロック202において、制御部30は、スマートフォン、車両の1つ以上の構成要素又はチャイルドシート103からトリガ信号を受信する。例えば、特定の実施形態では、車両は、チャイルドシート103が車両シート100に設置されたことを検出し、トリガ信号を制御部30に送信してもよい。他の実施形態では、車両は、チャイルドシート103を取り付けることを所望するユーザの口頭による合図を検出し、トリガ信号を制御部30に送信してもよい。ブロック204において、制御部30は、トリガ信号を受信すると、アクチュエータ20を作動させて、アンカー10を後退位置2から伸展位置3に移動させる。伸展位置3では、アンカー10は、チャイルドシート103上のフック又は他の種類の取付部と係合する準備ができている。ブロック206において、制御部30は、アンカー10がチャイルドシート103上のフック又は別の種類の取付部と係合しているかを判定する。制御部30が、答えを「はい」と決定した場合、プロセスはブロック208に進み、そこで制御部30はアクチュエータを作動させて、チャイルドシート103上のフック又は別の種類の取付部と共にアンカー10を後退位置2に向かって移動させることによって、チャイルドシート103を車両シート100に固定することができる。制御部30が、答えを「いいえ」と判定した場合、プロセスはブロック204に戻り、係合プロセスを繰り返すことができる。
【0094】
ブロック210において、制御部30は、アンカー10がチャイルドシート103上のフック又は別の種類の取付部の一方に係合しているときに、アンカー10の張力を測定することができる。特定の実施形態では、張力はセンサ40によって検知される。特定の実施形態では、制御部30は、センサ40から張力情報を受信する。
【0095】
ブロック212において、制御部30は、張力が所定の要件又は値を満たすかを判定する。所定の要件又は値は、チャイルドシート103がシート100に安全に設置されるのに十分な張力水準に基づくことができる。張力が所定の要件又は値を満たす場合、プロセスはブロック214に進む。
【0096】
特定の実施形態では、ブロック214において、制御部30は、張力を示す状態信号を生成できる。特定の実施形態では、状態信号は、車両、ユーザ又は車両の所有者に提供することができる。状態信号を受信するユーザは、検知された張力を監視し、張力が所定の安全値を下回る場合に是正措置を講じることができる。次いで、プロセスはブロック210に戻ることができる。
【0097】
判定ブロック212に戻り、アンカー10がチャイルドシート103のフック又は別の種類の取付部に緊密に取り付けられていないと制御部30が判定した場合、プロセスはブロック208に戻ることができ、そこで制御部30はアクチュエータ20を作動させてアンカー10を後退位置2に向かって更に移動させ、張力を増加させることができる。この特徴によって、チャイルドシート103は、ユーザの入力なく、車両シート100に確実に緊密に固定されることができる。
【0098】
特定の実施形態では、制御部30は、アンカー10がチャイルドシート103のフック又は別の種類の取付部に緊密に取り付けられているかを定期的に判定するように構成することができる。代替的に、制御部30は、アンカー10がチャイルドシート103のフック又は別の種類の取付部に緊密に取り付けられているかを連続的に判定するように構成することができる。
【0099】
本明細書に開示される様々な実施形態によれば、チャイルドシート取付システム1の制御部30によって実行されるプロセスの別の実施形態は、上記のブロック210から214のいずれか1つ又はすべてを実行しなくてもよい。アンカー10は、後退位置2に移動された後、上述したように、トリガ信号を受信してブロック202、204、206及び208を含むプロセスを再び行うまで、後退位置2で単にロックされたままであってもよい。
【0100】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態又は特定の使用分野に限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態及び/又は修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0101】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示されたグローブボックス作動アセンブリの様々な実施形態を作成し使用する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセス又は工程は、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。更に、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは独立して利用することができる。「含む」、「備える」、「内蔵する」、「からなる」、「有する」、「である」などの表現は、本開示を説明し、特許請求するために使用され、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形にも関連すると解釈されるべきである。
【0102】
更に、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。結合についてのすべての言及(例えば、取り付け、貼り付け、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き又は使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。更に、限定するものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「1次的」、「2次的」、「主」などのすべての数値的用語、又は任意の他の通常の及び/若しくは数値的な用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、別の要素、実施形態、変形形態及び/若しくは修正形態に対する、又は別の要素、実施形態、変形形態及び/若しくは修正形態を超える、任意の要素、実施形態、変形形態及び/若しくは修正形態の順序又は好ましさに関していかなる限定も生じない。
【0103】
図面/図に示された1つ以上の要素はまた、特定の用途に応じて有用であるように、より分離又は統合された方法で実装されることができ、あるいは、特定の場合には除去されるか又は動作不能とされることができることも理解されよう。
【国際調査報告】