(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】包装材料
(51)【国際特許分類】
B32B 9/00 20060101AFI20241219BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B32B9/00 A
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534039
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022052328
(87)【国際公開番号】W WO2023107656
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100189474
【氏名又は名称】田村 修
(72)【発明者】
【氏名】マッキューン,ムラット,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ギルパトリック,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】スロート,ジェフリー,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ケンズロ,フィリップ
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AD02
3E086AD05
3E086AD06
3E086BA04
3E086BA14
3E086BA24
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3E086BB90
4F100AD11B
4F100AK01B
4F100AK41B
4F100AT00A
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4F100BA07
4F100BA10A
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4F100GB15
4F100JC00A
4F100JC00B
4F100JD02B
(57)【要約】
基材と、該基材に沿って延在するライナーを含む包装材料。該ライナーは、少なくとも生体高分子及びグラフェンナノプレートレットを含み、該包装材料の少なくとも一部に沿ってガスバリアを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
基材に沿って延在するライナーを含み、該ライナーは少なくとも生体高分子及びグラフェンナノプレートレットを含んで該包装材料の少なくとも一部に沿ってガスバリアを提供する包装材料。
【請求項2】
前記生体高分子が、ポリヒドロキシアルカン酸を含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記ライナーが、約5質量%未満の前記グラフェンナノプレートレットを含む、請求項2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記基材が、紙製品を含む、請求項2に記載の包装材料。
【請求項5】
前記生体高分子が、再生可能な資源に由来し生分解性である、請求項1に記載の包装材料。
【請求項6】
前記基材が、再生可能、分解可能、堆肥化可能、及び再パルプ化可能の少なくとも1つの材料を含む、請求項5に記載の包装材料。
【請求項7】
約5質量%未満の前記グラフェンナノプレートレットが前記生体高分子に取り込まれている、請求項1に記載の包装材料。
【請求項8】
基材と、基材に沿って延在するライナーを含み、該ライナーは少なくとも生体高分子及びグラフェンナノプレートレットを含んで該包装材料の少なくとも一部に沿ってガスバリアを提供する該包装材料を含む、構成品。
【請求項9】
前記生体高分子が、ポリヒドロキシアルカン酸を含む、請求項8に記載の構成品。
【請求項10】
前記ライナーが、約5質量%未満の前記グラフェンナノプレートレットを含む、請求項9に記載の構成品。
【請求項11】
前記基材が紙製品を含む、請求項9に記載の構成品。
【請求項12】
前記生体高分子が、再生可能資源から供給され生分解性である、請求項8に記載の構成品。
【請求項13】
前記基材が、再生可能、分解可能、堆肥化可能、及び再パルプ化可能の少なくとも1つの材料を含む、請求項12に記載の構成品。
【請求項14】
約5質量%未満の前記グラフェンナノプレートレットが前記生体高分子に取り込まれている、請求項8に記載の構成品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年12月10日に出願された米国仮特許出願第63/288,218号の利益を主張する。
[参照による援用]
【0002】
2021年12月10日に出願された米国仮特許出願第63/288,218号の開示は、その全体が本明細書に提示されているように、参照によりすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本開示は概ね包装構成品を形成するための材料(例えば積層体)に関する。
【発明の概要】
【0004】
ある面では、本開示は概ね、基材と、該基材に沿って延在するライナーを含む包装材料に関する。該ライナーは少なくとも生体高分子及びグラフェンナノプレートレットを含んで、該包装材料の少なくとも一部に沿ってガスバリアを提供する。
【0005】
別の面では、本開示は概ね、包装材料を形成する方法に関する。この方法は、生体高分子にグラフェンナノプレートレットを組み込むことによってライナー材料を形成することを含むことができる。この方法は、さらに、該ライナー材料が該包装材料の少なくとも一部に沿ってガスバリアを提供するために、ライナー材料を基材に適用することを含むことができる。
【0006】
また別の面では、本開示は概ね、包装材料を含む構成品に関する。該包装材料は、基材と、該基材に沿って延在するライナーとを含むことができる。該ライナーは少なくとも生体高分子及びグラフェンナノプレートレットを含んで該包装材料の少なくとも一部に沿ってガスバリアを提供することができる。
【0007】
本開示の他の面、特徴、及び詳細は、図面を併用して、以下の例示的な実施形態の詳細な説明を参照することによって、添付の特許請求の範囲から、より完全に理解することができる。
【0008】
当業者であれば、下記の図面を参照して以下の例示的な実施形態の詳細な説明を読むことにより、上記の利点とその他の利点と様々な追加の実施形態による利益を理解するであろう。さらに、以下に説明する図面の様々な特徴は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。図面中の様々な特徴及び要素の寸法は、本開示の例示的な実施形態をより明確に示すために拡大または縮小されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示による例示的な包装材料の一部を示す図である。
【0010】
対応する部分は、図面全体を通じて対応する参照番号によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、概ね、積層体を含む包装材料に関する。包装材料は、構成品(例えば、容器、パッケージ、スリーブケース、トレイ、カップ、絶縁カップ、または他の構成品)を形成するためのものであり得る。一部の実施形態では、包装材料は、積層体(例えば、射出成形されたポリマー要素)に加えて他の材料を含むことができる。構成品は、例えば、食料品または他の製品を保持、貯蔵、冷凍、加熱、調理等するために使用することができる。一例では、構成品は、電子レンジ、電気オーブン、またはその両方(例えば、デュアルオーブン加熱)で加熱している間に食料品を保持するため、気密封止(例えば、雰囲気包装による長寿命化、真空密封包装等)するため、冷蔵/冷凍保存するため、及び/または食物(例えば、フライドポテト)を供するために構成されることができる。加えて、包装材料及び/または該包装材料から作られた構成品は、マイクロ波包装要素(例えば、マイクロ波サセプタ要素、マイクロ波遮蔽要素等のマイクロ波エネルギー相互作用要素)、及び/または高温での加熱または輸送中に自動的に通気するように構成されたシールを含むことができる。複合構成品の他の用途及び様式もまた、本開示に含まれる。
【0012】
本実施形態では、包装材料の要素の材料は、再生可能材料、天然繊維、再パルプ化可能材料、及び/または分解可能材料を含むことができる。例えば、再生可能材料は、少なくとも部分的に生物学的工程または供給が合理的な期間内に補充され得る他の工程に由来することができ、これには、毎年再生可能な植物源、数年または数十年で再生できる植物源、藻類、細菌、または任意の他の適切な供給源が含まれ得る。一例では、資源を少なくとも部分的に補充するための合理的な期間は、平均的な人の寿命以内であり得る。例えば、化石由来の石油化学物質のみに由来するポリマーは、生物由来ポリマーとはみなされない場合がある。しかし、石油化学物質に類似した物質(例えば、石油化学類似体)の中には、少なくとも部分的に微生物及び/または他の生物源によって、または例えば生物源の材料を化学的に反応または修飾することによって生産できるものがあり、これらの少なくとも部分的に生物由来の石油化学類似体を用いて、少なくとも部分的に生物由来のポリマーを製造することができる。天然繊維は、植物(例えば、木材繊維、綿、麻、ジュート、亜麻、ココヤシ皮の繊維、竹、サトウキビ、もみ殻、バナナ繊維、真麻、サイザル麻、その他の植物)に由来する繊維等、少なくとも部分的に天然に存在する任意の繊維であり得る。再パルプ化可能材料(紙製品等)は、パルプ(再生紙等)から新しい材料を製造するためにパルプ(例えば、化学的、機械的、及び/または他の適切な方法によって)に戻すことができる材料であり得る。分解性材料(例えばポリ乳酸系ポリマー)は、少なくとも部分的に堆肥化可能な生分解性材料、及び/または妥当な時間内に少なくとも部分的に環境に比較的無害な、及び/または栄養(例えば、有益植物及び/または細菌にとって)になる小さい要素に分解できる他の材料であり得る。
【0013】
一の実施形態によると、再生可能及び/または分解可能な材料は、少なくとも部分的に生物基盤ポリマー(「生体高分子」)、少なくとも部分的に生物(例えば、植物、藻類、細菌、動物)、紙製品、及び/または他の材料から産出されるか、または抽出される化学物質から形成されるポリマーを含むことができる。板紙及びその他の紙製品は、紙製品の原料を供給する樹木及びその他の植物が持続可能で再生可能な方法で定期的に植え替えられることができ、植え替えられていることから、本質的に持続可能または再生可能な材料として認識されることが多い。一の実施形態では、再生可能及び/または分解可能な材料は、射出成形適用で処理することができ、基材(例えば、加工前材料またはプレス加工されたトレイ)に接着または他の方法で適用することができ、封止、バリア及び/または通気特性を有し、及び/または加熱(例えば、電子レンジ及び/または電気オーブン)及び/または冷蔵/冷凍または他の貯蔵に対する温度抵抗を有する。本開示から逸脱することなく、他の再生可能な及び/または分解可能な材料を使用することもできる。
【0014】
包装材料の材料は、包装材料から作られる特定のタイプの構成品に適した特性を有することができる。例えば、食料品を保持または提供するためのトレイまたは他の容器である構成品は、ある種の気体、液体、及び/または他の流動性材料(例えば、油、酸素、水等)に対して透過性または不透過性であるバリア層を含むことができる。多くの食料品を少なくとも華氏約165度まで加熱することがしばしば推奨されるため、食料品を加熱するための構成品は、少なくとも華氏約165度の耐熱性を有する再生可能材料を含むことができる。より低い温度抵抗要件を有する用途には、例えば、食料品以外の加熱、飲料の加熱、いくつかの食品の再加熱、貯蔵及び/または冷却のみを必要とする用途、及び/または他の適切な用途が含まれ得る。
いくつかの用途では、例えば、最小内部温度に達するためより高い外部温度を必要とする食料品のために、及び/または伝導及び/または対流を介して食料品を加熱するためより高い温度に設定することができる電気オーブンにおいて食料品を少なくとも部分的に加熱するために、より高い温度抵抗要件を有することができる。適切な材料を選択するための他の考慮事項には、製品の質量を支持するため及び/または積み重ねのための材料強度が含まれ得る。
【0015】
本実施形態では、包装材料は、
図1に示すような積層体100を含むことができる。積層体は、基材102とフィルム、コーティング、または基材102に適用される(例えば、接着され、ヒートシールされ、及び/または他の方法で取り付けられる)ライナー104を含むことができる。基材102は、紙製品(例えば、紙、板紙、ボール紙、及び/または他の適切な繊維及び/または非繊維材料)、他の再生可能、分解可能、堆肥化可能、及び/または再充填可能な適切な材料、及び/または他の任意の適切な材料とすることができる。一実施形態では、ライナー104は、グラフェンナノプレートレット106と組み合わせて、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)等で知られる部分集合のバイオプラスチックや生体高分子を含むことができる。例示的な実施形態では、グラフェンナノプレートレットは、グラフェンの一形態であり得る。グラフェンは、原子が平らな2次元格子状に配置された極薄形状の炭素である。例示的な実施形態では、グラフェンは、並外れて優れた電気的、機械的、及び/または熱的特性を有することができ、グラフェンは、幅広い用途のために研究されている。グラフェンナノプレートレット(GNP)は、プレートレット形状を有するグラフェンの短い積み重ねであり、様々な段階で利用可能である。例えば、短い積層体は、層の長さ及び/または幅よりも低い高さまでグラフェンを積み重ねた層を含むことができる。
【0016】
実施形態では、積層体100は、包装のためのガス及び/またはウォーターバリアを有する再生可能資源からの持続可能な機能性生体高分子ナノ複合材料を提供することができる。代替的な実施形態では、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を、ポリ乳酸(PLA)及び/またはポリブチレンサクシネート(PBS)等の他の生体材料で置き換えることができる。
【0017】
実施形態において、ライナー104は、グラフェンナノプレートレットをポリヒドロキシアルカン酸に組み込むことによって形成することができる。グラフェンナノプレートレットを有するポリヒドロキシアルカン酸は、水及び/または気体(例えば、酸素、二酸化炭素、窒素等)に対するバリア性を提供することができる。例示的な実施形態では、ライナー材料は、グラフェンナノプレートレットを生体高分子(例えば、ポリヒドロキシアルカン酸)と溶融混合することによって、及び/または他の適切な方法によって形成することができる。次に、ライナー材料を基材102に(例えば、フレキソ/グラビア印刷、フラッドコーティング、押出コーティング、及び/または他の適切な工程によって)適用して、ライナー104が基材上にガス及び/またはウォーターバリアを形成するように積層体100を形成することができる。実施形態では、グラフェンナノプレートレットを水溶液中で調製することができ、分散剤(例えば、酸化グラフェン、エタノール、イソプロピルアルコール、ステアリン酸カルシウム等)、静電システム等を、グラフェンナノプレートレットの凝集を低減または防止するのを助けるために使用することができる。コーティングは、例えば、ドローダウン工程において水溶液を基材に塗布することによって基材上に形成することができる。
【0018】
例示的な実施形態では、ポリヒドロキシアルカン酸または他の生体高分子及びグラフェンナノプレートレットは、グラフェンナノプレートレットが材料中にランダムに分散され、グラフェンナノ粒子の凝集が回避されるように、適切な量で組み合わせることができる。実施形態では、例えば使用されるポリマー、ポリマーとグラフェンナノプレートレットを組み合わせる方法、ポリマーに組み込まれるグラフェンナノプレートレットの量、及び/または他の要因等の要因が、コーティング内のグラフェンナノ粒子の凝集量に影響を及ぼすことができる。例えば、ある種の複合材料は、約4質量%または約5質量%の添加量(例えばLLDPEやPLA)で改善された材料特性(例えば、グラフェンナノ粒子の低凝集)を示すことができ、その条件下での添加では、混合を増加させること(例えば、高いスクリュー速度)で凝集を減少させること及び材料特性(例えば引張強度)を増加させることができ、一方、より高い添加量(例えば、約10質量%)は、混合速度で対処することがより難しく、より多くの凝集をもたらす可能性がある。実施例において、本出願のコーティングに含まれるグラフェンナノ粒子の量は、約10質量%以下、約9質量%以下、約8質量%以下、約7質量%以下、約6質量%以下、約5質量%以下、約4質量%以下、約3質量%以下、約2質量%以下、約1質量%以下、約0.5質量%以下、または他の適切な量であり得る。追加の実施例において、コーティングに含まれるグラフェンナノ粒子の量は、約1質量%~約10質量%、約2質量%~約10質量%、約3質量%~約10質量%、約4質量%~約10質量%、約5質量%~約10質量%、約6質量%~約10質量%、約7質量%~約10質量%、約8質量%~約10質量%、約9質量%~約10質量%、約1質量%~約7質量%、約2質量%~約7質量%、約3質量%~約7質量%、約3質量%~約7質量%、約4質量%~約7質量%、約5質量%~約7質量%、約6質量%~約7質量%、約1質量%~約5質量%、約2質量%~約5質量%であり得る、約3質量%~約5質量%、約4質量%~約5質量%、約1質量%~約4質量%、約2質量%~約4質量%、約3質量%~約4質量%、約1質量%~約3質量%、約2質量%~約3質量%、約1質量%~約2質量%、または他の適切な量であり得る。
【0019】
実施形態では、ポリヒドロキシアルカン酸は、糖及び脂質の細菌発酵によるものを含め、再生可能資源から供給される。このような材料とグラフェンナノプレートレットとの複合材料は、酸素及び/または二酸化炭素バリアのようなガスバリアを形成することができ、食料品及び他の物品の品質を保存及び維持するのを助けることができる。例示的な実施形態では、ポリマー中の分散したグラフェンナノプレートレットの存在がコーティングを通る拡散分子の経路を増加させることができ、ポリマー中のグラフェンナノプレートレットによって結晶化を高めることができることを含む要因に関連する機構によって、グラフェンナノプレートレットは生体高分子(例えば、ポリヒドロキシアルカン酸)のガスバリア性を改善することができる。例示的な実施形態では、グラフェンナノプレートレットに起因する改善されたバリア性はより高次元の安定性、これはグラフェンナノプレートレットの硬化効果と関連付けることができる、と熱安定性の向上を伴っている。
【0020】
板紙のような基材と、ポリヒドロキシアルカン酸のような生体高分子に組み込まれたグラフェンナノプレートレットを含むライナーとを有する包装材料は、他の材料よりも多くの利点を有することができる。例えば、本開示の包装材料は、ガス及び/または水分バリアを有する他の包装材料よりも、容易に再生可能な材料から供給することができ、及び/または分解可能で、堆肥化可能で、及び/またはリサイクル可能であることができる。実施形態では、生体高分子及びグラフェンナノプレートレット複合体は、非持続的バリアと置き換え可能なバリアを提供することができ、熱管理を改善(例えば、ヒートシール性、絶縁性、異方性熱伝導特性等を通じて)することができ、及び/またはマイクロ波用途を有することができる(例えば、グラフェンナノプレートレットは誘電特性を変化させることができる)。例示的な実施形態では、ポリヒドロキシアルカン酸は、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、及びナイロン等の他のバリアポリマーと比較して、有意に生分解性であり得る。実施形態では、グラフェンナノプレートレットは、曲げ強度及び/またはヒートシール性を有するコーティングを提供することができ、及び/またはフィルムバリア及び/またはマイクロ波加熱用途に使用することができる。
【0021】
マイクロ波用途に関連する実施形態では、グラフェンナノプレートレットを有するライナーは、異方性(例えば、強い異方性)の熱伝導特性を有することができ、グラフェンナノプレートレットの水平面でより高い伝導性を有し、グラフェンナノプレートレットの水平面に垂直な方向でより低い伝導性を有することができる。さらに、グラフェン凝集体はナノ複合材料において異なる誘電特性を引き起こす可能性がある。実施形態によると、グラフェン被覆板紙は、標準的な粘土被覆固体漂白硫酸塩(SBS)板紙と類似または同一の反射率、吸光度及び透過率を有することができる。
【0022】
一実施形態によれば、包装材料は複数の層を含み、含まれている各材料は最大100%まで再生可能資源及び/または分解性材料由来である。したがって、複合構造体は、再生不可能な資源にほとんどまたは全く負担をかけず、再生可能及び/または分解可能な材料の使用は消費者に宣伝することができる。さらに、本開示は代替的な廃棄物の流れ(例えば堆肥化、リサイクル等)に適しているという付加的な利点を有し、ある物質の透過性を低減するためのバリア層と、包装の製図法及び高い調理温度での剛性を向上させるため紙または板紙の使用を含む積層体の利点を有する構成品において、再生可能及び/または分解可能な材料を使用することを目的とする。
【0023】
例示的な実施形態によれば、包装材料は、それぞれの構成体(例えば、トレイ、カートン、ファーストフード容器、カップ、絶縁カップ等)を形成するため、加工前材料へ形成することができる。基材は、上記の各機能を少なくとも一般に可能にするのに適した特性を持つ板紙、段ボール、または他の材料から形成することができる。板紙は、普通紙よりも重く、剛性の高い測径器とすることができ、段ボールは、板紙よりも重く、剛性の高い測径器とすることができる。一般に、そこから立てられたカートンの外面となる板紙または厚紙の少なくとも側面には、粘土コーティング等でコーティングが施される。粘土コーティングは、製品、広告、価格コード、及びその他の情報または画像を印刷することができる。次いで、加工前材料に印刷された情報を保護するために、加工前材料をワニスでコーティングすることができる。加工前材料は、例えば、片面または両面に、防湿層で被覆することもできる。加工前材料はまた、1つまたは複数のシート状材料で積層または被覆をすることもできる。
【0024】
前述の説明は、本開示の様々な実施形態を例示し、説明している。上記構成品において様々な変更がなされ得るため、上記説明に含まれるか、または添付図面に示される全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるべきである。また、上記した実施形態の、様々な修飾例、組み合わせ例、変形例等も開示の範囲内である。加えて、本開示は、選択された実施形態のみを示し説明するが、様々な他の組合せ、修飾、及び環境は、本開示の範囲内にあり、上記教示に相応し、及び/または本関連技術の技術または知識の範囲内にある。さらに、各実施形態の特定の特徴及び特性は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の図示されている及び図示されていない実施形態と選択的に交換して適用することができる。
【国際調査報告】