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  • 特表-自動車用途のアクチュエータ 図1
  • 特表-自動車用途のアクチュエータ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】自動車用途のアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534040
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 DE2022100856
(87)【国際公開番号】W WO2023104238
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021132129.8
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベレス, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アダミク, ステファン
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA02
5H605BB05
5H605DD07
5H605DD09
5H605DD16
5H605DD32
5H605GG02
5H605GG06
(57)【要約】
本発明は、ハウジングシェル(4)および少なくとも1つのハウジングカバー(5)を備えたハウジング(3、4、5)を有するアクチュエータ(1)であって、ハウジング部品(4、5)は、レーザ溶接によって接触領域(17)にわたって、駆動ユニット(18)が配置された第1の密封チャンバ(14)と、少なくとも1つの第2の密封チャンバ(15)とを互いに接続することができるアクチュエータ(1)に関する。密封されたチャンバ(14、15)の分離は、ハウジング(3)の内部の溶接可能な接続ウェブ(16)によって達成することができ、チャンバ(14、15)間の通路(26)は、接続ウェブ(16)のシールによって密封することができる。密封されたチャンバ(14、15)内に異なるレベルの気密性を形成することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングシェル(4)及び少なくとも1つのハウジングカバー(5)を備えたハウジング(3、4、5)を有するアクチュエータ(1)であって、
ハウジング部品(4、5)が接触領域(17)にわたってレーザ溶接によって互いに接続可能であり、駆動ユニット(18)が配置された第1のチャンバ(14)と、少なくとも1つの第2のチャンバ(15)とを有し、前記ハウジング(3)の内部において溶接可能な接続ウェブ(16)によってチャンバ(14、15)の分離が可能であり、前記接続ウェブ(16)のシールによって前記チャンバ(14、15)間の通路(26)を密封することが可能であり、密封されたチャンバ(14、15)に異なるレベルの気密性を形成することができることを特徴とする、アクチュエータ(1)。
【請求項2】
作動手段(2)は、少なくとも1つのチャンバ(15)の外に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項3】
前記作動手段(2)は、前記ハウジング(3、4、5)内、特に前記ハウジングシェル(4)内で、密封状態で案内されることを特徴とする、請求項2に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項4】
前記作動手段(2)に関連付けられたチャンバ(15)、好ましくは、二次チャンバ(15)は、一次密封チャンバ(14)よりも低い密封レベルを有することを特徴とする、請求項2又は3に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項5】
好ましくは、気密性レベルの低いチャンバ(15)内には、プラスチック材料から作られた構成部品(2,23,24)が配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項6】
前記作動手段に関連付けられたチャンバ(15)、好ましくは、前記二次密封チャンバ(15)は、スピンドル駆動装置(23、24)を有することを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項7】
前記作動手段(2)に関連付けられた前記二次密封チャンバ(15)、好ましくは、前記二次密封チャンバ(15)は、凹部(30)を有することを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項8】
前記凹部(30)は、半透過性の要素によって閉鎖可能であることを特徴とする、請求項7に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項9】
前記駆動ユニット(18)は、ウォームギア(23,24)を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項10】
前記気密性は、溶接シーム(29)の中断(28)によって確立できることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のアクチュエータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ハウジングシェルおよび少なくとも1つのハウジングカバーを備えたハウジングを有するアクチュエータであって、ハウジング部品がレーザ溶接によって接触領域にわたって互いに接続されることが可能であり、駆動ユニットが配置される第1のチャンバ、および少なくとも1つの第2のチャンバを有し、チャンバの分離がハウジングの内部の閉鎖可能な接続ウェブによって達成されることが可能であり、チャンバ間の通路が接続ウェブのシールによって密封されることが可能であるアクチュエータに関する。
【0002】
[0002]アクチュエータは、作動運動またはロック機構が必要とされる自動車に使用され、例えば、タンク用ロック機構、充電プラグ用ロック機構、またはフラップ要素の位置決めが挙げられる。このリストは、もちろん制限的なものではなく、単に自動車の作動要素の広範な用途を示すものである。作動要素を有する電気駆動装置は、通常、快適性機能を向上させたり、車両を固定したりする必要がある場合に使用される。アクチュエータは、たとえば、ハイブリッド車または電気自動車の燃料充填フラップまたは充電プラグをロックするために使用することができる。この場合、アクチュエータ用ハウジングから引き出したり、アクチュエータ用ハウジング内に引き込んだりすることができる作動要素は、たとえば、直接ラッチとして機能するために、または、たとえば、燃料フィラーフラップの開放を防止することができるように、ラッチ要素を作動させるために使用される。
【0003】
[0003]この場合、自動車におけるアクチュエータの使用方法によっては、外部の気象条件に曝されることがあり、特に湿気からアクチュエータを保護する必要がある。アクチュエータが、たとえば、電気自動車のローディングフラップまたは燃料フィラーフラップの領域で使用される場合、アクチュエータは、フラップをロックし、および/またはフラップを開放するために使用することができる。いずれにしても、この領域は、雨、雪、または埃のような環境の影響の侵入に対して保護されなければならず、その結果、アクチュエータ用ハウジングだけでなく、アクチュエータ自体の密封が確保されなければならない。環境の影響に関して密封するには、モータや伝達装置など、アクチュエータと接触する機能部品をアクチュエータ内に密封する必要がある。この場合、アクチュエータ要素の運動および/または他の密封手段により、アクチュエータ要素内に圧力差が生じるので、アクチュエータ内でのアクチュエータ要素の緊密な固着は、アクチュエータ要素の機能を損なう可能性がある。これらの圧力差は、アクチュエータ要素の機能、すなわち前後の運動を損なう可能性がある。
【0004】
[0004]DE 10 2007 021 268 A1は、互いに溶接された少なくとも2つのハウジング部品を有する自動車用の調整ユニットを開示している。第1のハウジング部品上にハウジングカバー形態の第2のハウジング部品を置き、レーザ溶接によりハウジング部品同士を接続する。ハウジングの内部に接続ウェブを設けることができ、このウェブはハウジングを異なるチャンバに分割する。接続ウェブはまた、ハウジングカバーに接続することができ、その結果、異なる要求に対してハウジング内に異なるチャンバを形成することができる。従って、ハウジングのサブチャンバは、異なる機能構成部品を収容するのに適している。
【0005】
[0005]ハウジングを異なるサブチャンバに分割することは、たとえば、湿気に敏感な構成部品を、潤滑剤が提供される構成部品とは別にハウジング内に配置することができる利点を提供する。レーザ溶接を使用してハウジング部品を接続することにより、強固な接続を確立することができる。しかしながら、用途分野およびハウジングの使用に応じて、密封されたチャンバは、駆動装置の機能に関して欠点を有する可能性がある。特に、密封されたチャンバは、ハウジングが-40℃から+80℃までの著しい温度変動にさらされる可能性があるので、ハウジングの内部に湿気が沈降する可能性がある。この障害を克服するためのアクチュエータは、DE 102 59 465 A1から公知である。この公報には、作動要素と、電気モータと、電気モータの下流に接続された伝達装置とを有し、作動要素が作動要素のハウジングの内外に移動可能である自動車用アクチュエータが開示されている。この場合、作動要素自体はベローズ内に収容され、ベローズはハウジングに対して作動要素を密封する。アクチュエータの機能構成部品を湿気から保護するために、空気透過性であるが湿気不透過性の膜がハウジング内に配置されている。膜は、PTFEのような半透過性プラスチック材料からなる。半透過性の層は、同じくプラスチック材料で作られたキャリア材料で作られた耐荷重層によって支持され、保持される。ここでは通常ポリアミド(PA)が使用され、接着剤を使用して両方の層を一緒に接続することが可能である。
【0006】
[0006]上述の技術は、原理的にはそれ自体が証明されているが、例えば、絶対的な気密性が不利であり、ハウジングの開口部が湿気の侵入をもたらす可能性がある場合には、その限界に達する。既知の解決策は、すべての場合において完全に説得力があるわけではない。ここから本発明が始まる。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明の目的は、改良されたアクチュエータを提供することである。特に、本発明の目的は、機能構成部品をそれらの要求に従ってハウジング内に個々に収容する方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、アクチュエータ内に機能グループを収容するための構造的に簡単でコスト効率の良い解決策を提供することである。
【0008】
[0008]本発明の目的は、独立請求項1の特徴によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項において特定される。ただし、以下に説明する実施形態は、これに限定されるものではない。むしろ、明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された特徴のいかなる可能な変形も可能である。
【0009】
[0009]請求項1によれば、本発明の目的は、ハウジングシェルおよび少なくとも1つのハウジングカバーを備えたハウジングを有し、ハウジング部品がレーザ溶接によって接触領域にわたって互いに接続されることが可能であり、駆動ユニットが配置される第1のチャンバ、および少なくとも1つの第2のチャンバを有し、チャンバの分離がハウジングの内部の溶接可能な接続ウェブによって達成されることが可能であり、チャンバ間の通路が接続ウェブ内のシールによって密封されることが可能であり、チャンバ内に異なる気密レベルを形成することが可能であるアクチュエータを提供することにある。本発明によるアクチュエータの設計により、アクチュエータ内に存在するチャンバを機能アセンブリに適合させることができる。特に、たとえば、潤滑剤がチャンバから漏れるのを防止するために、チャンバを完全に密封するように設計することが可能である。たとえば、別のチャンバは、たとえば、空気循環が機能アセンブリの機能にとって有利である場合、より低い気密性を必要とし得る。したがって、本発明によるアクチュエータの設計は、異なる気密レベルを有し、機能アセンブリの機能を考慮に入れることができることを意味する。特に、有利な気密レベルを設定することができ、従って、アクチュエータの機能性及び耐久性を向上させることができる。
【0010】
[0010]本発明に係るアクチュエータは、たとえば、自動車においてロック機構が必要とされる場合に使用することができる。このようなロック機構は、例えば、グローブコンパートメント、フラップまたはカバー、燃料フィラーキャップおよび/または充電プラグに必要および/または有用である。したがって、アクチュエータは、ロックされた構成部品の位置をロックして固定するために使用される。しかしながら、アクチュエータは、たとえば、自動車の側部扉またはフラップなどの構成部品を位置決めする必要がある場合にも使用することができる。この場合、作動手段は、自動車に移動可能に取り付けられた部品のロック、位置決め及び/又は直立が位置決めされ及び/又は固定されるように、アクチュエータによって移動される。
【0011】
[0011]アクチュエータは、アクチュエータ内部の構成部品を環境の影響から保護するハウジングを有する。環境の影響は、たとえば、機能アセンブリの機能性を制限し得る湿気、雨、潤滑剤および/または塵であり得る。従って、たとえば、電気的及び/又は電子的構成部品は、湿気の侵入が電気的及び/又は電子的構成部品を損傷し得るので、湿気の侵入に対して保護されなければならない。加えて、自動車内に存在する潤滑油もアクチュエータに入り、従って、たとえば、アクチュエータ内の接触部の機能を損なう可能性がある。
【0012】
[0012]したがって、ハウジングは、一方では、機能アセンブリを環境の影響から保護する機能を有し、他方では、ハウジングは、機能アセンブリを直接収容および/または格納するために使用されてもよい。好ましくは、ハウジングは、ハウジングシェルおよび一つ又は複数のハウジングカバーからなる。複数のハウジング部品を組み立ててハウジングシェルを形成し、これを一つ又は複数のハウジングカバーに接続することもできる。いずれにしても、ハウジング部品は、接合状態において隙間のない接触が存在するように互いに接触する接触領域を有する。さらに、ハウジング部品は、従来技術、例えばDE 10 2007 021 268 A1に記載されているように、レーザ溶接に適するように設計されなければならない。言い換えれば、ハウジング部品を互いに溶接することを可能にする半透明および不透明な接触領域がなければならない。
【0013】
[0013]いずれにしても、アクチュエータは、駆動ユニットが配置される第1のチャンバを有する。この場合、駆動ユニットは、下流側伝達装置及び作動手段を有する電気モータからなることができる。アクチュエータの要件に応じて、レバー、リンク機構、および/または他の作動手段と係合する複数のモータおよび伝達装置ももちろん存在することができる。駆動ユニットを構成する第1のチャンバは、好ましくは、駆動チャンバとして設計することができ、この場合、伝達相手間の摩擦最適化及び騒音最適化された協働を確保するために潤滑剤も使用される。第1のチャンバは、駆動装置の機能に影響を及ぼす可能性があるため、埃および/または湿気の侵入から保護されなければならない。
【0014】
[0014]少なくとも1つの第2のチャンバがアクチュエータ内に提供され、このチャンバ内に作動手段が配置され、作動手段はチャンバの外に移動可能である。しかしながら、第2のチャンバは、たとえば、制御基板または電気的または電子的構成部品を含んでもよく、したがって、このチャンバには、気密性に関して異なる要件が課せられる。しかしながら、第2のチャンバが、たとえば、チャンバの外に移動することができる作動手段を装備している場合、作動運動によってアクチュエータ内に圧力差が発生する可能性がある。作動手段がハウジング内に密封されている場合、作動手段が外に移動するときに発生する真空は、作動手段の機能性を損ない、駆動装置にも影響を及ぼす可能性がある。負圧下でアクチュエータから外に移動される作動手段は、駆動ユニット内でより高いエネルギ要求を生じさせる可能性があり、その結果、駆動ユニット内でより高い温度を生じさせる可能性があり、作動手段の速度が損なわれる可能性があり、負圧は、アクチュエータの気密性に悪影響を及ぼす可能性がある。高い負圧はまた、チャンバおよび/または周囲空気の間の望ましくない空気の交換をもたらす可能性があり、その結果、湿気および/または汚れがチャンバに入る可能性がある。これらの欠点は全て、チャンバ内に異なるレベルの気密性を作り出すことによって防止することができる。従って、本発明によれば、環境との空気の交換を完全に防止する駆動ユニット及び電気的及び/又は電子的構成部品の領域に高レベルの気密性を提供することが考えられ、同時に、ハウジングに出入りすることができる作動手段の領域に意図的に低レベルの気密性を設定し、作動手段チャンバ内に負圧が形成されるのを防止することが考えられる。
【0015】
[0015]この場合、作動手段がハウジング内、特に、ハウジングシェル内で、密封状態で案内されると有利である。作動手段はチャンバの外に案内することができ、ハウジングは作動手段のためのガイドを提供する。さらに、シールを作動手段上に配置することができ、このシールはハウジングと係合し、作動手段が密封された状態で移動することを可能にする。また、ハウジング自体の内部にシールを配置し、このシールを介して作動手段を移動させることも当然考えられる。有利な態様において、2つのシールを作動手段上に配置することもでき、第1の密封手段はハウジング内に配置され、作動手段はシールを通って移動し、第2の密封手段はハウジングに取り付けられ、作動手段と移動可能に係合する。作動手段の移動を可能にする密封手段は、たとえば、ベローズとして設計することができる。
【0016】
[0016]本発明の有利な実施形態を提供することができるように、作動手段に関連付けられたチャンバ、好ましくは第2のチャンバは、駆動ユニットが配置される第1のチャンバよりも低いレベルの気密性を有することができる。作動手段は、ハウジングの外に移動し、従って、密封ベローズと共に、アクチュエータ内の関連付けられたチャンバの容積を増加させる。ここで、作動手段チャンバがより低いレベルの気密性を有するように設計されている場合、作動手段チャンバ内で圧力均等化を行うことができ、作動手段を自由に移動させることができる。さらに、作動手段を移動させるために均一な作動力が必要とされるので、駆動装置を過負荷にすることができない。作動手段自体は、たとえば、プラスチック材料で作ることができるので、気密性の低下による空気循環は、長期間にわたっても作動手段の機能性に大きな影響を与えない。
【0017】
[0017]作動手段に関連付けられたチャンバ、好ましくは第2のチャンバがスピンドル駆動装置を有する場合、本発明の別の有利な変形例を達成することができる。スピンドル駆動装置の利点は、それによって非常に高速で正確な作動動作を実現できることである。特に、スピンドル駆動装置と組み合わされたウォームギアホイール段としての駆動ユニットからなる組合せにおいて、電気駆動装置の高い速度を作動手段の正確で速い動きに変することができる。さらに、スピンドル駆動装置は、たとえば、車両上に移動可能に配置される構成部品を位置決めするために、より大きな作動力を与える可能性も提供する。スピンドル駆動装置はまた、メンテナンスフリーであり、長期間にわたってほとんど摩耗しない。
【0018】
[0018]作動手段に関連付けられたチャンバが開口部、特に排出開口部を有する場合も有利である。レーザ溶接を使用して、ハウジングカバーとハウジングシェルとの間に高レベルの密封性を形成することができる場合、密封性が、機能空間内の開口部によって特に影響を受けることができれば有利である。これは、一次気密性レベルおよび二次気密性レベルとも呼ばれる。この場合、一次気密性レベルは、より高い気密を有することができ、たとえば、電気的または電気技術的構成部品を有することができ、および/または、たとえば、駆動段および/または駆動ユニットを含むことができる。たとえば、第2のチャンバ内に置くことができる二次気密レベルは、作動手段も含むことができ、耐久性および高い機能性を与えるための二次気密レベルを有することができる。有利な態様において、この目的のために、カバーとハウジングシェルとの間の溶接シームを遮断することによって気密を達成することができ、および/または、作動手段チャンバ内で圧力均等化を達成することができるように、ハウジングまたはハウジングカバーに一つ又は複数の開口部を設けることができる。作動手段に割り当てられた第2の密封チャンバの領域におけるハウジングカバーの部分的な溶接は、作動手段の機能性を向上させ、アクチュエータの他の構成部品を保護することができる。
【0019】
[0019]有利な態様において、半透過性要素によって開口部を閉鎖することができる。半透過性要素の配置は、作動手段のチャンバ内への空気交換を可能にするが、湿気がチャンバ内に入るのを防止するために使用することができる。これにより、チャンバ内に湿気を浸透させることなく圧力を均一にすることができる。
【0020】
[0020]上述したように、作動手段又は関連付けられたチャンバを含むハウジングの開口部は、溶接シームの中断によって形成することができる。この場合、一つ又は複数の中断部を溶接シームに設けることができ、その結果、作動手段の要求に応じて、異なるレベルの緊密さを提供または生成することができる。溶接シームの中断に加えて、ハウジングの幾何学的開口部と溶接シームの中断との組み合わせも、異なるレベルの気密性をもたらす可能性がある。
【0021】
[0021]この場合、アクチュエータ内に異なる密封チャンバを形成することは、アクチュエータの機能に大きな影響を及ぼす可能性がある。特に、同じ機能を維持しつつ、アクチュエータの耐久性を確保することができ、同時に負圧の発生による悪影響を排除することができる。
【0022】
[0022]以下、実施例を用いる添付図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本実施形態は本発明を限定するものではなく、単に有利な実施形態であるという原則が適用される。図示された特徴は、個々に、または請求項に記載されたものと同様に、明細書の更なる特徴と組み合わせて、個々にまたは組み合わせて実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、接続ソケットと、ハウジング内に引き込まれた作動手段とを備えたアクチュエータの3次元図を示す。
図2図2は、ハウジングカバーのない図1に示された作動手段の平面図を示し、異なる気密レベルの2つのチャンバを含む。
【発明の詳細な説明】
【0024】
[0024]図1は、後退した作動手段2を有するアクチュエータ1の3次元図である。この実施形態において、ハウジング3は、ハウジングシェル4とハウジングカバー5とから形成されている。アクチュエータ1の設置を容易にするため、更に/又は、ハウジングシェル4上にハウジングカバー5の位置を固定するために、ハウジングカバー5は、ハウジングカバー5の開口部6、7上にネジ込むことにより、更に/又は、クリップ接続8、9によって、ハウジングシェル4上に位置決めされ、保持されることができる。また、ハウジングシェル4には、プラグソケット10が一体的に形成されており、アクチュエータ1を自動車内で電気的に接触させることができる。
【0025】
[0025]図示されたアクチュエータ1は、たとえば、燃料充填フラップのロック、充電ソケットの充電プラグのロック、カバーのロック、自動車上に移動可能に配置された構成部品の位置決めなどに使用することができる。したがって、アクチュエータ1は、自動車内で様々な方法で使用することができ、アクチュエータは、その気密性のために環境の影響を受けて使用するのに適していることが好ましい。
【0026】
[0026]この実施形態において、作動手段2は、ガイドおよび/またはシール要素11によってハウジングシェル4から出て、ハウジングシェル4内に戻るように移動される。図1は、ハウジング3内に移動される作動手段2を示す。なお、ハウジング3をネジ止めするために開口部6,7に挿入されるネジは図示していない。ハウジングカバー5も上昇部を有し、この上昇部の下方にアクチュエータ1の機能構成部品が配置されている。図2は、図1内の矢印1の方向から見たアクチュエータ1の平面図であり、アクチュエータ1はハウジングカバー5なしで示されているので、異なるチャンバ14、15が見える。チャンバ14、15は、ハウジングシェル4の内側の接続ウェブ16によって分離され、形成される。ハウジングシェル4上には、ハウジングカバー5を平坦に置くことができる周縁接触面17が見られる。ハウジングカバー5と接触面とのレーザ溶接を可能にするために、ハウジングカバー5はハウジングシェル4上に隙間なく置かれる。この場合、ハウジングカバーは、接続ウェブ16上だけでなく、接触面17上にも周方向に載置される。
【0027】
[0027]第1の一次チャンバ14内のハウジング3の内側には、モータ19と、モータの出力シャフトに配置されたウォーム20と、ウォームギアホィール21と、再設定手段22とからなる駆動ユニット18が配置されている。
【0028】
[0028]この一次チャンバは、より高いレベルの気密性を提供し、上述の駆動ユニット18を収容する。接続ウェブ16によって形成された第2または二次チャンバ15は、より低い気密性を有するレベルの気密性を有する。作動手段2を作動させるためのスピンドル駆動装置23、24は、一部の領域においてのみ図示されている。追加のガイドおよび/またはシール要素25は、作動手段2の出力側の二次密封チャンバ15内に配置される。駆動力は、好ましくはシール要素を備えて連結ウェブ16に配置されている貫通開口26を介して、駆動ユニット18からスピンドル駆動装置23、24に伝達される。ハウジングシェル4および作動手段2には、作動手段2を作動させるための気密性をさらに確保するために、ベローズ27が配置されている。
【0029】
[0029]ここで、作動手段2をアクチュエータ1のハウジング3から矢印Pの方向に移動させようとすると、プラグソケット10を介して電気モータ19に信号が送られ、その結果、ウォーム駆動装置20、21が作動され、スピンドル駆動装置23、24を用いて作動手段2を矢印Pの方向に移動させることができる。作動手段2が移動すると、同じくベローズ27の容積によって形成される二次密封レベルの容積が変化する。二次チャンバ15がより低いレベルの気密性を有する場合には、均圧化は二次気密レベル15内で行うことができる。気密性を低減するために、たとえば、周辺レーザ溶接部29に中断部28を設けることができ、又はハウジングシェル4に凹部、たとえば、穴30を設けることができる。これは、二次密封チャンバ15の気密性をより低くすることができることを意味する。この凹部は、次に、二次密封チャンバ15のための排出穴30を形成する。作動手段2またはスライド2の運動によって、または中断部28または排出穴30を通して、水分が二次密封チャンバ15に入ることができるので、より低い気密性のために、二次密封レベル15は、いかなる金属製および/または電気構成部品も含まないことが好ましい。
【0030】
[0030]このようにして、アクチュエータ1の気密性を有利な方法で調整することができるので、機能ユニット18、23、24をその要件に適合するように設計することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…アクチュエータ、
2…作動手段、
3…ハウジング、
4…ハウジングシェル、
5…ハウジングカバー、
6,7…開口部、
8,9…クリップ接続部、
10…プラグソケット、
11,25…ガイド及び/又は密封要素、
12,13…上昇部、
14,15…一次密封チャンバ、二次密封チャンバ、
16…接続ウェブ、
17…接触面、
18…駆動ユニット、
19…電気モータ、
20…ウォーム、
21…ウォームギアホィール、
22…再設定手段、
23,24…スピンドル駆動装置、
26…貫通孔、
27…ベローズ、
28…中断部、
29…レーザシーム、
30…排出可能な穴、
P…矢印。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングシェル(4)及び少なくとも1つのハウジングカバー(5)を備えたハウジング(3、4、5)を有するアクチュエータ(1)であって、
ハウジング部品(4、5)が接触領域(17)にわたってレーザ溶接によって互いに接続可能であり、駆動ユニット(18)が配置された第1のチャンバ(14)と、少なくとも1つの第2のチャンバ(15)とを有し、前記ハウジング(3)の内部において溶接可能な接続ウェブ(16)によってチャンバ(14、15)の分離が可能であり、前記接続ウェブ(16)のシールによって前記チャンバ(14、15)間の通路(26)を密封することが可能であり、密封されたチャンバ(14、15)に異なるレベルの気密性を形成することができることを特徴とする、アクチュエータ(1)。
【請求項2】
作動手段(2)は、少なくとも1つのチャンバ(15)の外に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項3】
前記作動手段(2)は、前記ハウジング(3、4、5)内、特に前記ハウジングシェル(4)内で、密封状態で案内されることを特徴とする、請求項2に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項4】
前記作動手段(2)に関連付けられたチャンバ(15)、好ましくは、二次チャンバ(15)は、一次密封チャンバ(14)よりも低い密封レベルを有することを特徴とする、請求項3に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項5】
好ましくは、気密性レベルの低いチャンバ(15)内には、プラスチック材料から作られた構成部品(2,23,24)が配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項6】
前記作動手段に関連付けられたチャンバ(15)、好ましくは、前記二次密封チャンバ(15)は、スピンドル駆動装置(23、24)を有することを特徴とする、請求項に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項7】
前記作動手段(2)に関連付けられた前記二次密封チャンバ(15)、好ましくは、前記二次密封チャンバ(15)は、凹部(30)を有することを特徴とする、請求項に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項8】
前記凹部(30)は、半透過性の要素によって閉鎖可能であることを特徴とする、請求項7に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項9】
前記駆動ユニット(18)は、ウォームギア(23,24)を有することを特徴とする、請求項に記載のアクチュエータ(1)。
【請求項10】
前記気密性は、溶接シーム(29)の中断(28)によって確立できることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のアクチュエータ(1)。
【国際調査報告】