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▶ フェルティン ファルマ アー/エスの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ニコチン錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/465 20060101AFI20241219BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241219BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K31/465
A61K9/20
A61K47/02
A61K47/18
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/04
A61K47/32
A61K47/12
A61K47/26
A61P25/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534152
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2022085827
(87)【国際公開番号】W WO2023111004
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】17/644,182
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507002103
【氏名又は名称】フェルティン ファルマ アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン、ブルーノ プロフストゴール
(72)【発明者】
【氏名】ボーセン、ドーテ シャキンガー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーン、ハイディ ツィーグラー
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン、ケント アルビン
(72)【発明者】
【氏名】プランジャー-ラスムセン、リッケ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA37
4C076BB01
4C076CC50
4C076DD25Z
4C076DD26Z
4C076DD27B
4C076DD38
4C076DD41Z
4C076DD43Z
4C076DD50Z
4C076DD51Z
4C076EE06B
4C076EE31B
4C076EE36B
4C076EE38B
4C076FF06
4C076FF52
4C076FF61
4C076FF68
4C076GG14
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC20
4C086GA13
4C086GA14
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA52
4C086NA02
4C086NA10
4C086NA11
4C086ZC39
(57)【要約】
水溶解性ニコチン錠剤であって、ニコチン錠剤は、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含み、第1の圧縮モジュールはFDTモジュールであり、ニコチン、アルカリ性pH調整剤、及び崩壊剤を含み、第2の圧縮モジュールはロゼンジモジュールであり、酸性pH調整剤を含む、錠剤が開示される。また、ニコチン錠剤を製造する方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
前記第1の圧縮モジュールはFDTモジュールであり、
ニコチン、
アルカリ性pH調整剤、及び
崩壊剤を含み、
前記第2の圧縮モジュールはロゼンジモジュールであり、
酸性pH調整剤を含む、水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項2】
前記水溶解性ニコチン錠剤が、少なくとも0.2mg、例えば少なくとも0.5mg、例えば少なくとも1.0mgの量のニコチンを含む、請求項1に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項3】
前記ニコチン錠剤が、0.2mg~5.0mgの量のニコチン、例えば0.5mg~4.0mgのニコチン、例えば1.0mg~3.0mgのニコチン、例えば1.0~2.0mgのニコチンを含む、請求項1又は2に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項4】
前記ニコチンが、前記第1の圧縮モジュールに含まれる、請求項1~3のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項5】
前記ニコチンが、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩、又はそれらの組合せから成るリストから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項6】
前記ニコチンがニコチン遊離塩基を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項7】
前記ニコチンがニコチン塩を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項8】
ニコチンがニコチン塩である、請求項1~5及び7のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項9】
前記ニコチン塩が、ニコチンアスコルビン酸塩、ニコチンアスパラギン酸塩、ニコチン安息香酸塩、ニコチンモノ酒石酸塩、ニコチン酒石酸水素塩、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチンフマル酸塩、ニコチンゲンシテート、ニコチン乳酸塩、ニコチン粘液酸塩、ニコチンラウリン酸塩、ニコチンレブリン酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチン過塩素酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンソルビン酸塩、ニコチンコハク酸塩、ニコチン亜鉛塩化物、ニコチン硫酸塩、ニコチントシル酸塩、及びそれらの組合せから成るリストから選択される、請求項5及び7~8のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項10】
ニコチンがニコチン酒石酸水素塩を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項11】
ニコチンがニコチン酒石酸水素塩である、請求項1~5及び7~10のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項12】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの少なくとも0.2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも0.3重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの少なくとも0.4重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%の量のアルカリ性pH調整剤を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項13】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの0.2~10重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.2~7重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.2~6重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.2~5重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.3~4重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.4~3重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.5~2重量%の量のアルカリ性pH調整剤を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項14】
前記アルカリ性pH調整剤が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二アルカリ、リン酸三アルカリ、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択されるアルカリ性pH調整剤を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項15】
前記アルカリ性pH調整剤が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項16】
前記第1の圧縮モジュールが、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合に、7.0のpHを有する水に溶解すると、7.5より高いpHを誘導する、請求項1~15のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項17】
第1の圧縮モジュールが、第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも1重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の崩壊剤を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項18】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの0.5重量%~25重量%、例えば0.5重量%~15重量%、例えば5重量%~15重量%、例えば5重量%~10重量%の量の崩壊剤を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項19】
前記崩壊剤が、デンプン、アルファ化デンプン、セルロース、変性セルロース、微結晶セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、ケイ酸カルシウム、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項20】
前記崩壊剤が超崩壊剤を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項21】
崩壊剤が超崩壊剤である、請求項1~20のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項22】
前記崩壊剤が、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される超崩壊剤である、請求項1~21のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項23】
前記超崩壊剤が架橋ポリビニルピロリドン(PVP)である、請求項1~22のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項24】
前記第2の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大10、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大8、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大7、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大6、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大5、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大3のモル比の酸性pH調整剤を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項25】
前記第2の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.5~10、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.75~8、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.75~7、例えば前記第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して1~6のモル比の酸性pH調整剤を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項26】
前記第2の圧縮モジュールが、0.5mg~30mg、例えば1mg~20mg、例えば5~15mgの量の酸性pH調整剤を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項27】
前記酸性pH調整剤が前記第2の圧縮モジュールに含まれる、請求項1~26のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項28】
前記酸性pH調整剤が、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項29】
前記酸性pH調整剤が、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される、請求項1~28のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項30】
前記酸性pH調整剤が、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、及びそれらの組合せから成るリストから選択される、請求項1~29のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項31】
前記第2の圧縮モジュールが、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合に、7.0のpHを有する水に溶解すると、7.5未満のpHを誘導する、請求項1~30のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項32】
前記アルカリ性pH調整剤が前記第1の圧縮モジュールに含まれる、請求項1~31のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項33】
前記ニコチン錠剤が香味料を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項34】
前記ニコチン錠剤が、前記ニコチン錠剤の0.1~15.0重量%、例えば前記ニコチン錠剤の0.1~10.0重量%、例えば前記ニコチン錠剤の0.1~5.0重量%、例えば前記ニコチン錠剤の0.2~3.0重量%の量で香味料を含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項35】
前記香味料が、前記第2の圧縮モジュールに含まれる、請求項33又は34に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項36】
前記香味料が、前記第2の圧縮モジュールに含まれ、前記ニコチンが、前記第1の圧縮モジュールに含まれる、請求項33~35のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項37】
前記ニコチン錠剤が糖アルコールを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項38】
前記ニコチン錠剤が、前記ニコチン錠剤の少なくとも50重量%、例えば前記ニコチン錠剤の少なくとも60重量%、例えば前記ニコチン錠剤の少なくとも70重量%、例えば前記ニコチン錠剤の少なくとも75重量%、例えば前記ニコチン錠剤の少なくとも80重量%、例えば前記ニコチン錠剤の少なくとも85重量%の量で糖アルコールを含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項39】
前記ニコチン錠剤が、前記ニコチン錠剤の50~97重量%、例えば前記ニコチン錠剤の60~97重量%、例えば前記ニコチン錠剤の70~97重量%、例えば前記ニコチン錠剤の70~90重量%の量で前記糖アルコールを含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項40】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの50重量%~97重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの60重量%~95重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの70重量%~90重量%の量の糖アルコールを含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項41】
前記第1及び第2の圧縮モジュールが糖アルコールを含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項42】
前記第2の圧縮モジュールが、前記第2の圧縮モジュールの50重量%~97重量%、例えば前記第2の圧縮モジュールの60重量%~95重量%、例えば前記第2の圧縮モジュールの70重量%~90重量%の量の糖アルコールを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項43】
前記第1の圧縮モジュールの前記糖アルコールが、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される、請求項1~42のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項44】
前記第2の圧縮モジュールの前記糖アルコールが、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される、請求項1~43のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項45】
前記第2の圧縮モジュールが、前記第2の圧縮モジュールの1~10重量%、例えば前記第2の圧縮モジュールの1~8重量%、例えば前記第2の圧縮モジュールの2~5重量%の量の結合剤を含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項46】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの5重量%以下、例えば前記第1の圧縮モジュールの4重量%以下、例えば前記第1の圧縮モジュールの3重量%以下の量の結合剤を含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項47】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの0.5~5重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの0.5~4重量%、例えば前記第1の圧縮モジュールの1~3重量%の量の結合剤を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項48】
前記第1の圧縮モジュールが、前記第1の圧縮モジュールの5重量%以下の量の結合剤と、前記第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の超崩壊剤とを含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項49】
前記第1の圧縮モジュールが、前記ニコチン錠剤の10重量%~50重量%、例えば前記ニコチン錠剤の20重量%~40重量%、例えば前記ニコチン錠剤の10重量%~30重量%、例えば前記ニコチン錠剤の20重量%~30重量%を構成する、請求項1~48のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項50】
前記第1の圧縮モジュールが、圧縮錠剤コアである前記第2の圧縮モジュールを取り囲んでいる、請求項1~49のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項51】
前記第1の圧縮モジュール及び前記第2の圧縮モジュールが錠剤層である、請求項1~50のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項52】
前記ニコチン錠剤が固体モジュールから成る、請求項1~51のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項53】
前記ニコチン錠剤が、1グラム、例えば0.9グラム、例えば0.75グラム、例えば0.5グラム、例えば0.4グラム、例えば0.3グラムの最大総重量を有する、請求項1~52のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項54】
前記ニコチン錠剤には、前記第1の圧縮モジュール及び前記第2の圧縮モジュールからなる、請求項1~53のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項55】
前記第1の圧縮モジュールが、経口投与時に60秒以内、例えば45秒以内、例えば30秒以内に完全に崩壊する、請求項1~54のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項56】
前記ニコチン錠剤が、経口投与時に15分以内、例えば10分以内に完全に崩壊する、請求項1~55のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項57】
前記ニコチン錠剤が非タバコ錠剤である、請求項1~56のいずれか一項に記載の水溶解性ニコチン錠剤。
【請求項58】
請求項1~57のいずれか一項に記載のニコチン錠剤を製造する方法であって、前記方法は、
第1の粉末状組成物及び第2の粉末状組成物を提供する工程であって、前記第1の粉末状組成物がニコチン、崩壊剤、及びアルカリ性pH調整剤を含み、前記第2の粉末状組成物が酸性pH調整剤を含む、工程と、
前記第2の粉末状組成物及び前記第1の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって融合されたモジュールを含む前記ニコチン錠剤を得る工程とを含む、方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、前記方法は、
前記第2の粉末状組成物を圧縮して第2のモジュールを得る工程と、
前記第2のモジュール及び前記第1の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって前記第2のモジュールに融合された第1のモジュールを得る工程とを含む、方法。
【請求項60】
前記方法は、
前記第1の粉末状組成物を圧縮して第1のモジュールを得ることと、
前記第1のモジュール及び前記第2の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって前記第1のモジュールに融合された第2のモジュールを得ることとを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記方法は、
前記第2の粉末状組成物を圧縮して第2のモジュールを得る工程と、
前記第1の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって前記第2のモジュールに融合された第1のモジュールを得る工程とを含み、
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールを取り囲む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記圧縮が、少なくとも5kN、例えば少なくとも10kN、例えば少なくとも15kN、例えば少なくとも20kNの圧縮力で行われる、請求項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン錠剤及びそのようなニコチン錠剤を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経口タバコ組成物は、使用者の咽喉に望ましくない感覚を引き起こすことが知られている。これはしばしば灼熱の感覚と呼ばれる。
【0003】
本発明は、改善された使用者の期待及び経験に向けて特に最適化されたニコチン送達ビヒクルを提供することによって、この課題に対処した。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
第1の圧縮モジュールはFDTモジュールであり、
ニコチン、
アルカリ性pH調整剤、及び
崩壊剤を含み、
第2の圧縮モジュールはロゼンジモジュールであり、
酸性pH調整剤を含む、水溶解性ニコチン錠剤に関する。
【0005】
本発明の文脈では、モジュールは、複数の圧縮粒子として定義される。そのような錠剤の実装形態は、第1及び第2のモジュールの2つのモジュールから成る錠剤であり、各モジュールは錠剤の層である。換言すれば、そのような例は2層錠剤であろう。そのような錠剤の別の実装形態は、第1及び第2のモジュールの2つのモジュールから成る錠剤であり、第2のモジュールは錠剤コアであり、第1のモジュールは第1のモジュール、すなわち錠剤コアを取り囲む圧縮コーティングである。モジュールの他の構成を本発明の範囲内で適用してもよい。また、他のいくつかのモジュールを本発明の範囲内で適用してもよい。
【0006】
本文脈におけるモジュールの理解は、意図された効果、すなわちニコチンの効果的な送達又は投与を可能にし、促進し、同時に望ましくない風味の意図されたマスキングを提供し、望ましくない灼熱の感覚を低減するモジュールであることに留意されたい。これは、モジュールがニコチンだけでなく、風味をマスクし、灼熱感を低減するために使用される所望の化合物も送達することができるほど十分に大きくする必要があるという意味で、モジュールにいくつかの構造的制限を課す。更に、モジュールは、適切な時間に構成要素の解放を促進すべきである。
【0007】
したがって、本発明の文脈におけるモジュールは、有利な実施形態では、錠剤の少なくとも10重量%の重量の圧縮粒子の集団を包含する。換言すれば、モジュールは、錠剤化の技術分野から従来理解されている個々の粒子を指すことを意図しない。
【0008】
第1の圧縮モジュールは、それ自体がFDTモジュールであることを特徴とするモジュール、すなわち、いわゆる速溶解性錠剤の特性を有するモジュールとして設計され、提供される。口腔内崩壊錠剤(ODT)と呼ばれることもある速溶解性錠剤は一般に、これらの製品を摂取するために噛んだり液体を飲んだりする必要なく、迅速な口腔内崩壊を示す。
【0009】
本発明のFDTモジュールは典型的には、口の中に入れてから60秒未満の速い、又は口の中に入れてから30秒などの更に速い、崩壊を示す。
【0010】
したがって、FDTモジュールは、速溶解性モジュール又は速溶解性錠剤モジュールと呼ばれてもよい。
【0011】
崩壊剤は、FDTモジュールが唾液と接触するときの、FDTモジュールの迅速な崩壊に寄与する。崩壊剤は多くの場合、投与時にモジュールのより小さな断片への分解を促進して、ニコチンの放出及び最終的な吸収を促進するための手段として考えられてもよい。
【0012】
アルカリ性pH調整剤が存在すると、得られる高いpH値のため、ニコチンの効果的な取り込みを有利に促進してもよい。アルカリ性pH調整剤は、7.0のpHを有する水に溶解すると、摂氏25℃及び大気圧で測定してpHを7.5超に上昇させる物質である。
【0013】
アルカリ性pH調整剤は、存在する非プロトン化ニコチン種、すなわちニコチン遊離塩基の望ましい高い割合を促進してもよく、ニコチン遊離塩基は口腔内の粘膜上での吸収に利用可能である。また、アルカリ性pH調整剤が存在すると、口腔内の望ましい高いpHを促進してもよく、それによって、速い放出及び吸収期間の間、すなわち使用の第1の期間内で放出されたニコチン遊離塩基の望ましくないプロトン化を減少し、それによってニコチンの効果的な吸収を確実にする。
【0014】
したがって、FDTモジュール中に崩壊剤及びアルカリ性pH調整剤が存在すると、確実にニコチンが迅速に放出され、粘膜を通して血流中への輸送に利用可能になる。
【0015】
ニコチンの速い放出速度及び効果的な取り込み/吸収を達成することは、これにより使用者にとっての迅速な効果、すなわち渇望の軽減を確実にするので、望ましくてもよい。更に、効果的な放出及び効果的な吸収を有することの組合せは有利には、FDTモジュール内のニコチン用量の比較的高い利用を可能にする。
【0016】
錠剤内のニコチン用量の比較的高い利用は、結果として生じる効果を損なうことなく、錠剤の必要なニコチン用量を更に低減してもよい。ニコチンは比較的高価であってもよいので、ニコチン用量が低いと、製造コストを低減させてもよいが、ニコチンの摂取量を低下させたい使用者も支援してもよい。更に、低用量のニコチンのために、ニコチン灼熱感などの副作用を低減してもよい。
【0017】
ロゼンジモジュールである第2の圧縮モジュールに関して、ロゼンジは、口腔内に置かれたときに数分にわたって溶解又は崩壊し、典型的には活性成分を放出することが意図される薬用錠剤に関して周知の用語である。異なる活性成分を有するロゼンジ、例えばニコチンロゼンジが知られている。
【0018】
ロゼンジモジュールは、酸性pH調整剤を含む。
【0019】
本発明による酸性pH調整剤は、7.0のpHを有する水に溶解すると、摂氏25℃及び大気圧で測定して7.5未満のpHを誘導する物質である。
【0020】
逐次的に、すなわち第1の圧縮モジュールの急速崩壊後に、又は第1の圧縮モジュールの急速崩壊と同時にのいずれかで、比較的遅い放出速度で酸性pH調整剤の放出の開始を促進するニコチン錠剤を提供することによって、酸性pH調整剤は、pHを第1の圧縮モジュールによって誘導される上の7.5からの低下を誘導する。
【0021】
口腔pHが7.5超から7.5未満、例えば7.0未満へ低下すると、より多くの未吸収ニコチンがpH低下に起因してプロトン化されるので、第1の使用期間後に存在する非プロトン化未吸収ニコチンの割合が減少することを促進する。
【0022】
したがって、酸性pH調整剤は、口腔pHの低下を促進する酸性化剤である、すなわち、酸性pH調整剤は、口腔の酸性化及び未吸収ニコチンのプロトン化を引き起こし、それによって灼熱の感覚を低減することが理解される。
【0023】
いくつかの実施形態では、酸性pH調整剤は、約6.5~7.5の中性領域を含む、7.5超から7.5未満への口腔pH、すなわち口腔唾液の低下を誘導する。
【0024】
いくつかの実施形態では、酸性pH調整剤は、口腔pHの7未満への低下を誘導する。
【0025】
他の実施形態では、酸性pH調整剤は、口腔pHの7.5超から7.0未満への低下を誘導する。
【0026】
有利な実施形態では、酸性pH調整剤は、摂氏25℃の温度で7.0のpHを有する水に添加されると、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合に7.0未満のpHを誘導する。
【0027】
いくつかの実施形態では、酸性pH調整剤は、7.0未満の口腔pHを誘導する。口腔pHが7.5超から7.0未満へ低下すると、pH低下のためより多くの未吸収ニコチンがプロトン化されるので、第1の使用期間後に存在する非プロトン化未吸収ニコチンの割合が減少することを促進する。
【0028】
いくつかの実施形態では、酸性pH調整剤は、6.5未満の口腔pHを誘導する。
【0029】
数分にわたって酸性pH調整剤を放出する第2のモジュール中にその成分を含む錠剤を提供することによって、望ましくない灼熱の感覚が低減されることが見出された。灼熱の感覚を引き起こしているのは、非プロトン化未吸収ニコチンであると考えられている。
【0030】
逐次的に、すなわち第1の圧縮モジュールの急速崩壊後に、又は第1の圧縮モジュールの急速崩壊と同時にのいずれかで、比較的遅い放出速度で酸性pH調整剤の放出の開始を促進するニコチン錠剤を提供することによって、第1の使用期間後に存在する非プロトン化、未吸収ニコチンの割合が減少する、すなわち未吸収ニコチンがプロトン化される。
【0031】
圧縮されたFDTモジュールによって取り囲まれたコアを含む錠剤からの放出などの逐次放出では、FDTモジュールから放出されたアルカリ性pH調整剤の大部分は、唾液の嚥下を介して口腔から徐々に消失してもよい。酸性pH調整剤は、第1の圧縮モジュールの崩壊後にコアから放出を開始し、口腔の酸性化及び未吸収ニコチンのプロトン化を引き起こし、それによって灼熱の感覚を低減する。モジュールからの逐次的な放出を促進する錠剤設計では、第1の圧縮モジュールが使用中に不均一に崩壊し、第1の圧縮モジュールが完全に崩壊する前に第2の圧縮モジュールの一部が表面に露出する場合など、第1のモジュール及び第2のモジュールの放出期間にある程度の重複が現れてもよいことに留意されたい。
【0032】
二層錠剤からの放出などの同時放出では、2つの層は同時に放出を開始する。FDT層から放出されたアルカリ性pH調整剤の大部分は、唾液の嚥下を介して口腔から徐々に消失する。ロゼンジ層は、FDT層と同時に、すなわち経口投与時に酸性pH調整剤の放出を開始するが、放出速度ははるかに遅く、口腔の酸性化及び第1の使用期間後に効き始める未吸収ニコチンのプロトン化を引き起こし、それによって灼熱の感覚を減少させる。
【0033】
一方のモジュールがニコチンを含有する、2つの構造的に異なるように設計されたモジュールを組み合わせるという考えは、速放性ニコチン錠剤を提供することを可能にする一方、使用者に対する印象的な効果と組み合わせて、灼熱感の低減及び風味の改善などの喜びの増大を促進する錠剤も提供する。
【0034】
第1の圧縮モジュールは典型的には、ニコチン錠剤で経口投与されると60秒未満で崩壊するように設計される。
【0035】
速溶性錠剤は、ニコチン使用者にニコチンの迅速な用量/バーストを提供して迅速な効果を与える理想的な方法を表す。しかしながら、高すぎるニコチン負荷が速すぎる速度で送達される場合には、望ましくない副作用が生じてもよい。また、この迅速な渇望の軽減は、ニコチン使用者にとって所望の喜びに関連することが多い喜びを完全には網羅しない。
【0036】
したがって、長期の喜びの感覚は、速い渇望の軽減感覚を第2相の感覚と1つの錠剤に併合することによって得てもよい。
【0037】
しかしながら、使用者によって知覚されるような所望の効果、すなわち、ニコチン渇望の軽減、風味及び/又は喜び、例えば灼熱感の低減が、これらの所望の効果を提供するように設計された少なくとも2つのモジュールを含む1つの錠剤において得られてもよいことは驚くべきことである。
【0038】
錠剤のユーザ時間は、約5分、すなわち、タバコを喫煙するのと類似するように容易に設計されてもよい。ニコチンの苦味及び望ましくない灼熱の感覚が低減されてもよい。
【0039】
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールは、灼熱の感覚を低減することによって望ましい喜びの感覚を提供する一方、同時に第1のモジュールは、渇望の軽減を確実にする濃度でニコチン及びアルカリ性pH調整剤の非常に速い放出を提供する。
【0040】
FDTモジュールとロゼンジモジュールとの組合せは、堅牢な錠剤の製造を促進し、ニコチンの迅速な放出及びマスキング化合物の持続放出の両方を提供し、同時に錠剤の使用中に引き起こされる唾液分泌を延長する。唾液分泌の増加は、嚥下時に口腔内及び咽喉内の両方で酸性pH調整剤の分布を助けるので、引き起こされる長期的唾液分泌は、灼熱の感覚の低減を助けると考えられる。
【0041】
本発明の有利な実施形態では、水溶解性ニコチン錠剤は、少なくとも0.2mg、例えば少なくとも0.5mg、例えば少なくとも1.0mgの量のニコチンを含む。
【0042】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン水溶解性ニコチン錠剤は、0.2mg~5.0mgのニコチン、例えば0.5mg~4.0mgのニコチン、例えば1.0mg~3.0mgのニコチン、例えば1.0mg~2.0mgの量のニコチンを含む。
【0043】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンは第1の圧縮モジュールに含まれる。
【0044】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0.2mg~5.0mgのニコチン、例えば0.5mg~4.0mgのニコチン、例えば1.0mg~3.0mgのニコチン、例えば1.0mg~2.0mgの量のニコチンを含む。
【0045】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの5重量%未満、例えば第1の圧縮モジュールの3重量%未満、例えば第1の圧縮モジュールの2重量%未満の量のニコチンを含む。
【0046】
本発明の利点は、驚くほど効果的な渇望の軽減が得られることであってもよい。ニコチンを含むFDTモジュールである第1の圧縮モジュールを提供することによって、本発明の錠剤は、ニコチンの迅速な作用を促進するが、同時に、非常に効果的である望ましい持続的な喜びの感覚を促進することによって持続的な渇望の軽減を提供することが示されている。非常に効果的な渇望の軽減を有することは、結果として生じる効果を損なうことなく、錠剤の必要なニコチン用量を低減してもよいことを更に提供してもよい。ニコチンは比較的高価であってもよいので、ニコチン用量が低いと、製造コストを低減させてもよいが、ニコチンの摂取量を低下させたい使用者も支援してもよい。
【0047】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.2~5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.3~3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.5~2重量%の量のニコチンを含む。
【0048】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールはニコチンを含まない。
【0049】
本発明の利点は、ニコチン及びアルカリ性pH調整剤を含むFDTモジュールである第1の圧縮モジュールを提供することによって、本発明の錠剤がニコチンの迅速な作用及び渇望の軽減を促進することである。更に、この錠剤は、非常に効果的である望ましい持続的な喜びの感覚を促進することによって持続的な渇望の軽減を提供することが見出された。したがって、許容可能な渇望の軽減は、第1の圧縮モジュールにのみニコチンを含む錠剤から達成されてもよい。また、ニコチンを含まない第2の圧縮モジュールを有する錠剤を提供することによって、灼熱の感覚が低減される。
【0050】
したがって、上記の実施形態では、ニコチンは第1の圧縮モジュールに含まれ、例えば、錠剤が第1及び第2の圧縮モジュールから成る実施形態では、第1の圧縮モジュールがニコチンを含む。
【0051】
本発明の実施形態では、ニコチンは第1の圧縮モジュールに含まれる。
【0052】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンは、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩、又はそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0053】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンはニコチン遊離塩基を含む。
【0054】
遊離塩基ニコチンには、糖アルコール、改質炭酸カルシウム、水溶性繊維、水不溶性繊維、及びそれらの組合せと混合されたニコチンが含まれる。
【0055】
本発明の実施形態では、ニコチンはニコチン遊離塩基である。
【0056】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンはニコチン塩を含む。
【0057】
上記実施形態の利点は、例えばニコチン塩の迅速な解離により、ニコチンの迅速な渇望の軽減が促進されてもよいことであってもよい。
【0058】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンはニコチン塩である。
【0059】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン塩は、ニコチンアスコルビン酸塩、ニコチンアスパラギン酸塩、ニコチン安息香酸塩、ニコチンモノ酒石酸塩、ニコチン酒石酸水素塩、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチンフマル酸塩、ニコチンゲンシテート(gensitate)、ニコチン乳酸塩、ニコチン粘液酸塩、ニコチンラウリン酸塩、ニコチンレブリン酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチン過塩素酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンソルビン酸塩、ニコチンコハク酸塩、ニコチン亜鉛塩化物、ニコチン硫酸塩、ニコチントシル酸塩、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0060】
ニコチン塩はまた、水和塩として提供されてもよいことが理解される。
【0061】
本発明の実施形態では、ニコチン塩は、ニコチンアスパラギン酸塩、ニコチン安息香酸塩、ニコチンモノ酒石酸塩、ニコチン酒石酸水素塩、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチンフマル酸塩、ニコチン乳酸塩、ニコチン粘液酸塩、ニコチンラウリン酸塩、ニコチンレブリン酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチンソルビン酸塩、ニコチンコハク酸塩、ニコチン硫酸塩、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0062】
本発明の実施形態では、ニコチン塩は、ニコチン安息香酸塩、ニコチンモノ酒石酸塩、ニコチン酒石酸水素塩、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチン乳酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチンコハク酸塩、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0063】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンはニコチン酒石酸水素塩を含む。
【0064】
上記実施形態の利点は、例えばニコチン酒石酸水素塩の迅速な解離により、ニコチンの迅速な渇望の軽減が促進されてもよいことであってもよい。
【0065】
本発明の有利な実施形態では、ニコチンはニコチン酒石酸水素塩である。
【0066】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも0.2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも0.3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも0.4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%の量のアルカリ性pH調整剤を含む。
【0067】
アルカリ性pH調整剤の量は、口腔内で7.5を超える望ましいpH、例えば7.5~10のpH、例えば7.5~9.5のpH、例えば7.5~9.0のpHを促進すべきである。
【0068】
望ましい高pHは、口腔粘膜上でのニコチンの吸収を促進し、したがって、口腔pHは理想的には、少なくとも最初の60秒間の使用中に7.5を超え、例えば少なくとも最初の60秒間の使用中に7.5~9.0であり、又は少なくとも第1の圧縮モジュールの崩壊時間中に7.5を超え、例えば第1の圧縮モジュールの崩壊時間中に7.5~9.0である。
【0069】
FDTモジュールから放出されたアルカリ性pH調整剤は、唾液に溶解し、口腔内のpHを上昇させ、その後、唾液の嚥下を介して口腔から運び去られる。したがって、アルカリ性pH調整剤の量は、過剰量が第1のモジュールに含まれる場合であっても、第2の圧縮モジュールから放出される酸性pH調整剤からの所望の達成される効果、すなわち、未吸収非プロトン化ニコチンのプロトン化を妨げない。
【0070】
また、得られた高いpH値は、例えばタバコベースの製品との類似性のために、望ましい口当たりとして知覚されてもよい口中のピリピリ感を有利に提供してもよい。
【0071】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの10重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの7重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの6重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの5重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの3重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの2重量%以下の量のアルカリ性pH調整剤を含む。
【0072】
いくつかのアルカリ性pH調整剤は、異なる風味を有し、したがって、錠剤の風味(taste)又は香味料プロファイルに望ましくない劣った品質を誘発してもよい。したがって、第1の圧縮モジュールの10重量%以下など、多すぎるアルカリ性pH調整剤を含まないことが望ましくてもよい。
【0073】
また、アルカリ性pH調整剤の量が多すぎると、口腔内で刺激を引き起こしてもよい。
【0074】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.2~10重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~7重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~6重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.3~4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.4~3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.5~2重量%の量のアルカリ性pH調整剤を含む。
【0075】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0.5mg~30mg、例えば1mg~20mg、例えば5~15mgの量のアルカリ性pH調整剤を含む。
【0076】
第1の圧縮モジュールのpH調整効果はアルカリ性であるべきであることが理解される。したがって、全体的なアルカリ性効果を提供するためにいくらかの量の酸性pH調整剤及び過剰量のアルカリ性pH調整剤が第1の圧縮モジュールに含まれる任意の実施形態は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0077】
しかしながら、化合物の経済性のために、酸性pH調整剤を含まない第1の圧縮モジュールを有することが有利であってもよい。
【0078】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは酸性pH調整剤を含まない。
【0079】
本発明の有利な実施形態では、酸性pH調整剤は、第2の圧縮モジュールに含まれる。
【0080】
本発明の有利な実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二アルカリ、リン酸三アルカリ、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択されるアルカリ性pH調整剤を含む。
【0081】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0082】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0083】
本発明の有利な実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0084】
炭酸塩と重炭酸塩との組合せが特に有利であってもよい。そのような組合せは、例えば、炭酸ナトリウム-重炭酸ナトリウム緩衝系、例えば、5:1~2.5:1の重量比、好ましくは4.1:1~3.5:1の重量比の炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムであってもよい。
【0085】
本発明の有利な実施形態では、pH調整剤は炭酸ナトリウムを含むか、又は炭酸ナトリウムである。
【0086】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0087】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、トロメタモール、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0088】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、リン酸水素二アルカリ及び/又はリン酸三アルカリ、例えば、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム及び/又はリン酸三カリウムを含む。
【0089】
トロメタモール及びリン酸緩衝液は、望ましい相対的な中性の風味を有するので、これらのpH調整剤の使用は、ニコチン錠剤の風味及び口当たりを損なわないことが見出されてもよい。
【0090】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤はトロメタモールを含む。
【0091】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤はトロメタモールから成る。
【0092】
本発明の文脈では、トロメタモールという用語は、(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)を指し、時にはトリス緩衝液とも呼ばれる。
【0093】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤はアミノ酸を含む。
【0094】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤はアミノ酸から成る。
【0095】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合、7.0のpHを有する水に溶解すると、7.5より高いpHを誘導する。
【0096】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも1重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量で崩壊剤を含む。
【0097】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.5重量%~25重量%、例えば0.5重量%~15重量%、例えば5重量%~15重量%、例えば5重量%~10重量%の量の崩壊剤を含む。
【0098】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.5重量%~25重量%、例えば5重量%~25重量%、例えば10重量%~25重量%、例えば10重量%~20重量%の量で崩壊剤を含む。
【0099】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.5重量%~25重量%、例えば0.5重量%~15重量%、例えば5重量%~15重量%、例えば5重量%~10重量%の量で超崩壊剤を含む。
【0100】
本発明の実施形態では、崩壊剤は、125マイクロメートル未満、例えば75マイクロメートル未満、例えば50マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0101】
125マイクロメートル未満の粒径とは、120メッシュ寸法(米国標準メッシュ)のふるいを通過することができる粒子を指し、75マイクロメートル未満の粒径とは、200メッシュ寸法(米国標準メッシュ)のふるいを通過することができる粒子を指し、50マイクロメートル未満の粒径とは、325メッシュ寸法(米国標準メッシュ)のふるいを通過することができる粒子を指し、15マイクロメートル未満の粒径とは、800メッシュ寸法(米国標準メッシュ)のふるいを通過することができる粒子を指すことが理解される。
【0102】
粒径がより小さい崩壊剤を使用する上記実施形態の利点は、例えば、崩壊剤粒子の相対表面積がより大きいため、より短い崩壊時間を促進する。
【0103】
更に、粒径125マイクロメートル未満の崩壊剤を使用すると、使用中の錠剤の口当たりを改善する。粒径125マイクロメートル未満の崩壊剤を含む第1の圧縮モジュールの迅速な崩壊は、使用者の口内にざらざらした感覚又はごつごつした感覚を引き起こさない。
【0104】
本発明の実施形態では、崩壊剤の少なくとも50重量%は、50マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0105】
本発明の実施形態では、崩壊剤の少なくとも25重量%は、15マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0106】
本発明の有利な実施形態では、崩壊剤は、デンプン、アルファ化デンプン、セルロース、変性セルロース、微結晶セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、ケイ酸カルシウム、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0107】
本発明の文脈では、デンプンとは、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、エンドウマメデンプンなどの様々な起源のデンプンを指す。
【0108】
アルファ化デンプン崩壊剤の例としては、アルファ化ジャガイモデンプン、アルファ化コムギデンプン、アルファ化トウモロコシデンプン、Lycatab(登録商標)、デンプン1500(登録商標)などの構造及び商標名が挙げられる。
【0109】
変性セルロース崩壊剤の例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの構造名が挙げられる。
【0110】
微結晶セルロースは、天然セルロースの精製形態である。微結晶セルロース崩壊剤の例としては、Avicel(登録商標)、Emcocel(登録商標)、Vivapor(登録商標)MCCなどの商標名が挙げられる。
【0111】
アルギン酸崩壊剤の例としては、様々なアルカリアルギン酸塩及びVivapur(登録商標)アルギン酸塩などの商標名が挙げられる。
【0112】
いくつかの崩壊剤は超崩壊剤と呼ばれることが理解される。
【0113】
本発明の有利な実施形態では、崩壊剤は超崩壊剤を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、通例の崩壊剤及び超崩壊剤の組合せを含んでもよい。
【0115】
本発明の有利な実施形態では、崩壊剤は超崩壊剤である。
【0116】
本発明の有利な実施形態では、崩壊剤は、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される超崩壊剤である。
【0117】
架橋セルロース超崩壊剤の例としては、Croscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、L-HPC、Solutab(登録商標)などの構造及び商標名が挙げられる。
【0118】
架橋ポリビニルピロリドン(PVP)超崩壊剤の例としては、Crosspovidone M(登録商標)、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標)、polyplasdone XL(登録商標)、Kollidon CL(登録商標)などの構造及び商標名が挙げられる。
【0119】
架橋デンプン超崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、Glycolys(登録商標)、Explotab(登録商標)、Primogel(登録商標)、Vivastar(登録商標)、Tablo(登録商標)などの構造及び商標名が挙げられる。
【0120】
架橋アルギン酸の例としては、Alginic acid NF(登録商標)、Staialgine(登録商標)などの構造及び商標名が挙げられる。
【0121】
本発明の実施形態では、崩壊剤は、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋デンプン、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される超崩壊剤である。
【0122】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される超崩壊剤を、第1の圧縮モジュールの0.5重量%~25重量%、例えば0.5重量%~15重量%、例えば5重量%~15重量%、例えば5重量%~10重量%の量で含む。
【0123】
本発明の有利な実施形態では、超崩壊剤は架橋ポリビニルピロリドン(PVP)である。
【0124】
本発明の実施形態では、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)の少なくとも50重量%は、50マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0125】
本発明の実施形態では、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)の少なくとも25重量%は、15マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0126】
超崩壊剤として架橋ポリビニルピロリドンを使用する利点は、圧縮力に対する崩壊時間の依存性を減少させる一方で、高い圧縮力を使用する場合であってもかなり低い崩壊時間を可能にすることであってもよい。
【0127】
本発明の実施形態では、崩壊剤は非イオン性崩壊剤である。
【0128】
本発明の実施形態では、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)などの非イオン性超崩壊剤である。
【0129】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0130】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
【0131】
すなわち、上記の実施形態では、第1の圧縮モジュールは水を含まなくてもよい。
【0132】
上記実施形態の利点は、第1の圧縮モジュールの安定性が向上することであってもよい。これは特に、第1の圧縮モジュールが超崩壊剤などの崩壊剤を含む場合である。
【0133】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大10、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大8、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大7、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大6のモル比で酸性pH調整剤を含む。例えば、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大5、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して最大3である。
【0134】
第2のモジュールから酸性pH調整剤を放出する錠剤を提供することによって、口腔内のpHが酸性化され、未吸収、非プロトン化ニコチンがプロトン化される。これは、実施例3C及び3Dで実証される灼熱の感覚の減少と相関することが見出された。
【0135】
望ましい量の酸性pH調整剤が錠剤中に含まれる場合、酸性pH調整剤は、錠剤の風味又は香味料プロファイルを改善又は支持し、それによって錠剤の全体的な喜びの感覚も改善することが見出されてもよい。これは典型的には、果実香味料を使用する場合であってもよい。
【0136】
しかしながら、含める酸性pH調整剤の量が多すぎると、錠剤の風味及び香味料が損なわれ、それによって全体的な喜びの感覚が損なわれてもよい。
【0137】
ここで、モル比とは、酸性pH調整剤のモル含有量をニコチンのモル含有量で除したものを指す。
【0138】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して少なくとも0.5、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して少なくとも0.75、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して少なくとも1、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して少なくとも2のモル比で酸性pH調整剤を含む。
【0139】
ニコチン及びアルカリ性pH調整剤は、第1の圧縮モジュールから放出され、それによって、かなりの量のニコチンが吸収され、例えばニコチンの約50%が吸収され、例えばニコチンの約60%が吸収され、例えばニコチンの約70%が吸収され、例えばニコチンの約80%が吸収され、又はそれ以上である。したがって、第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1の圧縮モジュールの効果と一致させるべきであり、すなわち、第1の圧縮モジュールは、高いニコチン吸収、すなわち渇望の軽減を提供するように設計され、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの効果を延長する、すなわち、持続的な渇望の軽減を促進し、第1の圧縮モジュールの効果の副作用を低減する、すなわち、灼熱の感覚を低減し、喜びの感覚を増大させるように設計される。
【0140】
唾液成分、アルカリ性pH調整剤などの口腔内で未吸収ニコチン以外の他の成分と反応する酸性pH調整剤の量に対応するために、過剰量の酸性pH調整剤を有利に添加してもよく、すなわち、任意の未吸収ニコチンのプロトン化に利用可能な有効量を確実にするために、過剰量を有利に添加してもよい。
【0141】
また、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールよりも低い放出速度を有し、したがって、酸性pH調整剤の効果、すなわち口腔の酸性化及びニコチンのプロトン化は、ニコチンに対して過剰量などのより多量の酸が錠剤中に含まれる場合、より速く達成されてもよい。
【0142】
更に、酸性pH調整剤は、いくつかの実施形態では、錠剤の香味料を向上させてもよい。
【0143】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.5~10、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.75~8、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.75~7、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して1~6のモル比で酸性pH調整剤を含む。
【0144】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.2~10重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~7重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~6重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.3~4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.4~3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.5~2重量%の量のpH調整剤を含み、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.5~10、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.75~8、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.75~7、例えば第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して1~6のモル比の酸性pH調整剤を含む。
【0145】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの15重量%以下、例えば第2の圧縮モジュールの10重量%以下、例えば第2の圧縮モジュールの5重量%以下の量の酸性pH調整剤を含む。
【0146】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも1.0重量%の量の酸性pH調整剤を含む。
【0147】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの0.5~15重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.5~10重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.5~5重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.5~3重量%の量の酸性pH調整剤を含む。
【0148】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.2~10重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~7重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~6重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.2~5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.3~4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.4~3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.5~2重量%の量のpH調整剤を含み、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの0.5~15重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.5~10重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.5~5重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.5~3重量%の量の酸性pH調整剤を含む。
【0149】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、30mg以下、例えば25mg以下、例えば20mg以下、例えば15mg以下、例えば10mg以下の量の酸性pH調整剤を含む。
【0150】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、0.5mg~30mg、例えば1mg~20mg、例えば5~15mgの量の酸性pH調整剤を含む。
【0151】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0.2mg~5.0mgの量のニコチン、0.5mg~30mg、例えば1mg~20mg、例えば5~15mgの量のアルカリ性pH調整剤を含み、第2の圧縮モジュールが、0.5mg~30mgの量の酸性pH調整剤を含む。
【0152】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、摂氏25度において、7未満、例えば6未満、例えば5未満である少なくとも1つのpKa値を有する。本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、摂氏25度において、7.0未満、例えば6.0未満、例えば5.0未満である少なくとも1つのpKa値を有する。
【0153】
本発明の有利な実施形態では、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む。
【0154】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して少なくとも0.5のモル比で酸性pH調整剤を含み、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む。
【0155】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.5~10のモル比で酸性pH調整剤を含み、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む。
【0156】
したがって、モル比とは、第1の圧縮モジュール中のニコチンのモル量に対する酸性pH調整剤のモル量を指す。
【0157】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0.2mg~5.0mgのニコチン量のニコチンを含み、ニコチンは、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩、又はそれらの組合せから成るリストから選択され、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.5~10のモル比で酸性pH調整剤を含む。
【0158】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0.2mg~5.0mgのニコチンの量のニコチンを含み、ニコチンはニコチン塩であり、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して0.5~10のモル比で酸性pH調整剤を含み、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む。
【0159】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸一カリウム、酒石酸、酒石酸一ナトリウム、酒石酸一カリウム、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む。
【0160】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、リン酸二水素一アルカリ-リン酸水素二アルカリ混合物、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0161】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンに対して少なくとも0.5のモル比で酸性pH調整剤を含み、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、リン酸二水素一アルカリ-リン酸水素二アルカリ混合物、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤を含む。
【0162】
酸性pH調整剤がpH調整剤の混合物である実施形態では、モル比とは、第1の圧縮モジュール中のニコチンのモル量に対する酸性pH調整剤(複数可)の総モル量を指す。
【0163】
本発明の有利な実施形態では、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される。
【0164】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸一カリウム、酒石酸、酒石酸一ナトリウム、酒石酸一カリウム、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0165】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0166】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸一カリウム、酒石酸、酒石酸一ナトリウム、酒石酸一カリウム、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びこれらの組合せから成るリストから選択される。
【0167】
本発明の有利な実施形態では、酸性pH調整剤は、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0168】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0169】
本発明の実施形態では、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、又はそれらの組合せである。
【0170】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合、7.0のpHを有する水に溶解すると、7.5未満のpHを誘導する。
【0171】
第2の圧縮モジュールのpH調整効果は、第1の圧縮モジュールによって誘導されるpHに対して酸性化されるべきであることが理解される。第2の圧縮モジュールの酸性pH調整剤(複数可)は、溶解時に低減された口腔pHを提供すべきであり、すなわち、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールによって誘導された7.5超から7.5未満への口腔pHの低減を提供すべきである。したがって、第2の圧縮モジュールは、摂氏25℃及び大気圧で測定したとき、pH7.0の水に添加されたとき、7.5未満のpHを誘導する。
【0172】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合、7.0のpHを有する水に溶解すると、7.0未満のpHを誘導する。
【0173】
本発明の好ましい実施形態では、第2の圧縮モジュールのpH調整効果は酸性であるべきであることが理解される。本発明の好ましい実施形態では、第2の圧縮モジュールのpH調整剤は、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合、pH7.0の水に添加された場合、より低いpHを提供すべきである。したがって、全体的な酸性効果を提供するために、いくらかの量のアルカリ性pH調整剤及び過剰量の酸性pH調整剤が第2のモジュールに含まれる任意の実施形態は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0174】
しかしながら、化合物の経済性のために、アルカリ性pH調整剤を含まない第2の圧縮モジュールを有することが有利であってもよい。
【0175】
いくつかの実施形態では、酸性pH調整剤は、摂氏25℃の温度で7.0のpHを有する水に添加された場合、7.0未満のpHを誘導するが、アルカリ性pH調整剤は、7.0のpHを有する水に添加された場合、7.5を超えるpHを誘導する。
【0176】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールはアルカリ性pH調整剤を含まない。
【0177】
本発明の有利な実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、第1の圧縮モジュールに含まれる。
【0178】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は香味料を含む。香味料は、ニコチンの味マスキングとして有利に使用されてもよい。
【0179】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は、ニコチン錠剤の少なくとも0.1重量%の量の香味料を含む。
【0180】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、ニコチン錠剤の0.1~15.0重量%、例えばニコチン錠剤の0.1~10.0重量%、例えばニコチン錠剤の0.1~5.0重量%、例えばニコチン錠剤の0.2~3.0重量%の量の香味料を含む。
【0181】
本発明の実施形態では、香味料は、第1及び第2の圧縮モジュールに含まれ、すなわち、両方のモジュールが香味料を含む。
【0182】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは香味料を含む。
【0183】
本発明の有利な実施形態では、香味料は第2の圧縮モジュールに含まれる。
【0184】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの0.1~15.0重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.1~10.0重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.1~5.0重量%、例えば第2の圧縮モジュールの0.2~3.0重量%の量の香味料を含む。
【0185】
本発明の有利な実施形態では、香味料は第2の圧縮モジュールに含まれる。
【0186】
したがって、上記の実施形態では、全ての香味料が第2の圧縮モジュールに含まれ、すなわち、第1の圧縮モジュールは香味料を含まない。
【0187】
錠剤が第1及び第2の圧縮モジュールから成り、全ての香味料が第2の圧縮モジュールに含まれる本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは香味料を含まない。
【0188】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは香味料を含まない。
【0189】
上記実施形態の利点は、ニコチンの香味料からの分離を促進し、それによって第1の圧縮モジュール中のニコチンの香味料誘導分解を最小限に抑えることによって、ニコチン安定性が増加することであってもよい。上記実施形態の更なる利点は、ニコチン錠剤が、各モジュール内の成分の量が限られているために、製造するのが比較的簡単である一方で、使用者にとって風味及び香味料の知覚に関して驚くほど良好な結果が得られたことであってもよい。
【0190】
香味料は、錠剤の使用中に唾液分泌を誘発してもよい。第2のモジュールに香味料を含めることのみによって、第1の圧縮モジュールの崩壊中に、香味料によって誘導される唾液の生成が制限されるか、又は更に回避してもよい。したがって、第1の圧縮モジュールの崩壊中に使用者が嚥下を望むことが減少し、それによって、ニコチンが咽喉に到達し、灼熱感を引き起こすことが少なくなる。
【0191】
また、第1及び第2の圧縮モジュールが錠剤層である実施形態では、そのような錠剤は、ニコチンが第1の圧縮モジュールから放出される間に、第2の圧縮モジュールからの香味料の同時放出を可能にし、それによってニコチンの苦味が低減されてもよい。
【0192】
本発明の有利な実施形態では、香味料は、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、スイートミント、スペアミント、バニリン、チョコレート、コーヒー、シナモン、クローブ、タバコ、柑橘類及び果実香味料並びにそれらの混合物の群から選択される。
【0193】
本発明の実施形態では、ニコチン及び香味料は、対向するモジュールに含まれる。
【0194】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは香味料を含まず、第2の圧縮モジュールはニコチンを含まない。
【0195】
上記実施形態の利点は、ニコチンの香味料からの分離を促進し、それによってニコチンの香味料誘導分解を最小限に抑えることによって、ニコチン安定性が増加することであってもよい。
【0196】
本発明の有利な実施形態では、香味料は第2の圧縮モジュールに含まれ、ニコチンは第1の圧縮モジュールに含まれる。
【0197】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは果実香味料を含み、酸性pH調整剤は、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0198】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は糖アルコールを含む。
【0199】
糖アルコールは、望ましい風味を達成するために有利に使用されてもよい。また、糖アルコールは、糖甘味料の魅力的な代替物である。
【0200】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、ニコチン錠剤の少なくとも50重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも60重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも70重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも75重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも80重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも85重量%の量で糖アルコールを含む。
【0201】
糖アルコールは、望ましい溶解性を有する。したがって、かなりの量の糖アルコールを含むニコチン錠剤は、ニコチン錠剤の望ましい溶解を促進することが見出された。
【0202】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、ニコチン錠剤の50~97重量%、例えばニコチン錠剤の60~97重量%、例えばニコチン錠剤の70~97重量%、例えばニコチン錠剤の70~90重量%の量で糖アルコールを含む。
【0203】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は、ニコチン錠剤の50~97重量%、例えばニコチン錠剤の60~95重量%、例えばニコチン錠剤の70~95重量%、例えばニコチン錠剤の75~95重量%、例えばニコチン錠剤の80~95重量%、例えばニコチン錠剤の85~95重量%の量で糖アルコールを含む。
【0204】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは糖アルコールを含む。
【0205】
糖アルコールは、望ましい唾液溶解性を有する。したがって、ニコチン錠剤の使用時に、糖アルコールは溶解し、第1の圧縮モジュールからのニコチン及びアルカリ性pH調整剤の迅速な放出、並びに第2の圧縮モジュールからの酸性pH調整剤の放出など、モジュールからの放出を補助する。
【0206】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含む。
【0207】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの50重量%~97重量%、例えば第1の圧縮モジュールの60重量%~95重量%、例えば第1の圧縮モジュールの70重量%~90重量%の量の糖アルコールを含む。
【0208】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの50~97重量%、例えば第1の圧縮モジュールの60~97重量%、例えば第1の圧縮モジュールの70~97重量%の量の糖アルコールを含む。
【0209】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの75~97重量%、例えば第1の圧縮モジュールの80~97重量%、例えば第1の圧縮モジュールの85~97重量%の量の糖アルコールを含む。
【0210】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも85重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも90重量%の量の糖アルコールを含む。
【0211】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの50重量%~97重量%、例えば第2の圧縮モジュールの60重量%~95重量%、例えば第2の圧縮モジュールの70重量%~90重量%の量の糖アルコールを含む。
【0212】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの50~97重量%、例えば第2の圧縮モジュールの60~97重量%、例えば第2の圧縮モジュールの70~97重量%の量の糖アルコールを含む。
【0213】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの75~97重量%、例えば第2の圧縮モジュールの80~97重量%、例えば第2の圧縮モジュールの85~97重量%、例えば第2の圧縮モジュールの90~97重量%の量の糖アルコールを含む。
【0214】
本発明の実施形態では、糖アルコールは、摂氏25℃で固体の糖アルコールである。
【0215】
固体糖アルコールは、望ましい圧縮性を有し、したがって、糖アルコールの使用は、圧縮錠剤を形成する場合に望ましい。
【0216】
本発明の実施形態では、糖アルコールは、少なくとも4個の炭素原子を含む糖アルコールから選択される。
【0217】
本発明の実施形態では、錠剤は、3個以下の炭素を含む糖アルコールを含まない。3個以下の炭素を含む糖アルコールの例としては、グリセロール、プロピレングリコール、及びエチレングリコールが挙げられる。
【0218】
実施形態では、ニコチン錠剤はグリセロールを含まない。
【0219】
2つのそのような異なるモジュール組成物の単一の複数モジュールニコチン錠剤への圧縮及び融合は、本発明が所望の効果を得るために特定の設計を必要とするので、必ずしも自明ではなくてもよい。
【0220】
本発明の有利な実施形態では、第1及び第2の圧縮モジュールは糖アルコールを含む。
【0221】
本発明の実施形態では、糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0222】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0223】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含み、糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0224】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩、又はそれらの組合せから成るリストから選択されるニコチン、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択されるアルカリ性pH調整剤、第1の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含み、糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0225】
上記実施形態の利点は、ニコチン、アルカリ性pH調整剤及び糖アルコールが、第1のモジュールの崩壊後に比較的迅速に溶解し、それによって効率的なニコチン吸収が達成されてもよいので、使用者にとって迅速な効果、すなわち渇望の軽減が得られることであってもよい。
【0226】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールの糖アルコールは、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0227】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0228】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含み、糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0229】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、リン酸二水素一アルカリ-リン酸水素二アルカリ混合物、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される酸性pH調整剤、及び第2の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含み、糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0230】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールの糖アルコールは、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、キシリトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0231】
本発明の実施形態では、糖アルコールは、DC(直接圧縮可能)グレードの糖アルコールを含む。
【0232】
本発明の実施形態では、糖アルコールの少なくとも50重量%は、DC(直接圧縮可能)グレードの糖アルコールである。
【0233】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は、単糖類及び二糖類を実質的に含まない。
【0234】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は糖を含まない。したがって、この実施形態では、ニコチン錠剤はいかなる糖も含まない。
【0235】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は高甘味度甘味料を含む。
【0236】
本発明の実施形態では、高甘味度甘味料は、スクラロース、アスパルターム、アセスルファムカリウムなどのアセスルファムの塩、アリテーム、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシド、並びにそれらの任意の組合せから選択される。
【0237】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は、0.2重量%以下の高甘味度甘味料、例えば0.1重量%以下の高甘味度甘味料を含む。
【0238】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは高甘味度甘味料を含む。
【0239】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは高甘味度甘味料を含む。
【0240】
本発明の実施形態では、高甘味度甘味料は、第2の圧縮モジュールに含まれる。
【0241】
したがって、上記の実施形態では、全ての高甘味度甘味料が第2の圧縮モジュールに含まれ、すなわち、第1の圧縮モジュールは高甘味度甘味料を含まない。
【0242】
この実施形態の利点は、ニコチン錠剤が、各モジュール内の成分の量が限られているために、製造するのが比較的簡単である一方で、使用者にとって風味及び香味料の知覚に関して驚くほど良好な結果が得られたことであってもよい。
【0243】
本発明の実施形態では、高甘味度甘味料及び香味料は、第2の圧縮モジュールに含まれる。
【0244】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの10重量%以下、例えば第2の圧縮モジュールの8重量%以下、例えば第2の圧縮モジュールの6重量%以下の量の結合剤を含む。
【0245】
結合剤は、望ましい粘着性及び機械的強度を得るために、第2の圧縮モジュールに有利に添加されてもよい。
【0246】
更に、結合剤を使用して、2分を超える崩壊時間を促進してもよく、それによって、第2の圧縮モジュールは、ニコチンの適切な長期マスキングを提供する。
【0247】
また、ロゼンジモジュールである第2の圧縮モジュールの使用は、堅牢な錠剤の製造を促進し、マスキング化合物の長期放出を提供する。
【0248】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの1~10重量%、例えば第2の圧縮モジュールの1~8重量%、例えば第2の圧縮モジュールの2~5重量%の量の結合剤を含む。
【0249】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの5重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの4重量%以下、例えば第1の圧縮モジュールの3重量%以下の量の結合剤を含む。
【0250】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの0.5~5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの0.5~4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの1~3重量%の量の結合剤を含む。
【0251】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの5重量%以下の量の結合剤と、第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の超崩壊剤とを含む。
【0252】
上記実施形態は、錠剤化中のモジュール組成物の望ましい粘着性及び錠剤の使用中の望ましい短い崩壊時間を確実にしてもよい。
【0253】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、ニコチン錠剤の少なくとも10重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも20重量%を構成する。
【0254】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、ニコチン錠剤の10重量%~50重量%、例えばニコチン錠剤の20重量%~40重量%、例えばニコチン錠剤の10重量%~30重量%、例えばニコチン錠剤の20重量%~30重量%を構成する。
【0255】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、ニコチン錠剤の少なくとも50重量%、例えばニコチン錠剤の少なくとも60重量%を構成する。
【0256】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、ニコチン錠剤の50重量%~90重量%、例えばニコチン錠剤の50重量%~90重量%、例えばニコチン錠剤の60重量%~90重量%、例えばニコチン錠剤の70重量%~90重量%、例えばニコチン錠剤の70重量%~80重量%、例えばニコチン錠剤の80重量%~90重量%、例えばニコチン錠剤の65重量%~75重量%を構成する。
【0257】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは第2の圧縮モジュールをカプセル化する。
【0258】
第1の圧縮モジュールによってカプセル化された第2の圧縮モジュールを有するニコチン錠剤を得ることは、第2の圧縮モジュールの周りに第1の圧縮モジュールとしてプレスコートを適用することによって得てもよい。
【0259】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、圧縮錠剤コアである第2の圧縮モジュールを取り囲んでいる。
【0260】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、圧縮錠剤コアである第2の圧縮モジュールを取り囲む圧縮コーティングである。
【0261】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールを部分的に取り囲んでいる。ここで、第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールによって部分的に囲まれる、すなわち、第2の圧縮モジュールは、部分的に露出した表面を有すると理解される。
【0262】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールは、圧縮によって融合された2つの層である。
【0263】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールは錠剤層である。
【0264】
ここで、錠剤モジュールとは、ニコチン錠剤の総露出表面積の40%、ニコチン錠剤の総露出表面積の30%など、ニコチン錠剤の総露出表面積の最大50%の露出表面積を有する層である第1の圧縮モジュールなどの露出表面積を有する層を指すことが理解される。
【0265】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールを少なくとも部分的にカプセル化する。
【0266】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、ニコチン錠剤の総露出表面積の最大50%、例えばニコチン錠剤の総露出表面積の40%、例えばニコチン錠剤の総露出表面積の30%の露出表面積を有する錠剤層である。
【0267】
層を有する錠剤を提供する利点は、経口投与時に成分が層から放出されることであってもよい。したがって、速溶解性層である第1の圧縮モジュールは、経口投与時にニコチンの放出を開始し、ロゼンジ層である第2の圧縮モジュールは、放出速度は遅いが、その成分の放出を開始する。これは、有利には、ロゼンジ層からの酸性pH調整剤の放出を促進することによって、速溶解性層に提供されたニコチンによって引き起こされる灼熱の感覚を低減するために使用されてもよい。
【0268】
また、これは、例えば速溶解性層にニコチンを、ロゼンジ層に香味料などのマスキング成分を提供することによって、ニコチンの苦味をマスクするために有利に使用されてもよい。更に、第2の層から香味料を放出することによって、速溶解性層からのアルカリ性pH調整剤の迅速な放出のために起こり得る不快なアルカリの感覚をマスクするために使用されてもよい。
【0269】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は、第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールから成り、第1及び第2の圧縮モジュールは、圧縮によって融合された2つの層である。
【0270】
ニコチン錠剤の層又はモジュールは、本発明の範囲内で多くの異なる方法で形成されてもよい。上記から分かるように、ニコチン錠剤は、円形、楕円形、又は縁付き、例えば正方形であってもよい。
【0271】
本発明の実施形態では、圧縮された第1のモジュール及び圧縮された第2のモジュールは固体モジュールである。
【0272】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は固体モジュールから成る。
【0273】
したがって、上記の実施形態による錠剤は、液体又は流体中心などの液体又は流体モジュールを含まないことが理解される。
【0274】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールは固体錠剤層である。
【0275】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0276】
上記実施形態の利点は、第1の圧縮モジュールの安定性が向上することであってもよい。これは特に、超崩壊剤などの崩壊剤を含む第1の圧縮モジュールによるものである。
【0277】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
【0278】
すなわち、上記の実施形態では、第1の圧縮モジュールは水を含まなくてもよい。
【0279】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0280】
本発明の実施形態では、第2の圧縮モジュールは、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
【0281】
すなわち、上記の実施形態では、第2の圧縮モジュールは水を含まなくてもよい。
【0282】
本発明の有利な実施形態では、水溶解性ニコチン錠剤は、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0283】
本発明の実施形態では、水溶解性ニコチン錠剤は、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
【0284】
すなわち、上記の実施形態において、水溶解性ニコチン錠剤は水を含まなくてもよい。
【0285】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、1グラム、例えば0.9グラム、例えば0.75グラム、例えば0.5グラム、例えば0.4グラム、例えば0.3グラムの最大総重量を有する。
【0286】
最大規定体積未満の体積を有するニコチン錠剤の利点は、ニコチン錠剤を個別に使用する可能性である。更に、自己滴定の選択肢を提供する。
【0287】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、0.2~1グラム、例えば0.2~0.9グラム、例えば0.2~0.75グラム、例えば0.2~0.5グラムの総重量を有する。
【0288】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は、0.7cm3、例えば0.6cm3、例えば0.5cm3、例えば0.4cm3、例えば0.3cm3の最大総体積を有する。
【0289】
最大規定体積未満の体積を有するニコチン錠剤は、使用者に所望の崩壊時間及び溶解時間を提供してもよい。
【0290】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は第3のモジュールを含む。
【0291】
本発明の実施形態では、第3のモジュールは周囲コーティング層である。
【0292】
ニコチン錠剤は、有利には外側コーティングを含んでもよい。外側コーティングは、物理的分解、例えばモジュールの分離からモジュール式錠剤を保護するか、又は水分誘引を防止してもよい。更に、外側コーティングは、成分を化学分解から保護してもよい。
【0293】
本発明の実施形態では、周囲コーティング層である第3のモジュールは、硬質コーティング、軟質コーティング及び食用フィルムコーティング又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0294】
本発明の実施形態では、第3のモジュールはニコチンを含まない。
【0295】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールから成る。
【0296】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤はコーティングを含まない。
【0297】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤はコーティングを含まない。
【0298】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、経口投与時に60秒以内、例えば45秒以内、例えば30秒以内に完全に崩壊する。
【0299】
第1の圧縮モジュールの崩壊時間は、実施例3Aに記載されるように測定されてもよい。
【0300】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は、経口投与後15分以内、例えば10分以内に完全に崩壊する。
【0301】
ニコチン錠剤の崩壊時間は、実施例3Bに記載されるように測定されてもよい。
【0302】
本発明の有利な実施形態では、ニコチン錠剤は非タバコ錠剤である。
【0303】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤はタバコを含まない。
【0304】
本発明の実施形態では、第1のモジュールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される糖アルコールを含み、第2のモジュールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される糖アルコールを含む。
【0305】
本発明の実施形態では、第1のモジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含み、第1のモジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択され、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも85重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも90重量%の量の糖アルコールを含み、第2のモジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0306】
本発明の実施形態では、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択され、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、リン酸二水素一アルカリ-リン酸水素二アルカリ混合物、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0307】
本発明の実施形態では、第1のモジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択され、第2のモジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択され、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択され、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、リン酸二水素一アルカリ-リン酸水素二アルカリ混合物、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0308】
本発明の実施形態では、第1のモジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも85重量%の量の糖アルコールを含み、第1のモジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択され、第2の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの少なくとも50重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも60重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも70重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも80重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも85重量%、例えば第2の圧縮モジュールの少なくとも90重量%の量の糖アルコールを含み、第2のモジュールの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択され、アルカリ性pH調整剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択され、酸性pH調整剤は、リン酸、リン酸二水素一アルカリ、リン酸二水素一アルカリ-リン酸水素二アルカリ混合物、クエン酸、クエン酸二水素一アルカリ、クエン酸水素二アルカリ、リンゴ酸、リンゴ酸一アルカリ、コハク酸、コハク酸一アルカリ、酒石酸、酒石酸一アルカリ、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0309】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも1重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の崩壊剤を含み、崩壊剤は、デンプン、アルファ化デンプン、セルロース、変性セルロース、微結晶セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、ケイ酸カルシウム、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択される。
【0310】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも1重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の崩壊剤を含み、崩壊剤は、デンプン、アルファ化デンプン、セルロース、変性セルロース、微結晶セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、ケイ酸カルシウム、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択され、錠剤の糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0311】
本発明の実施形態では、第1の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュールの少なくとも0.5重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも1重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも2重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも3重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも4重量%、例えば第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の崩壊剤を含み、崩壊剤は、デンプン、アルファ化デンプン、セルロース、変性セルロース、微結晶セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、ケイ酸カルシウム、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せから成るリストから選択され、錠剤は、錠剤の少なくとも50重量%、例えば錠剤の少なくとも60重量%、例えば錠剤の少なくとも70重量%、例えば錠剤の少なくとも80重量%、例えば錠剤の少なくとも85重量%、例えば錠剤の少なくとも90重量%の量の糖アルコールを含み、糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せから成るリストから選択される。
【0312】
本発明は更に、本発明又はその実施形態のいずれかによるニコチン錠剤を製造する方法であって、方法は、
第1の粉末状組成物及び第2の粉末状組成物を提供する工程であって、第1の粉末状組成物がニコチン、崩壊剤、及びアルカリ性pH調整剤を含み、第2の粉末状組成物が酸性pH調整剤を含む、工程と、
第2の粉末状組成物及び第1の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって融合されたモジュールを含むニコチン錠剤を得る工程とを含む、方法に関する。
【0313】
本発明の有利な実施形態では、方法は、
第2の粉末状組成物を圧縮して第2のモジュールを得る工程と、
第2のモジュール及び第1の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって第2のモジュールに融合された第1のモジュールを得る工程とを含む。
【0314】
本発明の有利な実施形態では、方法は、
第1の粉末状組成物を圧縮して第1のモジュールを得る工程と、
第1のモジュール及び第2の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって第1のモジュールに融合された第2のモジュールを得る工程とを含む。
【0315】
本発明の有利な実施形態では、方法は、
第2の粉末状組成物を圧縮して第2のモジュールを得る工程と、
第1の粉末状組成物を圧縮して、圧縮によって第2のモジュールに融合された第1のモジュールを得る工程とを含み、
第1のモジュールは、第2のモジュールを取り囲む。
【0316】
本発明の有利な実施形態では、圧縮は、少なくとも5kN、例えば少なくとも10kN、例えば少なくとも15kN、例えば少なくとも20kNの圧縮力で行われる。
【0317】
本発明の実施形態では、本発明又はその実施形態のいずれかの水溶解性ニコチン錠剤は、本発明又はその実施形態のいずれかの方法によって得られる。
【0318】
本発明は更に、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
第1の圧縮モジュールが、ニコチンを含む速溶解性モジュールであり、圧縮された第2のモジュールが、酸性pH調整剤を含むロゼンジモジュールである、水溶解性ニコチン錠剤に関する。
【0319】
本発明の実施形態では、上記実施形態による水溶解性圧縮ニコチン錠剤は、最初に記載された水溶解性圧縮ニコチン錠剤若しくはその実施形態のいずれかに従って作製されるか、又は本発明若しくはその実施形態のいずれかの方法によって得られる。
【0320】
本発明は更に、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
第1の圧縮モジュールは、
ニコチン、
アルカリ性pH調整剤、及び
第1の圧縮モジュールの少なくとも5重量%の量の崩壊剤を含み、
第2の圧縮モジュールは、
酸性pH調整剤を含む、水溶解性ニコチン錠剤に関する。
【0321】
本発明の実施形態では、上記実施形態による水溶解性圧縮ニコチン錠剤は、最初に記載された水溶解性圧縮ニコチン錠剤若しくはその実施形態のいずれかに従って作製されるか、又は本発明若しくはその実施形態のいずれかの方法によって得られる。
【0322】
本発明は更に、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
第1の圧縮モジュールはFDT層であり、
ニコチン、
アルカリ性pH調整剤、及び
崩壊剤を含み、
第2の圧縮モジュールは、
酸性pH調整剤を含む、水溶解性ニコチン錠剤に関する。
【0323】
本発明の実施形態では、上記実施形態による水溶解性圧縮ニコチン錠剤は、最初に記載された水溶解性圧縮ニコチン錠剤若しくはその実施形態のいずれかに従って作製されるか、又は本発明若しくはその実施形態のいずれかの方法によって得られる。
【0324】
本発明は更に、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
第1の圧縮モジュールは、
ニコチン、
アルカリ性pH調整剤、及び
崩壊剤を含み、
第2の圧縮モジュールは、
酸性pH調整剤を含む、水溶解性ニコチン錠剤に関する。
第1の圧縮モジュールは、第2の圧縮モジュールの溶解時間より短い溶解時間を有する。
【0325】
本発明の実施形態では、上記実施形態による水溶解性圧縮ニコチン錠剤は、最初に記載された水溶解性圧縮ニコチン錠剤若しくはその実施形態のいずれかに従って作製されるか、又は本発明若しくはその実施形態のいずれかの方法によって得られる。
【0326】
本発明は更に、少なくとも第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールを含む水溶解性ニコチン錠剤であって、
第1の圧縮モジュールは、
ニコチン、
アルカリ性pH調整剤、及び
崩壊剤を含み、
第2の圧縮モジュールは、
酸性pH調整剤を含む、水溶解性ニコチン錠剤に関する。
第1及び第2の圧縮モジュールの間の崩壊時間の差は、少なくとも2分である。
【0327】
本発明の実施形態では、上記実施形態による水溶解性圧縮ニコチン錠剤は、最初に記載された水溶解性圧縮ニコチン錠剤若しくはその実施形態のいずれかに従って作製されるか、又は本発明若しくはその実施形態のいずれかの方法によって得られる。
【発明を実施するための形態】
【0328】
本明細書で使用される場合、「水溶解性ニコチン錠剤」という用語は、全体的に水に溶解可能な圧縮錠剤を指す。本発明のニコチンロゼンジは、溶解可能なFDTモジュールを含み、一方溶解可能なロゼンジモジュールも含む。したがって、ニコチン錠剤はもちろん、例えば、水に溶解しないチューインガムモジュール又はガムベース含有モジュールを含まない。更に、ニコチン錠剤は、崩壊し、主成分が水に溶解するという意味で水溶解性である。本発明のニコチン錠剤は、少なくとも第1の粉末状組成物及び第2の粉末状組成物を圧縮して、それぞれ第1及び第2の圧縮モジュールを得ることによって形成される圧縮錠剤である。水溶解性ニコチン錠剤は、ある量の水不溶性材料、例えば錠剤の10重量%以下などの、例えばMCCを含んでもよい。したがって、水溶解性ニコチン錠剤の大部分、例えば錠剤の90重量%超が、水溶性物質から構成される。
【0329】
ニコチン錠剤は、経口投与時に少なくとも2分、例えば少なくとも3分、例えば少なくとも4分、例えば少なくとも5分の期間内に崩壊及び溶解してもよい。
【0330】
本明細書で使用される場合、「FDTモジュール」(速溶解性錠剤モジュール)という用語は、いわゆる速溶解性錠剤の特性を有するモジュールを指す。口腔内崩壊性錠剤(ODT)と呼ばれることもある速溶解性錠剤は一般に、これらの製品を摂取するために噛んだり液体を飲んだりする必要なく、迅速な口腔内崩壊を示す。
【0331】
本発明のFDTモジュールは典型的には、口の中に入れてから60秒未満の速い、又は口の中に入れてから30秒などの更に速い、崩壊を示す。本発明のいくつかの実施形態では、FDTモジュールは、30秒以内、例えば20秒以内、例えば15秒以内に崩壊する。
【0332】
本明細書で使用される場合、「ロゼンジモジュール」という用語は、ロゼンジ特性を付与するモジュール、すなわち、口の中で数分にわたって溶解又は崩壊し、それによって、モジュールの構成成分、例えば、特定の実施形態に応じて酸性pH調整剤、香味料などを放出するモジュールを指す。例えば、ロゼンジモジュールは、経口投与時に少なくとも2分、例えば少なくとも3分、例えば少なくとも4分、例えば少なくとも5分の期間内に崩壊及び溶解してもよい。
【0333】
本明細書で使用される場合、「崩壊する」という用語は、物体の成分、断片又は粒子への変形を指す。崩壊時間は、インビトロ又はインビボで測定されてもよい。別段の記載がない限り、インビトロ測定は、European Pharmacopeia 9.0,section 2.9.1,Disintegration of tablets and capsulesに従って行われる。インビボ測定は、実施例3Bに記載されているように実施する。
【0334】
本明細書で使用される場合、「溶解する」という用語は、固体物質が溶媒(口腔唾液)に入って溶液を生じるプロセスである。別段の記載がない限り、溶解は、問題の化合物の完全な溶解を意味する。
【0335】
本明細書で使用される場合、「崩壊剤」という用語は、FDTモジュールが唾液と接触したときにFDTモジュールの崩壊を促進する成分を指す。崩壊剤は多くの場合、投与時にモジュールのより小さな断片への分解を促進して、ニコチンの放出及び最終的な吸収を促進するための手段として考えられてもよい。
【0336】
本明細書で使用される場合、「結合剤」という用語は、錠剤製造中に粉末組成物に対する粘着性を促進し、それによってモジュールの製造を促進し、それによって望ましい機械的強度を有するニコチン錠剤の製造を促進する成分を指す。
【0337】
本発明の好ましい実施形態では、第2の圧縮モジュールは結合剤を含む。
【0338】
本明細書で使用される場合、「ニコチン」という用語は、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩;担体に結合したニコチン、例えば、イオン交換樹脂に結合したニコチン、ゼオライトに結合したニコチン;繊維又は微粒子に結合したニコチン、CaCO3に結合したニコチン、糖アルコールに結合したニコチン;及びそれらの混合物を含む任意の形態のニコチンを指す。本明細書で、結合とは、担体の種類に応じて、ニコチンが担体上にイオン結合、吸着又は吸収されることと理解されるべきである。
【0339】
ミリグラム単位でニコチン量に言及する場合、この量はニコチン用量として理解されるべきであり、すなわち、この量は純粋なニコチンの量を指す。
【0340】
重量パーセント単位でニコチン量に言及する場合、この量は、第1の圧縮モジュール又はニコチン錠剤などの指定された用語に関連するニコチン源の実際の量として理解されるべきである。すなわち、第1の圧縮モジュールの4重量%の量でニコチン酒石酸水素塩を含む75mgの第1の圧縮モジュールとは、3mgのニコチン酒石酸水素塩(すなわち、1mgの純粋なニコチン)を含む第1の圧縮モジュールを指す。
【0341】
ニコチンはまた、合成ニコチンと呼ばれることも多い、タバコから得られないニコチンも包含する。ニコチンは、第1の圧縮モジュールに含まれる。実施形態では、ニコチンは、第1の圧縮モジュールに含まれるが、第2の圧縮モジュールには含まれない。
【0342】
本明細書で使用される場合、「遊離塩基ニコチン」という用語は、ニコチンの非プロトン化形態を指す。遊離塩基ニコチンは、液体として、又はある量のイオン交換樹脂;水溶性組成物、例えば若しくは糖アルコール又は水溶性繊維;又は水不溶性繊維;又は変性炭酸カルシウムと混合されて、提供されてもよい。遊離塩基ニコチンは、タバコから抽出された遊離塩基ニコチン及び合成的に製造された遊離塩基ニコチンの両方を含むが、遊離塩基ニコチンは、タバコ又は粉末状タバコの形態では提供されない。
【0343】
本明細書で使用される場合、「ニコチン塩」という用語は、対イオンに結合したイオン化形態のニコチンを指す。
【0344】
本明細書で使用される場合、「NBT」という用語は、ニコチン酒石酸水素塩及びその水和物を指す。
【0345】
本明細書で使用される場合、「%」及び「パーセント」という用語は、特に明記しない限り、重量パーセントを指す。
【0346】
本明細書で使用される場合、「ニコチンの放出」という用語は、ニコチンが生体利用可能になること、すなわち、口腔内の粘膜を介した吸収に利用可能になることを指す。ニコチンのいくつかの形態は、生体利用可能になるために溶解を必要とする一方、他の形態は、溶解することなく体内に容易に吸収されてもよい。例えば、ニコチンが生体利用可能であるためには、錠剤のマトリックスは崩壊されるべきである。ニコチンのいくつかの形態は、ニコチンが例えば担体から更に放出されること、例えばニコチンがニコチンポラクリレックスなどのニコチンイオン交換樹脂から放出されることを必要とする。他のニコチン形態、例えばニコチン塩(以下、ニコチン酒石酸水素塩)は、錠剤のマトリックスの崩壊時に容易に溶解してもよい。更に、いくつかのニコチン形態は溶解を必要としなくてもよい。これは、例えばニコチン遊離塩基に適用され、ニコチン遊離塩基は固体製剤マトリックスの崩壊時に放出される。
【0347】
本明細書で使用される場合、「pH調整剤」という用語は、薬剤が添加された又は添加される溶液のpH値を積極的に調整及び調節する薬剤を指す。したがって、pH調整剤は酸性又はアルカリ性であってもよい。
【0348】
酸性pH調整剤は、摂氏25℃の温度で7.0のpHを有する水に添加された場合、7.5未満のpHを誘導し、アルカリ性pH調整剤は、7.0のpHを有する水に添加された場合、7.5を超えるpHを誘導する。2以上のpH調整剤が同じモジュールに含まれる場合、これらは組み合わされたpH調整剤を形成する。組み合わされたpH調整剤は、摂氏25℃の温度、大気圧で測定して7.0のpHを有する水に添加された場合に7.5未満のpHを誘導する酸性pH調整剤、又は摂氏25℃の温度、大気圧で測定して7.0のpHを有する水に添加された場合に7.5を超えるpHを誘導するアルカリ性pH調整剤である。
【0349】
換言すれば、酸性pH調整剤は、いくつかの実施形態では、緩衝系が、摂氏25℃の温度、大気圧で測定して7.0のpHを有する水に添加された場合に7.5未満のpHを誘導する限り、例えば、pH調整剤の組合せを含む酸性緩衝系であることができる。
【0350】
一方、pH調整剤は、希釈によってのみpHに影響を及ぼすことができる物質及び組成物を含まない。更に、pH調整剤は例えば、香味料、充填剤などを含まない。
【0351】
いくつかの好ましい実施形態では、酸性pH調整剤は、7.0のpHを有する水に添加されると、摂氏25℃及び大気圧で測定した場合に7.0未満のpHを誘導する。
【0352】
本明細書で使用される場合、「モル比」は、第1の成分のモル含有量を第2の成分のモル含有量で割った比を指す。
【0353】
第1の成分と第2の成分との間の相対含有量はまた、第2の成分に対する第1の成分の当量として提示されてもよい。したがって、第1の圧縮モジュール中のニコチンの量に対して1.0のモル比で酸性pH調整剤を含む第2の圧縮モジュールは、第1の圧縮モジュール中のニコチンの量に対して1.0当量の酸性pH調整剤を含むニコチン錠剤、すなわち、第1の圧縮モジュール中に1.0当量の酸性pH調整剤及び1.0当量のニコチンを含むニコチン錠剤として提示されてもよい。
【0354】
「未満」、「以下」などの用語によって成分の量に言及する場合、これは一般に、特定の成分が存在しないか、又は微量から指定された最大量の範囲で存在することを指す。
【0355】
本明細書で使用される場合、「香味料」という用語は、当該技術分野における用語の通常の意味を有するものとして理解される。香味料には、液体及び粉末状香味料が含まれる。したがって、香味料はもちろん、甘味料(糖、糖アルコール及び高甘味度甘味料など)、又は純粋な酸度(acidity)/酸味(sourness)を提供する酸も、純粋な塩味(例えば、NaCl)又は純粋な苦味を提供する化合物も含まない。香味料は、天然又は合成香味料であることができる。
【0356】
典型的には、ニコチン錠剤は、充填剤、香味料、結合剤、崩壊剤(以下、超崩壊剤)、乳化剤、抗酸化剤、pH調整剤(以下、アルカリ性及び酸性pH調整剤)、高甘味度甘味料、着色剤、滑剤、滑沢剤、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される成分を含んでもよい。
【0357】
本発明の有利な実施形態では、錠剤は充填剤成分としてバルク甘味料を含む。
【0358】
本発明の有利な実施形態では、第1の圧縮モジュールは、充填剤成分としてバルク甘味料を含む。
【0359】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは、充填剤成分としてバルク甘味料を含む。
【0360】
本発明の有利な実施形態では、第1及び第2の圧縮モジュールは、充填剤成分としてバルク甘味料を含む。
【0361】
ニコチン錠剤がバルク甘味料を含む実施形態では、異なるバルク甘味料を使用してもよい。バルク甘味剤には、糖甘味剤及び/又は非糖質甘味料が含まれる。
【0362】
糖甘味料としては一般に、糖類含有成分、例えば、スクロース、デキストロース、マルトース、サッカロース、ラクトース、ソルボース、デキストリン、トレハロース、D-タガトース、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトースなどの、単独又は組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0363】
非糖質甘味料としては一般に、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール及びラクチトールなどの糖アルコール(ポリオールと呼ばれることもある)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0364】
糖及び/又は非糖質甘味料の組合せをニコチン錠剤に使用してもよい。
【0365】
バルク甘味料は、多くの場合、ニコチン錠剤の香味料プロファイルを支持してもよい。
【0366】
本発明の実施形態では、バルク甘味料は、例として、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、粉砕石灰石、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩化合物、カオリン及び粘土、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、酸化チタン、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム及びリン酸三カルシウム、繊維、コムギ繊維、カラスムギ繊維、エンドウマメ繊維などの植物繊維、並びにそれらの組合せを含む他の使用可能な充填剤で補充されてもよい。
【0367】
高甘味度人工甘味料も、上記のバルク甘味料と組み合わせて使用することができる。例えば、高甘味度甘味料としては、スクラロース、アスパルターム、アセスルファムの塩、アリテーム、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシド(天然強度の甘味剤)などの、単独又は組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0368】
人工甘味料の使用レベルはかなり変化し、甘味料の効力、放出速度、製品の所望の甘味、使用される香味料のレベル及び種類、並びにコストに対する考慮などの因子に依存する。したがって、人工甘味料の実効濃度は、約0.001~約8重量%(例えば、約0.02~約8重量%)で変化してもよい。
【0369】
ニコチン錠剤が香味料を含む実施形態では、異なる香味料を使用してもよい。
【0370】
利用可能な香味料は、例として、アーモンド、アーモンドアマレット、リンゴ、ババロア、ブラックチェリー、黒ゴマ、ブルーベリー、ブラウンシュガー、風船ガム、バタースコッチ、カプチーノ、カラメル、カラメルカプチーノ、チーズケーキ(グラハムクラスト)、シナモンレッドホット、綿菓子、サーカス綿菓子(circus cotton candy)、クローブ、ココナッツ、コーヒー、クリアコーヒー(clear coffee)、ダブルチョコレート、エナジーカウ(energy cow)、グラハムクラッカー、グレープジュース、青リンゴ、ハワイアンパンチ(Hawaiian punch)、蜂蜜、ジャマイカンラム、ケンタッキーバーボン、キーウィ、koolada、レモン、レモンライム、タバコ、メープルシロップ、マラスキーノチェリー、マシュマロ、メントール、ミルクチョコレート、モカ、マウンテンデュー、ピーナツバター、ペカン、ペパーミント、ラズベリー、バナナ、熟れたバナナ、ルートビア、RY 4、スペアミント、イチゴ、スイートクリーム、スイートタルト、甘味料、トーストアーモンド、タバコ、タバコブレンド、バニラビーンズアイスクリーム、バニラカップケーキ、バニラスワール(vanilla swirl)、バニリン、ワッフル、ベルギーワッフル、スイカ、ホイップクリーム、ホワイトチョコレート、ウィンターグリーン(wintergreen)、アマレット、バナナクリーム、ブラックウォールナット、ブラックベリー、バター、バターラム、チェリー、チョコレートヘーゼルナッツ、シナモンロール、コーラ、クリーム・デ・メント、エッグノッグ、イングリッシュトフィー(English toffee)、グアバ、レモネード、甘草(licorice)、メープル、ミントチョコレートチップ、オレンジクリーム、モモ、ピニャコラーダ、パイナップル、プラム、ザクロ、プラリネとクリーム(pralines and cream)、赤甘草(red licorice)、ソルトウォータータフィー、ストロベリーバナナ、イチゴ、キーウィ、トロピカルパンチ、トゥッティフルッティ、バニラ、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0371】
本発明の実施形態によれば、香味料は、ニコチンの味マスキング及び/又はアルカリ性pH調整剤の味マスキングとして使用されてもよい。
【0372】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は滑剤を含む。滑剤として二酸化ケイ素を使用してもよい。錠剤に使用可能な他の滑剤も、本発明の範囲内で使用してもよい。
【0373】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤は滑沢剤を含む。ステアリン酸マグネシウム及び/又はフマル酸ステアリルナトリウムを滑沢剤として使用してもよい。錠剤に使用可能な他の滑沢剤も、本発明の範囲内で使用してもよい。
【0374】
すぐに使用できるシステムを本発明の範囲内で使用してもよい。典型的には、そのようなすぐに使用できるシステムは、例えば、充填剤、崩壊剤、滑剤又は同様のものを単一の粉末混合物で置き換えてもよい。この目的に適したすぐに使用できるシステムとしては、Pearlitol Flash(Roquette)、Pharmaburst 500(SPI Pharma)、Ludiflash(BASF)、ProSolv(JRS Pharma)、ProSolv EasyTab(JRS Pharma)、F-Melt(Fuji Chemical)、SmartEx50又はSmartEx100(Shin Etsu/Harke Pharma)が挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤を含むすぐに使用できるシステムを使用することは、特に有利であってもよい。
【0375】
経口投与時に60秒以内に崩壊するように設計されたFDTモジュールを得るために、パラメータの範囲を調整することができる。
【0376】
第1に、組成を変えることによって、崩壊時間を変えることができる。高い水溶性を有する成分を使用すると、崩壊時間の短縮を促進してもよい。
【0377】
特に、崩壊剤を含めると、第1の圧縮モジュールの全組成に応じて、崩壊時間にかなりの影響を及ぼしてもよい。また、崩壊剤の量及び種類を変えることによって、崩壊時間を更に調整してもよい。例えば、崩壊時間がより短い第1の圧縮モジュールが望まれる場合、崩壊剤の含有率を増加させてもよく、及び/又は崩壊剤のタイプを、超崩壊剤などのより有効な崩壊剤と少なくとも部分的に交換してもよい。
【0378】
いくつかの成分は二重の機能を有し、例えば、いくつかの成分は、ある状況では崩壊剤として、別の状況では結合剤として使用されてもよいことに留意されたい。例えば、いくつかの崩壊剤は結合特性を有してもよく、逆もまた同様であってもよい。したがって、結合剤のリストは、崩壊剤のリストと重複してもよい。
【0379】
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、通例の崩壊剤及び超崩壊剤の組合せを含んでもよく、通例の崩壊剤は、経口投与時のある程度の崩壊特性及び製造中の望ましい結合特性に寄与してもよく、超崩壊剤は、経口投与時の迅速な崩壊を確実にする。
【0380】
また、崩壊剤の粒径を小さくすると、おそらく表面積対体積比が増加するため、崩壊時間が短くなる傾向がある。
【0381】
更に、第1の圧縮モジュールを圧縮するために使用される圧縮力は、第1の圧縮モジュールの得られた硬度と有意に相関し、その結果、高い圧縮力は典型的には、得られた第1の圧縮モジュールの硬度を増加させる。第1の圧縮モジュールの硬度を調整することによって、崩壊時間も同様に影響を受けてもよく、その結果、硬度が低下すると典型的には、崩壊時間が短くなる。ここで、いくつかの組成物について、的確な圧縮力を適用することによって、経口投与時に60秒未満の崩壊時間を達成することができる一方、圧縮力が高すぎると、60秒を超える長い崩壊時間をもたらしてもよいことが観察されている。これに関して、閾値圧縮力は、全体の組成、崩壊剤の含有量及び種類などの他のパラメータに応じて大幅に変動してもよいことに留意されたい。例えば、特定の設定では崩壊が遅すぎる場合、更なる調整方法は、通例の崩壊剤を超崩壊剤、すなわち、より効率的な方法で崩壊を促進する超崩壊剤で置き換えることであってもよい。
【0382】
水溶性の増加はまた、水溶性が低い成分を、水溶性がより高い成分と交換することによって促進されてもよい。例えば、充填剤として糖アルコールを使用することは、糖アルコールが代わりの充填剤よりも高い水溶性を有する限り、非常に有利であってもよい。
【0383】
更に、圧縮能力がより低い糖アルコールを使用すると、崩壊時間がより短くなる。圧縮能力が低すぎると、第1の圧縮モジュール及び第2の圧縮モジュールの機械的強度を損なってもよく、望ましくないほど高い破砕性及び亀裂などのリスクにつながってもよい。
【0384】
経口投与時に60秒以内に崩壊するように設計された第1の圧縮モジュールを得るために調整されてもよいパラメータの別の例は、錠剤の全体設計を含む。コアである第2の圧縮モジュール及び周囲の圧縮コーティングである第1の圧縮モジュールを含む錠剤などのいくつかの実施形態では、第1の圧縮モジュールは、層状錠剤設計と比較してより高い露出表面積を有する。露出表面積が増加すると、崩壊時間が減少してもよい。
【0385】
経口投与時に60秒以内に崩壊するように設計された第1の圧縮モジュールを得るために調整されてもよいパラメータの更なる例としては、第1の圧縮モジュール及び錠剤全体のサイズ及び形状が挙げられる。第1の圧縮モジュールの体積が大きいほど、崩壊時間が長くなり、したがってニコチン及びアルカリ性pH調整剤の放出時間が長くなる。
【0386】
例えば、ディスク形状の錠剤について、層状錠剤の平坦度(例えば、直径対高さ比によって定量化される)を増加させると典型的には、表面積対体積を増加させることによって崩壊時間を減少させる。錠剤が十分な機械的強度を有する限り、平坦度を高めてもよい。
【0387】
また、断面プロファイルを凸型ニコチン錠剤から凹型錠剤に変更すると、崩壊時間が短縮される。これは、錠剤の機械的強度をある程度低下させてもよいが、満足するものである限り、凹状断面を追求すると、崩壊を増加させ、したがって崩壊時間を短縮するのに役立ってもよいことに留意されたい。
【0388】
更に、滑沢剤の種類及び量は、もしあれば、崩壊時間を最適化するように調節されてもよい。例えば、フマル酸ステアリルナトリウム(SSF)を使用すると典型的には、ステアリン酸マグネシウムMgStを使用する場合と比較して、崩壊時間が短くなる。
【0389】
したがって、経口投与時に60秒の崩壊時間を有する第1の圧縮モジュールを設計する場合、広範囲のパラメータを調整してもよい。
【0390】
第2の圧縮モジュールを経口投与時に少なくとも2分、例えば少なくとも3分、例えば少なくとも4分、例えば少なくとも5分の崩壊時間を有するように設計する場合、同じパラメータを調整してもよい。
【0391】
第1の圧縮モジュールは経口投与から60秒以内に崩壊するように設計されているので、第2の圧縮モジュールの崩壊時間はニコチン錠剤の崩壊時間に等しい。
【0392】
本発明の実施形態では、ニコチン錠剤の第2の圧縮モジュールは結合剤を含む。
【0393】
いくつかの成分は、例えばある状況では崩壊剤として、別の状況では結合剤として使用されてもよく、いくつかの成分は二重の機能を有することに留意されたい。例えば、いくつかの崩壊剤は結合特性を有してもよく、逆もまた同様であってもよい。したがって、結合剤のリストは、崩壊剤のリストと重複してもよい。
【0394】
本発明の有利な実施形態では、第2の圧縮モジュールは結合剤を含む。
【0395】
使用可能な結合剤としては、アカシアガム、寒天、カラギーナン、キトサン、イヌリン、キサンタンガム、トラガカント、プルラン、グアーガム、ペクチン、キチンなどの多糖類及び修飾多糖類;アルギン酸又はその塩;カルボマー;セルロース;コポビドン;ゼラチン;ポリカルボフィル又はその塩;微結晶セルロース;ポリビニルアルコール;デンプン;アルファ化デンプン;カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの変性セルロース;ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;及びこれらの混合物のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0396】
一実施形態では、本発明の錠剤の第2の圧縮モジュール内に含まれる結合剤は、アルギン酸又はその塩、ポリカルボフィル又はその塩、キサンタンガム、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びそれらの混合物から成る群から選択されてもよい。
【0397】
一実施形態では、本発明の錠剤の第2の圧縮モジュール内に含まれる結合剤は、アルギン酸又はその塩、ポリカルボフィル又はその塩、キサンタンガム、及びそれらの混合物から成る群から選択されてもよい。
【0398】
一実施形態では、本発明の錠剤の第2の圧縮モジュール内に含まれる結合剤は、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はそれらの混合物から成る群から選択されてもよい。
【0399】
いくつかの実施形態では、第1の圧縮モジュールは結合剤を含む。
【0400】
また、例えば、圧縮モジュールのより高い粘着性及び機械的強度を得るために結合剤を使用する場合、そのような結合剤の量は、より高い又はより低い崩壊速度、したがってより長い又はより短い崩壊時間を得るように調整されてもよい。
【0401】
いくつかの実施形態では、第1の圧縮モジュールは、結合剤及び超崩壊剤を含む。
【0402】
結合剤は有利には、第1の圧縮モジュールに含まれてもよく、それによって、錠剤化の間の望ましい粘着性が達成される。モジュールに超崩壊剤も含めることによって、モジュールの望ましい短い崩壊時間を得てもよい。
【実施例
【0403】
実施例1A:第1のモジュールによって完全に取り囲まれた錠剤コアである第2のモジュールを含む錠剤の調製。
第2のモジュールの組成物を、充填剤の約半分を混合ボウルに注ぎ、続いて滑沢剤を除く残りの成分、最後に残りの充填剤を注ぐことによって調製する。成分をミキサー(Turbula又はDuma)を用いて49rpmで4~10分間転回/混合する。
【0404】
滑沢剤を添加し、成分を49rpmで1~2分間更に混合する。
【0405】
第1のモジュールの組成物を、滑沢剤を除く全ての成分を混合ボウルに注ぐことによって調製する。成分をミキサー(Turbula又はDuma)を用いて49rpmで4~10分間転回/混合する。
【0406】
滑沢剤を添加し、成分を49rpmで1~2分間更に混合する。
【0407】
滑沢化された粉末ブレンドを、錠剤成形機のホッパーに順次移す。
【0408】
第2のモジュールの組成物を約3kNの圧縮力で圧縮して錠剤コアを形成する。
【0409】
錠剤コア、すなわち圧縮された第2のモジュールを第2の圧縮装置に移し、その後、第1のモジュールの組成物をコアの周りにプレスコーティングする。
【0410】
組成物を約15~20kNの圧縮力で圧縮して、第2のモジュールを取り囲む第1の圧縮モジュールを形成する。
【0411】
速溶解性錠剤は、回転プレス機、例えばManestry DryCota錠剤プレスで製造される。ニコチン錠剤の重量及び硬度が許容基準に合致するように充填深さ及び圧縮力を調節することによって、錠剤成形機を作動させる。
【0412】
実施例1B:第1のモジュールによって部分的に取り囲まれた錠剤コアである第2のモジュールを含む錠剤の調製。
第2のモジュールの組成物を、充填剤の約半分を混合ボウルに注ぎ、続いて滑沢剤を除く残りの成分、最後に残りの充填剤を注ぐことによって調製する。成分をミキサー(Turbula又はDuma)を用いて49rpmで4~10分間転回/混合する。
【0413】
滑沢剤を添加し、成分を49rpmで1~2分間更に混合する。
【0414】
第1のモジュールの組成物を、滑沢剤を除く全ての成分を混合ボウルに注ぐことによって調製する。成分をミキサー(Turbula又はDuma)を用いて49rpmで4~10分間転回/混合する。
【0415】
滑沢剤を添加し、成分を49rpmで1~2分間更に混合する。
【0416】
滑沢化された粉末ブレンドを、錠剤成形機のホッパーに順次移す。
【0417】
第2のモジュールの組成物を約3kNの圧縮力で圧縮して第2のモジュールを形成する。
【0418】
第1のモジュールの組成物を錠剤成形機に移し、第2のモジュールをパンチシリンダー内に配置し、第1の組成物を圧縮し、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮することによって融合させて、第2のモジュールを部分的に取り囲む第1の圧縮モジュールを形成する。
【0419】
ニコチン錠剤の重量及び硬度が許容基準に合致するように充填深さ及び圧縮力を調節することによって、錠剤成形機を作動させる。
【0420】
実施例1C:
錠剤層である第1及び第2のモジュールを含む錠剤の調製。
第2のモジュールの組成物を、充填剤の約半分を混合ボウルに注ぎ、続いて滑沢剤を除く残りの成分、最後に残りの充填剤を注ぐことによって調製する。成分をミキサー(Turbula又はDuma)を用いて49rpmで4~10分間転回/混合する。
【0421】
滑沢剤を添加し、成分を49rpmで1~2分間更に混合する。
【0422】
第1のモジュールの組成物を、滑沢剤を除く全ての成分を混合ボウルに注ぐことによって調製する。成分をミキサー(Turbula又はDuma)を用いて49rpmで4~10分間転回/混合する。
【0423】
滑沢剤を添加し、成分を49rpmで1~2分間更に混合する。
【0424】
滑沢化された粉末ブレンドを、錠剤成形機のホッパーに順次移す。
【0425】
次に、第2のモジュールを、約3~6kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。別段の指定がない限り、使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0426】
速溶解性錠剤は、実験室規模の機械、例えばRIVA Piccola錠剤プレスで製造される。錠剤の重量及び硬度が許容基準に合致するように充填深さ及び圧縮力を調整することによって、錠剤形成機を作動させる。キャッピングを避けるために予圧力を含めることができた。
【0427】
実施例2:錠剤組成物
実施例2A:
各々350mgの第2のモジュール及び100mgの第1のモジュールを有する450mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0428】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0429】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0430】
【表1】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0431】
第1のモジュール及び第2のモジュール中の糖アルコールとしてマンニトールを使用してもよい。第2のモジュールで使用するための他の使用可能な糖アルコールとしては、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せを挙げてもよい。これらのうち、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、キシリトール、又はそれらの任意の組合せが特に好ましい。第1のモジュールで使用するための他の使用可能な糖アルコールとしては、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、又はそれらの任意の組合せを挙げてもよい。これらのうち、キシリトール、エリスリトール、イソマルト、又はそれらの任意の組合せが特に好ましい。
【0432】
第1のモジュール中のこの量の崩壊剤は、例えばデンプン崩壊剤であってもよい。他の使用可能な崩壊剤の例としては、アルファ化デンプン、セルロース、変性セルロース、微結晶セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、ケイ酸カルシウム、及びそれらの組合せが挙げられる。あるいは、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せなどの超崩壊剤を使用することができたが、使用される超崩壊剤の量を有利に減少してもよい。
【0433】
好ましい高甘味度甘味料(HIS)は、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、及びそれらの混合物であってもよい。例えばアスパルターム、アセスルファムカリウムなどのアセスルファムの塩、アリテーム、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシドなどの他の高甘味度甘味料の、単独又は組合せも、本発明の範囲内で使用可能である。
【0434】
果実香味料、及びそれらの混合物メントール、ペパーミント、及びそれらの混合物を、香味料として上記製剤において使用してもよい。他の香味料もまた、本発明の範囲内で使用してもよい。
【0435】
第1のモジュール中のアルカリ性pH調整剤として炭酸ナトリウムを使用する。更なる使用可能なアルカリ性pH調整剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0436】
第2のモジュール中の酸性pH調整剤としてクエン酸を使用する。更なる使用可能な酸性pH調整剤としては、リン酸、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸一カリウム、酒石酸、酒石酸一ナトリウム、酒石酸一カリウム、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0437】
上記では、MgSt(ステアリン酸マグネシウム)を滑沢剤として使用する。フマル酸ステアリルナトリウムなどの他の滑沢剤も、本発明の範囲内で使用可能であってもよい。
【0438】
C1は、第2の圧縮モジュール中に酸性pH調整剤を含まない比較例である。
【0439】
実施例2B
各々350mgの第2のモジュール及び100mgの第1のモジュールを有する450mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0440】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0441】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0442】
【表2】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0443】
NT11~NT18では、架橋ポリビニルピロリドン、ここではCrospovidone(登録商標)、Kollidon CL-Fを超崩壊剤として使用する。代わりの超崩壊剤としては、例えば、架橋セルロース(Croscarmellose(登録商標)など)、架橋デンプン(デンプングリコール酸ナトリウムなど)及び架橋アルギン酸(アルギン酸NF(登録商標)など)を挙げてもよい。
【0444】
C2は、第1の圧縮モジュール中に崩壊剤を含まない比較例である。
【0445】
NT1~NT8に関連して記載される代替成分を同様に、NT11~NT18に適用してもよい。
【0446】
実施例2C
各々350mgの第2のモジュール及び100mgの第1のモジュールを有する450mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0447】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0448】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0449】
【表3】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤(複数可)の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。酸性pH調整剤がpH調整剤の混合物である場合、モル比とは、第1の圧縮モジュール中のニコチンのモル量に対する酸性pH調整剤(複数可)の総モル量を指す。
【0450】
第1の圧縮モジュールに超崩壊剤を使用する。使用される超崩壊剤は、例えば、Crosspovidone(登録商標)などの架橋ポリビニルピロリドンであってもよい。架橋セルロース、架橋デンプン、架橋アルギン酸、及びそれらの組合せなどの他の使用可能な超崩壊剤を適用することができた。
【0451】
第1のモジュール中のアルカリ性pH調整剤として炭酸ナトリウムを使用する。更なる使用可能なアルカリ性pH調整剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、トロメタモール、アミノ酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0452】
NT21~25及びNT30の第2のモジュールで酸性pH調整剤としてクエン酸を使用する。更なる使用可能な酸性pH調整剤としては、リン酸、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸一カリウム、酒石酸、酒石酸一ナトリウム、酒石酸一カリウム、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0453】
リン酸二水素一ナトリウム-リン酸水素二ナトリウム混合物を、NT26~29の第2のモジュール中の酸性pH調整系として使用する。更なる使用可能な酸性pH調整剤としては、リン酸、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸二水素一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸水素二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナトリウム、リンゴ酸一カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸一カリウム、酒石酸、酒石酸一ナトリウム、酒石酸一カリウム、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0454】
NT1~NT8に関連して記載される代替成分を同様に、NT21~NT30に適用してもよい。
【0455】
実施例2D-様々な酸性pH調整剤及び使用した等価物
各々225mgの第2のモジュール及び75mgの第1のモジュールを有する300mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0456】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0457】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0458】
【表4】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0459】
NT1~NT30に関連して記載される代替成分を同様に、NT31~NT39に適用してもよい。
【0460】
実施例2E:
各々225mgの第2のモジュール及び75mgの第1のモジュールを有する300mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0461】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0462】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0463】
【表5】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0464】
果実香味料は、NT41~49及びC3で使用されている。
【0465】
C3は、第1の圧縮モジュール中にアルカリ性pH調整剤を含まない比較例である。
【0466】
NT1~NT39に関連して記載される代替成分を同様に、NT41~NT49に適用してもよい。
【0467】
実施例2F:
各々225mgの第2のモジュール及び75mgの第1のモジュールを有する300mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0468】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0469】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0470】
【表6】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0471】
NT1~NT49に関連して記載される代替成分を同様に、NT51~NT59に適用してもよい。
【0472】
実施例2G:
各々225mgの第2のモジュール及び75mgの第1のモジュールを有する300mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0473】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0474】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0475】
【表7】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0476】
NT1~NT59に関連して記載される代替成分を同様に、NT61~NT69に適用してもよい。
【0477】
実施例2H:
各々225mgの第2のモジュール及び75mgの第1のモジュールを有する300mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0478】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0479】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0480】
【表8】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0481】
NT1~NT69に関連して記載される代替成分を同様に、NT71~NT79に適用してもよい。
【0482】
実施例2Iーニコチン源及び滑剤
各々350mgの第2のモジュール及び150mgの第1のモジュールを有する500mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0483】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0484】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0485】
【表9】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
**1:2の重量比で担体に吸着された遊離ニコチン塩基
【0486】
NT1~NT79に関連して記載される代替成分を同様に、NT81~NT89に適用してもよい。
【0487】
実施例2J:
各々350mgの第2のモジュール及び150mgの第1のモジュールを有する500mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0488】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0489】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0490】
【表10】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。
【0491】
NT1~NT89に関連して記載される代替成分を同様に、NT91~NT98に適用してもよい。
【0492】
実施例2K:
各々200mgの第2のモジュール及び100mgの第1のモジュールを有する300mgのニコチン錠剤を作製した。錠剤は、実施例1C、すなわち層状設計に従って調製した。しかしながら、錠剤は代替的に実施例1A又は1Bに従って調製することができた。
【0493】
使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、Dツール。
【0494】
第2の圧縮モジュールを、約3kNの圧縮力で圧縮し、その後、第1のモジュールを、約15~20kNの圧縮力で第2のモジュールに圧縮によって融合する。
【0495】
【表11】

第2のモジュール中の酸性pH調整剤の量は、第1のモジュール中のニコチンに対する当量として表される。酸性pH調整剤がpH調整剤の混合物である場合、モル比とは、第1の圧縮モジュール中のニコチンのモル量に対する酸性pH調整剤(複数可)の総モル量を指す。
【0496】
NT1~NT98に関連して記載される代替成分を同様に、NT101~NT108に適用してもよい。
【0497】
試料106、107及び108については、異なる硬度(破壊力)を有するニコチン錠剤を提供するよう圧縮力を調整した。
【0498】
【表12】
【0499】
実施例3A:第1の圧縮モジュールのインビボ崩壊時間。
第1の圧縮モジュールのインビボ崩壊時間を、着色剤を使用して決定してもよい。ニコチン錠剤を、第2の圧縮モジュールに着色剤を添加することによって調製し、それによって2色錠剤が得られた。
【0500】
着色された第2の圧縮モジュールを含む試料錠剤を、8人の被験者の試験パネルで試験した。試験対象は、試験開始の少なくとも30分前から飲食を控える。被験者は、指定の要件に従って客観的に指定された健常者だった。
【0501】
試験のために、錠剤を口内の舌と口蓋との間に配置した。
【0502】
着色されていない白色の第1の圧縮モジュールが完全に崩壊した時間、すなわち残留錠剤に白色が観察されない時間を決定するために、錠剤を5秒毎に目視検査した。
【0503】
【表13】
【0504】
結論:第1の崩壊モジュールは、15秒未満の望ましい短い崩壊時間を有することが分かった。
【0505】
実施例3B:ニコチン錠剤のインビボ崩壊時間。
試料錠剤を8人の被験者の試験パネルで試験した。試験対象は、試験開始の少なくとも30分前から飲食を控える。被験者は、指定の要件に従って客観的に指定された健常者だった。
【0506】
被験者は、1分後に唾液を嚥下し、その時点の前には嚥下しないように指示された。
【0507】
被験者は、錠剤の完全な崩壊を感知する時間を報告する。被験者によって報告された平均崩壊時間を各錠剤について計算する。
【0508】
【表14】
【0509】
結論:試験した錠剤は全て、5分未満の崩壊時間を有することが分かった。
【0510】
異なる硬度(破壊力)を有する試料106、107及び108のニコチン錠剤についても、インビボ崩壊時間を試験した。
【0511】
【表15】
【0512】
実施例3C:pH調整剤の放出のインビボ試験
試料錠剤を8人の被験者の試験パネルで試験した。試験対象は、試験開始の少なくとも30分前から飲食を控える。被験者は、指定の要件に従って客観的に指定された健常者だった。
【0513】
試験のために、錠剤を口内の舌と口蓋との間に配置した。被験者は、1分でpH測定を行った後に唾液を嚥下し、その時点の前には嚥下しないよう指示された。
【0514】
0、0.5、1、2、3及び5分後、唾液pHを所望の時点(15、30、45秒、1、1.5、2、3、4及び5分)で測定した。唾液pHは、標準pHストリップを使用して口腔唾液中で直接測定した。
【0515】
被験者の平均唾液pHを異なる時間に計算する。
【0516】
上記で概説した方法を適用して、選択した試料のインビボpHプロファイルを得た。
【0517】
【表16】
【0518】
結論:試験は、第1の圧縮モジュール中にアルカリ性pH調整剤を含み、第2の圧縮モジュール中に酸性pH調整剤を含む錠剤が、望ましいpHプロファイル、すなわち、使用の初期時間中に7.5を超える所望のpHを提供し、続いて7.5未満のpHへ低下することを実証する。
【0519】
実施例3D:口腔及び咽喉における灼熱の感覚の評価
ニコチン灼熱感を、10人の訓練された評価者の試験パネルによって評価した。最初に、口内の舌と口蓋との間に代表的な標準ニコチン錠剤を置き、吸引して完全に崩壊させることによりニコチン灼熱感を較正した。この目的のために、試料C5の第1のモジュールに対応する錠剤を使用した。次いで、各評価者は、口腔内及び咽喉内の灼熱の感覚を1~15の尺度で評価し、15が最も強い灼熱感である。各評価者は、全ての試料を2回評価する。評価は、示された期間について記録される。平均値を計算する。
【0520】
【表17】
【0521】
結論:試験は、第2の圧縮モジュール中に酸性pH調整剤を含む錠剤が、酸性pH調整剤を含まない比較錠剤と比較して、全ての時点で有意に低い燃焼スコアを与えることを実証する。第2の圧縮モジュール中に酸性pH調整剤を含む錠剤は、口腔内及び咽喉内の両方の灼熱感に関してより低い灼熱スコアを与えた。
【国際調査報告】