(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】医療用光学追跡システム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20241219BHJP
A61B 90/13 20160101ALI20241219BHJP
A61B 17/94 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B90/13
A61B17/94
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534129
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2022133680
(87)【国際公開番号】W WO2023103771
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111506551.1
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051616
【氏名又は名称】チョウ,シン
【氏名又は名称原語表記】ZHOU,Xing
【住所又は居所原語表記】A601,Guangzhou International Business Incubator,Guangzhou Science Park,Guangzhou,Guangdong 510663,China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,シン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM32
4C160NN01
(57)【要約】
本発明の医療用光学追跡システムは光源及び光学追跡キャリアを含む。光学追跡キャリアは発光光ファイバーのような導光材料を含む。光源から発した光は、光学追跡キャリアを介して伝導された後に、光学追跡キャリアに対して光学追跡を行う。光源は医療用冷光源を採用し、LED光源を採用してもよく、特に、ミニサイズのLED光源の発光端を光学追跡キャリアと直接一体化して人体内にセットし、光学追跡を行うことができる。本発明の医療用光学追跡システムは、必要に応じて可視光追跡医療用カテーテル、可視光追跡固形腫瘍追跡装置、可視光追跡光ファイバー、又は可視光追跡血管追跡装置として製造することができ、臨床手術では、血管、食管、尿管、尿道等の内腔を追跡するか、又は子宮筋腫、肺腫瘍、肝腫瘍等の固形腫瘍の位置を追跡及び画定するために用いられ、手術の正確性を向上させ、手術中の意外な損害を回避する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用光学追跡システム(500)は光源(1)及び光学追跡キャリア(2)を含み、
A、前記光学追跡キャリア(2)は導光材料を含み、
B、前記光源(1)から発した光は前記光学追跡キャリア(2)を介して伝導され、且つ前記光学追跡キャリア(2)に対して光学追跡を行うことを特徴とする、医療用光学追跡システム。
【請求項2】
前記光源(1)はLED光源(11)、及び/又は医療用冷光源(12)、及び/又は自然光であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項3】
前記光源(1)から発した光線の色は、背景色又は透過要件に応じて設定することができることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項4】
前記光源(1)は点滅発光するものであることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項5】
前記光源(1)から発した光線の強度は設定可能であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項6】
前記LED光源(11)は体内、及び/又は体外に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項7】
前記光源(1)と前記光学追跡キャリア(2)は接触せずに接続されるか、又は接触接続されることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項8】
前記LED光源(11)と前記光学追跡キャリア(2)は接触接続され、前記LED光源(11)は前記光学追跡キャリア(2)内に設けられることを特徴とする、請求項7に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項9】
前記光学追跡キャリア(2)は蓄光自発光追跡キャリア(21)であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項10】
前記蓄光自発光追跡キャリア(21)は蓄光自発光体(21-1)及び保護キャリア(21-2)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項11】
前記保護キャリア(21-2)は透明な導光材料で製造され、前記蓄光自発光体(21-1)は前記保護キャリア(21-2)内に封入されて設けられることを特徴とする、請求項9に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項12】
前記光学追跡キャリア(2)は導光用光ファイバー(22)であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項13】
前記光学追跡キャリア(2)は少なくとも1本の前記導光用光ファイバー(22)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項14】
前記導光用光ファイバー(22)の端部、及び/又は側面はいずれも発光できることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項15】
前記光学追跡キャリア(2)は複数本の前記導光用光ファイバー(22)の組み合わせであることを特徴とする、請求項13に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項16】
前記導光用光ファイバー(22)は平滑な表面を有することを特徴とする、請求項12に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項17】
前記導光用光ファイバー(22)は非平滑な表面(22-1)を有することを特徴とする、請求項12に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項18】
前記非平滑な表面(22-1)は反射、及び/又は散乱を形成し得る非平滑な表面(22-11)であることを特徴とする、請求項17に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項19】
前記導光用光ファイバー(22)に光出射口(22-2)が断続的に設けられることを特徴とする、請求項12に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項20】
前記光出射口(22-2)は非軸方向光出射口(22-21)であり、前記導光用光ファイバー(22)の長さ方向に沿って前記導光用光ファイバー(22)の側面に設けられることを特徴とする、請求項19に記載の医療用光学追跡のための光ファイバー機構。
【請求項21】
前記光出射口(22-2)の規則的な配列により、前記光出射口(22-2)は前記導光用光ファイバー(22)の長さサイズをマーキングすることができることを特徴とする、請求項20に記載の医療用光学追跡のための光ファイバー機構。
【請求項22】
前記光出射口(22-2)の分布密度の規則的な配列により、散乱光の強度が異なり、前記導光用光ファイバー(22)の長さサイズをマーキングすることを特徴とする、請求項21に記載の医療用光学追跡のための光ファイバー機構。
【請求項23】
前記導光用光ファイバー(22)は網目状に編まれ、異なる位置に光出射口(22-2)が点在していることを特徴とする、請求項12に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項24】
前記医療用光学追跡システム(500)の表面にコーティング(3)が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項25】
前記コーティング(3)は抗凝固コーティング、及び/又は親水性コーティング、及び/又は疎水性コーティングであることを特徴とする、請求項24に記載の医療用光学追跡のための光ファイバー機構。
【請求項26】
前記光学追跡キャリア(2)は送達部(23)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項27】
前記送達部(23)は前記光学追跡キャリア(2)に可動に設けられることを特徴とする、請求項26に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項28】
前記医療用光学追跡システム(500)は現像機構(4)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項29】
前記現像機構(4)は金属で製造され、熱伝導機能を有することを特徴とする、請求項28に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項30】
前記現像機構(4)は現像ライン(41)、及び/又は現像リング(42)、及び/又は現像ブロック(43)であることを特徴とする、請求項28に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項31】
前記現像機構(4)はX線、及び/又はMRI、及び/又はB超音波で現像することを特徴とする、請求項28に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項32】
前記医療用光学追跡システム(500)は保護スリーブ(5)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項33】
前記保護スリーブ(5)は透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア(2)は前記保護スリーブ(5)内に設けられることを特徴とする、請求項32に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項34】
前記光学追跡キャリア(2)の内部にチャネル(24)が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項35】
前記光学追跡キャリア(2)は柔軟な医療用材料で製造され、血管、尿管、食道、気管、卵管、精管等の空洞に沿って移動することができることを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項36】
前記光学追跡キャリア(2)は整形機構(25)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項37】
前記整形機構(25)は形状記憶整形機構(25-1)であることを特徴とする、請求項36に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項38】
前記形状記憶整形機構(25-1)は形状記憶金属ワイヤで編まれてなり、及び/又は形状記憶金属管又はシートで彫刻されてなることを特徴とする、請求項37に記載の医療用光学追跡システム。
【請求項39】
追跡装置付き医療用カテーテル(900)は請求項1に記載の医療用光学追跡システム(500)を含むことを特徴とする、追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項40】
追跡装置付き医療用カテーテル(900)はカテーテル(900-1)、インターフェース(900-2)及び医療用光学追跡システム(500)を含み、
A、前記カテーテル(900-1)は柔軟な弾性医療用材料で製造され、内部に作業チャネル(900-3)が設けられ、
B、前記追跡装置付き医療用カテーテル(900)は少なくとも1つの前記インターフェース(900-2)を含み、前記インターフェース(900-2)は前記カテーテル(900-1)の近位端(900-12)に設けられ、
C、前記医療用光学追跡システム(500)の光学追跡キャリア(2)は、前記カテーテル(900-1)に設けられ、前記カテーテル(900-1)の所在位置をマーキングすることを特徴とする、請求項39に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項41】
前記追跡装置付き医療用カテーテル(900)は現像機構(4)を含むことを特徴とする、請求項40に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項42】
前記カテーテル(900-1)は透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア(2)を構成し、前記医療用光学追跡システム(500)の光源はLED光源(11)であり、前記LED光源(11)の発光端(11-1)は前記カテーテル(1)の管壁内に設けられ、前記カテーテル(900-1)を追跡することを特徴とする、請求項40に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項43】
前記LED光源(11)の発光端(11-1)は前記カテーテル(900-1)の遠位端に設けられ、前記カテーテル(900-1)の遠位端を追跡することを特徴とする、請求項42に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項44】
前記LED光源(11)の発光端(11-1)は前記カテーテル(1)の管壁内に分散して設けられ、LEDランプストリップ又はLEDランプネットワークを形成し、前記カテーテル(900-1)に対して全体的追跡を行うことを特徴とする、請求項42に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項45】
前記医療用光学追跡システム(500)の光学追跡キャリア(2)は導光用光ファイバー(22)であり、前記導光用光ファイバー(22)の近位端に導光コネクタ(26)が接続されており、前記導光用光ファイバー(22)は前記カテーテル(900-1)の長さ方向に沿って設けられ、前記カテーテル(900-1)を追跡することを特徴とする、請求項40に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項46】
前記導光用光ファイバー(22)は平滑な表面を有し、光出射口(22-2)は前記カテーテル(900-1)の遠位端に設けられ、前記カテーテル(900-1)の遠位端を追跡することを特徴とする、請求項45に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項47】
前記導光用光ファイバー(22)は非平滑な表面(22-1)を有し、側面に光出射口(22-2)が設けられ、前記カテーテル(900-1)に対して全体的追跡を行うことを特徴とする、請求項45に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項48】
追跡装置付き医療用カテーテル(900)は医療用胃管(901)、医療用尿道カテーテル(902)、医療用精管、医療用卵管、又は医療用気管であることを特徴とする、請求項40に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項49】
追跡装置付き医療用カテーテル(900)は、カテーテル(900-1)、1つのインターフェース(900-2)及び医療用光学追跡システム(500)を含む医療用胃管(901)であり、前記カテーテル(900-1)の遠位端(900-11)に作業開口(900-11-1)が設けられ、前記医療用光学追跡システム(500)は前記カテーテル(900-1)を追跡することを特徴とする、請求項48に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項50】
追跡装置付き医療用カテーテル(900)は、カテーテル(900-1)、インターフェース(900-2)及び医療用光学追跡システム(500)を含む医療用尿道カテーテル(902)であり、前記カテーテル(900-1)の遠位端(900-11)に作業開口(900-11-1)が設けられ、前記医療用光学追跡システム(500)は前記カテーテル(900-1)を追跡することを特徴とする、請求項48に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項51】
前記医療用尿道カテーテル(902)はダブルルーメン尿道カテーテル(902-1)であり、前記ダブルルーメン尿道カテーテル(902-1)のカテーテル(900-1)の遠位端(900-11)にバルーン(900-13)が設けられ、前記カテーテル(900-1)に2つのルーメン(1-1)が設けられ、前記ルーメン(1-1)ごとに1つの前記インターフェース(900-2)が設けられ、そのうち1つの前記ルーメン(1-1)は導尿ルーメン(900-14)を構成し、前記導尿ルーメン(900-14)の遠位端に前記作業開口(900-11-1)が設けられ、近位端に設けられた前記インターフェース(900-2)は排液口(900-21)を構成し、もう1つの前記ルーメン(1-1)は注水ルーメン(900-15)を構成し、前記注水ルーメン(900-15)の遠位端は前記バルーン(900-13)に接続され、近位端に接続される前記インターフェース(900-2)は注水口(900-22)を構成することを特徴とする、請求項50に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項52】
前記医療用尿道カテーテル(902)はトリプルルーメン尿道カテーテル(902-2)であり、前記トリプルルーメン尿道カテーテル(902-2)のカテーテル(900-1)の遠位端(900-11)にバルーン(900-13)が設けられ、前記カテーテル(900-1)に3つのルーメン(1-1)が設けられ、前記ルーメン(1-1)ごとに1つの前記インターフェース(900-2)が設けられ、そのうち第1の前記ルーメン(1-1)は導尿ルーメン(900-14)を構成し、前記導尿ルーメン(900-14)の遠位端に前記作業開口(900-11-1)が設けられ、近位端に設けられた前記インターフェース(900-2)は排液口(900-21)を構成し、第2の前記ルーメン(1-1)は注水ルーメン(900-15)を構成し、前記注水ルーメン(900-15)の遠位端は前記バルーン(900-13)に接続され、近位端に接続される前記インターフェース(900-2)は注水口(900-22)を構成し、第3の前記ルーメン(1-1)は輸液水洗ルーメン(900-16)を構成し、前記輸液水洗ルーメン(900-16)の遠位端に水洗口(900-16-1)及び遮断弁(900-16-2)が設けられ、前記輸液水洗ルーメン(900-16)の近位端に接続される前記インターフェース(900-2)は水洗薬注口(900-23)を構成することを特徴とする、請求項50に記載の追跡装置付き医療用カテーテル。
【請求項53】
固形腫瘍追跡装置(910)は請求項1に記載の医療用光学追跡システム(500)を含むことを特徴とする、固形腫瘍追跡装置。
【請求項54】
固形腫瘍追跡装置(910)は現像機構(4)を含むことを特徴とする、請求項53に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項55】
固形腫瘍追跡装置(910)は位置ずれ防止機構(910-1)及び前記医療用光学追跡システム(500)を含み、前記医療用光学追跡システム(500)の光学追跡キャリア(2)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項53に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項56】
前記位置ずれ防止機構(910-1)はフック状構造、及び/又はホーン状構造、及び/又はダンベル状構造、及び/又はコイルスプリング状構造、及び/又は釘状構造を呈することを特徴とする、請求項55に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項57】
前記位置ずれ防止機構(910-1)はフック状構造を呈し、前記位置ずれ防止機構(910-1)は少なくとも1つの位置決めフック(910-11)を含むことを特徴とする、請求項56に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項58】
前記光学追跡キャリア(2)は導光用光ファイバー(22)であり、前記導光用光ファイバー(22)の近位端に導光コネクタ(26)が接続されており、前記導光用光ファイバー(22)の遠位端が前記位置ずれ防止機構(910-1)に接続や固定され、前記導光用光ファイバー(22)の光出射口(22-2)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項55に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項59】
前記導光用光ファイバー(22)は非平滑な表面(22-1)を有し、前記導光用光ファイバー(22)の側面に光出射口(22-2)が設けられ、前記導光用光ファイバー(22)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に対して全体的追跡を行うことを特徴とする、請求項58に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項60】
前記導光用光ファイバー(22)は柔軟な医療用材料で製造され、前記位置ずれ防止機構(910-1)に接続されて固定され、前記位置ずれ防止機構(910-1)が変形すると、前記導光用光ファイバー(22)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に伴って変形することを特徴とする、請求項59に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項61】
固形腫瘍追跡装置(910)は位置ずれ防止機構(910-1)、送達機構(910-2)及び前記医療用光学追跡システム(500)を含み、前記医療用光学追跡システム(500)の光学追跡キャリア(2)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項53に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項62】
前記送達機構(910-2)は送達シース(910-21)及び押出機構(910-22)を含み、前記位置ずれ防止機構(910-1)は前記送達シース(910-21)内に設けられ、前記押出機構(910-22)は前記位置ずれ防止機構(910-1)を前記送達シース(910-21)から押し出すことができることを特徴とする、請求項61に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項63】
前記医療用光学追跡システム(500)の光源(1)はLED光源(11)であり、前記光学追跡キャリア(2)は透明材料で製造され、前記LED光源(11)の発光端(11-1)は、前記光学追跡キャリア(2)に設けられ、前記光学追跡キャリア(2)とともに前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項53に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項64】
前記LED光源(11)は発光端(11-1)、回路システム(11-2)、駆動板(11-3)及び電源(11-4)を含み、前記発光端(11-1)は前記回路システム(11-2)を介して前記駆動板(11-3)及び前記電源(11-4)に接続され、前記駆動板(11-3)の制御下で、前記電源(11-4)は前記回路システム(11-2)により前記発光端(11-1)に給電し、前記発光端(11-1)は光線を発し、前記駆動板(11-3)及び前記電源(11-4)は体外に設けられ、前記発光端(11-1)は体内に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項63に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項65】
前記回路システム(11-2)は可撓性回路板(11-21)であり、前記LED光源(11)の発光端(11-1)は、前記可撓性回路板(11-21)に分散して設けられ、且つ前記光学追跡キャリア(2)内にパッケージングされ、LEDランプストリップ、LEDランプネットワーク、又はLEDランプボールを構成し、前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項64に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項66】
前記LED光源(11)の発光端(11-1)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、透明材料で製造された前記光学追跡キャリア(2)がその外部に被覆され、前記発光端(11-1)から発した光線は前記位置ずれ防止機構(910-1)を追跡することを特徴とする、請求項64に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項67】
前記発光端(11-1)は前記位置ずれ防止機構(910-1)に分散して設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)に対して全体的追跡を行うことを特徴とする、請求項66に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項68】
前記回路システム(11-2)は可撓性回路板(11-21)であり、前記光学追跡キャリア(2)は柔軟な透明材料で製造され、前記発光端(11-1)、前記可撓性回路板(11-21)及び現像機構(4)は前記光学追跡キャリア(2)内に併せて設けられ、且つ前記位置ずれ防止機構(910-1)に設けられ、前記位置ずれ防止機構(910-1)が変形すると、前記発光端(11-1)、前記可撓性回路板(11-21)、前記現像機構(4)は前記光学追跡キャリア(2)とともに前記位置ずれ防止機構(910-1)に伴って変形することを特徴とする、請求項63に記載の固形腫瘍追跡装置。
【請求項69】
血管追跡装置(920)は請求項1に記載の医療用光学追跡システム(500)を含むことを特徴とする、血管追跡装置。
【請求項70】
血管追跡装置(920)は現像機構(4)を含むことを特徴とする、請求項69に記載の血管追跡装置。
【請求項71】
血管追跡装置(920)は、抗凝固コーティングであるコーティング(3)を含むことを特徴とする、請求項69に記載の血管追跡装置。
【請求項72】
血管追跡装置(920)は送達端(920-1)、ガイドワイヤ(920-2)、保護スリーブ(5)及び前記医療用光学追跡システム(500)を含み、前記医療用光学追跡システム(500)及び前記ガイドワイヤ(920-2)は前記保護スリーブ(5)内に設けられ、前記保護スリーブ(5)の外部に抗凝固コーティングであるコーティング(3)を有し、前記ガイドワイヤ(920-2)は、金属材料で製造され、X線で現像し、現像機構(4)を構成することができるとともに、熱伝導機能を有し、前記送達端(920-1)は、前記血管追跡装置(920)を血管追跡が必要な位置に送達することができることを特徴とする、請求項69に記載の血管追跡装置。
【請求項73】
前記ガイドワイヤ(920-2)は形状記憶合金で製造され、前記血管追跡装置(920)の遠位端を整形し、整形機構(25)を構成することを特徴とする、請求項72に記載の血管追跡装置。
【請求項74】
前記医療用光学追跡システム(500)には、ガイドワイヤ操作孔(920-3)を構成するチャネル(24)が設けられることを特徴とする、請求項69に記載の血管追跡装置。
【請求項75】
前記光学追跡キャリア(2)の側壁は透明材料で製造され、側壁内に導光用光ファイバー(22)が設けられ、前記導光用光ファイバー(22)は、非平滑な表面(22-1)を有し、長さ方向に沿った側面に光出射口(22-2)が設けられ、前記光学追跡キャリア(2)の外面に抗凝固コーティングであるコーティング(3)が設けられ、前記導光用光ファイバー(22)の近位端は導光コネクタ(26)に接続され、前記光源(1)から発した光線の作用下で、前記導光用光ファイバー(22)は全体的に光線を発し、血管を追跡することができることを特徴とする、請求項74に記載の血管追跡装置。
【請求項76】
前記光源(1)は医療用冷光源(12)であることを特徴とする、請求項69に記載の血管追跡装置。
【請求項77】
前記光学追跡キャリア(2)の側壁は透明材料で製造され、前記光源(1)はLED光源(11)であり、前記LED光源(11)の発光端(11-1)は、前記光学追跡キャリア(2)の側壁内に分散して設けられ、LEDランプストリップ又はLEDランプネットワークを構成し、血管を追跡することを特徴とする、請求項69に記載の血管追跡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用追跡システムに関し、特に医療用光学追跡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床手術では、血管、尿管、卵管、気管等の内腔が一般的に組織に包まれているため、外科医は、血管、尿管、卵管、気管等の内腔を正確に分離するために、長期訓練を経て、解剖学的構造に習熟しなければならない。経験豊富な外科医であっても、血管、尿管、卵管、又は気管等の内腔を過失により損傷する意外が発生する場合があるため、組織内で血管、尿管、卵管、又は気管等の内腔を正確にマーキングできる装置を必要とする。
【0003】
なお、医用画像機器の解像度が大幅に向上するにつれて、肺結節、子宮筋腫、食道腫瘍、肝腫瘍等のいくつかの腫瘍組織を小さい体積で発見することができる。肺結節などのこれらの腫瘍組織の体積が小さいため、腔鏡下で切除する場合に、正確に識別するのは困難であり、よって、腔鏡下での手術切除を容易にするために、切除すべき腫瘍組織をマーキングする必要がある。
【0004】
また、リンバ節郭清を行う際に、血管に近接して行うのが一般的であるため、腔鏡下での外科手術を容易にするために、血管の位置及び範囲を画定する必要もある。
【0005】
以上のとおり、従来技術では、組織に隠された血管、尿管、卵管、精管、気管等を可視光マーキングすることができず、腔鏡下での手術の識別に不便である。したがって、血管、尿管、卵管、精管、気管等の内腔及び固形腫瘍の腔鏡下での識別を容易にするために、腔鏡下での可視光マーキング技術及び装置を開発する必要がある。
【0006】
本発明は、可視光技術に基づく血管、尿管、卵管、精管、気管等の内腔のマーキング技術、並びに固形腫瘍の画定技術及び装置を開示している。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、従来の臨床手術では血管、組織、臓器又はサイズの小さい腫瘍を腔鏡下で正確にマーキングできないという問題を解决することを目的とし、光学追跡方式の設定を採用することによって、臨床手術において、異なる色の光源の設定により、臨床手術で重点的に保護すべき血管、組織又は臓器を正確に識別し、手術中の意外な損傷を効果的に回避し、又はサイズの小さい腫瘍を効果的に画定し、臨床手術の効果的な実施を容易にする。
【0008】
本発明の医療用光学追跡システムは、前記医療用光学追跡システム500は光源1及び光学追跡キャリア2を含み、
A、前記光学追跡キャリア2は導光材料を含み、
B、前記光源1から発した光は前記光学追跡キャリア2を介して伝導され、且つ前記光学追跡キャリア2に対して光学追跡を行うことを特徴とする。
【0009】
前記光源1と前記光学追跡キャリア2は、直接接触の形態で、前記光源1から発した光を前記光学追跡キャリア2の導光材料を介して直接伝導して追跡することができる。前記光源1は、非接触の形態で、前記光源1から発した光を前記光学追跡キャリア2におけるエネルギーキャリア、例えば前記蓄光自発光体21-1により貯蔵してから、エネルギー転換して光線を発して追跡することもできる。前記光源1の発光端11-1はさらに、前記光学追跡キャリア2と一体的にパッケージングされて、追跡が必要な位置に直接設けることもできる。
【0010】
前記光源1はLED光源11、及び/又は医療用冷光源12、及び/又は自然光である。前記光源1は光線を発することができる種々の光源であり得、前記光源1から発した光線は前記光学追跡キャリア1を介して伝導された後に追跡することができる。前記LED光源11は、一般的な照明光源に比べて、体積が小さく、発光効率が高く、光源指向性が強い等の特点を有し、特に安全性の点で、LED光源は、一般的な光源とは比較にならない利点を有する。まず、LED光源は低電圧直流電源であり、給電電圧は6~24Vしか必要とせず、次に、LED光源には水銀が添加されず、人体に中毒等の損害を引き起こさず、また、より重要なこととして、LED光源は冷光源であり、動作中に大量に発熱せず、安全に触られ、人体に意外な高温火傷を引き起こさない。前記医療用冷光源12は従来の手術中の一般的な光源であり、且つ前記光源1を後に配置することができ、手術室で取得しやすく、追加の機器を必要としない。
【0011】
前記光源1から発した光線の色は、背景色又は透過要件に応じて設定することができる。光線の設定により、臨床手術では、医者は直接肉眼で組織を透過して前記光学追跡キャリア2の所在位置を見て、さらに臨床手術で重点的に保護すべき血管、組織又は臓器を正確に識別し、手術中の意外な損害を効果的に回避することができる。前記光源1から発した光線は、体腔内の背景色又は透過が必要な組織に応じて区別して設定することができ、組織を透過する必要がある場合に、赤色及び黄色が好ましく、次が紫色及び白色であり、血管組織を表示する必要がある場合に、光線は緑色が好ましい。
【0012】
前記光源1は点滅発光するものである。前記光源1はさらに、必要に応じて断続的に点灯し、点滅する等の形態に設定することができる。
【0013】
前記光源1から発した光線の強度は設定可能である。前記光源1から発した光線の強度は、異なる臨床環境に適応するように、必要に応じて調整することもできる。前記光源1から発した光線の照度は通常5000lux~150000luxである。
【0014】
前記光源1は、波長調整機構13-1及び光強度調整機構13-2を含む制御システム13を含み、前記波長調整機構13-1は、波長を調整することによって、発した光線の色を調整することができ、前記光強度調整機構13-2は、発した光線の照度を調整することができる。
【0015】
前記LED光源11は体内、及び/又は体外に設けられる。前記LED光源11の発光端11-1の体積を非常に小さくすることができるため、前記LED光源11は、体外に設けて、前記光学追跡キャリア2を介して人体内に光線を伝導することができるだけでなく、人体内に直接設けて、外部を前記光学追跡キャリア2で被覆し、追跡が必要な部分に直接設けることもできる。
【0016】
前記光源1と前記光学追跡キャリア2は接触せずに接続されるか、又は接触接続される。前記光源1は、前記導光コネクタ26を介して前記光学追跡キャリア2に接続して光源を提供してもよいし、前記蓄光自発光追跡キャリア21のような前記光学追跡キャリア2に非接触で照射し、光エネルギーの貯蔵、転換により前記光学追跡キャリア2の追跡を実現してもよい。
【0017】
前記LED光源11と前記光学追跡キャリア2は接触接続され、前記LED光源11は前記光学追跡キャリア2内に設けられる。前記光学追跡キャリア2は前記LED光源11の外部に直接包まれ、前記LED光源11を前記光学追跡キャリア2とともに人体内にセットし、内腔、臓器、腫瘍等を追跡する。
【0018】
前記光学追跡キャリア2は蓄光自発光追跡キャリア21である。自発光材料とは、特定の方法でエネルギーを吸収し、それを非平衡光放射に転換することができる物質材料を指し、材料内部に吸収されたエネルギーを非平衡光放射に転換するプロセスは発光プロセスである。特に蓄光自発光材料は、外部照明の作用下で数分間又は数十分間を経た後、暗い環境で12時間以上発光し続けることができ、ほとんどの手術時間の追跡ニーズを満たすことができる。前記蓄光自発光追跡キャリア21は、手術室中のランプのエネルギーを直接吸収することができ、これにより、種々の外部照明は全て前記光源1としてもよく、前記光源1に直接接続する必要がなく、使用プロセスは非常に簡単である。
【0019】
前記蓄光自発光追跡キャリア21は蓄光自発光体21-1及び保護キャリア21-2を含む。
【0020】
前記保護キャリア21-2は透明な導光材料で製造され、前記蓄光自発光体21-1は前記保護キャリア21-2内に封入されて設けられる。
【0021】
前記蓄光自発光体21-1は外部エネルギーを吸収し、転換して発光することができる。前記保護キャリア21-2は透明な医療用材料で製造され、組織に直接接触することができるため、前記蓄光自発光体21-1のエネルギー転換により発された光が効果的に透過して効果的に追跡することができるとともに、臨床使用における生物学的安全性も保証される。前記蓄光自発光体21-1は異なる位置に設け、異なる形状に設計し、必要に応じて定点追跡又は全体的追跡を行うことができる。
【0022】
前記光学追跡キャリア2は導光用光ファイバー22である。前記導光用光ファイバー22は良好な導光効果を有し、必要に応じて光線を異なる各位置に伝導し、また必要に応じて接続又は切断することができ、臨床使用に非常に容易である。
【0023】
前記光学追跡キャリア2は少なくとも1本の前記導光用光ファイバー22を含む。
【0024】
前記導光用光ファイバー22の端部、及び/又は側面はいずれも発光できる。前記導光用光ファイバー22は端部が発光できるだけでなく、側面も発光でき、前記導光用光ファイバー22は全体的に点灯して発光することができる。
【0025】
前記光学追跡キャリア2は複数本の前記導光用光ファイバー22の組み合わせである。
【0026】
前記光学追跡キャリア2は、単一の前記導光用光ファイバー22で構成されてもよいし、複数本の前記導光用光ファイバー22の組み合わせであってもよく、例えば、光ファイバー束を形成し、網目状に編み、異なる長さで配列する等の種々の形態であってもよい。
【0027】
前記導光用光ファイバー22は平滑な表面を有する。前記導光用光ファイバー22が平滑な表面を有する場合に、前記導光用光ファイバー22の良好の導光性能により、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2は前記導光用光ファイバー22の遠位端に位置し、定点追跡を実現できる。
【0028】
前記導光用光ファイバー22は非平滑な表面22-1を有する。
【0029】
前記非平滑な表面22-1は反射、及び/又は散乱を形成し得る非平滑な表面22-11である。前記非平滑な表面22-1は光線の反射、及び/又は散乱を経て、前記非平滑な表面22-1の全体的発光を実現し、全体的追跡の効果を達成することができる。
【0030】
前記導光用光ファイバー22に光出射口22-2が断続的に設けられる。断続的に設けられた各前記光出射口22-2は光線の伝導面22-21及び反射面22-22を有し、光線は前記伝導面22-21を介して伝導され、前記反射面22-22に到達すると反射されて前記光出射口22-2から出射され、1つの追跡点を形成し、複数の前記光出射口22-2はチェーン状追跡帯を形成することができる。
【0031】
前記光出射口22-2は非軸方向光出射口22-21であり、前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿って前記導光用光ファイバー22の側面に設けられる。前記光出射口22-2が前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿って完全に設けられた場合に、前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿って前記導光用光ファイバー22全体を点灯し、前記導光用光ファイバー22の全体的追跡を実現することができる。
【0032】
前記光出射口22-2の規則的な配列により、前記光出射口22-2は前記導光用光ファイバー22の長さサイズをマーキングすることができる。
【0033】
前記光出射口22-2の分布密度の規則的な配列により、散乱光の強度が異なり、前記導光用光ファイバー22の長さサイズをマーキングする。
【0034】
前記光出射口22-2が緊密に配列される場合に、発した光線がより強くなり、視覚的効果がより明るく、前記光出射口22-2が疎に配列される場合に、発した光線がより弱くなり、視覚的効果が比較的暗く、このような明暗を組み合わせた配列方法で、定規に類似する視覚的効果を形成することができ、追跡するとともに、サイズマーキングの効果も達成できる。
【0035】
前記導光用光ファイバー22は網目状に編まれ、異なる位置に光出射口22-2が点在している。前記導光用光ファイバー22を網目状に編む場合に、各前記導光用光ファイバー22の長さを区別して設定し、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2もそれに伴って区別され、点在することによって、立体空間の全体的追跡を実現することができ、各前記導光用光ファイバー22の途中に前記光出射口22-1を設ける必要がないため、光線伝導効果がより良好になり、単一の追跡点の視覚的効果が非常に明るい。側面に前記光出射口22-2が設けられ、全体的に点灯できる前記導光用光ファイバー22を網目状に編むことによって、空洞全体の全面積追跡を実現することもできる。また、網目状に編まれた形状は良好な支持性を有することができ、特に膀胱、子宮等の大きい空洞の支持及び追跡に適合する。
【0036】
臨床応用では、前記光学追跡キャリア2は、必要に応じて追跡が必要な各位置、例えば尿管、精管、卵管等の各内腔にセットされてもよいし、子宮筋腫、肺腫瘍(特に肺結節)、肝腫瘍等の固形腫瘍にセットされてもよいし、さらに、血管にセットされてもよく、特に前記導光用光ファイバー2が側面から発光して全体的追跡を実現することができるという特点を利用して、各内腔、血管、固形腫瘍等をマーキングする。
【0037】
前記医療用光学追跡システム500の表面にコーティング3が含まれる。
【0038】
前記コーティング3は抗凝固コーティング、及び/又は親水性コーティング、及び/又は疎水性コーティングである。
【0039】
前記コーティング3は、必要に応じて異なる性質のコーティングを設計することができ、例えば、前記導光用光ファイバー22が血管に入る必要がある場合に、前記コーティング3は抗凝固コーティングとして設計されてもよく、前記導光用光ファイバー22が種々の空洞に入る必要がある場合に、前記コーティング3は必要に応じて親水性コーティング又は疎水性コーティングとして設計されてもよい。
【0040】
前記光学追跡キャリア2は送達部23を含む。前記送達部23は前記光ファイバー追跡キャリア2の動作部2-1を、必要に応じて血管、空洞、腫瘍手術部等の追跡が必要な部分に送達することができる。
【0041】
前記送達部23は前記光学追跡キャリア2に可動に設けられる。臨床応用では、前記送達部23は、必要に応じて前記光学追跡キャリア2から取り外すか、又は前記光学追跡キャリア2に対して移動することができる。
【0042】
前記医療用光学追跡システム500は現像機構4をさらに含む。
【0043】
前記現像機構4は金属で製造され、熱伝導機能を有する。前記現像機構4の熱伝導機能は、前記医療用光学追跡システム500の人体に入った部分の温度が高すぎることによる意外な損害を防止することができ、温度は通常37℃以下に制御される。
【0044】
前記現像機構4は現像ライン41、及び/又は現像リング42、及び/又は現像ブロック43である。出願人はここで、上述したいくつかの現像方法のみについて例を挙げて説明したが、実際の応用では、当業者は必要に応じて異なる現像方法を設計することができ、出願人はここで1つずつ例を挙げて説明しないが、いずれも本出願の保護範囲を逸脱しないものとする。
【0045】
前記現像機構4はX線、及び/又はMRI、及び/又はB超音波で現像する。前記現像機構4は、X線、磁気ナビゲーション、又はB超音波等のシーンで現像提示を行うことができ、前記光学追跡キャリア2の観察又はナビゲーション可能な状況でのセットを容易にし、特に重要な血管、固形腫瘍等へのセットに適合する。
【0046】
前記医療用光学追跡システム500は保護スリーブ5をさらに含む。前記光学追跡キャリア2、前記現像機構4等は前記保護スリーブ5内に設けられ得る。前記保護スリーブ5の外部に、必要に応じて前記コーティング3を設けてもよい。
【0047】
前記保護スリーブ5は透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア2は前記保護スリーブ5内に設けられる。前記保護スリーブ5は医療用透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア2を保護するとともに、透明な材質により、依然として前記光学追跡キャリア2の追跡効果を保証できる。
【0048】
前記光学追跡キャリア2の内部にチャネル24が含まれる。前記チャネル24は、必要に応じて手術器具チャネル、体液排出チャネル等の用途とすることができる。
【0049】
前記光学追跡キャリア2は柔軟な医療用材料で製造され、血管、尿管、食道、気管、卵管、精管等の空洞に沿って移動することができる。前記光学追跡キャリア2は、良好な柔軟性を有し、血管又は空洞に沿って移動することができるため、必要に応じて異なる位置にセットすることができる。
【0050】
前記光学追跡キャリア2は整形機構25を含む。前記整形機構25は前記光学追跡キャリア2を整形することができ、例えば、必要に応じて円形、円弧、球形等の種々の形状に成形し、異なる追跡ニーズに適応する。
【0051】
前記整形機構25は形状記憶整形機構25-1である。前記形状記憶整形機構25-1は、セットを容易にするために、室温で線状、ストライプ状等の簡単な構造を呈し、人体に入った後、体温の作用下で設定された形状に戻る。
【0052】
前記形状記憶整形機構25-1は形状記憶金属ワイヤで編まれてなり、及び/又は形状記憶金属管又はシートで彫刻されてなる。前記形状記憶整形機構25-1は、形状記憶金属ワイヤで所望の形状に編まれてもよく、形状記憶合金管又は形状記憶合金シートを利用して所望の形状に直接彫刻されてもよい。
【0053】
本発明の追跡装置付き医療用カテーテルは前記医療用光学追跡システム500を含む。
【0054】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900はカテーテル900-1、インターフェース900-2及び医療用光学追跡システム500を含み、
A、前記カテーテル900-1は柔軟な弾性医療用材料で製造され、遠位端900-11に作業開口900-11-1が設けられ、
B、前記追跡装置付き医療用カテーテル900は少なくとも1つの前記インターフェース900-2を含み、前記インターフェース900-2は前記カテーテル900-1の近位端900-12に設けられ、
C、前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は、前記カテーテル900-1に設けられ、前記カテーテル900-1の所在位置をマーキングする。
【0055】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は現像機構4を含む。前記現像機構4は前記カテーテル900-1に設けられ、前記現像機構4は、X線、磁気ナビゲーション、又はB超音波等のシーンで現像提示を行うことができ、前記カテーテル900-1のセットを容易にする。前記現像機構4は金属材料で製造され得るとともに、熱伝導機能を有し、体内で前記LED光源11により温度が高すぎることを防止することができ、温度は通常37℃以内に制御する必要がある。
【0056】
前記カテーテル900-1に前記光学追跡キャリア2が設けられ、前記光学追跡キャリア2は、必要に応じて前記カテーテル900-1に対して局所的又は全体的追跡を行うことができる。
【0057】
前記カテーテル900-1は透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア2を構成し、前記医療用光学追跡システム500の光源はLED光源11であり、前記LED光源11の発光端11-1は前記カテーテル900-1の管壁内に設けられ、前記カテーテル900-1を追跡する。前記LED光源11は小さい体積の発光端11-1を含み、一般的には、前記発光端11-1は、サイズが2mm以下に制御され、例えばパッケージサイズが0.2mm~0.5mmの間にあるLEDランプであり、前記発光端11-1は、前記カテーテル900-1の管壁内に直接設け、回路システム11-2を介して電源に接続し、前記カテーテル900-1の管壁内で発光することができる。
【0058】
前記LED光源11の発光端11-1は前記カテーテル900-1の遠位端900-11に設けられ、前記カテーテル900-1の遠位端900-11を追跡する。
【0059】
前記LED光源11の発光端11-1は前記カテーテル1の管壁内に分散して設けられ、LEDランプストリップ又はLEDランプネットワークを形成し、前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行う。
【0060】
前記発光端11-1は、必要に応じて前記カテーテル900-1の任意の位置に設けられてもよく、遠位端に設けられた場合に、前記カテーテル900-1の遠位端900-11を追跡し、前記カテーテル900-1の中部に設けられた場合に、前記カテーテル900-1の中部局所を追跡することができ、前記回路システム11-2が可撓性回路板11-21を採用する場合に、前記発光端11-1は、前記可撓性回路板11-21の任意の位置に分散して設けて、前記カテーテル900-1に対する部分的又は全体的追跡を実現することができる。
【0061】
前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は導光用光ファイバー22であり、前記導光用光ファイバー22の近位端に導光コネクタ26が接続されており、前記導光用光ファイバー22は前記カテーテル900-1の長さ方向に沿って設けられ、前記カテーテル900-1を追跡する。
【0062】
前記導光用光ファイバー22は平滑な表面を有し、光出射口22-2は前記カテーテル1の遠位端に設けられ、前記カテーテル900-1の遠位端900-11を追跡する。
【0063】
前記導光用光ファイバー22は非平滑な表面22-1を有し、側面に光出射口22-2が設けられ、前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行う。
【0064】
前記導光用光ファイバー22は、前記カテーテル900-1の遠位端900-11に対して定点追跡を行うことができ、側面の光出射口22-2により、長さ方向に沿って前記カテーテル900-1に対して線状追跡を行うこともでき、さらに、前記導光用光ファイバー22を網目状に編むことによって、前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行うこともでき、また、網目状に編むことによって、さらに前記導光用光ファイバー22の弾性支持力を利用して、前記カテーテル900-1の管壁を支持する作用を果たすこともできる。
【0065】
前記カテーテル900-1の外面にはさらに、必要に応じて親水性コーティングのような前記コーティング3を設けることもできる。
【0066】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は医療用胃管901、医療用尿道カテーテル902、医療用精管、医療用卵管、又は医療用気管である。出願人はここで、上述したいくつかの追跡装置付き医療用カテーテル900の使用シーンのみを列挙したが、実際の応用では、前記追跡装置付き医療用カテーテル900は臨床ニーズに応じて異なる応用シーンに必要な構造として設計されてもよい。
【0067】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は、カテーテル900-1と、1つのインターフェース900-2と、医療用光学追跡システム500とを含む医療用胃管901であり、前記カテーテル900-1の遠位端900-11に作業開口900-11-1が設けられ、前記医療用光学追跡システム500は前記カテーテル900-1を追跡する。
【0068】
前記医療用胃管901は食管を経由して胃に入り、食物の人工伝達チャネルであり、前記インターフェース900-2は食物注射装置に外部接続することができる。臨床手術では、前記カテーテル900-1の遠位端900-11の位置を把握して観察すればよい場合があり、この場合に、前記医療用光学追跡システム500は前記医療用胃管901の遠位端に対して局所的追跡を行うだけでよい。その他、食管に沿って手術を行う等の場合に、食管の意外な損傷を防止するために、前記医療用胃管901に対して全体的追跡を行う必要がある。
【0069】
前記医療用胃管901に対して遠位端の局所的追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の遠位端に個別又は集合的に設けて追跡する技術的解決手段を採用してもよいし、平滑な表面を有する前記導光用光ファイバー22を採用してもよく、単一の前記導光用光ファイバー22であっても複数本の前記導光用光ファイバー22からなる導光束であってもよく、端部の光出射口22-1を利用して前記カテーテル900-1の遠位端を追跡し、あるいは、前記導光用光ファイバー22を前記カテーテル900-1の側壁に沿って円周状に配列し、前記カテーテル900-1の遠位端で光輪を形成し、前記カテーテル900-1の遠位端に対して局所的追跡を行う。
【0070】
前記医療用胃管901に対して全体又は大範囲の追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の管壁内に分散して分布し、導光ストリップ又は導光ネットワークを形成して前記カテーテル900-1に対して全体又は大範囲の追跡を行うようにしてもよい。非平滑な表面22-1を有する導光用光ファイバー22を長さ方向に沿って前記カテーテル900-1の管壁内に設けて、導光ストリップを形成し、前記カテーテル900-1を長さ方向において追跡するようにしてもよいし、前記導光用光ファイバー22を網目状に編み、前記カテーテル900-1の特定のセグメント又は全体に対して環状の全体的追跡を行うようにしてもよい。
【0071】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は、カテーテル900-1と、インターフェース900-2と、医療用光学追跡システム500とを含む医療用尿道カテーテル902であり、前記カテーテル900-1の遠位端900-11に作業開口900-11-1が設けられ、前記医療用光学追跡システム500は前記カテーテル900-1を追跡する。
【0072】
前記医療用光学追跡システム500は前記医療用尿道カテーテル902に対して定点追跡を行うことができ、前記医療用尿道カテーテル902に対して大範囲又は全体の追跡を行うこともできる。
【0073】
例えば、前記医療用尿道カテーテル902の作業端に対して定点又は小範囲の局所的追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の遠位端に個別又は集合的に設けて追跡する技術的解決手段を採用してもよいし、平滑な表面を有する前記導光用光ファイバー22を採用してもよく、単一の前記導光用光ファイバー22であっても複数本の前記導光用光ファイバー22からなる導光束であってもよく、端部の光出射口22-1を利用して前記カテーテル900-1の遠位端を追跡し、あるいは、前記導光用光ファイバー22を前記カテーテル900-1の側壁に沿って円周状に配列し、前記カテーテル900-1の遠位端で光輪を形成し、前記カテーテル900-1の遠位端に対して局所的追跡を行う。
【0074】
例えば、膀胱に対して局所的追跡を行うか、又は前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の管壁内に分散して分布し、導光ストリップ又は導光ネットワークを形成して前記カテーテル900-1に対して全体又は大範囲の追跡を行うようにしてもよい。非平滑な表面22-1を有する導光用光ファイバー22を長さ方向に沿って前記カテーテル900-1の管壁内に設けて、導光ストリップを形成し、前記カテーテル900-1を長さ方向において追跡するようにしてもよいし、前記導光用光ファイバー22を網目状に編み、前記バルーン900-13の外周に対して全体的追跡を行うようにしてもよい。
【0075】
前記医療用尿道カテーテル902はダブルルーメン尿道カテーテル902-1であり、前記ダブルルーメン尿道カテーテル902-1のカテーテル900-1の遠位端900-11にバルーン900-13が設けられ、前記カテーテル900-1に2つのルーメン1-1が設けられ、前記ルーメン1-1ごとに1つの前記インターフェース900-2が対応して設けられ、そのうち1つの前記ルーメン1-1は導尿ルーメン900-14を構成し、前記導尿ルーメン900-14の遠位端に前記作業開口900-11-1が設けられ、近位端に設けられた前記インターフェース900-2は排液口900-21を構成し、もう1つの前記ルーメン1-1は注水ルーメン900-15を構成し、前記注水ルーメン900-15の遠位端は前記バルーン900-13に接続され、近位端に接続される前記インターフェース900-2は注水口900-22を構成する。
【0076】
臨床手術の時間の要件を保証するために、手術中に使用される前記医療用尿道カテーテル902は一般的に前記バルーン900-13を設ける必要があり、前記注水口900-22から前記注水ルーメン15を経由して前記バルーン900-13内に注水することによって、水袋を形成し、膀胱内での前記医療用尿道カテーテル902の効果的な固定を保証し、脱落を防止することができる。
【0077】
前記医療用尿道カテーテル902はトリプルルーメン尿道カテーテル902-2であり、前記トリプルルーメン尿道カテーテル902-2のカテーテル900-1の遠位端900-11にバルーン900-13が設けられ、前記カテーテル900-1に3つのルーメン1-1が設けられ、前記ルーメン1-1ごとに1つの前記インターフェース900-2が対応して設けられ、そのうち第1の前記ルーメン1-1は導尿ルーメン900-14を構成し、前記導尿ルーメン900-14の遠位端に前記作業開口900-11-1が設けられ、近位端に設けられた前記インターフェース900-2は排液口900-21を構成し、第2の前記ルーメン1-1は注水ルーメン900-15を構成し、前記注水ルーメン900-15の遠位端は前記バルーン900-13に接続され、近位端に接続される前記インターフェース900-2は注水口900-22を構成し、第3の前記ルーメン1-1は輸液水洗ルーメン900-16を構成し、前記輸液水洗ルーメン900-16の遠位端に水洗口900-16-1及び遮断弁900-16-2が設けられ、前記輸液水洗ルーメン900-16の近位端に接続される前記インターフェース900-2は水洗薬注口900-23を構成する。
【0078】
前記医療用尿道カテーテル902の留置中の水洗、特に薬剤による水洗と消毒を容易にするために、前記医療用尿道カテーテル902は前記トリプルルーメン尿道カテーテル902-2とすることができる。前記輸液水洗ルーメン900-16の近位端に前記水洗薬注口900-23が設けられ、遠位端の水洗口900-16-1は体腔に連通し、前記水洗口900-16-1で前記遮断弁900-16-2が設けられ、薬剤が前記水洗薬注口900-23から注入されると、圧力の作用下で、前記遮断弁900-16-2は開放し、薬剤が体腔に入り、薬剤の注入が停止すると、体腔の圧力の作用下で、前記遮断弁900-16-2は自動的に閉鎖し、体液が前記水洗口900-16-1から前記輸液水洗ルーメン900-16に入ることを防止する。
【0079】
本発明の固形腫瘍追跡装置は前記医療用光学追跡システム500を含む。
【0080】
前記固形腫瘍追跡装置910は現像機構4を含む。前記現像機構4は、金属材料で製造された前記位置ずれ防止機構910-1により構成されてもよいし、個別に設けられたものであってもよく、前記現像機構4は、X線、MRI、又はB超音波の状態下で、前記光学追跡キャリア2の所在位置をマーキングすることができる。
【0081】
前記固形腫瘍追跡装置910は位置ずれ防止機構910-1及び前記医療用光学追跡システム500を含み、前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は、前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0082】
前記位置ずれ防止機構910-1は、肺の呼吸運動、腸の蠕動、胃の蠕動等の人体の動きによる前記固形腫瘍追跡装置910の位置ずれを防止するために、画定が必要な固形腫瘍に固定することができる。
【0083】
臨床応用では、X線、又はMRIの状態下で、医療用穿刺針を用いてマーキングが必要な固形腫瘍まで穿刺した後に、前記位置ずれ防止機構910-1を固形腫瘍の所在位置に送達し、そして固形腫瘍に固定し、前記光学追跡キャリア2は前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を位置決めし、このように、手術中に、光線の指示で、固形腫瘍の所在位置を肉眼で直観的に観察することができる。
【0084】
前記位置ずれ防止機構910-1はフック状構造、及び/又はホーン状構造、及び/又はダンベル状構造、及び/又はコイルスプリング状構造、及び/又は釘状構造を呈する。出願人はここで、上述したいくつかの構造の前記位置ずれ防止機構910-1の形態のみについて例を挙げて説明したが、実際の応用では、当業者は必要に応じて異なる構造の前記位置ずれ防止機構910-1を設計することができ、出願人はここで1つずつ例を挙げて説明しないが、いずれも本出願の保護範囲を逸脱しないものとする。
【0085】
前記位置ずれ防止機構910-1はフック状構造を呈し、前記位置ずれ防止機構910-1は少なくとも1つの位置決めフック910-11を含む。通常、前記位置ずれ防止機構910-1は、肺の呼吸運動、腸の蠕動等の人体の動きによる前記位置ずれ防止機構910-1の位置ずれをより良好に防止するために、2つ又は3つの前記位置決めフック910-11を含む。
【0086】
前記光学追跡キャリア2は導光用光ファイバー22であり、前記導光用光ファイバー22の近位端に導光コネクタ26が接続されており、前記導光用光ファイバー22の遠位端が前記位置ずれ防止機構910-1に接続や固定され、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2は前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0087】
前記導光用光ファイバー22は柔軟性により、前記位置ずれ防止機構910-1、特に前記位置決めフック910-11に直接巻き付け、接続及び固定することができ、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2から発した光線を利用して、前記位置ずれ防止機構910-1に対して光学追跡を行う。
【0088】
前記導光用光ファイバー22は非平滑な表面22-1を有し、前記導光用光ファイバー22の側面に光出射口22-2が設けられ、前記導光用光ファイバー22は前記位置ずれ防止機構910-1に対して全体的追跡を行う。
【0089】
前記導光用光ファイバー22は柔軟な医療用材料で製造され、前記位置ずれ防止機構910-1に接続されて固定され、前記位置ずれ防止機構910-1が変形すると、前記導光用光ファイバー22は前記位置ずれ防止機構910-1に伴って変形する。前記導光用光ファイバー22が全体的に点灯可能であるため、前記導光用光ファイバー22を前記位置ずれ防止機構910-1、特に前記位置決めフック910-11に巻き付ければ、前記位置ずれ防止機構910-1に伴って変形することができ、特に、前記位置ずれ防止機構910-1が形状記憶合金で製造された場合に、前記位置ずれ防止機構910-1の形状が変化するに伴って、前記導光用光ファイバー22の形状も変化し、前記位置ずれ防止機構910-1の追跡効果を保証する。
【0090】
前記固形腫瘍追跡装置910は位置ずれ防止機構910-1、送達機構910-2及び前記医療用光学追跡システム500を含み、前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0091】
前記送達機構910-2は送達シース910-21及び押出機構910-22を含み、前記位置ずれ防止機構910-1は前記送達シース910-21内に設けられ、前記押出機構910-22は前記位置ずれ防止機構910-1を前記送達シース910-21から押し出すことができる。
【0092】
前記押出機構910-22は、前記位置ずれ防止機構910-1に固定的に接続され、前記位置ずれ防止機構910-1を前記送達シース910-21から押し出した後、それとともに体内に留まるものであってもよく、前記位置ずれ防止機構910-1に取り外し可能に接続され、前記位置ずれ防止機構910-1を前記送達シース910-21から押し出した後、前記位置ずれ防止機構910-1との接続を解除し、前記位置ずれ防止機構910-1のみを固形腫瘍に留置するものであってもよい。
【0093】
臨床応用では、前記送達機構910-2はX線、又はMRIの状態下で、前記位置ずれ防止機構910-1を固形腫瘍の所在位置に送達し、そして固形腫瘍に固定し、前記光学追跡キャリア2は前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を位置決めし、このように、手術中に、光線の指示で、固形腫瘍の所在位置を肉眼で直観的に観察することができる。
【0094】
前記医療用光学追跡システム500の光源1はLED光源11であり、前記光学追跡キャリア2は透明材料で製造され、前記LED光源11の発光端11-1は、前記光学追跡キャリア2に設けられ、前記光学追跡キャリア2とともに前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0095】
前記光源1が前記LED光源11を採用する場合に、前記LED光源11の発光端11-1は前記光学追跡キャリア2と一体的にパッケージングされて、前記位置ずれ防止機構910-1の追跡が必要な位置に一体的に設けることができ、前記発光端11-1から発した光線は、前記光学追跡キャリア2の導光材料を介して伝導されてから表示され、固形腫瘍の位置を臨床的に識別するために用いられる。
【0096】
前記LED光源11は発光端11-1、回路システム11-2、駆動板11-3及び電源11-4を含み、前記発光端11-1は前記回路システム11-2を介して前記駆動板11-3及び前記電源11-4に接続され、前記駆動板11-3の制御下で、前記電源11-4は前記回路システム11-2により前記発光端11-1に給電し、前記発光端11-1は光線を発し、前記駆動板11-3及び前記電源11-4は体外に設けられ、前記発光端11-1は体内に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0097】
前記回路システム11-2は可撓性回路板11-21であり、前記LED光源11の発光端11-1は、前記可撓性回路板11-21に分散して設けられ、且つ前記光学追跡キャリア2内にパッケージングされ、LEDランプストリップ、LEDランプネットワーク、又はLEDランプボールを構成し、前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0098】
前記LED光源11は、単一の前記発光端11-1をパッケージングした後に定点追跡を行うものであってもよい。可撓性回路板11-21を前記回路システム11-2として採用し、前記発光端11-1を前記可撓性回路板11-21の任意の位置に分散して設けて、発光ストリップを形成し、発光ストリップを前記位置ずれ防止機構910-1に巻き付け、あるいは、複数の前記LED光源11を前記光学追跡キャリア2とともに網目状、球形等の形状にパッケージングすることによって、前記位置ずれ防止機構910-1に対して全体的追跡を行うものであってもよい。
【0099】
前記LED光源11の発光端11-1は前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、その外部が透明材料で製造された前記光学追跡キャリア2で被覆され、前記発光端11-1から発した光線は前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0100】
前記発光端11-1は前記位置ずれ防止機構910-1に分散して設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1に対して全体的追跡を行う。
【0101】
前記発光端11-1は、前記位置ずれ防止機構910-1に直接設けられ、そしてその外部を透明材料で製造された前記光学追跡キャリア2で被覆することができ、このように、前記発光端11-1は、前記位置ずれ防止機構910-1の外部輪郭に完全に貼り合わせ、前記位置ずれ防止機構910-1の任意の形状に対して追跡を行うことができる。
【0102】
また、前記発光端11-1は対称的に設けられ、その外部が前記光学追跡キャリア2で被覆され、前記発光端11-1及び前記回路システム11-2の内部支持と前記発光端11-1自身の体積とを利用して、前記位置ずれ防止機構910-1を構成することができ、前記医療用光学追跡システム500は追跡機能、及び前記位置ずれ防止機構910-1の位置決め機能を同時に兼ねることができる。
【0103】
前記回路システム11-2は可撓性回路板11-21であり、前記光学追跡キャリア2は柔軟な透明材料で製造され、前記発光端11-1、前記可撓性回路板11-21及び前記現像機構4は前記光学追跡キャリア2内に併せて設けられ、且つ前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1が変形すると、前記発光端11-1、前記可撓性回路板11-21、前記現像機構4は前記光学追跡キャリア2とともに前記位置ずれ防止機構910-1に伴って変形する。特に、前記位置ずれ防止機構910-1が形状記憶合金で製造された場合に、前記位置ずれ防止機構910-1の形状が変化するに伴って、前記可撓性回路板11-21の形状も変化し、前記位置ずれ防止機構910-1の追跡効果を保証する。
【0104】
本発明の血管追跡装置は前記医療用光学追跡システム500を含む。
【0105】
前記医療用光学追跡システム500は前記血管追跡装置920に対して全体的追跡を行うことができる。臨床使用では、前記医療用光学追跡システム500の作用下で、追跡された血管に近接すると、前記光源1から発した光線が血管を透過することを、組織を透過して見ることができ、前記光源1から発した光線の照度は、血管壁からの距離が0~30mm程度である場合に、追跡された血管が明確に見えることを保証する。
【0106】
前記血管追跡装置920は現像機構4を含む。前記現像機構4は、X線、磁気ナビゲーション、又はB超音波等のシーンで現像提示を行うことができ、前記カテーテル900-1のセットを容易にする。前記現像機構4は金属材料で製造され得るとともに、熱伝導機能を有し、体内で前記LED光源11により温度が高すぎることを防止することができ、温度は通常37℃以内に制御する必要がある。
【0107】
前記血管追跡装置920は抗凝固コーティングであるコーティング3を含む。
【0108】
前記血管追跡装置920は送達端920-1、ガイドワイヤ920-2、保護スリーブ5及び前記医療用光学追跡システム500を含み、前記医療用光学追跡システム500及び前記ガイドワイヤ920-2は前記保護スリーブ5内に設けられ、前記保護スリーブ5の外部に抗凝固コーティングであるコーティング3を有し、前記ガイドワイヤ920-2は、金属材料で製造され、X線で現像し、現像機構4を構成することができるとともに、熱伝導機能を有し、前記送達端920-1は、前記血管追跡装置920を血管追跡が必要な位置に送達することができる。
【0109】
前記血管追跡装置920がガイドワイヤ920-2を含むため、X線で、前記血管追跡装置920は直接現像することができ、また、前記ガイドワイヤ920-2は金属材料で製造され、一定の強度を有し、容易に送達することができるため、前記血管追跡装置920は別個の医療用ガイドワイヤと協働して操作する必要がない。前記コーティング3は抗凝固コーティングを採用し、手術中に前記血管追跡装置920が追跡を必要とする血管に安全に留まることを保証することができる。前記ガイドワイヤ920-2が同時に有する熱伝導機能は、体内で前記LED光源11により温度が高すぎることを防止することができ、温度は通常37℃以内に制御する必要がある。
【0110】
前記ガイドワイヤ920-2は形状記憶合金で製造され、前記血管追跡装置920の遠位端を整形し、整形機構25を構成する。前記ガイドワイヤ920-2は、前記血管追跡装置920の遠位端を必要に応じて整形し、血管のラジアンに適応させ、送達プロセスをより容易にすることができる。
【0111】
前記医療用光学追跡システム500には、ガイドワイヤ操作孔920-3を構成するチャネル24が設けられる。前記ガイドワイヤ操作孔920-3には、別個の医療用ガイドワイヤを挿入して協働して送達操作を行うことができ、前記医療用光学追跡システム500の構造が簡単である。
【0112】
前記光学追跡キャリア2の側壁は透明材料で製造され、側壁内に導光用光ファイバー22が設けられ、前記導光用光ファイバー22は、非平滑な表面22-1を有し、長さ方向に沿った側面に光出射口22-2が設けられ、前記光学追跡キャリア2の外面に抗凝固コーティングであるコーティング3が設けられ、前記導光用光ファイバー22の近位端は導光コネクタ26に接続され、前記光源1から発した光線の作用下で、前記導光用光ファイバー22は全体的に光線を発し、血管を追跡することができる。前記導光用光ファイバー22は、構造が簡単であり、サイズが小さく、サイズの小さい血管の追跡に適合する。
【0113】
前記光源1は医療用冷光源12である。前記医療用冷光源12は、体内に設けられた前記光学追跡キャリア2の温度の上昇を引き起こさず、血管追跡プロセスをより安全にする。
【0114】
前記光学追跡キャリア2の側壁は透明材料で製造され、前記光源1はLED光源11であり、前記LED光源11の発光端11-1は、前記光学追跡キャリア2の側壁内に分散して設けられ、LEDランプストリップ又はLEDランプネットワークを構成し、血管を追跡する。前記LED光源11は、血管を直接追跡し、良好な照明効果を有し、大きい血管の追跡に非常に優れた効果を有する。
【0115】
臨床使用では、X線の環境下で、血管介入治療の技術を用いて、前記血管追跡装置920を追跡が必要な位置にセットし、電源をオンにし、前記光源1の作用下で、前記光ファイバー追跡キャリア2は作用し、可視光を発し、血管を追跡する。手術中に、追跡された血管に近接すると、前記光源1から発した光線が血管を透過することを、組織を透過して見ることができ、前記光源1から発した光線の照度は、血管壁からの距離が0~30mm程度である場合に、追跡された血管が明確に見えることを保証する。
【0116】
本発明の医療用光学追跡システムは光源1及び光学追跡キャリア2を含む。前記光学追跡キャリア2は導光材料を含む。前記光源1から発した光は、前記光学追跡キャリア2を介して伝導された後に、前記光学追跡キャリア2に対して光学追跡を行う。前記光源1はミニサイズの前記LED光源11を採用してもよく、前記LED光源11の発光端11-1を前記光学追跡キャリア2と直接一体化して人体内にセットし、光学追跡を行う。本発明の医療用光学追跡システムは、必要に応じて、前記追跡装置付き医療用カテーテル900、前記固形腫瘍追跡装置910、又は前記血管追跡装置920内に設けることができ、臨床手術において、異なる色の光源の設定により、臨床手術で重点的に保護すべき血管、内腔、組織又は臓器を正確に識別し、手術中の意外な損傷を効果的に回避し、又はサイズの小さい腫瘍を効果的に画定し、臨床手術の効果的な実施を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】不規則的な光出射口が設けられて非平滑な表面を有する導光用光ファイバーの構造模式図である。
【
図1-4】チャネルを有する導光用光ファイバーの断面図である。
【
図2】環状光出射口が設けられて非平滑な表面を有する導光用光ファイバーの構造模式図である。
【
図3】螺旋状光出射口が設けられて非平滑な表面を有する導光用光ファイバーの構造模式図である。
【
図4】現像ライン及び光ファイバーが保護スリーブ内に設けられた光ファイバー機構の構造模式図である。
【
図4-2】複数本の導光用光ファイバーを含む光ファイバー機構の断面図である。
【
図5】現像ブロックを含む光ファイバー機構の構造模式図である。
【
図6】現像リングを含む光ファイバー機構の構造模式図である。
【
図7】整形機構を含む光ファイバー機構の構造模式図である。
【
図8】コーティングを含む光ファイバー機構の構造模式図である。
【
図9】医療用冷光源を含む本発明の医療用光学追跡システムである。
【
図10】蓄光自発光追跡キャリアを含む光学追跡キャリアの構造模式図である。
【
図11】LED光源の発光端が内蔵された光学追跡キャリアの構造模式図である。
【
図12】現像ラインを含むLED光源の発光端が内蔵された光学追跡キャリアの構造模式図である。
【
図13】LED光源を含む本発明の医療用光学追跡システムである。
【
図14】現像ワイヤを含む血管追跡装置の構造模式図である。
【
図14-2】ガイドワイヤ操作孔を含む血管追跡装置の断面図である。
【
図15】光ファイバーを網目状に編んだ光学追跡キャリアである。
【
図16】血管追跡装置を血管内にセットする動作原理図である。
【
図17】本発明の可視光追跡装置付き医療用胃管の斜視構造模式図である。
【
図17-3】
図17にLED光源を接続した後の構造模式図である。
【
図17-4】
図17に冷光源を接続した後の構造模式図である。
【
図17-5】非平滑な表面を有する導光用光ファイバーを含む医療用胃管の構造模式図である。
【
図17-8】端部にLED発光端が設けられた医療用胃管の構造模式図である。
【
図17-10】
図17-5にLED光源を接続した後の構造模式図である。
【
図17-11】LED発光端が全体的に設けられた医療用胃管の構造模式図である。
【
図17-13】親水性コーティングを含む医療用胃管の構造模式図である。
【
図17-14】蓄光自発光追跡キャリアを含む医療用胃管の構造模式図である。
【
図18】18ルーメン医療用尿道カテーテルのバルーン膨張時の構造模式図である。
【
図18-5】
図18にLDE光源を接続した時の構造模式図である。
【
図18-6】管壁内にLED発光端が設けられたダブルルーメン医療用尿道カテーテルの構造模式図である。
【
図19】19ルーメン医療用尿道カテーテルのバルーン膨張時の構造模式図である。
【
図19-5】
図19にLED光源を接続した時の構造模式図である。
【
図20】光ファイバーを網目状に編んだトリプルルーメン医療用尿道カテーテルにLED光源を接続した時の構造模式図である。
【
図21】光ファイバーを網目状に編んだトリプルルーメン医療用尿道カテーテルの構造模式図である。
【
図22】整形機構を含む医療用カテーテルの構造模式図である。
【
図23】医療用尿道カテーテルを膀胱に挿入した時の動作原理図である。
【
図24】医療用尿道カテーテルを尿管に挿入した時の動作原理図である。
【
図25】本発明の固形腫瘍追跡装置の位置決めフックが送達シース内に収容された斜視構造模式図である。
【
図26】
図25の位置決めフックを押し出した時の構造模式図である。
【
図27】LED光源の発光端が位置決めフックに設けられた構造模式図である。
【
図28】断続的開口スリーブを含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図29】複数の固形腫瘍追跡装置を含む構造模式図である。
【
図30】球形の位置ずれ防止機構を含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図31】ダンベル状の位置ずれ防止機構を含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図31-4】コーティングを含むダンベル状の位置ずれ防止機構の構造模式図である。
【
図32】螺旋状の位置ずれ防止機構を含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図33】螺旋状及びダンベル状の位置ずれ防止機構を含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図34】LED光源を含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図34-1】
図34の送達機構を取り外した後の構造模式図である。
【
図35】医療用冷光源を含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図36】蓄光自発光追跡キャリアを含む本発明の固形腫瘍追跡装置の構造模式図である。
【
図37】本発明の固形腫瘍追跡装置を肺結節に挿入した時の動作原理図である。
【
図37-1】
図37に送達機構を取り外し、導光用光ファイバーを光源に接続した後の動作原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0118】
実施例1:本発明の医療用光学追跡システム
図1~
図13を参照し、本実施例の医療用光学追跡システムは光源1及び光学追跡キャリア2を含む。
【0119】
前記光学追跡キャリア2は導光材料を含み、前記光源1から発した光は前記光学追跡キャリア2を介して伝導され、且つ前記光学追跡キャリア2に対して光学追跡を行う。
【0120】
前記光源1はLED光源11、及び/又は医療用冷光源12、及び/又は自然光である。前記光源1は光線を発することができる種々の光源であり得、前記光源1から発した光線は前記光学追跡キャリア1を介して伝導された後に追跡することができる。
図11を参照し、前記LED光源11は、一般的な照明光源に比べて、体積が小さく、発光効率が高く、光源指向性が強い等の特点を有し、特に安全性の点で、LED光源は、一般的な光源とは比較にならない利点を有する。まず、LED光源は低電圧直流電源であり、給電電圧は6~24Vしか必要とせず、次に、LED光源には水銀が添加されず、人体に中毒等の損害を引き起こさず、また、より重要なこととして、LED光源は冷光源であり、動作中に大量に発熱せず、安全に触られ、人体に意外な高温火傷を引き起こさない。
図9を参照し、前記医療用冷光源12は従来の手術中の一般的な光源であり、且つ前記光源1を後に配置することができ、手術室で取得しやすく、追加の機器を必要とせず、また、前記医療用冷光源12は体内温度の上昇を引き起こしにくい。
【0121】
前記光源1から発した光線の色は、背景色又は透過要件に応じて設定することができる。
【0122】
光線の設定により、臨床手術では、医者は直接肉眼で組織を透過して前記光学追跡キャリア2の所在位置を見て、さらに臨床手術で重点的に保護すべき血管、組織又は臓器を正確に識別し、手術中の意外な損害を効果的に回避することができる。前記光源1から発した光線は、体腔内の背景色又は透過が必要な組織に応じて区別して設定することができ、組織を透過する必要がある場合に、赤色及び黄色が好ましく、次が紫色及び白色であり、血管組織を表示する必要がある場合に、光線は緑色が好ましい。
【0123】
前記光源1はさらに、必要に応じて断続的に点灯し、点滅する等の形態に設定することができ、前記光源1から発した光線の強度も、異なる臨床環境に適応するように、必要に応じて調整することができる。前記光源1から発した光線の照度は300000luxに達することができ、好ましい範囲は5000lux~150000luxである。
【0124】
図9及び
図13を参照し、前記光源1は、波長調整機構13-1及び光強度調整機構13-2を含む制御システム13を含み、前記波長調整機構13-1は、波長を調整することによって、発した光線の色を調整することができ、前記光強度調整機構13-2は、発した光線の照度を調整することができる。
【0125】
前記LED光源11は体内に設けられても、体外に設けられてもよい。前記LED光源11の発光端11-1の体積を非常に小さくすることができ、前記発光端11-1のサイズは通常2mm以下に制御され、例えば、パッケージサイズが0.2mm~0.5mmにあるLEDランプであり、よって、
図11~
図12-3を参照し、前記LED光源11は、体外に設けて、前記光学追跡キャリア2を介して人体内に光線を伝導することができるだけでなく、人体内に直接設けて、外部を前記光学追跡キャリア2で被覆し、追跡が必要な部分に直接設けることもできる。
【0126】
本実施例において、前記光源1は前記導光コネクタ26を介して前記光学追跡キャリア2に接続されて光源を提供することができ、前記LED光源11は前記光学追跡キャリア2内に設けてもよい。前記光学追跡キャリア2は前記LED光源11の外部に直接包まれ、前記LED光源11を前記光学追跡キャリア2とともに人体内にセットし、内腔、臓器、腫瘍等を追跡する。
【0127】
図1~
図3-2を参照し、前記光学追跡キャリア2は導光用光ファイバー22である。前記導光用光ファイバー22は良好な導光効果を有し、必要に応じて光線を異なる各位置に伝導し、また必要に応じて接続又は切断することができ、臨床使用に非常に容易である。
【0128】
前記光学追跡キャリア2は少なくとも1本の前記導光用光ファイバー22を含む。
【0129】
前記導光用光ファイバー22の端部、及び/又は側面はいずれも発光できる。前記導光用光ファイバー22は端部が発光できるだけでなく、側面も発光でき、前記導光用光ファイバー22は全体的に点灯して発光することができる。
【0130】
前記光学追跡キャリア2は複数本の前記導光用光ファイバー22の組み合わせである。
【0131】
前記光学追跡キャリア2は、単一の前記導光用光ファイバー22で構成されてもよいし(
図1、
図2及び
図3を参照)、
図15を参照し、複数本の前記導光用光ファイバー22の組み合わせであってもよく、例えば、光ファイバー束を形成し、網目状に編み、異なる長さで配列する等の種々の形態であってもよい。
【0132】
前記導光用光ファイバー22は平滑な表面を有する。前記導光用光ファイバー22が平滑な表面を有する場合に、前記導光用光ファイバー22の良好の導光性能により、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2は前記導光用光ファイバー22の遠位端に位置し、定点追跡を実現できる。
【0133】
前記導光用光ファイバー22は非平滑な表面22-1を有する。
【0134】
前記非平滑な表面22-1は反射、及び/又は散乱を形成し得る非平滑な表面22-11である。前記非平滑な表面22-1は光線の反射、及び/又は散乱を経て、前記非平滑な表面22-1の全体的発光を実現し、全体的追跡の効果を達成することができる。
【0135】
前記導光用光ファイバー22に光出射口22-2が断続的に設けられる。断続的に設けられた各前記光出射口22-2は光線の伝導面22-21及び反射面22-22を有し、光線は前記伝導面22-21を介して伝導され、前記反射面22-22に到達すると反射されて前記光出射口22-2から出射され、1つの追跡点を形成し、複数の前記光出射口22-2はチェーン状追跡帯を形成することができ、
図1を参照する。
【0136】
前記光出射口22-2は非軸方向光出射口22-21であり、前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿って前記導光用光ファイバー22の側面に設けられる。前記光出射口22-2が前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿って完全に設けられた場合に、前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿って前記導光用光ファイバー22全体を点灯し、前記導光用光ファイバー22の全体的追跡を実現することができる。
【0137】
前記非軸方向光出射口22-21は、
図1~
図1-4を参照し、モールドプレスにより製造された点状の断続的な光出射口であってもよく、
図2~
図3-2を参照し、一体射出成形又はワイヤカットによる環状光出射口又は螺旋状光出射口であってもよい。
【0138】
前記光出射口22-2の規則的な配列により、前記光出射口22-2は前記導光用光ファイバー22の長さサイズをマーキングすることができる。
【0139】
前記光出射口22-2の分布密度の規則的な配列により、散乱光の強度が異なり、前記導光用光ファイバー22の長さサイズをマーキングする。
【0140】
図1を参照し、前記光出射口22-2が緊密に配列される場合に、発した光線がより強くなり、視覚的効果がより明るく、前記光出射口22-2が疎に配列される場合に、発した光線がより弱くなり、視覚的効果が比較的暗く、このような明暗を組み合わせた配列方法で、定規に類似する視覚的効果を形成することができ、追跡するとともに、サイズマーキングの効果も達成できる。
【0141】
図15を参照し、前記導光用光ファイバー22はさらに、網目状に編まれ、異なる位置に光出射口22-2が点在することもできる。前記導光用光ファイバー22を網目状に編む場合に、各前記導光用光ファイバー22の長さを区別して設定し、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2もそれに伴って区別され、点在することによって、立体空間の全体的追跡を実現することができ、各前記導光用光ファイバー22の途中に前記光出射口22-1を設ける必要がないため、光線伝導効果がより良好になり、単一の追跡点の視覚的効果が非常に明るい。側面に前記光出射口22-2が設けられ、全体的に点灯できる前記導光用光ファイバー22を網目状に編むことによって、空洞全体の全面積追跡を実現することもできる。また、網目状に編まれた形状は良好な支持性を有することができ、特に膀胱、子宮等の大きい空洞の支持及び追跡に適合する。
【0142】
図10及び
図10-1を参照し、前記光源はさらに、非接触の形態で前記光学追跡キャリア2に接続され、前記蓄光自発光追跡キャリア21のような前記光学追跡キャリア2に照射することによって、光エネルギーの貯蔵、転換により前記光学追跡キャリア2の追跡を実現することもできる。前記光学追跡キャリア2は蓄光自発光追跡キャリア21である。自発光材料とは、特定の方法でエネルギーを吸収し、それを非平衡光放射に転換することができる物質材料を指し、材料内部に吸収されたエネルギーを非平衡光放射に転換するプロセスは発光プロセスである。特に蓄光自発光材料は、外部照明の作用下で数分間又は数十分間を経た後、暗い環境で12時間以上発光し続けることができ、ほとんどの手術時間の追跡ニーズを満たすことができる。前記蓄光自発光追跡キャリア21は、手術室中のランプのエネルギーを直接吸収することができ、これにより、種々の外部照明は全て前記光源1としてもよく、前記光源1に直接接続する必要がなく、使用プロセスは非常に簡単である。
【0143】
一般的には、前記蓄光自発光追跡キャリア21は蓄光自発光体21-1及び保護キャリア21-2を含む。前記保護キャリア21-2は透明な導光材料で製造され、前記蓄光自発光体21-1は前記保護キャリア21-2内に封入されて設けられる。
【0144】
前記蓄光自発光体21-1は外部エネルギーを吸収し、転換して発光することができる。前記保護キャリア21-2は透明な医療用材料で製造され、組織に直接接触することができるため、前記蓄光自発光体21-1のエネルギー転換により発された光が効果的に透過して効果的に追跡することができるとともに、臨床使用における生物学的安全性も保証される。前記蓄光自発光体21-1は異なる位置に設け、異なる形状に設計し、必要に応じて定点追跡又は全体的追跡を行うことができる。
【0145】
図8及び
図8-1を参照し、前記医療用光学追跡システム500の表面にコーティング3がさらに含まれる。
【0146】
前記コーティング3は抗凝固コーティング、及び/又は親水性コーティング、及び/又は疎水性コーティングである。
【0147】
前記コーティング3は、必要に応じて異なる性質のコーティングを設計することができ、例えば、前記光学追跡キャリア2が血管に入る必要がある場合に、前記コーティング3は抗凝固コーティングとして設計されてもよく、前記光学追跡キャリア2が種々の空洞に入る必要がある場合に、前記コーティング3は必要に応じて親水性コーティング又は疎水性コーティングとして設計されてもよい。
【0148】
図1及び
図15を参照し、前記光学追跡キャリア2は送達部23を含む。前記送達部23は前記光ファイバー追跡キャリア2の動作部2-1を、必要に応じて血管、空洞、腫瘍手術部等の追跡が必要な部分に送達することができる。前記送達部23は送達ハンドル23-1を含む。
【0149】
図37及び
図37-1を参照し、前記送達部23は前記光学追跡キャリア2に可動に設けられる。臨床応用では、前記送達部23は、必要に応じて前記光学追跡キャリア2から取り外すか、又は前記光学追跡キャリア2に対して移動することができる。
【0150】
前記医療用光学追跡システム500は現像機構4をさらに含む。
【0151】
前記現像機構4は金属で製造され、熱伝導機能を有する。前記現像機構4の熱伝導機能は、前記医療用光学追跡システム500の人体に入った部分の温度が高すぎることによる意外な損害を防止することができ、温度は通常37℃以下に制御される。
【0152】
図4~
図6-1を参照し、前記現像機構4は現像ライン41、及び/又は現像リング42、及び/又は現像ブロック43である。出願人はここで、上述したいくつかの現像方法のみについて例を挙げて説明したが、実際の応用では、当業者は必要に応じて異なる現像方法を設計することができ、出願人はここで1つずつ例を挙げて説明しないが、いずれも本出願の保護範囲を逸脱しないものとする。
【0153】
前記現像機構4はX線、及び/又はMRI、及び/又はB超音波で現像することができる。前記現像機構4は、X線、磁気ナビゲーション、又はB超音波等のシーンで現像提示を行うことができ、前記光学追跡キャリア2の観察又はナビゲーション可能な状況でのセットを容易にし、特に重要な血管、固形腫瘍等へのセットに適合する。
【0154】
図4~
図4-2を参照し、前記医療用光学追跡システム500は保護スリーブ5をさらに含む。前記光学追跡キャリア2、前記現像機構4等は前記保護スリーブ5内に設けられ得る。前記保護スリーブ5の外部に、必要に応じて前記コーティング3を設けてもよい。
【0155】
前記保護スリーブ5は透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア2は前記保護スリーブ5内に設けられる。前記保護スリーブ5は医療用透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア2を保護するとともに、透明な材質により、依然として前記光学追跡キャリア2の追跡効果を保証できる。
【0156】
図1-4を参照し、前記光学追跡キャリア2の内部にチャネル24が含まれる。前記チャネル24は、必要に応じて手術器具チャネル、体液排出チャネル等の用途とすることができる。
【0157】
前記光学追跡キャリア2は柔軟な医療用材料で製造され、血管、尿管、食道、気管、卵管、精管等の空洞に沿って移動することができる。前記光学追跡キャリア2は、良好な柔軟性を有し、血管又は空洞に沿って移動することができるため、必要に応じて異なる位置にセットすることができる。
【0158】
図7を参照し、前記光学追跡キャリア2は整形機構25を含む。前記整形機構25は前記光学追跡キャリア2を整形することができ、例えば、必要に応じて円形、円弧、球形等の種々の形状に成形し、異なる追跡ニーズに適応する。
【0159】
前記整形機構25は形状記憶整形機構25-1である。前記形状記憶整形機構25-1は、セットを容易にするために、室温で線状、ストライプ状等の簡単な構造を呈し、人体に入った後、体温の作用下で設定された形状に戻る。
【0160】
前記形状記憶整形機構25-1は形状記憶金属ワイヤで編まれてなり、及び/又は形状記憶金属管又はシートで彫刻されてなる。前記形状記憶整形機構25-1は、形状記憶金属ワイヤで所望の形状に編まれてもよく、形状記憶合金管又は形状記憶合金シートを利用して所望の形状に直接彫刻されてもよい。
【0161】
本実施例の医療用光学追跡システムの光学追跡キャリア2は、臨床応用では、必要に応じて追跡が必要な各位置、例えば尿管、精管、卵管等の各内腔にセットされてもよいし、子宮筋腫、肺腫瘍(特に肺結節)、肝腫瘍等の固形腫瘍にセットされてもよいし、さらに、血管にセットされてもよく、特に前記導光用光ファイバー2が側面から発光して全体的追跡を実現することができるという特点を利用して、各内腔、血管、固形腫瘍等をマーキングする。
【0162】
本実施例の医療用光学追跡システムは、前記光学追跡キャリア2を介して前記光源1から発した光線を伝導した後に、前記光学追跡キャリア2に対して光学追跡を行うことができる。異なる色の光源の設定により、前記光学追跡キャリア2は、臨床手術で重点的に保護すべき血管、内腔、組織又は臓器を正確にマーキングし、手術中の意外な損傷を効果的に回避し、又はサイズの小さい腫瘍を効果的に画定し、臨床手術の効果的な実施を容易にすることができる。
【0163】
実施例2:本発明の血管追跡装置
【0164】
図14を参照し、本実施例には血管可視光画定技術及び装置が開示されている。本実施例の血管追跡装置は実施例1に記載の医療用光学追跡システム500を含む。
【0165】
図14及び
図14-1を参照し、前記血管追跡装置920は送達端920-1、ガイドワイヤ920-2、保護スリーブ5及び前記医療用光学追跡システム500を含む。
【0166】
本実施例において、前記医療用光学追跡システム500の光源1は医療用冷光源12を採用し、前記医療用冷光源12は、体内に設けられた前記光学追跡キャリア2の温度の上昇をより良好に防止し、血管追跡プロセスをより安全にすることができる。
【0167】
前記光源1は、波長調整機構13-1及び光強度調整機構13-2を含む制御システム13を含み、前記波長調整機構13-1は、波長を調整することによって、発した光線の色を調整することができ、前記光強度調整機構13-2は、発した光線の照度を調整することができる。
【0168】
前記光源1から発した光線の色は、背景色又は透過要件に応じて設定することができる。光線の設定により、臨床手術では、医者は直接肉眼で組織を透過して前記光学追跡キャリア2の所在位置を見て、さらに臨床手術で重点的に保護すべき血管を正確に識別し、手術中の意外な損害を効果的に回避することができる。前記光源1から発した光線は、体腔内の背景色又は透過が必要な組織に応じて区別して設定することができ、組織を透過する必要がある場合に、赤色及び黄色が好ましく、次が紫色及び白色であり、血管組織を表示する必要がある場合に、光線は緑色が好ましい。
【0169】
前記光源1はさらに、必要に応じて断続的に点灯し、点滅する等の形態に設定することができ、前記光源1から発した光線の強度も、異なる臨床環境に適応するように、必要に応じて調整することができる。前記光源1から発した光線の照度は300000luxに達することができ、好ましい範囲は5000lux~150000luxである。
【0170】
図14-1を参照し、本実施例において、前記医療用光学追跡キャリア2は複数本の前記導光用光ファイバー22の組み合わせである。前記導光用光ファイバー22は、非平滑な表面22-1を有し、長さ方向に沿った側面に光出射口22-2が設けられ、前記導光用光ファイバー22の近位端に導光コネクタ26が接続されており、前記光源1の作用下で、前記導光用光ファイバー22の側面から散乱光を発し、前記導光用光ファイバー22の長さ方向に沿った追跡を実現することができる。
【0171】
前記保護スリーブ5は透明材料で製造され、前記導光用光ファイバー22及び前記ガイドワイヤ920-2は前記保護スリーブ5内に設けられる。前記保護スリーブ5の外部に抗凝固コーティングであるコーティング3を有する。
【0172】
前記ガイドワイヤ920-2は、金属材料で製造され、X線で現像し、現像機構4を構成することができるとともに、熱伝導機能を有し、前記導光用光ファイバー22の動作部2-1の人体に入った部分の温度が高すぎることによる意外な損害を防止し、温度は通常37℃以下に制御される。
【0173】
図7を参照し、前記ガイドワイヤ920-2は形状記憶合金で製造され、前記血管追跡装置920の遠位端を整形し、整形機構25を構成することができる。前記ガイドワイヤ920-2は、前記血管追跡装置920の遠位端を必要に応じて整形し、血管のラジアンに適応させ、送達プロセスをより容易にすることができる。前記ガイドワイヤ920-2の整形中に、前記導光用光ファイバー22もそれに伴って変形し、前記血管追跡装置920の追跡効果を保証する。
【0174】
図16を参照し、臨床使用では、まず橈骨動脈穿刺法を行い、動脈シースを固定し、次に医療用スーパースムースガイドワイヤを造影カテーテルに送り込み、カテーテルを動脈シースにセットし、次にX線環境下でスーパースムースガイドワイヤを押し込み、ガイドワイヤを作業箇所に送達した後に、ガイドワイヤを固定し、次にガイドワイヤに沿って造影カテーテルを作業箇所に送り込み、その後スーパースムースガイドワイヤを取り外し、造影カテーテルに沿って本実施例の血管追跡装置を作業箇所にセットし、続いて造影カテーテルを取り外し、前記血管追跡装置920を追跡が必要な血管に留まらせ、前記光源1をオンにすると、前記血管追跡装置920は可視光技術により血管を追跡することができる。手術中に、追跡された血管に近接すると、前記光源1から発した光線が血管を透過することを、組織を透過して見ることができ、前記光源1から発した光線の照度は、血管壁からの距離が0~30mm程度である場合に、追跡された血管が明確に見えることを保証する。
【0175】
また、前記血管追跡装置920はさらに、前記ガイドワイヤ920-2を有さない構造として設計されてもよい。
【0176】
図14-2を参照し、前記医療用光学追跡システム500には、ガイドワイヤ操作孔920-3を構成するチャネル24が設けられる。前記ガイドワイヤ操作孔920-3には、別個の医療用ガイドワイヤを挿入して協働して送達操作を行うことができる。
【0177】
前記光学追跡キャリア2の側壁は透明材料で製造され、側壁内に導光用光ファイバー22及び現像ライン41が設けられ、前記導光用光ファイバー22は、非平滑な表面22-1を有し、長さ方向に沿った側面に光出射口22-2が設けられ、前記光学追跡キャリア2の外面に抗凝固コーティングであるコーティング3が設けられ、前記導光用光ファイバー22の近位端は導光コネクタ26に接続され、前記光源1から発した光線の作用下で、前記導光用光ファイバー22は全体的に光線を発し、血管を追跡することができる。
【0178】
前記光学追跡キャリアは、前述した導光用光ファイバー22の設計に加えて、前記LED光源11の発光端を直接人体内にセットして追跡することもできる。
【0179】
図14-1を参照し、前記光学追跡キャリア2は、透明材料で製造され、前記保護スリーブ5を構成し、外部に抗凝固コーティングである前記コーティング3が設けられる。
【0180】
前記光源1はLED光源11であり、前記LED光源11は前記可撓性回路板11-21を前記回路システム11-2として採用して電源に接続され、前記LED光源11の発光端11-1は前記可撓性回路板11-21に分散して設けられ、そして前記現像機構4とともに前記光学追跡キャリア2内にパッケージングされ、前記LED光源11は、血管内で血管を直接追跡し、より良好な照明効果を有し、大きい血管の追跡に非常に優れた効果を有する。
【0181】
本実施例において、前記医療用光学追跡システム500は前記血管追跡装置920に対して全体的追跡を行うことができる。臨床使用では、前記医療用光学追跡システム500の作用下で、追跡された血管に近接すると、前記光源1から発した光線が血管を透過することを、組織を透過して見ることができ、前記光源1から発した光線の照度は、血管壁からの距離が0~30mm程度である場合に、追跡された血管が明確に見えることを保証し、且つ血管に近いほど光線が強くなり、提示効果がより明確になり、手術中に血管追跡を効果的に行って医療従事者に提示し、重要な血管を保護し、手術中の血管の意外な損害を防止することができ、臨床使用に非常に容易で安全である。
【0182】
実施例3:本発明の追跡装置付き医療用カテーテル
【0183】
図17~
図24を参照し、本実施例には医療用カテーテル可視光画定技術及び装置が開示されており、本実施例の追跡装置付き医療用カテーテルは実施例1に記載の医療用光学追跡システムを含む。
【0184】
図17~
図17-3を参照し、前記追跡装置付き医療用カテーテル900はカテーテル900-1、インターフェース900-2及び医療用光学追跡システム500を含む。
【0185】
前記カテーテル900-1は柔軟な弾性医療用材料で製造され、内部に作業チャネル900-3が設けられ、遠位端900-11に作業開口900-11-1が設けられる。
【0186】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は現像機構4を含む。前記現像機構4は前記カテーテル900-1に設けられ、前記現像機構4は、X線、磁気ナビゲーション、又はB超音波等のシーンで現像提示を行うことができ、前記カテーテル900-1のセットを容易にする。前記現像機構4は金属材料で製造され得るとともに、熱伝導機能を有し、体内で前記LED光源11により温度が高すぎることを防止することができ、温度は通常37℃以内に制御する必要がある。
【0187】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は少なくとも1つの前記インターフェース900-2を含み、前記インターフェース900-2は前記カテーテル900-1の近位端900-12に設けられる。
【0188】
前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は、前記カテーテル900-1に設けられ、前記カテーテル900-1の所在位置をマーキングする。
【0189】
前記カテーテル900-1に前記光学追跡キャリア2が設けられ、前記光学追跡キャリア2は、必要に応じて前記カテーテル900-1に対して局所的又は全体的追跡を行うことができる。
【0190】
本実施例において、前記光源1は、LED光源11であり、発光端11-1及び回路システム11-2を含む。前記光源1から発した光線の色は、背景色又は透過要件に応じて設定することができる。
【0191】
図17-4を参照し、前記光源1は、波長調整機構13-1及び光強度調整機構13-2を含む制御システム13を含み、前記波長調整機構13-1は、波長を調整することによって、発した光線の色を調整することができ、前記光強度調整機構13-2は、発した光線の照度を調整することができる。
【0192】
光線の設定により、臨床手術では、医者は直接肉眼で組織を透過して前記光学追跡キャリア2の所在位置を見て、さらに臨床手術で重点的に保護すべき血管、組織又は臓器を正確に識別し、手術中の意外な損害を効果的に回避することができる。前記光源1から発した光線は、体腔内の背景色又は透過が必要な組織に応じて区別して設定することができ、組織を透過する必要がある場合に、赤色及び黄色が好ましく、次が紫色及び白色であり、血管組織を表示する必要がある場合に、光線は緑色が好ましい。
【0193】
前記光源1はさらに、必要に応じて断続的に点灯し、点滅する等の形態に設定することができ、前記光源1から発した光線の強度も、異なる臨床環境に適応するように、必要に応じて調整することができる。前記光源1から発した光線の照度は通常5000lux~150000luxである。
【0194】
前記LED光源11は、体外に設けられ、前記導光コネクタ26を介して前記光学追跡キャリア2に接続され、前記光学追跡キャリア2を追跡するものであってもよい。前記LED光源11はミニサイズの発光端の設計を採用してもよく、前記発光端11-1は前記カテーテル900-1に設けられ、前記カテーテル900-1とともに人体内に入って追跡を行う。
【0195】
ミニサイズの発光端の設計を採用する場合に、一般的には、前記発光端11-1は、サイズが2mm以下に制御され、例えばパッケージサイズが0.2mm~0.5mmの間にあるLEDランプであり、前記カテーテル900-1は透明材料で製造され、前記光学追跡キャリア2を構成する。前記医療用光学追跡システム500の光源1はLED光源11であり、前記LED光源11の発光端11-1は前記カテーテル900-1の管壁内に設けられ、前記カテーテル900-1を追跡する。前記LED光源11は小さい体積の発光端11-1を含み、それによって、前記発光端11-1は、前記カテーテル900-1の管壁内に直接設け、回路システム11-2を介して電源に接続し、前記カテーテル900-1の管壁内で発光することができる。
【0196】
前記発光端11-1はさらに、必要に応じて前記カテーテル900-1の任意の位置に設けられ、前記カテーテル900-1に対する局所的又は全体的追跡を実現することもできる。
【0197】
図17-8及び17-9を参照し、前記LED光源11の発光端11-1が前記カテーテル900-1の遠位端900-11に設けられた場合に、前記カテーテル900-1の遠位端900-11に対して局所定点追跡を行うことができる。
【0198】
図17-11及び
図17-12を参照し、前記回路システム11-2が可撓性回路板11-21を採用する場合に、前記発光端11-1は前記可撓性回路板11-21の任意の位置に分散して設けられ得、前記可撓性回路板11-21を前記カテーテル1の管壁内に設ければ、LEDランプストリップ又はLEDランプネットワークを形成し、前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行うことができる。
【0199】
図17-1~
図17-7を参照し、前記LED光源11が体外に設けられた場合に、前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は導光用光ファイバー22であり、前記導光用光ファイバー22の近位端に導光コネクタ26が接続されており、前記導光用光ファイバー22は前記カテーテル900-1の長さ方向に沿って設けられ、前記カテーテル900-1を追跡する。
【0200】
図17-1及び
図17-2を参照し、前記導光用光ファイバー22が平滑な表面を有する場合に、光出射口22-2は前記カテーテル1の遠位端に設けられ、即ち、前記カテーテル900-1の遠位端900-11を追跡する。
【0201】
図17-5~
図17-7を参照し、前記導光用光ファイバー22が非平滑な表面22-1を有する場合に、側面に設けられた光出射口22-2は、散乱光を発し、前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行うことができる。
【0202】
図20~
図21-1を参照し、前記導光用光ファイバー22はさらに、前記導光用光ファイバー22を網目状に編むことによって、前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行うこともでき、また、網目状に編むことによって、さらに前記導光用光ファイバー22の弾性支持力を利用して、前記カテーテル900-1の管壁を支持する作用を果たすこともできる。
【0203】
図17-13を参照し、前記カテーテル900-1の外面にはさらに、必要に応じて親水性コーティングのような前記コーティング3を設けることもできる。
【0204】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は医療用胃管901、医療用尿道カテーテル902、医療用精管、医療用卵管、又は医療用気管であり得る。出願人はここで、上述したいくつかの追跡装置付き医療用カテーテル900の使用シーンのみを列挙したが、実際の応用では、前記追跡装置付き医療用カテーテル900は臨床ニーズに応じて異なる応用シーンに必要な構造として設計されてもよい。
【0205】
図22を参照し、前記医療用カテーテル900にはさらに、異なる内腔に適応するように前記カテーテル900-1を整形する整形機構25が設けられ得る。
【0206】
図17~
図17-15を参照し、前記追跡装置付き医療用カテーテル900は医療用胃管901である。
【0207】
前記医療用胃管901は、カテーテル900-1、1つのインターフェース900-2及び医療用光学追跡システム500を含み、前記カテーテル900-1の遠位端900-11に作業開口900-11-1が設けられ、前記医療用光学追跡システム500は前記カテーテル900-1を追跡する。
【0208】
前記医療用胃管901は食管を経由して胃に入り、食物の人工伝達チャネルであり、前記インターフェース900-2は食物注射装置に外部接続することができる。臨床手術では、前記カテーテル900-1の遠位端900-11の位置を把握して観察すればよい場合があり、この場合に、前記医療用光学追跡システム500は前記医療用胃管901の遠位端に対して局所的追跡を行うだけでよい。その他、食管に沿って手術を行う等の場合に、食管の意外な損傷を防止するために、前記医療用胃管901に対して全体的追跡を行う必要がある。
【0209】
図17-8及び
図17-9を参照し、前記医療用胃管901に対して遠位端の局所的追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の遠位端に個別又は集合的に設けて追跡する技術的解決手段を採用してもよいし、平滑な表面を有する前記導光用光ファイバー22を採用してもよく、単一の前記導光用光ファイバー22であっても複数本の前記導光用光ファイバー22からなる導光束であってもよく、端部の光出射口22-1を利用して前記カテーテル900-1の遠位端を追跡し、あるいは、前記導光用光ファイバー22を前記カテーテル900-1の側壁に沿って円周状に配列し、前記カテーテル900-1の遠位端で光輪を形成し、前記カテーテル900-1の遠位端に対して局所的追跡を行う。
【0210】
図17-11及び
図17-12を参照し、前記医療用胃管901に対して全体又は大範囲の追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の管壁内に分散して分布し、導光ストリップ又は導光ネットワークを形成して前記カテーテル900-1に対して全体又は大範囲の追跡を行うようにしてもよい。非平滑な表面22-1を有する導光用光ファイバー22を長さ方向に沿って前記カテーテル900-1の管壁内に設けて、導光ストリップを形成し、前記カテーテル900-1を長さ方向において追跡するようにしてもよいし、前記導光用光ファイバー22を網目状に編み、前記カテーテル900-1の特定のセグメント又は全体に対して環状の全体的追跡を行うようにしてもよい。
【0211】
前記追跡装置付き医療用カテーテル900は医療用尿道カテーテル902である。
【0212】
前記医療用尿道カテーテル902は、カテーテル900-1、インターフェース900-2及び医療用光学追跡システム500を含み、前記カテーテル900-1の遠位端900-11に作業開口900-11-1が設けられ、前記医療用光学追跡システム500は前記カテーテル900-1を追跡する。
【0213】
前記医療用光学追跡システム500は前記医療用尿道カテーテル902に対して定点追跡を行うことができ、前記医療用尿道カテーテル902に対して大範囲又は全体の追跡を行うこともできる。
【0214】
例えば、前記医療用尿道カテーテル902の作業端に対して定点又は小範囲の局所的追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の遠位端に個別又は集合的に設けて追跡する技術的解決手段を採用してもよいし、平滑な表面を有する前記導光用光ファイバー22を採用してもよく、単一の前記導光用光ファイバー22であっても複数本の前記導光用光ファイバー22からなる導光束であってもよく、端部の光出射口22-1を利用して前記カテーテル900-1の遠位端を追跡し、あるいは、前記導光用光ファイバー22を前記カテーテル900-1の側壁に沿って円周状に配列し、前記カテーテル900-1の遠位端で光輪を形成し、前記カテーテル900-1の遠位端に対して局所的追跡を行う。
【0215】
例えば、膀胱に対して局所的追跡を行うか、又は前記カテーテル900-1に対して全体的追跡を行う必要がある場合に、前記LED光源11の発光端11-1を前記カテーテル900-1の管壁内に分散して分布し、導光ストリップ又は導光ネットワークを形成して前記カテーテル900-1に対して全体又は大範囲の追跡を行うようにしてもよい。非平滑な表面22-1を有する導光用光ファイバー22を長さ方向に沿って前記カテーテル900-1の管壁内に設けて、導光ストリップを形成し、前記カテーテル900-1を長さ方向において追跡するようにしてもよいし、前記導光用光ファイバー22を網目状に編み、前記バルーン900-13の外周に対して全体的追跡を行うようにしてもよい。
【0216】
図18~
図18-7を参照し、前記医療用尿道カテーテル902はダブルルーメン尿道カテーテル902-1である。
【0217】
前記ダブルルーメン尿道カテーテル902-1のカテーテル900-1の遠位端900-11にバルーン900-13が設けられ、前記カテーテル900-1に2つのルーメン1-1が設けられ、前記ルーメン1-1ごとに1つの前記インターフェース900-2が対応して設けられ、そのうち1つの前記ルーメン1-1は導尿ルーメン900-14を構成し、前記導尿ルーメン900-14の遠位端に前記作業開口900-11-1が設けられ、近位端に設けられた前記インターフェース900-2は排液口900-21を構成し、もう1つの前記ルーメン1-1は注水ルーメン900-15を構成し、前記注水ルーメン900-15の遠位端は前記バルーン900-13に接続され、近位端に接続される前記インターフェース900-2は注水口900-22を構成する。
【0218】
臨床手術の時間の要件を保証するために、手術中に使用される前記医療用尿道カテーテル902は一般的に前記バルーン900-13を設ける必要があり、前記注水口900-22から前記注水ルーメン15を経由して前記バルーン900-13内に注水することによって、水袋を形成し、膀胱内での前記医療用尿道カテーテル902の効果的な固定を保証し、脱落を防止することができる。
【0219】
図19~
図21-1を参照し、前記医療用尿道カテーテル902はトリプルルーメン尿道カテーテル902-2である。
【0220】
前記トリプルルーメン尿道カテーテル902-2のカテーテル900-1の遠位端900-11にバルーン900-13が設けられ、前記カテーテル900-1に3つのルーメン1-1が設けられ、前記ルーメン1-1ごとに1つの前記インターフェース900-2が対応して設けられ、そのうち第1の前記ルーメン1-1は導尿ルーメン900-14を構成し、前記導尿ルーメン900-14の遠位端に前記作業開口900-11-1が設けられ、近位端に設けられた前記インターフェース900-2は排液口900-21を構成し、第2の前記ルーメン1-1は注水ルーメン900-15を構成し、前記注水ルーメン900-15の遠位端は前記バルーン900-13に接続され、近位端に接続される前記インターフェース900-2は注水口900-22を構成し、第3の前記ルーメン1-1は輸液水洗ルーメン900-16を構成し、前記輸液水洗ルーメン900-16の遠位端に水洗口900-16-1及び遮断弁900-16-2が設けられ、前記輸液水洗ルーメン900-16の近位端に接続される前記インターフェース900-2は水洗薬注口900-23を構成する。
【0221】
前記医療用尿道カテーテル902の留置中の水洗、特に薬剤による水洗と消毒を容易にするために、前記医療用尿道カテーテル902は前記トリプルルーメン尿道カテーテル902-2とすることができる。前記輸液水洗ルーメン900-16の近位端に前記水洗薬注口900-23が設けられ、遠位端の水洗口900-16-1は体腔に連通し、前記水洗口900-16-1で前記遮断弁900-16-2が設けられ、薬剤が前記水洗薬注口900-23から注入されると、圧力の作用下で、前記遮断弁900-16-2は開放し、薬剤が体腔に入り、薬剤の注入が停止すると、体腔の圧力の作用下で、前記遮断弁900-16-2は自動的に閉鎖し、体液が前記水洗口900-16-1から前記輸液水洗ルーメン900-16に入ることを防止する。
【0222】
図23を参照し、臨床使用では、医療従事者は前記医療用尿道カテーテル902を膀胱に挿入し、前記注水口900-22から前記バルーン900-13に生理食塩水を注入し、前記バルーン900-13が膨張し、前記医療用尿道カテーテル902が膀胱内に固定される。前記光源1をオンにし、前記医療用光学追跡システム500は前記カテーテル900-1を追跡する。前記医療用尿道カテーテル902を尿管内に挿入する必要がある場合に、前記カテーテル900-1に現像ライン41が設けられ、X線で、前記医療用尿道カテーテル902を追跡が必要な位置に送達し、その後前記光源1をオンにし、前記医療用光学追跡システム500の作用下で、尿管は可視光にマーキングされ、
図24を参照する。
【0223】
本実施例の追跡装置付き医療用カテーテルは、前記医療用光学追跡システム500を含むため、人体に入った後に、可視光により追跡することができ、臨床手術では、追跡された内腔に近接すると、前記光源1から発した光線が内腔を透過することを、組織を透過して見ることができ、前記光源1から発した光線の照度は、管壁からの距離が0~30mm程度である場合に、追跡された内腔が明確に見えることを保証し、且つ内腔に近いほど光線が強くなり、提示効果がより明確になり、手術中に血管追跡を効果的に行って医療従事者に提示し、重要な内腔を保護し、手術中の意外な損害を防止することができ、臨床使用に非常に容易で安全である。
【0224】
実施例4:本発明の固形腫瘍追跡装置
【0225】
図25を参照し、本実施例には固形腫瘍の可視光画定技術及び装置が開示されており、本実施例の固形腫瘍追跡装置は実施例1に記載の医療用光学追跡システムを含む。
【0226】
図25~
図29-1を参照し、前記固形腫瘍追跡装置910は、位置ずれ防止機構910-1、送達機構910-2、現像機構4及び前記医療用光学追跡システム500を含み、前記医療用光学追跡システム500の光学追跡キャリア2は、前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0227】
本実施例において、前記位置ずれ防止機構910-1は金属材料で製造され、前記現像機構4を構成し、
図25-1及び
図26を参照し、実際の応用では、現像効果を強化するために、前記現像機構4をさらに別個に設けることができる。
【0228】
前記位置ずれ防止機構910-1は、肺の呼吸運動、腸の蠕動、胃の蠕動等の人体の動きによる前記固形腫瘍追跡装置910の位置ずれを防止するために、画定が必要な固形腫瘍に固定することができる。
【0229】
前記位置ずれ防止機構910-1はフック状構造(
図26を参照)、及び/又は球形構造(
図30を参照)、及び/又はホーン状構造、及び/又はダンベル状構造(
図31~
図31-4を参照)、及び/又はコイルスプリング状構造(
図32及び
図32-1を参照)、及び/又は釘状構造を呈する。出願人はここで、上述したいくつかの構造の前記位置ずれ防止機構910-1の形態のみについて例を挙げて説明したが、実際の応用では、当業者は、必要に応じて異なる構造の前記位置ずれ防止機構910-1、又はダンベル状とコイルスプリング状の組み合わせ(
図33及び
図33-1を参照)等の複数種の構造の組み合わせを設計することができ、出願人はここで1つずつ例を挙げて説明しないが、いずれも本出願の保護範囲を逸脱しないものとする。
図31-4を参照し、前記位置ずれ防止機構910-1の外面にはさらに、必要に応じて前記コーティング3を設けることもできる。
【0230】
図26を参照し、前記位置ずれ防止機構910-1はフック状構造を呈し、前記位置ずれ防止機構910-1は少なくとも1つの位置決めフック910-11を含む。通常、前記位置ずれ防止機構910-1は、肺の呼吸運動、腸の蠕動等の人体の動きによる前記位置ずれ防止機構910-1の位置ずれをより良好に防止するために、2つ又は3つの前記位置決めフック910-11を含む。
【0231】
図25-1~
図29を参照し、本実施例において、前記光学追跡キャリア2は導光用光ファイバー22であり、前記導光用光ファイバー22の近位端に導光コネクタ26が接続されており、前記導光用光ファイバー22の遠位端が前記位置ずれ防止機構910-1に接続や固定され、前記導光用光ファイバー22の光出射口22-2は前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0232】
図26-1~
図26-3を参照し、前記導光用光ファイバー22は非平滑な表面22-1を有し、前記導光用光ファイバー22の側面に光出射口22-2が設けられ、前記導光用光ファイバー22は前記位置ずれ防止機構910-1に対して全体的追跡を行う。前記導光用光ファイバー22が全体的に点灯可能であるため、前記導光用光ファイバー22を前記位置ずれ防止機構910-1、特に前記位置決めフック910-11に巻き付ければ、前記位置ずれ防止機構910-1に対して全体的追跡を行うことができる。
【0233】
図26を参照し、前記導光用光ファイバー22は柔軟な医療用材料で製造され、前記位置ずれ防止機構910-1に接続されて固定され、前記位置ずれ防止機構910-1が変形すると、前記導光用光ファイバー22は前記位置ずれ防止機構910-1に伴って変形する。前記導光用光ファイバー22が全体的に点灯可能であるため、前記導光用光ファイバー22を前記位置ずれ防止機構910-1、特に前記位置決めフック910-11に巻き付ければ、前記位置ずれ防止機構910-1に伴って変形することができ、特に、前記位置ずれ防止機構910-1が形状記憶合金で製造された場合に、前記位置ずれ防止機構910-1の形状が変化するに伴って、前記導光用光ファイバー22の形状も変化し、前記位置ずれ防止機構910-1の追跡効果を保証する。
【0234】
図25を参照し、前記送達機構910-2は送達シース910-21及び押出機構910-22を含み、
図26を参照し、前記位置ずれ防止機構910-1は前記送達シース910-21内に設けられ、前記押出機構910-22は前記位置ずれ防止機構910-1を前記送達シース910-21から押し出すことができる。
【0235】
図37及び
図37-1を参照し、前記押出機構910-22は、前記位置ずれ防止機構910-1に固定的に接続され、前記位置ずれ防止機構910-1を前記送達シース910-21から押し出した後、それとともに体内に留まるものであってもよく、前記位置ずれ防止機構910-1に取り外し可能に接続され、前記位置ずれ防止機構910-1を前記送達シース910-21から押し出した後、前記位置ずれ防止機構910-1との接続を解除し、前記位置ずれ防止機構910-1のみを固形腫瘍に留置するものであってもよい。
【0236】
図27及び
図27-1を参照し、また、前記医療用光学追跡システム500の光源1がミニサイズのLED光源11を採用する場合に、一般的には、前記発光端11-1は、サイズが2mm以下に制御され、例えばパッケージサイズが0.2mm~0.5mmの間にあるLEDランプであり、前記発光端11-1は体内に設けることができる。
【0237】
前記光学追跡キャリア2は透明材料で製造され、前記LED光源11の発光端11-1は、前記光学追跡キャリア2にパッケージングされ、前記光学追跡キャリア2とともに前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡することができる。
【0238】
前記発光端11-1から発した光線は、前記光学追跡キャリア2の導光材料を介して伝導されてから表示され、固形腫瘍の位置を臨床的に識別するために用いられる。
【0239】
前記LED光源11は発光端11-1、回路システム11-2、駆動板11-3及び電源11-4を含み、前記発光端11-1は前記回路システム11-2を介して前記駆動板11-3及び前記電源11-4に接続され、前記駆動板11-3の制御下で、前記電源11-4は前記回路システム11-2により前記発光端11-1に給電し、前記発光端11-1は光線を発し、前記駆動板11-3及び前記電源11-4は体外に設けられ、前記発光端11-1は体内に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0240】
前記回路システム11-2は可撓性回路板11-21であり、前記LED光源11の発光端11-1は、前記可撓性回路板11-21に分散して設けられ、且つ前記光学追跡キャリア2内にパッケージングされ、LEDランプストリップ、LEDランプネットワーク、又はLEDランプボールを構成し、前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0241】
前記LED光源11は、単一の前記発光端11-1をパッケージングした後に定点追跡を行うものであってもよい。
【0242】
前記回路システム11-2が可撓性回路板11-21を採用する場合に、前記LED光源11の発光端11-1は前記可撓性回路板11-21に分散して設けられ、前記光学追跡キャリア2内に併せてパッケージングされ、LEDランプストリップ、LEDランプネットワーク、又はLEDランプボールを構成し、前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1に対して全体的追跡を行う。
【0243】
前記LED光源11の発光端11-1はさらに、前記位置ずれ防止機構910-1に直接設けられ得、その外部が透明材料で製造された前記光学追跡キャリア2で被覆され、前記発光端11-1から発した光線は前記位置ずれ防止機構910-1を追跡する。
【0244】
前記発光端11-1は、前記位置ずれ防止機構910-1に分散して設けられ、そしてその外部が透明材料で製造された前記光学追跡キャリア2で被覆され、このように、前記発光端11-1は、前記位置ずれ防止機構910-1の外部輪郭に完全に貼り合わせ、前記位置ずれ防止機構910-1の任意の形状に対して追跡を行うことができる。
【0245】
また、
図31~
図31-4を参照し、前記発光端11-1は対称的に設けられ、その外部が前記光学追跡キャリア2で被覆され、前記発光端11-1及び前記回路システム11-2の内部支持と前記発光端11-1自身の体積とを利用して、前記位置ずれ防止機構910-1を構成することができ、前記医療用光学追跡システム500は追跡機能、及び前記位置ずれ防止機構910-1の位置決め機能を同時に兼ねることができる。
【0246】
前記回路システム11-2は可撓性回路板11-21であり、前記光学追跡キャリア2は柔軟な透明材料で製造され、前記発光端11-1、前記可撓性回路板11-21及び前記現像機構4は前記光学追跡キャリア2内に併せて設けられ、且つ前記位置ずれ防止機構910-1に設けられ、前記位置ずれ防止機構910-1が変形すると、前記発光端11-1、前記可撓性回路板11-21、前記現像機構4は前記光学追跡キャリア2とともに前記位置ずれ防止機構910-1に伴って変形する。特に、前記位置ずれ防止機構910-1が形状記憶合金で製造された場合に、前記位置ずれ防止機構910-1の形状が変化するに伴って、前記可撓性回路板11-21の形状も変化し、前記位置ずれ防止機構910-1の追跡効果を保証する。
【0247】
図37を参照し、臨床応用では、肺腫瘍(特に肺結節)や肝腫瘍等を画定する必要がある場合に、前記位置ずれ防止機構910-1は前記送達シース910-21内に設けられ、X線の状態下で、前記送達シース910-21を固形腫瘍の所在位置に挿入した後に、前記押出機構910-22を用いて前記位置ずれ防止機構910-1を押し出し、肺腫瘍(特に肺結節)や肝腫瘍等の固形腫瘍に固定し、続いて前記送達シース910-21を取り外し、前記位置ずれ防止機構910-1を固形腫瘍に留まらせて固定し、さらに前記導光用光ファイバー22を前記光源1に接続し、
図37-1を参照し、手術時に、前記光源1をオンにし、前記光学追跡キャリア2は前記位置ずれ防止機構910-1を追跡し、そうすると、光線の指示で、肺腫瘍(特に肺結節)や肝腫瘍等の固形腫瘍の所在位置を肉眼で直観的に観察することができる。
【0248】
臨床応用では、例えば、子宮筋腫を画定する必要がある場合に、B超音波のガイドで、前記位置ずれ防止機構910-1を子宮筋腫に送達して固定することができ、手術時に、前記光源1をオンにし、前記光学追跡キャリア2は前記位置ずれ防止機構910-1を追跡し、そうすると、光線の指示で、子宮筋腫の所在位置を肉眼で直観的に観察することができる。
【0249】
本実施例の固形腫瘍追跡装置は、前記医療用光学追跡システム500が設けられるため、人体に入った後に、可視光により固形腫瘍の追跡を行うことができ、手術時に、前記光源1をオンにし、前記光学追跡キャリア2は前記位置ずれ防止機構910-1を追跡し、そうすると、光線の指示で、固形腫瘍の所在位置を肉眼で直観的に観察することができ、臨床手術をより安全で容易にする。
【0250】
本明細書で開示及び説明される構造は同じ効果を有する他の構造により代替されてもよく、また、本発明で紹介される実施例は本発明を実現する唯一の構造ではないことに注意すべきである。本発明の好ましい実施例は本明細書で紹介及び説明されたが、これらの実施例が説明するための例示に過ぎないことは当業者に明らかであり、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、複数の変更、改良及び代替を行うことができるため、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に従って限定されるべきである。
【符号の説明】
【0251】
500 本発明の医療用光学追跡システム
900 本発明の追跡装置付き医療用カテーテル
901 医療用胃管
902 医療用尿道カテーテル
910 本発明の固形腫瘍追跡装置
920 本発明の血管追跡装置
1 光源
2 光学追跡キャリア
3 コーティング
4 現像機構
5 保護スリーブ
11 LED光源
12 医療用冷光源
13 制御システム
11-1 発光端
11-2 回路システム
11-3 駆動板
11-4 電源
13-1 波長調整機構
13-2 光強度調整機構
11-21 可撓性回路板
2-1 動作部
21 蓄光自発光追跡キャリア
22 導光用光ファイバー
23 送達部
24 チャネル
25 整形機構
26 導光コネクタ
21-1 蓄光自発光体
21-2 保護キャリア
22-1 非平滑な表面
22-2 光出射口
23-1 送達ハンドル
25-1 形状記憶整形機構
22-11 反射及び/又は散乱を形成し得る非平滑な表面
22-21 伝導面
22-22 反射面
41 現像ライン
42 現像リング
43 現像ブロック
1-1 ルーメン
900-1 カテーテル
900-2 インターフェース
900-3 作業チャネル
902-1 ダブルルーメン尿道カテーテル
902-2 トリプルルーメン尿道カテーテル
900-11 遠位端
900-12 近位端
900-13 バルーン
900-14 導尿ルーメン
900-15 注水ルーメン
900-16 輸液水洗ルーメン
900-21 排液口
900-22 注水口
900-23 水洗薬注口
900-11-1 作業開口
900-16-1 水洗口
900-16-2 遮断弁
900-22-2 閉鎖弁
910-1 位置ずれ防止機構
910-2 送達機構
910-11 位置決めフック
910-21 送達シース
910-22 押出機構
920-1 送達端
920-2 ガイドワイヤ
920-3 ガイドワイヤ操作孔
【国際調査報告】