(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】二酸化炭素の回収
(51)【国際特許分類】
B01D 53/18 20060101AFI20241219BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20241219BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20241219BHJP
【FI】
B01D53/18 130
B01D53/14 200
C01B32/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534087
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022052175
(87)【国際公開番号】W WO2023107578
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518273633
【氏名又は名称】カーボン・エンジニアリング・ユーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・マイケル・レパスキー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・エドワード・オルムステッド
(72)【発明者】
【氏名】メーガン・リン・オブライエン
(72)【発明者】
【氏名】テレサ・ジュリエット・ペナ・バスティダス
(72)【発明者】
【氏名】トッド・アーネスト・ウィルク
【テーマコード(参考)】
4D020
4G146
【Fターム(参考)】
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA08
4D020BA11
4D020BA12
4D020BA16
4D020BA19
4D020BA30
4D020BB03
4D020BB04
4D020BC01
4D020BC03
4D020CB17
4D020CC01
4D020CC14
4D020CC17
4D020DA01
4D020DA02
4D020DA03
4D020DB03
4D020DB06
4D020DB07
4D020DB08
4D020DB12
4D020DB20
4G146JA02
4G146JC29
4G146JC36
4G146JC37
(57)【要約】
希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO2)を回収するための穿孔付きパッキンは、少なくとも1つの穿孔付き構造及び供給構造を含む。少なくとも1つの穿孔付き構造は、本体の内部容積及び希薄なガス混合物に曝露される外部表面を形成する少なくとも1つの壁を含む本体と、内部容積と外部表面との間に少なくとも1つの壁を通じて延びる複数の穿孔とを含む。供給構造は、本体に流体的に結合され、複数の穿孔を通り外部表面に沿って、CO2回収溶液を本体の内部容積に流し、外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能であり、CO2回収溶液の液膜は希薄なガス混合物からCO2を吸収するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO
2)を回収するための穿孔付きパッキンであって、
前記穿孔付きパッキンが、少なくとも1つの穿孔付き構造と供給構造とを備えており、
少なくとも1つの前記穿孔付き構造が、
本体であって、前記本体の内部容積を形成する少なくとも1つの壁と前記希薄なガス混合物に曝露される外部表面とを具備する前記本体と、
前記内部容積と前記外部表面との間において少なくとも1つの前記壁を通じて延在している複数の穿孔と、
を備えており、
前記供給構造が、前記本体に流体的に結合されており、前記外部表面の少なくとも一部に沿ってCO
2回収溶液の液膜を形成するために、複数の前記穿孔を通じて前記外部表面に沿って前記CO
2回収溶液を前記本体の前記内部容積に流すように構成されており、前記CO
2回収溶液の前記液膜が、前記希薄なガス混合物からCO
2を吸収するように構成されている、穿孔付きパッキン。
【請求項2】
前記供給構造が、前記本体に流体的に結合される供給導管内部容積を形成する少なくとも1つの供給導管を備える、請求項1に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項3】
少なくとも1つの前記供給導管が少なくとも1つの導管開口を備え、前記供給導管内部容積が、少なくとも1つの前記導管開口によって前記本体の前記内部容積に流体的に結合される、請求項2に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項4】
前記本体が長手軸に沿って延び、少なくとも1つの前記供給導管が前記長手軸に直交する供給導管軸に沿って延びる、請求項2又は3に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項5】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造が複数の穿孔付き構造を備え、
複数の前記穿孔付き構造の各穿孔付き構造の本体が、前記供給導管内部容積に流体的に結合される流入口を有し、複数の前記穿孔付き構造の前記流入口が、前記供給導管軸に平行な方向において離隔されている、請求項4に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項6】
複数の前記穿孔付き構造それぞれの複数の前記穿孔が、前記穿孔付き構造それぞれの前記流入口の下に配設される、請求項5に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項7】
少なくとも1つの前記供給導管が水平の向きを有し、少なくとも1つの前記供給導管が、少なくとも1つの前記供給導管の少なくとも下部を通じて延びる複数の供給導管穿孔を備える、請求項2から6のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項8】
少なくとも1つの前記供給導管が水平の向きを有し、少なくとも1つの前記穿孔付き構造が、少なくとも1つの前記供給導管から下に鉛直に延びる、請求項2から6のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項9】
少なくとも1つの前記供給導管が垂直な向きを有し、少なくとも1つの前記穿孔付き構造が、少なくとも1つの前記供給導管から水平に延びる、請求項2に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項10】
複数の前記穿孔の隣接する穿孔間の距離が、複数の前記穿孔の各々の直径の2倍より大きく、複数の前記穿孔の各々の直径の10倍より小さい、請求項1から9のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項11】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造が、平行ではない角度で前記供給構造に結合される、請求項1に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項12】
複数の前記穿孔が、少なくとも1つの前記壁の長さ全体に沿って配設される、請求項1から11のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項13】
複数の前記穿孔の各穿孔の最大の寸法が1.5mm未満である、請求項1から12のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項14】
複数の前記穿孔の少なくともいくつかが、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円を備える形状を形成するように少なくとも1つの前記壁に配置される、請求項1から13のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項15】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造が複数の穿孔付き構造を含み、複数の前記穿孔付き構造が、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置の少なくとも1つである配置を形成する、請求項1に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項16】
前記本体が長手軸に沿って延び、
前記長手軸に垂直な平面において定義される前記本体の断面形状が丸まっている、請求項1に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項17】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造が、管、平皿、球、又は塊の少なくとも1つを備える、請求項1に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項18】
少なくとも1つの前記壁の前記外部表面が、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを備える複数の構造によって形成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項19】
少なくとも1つの前記壁の前記外部表面が親水性表面を備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項20】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造が、複数の穿孔付き構造の各本体間に前記希薄なガス混合物のための複数の流れ間隙を形成するために互いに離隔されている複数の前記穿孔付き構造を含む、請求項1に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項21】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造の前記本体が剛直である、請求項1から20のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項22】
少なくとも1つの前記穿孔付き構造の前記本体に弾性がある、請求項1から20のいずれか一項に記載の穿孔付きパッキン。
【請求項23】
周辺空気から二酸化炭素(CO
2)を回収するための気液接触器であって、
前記気液接触器が、
少なくとも1つの流入口と、
少なくとも1つの前記流入口から離隔されている少なくとも1つの排出口と、
少なくとも1つの前記流入口と少なくとも1つの前記排出口との間に配設されている少なくとも1つの穿孔付きパッキンであって、少なくとも1つの前記穿孔付きパッキンが、互いから離隔されている複数の穿孔付き構造を備えており、複数の前記穿孔付き構造の前記穿孔付き構造それぞれが、
内部容積及び外部表面を形成している少なくとも1つの壁と、
少なくとも1つの前記壁を通じて延在している複数の穿孔と、
を具備する少なくとも1つの前記穿孔付きパッキンと、
少なくとも1つの前記穿孔付きパッキンの下方に少なくとも部分的に配置されている下部水盤を含む1つ又は複数の水盤であって、CO
2回収溶液を保持するように構成されている1つ又は複数の前記水盤と、
(1)少なくとも1つの前記流入口から少なくとも1つの前記排出口への流れ方向に、及び(2)複数の前記穿孔付き構造の各々の前記外部表面に沿って、前記周辺空気を流すように構成されているファンと、
複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの穿孔付き構造に流体的に結合されている液体分配システムであって、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面の少なくとも一部に沿って前記CO
2回収溶液の液膜を形成するために、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の前記穿孔を通じて、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面に沿って、前記CO
2回収溶液を複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記内部容積に流すように構成されており、前記CO
2回収溶液の前記液膜が、前記周辺空気からCO
2を吸収するように構成されている、前記液体分配システムと、
を備えている気液接触器。
【請求項24】
各穿孔付き構造が、前記周辺空気の前記流れ方向に直交する長手軸に沿って延びる、請求項23に記載の気液接触器。
【請求項25】
前記周辺空気に少なくとも部分的に曝露され、少なくとも1つの前記流入口と少なくとも1つの前記排出口との間に配設される内部を形成する、ハウジングをさらに備え、複数の前記穿孔付き構造が、前記内部において離隔されており、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置のうち少なくとも1つの配置である穿孔付き構造の配置を形成する、請求項23又は24に記載の気液接触器。
【請求項26】
穿孔付き構造の前記配置が、前記流れ方向に平行な方向において離隔されている穿孔付き構造の複数の列を含む、請求項25に記載の気液接触器。
【請求項27】
穿孔付き構造の前記配置が、前記流れ方向に平行な方向において測定される深さを有し、前記深さが2メートルと10メートルの間である、請求項25に記載の気液接触器。
【請求項28】
希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO
2)を回収するための方法であって、
複数の穿孔付き構造の間において、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、前記希薄なガス混合物を流すステップと、
複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔を通じて、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面に沿って、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記穿孔付き構造の内部においてCO
2回収溶液を流すことによって、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面の少なくとも一部に沿って前記CO
2回収溶液の液膜を形成すると共に、前記希薄なガス混合物から前記CO
2回収溶液の前記液膜へと前記CO
2を吸収するステップと、
を備えている方法。
【請求項29】
供給構造を通じて第1の方向に沿って前記CO
2回収溶液を流すステップをさらに備え、
複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の中で前記CO
2回収溶液を流すステップが、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の中で前記CO
2回収溶液を流すステップを備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の方向に沿って複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の中で前記CO
2回収溶液を流すステップが、前記CO
2回収溶液を下に流すステップを備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の方向に沿って複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの中で前記CO
2回収溶液を流すステップが、前記CO
2回収溶液を水平に流すステップを備える、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記希薄なガス混合物を流すステップが、流れ方向に沿って前記希薄なガス混合物を流すステップを備え、
複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の中で前記CO
2回収溶液を流すステップが、前記流れ方向に直交する液体方向に沿って複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の中で前記CO
2回収溶液を流すステップを備える、請求項28から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記穿孔が、前記穿孔付き構造それぞれの長さ全体に沿って配設される、請求項28から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面が、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを備える、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面に沿って前記CO
2回収溶液を流すステップが、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの親水性の前記外部表面に沿って前記CO
2回収溶液を流すステップを備える、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
複数の前記穿孔付き構造が、1つ又は複数の弾性のある穿孔付き構造を備える、請求項28から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の中で前記CO
2回収溶液を流すステップが、前記CO
2回収溶液で複数の前記穿孔付き構造のうち少なくとも1つの前記穿孔付き構造の全体を満たすステップを備える、請求項28から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記CO
2回収溶液を流すステップが、基準温度における水の密度より大きい密度を前記基準温度において有する前記CO
2回収溶液を流すステップを備える、請求項28から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記CO
2回収溶液を流すステップが、0.5L/m
2sより大きく10L/m
2sより小さい液体充填速度で前記CO
2回収溶液を流すステップを備える、請求項28から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
周辺空気から二酸化炭素(CO
2)を回収するための直接空気回収(DAC)システムであって、
少なくとも1つの流入口及び少なくとも1つの排出口を備える、内部を形成するハウジングと、
少なくとも1つの前記流入口と少なくとも1つの前記排出口との間で、前記ハウジングにおいて配設される少なくとも1つの穿孔付きパッキンであって、少なくとも1つの前記穿孔付きパッキンが、離隔されている複数の穿孔付き構造を備え、複数の前記穿孔付き構造の各穿孔付き構造が、
内部容積及び外部表面を形成する少なくとも1つの壁と、
少なくとも1つの前記壁を通じて延びる複数の穿孔と
を備える、少なくとも1つの穿孔付きパッキンと、
少なくとも1つの前記穿孔付きパッキンの少なくとも部分的に下に配置される下部水盤を含む1つ又は複数の水盤であって、CO
2回収溶液を保持するように構成される、1つ又は複数の水盤と、
(1)少なくとも1つの前記流入口から少なくとも1つの前記排出口への流れ方向に、(2)複数の前記穿孔付き構造の各々の前記外部表面に沿って、前記周辺空気を循環させるように動作可能なファンと、
複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合され、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の前記穿孔を通じて、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面に沿って、前記CO
2回収溶液を複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記内部容積に流し、複数の前記穿孔付き構造の少なくとも1つの前記外部表面の少なくとも一部に沿って前記CO
2回収溶液の液膜を形成するように動作可能であり、前記CO
2回収溶液の前記液膜が前記周辺空気からCO
2を吸収するように構成される、液体分配システムと
を備える、空気接触器と、
前記空気接触器から前記CO
2回収溶液を受け取るように前記液体分配システムと流体的に連絡している再生システムであって、前記CO
2回収溶液を再生し、前記空気接触器に返すべきCO
2リーン液体を形成するように構成される、再生システムとを備える、DACシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素を回収するためのシステム、装置、及び方法を説明する。
【背景技術】
【0002】
大気からの二酸化炭素(CO2)の回収は、温室効果ガスの排出を軽減して気候変動を遅らせる1つの手法である。しかしながら、CO2回収のために設計された多くの技術は、産業設備の煙道ガスなどの点排出源から回収を行い、大気からCO2を回収するには、CO2濃度がはるかに低く大量の大気を処理する必要があるため、一般に効果的ではない。近年、大気から直接CO2を回収するのにより適した技術を見つけることについての進展が見られている。これらの直接空気回収(DAC)システムの一部は、活性剤が基質に付着しているような固体吸着剤を使用する。これらのDACシステムは通常、周期的な吸収-脱着過程を利用し、この過程において、固体吸着剤がCO2で飽和した後、固体吸着剤は湿度スイング又は温度スイングを使用してCO2を放出し、再生される。
【0003】
他のDACシステムは、液体吸着剤(溶媒と呼ばれることがある)を使用して大気からCO2を回収する。そのようなDACシステムの例は、液体吸着剤を含む溶液で濡れた高表面積パッキンを通るように空気を引き込むためにファンが使用されるようなシステムである。空気中のCO2は液体吸着剤と反応し、CO2リッチ溶液を生成する。リーン溶液を再生し、濃縮された炭素ストリーム、たとえばCO、CO2、又は他の炭素産物として放出するために、このリッチ溶液は処理される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある例示的な実装形態では、希薄なガス混合物から二酸化炭素を回収するためのシステムは、内部容積、外部表面、及び複数の穿孔を各々含む1つ又は複数の穿孔付き構造と、1つ又は複数の穿孔付き構造に流体的に結合される少なくとも1つの供給構造とを含む。少なくとも1つの供給構造は、第1の流体を1つ又は複数の穿孔付き構造の内部容積へと流すように動作可能であり、1つ又は複数の穿孔付き構造の複数の穿孔は、第1の流体を流すように動作可能である。
【0005】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、平行ではない角度で少なくとも1つの供給構造に結合される。
【0006】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、垂直な角度で少なくとも1つの供給構造に結合される。
【0007】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、第1の流体は、1つ又は複数の穿孔付き構造の第1の穿孔付き構造から第2の穿孔付き構造に流れるように動作可能である。
【0008】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の少なくとも1つの穿孔は、直径1.5mm未満の大きさである。
【0009】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の第1の穿孔は、複数の穿孔の第2の穿孔から少なくとも0.5mm離れている。
【0010】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔のサブセットは、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円を含む形状の少なくとも一部を外部表面に形成するように配置される。
【0011】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円の少なくとも1つである配置で離隔されている。
【0012】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、管、平皿、球、又は塊の少なくとも1つを含む。
【0013】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、多孔質材料を含む。
【0014】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを含む複数の微小構造を含む。
【0015】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、1つ又は複数の穿孔付き構造の少なくとも部分的に下に配置される水盤を含む。
【0016】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、第1の流体を第2の流体と接触させてCO2リーンガスを産生するように動作可能である。
【0017】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、第1の流体はCO2回収溶液を含み、第2の流体はCO2含有ガスを含む。
【0018】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔は、CO2回収溶液を1つ又は複数の穿孔付き構造の内部容積から外部表面に流すように動作可能である。
【0019】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、CO2回収溶液は、1つ又は複数の穿孔付き構造の外部表面に液膜を形成する。
【0020】
別の例示的な実装形態では、希薄なガス混合物から二酸化炭素を回収するための方法は、1つ又は複数の穿孔付き構造に流体的に結合される少なくとも1つの供給構造を通じて第1の流体を流すステップであって、1つ又は複数の穿孔付き構造の各々が、内部容積、外部表面、及び複数の穿孔を含む、ステップと、第1の流体を少なくとも1つの供給構造から1つ又は複数の穿孔付き構造の内部容積へと流すステップと、1つ又は複数の穿孔付き構造の複数の穿孔を通じて第1の流体を1つ又は複数の穿孔付き構造の内部容積から流すステップとを含む。
【0021】
例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、平行ではない角度で少なくとも1つの供給構造に結合される。
【0022】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、垂直な角度で少なくとも1つの供給構造に結合される。
【0023】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、第1の流体を1つ又は複数の穿孔付き構造の第1の穿孔付き構造から第2の穿孔付き構造に流すステップを含む。
【0024】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の少なくとも1つの穿孔は、直径1.5mm未満の大きさである。
【0025】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の第1の穿孔は、複数の穿孔の第2の穿孔から少なくとも0.5mm離れている。
【0026】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔のサブセットは、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円を含む形状の少なくとも一部を外部表面に形成するように配置される。
【0027】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円の少なくとも1つである配置で離隔されている。
【0028】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、管、平皿、球、又は塊の少なくとも1つを含む。
【0029】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、多孔質材料を含む。
【0030】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、1つ又は複数の穿孔付き構造は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを含む複数の微小構造を含む。
【0031】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、1つ又は複数の穿孔付き構造の少なくとも部分的に下に配置される水盤の中の第1の流体の一部を捕捉するステップを含む。
【0032】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、1つ又は複数の穿孔付き構造を介して、第2の流体と接触するように第1の流体を流してCO2リーンガスを産生するステップを含む。
【0033】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、第1の流体はCO2回収溶液を含み、第2の流体はCO2含有ガスを含む。
【0034】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、CO2回収溶液を1つ又は複数の穿孔付き構造の内部容積から外部表面に流すステップを含む。
【0035】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、CO2回収溶液は、1つ又は複数の穿孔付き構造の外部表面に液膜を形成する。
【0036】
別の例示的な実装形態では、希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO2)を回収するための穿孔付きパッキンは、少なくとも1つの穿孔付き構造及び供給構造を含む。少なくとも1つの穿孔付き構造は、本体の内部容積を形成する少なくとも1つの壁と希薄なガス混合物に曝露される外部表面とを含む本体と、内部容積と外部表面との間で少なくとも1つの壁を通じて延びる複数の穿孔とを含む。供給構造は、本体に流体的に結合され、複数の穿孔を通り外部表面に沿って、CO2回収溶液を本体の内部容積に流して、外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能であり、CO2回収溶液の液膜は希薄なガス混合物からCO2を吸収するように構成される。
【0037】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、供給構造は、本体に流体的に結合される供給導管内部容積を形成する少なくとも1つの供給導管を含む。
【0038】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管は、少なくとも1つの導管開口を含み、供給導管内部容積は、少なくとも1つの導管開口によって本体の内部容積に流体的に結合される。
【0039】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、本体は長手軸に沿って延び、少なくとも1つの供給導管は長手軸と直交する供給導管軸に沿って延びる。
【0040】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造は複数の穿孔付き構造を含み、複数の穿孔付き構造の各穿孔付き構造の本体は、供給導管内部容積に流体的に結合される流入口を有し、複数の穿孔付き構造の流入口は、供給導管軸に平行な方向において離隔されている。
【0041】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の各々の複数の穿孔は、それぞれの穿孔付き構造の流入口の下に配設される。
【0042】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは水平であり、少なくとも1つの供給導管は、少なくとも1つの供給導管の少なくとも下部を通じて延びる複数の供給導管穿孔を含む。
【0043】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは水平であり、少なくとも1つの穿孔付き構造は、少なくとも1つの供給導管から鉛直に下に延びる。
【0044】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは鉛直であり、少なくとも1つの穿孔付き構造は、少なくとも1つの供給導管から水平に延びる。
【0045】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の隣接する穿孔間の距離は、複数の穿孔の各々の直径の2倍より大きく、複数の穿孔の各々の直径の10倍より小さい。
【0046】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造は、平行ではない角度で供給構造に結合される。
【0047】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔は、少なくとも1つの壁の長さ全体に沿って配設される。
【0048】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の各穿孔の最大の寸法は1.5mm未満である。
【0049】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔の少なくともいくつかは、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円を含む形状を形成するように少なくとも1つの壁に配置される。
【0050】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造は複数の穿孔付き構造を含み、複数の穿孔付き構造は、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置の少なくとも1つである配置を形成する。
【0051】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、本体は長手軸に沿って延び、長手軸に垂直な平面において形成される本体の断面形状は丸まっている。
【0052】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造は、管、平皿、球、又は塊の少なくとも1つを含む。
【0053】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの壁の外部表面は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを含む複数の構造によって形成される。
【0054】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの壁の外部表面は親水性表面を含む。
【0055】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造は、複数の穿孔付き構造の各々の本体と本体の間に希薄なガス混合物のための複数の流れ間隙を形成するように互いに離隔されている複数の穿孔付き構造を含む。
【0056】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造の本体は剛直である。
【0057】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの穿孔付き構造の本体は弾性がある。
【0058】
別の例示的な実装形態では、周辺空気から二酸化炭素(CO2)を回収するための気液接触器は、少なくとも1つの流入口、少なくとも1つの流入口から離隔されている少なくとも1つの排出口、少なくとも1つの流入口と少なくとも1つの排出口との間に配設される少なくとも1つの穿孔付きパッキン、CO2回収溶液を保持するように構成される1つ又は複数の水盤、ファン、及び液体分配システムを含む。少なくとも1つの穿孔付きパッキンは、互いに離隔されている複数の穿孔付き構造を含む。複数の穿孔付き構造の各穿孔付き構造は、内部容積及び外部表面を形成する少なくとも1つの壁と、少なくとも1つの壁を通じて延びる複数の穿孔とを含む。1つ又は複数の水盤は、少なくとも1つの穿孔付きパッキンの少なくとも部分的に下に配置される下部水盤を含む。ファンは、(1)少なくとも1つの流入口から少なくとも1つの排出口への流れ方向に、(2)複数の穿孔付き構造の各々の外部表面に沿って、周辺空気を流すように動作可能である。液体分配システムは、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合され、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔を通じて、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの内部容積へとCO2回収溶液を流し、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能である。CO2回収溶液の液膜は、周辺空気からCO2を吸収するように構成される。
【0059】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、各穿孔付き構造は、周辺空気の流れ方向と直交する長手軸に沿って延びる。
【0060】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、周辺空気に少なくとも部分的に曝露され少なくとも1つの流入口と少なくとも1つの排出口との間に配設される内部を形成するハウジングを含み、複数の穿孔付き構造は、内部の中で離隔され、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置の少なくとも1つである穿孔付き構造の配置を形成する。
【0061】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、穿孔付き構造の配置は、流れ方向に平行な方向において離隔されている穿孔付き構造の複数の列を含む。
【0062】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、穿孔付き構造の配置は、流れ方向に平行な方向において測定される深さを有し、深さは2メートルと10メートルの間である。
【0063】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、穿孔付きパッキンは、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合され、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔を通じて、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの内部容積へとCO2回収溶液を流し、外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能である、供給構造を含む。
【0064】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、供給構造は、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合される供給導管内部容積を形成する少なくとも1つの供給導管を含む。
【0065】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管は、少なくとも1つの導管開口を含み、供給導管内部容積は、少なくとも1つの導管開口によって複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの内部容積に流体的に結合される。
【0066】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、本体は長手軸に沿って延び、少なくとも1つの供給導管は長手軸と直交する供給導管軸に沿って延びる。
【0067】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の各穿孔付き構造の本体は、供給導管内部容積に流体的に結合される流入口を有し、複数の穿孔付き構造の流入口は、供給導管軸に平行な方向において離隔されている。
【0068】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の各々の複数の穿孔は、それぞれの穿孔付き構造の流入口の下に配設される。
【0069】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは水平であり、少なくとも1つの供給導管は、少なくとも1つの供給導管の少なくとも下部を通じて延びる複数の供給導管穿孔を含む。
【0070】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは水平であり、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔付き構造は、少なくとも1つの供給導管から鉛直に下に延びる。
【0071】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは鉛直であり、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔付き構造は、少なくとも1つの供給導管から水平に延びる。
【0072】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔の隣接する穿孔間の距離は、複数の穿孔の各々の直径の2倍より大きく、複数の穿孔の各々の直径の10倍より小さい。
【0073】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つは、平行ではない角度で供給構造に結合される。
【0074】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔は、少なくとも1つの壁の長さ全体に沿って配設される。
【0075】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔の各穿孔の最大の寸法は1.5mm未満である。
【0076】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔の少なくともいくつかは、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円を含む形状を形成するようにそれぞれの穿孔付き構造の少なくとも1つの壁に配置される。
【0077】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造は、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置の少なくとも1つである配置を形成する。
【0078】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの本体は長手軸に沿って延び、長手軸に垂直な平面において形成される本体の断面形状は丸まっている。
【0079】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つは、管、平皿、球、又は塊の少なくとも1つを含む。
【0080】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの少なくとも1つの壁の外部表面は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを含む複数の構造によって形成される。
【0081】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの少なくとも1つの壁の外部表面は親水性表面を含む。
【0082】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造は、複数の穿孔付き構造の各々の本体と本体の間に希薄なガス混合物のための複数の流れ間隙を形成するように互いに離隔されている。
【0083】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの本体は剛直である。
【0084】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの本体は弾性がある。
【0085】
別の例示的な実装形態では、希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO2)を回収するための方法は、複数の穿孔付き構造の間に、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、希薄なガス混合物を流すステップと、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔を通じて、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流し、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成し、希薄なガス混合物からCO2回収溶液の液膜へとCO2を吸収するステップとを含む。
【0086】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様はさらに、供給構造を通じて第1の方向に沿ってCO2回収溶液を流すステップを含み、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップは、第1の方向に直交する第2の方向に沿って複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップを含む。
【0087】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、第2の方向に沿って複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップは、CO2回収溶液を下に流すステップを含む。
【0088】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、第2の方向に沿って複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップは、CO2回収溶液を水平に流すステップを含む。
【0089】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、希薄なガス混合物を流すステップは、流れ方向に沿って希薄なガス混合物を流すステップを含み、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップは、流れ方向に直交する液体の方向に沿って、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップを含む。
【0090】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔は、それぞれの穿孔付き構造の長さ全体に沿って配設される。
【0091】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを含む。
【0092】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿ってCO2回収溶液を流すステップは、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの親水性外部表面に沿ってCO2回収溶液を流すステップを含む。
【0093】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造は、1つ又は複数の弾性のある穿孔付き構造を含む。
【0094】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの中にCO2回収溶液を流すステップは、CO2回収溶液で複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの全体を満たすステップを含む。
【0095】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、CO2回収溶液を流すステップは、基準温度における水の密度より高い密度を基準温度において有するCO2回収溶液を流すステップを含む。
【0096】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、CO2回収溶液を流すステップは、0.5L/m2sより高く10L/m2sより低い液体充填率でCO2回収溶液を流すステップを含む。
【0097】
別の例示的な実装形態では、周辺空気から二酸化炭素(CO2)を回収するための直接空気回収(DAC)システムは、空気接触器及び再生システムを含む。空気接触器は、ハウジング、少なくとも1つの穿孔付きパッキン、CO2回収溶液を保持するように構成される1つ又は複数の水盤、ファン、及び液体分配システムを含む。ハウジングは内部を形成し、少なくとも1つの流入口及び少なくとも1つの排出口を含む。少なくとも1つの穿孔付きパッキンは、少なくとも1つの流入口と少なくとも1つの排出口との間にハウジングの中で配設され、少なくとも1つの穿孔付きパッキンは、離隔されている複数の穿孔付き構造を含む。複数の穿孔付き構造の各穿孔付き構造は、内部容積及び外部表面を形成する少なくとも1つの壁と、少なくとも1つの壁を通じて延びる複数の穿孔とを含む。1つ又は複数の水盤は、少なくとも1つの穿孔付きパッキンの少なくとも部分的に下に配置される下部水盤を含む。ファンは、(1)少なくとも1つの流入口から少なくとも1つの排出口への流れ方向に、(2)複数の穿孔付き構造の各々の外部表面に沿って、周辺空気を循環させるように動作可能である。液体分配システムは、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合され、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔を通じて、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの内部容積へとCO2回収溶液を流し、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能であり、CO2回収溶液の液膜は、周辺空気からCO2を吸収するように構成される。再生システムは、空気接触器からCO2回収溶液を受け取るために液体分配システムと流体的に連絡しており、再生システムは、CO2回収溶液を再生し、空気接触器に返すべきCO2リーン溶液を形成するように構成される。
【0098】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、各穿孔付き構造は、周辺空気の流れ方向と直交する長手軸に沿って延びる。
【0099】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様はさらに、周辺空気に少なくとも部分的に曝露され少なくとも1つの流入口と少なくとも1つの排出口との間に配設される内部を形成するハウジングを含み、複数の穿孔付き構造は、内部の中で離隔され、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置の少なくとも1つである穿孔付き構造の配置を形成する。
【0100】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、穿孔付き構造の配置は、流れ方向に平行な方向に離隔されている穿孔付き構造の複数の列を含む。
【0101】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、穿孔付き構造の配置は、流れ方向に平行な方向において測定される深さを有し、深さは2メートルと10メートルの間である。
【0102】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、穿孔付きパッキンは、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合され、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔を通じて、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの外部表面に沿って、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの内部容積へとCO2回収溶液を流し、外部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能である、供給構造を含む。
【0103】
この例示的な実装形態と組み合わせることができるある態様では、供給構造は、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つに流体的に結合される供給導管内部容積を形成する少なくとも1つの供給導管を含む。
【0104】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管は、少なくとも1つの導管開口を含み、供給導管内部容積は、少なくとも1つの導管開口によって複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの内部容積に流体的に結合される。
【0105】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、本体は長手軸に沿って延び、少なくとも1つの供給導管は長手軸と直交する供給導管軸に沿って延びる。
【0106】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の各穿孔付き構造の本体は、供給導管内部容積に流体的に結合される流入口を有し、複数の穿孔付き構造の流入口は、供給導管軸に平行な方向において離隔されている。
【0107】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の各々の複数の穿孔は、それぞれの穿孔付き構造の流入口の下に配設される。
【0108】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは水平であり、少なくとも1つの供給導管は、少なくとも1つの供給導管の少なくとも下部を通じて延びる複数の供給導管穿孔を含む。
【0109】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは水平であり、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔付き構造は、少なくとも1つの供給導管から鉛直に下に延びる。
【0110】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、少なくとも1つの供給導管の向きは鉛直であり、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの穿孔付き構造は、少なくとも1つの供給導管から水平に延びる。
【0111】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔の隣接する穿孔間の距離は、複数の穿孔の各々の直径の2倍より大きく、複数の穿孔の各々の直径の10倍より小さい。
【0112】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つは、平行ではない角度で供給構造に結合される。
【0113】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔は、少なくとも1つの壁の長さ全体に沿って配設される。
【0114】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔の各穿孔の最大の寸法は1.5mm未満である。
【0115】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの複数の穿孔の少なくともいくつかは、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円を含む形状を形成するようにそれぞれの穿孔付き構造の少なくとも1つの壁に配置される。
【0116】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造は、六角形の配置、正方形の配置、長方形の配置、三角形の配置、又は円形の配置の少なくとも1つである配置を形成する。
【0117】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの本体は長手軸に沿って延び、長手軸に垂直な平面において形成される本体の断面形状は丸まっている。
【0118】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つは、管、平皿、球、又は塊の少なくとも1つを含む。
【0119】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの少なくとも1つの壁の外部表面は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維の少なくとも1つを含む複数の構造によって形成される。
【0120】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの少なくとも1つの壁の外部表面は親水性表面を含む。
【0121】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造は、複数の穿孔付き構造の各々の本体と本体の間に希薄なガス混合物のための複数の流れ間隙を形成するために互いに離隔されている。
【0122】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの本体は剛直である。
【0123】
上記の態様のいずれかと組み合わせることができる別の態様では、複数の穿孔付き構造の少なくとも1つの本体は弾性がある。
【0124】
ある例示的な実装形態では、希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO2)を回収するための穿孔付きパッキンは、本体の内部容積を形成する少なくとも1つの壁を有する本体を含む少なくとも1つの穿孔付き構造であって、少なくとも1つの壁が内部表面及び外部表面を形成する、少なくとも1つの穿孔付き構造と、内部表面と外部表面との間の少なくとも1つの壁を通じて延びる複数の穿孔と、本体に流体可能に結合され、複数の穿孔を通じてCO2回収溶液を流して内部表面の少なくとも一部に沿ってCO2回収溶液の液膜を形成するように動作可能である、供給構造とを含み、CO2回収溶液の液膜は、希薄なガス混合物からCO2を吸収するように構成される。
【0125】
本開示による二酸化炭素を回収するためのシステム及び方法の実装形態は、以下の特徴の1つ、いくつか、又はすべてを含み得る。たとえば、本発明において説明される特徴を用いたパッキンは、商用のDAC適用例に対して特別に設計されるので、CO2取り込み性能を大きく犠牲にすることなく、空気の量、パッキンの深さ、液体の流れ、及び空気接触器の設置面積の少なくとも1つを低減することができる。良い性能を反映するDACパッキンの設計基準には、低静圧設計、充填高さ全体で均等に液体を分配できること、低汚損能力、空気接触の効率の向上、より低い材料要件、より大きい梱包サイズによる効率上の効果、及び製造可能性がある。
【0126】
本開示において説明される主題の1つ又は複数の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【
図4】本開示の気液接触器のための穿孔付きパッキンの例示的な特徴を示す図である。
【
図5】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図6】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図7】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図8】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図9】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図10】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図11】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図12】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図13】本開示の気液接触器のための例示的な穿孔付きパッキンを示す図である。
【
図14A】本開示の気液接触器のための穿孔付きパッキンの例示的な特徴を示す図である。
【
図14B】液体と表面との接触角を示す概略図である。
【
図14C】液体と表面との見かけの接触角及び実際の接触角を示す概略図である。
【
図15】本明細書で開示される気液接触器を有する直接空気回収システムの概略図である。
【
図16】希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO
2)を回収するための方法の概略的な流れ図である。
【
図17】本開示の気液接触器のための制御システム(又はコントローラ)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0128】
図1を参照すると、本開示は、大気(すなわち、周辺空気又は大気中の空気)から、又は希薄な濃度のCO
2を含む別の流体源から、気液接触器100を用いて二酸化炭素(CO
2)を回収するためのシステム及び方法を説明する。大気中のCO
2濃度は希薄であり、現在は400~420 parts per million(「ppm」)又は約0.04~0.042% v/vの範囲にあり、1% v/v未満である。CO
2のこれらの大気濃度は、煙道ガスなどの点排出源におけるCO
2濃度より少なくとも1桁低く、点排出源は、排出源に応じて5~15% v/vの範囲の濃度のCO
2を有し得る。いくつかの実装形態では、気液接触器100は、CO
2含有空気101の流れとして周辺空気を取り込み、その中に存在するCO
2を吸収を介してCO
2回収溶液114(たとえば、CO
2吸着剤)に移すためにCO
2含有空気101を処理することによって、周辺空気に存在する希薄なCO
2を回収するように動作させられる。CO
2含有空気101の中のCO
2の一部又はすべてが取り除かれ、処理されたCO
2含有空気101は次いで、CO
2リーンガス105(又は低CO
2空気)の流れとして気液接触器100によって排出される。この方式で大気を処理するように動作する際、気液接触器100は、大気からCO
2回収溶液114へのCO
2の吸収を促進するので、「空気接触器」と本明細書では呼ばれることがある。主に水と大気の間で熱を移動させるように機能する水冷式冷却塔とは対照的に、気液接触器100は主に、大気からCO
2回収溶液114へのCO
2の物質移動を達成するように機能する。このように動作する際、気液接触器100は、
図15に関して以下でより詳しく説明される、直接空気回収(DAC)システム1200の一部として使用され得る。
【0129】
いくつかの実装形態では、
図1を参照すると、CO
2回収溶液114は苛性溶液である。いくつかの実装形態では、CO
2回収溶液114のpHは10以上である。いくつかの実装形態では、CO
2回収溶液114のpHは約14である。CO
2回収溶液114の限定しない例には、アルカリ性水溶液(たとえば、KOH、NaOH、又はこれらの組合せ)、アミノ酸塩水溶液、アミンの非水溶液、炭酸及び/又は重炭酸溶液、フェノキシド/フェノール塩、イオン液、非水溶媒、又はこれらの組合せがある。いくつかの場合、CO
2回収溶液114は、CO
2の取り込みを速くする促進剤及び/又は添加剤を含み得る。促進剤の限定しない例には、炭酸脱水酵素、アミン(一次、二次、三次)、及びホウ酸がある。添加剤の限定しない例には、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、界面活性剤がある。
【0130】
いくつかの実装形態では、所与の基準温度において、CO2回収溶液114の密度は、同じ基準温度における水の密度より高い。同等の基準温度において、いくつかの実装形態では、CO2回収溶液114の密度は、水の密度より少なくとも10%高い。いくつかの実装形態では、同等の基準温度において、CO2回収溶液114の密度は水の密度より約10%高い。CO2回収溶液114の密度と粘度は、CO2回収溶液114の組成及び温度に応じて変わり得る。たとえば、20℃から0℃の温度において、CO2回収溶液114又はCO2含有回収溶液111(以下を参照)は、1M KOH及び0.5M K2CO3を含んでもよく、1115~1119kg/m3の範囲の密度及び1.3~2.3mPa-sの範囲の粘度を有してもよい。別の例では、20℃から0℃の温度において、CO2回収溶液114又はCO2含有回収溶液111は、2M KOH及び1M K2CO3を含んでもよく、1260~1266kg/m3の範囲の密度及び1.8~3.1mPa-sの範囲の粘度を有してもよい。それと比較して、水は20℃において998kg/m3という密度及び1mPa-sという粘度を有する。
【0131】
いくつかの実装形態では、
図1を参照すると、CO
2含有空気101からのCO
2は、気液接触器100においてCO
2回収溶液114とCO
2含有空気101を接触させることによって回収される。CO
2含有空気101からのCO
2をアルカリ性CO
2回収溶液114(たとえば)と反応させることで、CO
2含有回収溶液111を形成することができる。CO
2回収溶液114がアルカリ水酸化物を含む構成では、CO
2は、アルカリ水酸化物と反応して炭酸リッチ回収溶液(たとえば、K
2CO
3、Na
2CO
3、又はこれらの組合せ)を形成することによって吸収される。CO
2含有回収溶液111は、炭酸リッチ回収溶液を含み得るので、「炭酸リッチ回収溶液111」と本明細書では呼ばれることがある。回収されたCO
2を下流で使用するために取り戻し、CO
2回収溶液114において使用するためにアルカリ水酸化物を再生するために、CO
2含有回収溶液111は処理される。いくつかの事例では、取り戻されたCO
2は、ダウンホールに運ばれ、地層、地下貯蔵所、カーボンシンクなどに隔離される。いくつかの事例では、取り戻されたCO
2は、取り戻されたCO
2を1つ又は複数の裸孔へと注入して貯蔵所からの炭化水素の産生を増やすことによる、原油回収の増大のために使用され得る。いくつかの実装形態では、取り戻されたCO
2を、合成ガス生成反応器を含み得る下流の燃料合成系に供給することができる。
【0132】
CO2含有回収溶液111は、水酸化物イオン、アルカリ金属水酸化物(たとえば、KOH、NaOH)、水、及び不純物などの、少量の他の成分も含み得る。たとえば、炭酸リッチ回収溶液111は、0.4Mから6MのK2CO3及び1Mから10MのKOHを含み得る。別の実装形態では、炭酸リッチ回収溶液111は、水性Na2CO3-NaOH混合物を含み得る。いくつかの実装形態では、炭酸リッチ回収溶液111は、K2CO3とNa2CO3の混合物を含み得る。
【0133】
CO2含有空気101からCO2を回収して炭酸を形成する回収の動態は、CO2回収溶液114への促進剤種などの添加剤の導入により改善され得る。炭酸を用いてCO2回収を増やすための促進剤の限定しない例には、炭酸脱水酵素、アミン(一次、二次、三次)、両性イオンアミノ酸、及びホウ酸がある。気液接触器100により産生される得られた炭酸リッチ回収溶液111は、炭酸及び重炭酸を含み、促進剤も含む。そのような炭酸リッチ回収溶液111の例示的な組成は、K2CO3/KHCO3及び促進剤を含み得る。そのようなCO2回収溶液114から得られる炭酸リッチ回収溶液111は、11~13の範囲のpHを有することがあり、CO2回収溶液114からの残余の水酸化物をほとんど有しないことがある。いくつかの場合、促進剤として見なされない添加剤が、CO2回収溶液114におけるCO2の取り込みを改善するために使用され得る。
【0134】
図1を参照すると、気液接触器100はハウジング102を含む。ハウジング102は、気液接触器100の全体の一部を形成し、それに構造を提供する。ハウジング102は、相互接続された構造部材の任意の組合せを部分的に包囲する外部構造又は壁を含む。相互接続された構造部材は、気液接触器100に構造的な支持及び安定性を提供し、ハウジング102内で気液接触器100の構成要素を支持するための本体を提供する。相互接続された構造部材は、限定はされないが、壁、板、梁、枠などを含み得る。ハウジング102は、ハウジング102の複数の部分を仕切りハウジング102の囲いを形成するのを助ける、クラッディング、板などの他の構成要素も含み得る。ハウジング102は、ハウジング102の内部113を少なくとも部分的に囲み、形成する。ハウジング102の内部113は、気液接触器100の構成要素が配置される内部容積又は内部空間である。ハウジング102はまた、気液接触器100への、又はそこからのガスの移動を可能にする、開口103を含む。たとえば、
図1を参照すると、ハウジング102は1つ又は複数の流入口103Iを有する。
図1の実装形態では、1つ又は複数の流入口103Iは開口103によって形成されるので、流入口103Iは本明細書では1つ又は複数の流入開口103Iと呼ばれることがあり、それらを通じて、CO
2含有空気101がハウジング102の内部113に入る。ハウジング102は、1つ又は複数の排出口103Oを有する。
図1の実装形態では、1つ又は複数の排出口103Oは開口103によって形成されるので、排出口103Oは本明細書では1つ又は複数の排出開口103Oと呼ばれることがあり、それらを通じて、CO
2リーンガス105がハウジング102の内部113から出る。
図1の気液接触器100の例示的な実装形態では、ハウジング102は、2つの流入口103I及び1つの排出口103Oを形成する。排出口103Oは、気液接触器100の構成要素によって形成され得る。たとえば、
図1の気液接触器100の実装形態では、気液接触器100は、直立の向きのファンスタック107を有する。ファンスタック107はCO
2リーンガス105を排出するのを助け、排出口103Oはファンスタック107に沿って配置される。そのような実装形態では、CO
2含有空気101は、流入口103Iの1つ又は両方を通じて実質的に水平な方向に沿ってハウジング102の内部113に入り、CO
2リーンガス105は、排出口103Oを通り実質的に鉛直な方向に沿って内部113から出る。排出口103Oは、ファンスタック107の上部の先端に位置する。ファンスタック107のない気液接触器100の実装形態では、排出口103Oは他の場所に位置し得る。ハウジング102の流入口103I及び排出口103Oの他の構成が可能である。
【0135】
ハウジング102は、ハウジング102の内部113に配置される気液接触器100の構成要素を少なくとも部分的に囲み、保護する。そのような構成要素の一例は1つ又は複数のパッキン106であり、これらはハウジング102によって周囲の大気から保護される。
図1に見られるように、本明細書では「フィル106」又は「パッキン106」と集合的に呼ばれることがある1つ又は複数のパッキン106が、1つ又は複数の流入口103Iに隣接する位置に内部113の中で位置している。この配置では、1つ又は複数のパッキン106はCO
2含有空気101を受け取り、CO
2含有空気101は1つ又は複数の流入口103Iを介して内部113に入る。1つ又は複数のパッキン106は、回収溶液114が広まるための広い表面積を提供し、それによりCO
2含有空気101と回収溶液114との間の反応領域を増やすという点で、回収溶液114の流れへのCO
2含有空気101に存在するCO
2の移動を増やすように機能する。回収溶液114は、気液接触器100の1つ又は複数の排出口103Oから排出されるCO
2リーンガス105へとCO
2含有空気101を変換する。以下でさらに詳しく説明されるように、パッキン106は、CO
2回収溶液114を受け取り、CO
2含有空気101に存在するCO
2の、パッキン106でのCO
2回収溶液114への吸収を促進する。
【0136】
図1を参照すると、パッキン106の1つのあり得る配置は、2つ以上のパッキンセクション106A、106Bを含む。各パッキンセクション106A、106Bは、流入口103Iの1つに隣接してその下流に配置される。パッキンセクション106A、106Bは、ハウジング102内で互いに離隔されている。パッキンセクション106A、106Bがそれに沿って離隔されている方向は、CO
2含有空気101がそれに沿ってパッキンセクション106A、106Bを流れる方向に平行である。パッキンセクション106A、106B及び/又はハウジング102の1つ又は複数の構造部材の間に形成される空間又は容積は、プレナム108である。プレナム108の側面には、パッキンセクション106A、106Bがある。プレナム108はハウジング102内の空隙又は空間であり、ガスはプレナム108へとパッキンセクション106A、106Bの下流に流れ(たとえば、CO
2リーンガス105)、CO
2リーンガス105はプレナム108から排出口103Oを通じてハウジング102から流れ出る。プレナム108は、ハウジング102の内部113の一部である。プレナム108の容積は、内部113の容積より小さい。いくつかの実装形態では、ハウジング102の内部113の容積は、パッキンセクション106A、106Bとプレナム108の合成容積に概ね等しい。
図1を参照すると、パッキン106は、同じレベルに沿って配置され、又はプレナム108と同じ水平なより低い平面に沿って配置される。CO
2含有空気101がパッキンセクション106A、106Bを通じて流れた後、CO
2リーンガス105は周辺環境に排出される前にプレナム108を流れる。気液接触器100の他の実装形態では、以下でより詳しく説明されるように、プレナムは存在しない。
【0137】
図1の気液接触器100のこの例示的な実装形態では、CO
2含有空気101は、流入口103Iの両方を通じて実質的に水平方向にハウジング102の内部113に入る。CO
2含有空気101は次いで、実質的に水平方向にパッキンセクション106A、106Bを通じて流れ、CO
2含有空気101に存在するCO
2は、パッキンセクション106A、106Bに存在する、及び/又はパッキンセクション106A、106Bを超えて実質的に下の方向に流れる、CO
2回収溶液114と接触する。CO
2はCO
2回収溶液114によって吸収されて、CO
2含有回収溶液111を形成する。CO
2含有回収溶液111は、パッキンセクション106A、106Bから離れて下に流れ、パッキンセクション106A、106Bによって処理されたCO
2含有空気101は、CO
2リーンガス105としてパッキンセクション106A、106Bから出る。両方のパッキンセクション106A、106BからのCO
2リーンガスは、プレナム108において合流し、そして排出口103Oを通じてプレナム108から鉛直に上の方向に流れる。
【0138】
図1のパッキン106のこの例示的な実装形態では、各パッキンセクション106A、106Bは、ハウジング102の高さに実質的に等しいそれぞれのパッキンセクション高さを有する。いくつかの実装形態では、パッキンセクション106A、106Bの高さは、流入口103Iの高さに実質的に等しい。パッキン106の高さをハウジング102の高さ及び流入口103Iの高さと実質的に同じにすることは、CO
2含有空気101がパッキン106を迂回する(たとえば、パッキン106の周りを流れる)のを防ぎ、又は流れにくくするのを助け得るので、最大限可能な量のCO
2含有空気101がパッキン106によって処理されることを確実にするのを助ける。「実質的に等しい」又は「実質的に同じ」とは、高さの値が概ね等しく、あらゆる差が全体の高さの寸法と比較して最小限であることとして理解され、前記差は、製造誤差、パッキン設置要件、及び/又は、封止、隔壁、もしくは他の特徴を可能にするための寸法の調整から生じ得る。パッキン106のための他の構成が可能である。たとえば、別の実装形態では、パッキンセクション106A、106Bの高さは、ハウジング102の高さより低く、パッキンセクション106A、106Bとハウジング102との間のあらゆる間隙は、適切な技法を使用して封止される。
【0139】
パッキン106は、本明細書のパッキン106に起因する機能を達成するために、任意の適切な材料からできていてもよく、又は任意の適切な構成を有してもよい。パッキン106の一部又はすべてがPVCから作られてもよく、これは比較的軽量であり、成形可能であり、安価であり、多くの化学物質により引き起こされる劣化に抵抗性がある。以下でより詳しく説明されるように、パッキン106は、パッキン106の表面上の薄膜への液体CO2回収溶液114の拡散を促進するように配置され、構築され、処理され、又は別様に構成され、これは、CO2含有空気101に存在するCO2への液体CO2回収溶液114の最大限の曝露を可能にし得る。そのような「膜タイプ」パッキンフィルは一般に、充填空間の単位体積当たりのより効果的な物質移動の能力を有するので、DACシステムにより適合する。たとえば、膜タイプフィルは、比較的高い固有の表面積対体積比(m2/m3単位の「固有の表面積」)を提供する。高い固有の表面積は、CO2回収溶液114の表面へのCO2の曝露にとって重要であるだけではなく、コスト及び構造にも影響する。パッキン106は空気移動深さ(air travel depth)(たとえば、パッキン深さ)を定めることがあり、これは、CO2含有空気101がパッキン106を流れる際にCO2含有空気101がたどる距離を表す。空気移動深さは、2~10メートルの範囲にあり得る。パッキン106は、鉛直方向に区分されてもよく、又は、最小限の離隔もしくは鉛直方向の間隙を伴って互いに重ねて配置された複数のパッキンセクションを含んでもよい。各パッキンセクション106A、106Bは、互いに重ねて並べられた、及び/又は空気移動深さに沿った最小限の離隔内で配置された、複数のパッキン部分を含み得る。
【0140】
図1を参照すると、気液接触器100は、液体分配システム120を有し、その構成要素を含み、又はそれに機能的に結びつけられる。液体分配システム120は、本明細書で説明されるように、CO
2回収溶液114及び/又はCO
2含有回収溶液111を動かし、集め、パッキン106に分配するように動作する。液体分配システム120の特徴の少なくともいくつかは、ハウジング102によって支持される。
図1の例示的な実装形態では、ハウジング102によって提供される支持は、液体分配システム120の構成要素がハウジング102により構造的に支持され、それによりこれらの構成要素によって生み出される負荷がハウジング102の構造部材によって支持されるという点で、構造的な支持を含む。液体分配システム120の特徴の一部又はすべてが、気液接触器100の一部、又はDACシステム1200の一部であり得る(
図15参照)。
【0141】
図1を参照すると、液体分配システム120は1つ又は複数の水盤109を含む。各水盤109は、CO
2回収溶液114とCO
2含有回収溶液111の一方又は両方を受け取り、それらの容積を保持し、それによりCO
2回収溶液114及び/又はCO
2含有回収溶液111の源としての役割を果たすように構成される、容器である。各水盤109は、この説明において水盤に帰せられる機能を達成するのに適した、任意の構成を有していてもよく、又はそれに適した任意の材料からできていてもよい。たとえば、水盤109の1つ又は複数は、覆いがなくてもよく、又は部分的にもしくは完全に覆われていてもよい。
【0142】
液体分配システム120の水盤109は、1つ又は複数の上部水盤104及び1つ又は複数の下部水盤110を含む。上部水盤104は、ハウジング102によって支持される。いくつかの実装形態では、上部水盤は、ハウジング102の複数の部分から形成される。上部水盤104は、CO
2回収溶液114を少なくとも部分的に包囲し、又は貯蔵するように構成される。
図1を参照すると、上部水盤104は、パッキン106の少なくとも部分的に上に各々配置される。
図1を参照すると、上部水盤104は、内部113の上、特に流入口103Iの上に配置される。上部水盤104に(少なくとも一時的に)貯蔵されるとき、CO
2回収溶液114は、パッキン106を通じて、最終的には下部水盤110へと、下に循環される(たとえば、ポンプ作動又は重力による流れ又は両方を通じて)ように配置される。CO
2回収溶液114がパッキン106を通じて循環するにつれて、CO
2含有空気101は、パッキン106を通じて循環してCO
2回収溶液114と接触し、プレナム108を通り、CO
2リーンガス105として周辺環境に至る。CO
2含有空気101と液体CO
2回収溶液114を接触させることによって処理ストリームが形成され、処理ストリームは、CO
2回収溶液114によってCO
2含有空気101から吸収されたCO
2を有するCO
2含有回収溶液111であり、又はそれを含む。上部水盤104は各々、パッキン106を超えてCO
2回収溶液114を分配するための任意の適切な形態又は特徴を有し得る。
図1の気液接触器100のこの例示的な実装形態では、水盤109は2つの上部水盤104を含む。各上部水盤104は、CO
2回収溶液114をそれぞれのパッキンセクション106A、106Bに分配するために、パッキンセクション106A、106Bのうちの1つの上に配置される。
図1の上部水盤104は、互いに流体的に隔離される(たとえば、2つの上部水盤104間に流体の連絡はない)。上部水盤104の他の構成及び数が可能である。
【0143】
図1を参照すると、1つ又は複数の下部水盤110は、上部水盤104の反対側の、気液接触器100の下部に配置される。
図1において見られるように、下部水盤110は、パッキン106の下に、かつハウジング102の下に配置される。具体的には、下部水盤110は内部113の下に配置される。下部水盤110は、処理ストリーム(たとえば、CO
2含有回収溶液111)のための収集タンクとして機能する。吸収されたCO
2、ならびに反応していないCO
2回収溶液114を含むCO
2含有回収溶液111は、下部水盤110に集まり、そしてさらなる処理のために下部水盤110からポンプで吸い出され、又は別様に移動させられ得る。たとえば、下部水盤110において集められた液体の少なくとも一部分が処理されて、次いでCO
2回収において使用するためにパッキン106を超えた再分配のためにポンプで吸い出され得る。別の可能な実装形態では、下部水盤110において集められる液体の一部又はすべてが、CO
2回収のためのパッキン106を超えた再分配のために、処理されることなく上部水盤104へとポンプで吸い出される。下部水盤110は、封じ込め構造と調和し、その多くが腐食性、苛性、又は高pHの特性を有する様々なCO
2回収溶液114の喪失を防ぐことができる。いくつかの態様では、下部水盤110は、苛性により引き起こされる腐食又は劣化に抵抗性のある1つ又は複数の材料でライニング加工又は被覆され得る。気液接触器100のいくつかの実装形態では、CO
2回収溶液114を保持する下部水盤110の外側に構成要素を保つことができる。加えて、気液接触器100は、気液接触器100の濡れる可能性のある領域、たとえば、CO
2回収溶液114と接触する気液接触器100の任意の部分の外側に、構造部材の大半又はすべてを保つように設計され得る。気液接触器100の濡れる可能性のある領域の例は、パッキン106を支持する構成要素を含む。
図1は単一の下部水盤110を図示する。しかしながら、下部水盤110の他の構成及び数が可能である。
【0144】
図1を参照すると、CO
2回収溶液114は、CO
2含有空気101がそれに沿ってパッキン106を通じて循環する平均の方向に実質的に垂直であり又は直交する方向にパッキン106を超えて流れ、これは「クロスフロー」構成としても知られている。別の可能な実装形態では、CO
2回収溶液114は、CO
2含有空気101がそれに沿ってパッキン106を通じて循環する平均の方向とは反対の方向にパッキン106を超えて流れ、これは「カウンターフロー」構成としても知られている。別の可能な実装形態では、CO
2回収溶液114は、CO
2含有空気101がそれに沿ってパッキン106を通じて循環する方向と平行な方向にパッキン106を超えて流れ、これは「コンカレントフロー」構成としても知られている。別の可能な構成では、CO
2回収溶液114は、クロスフロー構成、カウンターフロー構成、及びコンカレントフロー構成の1つ又は複数の組合せである構成に従って、パッキン106を超えて流れる。
【0145】
気液接触器100は、上部水盤104と下部水盤110との間でパッキン106内に配置される支持材を含み得る。たとえば、パッキン106は、パッキン106の上部などのパッキン106の特定の部分のための追加の支持材を含み得るので、負荷(たとえば、乾燥しているときのパッキン106のその部分の重さとパッキン106のその部分でのCO2回収溶液114の液体滞留物の重さを足したもの)はパッキン106の別の部分(たとえば、パッキン106の下部)にはかからない。いくつかの態様では、パッキン106は支持材を含まなくてもよい。水盤109は、残りのパッキンセクションを超えてCO2回収溶液114を再分配するために、パッキン106の上部と下部の間(たとえば、上部水盤104と下部水盤110との間)の位置に配置される1つ又は複数の再分配水盤を含み得る。例示的な態様では、再分配水盤はパッキン106に配置され得る。再分配水盤は、パッキン106を少なくとも上部セクションと下部セクションに分けることができる。CO2回収溶液114は、下部水盤110からこの再分配水盤へとポンプで吸い出され得る。代替として、上部水盤104から上部パッキンセクションを超えて分配されるCO2回収溶液114は、再分配水盤において集められ、次いで、再分配水盤の下に配置される下部パッキンセクションへと分配され得る。いくつかの態様では、パッキン106のパッキンセクションとパッキンセクションの間に、少なくとも1つの構造的支持材が配置され得る。
【0146】
液体分配システム120は、本明細書で液体分配システム120に帰せられる機能を達成するために、任意の適切な構成で流体的に結合される、配管、堰、ポンプ、弁、マニホールドなどの、任意の適切な構成要素を含み得る。そのような構成要素の1つの限定しない例は1つ又は複数のポンプ122であり、その例が
図1に示されている。ポンプ122は、CO
2回収溶液114又はCO
2含有回収溶液111などの圧力下にある液体を、それらの源からそれらが使用される場所に移動させるように機能する。ポンプ122のそのような機能のいくつかの限定しない例は、CO
2回収溶液114を上部水盤104に移動させることと、CO
2回収溶液114及び/又はCO
2含有回収溶液111を処理もしくはパッキン106を超えた再分配のために下部水盤110から移動させることとを含む。したがって、ポンプ122は、気液接触器100へ、それから、及びその中で液体を移動させるために使用され得る。
【0147】
制御システム(たとえば、
図1に示される制御システム999)は、液体分配システム120のポンプ122による液体の流れを制御するために使用され得る。たとえば、制御システムは、CO
2回収溶液114を下部水盤110から上部水盤104にポンプで吸い出すように、ポンプ122を制御するために使用され得る。ポンプ122はまた、気液接触器100全体での液体の流れの変化にかかわらず、一定の流速が液体分配システム120に提供されるように制御され得る。
【0148】
ポンプ122は、比較的低い液体流速でパッキン106を超えてCO2回収溶液114を分配するのを助けてもよく、これは、CO2回収溶液114をポンプで吸い出すこと又は移動させることに関連するコストを減らすのに役立つことがある。さらに、パッキン106を超えるCO2回収溶液114の液体流速が低いことで、CO2含有空気101がパッキン106を流れる際のCO2含有空気101の圧力低下がより小さくなることがあり、これは、パッキン106を超えてCO2含有空気101を移動させるために使用されるデバイス(たとえば、以下で説明されるファン212)のエネルギー要件を下げる。ポンプ122は、パッキン106を超えるCO2回収溶液114の間欠的な又はパルス状の流れを生成するように構成されてもよく、これは、比較的低い液体流速を使用してパッキン106を間欠的に濡らすことを可能にし得る。パッキン106を超えて噴射され、流され、又は別様に分配されるCO2回収溶液114は、下部水盤110において集められ、次いで、上部水盤104に戻るようにポンプ122によって移動させられ、又は処理のために下流に送られ得る。
【0149】
気液接触器100における液体処理ストリーム、ならびに気液接触器100が流体的に結合される任意の下流の処理内の処理ストリームは、1つ又は複数の流れ制御システム(たとえば、制御システム999)を使用して流され得る。流れ制御システムは、1つ又は複数の流れポンプ(ポンプ122を含む、又はそれに加えて)、処理ストリームを移動させるためのファン、ブロワー、又は固体のコンベヤ、処理ストリームがそれを通じて流される1つ又は複数の流れ配管、及び配管を通るストリームの流れを調節するための1つ又は複数の弁を含み得る。本明細書で説明される構成の各々は、少なくとも1つの液体流速を制御することが可能なそれぞれのポンプに結合される少なくとも1つの可変周波数ドライブ(VFD)を含み得る。いくつかの実装形態では、液体流速は少なくとも1つの流れ制御弁によって制御される。
【0150】
いくつかの実施形態では、流れ制御システムは手動で操作され得る。たとえば、操作者は、各ポンプ又は移動デバイスのための流速を設定し、流れ制御システムの中の配管を通る処理ストリームの流れを調節するために弁を開又は閉の位置に設定することができる。操作者がシステム全体に分布するすべての流れ制御システムについて流速及び開又は閉の弁の位置を設定すると、流れ制御システムは、一定の流れ条件、たとえば一定の体積流量又は他の流れ条件のもとで、ストリームを流すことができる。流れ条件を変えるために、操作者は、たとえばポンプ流速又は弁の開もしくは閉の位置を変えることによって、流れ制御システムを手動で操作することができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、流れ制御システムは自動的に操作され得る。たとえば、流れ制御システムは、流れ制御システムを動作させるためのコンピュータ又は制御システム(たとえば、制御システム999)に接続され得る。制御システムは、動作(流れ制御動作など)を実行するために1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令(流れ制御命令及び他の命令など)を記憶するコンピュータ可読媒体を含み得る。操作者は、制御システムを使用して、設備全体に分布するすべての流れ制御システムについて、流速及び弁の開又は閉の位置を設定することができる。そのような実施形態では、操作者は、制御システムを通じて入力を与えることによって、流れ条件を手動で変えることができる。また、そのような実施形態では、制御システムは、たとえば制御システムに接続されるフィードバックシステムを使用して、流れ制御システムの1つ又は複数を自動的に(すなわち、手動の介入なしで)制御することができる。たとえば、センサ(圧力センサ、温度センサ、又は他のセンサなど)が、処理ストリームが流れる配管に接続され得る。センサは、処理ストリームの流れ条件(圧力、温度、又は他の流れ条件など)を監視し、制御システムに提供することができる。流れ条件が閾値(圧力閾値、温度閾値、又は他の閾値など)を超えたことに応答して、制御システムは動作を自動的に実行することができる。たとえば、配管の中の圧力又は温度が、それぞれ圧力閾値又は温度閾値を超える場合、制御システムは、流速を下げるための信号、弁を開けて圧力を緩和するための信号、処理ストリームの流れを止めるための信号、又は他の信号をポンプに提供することができる。
【0152】
気液接触器100は、気液接触器100へと、かつそれからガスの流れを移動させ、又は循環させるように機能する、ガス循環デバイスを有する。
図1の気液接触器の実装形態では、気液接触器100のガス循環デバイスはファン212である。ファン212は周辺空気のようなガスを循環させるように機能するので、ファン212によりCO
2含有空気101が気液接触器100へ流れるようになり、ファン212によりCO
2リーンガス105が気液接触器100から排出されるようになる。したがって、ファン212は、CO
2含有空気101及びCO
2リーンガス105を本明細書で説明される方式で循環させるように機能する。
図1を参照すると、ファン212は、ファンシャフトによって形成されるファン軸の周りで回転可能である。
図1に図示されるファン212の実装形態では、ファン軸は直立した又は鉛直な向きを有する。以下でより詳しく説明されるように、シャフト及びファン軸の他の向きが可能である。
図1を参照すると、ファン212は、排出口103Oを形成して排出口103Oを通るCO
2リーンガス105の流れを引き起こすように機能する、ファンスタック107の端部の上流に配置される。別の可能な構成では、ファン212は、ファンスタック107の鉛直方向の反対の端部と排出口103Oの上流との間の他の場所に配置されるので、ファン212は排出口103Oを通じてCO
2リーンガス105を流す。ファン軸の周りのファン212の回転により、流入口103Iへと、かつ気液接触器100を通じてガスが循環するようになる。たとえば、
図1の気液接触器の実装形態では、ファン212の回転により、CO
2含有空気101が気液接触器100へと引き込まれ、CO
2リーンガス105が気液接触器100から排出されるようになる。
【0153】
気液接触器100の他の構成が可能であり、ここでそのいくつかがより詳しく説明される。
【0154】
図2Aを参照すると、気液接触器100aは、直立した本体と、下部に沿った空気流入口2103とを有してもよく、CO
2含有空気101は空気流入口2103を通じて気液接触器100aに入る。ファン2112が回転して、流入口2110を通じてCO
2含有空気101を上の方向に引き込み、パッキンセクション2106と接触させる。
図2Aの構成では、気液接触器100aは、1つのパッキンセクション2106しか有しないので、「シングルセル」気液接触器100aと呼ばれることがある。CO
2回収溶液114は、たとえば、重力による流れ、均一な流れ、又は層状の流れなどによって、パッキン2106内で下に循環し、最終的に1つ又は複数の下部水盤2110に流れる。CO
2回収溶液114がパッキン2106を通りそれを超えて循環するにつれて、CO
2含有空気101がパッキン2106を通じて上に流れ(たとえば、ファン2112の作用によって)、CO
2回収溶液114と接触する。したがって、
図2Aのパッキン2106を通るCO
2回収溶液114の流れは、パッキン2106を通るCO
2含有空気101の流れに対して反対の流れ(又は対向流)である。CO
2含有空気101内のCO
2の一部は、CO
2回収溶液114に移され(たとえば、それによって吸収され)、ファン2112は、気液接触器100aから周辺環境へとCO
2リーンガス105を移動させる。CO
2リッチ溶液が、少なくとも1つの下部水盤2110に流れる。
【0155】
図2Bを参照すると、気液接触器100bは、直立した本体と、CO
2含有空気101がそれを通じて気液接触器100bに入る直立した側部に沿った流入口3103とを有する。ファン3112が水平なファン軸の周りで回転して、実質的に水平な方向に流入口3103を通じてCO
2含有空気101を引き込み、パッキン3106のセクションと接触する。
図2Bの構成では、気液接触器100bは、パッキン3106の1つのセクションしか有しないので、「シングルセル」気液接触器100bと呼ばれることがある。CO
2回収溶液114は、たとえば、重力による流れ、均一な流れ、又は層状の流れなどによって、パッキン3106内で下に循環し、最終的に1つ又は複数の下部水盤3110に流れる。CO
2回収溶液114がパッキン3106を通じて循環するにつれて、CO
2含有空気101がパッキン3106を通じて実質的に水平に流れ(たとえば、ファン3112の作用によって)、それによりCO
2回収溶液114と接触する。したがって、
図2Bのパッキン3106を通るCO
2回収溶液114の流れは、パッキン3106を通るCO
2含有空気101の流れに対して実質的に垂直である。そのような流れの構成は、「クロスフロー」構成と呼ばれることがある。CO
2含有空気101内のCO
2の一部は、CO
2回収溶液114に移され、ファン3112は、気液接触器100bから周辺環境にCO
2リーンガス105を移動させる。CO
2リッチ溶液が、少なくとも1つの下部水盤3110に流れる。
【0156】
図3を参照すると、気液接触器100cは、直立した本体と、CO
2含有空気101がそれを通じて気液接触器100cに入る直立した側部に沿った流入口4103とを有する。
図3の気液接触器100cは、ファン又は他のガスを流すデバイスを持たない。気液接触器100cは優勢な風の方向に曝露され、それにより、大気(CO
2含有空気101を含む)が実質的に水平な方向へ流入口4103を通るように吹かれ、パッキン4106のセクションと接触する。
図3の構成では、気液接触器100cは、パッキン4106の1つのセクションしか有しないので、「シングルセル」気液接触器100cと呼ばれることがある。CO
2回収溶液114は、たとえば、重力による流れ、均一な流れ、又は層状の流れなどによって、パッキン4106内で下に循環し、最終的に1つ又は複数の下部水盤4110に流れる。CO
2回収溶液114がパッキン4106を通じて循環するにつれて、CO
2含有空気101がパッキン4106を通じて実質的に水平に風により吹かれ、それによりCO
2回収溶液114と接触する。したがって、
図3のパッキン4106を通るCO
2回収溶液114の流れは、パッキン4106を通るCO
2含有空気101の流れと実質的に直角である。そのような流れの構成は、「クロスフロー」構成と呼ばれることがある。CO
2含有空気101内のCO
2の一部がCO
2回収溶液114に移され、CO
2リーンガス105が気液接触器100cから周辺環境に吹かれる。CO
2リッチ溶液は、少なくとも1つの下部水盤4110に流れる。したがって、少なくとも
図3の気液接触器100cの構成では、パッキン4106を通じてガスの流れを循環させるために、ファン又は他のガスを流すデバイスは必要とされない。
図2A及び
図3に示される、
図1の気液接触器100の特徴の説明、ならびに利点及び機能の1つ、いくつか、又はすべてが、必要な変更を加えて
図2Aから
図3の特徴に当てはまる。
【0157】
パッキン106、2106、3106、4106の異なる構成は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cに対して可能である。パッキン106、2106、3106、4106の一例は、穿孔付きパッキンを含み、又は穿孔付きパッキンである。穿孔付きパッキンは、CO2回収溶液114が穿孔付き構造の穿孔を通じて流れ(たとえば、漏れ)、パッキン106、2106、3106、4106の表面に液膜を形成することを可能にする、穿孔付き構造を含み得る。CO2回収溶液114の液膜は、CO2含有空気101と接触してCO2リーンガス105を生み出すことができる。穿孔付きパッキンは、CO2回収溶液114が穿孔を通じて漏れることを可能にすることによりパッキン表面の濡れを促進することができるので、液滴は合体して、CO2含有空気101に曝露されるパッキン106、2106、3106、4106の表面に液膜を形成することができ、液膜は表面張力により維持される。
【0158】
図4は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cのいずれか1つにおいて、CO
2含有空気101からCO
2を回収するために穿孔付きパッキン構成において使用され得る、例示的な穿孔付き構造900を示す。穿孔付き構造900は、穿孔付き構造900の全体の一部を形成する本体908を含み、それに構造を提供する。穿孔付き構造900は、本体908が長手軸901に沿って延びるという点で、細長い。長手軸901に沿って定義される本体908の長さは、本体の任意の他の寸法(たとえば、幅、直径、厚さなど)より大きい。言い換えると、本体908は、幅よりも長さが大きい。穿孔付き構造900は、本体908が本体908の内部容積902を形成する1つ又は複数の壁903を有するという点で、部分的に又は完全に中空である。任意の形状又は大きさの内部容積902を形成するために、1つ又は複数の壁903は任意の構成を有し得る。たとえば、
図4の穿孔付き構造900の構成では、本体908は円筒形又は管状の穿孔付き構造900を形成するための1つの管状壁903を有し、壁903は円筒形の内部容積902の境界を定め、それを囲む。
図4では、穿孔付き構造900は、穿孔付き配管の形態であり得る。その例が以下でより詳しく説明される、穿孔付き構造900の他の丸まった又は丸まっていない構成では、本体908は、内部容積902に対するあらゆる所望の形状を形成する複数の壁903を有する。壁903の形状又は壁903の数とは無関係に、壁903は、内部容積902と周囲の環境(たとえば、CO
2含有空気101の流れ)との間の流体の交換に対する部分的な障壁を形成する。
【0159】
図4を参照すると、本体908(及び、したがって穿孔付き構造900)の断面形状は、長手軸901に垂直な本体908の平面909に対して相対的に形成され得る。本体908の断面形状は、平面909の中にあり、
図4では円形である。他の実装形態では、断面形状は、規則的であっても不規則であってもよく、多角形であってもよい。穿孔付き構造900は、その長さ方向に沿って、又は別の次元に沿って変化する、断面形状を有し得る。その断面形状がその長さ方向に沿って変化する穿孔付き構造900の例は、先細りの穿孔付き構造900であり、このとき、断面形状の面積は穿孔付き構造900の長さ方向に沿って増大又は減少する。穿孔付き構造900の断面形状の別の例は、複数の点、山、谷、又は他の変化を形成する不規則な形状を有する壁903によって形成されるものである。穿孔付き構造900は、長手軸901の周りで定義される外巻きの本体であるものとして
図4に示されている。他の実装形態では、穿孔付き構造900の形状は、長手軸に対して相対的に定義されない。たとえば、穿孔付き構造900は、平面の壁の1つ又は複数に穿孔される板の形状であり得る。別の例では、穿孔付き構造900は塊であり得る。穿孔付き構造900のための他の可能な限定しない形状又は形式は、管、平皿、及び球を含む。穿孔付き構造900は、任意の適切な形状又は形式を有し得ることが理解されるだろう。
【0160】
図4を参照すると、壁903は1つ又は複数の外部表面906を形成する。外部表面906は、穿孔付き構造900の外側の環境に面し、したがって、穿孔付き構造900の最も外側の表面の一部又はすべてを形成する。壁903は、本体908の内部容積902に面する内部表面907を含む。壁903の厚さは、外部表面906と内部表面907との間の距離として定義され得る。以下でより詳しく説明されるように、外部表面906は、穿孔付き構造900の周りを流れるCO
2含有空気101に曝露される。穿孔付き構造900の外部表面906の形状、大きさ、触感、数、及び構成は様々であってもよく、壁903の構成に依存する。以下でより詳しく説明されるように、外部表面906は、壁903の構造によって形成され、又はそれに接していてもよい。
【0161】
穿孔付き構造900は、複数の穿孔904を含む。各穿孔904は、内部表面907と外部表面906との間の、壁903を通じて延びる開口又はスルーホールである。穿孔904は、個別にかつ集合的に、内部容積902と穿孔付き構造900の周りの環境との間で、流体(たとえば、気体及び液体)の交換を可能にする。穿孔904の大きさと配置は、CO2回収溶液114が内部容積902から外部表面906に漏れることを可能にし、それによりCO2回収溶液114の液膜が外部表面906に形成されるようにするようなものである。穿孔904の大きさ、配置、及び/又は形状は、液膜の形成を促進するようなものであり得る。穿孔が丸い(たとえば、円形又は楕円形)実装形態では、穿孔904は、0.1mm未満から10mmの範囲の直径を有するような大きさであり得る。穿孔が丸い実装形態では、穿孔904は直径が0.5mmから5mmの範囲であるような大きさであり得る。たとえば、直径が約1mmである穿孔904は液膜を形成することができる。いくつかの実装形態では、穿孔904は、穿孔904の第1のグループが第1の直径を有し、穿孔904の少なくとも1つの他のグループが第1の直径とは異なる第2の直径を有するという点で、可変の直径を有する。穿孔904は、他の形状も有し得る。穿孔904の異なる形状の限定しない例は、規則的な形状及び不規則な形状及び多角形の形状(たとえば、三角形、正方形、五角形など)を含む。そのような穿孔904の様々な形状に対して、所与の穿孔904の最大の寸法(たとえば、幅)は、0.1mmから10mmの範囲にあり得る。
【0162】
穿孔904は、液膜の形成を促進するために離隔されていてもよい。穿孔の離隔は、ピッチ(たとえば、中心から中心までの穴の離隔)によって特徴付けられ得る。穿孔が丸い実装形態では、ピッチは穿孔の直径の1.0から10倍の範囲にあり得る。穿孔が丸い実装形態では、ピッチは穿孔の直径の1.25から5倍の範囲にあり得る。穿孔が丸い実装形態では、ピッチは穿孔の直径の2から10倍の範囲にあり得る。たとえば、穿孔904は、液膜の形成を促進するために、少なくとも0.5mmだけ互いに離隔されていてもよい。いくつかの実装形態では、穿孔904は、格子状の配置で互いに離隔されていてもよい。たとえば、穿孔904は、六角形状に、正方形状に、又はこれらの組合せで離隔されていてもよい。
【0163】
穿孔904の効果的な離隔は、穿孔904の大きさ、穿孔付き構造900の向き又は配置、穿孔付き構造900のために使用される材料の構造的な完全性の維持、CO2回収溶液114の表面張力及び粘度、又は気相/液相の圧力低下及び速度を含む、複数の要因に依存し得る。いくつかの実装形態では、穿孔904の大きさ又は離隔は、CO2回収溶液114の液膜の形成を可能にするために、典型的な液滴の特有の寸法未満のオーダーであり得る。たとえば、穿孔904の大きさ又は離隔は、CO2回収溶液114の毛細管現象又は表面張力を介して、濡れる表面領域を増やすようなものであり得る。いくつかの実装形態では、穿孔904の大きさ又は離隔は、膜の破壊と液滴の分散を可能にするために、典型的な液滴の特有の寸法を超えるオーダーであり得る。いくつかの実装形態では、以下でより詳しく説明されるように、穿孔付き構造900はさらに、外部表面906の一部を形成する他の構造を含み得る。これらの構造は、穿孔904とともに、CO2回収溶液114の液膜の形成を可能にし得る。
【0164】
所与の穿孔付き構造900の穿孔904の数、模様/配置、及び範囲は様々であり得る。たとえば、
図4の穿孔付き構造900の実装形態では、穿孔904は壁903の長さ全体に沿って配設されるので、穿孔付き構造900の全体が穿孔される。その例が
図10に示される他の可能な実装形態では、穿孔付き構造5900は、穿孔904が本体5908の長さの一部だけに沿って存在しているという点で、その長さに沿って部分的にしか穿孔されない。穿孔付き構造5900は、直立の向きを有し、それらの本体5908の上部だけに沿って穿孔される。穿孔付き構造5900のそのような構成では、CO
2回収溶液114は、内部容積5902に流れ、本体5908の上部の穿孔904を通じて漏れるように構成される。これは、本体5908の上部に沿ってCO
2回収溶液114の液膜を形成し、液膜は、重力により本体5908の上部から穿孔のない下部に流れるので、CO
2回収溶液114の液膜は、穿孔付き構造5900の長さ全体に沿って形成され得る。穿孔付き構造の別の可能な実装形態では、穿孔904は、穿孔付き構造の穿孔付き区間にだけ存在し、穿孔付き区間は、穿孔付き構造の穿孔なし区間に隣接しており、又はそれと交互に存在する。穿孔904は、ある模様又は形状を形成するように、外部の壁903に並べられ得る。模様又は形状は、六角形、正方形、長方形、三角形、又は円という限定しない例を含み得る。穿孔904のあらゆる適切な構成が可能であり、穿孔の構成は、穿孔904の大きさ、穿孔付き構造900の向き又は配置、穿孔付き構造900のために使用される材料の構造的な完全性の維持、CO
2回収溶液114の表面張力及び粘度、又は気相/液相の圧力低下及び速度に基づいて選択され得る。同様に、穿孔904の構成は、単一の穿孔付き構造内で変化してもよく、それらは、外部表面906に沿ったCO
2回収溶液114の液膜の所望の流れを達成するために、均等に又は不均等に離隔されていてもよい。
【0165】
図5は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる、穿孔付きパッキン1000の例を示す。
図5の穿孔付きパッキン1000は、複数の穿孔付き構造1002を含む。
【0166】
図5を参照すると、穿孔付き構造1002は、互いに離隔され、穿孔付き構造1002の配置1009を形成する。
図5において、穿孔付き構造1002は、穿孔付きパッキン1000を流れるCO
2含有空気101の流れ方向Dに平行な方向において離隔されている。穿孔付き構造1002はまた、流れ方向Dに直交する(すなわち、
図5のページに垂直な)方向などの他の方向において、互いに離隔されていてもよい。各穿孔付き構造1002は、隣接する穿孔付き構造1002の外部の壁1903とは別個の構造である、固有の外側の壁1903を有する。各穿孔付き構造1002は、隣接する穿孔付き構造1002の穿孔904とは別個の固有の穿孔904を有する。穿孔付きパッキン1000は、隣接する穿孔付き構造1002の間で形成される流れ間隙1012を有する。流れ間隙1012は、穿孔付きパッキン1000が位置する内部113の容積の一部分を構成し、プレナム108と流体的に連絡している。CO
2含有空気101は、流れ間隙1012を通じて穿孔付き構造1002と穿孔付き構造1002の間を流れ、それにより、CO
2含有空気101の中のCO
2が穿孔付き構造1002の外部表面1906上のCO
2回収溶液114の液膜1007によって吸収されることを可能にする。
【0167】
図5の穿孔付きパッキン1000を参照すると、穿孔付き構造1002の向きは鉛直である。穿孔付き構造1002のこの向きにより、CO
2回収溶液114が各穿孔付き構造1002を満たすことを可能にする。穿孔付きパッキン1000の安定状態動作では、穿孔付き構造1002は、CO
2回収溶液114で満たされ、外部表面1906に沿って液膜1007を生成している。穿孔付きパッキン1000の最初の始動動作又はパルス状の流れの動作では、穿孔付き構造1002は、同時に、順番に、又は両方の組合せで、CO
2回収溶液114で満たされる。穿孔付き構造1002の鉛直な向きにより、CO
2回収溶液114の液膜1007が重力により穿孔付き構造1002の外部表面1906に沿って下に流れることが可能になる。したがって、穿孔付き構造1002は、CO
2回収溶液114の平均の流れ方向が穿孔付き構造1002の長手軸1901に沿うような向きにされる。
【0168】
図5を参照すると、穿孔付きパッキン1000は、1つ又は複数の供給構造1004を含む。供給構造1004は、CO
2回収溶液114が供給構造1004から各穿孔付き構造1002の内部容積1902に流れることができるように、穿孔付き構造1002に流体的に結合される。CO
2回収溶液114が穿孔付きパッキン1000を流れているとき、供給構造1004は、各穿孔付き構造1002の本体1903及びその穿孔904を通じてCO
2回収溶液114を流す(たとえば、ポンプ作動又は重力の流れ又は両方を通じて)ように動作可能である。したがって、CO
2回収溶液114は、穿孔904を通じて穿孔付き構造1002の外部表面1906へと内部容積1902から漏れるようになる。供給構造1004は、CO
2回収溶液114を穿孔付き構造1002に流す前にCO
2回収溶液114を受けるために、水盤109、配管、及びポンプ122の1つ又は複数などの、液体分散システム120の1つ又は複数の特徴と流体的に連絡している。
【0169】
CO
2回収溶液114は次いで、外部表面1906にCO
2回収溶液114の液膜1007を形成する。液膜1007の形成を引き起こす流体動力学は様々であり得る。たとえば、ある可能な構成では、CO
2回収溶液114の液滴が外部表面1906上の穿孔904から出現し、液膜1007へと合体し始めるにつれて、液膜1007が形成し始める。液膜1007は、液膜1007へのCO
2回収溶液114の蓄積が、CO
2回収溶液114が外部表面1906に沿って流れるのを可能にするのに十分になるまで、実質的に静止したままである(たとえば、外部表面1906に沿って流れない)。この流れているCO
2回収溶液114は、外部表面1906の表面張力により液膜1007として維持される。
図5の鉛直な向きの穿孔付き構造1002の構成では、液膜1007は、重力により穿孔付き構造1002の外部表面1906に沿って下に流れる。実装形態では、液膜1007は、所与の穿孔付き構造1002の外部表面1906の範囲にわたって中断されないという点で、前記範囲にわたって連続的である。他の可能な実装形態では、液膜1007は、液膜1007が存在しない所与の穿孔付き構造1002の外部表面1906の範囲の部分があり得るという点で、前記範囲にわたって不連続である。
【0170】
液膜1007の露出される表面は、外部表面1906と外部表面1906の間を流れるCO
2含有空気101とCO
2回収溶液114との間の気液界面である。CO
2含有空気101からのCO
2は、液膜1007へと吸収されてCO
2含有回収溶液111及びCO
2リーンガス105を形成する。CO
2リーンガス105は穿孔付きパッキン1000から排出され、CO
2含有回収溶液111は反応していないCO
2回収溶液114との混合溶液に含まれ得る。CO
2回収溶液114及びCO
2含有回収溶液111の溶液は、液膜1007として外部表面1906に沿って(
図5において下方向に)流れる。液膜1007は最終的に、穿孔付き構造1002の下端において壊れ、下部水盤1010において集められる溶液の液滴を形成する。下部水盤1010から、溶液は上で説明されたように処理され得る。液膜1007は、上で説明されたCO
2回収溶液114の特性に似ていてもよい任意の適切な特性を有し得る。液膜1007の厚さは、穿孔付き構造1002の範囲にわたって変化し得る。
【0171】
したがって、本明細書で開示される穿孔付き構造(たとえば、穿孔付き構造900、1002)は、CO2回収溶液114の液膜1007の形成を可能にする。したがって、本明細書で開示される穿孔付きパッキン(たとえば、穿孔付きパッキン1000)は、液滴が合体して表面張力により維持される液膜1007を形成できるように、CO2回収溶液114が穿孔を通じて漏れるのを可能にすることによって、パッキン表面の濡れを促進する。本明細書で開示される穿孔付きパッキン(たとえば、穿孔付きパッキン1000)は、CO2回収溶液114が穿孔を介して中から外に漏れるので、穿孔付き構造の向きにかかわらずすべてのパッキン表面に液膜1007の形成を可能にする。したがって、本明細書で開示される穿孔付きパッキンは、連続する液膜1007の形成により、穿孔付きパッキンの表面積のすべてではないとしても大半にわたり、周辺空気からCO2回収溶液114へのCO2の実質的な物質移動を増やすのに適していることがある。
【0172】
供給構造1004は、本明細書においてそれに帰せられる機能を達成するために様々な構成を有し得る。たとえば、
図5を参照すると、供給構造1004は、各穿孔付き構造1002の本体1903に流体的に結合される。
図5の実装形態では、供給構造1004は、各穿孔付き構造1002の本体1903に流体的に直接結合されるので、CO
2回収溶液114は供給構造1004から穿孔付き構造1002の内部容積1902に直接流れる。その例が以下で説明される他の実装形態では、供給構造1004は穿孔付き構造1002に間接的に結合される。供給構造1004は、1つ又は複数の供給配管又は供給導管1005を含む。供給導管1005は、供給導管内部容積1011を包囲する1つ又は複数の壁を伴う、細長く少なくとも部分的に中空の本体である。供給導管内部容積1011は、供給導管1005の壁の1つ又は複数の導管開口1013を介して、各本体1903の内部容積1902と流体的に連絡している。供給導管1005は、CO
2回収溶液114を各穿孔付き構造1002に順番に(たとえば、ある穿孔付き構造1002を、次の穿孔付き構造1002を完全に満たす前に満たすことによって)、又は同時に(たとえば、実質的に同時にすべての穿孔付き構造1002を満たすことによって)供給するように構成される。供給導管1005は、CO
2回収溶液114を穿孔付き構造1002に流す前にCO
2回収溶液114を受けるために、水盤109、配管、及びポンプ122の1つ又は複数などの、液体分配システム120の1つ又は複数の特徴と流体的に連絡している。
【0173】
図5の供給構造1004において、供給導管1005は、その外部表面に沿ってCO
2回収溶液114の液膜1007を形成しない固体の本体である。その例が
図9に示されている供給構造4004の他の構成では、1つ又は複数の供給導管4005は少なくとも部分的に穿孔される。
図9を参照すると、供給導管4005の向きは水平であり、供給導管4005は供給導管4005の少なくとも下部を通じて延びる供給導管穿孔4007を有する。そのような穿孔付き供給導管4005は、CO
2回収溶液114が供給導管4005を通じて流れ、又は漏れて、供給導管4005の水平に延びる外部表面に液膜1007を形成するのを可能にし、それにより、CO
2含有空気101からCO
2を吸収するのに参加できる穿孔付き構造1002と穿孔付き構造1002の間に、より広い濡れた表面領域をもたらす。望まれる場合、供給導管穿孔4007は、供給導管4005の上部にも存在し得る。
【0174】
図5を参照すると、供給導管1005は、供給導管軸1015を定義する細長い本体である。穿孔付き構造1002は、平行ではない角度で供給導管1005に結合される。供給導管軸1015は、穿孔付き構造1002の各々の長手軸1901に直交する。「直交する」とは、供給導管軸1015が第1の平面に垂直であり、長手軸1901が第1の平面と交差してそれに平行ではない第2の平面に垂直であることであることが理解される。
図5の穿孔付きパッキン1000では、第1の平面と第2の平面は互いに垂直であるので、穿孔付き構造1002は供給導管1005に垂直である。したがって、CO
2回収溶液144は、第1の方向に沿って供給導管1005を流され、そして、第1の方向に直交する第2の方向に沿って穿孔付き構造1002内で流される。CO
2回収溶液114は、流れ方向Dに直交する液体方向に沿って穿孔付き構造1002内を流れる。供給導管1005と穿孔付き構造1002との関係の別の可能な構成では、供給導管1015及び長手軸1901は平行であり、供給導管1005は穿孔付き構造1002に供給する分岐した先端を有する。
図5を参照すると、各穿孔付き構造1002は、供給導管軸1015に平行な方向において、隣接する穿孔付き構造1002から離隔されている。同様に、供給導管内部容積1011に流体的に結合される穿孔付き構造1002の流入口1017は、供給導管軸1015に平行な方向において互いに離隔されている。
図5の穿孔付きパッキン1000において、その流入口1017とは反対側の各穿孔付き構造1002の端部は閉じているので、CO
2回収溶液114は、各穿孔付き構造1002の内部容積1902を満たし、CO
2回収溶液114が穿孔904を通じて外部表面1906に漏れるのに必要な静水圧を生成することができる。したがって、穿孔904を通るCO
2回収溶液114の流れ又は漏れは、圧力の差分によって引き起こされ得る。その例が以下で説明される本明細書で開示される穿孔付きパッキンの他の構成では、穿孔付き構造は、それらの流入口とは反対側の端部において少なくとも部分的に開いている。
図5の穿孔付きパッキン1000において、穿孔付き構造1002は鉛直な向きを有し、穿孔904は穿孔付き構造1002の流入口1017の下に配設される。したがって、流入口1017は穿孔904のすぐ上に配置され、穿孔904と鉛直に整列される。上で与えられた穿孔付き構造900、5900の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図5の穿孔付き構造1002に当てはまる。
【0175】
図6は穿孔付きパッキン1100の別の例を示し、これは、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる。
図6の穿孔付きパッキン1100は、複数の穿孔付き構造1102を含む。上で与えられた穿孔付き構造900、5900、1002の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図6の穿孔付き構造1102に当てはまる。上で与えられた穿孔付きパッキン1000の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図6の穿孔付きパッキン1100に当てはまる。
【0176】
図6を参照すると、穿孔付き構造1102は、互いに離隔されており、穿孔付き構造1102の配置1109を形成する。
図6では、穿孔付き構造1102は、穿孔付きパッキン1100を流れるCO
2含有空気101の流れ方向Dに垂直な方向において離隔されており、流れ方向Dは
図6のページの中に向かう方向である。穿孔付き構造1102はまた、流れ方向Dに平行な方向(すなわち、
図6のページの中に向かう方向)などの、他の方向において互いに離隔されていてもよい。穿孔付き構造1102の向きは水平である。穿孔付き構造1102のこの向きは、CO
2回収溶液114の液膜1007が、内部容積2902に蓄積されたCO
2回収溶液114と外部表面1106との圧力差分により穿孔付き構造1102の外部表面1106に沿って形成することを可能にする。したがって、穿孔付き構造1102は、CO
2回収溶液114の平均の流れ方向が穿孔付き構造1102の長手軸2901に沿うような向きである。
図6の水平な向きの穿孔付き構造1102の構成では、液膜1007は、CO
2回収溶液114及びCO
2含有回収溶液111の溶液の液滴を形成するのに十分なCO
2回収溶液114が外部表面1106の下部に蓄積するまで、外部表面1106の上部、下部、及び側部に沿って形成する。液膜1007は最終的に、外部表面1106の下部に沿って壊れ、水盤1110において集められる溶液の液滴を形成する。液膜1007の厚さは、穿孔付き構造1102の範囲にわたって変化し得る。
【0177】
図6を参照すると、供給構造1104は、各穿孔付き構造1102の本体2903に流体的に結合される。
図6の実装形態では、供給構造1104は各穿孔付き構造1102の本体2903に流体的に直接結合されるので、CO
2回収溶液114は供給構造1104から穿孔付き構造1102の内部容積2902に直接流れる。供給導管2005は、CO
2回収溶液114を穿孔付き構造1102に流す前にCO
2回収溶液114を受けるために、水盤109、配管、及びポンプ122の1つ又は複数などの、液体分配システム120の1つ又は複数の特徴と流体的に連絡している。
【0178】
図6を参照すると、穿孔付き構造1102は、平行ではない角度で供給導管2005に結合される。供給導管軸1115は、穿孔付き構造1102の各々の長手軸2901に直交する。
図6の穿孔付きパッキン1100において、穿孔付き構造1102は供給導管2005に直交する。
図6を参照すると、各穿孔付き構造1102は、供給導管軸1115に平行な方向において、隣接する穿孔付き構造1102から離隔されている。
図6の穿孔付きパッキン1100において、その流入口1128とは反対側の各穿孔付き構造1102の端部が閉じているので、CO
2回収溶液114は、各穿孔付き構造1102の内部容積2902を満たし、CO
2回収溶液114が穿孔904を通じて外部表面1106に漏れるのに必要な静水圧を生成することができる。したがって、穿孔904を通るCO
2回収溶液114の流れ又は漏れは、圧力の差分によって引き起こされ得る。
図6の穿孔付きパッキン1100において、穿孔付き構造1102は向きが水平であり、穿孔904は穿孔付き構造1102の流入口1128から水平に離隔されている。したがって、穿孔904は、供給導管2005から水平に離隔されている。
【0179】
図6を参照すると、供給導管2005は、CO
2回収溶液114を各穿孔付き構造1102に供給するように構成される。穿孔付きパッキン1100の安定状態動作において、穿孔付き構造1102は、CO
2回収溶液114で満たされ、外部表面1106に沿って液膜1007を生成している。穿孔付きパッキン1100の最初の始動動作又はパルス状の流れの動作では、穿孔付き構造1102は、CO
2回収溶液114で同時に(たとえば、実質的に同時にすべての穿孔付き構造1102を満たすことによって)、順番に(たとえば、ある穿孔付き構造1102を、次の穿孔付き構造1102を満たす前に少なくとも部分的に満たすことによって)、又は両方の組合せで満たされる。
図6の実装形態では、CO
2回収溶液114は、供給構造1104の上部から(たとえば、重力又はポンプによって)供給され得る。いくつかの実装形態では、CO
2回収溶液114は、供給構造1104の下部からポンプで吸い出され得る。CO
2回収溶液114は、上側の穿孔付き構造1102から下側の穿孔付き構造1102に流れ、又は滴下し得る。これは、下側の穿孔付き構造1102の上部が滴下するCO
2回収溶液114で濡れ、それが濡れ性を高めて、したがってCO
2含有空気101からCO
2を回収する効率を高め得るので、有益であり得る。
【0180】
供給構造1004、1104の他の構成が可能である。たとえば、供給構造1004、1104の別の可能な構成では、供給構造1004、1104は供給導管1005を持たない。そのような構成では、供給構造1004、1104は、上部水盤104もしくは流体マニホールドなどの水盤であってもよく、又はそれを含んでもよい。穿孔付き構造1002、1102は、CO2回収溶液114を受けるために、そのような供給構造1004、1104に流体的に直接結合され得る。供給構造1004、1104の別の可能な構成では、供給導管1005、2005は、穿孔付き構造1002、1102のいくつかだけに供給し、CO2回収溶液114は、供給される穿孔付き構造1002、1102から他の穿孔付き構造1002、1102に流れる。いくつかの場合、穿孔付き構造1002、1102は、1つより多くの供給構造1004、1104に結合される。穿孔付きパッキン1000、1100のある可能な構成では、穿孔付き構造1102、1102は、鉛直と水平の両方の向きである。いくつかの図面では円筒形の槽として示されているが、穿孔付き構造900、1002、1102及び供給構造1004、1104は、平皿、球、塊、管、又はこれらの組合せの形態であり得る。
【0181】
図5及び
図6の穿孔付きパッキン1000、1100は、クロスフロー構成、コンカレントフロー構成、及びカウンターフロー構成のいずれか1つで、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて実装され得る。クロスフロー構成では、CO
2含有空気101の流れ方向Dは、CO
2回収溶液114が穿孔付きパッキン1000、1100を流れる方向に実質的に垂直である。いくつかの場合、穿孔付きパッキン1000、1100は、カウンターフロー構成で実装され得る。カウンターフロー構成では、CO
2含有空気101の流れ方向Dは、CO
2回収溶液114が穿孔付きパッキン1000、1100を流れる方向に実質的に平行であり、流れ方向Dは供給構造1004、1104を向いている。構造的な完全性が、穿孔付きパッキン1000、1100の全体の設計における考慮事項であることがあり、多数の設計要因、たとえば、穿孔付き構造の直径と長さ、穿孔付き構造の構築材料、穿孔の大きさ及び配置及び離隔、ならびに動作条件(たとえば、圧力、温度)により影響され得る。構造的な完全性は、支持部材又は構造部材の追加にも影響され得る。いくつかの場合、構造的な安定性を高めるために、名目の穿孔直径が小さくされてもよく、及び/又は、穿孔離隔が広げられてもよい。
【0182】
図7は、穿孔付きパッキン2000の別の例を示し、これは、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる。
図7の穿孔付きパッキン2000は、複数の穿孔付き構造2002を含む。上で与えられた穿孔付き構造900、5900、1002、1102の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図7の穿孔付き構造2002に当てはまる。上で与えられた穿孔付きパッキン1000、1100の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図7の穿孔付きパッキン2000に当てはまる。
【0183】
図7を参照すると、穿孔付き構造2002は、互いに離隔されており、穿孔付き構造2002の配置2009を形成する。
図7において、穿孔付き構造2002は、穿孔付きパッキン2000を流れるCO
2含有空気101の流れ方向Dに平行な方向において離隔されている。穿孔付き構造2002はまた、流れ方向Dに垂直な(すなわち、供給構造2004の複数の供給導管2005の供給導管軸2015に平行な)方向などの他の方向において、互いに離隔されている。穿孔付き構造2002は、向きが鉛直であり、気液接触器の下部水盤2010のすぐ上に配置されるので、CO
2回収溶液114及びCO
2含有回収溶液111の溶液が下部水盤2010において集められ得る。複数の供給導管2005は、供給構造2004の供給マニホールド2007から垂直に延びる。複数の穿孔付き構造2002は、各供給導管2005から下に、垂直にかつ鉛直に延びる。各穿孔付き構造2002の長手軸2001は、CO
2含有空気101の流れ方向Dに直交する(たとえば、垂直である)。
【0184】
図7を参照すると、穿孔付き構造2002の配置2009は、穿孔付き構造2002の列2011を含む。各列2011は、単一の供給導管2005によって供給される複数の穿孔付き構造2002を含む。列2011の中の穿孔付き構造2002は、列2011の供給導管2005の供給導管軸2015に平行な方向において、互いに離隔されている。列2011は、流れ方向Dに平行な方向において互いに離隔されている。列2011及び各列2011の中の穿孔付き構造2002の離隔は、穿孔付きパッキン2000の穿孔付き構造2002と穿孔付き構造2002の間に流れ間隙2012を形成する。配置2009の深さ2013は、流れ方向Dに平行な方向において測定される。深さ2013は様々であり得る。深さ2013の値の限定しない例は、2メートルと10メートルの間である。配置2009の深さ2013は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cの中のパッキン106、2106、3106、4106を通る空気移動深さ(たとえば、パッキン深さ)以下であり得る。
【0185】
図8は穿孔付きパッキン3000の別の例を示し、これは、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる。
図8の穿孔付きパッキン3000は、複数の穿孔付き構造3002を含む。上で与えられた穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図8の穿孔付き構造3002に当てはまる。上で与えられた穿孔付きパッキン1000、1100、2000の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図8の穿孔付きパッキン3000に当てはまる。
【0186】
図8を参照すると、穿孔付き構造3002は、互いに離隔されており、穿孔付き構造3002の配置3009を形成する。
図8において、穿孔付き構造3002は、穿孔付きパッキン3000を流れるCO
2含有空気101の流れ方向Dに平行な方向において離隔されている。穿孔付き構造3002はまた、流れ方向Dに垂直な(すなわち、供給構造3004の複数の供給導管3005の供給導管軸3015にも平行な、
図8のページにおいて鉛直な)方向などの、他の方向において互いに離隔されている。穿孔付き構造3002は向きが水平であり、一部が1つ又は複数の他の穿孔付き構造3002の上に配置され、すべてが気液接触器の下部水盤3010のすぐ上に配置されるので、CO
2回収溶液114及びCO
2含有回収溶液111の溶液が下部水盤3010において集められ得る。複数の供給導管3005は、供給構造3004の供給マニホールド3007から垂直に延びる。複数の穿孔付き構造3002は、各供給導管3005から垂直かつ水平に延びる。各穿孔付き構造3002の長手軸3001は、CO
2含有空気101の流れ方向Dに直交する(たとえば、垂直である)。
【0187】
図8を参照すると、穿孔付き構造3002の配置3009は、穿孔付き構造3002の列3011を含む。
図8の穿孔付きパッキン3000において、各列3011は、異なる供給導管3005によって各々が供給される複数の穿孔付き構造3002を含む。列3011は、供給導管3005の供給導管軸3015に平行な方向において互いに離隔されている。各列3011の中の穿孔付き構造3002は、流れ方向Dに平行な方向において互いに離隔されている。列3011及び各列3011の中の穿孔付き構造3002の離隔は、穿孔付きパッキン3000の穿孔付き構造3002と穿孔付き構造3002の間に流れ間隙3012を形成する。配置3009の深さ3013は、流れ方向Dに平行な方向において測定される。深さ3013は様々であり得る。深さ3013の値の限定しない例は、2メートルと10メートルの間である。配置3009の深さ3013は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cのパッキン106、2106、3106、4106を通る空気移動深さ(たとえば、パッキン深さ)以下であり得る。
【0188】
図11は穿孔付きパッキン6000の別の例を示し、これは、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる。
図11の穿孔付きパッキン6000は、複数の穿孔付き構造6002を含む。上で与えられた穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図11の穿孔付き構造6002に当てはまる。上で与えられた穿孔付きパッキン1000、1100、2000、3000の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図11の穿孔付きパッキン6000に当てはまる。
【0189】
図11を参照すると、穿孔付き構造6002は、互いに離隔されており、穿孔付き構造6002の配置6009を形成する。
図11において、穿孔付き構造6002は、穿孔付きパッキン6000を流れるCO
2含有空気101の流れ方向Dに垂直な方向において離隔されている。
図11において、穿孔付き構造6002は、流れ方向Dに垂直な方向において等しく離隔されている。他の可能な実装形態では、穿孔付き構造6002と穿孔付き構造6002の間の離隔は様々である。穿孔付き構造6002は、穿孔付き構造6002の1つ又は複数の平面壁を通じて延びる穿孔904を有する、平皿又は塊の形態である。単一の供給導管6005は、流れ方向Dに沿って形成される穿孔付き構造6002の範囲に対して垂直に延びる。
【0190】
図12は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる、穿孔付きパッキン7000の別の例を示す。
図12の穿孔付きパッキン7000は、単一の穿孔付き構造7002を含む。上で与えられた穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図12の穿孔付き構造7002に当てはまる。上で与えられた穿孔付きパッキン1000、1100、2000、3000、6000の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図12の穿孔付きパッキン7000に当てはまる。
【0191】
図12を参照すると、単一の穿孔付き構造7002は、支持材7006によって相互接続される穿孔付き構造セグメント7004を含む。穿孔付き構造セグメント7004は、互いに離隔されており、穿孔付き構造7002の配置7009を形成する。
図12において、穿孔付き構造セグメント7004は、穿孔付きパッキン7000を流れるCO
2含有空気101の流れ方向Dに垂直な方向において離隔されている。穿孔付き構造セグメント7004は、穿孔付き構造セグメント7004の1つ又は複数の平面壁を通じて延びる穿孔904を有する、平皿又は塊の形態である。単一の供給導管7005は、流れ方向Dに沿って形成される穿孔付き構造セグメント7004の範囲に対して垂直に延びる。
図12の実装形態における支持材7006は、穿孔904を有するので、CO
2含有空気101からのCO
2の物質移動のためにCO
2回収溶液114により濡らされ得る穿孔付きパッキン7000の表面領域に寄与する。支持材7006は、穿孔付きパッキン7000を通るCO
2含有空気101の流れにおいてより多くの乱流をもたらすことがあり、これも、CO
2含有空気101からCO
2回収溶液114へのCO
2の物質移動を改善することがある。
【0192】
少なくともいくつかの実装形態では、穿孔付きパッキンは、CO2含有空気101からCO2回収溶液114へのCO2の物質移動の一部又はすべてが穿孔付き構造内で起こることを可能にし得る。いくつかの実装形態では、希薄なガス混合物が穿孔付き構造の内部容積に提供され、CO2回収溶液114が穿孔904を通じて外部表面から内部容積に流れ、又は漏れる。そのような実装形態では、希薄なガス混合物の中のCO2は、内部容積の中の回収溶液に移される(たとえば、吸収される)。いくつかの実装形態では、供給構造は、CO2含有空気101を穿孔付き構造の内部容積に提供する。CO2回収溶液114は、穿孔付き構造の外部表面に接して流れて、穿孔904を通じて流れ(たとえば、漏れ)、穿孔付き構造の内部表面に液膜を形成することができ、その内部表面において、第2の流体CO2含有空気101に接触する。そのような場合、CO2リーンガス105が内部容積において産生される。CO2リーンガス105及びCO2回収溶液114は、たとえば、少なくとも1つの排出口を通じて引き出されることにより、穿孔付き構造の内部容積から出ることができる。
【0193】
図13は、CO
2含有空気101からCO
2回収溶液114へのCO
2の物質移動が穿孔付き構造8002内で起こるような、穿孔付きパッキン8000の例を提供する。
図13は穿孔付きパッキン8000の別の例を示し、これは、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cにおいて使用されるパッキン106、2106、3106、4106の一部又はすべてを構成することができる。
図13の穿孔付きパッキン8000は、複数の穿孔付き構造8002を含む。上で与えられた穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002、7002の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図13の穿孔付き構造8002に当てはまる。上で与えられた穿孔付きパッキン1000、1100、2000、3000、6000、7000の説明、ならびに利点、特徴、及び機能の1つ、いくつか、又はすべては、必要な変更を加えて、
図13の穿孔付きパッキン8000に当てはまる。
【0194】
図13を参照すると、穿孔付き構造8002は、互いに離隔されており、穿孔付き構造8002の配置8009を形成する。
図13において、穿孔付き構造8002は、CO
2回収溶液114の容器8011において水没し、したがってCO
2回収溶液114に浸される。容器8011は、穿孔付きパッキン8000の供給構造の構成要素であり得る。穿孔付き構造8002は、向きが水平であり、空気供給導管8006と流体的に連絡している流入口8004から延びる。空気供給導管8006は、CO
2含有空気101を穿孔付き構造8002に供給する。穿孔付き構造8002は、排出導管8010と流体的に連絡している排出口8008を有する。
図13の穿孔付き構造8002は、両方の端部が開いている。排出導管8010は、CO
2リーンガス105を大気に放出又は排出するのを助け、また、CO
2回収溶液114及びCO
2含有回収溶液111の溶液を集める。この溶液は排出導管810を流れて、上で説明されたように処理される。
【0195】
図13を参照すると、穿孔付き構造8002は鉛直方向に離隔されている。穿孔付き構造8002は複数の穿孔904を有する。穿孔904は穿孔付き構造8002の上部だけに沿って存在し得るので、穿孔付き構造8002の下部は穿孔されていない。代替として、穿孔付き構造8002の上部と下部の両方が穿孔904を有してもよい。
【0196】
容器8011の中のCO
2回収溶液114と穿孔付き構造8002の内部容積8001との圧力の差分により、CO
2回収溶液114は内部容積8001へと漏れ、穿孔付き構造8002の内部表面8013に沿って液膜1007を形成する。液膜1007の表面は、内部表面8013に沿って流れるCO
2含有空気101とCO
2回収溶液114との間の気液界面である。CO
2含有空気101からのCO
2は、液膜1007に吸収されて、CO
2回収溶液114及びCO
2含有回収溶液111の溶液を形成し、排出導管8010から排出されるCO
2リーンガス105を形成する。溶液は最終的に、内部容積8001を通じて排出導管8010に流れる。容器8011内のCO
2回収溶液114の液位は、CO
2回収溶液114が穿孔付き構造8002に漏れるのに十分な、しかし穿孔付き構造8002が自重崩壊するのに十分ではない静水圧を生成するように選択され得る。したがって、
図13の穿孔付きパッキン8000において、CO
2含有空気101からCO
2回収溶液114へのCO
2の物質移動は、穿孔付き構造8002の中で起こる。
【0197】
本明細書で開示される穿孔付き構造の配置(配置1009、1109、2009、3009、6009、7009、及び8009など)は、任意の適切な構成で穿孔付き構造を位置付け得る。限定しない例には、穿孔付き構造の六角形の、正方形の、長方形の、三角形の、円形の、千鳥状の、又はこれらの組合せの配置がある。
【0198】
穿孔付き構造(本明細書で開示される穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002、7002、8002など)は、穿孔付き構造の外部表面を形成する壁に接する構造を含んでもよく、これは、CO2回収溶液114の液膜1007の形成を促進し、物質移動領域を増やし得る。これらの構造は、表面粗さの調整を可能にし、濡れた表面領域を増やすように、穿孔付き構造の表面へのCO2回収溶液114の接触角を調整するために使用され得る。穿孔付き構造の表面の形状は、見かけの接触角θAを調整するために利用され得る。
【0199】
濡れ性の低さと疎水性(たとえば、液体をはじく、又は液体と混ざらない傾向)は普通は、大きい接触角θに関連する。
図14Bに示されるように、接触角θは、溶液114を通じて測定される、固液界面308と気液界面309の間の角度として定義される。接触角θは、穿孔付き構造の表面に接して流れるCO
2回収溶液114の流れの体制に影響し得る。たとえば、大きい接触角θ(たとえば、70度より大きく150度より小さい)は、表面に沿ったリブレット流及び低い濡れ割合ε(たとえば、濡れた表面領域)をもたらすことがあり、これは、CO
2含有空気101からCO
2回収溶液114への物質移動に利用可能な表面の気液界面領域を減らすことがある。対照的に、低い接触角θ(たとえば、20度より大きく50度より小さい)は、穿孔付き構造の表面に沿った液膜の流れ及び高い濡れ割合εをもたらし得る。
図14Cを参照すると、見かけの接触角θ
Aは、見かけの固体表面305(実際の固体表面906ではなく)と気液界面309との間の角度である。実際の接触角θ
γは、実際の固体表面906と気液界面309との間の角度である。
【0200】
構造は、表面の上のCO2回収溶液114の「巨視的な」流れに影響することがあり、表面でのCO2回収溶液114の接触角θに影響することがある。構造は、畝、管、縦溝、ヘリンボーン、又は水路などの模様を含んでもよく、これらは、空気の速度及び穿孔付き構造の剛性に応じて、液膜1007が後方に、前方に、又は外部表面に沿って真っすぐに動く傾向に影響する。構造は、見かけの接触角θAを低減して液膜1007が流れることを可能にし得る、小規模な模様又は構造であり得る。
【0201】
図14A及び
図14Dを参照すると、穿孔付き構造900の壁903は複数の構造1405を含む。構造1405は、壁903に任意の規則的もしくは不規則な配置又は模様で配設され得る。構造1405及び壁903は集合的に、穿孔付き構造900の外部表面906を形成する。構造1405の限定しない例は、隆起、くぼみ、細孔、エッチング、細粒、又は繊維を含む。いくつかの実装形態では、穿孔付き構造900は細孔を含んでもよく、又は多孔質材料である。多孔質材料は、アモルファス又は不均一であってもよく、特有の寸法(たとえば、約1mm)を有し得る溝又は凹みを含む。多孔質材料は、穿孔付き構造900の濡れ性のある表面領域を増やすことによって、より大きい液膜1007の形成を可能にし得る。
【0202】
穿孔付き構造900の構造1405は、見かけの接触角θA(実際の接触角θγではなく)の効果を通じてCO2回収溶液114の濡れを改善する、非常に小規模な特徴であり得る。構造1405の大きさは、ミリメートル単位であり得る。構造1405が隆起を含む構成では、これらは低い見かけの接触角θAを達成するために使用され得る。いくつかの実装形態では、隆起は10mm未満の幅を有し得る。たとえば、隆起は1mmから2mmの大きさであり得る。隆起は、これらの構造1405のない表面906と比較して、より良いCO2回収溶液114による濡れを達成するために使用され得る。
【0203】
いくつかの構造1405は壁903から突き出ていてもよい。いくつかの実装形態では、壁903から突き出ている構造1405は、壁903の材料とは異なる材料を含み得る。たとえば、構造1405は、最初は滑らかである外部表面906の表面粗さを上げるために、製造の間に壁903に導入される細粒又は繊維を含み得る。繊維を穿孔付き構造に追加することで、ガラス繊維シートに似た触感を達成することができる。いくつかの構造1405は、壁903に向かって凹んでいてもよい。たとえば、構造1405は、最初は滑らかである外部表面906の表面粗さを上げるために導入され得る、くぼみ、エッチング、細孔、穿孔、又はこれらの組合せを含み得る。これらの構造1405の大きさ、離隔、及び形状は、たとえば0L/m2sから10L/m2sの範囲のCO2回収溶液114の液体充填流速のために、見かけの接触角θAを(たとえば、50度以下に)小さくするように選択され得る。いくつかの場合、構造1405は、0.5L/m2sから2.5L/m2sの範囲の低い液体充填速度のために接触角を小さくするように構成される。
【0204】
図14A及び
図14Eを参照すると、穿孔付き構造900の壁903は複数の構造1407を含む。壁903は波型であってもよく、又は波型の外部表面906を形成するための構造を含んでもよい。たとえば、構造1407は、山1409及び谷1411を有する断面形状を形成する隆起であってもよい。例示的な構造1407は、台形及び/又は三角形の形状を有する隆起を含む。隆起は、他の断面形状も形成し得る。穿孔付き構造900のための構造1407の他の例には、水路又は縦溝がある。いくつかの実装形態では、構造1407は構造1405より大きい寸法を含み得る。
【0205】
図14A及び
図14Fを参照すると、穿孔付き構造900の壁903は親水性表面1415を含む。穿孔付き構造900の表面906の濡れた領域が、空気中のCO
2へのCO
2回収溶液114の曝露の量を決定するので、親水性表面1415はCO
2回収溶液114の所与の体積に対して濡れた領域を増やし、穿孔付きの構造900の表面906のために親水性材料を使用することができる。親水性表面1415を形成するために、たとえば、表面エネルギーを増やして接触角を小さくするために、親水性被覆が使用される。材料の表面に対する接合を変化させるために材料を露出させる表面処理から生じ得る親水性表面1415も、似た結果を達成することができる。疎水性の特性ではなく親水性の特性を示すことにより、穿孔付き構造は、液体CO
2回収溶液114と穿孔付き構造900の表面906にわたるCO
2含有空気101の流れとの接触を増やすことが可能であり得る。良好な性能を反映する親水性表面1415の設計基準は、限定はされないが、低静水圧設計、穿孔付き構造900の範囲全体で均等に液体を分配する能力、低汚損能力、空気接触効率の向上、より低い材料要件、及び製造可能性を含み得る。親水性表面1415は、たとえば被覆を行うことによって形成され得る。被覆ではなく、又はそれに加えて、親水性表面1415は外部表面906を何らかの表面処理に曝すことによって形成されてもよく、これは、親水性を改善するために表面906における接合に変化をもたらし得る。そのような表面処理の例は、プラズマ処理、火炎処理、及びコロナ処理、ならびに酸化剤による何らかの化学的な処理である。表面処理のいくつかの例は、ビーズブラスト又はエンボス加工などの機械的な処理であり得る。表面処理は外部表面906に直接適用され得る。いくつかの場合、表面処理は、特に外部表面906上の被覆が表面処理に反応する(たとえば、接触角が小さくなり、被覆の親水性の特性が改善する)場合、その被覆に適用され得る。被覆及び表面処理ではなく、又はそれに加えて、親水性表面1415は、親水性を改善するように選択される壁903の材料組成から形成され得る。たとえば、特定のPVC樹脂及び/又はビニル化合物は、市販の冷却塔パッキンを形成するために使用される一部の熱プラスチック(たとえば、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、及びテフロン(登録商標))より表面エネルギー及び濡れ性が高いことがある。
【0206】
穿孔付き構造900の壁903は、外部表面906を形成するために、構造1405、構造1407、及び親水性表面1415を任意の組合せで含み得る。たとえば、構造1405は、濡れた表面領域を増やすために構造1407に重ねられ得る。穿孔付き構造900は、特定の方向に流れるCO2回収溶液114の傾向に影響するより大きな形状(構造1407の例)と、CO2回収溶液114の液膜1007の形成を可能にするための構造1405とを含み得る。したがって、構造1407、構造1405、及び/又は親水性被覆は、穿孔付き構造900の濡れた表面領域を増やすために、独立に、又は互いに組み合わせて使用され得る。いくつかの構造1407及び構造1405は、CO2回収溶液114が、たとえば0L/m2sから10L/m2sの範囲の液体充填流速で分配され、たとえば2~10メートルのパッキン深さを有する穿孔付きパッキンに分配されるような、DAC用途のために物質移動を改善するのに適していることがある。いくつかの場合、構造1407及び構造1405は、0.5L/m2sから2.5L/m2sの液体充填速度に適している。いくつかの場合、固定化方法によって固体の支持材に固定される増速添加剤、たとえば促進剤又は触媒を含む増速材料で、穿孔付き構造900の表面を被覆するのが有利であり得る。たとえば、壁903の構造1405、構造1407、又は滑らかな表面の少なくとも1つが、増速材料で被覆され得る。
【0207】
本明細書で開示される穿孔付き構造(穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002、7002、8002など)は、剛直な材料から構築され得る。いくつかの実装形態では、穿孔付き構造は、PVC、ポリエチレン、セラミック、金属、プラスチック、鋼、又はこれらの組合せを備え得る。同様に、供給構造及びその特徴は、PVC、ポリエチレン、セラミック、金属、プラスチック、鋼、又はこれらの組合せなどの、剛直な材料からできていてもよい。他の実装形態では、本明細書で開示される穿孔付き構造(穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002、7002、8002など)は、柔軟であってもよく、又は弾性があってもよい。穿孔付き構造は、CO2回収溶液114及びCO2含有空気101の流れに応じて変形することを可能にする柔軟な材料を含み得る。一実装形態では、穿孔付き構造の本体は拡張可能であるので、それらは拡張し、CO2回収溶液114で満たされると剛直になり、CO2回収溶液114がなくなると柔軟になる。他の実装形態では、本明細書で開示される穿孔付き構造(穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002、7002、8002など)は、スポンジ様の材料などの多孔質材料であり、これは、CO2回収溶液114が、少なくとも一部毛細管現象により、穿孔904を流れることを可能にする。
【0208】
図15を参照すると、本明細書で開示される穿孔付きパッキン1000、1100、2000、3000、6000、7000、8000を伴う気液接触器100、100a、100b、100cは、気液接触器100、100a、100b、及び100cのための使用の1つの可能な限定しない例による、大気から直接CO
2を回収するための直接空気回収(DAC)システム1200の一部である。気液接触器100、100a、100b、100cは、CO
2回収溶液114を使用して大気1202からCO
2の一部を吸収し、CO
2リッチ溶液1208を形成する。CO
2回収溶液114は、CO
2リッチ回収溶液1208から再生される必要があることがあり、これは、DACシステム1200の再生システム1230において行われ得る。再生システム1230は、CO
2リッチ回収溶液1208(たとえば、使用済み回収溶液)を処理して、CO
2リッチ回収溶液1208が含有するCO
2の内容を取り戻し、及び/又は濃縮するように機能する。
【0209】
CO2リッチ溶液1208(たとえば、CO2含有回収溶液111)は、気液接触器100、100a、100b、100cからDACシステム1200のペレット反応器1210に流れる。水酸化カルシウム1224のスラリーが、ペレット反応器1210に注入される。CO2リッチ溶液1208と水酸化カルシウム1224との反応が、ペレット反応器において起こる。Ca2+は、ペレット反応器1210の中のCO3
2-と反応し、炭酸カルシウムの固体及びCO2回収溶液114(水酸化物など)としてのアルカリ性水溶液を形成し、それにより、CO2回収溶液114を再生する。たとえば、CO2リッチ溶液1208の中の炭酸カリウムが水酸化カルシウムと反応して、炭酸カルシウム及び水酸化カリウムを形成し、それにより、水酸化カリウムを含むCO2回収溶液114を再生することができる。
【0210】
Ca(OH)2とのCO2リッチ溶液の反応は、ペレット反応器1210において炭酸カルシウム(CaCO3)粒子への炭酸カルシウムの沈殿を引き起こす。限定はされないが濾過、脱水、又は乾燥を含む、炭酸カルシウムの固体のさらなる処理が、炭酸カルシウムの固体を下流の処理ユニットに送る前に行われ得る。炭酸カルシウムの固体のストリーム1214は、ペレット反応器1210からDACシステム1200のか焼炉1216に輸送される。か焼炉1216は、ペレット反応器1210からのストリーム1214の炭酸カルシウムをか焼して、場合によってはか焼炉1216における燃料源の酸素燃焼によって、気体のCO2のストリーム1218及び酸化カルシウム(CaO)のストリーム1220を生み出す。気体のCO2のストリーム1220は、隔離及び他の用途のために処理され、それにより、気液接触器100、100a、100b、100cにおいて処理される大気1202からCO2の一部を取り除く。酸化カルシウム(CaO)のストリーム1220は、DACシステム1200のスレーカー1222において水と消和されて、ペレット反応器1210に提供される水酸化カルシウムのスラリー1224を生み出す。DACシステム1200は、複数の気液接触器100、100a、100b、100cを含んでもよく、各気液接触器100、100a、100b、100cは、気液接触器100、100a、100b、100cの列/集まりのセルを形成する。
【0211】
いくつかの実装形態では、CO2回収溶液114は、異なる再生システムを使用して再生され得る。再生システム1230は、気液接触器100、100a、100b、100cの一部であってもよく、又はそれらとは別個であってもよい。ある例示的な再生システム1230において、CO2リッチ溶液1208は、セルスタックを含む電気化学系に流れてもよく、これは、1つ又は複数の膜のセット及び電極のセットを含んでもよい。電気化学系は、CO2リッチ溶液1208を含む電極に電位を印加することによって、CO2リッチ溶液1208からCO2回収溶液114を再生することができる。電位の差はイオン交換を引き起こし、それにより、取り戻されたCO21218を形成し、CO2回収溶液114を再生する。ある例示的な再生システム1230において、CO2リッチ溶液1208は、蒸気を利用する熱ストリップ柱(thermal stripping column)に流れてCO2リッチ溶液1208からCO2を放出し、それにより、取り戻されたCO2ストリーム1218を形成し、CO2回収溶液(たとえば、CO2リーン液)を再生する。
【0212】
再生システム1230は、液体分配配管、固体搬送器具、濾過システム、貯蔵器のような中間構成要素、及び/又はCO2回収溶液114を再生するように協調して機能する構成要素の集まりを含み得る。再生システム1230はまた、再生システム1230へ又はそれから液体を流すポンプを含む。
【0213】
図16を参照すると、希薄なガス混合物から二酸化炭素(CO2)を回収するための方法1500が開示される。1501において、方法1500は、複数の穿孔付き構造(たとえば、穿孔付き構造900、5900、1002、1102、2002、3002、6002、7002、8002)の間で、穿孔付き構造の外部表面906に沿って、希薄なガス混合物(たとえば、CO
2含有空気101)を流すステップを含む。1502において、方法1500は、CO
2回収溶液114を流すステップを含む。1502においてCO
2回収溶液114を流すステップは、1503において、穿孔付き構造内にCO
2回収溶液114を流すステップを含む。1502においてCO
2回収溶液114を流すステップは、1504において、穿孔付き構造の穿孔904にCO
2回収溶液114を流すステップを含む。1502においてCO
2回収溶液114を流すステップは、1505において、外部表面906に沿ってCO
2回収溶液114を流して外部表面906の少なくとも一部に沿ってCO
2回収溶液114の液膜1007を形成し、希薄なガス混合物からのCO
2をCO
2回収溶液114の液膜1007へと吸収するステップを含む。
【0214】
図17は、本明細書で開示される気液接触器100、100a、100b、100cなどの、気液接触器のための制御システム(又はコントローラ)1600の概略図である。システム1600は、たとえば制御システム999又は本明細書で説明される他のコントローラの一部として、もしくはその一部として、前に説明されたコンピュータで実施される方法のいずれかに関連して説明された動作のために使用され得る。
【0215】
システム1600は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び他の適切なコンピュータなどの、様々な形態のデジタルコンピュータを含むことが意図される。システム1600はまた、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、及び他の類似するコンピューティングデバイスなどの、モバイルデバイスを含み得る。加えて、システムは、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブなどの、ポータブルストレージメディアを含み得る。たとえば、USBフラッシュドライブは、オペレーティングシステム及び他のアプリケーションを記憶し得る。USBフラッシュドライブは、別のコンピューティングデバイスのUSBポートへと挿入され得るワイヤレス送信機又はUSBコネクタなどの、入力/出力コンポーネントを含み得る。
【0216】
システム1600は、プロセッサ1610、メモリ1620、記憶デバイス1630、及び入力/出力デバイス1640を含む。コンポーネント1610、1620、1630、及び1640の各々は、システムバス1650を使用して相互接続される。プロセッサ1610は、システム1600内で実行するための命令を処理することが可能である。プロセッサは、いくつかのアーキテクチャのいずれかを使用して設計され得る。たとえば、プロセッサ1610は、CISC(複合命令セットコンピュータ)プロセッサ、RISC(縮小命令セットコンピュータ)プロセッサ、又はMISC(最小命令セットコンピュータ)プロセッサであり得る。
【0217】
一実装形態では、プロセッサ1610はシングルスレッドプロセッサである。いくつかの実装形態では、プロセッサ1610はマルチスレッドプロセッサである。プロセッサ1610は、メモリ1620又は記憶デバイス1630に記憶されている命令を処理して、入力/出力デバイス1640にユーザインターフェースのためのグラフィカル情報を表示することが可能である。
【0218】
メモリ1620は、システム1600に情報を記憶する。一実装形態では、メモリ1620はコンピュータ可読媒体である。一実装形態では、メモリ1620は揮発性メモリユニットである。いくつかの実装形態では、メモリ1620は不揮発性メモリユニットである。
【0219】
記憶デバイス1630は、システム1600のために大容量記憶を提供することが可能である。一実装形態では、記憶デバイス1630はコンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態では、記憶デバイス1630は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学ディスクデバイス、又はテープデバイスであり得る。
【0220】
入力/出力デバイス1640は、システム1600のための入力/出力動作を提供する。一実装形態では、入力/出力デバイス1640は、キーボード及び/又はポインティングデバイスを含む。いくつかの実装形態では、入力/出力デバイス1640は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための表示ユニットを含む。
【0221】
説明されるいくつかの特徴は、デジタル電子回路において、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアにおいて、又はそれらの組合せにおいて実装され得る。装置は、情報担体において、たとえばプログラム可能プロセッサによる実行のために機械可読記憶デバイスにおいて、有形に具現化されるコンピュータプログラム製品として実装されてもよく、方法ステップは、入力データを操作して出力を生成することによって説明される実装形態の機能を実施するための命令のプログラムを実行する、プログラム可能プロセッサによって実施され得る。説明される特徴は、データストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータと命令を受信し、それらにデータと命令を送信するために結合される少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含む、プログラム可能システム上で実行可能な1つ又は複数のコンピュータプログラムにおいて有利に実装され得る。コンピュータプログラムは、ある活動を実行するために、又はある結果をもたらすために、コンピュータにおいて直接又は間接的に使用され得る命令のセットである。コンピュータプログラムは、コンパイル型言語又はインタプリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書かれてもよく、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチンとして、又はコンピューティング環境において使用するのに適した他のユニットとしてを含めて、任意の形式で展開されてもよい。
【0222】
命令のプログラムの実行のための適切なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、及び任意の種類のコンピュータの単独プロセッサ又は複数のプロセッサの1つを含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又は両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須の要素は、命令を実行するためのプロセッサ、及び命令とデータを記憶するための1つ又は複数のメモリである。一般に、コンピュータはまた、データファイルを記憶するための1つ又は複数の大容量記憶デバイスを含み、又はそれと通信するように動作可能に結合され、そのようなデバイスは、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、ならびに光学ディスクを含む。コンピュータプログラム命令とデータを有形に具現化するのに適した記憶デバイスは、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの例示的な半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、ならびにCD-ROM及びDVD-ROMディスクによるものを含む、すべての形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサ及びメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補足され、又はそれに組み込まれ得る。
【0223】
ユーザとの対話を実現するために、これらの特徴は、ユーザに情報を表示するためのCRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの表示デバイス、ならびに、ユーザがそれによりコンピュータに入力を与えることができるキーボード及びマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータ上で、実装され得る。加えて、そのような活動は、タッチスクリーンフラットパネルディスプレイ及び他の適切な機構を介して実装され得る。
【0224】
これらの特徴は、データサーバなどのバックエンドコンポーネントを含む、又はアプリケーションサーバもしくはインターネットサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含む、又はグラフィカルユーザインターフェースもしくはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含む、又はこれらの任意の組合せを含む、制御システムにおいて実装され得る。システムのコンポーネントは、通信ネットワークなどのデジタルデータ通信の任意の形態又は媒体によって接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ピアツーピアネットワーク(アドホック又は静的メンバーを有する)、グリッドコンピューティングインフラストラクチャ、及びインターネットを含む。
【0225】
本開示のいくつかの実施形態が説明された。それでも、様々な修正が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるだろう。したがって、他の実施形態が以下の特許請求の範囲内にある。様々な態様のさらなる修正及び代替の実施形態が、この説明を考慮すれば当業者に明らかになるであろう。したがって、この説明は例示にすぎないものと解釈されるべきである。本明細書で示され説明される形式は、実施形態の例として解釈されるべきであることを理解されたい。この説明の恩恵を受けた後の当業者にはすべてが明らかであるように、本明細書で示され説明されるものの代わりの要素及び材料が用いられてもよく、部分及び処理が逆にされてもよく、いくつかの特徴が独立に利用されてもよい。以下の請求項において記述される趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される要素に変更が行われてもよい。
【符号の説明】
【0226】
100 気液接触器
101 CO2含有空気
102 ハウジング
103 流入口
104 上部水盤
105 CO2リーンガス
106 パッキン
107 ファンスタック
108 プレナム
109 水盤
110 下部水盤
111 CO2含有回収溶液
114 CO2回収溶液
120 DACシステム
122 ポンプ
212 ファン
900 穿孔付き構造
901 長手軸
902 内部容積
903 壁
904 穿孔
906 外部表面
907 内部表面
908 本体
909 平面
999 制御システム
1000 穿孔付きパッキン
1002 穿孔付き構造
1004 供給構造
1005 供給導管
1007 液膜
1009 配置
1010 下部水盤
1011 供給導管内部容積
1012 流れ間隙
1013 導管開口
1015 供給導管軸
1017 流入口
1100 穿孔付きパッキン
1102 穿孔付き構造
1104 供給構造
1106 外部表面
1109 配置
1110 水盤
1115 供給導管軸
1128 流入口
1200 DACシステム
1202 大気
1208 CO2リッチ溶液
1210 ペレット反応器
1214 ストリーム
1216 か焼炉
1218 ストリーム
1220 ストリーム
1224 スレーカー
1230 スラリー
1405 構造
1407 構造
1409 山
1411 谷
1415 親水性表面
1600 システム
1610 プロセッサ
1620 メモリ
1630 記憶デバイス
1640 入力/出力デバイス
1650 システムバス
1901 長手軸
1902 内部容積
1903 壁
1906 外部表面
2000 穿孔付きパッキン
2001 長手軸
2002 穿孔付き構造
2004 供給構造
2005 供給導管
2007 供給マニホールド
2009 配置
2010 下部水盤
2011 列
2012 流れ間隙
2013 深さ
2015 供給導管軸
2103 空気流入口
2106 パッキンセクション
2110 流入口
2112 ファン
2901 長手軸
2902 内部容積
3000 穿孔付きパッキン
3001 長手軸
3002 穿孔付き構造
3004 供給構造
3005 供給導管
3007 供給マニホールド
3009 配置
3010 下部水盤
3011 列
3012 流れ間隙
3013 深さ
3015 供給導管軸
3103 流入口
3106 パッキン
3110 下部水盤
3112 ファン
4004 供給構造
4005 供給導管
4007 供給導管穿孔
4103 流入口
4106 パッキン
4110 下部水盤
5900 穿孔付き構造
5902 内部容積
5908 本体
6000 穿孔付きパッキン
6002 穿孔付き構造
6005 供給導管
6009 配置
7000 穿孔付きパッキン
7002 穿孔付き構造
7004 穿孔付き構造セグメント
7005 供給導管
7006 支持材
7009 配置
8000 穿孔付きパッキン
8001 内部容積
8002 穿孔付き構造
8004 流入口
8006 空気供給導管
8008 排出口
8009 配置
8010 排出導管
8011 容器
8013 内部表面
【国際調査報告】