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特表2024-546703光学系およびこれを含むカメラモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】光学系およびこれを含むカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20241219BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534116
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019717
(87)【国際公開番号】W WO2023106797
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0173156
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0173157
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ヨンハク
(72)【発明者】
【氏名】キム,キュジン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジンヨン
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087MA04
2H087MA06
2H087MA08
2H087NA03
2H087NA08
2H087PA03
2H087PA17
2H087PB03
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA12
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA34
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
本実施例に係る光学系は、正(+)の屈折力を有する第1レンズ;第2レンズ;および正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、前記第1~第3レンズは、プラスチック材質で構成され、光軸方向における前記第1~第3レンズの中心厚さは、0.9mmより大きいことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正(+)の屈折力を有する第1レンズ;
第2レンズ;および
正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、
前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、
前記第1~第3レンズは、プラスチック材質で構成され、
光軸方向において前記第1~第3レンズの中心厚さは0.9mmより大きい、光学系。
【請求項2】
正(+)の屈折力を有する第1レンズ;
第2レンズ;および
正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、
前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置される、光学系。
<条件式>
100degree<|L3S2_max Slope Angle|<120degree
(前記条件式において、L3S2_max Slope Angleは、前記第3レンズの上側面に接する接線が光軸に垂直な線となす角度のうち最大値を意味する。)
【請求項3】
前記第1レンズの屈折率は、前記第2レンズの屈折率より大きい、請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
6mm<TTL<8mm
(前記条件式において、TTLは、前記第1レンズの物体側面からイメージセンサーの上面までの前記光軸における距離を意味する。)
【請求項5】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
1.6<n1<1.8
(前記条件式において、n1は、前記第1レンズの屈折率を意味する。)
【請求項6】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
1.8<Fno<2.2
(前記条件式において、Fnoは、前記光学系のF-ナンバー(F-number)を意味する。)
【請求項7】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
v1<v2
(前記条件式において、v1は前記第1レンズのアッベ数を意味し、v2は前記第2レンズのアッベ数を意味する。)
【請求項8】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
25degree<FOV<35degree
(前記条件式において、FOVは、前記光学系の画角を意味する。)
【請求項9】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
10<v1<20
(前記条件式において、v1は前記第1レンズのアッベ数を意味する。)
【請求項10】
イメージセンサーを含み、
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
2mm<ImgH<4mm
(前記条件式において、ImgHは、前記イメージセンサーの全体対角方向の長さ(mm)を意味する。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施例は、改善された光学性能を有する光学系およびこれを含むカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ADAS(Advanced Driving Assistance System)とは、運転者の運転を補助するための先端運転者補助システムであり、前方の状況をセンシングし、センシングされた結果に基づいて状況を判断し、状況判断に基づいて車両の挙動を制御することで構成される。例えば、ADASセンサー装置は前方の車両を感知し、車線を認識する。その後、目標車線や目標速度および前方のターゲットが判断されると、車両のESC(Electrical Stability Control)、EMS(Engine Management System)、MDPS(Motor Driven Power Steering)などが制御される。代表的に、ADASは自動駐車システム、低速市内走行補助システム、死角地帯警告システムなどで実現することができる。
【0003】
ADASで前方の状況を感知するためのセンサー装置には、GPSセンサー、レーザースキャナー、前方レーダー、Lidarなどがあり、最も代表的なものは、車両の前方、後方および側方を撮影するためのカメラである。
【0004】
このようなカメラは、車両の外部または内部に配置され、前記車両の周辺状況を感知することができる。また、前記カメラは、車両の内部に配置され、運転者および同乗者の状況を感知することができる。例えば、前記カメラは、運転者と隣接する位置で前記運転者を撮影することができ、運転者の健康状態、眠気の有無、飲酒の有無などを感知することができる。また、前記カメラは、同乗者と隣接する位置で前記同乗者を撮影し、同乗者の眠気の有無、健康状態などを感知することができ、運転者に同乗者に対するインフォメーションを提供することができる。
【0005】
特に、カメラで像(image)を得るために最も重要な要素は、像(image)を結像する撮像レンズである。近年、高画質、高解像度など高性能への関心が高まっており、これを実現するために複数のレンズを含む光学系に対する研究が進められている。しかし、前記カメラが車両の外部または内部で苛酷な環境、例えば、高温、低温、水分、高湿などに露出される場合、光学系の特性が変化するという問題がある。この場合、前記カメラは、優秀な光学的特性、収差特性を均一に引き出すことが難しいという問題がある。
【0006】
また、車両用カメラモジュールは外部に露出するため、湿気および温度によって撮影品質が低下する可能性がある。特にカメラモジュールは、周囲温度とレンズの材質により光学特性が変化するという問題がある。
【0007】
したがって、上述した問題を解決できる新しい光学系およびカメラが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本実施例は、光学特性が改善された光学系およびカメラモジュールを提供することを目的とする。
【0009】
また、本実施例は、低温または高温の環境で優秀な光学的特性を提供できる光学系およびカメラモジュールを提供することを目的とする。
【0010】
また、本実施例は、様々な温度範囲で光学的特性が変化することを防止または最小化することができる光学系およびカメラモジュールを提供することを目的とする。
【0011】
また、本実施例は、カメラモジュール内のレンズの焦点距離変化を予測して補償することができるカメラシステムを提供することができる。
【0012】
また、本実施例は、カメラモジュール内の少なくとも一つのレンズの温度変化を予測し、光軸距離を調節することができるカメラシステムを提供することができる。
【0013】
また、本実施例は、温度変化が大きい装置または構造物に適用されるカメラモジュールを制御する制御システムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本実施例に係る光学系は、正(+)の屈折力を有する第1レンズ;第2レンズ;および正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、前記第1~第3レンズは、プラスチック材質で構成され、光軸方向において前記第1~第3レンズの中心厚さは、0.9mmより大きいことができる。
【0015】
前記課題を解決するために、本発明の他の実施例による光学系は、正(+)の屈折力を有する第1レンズ;第2レンズ;および正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、<条件式>100degree<|L3S2_max Slope Angle|<120degree(前記条件式において、L3S2_max Slope Angleは、前記第3レンズの上側面に接する接線が光軸に垂直な線となす角度のうち最大値を意味する。)
前記第1レンズの屈折率は、前記第2レンズの屈折率より大きいことができる。
【0016】
次の条件式を満たすことができる。<条件式>6mm<TTL<8mm(前記条件式において、TTLは、前記第1レンズの物体側面からイメージセンサーの上面までの前記光軸における距離を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>1.6<n1<1.8(前記条件式において、n1は、前記第1レンズの屈折率を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>1.8<Fno<2.2(前記条件式において、Fnoは、前記光学系のF-ナンバー(F-number)を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>v1<v2(前記条件式において、v1は、前記第1レンズのアッベ数を意味し、v2は、前記第2レンズのアッベ数を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>25degree<FOV<35degree(前記条件式において、FOVは、前記光学系の画角を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>10<v1<20(前記条件式において、v1は、前記第1レンズのアッベ数を意味する。)
イメージセンサーを含み、次の条件式を満たすことができる。<条件式>2mm<ImgH<4mm(前記条件式において、ImgHは、前記イメージセンサーの全体対角方向の長さ(mm)を意味する。)
前記光軸における前記第2レンズの中心厚さは、前記第3レンズの中心厚さより大きいことができる。
【0017】
前記課題を解決するために、本実施例に係る光学系は、正(+)の屈折力を有する第1レンズ;第2レンズ;および負(-)の屈折力を有する第3レンズを含み、前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置される絞りを含み、前記第1レンズの屈折率は、前記第2レンズの屈折率より小さいことができる。
【0018】
前記課題を解決するために、本発明の他の実施例による光学系は、正(+)の屈折力を有する第1レンズ;第2レンズ;および負(-)の屈折力を有する第3レンズを含み、前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置される絞りを含み、前記第2レンズの屈折率は、前記第3レンズの屈折率より大きいことができる。
【0019】
次の条件式を満たすことができる。<条件式>v2<v1(前記条件式において、v1は、前記第1レンズのアッベ数を意味し、v2は、前記第2レンズのアッベ数を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>1.8<Fno<2.2(前記条件式において、Fnoは、前記光学系のF-ナンバー(F-number)を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>1.5<n1<1.6(前記条件式において、n1は、前記第1レンズの屈折率を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>1.6<n2<1.7(前記条件式において、n2は、前記第2レンズの屈折率を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>50<v1<60(前記条件式において、v1は、前記第1レンズのアッベ数を意味する。)
次の条件式を満たすことができる。<条件式>10<v2<20(前記条件式において、v2は、前記第2レンズのアッベ数を意味する。)
光軸における前記第2レンズの厚さは、前記第1レンズの厚さより大きいことができる。
【0020】
光軸における前記第1レンズの厚さは、前記第3レンズの厚さより大きいことができる。
【0021】
光軸における前記第1レンズの厚さは、前記第1レンズと前記第2レンズとの間の距離より大きいことができる。
【発明の効果】
【0022】
本実施例に係る光学系およびカメラモジュールは、改善された光学特性を有することができる。
【0023】
詳細には、本実施例に係る光学系における複数のレンズは、設定された形状、屈折力、焦点距離、厚さなどを有し、改善された歪曲特性および収差特性を有することができる。これにより、実施例による光学系およびカメラモジュールは、設定された画角範囲内で高解像度、高画質のイメージを提供することができる。
【0024】
また、本実施例に係る光学系およびカメラモジュールは、様々な温度範囲で動作することができる。詳細には、前記光学系は、プラスチック材質の第1~第3レンズを含むことができる。この時、前記第1~第3レンズのそれぞれは、設定された屈折力を有することができる。これにより、温度変化による屈折率変化で各レンズの焦点距離が変化する場合にも、前記第1~第3レンズは、相互に補償することができる。即ち、前記光学系は、低温(約-40℃)~高温(約85℃)の温度範囲で屈折力に対する配分を効果的に行うことができ、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲で光学的特性が変化することを防止または最小化することができる。したがって、本実施例に係る光学系およびカメラモジュールは、様々な温度範囲で改善された光学特性を維持することができる。
【0025】
また、カメラモジュール内のBFL(Back focal length)変化を補償することができる。また、温度変化に応じて光軸方向に少なくとも一つのレンズを移動させて、性能変化を最小化することができる。また、車両の内部または外部装置からカメラモジュールの周辺温度インフォメーションを検出し、温度ごとに予測可能な範囲内で、少なくとも一つのレンズとセンサーとの間の距離を調節することができる。これにより、カメラモジュールの温度による性能変化を最小化することができる。
【0026】
また、本実施例に係る光学系およびカメラモジュールは、最小限のレンズで設定された画角を満足し、優秀な光学特性を実現することができる。これにより、前記光学系は、よりスリムでコンパクトな構造で提供することができる。したがって、前記光学系およびカメラモジュールは、様々なアプリケーションおよび装置などに提供することができ、苛酷な温度環境、例えば、夏高温の車両内部でも優秀な光学特性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施例に係るカメラモジュールまたは光学系が適用された車両の平面図を示した図面である。
図2】本実施例に係るカメラモジュールまたは光学系が適用された車両の内部を示した図面である。
図3】本実施例に係るカメラモジュールまたは光学系が適用された車両の内部を示した図面である。
図4】本第1実施例による光学系の構成図である。
図5】低温(-40℃)環境における本第1実施例による光学系の収差度に対するグラフである。
図6】常温(20℃)環境における本第1実施例による光学系の収差度に対するグラフである。
図7】高温(85℃)環境における本第1実施例による光学系の収差度に対するグラフである。
図8】本第2実施例による光学系の構成図である。
図9】低温(-40℃)環境における本第2実施例による光学系の収差度に対するグラフである。
図10】常温(20℃)環境における本第2実施例による光学系の収差度に対するグラフである。
図11】高温(85℃)環境における本第2実施例による光学系の収差度に対するグラフである。
図12】本実施例のカメラシステムを示した図面である。
図13】(A)、(B)は1カメラモジュール内の温度に応じるレンズの焦点距離変化を説明した図面である。
図14】本実施例のカメラシステムにおけるカメラモジュールの例示を示した側断面図である。
図15】本実施例のカメラシステムの保存部に保存された温度によるレンズ補正率を示した表である。
図16】本実施例のカメラシステムにおける温度によるレンズ補正率を示したグラフである。
図17】本実施例のカメラシステムの保存部に保存された基準BFLによる温度補償率を示したテーブルを示した図面である。
図18】本実施例のカメラシステムにおける温度による焦点距離補正方法を示したグラフである。
図19】本実施例に係る光学系における一部の用語を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0029】
ただし、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で実施することができ、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間でその構成要素の一つ以上を選択的に組み合わせたり、置換して使用することができる。
【0030】
また、本実施例で使用される用語(技術的及び科学的用語を含む)は、明らかに特別に定義されて記載されていない限り、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解される意味に解釈することができ、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるだろう。
【0031】
また、本実施の形態で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0032】
本明細書において、単数形は、文言で特に言及されていない限り、複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または複数)」と記載されている場合、A、B、Cで組み合わせられるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0033】
また、本実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などに限定されるものではない。
【0034】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に「連結」、「結合」、または「接続」される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素との間にある別の構成要素により「連結」、「結合」、または「接続」される場合も含むことができる。
【0035】
また、各構成要素の「上(の上)」または「下(の下)」に形成または配置されるものとして記載される場合、「上(の上)」または「下(の下)」は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上の別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(の上)」または「下(の下)」で表現される場合、一つの構成要素を基準にして上方向だけでなく、下方向の意味も含むことができる。
【0036】
また、レンズの面が凸であるとは、光軸領域のレンズ面が凸形状を有することを意味することができ、レンズの面が凹であるとは、光軸領域のレンズ面が凹形状を有することを意味することができる。
【0037】
また、「物体側面」とは、光軸を基準にして物体側を向くレンズの面を意味することができ、「センサー側面」とは、光軸を基準にしてイメージセンサーを向くレンズの面を意味することができる。「物体側面」は「物側面」であってもよい。「センサー側面」は「上側面」であってもよい。
【0038】
また、垂直方向は、光軸に垂直な方向を意味することができ、レンズまたはレンズ面の端部は、入射された光が通過するレンズの有効領域の最端を意味することができる。
【0039】
また、レンズの中心厚さは、レンズの光軸から物体側面及びセンサー側面間の光軸方向の長さを意味することができる。
【0040】
また、レンズ面の有効径の大きさは、測定方法などによって最大±0.4mm程度の測定誤差を有することができる。
【0041】
また、実施例において、低温とは、特定の温度(-40℃)を意味したり、約-40℃~約30℃の温度範囲を意味することができ、常温とは、特定の温度(20℃)を意味したり、約18℃~約30℃の温度範囲を意味することができる。また、高温とは、特定の温度(85℃)を意味するか、約80℃~約105℃の温度範囲を意味することができる。
【0042】
図1は、本実施例に係るカメラモジュールまたは光学系が適用された車両の平面図を示した図面であり、図2および図3は、本実施例に係るカメラモジュールまたは光学系が適用された車両の内部を示した図面である。
【0043】
まず、図1を参照すると、本実施例による車両用カメラシステムは、映像生成部2110、第1情報生成部2120、第2情報生成部2210、2220、2230、2240、2250、2260および制御部2140を含む。
【0044】
映像生成部2110は、車両2000の外部または内部に配置される少なくとも一つの第1カメラモジュール2310を含むことができ、車両2000の前方映像を生成することができる。また、映像生成部2110は、第1カメラモジュール2310を利用して車両2000の前方だけでなく一つ以上の方向に対する車両2000の周辺を撮影して車両2000の周辺映像を生成することができる。ここで、前方映像および周辺映像は、デジタル映像であってもよく、カラー映像、白黒映像および赤外線映像などを含むことができる。また、前方映像および周辺映像は、静止映像および動画を含むことができる。映像生成部2110は、前方映像および周辺映像を制御部2140に提供することができる。
【0045】
続いて、第1情報生成部2120は、車両2000に配置される少なくとも一つのレーダーまたは/およびカメラを含むことができ、車両2000の前方を感知して第1感知インフォメーションを生成する。具体的に、第1情報生成部2120は、車両2000に配置され、車両2000の前方に位置した車両2000の位置および速度、歩行者の有無および位置などを感知して第1感知インフォメーションを生成することができる。
【0046】
第1情報生成部2120で生成した第1感知インフォメーションを利用して、車両2000と前車との距離を一定に維持するように制御することができ、運転者が車両2000の走行車線を変更しようとする場合や、後進駐車時のように予め設定された特定の場合に車両2000の運行安全性を高めることができる。第1情報生成部2120は、第1感知インフォメーションを制御部2140に提供することができる。
【0047】
続いて、第2情報生成部2210、2220、2230、2240、2250、2260は、映像生成部2110で生成した前方映像と第1情報生成部2120で生成した第1感知インフォメーションに基づいて、車両2000の各側面を感知して第2感知インフォメーションを生成する。具体的に、第2情報生成部2210、2220、2230、2240、2250、2260は、車両2000に配置される少なくとも一つのレーダーまたは/およびカメラを含むことができ、車両2000の側面に位置した車両の位置および速度を感知したり映像を撮影することができる。ここで、第2情報生成部2210、2220、2230、2240、2250、2260は、車両2000の前方両コーナー、サイドミラー、および後方中央および後方両コーナーにそれぞれ配置することができる。
【0048】
また、図2および図3を参照すると、映像生成部2110は、車両2000の内部に配置される少なくとも一つの第2カメラモジュール2320を含むことができる。第2カメラモジュール2320は、運転者および同乗者と隣接して配置することができる。例えば、第2カメラモジュール2320は、運転者および同乗者と第1距離(d1)離隔した位置に配置され、車両2000の内部映像を生成することができる。この時、第1距離(d1)は、約500mm以上であってもよい。詳細には、第1距離(d1)は、約600mm以上であってもよい。また、第2カメラモジュール2320は、約55度(degree)以上の画角(FOV)を有することができる。
【0049】
映像生成部2110は、第2カメラモジュール2320を利用して車両2000内部の運転者および/または同乗者を撮影して車両2000の内部映像を生成することができる。ここで車両の内部映像は、デジタル映像であることができ、カラー映像、白黒映像および赤外線映像などを含むことができる。また、内部映像は、静止映像および動画を含むことができる。映像生成部2110は、車両2000の内部映像を制御部2140に提供する。
【0050】
制御部2140は、映像生成部2110から提供されたインフォメーションに基づいて、車両2000の搭乗者にインフォメーションを提供することができる。例えば、映像生成部2110から提供されたインフォメーションに基づいて、運転者の健康状態、眠気の有無、飲酒の有無などを感知することができ、運転者にこれと対応する案内、警告などのインフォメーションを提供することができる。また、映像生成部2110から提供されたインフォメーションに基づいて、同乗者の眠気の有無、健康状態などを感知することができ、運転者および/または同乗者にこれに対するインフォメーションを提供することができる。
【0051】
このような車両用カメラシステムは、以下の本実施例に係る光学系1000を有するカメラモジュールを含むことができ、車両2000の前方、後方、各側面またはコーナー領域を通じて取得されたインフォメーションを利用して使用者に提供したり処理し、自動運転または周辺安全から車両2000と物体を保護することができる。また、車両2000の内部にも配置され、運転者および同乗者に様々なインフォメーションを提供することができる。即ち、第1カメラモジュール2310および第2カメラモジュール2320の少なくとも一つのカメラモジュールは、後述する光学系1000を含むことができる。
【0052】
本実施例に係るカメラモジュールは、光学系は安全規制、自律走行機能の強化および便宜性増加のために、車両内に複数で搭載することができる。また、カメラモジュールの光学系は、車線維持システム(LKAS:Lane keeping assistance system)、車線離脱警報システム(LDWS)、運転者監視システム(DMS:Driver monitoring system)のような制御のための部品として、車両内に適用されている。このような車両用カメラモジュールは、周囲温度変化にも安定した光学性能を実現することができ、価格競争力のあるモジュールを提供し、車両用部品の信頼性を確保することができる。
【0053】
以下、本第1実施例による光学系について詳細に説明する。
【0054】
本第1実施例による光学系1000は、複数のレンズ100、200、300およびイメージセンサー600を含むことができる。詳細には、本第1実施例による光学系1000は、2枚以上のレンズを含むことができる。例えば、光学系1000は、3枚レンズを含み、物体側からセンサー側方向に順次配置される第1レンズ100、第2レンズ200、第3レンズ300およびイメージセンサー600を含むことができる。第1~第3レンズ100、200、300は、光学系1000の光軸(OA)に沿って順次配置することができる。
【0055】
この場合、物体のインフォメーションに該当する光は、第1レンズ100、第2レンズ200および第3レンズ300を通過してイメージセンサー600に入射することができる。
【0056】
複数のレンズ100、200、300それぞれは、有効領域および非有効領域を含むことができる。有効領域は、第1~第3レンズ100、200、300のそれぞれに入射された光が通過する領域であってもよい。即ち、有効領域は、入射された光が屈折して光学特性を実現する領域であってもよい。有効領域は、有効径の領域であってもよい。
【0057】
非有効領域は、有効領域の周りに配置することができる。非有効領域は、光が入射されない領域であってもよい。即ち、非有効領域は、光学特性と関係がない領域であってもよい。また、非有効領域は、レンズを収容するバレル(図示せず)などに固定される領域であってもよい。非有効領域は、非有効径の領域であってもよい。
【0058】
イメージセンサー600は、光を感知することができる。詳細には、イメージセンサー600は、複数のレンズ、詳細には、第1~第3レンズ100、200、300を順次通過した光を感知することができる。イメージセンサー600は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)など、入射される光を感知できる素子を含むことができる。
【0059】
イメージセンサー600は、設定された大きさを有する複数のピクセル(pixel)を含むことができる。例えば、イメージセンサー600のピクセルの大きさは、約3umであってもよい。イメージセンサー600は、設定された波長の光を感知することができる。例えば、イメージセンサー600は、赤外線(IR、Infrared Ray)光を感知することができる。詳細には、イメージセンサー600は、約1500nm以下の近赤外線(near infrared ray)光を感知することができる。例えば、イメージセンサーは、約880nm~約1000nm波長帯域の光を感知することができる。
【0060】
本第1実施例による光学系1000は、カバーガラス400およびフィルター500をさらに含むことができる。
【0061】
カバーガラス400は、複数のレンズ100、200、300とイメージセンサー600との間に配置することができる。カバーガラス400は、イメージセンサー600と隣接して配置することができる。カバーガラス400は、イメージセンサー600と対応する形状を有することができる。カバーガラス400は、イメージセンサー600より大きいか、または同じ大きさで提供され、イメージセンサー600の上部を保護することができる。
【0062】
また、フィルター500は、複数のレンズ100、200、300とイメージセンサー600との間に配置することができる。フィルター500は、複数のレンズ100、200、300のうち、イメージセンサー600と最も隣接した最後のレンズ(第3レンズ300)とイメージセンサー600との間に配置することができる。詳細には、フィルター500は、カバーガラス400とイメージセンサー600との間に配置することができる。
【0063】
フィルター500は、設定された波長帯域の光を通過させ、これと異なる波長帯域の光をフィルタリングすることができる。フィルター500は、イメージセンサー600が受光する光と対応する波長帯域の光を通過させることができ、受光する光と対応しない波長帯域の光を遮断することができる。詳細には、フィルター500は、赤外線波長帯域の光を通過させることができ、紫外線、可視光線帯域の光を遮断することができる。例えば、フィルター500は、赤外線パス(IR Pass)フィルター、赤外線カットオフ(IR Cutoff)フィルターの少なくとも一つを含むことができる。
【0064】
本第1実施例による光学系1000は、絞り(STOP)を含むことができる。絞り(STOP)は、物体と第1レンズ100との間に配置することができる。絞り(STOP)は、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の前方に配置することができる。絞り(STOP)は、第1レンズ100の物体側面から離隔することができる。絞り(STOP)は、被写体から入射される光の光量を調節することができる。絞り(STOP)は、第1レンズ100に入射する光の光量を調節することができる。絞り(STOP)は、口径絞りを含むことができる。
【0065】
以下、表1を参照して、本第1実施例による複数のレンズについてより詳しく説明する。
【表1】
【0066】
表1は、本第1実施例による第1~第3レンズ100、200、300の曲率半径(Radius of Curvature)、光軸(OA)における各レンズの厚さ(Thickness)、光軸(OA)における各レンズ間の間隔(distance)、d-line(587.562mm)波長帯域の光に対する屈折率(Refractive index)、アッベ数(Abbe’s Number)および有効径(Clear aperture;CA)の大きさに関するものである。ここで、表1に記載されたレンズデータは常温(約20℃)でのデータである。
【0067】
図4および表1を参照すると、本第1実施例による光学系1000の第1レンズ100は、プラスチック(Plastic)材質を有することができる。第1レンズ100は、光軸(OA)において正(+)の屈折力を有することができる。また、光軸(OA)において、第1レンズ100の第1面(S1)は、凸形状を有することができ、第2面(S2)は、凸形状を有することができる。第1レンズ100は、光軸(OA)において両側が凸形状を有することができる。第1面(S1)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第1面(S1)は、有効径領域以外の領域であるフランジ部領域で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0068】
第1面(S1)および第2面(S2)の少なくとも一つの面は、非球面(Asphere)であってもよい。例えば、第1面(S1)および第2面(S2)は、全て非球面(Asphere)であってもよい。
【0069】
第2レンズ200は、光軸(OA)において正(+)または負(-)の屈折力を有することができる。第2レンズ200は、プラスチック材質で構成することができる。
【0070】
第2レンズ200は、物体側面に定義される第3面(S3)およびセンサー側面に定義される第4面(S4)を含むことができる。第3面(S3)は、光軸(OA)から凹形状を有することができ、第4面(S4)は、光軸(OA)から凸形状を有することができる。即ち、第2レンズ200は、光軸(OA)からセンサー側に凸形状のメニスカス形状を有することができる。第4面(S4)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第4面(S4)は、有効径領域内で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0071】
第3面(S3)および第4面(S4)の少なくとも一つの面は、非球面(Asphere)であってもよい。例えば、第3面(S3)および第4面(S4)は、全て非球面(Asphere)であってもよい。
【0072】
第3レンズ300は、光軸(OA)において正(+)の屈折力を有することができる。第3レンズ300は、プラスチック材質で構成することができる。
【0073】
第3レンズ300は、物体側面に定義される第5面(S5)およびセンサー側面に定義される第6面(S6)を含むことができる。第5面(S5)は、光軸(OA)において凸形状を有することができ、第6面(S6)は、光軸(OA)において凹形状を有することができる。即ち、第3レンズ300は、光軸(OA)において物体側に凸のメニスカス形状を有することができる。第5面(S5)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第5面(S5)は、有効径領域に少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第6面(S6)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第6面(S6)は、有効径領域で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0074】
第5面(S5)および第6面(S6)の少なくとも一つの面は、非球面(Asphere)であってもよい。例えば、第5面(S5)および第6面(S6)は、全て非球面(Asphere)であってもよい。
【0075】
下記の表2は、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲で様々な波長の光に対する第1~第3レンズ100、200、300の屈折率に関するデータである。
【表2】
【0076】
表2を参照すると、第1レンズ100、第2レンズ200および第3レンズ300は、温度変化に応じて、互いに異なる屈折率変化特性を有することができる。
【0077】
第2レンズ200と第3レンズ300の屈折率は同じであってもよく、第1レンズ100の屈折率は、第2レンズ200および第3レンズ300の屈折率と異なる場合がある。第2レンズ200および第3レンズ300の屈折率は、第1レンズ100の屈折率より小さい値を有することができる。また、表2を参照すると、第1~第3レンズ100、200、300は、低温(約-40℃)~高温(約85℃)の温度範囲で温度によって変化する屈折率が非常に小さいことが分かる。特に、第1~第3レンズ100、200、300の温度変化による屈折率の変化(dnt_1/dt、dnt_2/dt、dnt_3/dt)は、負の数を有することが分かる。
【0078】
下記の表3は、常温(約20℃)における第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))およびセンサー側面(第2面(S2))のそれぞれの光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)によるSagデータである。
【0079】
また、表4は、常温(約20℃)における光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたレンズ厚さに関するデータである。詳細には、表4のD_1は、第1レンズ100の中心厚さであり、第1レンズ100の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、表4のD_1_ETは、第1レンズ100の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の有効領域端部と第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【表3】
【表4】
【表5】
【0080】
表3、表4を参照すると、第1レンズ100の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)において第1レンズ100の有効径の端部方向に行くほど薄くなることができる。詳細には、第1レンズ100の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)~第2面(S2)の有効径端部までの範囲で、光軸(OA)において最大値を有することができ、第2面(S2)の有効径の端部で最小値を有することができる。
【0081】
また、表5は、常温(約20℃)における光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)による第1レンズの物体側面(第1面(S1))と第1レンズのセンサー側面(第2面(S2))のSlope Angle(degree)のデータである。Slope Angleは、レンズ面に接する接線と光軸(OA)に垂直な線がなす角度を意味する。
【0082】
これにより、第1レンズ100は入射する光を制御し、改善された収差制御特性を有することができる。
【0083】
次の表6は、常温(約20℃)における第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))およびセンサー側面(第4面(S4))のそれぞれの光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)によるSagデータである。
【0084】
また、表7は、常温(約20℃)における光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたレンズ厚さに関するデータである。詳細には、表7のD_2は、第2レンズ200の中心厚さであり、第2レンズ200の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、表7のD_2_ETは、第2レンズ200の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))の有効領域端部と第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【表6】
【表7】
【表8】
【0085】
表6および表7を参照すると、第2レンズ200の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)から第2レンズ200の有効径の端部方向に行くほど厚くなることができる。詳細には、第2レンズ200の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)~第3面(S3)の有効径端部までの範囲で、光軸(OA)において最小値を有することができ、第3面(S3)の有効径の端部で最大値を有することができる。
【0086】
また、表8は、常温(約20℃)における光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じた第2レンズ200の物体側面(第4面(S4))と第2レンズ200のセンサー側面(第2面(S2))のSlope Angle(degree)のデータである。Slope Angleは、レンズ面に接する接線と光軸(OA)に垂直な線がなす角度を意味する。
【0087】
これにより、第2レンズ200は、低温~高温の温度範囲で、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができる。
【0088】
次の表9は、常温(約20℃)における第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))およびセンサー側面(第6面(S6))のそれぞれの光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)によるSagデータである。
【0089】
また、表10は、常温(約20℃)における光軸(OA)の垂直方向の高さによるレンズ厚さに関するデータである。詳細には、表10のD_3は、第3レンズ300の中心厚さであり、第3レンズ300の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、表10のD_3_ETは、第3レンズ300の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))の有効領域端部と第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【表9】
【表10】
【表11】
【0090】
表9および表10を参照すると、第3レンズ300の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)から第3レンズ300の有効径の端部方向に行くほど厚くなることができる。詳細には、第3レンズ300の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)~第5面(S5)の有効径端部までの範囲で、第5面(S5)の有効径の端部で最大値を有することができ、光軸(OA)において最小値を有することができる。
【0091】
また、表11は、常温(約20℃)における光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じた第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))と第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))のSlope Angle(degree)のデータである。Slope Angleは、レンズ面に接する接線と光軸(OA)に垂直な線がなす角度を意味する。
【0092】
これにより、第3レンズ300は、低温~高温の温度範囲で、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができる。
【0093】
本第1実施例による光学系1000における各レンズ面の非球面係数の値は、次の表12の通りである。
【表12】
【0094】
また、本第1実施例による光学系1000において、第1レンズ100と第2レンズ200との間の間隔(第1間隔)は、常温(約20℃)で次の表13のようにすることができる。
【表13】
【0095】
表13を参照すると、第1間隔(d12)は、第1レンズのセンサー側面から第2レンズの物体側面までの光軸方向の距離を意味することができる。第1間隔(d12)は、第1エアギャップ(d12)であってもよい。
【0096】
第1間隔は、光軸(OA)から第2面(S2)の有効径の端部である第1地点(L1)に行くほど小さくなることができる。ここで、第1地点(L1)が意味する値は、互いに向き合う第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))と第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))のうち、有効径の大きさが小さい第2面(S2)の有効半径値の近似値であり、表3に記載された第2面(S2)の有効径値の1/2の近似値を意味する。
【0097】
第1間隔は、光軸(OA)において最大値を有することができる。第1間隔の最大値は、最小値の約1.3倍~約1.5倍であってもよい。例えば、本第1実施例において、第1間隔の最大値は最小値の約1.42倍であってもよい。
【0098】
また、本第1実施例による光学系1000において、第2レンズ200と第3レンズ300との間の間隔(第2間隔)は、常温(約20℃)で、次の表14のようにすることができる。
【表14】
【0099】
表14を参照すると、第2間隔(d23)は、第2レンズのセンサー側面から第3レンズの物体側面までの光軸方向を意味することができる。第2間隔(d23)は、第2エアギャップ(d23)であってもよい。
【0100】
第2間隔は、光軸(OA)から第4面(S4)の有効径の端部である第2地点(L2)に行くほど大きくなることができる。ここで、第2地点(L2)が意味する値は、互いに向き合う第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))と第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))のうち、有効径大きさが小さい第4面(S4)の有効半径値の近似値であり、表3に記載された第4面(S4)の有効径値の1/2の近似値を意味する。
【0101】
第2間隔は、光軸(OA)において最小値を有することができる。第2間隔の最大値は、最小値の約1.5倍~約2倍であってもよい。例えば、本第1実施例において、第2間隔の最大値は、最小値の約1.83倍であってもよい。
【0102】
本第1実施例による光学系1000は、以下で説明する数式の少なくとも一つを満たすことができる。これにより、本第1実施例による光学系1000は、低温~高温の温度範囲で、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができ、様々な温度で改善された光学特性を実現することができる。また、実施例による光学系1000は、後述する数式の少なくとも一つを満たすことにより、様々な温度で改善された歪曲および収差特性を有することができる。一部の数式に表記された用語は、図19を参照して説明する。
【0103】
[数式1]
1<L1_CT/L2_CT<1.5
数式1において、L1_CTは、常温(約20℃)で第1レンズ100の中心厚さであり、第1レンズ100の光軸(OA)における厚さ(mm)である。L2_CTは、常温(約20℃)で第2レンズ200の中心厚さであり、第2レンズ200の光軸(OA)における厚さ(mm)である。
【0104】
実施例による光学系1000が数式1を満たす場合、光学系1000は、改善された光学系収差制御特性を有することができる。
【0105】
[数式2]
1.2<L1_CT/L1_ET<1.8
数式2において、L1_CTは、常温(約20℃)で第1レンズ100の中心厚さであり、第1レンズ100の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、L1_ETは、常温(約20℃)で第1レンズ100の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。
【0106】
詳細には、L1_ETは、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の有効領域端部と第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。L1_ETは、第1レンズ100の有効径外側のフランジ部の厚さであってもよい。
【0107】
実施例による光学系1000が数式2を満たす場合、光学系1000は、改善された色収差減少特性を有することができる。
【0108】
[数式3]
1<L3_ET/L3_CT<1.5
数式3において、L3_CTは、常温(約20℃)で第3レンズ300の中心厚さであり、第1レンズ300の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、L3_ETは、常温(約20℃)で第3レンズ300の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。
【0109】
詳細には、L3_ETは、第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))の有効領域端部と第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。L3_ETは、第1レンズ100の有効径外側のフランジ部の厚さであってもよい。
【0110】
実施例による光学系1000が数式3を満たす場合、光学系1000は、改善された収差減少特性を有することができる。
【0111】
[数式4]
1.6<n1<1.8
数式4において、n1は、第1レンズ100のd-line(587.6nm)波長帯域の光に対する屈折率である。
【0112】
[数式5]
100<|L3S2_max Slope Angle|<120
数式5において、L3S2_max Slope Angleは、第3レンズ300のセンサー側面に接する接線が光軸(OA)に垂直な線となす角度のうち最大値を意味する。
【0113】
実施例による光学系1000が数式5を満たす場合、光学系1000は、Flare現象を最小化することができる。
【0114】
[数式6]
0<d23_CT/d23_max<0.8
数式6において、d23_CTは、常温(約20℃)で第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))から第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))までの光軸(OA)からの距離(mm)である。また、d23_maxは、常温(約20℃)で、第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))から第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))までの距離のうち最も大きい間の距離(mm)を意味する。
【0115】
実施例による光学系1000が数式6を満たす場合、光学系1000は、画角の周辺部、色収差および歪曲収差特性が改善された特性を有することができる。
【0116】
[数式7]
0.2<L2R1/L2R2<0.6
数式7において、L2R1は、常温(約20℃)で第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))の曲率半径であり、L2R2は、常温(約20℃)で第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))の曲率半径である。
【0117】
実施例による光学系1000が数式7を満たす場合、光学系1000は、改善された収差制御特性を有することができる。
【0118】
[数式8]
1<L_CT_Max/Air_Max<2
数式8において、L_CT_Maxは、光軸(OA)方向において第1~第3レンズ100、200、300のうち中心厚さが最も大きい値を意味する。また、Air_Maxは、光軸(OA)方向で第1レンズ100と第2レンズ200との間の距離および第2レンズ200と第3レンズ300との間の距離のうち、大きい値を意味する。
【0119】
実施例による光学系1000が数式8を満たす場合、光学系1000は、設定された画角、焦点距離で良好な光学性能およびTTL縮小特性を有することができる。
【0120】
[数式9]
2.8<ΣL_CT/ΣAir_CT<3.8
数式9において、ΣL_CTは、光軸(OA)方向で第1~第3レンズ100、200、300の中心厚さの合計を意味する。また、ΣAir_CTは、光軸(OA)方向で第1レンズ100と第2レンズ200との間の距離および第2レンズ200と第3レンズ300との間の距離の合計を意味する。
【0121】
実施例による光学系1000が数式9を満たす場合、光学系1000は、設定された画角、焦点距離で良好な光学性能およびTTL縮小特性を有することができる。
【0122】
[数式10]
20<ΣAbb/ΣIndex<30
数式10において、ΣIndexは、常温(約20℃)で第1~第3レンズのそれぞれのd-lineにおける屈折率の合計を意味する。また、ΣAbbは、常温(約20℃)で第1~第3レンズのそれぞれのアッベ数(Abbe's number)の合計を意味する。
【0123】
実施例による光学系1000が数式10を満たす場合、光学系1000は、改善された収差特性および解像力を有することができる。
【0124】
[数式11]
1<|Max_distoriton|<4
数式11において、Max_distoritonは、光学系1000の光学的歪曲(optical distortion)値の最大値を意味することができる。
【0125】
実施例による光学系1000が数式11を満たす場合、光学系1000は、歪曲特性が改善された特性を有することができる。
【0126】
[数式12]
0.2<Air_Edge_Max/L_CT_Max<0.7
数式12において、Air_Edge_Maxは、光軸(OA)方向で第1レンズ100と第2レンズ200との間のエッチ(Edge)部分の距離(mm)および第2レンズ200と第3レンズ300との間のエッチ(Edge)部分の距離のうち最大値を意味する。また、L_CT_Max光軸(OA)方向で第1~第3レンズ100、200、300の中心厚さのうち最大値を意味する。
【0127】
実施例による光学系1000が数式12を満たす場合、光学系1000は、光学性能およびTTL縮小構造特性を有することができる。
【0128】
[数式13]
1<CA_max/CA_min<2
数式13において、CA_maxは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0129】
また、CA_minは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も小さい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0130】
実施例による光学系1000が数式13を満たす場合、光学系1000は、光学性能およびTTL縮小構造特性を有することができる。
【0131】
[数式14]
1.2<CA_max/CA_Aver<1.5
数式14において、CA_maxは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0132】
また、CA_Averは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面(物体側面、センサー側面)の常温(約20℃)で有効径(CA)大きさの平均(mm)を意味する。
【0133】
実施例による光学系1000が数式14を満たす場合、光学系1000は、光学性能およびTTL縮小構造特性を有することができる。
【0134】
[数式15]
0.2<CA_min/CA_Aver<0.8
数式15において、CA_minは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も小さい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0135】
また、CA_Averは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面(物体側面、センサー側面)の常温(約20℃)で有効径(CA)大きさの平均(mm)を意味する。
【0136】
実施例による光学系1000が数式15を満たす場合、光学系1000は、スリムでコンパクトな構造で提供することができ、低温~高温の温度範囲で光学性能の実現のための適切な大きさを有することができる。
【0137】
[数式16]
0.2<CA_max/(2*ImgH)<1
数式16において、CA_maxは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0138】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域でイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。
【0139】
即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0140】
実施例による光学系1000が数式16を満たす場合、光学系1000は、スリムでコンパクトな構造で提供することができ、低温~高温の温度範囲で光学性能の実現のための適切な大きさを有することができる。
【0141】
[数式17]
1<f/L1R1<2
数式17において、fは、常温(約20℃)で光学系1000の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0142】
また、L1R1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の曲率半径である。
【0143】
実施例による光学系1000が数式17を満たす場合、光学系1000は、TTL縮小構造で提供することができる。
【0144】
[数式18]
0.5<EPD/L1R1<1
数式18において、EPD(Entrance Pupil Diameter)は、入射瞳の直径を意味する。
【0145】
また、L1R1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の曲率半径である。
【0146】
実施例による光学系1000が数式18を満たす場合、光学系1000は、入射光制御特性を有することができる。
【0147】
[数式19]
0.1<lf1/f2l<0.5
数式19において、f1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の焦点距離(mm)であり、f2は、第2レンズ200の常温(約20℃)で焦点距離(mm)である。
【0148】
実施例による光学系1000が数式19を満たす場合、光学系1000は、第1レンズ100および第2レンズ200は、入射する光経路を制御するための適切な屈折力を有することができ、光学系1000は、改善された解像力を有することができる。
【0149】
[数式20]
6mm<TTL<8mm
数式20において、TTLは、常温(約20℃)の環境で、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0150】
[数式21]
2mm<ImgH<4mm
数式21において、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0151】
[数式22]
1mm<BFL<2.5mm
数式22において、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0152】
[数式23]
2mm<f<5mm
数式23において、fは、常温(約20℃)で光学系1000の有効焦点距離(mm)を意味する。Fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0153】
[数式24]
25度<FOV<35度
数式24において、FOVは、常温(約20℃)、低温(約-40℃)および高温(約85℃)の環境で光学系1000の画角(FOV)を意味する。
【0154】
[数式25]
1<TTL/CA_max<1.5
数式25において、TTLは、常温(約20℃)の環境で、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0155】
また、CA_maxは、光学系1000に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0156】
実施例による光学系1000が数式25を満たす場合、光学系1000は、画角(FOV)の中心部および周辺部で良好な光学性能を有し、スリムでコンパクトな構造で提供することができる。
【0157】
[数式26]
2<TTL/ImgH<2.5
数式26において、TTLは、常温(約20℃)の環境で、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)における距離(mm)である。
【0158】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0159】
実施例による光学系1000が数式26を満たす場合、光学系1000は、相対的に大きい大きさのイメージセンサー600、例えば、1インチ前後の大きいイメージセンサー600を適用するためのBFL(Back focal length)を確保し、より小さいTTLを有することができ、高画質の実現およびスリムな構造を有することができる。
【0160】
[数式27]
0.2<BFL/ImgH<0.7
数式27において、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0161】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0162】
実施例による光学系1000が数式27を満たす場合、光学系1000は、相対的に大きい大きさのイメージセンサー600、例えば、1インチ前後の大きいイメージセンサー600を適用するためのBFL(Back focal length)を確保することができ、最後のレンズとイメージセンサー600との間の間隔を最小化することができ、画角(FOV)の中心部および周辺部で良好な光学特性を有することができる。
【0163】
[数式28]
3.5<TTL/BFL<4
数式28において、TTLは、常温(約20℃)の環境で、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0164】
また、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0165】
実施例による光学系1000が数式28を満たす場合、光学系1000は、BFLを確保し、スリムでコンパクトに提供することができる。
【0166】
[数式29]
0.5<f/TTL<1
数式29において、fは、常温(約20℃)で光学系1000の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0167】
また、TTLは、常温(約20℃)の環境で、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0168】
実施例による光学系1000が数式29を満たす場合、光学系1000は、スリムでコンパクトに提供することができる。
【0169】
[数式30]
2.5<f/BFL<3
数式30において、fは、常温(約20℃)で光学系1000の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0170】
また、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0171】
実施例による光学系1000が数式30を満たす場合、光学系1000は、設定された画角を有し、適切な焦点距離を有することができ、スリムでコンパクトに提供することができる。
【0172】
また、光学系1000は、最後のレンズとイメージセンサー600との間の間隔を最小化することができ、画角(FOV)の周辺部で良好な光学特性を有することができる。
【0173】
[数式31]
1.3<f/ImgH<1.8
数式31において、fは、常温(約20℃)で光学系1000の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0174】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0175】
実施例による光学系1000が数式31を満たす場合、光学系1000は、相対的に大きい大きさのイメージセンサー600、例えば、1インチ前後の大きいイメージセンサー600を適用して改善された収差特性を有することができる。
【0176】
[数式32]
2<f/EPD<2.5
数式32において、fは、常温(約20℃)で光学系1000の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。また、EPD(Entrance Pupil Diameter)は、入射瞳の直径を意味する。
【0177】
[数式33]
1.8<Fno<2.2
数式33において、Fnoは、前記光学系のF-ナンバー(F-number)を意味する。
【0178】
実施例による光学系1000が数式33を満たす場合、暗い環境でも明るい環境と同様に撮影することができ、特に近赤外線(near infrared ray)光を感知することができる。
【0179】
[数式34]
v1<v2
数式34において、v1は、第1レンズ100のアッベ数(abbe-number)を意味し、v2は、第2レンズ200のアッベ数(abbe-number)を意味する。
【0180】
[数式35]
10<v1<20
数式35において、v1は、第1レンズのアッベ数(abbe-number)を意味する。
【0181】
[数式36]
50<v2<60
数式36において、v2は、第2レンズのアッベ数(abbe-number)を意味する。
【0182】
[数式37]
【0183】
数式37において、Zは、Sagで非球面上の任意の位置から非球面の頂点までの光軸方向の距離を意味することができる。
【0184】
また、Yは、非球面上の任意の位置から光軸までの光軸に垂直な方向への距離を意味することができる。
【0185】
また、cは、レンズの曲率を意味することができ、Kは、コニック定数を意味することができる。
【0186】
また、A、B、C、D、…は、非球面係数(Aspheric constant)を意味することができる。
【0187】
即ち、実施例による光学系1000において、第1レンズ100は、第2レンズ200および第3レンズ300は、同じ材料で提供することができ、上述した数式1~数式37の少なくとも一つの数式を満たすことができる。これにより、光学系1000は、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができ、様々な温度で改善された光学特性を有することができる。
【0188】
また、実施例による光学系1000は、数式1~数式37の少なくとも一つの数式を満たすことにより、様々な温度で歪曲および収差特性が変化することを防止または最小化することができ、改善された光学特性を有することができる。
【0189】
次の表15は、本第1実施例による光学系1000において、上述した数式の項目に関するものであり、常温(約20℃)で第1~第3レンズ100、200、300の焦点距離、光学系1000の温度別TTL(Total track length)、BFL(Back focal length)、F値、ImgH、有効焦点距離(EFL)値などに関するものである。
【0190】
表16は、本第1実施例による光学系1000における上述した数式1~数式36に対する結果値に関するものである。
【表15】
【表16】
【0191】
表16を参照すると、本第1実施例による光学系1000は、数式1~数式36の少なくとも一つを満たすことが分かる。詳細には、本第1実施例による光学系1000は、数式1~数式36を全て満たすことが分かる。
【0192】
これにより、本第1実施例による光学系1000は、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲で30度(degree)前後(30±1度)の画角を有し、図5図13のような光学特性を有することができる。
【0193】
図5図6および図7のそれぞれは、低温(-40℃)、常温(20℃)および高温(85℃)環境における光学系1000の収差度に対するグラフであり、左側から右側方向に球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)、歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。図5図6および図7において、X軸は、焦点距離(mm)または歪曲度(%)を表すことができ、Y軸は、イメージの高さ(height)を意味することができる。また、球面収差に対するグラフは、約920nm、約940nmおよび約960nm波長帯域の光に対するグラフであり、非点収差および歪曲収差に対するグラフは、940nm波長帯域の光に対するグラフである。
【0194】
図5図6および図7の収差度では、各曲線がY軸に近接するほど収差補正機能が良いものと解釈することができるが、図5図6および図7を参照すると、本第1実施例による光学系1000は、ほぼほとんどの領域で測定値がY軸に隣接していることが分かる。
【0195】
即ち、本第1実施例による光学系1000は、様々な温度範囲で優秀な光学特性を維持することができる。詳細には、光学系1000は、第1レンズ100が第2レンズ120および第3レンズ300と同じプラスチック材質を含むことができる。
【0196】
この時、本第1実施例による第1~第3レンズ100、200、300は、設定された屈折率、形状、厚さなどで提供され、温度によって変化する屈折率変化によって発生する焦点距離の変化を相互補償することができる。したがって、光学系1000は、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲で光学的特性が変化することを防止または最小化することができ、改善された光学特性を維持することができる。
【0197】
以下、本第2実施例による光学系について詳細に説明する。
【0198】
本第2実施例による光学系1500は、複数のレンズ100、200、300およびイメージセンサー600を含むことができる。詳細には、本第2実施例による光学系1500は、2枚以上のレンズを含むことができる。例えば、光学系1500は3枚レンズを含み、物体側からセンサー側方向に順次配置される第1レンズ100、第2レンズ200、第3レンズ300およびイメージセンサー600を含むことができる。第1~第3レンズ100、200、300は、光学系1500の光軸(OA)に沿って順次配置することができる。
【0199】
この場合、物体のインフォメーションに該当する光は、第1レンズ100、第2レンズ200および第3レンズ300を通過してイメージセンサー600に入射することができる。
【0200】
複数のレンズ100、200、300のそれぞれは、有効領域および非有効領域を含むことができる。有効領域は、第1~第3レンズ100、200、300のそれぞれに入射された光が通過する領域であってもよい。即ち、有効領域は、入射された光が屈折して光学特性を実現する領域であってもよい。有効領域は有効径領域であってもよい。
【0201】
非有効領域は、有効領域の周りに配置することができる。非有効領域は、光が入射されない領域であってもよい。即ち、非有効領域は、光学特性と関係ない領域であってもよい。また、非有効領域は、レンズを収容するバレル(図示せず)などに固定される領域であってもよい。非有効領域は、非有効径領域であってもよい。
【0202】
イメージセンサー600は、光を感知することができる。詳細には、イメージセンサー600は、複数のレンズ、詳しくは、第1~第3レンズ100、200、300を順次通過した光を感知することができる。イメージセンサー600は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)など入射される光を感知できる素子を含むことができる。
【0203】
イメージセンサー600は、設定された大きさを有する複数のピクセル(pixel)を含むことができる。例えば、イメージセンサー600のピクセルの大きさは、約3umであってもよい。イメージセンサー600は、設定された波長の光を感知することができる。例えば、イメージセンサー600は、赤外線(IR、Infrared Ray)光を感知することができる。詳細には、イメージセンサー600は、約1500nm以下の近赤外線(near infrared ray)光を感知することができる。例えば、イメージセンサーは、約880nm~約1000nmの波長帯域の光を感知することができる。
【0204】
本第2実施例による光学系1500は、カバーガラス400およびフィルター500をさらに含むことができる。
【0205】
カバーガラス400は、複数のレンズ100、200、300とイメージセンサー600との間に配置することができる。カバーガラス400は、イメージセンサー600と隣接して配置することができる。カバーガラス400は、イメージセンサー600と対応する形状を有することができる。カバーガラス400は、イメージセンサー600より大きいか、または同じ大きさで提供され、イメージセンサー600の上部を保護することができる。
【0206】
また、フィルター500は、複数のレンズ100、200、300とイメージセンサー600との間に配置することができる。フィルター500は、複数のレンズ100、200、300のうち、イメージセンサー600と最も隣接した最後のレンズ(第3レンズ300)とイメージセンサー600との間に配置することができる。詳細には、フィルター500は、カバーガラス400とイメージセンサー600との間に配置することができる。
【0207】
フィルター500は、設定された波長帯域の光を通過させ、これと異なる波長帯域の光をフィルタリングすることができる。フィルター500は、イメージセンサー600が受光する光と対応する波長帯域の光を通過させることができ、受光する光と対応しない波長帯域の光を遮断することができる。詳細には、フィルター500は、赤外線波長帯域の光を通過させることができ、紫外線、可視光線帯域の光を遮断することができる。例えば、フィルター500は、赤外線パス(IR Pass)フィルター、赤外線カットオフ(IR Cutoff)フィルターの少なくとも一つを含むことができる。
【0208】
本第2実施例による光学系1500は、絞り(STOP)を含むことができる。絞り(STOP)は、第1レンズ100と第2レンズ200との間に配置することができる。絞り(STOP)は、第2レンズ200より第1レンズ100に近く配置することができる。絞り(STOP)は、第2レンズ200の物体側面から離隔することができる。絞り(STOP)は、被写体から入射される光の光量を調節することができる。絞り(STOP)は、第1レンズ100を通過した光の光量を調節することができる。絞り(STOP)は、第3レンズ300に入射する光の光量を調節することができる。絞り(STOP)は、口径絞りを含むことができる。
【0209】
本第2実施例による光学系は、高屈折率を有する第1レンズ100と低屈折率を有する第2レンズ200との間に絞りを配置することにより、改善された光学的特性を有することができる。
【0210】
以下、表17を参照して、本第2実施例による複数のレンズについてより詳しく説明する。
【表17】
【0211】
表17は、本第2実施例による第1~第3レンズ100、200、300の曲率半径(Radius of Curvature)、光軸(OA)における各レンズの厚さ(Thickness)、光軸(OA)における各レンズ間の間隔(distance)、d-line(587.562mm)波長帯域の光に対する屈折率(Refractive index)、アッベ数(Abbe's Number)および有効径(Clear aperture;CA)の大きさに関するものである。ここで、表1に記載されたレンズデータは、常温(約20℃)でのデータである。
【0212】
図8および表17を参照すると、本第2実施例による光学系1500の第1レンズ100は、プラスチック(Plastic)材質を有し、光軸(OA)において正(+)の屈折力を有することができる。また、光軸(OA)において第1レンズ100の第1面(S1)は凸形状を有することができ、第2面(S2)は凹形状を有することができる。第1レンズ100は、光軸(OA)から物体側に凸のメニスカス形状を有することができる。また、光軸(OA)において、第1レンズ100の第1面(S1)は凸形状を有することができ、第2面(S2)は凸形状を有することができる。第1レンズ100は、光軸(OA)において両面が凸形状を有することができる。
【0213】
第1面(S1)および第2面(S2)の少なくとも一つの面は、非球面(Asphere)であってもよい。例えば、第1面(S1)および第2面(S2)は、全て非球面(Asphere)であってもよい。第1面(S1)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第1面(S1)は、有効径領域以外の領域であるフランジ部領域で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第2面(S2)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第2面(S2)は、有効径領域内で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0214】
第2レンズ200は、光軸(OA)において正(+)または負(-)の屈折力を有することができる。第2レンズ200は、プラスチック材質で構成することができる。
【0215】
第2レンズ200は、物体側面に定義される第3面(S3)およびセンサー側面に定義される第4面(S4)を含むことができる。第3面(S3)は、光軸(OA)において凸形状を有することができ、第4面(S4)は、光軸(OA)において凹形状を有することができる。即ち、第2レンズ200は、光軸(OA)において物体側に凸のメニスカス形状を有することができる。これとは異なり、第3面(S3)は、光軸(OA)において凸形状を有することができ、第4面(S4)は、凸形状を有することができる。即ち、第2レンズ200は、光軸(OA)において両面が凸形状を有することができる。これとは異なり、第3面(S3)は、光軸(OA)において凹形状を有することができ、第4面(S4)は、光軸(OA)において凸形状を有することができる。即ち、第2レンズ200は、光軸(OA)においてセンサー側に凸のメニスカス形状を有することができる。これとは異なり、第3面(S3)は、光軸(OA)凹形状を有することができ、第4面(S4)は、光軸(OA)において凹形状を有することができる。即ち、第2レンズ200は、光軸(OA)において両面が凹形状を有することができる。第4面(S4)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第4面(S4)は、有効径領域内で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0216】
第3面(S3)および第4面(S4)の少なくとも一つの面は、非球面(Asphere)であってもよい。例えば、第3面(S3)および第4面(S4)は、全て非球面(Asphere)であってもよい。
【0217】
第3レンズ300は、光軸(OA)において正(+)または負(-)の屈折力を有することができる。第3レンズ300は、プラスチック材質で構成することができる。
【0218】
第3レンズ300は、物体側面に定義される第5面(S5)およびセンサー側面に定義される第6面(S6)を含むことができる。第5面(S5)は、光軸(OA)において凸形状を有することができ、第6面(S6)は、光軸(OA)において凹形状を有することができる。即ち、第3レンズ300は、光軸(OA)において物体側に凸のメニスカス形状を有することができる。これとは異なり、第5面(S5)は、光軸(OA)において凸形状を有することができ、第6面(S6)は、光軸(OA)において凸形状を有することができる。即ち、第3レンズ300は、光軸(OA)において両面が凸形状を有することができる。これとは異なり、第5面(S5)は、光軸(OA)凹形状を有することができ、第6面(S6)は、光軸(OA)において凸形状を有することができる。即ち、第3レンズ300は、光軸(OA)においてセンサー側に凸のメニスカス形状を有することができる。これとは異なり、第5面(S5)は、光軸(OA)凹形状を有することができ、第6面(S6)は、光軸(OA)において凹形状を有することができる。即ち、第3レンズ300は、光軸(OA)において両面が凹形状を有することができる。第5面(S5)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第5面(S5)は、有効径領域以外の領域であるフランジ部領域で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第6面(S6)は、少なくとも一つの変曲点を含むことができる。第6面(S6)は、有効径領域内で少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0219】
第5面(S5)および第6面(S6)の少なくとも一つの面は、非球面(Asphere)であってもよい。例えば、第5面(S5)および第6面(S6)は、全て非球面(Asphere)であってもよい。
【0220】
次の表18は、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲における様々な波長の光に対する第1~第3レンズ100、200、300の屈折率に関するデータである。
【表18】
【0221】
表18を参照すると、第1レンズ100、第2レンズ200および第3レンズ300は、温度変化によって互いに異なる屈折率変化特性を有することができる。
【0222】
第1レンズ100と第3レンズ300の屈折率は同じであってもよく、第2レンズ200の屈折率は、第1レンズ100および第3レンズ300の屈折率と異なる場合がある。第1レンズ100および第3レンズ300の屈折率は、第2レンズ200の屈折率より小さい値を有することができる。
【0223】
また、表18を参照すると、第1~第3レンズ100、200、300は、低温(約-40℃)~高温(約85℃)の温度範囲で、温度によって変化する屈折率が非常に小さいことが分かる。特に、第1~第3レンズ100、200、300の温度変化による屈折率の変化(dnt_1/dt、dnt_2/dt、dnt_3/dt)は、負数を有することが分かる。
【0224】
次の表19は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))およびセンサー側面(第2面(S2))のそれぞれの光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたSagデータである。
【0225】
また、表20は、常温(約20℃)で光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたレンズ厚さに関するデータである。詳細には、表20のD_1は、第1レンズ100の中心厚さであり、第1レンズ100の光軸(OA)においての厚さ(mm)である。また、表20のD_1_ETは、第1レンズ100の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の有効領域端部と第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【表19】
【表20】
【表21】
【0226】
表19、表20を参照すると、第1レンズ100の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)から第1レンズ100の有効径の端部方向に行くほど薄くなることができる。詳細には、第1レンズ100の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)~第2面(S2)の有効径端部までの範囲で光軸(OA)において最大値を有することができ、第2面(S2)の有効径の端部で最小値を有することができる。
【0227】
また、表21は、常温(約20℃)で光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じた第1レンズの物体側面(第1面(S1))と第1レンズのセンサー側面(第2面(S2))のSlope Angle(degree)のデータである。Slope Angleは、レンズ面に接する接線と光軸(OA)に垂直な線がなす角度を意味する。
【0228】
これにより、第1レンズ100は、入射する光を制御し、改善された収差制御特性を有することができる。
【0229】
次の表22は、常温(約20℃)で第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))およびセンサー側面(第4面(S4))のそれぞれの光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたSagデータである。
【0230】
また、表23は、常温(約20℃)で光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたレンズの厚さに関するデータである。詳細には、表23のD_2は、第2レンズ200の中心厚さであり、第2レンズ200の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、表23のD_2_ETは、第2レンズ200の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))の有効領域端部と第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【表22】
【表23】
【表24】
【0231】
表22および表23を参照すると、第2レンズ200の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)から第2レンズ200の有効径の端部方向に行くほど薄くなることができる。詳細には、第2レンズ200の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)~第3面(S3)の有効径端部までの範囲で、光軸(OA)において最大値を有することができ、第3面(S3)の有効径の端部で最小値を有することができる。
【0232】
また、表24は、常温(約20℃)で光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じた第2レンズ200の物体側面(第4面(S4))と第2レンズ200のセンサー側面(第2面(S2))のSlope Angle(degree)のデータである。Slope Angleは、レンズ面に接する接線と光軸(OA)に垂直な線がなす角度を意味する。
【0233】
これにより、第2レンズ200は、低温~高温の温度範囲で、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができる。
【0234】
次の表25は、常温(約20℃)で第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))およびセンサー側面(第6面(S6))のそれぞれの光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じたSagデータである。
【0235】
また、表26は、常温(約20℃)で光軸(OA)の垂直方向の高さによるレンズ厚さに関するデータである。詳細には、表26のD_3は、第3レンズ300の中心厚さであり、第3レンズ300の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、表26のD_3_ETは、第3レンズ300の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))の有効領域端部と第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【表25】
【表26】
【表27】
【0236】
表25および表26を参照すると、第3レンズ300の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)から第3レンズ300の有効径の端部方向に行くほど厚くなることができる。詳細には、第3レンズ300の光軸(OA)方向の厚さは、光軸(OA)~第5面(S5)の有効径端部までの範囲で、第5面(S5)の有効径の端部で最大値を有することができ、光軸(OA)において最小値を有することができる。
【0237】
また、表27は、常温(約20℃)で光軸(OA)の垂直方向の高さ(0.2mm間隔)に応じた第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))と第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))のSlope Angle(degree)のデータである。Slope Angleは、レンズ面に接する接線と光軸(OA)に垂直な線がなす角度を意味する。
【0238】
これにより、第3レンズ300は、低温~高温の温度範囲で、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができる。
【0239】
本第2実施例による光学系1500における各レンズ面の非球面係数の値は、次の表28の通りである。
【表28】
【0240】
また、本第2実施例による光学系1500において、第1レンズ100と第2レンズ200との間の間隔(第1間隔)は、常温(約20℃)で次の表29の通りであってもよい。
【表29】
【0241】
表29を参照すると、第1間隔(d12)は、第1レンズのセンサー側面から第2レンズの物体側面までの光軸方向の距離を意味することができる。第1間隔(d12)は、第1レンズのセンサー側面から絞り物体側面までの光軸方向の間隔と、絞りのセンサー側面から第2レンズの物体側面までの光軸方向の間隔の合計であってもよい。第1間隔(d12)は、第1エアギャップ(d12)であってもよい。
【0242】
第1間隔は、光軸(OA)から第2面(S2)の有効径の端部である第1地点(L1)に行くほど小さくなることができる。ここで、第1地点(L1)が意味する値は、互いに向き合う第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))と第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))のうち、有効径の大きさが小さい第2面(S2)の有効半径値の近似値であり、表3に記載された第2面(S2)の有効径値の1/2の近似値を意味する。
【0243】
第1間隔は、光軸(OA)において最大値を有することができ、第1地点(L1)で最小値を有することができる。第1間隔の最大値は、最小値の約1倍~約1.3倍であってもよい。例えば、本第2実施例で第1間隔の最大値は、最小値の約1.03倍であってもよい。
【0244】
また、本第2実施例による光学系1500において、第2レンズ200と第3レンズ300との間の間隔(第2間隔)は、常温(約20℃)で、次の表30のようにすることができる。
【表30】
【0245】
表30を参照すると、第2間隔(d23)は、第2レンズのセンサー側面から第3レンズの物体側面までの光軸方向を意味することができる。第2間隔(d23)は、第2エアギャップ(d23)であってもよい。
【0246】
第2間隔は、光軸(OA)から第4面(S4)の有効径の端部である第2地点(L2)に行くほど大きくなることができる。ここで、第2地点(L2)が意味する値は、互いに向き合う第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))と第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))のうち、有効径の大きさが小さい第4面(S4)の有効半径値の近似値であり、表3に記載された第4面(S4)の有効径値の1/2の近似値を意味する。
【0247】
第2間隔は、第2地点(L2)で最大値を有することができ、光軸(OA)において最小値を有することができる。第2間隔の最大値は、最小値の約6倍~約8倍であってもよい。例えば、本第2実施例において、第2間隔の最大値は、最小値の約6.8倍であってもよい。
【0248】
本第2実施例による光学系1500は、以下で説明する数式の少なくとも一つを満たすことができる。これにより、本第2実施例による光学系1500は、低温~高温の温度範囲で、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができ、様々な温度で改善された光学特性を実現することができる。また、実施例による光学系1500は、後述する数式の少なくとも一つを満たすことにより、様々な温度で改善された歪曲および収差特性を有することができる。一部数式に表記された用語は、図21を参照して説明する。
【0249】
[数式1]
1.2<L1_CT/L1_ET<1.6
数式1において、L1_CTは、常温(約20℃)で第1レンズ100の中心厚さであり、第1レンズ100の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、L1_ETは、常温(約20℃)における第1レンズ100の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。
【0250】
詳細には、L1_ETは、第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の有効領域端部と第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。L1_ETは、第1レンズ100の有効径外側のフランジ部の厚さであってもよい。
【0251】
実施例による光学系1500が数式1を満たす場合、光学系1500は、改善された色収差減少特性を有することができる。
【0252】
[数式2]
1<L3_ET/L3_CT<1.5
数式2において、L3_CTは、常温(約20℃)で第3レンズ300の中心厚さであり、第3レンズ300の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、L3_ETは、常温(約20℃)で第3レンズ300の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、L3_ETは、第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))の有効領域端部と第3レンズ100のセンサー側面(第6面(S6))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。L3_ETは、第3レンズ300の有効径外側のフランジ部の厚さであってもよい。
【0253】
実施例による光学系1500が数式2を満たす場合、光学系1500は、改善された収差減少特性を有することができる。
【0254】
[数式3]
1.6<n2<1.7
数式3において、n2は、第2レンズ200のd-line(587.6nm)波長帯域の光に対する屈折率である。
【0255】
[数式4]
1.2<L3S2_max_sag to Sensor<1.8
数式4において、L3S2_max_sag to Sensorは、第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))の最大Sag値である地点からイメージセンサー600までの光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。
【0256】
[数式5]
1<BFL/L3S2_max_sag to Sensor<1.5
数式5において、L3S2_max_sag to Sensorは、第3レンズ300のセンサー側面(第6面(S6))の最大Sag値である地点からイメージセンサー600までの光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0257】
[数式6]
30<|L3S2_max slope|<35
数式6において、L3S2_max slopeは、第3レンズのセンサー側面に接する接線が光軸(OA)に垂直な線となす角度のうち最大値を意味する。
【0258】
実施例による光学系1500が数式6を満たす場合、光学系1500は、Flare現象を最小化することができる。
【0259】
[数式7]
6<d23_max/d23_CT<7
数式7において、d23_CTは、常温(約20℃)で第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))から第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))までの光軸(OA)からの距離(mm)である。また、d23_maxは、常温(約20℃)で、第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))から第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))までの距離のうち、最も大きい間の距離(mm)を意味する。
【0260】
実施例による光学系1500が数式7を満たす場合、光学系1500は、画角の周辺部、色収差および歪曲収差特性が改善された特性を有することができる。
【0261】
[数式8]
1<L3_ET/L3_CT<1.5
数式8において、L3_CTは、常温(約20℃)で第3レンズ300の中心厚さであり、第3レンズ300の光軸(OA)における厚さ(mm)である。また、L3_ETは、常温(約20℃)で第3レンズ300の有効領域端部における光軸(OA)方向の厚さ(mm)を意味する。詳細には、L3_ETは、第3レンズ300の物体側面(第5面(S5))の有効領域端部と第3レンズ100のセンサー側面(第6面(S6))の有効領域端部との間の光軸(OA)方向の距離(mm)を意味する。L3_ETは、第3レンズ300の有効径外側のフランジ部の厚さであってもよい。
【0262】
[数式9]
1<L2_CT/L1_CT<1.5
数式9において、L2_CTは、常温(約20℃)で光軸(OA)方向における第2レンズの中心厚さを意味する。また、L1_CTは、常温(約20℃)で光軸(OA)方向の第1レンズの中心厚さを意味する。
【0263】
[数式10]
1.2<L2R1/L2R2<1.7
数式10において、L2R1は、常温(約20℃)で第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))の曲率半径であり、L2R2は、常温(約20℃)で第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))の曲率半径である。
【0264】
実施例による光学系1500が数式10を満たす場合、光学系1500は、改善された収差制御特性を有することができる。
【0265】
[数式11]
1<CA_L1S1/CA_L1S2<1.5
数式11において、CA_L1S1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の有効径の大きさ(CA、Clear Aperture)であり、CA_L1S2は、常温(約20℃)で第1レンズ100のセンサー側面(第2面(S2))の有効径の大きさである。
【0266】
実施例による光学系1500が数式11を満たす場合、光学系1500は、入射される光を制御することができ、光学性能を維持し、スリムおよびコンパクトな構造で提供することができる適切な大きさを有することができる。
【0267】
[数式12]
1.2<CA_L2S2/CA_L2S1<1.7
数式12において、CA_L2S1は、常温(約20℃)で第2レンズ200の物体側面(第3面(S3))の有効径の大きさ(CA、Clear Aperture)であり、CA_L2S2は、常温(約20℃)で第2レンズ200のセンサー側面(第4面(S4))の有効径の大きさである。
【0268】
[数式13]
1<d23_CT/d23_ET<1.5
数式13において、d23_CTは、常温(約20℃)で光軸(OA)からの第2レンズと第3レンズとの間の距離(mm)である。また、d23_ETは、常温(約20℃)で光軸(OA)方向における第2レンズ200の有効領域端部と第3レンズ300との間の距離(mm)を意味する。
【0269】
[数式14]
1<L_CT_Max/Air_Max<2
数式14において、L_CT_Maxは、光軸(OA)方向で第1~第3レンズのうち中心厚さが最も大きい値を意味する。また、Air_Maxは、光軸(OA)方向で第1レンズと第2レンズとの間の距離および第2レンズと第3レンズとの間の距離のうち大きい値を意味する。
【0270】
実施例による光学系1500が数式14を満たす場合、光学系1500は、設定された画角、焦点距離で良好な光学性能およびTTL縮小特性を有することができる。
【0271】
[数式15]
2.5<ΣL_CT/ΣAir_CT<3.5
数式15において、ΣL_CTは、光軸(OA)方向における第1~第3レンズの中心厚さの合計を意味する。また、ΣAir_CTは、光軸(OA)方向における第1レンズと第2レンズとの間の距離および第2レンズと第3レンズとの間の距離の合計を意味する。
【0272】
実施例による光学系1500が数式15を満たす場合、光学系1500は、設定された画角、焦点距離で良好な光学性能およびTTL縮小特性を有することができる。
【0273】
[数式16]
20<ΣAbb/ΣIndex<30
数式16において、ΣIndexは、常温(約20℃)で第1~第3レンズのそれぞれのd-lineにおける屈折率の合計を意味する。また、ΣAbbは、常温(約20℃)で第1~第3レンズのそれぞれのアッベ数(Abbe's number)の合計を意味する。
【0274】
実施例による光学系1500が数式16を満たす場合、低温~高温の温度範囲で、光学系1500は、改善された収差特性および解像力を有することができる。
【0275】
実施例による光学系1500が数式16を満たす場合、光学系1500は、改善された収差特性および解像力を有することができる。
【0276】
[数式17]
2<|Max_distoriton|<3
数式17において、Max_distoritonは、光学系1500の光学的歪曲(optical distortion)値の最大値を意味することができる。
【0277】
実施例による光学系1500が数式17を満たす場合、光学系1500は、歪曲特性が改善された特性を有することができる。
【0278】
[数式18]
0.2<Air_Edge_Max/L_CT_Max<0.7
数式18において、Air_Edge_Maxは、光軸(OA)方向で第1レンズ100と第2レンズ200との間のエッチ(Edge)部分の距離(mm)および第2レンズ200と第3レンズ300との間のエッチ(Edge)部分の距離のうち最大値を意味する。また、L_CT_Maxは、光軸(OA)方向で第1~第3レンズ100、200、300の中心厚さのうち最大値を意味する。
【0279】
実施例による光学系1500が数式18を満たす場合、光学系1500は、光学性能およびTTL縮小構造特性を有することができる。
【0280】
[数式19]
1<CA_L1S1/CA_min<1.5
CA_L1S1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の有効径の大きさ(CA、Clear Aperture)である。また、CA_minは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も小さい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0281】
[数式20]
2<CA_max/CA_min<3
数式20において、CA_maxは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。また、CA_minは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も小さい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0282】
実施例による光学系1500が数式20を満たす場合、光学系1500は、光学性能およびTTL縮小構造特性を有することができる。
【0283】
[数式21]
1.4<CA_max/CA_Aver<2
数式21において、CA_maxは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。また、CA_Averは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面(物体側面、センサー側面)の常温(約20℃)で有効径(CA)大きさの平均(mm)を意味する。
【0284】
実施例による光学系1500が数式21を満たす場合、光学系1500は、光学性能およびTTL縮小構造特性を有することができる。
【0285】
[数式22]
0.2<CA_min/CA_Aver<0.8
数式22において、CA_minは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も小さい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。また、CA_Averは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100のレンズ面(物体側面、センサー側面)の常温(約20℃)で有効径(CA)大きさの平均(mm)を意味する。
【0286】
実施例による光学系1500が数式22を満たす場合、光学系1500は、スリムでコンパクトな構造で提供することができ、低温~高温の温度範囲で光学性能の実現のための適切な大きさを有することができる。
【0287】
[数式23]
0.2<CA_max/(2*ImgH)<0.6
数式23において、CA_maxは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0288】
実施例による光学系1500が数式23を満たす場合、光学系1500は、スリムでコンパクトな構造で提供することができ、低温~高温の温度範囲で光学性能の実現のための適切な大きさを有することができる。
【0289】
[数式24]
1.5<f/L1R1<2.5
数式24において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0290】
また、L1R1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の曲率半径である。
【0291】
実施例による光学系1500が数式24を満たす場合、光学系1500は、TTL縮小構造で提供することができる。
【0292】
[数式25]
0.5<EPD/L1R1<1
数式25において、EPD(Entrance Pupil Diameter)は、入射瞳の直径を意味する。
【0293】
また、L1R1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))の曲率半径である。
【0294】
実施例による光学系1500が数式25を満たす場合、光学系1500は、入射光制御特性を有することができる。
【0295】
[数式26]
1<lf1/f2l<1.5
数式26において、f1は、常温(約20℃)で第1レンズ100の焦点距離(mm)であり、f2は、第2レンズ200の常温(約20℃)で焦点距離(mm)である。
【0296】
本第2実施例による光学系1500が数式26を満たす場合、光学系1500は、第1レンズ100および第2レンズ200は、入射する光経路制御のための適切な屈折力を有することができ、光学系1500は、改善された解像力を有することができる。
【0297】
[数式27]
6mm<TTL<7.5mm
数式27において、TTLは、常温(約20℃)の環境で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0298】
[数式28]
2.5mm<ImgH<3.5mm
数式28において、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0299】
[数式29]
1.5<BFL<2
数式29において、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0300】
[数式30]
4.5mm<f<5.5mm
数式30において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0301】
[数式31]
50度(degree)<FOV<80度(degree)
数式31において、FOVは、常温(約20℃)、低温(約-40℃)および高温(約85℃)の環境で光学系1500の画角(FOV)を意味する。
【0302】
[数式32]
2<TTL/CA_max<2.8
数式32において、TTLは、常温(約20℃)の環境で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0303】
また、CA_maxは、光学系1500に含まれた複数のレンズ100、200、300のレンズ面のうち、常温(約20℃)で最も大きい有効径の大きさ(CA)を有するレンズ面の有効径の大きさ(CA)である。
【0304】
実施例による光学系1500が数式32を満たす場合、光学系1500は、画角(FOV)の中心部および周辺部で良好な光学性能を有し、スリムでコンパクトな構造で提供することができる。
【0305】
[数式33]
2<TTL/ImgH<2.5
数式33において、TTLは、常温(約20℃)の環境で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0306】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0307】
実施例による光学系1500が数式33を満たす場合、光学系1500は、相対的に大きい大きさのイメージセンサー600、例えば、1インチ前後の大きいイメージセンサー600を適用するためのBFL(Back focal length)を確保し、より小さいTTLを有することができ、高画質の実現およびスリムな構造を有することができる。
【0308】
[数式34]
0.2<BFL/ImgH<0.7
数式34において、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0309】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0310】
実施例による光学系1500が数式34を満たす場合、光学系1500は、相対的に大きい大きさのイメージセンサー600、例えば、1インチ前後の大きいイメージセンサー600を適用するためのBFL(Back focal length)を確保することができ、最後のレンズとイメージセンサー600との間の間隔を最小化することができ、画角(FOV)の中心部および周辺部で良好な光学特性を有することができる。
【0311】
[数式35]
3.5<TTL/BFL<4
数式35において、TTLは、常温(約20℃)の環境で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0312】
また、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0313】
実施例による光学系1500が数式35を満たす場合、光学系1500は、BFLを確保し、スリムでコンパクトに提供することができる。
【0314】
[数式36]
0.5<f/TTL<1
数式36において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0315】
また、TTLは、常温(約20℃)の環境で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0316】
実施例による光学系1500が数式36を満たす場合、光学系1500は、スリムでコンパクトに提供することができる。
【0317】
[数式37]
2.5<f/BFL<3
数式37において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0318】
また、BFL(Back focal length)は、常温(約20℃)でイメージセンサー600と最も隣接したレンズのセンサー側面の頂点からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0319】
実施例による光学系1500が数式37を満たす場合、光学系1500は、設定された画角を有し、適切な焦点距離を有することができ、スリムでコンパクトに提供することができる。また、光学系1500は、最後のレンズとイメージセンサー600との間の間隔を最小化することができ、画角(FOV)の周辺部で良好な光学特性を有することができる。
【0320】
[数式38]
1.3<f/ImgH<1.8
数式38において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0321】
また、ImgHは、常温(約20℃)で光軸(OA)と重なるイメージセンサー600の上面中心0フィールド(field)領域からイメージセンサー600の1.0フィールド(field)領域までの光軸(OA)の垂直方向の距離の2倍の値である。即ち、ImgHは、常温(約20℃)でイメージセンサー600の全体対角方向の長さ(mm)を意味する。
【0322】
実施例による光学系1500が数式38を満たす場合、光学系1500は、相対的に大きい大きさのイメージセンサー600、例えば、1インチ前後の大きいイメージセンサー600を適用して改善された収差特性を有することができる。
【0323】
[数式39]
2<f/EPD<2.3
数式39において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。また、EPD(Entrance Pupil Diameter)は、入射瞳の直径を意味する。
【0324】
[数式40]
1<TTL/f<1.5
数式40において、fは、常温(約20℃)で光学系1500の有効焦点距離(mm)を意味する。fは、EFL(Effective Focal Length)であってもよい。
【0325】
また、TTLは、常温(約20℃)の環境で第1レンズ100の物体側面(第1面(S1))からイメージセンサー600の上面までの光軸(OA)からの距離(mm)である。
【0326】
実施例による光学系1500が数式40を満たす場合、光学系1500は、スリムでコンパクトに提供することができる。
【0327】
[数式41]
1.8<Fno<2.2
数式41において、Fnoは、前記光学系のF-ナンバー(F-number)を意味する。
【0328】
実施例による光学系1500が数式41を満たす場合、暗い環境でも明るい環境と同様に撮影することができ、特に近赤外線(near infrared ray)光を感知することができる。
【0329】
[数式42]
v2<v1
数式42において、第1レンズ100のアッベ数(abbe-number)を意味し、第2レンズ200のアッベ数(abbe-number)を意味する。
【0330】
[数式43]
1.5<n1<1.6
数式43において、n1は、第1レンズ100のd-line(587.6nm)波長帯域の光に対する屈折率である。
【0331】
[数式44]
50<v1<60
数式44において、v1は、第1レンズのアッベ数(abbe-number)を意味する。
【0332】
[数式45]
10<v2<20
数式45において、v2は、第2レンズのアッベ数(abbe-number)を意味する。
【0333】
[数式46]
【0334】
数式46において、ZはSagであり、非球面上の任意の位置から非球面の頂点までの光軸方向の距離を意味することができる。
【0335】
また、Yは、非球面上の任意の位置から光軸までの光軸に垂直な方向への距離を意味することができる。
【0336】
また、cは、レンズの曲率を意味することができ、Kは、コニック定数を意味することができる。
【0337】
また、A、B、C、D、…は、非球面係数(Aspheric constant)を意味することができる。
【0338】
即ち、実施例による光学系1500において、第1レンズ100は、第2レンズ200および第3レンズ300は、同じ材料で提供することができ、上述した数式1~数式46の少なくとも一つの数式を満たすことができる。これにより、光学系1500は、温度によって光学的特性が変化することを防止または最小化することができ、様々な温度で改善された光学特性を有することができる。
【0339】
また、実施例による光学系1500は、数式1~数式46の少なくとも一つの数式を満たすことにより、様々な温度で歪曲および収差特性が変化することを防止または最小化することができ、改善された光学特性を有することができる。
【0340】
次の表31は、本第2実施例による光学系1500で上述した数式の項目に関するもので、常温(約20℃)で第1~第3レンズ100、200、300の焦点距離、光学系1500の温度別TTL(Total track length)、BFL(Back focal length)、F値、ImgH、有効焦点距離(EFL)値などに関するものである。
【0341】
表32は、本第2実施例による光学系1500において、上述した数式1~数式45に対する結果値に関するものである。
【表31】
【表32】
【0342】
表32を参照すると、本第2実施例による光学系1500は、数式1~数式45の少なくとも一つを満たすことが分かる。詳細には、本第2実施例による光学系1500は、数式1~数式45を全て満たすことが分かる。
【0343】
これにより、本第2実施例による光学系1500は、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲で60度(degree)前後(60±1度)の画角を有し、図5図13のような光学特性を有することができる。
【0344】
図9図10および図11のそれぞれは、低温(-40℃)、常温(20℃)および高温(85℃)環境における光学系1500の収差度に対するグラフであり、左側から右側方向に球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)、歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。図9図10および図12において、X軸は、焦点距離(mm)または歪曲度(%)を表すことができ、Y軸は、イメージの高さ(height)を意味することができる。また、球面収差に対するグラフは、約920nm、約940nmおよび約960nm波長帯域の光に対するグラフであり、非点収差および歪曲収差に対するグラフは、940nm波長帯域の光に対するグラフである。
【0345】
図9図10および図11の収差図では、各曲線がY軸に近接するほど収差補正機能が良いものと解釈することができるが、図9図10および図11を参照すると、本第2実施例による光学系1500は、ほぼほとんどの領域で測定値がY軸に隣接していることが分かる。
【0346】
即ち、本第2実施例による光学系1500は、様々な温度範囲で、優秀な光学特性を維持することができる。詳細には、光学系1500は、第1レンズ100が第2レンズ120および第3レンズ300と同じプラスチック材質を含むことができる。
【0347】
この時、本第2実施例による第1~第3レンズ100、200、300は、設定された屈折率、形状、厚さなどで提供され、温度によって変化する屈折率変化によって発生する焦点距離の変化を相互補償することができる。したがって、光学系1500は、低温(-40℃)~高温(85℃)の温度範囲で、光学的特性が変化することを防止または最小化することができ、改善された光学特性を維持することができる。
【0348】
以下では、図12図18を参照して、本実施例の光学系において、温度変化に応じてレンズとレンズとの間の距離またはレンズとイメージセンサーとの間の距離を調節するカメラモジュールについて説明する。本実施例に係るカメラモジュールを通じて温度による性能変化を最小化することができる。
【0349】
図12を参照すると、発明の実施例によるカメラシステムは、カメラモジュール1100、カメラモジュール1100に駆動信号を提供する温度補償部211、カメラモジュール1100の周辺温度を検出する温度センサー213、および温度変化による補償率が保存された保存部215を含むことができる。
【0350】
駆動部140は、第2レンズホルダー103のいずれかのレンズを光軸(Lz)方向に移動させる第1駆動部141で実現することができる。他の例として、駆動部140は、メイン基板700を光軸(Lz)方向に移動させる第2駆動部151で実現することができる。
【0351】
他の例として、駆動部140は、第1レンズホルダー101のいずれかのレンズを光軸(Lz)方向に移動させる第3駆動部161で実現することができる。駆動部140は、単一の駆動部で実現したり、他の例として、2つ以上の駆動部で実現され、例えば、第1および第2駆動部141、151で実現したり、第1および第3駆動部141、161で実現したり、第2および第3駆動部151、161で実現することができる。
【0352】
アクチュエータは、磁石およびコイルを有するVCM(Voice Coil Motor)方式の駆動であってもよく、支持する支持部材をさらに含むことができ、磁石外側にヨークまたは/およびホールセンサーが配置されることができる。
【0353】
カメラモジュール1100は、物体側からセンサー側に向かって複数のレンズ100、200、300が光軸(Lz)に沿って積層され、例えば、第1レンズ100、第2レンズ200および第3レンズ300として積層することができる。第1レンズ100は、物体側に最も近いレンズまたは最初のレンズであってもよい。第3レンズ300は、センサーに最も近いレンズまたは最後のレンズに定義することができる。
【0354】
カメラモジュール1100は、プラスチックレンズのみで構成することができる。車両内でプラスチックレンズを使用する場合、ガラス材質のレンズに比べて価格を下げることができ、入射側面と出射側面を非球面で提供して光の経路制御が容易である。ここで、プラスチック材質は、ガラス材質の熱膨張係数(CTE)に比べて5倍以上高く、温度の関数による屈折率の変更値は、ガラス材質よりプラスチック材質が10倍以上低いことができる。プラスチックレンズのように、温度によって膨張と収縮する比率が大きい場合、図13の(A)(B)のように、プラスチックレンズ111、112が温度変化によって膨張または収縮することができ、例えば、(A)のように、物体側面が凸面である場合または/およびセンサー側面が凹面である場合、物体側方向に膨張することができ、(B)のように、物体側面が凹面である場合または/およびセンサー側面が凸面である場合、センサー側方向に膨張することができる。このようなレンズ111、112は、入射側面と出射側面の位置または光軸(Lz)の高さが異なる場合がある。これにより、レンズ111、112は、温度変化によって光学特性に影響を与える可能性がある。
【0355】
第1レンズホルダー101は、放熱効率のために、プラスチック材質や金属材質であってもよい。第2レンズホルダー103は、放熱効率のためにプラスチック材質や金属材質であってもよい。レンズホルダー101、103が金属である場合、カメラモジュール1100の放熱効果を改善させることができ、または、プラスチックレンズと同じ材質で適用する場合、熱膨張係数の差を減らすことができる。金属材質は、例えば、Al、Ag、またはCu材質から選択することができ、AlまたはAl合金であることができる。第1、2レンズホルダー101、103の表面には、水と調和性のある材質がコーティングされたり、塗布されることができる。本発明の実施例は、BFLの補償のために、第2レンズホルダー103の材質が金属であってもよい。
【0356】
レンズ100、200、300のそれぞれは、光が入射される有効径を有する有効領域と有効領域の外側に非有効領域であるフランジを含むことができる。非有効領域は、光が遮光膜131、133によって遮断される領域であってもよい。フランジは、レンズ100、200、300の有効領域から光軸(Lz)に対して円周方向に延びることができる。レンズ100、200、300のうち少なくとも一つは、フランジ部がないか、または相対的に短い長さで提供することができる。第3レンズ300は、外側周りにフランジ(117A)が第2レンズホルダー103の内側に結合されることができる。
【0357】
温度センサー213は、カメラモジュール1100の周辺温度を検出することができる。検出された温度は、カメラモジュール1100の内部または外部の温度を検出することができ、-50度から125度の範囲まで検出することができる。カメラモジュール1100は、車両、飛行機、船舶、携帯端末のような移動体に適用され、例えば、車両である場合、外部環境によって温度偏差が大きくなるこることがある。この際の基準温度は、車両内の温度であってもよい。
【0358】
温度補償部211は、温度センサー213から検出された温度に基づいて、駆動部の駆動モードを制御することができる。保存部215は、検出された温度と温度による温度補償率がマッチングされて保存されることができる。
【0359】
例えば、図15のように、区間別温度補償率は、基準温度を基礎に、基準(Ref)温度より低い温度であるときに補償するための第1モード(Status 1-3)と、基準(Ref)温度より高い温度のときに補償するための第2モード(Status 5-8)に設定することができる。基準(Ref)温度は、室内温度、例えば、10度~30度の範囲または15度~25度の範囲であり、好ましくは、20度±10度であってもよい。第1モード(Status 1-3)は、基準(Ref)温度より低い温度であり、区間別温度は10度から-50度までの範囲を少なくとも3区間で区分することができ、第1区間(Status 1)は10~-10度の範囲であり、第2区間(Status 2)は-10度~-30度の範囲であり、第3区間(Status 3)は-30度~-50度の範囲であることができる。第1~第3区間(Status 1-3)の区間別基準温度は0度、-20度および-40度であり、区間別温度の偏差は±10度であってもよい。第2モードは基準(Ref)温度より高い温度であり、区間別温度は30度から100度までの範囲を少なくとも4区間で区分することができ、区間別温度を見ると、第1区間(Status 5)は30~50度の範囲であり、第2区間(Status 6)は50度~70度の範囲であり、第3区間(Status 7)は70度~90度の範囲であり、第4区間(Status 8)は第90度~110度の範囲であってもよい。第1~第4区間(Status 5-8)の区間別基準温度は40度、60度、80度および100度であり、区間別温度の偏差は±10度であることができる。
【0360】
本発明の他の例は、区間別温度補正率は、各区間(status 1-8)の平均温度変化量で補正することができる。例えば、基準温度より低い第1区間(Status 1)で10度の温度補正率と-10度の温度補正率の平均値で温度補正率を設定することができ、このような方式で基準温度より低い第2~第3区間のそれぞれの平均温度補正率を設定することができる。また、基準温度より高い第1区間(Status 5)で30度の温度補正率と50度の温度補正率の平均値で該当区間の温度補正率を設定することができ、このような方式で基準温度より高い第2~第4区間のそれぞれの平均温度補正率で補正することができる。
【0361】
本発明の他の例は、平均温度補正率の計算において、基準より低い各区間では、相対的に低い温度の補正率に重みをさらに与え、基準より高い各区間では、相対的に高い温度の補正率に重みをさらに与える。例えば、基準温度より低い第1区間(Status 1)で10度の温度補正率に重みを30%、-10度の温度補正率に重みを70%の重みを与え、それら平均値で温度補正率を設定することができ、このような方式で基準温度より低い第2~第3区間のそれぞれの重みを加わった平均温度補正率を設定することができる。また、基準温度より高い第1区間(Status 5)で30度の温度補正率に30%、50度の温度補正率に70%の重みをさらに与え、それら平均値で該当区間の温度補正率を設定することができ、このような方式で基準温度より高い第2~第4区間のそれぞれの平均温度補正率で補正することができる。
【0362】
温度補償部211は、検出された温度に基づいて、保存部215に保存された基準モード、第1モードの区間別(Status 1-3)温度補償率、第2モードの区間別(Status 1-3)温度補償率と比較し、マッチングされる温度で駆動モードを決定することができる。または、温度補償部211は、各区間の平均温度補償率に基づいて、BFLの位置を制御することができる。
【0363】
温度補償部211は、駆動モードにより少なくとも一つの駆動部141、151、161を制御することができる。例えば、第1制御信号(F1)によって第1駆動部141を駆動する場合、第3レンズ300のセンサー側面とイメージセンサー600との間の光軸(Lz)距離、即ち、BFL(Back focal length)を増加または減少させることができる。好ましく、第3レンズ300が温度変化によって収縮または膨張するので、基準BFLが減少したり増加することができる。
【0364】
いずれかの区間である場合、第3レンズ300は収縮することができ、これによりBFLは基準値より増加することができ、温度補償部211によってBFLの温度補償率に応じてBFLが増加するように駆動部141、151を制御することができる。逆に、温度補償部211は、検出された温度が基準温度より高い第2モードのいずれかの区間である場合、第3レンズ300は膨張することができ、これによりBFLは基準値より減少することができ、温度補償部211によってBFLの温度補償率に応じてBFLが減少するように第1駆動部141、151を制御することができる。
【0365】
第1駆動部141は、第1制御信号(F1)が入力されると、第3レンズ300を光軸(Lz)方向にアップ(Up)またはダウン(Down)させることができる。第2駆動部151は、第2制御信号(F2)が入力されると、メイン基板700を光軸(Lz)方向にアップまたはダウンさせることができる。第3駆動部161は、第3制御信号(F3)が入力されると、第1レンズホルダー101または内部のいずれかのレンズ100、200、300を光軸(Lz)方向にアップまたはダウンさせることができる。ここで、第3駆動部161が駆動される場合、温度変化に応じて、カメラモジュール1100のTTL(Total track length)の変化を調節したり、BFL変化によるTTLを縮小または増加させることができる。TTLは、第1レンズ100の物体側面からイメージセンサー600までの光軸(Lz)距離である。
【0366】
図16のように、本発明の実施例は、温度が最低-40度であるとき、最小-5%の地点、最大-14.3%の地点と、温度が最高100度であるとき、最小5%の地点、最小14.3%の地点を連結した領域内で、最後のレンズ300の温度変化またはBFL変化に応じてBFLを増加または減少するように第1または第2駆動部141、151を駆動させ、一定の基準BFLに維持することができる。これにより、温度変化によるカメラモジュールの光学性能の変化を抑制することができる。
【0367】
温度補償部211によって感知された温度に基づいて、制御信号が入力されると、第1、2アクチュエータ141A、141Bは、コイル42と磁石41との間の電磁的な影響力によって、磁石41が第2レンズホルダー103と一緒に光軸(Lz)方向にアップまたはダウンすることができる。この時、ばね部材45は、第2レンズホルダー103の光軸(Lz)方向の移動を支持し、第2レンズホルダー103のレンズ(L3)とイメージセンサー600との間の光軸距離(BFL)は増加または減少することができる。したがって、第2レンズホルダー103の最後のレンズ(L3)とイメージセンサー600との間の距離(BFL)は、温度によって最後のレンズ(L3)が膨張または収縮しても、一定に維持することができる。これにより、カメラモジュール1100は、構成によって温度が可変しても、光学性能の変化を抑制することができる。
【0368】
図18を参照すると、温度補償部211によるBFL補償方法は、温度センサー213によってカメラモジュール1100の周辺温度を検出し(S1)、検出された周辺温度と保存部215に保存された温度補償テーブルを比較およびマッチングすることができる(S2)。この時、周辺温度が基準モードである場合、基準BFLに維持するように制御し(S3)、基準温度より低い第1温度である場合、BFLが増加するようにカメラモジュールの第1または第2駆動部141、151に駆動力を提供し(S4)、基準温度より高い第2温度である場合、BFLが減少するようにカメラモジュールの第1または第2駆動部141、151に駆動力を提供するステップ(S5)に進むことができる。
【0369】
本実施形態に関連する技術分野における当業者であれば、前記の記載された基材の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で実施することができることを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異は、本発明に含まれるものと解釈されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図12
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図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正(+)の屈折力を有する第1レンズ;
第2レンズ;および
正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、
前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置され、
前記第1~第3レンズは、プラスチック材質で構成され、
光軸方向において前記第1~第3レンズの中心厚さは0.9mmより大きい、光学系。
【請求項2】
正(+)の屈折力を有する第1レンズ;
第2レンズ;および
正(+)の屈折力を有する第3レンズを含み、
前記第1~第3レンズは、物体側から上側まで順次配置される、光学系。
<条件式>
100degree<|L3S2_max Slope Angle|<120degree
(前記条件式において、L3S2_max Slope Angleは、前記第3レンズの上側面に接する接線が光軸に垂直な線となす角度のうち最大値を意味する。)
【請求項3】
前記第1レンズの屈折率は、前記第2レンズの屈折率より大きい、請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
6mm<TTL<8mm
(前記条件式において、TTLは、前記第1レンズの物体側面からイメージセンサーの上面までの前記光軸における距離を意味する。)
【請求項5】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
1.6<n1<1.8
(前記条件式において、n1は、前記第1レンズの屈折率を意味する。)
【請求項6】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
1.8<Fno<2.2
(前記条件式において、Fnoは、前記光学系のF-ナンバー(F-number)を意味する。)
【請求項7】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
v1<v2
(前記条件式において、v1は前記第1レンズのアッベ数を意味し、v2は前記第2レンズのアッベ数を意味する。)
【請求項8】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
25degree<FOV<35degree
(前記条件式において、FOVは、前記光学系の画角を意味する。)
【請求項9】
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
10<v1<20
(前記条件式において、v1は前記第1レンズのアッベ数を意味する。)
【請求項10】
イメージセンサーを含み、
次の条件式を満たす、請求項1または2に記載の光学系。
<条件式>
2mm<ImgH<4mm
(前記条件式において、ImgHは、前記イメージセンサーの全体対角方向の長さ(mm)を意味する。)
【請求項11】
前記光軸における前記第2レンズの中心厚さは前記第3レンズの中心厚さより大きい、請求項1または2に記載の、光学系。
【請求項12】
イメージセンサー;
請求項1に記載の光学系;及び
前記イメージセンサーと前記光学系との間に配置されるフィルターを含む、カメラモジュール。
【請求項13】
請求項12に記載のカメラモジュールを含む、自動車。
【国際調査報告】