(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】摩擦力調節部を有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/005 20060101AFI20241219BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61B1/005 523
A61B1/00 712
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534363
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019628
(87)【国際公開番号】W WO2023106769
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174910
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248781
【氏名又は名称】メディンテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDINTECH INC.
【住所又は居所原語表記】1F,60,Daehak-ro Jongno-gu Seoul 03100,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、チ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ソク ギュ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF11
4C161FF30
4C161HH32
4C161HH47
4C161JJ11
(57)【要約】
内視鏡に関するものであって、詳しくは、動力源から提供された動力を湾曲部に伝達する動力伝達システムを有する内視鏡に関する。動力源から提供された動力を湾曲部に伝達する動力伝達システムの動きを抑制し、動力伝達システムの動きを一定に保たせ、応答性を向上させる内視鏡を提供することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入され、映像情報を収集する湾曲部;および、
動力源から提供された動力を前記湾曲部に伝達する動力伝達手段;を有し、
前記動力伝達手段は、動力を伝達するメカニカルストリングと、前記メカニカルストリングの移動を円滑にさせたり抑制したりすることができる摩擦力調節部とを有する
ことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記湾曲部と接続され、前記湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、前記操作部に接続されるコネクタとを有し、
前記動力伝達手段の一側は、前記コネクタに接続され、他側は、前記操作部を貫通して前記湾曲部に接続される
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記湾曲部と接続され、前記湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、前記操作部に接続されるコネクタとを有し、
前記摩擦力調節部は、前記操作部または前記コネクタに形成される
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記動力伝達手段は、前記メカニカルストリングを覆ってガイドするガイドチューブを有し、前記移動抑制部は、前記ガイドチューブの直径を調節するか、または前記ガイドチューブそのものの張力を調節する方式で、前記メカニカルストリングの移動時に生じる摩擦力を調節する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記ガイドチューブは、スプリング構造を含み、前記移動抑制部は、前記スプリング構造を引っ張ったり押したりする方式で、前記スプリング構造の直径や張力を調節する
請求項4に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記摩擦力調節部は、前記メカニカルストリングが引き出される前記ガイドチューブの一端に接続される先端固定部と、前記先端固定部が設けられる固定手段とを有する
請求項4に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記固定手段は、前記メカニカルストリングの移動抑制力を調節するために、前記先端固定部が設けられる位置を調節することができる位置調節部を有する
請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記固定手段は、固定ブロックと、前記固定ブロックに前記先端固定部を固定する固定ブラケットとを含み、前記固定ブロックは、その一側に前記先端固定部を支持する隔壁と、前記隔壁に順に形成される複数の締結孔とを有し、締結手段によって前記複数の締結孔のうちの1つに前記固定ブラケットが固定して設けられる
請求項6に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記摩擦力調節部は、前記メカニカルストリングの移動抑制力を調節するために備えられる抑制力調節部を有する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項10】
被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部を有する挿入部;
前記挿入部と接続され、使用者が把持できる操作部;
前記操作部と接続され、外部から動力を提供されるコネクタ;
前記操作部と前記コネクタを離隔させるユニバーサルコード;
前記コネクタから動力を提供され、前記湾曲部に伝達する動力伝達手段;および、
前記動力伝達手段の一側に備えられ、前記動力伝達手段に摩擦力を提供する摩擦力提供部;を含む
ことを特徴とする内視鏡。
【請求項11】
メカニカルストリングと、前記メカニカルストリングを覆ってガイドするガイドチューブとを有する動力伝達手段を含み、前記動力伝達手段において、前記ガイドチューブの一部は破れて前記メカニカルストリングが外部に露出され、前記ガイドチューブの分離された両端部を引っ張ったり押したりして固定することができる固定手段を有する
ことを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、内視鏡に関するものであって、より詳しくは、動力源から提供された動力を湾曲部に伝達する動力伝達システムを有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで述べられる内容は、単に本発明の実施形態に関する背景情報を提供するだけで、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
内視鏡は、一般に、医療目的で体内を観察するための医療器具を指す。検査する部位によって、「気管支鏡」、「胃内視鏡」、「腹腔鏡」、「大腸内視鏡」などと呼ばれる。他のほとんどの医療用撮像装置とは異なり、内視鏡は、体内に直接挿入される。
【0004】
内視鏡は、光ファイバの開発、光学技術や電子工学の急速な発展に支えられ、現在の電子内視鏡に至っており、消化器学分野の発展に大きく貢献した。電子内視鏡の開発により、被検体内を直接観察し、組織学的検査を行う診断的分野だけでなく、各種治療内視鏡の急激な発展により開腹手術に代わるようになった。
【0005】
内視鏡の構造は、一般に、湾曲部と軟性部を有して体内に挿入される挿入部(Insertion Tube)と、挿入部の一端に接続され、湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、光源装置などに結合されるコネクタと、操作部とコネクタを離隔させるユニバーサルコードとを含む。
【0006】
また、内視鏡には、湾曲部の湾曲動作を制御するために、湾曲部と操作部との間にメカニカルストリングが設けられ、メカニカルストリングは、操作部に設けられる制御ノブと接続される構造を有する。このような構造の内視鏡は、使用者である術者が手動で制御ノブを操作すると、メカニカルストリングが動力を伝達して湾曲部の湾曲動作が行えるようになっている。
【0007】
しかし、内視鏡による検査や治療中には、患者にとって致命的な緊迫した状況が発生することもある。ところが、このような構造の内視鏡は、緊迫した状況の中、術者が手動でノブを操作して湾曲部の湾曲動作を制御するしかなく、術者はノブ操作にのみ集中するようになり、緊迫した状況を打開することが難しくなる上に、湾曲部の湾曲動作が正確に行えなくなる可能性もあって問題となった。
【0008】
そこで、術者の手動操作ではなく、動力源による自動操作によって湾曲部の湾曲動作を行うことができる内視鏡が開発された。しかしながら、このような構造の内視鏡は、内視鏡の外部から動力の伝達を受けられる好適な動力伝達構造が存在しないため、制御精度や安定性の面で問題がある。
【0009】
特に、このような構造の内視鏡は、例えば、内視鏡の一側先端のコネクタから他側先端の湾曲部まで動力を伝達する必要がある場合、動力伝達システムが長くなるため、動力伝達が遅延されたり動力伝達を均一に保つことができなかったりして応答性に問題が発生することがある。
【0010】
前述した背景技術は、発明者が本発明の実施形態を導出するために保有していたか、もしくは導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の実施形態を出願する前に一般公衆に開示された公知技術とはいえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明による一態様は、前述した問題を解決するために提案されたものであり、本発明の目的は、動力源から提供された動力を湾曲部に伝達する動力伝達システムの動きを抑制(Restrain)し、動力伝達システムの動きを一定に保たせ、応答性を向上させる内視鏡を提供することにある。
【0012】
本発明が達成しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を達成するために、本発明の一態様は、被検体内に挿入され、映像情報を収集する湾曲部;および、動力源から提供された動力を前記湾曲部に伝達する動力伝達手段;のうちの1つ以上を有し、
【0014】
前記動力伝達手段は、動力を伝達するメカニカルストリングと、前記メカニカルストリングの移動を円滑にさせることができる摩擦力調節部とを有する内視鏡を提供することができる。
【0015】
また、本発明の一態様は、被検体内に挿入され、映像情報を収集する湾曲部;および、動力源から提供された動力を前記湾曲部に伝達する動力伝達手段;のうちの1つ以上を有し、
【0016】
前記動力伝達手段は、動力を伝達するメカニカルストリングと、前記メカニカルストリングの移動を抑制できる摩擦力調節部とを有する内視鏡を提供することができる。
実施形態によれば、前記湾曲部と接続され、前記湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、前記操作部に接続されるコネクタとを有し、
前記動力伝達手段の一側は、前記コネクタに接続され、他側は、前記操作部を貫通して前記湾曲部に接続されることを特徴としていてもよい。
実施形態によれば、前記湾曲部と接続され、前記湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、前記操作部に接続されるコネクタとを有し、
前記摩擦力調節部は、前記操作部または前記コネクタに形成されることを特徴としていてもよい。
【0017】
実施形態によれば、前記動力伝達手段は、前記メカニカルストリングを覆ってガイドするガイドチューブを有し、前記移動抑制部は、前記ガイドチューブの直径を調節するか、または前記ガイドチューブそのものの張力を調節する方式で、前記メカニカルストリングの移動時に生じる摩擦力を調節することを特徴としていてもよい。
【0018】
実施形態によれば、前記ガイドチューブは、スプリング構造を含み、前記移動抑制部は、前記スプリング構造を引っ張ったり押したりする方式で、前記スプリング構造の直径を調節することを特徴としていてもよい。
【0019】
実施形態によれば、前記ガイドチューブは、スプリング構造を含み、前記移動抑制部は、前記スプリング構造を引っ張ったり押したりする方式で、前記スプリング構造の張力を調節することを特徴としていてもよい。
【0020】
実施形態によれば、前記摩擦力調節部は、前記メカニカルストリングが引き出される前記ガイドチューブの一端に接続される先端固定部と、前記先端固定部が設けられる固定手段とを有することを特徴としていてもよい。
【0021】
実施形態によれば、前記固定手段は、前記メカニカルストリングの移動抑制力を調節するために、前記先端固定部が設けられる位置を調節することができる位置調節部を有することを特徴としていてもよい。
【0022】
実施形態によれば、前記固定手段は、固定ブロックと、前記固定ブロックに前記先端固定部を固定する固定ブラケットとを含み、前記固定ブロックは、その一側に前記先端固定部を支持する隔壁と、前記隔壁に順に形成される複数の締結孔とを有し、締結手段によって前記複数の締結孔のうちの1つに前記固定ブラケットが固定して設けられることを特徴としていてもよい。
【0023】
実施形態によれば、前記摩擦力調節部は、前記メカニカルストリングの移動抑制力を調節するために備えられる抑制力調節部を有することを特徴としていてもよい。
【0024】
また、本発明の別の態様は、被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部を有する挿入部;
前記挿入部と接続され、使用者が把持できる操作部;前記操作部と接続され、外部から動力を提供されるコネクタ;
前記操作部と前記コネクタを離隔させるユニバーサルコード;前記コネクタから動力を提供され、前記湾曲部に伝達する動力伝達手段;および
前記動力伝達手段の一側に備えられ、前記動力伝達手段に摩擦力を提供する摩擦力提供部;のうちの1つ以上を含む内視鏡を提供することができる。
【0025】
本発明のさらに別の態様は、メカニカルストリングと、前記メカニカルストリングを覆ってガイドするガイドチューブを有する動力伝達手段とを含み、前記動力伝達手段において、前記ガイドチューブの一部は破れて前記メカニカルストリングが外部に露出され、前記ガイドチューブの分離された両端部を引っ張ったり押したりして固定することができる固定手段を有する内視鏡を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明の一実施形態は、動力源から提供された動力を湾曲部に伝達する動力伝達システムの動きを抑制し、動力伝達システムの動きを一定に保たせ、応答性を向上させる内視鏡を提供することができる。
【0027】
その他にも、本発明は、実施形態によれば、優れた汎用性を有するなど、様々な効果を有し、そのような効果については後述する実施形態の説明から明確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による内視鏡を示したものである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による内視鏡のコネクタを示したものである。
【
図3】
図3は、
図2のコネクタからカバーを省略した内部の様子であって、動力受容体と動力伝達部を示したものである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による内視鏡が結合される光源装置を示したものである。
【
図5】
図5は、
図4の光源装置に設けられる動力提供体と、
図3のコネクタに設けられる動力受容体とが結合された様子を示したものである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による動力伝達手段に形成された摩擦力調節部を概略的に示したものである。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による操作部を示す。
【
図8】
図8は、
図7の操作部からカバーケースを省略した様子を示したものである。
【
図9】
図9は、
図8の操作部における動力伝達手段と摩擦力調節部を示す。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による動力伝達手段において、ユニバーサルコードの内部に設けられるガイドチューブを示したものである。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態による動力伝達手段において、メカニカルストリングを覆うガイドチューブの一実施形態としてのスプリング構造と先端固定部を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の一実施形態を例示し、前述した発明の概要と共に本発明の技術思想をより理解しやすくするためのものである。したがって、本発明は、図面に記載された事項だけに限定して解釈されるべきではない。
【0030】
本発明の利点および特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に記述される実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に提示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、等価物ないしは代替物を含むものとして理解すべきである。以下に提示される実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の説明において、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0031】
本出願で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであり、本発明の限定を意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表さない限り、複数の表現を含む。
【0032】
本出願において「含む」または「有する」という用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在や追加の可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いることができるが、構成要素は上記用語により限定されてはならない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ用いられる。
【0033】
以下、本発明による実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素については同じ図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による内視鏡を示し、
図2は、本発明の一実施形態による内視鏡のコネクタを示したものである。
図3は、
図2のコネクタからカバーを省略した内部の様子であって、動力受容体と動力伝達部を示し、
図4は、本発明の一実施形態による内視鏡が結合される光源装置を示したものである。
図5は、
図4の光源装置に設けられる動力提供体と、
図3のコネクタに設けられる動力受容体とが結合された様子を示したものである。
【0035】
本発明の一実施形態による内視鏡100は、挿入部140と操作部130とユニバーサルコード120とコネクタ110のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0036】
実施形態によれば、挿入部140の一端とユニバーサルコード120の一端との間に操作部130が設けられてもよく、ユニバーサルコード120の他端には、コネクタ110が接続されてもよい。
【0037】
挿入部140は、使用者である術者が患者に対して内視鏡100による検査や治療を行う際に患者の体内に挿入される部分であってもよい。挿入部140は、先端部と湾曲部141と軟性部とを含んで構成されてもよい。
【0038】
先端部は、ターゲット部位に照明を照らしたり映像情報の収集や治療を行ったりする構成であってもよい。先端部は、挿入部の先端に設けられてもよく、被検体内を照らすために備えられる照明手段、被検体内を撮影するために備えられる撮影手段、被検体内の組織を採取するために備えられる生検チャンネル、様々な目的で空気や水などを噴射するために備えられる送気・送水チャンネルなどが形成されてもよい。
【0039】
湾曲部141は、使用者の操作によって湾曲動作を行い、体内で湾曲されて屈曲した管状器官の内部に沿って移動することができる。湾曲部141の先端には先端部が設けられてもよく、湾曲部141は、湾曲動作によって先端を湾曲することにより、先端部を使用者の所望の方向に位置付けることができる。
軟性部は、湾曲部141と操作部130との間に位置し、湾曲部141が患者の体内の管状器官に沿って移動する際に一緒に移動する部分であってもよい。
【0040】
操作部130には、湾曲部141の湾曲動作を制御することができる制御手段131が設けられてもよく、送気、送水、または吸引を制御することができる流路制御バルブまたは流路制御スイッチが設けられてもよい。ここで、制御手段131は、例えば、後述するジョイスティックを含んでもよい。
【0041】
操作部130の一側に挿入部140が接続されてもよく、他側にはユニバーサルコード120が接続されてもよい。ユニバーサルコード120の先端にはコネクタ110が接続されてもよい。
【0042】
コネクタ110は、内視鏡100を外部装置に接続する機能を果たすことができる。ここで、外部装置は、例えば、光源装置300、映像処理装置などを含んでもよい。
【0043】
コネクタ110によって内視鏡100が光源装置300または映像処理装置に接続される場合、内視鏡100は、コネクタ110を通して光源装置300から光(Lihgt)を提供されて患者の体内を照明することができ、内視鏡100が収集した患者の体内の映像情報を、コネクタ110を通して映像処理装置に伝送することができる。
【0044】
ユニバーサルコード120は、操作部130とコネクタ110とを接続し、使用者が操作部130を把持して内視鏡100を使用する際に容易に動くことができるように、コネクタ110と操作部130を離隔させることができる。実施形態によれば、ユニバーサルコード120は省略され、操作部130の他側にコネクタ110が接続されていてもよい。
【0045】
本発明の一実施形態によると、内視鏡100は、動力源から動力を伝達されて移動する動力受容体111;および前記動力受容体111の移動によって湾曲動作が制御される湾曲部141;を有していてもよい。実施形態によれば、湾曲部141は、被検体内に挿入され、映像情報を収集する撮影手段と、被検体内を照明する照明手段とを有していてもよい。
【0046】
ここで、動力源は、動力を生成する装置を意味してもよく、例えば、モータを含んでもよい。実施形態によれば、動力源は、内視鏡100に設けられてもよい。実施形態によれば、動力源は、内視鏡100の外部に設けられてもよい。動力源が内視鏡100の外部に設けられるとは、動力源が内視鏡100とは別に備えられる動力提供装置に設けられることを意味し得る。実施形態によれば、動力提供装置は、光源装置300または映像処理装置を含んでもよく、この場合、内視鏡100は、光源装置300または映像処理装置に結合され、光源装置300または映像処理装置から動力を提供されて動作することができる。
【0047】
実施形態によれば、本実施形態による内視鏡100が、動力源が内在された光源装置300に接続される場合、内視鏡100は、光源装置300から光(Light)を提供されて患者の体内を照明することができ、内視鏡100は、光源装置300から動力を提供されて患者の体内で湾曲動作を行うことができる。
【0048】
また、内視鏡100が、動力源が内在された映像処理装置に接続される場合、内視鏡100は、収集した患者の体内の映像情報を映像処理装置に伝送することができ、内視鏡100は、映像処理装置から動力を提供されて患者の体内で湾曲動作を行うことができる。
【0049】
本実施形態による動力受容体111は、動力を受け入れる構成を意味し得る。動力受容体111は、機械的な動力を受け入れる構成を含んでもよい。実施形態によれば、動力受容体111は、内視鏡100の外部に存在し、内視鏡100とは別の製品として存在する外部装置から動力を提供されることができる。実施形態によれば、動力受容体111は、動力源が内在された光源装置300から直接動力を伝達されることができる。
【0050】
本実施形態による動力受容体111は、内視鏡100のコネクタ110に設けられてもよい。内視鏡100のコネクタ110が、動力源が内在された光源装置300に接続される場合、光源装置300の動力源から動力を提供されることが可能となる。
【0051】
実施形態によれば、光源装置300には、動力を提供する動力提供体310が設けられてもよい。光源装置300に設けられた動力提供体310は、コネクタ110に設けられた動力受容体111と形状的に相互対応するように形成されてもよい。実施形態によれば、動力提供体310には凹部311が形成されてもよく、動力受容体111には突出部111aが形成されてもよい。動力受容体111の突出部111aは、コネクタ110の前面カバー112に形成されたスロット113を通過して外部に突出する構造を有してもよい。
【0052】
コネクタ110が光源装置300のコネクタ受容部320に結合する際に、動力提供体310と動力受容体111とが結合して光源装置300からコネクタ110に動力が伝達される準備をすることができる。
【0053】
光源装置300から内視鏡100に動力を伝達する方式は、様々な方式を含んでもよい。実施形態によれば、動力提供体310は、光源装置300に形成されたレール構造に結合され、レール構造に乗って移動するスライダのような構成であってもよく、動力受容体111も動力提供体310同様にコネクタ110に設けられたレール構造200に結合され、レール構造200に乗って移動するスライダのような構成であってもよい。
【0054】
このような構造において、動力源によって動力を伝達された動力提供体310が移動すると、動力提供体310と噛み合っている動力受容体111が一緒に移動し、光源装置300からコネクタ110に動力が提供されることができる。
【0055】
本実施形態による内視鏡100は、順に、コネクタ110とユニバーサルコード120と操作部130と挿入部140とを含んで構成されてもよい。ここで、メカニカルストリング230は、コネクタ110とユニバーサルコード120と操作部130と挿入部140とを順に貫通して設けられてもよい。メカニカルストリング230の一側は、動力受容体111と接続され、他側は、挿入部140の端部を形成する湾曲部141に接続されてもよい。
【0056】
動力受容体111とメカニカルストリング230は、動力伝達部によって接続されていてもよい。動力伝達部は、実施形態によれば、ピニオンスプロケット組立体210とチェーンスライダ組立体220とを含んで構成されてもよい。
【0057】
実施形態によれば、ピニオンスプロケット組立体210は、ピニオンギヤ211とスプロケット212が1つの回転体に一体形成され、ピニオンギヤ211が回転するとスプロケット212も一緒に回転する構造を有し、チェーンスライダ組立体220は、チェーン221の両端に一対のスライダ222が結合し、チェーン221が移動するとチェーン221の両端にそれぞれ接続されたスライダ222も一緒に動く構造を有してもよい。
【0058】
動力受容体111の後面にはラックギヤが形成されてもよく、ピニオンスプロケット組立体210のピニオンギヤ211とラックギヤが噛み合って動力が伝達されることができる。また、ピニオンスプロケット組立体210において、スプロケット212は、チェーンスライダ組立体220のチェーン221と噛み合って動力が伝達されることができる。チェーンスライダ組立体220のペアリングされる一対のスライダ222には、それぞれメカニカルストリング230が接続されていてもよい。この場合、一対のスライダ222には、後述する第1のストリング231と第2のストリング232がそれぞれ接続されてもよく、この構造によって第1のストリング231と第2のストリング232はペアリングされることができる。
【0059】
前述した動力伝達部の構成によって、動力受容体111がスライド移動すると、メカニカルストリング230が引っ張られたり押されたりして動力を湾曲部141に伝達し、湾曲部141は、メカニカルストリング230を通して動力を伝達され、湾曲動作を行う。最終的に、動力受容体111の移動によって湾曲部141の湾曲動作が制御されることができる。
【0060】
実施形態によれば、操作部130は、制御信号を生成することができ、操作部130で生成される制御信号は、動力源の回転力を制御することができる。実施形態によれば、操作部130で生成される制御信号は、動力受容体111の移動距離dを制御することができる。
【0061】
本実施形態による操作部130は、使用者が把持して湾曲部141を含む挿入部140を被検体内に挿入したり回転させたりすることを可能にする寸法化、形状化された構成であって、ハンドルのような機能を果たすことができる。使用者は、操作部130を把持し、被検体内で湾曲部141の位置を調節して映像情報を収集したり治療行為を行ったりすることができる。
【0062】
実施形態によれば、操作部130には、制御信号を生成する制御手段131、例えば、ジョイスティックが設けられてもよい。制御手段131で生成される制御信号には、動力源の回転力を制御するための制御命令が含まれてもよい。
動力源が外部装置、例えば、光源装置300に設けられる場合、制御信号は、内視鏡100から外部装置に有線または無線で伝送されることができる。
【0063】
実施形態によれば、制御信号の伝送方式が無線伝送方式である場合、無線伝送を具現するための実施形態として、操作部130に通信モジュールが実装されてもよく、通信モジュールを通して動力源制御器に制御信号が伝送される方式で動力源の回転力が制御されることができる。
【0064】
実施形態によれば、制御信号の伝送方式が有線伝送方式である場合、有線伝送を具現するための実施形態として、電気ケーブル構成がジョイスティックから操作部130とユニバーサルコード120とコネクタ110に接続されてもよく、コネクタ110の端部には制御信号端子が設けられてもよい。
【0065】
また、この場合、光源装置300のコネクタ受容部320にも制御信号受信端子が設けられてもよく、制御信号受信端子は、動力源制御器と電気的に接続される構造を有してもよい。
【0066】
コネクタ110が光源装置300に接続される場合、制御信号端子が制御信号受信端子と接続するようになり、ジョイスティックで生成した制御信号は、電気ケーブルと制御信号端子と制御信号受信端子を通して動力源制御器に伝送されることができる。
【0067】
実施形態によれば、操作部130に設けられた制御手段131で生成される制御信号は、光源装置300の動力提供体310またはコネクタ110の動力受容体111の移動距離dを制御することができる。
【0068】
すなわち、制御信号は、光源装置300の動力源の回転力を制御し、動力源が動力を生成し、生成された動力が動力提供体310と動力受容体111を通して順次伝達される構造によって、操作部130で生成された制御信号は、動力受容体111の移動距離dを制御することができる。
【0069】
実施形態によれば、動力源の回転方向は、動力提供体310または動力受容体111の移動方向を決めることができ、動力源の回転速度は、動力提供体310または動力受容体111の移動速度を決めることができる。そして、動力受容体111の移動方向は、湾曲部141の湾曲方向を決めることができ、動力受容体111の移動速度は、湾曲部141の湾曲速度を決めることができる。
【0070】
使用者である術者は、ジョイスティックを操作して制御信号を生成し、これを光源装置300に設けられた動力源に伝送することができ、制御信号を受信した動力源は、制御信号に対応して回転力を生成し、この生成された回転力によって動力提供体310と動力受容体111が移動することができ、動力受容体111の移動によって、最終的に、湾曲部141の湾曲動作が制御されることができる。
【0071】
実施形態によれば、動力受容体111は、一種のスライダを含んでもよい。動力受容体111は、コネクタ110に形成されたレール構造200に結合され、レール構造200に乗って特定の方向に移動することができる。例えば、動力受容体111は、コネクタ110に形成されたレール構造200が形成した第1の端と第2の端との間をスライドし、往復移動することができる。
【0072】
例えば、動力受容体111は、第1の端と第2の端との間を往復移動しながら湾曲部141の湾曲角度範囲内で動くことができるが、ここで、動力受容体111の第1の端は、湾曲角度範囲のうち第1の角度に対応することができ、第2の端は、第2の角度に対応することができる。例えば、動力受容体111が第1の端から第2の端に移動すると、湾曲部141は、第1の角度から第2の角度に湾曲されることができる。
【0073】
湾曲部141の湾曲角度範囲は、設定された値で予め決められていることが望ましい。湾曲部141の湾曲角度範囲は、例えば、第1の角度から第2の角度までのみ湾曲されるように設定することができる。そうすることで、内視鏡100が電動化し、コンピュータによって湾曲部141の精密な位置操作が可能になり、使用者である術者が湾曲部141の湾曲範囲を予測することができる。
【0074】
制御信号は、光源装置300に設けられた動力提供体310またはコネクタ110に設けられた動力受容体111の移動距離dを制御することにより、湾曲部141の湾曲動作が予め決められた湾曲角度範囲を正確に守るようにすることができる。
【0075】
実施形態によれば、動力受容体111は、第1のスライダと第2のスライダとを有し、前記制御信号は、前記第1のスライダの移動距離dを制御する第1の制御信号と、前記第2のスライダの移動距離dを制御する第2の制御信号とを含んでもよい。
【0076】
動力受容体111は、一対で構成されてもよい。すなわち、動力受容体111は、第1のスライダと第2のスライダで構成されてもよい。動力提供体310も動力受容体111同様に一対で構成されてもよい。制御信号のうち第1の制御信号は、第1のスライダの移動距離dを制御し、第2の制御信号は、第2のスライダの移動距離dを制御することができる。
【0077】
実施形態によれば、湾曲部141に動力を伝達するメカニカルストリング230は、第1のストリング231と第2のストリング232と第3のストリングと第4のストリングとを含んで構成されてもよい。
【0078】
実施形態によれば、第1のストリング231と第2のストリング232と第3のストリングと第4のストリングは、それぞれ独立に動く4つのスライドによって制御されてもよい。
【0079】
また、別の実施形態によれば、第1のストリング231と第2のストリング232は、第1のセットストリングを構成してもよく、第3のストリングと第4のストリングは、第2のセットストリングを構成してもよい。
【0080】
第1のストリング231と第2のストリング232は、第1のセットストリングを構成してもよく、第3のストリングと第4のストリングは、第2のセットストリングを構成してもよい。
【0081】
第1のセットストリングにおいて、第1のストリング231と第2のストリング232はペアリングされ、第1のストリング231が引っ張られれば第2のストリング232は押され、第2のストリング232が引っ張られれば第1のストリング231は押される構造であり、第2のセットストリングにおいて、第3のストリングと第4のストリングはペアリングされ、第3のストリングが引っ張られれば第4のストリングは押され、第4のストリングが引っ張られれば第3のストリングは押される構造である。
【0082】
ここで、第1のセットストリングは、第1のスライダと接続され、第1のスライダの直線移動によって動力を伝達し、第2のセットストリングは、第2のスライダと接続され、第2のスライダの直線移動によって動力を伝達することができる。本実施形態による動力受容体111が第1のスライダと第2のスライダとを含む構成によって、メカニカルストリング230が2本ずつペアリングされる2つのセットストリングをそれぞれ効果的に制御することができる。
【0083】
実施形態によれば、動力受容体111は、一対で構成され、一対の動力受容体111の一方は、湾曲部141の上下湾曲を制御し、他方は、湾曲部141の左右湾曲を制御することができる。一対の動力受容体111は、第1のスライダと第2のスライダとを含んで構成されてもよく、第1のスライダは、湾曲部141の上下方向の湾曲動作を制御することができ、第2のスライダは、湾曲部141の左右方向の湾曲動作を制御することができる。
【0084】
この構造によって、第1のスライダと第2のスライダは、独立に直線運動することができ、第1のスライダと第2のスライダの直線運動の組み合わせによって、湾曲部141の上下方向の湾曲と左右方向の湾曲が相互結合し、上下左右の湾曲動作が具現可能である。
【0085】
図6は、本発明の一実施形態による動力伝達手段に形成された摩擦力調節部を概略的に示したものである。
図7は、本発明の一実施形態による操作部を示し、
図8は、
図7の操作部からカバーケースを省略した様子を示したものである。
図9は、
図8の操作部における動力伝達手段と摩擦力調節部を示し、
図10は、
図9に示された摩擦力調節部の断面を示したものである。
図11は、本発明の一実施形態による動力伝達手段において、ユニバーサルコードの内部に設けられるガイドチューブを示したものである。
図12は、本発明の一実施形態による動力伝達手段において、メカニカルストリングを覆うガイドチューブの一実施形態としてのスプリング構造と先端固定部を示したものである。
【0086】
本発明の一実施形態によると、被検体内に挿入され、映像情報を収集する湾曲部141;および、動力源から提供された動力を前記湾曲部141に伝達する動力伝達手段250;を有し、前記動力伝達手段250は、動力を伝達するメカニカルストリング230と前記メカニカルストリング230の移動を抑制する摩擦力調節部280を有する内視鏡100を提供することができる。
【0087】
本実施形態において、動力伝達手段250は、コネクタ110に受け入れられた動力を湾曲部141に伝達する機能を果たすことができる。動力伝達手段250は、メカニカルストリング230と、該メカニカルストリング230を覆って保護するガイドチューブ240で構成されることができる。この構造において、メカニカルストリング230は、ガイドチューブ240の内部で軸方向に移動しながら動力を伝達することができる。
【0088】
本実施形態による動力伝達手段250は、内視鏡100の長手方向に沿って長く形成されてもよく、内視鏡100の一側端部に形成されたコネクタ110と、内視鏡100の他側端部に形成される湾曲部141とを接続する構造を有してもよい。この構造によって、動力伝達手段250は、コネクタ110が受け入れた動力を湾曲部141に伝達し、湾曲部141が湾曲動作を行えるようにする。
【0089】
実施形態によれば、動力伝達手段250は、複数であってもよい。動力伝達手段250は、例えば、4つであってもよい。すなわち、第1のストリング231と第2のストリング232と第3のストリングと第4のストリングで構成される4本のメカニカルストリング230とガイドチューブ240とを含んでもよい。前述したように、第1のストリング231と第2のストリング232は、ペアリングされて一緒に動いてもよく、第3のストリングと第4のストリングもペアリングされて一緒に動く構造を有していてもよい。
【0090】
本実施形態において、摩擦力調節部280は、動力伝達手段250の一部に形成されてもよく、動力伝達手段250において、メカニカルストリング230の軸方向の移動を抑制する機能を果たすことができる。摩擦力調節部280は、動力伝達手段250が複数である場合、複数の動力伝達手段250それぞれに設けられてもよい。動力伝達手段250が4つである場合、後述する固定ブロック271の上面と下面にそれぞれ2つずつ設けられてもよい。
【0091】
動力伝達手段250が長ければ長いほど、メカニカルストリング230の伸長によって動力伝達が遅延されたり、バックラッシュが起きて均一な動力伝達が難しくなったりする。特に、コネクタ110が外部から動力を提供され、コネクタ110が提供された動力がユニバーサルコード120と操作部130と挿入部140を通過して湾曲部141に伝達される構造では、動力伝達手段250がコネクタ110から湾曲部141まで延在形成されるため、メカニカルストリング230の長さも長くなり、前述した応答性が悪くなってしまう。本発明は、このような問題を解決するために、メカニカルストリング230の軸方向の移動を抑制し、メカニカルストリング230による動力の伝達が一定に出力できるようになる。すなわち、本発明において、摩擦力調節部280は、メカニカルストリング230の軸方向の移動に抵抗を加え、移動時のがたつきを防ぐことができる。
【0092】
本発明の一実施形態による動力伝達手段250において、摩擦力調節部280は、動力伝達手段250を構成する長手方向区間のうちいずれの区間に配置されてもよい。実施形態によれば、摩擦力調節部280は、操作部130またはコネクタ110に形成されてもよい。
【0093】
図6を参照すると、p区間は、湾曲部141の区間を示し、q区間は、挿入部140の区間を示し、r区間は、操作部130の区間を示し、s区間は、ユニバーサルコード120の区間を示し、t区間は、コネクタ110の区間を示す。動力伝達手段250がコネクタ110から湾曲部141に至る内視鏡100の全区間に延在形成される場合、湾曲動作の応答性が低下し得るため、摩擦力調節部280の役割が重要となってくる。
【0094】
操作部130またはコネクタ110は、様々な機能を有する部品が設けられる構成であり、内部に摩擦力調節部280が配置されるスペースを形成できるため、本実施形態による摩擦力調節部280は、挿入部140やユニバーサルコードよりは操作部130またはコネクタ110に形成されることが効果的であり得る。
【0095】
実施形態によれば、操作部130は、ボディカバー132と、ボディカバー132の内部に配置されるボディフレーム290とを含んでいてもよく、ボディフレーム290の一部は、後述する摩擦力調節部280の一構成である固定手段270であってもよい。ボディフレーム290上に動力伝達手段250が延在形成されて配置されることができる。
【0096】
一方、摩擦力調節部280は、後述する固定手段270を含んでもよいため、挿入部140やユニバーサルコード120に設けられた場合、挿入部140やユニバーサルコード120の柔軟性を阻害することがある。したがって、摩擦力調節部280は、操作部130やコネクタ110に配置されることが効果的であり得る。
【0097】
本実施形態による内視鏡100において、摩擦力調節部280は、実施形態によれば、メカニカルストリング230の移動抑制力を調節するために備えられる抑制力調節部を有してもよい。
【0098】
本発明による抑制力調節部によって、摩擦力調節部280がメカニカルストリング230の軸方向の移動を抑制することとは別に、メカニカルストリング230の軸方向の移動を抑制する抑制力の程度を多様に調整することが可能である。
【0099】
製作者は、本実施形態による抑制力調節部によって本実施形態による内視鏡100を製作する際に、湾曲部141の湾曲動作の応答性テストなどを実施して最適の応答性を設定することができる。
【0100】
実施形態によれば、メカニカルストリング230とガイドチューブ240とを有する動力伝達手段250において、摩擦力調節部280は、ガイドチューブ240の直径を調節する方式で、メカニカルストリング230の移動を抑制することができる。ガイドチューブ240は、メカニカルストリング230の長手方向に沿ってメカニカルストリング230と共に延在形成される構造を有し、メカニカルストリング230を全体的に覆う構造であるため、ガイドチューブ240の直径を調節してガイドチューブ240の内部におけるメカニカルストリング230の移動に抑制をかけることができる。ガイドチューブ240の直径調節方式は、メカニカルストリング230の全長に対して均一かつ継続的な押圧を加えることができ、応答性の向上に効果的である。
【0101】
実施形態によれば、ガイドチューブ240は、スプリング構造を含んでもよい。また、本実施形態による摩擦力調節部280は、ガイドチューブ240のスプリング構造を引っ張ったり押したりする方式で、スプリング構造の直径を調節することができる。
【0102】
スプリング構造は、長手方向に引っ張ればその直径が収縮する構造であるため、本実施形態による摩擦力調節部280を具現するのに効果的である。本実施形態によれば、内視鏡100の製作者は、スプリング構造を有するガイドチューブ240を持って引っ張ったり押したりする方法により、ガイドチューブ240の直径を調節することができる。
【0103】
例えば、ガイドチューブ240の直径がメカニカルストリング230の直径よりも大きく、ガイドチューブ240の内部が緩んでいると、メカニカルストリング230の移動に対する抑制力が低下し、ガイドチューブ240の直径がメカニカルストリング230の直径と同程度になり、ガイドチューブ240の内部がメカニカルストリング230に密着するようになると、メカニカルストリング230の移動に対する抑制力が高まる。このような方法で、メカニカルストリング230の移動に抑制をかけることができる。
【0104】
本明細書において、メカニカルストリング230の移動時に生じる摩擦力を調節するとは、ガイドチューブ240そのものの張力を調節してメカニカルストリング230の移動時に生じる摩擦力を調節する方式と、ガイドチューブ240そのものの直径を調節してメカニカルストリング230の移動時に生じる摩擦力を調節する方式のいずれも含むことができる。
【0105】
図11において、
図11aと
図11bは、いずれもユニバーサルコード120の内部にガイドチューブ240が位置している様子を示したものである。
図11aは、ユニバーサルコード120の内部にガイドチューブ240が曲がりくねった形で位置しており、
図11bは、
図11aにおいて、ガイドチューブ240の両端に設けられた先端固定部が軸方向Cに引っ張られ、ガイドチューブ240が曲がらずに設けられている様子を示したものである。
【0106】
図11を参照すると、
図11aにおいて、一対の先端固定部260間の長さMは、ユニバーサルコード120の長さFよりも小さい。しがし、
図11bにおいて、一対の先端固定部260間の長さNは、ユニバーサルコード120の長さFよりも大きい。すなわち、ユニバーサルコード120の両端から引き出され、左側の先端固定部は、コネクタ110部分まで出っ張っており、右側の先端固定部は、操作部130部分まで出っ張っている。実施形態によれば、それぞれの先端固定部は、コネクタ110と操作部130の位置にそれぞれ固定して設けられてもよい。
【0107】
本実施形態による内視鏡を製造する際に、製造者は、ユニバーサルコード120の内部に動力伝達手段を位置させる。ところが、ユニバーサルコード120の直径は、動力伝達手段の直径よりも遥かに大きい。したがって、ユニバーサルコード120の内部において、動力伝達手段は、曲がりくねった形で位置するようになる(
図11aを参照)。動力伝達手段がこのように曲がりくねった形で配置されると、ガイドチューブ240の内部のメカニカルストリング230は、ガイドチューブ240の内部で長手方向Cに移動する際に摩擦力を強く受け、円滑に移動することができなくなる。
このような摩擦力により、湾曲部に正確に動力を伝達することが困難となり、その結果、湾曲部の位置制御の精度が低下する。
【0108】
本実施形態による摩擦力調節部は、ガイドチューブ240の両端に設けられた先端固定部がそれぞれ引っ張られ、固定して設けられることにより、ユニバーサルコード120の内部で動力伝達手段が引っ張られて平らに配置され、ガイドチューブ240の内部でメカニカルストリング230が移動する際の摩擦力を最小限に抑えることができ、メカニカルストリング230の円滑な移動が可能となる。
【0109】
図11bは、ガイドチューブ240の外周面がユニバーサルコード120の内周面と比較的平行に配置されるように先端固定部が引っ張られているが、
図12bでは、
図11bよりもさらに先端固定部が引っ張られている様子を示す。先端固定部を引っ張り続けると、ガイドチューブ240がユニバーサルコード120と平行になる程度を超えてガイドチューブ240そのものの直径が変化し始める。先端固定部がさらに引っ張られると、ガイドチューブ240は伸び、ガイドチューブ240の直径が小さくなる。これに関しては後述する。
【0110】
図12を参照すると、
図12aは、先端固定部260がL1だけ引っ張られた様子を示し、
図12bは、先端固定部260がL1だけ引っ張られた様子を示す。先端固定部260がL1だけ引っ張られた場合、ガイドチューブ240の直径は、D1である。しがし、先端固定部260がL1よりも長いL2だけ引っ張られた場合、ガイドチューブ240の直径は、D2と小さくなる。したがって、メカニカルストリング230との間隔が狭くなり、メカニカルストリング230が軸方向Cに移動することが難しくなる。
【0111】
摩擦力調節部280は、実施形態によれば、メカニカルストリング230が引き出されるガイドチューブ240の一端に接続される先端固定部260と、先端固定部260が設けられる固定手段270とを含んで構成されてもよい。
【0112】
本実施形態による摩擦力調節部280は、メカニカルストリング230がガイドチューブ240を通過し、ガイドチューブ240の先端から引き出される構造を含んでもよく、この構造において、ガイドチューブ240の先端に先端固定部260を形成し、先端固定部260を固定手段270に固定して設ける方式で具現してもよい。
【0113】
先端固定部260は、ガイドチューブ240を引っ張り、張力をかけた状態で固定手段270に固定される構造を有する技術的思想の範囲であれば、どのような構成であってもよい。先端固定部260は、実施形態によれば、ダンベル形状、すなわち、中央部が凹んだ円筒形状であってもよい。
【0114】
本実施形態による固定手段270は、先端固定部260を固定する機能を果たすことができる。固定手段270は、実施形態によれば、操作部130の内部に配置されるボディフレーム290に配置されてもよい。
【0115】
実施形態によれば、固定手段270は、メカニカルストリング230の移動抑制力を調節するために、先端固定部260が設けられる位置を調節することができる位置調節部を含んでいてもよい。
位置調節部は、前述した抑制力調節部と実質的に同様の機能を果たす構成であってもよい。
【0116】
固定手段270は、実施形態によれば、固定ブロック271と固定ブラケット275を含んで構成されてもよい。ここで、固定ブロック271は、前述した操作部130の内部に配置されるボディフレーム290上に形成されてもよい。実施形態によれば、固定ブロック271は、ボディフレーム290の一部分であってもよい。
【0117】
固定ブラケット275は、ガイドチューブ240の先端固定部260を固定ブロック271に固定する機能を果たすことができる。固定ブロック271は、実施形態によれば、両側に先端固定部260をガイドして支持するガイド壁274が形成されてもよく、ガイド壁274の上面には、複数の締結孔272が順に所定の間隔を置いて形成されてもよい。ボルト、ネジなどの締結手段(273)によって複数の締結孔272のうち1つに固定ブラケット275を固定して設け、先端固定部260を固定してもよい。
【0118】
ここで、位置調節部は、実施形態によれば、固定ブロック271のガイド壁274に形成された複数の締結孔272を含んでもよい。製作者は、複数の締結孔272のうちいずれか1つの締結孔272に先端固定部260を係止して固定ブラケット275で固定し、ガイドチューブ240を設定された値だけ伸長させる方式で、ガイドチューブ240の直径を調節することができる。
【0119】
本発明の別の態様では、実施形態によれば、メカニカルストリング230と、メカニカルストリング230を覆ってガイドするガイドチューブ240を有する動力伝達手段250を含み、前記動力伝達手段250において、前記ガイドチューブ240の一部は破れてメカニカルストリング230が外部に露出する構造265を有してもよい。
【0120】
このようにガイドチューブ240の一部が破れて分離され、メカニカルストリング230が外部に露出する構造265において、ガイドチューブ240の分離された両端部を引っ張ったり押したりして固定することができる固定手段270を有する内視鏡100を提供することができる。
【0121】
ガイドチューブ240の分離された両端部には、前述した先端固定部260が設けられてもよく、先端固定部260は、ガイドチューブ240を引っ張ってガイドチューブ240の直径を調節し、メカニカルストリング230の移動に抑制をかけてもよい。
【0122】
本実施形態における構成は、前述した実施形態における構成と実質的に同様であってもよい。したがって、本実施形態における構成に関する詳細な説明は省略する。
本発明のさらに別の態様は、被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部141を有する挿入部140;
【0123】
前記挿入部140と接続され、使用者が把持できる操作部130;前記操作部130と接続され、外部から動力を提供されるコネクタ110;前記操作部130と前記コネクタ110を離隔させるユニバーサルコード120;前記コネクタ110から動力を提供され、前記湾曲部141に伝達する動力伝達手段250;および
【0124】
前記動力伝達手段250の一側に備えられ、前記動力伝達手段250に摩擦力を提供する摩擦力提供部;のうちの1つ以上を含む内視鏡100を提供することができる。
【0125】
ここで、摩擦力提供部が動力伝達手段250に摩擦力を提供するとは、実施形態によれば、動力伝達手段250が動力を伝達する動力ケーブルと、動力ケーブルを覆う構造を有するガイドチューブ240とを有する場合、動力ケーブルがガイドチューブ240の内部で移動する際に摩擦力を提供することを意味し得る。本実施形態において、摩擦力提供部は、前述した実施形態で摩擦力調節部280と実質的に同様の機能を果たすことができる。また、本実施形態の別の構成は、前述した実施形態における構成と実質的に同様であってもよい。したがって、他の構成に関する詳細な説明は省略する。
【0126】
本発明の明細書(特に特許請求の範囲)における「前記」という用語およびそれに類似した指示用語の使用は、単数および複数の両方に該当するものであり得る。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、上記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がない場合)、発明の詳細な説明に上記範囲を構成する各個別の値を記載したものと同様である。
【0127】
本発明による方法を構成するステップに関して、明白な順序の記載またはそれに反する記載がなければ、上記ステップは適切な順序で行うことができる。本発明は、必ずしも上記ステップの記載順序に限定されるものではない。本発明における全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、上記例または例示的な用語により本発明の範囲が限定されるわけではない。また、当業者は、様々な修正、組み合わせおよび変更が加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件および要因に応じて構成できることを理解するであろう。
【0128】
よって、本発明の思想は、上述した実施形態に限定されて定められてはならず、添付の特許請求の範囲だけでなく、その特許請求の範囲と均等なまたはそれから等価的に変更された全ての範囲は、本発明の思想の範疇に属するといえる。
【符号の説明】
【0129】
100:内視鏡
110:コネクタ
111:動力受容体
111a:突出部
112:前面カバー
113:スロット
120:ユニバーサルコード
130:操作部
131:制御手段
132:ボディカバー
140:挿入部
141:湾曲部
200:レール構造
210:ピニオンスプロケット組立体
211:ピニオンギヤ
212:スプロケット
220:チェーンスライダ組立体
221:チェーン
222:スライダ
230:メカニカルストリング
231:第1のストリング
232:第2のストリング
240:ガイドチューブ
250:動力伝達手段
260:先端固定部
270:固定手段
271:固定ブロック
272:締結孔
273:締結手段
274:ガイド壁
275:固定ブラケット
280:摩擦力調節部
290:ボディフレーム
300:光源装置
310:動力提供体
311:凹部
320:コネクタ受容部
d:移動距離
【国際調査報告】