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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】回収装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 23/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
F26B23/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534225
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2022085865
(87)【国際公開番号】W WO2023111025
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21214691.4
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524215502
【氏名又は名称】クライネ マティアス
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】クライネ マティアス
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AC05
3L113AC67
3L113BA23
3L113BA31
3L113DA02
(57)【要約】
本発明は、粒子含有湿潤排気から熱を回収するための回収装置及び回収方法に関するものであり、粒子含有湿潤排気の流れ方向に入口から出口まで延びるハウジングと、ハウジング内で互いに平行に延びる複数のチューブ要素と、粒子含有湿潤排気から熱を吸収するための熱交換媒体とを備え、工業用熱発生器、特に工業用乾燥システムの排気から、長時間の連続運転とダウンタイムの少ないエネルギー回収を可能にする装置及び方法を提供するために、湿潤排気がチューブ要素の内側を通って導かれ、熱交換媒体がチューブ要素の外側を流れ、チューブ要素の内側を洗浄するための洗浄ユニット(14)が粒子を含む湿潤排気の流れ方向(SR)においてチューブ要素(10)の上流に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用熱発生器、特に工業用乾燥システムのための粒子含有湿潤排気から熱を回収する回収装置であって、
入口(5)から出口(6)まで前記粒子含有湿潤排気の流れ方向(SR)に延びるハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)内において互いに平行に延びる複数のチューブ要素(10)と、
前記粒子含有湿潤排気から熱を吸収する熱交換媒体と、を備え、
前記粒子含有湿潤排気は、前記チューブ要素の内側を通って導かれ、前記熱交換媒体は、前記チューブ要素の外側を流れ、
前記チューブ要素の内側を洗浄する洗浄ユニット(14)が、前記粒子含有湿潤排気の前記流れ方向(SR)において前記チューブ要素(10)の上流に配置されている、
ことを特徴とする回収装置。
【請求項2】
前記洗浄ユニット(14)は、流体媒体を放出するために前記ハウジング(2)の長手軸線(L)回りに回転可能な少なくとも一つの放出ポート(16)を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
前記洗浄ユニット(14)は、放出要素(15)の外向きに湾曲した表面上に配置された少なくとも二つの放出ポート(16)を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回収装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの放出要素(15)は、前記ハウジング(2)の長手軸線(L)と平行に又は長手軸線(L)に配置された前記洗浄ユニット(14)の接続要素(17)上に配置され、
前記少なくとも一つの放出要素(15)及び/又は前記接続要素(17)は、前記ハウジング(2)の長手軸線(L)回りに回転可能に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の回収装置。
【請求項5】
互いに同一でかつチューブ束熱交換器(9)を形成する複数のチューブ要素(10)が、前記ハウジング(2)内において互いに平行に配置され、前記チューブ要素(10)の各々は、粒子含有湿潤排気を供給するべく一端部において入口開口部(11)を有し、前記入口開口部(11)の全ては、一つの平面内に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載の回収装置。
【請求項6】
前記洗浄ユニット(14)の少なくとも一つの放出ポート(16)は、流体媒体が前記チューブ要素(10)の前記入口開口部(11)の領域に向けられ、全ての入口開口部(11)の総面積に対して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも80%の割合で衝突するように、方向付けられ及び/又は移動可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載の回収装置。
【請求項7】
前記チューブ要素(10)は、前記粒子含有湿潤排気を前記熱交換媒体から分離するべく、前記ハウジング(2)内に配置された二つのシール要素(13)の間を伸長し、前記粒子含有湿潤排気は、前記チューブ要素(10)のみを通って流れ、前記熱交換媒体は、前記チューブ要素(10)の外側を完全に取り囲むように流れる、
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一つに記載の回収装置。
【請求項8】
前記洗浄ユニット(14)を少なくとも制御するために、少なくとも一つのセンサー素子(21)に接続された制御ユニット(20)を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一つに記載の回収装置。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか一つに記載の回収装置を用いて、粒子含有湿潤排気から熱を回収する、工業用熱発生器、特に工業用乾燥システム用の回収方法であって、
入口(5)を介して前記回収装置(1)の複数のチューブ要素(10)に粒子含有湿潤排気を供給するステップと、
前記粒子含有湿潤排気と前記チューブ要素(10)の周囲を調温し及び/又は流れる熱交換媒体との間で熱交換を行うステップと、
前記回収装置(1)の洗浄ユニット(14)を用いて、堆積した粒子を除去するべく、前記チューブ要素(10)の内側を少なくとも一時的に洗浄するステップと、を含む、
ことを特徴とする回収方法。
【請求項10】
前記チューブ要素(10)の洗浄は、定期的に及び/又は予め設定可能な限界値の関数として制御される、
ことを特徴とする請求項9に記載の回収方法。
【請求項11】
前記粒子含有湿潤排気の水分含有量及び/又は温度は、予め決定可能な限界値として設定される、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の回収方法。
【請求項12】
前記チューブ要素(10)を洗浄せずに前記粒子含有湿潤排気から最初に熱を回収し、乾燥プロセスが進行し、その結果として前記粒子含有湿潤排気の水分含有量が減少するにつれて、前記チューブ要素(10)のそれぞれを通って流れる流体媒体によって前記チューブ要素(10)から既に乾燥した粒子を除去するために洗浄をオンにする、
ことを特徴とする請求項9ないし11いずれか一つに記載の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業用熱発生器、特に、例えば洗濯用の、粒子、特に繊維を含む湿った排気から熱を回収する工業用乾燥システム用の回収装置および回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回収装置及び回収方法は、一般的に、様々な設計において最新技術から知られており、例えば、工業用乾燥システムにおいて、乾燥材料、特に繊維の乾燥中に生成される繊維を含んで湿った、特に水蒸気で飽和した排気からエネルギーを回収するために、商業用ランドリーにおいて実験的に既に使用されている。
【0003】
従来技術の装置及び方法においては、これは、熱交換器、特に、フィン付き熱交換器によって行われる。湿った排気は、熱交換器、特にフィンの外側を通過し、そこで凝縮液が生成される。乾燥材料の乾燥中において、排気には繊維が豊富に含まれ、これが熱交換器に堆積し、その結果、熱回収の効率が大幅に低下し、熱交換器の機能が低下し、最終的には熱交換器が完全に詰まってしまう。
【0004】
したがって、これらの従来技術の装置及び関連する方法の欠点は、恒久的な低メンテナンス又はメンテナンスフリーの操作が不可能なことである。それ故に、これは、メンテナンス及び修理コストが高くなるだけでなく、例えば、工業用又は商業用の乾燥システムの排気出口の領域で熱交換器の頻繁な動作障害を引き起こし、又、これらのシステムの機能不全及び動作中断、あるいは、最悪の場合には、回収装置の上流の乾燥システムの損傷にもつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、工業用熱発生器において、粒子を含む湿った排気(粒子含有湿潤排気)からエネルギーを回収することを可能にする装置及び方法を提供することであり、特に、長時間の連続運転が可能な工業用乾燥システムのための装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記目的は、請求項1に係る回収装置及び請求項9に係る回収方法によって達成される。本発明の有利なさらなる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明に係る粒子含有湿潤排気から熱を回収する回収装置は、入口から出口まで粒子含有湿潤排気の流れ方向に延びるハウジングと、ハウジング内において好ましくはハウジングの長手軸線に平行及び/又は互いに平行に延びる複数のチューブ要素と、粒子含有湿潤排気から熱を吸収する熱交換媒体とを備え、粒子含有湿潤排気はチューブ要素の内部を通って導かれ、熱交換媒体はチューブ要素の外側を流れる。さらに、本発明によれば、粒子含有湿潤排気の流れ方向においてチューブ要素の上流に配置された洗浄ユニットが、チューブ要素の内部を洗浄するために設けられている。
【0008】
本発明者は、チューブ要素の上流に洗浄ユニットを配置することには多くの利点があり、特に、工業用熱発生器、特に商業用ランドリーの工業用乾燥システムにおける湿った暖かい排気のエネルギーを回収することが可能になり、それによって、チューブ要素内の粒子特に繊維の堆積が、洗浄ユニットによる追加の洗浄によって大幅に減少する、ということを認識した。したがって、粒子の堆積による回収装置の誤動作や故障のリスクを大幅に低減することができ、そのことは、直接的に、中断のない運転時間の延長、コストの節約、及びメンテナンス作業の大幅な削減につながる。
【0009】
また、本発明者は、チューブ束熱交換器として形成された熱交換器によって、粒子含有湿潤排気からの特に効率的なエネルギー回収が可能であること、特に、粒子含有湿潤排気をチューブ(管)内に導くこのようなチューブ束熱交換器によって、本発明に係る洗浄ユニットによる効果的な洗浄が可能になること、一方、例えば、粒子を含む排気に関連するフィン付き熱交換器では、長期間に亘って十分に清潔で通過可能な状態に保つことが殆ど不可能であることを認識した。
【0010】
回収装置とは、一般に、供給された物質及び/又は資源を回収するために設けられる構造ユニットであると理解される。好ましくは、回収装置は、異なる物質及び/又は資源の混合物から少なくとも一つの物質及び/又は一つの資源を回収する。回収される物質の例としては、特に湿った排気又は他の湿ったガス又はガス混合物からの凝縮物としての水がある。回収される資源は、熱のみであってもよく又は他の資源であってもよい。好ましくは、回収装置は、主に熱回収を目的としており、特に好ましくは凝縮水も回収される。
【0011】
原則として、回収装置は、工業用熱発生器又は工業用乾燥システムから任意の場所及び任意の距離に配置することができる。例えば、回収装置は、建物の壁、天井又は屋根などによって形成される作業面に配置することができる。この目的のために、ハウジングは、例えば、それを使用される面に固定するための支持要素を有することができる。好ましくは、回収装置は、屋根の上及び/又は工業用熱発生器又は工業用乾燥システムの出口の領域に直接配置される。例えば、回収装置を輸送及び/又は取り扱うための保持要素が、ハウジング上に設けられる。
【0012】
工業用熱発生器は、熱を生成し、少なくとも一部の熱をガス流、特に排気流の一部として放出するあらゆるシステムである。このような工業用熱発生器の例としては、乾燥システムやオーブン、例えば、工業用ベーキングオーブンや食品産業のオーブンなどがある。しかしながら、熱発生器は、繊維生産や処理など、他の産業分野でも使用され得る。ただし、全ての工業用熱発生器に共通するのは、粒子及び水分、好ましくは水蒸気又は高湿度を含む排気流を放出することである。
【0013】
回収装置が好ましく使用される工業用乾燥システムは、原則として、物体から水、水溶液、及び/又は洗浄剤を除去するための任意のシステムであり、乾燥システムは、好ましくは繊維製品の乾燥用であり、特に好ましくは洗濯物の乾燥用である。この文脈では、乾燥システムは、特に好ましくはランドリーの一部であり、非常に特に好ましくは1台以上の工業用洗濯乾燥機に配置される。また、ホテルで使用されるような大型乾燥装置と組み合わせて使用することもできる。この文脈では、工業用乾燥システムとは、商業、専門、及び/又は工業分野で湿ったアイテム、特に湿った繊維製品及び/又は湿った洗濯物を乾燥するために使用することを意図したシステムであると理解される。
【0014】
本発明によれば、回収装置に供給される排気は粒子を含み、粒子は排気中に含まれる任意の固体であり得る。好ましくは、粒子は5mm未満であり、及び/又は質量が1g未満である。例えば、粒子は、焼き菓子及び/又は小麦粉の小片から形成され得る。しかしながら、原則として、任意の材料で作られた粒子が考えられるが、親水性であることが好ましい。また、粒子の少なくとも一部が繊維であることが好ましく、粒子が主に繊維であることが特に好ましく、粒子が本質的に専ら繊維であることが非常に特に好ましい。ここで、繊維とは、一般に、織物(繊維製品)及び洗濯物の処理中に、特に洗浄、平滑化及び/又は乾燥中に、繊維から生成されるか又は繊維から分離され得る任意の粒子を意味すると理解される。さらに、排気には、織物とともに導入された洗浄剤又は他の補助材料の異物や成分など、他の粒子も含まれている場合がある。
【0015】
排気には、粒子に加えて一定量の液体が含まれるため、排気は湿っていると表現される。これは、任意の液体でよく、排気中の液体は完全にガスとして存在するか又は気化しているのが好ましい。特に好ましくは、排気中に含まれる水分は、気化した水溶液であり、特に好ましくは本質的に純水であり、洗剤や柔軟剤の成分などの他の物質が少量不可避的に含まれている。
【0016】
ハウジングは、入口から出口まで湿った排気を導くために、及び/又は回収装置の内部を環境から遮断するために、及び/又は供給された排気が制御されずに放出されるのを防ぐために、使用される。この目的のために、ハウジングは、好ましくは管状である。ハウジングは、好ましくは、多角形、楕円形、又は特に好ましくは円形の断面を有し、入口と出口の間においてハウジングの長手方向軸に沿って伸長する。
【0017】
チューブ要素の各々は、ハウジングの入口と出口の間において、粒子含有湿潤排気の流れ方向に配置される。さらに、チューブ要素は、好ましくは、多角形、楕円形、又は特に好ましくは円形の断面を有し、チューブ要素の長手軸線に沿って伸長する。チューブ要素の直径は、特にチューブ要素の領域において、ハウジングの直径の好ましくは最大50%、特に好ましくは最大25%、とりわけ好ましくは最大15%、特に好ましくは最大10%である。
【0018】
回収装置は、好ましくは、少なくとも1000l/hの排気流量を通過させ得るように設計されている。一般に、回収装置は、好ましくは、入口領域における圧力が周囲圧力に比べて大幅に上昇しないように設計されて特に寸法が決められている。これは、工業用熱発生器、特に工業用乾燥システムは、通常、圧力を上昇させるように設計されておらず、可能な限り最大の体積流量を生成する必要があるため、回収装置の領域に背圧が発生すると、熱発生器又は乾燥システムの動作が妨げられるからである。したがって、回収装置は、好ましくは、少なくとも7000l/h、特に好ましくは少なくとも8000l/h、極めて特に好ましくは9000l/hの流量を通過させ得るように設計されている。
【0019】
チューブ要素の長手軸線は、例えば、ハウジングの長手軸線と平行に又はハウジングの長手軸線に配置することができる。さらに、チューブ要素は、粒子含有湿潤排気がチューブ要素内をハウジングの出口の方向に流れるように形成されている。例えば、チューブ要素は、一定の直径を有するチューブ(管)として形成される。好ましくは、ハウジング及び/又はチューブ要素は、金属材料、特に鋼又はアルミニウム材料により形成される。
【0020】
熱交換媒体は、基本的に、湿った排気から熱を吸収し及び/又は吸収した熱を回収装置から特に別の熱交換器に放散する役割を果たす。この目的のために、熱交換媒体は、少なくとも回収装置に供給されるときに、粒子含有湿潤排気よりも低い温度を有することが好ましい。これにより、排気からの熱が、温度差によって熱交換媒体に伝達され及び/又は対流によって伝達される。原理的には、回収装置に新しい熱交換媒体を継続的に供給することが考えられるが、例えば、水、特に洗濯水を直接温めるために使用する場合は、熱交換媒体を、特に、閉回路内で循環させることが好ましい。
【0021】
好ましくは、回収装置、特にハウジング及びチューブ要素は、熱交換媒体が、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、複数のチューブ要素を周方向において取り囲み、特にそれらの周囲を流れるように形成される。熱交換媒体は、例えば、純水、水溶液、水グリコール混合物、又は塩水などのチューブ要素の周囲を流れる流体として形成される。この目的のために、ハウジングは、取入れ口及び取出し口を有することができ、これらは、好ましくは、ハウジングを貫通して回収装置の外側に配置される。
【0022】
回収装置の動作中において、粒子含有湿潤排気は、入口からハウジング内に導入され、流れ方向に洗浄ユニットを通って流れるか又は洗浄ユニットを通過し、チューブ要素の一つを通って、出口を介してハウジングから放出される。湿った排気は、例えば、残留水分含有量が30%~50%、温度が100℃~140℃である。さらに、湿った排気には、衣類などの乾燥材料を上流で乾燥させたために繊維が含まれており、乾燥は工業用乾燥機で行うことが好ましい。湿った排気から熱交換媒体への熱伝達により、排気の温度が低下し、排気中の水分の少なくとも一部がチューブ要素内で凝縮する。これにより、チューブ要素内に凝縮液が形成され、繊維の少なくとも一部が排気から分離され又は繊維がチューブ要素に付着する。繊維を含む凝縮液は、能動的に例えばコンベアユニットを使用して又は受動的に例えば傾斜を利用して、ハウジングから放出することができる。放出された繊維を含む凝縮液は、例えば、回収装置が使用される高さ及び/又はそれより下方に配置された収集ユニット、例えば側溝又は排水溝を使用して放出又は回収され、その後建物内に戻されて再利用される。
【0023】
排気の乾燥プロセスが進むにつれて、既に乾燥している繊維がチューブ要素内に堆積し及び/又は凝縮液の量が堆積した繊維をチューブ要素から完全に除去するのに十分ではなくなる。洗浄ユニットは、チューブ要素内に堆積した好ましくは既に乾燥している繊維を除去するように設計されている。洗浄ユニットは、好ましくは、ハウジングの入口とハウジング内のチューブ要素との間において湿った排気の流れの方向に配置される。さらに、洗浄ユニットは、圧縮空気又は水などの流体媒体をハウジング内に放出するように設計することができる。また、ハウジングには、メンテナンス用の開口部を設けることもできる。これは、洗浄ユニットの領域に配置することが好ましく、これにより、極めて稀な故障又はメンテナンスの際に、洗浄ユニットに迅速かつ容易にアクセスできるようになる。
【0024】
洗浄ユニットは、好ましくは、流体媒体、特に圧縮空気又は水を放出するための少なくとも一つの放出ポートを有する。放出ポートは、一般に固定位置に配置することができ、好ましくは、湿った排気の流れ方向に整列される。しかしながら、本発明の有利なさらなる発展形態によれば、洗浄ユニットは、流体媒体、特に圧縮空気又は水を放出するためのハウジングの長手軸線の回りに回転可能な少なくとも一つの放出ポートを有し、これにより、チューブ要素を特に確実に洗浄することができる。
【0025】
放出ポートは、一般的に、流体媒体を放出できる洗浄ユニットの開口部であると理解される。放出ポートは、流体媒体が湿った繊維含有排気中に噴射されるように形成され得る。さらに、放出ポートは、外向きに増加する直径を有し及び/又は円錐形であってもよい。さらに、放出ポートは、特に好ましくはノズルとして形成され、流体媒体が、圧力下、特に1~8バール、好ましくは2~6バール、特に好ましくは2~5バールの圧力下で、湿った繊維含有排気中に放出され、及び/又はチューブ要素に向けられる。ノズル又は放出ポートは、洗浄ユニットの表面のスロットとして形成されてもよい。ハウジングの長手軸線回りの放出ポートの回転は、特に、ハウジングの長手軸線から一定距離の移動経路に沿った及び/又は長手軸線を中心とする円形経路に沿った移動を意味すると理解される。好ましくは、移動経路は、ハウジングの長手軸線に垂直に配置された移動面内を走行する。しかしながら、原則として、移動経路は、楕円形など、任意の方法で形成できる。
【0026】
洗浄ユニットは、少なくとも二つの放出ポートを有し、各々の放出ポートは放出要素に配置されていることが特に好ましい。或は、単一の放出要素が、その表面に分散配置された複数の放出ポートを有することが好ましい。放出要素は、基本的に、放出ポートの配置及び/又は整列、及び/又は放出ポートへの流体媒体の供給のために形成される。各々の放出要素は、好ましくは少なくとも一つの放出ポートを有し、特に好ましくは正に一つの放出ポートを有し、これは、特に好ましくは放出要素の一端の領域に配置される。或は、放出要素は、複数の放出ポートを有することもでき、その場合、それらは、特に好ましくは、互いに同じ距離をおいて配置され、及び/又は放出要素の周囲に均等に分散配置される。複数の放出要素は、好ましくは管状で及び/又は分岐していない。特に好ましくは、放出要素は、少なくとも一つの曲面を有する。さらに、複数の放出要素は、一体的に互いに接続することができる。また、好ましくは、全ての放出ポートの複数の放出要素は、互いに同一に形成され、及び/又は回転対称に配置される。放出ポートが、特に複数のスロットの形で配置され、特に、複数のスロットの形で放出ポートが配置され、外側に湾曲した及び/又は楕円形又は半球形の表面を備えた放出要素の設計も特に好ましい。スロットとして形成されたこのような放出ポートは、放出要素の表面上の何処にでも、例えば、放出要素の回転軸に対して放射状及び/又は螺旋状に延びることができる。
【0027】
洗浄ユニットは、放出ポートを回転させ、特に、放出要素をハウジングの長手軸線回りに回転させるための電動モータなどの能動的なアクティブ駆動ユニットを備えることができる。しかしながら、好ましくは、放出要素は、駆動力なしで、特に、出てくる流体媒体の圧力によって、ハウジングの長手軸線を中心に回転するように、一つ又は複数の放出ポートが形成され、及び/又は複数の放出ポートが整列されている。この目的のために、複数の放出ポートは、好ましくは、放出要素に、移動経路の方向に対して角度を付けて(傾斜して)配置され及び/又はその表面上で湾曲して延びるように形成される。
【0028】
本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも一つの放出要素は、ハウジングの長手軸線と平行に又は好ましくはハウジングの長手軸線に配置された洗浄ユニットの接続要素上に配置されており、放出要素及び/又は接続要素は、ハウジングの長手軸線回りに回転可能に取り付けられている。接続要素は、流体媒体を放出要素に導くために使用される。さらに、接続要素は、好ましくは、円筒形及び/又は円形の断面を有する。流体媒体は、好ましくは、接続要素上に配置された、例えば、ハウジングの外側及び/又はハウジング上及び/又は回収装置が配置されている建物の内側に配置された、ポンプユニットに接続することができるパイプ要素を介して、回収装置に供給される。さらに、パイプ要素は、好ましくは、例えばシール要素又は溶接継ぎ目によって密封されてハウジングに配置される。特に好ましくは、接続要素及び/又はパイプ要素は、ベアリング要素、例えば、放出要素及び/又は接続要素を回転可能に取り付けるための滑りベアリング又はローラーベアリングを有する。
【0029】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、好ましくは互いに同一であってチューブ束熱交換器を形成する複数のチューブ要素が、ハウジング内に互いに平行に配置され、各々のチューブ要素は、粒子含有湿潤排気を供給するべく一端部において入口開口部を有し、好ましくは排気を放出するための出口開口部を有する。また、全ての入口開口部は、好ましくは、共通平面内に配置される。さらに好ましくは、複数のチューブ要素の全ての入口開口部はハウジングの入口から等距離に配置され及び/又は全ての出口開口部はハウジングの出口から等距離に配置される。また、好ましくは、全てのチューブ要素の断面積は、ハウジングの断面積の少なくとも25%、特に好ましくは少なくとも50%、非常に特に好ましくは少なくとも75%であり、これにより、排気がチューブ要素を良好に通過することができ、及び/又は回収装置内での望ましくない圧力上昇が回避される。チューブ束熱交換器は、好ましくは、ハウジングの長手軸線の方向におけるハウジングの長さに対して、少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも70%の長さを有する。ハウジングは、好ましくは、入口よりもチューブ束熱交換器の領域において大きい直径を有し、その結果、ハウジングの直径は、特に好ましくは、洗浄ユニットの領域で確実に増加する。
【0030】
複数のチューブ要素は、好ましくは、湿った排気を熱交換媒体から分離するためにハウジング内に配置された二つのシール要素の間において伸長し、その結果、粒子含有湿潤排気はチューブ要素のみを通って流れ、熱交換媒体はチューブ要素の外側を完全に取り囲むように流れる。チューブ要素の入口開口部及び/又は出口開口部は、好ましくは、シール要素上に配置される。特に好ましくは、チューブ要素は、それぞれ、例えば溶接によりシール要素に接続されている。シール要素は、好ましくはプレート形状である。また、シール要素は、好ましくはハウジングの長手軸線に対して垂直に配置される。特に好ましくは、シール要素の直径は、回収装置の製造の際に、シール要素と、好ましくはシール要素間に配置されたチューブ要素とをハウジング内に挿入することができるように、ハウジング、特にハウジングの内径に適合される。シール要素をハウジングに対して密封するために、シール要素は、例えばハウジングに溶接される。また、シール要素は、好ましくは金属材料により形成される。ハウジングの取入れ口及び取出し口は、それぞれ、熱交換媒体が好ましくは全てのチューブ要素の周囲を流れるように、特に好ましくは、シール要素間の湿った排気の流れ方向と交差するように、シール要素の一つの領域にそれぞれ配置される。湿った排気がチューブ要素を通って流れ、熱交換媒体がチューブ要素を越えて流れると、粒子含有湿潤排気と熱交換媒体は接触しない。
【0031】
本発明の有利な実施形態によれば、洗浄ユニットの少なくとも一つの放出ポートは、流体媒体がチューブ要素の入口開口部の領域に向かって流れ、全ての入口開口部の総面積に対して、少なくとも40%、好ましくは60%、特に好ましくは80%の割合で衝突する(影響を及ぼす)ように、方向付けられ(整列され)及び/又は移動可能である。放出ポートは、好ましくは、流体媒体が湿った繊維含有排気の流れ方向に例えばハウジングの長手軸線に対して平行及び/又は90°未満,特に好ましくは45°未満,最も好ましくは15°未満の角度で放出されるように整列される。本発明のこの有利な実施形態により、チューブ束熱交換器の複数のチューブ要素を特に確実に洗浄することができ、スループットが増加しても、回収装置の故障又は誤動作のリスクが大幅に低減される。
【0032】
本発明の特に有利なさらなる発展形態によれば、回収装置は、特に少なくとも洗浄ユニットを制御するための少なくとも一つのセンサー素子に接続された制御ユニットを有する。制御ユニットは、好ましくは、プログラム可能なユニット、例えばコンピュータ、PLC、又は、外部及び/又はより高レベルの制御システムの形態で形成される。好ましくは、回収装置は、湿った排気の温度及び/又は圧力及び/又は水分含有量などのセンサー信号を検出するための少なくとも一つの、特に好ましくは複数のセンサー素子を有する。一つ又は複数のセンサー素子は、検出されたデータを転送するために制御ユニットに接続されている。センサー素子は、例えば、チューブ素子の前側及び/又は背後に、又はさらに好ましくはハウジング上のチューブ素子の領域に配置される。制御ユニットは、好ましくは、洗浄ユニットを作動及び非作動にするための少なくとも一つの制御手段に接続される。好ましくは、制御ユニットは、センサー信号の関数として予め決定可能なプログラムを実行するように形成される。予め決定可能なプログラムは、好ましくは、以下に説明する予め決定可能な限界値(制限値)の設定オプションを有する。さらに、制御ユニットは、検出されたデータを受信機に転送するように形成され、受信機は、特に好ましくは、回収装置から離れた位置に配置される。
【0033】
工業用熱発生器、特に工業用乾燥システム用の粒子含有湿潤排気からの熱を回収する本発明の回収方法は、特に上記の回収装置を用いて実行することができ、プロセスステップとして、回収装置の入口を介して複数のチューブ要素へ、粒子,特に繊維を含む湿った排気を供給すること、湿った排気とチューブ要素を調温し(温度を調節し)及び/又は周りを流れる熱交換媒体との間の熱交換と、堆積した粒子及び/又は繊維を除去し、及び/又はチューブ要素を粒子及び/又は繊維のない状態に保つべく回収装置の洗浄ユニットによってチューブ要素を少なくとも一時的に洗浄することを含む。好ましくは、粒子又は繊維から少なくとも部分的に分離された乾燥排気は、ハウジングの出口を介して、例えば外部の環境に放出される。
【0034】
原則として、チューブ要素は、任意の方法、任意の時点、任意の期間に亘って洗浄することができる。しかしながら、好ましくは、洗浄は、定期的に、及び/又は所定の限界値の関数として、及び/又は固定期間、及び/又は固定時間間隔の後に、又は固定時間間隔後に制御される。特に好ましくは、排気の水分含有量及び/又は温度が、所定の限界値として設定される。排気の水分含有量及び温度は、好ましくは、上記のセンサー要素によって検出され、特に好ましくは、連続的に監視される。排気の水分含有量及び温度に対して、一つ及び/又は二つの異なる所定の限界値を設けることができる。洗浄ユニットは、水分含有量が特定のレベルを下回ると、繊維乾燥プロセス中に凝縮水のために自己洗浄が不可能になるため、例えば、排気の水分含有量が第1の限界値を下回ったとき、及び/又は排気の温度が第2の限界値を超えたときに作動する。また、乾燥プロセスの終了段階は、温度の上昇によって認識でき、これは回収装置を再び使用する前に清掃するのに適したタイミングである。
【0035】
特に好ましくは、最初にチューブ要素を洗浄せずに湿った排気から熱を回収し、乾燥プロセスが進行して排気の水分含有量が減少するにつれて、それぞれのチューブ要素を流れる流体媒体によってチューブ要素から既に乾燥している繊維を除去するために洗浄をオンにする。
【0036】
本発明による回収装置の二つの実施形態及び本発明による回収方法が、図面を参照して以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】回収装置の概略図である。
図2a図1に示す回収装置のA-A線に沿った概略縦断面である。
図2b図1及び図2aに示す回収装置のB-B線に沿った概略断面図である。
図3】変更された洗浄ユニットを備えた回収装置の第2の実施形態の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、ハウジング2を備えた回収装置1の例示的な実施形態を示している。ハウジング2は、ハウジング2を屋根に固定するための二つの支持要素3と、ハウジング2を輸送するための二つの保持要素4を有する。さらに、ハウジング2は、繊維を含む湿った排気を供給するための入口5と、排気を除去するための出口6を有する。さらに、ハウジング 2は、入口5と出口6の間をハウジング2の長手軸線Lに沿って延び、直径DGの円形断面QGを有する。
【0039】
ハウジング2には、水とグリコールの混合物の形態の熱交換媒体を通過させるための取入れ口7と取出し口8が配置されている。
【0040】
図2aに示すように、チューブ束熱交換器9を形成する複数のチューブ要素10が、ハウジング2内で互いに平行に配置されている。複数のチューブ要素10は、互いに同一であり、それぞれ一定の直径DRを持つチューブ(管)として形成されている。各々のチューブ要素10は、入口開口部11と出口開口部12を有する。複数のチューブ要素10は、ハウジングの長手軸線Lに沿って互いに間隔を置いて配置された二つのシール要素13の間に配置されている。入口開口部11と出口開口部12は、それぞれ、シール要素13によって形成される共通平面内でシール要素13上に配置されている。さらに、入口開口部11及び出口開口部12は、それぞれ、入口5から等距離をおいて及び出口6から等距離をおいて配置されている。シール要素13は、繊維を含む湿った排気から熱交換媒体を分離する。ハウジング2、シール要素13及びチューブ要素10は、鋼材により形成されている。
【0041】
ハウジング2の内部には、チューブ要素10の前方において、それぞれ放出要素15に配置された二つの放出ポート16を備えた洗浄ユニット14が配置されている。複数の放出要素15は、一体的に互いに接続されており、ハウジング2の長手軸線Lを中心にベアリング要素18内の接続要素17に回転可能に取り付けられている。接続要素17に接続されたパイプ要素19を介して、圧縮空気の形態の流体媒体が放出要素15及び放出ポート16に供給される。さらに、ハウジング2には、洗浄ユニット14の領域において、メンテナンス開口部22が配置されている。
【0042】
図示されていない代替実施形態では、洗浄ユニット14は、放出要素15に沿って互いに一定の距離を置いて配置された複数の放出ポート16を有することができる。
【0043】
さらに、図1に示す回収装置1は、制御ユニット20と、制御ユニット20に接続された、例えば排気の水分含有量や温度を検出する複数のセンサー素子21を有する。複数のセンサー素子21が、ハウジング2に配置されている(図2a参照)。
【0044】
回収装置1は、回収方法を実行するために使用することができる。回収装置1は、例えば、湿った繊維製品及び洗濯物を乾燥するための工業用乾燥システムに接続される。この目的のために、回収装置1は、9000l/hの体積流量を通過させるように設計されている。乾燥システムから放出される湿った繊維含有排気は、ハウジング2の入口5を介して回収装置1に供給される。繊維含有の湿った排気は、入口5から流れ方向SRに流れ、洗浄ユニット14を通過し、入口開口部11からチューブ要素10内に流入する。取入れ口7から取出し口8に流れる熱交換媒体は、チューブ要素10の周囲を連続的に流れる。チューブ束熱交換器9において、繊維含有の湿った排気と熱交換媒体との間で熱交換が行われる。後者は、繊維含有の湿った排気よりも温度が低いため、熱交換媒体の方向に温度勾配がある。熱交換により、繊維含有の湿った排気の温度が下がり、チューブ要素10内に凝縮水が形成される。凝縮水は、ハウジング2の出口6から繊維とともに流れ出るため、ハウジング2からの排気に含まれる繊維の一部を除去するために使用される。繊維が殆ど含まれていない乾燥した排気は、ハウジング2の出口6から環境に放出される。
【0045】
センサー素子21は、湿った排気の温度と水分量を連続的に検出し、取得したデータを制御ユニット20に送信する。乾燥処理が進むにつれて、排気の水分量は減少する。水分含有量が制御ユニット20で予め設定され得る限界値を下回ると、制御ユニット20によって洗浄ユニット14がオン(起動)となる。放出要素15は、放出ポート16から流出する圧縮空気により、ハウジング2の長手軸線Lを中心に回転する。放出ポート16は、チューブ要素10の入口開口部11の方向に整列しているため、放出要素15の回転に連動して圧縮空気が全てのチューブ要素10に導入される。圧縮空気は、チューブ要素10を流れ、チューブ要素10内において既に乾燥して堆積している繊維を取り除く。さらに、圧縮空気は、ハウジング2の出口6の方向に繊維とともに凝縮液の輸送を促進する。
【0046】
回収装置1は、工業用乾燥システムからの湿った暖かい排気のエネルギーを、商業用ランドリー用に回収することを可能にする。排気から熱を回収し、必要に応じてランドリー内の凝縮液を再利用することで、例えば最大約120kW/hのエネルギーを回収することができる。洗浄ユニット14をチューブ束熱交換器9の上流に配置し、チューブ要素10に堆積した繊維を除去することで、回収装置1の誤動作や故障のリスクを大幅に低減することができる。
【0047】
図3に示す回収装置1の第2の実施形態は、洗浄ユニット14の設計のみが異なっている。ここでは、ベアリング要素18によってパイプ要素19上に回転可能に配置される放出要素15は、外側に湾曲した表面又は球面の一部分として形成され、放出ポート16はこの湾曲した表面上にスロット形状のノズルとして形成される。洗浄ユニット14の動作中において、洗浄用の流体媒体(この場合は水、圧縮空気も考えられる)が、圧力下で放出要素15の内部に導入され、表面の放出ポート15からチューブ要素10の入口開口部11の方向に放出される。スロット形状のノズルとして形成された放出ポート16の放射状に湾曲した経路により、放出要素15は自動的に回転する。また、これは、好ましくは、ステンレス鋼により形成され、及び/又は、放出ポート16が放出要素15の表面に均一に配置されており、特に回転軸に対して均一に配置されている。
【符号の説明】
【0048】
1 回収装置
2 ハウジング
3 支持要素
4 保持要素
5 入口
6 出口
7 取入れ口
8 取出し口
9 チューブ束熱交換器
10 チューブ要素
11 入口開口部
12 出口開口部
13 シール要素
14 洗浄ユニット
15 放出要素
16 放出ポート
17 接続要素
18 ベアリング要素
19 パイプ要素
20 制御ユニット
21 センサー要素
22 メンテナンス開口部
L ハウジングの長手軸線
DG ハウジングの直径
DR チューブ要素の直径
QG ハウジングの断面
SR 排気の流れ方向
図1
図2a
図2b
図3
【国際調査報告】