(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】スラッジおよび沈殿物の中を通って移動するロボットソリューション
(51)【国際特許分類】
E21B 44/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
E21B44/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534192
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022028560
(87)【国際公開番号】W WO2023107147
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524214882
【氏名又は名称】アプライド インパクト ロボティクス インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED IMPACT ROBOTICS, INC.
【住所又は居所原語表記】45449 Severn Way, Suite 165, Sterling, Virginia 20166 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブリッジス,フレッド メルヴェル,4世
(72)【発明者】
【氏名】ワーニック,ブランドン ポレット
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB25
2D129BA07
2D129JA00
(57)【要約】
様々な態様は、シャーシと、後方セクションと、前方推進オーガとを含むロボットを含む。シャーシは、前方セクションと、前方セクション内に配置された第1の駆動モータと、後方セクションと、シャーシを流体吸気部および電力線に結合するためのインターフェースと、操縦ジンバルとを含む。前方推進オーガは、前方セクションの前端に配置され、第1の駆動モータに結合される。前方推進オーガは、粘性混合物の少なくとも一部分を流動化させるために、流体を吐出するように構成された少なくとも1つの流体ノズルを含む。前方セクションおよび後方セクションは、操縦ジンバルの枢動軸を中心として互いに選択的に枢動するように構成される。また、前方推進オーガは、操縦ジンバルの枢動軸に垂直な回転軸を中心として前方セクションに対して第1の駆動モータによって回転されるように構成される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシ及び前方推進オーガを含む粘性混合物中を移動するためのロボットであって、
前記シャーシは、
前方セクションと、
前記前方セクション内に配置された第1の駆動モータと、
後方セクションと、
シャーシを流体吸気部および電力線に結合するためのインターフェースと、
前記前方セクションと前記後方セクションとの間に結合され、枢動軸を含む操縦ジンバルと、を含み、
前記前方推進オーガは、
前記前方セクションの先端に配置され、
前記第1の駆動モータに結合され、
前記前方推進オーガに近接する粘性混合物の少なくとも一部を流動化させるために、流体を吐出するように構成された少なくとも1つの流体ノズルを含み、
前記少なくとも1つの流体ノズルから吐出される流体は、前記流体吸気部から供給され、
前記前方セクションおよび前記後方セクションは、前記操縦ジンバルの前記枢動軸を中心として互いに選択的に枢動するように構成され、
前記前方推進オーガは、前記操縦ジンバルの前記枢動軸に垂直な回転軸を中心として前記前方セクションに対して前記第1の駆動モータによって回転されるように構成されるロボット。
【請求項2】
前記後方セクション内に配置された第2の駆動モータと、
前記後方セクションに配置された後方推進オーガと、をさらに備え、
前記後方推進オーガは、前記操縦ジンバルの前記枢動軸に垂直な別の回転軸線を中心として、前記後方セクションに対して前記第2の駆動モータによって回転されるように構成される、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記第1の駆動モータ、前記第2の駆動モータ、前記前方推進オーガ、および前記後方推進オーガは、前記前方推進オーガおよび前記後方推進オーガを互いに回転させるように構成される、請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
シャーシに結合され、前記ロボットの少なくとも一部を振動させるように構成されたバイブレータをさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項5】
前記バイブレータは、前記シャーシを振動させるように構成される、請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記バイブレータは、前記前方推進オーガを振動させるように構成される、請求項4に記載のロボット。
【請求項7】
前記シャーシは、
内側フレームと、
前記内側フレームを取り囲む外側スリーブと、をさらに備え、
前記バイブレータは、前記内側フレームに対して前記外側スリーブを振動させるように構成される、請求項4に記載のロボット。
【請求項8】
前記バイブレータは、前記シャーシの外側に設置される、請求項4に記載のロボット。
【請求項9】
前記シャーシ内にあり、前記少なくとも1つの流体ノズルに流体的に結合された流体吸気部をさらに備え、
前記流体吸気部は、流体の遠隔源から前記ロボットに一次流体を提供するための流体ラインに結合されるように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項10】
前記シャーシ内にあり、前記少なくとも1つの流体ノズルを通して流体を送り出すように構成された流体ポンプをさらに備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項11】
前記枢動軸を中心に前記前方セクションおよび前記後方セクションを枢動させるように構成された、前記操縦ジンバル内の1つ以上のジンバルアクチュエータアームをさらに備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項12】
前記前方推進オーガは、第1のオーガブレードのセットおよび第2のオーガブレードのセットを含み、
前記第1のオーガブレードのセットおよび第2のオーガブレードのセットは、互いに逆回転するように構成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項13】
前記第1のオーガブレードのセットは、同じ方向に回転するように構成された2つの軸方向にオフセットされたオーガブレードの列を含み、
前記第2のオーガブレードのセットのうちの少なくともいくつかは、前記2つの軸方向にオフセットされたオーガブレードの列の間に配置される、請求項12に記載のロボット。
【請求項14】
前記前方推進オーガは、軸方向にオフセットされたオーガブレードの列を含み、
前記軸方向にオフセットされたオーガブレードの列のうちの少なくとも1つは、互いに離間した複数のオーガブレードを含む、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項15】
前記インターフェースは、流体吸気部と電力線との組み合わせである、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項16】
前記流体吸入ラインは、前記シャーシから離れたフロートに接続されている、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項17】
前記シャーシは、前記少なくとも1つの流体ノズルから吐出された前記流体を貯蔵するための内部貯蔵チャンバをさらに備える、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項18】
前記操縦ジンバルは、4組のガイドバーおよびプッシュロッドを含む、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項19】
前記前方推進オーガは、前記軸方向に離間された列の各々に別個のオーガブレードを有する軸方向に離間した列を含む、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項20】
前記前方推進オーガは、2つ以上の流体ノズルを含む、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項21】
前記シャーシを取り囲む外側スリーブをさらに備え、
前記外側スリーブは、前記シャーシから独立して振動するように構成される、請求項1乃至20のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項22】
前記前方推進オーガは、逆回転オーガブレードを含む、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項23】
1つまたは複数の前記オーガブレードは、低摩擦コーティングされる、請求項1乃至22のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項24】
前記第1の駆動モータおよび前記第2の駆動モータのいずれかまたは両方は、前記前方推進オーガおよび/または前記後方推進オーガを異なる回転速度で回転させるように構成される、実施例1乃至23のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項25】
粘性混合物を生成する一次流体の下に配置された粘性混合物中でロボットを操縦する方法であって、
ロボットは、前方セクションと、後方セクションと、前記前方セクションと前記後方セクションとの間に結合された操縦ジンバルと、を支持するシャーシを含み、
前記操縦ジンバルは、
枢動軸を中心として前記前方セクションおよび前記後方セクションを互いに枢動するように構成された前記枢動軸と、
前記前方セクションの先端に配置され、第1の駆動モータに結合された前方推進オーガと、を有し、
前記前方推進オーガは、一次流体を射出するように構成された少なくとも1つの流体ノズルを含み、
前記方法は、
前記粘性混合物の中や近くに前記ロボットを配置し、
前記一次流体の一部を、前記シャーシに結合されたインターフェースに、前記前方推進オーガ内の前記少なくとも1つの流体ノズルを通してポンピングし、それによって、前記ロボットを取り囲む粘性混合物の一部を流動化させ、
前方推進オーガを回転させるように構成された駆動モータを作動させて、前記粘性混合物の前記流動部分を通ってロボットを推進させることを含む、方法。
【請求項26】
枢動動作を実行するために、前記操縦ジンバルを作動させて、前記枢動軸を中心として前記後方セクションに対して前記前方セクションを枢動させることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記後方セクションに配置された後方推進オーガを回転させるように構成された第2の駆動モータを作動させることをさらに含み、
前記第1および第2の駆動モータは、前記前方および後方推進オーガを互いに逆回転させるように構成される、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記前方推進オーガを回転させるために前記駆動モータを作動させることは、第1のオーガブレードのセットと第2のオーガブレードのセットとを互いに逆回転させる、請求項25乃至27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ロボットの少なくとも一部を振動させるために、前記シャーシ内のバイブレータを作動させることをさらに含む、請求項25乃至28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記ロボットを前記一次流体の遠隔源に結合することと、
前記前方推進オーガ内の前記少なくとも1つの流体ノズルを通して前記一次流体をポンピングしながら、前記ロボットに前記一次流体を搬送することと、をさらに含む、請求項25乃至29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
前記ロボットが高粘度流体で動作しているとき、前記ロボットが比較的低粘度流体で動作しているときの回転速度よりも高い回転速度で、前記前方推進オーガおよび/または前記後方推進オーガのいずれかまたは両方を回転させるための前記駆動モータをさらに備える、請求項25乃至30のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月6日に出願された米国特許出願第17/543,344号明細書に対して優先権を主張し、それは参照によって本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
船舶、パイプライン、船などを検査するために様々な流体内を移動することができる自走式ロボット検査装置には、多くの用途がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、オイル、スラッジ、沈殿物、砂、または他の粘性混合物中で動作するロボットは媒体中を移動することが困難であり、頻繁に動けなくなる。粘性流体および混合物中で自走式ロボットが移動する際の課題により、自走式ロボットが動作できる環境の種類が制限される。例えば、現代のロボットは、原油貯蔵タンクや厚いもしくは重い沈殿物を有する他の種類のタンクの内部を検査することができない場合がある。このことは検査のためにこのようなタンクを排水することを必要とし、定期的な検査を実施するために必要とされる費用および遅延が増加する。さらに、検査のためにタンクから流体(例えば、オイル)および沈殿物(すなわち、粘性混合物)を除去するために、スラッジを除去および/または緩めるために化学物質が使用される。このような化学物質は刺激が強く、高価であり、環境問題を引き起こす可能性がある。プローブをスラッジに強制的に通すブルートフォースのアプローチは、成功したとしても、実用的であるにはあまりにも多くの電力を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な態様は、ロボットが粘性混合物中(viscous mixtures)を移動するためのデバイス、システム、および方法を含む。ロボットは、シャーシと、後方セクションと、前方推進オーガ(forward propulsion auger)とを含むことができる。シャーシは、前方セクションと、前方セクション内に配置された第1の駆動モータと、後方セクションと、操縦ジンバル(maneuvering gimbal)とを含むことができる。前方推進オーガは、前方セクションの前端に配置され、第1の駆動モータに結合されてもよい。前方推進オーガは前方推進オーガに隣接する粘性混合物の少なくとも一部を流動化させるために、流体を吐出するように構成された少なくとも1つの流体ノズル(fluid nozzle)を含むことができる。前方セクションおよび後方セクションは、操縦ジンバルの枢動軸(pivot axis)を中心として互いに選択的に枢動するように構成されてもよい。また、前方推進オーガは、操縦ジンバルの枢動軸に垂直な回転軸を中心として前方セクションに対して第1の駆動モータによって回転されるように構成されてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、ロボットはまた、第2の駆動モータおよび後方推進オーガ(rear propulsion auger)を含んでもよい。第2の駆動モータは、後方セクション内に配置されてもよい。後方推進オーガは、後方セクションに配置されてもよい。後方推進オーガは、操縦ジンバルの枢動軸に垂直な別の回転軸を中心として後方セクションに対して第2の駆動モータによって回転されるように構成されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の駆動モータ、第2の駆動モータ、前方推進オーガ、および後方推進オーガは、前方および後方推進オーガを互いに回転させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ロボットはまた、シャーシに結合され、ロボットの少なくとも一部分を振動させるように構成されたバイブレータを含んでもよい。バイブレータは、シャーシを振動させるように構成されてもよい。バイブレータは、前方推進オーガを振動させるように構成されてもよい。シャーシは、内側フレームと、内側フレームを取り囲む外側スリーブ(outer sleeve)とを含んでもよい。バイブレータは、内側フレームに対して外側スリーブを振動させるように構成されてもよい。バイブレータは、シャーシの外側に取り付けられてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、ロボットはシャーシ内に流体吸気部(fluid intake)を含み、少なくとも1つの流体ノズルに流体的に結合することができる。流体吸気部は、流体の遠隔源(remote source)からロボットに一次流体を提供するための流体ラインに結合されるように構成されてもよい。ロボットはシャーシ内に流体ポンプ(fluid pump)を含み、少なくとも1つの流体ノズルを通して流体を送り出すように構成されてもよい。ロボットは、枢動軸を中心に前方セクションおよび後方セクションを枢動させるように構成された、操縦ジンバル内の1つまたは複数のジンバルアクチュエータアーム(gimbal actuator arms)を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、前方推進オーガは、第1のオーガブレード(first set of auger blades)のセットと第2のオーガブレードのセット(second set of auger blades)とを含むことができる。第1および第2のオーガブレードのセットは、互いに逆回転するように構成されてもよい。第1のオーガブレードのセットは、同じ方向に回転するように構成された2つの軸方向にオフセットされたオーガブレードの列を含むことができる。第2のオーガブレードのセットのうちの少なくともいくつかは、2つの軸方向にオフセットされたオーガブレードの列の間に配置されてもよい。前方推進オーガは軸方向にオフセットされたオーガブレードの列を含むことができ、軸方向にオフセットされたオーガブレードの列のうちの少なくとも1つは、互いに離間された複数のオーガブレードを含む。
【0009】
様々な態様は、粘性混合物を生成した一次流体(primary fluid)の下に配置された粘性混合物中でロボットを操縦する方法を含む。この方法では、ロボットが前方セクションと、後方セクションと、前方セクションと後方セクションとの間に結合された操縦ジンバルとを支持するシャーシを含むことができる。操縦ジンバルは、枢動軸を中心として前方および後方を互いに枢動させるように構成された枢動軸を有することができる。前方推進オーガは、前方セクションの前端に配置され、第1の駆動モータに結合されてもよい。前方推進オーガは、一次流体を吐出するように構成された少なくとも1つの流体ノズルを含むことができる。本方法は、ロボットを粘性混合物中またはその近くに配置することを含むことができる。一次流体の一部は、前方推進オーガ内の少なくとも1つの流体ノズルを通してポンピングされ、それによって、ロボットを取り囲む粘性混合物の一部分を流動化させることができる。前方推進オーガを回転させるように構成された駆動モータを作動させて、粘性混合物の流動部分の中でロボットを推進させることができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法が枢動動作を実行するために、枢動軸の周りで後方セクションに対して前方セクションを枢動させるように、操縦ジンバルを作動させることを含むことができる。後方セクションに配置された後方推進オーガを回転させるように構成された第2の駆動モータも作動させることができる。第1および第2の駆動モータは、前方および後方推進オーガを互いに回転させるように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、前方推進オーガを回転させるために駆動モータを作動させることは、第1のオーガブレードのセットと第2のオーガブレードのセットとを互いに回転させることができる。
【0012】
本方法は、ロボットの少なくとも一部を振動させるためにシャーシ内のバイブレータを作動させることを含むことができる。本方法は、ロボットを一次流体の遠隔源に結合することを含むことができる。加えて、一次流体は、前方推進オーガ内の少なくとも1つの流体ノズルを通して一次流体をポンピングしながらロボットに搬送されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は特許請求の範囲の例示的な実施形態を示し、上記で与えられた一般的な説明および以下で与えられる詳細な説明とともに、特許請求の範囲の特徴を説明するのに役立つ。
【
図1】
図1は、様々な実施形態による、逆回転オーガを有する粘性混合物中を移動するためのロボットの部分分解斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、様々な実施形態による、線形構成における、オーガなしで分離されたシャーシの斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、様々な実施形態による、非線形構成における、
図2Aのシャーシの斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、様々な実施形態による、ロボットによって実行される様々な移動の斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、様々な実施形態による、ロボットによって実行される様々な移動の斜視図である。
【
図3C】
図3Cは、様々な実施形態による、ロボットによって実行される様々な移動の斜視図である。
【
図3D】
図3Dは、様々な実施形態による、ロボットによって実行される様々な移動の斜視図である。
【
図4】
図4は、様々な実施形態による、作業環境において移動するロボットの概略図である。
【
図5】
図5は、様々な実施形態による、後方推進オーガなしで粘性混合物中を移動するためのロボットの斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、様々な実施形態による、ロボットの前方部分の斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、様々な実施形態による、
図6Aのロボットの前方セクションの断面図である。
【
図7】
図7は、様々な実施形態による、横方向流体ノズルを有する推進オーガの断面図である。
【
図8】
図8は、様々な実施形態による、振動オーガとシャーシとの間の分離ダンパを有する、粘性混合物中を移動するためのロボットの前方部分の側面図である。
【
図9A】
図9Aは、様々な実施形態による、内側フレームに対して振動するように構成された外側スリーブを備えた推進オーガの斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、様々な実施形態による、
図9Aの外側スリーブを備えた推進オーガの正面図および側面図である。
【
図9C】
図9Cは、様々な実施形態による、
図9Aの外側スリーブを備えた推進オーガの正面図および側面図である。
【
図10A】
図10Aは、様々な実施形態による、逆回転推進オーガを備えたロボットの斜視図である。
【
図11】
図11は、様々な実施形態による、二重逆回転オーガを備えた粘性混合物中を移動するためのロボットの側面図である。
【
図12A】
図12Aは、様々な実施形態による、2対の逆回転オーガブレードを有する推進オーガの斜視図である。
【
図12B】
図12Bは、様々な実施形態による、2対の逆回転オーガブレードを有する推進オーガの斜視図である。
【
図13A】
図13Aは、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボットを使用する方法を示すプロセスフロー図である。
【
図13B】
図13Bは、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボットを使用する方法を示すプロセスフロー図である。
【
図13C】
図13Cは、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボットを使用する方法を示すプロセスフロー図である。
【
図13D】
図13Dは、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボットを使用する方法を示すプロセスフロー図である。
【
図13E】
図13Eは、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボットを使用する方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図面において、同一の符号は、可能な限り同一または類似の構成要素に用いる。特定の実施例および実装形態への言及は例示のためのものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0015】
様々な実施形態は、粘性混合物中を移動するように構成されたロボットを含み、これは、オイルタンク内の沈殿物などのスラッジおよび沈殿物の中を通って移動することができる。ロボットは、ロボットの前方セクションに推進オーガを備えてもよく、いくつかの実施形態では、ロボットの後方セクションに推進オーガを備えていてもよい。前方および後方推進オーガは、駆動モータによって回転され、混合物中でロボットを推進することができる。ロボットは、外部化学物質を使用せずに、かつ低エネルギー溶液を使用して、推進オーガの一方または両方の1つ以上のノズルを通して一次流体を吐出することによって、粘性混合物の粘度を局所的に低下させて、ロボットの周囲の混合物の粘度を局所的に低下させることができる。局所的に粘度を低下させると粘性混合物中での移動や操縦が可能になり、物質(すなわち、粘性混合物または粘性混合物に関連する流体)を除去することなく、原油タンクなどの環境における検査が容易になる。様々な実施形態は、ロボットがタンクおよび/または沈殿物の検査および/または分析を行うために粘性混合物環境で動作することを可能にする。様々な実施形態によって提供される技術的利点は、粘性混合物(例えば、沈殿物)を除去することなく、そのようなタンクおよび/または沈殿物の検査が実行できることである。
【0016】
粘性混合条件で動作するための従来のロボットは、粘性を低下させることなくロボットを粘性材料に押し通すブルートフォース法(brute force methods)を使用する(大量のエネルギーを消費する)か、または粘性を低下させるために、化学物質を注入して物質を溶解または改質する。一般的に、コンパクトなロボットにおいて、厚い材料に押し通すのに十分なエネルギーを発生させることは不可能であり、その中での移動は不可能である。
【0017】
様々な実施形態は粘性混合物の粘度を局所的に低下させて、ロボットが粘性混合物中を移動し、操縦できるようにする。具体的には、様々な実施形態は、ロボットまたはロボットの少なくとも先端部に液化ポケット(pocket of liquefaction)を作り出すことができる。いくつかの実施形態は、粘度を下げるために、流体注入によって局所的な液化を達成することができる。いくつかの実施形態は、液体注入とロボット付近の粘性混合物の振動との組合せによって局所的な液化を達成することができ、その両方によってロボットの周囲の領域の粘性が低下する。これらの液化技術は、スラッジ、沈殿物、および砂のような高密度物質において、推進力および操縦力を実現することができる。粘性混合物の液化を引き起こすことは、様々な実施形態によれば、添加された化学物質または異質な化学物質を使用せずに、ロボットが粘性混合物中を移動するために必要とされる電力を最小限にするか、または低減することができる。粘性混合物の粘度が低減されると、逆回転オーガ(counter-rotating augers)およびジンバル方向操縦システム(gimbaled directional maneuvering system)を使用するロボットが作動し、ロボットの周囲の低減された粘度を利用して、物質内を移動することができる。
【0018】
様々な実施形態は、一次流体から蓄積された沈殿物またはスラッジの生成物を含む粘性混合物中を移動するのに適したロボットを含む。このような粘性混合物は、通常、液体および固体の成分または半固体のスラリーで構成されるが、その発生源である一次流体よりもはるかに高い割合の固体成分および/またはより高い粘度を有する。固体成分は、以前に一次流体中に懸濁されていたが、経時的にまたは精製プロセスの一部として底部に沈殿した物質として発生する可能性がある。本明細書において、「一次流体」および「粘性混合物」という用語は、粘性混合物が一次流体の生成物であり、および/または粘性混合物が由来する流体と同じ流体に由来する点で関連している。様々な実施形態では、一次流体が粘性混合物の上方(例えば、一次流体および粘性混合物の両方を貯蔵するタンク内のより高いレベル)から引き出され、推進オーガ内の1つまたは複数のノズルから送り出されてもよい。局所粘度を下げるために一次流体を使用することによって、様々な実施形態では、対象タンク内に含まれる一次流体と異質な化学物質または一次流体を汚染する可能性がある異なる流体を使用する必要性を回避する。
【0019】
様々な実施形態に従って粘性混合物中を移動するように構成されたロボットは、様々な機能を有することができる。1つの機能は、堆積物、砂、または他の厚い粘性物質などの粘性混合物を局所的な方法で改質するように構成され、その領域中または領域を容易に移動するロボットを含む。粘性混合物を改質するために、様々な実施形態では、ロボットの前端のすぐ近くに粘性混合物の液化を作り出すために、ロボットの周囲の流体注入および/または振動を使用することができる。別の機能は、粘性混合物の流動化領域において運動を駆動して、制御された移動および推進を達成する能力を含む。様々な実施形態は、操縦ジンバル(maneuvering gimbal)と組み合わせて1つまたは複数の推進オーガを使用した操縦および推進を可能にする。操縦ジンバルを関節運動させ(articulating)、駆動推進要素を制御することによって、粘性混合物中を移動するようにロボットの速度および/または方向を制御することができる。
【0020】
様々な実施形態によるロボットは、水、石油、または他の同様の液体を貯蔵するタンクの底部の沈殿物などの粘性混合物を貯蔵する流体貯蔵タンクの検査に使用することができる。時間が経つにつれて、スラッジ、沈殿物、および/または他の粒子状物質が流体貯蔵タンクの底部に蓄積し、粘性混合物を除去しないとタンクを検査することができなくなる。様々な実施形態によるロボットは、粘性混合物を貯蔵するタンク内に配置されてもよい。ロボットがタンク内(例えば、底部)の粘性混合物に到達すると、ロボットは液化および推進を生成するように構成されてもよく、これにより、ロボットはタンクを検査することができる。このようにして、ロボットは、粘性混合物の下に埋もれているタンクの領域にセンサを届けるように構成することができ、このセンサは腐食、さび、またはその他の物質の欠陥についてタンクを検査するために使用することができる。様々な実施形態のロボットは、検査のためにタンクをオフラインにする必要のあるタンクを空にし、および/またはタンクを洗浄する必要性を排除することができる。さらに、様々な実施形態のロボットは、詰まりおよび沈殿物に関して同様の問題を有し得る、パイプラインなどの他の液体貯蔵または運搬容器の検査のためにも使用することができる。したがって、様々な実施形態のロボットを使用して、複雑な粘性環境中を移動し、操縦することができる。
【0021】
図1は、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボット100を示す。ロボット100は、シャーシ105を含む。シャーシ105は、操縦ジンバル115の枢動軸A
Pを中心に互いに選択的に枢動するように構成された操縦ジンバル115によって互いに結合された前方および後方シャーシセクション110、120を含むことができる。第1の駆動モータ111は、前方セクション110に組み込まれ、1つまたは複数のオーガブレード114、116を備えた前方推進オーガ112を駆動(すなわち、回転)するように構成することができる。操縦ジンバル115は、前方セクション110および後方セクション120に対する枢動回転を制御する1つまたは複数のアクチュエータによって制御される枢動支持体(pivoted support)を提供する。前方推進オーガ112が推進力を生成するとき、前方および後方シャーシセクション110、120の枢動関係(pivotal relationship)を制御することによって、操縦ジンバル115はロボット100のピッチおよびヨー姿勢を制御することができ、ロボットが粘性混合物中を移動することを可能にする。
【0022】
図1は部分的に分解されたシャーシ105を示し、前方および後方シャーシセクション110、120、ならびに操縦ジンバル115の前方ジンバルセクション(forward gimbal section)115aおよび後方ジンバルセクション(rear gimbal section)115bは、表示を容易にするために互いに分離されている。前方シャーシセクション110は、前方ジンバルセクション115aに固定されている。同様に、後方シャーシセクション120は、後方ジンバルセクション115bに固定されている。また、操縦ジンバル115の前方ジンバルセクション115aおよび後方ジンバルセクション115bは、枢動支持体125およびアクチュエータアーム135を介して互いに結合されてもよい。ジンバルアクチュエータは、アクチュエータアーム135のうちの選択された1つを直線的に移動させ、前方ジンバルセクション115aおよび後方ジンバルセクション115bを互いに移動させることができる。枢動支持体125は、前方および後方ジンバルセクション115a、115bの相対的な動作を、枢動軸A
Pを中心とする互いに対する枢動運動に制限する。アクチュエータアーム135は、前方ジンバルセクション115aと後方ジンバルセクション115bとの間の相対移動をガイドおよび/または制御することができる。前方ジンバルセクション115aおよび後方ジンバルセクション115bが回転可能に固定されると、それぞれに取り付けられた前方および後方シャーシセクション110、120は、互いに回転可能に固定される。前方セクション110および後方セクション120を互いに枢動させることにより、少なくとも前方推進オーガ112による推進力に応じて、粘性混合物中を移動するロボット100の移動のための指向性ステアリング制御(directional steering control)を提供することができる。このようにして、操縦ジンバル115は、ジンバル式方向操縦システムを提供することができる。
【0023】
前方推進オーガ112は、シャーシ105の前端(すなわち、図示の構成では
図1の左側)の枢動軸に取り付けられてもよい。前方推進オーガ112の前方回転軸A
R-Fは、操縦ジンバル115の枢動軸A
Pに垂直である。前方推進オーガ112は、第1の駆動モータ111によって選択的に駆動されて、シャーシ105に対して回転して、ロボット100を粘性混合物中で推進するように構成される。
【0024】
第1の駆動モータ111は電気モータ(例えば、交流(AC)モータ、ブラシ付き直流(DC)モータ、ブラシレスDCモータ、ギヤードDCモータ、サーボモータ、ステッピングモータ、またはリニアモータ)、空気圧モータ、油圧モータ、内燃モータ(すなわち、エンジン)、化学モータ、またはエネルギーを運動に変換する他のデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の駆動モータ111は、前方推進オーガ112を異なる回転速度で回転させるように構成されてもよい。状況や物質によっては、粘度および表面(例えば、オーガブレード114、116)への結合傾向が接触表面の速度に応じて変化するように、スラッジが非ニュートン様式(non-Newtonian manner)で挙動し得ることが判明している。したがって、いくつかの実施形態では、第1の駆動モータ111が、スラッジのオーガブレード114、116への結合(bind)を低減するための高速回転速度、またはブレードに結合したスラッジを除去するための高速回転速度、およびブレードに結合しない液体を介してロボット100を動かすための低速回転速度を含む、回動範囲速度で前方推進オーガ112を回転させるように構成されてもよい。
【0025】
前方推進オーガ112は、前方推進オーガ112に隣接する粘性混合物の一部を流動化させるために流体を吐出するように構成された少なくとも1つの前方流体ノズル118を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前方流体ノズル118は、粘性混合物が由来する流体、または粘性混合物がその生成物である一次流体と同じ流体を吐出するように構成されてもよい。少なくとも1つの前方流体ノズル118から吐出された流体は、前方推進オーガ112の直前および周囲で粘性混合物を流動化するのに役立つ可能性がある。粘性混合物を流動化するのに必要な流体の量は、粘性混合物中にすでに含まれる流体の量、吐出される流体の粘度、および通過される粘性混合物の密度によって決まる。
【0026】
少なくとも1つの前方流体ノズル118から吐出された流体は、粘性混合物(例えば、沈殿物)が収集されたレベルより上のタンク内のより高所など、タンクの遠隔領域から収集される場合がある。ロボット100は少なくとも1つの前方流体ノズル118から流体を引き込み、排出するための流体ポンプ150を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体ポンプ150は、シャーシ105によって支持され、少なくとも1つの流体ノズル118から流体を吐出するように構成されたオンボード流体ポンプ(onboard fluid pump)であってもよい。オンボード流体ポンプ150は、シャーシ105の内部にあってもよく、必要に応じて外部にあってもよい。あるいは流体ポンプは、ロボット100に流体をポンピングするように構成された遠隔流体ポンプ(remote fluid pump)であってもよく、その流体は、少なくとも1つの前方流体ノズル118から吐出されてもよい。いくつかの実施形態では、ロボット100は、少なくとも1つの前方流体ノズル118から吐出するための流体を貯蔵または少なくとも段階的に配置するための内部貯蔵チャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、このような内部チャンバは、ホースまたはパイプを介して遠隔リザーバからの液体で連続的に補充される場合がある。
【0027】
前方推進オーガ112上のオーガブレード114、116は、前方推進オーガ112の中央取り付け点から半径方向外向きに突出してもよい。1つ以上のオーガブレードのセット114、116は、シャーシ105に対して回転されると、ロボット100に推進力を生みだすことができる。このようにして、1つ以上のオーガブレードのセット114、116を第1の回転方向Lに回転させるとロボット100は前方に移動し、一方、第1の回転方向とは反対の第2の回転方向ではロボット100は反対方向に移動する。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のオーガブレードのセット114は、中央取り付け点の円筒形ベース部分の周りを包む1つの連続した螺旋状ねじれ(continuous helical twist)として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、弾丸形状ヘッド(bullet-shaped head)の前端の第2のオーガブレードのセット116は、複数の別個のブレード部として形成されてもよく、各々は意図された移動方向に対してゼロ以外の迎え角(angle of attack)を有する。いくつかの実施形態では、第1のオーガブレードのセット114は、複数の別個のブレード部および/または中央取り付け点の円筒形ベース部分の周りを包む1つの連続した螺旋状ねじれとして一緒に形成される第2のオーガブレードのセット116として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、弾丸形状ヘッドは、オーガブレードの2つ以上の別個のセットではなく、1つの連続した螺旋状ねじれオーガブレードのみを有してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、オーガブレード114、116の第1および/または第2のセットはテフロン(登録商標)、ポリマー、またはスラッジ材料への結合に抵抗するように構成された材料などの低摩擦コーティングを有してもよい。このようなコーティングは、回転によってスラッジがオーガブレードに結合する性質を低減することができる。
【0030】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の液化技術と組み合わせて、ロボットをタンクの底部に向かって引っ張ることが可能な重力を利用することもできる。ロボットを引っ張るために重力を使用するいくつかの実施形態では、推進オーガブレードが必要ないか、または非常に大きくする必要がない場合がある。推進オーガブレードがより小さいか、または全くない場合、ロボットの操縦制御が低下する可能性があるが、本明細書に記載される振動および流体吐出技術はロボットが粘性混合物中を十分に通過するのに十分である可能性がある。
【0031】
いくつかの実施形態では、ロボット100がシャーシ105の後方セクション120(すなわち、図示の構成では
図1の左側)に取り付けられた後方推進オーガ122を含むことができる。後方推進オーガ122は、シャーシ105に対して回転するように第2の駆動モータ121によって選択的に駆動される。第2の駆動モータ112は、後方セクション120内に配置することができる。第2の駆動モータ112は、第1の駆動モータ111と同様に、上記と同じまたは同様の駆動メカニズムを使用してもよい。特に、第2の駆動モータ112は、後方推進オーガ122を異なる回転速度で回転させるように構成されてもよい。前方回転軸
AR-Fと同様に、後方推進オーガ122の後方回転軸A
R-Rは、操縦ジンバル115の枢動軸A
Pに垂直である。しかしながら、シャーシ105の前方セクション110と後方セクション120との間の枢動関係に起因して、前方回転軸A
R-Fおよび後方回転軸A
R-Rもまた、互いに枢動する。あるいは、ロボット100が前方推進オーガではなく、後方推進オーガ122のみを含んでもよい。
【0032】
前方推進オーガ112と同様に、後方推進オーガ122は、後方推進オーガ122の弾丸形状のヘッドから半径方向外向きに突出する後方オーガブレード124、126の1つまたは複数のセットを含むこともできる。1つ以上の後部オーガブレード124、126のセットは、シャーシ105に対して回転されると、ロボット100に推進力を生みだすことができる。このようにして、第2の回転方向Rにおける1つ以上のセットの後部オーガブレード124、126の回転はロボット100を前方に移動させ、一方、第2の回転方向とは反対の第1の回転方向はロボット100を反対方向に移動させる。前方オーガブレードと同様に、後方オーガブレード124、126はブレード表面へのスラッジの結合を低減するために、テフロン(登録商標)などの低摩擦コーティングでコーティングされてもよい。
【0033】
後方推進オーガ122は、少なくとも1つの前方流体ノズル118からの吐出のための流体を収容するように構成された少なくとも1つの後方流体ポート128を含むことができる。流体吸入ライン(fluid intake line)(例えば、
図4の410)は、少なくとも1つの後方流体ポート128に結合されてもよい。または、流体吸入ラインはロボット100の移動方向(すなわち、前方または後方)に応じて、流体が少なくとも1つの前方流体ポート118または後方流体ポート128のいずれかに向けられるように、シャーシ105に結合されてもよい。
【0034】
前方および後方推進オーガ112、122は互いに反対方向に回転するように構成することができ(すなわち、逆回転オーガ(counter-rotating augers))、これにより、前方および後方推進オーガ112、122が回転してロボット100が粘性混合物中を移動するときにシャーシ105による回転が減少または除去される。このようにして、前方および後方推進オーガ112、122の逆回転により、ロボット100が操縦される。加えて、推進オーガ112、122の各々の回転速度は、独立して制御することができる。前方推進オーガ112および後方推進オーガ122に異なる速度を使用することにより、ロール操作を誘導することができる。ロボット100はより速い推進オーガ(例えば、112、122)の回転方向と反対に回転する傾向がある。例えば、前方推進オーガ112が後方推進オーガ112よりも速く回転しており、前方推進オーガ112が時計回りに回転している場合、ロボット100は反時計回り方向に回転するように誘導される可能性がある。
【0035】
必要に応じて、シャーシ105の前方セクションおよび後方セクション110、120の一方または両方は、回転防止安定装置として機能し得る1つまたは複数の突出フィン(protruding fins)を含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ロボットはバイブレータ(すなわち、振動エンジン)を含むことができ、これはロボットの周囲の粘性混合物を緩めるかまたは液化を促進し、ロボット100が粘性混合物中を移動することをさらに可能にすることができる。バイブレータは少なくとも1つの前方流体ノズル118から吐出された流体(例えば、一次流体)と組み合わせて動作して、粘性混合物の液化を促進することができる。バイブレータは、ロボット100の選択された部分の中または上に配置することができる。あるいは、バイブレータがロボット100全体を囲んでいてもよい。バイブレータはまた、ロボット100に直接組み込まれてもよく、またはロボット100の周囲で動作するフローティングアタッチメントとして一体化されてもよい。
【0037】
図1に示されるように、シャーシ105の前方セクションおよび後方セクション110、120は、それぞれ、外部バイブレータ130、132を含んでもよい。外部バイブレータ130、132は、互いに同期して、または同期していない状態で振動することができる。また、バイブレータ130、132自体が振動することに加えて、バイブレータは、シャーシ105、その少なくとも外部シェル、ならびに/または前方および/もしくは後方推進オーガ112、120を振動させるように構成されてもよい。バイブレータ130、132によって生成される振動は、線形であっても回転であってもよい。バイブレータ130、132は、電動、空気圧、油圧、および/または他の手段によって振動を発生させることができる。生成された振動の振幅および周波数は、周囲の粘性混合物の粘度変化を容易にするように設計/調整することができる。ロボット100はバイブレータ130、132からの振動が液化現象を作り出すことができるように、そのすぐ隣の領域に十分な液体を有する必要がある。
【0038】
ロボット100が中を通る必要がある粘性材料に応じて、流体吐出または振動技術の一方または両方が、ロボット100によって含まれ、および/または使用されてもよい。より重く、より粘性の混合物(例えば、砂)の場合、ロボットがそこを通って移動するために、流体吐出と振動との組み合わせが必要になる可能性がある。
【0039】
図2Aおよび
図2Bは、推進オーガなしに分離された、代替の操縦ジンバル215を有するシャーシ205を示す。
図2Aおよび
図2Bに示す方向では、左側を前方端部と呼び、左側を後方端部と呼ぶ。シャーシ205は前方および後方シャーシセクション210、220を含み、それらの間に操縦ジンバル215を有する。前方および後方シャーシセクション210、220は、各々、円筒形状を有してもよい。操縦ジンバル215はガイドバー230、プッシュロッド240、および回転防止ピン242などの様々な構成要素を含むことができ、これらが連動して前方および後方シャーシセクション210、220の枢動運動を制御する。操縦ジンバル215は、いくつかの実施形態による、4組のガイドバー230、プッシュロッド240、および回転防止ピン242を含むものとして示されている。いくつかの実施形態は、ガイドバー230、プッシュロッド240、および回転防止ピン242のセット数が多くまたは少なくなる場合がある。
【0040】
後方シャーシセクション220の円筒形前方端部222は、後方シャーシセクション220の残りの部分よりも小さい外径を有することができる。より狭い円筒形前方端部222は、前方シャーシセクション210の後方端部に固定され、後方シャーシセクション220に向かって延びるガイドバー230の間に嵌合するように構成される。ガイドバー230の各々は、1つの回転防止ピン242を収容するように構成されたガイドスロット232を含むことができる。各回転防止ピン242は、後方シャーシセクション220の円筒形前方端部222に結合され、そこから延びることができる。また、回転防止ピン242の各々は、後方回転軸AR-Rから半径方向に離れて延在し、それぞれのガイドスロット232を通過してもよい。このようにして、回転防止ピン242は、前方および後方シャーシセクション210、220が互いに移動するときに、それぞれのガイドスロット232の長手方向の延在の範囲内でスライドするように構成することができる。
【0041】
プッシュロッド240(すなわち、アクチュエータアーム)は前方シャーシセクション210の後方端部から後方シャーシセクション220に向かって延在してもよく、ガイドバー230および回転防止ピン242と同様に、90度間隔または120度間隔のいずれかで離間される。プッシュロッド240は、個々のプッシュロッド240を前方シャーシセクション210から後方シャーシセクション220に対して伸縮させるように構成されたアクチュエータモータによって別々に制御されてもよい。このように、各プッシュロッド240は、他のプッシュロッド240とは異なる程度まで伸縮することができる。また、各プッシュロッド240vは、各回転防止ピン242のベース部分のボールジョイント244を介して回転防止ピン242の別体に連結されている。プッシュロッド240は、前方および後方シャーシセクション210、220の間の相対移動をガイドおよび/または制御することができる。前方および後方シャーシセクション210、220の間のこのような相対運動は、それらの間の枢動運動を含むことができる。前方および後方シャーシセクション210、220を互いに枢動させることにより、粘性混合物中を移動するロボット(例えば、100)の移動方向のステアリング制御を提供することができる。このようにして、操縦ジンバル215は、ジンバル式方向操縦システムを提供することができる。
【0042】
図2Aは、いくつかの実施形態による、前方回転軸A
R-Fが後方回転軸A
R-Rと平行である線形構成のシャーシ205を示す。対照的に、
図2Bは様々な実施形態による、前方回転軸A
R-Fが後方回転軸A
R-Rに平行ではなくなった非線形構成のシャーシ205を示す。プッシュロッド240を制御するアクチュエータモータはプッシュロッド240のうちの少なくとも1つを、他のプッシュロッド240よりも前方シャーシセクション210からさらに離れるように延在させることができ、これは、前方および後方シャーシセクション210、220の互いに対する枢動運動を引き起こす。
【0043】
図3A~
図3Dは、様々な実施形態による、移動を実行するロボット100を示す。
図3A~
図3Dでは第1および第2の回転方向R、Lは前方および後方シャーシセクション110、120ならびに操縦ジンバル115に対して相対的である。
【0044】
図3Aでは、ロボット100が図示の方向で下方に向かって直進している。前進動作を実行するために、ロボット100は前方推進オーガ112を第1の回転方向Rに、後方推進オーガ122を第2の回転方向Lに回転させながら、前方回転軸(すなわち、A
R-F)を後方回転軸(すなわち、A
R-R)と平行に維持する。
【0045】
図3Bでは、ロボット100が図示の方向の上方である直進後方に移動している。後退動作を実行するために、ロボット100は前方推進オーガ112を第2の回転方向Lに、後方推進オーガ122を第1の回転方向Rに回転させながら、後方回転軸(すなわち、A
R-R)を前方回転軸(すなわち、A
R-F)と平行に維持する。
【0046】
図3Cでは、ロボット100が図示の方向で左下に枢動しながら前進している。前進枢動動作を実行するために、操縦ジンバル115は前方推進オーガ112を第1の回転方向Rに回転させ、後方推進オーガ122を第2の回転方向Lに回転させながら、前方シャーシセクション110を後方シャーシセクション120に対して枢動させる。
【0047】
図3Dにおいて、ロボット100は、図示の方向で左上に枢動しながら後退している。後退枢動動作を実行するために、操縦ジンバル115は前方推進オーガ112を第2の回転方向Lに回転させ、後方推進オーガ122を第1の回転方向Rに回転させながら、前方シャーシセクション110を後方シャーシセクション120に対して枢動させる。
【0048】
図4は、様々な実施形態による、作業環境400において移動するロボット100を示す。
図4において、ロボット100はタンク50(すなわち、貯蔵容器)内に浸漬された状態で示されており、当該タンクの底部には、一次流体60と、厚い沈殿物層の形態の粘性混合物70とが含まれている。ロボット100は、粘性混合物70内に浸漬され、タンク50の底部に向かって移動するように示されている。
【0049】
いくつかの実施形態では、ロボット100は、収集ホース(collection hose)、テザーライン(tether line)、またはパイプの形態の流体吸入ライン410を含むことができ、これはロボット100から(例えば、少なくとも1つの後方流体ポート128に接続されて)粘性混合物70を越えて、同じくタンク50の内側にある粘性混合物70に関連する一次流体60の中に延在する。流体吸入ライン410は一次流体60の一部を吸入するために(すなわち、吸引など)使用されてもよい。流体吸入ライン410の遠端419で収集された吸入流体63は、ロボット100の前方および/または前方端部の周りで少なくとも1つの前方流体ノズル(例えば、118)から排出するために、ロボット100のシャーシ(例えば、105)を通過するように構成されてもよい。吐出された流体67は、少なくとも1つの前方流体ノズル118から、ロボット100の前方の粘性混合物70を流動化するか、または流動化するのに役立つように構成されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、流体吸入ライン410は、遠端419がタンク50の最上位に留まることを確実にするフロート420に接続されてもよい。フロート420は浮力装置またはその他のテザー(例えば、タンク50の上部に取り付けられたケーブル)とすることができ、遠端419が一次流体60によって取り囲まれたままであり、粘性混合物70に沈まないことを確保する。または、流体吸入ライン410は軽量チューブから形成されてもよく、自然に浮く性質を有してもよく、したがって、一次流体60が収集されるタンクの上層に留まる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ロボット100が吸入流体63を吸引し、吐出された流体67を排出するのに必要な負圧を生成するように構成された流体ポンプを含むことができる。あるいは、流体ポンプがフロート420内に、またはタンク50の外側に配置されてもよい。タンクの外側に位置する流体ポンプは、流体吸入ライン410がロボット100からタンクの外側の流体ポンプまで延在し、一次流体60の収集のためにタンクの上層に戻ることを必要としてもよい。
【0052】
ロボット100は必要に応じて、ロボット100のシャーシ(例えば、105)からタンク430の外部の電源まで延在し得る電力線430を含んでもよい。必要に応じて、電力線430はフロート420を通過して、センサまたは流体ポンプなどのその中の他の構成要素に電力を供給することができる。
【0053】
図5は、様々な実施形態による、粘性混合物中を移動するためのロボット500を示す。ロボット500は、互いに結合され、前方セクションおよび後方セクション510、520との間に配置された操縦ジンバル515の枢動軸A
Pを中心に互いに選択的に枢動するように構成された前方および後方シャーシセクション510、520とを有するシャーシ505を含む。しかしながら、
図1~
図4に関して上述したロボット100とは対照的に、ロボット500は、後方推進オーガを含まない。操縦ジンバル515は、前方および後方シャーシセクション510、520の互いに対する枢動回転を制御する1つまたは複数のアクチュエータによって制御される枢動支持体を提供することができる。前方推進オーガ112が推進力を生成するときに前方および後方シャーシセクション510、520の枢動関係を制御することによって、操縦ジンバル515はまた、ロボット500が移動するときのロボット500のピッチ姿勢およびヨー姿勢を制御することができる。後方推進オーガがない場合、ロボット500は移動性が低下する可能性があるが、パイプなどの線形調査環境では依然として適用可能である。
【0054】
図6Aおよび
図6Bは、様々な実施形態によるロボット600の前方部分の分離図を示す。具体的には、ロボット600が前方シャーシセクション610と、代替の前方推進オーガ612とを含む。代替の前方推進オーガ612は
図1に関して説明した前方および/または後方推進オーガ112、122と実質的に同様であるが、異なるオーガブレード614のセットを有する。図示のように、オーガブレード614は、各列に4つの別個のブレードを有する2つの軸方向に離間した列から構成されてもよい。
【0055】
図6Bは、
図6Aに示すロボット600の前方部の断面図である。図示のように、代替の前方推進オーガ612は、前方シャーシセクション610を収容するように構成された第1の収容チャンバ615を含む。加えて、代替の前方推進オーガ612は、代替の前方推進オーガ612に回転を伝達することができるオーガハブ(auger hub)670を収容するように構成された第2の収容チャンバ617を含むことができる。
【0056】
前方シャーシセクション610は、シャーシ610の振動を直接引き起こすように構成された内部バイブレータ630などの様々な構成要素を収容することができる。加えて、前方シャーシセクション610は、中空駆動シャフト650に結合された駆動ギア645を動かすように構成された駆動モータ611を収容することができる。中空駆動シャフト650はシャーシマウント660内で回転し、密封ベアリング657によってその中に密封されるように構成された駆動ハブ655に回転を伝達することができる。シャーシマウント660は前方シャーシセクション610に固定することができ、これは、その中に構成要素を収容するための円筒形構造体として形成することができる。中空駆動シャフト650はまた、シャーシマウント660の前方端部の外側に位置するオーガハブ670に回転を伝達することもできる。オーガハブ660は代替の前方推進オーガ612に結合されてもよく、中空駆動シャフト650およびオーガハブ670の回転は代替の前方推進オーガ612を回転させる。
【0057】
内部流体吸入ライン680は少なくとも1つの後方流体ポート(例えば、
図1の128)および/または外部流体吸入ライン(例えば、
図4の410)から流体を受け取るように構成される。オンボード(onboard)および/またはリモート流体ポンプは一次流体(例えば、
図4の60)の一部を内部流体吸入ライン(internal fluid intake line)680内に、前方流体ノズル618に向かって生じさせる(すなわち、促進する)圧力を供給することができる。したがって、一部の一次流体は、流体空孔(fluid holes)685を介して、内部流体吸入ライン680から中空駆動シャフト650の内部に導かれる可能性がある。流体空孔685は、流体空孔685の近傍で中空駆動シャフト650を取り囲む比較的小さな内部流体チャンバ682と整列させることができる。一次流体は、前方流体ノズル618から吐出される前に、中空駆動シャフト650から外側流体チャンバ690に流れ込む可能性がある。外側流体チャンバ690は、代替の前方推進オーガ612の内側と前方シャーシセクション610との間に形成された空洞であってもよい。前方流体ノズル618から吐出される一次流体は、代替の前方推進オーガ612の直前、隣接、および/または取り囲む粘性混合物を流動化するのに役立つ可能性がある。
【0058】
図7は、いくつかの実施形態による別の代替の前方推進オーガ712の断面図である。図示の代替の前方推進オーガ712は、そこから半径方向に突出するオーガブレード714のセットを含む。加えて、代替の前方推進オーガ712は前方シャーシセクション(例えば、
図6Bの610)を収容するように構成された第1の収容チャンバ715を含む。加えて、代替の前方推進オーガ712は、代替の前方推進オーガ712に回転を伝達することができるオーガハブ(例えば、
図6Bの670)を収容するように構成された第2の収容チャンバ717を含んでもよい。
【0059】
さらに、代替の前方推進オーガ712は、2つ以上の流体ノズルを含むことができる。特に、
図1、
図6A、および
図6Bに関して上述した前方流体ノズル118、618と同様の前方流体ノズル718に加えて、代替の前方推進オーガ712は、1つまたは複数の前方横方向ノズル728と、1つまたは複数の中央横方向ノズル738、739とを含むことができる。前方流体ノズル718は、外側流体チャンバ790を代替の前方推進オーガ712の前方の外部領域に接続することができる。外側流体チャンバ790は代替の前方推進オーガ712の内側と前方シャーシセクション(例えば、
図6Bの610)との間に形成された空洞であってもよい。前方流体ノズル718から吐出される一次流体は、代替の前方推進オーガ712の直前で粘性混合物を流動化することを補助することができる。1つまたは複数の前方横方向ノズル728は、外側流体チャンバ790を、代替の前方推進オーガ712の前部に横方向に隣接する外側領域に接続することができる。同様に、1つまたは複数の中央横方向ノズル738、739は、外側流体チャンバ790を、代替の前方推進オーガ712の側部に横方向に隣接する外側領域に接続することができる。
【0060】
様々な実施形態の前方推進オーガ(例えば、112、612、712)には、より多くの流体ノズル、異なる位置の流体ノズル、および/または異なる位置パターンの流体ノズルが含まれていてもよい。
【0061】
上記の実施形態のいくつかにおいて説明されたロボットは、シャーシのシェル全体(例えば、105、205、505、610)を振動させるバイブレータを含む。しかしながら、これらのシャーシは、繰り返しの振動によって破損する可能性がある電子機器を収容する。したがって、様々な実施形態は、バイブレータの振動をシャーシまたは回転オーガから分離する。
【0062】
図8は、様々な実施形態によるロボット800の前方部分の分離図を示す。特に、ロボット800は、前方シャーシセクション810および前方推進オーガ812を含む。ロボット800は前方推進オーガ812を振動させるように構成された内部バイブレータ830を含むことができるが、前方シャーシセクション810および前方シャーシセクション810の後方のロボット800の残りの部分から振動を分離するためにダンパ840が設けられる。このようにして、内部バイブレータ830は前方推進オーガ812を振動させ、前方シャーシセクション810と、その中に収容された電子機器を含むメインシャーシとは無関係に、液化を生じさせることができる。
【0063】
前方推進オーガ812はまた、前方流体ノズル818と、
図1、
図6A、
図6B、および
図7に関して説明した前方および/または後方推進オーガ(例えば、112、122、612、712)と同様の他の同様の要素を含むことができるが、異なるオーガブレード814のセットを有する。図示のように、オーガブレード814は軸方向にオフセットしたオーガブレードの列からなり、オーガブレードの各列は、互いに離間した複数のオーガブレードを含む。ロボット800は、本明細書に記載および図示される他の実施形態の特徴のいずれかをさらに含むことができる。
【0064】
図9A~
図9Cは、様々な実施形態による、ロボット900の前方部分の分離図を示す。ロボット900は、前方シャーシセクション910と、前方推進オーガ912と、振動するように構成された外側スリーブ960とを含む。外側スリーブ960の振動は、前方シャーシセクション910および前方推進オーガ912から分離される。前方シャーシセクション910は、前方シャーシセクション910を取り囲む外側スリーブ960を支持する内側フレームとして機能する。外側スリーブ960はまた、前方推進オーガ912の全部または一部を取り囲むことができる。
【0065】
外側スリーブ960は厚い媒体(thick medium)(例えば、スラッジ)を通して切断するために、薄い、または鋭い前方縁部を有する滑らかな外面を有してもよい。外側スリーブ960は外側スリーブ960と厚い媒体との間の摩擦を促進するために、隆起または他の要素を有することができる。これらの隆起または他の要素は、物質の移動を助け、液化を容易にすることができる。例えば、外側スリーブ960は、内側に延びる突出部として形成された内部バンプ965を含むことができる。あるいは、外側スリーブ960はより少ないまたはより多い数の内部バンプを有する可能性がある。加えて、または代替として、外側スリーブ960は、外部バンプを含んでもよい。
【0066】
外側スリーブ960はレール962上に自由に浮遊(floating)することができ、これにより、外側スリーブ960をロボット900に接続し、拘束したまま、その振動を分離することができる。外側スリーブ960は前述のバイブレータ(例えば、130、132)よりも大きいように見えるが、外側スリーブ960はその薄壁円筒形設計のために質量が小さく、振動に必要な電力が少なくて済む一方で、依然としてロボット900が厚い媒体を通過するのに必要な液化を促進する。
【0067】
図9Cは、
図9Aおよび
図9Bに示すロボット900の断面図である。図示のように、前方シャーシセクション910は、外側スリーブ960の振動を直接引き起こすように構成された内部バイブレータ930を含む様々な構成要素を収容することができる。軸方向運動(すなわち、図示の方向では左側から右側)を与えることができる内部バイブレータ930は、外側スリーブ960を支持する支持アーム964に固定されたレール962に取り付けることができる。レール962はベアリング952を介して前方シャーシセクション910の内側部分に摺動可能に結合することができ、これにより前方シャーシセクションに対するレール962の軸方向移動が可能になる。このようにして、内部バイブレータ930による振動は、前方シャーシセクション910および前方推進オーガ912から独立された外側スリーブ960の、迅速な微振動の形態の、相対的な軸方向運動を与え得る。
【0068】
前方推進オーガ912はまた、前方流体ノズル918と、
図1、
図6A、
図6B、
図7、および
図8に関して説明した前方および/または後方推進オーガ112、122、612、712、812に類似する他の要素とを含むが、オーガブレード914、916のセットを含む2つの異なる軸方向オフセット回転セクション913a、913bを有することができる。第1の回転セクション913aは第1のオーガブレードのセット914を含み、第2の回転セクション913bは、第2のオーガブレードのセット916を含む。2つの異なる回転セクション913a、913bは互いに逆回転することができ、これは第1および第2のオーガブレードのセット914、916も互いに逆回転するように構成されることを意味する。
【0069】
内部流体吸入ライン980は少なくとも1つの後部流体吸入ポート(例えば、
図1の128)および/または外部流体吸入ライン(例えば、
図4の410)から流体を受け取り、その流体を前方流体ノズル918に導くように構成することができる。オンボードおよび/またはリモート流体ポンプは一次流体(例えば、
図4の60)の一部を内側流体吸入ライン980内に、前方流体ノズル918に向かって生じさせる(すなわち、促進する)圧力を供給することができる。前方流体ノズル918から噴出される一次流体は、前方推進オーガ912および外側スリーブ960の直前、これらに隣接、および/または、これらを取り囲む粘性混合物を流動化することを補助することができる。ロボット900は、本明細書に記載され図示される他の実施形態の特徴のいずれかをさらに含んでもよい。
【0070】
図10Aおよび10Bは、様々な実施形態による、二重逆回転推進オーガ(dual counter-rotating propulsion augers)1012、1022を有するロボット1000のそれぞれ斜視図および側面図である。ロボット1000は、前方シャーシセクションおよび後方シャーシセクション1010、1020を有するシャーシ1005と、前方セクションおよび後方セクション1010、1020の間に配置された操縦ジンバル1015とを含む。さらに、ロボット1000は、前方流体ノズル1018および後方流体ノズル1028を含むことができる。
【0071】
細長いロボットの対向する端部に逆回転オーガを設けるのではなく、ロボット1000は互いに近接して逆回転オーガブレードを含む。これにより、ロボット1000付近の材料密度または粘度の変化は、逆回転要素が互いに近づいたときにより良好に処理される傾向がある。これによりロボットの動作を改善することができる。したがって、逆回転推進オーガ1012、1022の各々は、オーガブレードのセットを支持する別個の軸方向オフセットセクション(separate axially offset sections)を含む。前方逆回転推進オーガ1012は、第1の前方オーガブレード1014のセットを有する第1の前方オーガセクション1013aと、第2の前方オーガブレード1016のセットを有する第2の前方オーガセクション1013bとを含むことができる。第1および第2の前方オーガセクション1013a、1013bは、互いに逆回転する。例えば、第1の前方オーガセクション1013aが時計回りに回転する場合、第2の前方オーガセクション1013bは反時計回りに回転する。同様に、後部逆回転推進オーガ1022は、第1の後部オーガブレード1024のセットを有する第1の後部オーガセクション1023aと、第2の後部オーガブレード1026のセットを有する第2の後部オーガセクション1023bとを含むことができる。第1の後部オーガセクション1023aが時計回りに回転する場合、第2の後部オーガセクション1023bは反時計回りに回転する。オーガブレード1014、1016、1024、1026の傾斜角度は全てのオーガセクション(例えば、1013a、1013b、1023a、1023b)が同時に回転するときに、それらが協働して、ロボット1000の同じ移動方向(すなわち、前方または後方)に推進を誘導するような角度にする必要がある。
【0072】
図10Aおよび
図10Bでは、右回りを上向きの矢印で示し、左回りを下向きの矢印で示している。ロボット1000は、本明細書に記載および図示される他の実施形態の特徴のいずれかをさらに含むことができる。
【0073】
図11Aは、様々な実施形態による、強化された二重逆回転推進オーガを有するロボットの側面図である。ロボット1100は、前方シャーシセクション1110および後方シャーシセクション1120を有するシャーシ1105と、前方セクションおよび後方セクション1110、1120の間に配置された操縦ジンバル1115とを含む。加えて、ロボット1100は逆回転推進オーガ1112、1122を含み、これらは、それぞれオーガブレードのセットを支持する別個の軸方向オフセットセクションを含む。
図1に関して説明したロボット(例えば、100)と同様に、ロボット1100は、外部バイブレータ1130、1132を含むことができる。
【0074】
ロボット1100は、流体吸気部と電力線1140とを組み合わせたものを含むことができる。複合流体吸気部(combined fluid intake)および電力線1140はタンクの遠隔部分(例えば、50)から一次流体を供給することができる。複合流体吸気部および電力線1140は、ロボット1100の移動方向(すなわち、前方または後方)に応じて、流体が前方流体ノズル1118または後方流体ポート1128のいずれかに導かれるように、シャーシ1105に結合されてもよい。加えて、複合流体吸気部および電力線1140は、モータ、ポンプ、アクチュエータ、センサなどを含む、ロボット1100の様々な構成要素に電力を供給することができる。
【0075】
前方逆回転推進オーガ1112は、第1の前方オーガブレード1114のセットを有する第1の前方オーガセクション1113aを含むことができる。第1の前方オーガセクション1113aは、別個のオーガブレード1114の軸方向にオフセットされた複数の列を含むことができる。さらに、前方逆回転推進オーガ1112は、第2の前方オーガブレード1116のセットを有する第2の前方オーガセクション1113bを含むことができる。第1および第2の前方オーガセクション1113a、1113bは、互いに逆回転する。例えば、第1の前方オーガセクション1113aが時計回りに回転する場合、第2の前方オーガセクション1113bは反時計回りに回転する。同様に、後部逆回転推進オーガ1122は、第1の後部オーガブレード1124のセットを有する第1の後部オーガセクション1123aと、第2の後部オーガブレード1126のセットを有する第2の後部オーガセクション1123bとを含むことができる。第1の後部オーガセクション1123aは、別個のオーガブレード1124の軸方向にオフセットされた複数の列を含むことができる。第1の後部オーガセクション1123aが時計回りに回転する場合、第2の後部オーガセクション1123bは反時計回りに回転する。オーガブレード1114、1116、1124、1126の傾斜角度は全てのオーガセクション(例えば、1113a、1113b、1123a、1123b)が同時に回転するときに、それらが協働して、ロボット1100の同じ移動方向(すなわち、前方または後方)に推進を誘導するような角度にする必要がある。他の実施形態と同様に、スラッジに接続された駆動モータは、いくつかの状況においてスラッジの非ニュートン特性を利用するなど、異なる回転速度で推進オーガブレード1114、1116、1124、1126を回転させるように構成されてもよい。また、他の実施形態と同様に、オーガブレード1114、1116、1124、1126はブレード表面へのスラッジの結合を低減するために、テフロン(登録商標)などの低摩擦コーティングでコーティングされてもよい。
【0076】
図11では、図示の配向では時計回り方向を上向き矢印で示し、図示の配向では反時計回り方向を下向き矢印で示している。ロボット1100は、本明細書に記載および図示される他の実施形態の特徴のいずれかをさらに含むことができる。
【0077】
図12Aおよび12Bは、様々な実施形態による4セクション逆回転推進オーガ(four-section counter rotational propulsion auger)1200の斜視図である。オーガブレードを用いてロボットの外部表面積を最大化することで、推進力および移動性が向上する可能性がある。例えば、複数の列のオーガブレードを有するロボットは、オーガブレードの列が少ないロボットよりも、推進力および移動性が改善される。4セクション逆回転推進オーガ1200は、シャーシ連結フレーム1210と、ドライバ機構1215、1217、1227と、第1のオーガセクション1213aと、第2のオーガセクション1213bと、第3オーガセクション1213cと、第4オーガセクション1213dとを含む。第1、第2、第3、および第4のオーガセクション1213a、1213b、1213c、1213dの各々は、オーガブレードのセットを含む。第1のオーガブレードのセット1214a、1214bは、第1および第3のオーガセクション1213a、1213c上に配置される。第1のオーガブレードのセット1214a、1214bは、同一方向に一斉に回転するように構成されたオーガブレードの2つの軸方向にオフセットされた列を含む。第2のオーガブレードのセット1216a、1216bは、第2および第4のオーガセクション1213c、1213d上に配置される。第2のオーガブレードのセット1216a、1216bは、同一方向であるが、第1のオーガブレードのセット1214a、1214bとは反対方向に回転するように構成されたオーガブレードの2つの軸方向にオフセットした列を含む。第2のオーガブレードのセット1216aの第1の列は、第1のオーガブレードのセット1214a、1214bの両方の列の間に配置される。同様に、第1のオーガブレードのセット1214bの第2の列は、第2のオーガブレードのセット1216a、1216bの両方の列の間に配置される。
【0078】
内部流体吸入ライン1280は外部流体吸気部口(例えば、
図1の128および/または
図11の1140)から流体を受け取り、その流体を前方流体ノズル1218に導くように構成することができる。前方流体ノズル1218から噴出される一次流体は、4セクション逆回転推進オーガ1200の正面、隣接、および/または取り囲む粘性混合物の流動化を補助することができる。
【0079】
様々な実施形態によるロボットの寸法および/または比率は、意図された動作環境に適するように変化してもよい。シャーシのサイズをコンパクトにし、推進オーガよりも比較的小さく保つようにしてもよい。さらに、シャーシは流体がその中の任意の構成要素と干渉することを防止するように、防水性であるように設計および構成することができる。
【0080】
図13A~13Dは、粘性混合物中を移動するための様々な実施形態によるロボットを使用する例示的な方法1300~1303を示すプロセスフロー図である。
図13A~13Dを参照すると、方法1300~1303およびその動作は粘性混合物中を移動するように構成されたロボット(例えば、100、500、600)を使用して実行することができる。方法1300~1303の動作は、オペレータによって制御されてもよく、またはロボットのプロセッサによって実行されてもよい。このようにして、ロボットは、非自律型、半自律型、または完全自律型の車両として動作することができる。
【0081】
図13Aを参照すると、方法1300において、ブロック1310において、粘性混合物中またはその近くにロボットを配置することができる。粘性混合物は、粘性混合物を生成する一次流体の下に配置されてもよい。粘性混合物中またはその近傍へのロボットの配置は、オペレータによって、またはロボット自身の推進システムによって実行されてもよい。例えば、粘性混合物は、一次流体がオイルであるオイルタンクの底部に蓄積するスラッジであってもよい。
【0082】
ブロック1312において、ロボットの前方セクションの前方推進オーガ内の少なくとも1つの流体ノズルを通して一次流体をポンピングされてもよい。推進オーガ内の1つまたは複数のノズルを通して一次流体をポンピングすることは、ロボットを取り囲む粘性混合物を流動化または希釈することを補助することができ、それによって混合物中を移動するロボットの推進を容易にすることができる。1つまたは複数のノズルを通して一次流体をポンピングすることは、ロボット内の流体ポンプによって実行されてもよく、流体ポンプはロボットを通して一次流体の一部を引き込み、粘性混合物の一部を流動化するためにロボットの前方推進オーガ内の少なくとも1つの流体ノズルから吐出されるように構成される。
【0083】
ブロック1314において、前方推進オーガに結合された第1の駆動モータが、前方推進オーガを回転させるように制御され、前方推進オーガを回転させて粘性混合物の流動部分の中でロボットを推進することができる。ブロック1314における動作の一部として、第1の駆動モータは、異なる回転速度で前方推進オーガを回転させるように制御されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の駆動モータが低回転速度で前方推進オーガを回転させて、比較的低粘度の流体(例えば、スラッジの上のオイル)の中でロボットを推進し、高粘度の流体(例えば、スラッジ)の中でロボットを推進して、粘度を低下させること、および/またはスラッジをオーガブレードから滑り落とすことなどによって、スラッジのオーガブレードへの結合を低減するように制御されてもよい。
【0084】
図13Bを参照すると、方法1301において、シャーシの後方セクション上で後方推進オーガを回転させるように構成された第2の駆動モータが、ブロック1316において制御されてもよい。前方および後方推進オーガは、互いに逆回転するように構成されてもよい。ブロック1314における動作と同様に、ブロック1316における動作の一部として、第2の駆動モータは、異なる回転速度で後方推進オーガを回転させるように制御されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の駆動モータが遅い回転速度で後方推進オーガを回転させて、比較的低粘度の流体(例えば、スラッジの上のオイル)の中でロボットを推進させ、速い回転速度でロボットを駆動させて、高粘度の流体(例えば、スラッジ)の中でロボットを推進させて、粘度を低下させること、および/またはスラッジをオーガブレードから滑り落とすことなどによって、スラッジのオーガブレードへの結合を低減させるように制御されてもよい。
【0085】
図13Cを参照すると、方法1302では、ブロック1318において、ロボットのシャーシの前方セクションおよび後方セクションを互いに枢動させる操縦ジンバルを作動させて、粘性混合物中の枢動動作を実行することができる。シャーシの前方セクションは、前方推進オーガを支持することができる。
【0086】
図13Dを参照すると、方法1303では、ブロック1312または1316において前方推進オーガおよび/または後方推進オーガを回転させながら、ブロック1320において、ロボットの少なくとも一部の振動を引き起こすように構成されたバイブレータを作動させることができる。前方推進オーガおよび/または後方推進オーガなどのロボットの様々な部品を振動させることは、ロボットの近傍の粘性混合物の一部を流動化させる働きをし、それによって混合物中の移動を容易にすることができる。
【0087】
図13Eを参照すると、方法1304において、ロボットは、パイプまたはチューブなどによって、一次流体の遠隔リザーバに結合されてもよく、ブロック1330において、一次流体が前方推進オーガ内の少なくとも1つの流体ノズルを通る一次流体のポンピングをサポートするために、ロボットに搬送されてもよい。前方推進オーガ内のノズルを通して一次流体をポンピングすることは、ロボットの近傍の粘性混合物の一部分を流動化させる働きをし、それによって混合物中の移動を容易にすることができる。ロボットを一次流体のリザーバに結合し、ブロック1310においてロボットに一次流体を搬送し始めることは、ブロック1310において、粘性混合物中またはその近くにロボットを配置することの一部として、以前に実行されてもよい。
【0088】
特定の実施例は、以下の番号付けされた実施例に記載されている。
【実施例1】
【0089】
シャーシ及び前方推進オーガを含む粘性混合物中を移動するためのロボットであって、前記シャーシは、前方セクションと、前記前方セクション内に配置された第1の駆動モータと、後方セクションと、シャーシを流体吸気部および電力線に結合するためのインターフェースと、前記前方セクションと前記後方セクションとの間に結合され、枢動軸を含む操縦ジンバルと、を含み、記前方推進オーガは、前記前方セクションの先端に配置され、前記第1の駆動モータに結合され、前記前方推進オーガに近接する粘性混合物の少なくとも一部を流動化させるために、流体を吐出するように構成された少なくとも1つの流体ノズルを含み、前記少なくとも1つの流体ノズルから吐出される流体は、前記流体吸気部から供給され、前記前方セクションおよび前記後方セクションは、前記操縦ジンバルの前記枢動軸を中心として互いに選択的に枢動するように構成され、前記前方推進オーガは、前記操縦ジンバルの前記枢動軸に垂直な回転軸を中心として前記前方セクションに対して前記第1の駆動モータによって回転されるように構成されるロボット。
【実施例2】
【0090】
前記後方セクション内に配置された第2の駆動モータと、前記後方セクションに配置された後方推進オーガと、をさらに備え、前記後方推進オーガは、前記操縦ジンバルの前記枢動軸に垂直な別の回転軸線を中心として、前記後方セクションに対して前記第2の駆動モータによって回転されるように構成される、実施例1に記載のロボット。
【実施例3】
【0091】
前記第1の駆動モータ、前記第2の駆動モータ、前記前方推進オーガ、および前記後方推進オーガは、前記前方推進オーガおよび前記後方推進オーガを互いに回転させるように構成される、実施例2に記載のロボット。
【実施例4】
【0092】
シャーシに結合され、前記ロボットの少なくとも一部を振動させるように構成されたバイブレータをさらに備える、実施例1乃至3のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例5】
【0093】
前記バイブレータは、前記シャーシを振動させるように構成される、実施例4に記載のロボット。
【実施例6】
【0094】
前記バイブレータは、前記前方推進オーガを振動させるように構成される、実施例4に記載のロボット。
【実施例7】
【0095】
前記シャーシは、内側フレームと、前記内側フレームを取り囲む外側スリーブと、をさらに備え、前記バイブレータは、前記内側フレームに対して前記外側スリーブを振動させるように構成される、実施例4に記載のロボット。
【実施例8】
【0096】
前記バイブレータは、前記シャーシの外側に設置される、実施例4に記載のロボット。
【実施例9】
【0097】
前記シャーシ内にあり、前記少なくとも1つの流体ノズルに流体的に結合された流体吸気部をさらに備え、前記流体吸気部は、流体の遠隔源から前記ロボットに一次流体を提供するための流体ラインに結合されるように構成される、実施例1乃至8のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例10】
【0098】
前記シャーシ内にあり、前記少なくとも1つの流体ノズルを通して流体を送り出すように構成された流体ポンプをさらに備える、実施例1乃至9のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例11】
【0099】
前記枢動軸を中心に前記前方セクションおよび前記後方セクションを枢動させるように構成された、前記操縦ジンバル内の1つ以上のジンバルアクチュエータアームをさらに備える、実施例1乃至10のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例12】
【0100】
前記前方推進オーガは、第1のオーガブレードのセットおよび第2のオーガブレードのセットを含み、前記第1のオーガブレードのセットおよび第2のオーガブレードのセットは、互いに逆回転するように構成される、実施例1乃至11のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例13】
【0101】
前記第1のオーガブレードのセットは、同じ方向に回転するように構成された2つの軸方向にオフセットされたオーガブレードの列を含み、前記第2のオーガブレードのセットのうちの少なくともいくつかは、前記2つの軸方向にオフセットされたオーガブレードの列の間に配置される、実施例12に記載のロボット。
【実施例14】
【0102】
前記前方推進オーガは、軸方向にオフセットされたオーガブレードの列を含み、前記軸方向にオフセットされたオーガブレードの列のうちの少なくとも1つは、互いに離間した複数のオーガブレードを含む、実施例1乃至13のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例15】
【0103】
前記インターフェースは、流体吸気部と電力線との組み合わせである、実施例1乃至14のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例16】
【0104】
前記流体吸入ラインは、前記シャーシから離れたフロートに接続されている、実施例1乃至15のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例17】
【0105】
前記シャーシは、前記少なくとも1つの流体ノズルから吐出された前記流体を貯蔵するための内部貯蔵チャンバをさらに備える、実施例1乃至16のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例18】
【0106】
前記操縦ジンバルは、4組のガイドバーおよびプッシュロッドを含む、実施例1乃至17のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例19】
【0107】
前記前方推進オーガは、前記軸方向に離間された列の各々に別個のオーガブレードを有する軸方向に離間した列を含む、実施例1乃至18のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例20】
【0108】
前記前方推進オーガは、2つ以上の流体ノズルを含む、実施例1乃至19のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例21】
【0109】
前記シャーシを取り囲む外側スリーブをさらに備え、前記外側スリーブは、前記シャーシから独立して振動するように構成される、実施例1乃至20のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例22】
【0110】
前記前方推進オーガは、逆回転オーガブレードを含む、実施例1乃至21のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例23】
【0111】
1つまたは複数の前記オーガブレードは、低摩擦コーティングされる、実施例1乃至22のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例24】
【0112】
前記第1の駆動モータおよび前記第2の駆動モータのいずれかまたは両方は、前記前方推進オーガおよび/または前記後方推進オーガを異なる回転速度で回転させるように構成される、実施例1乃至23のいずれか一項に記載のロボット。
【実施例25】
【0113】
粘性混合物を生成する一次流体の下に配置された粘性混合物中でロボットを操縦する方法であって、ロボットは、前方セクションと、後方セクションと、前記前方セクションと前記後方セクションとの間に結合された操縦ジンバルと、を支持するシャーシを含み、前記操縦ジンバルは、枢動軸を中心として前記前方セクションおよび前記後方セクションを互いに枢動するように構成された前記枢動軸と、前記前方セクションの先端に配置され、第1の駆動モータに結合された前方推進オーガと、を有し、前記前方推進オーガは、一次流体を射出するように構成された少なくとも1つの流体ノズルを含み、前記方法は、前記粘性混合物の中や近くに前記ロボットを配置し、前記一次流体の一部を、前記シャーシに結合されたインターフェースに、前記前方推進オーガ内の前記少なくとも1つの流体ノズルを通してポンピングし、それによって、前記ロボットを取り囲む粘性混合物の一部を流動化させ、前方推進オーガを回転させるように構成された駆動モータを作動させて、前記粘性混合物の前記流動部分を通ってロボットを推進させることを含む、方法。
【実施例26】
【0114】
枢動動作を実行するために、前記操縦ジンバルを作動させて、前記枢動軸を中心として前記後方セクションに対して前記前方セクションを枢動させることをさらに含む、実施例25に記載の方法。
【実施例27】
【0115】
前記後方セクションに配置された後方推進オーガを回転させるように構成された第2の駆動モータを作動させることをさらに含み、前記第1および第2の駆動モータは、前記前方および後方推進オーガを互いに逆回転させるように構成される、実施例25または26に記載の方法。
【実施例28】
【0116】
前記前方推進オーガを回転させるために前記駆動モータを作動させることは、第1のオーガブレードのセットと第2のオーガブレードのセットとを互いに逆回転させる、実施例25乃至27のいずれか一項に記載の方法。
【実施例29】
【0117】
前記ロボットの少なくとも一部を振動させるために、前記シャーシ内のバイブレータを作動させることをさらに含む、実施例25乃至28のいずれか一項に記載の方法。
【実施例30】
【0118】
前記ロボットを前記一次流体の遠隔源に結合することと、前記前方推進オーガ内の前記少なくとも1つの流体ノズルを通して前記一次流体をポンピングしながら、前記ロボットに前記一次流体を搬送することと、をさらに含む、実施例25乃至29のいずれか一項に記載の使用。
【実施例31】
【0119】
前記ロボットが高粘度流体で動作しているとき、前記ロボットが比較的低粘度流体で動作しているときの回転速度よりも高い回転速度で、前記前方推進オーガおよび/または前記後方推進オーガのいずれかまたは両方を回転させるための前記駆動モータをさらに備える、実施例25乃至30のいずれか一項に記載の方法。
【0120】
システム、デバイス、および方法の前述の説明は、単に例示的な例として提供され、様々な実施形態のステップが提示された順序で実行されなければならないことを要求または暗示することを意図するものではない。当業者によって理解されるように、前述の実施形態におけるステップの順序は、任意の順序で実行され得る。「その後」、「次に」、「次に」などの語はステップの順序を限定することを意図するものではなく、これらの語は方法の説明を通して読者を案内するために使用される。さらに、例えば、冠詞「a」、「an」または「the」を使用する、単数形の請求項要素への言及は、その要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0121】
開示された実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を作製または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲ならびに本明細書に開示される原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】