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特表2024-546716セルロース前駆体材料並びに前駆体をセルロース断熱材に現地で変換するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】セルロース前駆体材料並びに前駆体をセルロース断熱材に現地で変換するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/425 20120101AFI20241219BHJP
   D01G 25/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
D04H1/425
D01G25/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534197
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2022052187
(87)【国際公開番号】W WO2023107586
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/287,045
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/303,423
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523168319
【氏名又は名称】クリーンファイバー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ストリムリング,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ドレーン,ランデル
(72)【発明者】
【氏名】ビロドー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヤーディ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】リタリエン,マルコ
【テーマコード(参考)】
3B151
4L047
【Fターム(参考)】
3B151AA25
3B151AA29
3B151AB08
3B151AC01
3B151AC02
3B151AC48
3B151CA08
3B151CB09
4L047AA08
4L047AA29
4L047BA12
4L047CC10
4L047EA22
(57)【要約】
セルロース断熱材を含むセルロースベース製品を製造するためのセルロース前駆体材料。断熱用セルロース前駆体材料は、少なくとも一部がセルロース繊維である複数の繊維と、前駆体材料が搬送される間に繊維を相互に接合する一方で複数の繊維の少なくとも一部が互いに分離されてセルロース断熱材を形成することを可能にする結合剤とを含む。セルロース断熱材は遠隔地で製造することができ、前駆体材料の使用により断熱材の輸送コストが削減される。前駆体材料から断熱材を製造するための装置及び方法が開示されている。前駆体材料を製造するための装置及び方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱材設置場所でセルロース断熱材を製造するためのセルロース前駆体材料であって、前記セルロース断熱材は前記セルロース前駆体材料の嵩密度未満の嵩密度を有し、前記セルロース前駆体材料は、
- 複数の繊維であって、前記複数の繊維の少なくとも一部がセルロース繊維である、複数の繊維;及び
- 前記複数の繊維の少なくとも一部を一緒に接合する結合剤であって、前記結合剤の結合強さは、前記前駆体材料が搬送される間、前記複数の繊維の前記少なくとも一部を一緒に接合された状態に維持するために十分である一方、前記複数の繊維の前記少なくとも一部が前記セルロース断熱材を形成するために互いに分離されることを可能にする、結合剤
を含むセルロース前駆体材料。
【請求項2】
前記セルロース前駆体がシートの形態である、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項3】
前記セルロース前駆体材料の複数のシートが一緒にスタックされる、請求項2に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項4】
前記スタックの個々のシートを分離する分離介在要素をさらに含む、請求項3に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項5】
前記シートが滑りやすい表面を有する、請求項2に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項6】
前記複数の繊維の少なくとも一部に添加された難燃剤をさらに含む、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項7】
前記複数の繊維の少なくとも一部と共に分散された1つ又は複数の膨張要素をさらに含む、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項8】
前記複数の繊維の少なくとも一部が結合することなく互いに分離している、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項9】
前記結合剤が軽度に粘着性である、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項10】
前記結合剤が、前記セルロース断熱材を形成する過程でばらばらになる、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項11】
前記複数の繊維の前記少なくとも一部が紙から生成される、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項12】
前記結合剤が水素結合を用いる、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項13】
前記結合剤が前記複数の繊維の個々の繊維の間に共有結合を形成する、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項14】
前記結合剤が膨張要素としても作用する、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項15】
前記前駆体材料が、前記セルロース断熱材の目標とする性能特性を満たすように、遠隔地で通気され、従来のばらばらに吹き込まれるセルロース断熱材と混合される、請求項1に記載のセルロース前駆体材料。
【請求項16】
セルロース前駆体材料を断熱材設置場所でセルロース断熱材に変換する装置であって、
- 前記セルロース前駆体材料の供給源に結合された搬送構成要素と、
- 前記搬送構成要素に結合され、前記搬送構成要素から前記セルロース前駆体材料を受け取るように配置された前駆体材料加工機械であって、前記セルロース前駆体材料を前記セルロース断熱材に変換するように配置された繊維通気機械を含む、前駆体材料加工機械と、
- 前記前駆体材料加工機械から前記セルロース断熱材を受け取り、前記断熱材設置場所に送達するように配置された断熱材設置構成要素と
を含む装置。
【請求項17】
前記繊維通気機械が、前記セルロース前駆体材料の繊維を膨らませるように選択された通気装置を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記前駆体材料加工機械に結合された添加剤供給装置であって、前記断熱材を前記断熱材設置構成要素に送達する前に、前記前駆体材料及び/又は前記断熱材に1種又は複数種の添加剤を供給するように配置された添加剤供給装置をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記断熱材設置構成要素が、前記前駆体材料加工機械から前記断熱材を引き込み、ホースを通して前記断熱材設置場所に送達するように配置された送風機を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記前駆体材料中に位置する膨張性物質を膨張させるように配置された膨張装置構成要素をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記膨張装置構成要素がヒータである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記セルロース前駆体材料がシートの形態であり、前記搬送構成要素が、前記セルロース前駆体材料をシートの形態で前記前駆体材料加工機械に移送するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記セルロース前駆体材料が、折り畳み連続紙構成の中のシートの形態であり、前記搬送構成要素が、前記セルロース前駆体材料を折り畳み連続紙構成で前記前駆体材料加工機械に移送するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
前記装置の1つ又は複数の構成要素の動作を監視するための1つ又は複数のモニタをさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記1つ又は複数の構成要素の動作を制御するための、前記装置の1つ又は複数の構成要素に結合された制御装置をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記制御装置が遠隔制御装置である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
断熱材設置場所でセルロース前駆体材料をセルロース断熱材に変換する方法であって、
- 前記セルロース前駆体材料を第1の場所から前記断熱材設置場所に移動させるステップであって、前記第1の場所と前記断熱材設置場所は同一ではないステップと、
- 前記セルロース前駆体材料を前駆体材料加工機械に搬送するステップと、
- 前記セルロース前駆体材料を繊維通気機械に方向付けるステップと、
- 前記セルロース前駆体材料を通気し、前記セルロース前駆体材料の嵩密度を下げ、前記セルロース前駆体材料を前記セルロース断熱材に変換するステップと、
- 前記セルロース断熱材を前記前駆体材料加工機械から前記前駆体設置場所へ移送するステップと
を含む方法。
【請求項28】
前記断熱材を前記設置場所に移送する前に、前記セルロース前駆体材料及び前記セルロース断熱材のいずれか一方又は両方を1種又は複数種の添加剤で処理するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記セルロース前駆体材料が紙ベースであり、前記方法は、前記セルロース前駆体材料を通気する前に細断するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記セルロース前駆体材料が1つ又は複数の膨張要素を含み、前記方法が、前記1つ又は複数の膨張要素を膨張させるステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記膨張ステップが、前記膨張成分を加熱することによって達成される、請求項30に記載の方法。
【請求項31】
セルロース前駆体材料を製造する方法であって、
- 第1の嵩密度を有する複数のばらけたセルロース繊維を、前記ばらけたセルロース繊維を前記セルロース前駆体材料に変換するように構成された装置に方向付けるステップと、
- 前記ばらけたセルロース繊維を前記セルロース前駆体材料のマット、バット、シート、ボード又はウェブに組織化し、整列させ、組み立てるステップであって、前記セルロース前駆体材料の嵩密度は前記ばらけたセルロース繊維の嵩密度を上回るステップと
を含む方法。
【請求項32】
前記マット、バット、シート、ボード、又はウェブを9ポンド/立方フィートを上回る嵩密度まで圧縮するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記圧縮ステップが、ローラ、プラテンによって、又は真空補助圧縮下で完了する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
- 前記セルロース前駆体材料の前記繊維の少なくとも一部を分離するステップ;及び前記繊維の前記分離された少なくとも一部を再び組み立てるステップ
をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
組織化し、整列させ、組み立てる前記ステップの前に、前記ばらけたセルロース繊維をサイズ選別するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
組織化し、整列させ、組み立てる前記ステップが、前記ばらけた繊維を空気で横たえて、前記マット、バット、シート、ボード、又はウェブにするステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記セルロース前駆体材料に結合剤を適用するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記適用ステップが、前記マット、バット、シート、ボード、又はウェブに前記結合剤を吹き付ける、ディップコートする、カーテンコートする、又は含浸させることによって実施される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
組織化し、整列させ、組み立てる前記ステップの前に、前記ばらけたセルロース繊維に結合剤を吹き付ける、注入する、又は飽和させるステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記組み立てられたセルロース前駆体材料を真空包装する、折り畳み連続紙状にする、又はロール状にするステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
ばらけたセルロース繊維からセルロース前駆体材料を製造するための装置であって、
- 前記ばらけたセルロース繊維を受け取るように配置された予備圧縮ガイドシュート;及び、
- 前記予備圧縮ガイドシュートから前記ばらけたセルロース繊維を受け取るように配置された複数の圧縮ローラであって、前記ばらけたセルロース繊維を前記セルロース前駆体材料に組織化し、整列させ、組み立てるように配置されている、複数の圧縮ローラ、
を含む装置。
【請求項42】
前記複数の圧縮ローラと相互作用する複数のニップをさらに含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記予備圧縮ガイドに送達する前に、前記ばらけたセルロース繊維をフィブリル化する、粗化する、サイジングする、分離する、及び/又は切り刻む手段をさらに含む、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記手段が、篩、回転分離、又は風選の1つ又は複数から選択される、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記ローラがテフロン処理又はクロムメッキされ、加熱される、請求項41記載の装置。
【請求項46】
前記セルロース前駆体材料をシートの形態に変換するためのギロチンカッタをさらに含む、請求項41記載の装置。
【請求項47】
ばらけたセルロース繊維からセルロース前駆体材料を製造するための装置であって、
- 前記ばらけたセルロース繊維を受け入れるように配置された予備圧縮ガイドシュート;及び、
前記予備圧縮ガイドシュートから前記ばらけたセルロース繊維を受け取るように配置されたテーパ状ニップ圧縮ベルトであって、複数の圧縮ローラが、前記ばらけたセルロース繊維を前記セルロース前駆体材料に組織化し、整列させ、組み立てるように配置されている、テーパ状ニップ圧縮ベルト、
を含む装置。
【請求項48】
前記予備圧縮ガイドに送達する前に、前記ばらけたセルロース繊維をフィブリル化する、粗化する、サイジングする、分離する、及び/又は切り刻む手段をさらに含む、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記手段が、篩、回転分離、又は風選の1つ又は複数から選択される、請求項47に記載の装置。
【請求項50】
前記セルロース前駆体材料をシートの形態に変換するギロチンカッタをさらに含む、請求項47に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、セルロース断熱材に関する。より詳細には、本発明は、セルロース断熱材を形成するために現地で加工され得るセルロースベース前駆体材料に関する。本発明はさらに、前駆体材料を現場で加工して、所定の場所に吹き込むことができる断熱材製品にする装置及びそれを実行する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の記載
既存のセルロース断熱材は、中央工場で細断され、処理され、繊維化され、包装される。次いで、加工され包装されたセルロース断熱材を含む袋が使用者に分配され、使用者は袋を開け、包装プロセスにおいて圧縮された可能性のあるセルロース繊維を再通気するように配置された送風機などの設置機械に内容物を加え、それらを設置位置に吹き込む。セルロース断熱材の製造と包装のための既存のプロセスは、高価になる可能性がある。さらに、断熱繊維の再通気と設置には時間と労力がかかる可能性がある。必要とされているのは、圧縮された形態で出荷され、設置場所や分配場所、又はプレハブ構造物が組み立てられ得る場所などの下流の製造工場など、離れた場所で膨張させることができるセルロース断熱材を製造するための、より費用対効果の高いシステム及び方法である。また、遠隔地に輸送し、所望の嵩密度を達成するように機械で加工し、現場に設置することができるシート又はロール形態のセルロースベース前駆体製品も必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明は、セルロースベースの前駆体材料と、その前駆体材料を現地で加工して、前駆体材料からセルロース断熱材料の形成を完了し、それを現場で設置するための装置及び方法である。
【0004】
シート状又はロール状などであるがこれらに限定されない容易に輸送可能な形態の前駆体製品は、その断熱材が設置される現場でセルロース断熱材を作るために使用することができる。前駆体材料はまた、現場外で膨張すなわち低密度構造に変換され、遠隔地に配送されるシート又はロールに成形されてもよい。例えば、製造業者から出荷された圧密化された材料は、分配業者の現場で膨張され、その後膨張製品が最終使用現場へ出荷されてもよい。前駆体材料は、以前にセルロースベース前駆体に形成された任意のセルロース材料であり、固形紙、ティッシュペーパー、多孔性ウェブ、マット等の形態で製造されてもよく、シート、折り畳み連続紙(fan fold)、ロール、ウェブ、マット又は他の形態で配送されてもよい。前駆体材料の繊維は、結合剤で接合されてもよい。接合は、目的の場所で本発明の装置を使用することにより比較的容易に前駆体材料の密度低下を可能にするために、緩い接合であってもよい。結合物質は水であり得るが、これに限定されるものではない。
【0005】
前駆体材料は、膨張性マイクロビーズなどの膨張要素を含み得る。マイクロビーズは、前駆体材料の嵩を増加させるために、製造時点で、(分配業者などによる)設置場所への配送前に膨張されてもよく、又は、設置場所(建設現場であれ、プレハブ組立品の製造場所であれ)で膨張されてもよい。セルロースベース前駆体材料製品は、設置現場への配送前に、中間現場(分配業者など)で、又は最終使用現場への配送後に、難燃物質を含むがこれに限定されない1種又は複数種の目的の成分で処理されてもされなくてもよい。
【0006】
前駆体材料は、現地においてセルロース断熱材への変換を可能にする状態で提供されるか、或いは、前駆体材料は、遠隔地においてセルロース断熱材の構成要素への変換を可能にする状態で提供される。その状態とは、圧密化された繊維のマットだけでなく、紙(折り畳まれた紙を含む)などのセルロース材料の圧密化された形態であり得る。これにより、完成した軽量セルロース断熱材の輸送に関連する場合、通常であればより高くつくであろう配送コストを最小限に抑えることができる。前駆体材料は、形成されるセルロース断熱材の所望のR値及び難燃性を生成するのに適した密度及び構造を有する配送可能な状態で製造することができる。前駆体製品は、中間現場(分配業者など)又は最終使用現場で、細断及び/又は通気処理など、嵩密度を下げるために改質されてもよい。このように改質された(膨張及び通気後の)前駆体材料を、本明細書では前駆体由来セルロース断熱材と呼ぶことがある。前駆体由来セルロース断熱材は、1立方フィート当たり約1~約5ポンドの範囲の嵩密度を有し、0.12W/cmを超える臨界放射束を有し、米国材料試験協会(ASTM)試験C739による15%未満のくすぶり燃焼率を有するセルロース繊維を含む繊維のマトリックスであり得る。
【0007】
前駆体材料は、再生繊維、バージン繊維、又はこれら2つの組み合わせである繊維で形成される。前駆体材料は、細断及び通気を含むがこれらに限定されないさらなる加工のために遠隔地に配送される前に、現場外で準備される。前駆体材料は、設置場所への配送前に、完全にではなく部分的に改質されてもよい。前駆体材料は、設置前に難燃剤で処理されてもよく、及び/又は、前駆体由来セルロース断熱材への変換中に難燃物質が前駆体に添加されてもよい。前駆体材料は、前駆体材料に成形する前に、前駆体材料を作るために使用された繊維と一体化された難燃剤、成形後に前駆体材料に適用された難燃剤、又はこの2つの組み合わせを含み得る。例えば、紙成形プロセスの湿潤端部で繊維に難燃剤を適用すると、セルロースベース前駆体材料が形成された後にサイジングプロセスを介して難燃剤又は異なる化学物質を適用した場合とは異なり、前駆体材料の耐火性や機械的特性に影響を与える可能性がある。したがって、難燃物質の適用は、前駆体材料にとって最も有利な方法で調整することができる。
【0008】
前駆体材料は、10体積%以上の気孔率を有することができる。その気孔率は、発泡剤又はマイクロビーズなどの膨張された成分又は膨張可能な成分を使用して確立することができる。その気孔率は、スルーエアードライを介してなど、成形プロセスで確立されてもよい。前駆体材料はまた、剥離剤、臭気剤、及び脱臭剤のうちの1つ又は複数を含み得る。さらに、臭気を低減するため、及び/又は1種又は複数種の揮発性有機化合物(VOC)を捕捉するため若しくはそれと反応するために、反応性ゼオライトを前駆体材料に組み込むことができる。前駆体材料は、巻出しを容易にするためにロール状で提供されてもよいし、自動加工装置に供給可能なアコーディオン型折り畳みシート状で提供されてもよい。前駆体材料は、互いに接合されていないスタックされたシートで提供されてもよく、機械に手動で供給されてもよく、及び/又は自動シート供給装置(コピー機の紙に用いられるものなどであるが、より大規模なもの)によって供給されてもよい。シートの形態で機械に供給されるようにされた前駆体、又は機械は前駆体材料に前進するブレード、又は前駆体材料を消費して通気機に供給する他の手段を有し得る。これらの構成に限定されるものではない。
【0009】
前述したように、前駆体材料を変換するプロセスの一部は、設置現場で生じ得る。例えば、前駆体材料は、通気によってその体積を膨張するために遠隔地で加工され得る。代替的に、又は通気に加えて、前駆体材料はシートの形態において膨張され得る。前駆体ベース材料は難燃剤で処理される。難燃剤は、例えば、サイジングプレスを介して液体ホウ酸塩などの難燃物質を注入することにより、ロール・ツー・ロール加工を介して適用することができる。難燃剤はまた、又は代替的に、乾燥又は湿った前駆体材料の表面に乾燥粉末難燃剤をプレスすることによって適用することができる。すなわち、ベースセルロース材料は、部分的及び/又は完全に乾燥された場合、サイジング後に、液体及び粉末難燃剤組成物の両方で処理することができる。難燃剤は、実質的に断熱材の形態にあるときを含むがこれに限定されない前駆体材料の加工の任意の時点で選択的に適用することができる。
【0010】
前駆体ベース材料は、例えば、紙製造の湿潤終点での適用を介して、又はサイジングプレスを使用して材料に1種又は複数種のそのような添加剤を添加することによって、そこにマイクロビーズ又は発泡剤などの膨張成分を注入することによって、通気前に、結果として密度が低下した多孔質にすることができる。代替的に、ベース材料は、乾燥適用を介して、及び/又は既に多孔質であるベース紙を通して強制気流で膨張成分を注入することによって多孔質にすることができ、それによって膨張成分を前駆体マトリックス中に捕捉し、前駆体マトリックスは膨張成分を収集するフィルタとして機能する。
【0011】
フォークリフトとの相互作用及びオペレータとの相互作用に適したセルロースベース前駆体材料を供給することができる。適切なセルロースベース前駆体材料のスタータ構成要素の具体例は、フォークリフトとの相互作用のためのスキッド又はスリップシート上の高さ6フィートの折り畳み連続紙の4フィート×4フィートのスタックであり、現場に配置された前駆体加工機械への紙の供給のオペレータによる初期化を補助するためのプルタブがトップシートに付いている。前駆体材料のシート又はマットは、ミシン目、刻み目、又は通気機によって迅速に分解されるように他の方法で準備されてもよい。
【0012】
本装置及び関連する方法は、前駆体材料をセルロース断熱材に変換するため、及び任意選択的に、その断熱材を目的の場所に設置するために、現地で使用することができる。本装置は、前駆体材料を受け取り、設置のために準備の整った断熱材に変換するように構成された1つ又は複数の構成要素を含む。本装置は、設置現場から遠く離れている可能性がある工場ではなく、現地で前駆体材料をセルロース断熱材に変換できるように構成されている。これにより、断熱材料の輸送に関連するコストを削減できる。また、遠隔地における通気機の使用は、設置場所などの最終的な使用場所に、より低い密度の材料を送達することを可能にし得る。装置は、耐火性の紙ベースの前駆体材料を含む紙ベースの前駆体材料などの前駆体材料を受け取るように配置された現地変換装置を含み、任意選択的に、そのスタータ材料のサイズを縮小する装置を含み得る。次に、受け取った前駆体材料は、通気するなどして嵩密度を下げるように改質される。密度が低減された前駆体材料は任意選択的に異なる構成になり得る。装置は、任意選択的に、圧密化されたウェブ、マット又は他の形態の紙ベースの前駆体材料など、異なる形態の前駆体材料を受け取るように構成される。前駆体材料の複数のバージョンを一緒に混合し、次いでその混合物を、通気するなどして密度を低下させてもよい。さらに、目的とする物理的及び熱的特性を達成するために、通気前又は通気後に前駆体材料を従来の疎充填セルロース断熱材と混合してもよい。本装置は、さらに、約1~約5ポンド/立方フィートの範囲の密度を有し、0.12W/cmを超える臨界放射束を有し、米国材料試験協会(ASTM)試験C739による15%未満のくすぶり燃焼率を有するセルロース繊維を含む繊維のマトリックスを現場で製造するように構成されてもよい。
【0013】
本装置は、さらに任意選択的に、製造されたセルロース断熱材を現地通気場所から断熱材設置場所まで送達するために使用される構成要素に対する構成要素特徴部及び/又は結合を含む。本発明の一態様では、装置は、断熱材を気流でその場所に強制的に送り込むことによってセルロース断熱材を所定の位置に吹き込むための機構を提供するように構成されている。その推進機構は、断熱材の送達の調節と、発生する可能性のある目詰まりの検出とを確実にするための圧力監視を含み得る。
【0014】
装置はまた、設置前又は設置中に、目的の1種又は複数種の添加剤を加工中の材料に適用するための1つ又は複数の送達デバイスを任意選択的に含む。添加剤としては、a)1種又は複数種の臭気剤及び/又は脱臭剤;b)鉱油などの1種又は複数種の防塵剤;c)1種又は複数種のホウ酸塩などの1種又は複数種のカビ成長及び/又はネズミ侵入抑止剤;及びd)ホウ酸塩又は硫酸塩などの1種又は複数種の難燃性材料が挙げられるが、これらに限定されない。1種又は複数種の添加物は、密度低下オプションの1つ又は複数の前、間、及び/又は後に、選択可能な計量、調節、及び/又は感知によって前駆体材料の組成物に添加され得る。
【0015】
装置は、遠隔地への送達前、送達中、及び/又は送達後のセルロース断熱材の水分調節を提供するようにさらに構成されてもよい。例えば、これに限定されるものではないが、本装置は、任意選択的に、密度低下前、密度低下中、又は密度低下後にセルロース前駆体材料に水又は他の液体の形態で水分を加えるように構成された材料湿潤スプレーなどの水分送達構成要素を含む。湿潤スプレーは、任意選択的に、水分供給源に結合されたホースであり、それぞれがスプレーノズルを含み得る1つ又は複数の出口ポートを含む。出口ポートは、セルロース断熱材を所定の位置に吹き込むために使用されるホースの入口、断熱材送達ホースの入口と出口の間の中間位置、及び/又は断熱材送達ホースの出口の後のいずれか1つ又は複数に配置されてもよい。断熱材送達ホース出口の後に水分を加えることで、セルロース断熱材がホースから出る前に固まって詰まる可能性を最小限に抑えることができる。
【0016】
本装置は、前駆体材料をセルロース断熱製品に変換するために前駆体材料の密度を低下させるための1つ又は複数の繊維分離構成要素を含む。繊維分離構成要素は、セルロース繊維を搬送し分離するために使用されるインペラ;吹込み前に繊維を細かく分離することができるカーディングデバイス;及び回転及び/又は対向する粉砕プレート、例えば急速に動くブレードを有するチョッパ又は補力機、或いは設置の前に繊維を細かく分離する他の手段を通して繊維を細かく分離する粉砕機、のうちの1つ又は複数であり得る。繊維分離のために選択される1つ又は複数の構成要素は、使用される前駆体材料の特性に依存し得る。例えば、前駆体材料の圧縮されたセルロースマットは、インペラを使用して分離され得るが、セルロース前駆体材料の疎充填は、送風機などの通気構成要素の使用のみを必要とし得る。
【0017】
装置はまた、任意選択的に、動作の製造段階及び設置送達段階のセクションを隔離するように配置された1つ又は複数の隔離システムを含み得る。例えば、装置は、断熱材送達ホースに結合される送風機などの断熱材送達動作から前駆体材料改質動作を分離するように配置された1つ又は複数のエアロックを含み得る。これにより、断熱材送達ホースが、前駆体改質プロセスに向かう過剰な後方気流を伴わずに、正圧で動作することを可能にすることができる。さらに、本装置は、前駆体改質動作及び断熱材送達動作を監視及び制御するための1つ又は複数のモニタ及び制御装置を任意選択的に含み得る。1つ又は複数のモニタは、供給物の状態の監視、前駆体密度の低下状態の監視、添加剤の送達状態の監視、詰まり又は供給物のバックアップのための搬送動作の監視、及び遅延又は加速逸脱を検出するための生産速度及び送達速度の監視を含む、装置の動作全体にわたって配備することができる。モニタはアナログでもデジタルでもよい。一例として、重量スケールは、密度低下段階及び/又は他の材料改質段階への移送に利用可能な前駆体供給材料の量を検出するために使用されるモニタの一種であり得る。空気圧も、詰まりや他の誤動作を防止するために監視され得る。
【0018】
1つ又は複数の制御装置は、1つ又は複数のモニタ、及び近く又は遠くにある制御装置に結合され得る。制御装置は、目的の添加物を含む供給材料が少なくなっていることを感知して、繊維加工を停止するか、又は代替供給物の導入のために信号を送るように配置される。制御装置はさらに、生産及び送達プロセスの1つ又は複数の段階を減速又は加速するように配置される。例えば、システムの設置端部において、より多くのセルロース断熱材を送達する必要性が感知されることがある。制御装置は、より速い断熱材搬送のために、繊維断熱材生産と送風機速度の1つ又は複数を加速するように配置される。また、1つ又は複数の制御装置は、a)前駆体の改質を停止又は減速する、b)送達ホースへの断熱材の供給を停止又は減速する、c)監視によって詰まりが解消されたことが確認されるまで、繊維の供給を行わずにライン圧力を維持又は上昇させる、d)ライン圧力が選択可能な範囲内に入るまで、繊維加工及び断熱材送達の1つ又は複数における繊維流量を調整する、のいずれか1つ又は複数によって引き起こされる動きの増加又は減少を検出するなどして、感知されたシステムの詰まりに対応するように配置される。
【0019】
本発明の例示的な実施形態において、装置は、例えば、適切に計量され、通気され、断熱材設置現場などの目的の場所に分配される、特別に且つ意図的に設計された前駆体材料のシート、バット(batt)、又はマットの適切な幅を受け入れるように構成される。前駆体材料は、断熱材最終製品の通気、R係数、分散、寿命、害虫抵抗性、空気透過性、及び場合によっては他の特性を補助するために、難燃剤及び他の材料で適切に処理することができる。一例として、ホウ酸塩を難燃性のために、鉱油を防塵のために、精油を防臭のために使用することができる。使用される前駆体材料は、オペレータによる取り扱いを容易にするために包装されていてもよい。オペレータはロボットオペレータであってもよい。前駆体材料は、ロール、パレット、スタックされたシート又は折り畳み連続紙の形態で配送されてもよい。フォークリフトによる相互作用及びオペレータによる相互作用に適した前駆体材料が供給されてもよい。適切な前駆体材料スタータの具体的な例は、フォークリフトの相互作用のためのスリップシート上の高さ6フィートの折り畳み連続紙の4フィート×4フィートのスタックであり、装置の前駆体材料加工装置への前駆体材料供給のオペレータの初期化を補助するためのプルタブをトップシート上に有するものである。
【0020】
この例では、前駆体受入機は、通気、場合により繊維化、関心のある他の加工活動、及び/又は運搬速度を制御できるように、前駆体材料を計量された方法で機械に供給するように構成される。マット、バット、又はウェブなどの比較的圧密化された形態の計量された前駆体材料は、通気などによって分離されるが、これに限定されない。通気は、シュレッダ、送風機、及び/又は他の手段を用いて達成することができる。前駆体材料はまた、任意選択的に、紙繊維の均質な、微細なサイズの、場合によっては個々の繊維レベル分布を作り出すために、回転ブレード、ピン、チェーン、及び場合によっては他の手段のうちの1つ又は複数によって細断され、細断中又は細断後に空気と混合されてもよい。2つの異なる繊維サイズ分布を作り出すために、2つの別個の加工経路が採用されてもよく、これは目標とする性能特性の達成を補助し得る。前駆体材料のばらけた繊維の追加処理はまた、防塵、嵩高性、凝集性、流動性、及び経時的な設置安定性を促進するために、通気の前又は後に適用されてもよい。一例として、防塵のために鉱油が適用されてもよい。
【0021】
その後、通気された断熱材は、回転式エアロックによるなどの制御された方法で、運搬手段内又は運搬手段上に運搬される。このような運搬手段の1つは、チューブ又はホース内に空気を流すことであり得る。コンベヤは任意選択的に速度制御装置を含む。例えば、空気運搬に関して、空気流量を制御することができる。前駆体材料受入機は、オペレータが前駆体計量、繊維通気、断熱材供給、空気流量、及び他のパラメータを遠隔地から制御できるように遠隔制御機能を含み得る。前記遠隔制御は、無線又は有線通信によるものであり得る。また、前記制御は、オペレータ、製品、及び機械のニーズを学習し、それに応じて人間のオペレータよりも迅速に対応できる人工知能の側面を含み得る。前駆体受入機はまた、任意選択的に、システム性能に関するフィードバックを提供するための1つ又は複数のモニタを含む。例えば、モータパフォーマンス用の電流計や、運搬状態を知るための圧力計を装置に結合することができる。特定のオプションには、前駆体材料供給物が現在の供給源にどれだけ残っているかに関するセンサ、及び/又は前駆体受入機の動作の多くの側面の視覚的確認を可能にするカメラが含まれる。
【0022】
前駆体受入機は、任意選択的に、閉塞制御、オペレータの有無、差し迫ったコンベヤの詰まり、詰まりの一掃、及び装置のリセットなどのエラーに対処する側面を含む。前記エラー対処手段は、オペレータとの通信手段を有する場合がある。通信手段は、無線スクリーン通知、ホーン又は点滅灯であり得る。
【0023】
本発明の装置及び関連する方法は、単に所定の位置に吹き込まれる最終製品である低密度のばらけた繊維の断熱材ではなく、ロール、折り畳み連続紙のスタック、又は緩く接合されたウェブのはるかにより圧縮された状態で出荷される前駆体材料による断熱材の製造を可能にする。難燃性物質を前駆体材料の製造中に添加することができる。前駆体材料は、現地で通気すると、完成した断熱材が密度、R値、燃え広がり、くすぶり、耐菌性、及び/又はその他の関連する性能特性に関する特定の性能特性を満たすように、特別に設計することができる。前駆体材料は、設置場所や分配場所などの遠隔地で通気され、その遠隔地で粉塵軽減処理及び/又は臭気処理が施されてもよい。通気により、製品を約2倍から約10倍に膨張させることができる。安定化製品を作るために、水分制御を現場で維持することができる。安定化製品とは水分が蒸発するにつれて繊維が付着を介して互いに接着する製品を意味する。
【0024】
本発明は、セルロース前駆体材料の製造方法も含む。本方法の主要ステップは、第1の嵩密度を有する複数のばらけたセルロース繊維を、ばらけたセルロース繊維をセルロース前駆体材料に変換するように構成された装置に方法付けることと、ばらけたセルロース繊維を、セルロース前駆体材料のマット、バット、シート、ボード、又はウェブに組織化、整列、及び組み立てることとを含み、ここでセルロース前駆体材料の嵩密度は、ばらけたセルロース繊維の嵩密度よりも高い。本方法はまた、マット、バット、シート、ボード、又はウェブを9ポンド/立方フィートを上回る嵩密度に圧縮する任意選択のステップを含む。圧縮は、ローラ、プラテンによって、又は真空アシスト圧縮下で行うことができる。この方法は任意選択的に、セルロース前駆体材料の繊維の少なくとも一部を分離するステップと、分離された繊維の少なくとも一部を再び組み立てるステップとを含む。ばらけた繊維は、組織化、整列、及び組立てステップの前にサイズ選別されてもよい。組織化、整列、及び組立てステップは、任意選択的に、ばらけた繊維を空気で横たえて(air-laying)、マット、バット、シート、ボード、又はウェブにするステップを含む。結合剤がセルロース前駆体物質に添加されてもよい。結合剤は、マット、バット、シート、ボード、又はウェブ上に結合剤を吹き付ける、ディップコートする、カーテンコートする、又は含浸させることによって適用することができる。任意選択的に、ばらけた繊維は、組織化、整列、及び組立てステップの前に、結合剤を吹き付け、注入、又は飽和されてもよい。任意選択的に、本方法は、組み立てられたセルロース前駆体材料を真空包装する、折り畳み連続紙状にする、又はロール状にするステップを含む。
【0025】
難燃化処理は、前駆体材料の製造中に、ロール・ツー・ロール処理プロセスを用いて行うことができる。適切な紙ベースの前駆材料の製造においては、難燃性と脆化の問題に特に注意を払わなければならない。多くの難燃剤は十分な耐火性を提供し得るが、(ホウ酸塩を含む)ほとんどの難燃剤は一般的に紙ベースの材料を脆化させ、これは、現地での通気後に十分に低い密度にならないため、紙ベースの材料を前駆体材料として不適切なものにする。この装置と方法は、密度、火炎の広がり、耐くすぶり性、カビの成長、及び関連する商業的性能要件に関する厳しい通気後の要件を満たしながら、現地での通気に適した前駆体材料を製造するために、慎重に設計された上流プロセスを含む。その結果、コスト効率の高い現地での製造及び設置プロセスが実現し、材料の出荷プロセスがよりコンパクトになる。現地での繊維の通気は、遠隔製造場所での細断、繊維化、圧密化、その後の送風機による再通気の試みを含む、セルロース断熱材の製造と分配の従来の方法よりも、分配の観点からより効率的であり、集合体である繊維へのダメージも少ない可能性がある。
【0026】
必要とされているのは、高品質で規制に適合したセルロース断熱製品を目的の場所に確実に設置する一方で、疎性断熱材を輸送するコストを削減するように構成された前駆体材料、装置、及び方法である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の現場セルロース断熱材製造及び設置装置の簡略側面図である。
図2】スタータ材料としてアコーディオン形態の前駆体を有する本発明の装置の簡略側面図である。
図3】スタータ材料として折り畳まれた形態の前駆体材料を有する本発明のシステムの簡略化された側面図である。
図4】前駆体由来のセルロース断熱材を形成するための加工前の前駆体材料の簡略化された断面側面図である。
図5】本発明の装置における加工後の前駆体材料で形成された前駆体由来のセルロース断熱材の簡略化された断面側面図である。
図6】膨張前後の前駆体材料の実施形態の簡略化された断面図である。
図7】前駆体材料を膨張させるための薬剤としてのマイクロビーズを含む、前駆体材料の実施形態を膨張させるための1つの機構の簡略化された表現である。
図8】前駆材料を断熱製品に変換するための本発明の方法の主要なステップを示す簡略化された流れ図である。
図9】セルロース前駆体材料を製造するための第1の装置の主要構成要素の簡略化された側面図である。
図10】セルロース前駆体材料を製造するための第2の装置の主要構成要素の簡略化された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の詳細な記載
本発明の現場セルロース断熱材製造・設置装置10を図1に示す。この装置10は、セルロース前駆体材料供給部12、前駆体材料加工機械14、及び断熱材設置送達構成要素16を含む。機械14と送達構成要素16とは、セルロース断熱材18の製造と、その断熱材18の設置現場20への送達とを、全て現地にいながら可能にするように配置され、結合されている。
【0029】
供給部12は、断熱材18を製造するための1つ又は複数の前駆体材料22をその上又はその中に保持するための容器、パレット、又は他の装置であり得る。1つ又は複数の前駆体材料22については、本明細書でさらに詳細に記載する。前駆体材料22は、移送構成要素24によって機械14の入口26に運搬される。移送構成要素24は、前駆体材料22を移動させるように配置されたコンベアベルト又はバンド、或いは他のタイプの材料搬送デバイスであり得る。それは例えばローラセットであり得るが、これに限定されない。前駆体材料22を繊維通気機械28に送達するために、複数の移送構成要素24を使用することができる。
【0030】
繊維通気機械28は、前駆体材料22を、前駆体材料22の嵩密度よりも低い嵩密度を有する繊維組成物に変換するように配置される。繊維通気機械28は、必要に応じて又は所望に応じて、前駆体材料22を細断するために、シュレッダ、インペラ(送風機及びファン内で使用されるものなど)、チョッパ又は捕力機(急速に回転するブレードなど)、或いはハンマーミル(乾式粉砕プロセスなど)を任意選択的に含み得る。繊維通気機械28は、本明細書に記載されるように、通気装置又は他のタイプの繊維通気機構を含む。複数段階の通気及び場合により分離を使用することができる。示される繊維通気機械28は、前駆体材料22を通気し、任意選択的に通気前に繊維を分離し、前駆体材料22の嵩密度を低下させて断熱材料18を製造するために使用され得る1つ又は複数の構成要素を表す。前駆体材料22、繊維通気機械28に入る又は出る断熱材料18、或いはその両方に、1種又は複数種の添加剤を適用することができる。1種又は複数種の添加剤は、1つ又は複数の添加剤供給容器を表す添加剤供給部30から供給されてもよい。添加剤供給部30は、本明細書に記載されるように、1種又は複数種の添加剤を送達するための1つ又は複数の出口32を含み得る。繊維通気機械28の出力34は、断熱材送達構成要素36に結合されている。
【0031】
断熱材料送達構成要素36は、任意選択的に、製造された断熱材料18を設置のために移送するために使用することができる。代替的に、断熱材料18は保管されるか、又は他の方法で使用することができる。断熱材料18が直接設置される場合、断熱材料送達構成要素36は、繊維通気機械28から断熱材料18を入口38に引き込み、出口40に移送するように構成された送風機であり得る。送達構成要素36は、全て送風機であってもよいし、異なるタイプの材料移送構成要素であってもよい1つ又は複数のそのようなデバイスを表す。送達構成要素36は、断熱材料18が断熱材料送達ホース46を通って設置現場20に移動する際に、断熱材料18の嵩密度を膨らませるか、又は別の方法で減少させるように配置することができる。送達ホース46は、繊維が送達ホース46を通って移動する際に繊維を分離し、通気するのを補助するためにリブ付きであってもよい。
【0032】
送達構成要素36の出口40は、断熱材料送達ホース46の入口44に直接又は間接的に結合されている。送達構成要素36は、オペレータ48が断熱材料18を設置現場20に方向付けて空洞50を所望通りに充填し、設置現場20で目的の断熱特性を生成することを可能にするのに十分な圧力で、そこから送達ホース46を通る断熱材料18の移動を可能にするように構成され得る。
【0033】
装置10は任意選択的に水分送達ホース52を含み、この水分送達ホース52は、送達ホース46の始端、中間、及び/又は終端において、断熱材料18に水などの目的の流体を送達するように配置された1つ又は複数のポート54を含み得る。水分送達ホース52はまた、機械14を通した他の地点で断熱材料18に水分を送達するように構成されてもよい。装置10はさらに任意選択的に、前駆体材料22、断熱材料18、送達ホース46、繊維通気機械28、及び移送構成要素24のいずれか1つ又は複数の状態を監視するように位置決めされた1つ又は複数のモニタ56を含む。装置10は、機械14の構成要素の調節を可能にするように配置された1つ又は複数の制御装置58も任意選択的に含む。制御装置58は、遠隔制御装置、機械14に結合された制御装置、及びオペレータ48によって管理される制御装置を含み得る。
【0034】
装置10は、繊維通気機械28と送達構成要素36との間に配置されたエアロック60を任意選択的に含む。エアロック60は、繊維通気機械28の出力34に結合された入口62と、送達構成要素36の入口42に結合された出口64とを含む。任意選択のエアロック60は、繊維通気機械28への断熱材料18の戻りを最小化するように構成される。
【0035】
前駆体材料22を機械14に運搬するための任意選択の機構が図2及び3に表されている。図2に示すように、前駆体材料22はアコーディオン状である。前駆体材料22は、ローラセットであり得る移送構成要素24に接合される。図3に示すように、前駆体材料22はロール形態である。前駆体材料22は、コア60上に配置され、繊維通気機械28に送達するために移送構成要素24に接合される。前駆体材料22として紙ベースの前駆体材料の場合、繊維通気機械28は、紙を繊維成分に変換される断片に切り刻むための細断構成要素を含み得る。
【0036】
本発明の利点は、記載したような装置10の構成要素を使用することによる労力の削減である。装置10の構成要素は、現地での運転を可能にするのに十分な大きさであるが、セルロース断熱材の製造及び代替の送達機構を使用した遠隔地への輸送にも使用することができる。その場での製造及び設置を可能にするためのさらなる考慮事項は、前駆体材料22の形態である。前駆体材料22がシート形態である場合、前駆体材料22は、労働要件を低減する特定の方法及び構成で供給され得る。例えば、各スキッド上に2つ以上のシートスタックが存在し得る。各スタックは、幅2’(管理が容易)、奥行き4’×高さ4’であり得る。あるスタックのストリング又はシートは、最初のスタックの上にある別のスタックの底に貼り付けてもよい。さらに、移送構成要素24は、複数の移送構成要素を表すことができ、個々の移送構成要素は、2つ以上のスタックを有するスキッドに接合される。そのようにして、空のスキッドの移送構成要素をスタック満載の新しいスキッドで再供給しながら、1つの移送構成要素は常に作動することができる。そのようにして、1つの側又はスキッドの端部で供給に問題があれば、自動的に切り替わる。
【0037】
スタックについて上述した例示的な配置は、図2に示すように、紙がアコーディオン状である場合に適している。これらのスタックの場合、シートは、繊維通気機械28への移送前又は移送中に不所望な分離を防止するために、軽く接合又は貼り合わせることができ、移送中にスタックを包む必要性をなくすことができる。例えば、層は、いくつかの位置において接着剤で軽く接着されてもよい。層は、搬送構成要素24によって引き離され繊維通気機械28に引き込まれるまで一緒に保たれるように、ミシン目を入れられたり、刻み目を入れられたりしてもよい。シートの側面は、繊維通気機械28への搬送を妨げることなくその固定を可能にするために、穴あけ加工又はディンプル加工することができる。
【0038】
前駆体材料22は、再生繊維、バージン繊維、又はこれら2つの組み合わせである複数の繊維の基材を含む。繊維の供給源は選択可能であり、紙、OCC、及び他のセルロース繊維供給源を含み得るが、これらに限定されない。前駆体材料22は、難燃物質、接着剤、剥離剤、臭気剤、脱臭剤、及び1つ又は複数の材料膨張剤を含むがこれらに限定されない1つ又は複数の添加剤で処理することができる。繊維及び任意の添加剤は、輸送の容易さ、機械14への送達の容易さ、又はその両方のために、シート又はロールの形態にプレス又はその他の方法で圧密化される。
【0039】
図4に示すように、前駆体材料22は、圧密化された繊維100の組み合わせとして現れる。繊維100を通して分散された1種又は複数種の添加剤102が存在し得る。1種又は複数種の添加剤102は、繊維通気機械28を通過する間に前駆体材料22の膨張を引き起こすように配置された膨張成分を任意選択的に含み得る。圧密化された繊維100及び任意の添加剤102を含む前駆体材料22は、輸送及び繊維通気機械28への送達を容易にするために、シート又はロールの形態であり得る。図5に示すように、繊維通気機械28を通過する前駆体材料22によって形成された前駆体由来のセルロース断熱材18は、多孔性である。これは、既存の断熱製品の効果的な代替品として機能するのに適した本明細書に記載の特性を有する。
【0040】
繊維通気機械28は、圧縮形態の前駆体材料22を膨張させるように配置された膨張装置構成要素70を含むことができる。任意選択の膨張成分は、複数のマイクロビーズ又は発泡剤であり得るが、これらに限定されない。図6は、膨張装置構成要素70を通過する前後の前駆体材料22の外観の説明図を表し、膨張成分は、前駆体材料22の密度を低下させ、それによって膨張した前駆体材料200を形成するのに十分な力で前駆体材料を膨張させるように活性化される。
【0041】
膨張装置構成要素70の例が図7に示されている。例示的な膨張装置構成要素70は、前駆体材料22が上を通る、中を通過する又は下を通るヒータ70であり、前駆体材料22は添加剤として複数のマイクロビーズを含む。ヒータ70は、前駆体材料22に課される十分な熱を発生させて、マイクロビーズに前駆体材料22の体積を膨張させ、その結果、密度を低下させるように構成される。ヒータ70は、通気の前に位置決めされて示されているが、繊維通気機械28のそのセクションの後に位置決めされてもよいことが理解される。膨張装置構成要素70は、一般に、例えば発泡剤又は膨張性ビーズなどの膨張成分添加剤を含む前駆体材料22を膨張した前駆体材料200に変換するように構成される。発泡剤は、それを液体などの流動形態から発泡形態に変換させる、例えば熱又は水分に反応し得る。形成された発泡体は、前駆体材料22の寸法内に留まってもよいし、その寸法を超えて広がってもよい。膨張性ビーズは、限定しないが熱を加えることによって膨張させることができる。したがって、膨張装置構成要素70は、ヒータ、発泡アクチベータ、水分送達構成要素、又はそれらの任意の組合せであり得る。
【0042】
図8に示す本発明の装置10及び前駆体材料22を用いる本発明の方法300は、前駆体材料22を断熱製品18に変換するための第1のステップを含む。第1のステップ302において、第1の場所で製造された前駆体材料22は、第1の場所から離れている可能性がある第2の場所に移動される。例えば、第1の場所は前駆体製造施設であり得、第2の場所は断熱材設置現場であり得る。第2のステップ304において、前駆体材料22は、第2の場所の供給部12から搬送構成要素24によって前駆体加工機械14まで搬送される。第3のステップ306において、前駆体材料22は繊維通気機械28に方向付けられる。第4のステップ308において、前駆体材料22は、前駆体材料22の嵩密度を減少させるために繊維通気機械28において通気される。第5のステップ310において、通気された前駆体材料は断熱材18に変換される。第6のステップ312において、断熱材18は断熱材料送達構成要素36により設置場所に移送される。任意選択的に、前駆体材料22と断熱材18のどちらか一方又は両方を、断熱材を設置場所に移送する前に1種又は複数種の添加剤で処理してもよい。任意選択的に、前駆体材料22は断熱材18に変換する前に細断されてもよい。任意選択的に、前駆体材料22は1つ又は膨張要素を含み、本方法は任意選択的に、1つ又は複数の膨張要素を膨張させるステップを含む。
【0043】
セルロース前駆体材料22を製造するための第1の装置400を図9に示す。フィブリル化、粗化、サイジング、分離、切り刻み、又は篩、回転分離、若しくは風選(air winnowing)によって上流でサイズ選別された可能性のある、ばらけて分離されたセルロース繊維23は、予備圧縮ガイドシュート402を経て、ニップ406を含む一連の回転圧縮ローラ404に供給される。圧縮ローラ404とニップ406の数は、単一の対になるニップから、ニップ幅の間隔が小さくなる複数の対になるローラを含む多段アレイまでの範囲とすることができる。ローラ404は、テフロン(登録商標)処理又はクロムメッキを施すことができ、必要に応じて添加剤又は結合剤を活性化するために加熱することができる。ここでは連続回転圧縮ローラ404を示したが、単一又は複数開口プラテンプレスも、ばらけて分離された繊維23をセルロース前駆体材料22の1枚又は複数枚のシートに緻密化するのに同様に有用である。ローラ404は、ばらけたセルロース繊維23を中密度のマット、バット、シート、ボード又はウェブに組織化し、整列し、組み立てるように配置される。すなわち、ばらけた繊維23は、セルロース前駆体材料22の嵩密度が改質前のばらけた繊維23の嵩密度よりも高くなる程度に充填される。セルロース前駆体材料22は、ギロチンカッタ408の組み込みによりシート状製品として示されているが、紙及び硬質ボードシート品の製造において一般的に見られるギロチンカッタ408と同様のシート化デバイスを使用することができる。ギロチンカッタ408がない場合には、セルロース前駆体材料22をロール又はベール状に自己巻きすることができる。結合剤、難燃剤、着色剤又は他の加工添加剤の適用は、スプレーノズル、カーテンコーティング、オフセットロールコーティング、グラビアロール転写コーティング410によって、ばらけた非圧縮繊維23、完成した前駆体材料22又はその両方のいずれかに適用することができる。
【0044】
セルロース前駆体材料22を製造するための第2の装置500を図10に示す。フィブリル化、粗化、サイジング、分離、切り刻み、又は篩、回転分離若しくは風選によって上流でサイズ選別された可能性のあるばらけて分離されたセルロース繊維23は、予備圧縮ガイドシュート502を経て、テーパ状ニップ圧縮ベルト504に供給される。ベルト504はガラス繊維強化ゴム又はシリコーンで作ることができるが、ベルト504の好ましい構造はクロムメッキされた金属である。ベルト504がばらけた繊維23に及ぼす圧力は、複数の圧力ゾーン506を使用して緩和することができる。圧縮ベルト504は必要に応じて加熱することができる。ベルト504は、ばらけたセルロース繊維23を中密度のマット、バット、シート、ボード又はウェブに組織化し、整列し、組み立てるように配置される。すなわち、ばらけた繊維23は、セルロース前駆体材料22の嵩密度が改質前のばらけた繊維23の嵩密度よりも高くなる程度に充填される。セルロース前駆体材料22は、ギロチンカッタ508の組み込みによりシート状製品として示されているが、紙及び硬質ボードシート品の製造において一般的に見られるギロチンカッタ508と同様のシート化デバイスを使用することができる。ギロチンカッタ508がない場合は、セルロース前駆体材料22をロール又はベール状に自己巻きすることができる。結合剤、難燃剤、着色剤又は他の加工添加剤の適用は、スプレーノズル、カーテンコーティング、オフセットロールコーティング、グラビアロール転写コーティング510によって、ばらけた非圧縮繊維23、完成した前駆体材料22、又はその両方のいずれかに適用することができる。
【0045】
本発明を特定の実施形態に関して記載してきたが、本発明は、それらの明示的に記載された実施形態を意図するものではない。その代わりに、本発明は、添付の特許請求の範囲及び全ての合理的な均等物に記載されている。
図1
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図4
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図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】