(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】液晶化合物
(51)【国際特許分類】
C07C 69/76 20060101AFI20241219BHJP
C07C 255/57 20060101ALI20241219BHJP
C07C 255/54 20060101ALI20241219BHJP
C07C 321/28 20060101ALI20241219BHJP
C07C 69/773 20060101ALI20241219BHJP
C07D 277/66 20060101ALI20241219BHJP
C08F 20/12 20060101ALI20241219BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20241219BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20241219BHJP
G02B 5/30 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
C07C69/76 A
C07C255/57 CSP
C07C255/54
C07C321/28
C07C69/773
C07D277/66
C08F20/12
H10K50/86
H10K59/10
G02B5/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534308
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2022083261
(87)【国際公開番号】W WO2023104545
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518163910
【氏名又は名称】ロリク・テクノロジーズ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ROLIC TECHNOLOGIES AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】シャペレ,サブリナ
(72)【発明者】
【氏名】フォン・アルクス,トビアス
【テーマコード(参考)】
2H149
3K107
4H006
4J100
【Fターム(参考)】
2H149AA13
2H149AA18
2H149AB01
2H149BA01
2H149BA11
2H149DA04
2H149DA05
2H149DA12
2H149EA02
2H149FA01Z
2H149FA24Y
2H149FA51Y
2H149FA52Y
2H149FA58Y
2H149FD21
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC32
3K107CC43
3K107EE26
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB64
4H006BB15
4H006BE90
4H006BJ50
4H006BM74
4H006BP30
4H006KA14
4H006KC30
4H006QN30
4H006TA04
4J100AL08P
4J100BA02P
4J100BA15P
4J100BB05P
4J100BC43P
4J100CA01
4J100FA03
4J100FA19
4J100JA37
(57)【要約】
本発明は、式(I)で示される新規の重合性液晶、これらの化合物を含むLCP混合物、ならびに光学および電気光学デバイスのためのそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化25】
[式中、
環Aは、非置換または置換されたフェニレン基、ナフタレン基またはビフェニレン基であり、
AA
1は、以下の化合物の群より選択され:
【化26】
AA
2は、以下の化合物であるか、または以下の化合物の群より選択され:
【化27】
ここで、AA
1およびAA
2は、互いに独立して、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシおよびC
1-C
6アルケニルオキシからなる群より選択される1個もしくは2個の置換基で置換されており、
Q
1は、非置換または置換された単素環式または複素環式基であるか、あるいは
Q
1は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id):-COO-SP
2-BB(Ia)、-OCO-SP
2-BB(Ib)、-CO-SP
2-BB(Ic)および-O-SP
2-BB(Id)で示される非置換または置換された化合物の群より選択されるが、
但し、条件として、Q
1の置換基は、F、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシおよびC
1-C
6アルケニルオキシからなる群より選択されるものとし;かつ
条件として、環Aがナフタレン基である場合、Q
1は、上に与えられた意味を有するかまたは水素であるとし;
SP
1、SP
2およびSP
3は、互いに独立して、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pは、1~18の整数であり、1個、2個、3個または4個の-CH
2-基は、置き換わっていないか、または-CH=CH-、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-CONR’-、-OCOO-、-OCONR’、-NR’-、-CONR’-、-OCOO-、-OCONR’からなる群より選択される基によって置き換わっており、ここで、R’は、水素、C
1-C
6アルキル基およびC
1-C
6アルケニル基からなる群より選択されるが;但し、条件として、スペーサー基は、2個の隣接するヘテロ原子を含有しないものとし;
nは、0または1であり、
BPは、重合性基、またはF、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシもしくはC
1-C
6アルケニルオキシであり、
P
1は、重合性基であるが、
但し、条件として、BPおよびP
1が重合性基である場合、これらは、同一または異なるものとし;
BBは、水素、または式(II)
【化28】
(式中、
AおよびBは、独立して、非置換または置換された6員単素環式もしくは複素環式基またはナフタレン基を表し;
Cは、5および6員単素環式もしくは複素環式基またはナフタレン基からなる群より選択され;
n
1およびn
2は、0または1であるが、但し、条件として、第一に、1≦n
1+n
2≦2、第二に、Cがナフタレン基である場合に0≦n
1+n
2≦2とし;
Z
1は、-O-、-S-、-COO-、-OOC-、-CO-、-CONR’-、-NR’CO-、-OCOO-、-OCONR’-、-NR’COO-および単結合からなる群より選択され;ここで、
R’は、水素、C
1-C
6アルキル基およびC
1-C
6アルケニル基からなる群より選択されるが;
但し、条件として、-SP
2-Z
1-基は、2個の隣接するヘテロ原子を含有しないものとし;
Z
2およびZ
3は、互いに独立して、単結合、-COO-、-OOC-、-CH
2-CH
2-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH
2)
4-および-(CH
2)
3O-からなる群より選択され;
R
1は、H、-CN、-COR、-COOR、-OCOR、-CONR’R、-NR’COR、OCOOR、-OCONR’R、-NR’COOR、-F、-Cl、I、-CF
3、-OCF
3、-ORからなる群より選択され、ここで
R’は、水素、C
1-C
6アルキル基およびC
1-C
6アルケニル基からなる群より選択され、Rは、水素、C
1-18アルキル基および3位またはより高位に二重結合を有するC
4-18アルケニル基からなる群より選択される)
で示される化合物である]
で示される化合物。
【請求項2】
BPおよびP
1の重合性基が、互いに独立しており、好ましくは、CH
2=C(Ph)-、CH
2=CW-COO-、CH
2=CH-COO-Ph-、CH
2=CW-CO-NH-、CH
2=CH-O-、CH
2=CH-OOC-、Ph-CH=CH-、CH
2=CH-Ph-、CH
2=CH-Ph-O-、R
6-Ph-CH=CH-COO-、R
6-OOC-CH=CH-Ph-O-および2-W-エポキシエチルからなる群より選択され、ここで
Wが、水素、塩化物、アリールまたはC
1-C
6アルキルを表し、
R
6が、C
1-C
6アルキルを表すが、但し、条件として、R
6がアリール基に結合している場合、R
6は、水素またはC
1-C
6アルコキシを表す場合もあるとする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
SP
1およびSP
3が、それぞれ互いに独立して、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pが、1~12の整数、好ましくは、1~6の整数であり、1個の-CH
2-基が、置き換わっていないか、または-O-もしくは-S-からなる群より選択される基によって置き換わっており;SP
2が、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pが、1~12の整数、好ましくは、1~10の整数であり、1個の-CH
2-基が、置き換わっていないか、または-O-もしくは-S-からなる群より選択される基によって置き換わっている、請求項1~2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
BBが、水素、または式(II)
【化29】
[式中、
AおよびBは、独立して、非置換または置換された1,4-フェニレン基またはナフタレン基を表し;
Cは、非置換または置換された1,4-フェニレン基またはナフタレン基であり;
n
1およびn
2は、0または1であるが、但し、条件として、第一に、1≦n
1+n
2≦2、第二に、Cがナフタレン基である場合に0≦n
1+n
2≦2とし;
但し、条件として、-SP
2-Z
1-基は、2個の隣接するヘテロ原子を含有しないものとし;
Z
2およびZ
3は、独立して、単結合、-COO-および-OOC-からなる群より選択され;
R
1は、H、-CNおよびIからなる群より選択される]
で示される化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
BPが、重合性基、またはC
1-C
4アルキル、Iもしくは-CNである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
nが1であり、BPが重合性基である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
式(I)で示される化合物を含む、LCP混合物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物または請求項7に記載の混合物を架橋または重合された形態で含む、LCPネットワーク。
【請求項9】
光学または電気光学デバイスの製造における、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、または請求項7に記載の混合物の使用。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、請求項7に記載の混合物または請求項8に記載のネットワークを含む、光学または電気光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い光学異方性を有するラテラルに置換された硬化性液晶(LCP)、およびLCP分子の配列を制御できる実質的に均一なまたはパターン化されたフィルムの作製におけるそのようなLCPの使用に関する。
【0002】
ディスプレイ業界において、光学LCPフィルムは、例えば偏光子のための、光学または電気光学効果の提供または増大に使用されている。ディスプレイは、ますます薄くなってきている。そのため、この業界から、リタデーションフィルムなどの、所望の光学または電気光学効果を提供するより薄い光学LCPフィルムの要望が高まっている。
【0003】
リタデーションフィルムは、通過した光の偏光状態を変化させる光学素子の一種である。光が位相リターダを通過すると、位相リターダの複屈折および厚みによりその偏光方向が変化する。位相リターダの作製における最大の課題の1つは、小さな負担で高性能フィルムを作製することである。高い複屈折を有する液晶を使用すると、少量の液晶化合物で必要なリタデーション値を実現可能である。高い複屈折を有するLCP材料は、薄い光学フィルム、とりわけ薄いリタデーションフィルムに至る方法を提供するだろう。
【0004】
それゆえ、本発明の任務は、光学フィルムに適用可能な高い複屈折を有する新たなLCP材料を探索することであった。
【0005】
本発明の第一の局面は、式(I)
【化1】
[式中、
環Aは、非置換または置換されたフェニレン基、ナフタレン基またはビフェニレン基であり、好ましくは、環Aは、非置換または置換された1,4-フェニレン基、2,6-ナフタレン基、1,4-ナフタレン基、1,5-ナフタレン基または4,4’-ビフェニレンであり;より好ましくは、環Aは、非置換または置換された1,4-フェニレン基または1,4-ナフタレン基であり、
AA
1は、以下の化合物の群より選択され:
【化2】
AA
2は、以下の化合物であるか、または以下の化合物の群より選択され:
【化3】
ここで、AA
1およびAA
2は、互いに独立して、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシおよびC
1-C
6アルケニルオキシからなる群より選択される1個もしくは2個の置換基で置換されており、
Q
1は、非置換または置換された単素環式または複素環式基であり、好ましくは、1,4-フェニレン、ピリジン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、trans-1,4-シクロヘキシレン、trans-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,4-ナフタレンジイルおよび2,6-ナフタレンジイル、ベンゾフラン、ベンゾチアゾールおよびベンゾイミダゾールからなる群より選択され;より好ましくは、Q
1は、1,4-フェニレン、1,4-ナフタレンジイル、2,6-ナフタレンジイル、ベンゾフラン、ベンゾチアゾールおよびベンゾイミダゾールからなる群より選択され;とりわけより好ましいQ
1は、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾールより選択されるか;または、とりわけ最も好ましいQ
1は、ベンゾチアゾールまたはベンゾイミダゾールであるか;あるいは
Q
1は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id):-COO-SP
2-BB(Ia)、-OCO-SP
2-BB(Ib)、-CO-SP
2-BB(Ic)および-O-SP
2-BB(Id)で示される非置換または置換された化合物の群より選択され、とりわけ最も好ましいQ
1は、-COO-SP
2-BB(Ia)より選択されるが;
但し、条件として、Q
1の置換基は、F、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシおよびC
1-C
6アルケニルオキシからなる群より選択されるものとし;かつ
条件として、環Aがナフタレン基である場合、Q
1は、上に与えられた意味を有するかまたは水素であるとし;
SP
1、SP
2およびSP
3は、互いに独立して、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pは、1~18の整数であり、1個、2個、3個または4個の-CH
2-基は、置き換わっていないか、または-CH=CH-、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-CONR’-、-OCOO-、-OCONR’、-NR’-、-CONR’-、-OCOO-、-OCONR’からなる群より選択される基によって置き換わっており、ここで、R’は、水素、C
1-C
6アルキル基およびC
1-C
6アルケニル基からなる群より選択されるが;但し、条件として、スペーサー基は、2個の隣接するヘテロ原子を含有しないものとし;好ましくは、SP
1およびSP
3は、それぞれ互いに独立して、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pは、1~12の整数、好ましくは、1~6の整数であり、1個の-CH
2-基は、置き換わっていないか、または-O-もしくは-S-からなる群より選択される基によって置き換わっており;好ましくは、SP
2は、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pは、1~12の整数、好ましくは、1~10の整数であり、1個の-CH
2-基は、置き換わっていないか、または-O-もしくは-S-からなる群より選択される基によって置き換わっており;
nは、0または1、好ましくは、1であり、
BPは、重合性基、またはF、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシもしくはC
1-C
6アルケニルオキシであり、好ましくは、BPは、CN、I、または重合性基であり、
P
1は、重合性基であるが、
但し、条件として、BPおよびP
1が重合性基である場合、これらは、同一または異なるものとし;
BBは、水素、または式(II)
【化4】
(式中、
AおよびBは、独立して、非置換または置換された6員単素環式もしくは複素環式基またはナフタレン基を表し;
Cは、5および6員単素環式もしくは複素環式基またはナフタレン基からなる群より選択され;
n
1およびn
2は、0または1であるが、但し、条件として、第一に、1≦n
1+n
2≦2、第二に、Cがナフタレン基である場合に0≦n
1+n
2≦2とし;好ましくは、n
1は1であり、n
2は0であり;
Z
1は、-O-、-S-、-COO-、-OOC-、-CO-、-CONR’-、-NR’CO-、-OCOO-、-OCONR’-、-NR’COO-および単結合からなる群より選択され;ここで、
R’は、水素、C
1-C
6アルキル基およびC
1-C
6アルケニル基からなる群より選択され;好ましくは、Z
1は、-O-、-COO-、-OOC-または単結合であるが;
但し、条件として、-SP
2-Z
1-基は、2個の隣接するヘテロ原子を含有しないものとし;
Z
2およびZ
3は、互いに独立して、単結合、-COO-、-OOC-、-CH
2-CH
2-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH
2)
4-および-(CH
2)
3O-からなる群より選択され;好ましくは、Z
2およびZ
3は、独立して、単結合、-COO-および-OOC-からなる群より選択され;
R
1は、H、-CN、-COR、-COOR、-OCOR、-CONR’R、-NR’COR、OCOOR、-OCONR’R、-NR’COOR、-F、-Cl、I、-CF
3、-OCF
3、-ORからなる群より選択され、好ましくは、H、-CNおよびIからなる群より選択され、ここで、R’は、水素、C
1-C
6アルキル基およびC
1-C
6アルケニル基からなる群より選択され、Rは、水素、C
1-18アルキル基および3位またはより高位に二重結合を有するC
4-18アルケニル基からなる群より選択され、好ましくは、より高位は、4、5、6、7、8、9、10位である)
で示される化合物である]
で示される化合物、好ましくは液晶を提供する。
【0006】
スペーサー基SP1、SP2およびSP3は、それぞれ互いに独立して、非置換であるか、または1個もしくは複数個のフッ素もしくは塩素原子によって置換されている。置換基が存在しないスペーサー基が好ましい。
【0007】
基AおよびBは、飽和、不飽和の脂環式基または芳香族基である。これらは、非置換であるか、またはF、Cl、CN、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシおよび低級アルケニルオキシからなる群より選択される1個もしくは2個の置換基によって置換されている。好ましくは、基AおよびBはそれぞれ、置換基を1個だけ含有する。基AおよびBは、置換基を含有しないことがとりわけ好ましい。
【0008】
基AおよびBは、1,4-フェニレン、ビフェニレン、ピリジン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、trans-1,4-シクロヘキシレンまたはtrans-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、ビシクロヘキシレン、1,4-ナフタレンジイルおよび2,6-ナフタレンジイルからなる群より選択されることが好ましい。AおよびBは、1,4-フェニレン、trans-1,4-シクロヘキシレンおよび2,6-ナフタレンジイルからなる群より選択されることがとりわけ好ましい。
【0009】
基Cは、飽和、不飽和の脂環式基または芳香族基である。それは、F、Cl、CN、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシおよび低級アルケニルオキシからなる群より選択される1個または2個の置換基で場合により置換されている。基Cは、最大で1個の置換基を含有することが好ましい。基Cは、置換基を含有しないことがとりわけ好ましい。
【0010】
基Cは、フラン-2,4-ジイル、フラン-2,5-ジイル、テトラヒドロフラン-2,4-ジイル、テトラヒドロフラン-2,5-ジイル、ジオキソラン-2,4-ジイル、ジオキソラン-2,5-ジイル、オキサゾール-2,4-ジイル、オキサゾール-2,5-ジイル、シクロペンタン-1,3-ジイル、シクロペンタン--1,4-ジイル、1,4-フェニレン、ピリジン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、trans-1,4-シクロヘキシレンまたはジオキサン-2,5-ジイル、1,4-ナフタレンジイル、1,3-ナフタレンジイル、1,5-ナフタレンジイル、1,6-ナフタレンジイル、1,7-ナフタレンジイル、2,3-ナフタレンジイル、2,4-ナフタレンジイル、2,5-ナフタレンジイル、2,6-ナフタレンジイル、2,7-ナフタレンジイル、および2,8-ナフタレンジイルより選択されることが好ましい。Cは、フラン-2,5-ジイル、テトラヒドロフラン-2,5-ジイル、オキサゾール-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、trans-1,4-シクロへキシレン、および2,6-ナフタレンジイルからなる群より選択されることがとりわけ好ましく、とりわけより好ましいCは、1,4-フェニレンである。
【0011】
BPおよびP1の重合性基は、それぞれ互いに独立しており、好ましくは、CH2=C(Ph)-、CH2=CW-COO-、CH2=CH-COO-Ph-、CH2=CW-CO-NH-、CH2=CH-O-、CH2=CH-OOC-、Ph-CH=CH-、CH2=CH-Ph-、CH2=CH-Ph-O-、R6-Ph-CH=CH-COO-、R6-OOC-CH=CH-Ph-O-および2-W-エポキシエチルからなる群より選択され、ここで、Wは、水素、塩化物、アリールまたはC1-C6アルキルを表す。
【0012】
R6は、C1-C6アルキルを表すが、但し、条件として、R6がアリール基に結合している場合、R6は、水素またはC1-C6アルコキシを表す場合もあるとする。
【0013】
BPおよびP1の重合性基は、互いに独立しており、とりわけ好ましくは、CH2=CW-COO-、CH2=CH-O-、およびCH2=CH-OOC-からなる群より選択され、ここで、Wは、水素、塩化物、アリールまたはC1-C6アルキル、好ましくは、水素またはC1-C6アルキルを表す。
【0014】
用語「低級アルキル」とは、C1-6のアキラルな分岐鎖または直鎖アルキル基を含むと理解されるべきである。本発明の化合物中に存在し得る低級アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0015】
用語「低級アルケニル」とは、二重結合が2位またはより高位にあるC3-6のアキラルな分岐鎖または直鎖アルケニル基を含むと理解されるべきである。本発明の化合物中に存在し得る低級アルケニル基の例として、2-プロペニル、3-ブテニル、3-イソペンテニル、4-ペンテニル、5-ヘキセニル、4-イソヘキセニルなどが挙げられる。
【0016】
用語「低級アルコキシ」とは、C1-6のアキラルな分岐鎖または直鎖アルコキシ基を含むと理解されるべきである。本発明の化合物中に存在し得る低級アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられる。
【0017】
用語「アルケニルオキシ」とは、二重結合が2位またはより高位にあるC3-6のアキラルな分岐鎖または直鎖アルケニルオキシ基を含むと理解されるべきである。本発明の化合物中に存在し得る低級アルケニルオキシ基の例として、2-プロペニルオキシ、3-ブテニルオキシ、4-ペンテニルオキシ、5-ヘキセニルオキシなどが挙げられる。
【0018】
出発物質は、市販されているかまたは容易に調製することができ、当業者によく知られている。
【0019】
好ましくは、本発明は、
環Aが、非置換または置換されたフェニレン基、好ましくは、1,4-フェニレン基、またはナフタレン基であり;
AA
1が、以下の化合物の群より選択され:
【化5】
AA
2が、C
1-C
4アルキレン、脂環式基、または以下の化合物の群より選択され:
【化6】
Q
1が、ベンゾフラン、ベンゾチアゾールおよびベンゾイミダゾールからなる群より選択される非置換または置換されている基であり;好ましくは、Q
1が、ベンゾチアゾールまたはベンゾイミダゾールであるか、あるいは
Q
1が、式(Ia):-COO-SP
2-BBの群より選択されるが、
但し、条件として、Q
1の置換基が、F、Cl、Br、I、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルケニル、C
1-C
6アルコキシおよびC
1-C
6アルケニルオキシからなる群より選択されるものとし;かつ、条件として、環Aがナフタレン基である場合、Q
1は、上に与えられた意味を有するかまたは水素であるとし;
SP
1およびSP
3が、互いに独立して、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pが、1~12の整数、好ましくは、1~6の整数であり、1個の-CH
2-基が、置き換わっていないか、または-O-もしくは-S-からなる群より選択される基によって置き換わっており;そして
SP
2が、単結合または式-(CH
2)p-で示されるスペーサー基を表し、式中、pが、1~12の整数、好ましくは、1~10の整数であり、1個の-CH
2-基が、置き換わっていないか、または-O-もしくは-S-からなる群より選択される基によって置き換わっており;
nが、0または1であり、そして
BPが、重合性基、またはC
1-C
4アルキル、Iもしくは-CNであり、
P
1が、重合性基であり、
ここで、重合性基が、CH
2=C(Ph)-、CH
2=CW-COO-、CH
2=CH-COO-Ph-、CH
2=CW-CO-NH-、CH
2=CH-O-、CH
2=CH-OOC-、Ph-CH=CH-、CH
2=CH-Ph-、CH
2=CH-Ph-O-、R
6-Ph-CH=CH-COO-、R
6-OOC-CH=CH-Ph-O-および2-W-エポキシエチルからなる群より選択され、ここで、Wが、水素、塩化物、アリールまたはC
1-C
6アルキルを表し、好ましくは、Wが、水素であり;より好ましくは、重合性基が、CH
2=CW-COO-であり、ここで、Wが、水素を表し、
R
6が、C
1-C
6アルキルを表すが、但し、条件として、R
6がアリール基に結合している場合、R
6は、水素またはC
1-C
6アルコキシを表す場合もあるとし、
但し、条件として、BPおよびP
1が重合性基である場合、これらは、同じであってもまたは異なっていてもよいものとし、そして
BBが、水素、または式(II)
【化7】
(式中、
AおよびBは、独立して、非置換または置換された1,4-フェニレン基またはナフタレン基を表し;好ましくは、AおよびBは、独立して、非置換または置換された1,4-フェニレン基を表し、
Cは、非置換または置換された1,4-フェニレン基またはナフタレン基であり;好ましくは、Cは、非置換または置換された1,4-フェニレン基であり、
n
1およびn
2は、0または1であるが、但し、条件として、第一に、1≦n
1+n
2≦2、第二に、Cがナフタレン基である場合に0≦n
1+n
2≦2とし;好ましくは、n
1は1であり、n
2は0であり、
Z
1は、-O-、-COO-、-OOC-、-CO-および単結合からなる群より選択されるが;
但し、条件として、-SP
2-Z
1-基は、2個の隣接するヘテロ原子を含有しないものとし;
Z
2およびZ
3は、独立して、単結合、-COO-および-OOC-からなる群より選択され;好ましくは、Z
2およびZ
3は、独立して、単結合であり、そして
R
1は、H、-CNおよびIからなる群より選択され、好ましくは、R
1は、-CNである)
で示される化合物である、式(I)で示される化合物、好ましくは液晶を提供する。
【0020】
より好ましくは、本発明は、AA1およびAA2、SP1およびSP1およびP1ならびにBPが、同一であるか、または、AA2が、1,4-フェニレンであり、nが、0であり、環A、AA1、Q1、SP1、SP2、SP3、BPおよびP1が、上に与えられた通りの意味を有し、好ましくは、BPが、ハロゲンIを表す、式(I)で示される化合物、好ましくは液晶を提供する。
【0021】
本出願との関連の範囲内で使用されるようなLCP材料は、液晶モノマーおよび/または液晶オリゴマーおよび/または液晶ポリマーおよび/または架橋液晶を含む、液晶材料を意味するものとする。液晶材料が液晶モノマーを含む場合、そのようなモノマーは、典型的には、LCP材料において例えば配向層との接触により異方性が創出された後に、重合され得る。重合は、熱処理によってまたは化学線(好ましくはUV光を含む)への曝露によって開始され得る。LCP材料は、一種類の液晶化合物のみを含んでよいが、追加の重合性および/または非重合性化合物を含んでもよく、これらの化合物のすべてが液晶化合物である必要はない。さらに、LCP材料は、酸化防止剤、開始剤、例えば光開始剤、促進剤、色素、阻害剤、活性化剤、充填剤、連鎖移動阻害剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、増稠剤、チキソトロープ剤、界面活性剤、粘度調整剤、伸展油、可塑剤、粘着付与剤、触媒、増感剤、安定剤、例えば、フェノール誘導体、例えば4-エトキシフェノールまたは2,6-ジ-tert-ブチル--4-メチル-フェノール(BHT)など、平滑剤;分散剤;ポリマー結合剤および/もしくは重合によってポリマー結合剤に変換できるモノマー化合物、または、エマルション塗料および印刷用インクの場合、米国特許第5,798,147号に開示されているような分散助剤;疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、補助剤、着色剤、色素および顔料、硬化阻害剤、例えばヒドロキノン、p-tert.-ブチルカテコール;2,6-ジ tert.-ブチル-p-メチルフェノール;フェノチアジン;N-フェニル-2-ナフチルアミン;またはEP 1 090 325 Bに記載されているような光配列性モノマーもしくはオリゴマーもしくはポリマー、キラル添加剤、等方性もしくは異方性の蛍光および/もしくは非蛍光色素、特に二色性色素を含むがそれらに限定されない、添加剤を含有してよい。
【0022】
本発明の化合物は、LCP混合物の調製において使用してよいことが理解されよう。そのような混合物は、式(I)で示される化合物と1つまたは複数の追加成分とを混合することによって調製され得る。有機溶剤をこれらの混合物の調製において使用してもよい。
【0023】
それゆえ、本発明の第二の局面は、式(I)で示される化合物と1つまたは複数の追加成分とを含むLCP混合物を提供する。LCP混合物はまた、適切な有機溶剤を含んでもよい。
【0024】
LCP混合物中に存在する1つまたは複数の追加成分は、式(I)で示されるさらなる化合物、他のメソゲン性化合物、メソゲン性分子構造と適合性の化合物、またはヘリカルピッチの誘導のためのキラルドーパントであり得る。LCP混合物はまた、適切な有機溶剤を含んでもよい。
【0025】
そのような液晶混合物の調製において使用してよい溶剤の例として、アセトン、シクロペンタノン(CP)、シクロヘキサノン(CH)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド(AN)、テトラヒドロフラン(THF)、1,3-ジオキソラン(DXG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル(EA)、1-メトキシ-2-プロパノールアセタート(MPA)、ガンマ-ブチロラクトン(BL)、プロピレングリコールモノアセタート、プロピレングリコールジアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0026】
最も好ましいものは、シクロペンタノン(CP)、シクロヘキサノン(CH)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル(EA)、1-メトキシ-2-プロパノールアセタート(MPA)、1,3-ジオキソラン(DXG)、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。
【0027】
二色性色素は、分子の長軸方向と短軸方向との間で吸光度が変動する色素のことを指す。二色性色素は、好ましくは、可視光を吸収する。二色性色素の例として、アゾ色素、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素およびアントラキノン色素が挙げられる。これらの二色性色素は、個別にまたは組み合わせて使用することができる。液晶混合物の100質量部に対して使用される二色性色素の量は、0.01質量部~40質量部、好ましくは、0.05質量部~15質量部である。
【0028】
本発明の化合物はまた、本発明の第一の局面に係るLCP化合物または本発明の第三の局面に係るLCP混合物を基板上にキャスティングすることにより、LCP層の形成において使用してもよい。
【0029】
それゆえ、本発明の第三の局面は、LCPネットワーク、好ましくはLCPフィルムを形成する方法であって、
式(I)で示される化合物または好ましくは式(I)で示される化合物を含むLCP混合物を含むLCP層を形成すること、および
LCP層を重合すること
を含む、方法を提供する。
【0030】
本発明はまた、本発明の第四の局面において、式(I)で示される化合物またはLCP混合物を架橋された形態で含む、架橋されたLCPネットワークも含む。
【0031】
LCPネットワーク、好ましくは、LCPフィルムは、好ましくは0.27~0.45(±0.01~0.02)の範囲の、より好ましくは0.28~0.40(±0.01)の範囲の、最も好ましくは0.30~0.40(±0.01)の範囲の、とりわけ最も好ましくは0.31~0.38(±0.01)の範囲の複屈折を有する。複屈折(Δn)は、エリプソメーターを用いた測定により、決定されたリタデーション(ここでは550nmでの)および厚み値から、式(Δn=リタデーション/厚み)に従って得た。試料の厚みは、触針式段差計によって測定される。
【0032】
本発明の第五の局面は、光学または電気光学デバイスの作製における式(I)で示される化合物の使用を提供する。光学または電気光学デバイスの作製における液晶混合物の使用も、本発明のこの局面に含まれる。
【0033】
本発明の第六の局面は、式(I)で示される化合物を架橋された状態で含む光学または電気光学デバイスを提供する。本発明の第三の局面にかかるLCP液晶混合物を架橋された状態で含む光学または電気光学デバイスも、本発明のこの局面に含まれる。
【0034】
LCP混合物は、支持体上に適用することができる。支持体は、剛性であっても可撓性であってもよく、任意の形態または形状を有することができる。例えば、支持体は、複雑な表面を備えた物体であり得る。原則として、支持体は、任意の材料から構成され得る。好ましくは、支持体は、プラスチック、ガラスもしくは金属を含むか、またはシリコンウェーハである。支持体が可撓性である場合、支持体は、プラスチックまたは金属箔であることが好ましい。好ましくは、支持体の表面は平坦である。いくつかの用途では、支持体は、マイクロレンズもしくはマイクロプリズムのような微細構造、または矩形構造などの形状の急激な変化を示す構造など、局所的表面構造を含み得る。好ましくは、支持体は、透明である。
【0035】
支持体は、LCP混合物の堆積の間、移動し得る。例えば、LCP混合物の層は、好ましくはプラスチックまたは金属製である移動している可撓性の箔上に材料組成物を堆積させることによって、連続式ロールツーロールプロセスで生産され得る。次いで、得られたフィルムを支持体箔と一緒にロール上に巻き取ってもよく、またはフィルムを支持体から剥離してもよく、フィルムは、その後、支持体なしで自立型フィルムとして巻き取られる。
【0036】
支持体は、有機層、誘電体層または金属層などの追加の層を有し得る。層は、様々な機能を有することができ、例えば、有機層は、コーティングされる材料の支持体との適合性を高めるプライマー層としてコーティングすることができる。金属層は、例えばディスプレイなどの電気光学デバイスにおいて使用されるときに電極として使用されてもよく、または反射体としての機能を有することもできる。また、支持体は、例えば薄膜トランジスタ、電極またはカラーフィルターを含み得るLCD用の基板など、特定の機能を有する光学素子またはデバイスであってもよい。別の例では、支持体は、OLED層構造を含むデバイスである。また、支持体は、リターダフィルム、偏光子、例えば偏光フィルムまたはシート偏光子、反射偏光子、例えば市販のVikuity(商標)DBEFフィルムであることもできる。
【0037】
LCP混合物は、押出成形、キャスティング、成型、2Dもしくは3D印刷またはコーティングのような任意の適切な方法によって支持体に適用され得る。適切なコーティング法は、例えば、スピンコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、キスロールコーティング、ダイコーティング、ディッピング、ブラッシング、バーによるキャスティング、ローラコーティング、フローコーティング、ワイヤコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、メータリング・ロッド(Meyerバー)コーティング、スロットダイ(押出)コーティング、ローラコーティング、フレキソコーティングである。適切な印刷法として、シルクスクリーン印刷、レリーフ印刷、例えばフレキソグラフ印刷、ジェット印刷、凹版印刷、例えば直接グラビア印刷もしくはオフセットグラビア印刷、リソグラフ印刷、例えばオフセット印刷、またはステンシル印刷、例えばスクリーン印刷が挙げられる。
【0038】
LCP混合物の層は、支持体の表面全体を覆う必要はない。むしろ、層は、例えば印刷によってパターンの形態で適用されてもよく、または、堆積後に、例えばフォトリソグラフィー法によってパターンの形態を有するように処理されてもよい。
【0039】
LCPの配向は、液晶を配向するための任意の公知の手段によって達成することができる。例えば、支持体は、配向表面を有していてよく、これは、該表面が液晶を配向する能力を有することを意味するものとする。支持体は、さらに処理することなく、予め配向を与えることができる。例えば、プラスチック基板を支持体として使用する場合、支持体は、製造方法、例えば基板の押出成形または延伸に起因して、表面上に配向を与えることができる。また、配向能を生じさせるために、支持体をブラシで擦るか、または方向性微細構造をインプリントすることも可能である。あるいは、とりわけ配向性能に関して設計された支持体上に、材料の薄層をコーティングしてもよい。層は、さらにブラシで擦るか、または、例えばインプリンティングによって表面上に方向性微細構造を有するように処理してもよい。薄層が光配列性物質を含む場合、配向光に曝露することによって配向を生じさせることができる。
【0040】
LCP層中の液晶の配列パターンを規定するために、基板の配向表面は、配向方向のパターンを示し得る。好ましくは、光配列性物質を含む配向層がこの目的のために使用され、そして、異なる偏光面の配向光に選択的に曝露することにより配向パターンが生じる。
【0041】
本発明では、高い複屈折を有する本発明の式Iで示される新たな化合物が見いだされた。さらに、式Iで示される化合物は、配向層により、好ましくは光配向材料を用いて低エネルギーで配向させることができ、このことは、より少ないエネルギー消費でより経済的なプロセスに至る方法を提供する。
【0042】
加えて、驚くべきことに、式Iで示される化合物は、結晶化なしに非常に良好な配向品質を示すことが見いだされた。
【0043】
さらに、式Iで示される化合物は、低エネルギー(<250mJ)で配向させることができる。これらは、結晶化なしに非常に良好な配向品質を示す。
【0044】
本発明はこれから、以下の非限定的な実施例を参照して説明する。これらの実施例は、例証を目的として提供されるにすぎない。本発明の範囲内に含まれるこれらの実施例に対する変形は、当業者に明白であろう。
【0045】
本発明はこれから、以下の非限定的な実施例を参照して説明する。これらの実施例は、例証を目的として提供されるにすぎない。本発明の範囲内に含まれるこれらの実施例に対する変形は、当業者に明白であろう。
【実施例】
【0046】
実施例において使用される定義:
1H NMR:1H核磁気共鳴分光法
DMSO-d6:重水素化ジメチルスルホキシド
300MHz:300メガヘルツ
m:マルチプレット、d:ダブレット、dd:ダブレットダブレット、t:トリプレット、s:シングレット
DMF:ジメチルホルムアミド
HCl:塩酸
DBU:2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミドール[1,2-a]アゼピン
THF:テトラヒドロフラン
Na2SO4:硫酸ナトリウム
Pd(PPh3)2Cl2:ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド
DCC:N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
CH2Cl2:ジクロロメタン
THF:テトラヒドロフラン
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
CuI:ヨウ化銅
MgSO4:硫酸マグネシウム
【0047】
以下の実施例において、サーモトロピック相は、次のように略記される:
・T(Cr-N):結晶相からネマチック相への転移温度
・T(N-I):ネマチック相から等方性相への転移温度
【0048】
実施例1:6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オール化合物1の調製
600mlのDMF中の4-ヨードフェノール(40.0g、0.182mol)と炭酸カリウム(32.6g、0.236mol)の混合物を90℃に加熱する。120mlのDMF中の6-クロロヘキサン-1-オール(37.2g、0.272mol)およびヨウ化カリウム(3.0g、0.018mol)を滴下する。次いで、混合物を90℃で12時間撹拌する。次いで、溶液を室温まで冷まし、1.3当量のHClを含有する2.5Lの氷水に注ぐ。沈殿物を濾別し、2Lの水で2回洗浄し、40℃で真空乾燥させ、標記化合物(56.67g、0.177mol)をオフホワイトの粉末物として与える。
【0049】
実施例2:6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル])フェノキシ]-ヘキサン-1-オール化合物2の調製
6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オール(24.09g、0.075mol)、Pd(PPh3)2Cl2(2.64g、3.76mmol)、ヨウ化銅(1.43g、7.52mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.97g、7.52mmol)を100mlのトリエチルアミン(100ml)に懸濁する。トリメチルシリルアセチレン(11.08g、0.113mol)を滴下する。次いで、生じた混合物を60℃に5時間加熱した後、それを25℃まで冷ます。Hyflo(登録商標)での濾過に続き、溶媒を蒸発させる。残留物を酢酸エチルに溶解し、酸性H2O、ブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させる。残留物を、ヘプタン/酢酸エチルの1:1混合物を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(19.53g、0.067mol)を褐色の油状物として提供する。
【0050】
実施例3:6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オール化合物3の調製
500mlのメタノール中の6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-ヘキサン-1-オール(19.53g、0.067mol)溶液に、炭酸カリウム(19.13g、0.134mol)を加える。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。溶媒の蒸発後、1LのH2Oを加え、懸濁液を酢酸エチルで抽出する。ヘプタン/酢酸エチルの1:1混合物を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(9.55g、0.044mol)を褐色の油状物として提供し、これは、数分後に結晶化する。
【0051】
実施例4:メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物4の調製
50mlのメタノール中の2,5-ジヒドロキシ安息香酸(10.0g、0.065mol)溶液に、5mlの濃硫酸を加えると、温度が40℃まで上昇する。混合物を24時間還流し、次いで、25℃まで放冷する。溶液をH2Oに注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾別する。溶液を真空下で濃縮して、標記化合物(10.7g、0.063mol)を白色の粉末物として与える。
【0052】
実施例5:メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物5の調製
メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート(8.4g、0.05mol)、4-ヨード安息香酸(24.8g、0.1mol)およびDMAP(1.22g、0.01mol)を450mlのジクロロメタンに懸濁する。80mlのジクロロメタンに溶解したDCC(25.8g、0.125mol)を滴下する。添加完了後、懸濁液を25℃で3時間撹拌する。次いで、懸濁液をHyflo(登録商標)で濾別し、これを250mlのジクロロメタンで洗浄する。溶液を真空下で濃縮し、250mlのメタノール中での再結晶化による精製は、標記化合物(21.55g、0.034mol)を白色の粉末物として与える。
【0053】
実施例6:メチル 5-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ-2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート化合物6の調製
N2雰囲気下、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オール(4.17g、0.019mol)、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート(12.0g、0.019mol)、Pd(PPh3)2Cl2(0.67g、0.95mmol)、ヨウ化銅(0.36g、1.9mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.5g、1.9mmol)を200mlのトリエチルアミンに懸濁する。混合物を40℃で5時間撹拌する。25℃まで冷ました後、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オール(0.83g、0.004mol)を加える。24時間撹拌した後、反応混合物を500mlのH2Oに注ぎ、HClでpH 1に酸性化する。沈殿物を濾別し、残留物を1Lの酢酸エチルで溶解させた。溶液をHyflo(登録商標)に通し、次いで、真空下で濃縮する。ヘプタン/酢酸エチルの1:2混合物を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(3.5g、0.005mol)を暗橙色の固体として生じる。
【0054】
実施例7:メチル 2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-5-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-ベンゾアート化合物7の調製
【化8】
0℃に冷却した150mlのテトラヒドロフラン中のメチル 5-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート(3.5g、0.005mol)溶液に、トリエチルアミン(1.47g、0.014mol)を加える。反応混合物に2-プロペノイルクロリド(2.2g、0.024mol)を滴下し、続いて、DMAP(0.122g、0.97mmol)を加える。0~5℃で4時間撹拌した後、混合物を25℃まで放温する。次いで、溶液をアセトニトリルで希釈し、酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、褐色の残留物を与える。前の油状物をアセトニトリルに懸濁する。得られた沈殿物を濾別し、真空下で乾燥させて、標記化合物(1.12g、1.45mmol)を灰色の固体として生じる。
【0055】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物7を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、82℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、184℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.16 (m, 2H), 8.03 (m, 2H), 7.90 (m, 3H), 7.74 (m, 3H), 7.55 (m, 3H), 7.01 (m, 3H), 6.32 (m, 1H), 6.17 (m, 1H), 5.93 (m, 1H), 4.12 (t, 2H), 4.02 (t, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.74 (m, 2H), 1.64 (m, 2H), 1.42 (m, 4H)
【0056】
実施例8:メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物8の調製
N2雰囲気下、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オール(17.46g、0.08mol)、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート(25.13g、0.04mol)、Pd(PPh3)2Cl2(2.81g、0.004mol)、ヨウ化銅(1.52g、0.008mol)およびトリフェニルホスフィン(2.1g、0.008mol)を500mlのトリエチルアミンに懸濁する。反応混合物を60℃で12時間撹拌し、次いで、室温まで冷ます。得られた沈殿物を濾別し、ヘプタン/酢酸エチルの1:2混合物を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(10.41g、0.013mol)を黄色の固体として与える。
【0057】
実施例9:メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物9の調製
【化9】
メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート(10.0g、0.012mol)を400mlのテトラヒドロフランに懸濁し、トリエチルアミン(5.15g、0.051mol)を加える。混合物を0℃まで冷却し、次いで、2-プロペノイルクロリド(6.9g、0.076mol)を滴下し、続いて、DMAP(0.311g、2.5mmol)を加える。反応混合物を0~5℃で5時間撹拌する。次いで、懸濁液を濾別し、生じた有機溶液を真空下で濃縮して、黄色の油状物を与える。前の残留物を酢酸エチルに懸濁し、5℃に20時間冷却する。沈殿物を濾別し、酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(0.72g、0.78mmol)を黄色の固体として提供する。
【0058】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物9を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、76℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.17 (m, 4H), 7.95 (d, 1H), 7.74 (m, 5H), 7.56 (m, 5H), 7.01 (m, 4H), 6.32 (m, 2H), 6.17 (m, 2H), 5.93 (m, 2H), 4.12 (t, 4H), 4.02 (m, 4H), 3.71 (s, 3H), 1.74 (m, 4H), 1.62 (m, 4H), 1.41 (m, 8H)
【0059】
実施例10:3-(4-ヨードフェノキシ)-プロパン-1-オール化合物10の調製
標記化合物10は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、6-クロロヘキサノールを3-クロロプロパノールに置き換えて調製される。
【0060】
実施例11:3-(4-ブロモフェニル)-スルファニルプロパン-1-オール化合物11の調製
標記化合物11は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、6-クロロヘキサノールおよび4-ヨードフェノールをそれぞれ、3-クロロプロパノールおよび4-ブロモベンゼンチオールに置き換えて調製される。
【0061】
実施例12:6-(4-ブロモフェニル)-スルファニルヘキサン-1-オール化合物12の調製
標記化合物12は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、4-ヨードフェノールを4-ブロモベンゼンチオールに置き換えて調製される。
【0062】
実施例13:6-[(6-ブロモ-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール化合物13の調製
標記化合物13は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、4-ヨードフェノールを6-ブロモナフタレン-2-オールに置き換えて調製される。
【0063】
実施例14:3-[(6-ブロモ-2-ナフチル)オキシ]-プロパン-1-オール、化合物14の調製
標記化合物14は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、6-クロロヘキサノールを3-クロロプロパノールに置き換え、4-ヨードフェノールを6-ブロモナフタレン-2-オールに置き換えて調製される。
【0064】
実施例15:3-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-プロパン-1-オール化合物15の調製
標記化合物15は、実施例2に記載される化合物2についてのプロセスに従って、但し、6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-(4-ヨードフェノキシ)-プロパン-1-オール化合物10に置き換えて調製される。
【0065】
実施例16:3-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェニル]-スルファニルプロパン-1-オール化合物16の調製
標記化合物16は、実施例2に記載される化合物2についてのプロセスに従って、但し、6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-(4-ブロモフェニル)-スルファニルプロパン-1-オール化合物11に置き換えて調製される。
【0066】
実施例17:6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェニル]-スルファニルヘキサン-1-オール化合物17の調製
標記化合物17は、実施例2に記載される化合物2についてのプロセスに従って、但し、6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを6-(4-ブロモフェニル)-スルファニルヘキサン-1-オール化合物12に置き換えて調製される。
【0067】
実施例18:6-[(6-(2-トリメチルシリルエチニル)-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール化合物18の調製
標記化合物18は、実施例2に記載される化合物2についてのプロセスに従って、但し、6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを6-[(6-ブロモ-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール化合物13に置き換えて調製される。
【0068】
実施例19:3-[(6-(2-トリメチルシリルエチニル)-2-ナフチル)オキシ]-プロパン-1-オール化合物19の調製
標記化合物19は、実施例2に記載される化合物2についてのプロセスに従って、但し、6-(4-ヨードフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-[(6-ブロモ-2-ナフチル)オキシ]-プロパン-1-オール化合物14に置き換えて調製される。
【0069】
実施例20:3-(4-エチニルフェノキシ)-プロパン-1-オール化合物20の調製
標記化合物20は、実施例3に記載される化合物3についてのプロセスに従って、但し、6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-ヘキサン-1-オールを3-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-プロパン-1-オール化合物15に置き換えて調製される。
【0070】
実施例21:3-(4-エチニルフェニル)-スルファニルプロパン-1-オール、化合物21の調製
標記化合物21は、実施例3に記載される化合物3についてのプロセスに従って、但し、6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-ヘキサン-1-オールを3-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェニル]-スルファニルプロパン-1-オール化合物16に置き換えて調製される。
【0071】
実施例22:6-(4-エチニルフェニル)-スルファニルヘキサン-1-オール、化合物22の調製
標記化合物22は、実施例3に記載される化合物3についてのプロセスに従って、但し、6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-ヘキサン-1-オールを6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェニル]-スルファニルヘキサン-1-オール化合物17に置き換えて調製される。
【0072】
実施例23:6-[(6-エチニル-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール、化合物23の調製
標記化合物23は、実施例3に記載される化合物3についてのプロセスに従って、但し、6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-ヘキサン-1-オールを6-[(6-(2-トリメチルシリルエチニル)-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール化合物18に置き換えて調製される。
【0073】
実施例24:3-[(6-エチニル-2-ナフチル)オキシ]-プロパン-1-オール、化合物24の調製
標記化合物24は、実施例3に記載される化合物3についてのプロセスに従って、但し、6-[4-(2-トリメチルシリルエチニル)フェノキシ]-ヘキサン-1-オールを3-[(6-(2-トリメチルシリルエチニル)-2-ナフチル)オキシ]-プロパン-1-オール化合物19に置き換えて調製される。
【0074】
実施例25:エチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート、化合物25の調製
標記化合物25は、実施例4に記載される化合物4についてのプロセスに従って、但し、メタノールをエタノールに置き換えて調製される。
【0075】
実施例26:ブチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート、化合物26の調製
標記化合物26は、実施例4に記載される化合物4についてのプロセスに従って、但し、メタノールをブタノールに置き換えて調製される。
【0076】
実施例27:2-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)ベンゼン-1,4-ジオール、化合物27の調製
1.5LのH2O中の2-アミノベンゼンチオール(24.0g、0.192mol)の懸濁液に、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド(26.52g、0.192mol)を滴下する。反応混合物を110℃に8時間に加熱する。25℃まで冷ました後、得られた沈殿物を濾別し、ヘプタン/酢酸エチルの1:1混合物を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(13.97g、0.057mol)を黄色の固体として与える。
【0077】
実施例28:4-[4-(11-ヒドロキシウンデコキシ)フェニル]-ベンゾニトリル、化合物28の調製
標記化合物28は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、6-クロロヘキサノールおよび4-ヨードフェノールをそれぞれ、11-ブロモウンデカノールおよび4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾニトリルに置き換えて調製される。
【0078】
実施例29:4-[4-(10-ヒドロキシデコキシ)フェニル]-ベンゾニトリル、化合物29の調製
標記化合物29は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、6-クロロヘキサノールおよび4-ヨードフェノールをそれぞれ、10-ブロモデカノールおよび4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾニトリルに置き換えて調製される。
【0079】
実施例30:4-[4-(8-ヒドロキシオクトキシ)フェニル]-ベンゾニトリル、化合物30の調製
標記化合物30は、実施例1に記載される化合物1についてのプロセスに従って、但し、6-クロロヘキサノールおよび4-ヨードフェノールをそれぞれ、8-ブロモオクタノールおよび4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾニトリルに置き換えて調製される。
【0080】
実施例31:11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル メタンスルホナート化合物31の調製
500mlのTHF中の4-[4-(11-ヒドロキシウンデコキシ)フェニル]-ベンゾニトリル(60.6g、0.165mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(50.6g、0.495mol)を滴下する。反応物を0℃まで冷却する。メタンスルホニルクロリド(22.8g、0.198mol)をゆっくり加え、混合物を0~5℃で2時間撹拌する。Hyflo(登録商標)で濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させて、標記化合物(72.0g、0.162mol)をオフホワイトの固体として提供する。
【0081】
実施例32:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル メタンスルホナート化合物32の調製
標記化合物32は、実施例31に記載される化合物31についてのプロセスに従って、但し、4-[4-(11-ヒドロキシウンデコキシ)フェニル]-ベンゾニトリルを4-[4-(10-ヒドロキシデコキシ)フェニル]-ベンゾニトリル化合物29に置き換えて調製される。
【0082】
実施例33:8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル メタンスルホナート化合物33の調製
標記化合物33は、実施例31に記載される化合物31についてのプロセスに従って、但し、4-[4-(11-ヒドロキシウンデコキシ)フェニル]-ベンゾニトリルを4-[4-(8-ヒドロキシオクトキシ)フェニル]-ベンゾニトリル化合物30に置き換えて調製される。
【0083】
実施例34:11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート、化合物34の調製
180mlのDMF中の2,5-ジヒドロキシ安息香酸(27.2g、0.173mol)溶液に、DBU(26.4g、0.170mol)を滴下する。溶液を室温で0.5時間撹拌する。その後、ヨウ化ナトリウム(7.45g、0.050mol)および180mlのDMF中の11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル メタンスルホナート(72.0g、0.162mol)の溶液をゆっくり加える。生じた反応混合物を70℃に16時間加熱する。Hyflo(登録商標)で濾過した後、濾液を氷水2Lに加える。得られた沈殿物を濾別し、600mlのアセトニトリル中での再結晶化によって精製して、標記化合物(61.8g、0.123mol)を白色の粉末物として与える。
【0084】
実施例35:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート、化合物35の調製
標記化合物35は、実施例34に記載される化合物34についてのプロセスに従って、但し、11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル メタンスルホナートを10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル メタンスルホナート化合物32に置き換えて調製される。
【0085】
実施例36:8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物36の調製
標記化合物35は、実施例34に記載される化合物34についてのプロセスに従って、但し、11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル メタンスルホナートを8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル メタンスルホナート化合物33に置き換えて調製される。
【0086】
実施例37:エチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート、化合物37の調製
標記化合物37は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートをエチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物25に置き換えて調製される。
【0087】
実施例38:ブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート、化合物38の調製
標記化合物38は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートをブチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物26に置き換えて調製される。
【0088】
実施例39:[3-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-4-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-フェニル]4-ヨードベンゾアート、化合物39の調製
標記化合物39は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートを2-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)ベンゼン-1,4-ジオール化合物27に置き換えて調製される。
【0089】
実施例40:[4-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-1-ナフチル]4-ヨードベンゾアート化合物40の調製
標記化合物40は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートをナフタレン-1,4-ジオールに置き換えて調製される。
【0090】
実施例41:11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート、化合物41の調製
標記化合物41は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートを11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物34に置き換えて調製される。
【0091】
実施例42:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート、化合物42の調製
標記化合物42は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートを10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物35に置き換えて調製される。
【0092】
実施例43:8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート、化合物43の調製
標記化合物43は、実施例5に記載される化合物5についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアートを8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ジヒドロキシベンゾアート化合物36に置き換えて調製される。
【0093】
実施例44:エチル 2-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ-5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート、化合物44の調製
標記化合物44は、実施例6に記載される化合物6についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをエチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物37に置き換えて調製される。
【0094】
実施例45:エチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物45の調製
標記化合物45は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをエチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物37に置き換えて調製される。
【0095】
実施例46:ブチル 2-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ-5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート、化合物46の調製
標記化合物46は、実施例6に記載される化合物6についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物38に置き換えて調製される。
【0096】
実施例47:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物47の調製
標記化合物47は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物38に置き換えて調製される。
【0097】
実施例48:ブチル 2-[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ-5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート、化合物48の調製
標記化合物48は、実施例6に記載される化合物6についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-(4-エチニルフェノキシ)-プロパン-1-オール化合物20に置き換え、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物38に置き換えて調製される。
【0098】
実施例49:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物49の調製
標記化合物49は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-(4-エチニルフェノキシ)-プロパン-1-オール化合物20に置き換え、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物38に置き換えて調製される。
【0099】
実施例50:メチル 2,5-ビス[[4-[2-[6-(6-ヒドロキシヘキソキシ)-2-ナフチル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物50の調製
標記化合物50は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを6-[(6-エチニル-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール化合物23に置き換えて調製される。
【0100】
実施例51:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[6-(6-ヒドロキシヘキソキシ)-2-ナフチル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物51の調製
標記化合物51は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを6-[(6-エチニル-2-ナフチル)オキシ]-ヘキサン-1-オール化合物23に置き換え、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物38に置き換えて調製される。
【0101】
実施例52:メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキシルスルファニル)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物52の調製
標記化合物52は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを6-(4-エチニルフェニル)-スルファニルヘキサン-1-オール化合物22に置き換えて調製される。
【0102】
実施例53:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロピルスルファニル)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物53の調製
標記化合物53は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-(4-エチニルフェニル)-スルファニルプロパン-1-オール化合物21に置き換え、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物38に置き換えて調製される。
【0103】
実施例54:[3-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-4-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)-フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-フェニル]-4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾアート、化合物54の調製
標記化合物54は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートを[3-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-4-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-フェニル]4-ヨードベンゾアート化合物39に置き換えて調製される。
【0104】
実施例55:[4-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-1-ナフチル]4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾアート、化合物55の調製
標記化合物55は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートを[4-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-1-ナフチル]4-ヨードベンゾアート化合物40に置き換えて調製される。
【0105】
実施例56:11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物56の調製
標記化合物56は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートを11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物41に置き換えて調製される。
【0106】
実施例57:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物57の調製
標記化合物57は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートを10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物42に置き換えて調製される。
【0107】
実施例58:8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物58の調製
標記化合物58は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートを8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物43に置き換えて調製される。
【0108】
実施例59:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物59の調製
標記化合物59は、実施例8に記載される化合物8についてのプロセスに従って、但し、6-(4-エチニルフェノキシ)-ヘキサン-1-オールを3-(4-エチニルフェノキシ)-プロパン-1-オール化合物20に置き換え、メチル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアートを10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[(4-ヨードベンゾイル)オキシ]ベンゾアート化合物42に置き換えて調製される。
【0109】
実施例60:エチル 5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-2-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-ベンゾアート、化合物60の調製
標記化合物60は、実施例7に記載される化合物7についてのプロセスに従って、但し、5-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアートをエチル 2-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]-エチニル]-ベンゾイル]オキシ-5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート化合物44に置き換えて調製される。
【0110】
実施例61:エチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物61の調製
【化10】
標記化合物61は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートをエチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物45に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(3.18g、3.41mmol、47%)をオフホワイトの固体として提供する。
【0111】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物61を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、70℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.18 (m, 4H), 7.95 (d, 1H), 7.74 (m, 5H), 7.55 (m, 5H), 7.01 (m, 4H), 6.32 (m, 2H), 6.17 (m, 2H), 5.93 (m, 2H), 4.12 (m, 6H), 4.02 (m, 4H), 1.74 (m, 4H), 1.65 (m, 4H), 1.42 (m, 8H), 1.04 (t, 3H)
【0112】
実施例62:ブチル 5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-2-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-ベンゾアート、化合物62の調製
【化11】
標記化合物62は、実施例7に記載される化合物7についてのプロセスに従って、但し、5-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアートをブチル 2-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]-エチニル]-ベンゾイル]オキシ-5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート化合物46に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、褐色の油状残留物を与え、これをアセトニトリルに懸濁する。得られた沈殿物を濾別し、真空下で乾燥させて、標記化合物(1.53g、1.87mmol、94%)を灰色の固体としてもたらす。
【0113】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物62を観察し、その相転移温度を決定した。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、80℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、140℃(T(N-I))超で出現した。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.16 (m, 2H), 8.03 (m, 2H), 7.90 (m, 3H), 7.75 (m, 2H), 7.70 (m, 1H), 7.54 (m, 3H), 7.01 (m, 2H), 6.32 (m, 1H), 6.17 (m, 1H), 5.93 (m, 1H), 4.12 (m, 4H), 4.01 (t, 2H), 1.74 (m, 2H), 1.68 (m, 2H), 1.45 (m, 6H), 1.18 (m, 2H), 0.73 (t, 3H)
【0114】
実施例63:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物63の調製
【化12】
標記化合物63は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物47に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(0.64g、0.67mmol、57%)を白色の固体として提供する。
【0115】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物63を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、117℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.17 (m, 4H), 7.93 (d, 1H), 7.74 (m, 5H), 7.56 (m, 5H), 7.01 (m, 4H), 6.32 (m, 2H), 6.17 (m, 2H), 5.93 (m, 2H), 4.12 (m, 6H), 4.02 (m, 4H), 1.74 (m, 4H), 1.64 (m, 4H), 1.41 (m, 10H), 1.22 (m, 2H), 0.73 (t, 3H)
【0116】
実施例64:ブチル 5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-2-[4-[2-[4-(3-プロパ-2-エノイルオキシプロポキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-ベンゾアート、化合物64の調製
【化13】
標記化合物64は、実施例7に記載される化合物7についてのプロセスに従って、但し、5-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアートをブチル 2-[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-エチニル]-ベンゾイル]オキシ-5-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-ベンゾアート化合物48に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、褐色の油状残留物を与え、これをアセトニトリルに懸濁する。得られた沈殿物を濾別し、真空下で乾燥させて、標記化合物(1.18g、1.53mmol、44%)を褐色がかった固体としてもたらす。
【0117】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物64を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、85℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、115℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.17 (m, 2H), 8.03 (m, 2H), 7.91 (m, 3H), 7.74 (m, 3H), 7.55 (m, 3H), 7.02 (m, 2H), 6.34 (m, 1H), 6.19 (m, 1H), 5.95 (m, 1H), 4.28 (t, 2H), 4.12 (m, 4H), 2.10 (m, 2H), 1.19 (m, 4H), 0.72 (t, 3H)
【0118】
実施例65:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-プロパ-2-エノイルオキシプロポキシ)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物65の調製
【化14】
標記化合物65は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物49に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(4.9g、5.6mmol、71%)を白色の固体として提供する。
【0119】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物65を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、115℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.17 (m, 4H), 7.93 (d, 1H), 7.75 (m, 5H), 7.56 (m, 5H), 7.03 (m, 4H), 6.34 (m, 2H), 6.19 (m, 2H), 5.95 (m, 2H), 4.28 (t, 4H), 4.12 (m, 6H), 2.10 (m, 4H), 1.38 (m, 2H), 1.21 (m, 2H), 0.73 (t, 3H)
【0120】
実施例66:メチル 2,5-ビス[[4-[2-[6-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)-2-ナフチル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物66の調製
【化15】
標記化合物66は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートをメチル 2,5-ビス[[4-[2-[6-(6-ヒドロキシヘキソキシ)-2-ナフチル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物50に置き換えて調製される。
【0121】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物66を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、164℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、CD2Cl2-d2中:8.22 (m, 4H), 8.04 (m, 3H), 7.94 (m, 2H), 7.75 (m, 7H), 7.56 (m, 2H), 7.35 (d, 1H), 7.17 (m, 4H), 6.41 (m, 2H), 6.13 (m, 2H), 5.86 (m, 2H), 4.13 (m, 8H), 3.76 (s, 3H), 1.86 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.53 (m, 4H)
【0122】
実施例67:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[6-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)-2-ナフチル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物67の調製
【化16】
標記化合物67は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[[4-[2-[6-(6-ヒドロキシヘキソキシ)-2-ナフチル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物51に置き換えて調製される。
【0123】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物67を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、120℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、CD2Cl2-d2中:8.23 (m, 4H), 8.03 (m, 3H), 7.93 (m, 2H), 7.74 (m, 7H), 7.55 (m, 2H), 7.34 (m, 1H), 7.18 (m, 4H), 6.37 (m, 2H), 6.12 (m, 2H), 5.81 (m, 2H), 4.15 (m, 10H), 1.86 (m, 4H), 1.73 (m, 4H), 1.52 (m, 10H), 1.28 (m, 2H), 0.83 (t, 3H)
【0124】
実施例69:ブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-プロパ-2-エノイルオキシプロピルスルファニル)-フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物69の調製
【化17】
標記化合物69は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートをブチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロピルスルファニル)フェニル]-エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物53に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(1.05g、1.15mmol、57%)を白色の粘着性固体として提供する。
【0125】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物69を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、110℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.18 (m, 4H), 7.93 (d, 1H), 7.74 (m, 5H), 7.57 (m, 5H), 7.40 (m, 4H), 6.35 (m, 2H), 6.19 (m, 2H), 5.96 (m, 2H), 4.22 (m, 4H), 4.13 (m, 2H), 3.12 (m, 4H), 1.96 (m, 4H), 1.40 (m, 2H), 1.19 (m, 2H), 0.73 (t, 3H)
【0126】
実施例70:[3-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-4-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-フェニル]4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾアート、化合物70の調製
【化18】
標記化合物70は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートを[3-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-4-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)-フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-フェニル]-4-[2-[4-(6-ヒドロキシ-ヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾアート化合物54に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(2.23g、2.24mmol)をオフホワイトの固体として提供する。
【0127】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物70を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、135℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.29 (m, 4H), 8.12 (d, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.80 (m, 4H), 7.71 (m, 2H), 7.50 (m, 6H), 6.32 (m, 2H), 6.19 (m, 2H), 5.92 (m, 2H), 4.13 (m, 4H), 4.02 (m, 4H), 1.74 (m, 4H), 1.68 (m, 4H), 1.45 (m, 8H)
【0128】
実施例71:[4-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]-ベンゾイル]オキシ-1-ナフチル]4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾアート化合物71の調製
【化19】
標記化合物71は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートを[4-[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-1-ナフチル]4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]-エチニル]ベンゾアート化合物55に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(4.69g、5.16mmol)を灰色の固体として提供する。
【0129】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物71を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、177℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.30 (m, 3H), 8.06 (m, 2H), 7.98 (m, 2H), 7.80 (m, 4H), 7.68 (m, 2H), 7.58 (m, 5H), 7.02 (m, 4H), 6.33 (m, 2H), 6.17 (m, 2H), 5.93 (m, 2H), 4.12 (t, 4H), 4.03 (m, 4H), 1.74 (m, 4H), 1.65 (m, 4H), 1.43 (m, 8H)
【0130】
実施例72:11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物72の調製
【化20】
標記化合物72は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートを11-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]ウンデシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート化合物56に置き換えて調製される。
【0131】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物72を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、105℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、CD2Cl2-d2中:8.19 (m, 4H), 7.92 (d, 1H), 7.68 (m, 8H), 7.53 (m, 7H), 7.32 (d, 1H), 6.97 (m, 2H), 6.90 (m, 4H), 6.37 (m, 2H), 6.13 (m, 2H), 5.81 (m, 2H), 4.15 (m, 6H), 3.99 (m, 6H), 1.70 (m, 8H), 1.48 (m, 12H), 1.25 (m, 14H)
【0132】
実施例73:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物73の調製
【化21】
標記化合物73は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートを10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]-ベンゾアート化合物57に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(3.24g、2.62mmol)を白色の固体として提供する。
【0133】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物73を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、125℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.18 (m, 4H), 7.92 (d, 1H), 7.84 (m, 4H), 7.75 (m, 4H), 7.68 (m, 2H), 7.55 (m, 5H), 6.99 (m, 7H), 6.32 (m, 2H), 6.17 (m, 2H), 5.93 (m, 2H), 4.10 (m, 6H), 4.02 (m, 2H), 3.95 (m, 4H), 1.66 (m, 8H), 1.27 (m, 24H)
【0134】
実施例74:8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物74の調製
【化22】
標記化合物74は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートを8-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]オクチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]-ベンゾアート化合物58に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(6.28g、5.19mmol)を白色の固体として提供する。
【0135】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物74を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、110℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.17 (m, 4H), 7.93 (d, 1H), 7.83 (m, 4H), 7.74 (m, 4H), 7.65 (m, 2H), 7.53 (m, 5H), 6.98 (m, 7H), 6.33 (m, 2H), 6.17 (m, 2H), 5.93 (m, 2H), 4.12 (m, 6H), 4.02 (m, 2H), 3.93 (m, 4H), 1.67 (m, 8H), 1.36 (m, 12H), 1.15 (m, 8H)
【0136】
実施例75:10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-プロパ-2-エノイルオキシプロポキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアート、化合物75の調製
【化23】
標記化合物75は、実施例9に記載される化合物9についてのプロセスに従って、但し、メチル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(6-ヒドロキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]ベンゾアートを10-[4-(4-シアノフェニル)フェノキシ]デシル 2,5-ビス[[4-[2-[4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ]-ベンゾアート化合物59に置き換えて調製される。酢酸エチルを使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(3.41g、2.95mmol)を白色の固体として提供する。
【0137】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物9を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、116℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.17 (m, 4H), 7.93 (d, 1H), 7.84 (m, 4H), 7.76 (m, 4H), 7.66 (m, 2H), 7.55 (m, 5H), 7.01 (m, 7H), 6.33 (m, 2H), 6.20 (m, 2H), 5.95 (m, 2H), 4.26 (m, 4H), 4.12 (m, 6H), 3.96 (m, 2H), 2.08 (m, 4H), 1.67 (m, 2H), 1.23 (m, 14H)
【0138】
実施例76:メチル 5-[4-[2-(4-シアノフェニル)エチニル]ベンゾイル]オキシ-2-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-ベンゾアート、化合物76の調製
【化24】
2-(4-ヨードベンゾイル)オキシ-5-[4-[2-[4-(6-プロパ-2-エノイルオキシヘキソキシ)フェニル]エチニル]ベンゾイル]オキシ-ベンゾアート(1.0g、1.29mmol)、4-エチニルベンゾニトリル(0.2g、1.55mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.05g、0.07mmol)、ヨウ化銅(0.025g、0.13mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.034g、0.13mmol)を40mlのトリエチルアミンに懸濁する。混合物を40℃で5時間撹拌し、25まで冷ました後、氷水に注ぐ。沈殿物を濾別し、ヘプタン/酢酸エチルの2:1混合物を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(0.25g、0.32mmol)を白色の固体として与える。
【0139】
液晶相転移:偏光顕微鏡を用いて交差偏光子下で化合物76を観察し、その相転移温度を決定する。結果として、温度が上昇すると、結晶相は、117℃(T(Cr-N))でネマチック相に変化し、等方性相は、200℃(T(N-I))超で出現する。
1H NMR(300MHz)、DMSO-d6中:8.19 (m, 4H), 7.94 (m, 3H), 7.84 (m, 4H), 7.75 (m, 3H), 7.56 (m, 3H), 7.01 (m, 2H), 6.32 (m, 1H), 6.18 (m, 1H), 5.94 (m, 1H), 4.12 (t, 2H), 4.02 (t, 2H), 3.71 (s, 3H), 1.69 (m, 4H), 1.42 (m, 4H)
【0140】
実施例77:光配向材料を使用した配列層の作製
ガラス基板に、光配向組成物(特許公報WO2012/085048に記載されているようなシクロペンタノン中3%固形分の光配向材料:光活性ポリマー材料を液晶の配列層として使用する)をスピンコーティングする。フィルムを180℃で10分間乾燥させ、生じたフィルム厚は約100nmである。次いで、フィルムを、平行な直線偏光されたUV(LPUV)光(280~320nm)である配向光に500mJ/cm2で曝露する。偏光面は、基板上の基準縁に対して0°である。
【0141】
実施例78:化合物7からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物7、0.150w%のIrgacure(登録商標)369(化学構造2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1を有する)、0.075w%のTinuvin(登録商標)123(化学構造ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケートを有する)をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて180℃で5分間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0142】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0143】
実施例79:化合物9からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物9、0.150w%のIrgacure(登録商標)369、0.075w%のTinuvin(登録商標)123をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて異なる温度で異なる時間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0144】
得られたフィルムは、室温で中程度に配列されたネマチック中間相を示す。
【0145】
実施例80:化合物61からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物61、0.150w%のIrgacure(登録商標)369、0.075w%のTinuvin(登録商標)123をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて150℃で3秒間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0146】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0147】
実施例81:化合物62からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物62、0.150w%のIrgacure(登録商標)369、0.075w%のTinuvin(登録商標)123をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて130℃で3分間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0148】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0149】
実施例82:化合物63からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物63、0.150w%のIrgacure(登録商標)369、0.075w%のTinuvin(登録商標)123(BASF製)をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて180℃で3秒間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0150】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0151】
実施例83:化合物64からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物64、0.150w%のIrgacure(登録商標)369、0.075w%のTinuvin(登録商標)123をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて130℃で3秒間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0152】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0153】
実施例84:化合物65からの光学フィルムの作製
14.775w%の化合物65、0.150w%のIrgacure(登録商標)369、0.075w%のTinuvin(登録商標)123をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて180℃で5秒間乾燥させる。試料を室温まで冷まし、次いで、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0154】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0155】
実施例85:化合物69からの光学フィルムの作製
14.520w%の化合物69、0.300w%のIrgacure(登録商標)369、0.150w%のTinuvin(登録商標)123および0.030w%のBYK(登録商標)378(表面添加剤として使用されるBYK製のポリエーテル修飾ポリジメチルシロキサン)をシクロペンタノン中で混合することによって15.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで室温で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて120℃で1分間乾燥させる。試料を、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、120℃でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0156】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0157】
実施例86:化合物70からの光学フィルムの作製
12.584w%の化合物70、0.260w%のIrgacure(登録商標)369、0.130w%のTinuvin(登録商標)123および0.026w%のBYK(登録商標)378を1,3-ジオキソラン中で混合することによって13.0w%溶液を調製し、固形物が完全に溶解するまで80℃で十分撹拌する。上記ポリマー溶液を、実施例1の配列層を備えたガラスプレートにスピンコーティングし、液晶フィルムを形成した。このフィルムを温度制御ホットプレート上にて120℃で2分間乾燥させる。試料を、水銀ランプを使用して、N2雰囲気下、室温でおよそ2分間UV光を照射することにより光重合させ、液晶の配列状態を固定する。
【0158】
得られたフィルムは、室温で非常に良好に配列されたネマチック中間相を示した。
【0159】
実施例87:
実施例78、実施例80、実施例81、実施例82、実施例83、実施例84、実施例85、実施例86に記載される試料の550nmでのリタデーションをエリプソメーターで測定する。試料の厚みを触針式段差計によって測定する。複屈折(Δn)を、決定されたリタデーションおよび厚み値から、式(Δn=リタデーション/厚み)に従って得た。値を表1に列記する。
【0160】
【0161】
実施例78、80、82、83、84、86のフィルムは、0.29を超える値の高い複屈折を有する。これらの新たなLCPは、1/4波長板(QWP)および1/2波長板(HWP)として位相リターダ光学フィルムを作製するために使用できる。リターダは、光を透過して、その偏光状態を変更し、様々なディスプレイ用途またはセキュリティ素子において広く使用される。これらの新たなLCPの特に高い複屈折は、リターダフィルムの顕著な厚み低減をもたらす。
【0162】
例として、表2は、化合物7、61、62、63、64、65、70をそれぞれ使用した実施例78、80、81、82、83、84および86での、550nmで1/4波長板(λ/4)リターダ(QWP)および1/2波長板(λ/2)リターダ(HWP)を得るために必要とされる厚みを示している。
【0163】
【国際調査報告】