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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】動力受容部を有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20241219BHJP
   A61B 1/005 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61B1/00 712
A61B1/005 523
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534366
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019499
(87)【国際公開番号】W WO2023106747
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174879
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248781
【氏名又は名称】メディンテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDINTECH INC.
【住所又は居所原語表記】1F,60,Daehak-ro Jongno-gu Seoul 03100,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、チ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ソク ギュ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161DD03
4C161FF11
4C161FF30
4C161HH32
4C161HH47
4C161JJ11
(57)【要約】
動力受容部を有する内視鏡に関するものであって、詳しくは、湾曲部を湾曲させるために外部装置から動力を受け入れる動力受容部を有する内視鏡に関する。制御精度および安定性を保持しつつ、外部から動力を効率的に伝達されて受け入れることができる新たな構造の動力受容部を有する内視鏡を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と結合し、前記外部装置から動力を提供されるコネクタを有する内視鏡において、
前記コネクタは、
湾曲部に動力を伝達する動力伝達ケーブル;
前記外部装置から動力を伝達されて第1の方向に運動する第1のスライダと、前記第1のスライダ同様に前記外部装置から動力を伝達されて第2の方向に運動する第2のスライダとを有する動力受容部;および、
前記動力受容部から動力を伝達されて前記動力伝達ケーブルに伝達する動力伝達部;を含む
ことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記コネクタは、前記動力受容部と前記動力伝達部を収容するハウジングと、前記ハウジングの一端を閉鎖するカバー部とを有し、
前記第1のスライダは、前記カバー部の外部に露出され、前記外部装置から動力を受け入れるための第1の結合部を有し、前記第1のスライダ同様に前記第2のスライダは、前記カバー部の外部に露出され、前記外部装置から動力を受け入れるための第2の結合部を有する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記第1の結合部は、前記外部装置で動力を提供する第1の動力提供部と形状的に相互対応し、前記第2の結合部は、前記外部装置で動力を提供する第2の動力提供部と形状的に相互対応する
請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記第1の結合部は、第1のスライダ本体から突出する第1の突出部を含み、前記第2の結合部は、第2のスライダ本体から突出する第2の突出部を含む
請求項2に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記第1のスライダと前記第2のスライダは、互いに平行に離隔配置される
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記動力受容部は、前記第1のスライダが乗って前記第1の方向に運動できるように提供される第1のスライドレール部を有し、前記第2のスライダが乗って前記第2の方向に運動できるように提供される第2のスライドレール部を有する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記動力受容部の前記第1のスライドレール部と、前記第2のスライドレール部は、それぞれ前記動力伝達部が有するメインフレームによって支持(Support)される
請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記第1のスライドレール部と前記第2のスライドレール部は、使用者が前記コネクタを前記外部装置のコネクタ受容部に挿入した際に、前記第1のスライダおよび第2のスライダが後方に押されないように、前記第1のスライダと前記第2のスライダをそれぞれ後方から支持する後方支持台を含む
請求項6に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記第1のスライダと前記第2のスライダのそれぞれの一側にはラックギヤが形成され、
前記動力伝達部は、
前記ラックギヤと噛み合うピニオンギヤと、
前記ピニオンギヤと接続されて一緒に回転するスプロケットと、
前記スプロケットと噛み合う動力伝達チェーンと、
前記動力伝達チェーンの一側と他側にそれぞれ接続される前記動力伝達ケーブルと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、動力受容部を有する内視鏡に関するものであって、より詳しくは、湾曲部を湾曲させるために光源装置から動力を受け入れる動力受容部を有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで述べられる内容は、単に本発明の実施形態に関する背景情報を提供するだけで、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
内視鏡は、一般に、医療目的で体内を観察するための医療器具を指す。検査する部位によって、「気管支鏡」、「胃内視鏡」、「腹腔鏡」、「大腸内視鏡」などと呼ばれる。他のほとんどの医療用撮像装置とは異なり、内視鏡は、体内に直接挿入される。
【0004】
内視鏡は、光ファイバの開発、光学技術や電子工学の急速な発展に支えられ、現在の電子内視鏡に至っており、消化器学分野の発展に大きく貢献した。電子内視鏡の開発により、被検体内を直接観察し、組織学的検査を行う診断的分野だけでなく、各種治療内視鏡の急激な発展により開腹手術に代わるようになった。
【0005】
内視鏡の構造は、一般に、湾曲部と軟性部を有して体内に挿入される挿入部(Insertion Tube)と、挿入部の一端に接続され、湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、光源装置などに結合されるコネクタと、操作部とコネクタを離隔させるユニバーサルコードとを含む。
【0006】
また、内視鏡には、湾曲部の湾曲動作を制御するために、湾曲部と操作部との間にメカニカルストリングが設けられ、メカニカルストリングは、操作部に設けられる制御ノブと接続される構造を有する。このような構造の内視鏡は、使用者である術者が手動で制御ノブを操作すると、メカニカルストリングが動力を伝達して湾曲部の湾曲動作が行えるようになっている。
【0007】
しかし、内視鏡による検査や治療中には、患者にとって致命的な緊迫した状況が発生することもある。ところが、このような構造の内視鏡は、緊迫した状況の中、術者が手動でノブを操作して湾曲部の湾曲動作を制御するしかなく、術者はノブ操作にのみ集中するようになり、緊迫した状況を打開することが難しくなる上に、湾曲部の湾曲動作が正確に行えなくなる可能性もあって問題となった。
【0008】
そこで、術者の手動操作ではなく、動力源による自動操作によって湾曲部の湾曲動作を行うことができる内視鏡が開発された。しかしながら、このような構造の内視鏡は、内視鏡の外部から動力の伝達を受けられる好適な動力伝達構造が存在しないため、制御精度や安定性の面で問題がある。
【0009】
したがって、湾曲部の湾曲角度制御の精度を失うことなく、外部から動力を供給され、これを湾曲部に効果的に伝達できる新たな動力伝達構造を有するコネクタの開発が至急求められる。
【0010】
また、内視鏡が光源装置などの外部装置から動力を伝達されるためには、内視鏡のコネクタと外部装置のコネクタ受容部とが物理的に結合される必要があるが、コネクタをコネクタ受容部に挿入する際にコネクタに衝撃が与えられ、繰り返しの脱着によって故障が発生する可能性がある。
そのため、繰り返しの脱着にも耐久性が確保できる新たなコネクタ構造を有する内視鏡の開発が至急求められる。
【0011】
一方、内視鏡が外部から動力を伝達される場合、動力を伝達する外部機器の故障により異常動力が入力され、この異常動力がそのまま湾曲部に伝達されれば、湾曲部の動きが使用者である術者の予想とは異なってくる可能性がある。場合によっては、被検者である患者の体内を損傷する恐れもある。したがって、内視鏡に異常動力が入力されることを抑制できる安全装置が必要である。
【0012】
前述した背景技術は、発明者が本発明の実施形態を導出するために保有していたか、もしくは導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の実施形態を出願する前に一般公衆に開示された公知技術とはいえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明による一態様は、前述した問題を解決するために提案されたものであり、本発明の目的は、制御精度および安定性を保持しつつ、外部から効率的に動力を伝達されて受け入れることができる新たな構造の動力受容部を有する内視鏡を提供することにある。
【0014】
また、本発明の別の目的は、内視鏡が外部から異常動力を伝達された場合、この異常動力を湾曲部に伝達しないようにする安全装置が追加された内視鏡を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、内視鏡の繰り返しの脱着による衝撃にも長時間耐えることができる衝撃吸収構造を有する内視鏡を提供することにある。
【0015】
本発明が達成しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を達成するために、本発明の一態様は、外部装置と結合し、前記外部装置から動力を提供されるコネクタを有する内視鏡において、
前記コネクタは、
湾曲部に動力を伝達する動力伝達ケーブル;
前記外部装置から動力を伝達されて第1の方向に運動する第1のスライダと、前記第1のスライダ同様に前記外部装置から動力を伝達されて第2の方向に運動する第2のスライダとを有する動力受容部;および
前記動力受容部から動力を伝達されて前記動力伝達ケーブルに伝達する動力伝達部;のうちの1つ以上を含む内視鏡を提供することができる。
【0017】
実施形態によれば、前記コネクタは、前記動力受容部と前記動力伝達部を収容するハウジングと、前記ハウジングの一端を閉鎖するカバー部とを有していてもよい。
【0018】
実施形態によれば、前記第1のスライダは、前記カバー部の外部に露出され、前記外部装置から動力を受け入れるための第1の結合部を有していてもよい。また、前記第1のスライダ同様に前記第2のスライダは、前記カバー部の外部に露出され、前記外部装置から動力を受け入れるための第2の結合部を有していてもよい。
【0019】
実施形態によれば、前記第1の結合部は、前記外部装置で動力を提供する第1の動力提供部と形状的に相互対応していてもよい。また、前記第2の結合部は、前記外部装置で動力を提供する第2の動力提供部と形状的に相互対応していてもよい。
【0020】
実施形態によれば、第1のスライダは、第1のスライダ本体と第1の結合部とを含んでいてもよい。また、第2のスライダは、第2のスライダ本体と第2の結合部とを含んでいてもよい。
【0021】
実施形態によれば、前記第1の結合部は、第1のスライダ本体から突出する第1の突出部を含んでいてもよい。また、前記第2の結合部は、第2のスライダ本体から突出する第2の突出部を含んでいてもよい。
【0022】
実施形態によれば、前記第1のスライダと前記第2のスライダは、互いに平行に離隔配置されることを特徴としていてもよい。
【0023】
実施形態によれば、前記第1のスライダは、前記第1の方向に直線往復運動することができ、第2のスライダは、第2の方向に直線往復運動することができる。
【0024】
実施形態によれば、前記動力受容部は、前記第1のスライダが乗って前記第1の方向に運動できるように提供される第1のスライドレール部を有していてもよい。また、前記動力受容部は、前記第2のスライダが乗って前記第2の方向に運動できるように提供される第2のスライドレール部を有していてもよい。
【0025】
実施形態によれば、前記第1のスライドレール部には、前記第1のスライダの移動を制限する第1のストッパが備えられてもよい。また、前記第2のスライドレール部には、前記第2のスライダの移動を制限する第2のストッパが備えられてもよい。
【0026】
実施形態によれば、前記第1のストッパは、前記第1のスライドレール部の両端部にそれぞれ備えられてもよく、前記湾曲部の上下湾曲角度の範囲を制限することができる。また、前記第2のストッパは、前記第2のスライドレール部の両端部にそれぞれ備えられてもよく、前記湾曲部の左右湾曲角度の範囲を制限することができる。
【0027】
実施形態によれば、前記動力受容部の前記第1のスライドレール部と前記第2のスライドレール部は、それぞれ前記動力伝達部が有するメインフレームによって支持(Support)されることを特徴としていてもよい。
【0028】
実施形態によれば、前記第1のスライドレール部と前記第2のスライドレール部は、使用者が前記コネクタを前記外部装置のコネクタ受容部に挿入した際に、前記第1のスライダおよび第2のスライダが後方に押されないように、前記第1のスライダと前記第2のスライダをそれぞれ後方から支持する後方支持台を含むことを特徴としていてもよい。
【0029】
実施形態によれば、前記第1のスライダと前記第2のスライダのそれぞれの一側にはラックギヤが形成され、前記動力伝達部は、前記ラックギヤと噛み合うピニオンギヤと、前記ピニオンギヤと接続されて一緒に回転するスプロケットと、前記スプロケットと噛み合う動力伝達チェーンと、前記動力伝達チェーンの一側と他側にそれぞれ接続される前記動力伝達ケーブルとを含むことを特徴としていてもよい。
【0030】
実施形態によれば、前記ピニオンギヤと前記スプロケットとを一体形成し、ピニオンスプロケット結合体を構成してもよく、前記ピニオンスプロケット結合体は、前記メインフレームに回転可能に設けられてもよい。そして前記動力伝達ケーブルは、前記メインフレームに設けられてもよい。前記動力伝達ケーブルと前記ピニオンスプロケット結合体は、前記メインフレームに設けられて安定的に動作することができる。
【0031】
本発明の別の態様は、外部装置と結合し、前記外部装置から動力を提供されるコネクタを有する内視鏡において、
前記コネクタは、ハウジング;外部装置と結合した際に前記外部装置のコネクタ受容部に対向し、前記ハウジングの一端を閉鎖するカバー部;
一側はユニバーサルコードに接続され、他側は前記ハウジングの他端に結合され、前記ハウジングの他端から引き出される動力伝達ケーブルを保護するコード保護部;および
前記ハウジングと前記カバー部によって保護され、前記外部装置から動力を伝達されて受け入れる動力受容部と、前記動力受容部が受け入れた動力を前記動力伝達ケーブルに伝達する動力伝達部;のうちの1つ以上を含む内視鏡を提供することができる。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明の一実施形態は、制御精度および安定性を保持しつつ、外部から効率的に動力を伝達されて受け入れることができる新たな構造の動力受容部を有する内視鏡を提供する。
【0033】
その他にも、本発明は、実施形態によれば、優れた汎用性を有するなど、様々な効果を有し、そのような効果については後述する実施形態の説明から明確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の一実施形態による内視鏡を示したものである。
図2図2は、図1の内視鏡からカバー部とハウジングとコード保護部とを取り除いた様子を概略的に示したものである。
図3図3は、本発明の一実施形態による動力受容部の構成を示したものである。
図4図4は、別の角度からみた図3の動力受容部の構成を示したものである。
図5図5は、本発明の一実施形態による動力受容部と動力伝達部を示したものである。
図6図6は、図5から動力受容部の一部が取り除かれた動力伝達部の様子を示したものである。
図7図7は、本発明の一実施形態によるメインフレームを示したものである。
図8図8は、本発明の一実施形態による動力伝達部の構成と動力伝達ケーブルとが接続される様子を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の一実施形態を例示し、前述した発明の概要と共に本発明の技術思想をより理解しやすくするためのものである。したがって、本発明は、図面に記載された事項だけに限定して解釈されるべきではない。
【0036】
本発明の利点および特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に記述される実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に提示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、等価物ないしは代替物を含むものとして理解すべきである。以下に提示される実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の説明において、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0037】
本出願で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであり、本発明の限定を意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表さない限り、複数の表現を含む。
【0038】
本出願において「含む」または「有する」という用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在や追加の可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いることができるが、構成要素は上記用語により限定されてはならない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ用いられる。
【0039】
以下、本発明による実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素については同じ図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0040】
本明細書において、外部装置は、内視鏡の外部に別途存在する装置を含んでいてもよい。本発明による内視鏡のコネクタは、内視鏡を外部装置に接続する機能を果たすことができる。ここで、外部装置は、動力提供装置を含んでもよい。動力提供装置は、例えば、光源装置、映像処理装置などを含んでもよい。
【0041】
本明細書に記載の光源装置は、外部装置の一実施形態に過ぎず、実施形態によれば、光源装置に限定されず、内視鏡の外部に位置する別途の装置に代えられてもよい。実施形態によれば、動力提供装置に代えられてもよい。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態による内視鏡を示し、図2は、図1の内視鏡からカバー部120とハウジング110とコード保護部130とを取り除いた様子を概略的に示したものである。
本発明の一実施形態による内視鏡は、挿入部と操作部とユニバーサルコード140とコネクタ100のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0043】
実施形態によれば、挿入部の一端とユニバーサルコード140の一端との間に操作部が設けられてもよく、ユニバーサルコード140の他端にはコネクタ100が接続されてもよい。
【0044】
挿入部は、使用者である術者が患者に対して内視鏡による検査や治療を行う際に患者の体内に挿入される部分である。挿入部は、先端部と湾曲部と軟性部とを含んで構成されてもよい。
【0045】
先端部は、ターゲット部位に照明を照らして映像情報を収集する構成であってもよい。先端部は、挿入部の先端に設けられてもよく、被検体内を照らすために備えられる照明手段、被検体内を撮影するために備えられる撮影手段、被検体内の組織を採取するために備えられる生検チャンネル、様々な目的で空気や水などを噴射するために備えられる送気・送水チャンネルなどが形成されてもよい。
【0046】
湾曲部は、使用者の操作によって湾曲動作を行い、体内で湾曲されて屈曲した管状器官の内部に沿って移動することができる。湾曲部の先端には先端部が設けられてもよく、湾曲部は、湾曲動作によって先端を湾曲することにより、先端部を使用者の所望の方向に位置付けることができる。
【0047】
軟性部は、湾曲部と操作部との間に位置し、湾曲部が患者の体内の管状器官に沿って移動する際に一緒に移動する部分であってもよい。
【0048】
操作部には、湾曲部の湾曲動作を制御することができる制御手段が設けられてもよく、送気、送水、または吸引を制御することができる流路制御バルブが設けられてもよい。
【0049】
操作部の一側に挿入部が接続されてもよく、他側にはユニバーサルコード140が接続されてもよい。ユニバーサルコード140の先端にはコネクタ100が接続されてもよい。
【0050】
ユニバーサルコード140は、操作部とコネクタ100とを接続し、使用者が操作部を把持して内視鏡を使用する際に、容易に動くことができるように、コネクタ100と操作部とを離隔させる役目を果たすことができる。実施形態によれば、ユニバーサルコード140は省略され、操作部の他側にコネクタ100が接続されていてもよい。
【0051】
本明細書において、光源装置は、光(Light)を生成する光源を含んで構成されてもよい。本明細書において、光源装置に含まれる光源は、実施形態によれば、LEDなどの光源を含んでもよいが、光を生成することができる技術思想の範囲内でいかなる構成も本明細書で言う光源に含めることができる。
【0052】
本実施形態による内視鏡は、光源装置から光を提供されて照明手段に伝達することができる。本実施形態による内視鏡の照明手段は、光源装置から光を提供されて被検体内を照らし、使用者である術者が被検体内を検査できるようにする。
【0053】
本明細書において、光源装置は、動力を生成する動力源を含んで構成されてもよい。本実施形態による光源装置が生成する動力は、本実施形態による内視鏡に提供するためのものであってもよい。
【0054】
動力源は、実施形態によれば、モータであってもよいが、動力を生成することができる技術思想の範囲内でいかなる構成も本明細書で言う動力源に含めることができる。
【0055】
本実施形態による内視鏡は、光源装置から動力を提供されて湾曲部に伝達することができる。本実施形態による内視鏡の湾曲部は、光源装置から動力を提供されて湾曲動作を行い、先端部を被検体内で使用者である術者の所望の部位に向けるようにする。
【0056】
実施形態によれば、光源装置にはコネクタ受容部が形成されてもよい。コネクタ受容部は、本実施形態による内視鏡のコネクタ100が機械的、電気的に結合される部分を意味し得る。これは、例えば、電気プラグが電気コンセントに機械的、電気的に結合されるプロセスと類似している。
【0057】
本発明の一実施形態による内視鏡は、光源装置と結合し、光源装置から動力を提供されるコネクタ100を含んでいてもよい。本実施形態によるコネクタ100は、光源装置のコネクタ受容部と結合し、機械的、電気的に接続されてもよい。
【0058】
本実施形態による内視鏡のコネクタ100は、ハウジング110、カバー部120、コード保護部130、動力受容部200および動力伝達部300のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0059】
本実施形態によるコネクタ100において、ハウジング110は、コネクタ100の外形を形成することができ、外部から内部の装置を保護する機能を果たすことができる。カバー部120は、ハウジング110の一端を閉鎖することができ、コネクタ100が光源装置と結合した際に光源装置のコネクタ受容部と対向する位置に配置されてもよい。コード保護部130は、ハウジング110の他端から引き出される各種線を保護する機能を果たすことができ、ユニバーサルコード140と接続されてもよい。
【0060】
本実施形態によるコネクタ100のカバー部120には、制御信号端子170、映像信号端子180、送気チューブ結合部150およびライトガイド結合部160のうち1つ以上が外部に露出する構造を有していてもよい。
【0061】
本実施形態による光源装置のコネクタ受容部には、制御信号端子170と接続される制御信号受信部、映像信号端子180と接続される映像信号受信部、送気チューブ結合部150と接続され、空気を噴射する送気ノズル、およびライトガイド結合部160と接続される光提供端子のうち1つ以上が備えられていてもよい。
【0062】
制御信号端子170は、光源装置に動力制御命令を伝達することができ、映像信号端子180は、光源装置に映像情報を伝達することができ、送気チューブ結合部150は、光源装置から空気を提供されることができ、ライトガイド結合部160は、光源装置から光を提供されることができる。
【0063】
本実施形態によるコネクタ100には、前述した制御信号端子170と接続される制御信号線、映像信号端子180と接続される映像信号線、ライトガイド結合部160と接続されるライトガイドケーブル、および送気チューブ結合部150と接続される送気チューブのうちの1つ以上が通過することができ、本実施形態によるコネクタ100のコード保護部130は、ハウジング110から引き出される制御信号線、映像信号線、ライトガイドケーブルおよび送気チューブのうち1つ以上を保護する機能を果たすことができる。
【0064】
図3は、本発明の一実施形態による動力受容部200の構成を概略的に示したものである。図4は、図3の動力受容部200の構成を別の角度からみた様子を示したものである。
【0065】
本実施形態によるコネクタ100は、前述した動力受容部200と動力伝達部300とを含んでいてもよい。動力受容部200は、光源装置から動力を伝達されて受け入れる機能を果たすことができ、動力伝達部300は、動力受容部200が受け入れた動力を動力伝達ケーブル400に伝達する機能を果たすことができる。
【0066】
実施形態によれば、動力受容部200は、光源装置から動力を伝達されて第1の方向に直線運動する第1のスライダ230を含んでいてもよい。また、動力受容部200は、光源装置から動力を伝達されて第2の方向に直線運動する第2のスライダ280を含んでいてもよい。
【0067】
実施形態によれば、第1のスライダ230は、コネクタ100に設けられ、第1の方向に沿って直線往復運動をすることができ、第2のスライダ280もコネクタ100に設けられ、第2の方向に沿って直線往復運動をすることができる。実施形態によれば、第1の方向と第2の方向は、互いに平行な方向であってもよい。実施形態によれば、コネクタ100において、第1のスライダ230と第2のスライダ280は、平行に離隔配置されてもよい。
【0068】
本発明による内視鏡において、コネクタ100の第1のスライダ230と第2のスライダ280を通して光源装置から動力を受け入れる構造は、単純な構造を有するため、長時間繰り返して動力を受け入れても故障しない耐久性が確保でき、制御安定性と制御精度を向上させられるという利点がある。
【0069】
実施形態によれば、第1のスライダ230は、カバー部120の外部に露出され、光源装置から動力を受け入れるための第1の結合部231を有してもよい。また、第2のスライダ280は、カバー部120の外部に露出され、光源装置から動力を受け入れるための第2の結合部281を有してもよい。
【0070】
第1の結合部231は、光源装置のコネクタ受容部が有する第1の動力提供部と相互作用し、第1の動力提供部が提供する動力を受け入れて第1のスライダ230を移動させることができ、第2の結合部281は、光源装置のコネクタ受容部が有する第2の動力提供部と相互作用し、第2の動力提供部が提供する動力を受け入れることによって、第2のスライダ280を移動させることができる。
【0071】
実施形態によれば、第1の結合部231は、光源装置で動力を提供する第1の動力提供部と形状的に相互対応し、前記第2の結合部281は、前記光源装置で動力を提供する第2の動力提供部と形状的に相互対応してもよい。
【0072】
第1の結合部231と第1の動力提供部は、形状的に相互対応する技術的思想の範囲で多様に表現することができ、第2の結合部281と第2の動力提供部は、形状的に相互対応する技術的思想の範囲で多様に表現することができる。
【0073】
実施形態によれば、第1のスライダ230は、第1のスライダ本体232と第1の結合部231とを含んで構成されてもよく、第2のスライダ280は、第2のスライダ本体282と第2の結合部281とを含んで構成されてもよい。実施形態によれば、第1の結合部231は、第1のスライダ本体232から突出する第1の突出部を含み、前記第2の結合部281は、第2のスライダ本体282から突出する第2の突出部を含んで構成されてもよい。第1の突出部は、実施形態によれば、複数であってもよく、第2の突出部も、実施形態によれば、複数であってもよい。
【0074】
本発明の一実施形態による動力受容部200は、第1のスライダ230が乗って第1の方向に直線運動できるように提供される第1のスライドレール部220を有していてもよい。また、動力受容部200は、第2のスライダ280が乗って第2の方向に直線運動できるように提供される第2のスライドレール部270を有していてもよい。実施形態によれば、第1のスライドレール部220と第2のスライドレール部270は、平行に離隔配置されてもよい。
【0075】
動力受容部200は、実施形態によれば、コネクタ100のカバー部120の内側面に位置していてもよく、第1のスライドレール部220と第2のスライドレール部270とを含んで構成されてもよい。
【0076】
実施形態によれば、第1のスライドレール部220には、第1のスライダ230の移動を制限する第1のストッパ240が備えられてもよく、第2のスライドレール部270には、第2のスライダ280の移動を制限する第2のストッパ290が備えられてもよい。
【0077】
実施形態によれば、第1のストッパ240は、第1のスライドレール部220の両端部にそれぞれ備えられ、湾曲部の上下湾曲角度の範囲を制限することができる。また、第2のストッパ290は、第2のスライドレール部270の両端部にそれぞれ備えられ、湾曲部の左右湾曲角度の範囲を制限することができる。
【0078】
すなわち、第1のスライドレール部220の両端部には、第1のスライダ230の移動を制限する一対の第1のストッパ240がそれぞれ位置していてもよく、ここで、一対の第1のストッパ240は、湾曲部の上下に動く湾曲角の範囲を制限することができる。
【0079】
また、実施形態によれば、第2のスライドレール部270の両端部には、第2のスライダ280の移動を制限する一対の第2のストッパ290がそれぞれ位置していてもよく、ここで、一対の第2のストッパ290は、湾曲部の左右に動く湾曲角の範囲を制限することができる。
【0080】
実施形態によれば、製作者は、第1のストッパ240と第2のストッパ290を通して湾曲角の範囲を設定してもよい。実施形態によれば、一対の第1のストッパ240の第1の間隔によって湾曲部の上下湾曲角度の範囲が設定されてもよく、一対の第2のストッパ290の第2の間隔によって湾曲部の左右湾曲角度の範囲が設定されてもよい。
【0081】
湾曲部は、設定された範囲内で湾曲動作を行わなければならない。湾曲部は、患者の体の管状器官内を動くという点から患者を保護する必要があり、使用者である術者が湾曲角度を予測できなければならないからである。
【0082】
特に、湾曲部が動力源であるモータによって動力を提供されて湾曲される場合、モータに電源を供給する電源供給部に問題が発生したり、モータが故障したり、モータに突然過電流が流れたり、その他原因が分からないモータの異常動作などによってコネクタ100に過度な動力が提供されることがあるが、このように過度な動力が提供される異常状況でも、患者の体内を動く湾曲部の湾曲角度は、設定された範囲内で動かなければならない。
【0083】
本発明の第1のストッパ240と第2のストッパ290の構成は、モータに異常動作が発生しても設定された湾曲角度の範囲内でのみ動作するように動力受容部200の動力受け範囲を制限することにより、患者の安全を担保できる安全装置(Safety Device)として機能する。
【0084】
実施形態によれば、動力受容部200を構成する第1のスライドレール部220と第2のスライドレール部270は、使用者がコネクタ100を光源装置のコネクタ受容部に挿入した際に、第1のスライダ230および第2のスライダ280が後方に押されないように、第1のスライダ230と第2のスライダ280をそれぞれ後方から支持する後方支持台252を含んでいてもよい。
【0085】
第1のスライダ230と第1のスライドレール部220は、第1のスライドレール部220の内部で第1のスライダ230が乗って移動することができるレール構造250を備えていてもよい。第1のスライダ230の前面には、光源装置から動力を受け入れる突出部が形成されてもよく、第1のスライダ230の後面には、動力伝達部300に動力を伝達するためのラックギヤ251が形成されてもよい。
【0086】
第1のスライドレール部220の両端部には、第1のスライダ230が第1の方向に移動する際にそれ以上移動できないように阻止する第1のストッパ240が形成されてもよく、第1のスライドレール部220の後面には、第1のスライダ230の第1の突出部が光源装置のコネクタ受容部に形成された第1の動力提供部と結合した際に衝撃に耐えられるように後方支持台252が位置していてもよい。
【0087】
実施形態によれば、第1のストッパ240と後方支持台252は、一体形成されてもよい。実施形態によれば、第1のストッパ240と後方支持台252は、L字型のブラケットであってもよい。
【0088】
第1のスライダ230と第1のスライドレール部220が形成するレール構造250は、所定の離隔を有するように設計されてもよい。これにより、使用者がコネクタ100を光源装置のコネクタ受容部に結合させる過程で、第1のスライダ230がレール構造250の離隔によって後方に押されても所定の位置で後方支持台252と接触するようになり、第1のスライダ230の後方への移動が阻止される。すなわち、第1のスライダ230が後方支持台252によって支持され、それ以上後方に押されなくなる。
【0089】
使用者が内視鏡のコネクタ100を光源装置のコネクタ受容部に結合させる際、コネクタ100とコネクタ受容部が接触し、両構成間で物理的な衝突が起こる。使用者は、コネクタ100とコネクタ受容部との間に電気的接触がうまく行われないことを懸念して習慣的にコネクタ100をコネクタ受容部側に強く押し込む。その反作用からコネクタ受容部もコネクタ100を強く押し込むようになる。
【0090】
したがって、コネクタ100が結合する際、第1のスライダ230は後方に強く押される。第1のスライダ230は、第1のスライドレール部220とレール構造250によって結合しているため、ある程度の衝撃には耐えることはできるが、レール構造250だけでは繰り返しの脱着による疲労(Fatigue)に耐えることができない。
【0091】
コネクタ100の繰り返しの脱着による疲労(Fatigue)により、最終的に第1のスライダ230と第1のスライドレール部220のレール構造250に変形が生じて故障が発生する。
【0092】
本発明において、第1のスライドレール部220は、第1のスライダ230の後方への移動を抑制する後方支持台252構成を有することにより、使用者がコネクタ100をコネクタ受容部に強く押し込んで挿入しても後方支持台252が第1のスライダ230の後方への移動を抑制することにより、第1のスライダ230と第1のスライドレール部220が有するレール構造250を保護して内視鏡の耐久性を向上させる。
【0093】
前述の説明は、第1のスライダ230と第1のスライドレール部220についてのみ言及しているが、前述した後方支持台252とストッパの機能および効果は、第2のスライダ280と第2のスライドレール部270に対しても同様に適用され得る。
本発明の一実施形態による動力伝達部300について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による動力受容部と動力伝達部を示し、図6は、図5から動力受容部の一部が取り除かれた動力伝達部の様子を示したものである。
【0094】
図7は、本発明の一実施形態によるメインフレームを示し、図8は、本発明の一実施形態による動力伝達部の構成と動力伝達ケーブルとが接続される様子を示したものである。
【0095】
動力受容部200が光源装置から動力を受け入れると、動力伝達部300は、動力受容部200から動力を伝達されて動力伝達ケーブル400に伝達することができる。
【0096】
実施形態によれば、動力伝達部300は、メインフレーム310を含んで構成されてもよく、動力受容部200の第1のスライドレール部220と第2のスライドレール部270は、それぞれ前記動力伝達部300が有するメインフレーム310によって支持されることができる。
【0097】
具体的には、本実施形態による動力伝達部300は、メインフレーム310、回転体350、動力伝達チェーン361および動力伝達ケーブル400のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。ここで、回転体350は、ピニオンギヤ351とスプロケット352とが結合された構成であってもよい。
【0098】
実施形態によれば、第1のスライダ230と第2のスライダ280のそれぞれの一側には、ラックギヤ251が形成されてもよく、ここで、ラックギヤ251は、ピニオンギヤ351と噛み合っていてもよく、スプロケット352は、動力伝達チェーン361と噛み合っていてもよい。
【0099】
動力伝達部300と動力受容部200は、別個の構成であってもよく、実施形態によれば、動力伝達部300と動力受容部200は、一体形成されていてもよい。
【0100】
本実施形態による動力受容部200から動力伝達部300に動力が伝達される過程について説明する。光源装置が提供する動力を動力受容部200の第1の結合部231または第2の結合部281が受け入れる。すると、第1のスライダ230または第2のスライダ280が動力を受けて直線運動をする。第1のスライダ230と第2のスライダ280は、それぞれ一側に形成されたラックギヤ251を通してピニオンギヤ351に回転力を伝達する。すると、ピニオンギヤ351は、スプロケット352に回転力を伝達する。スプロケット352が動力伝達チェーン361に動力を伝達すると、動力伝達チェーン361は、動力伝達ケーブル400に動力を伝達する。
【0101】
ここで、動力伝達チェーン361の両端に設けられる動力伝達ケーブル400は2本であり、2本の動力伝達ケーブル400の一方が引っ張られれば、他方は押される構造である。したがって、一対の動力伝達ケーブル400がペアリングされて引っ張られたり押されたりすることによって、湾曲部の湾曲動作が行われるようになる。
【0102】
本発明の別の観点による内視鏡について説明する。本実施形態による内視鏡は、表現に違いがあるだけで、実質的な技術的思想は、前述した内視鏡と同じである。
本発明の一実施形態による内視鏡は、光源装置と結合し、光源装置から動力を提供されるコネクタ100を有していてもよい。
【0103】
本実施形態による内視鏡のコネクタ100は、光源装置から動力を伝達されて移動するスライダと、スライダが乗って移動するスライドレール部とを有する動力受容部200;動力受容部200を支持するメインフレーム310;メインフレーム310の一側に設けられ、湾曲部に動力を伝達する動力伝達ケーブル400;
【0104】
メインフレーム310に回転可能に結合され、スライダの移動によって回転力を提供される回転体350;および、回転体350と相互作用して動力伝達ケーブル400に動力を伝達するチェーンスライダ結合体360;のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0105】
実施形態によれば、メインフレーム310は、垂直フレーム320と水平フレーム330とを有してもよく、垂直フレーム320には動力受容部200が支持(Support)され、水平フレーム330には回転体350とチェーンスライダ結合体360が設けられてもよい。
【0106】
実施形態によれば、動力受容部200は、第1の動力受容部210と第2の動力受容部260とを有してもよく、垂直フレーム320は、第1の動力受容部210と第2の動力受容部260とを一定間隔離隔して支持してもよい。
実施形態によれば、水平フレーム330は、平行に配置される一対の第1の水平フレーム330と第2の水平フレーム330とを有してもよい。
【0107】
光源装置から提供される光を先端部に伝達するライトガイドケーブルは、第1の動力受容部210と第2の動力受容部260との間のブリッジ部322に形成された貫通孔と、第1の水平フレーム330と前記第2の水平フレーム330との間に形成された中央スペース335を通過するように配置されてもよい。本発明は、こうしてメインフレーム310の内部に所定のスペースを形成することにより、ライトガイドケーブル、送気チューブなど、様々な線が通過できるようにしてコネクタ100の内部スペースに効率的な部品配置を実現し、コネクタ100をコンパクトに製作できるという利点がある。
【0108】
実施形態によれば、垂直フレーム320は、第1の動力受容部210が接続される第1の接続部位321と、第2の動力受容部260が接続される第2の接続部位321と、第1の接続部位321と第2の接続部位321を接続するブリッジ部322とを有していてもよい。実施形態によれば、動力受容部200と垂直フレーム320は、一体形成されてもよく、第1の動力受容部210と第2の動力受容部260とブリッジ部322とがH字型に形成されてもよい。
【0109】
垂直フレーム320は、コネクタ100が光源装置のコネクタ受容部に対向しているとき、コネクタ100同様に垂直フレーム320もコネクタ受容部に対向する角度に配置されてもよい。
【0110】
本実施形態において、スライダは、前述した実施形態における第1のスライダ230および第2のスライダ280と実質的に同様の構成である。また、スライドレール部は、前述した第1のスライドレール部220および第2のスライドレール部270と実質的に同様の構成である。また、第1の動力受容部210は、第1のスライダ230と第1のスライドレール部220とを含んでもよく、第2の動力受容部260は、第2のスライダ280と第2のスライドレール部270とを含んでもよい。
回転体350は、実施形態によれば、ピニオンギヤ351とスプロケット352とが結合された構成を意味し得る。
【0111】
本実施形態によるコネクタ100のカバー部120の外面には、制御信号端子170、ライトガイド結合部160、送気チューブ結合部150、映像信号端子180、第1の動力受容部210および第2の動力受容部260のうち1つ以上が露出していてもよい。
【0112】
カバー部120の内部には、垂直フレーム320がカバー部120と対向して配置されてもよく、ここで、制御信号端子170と映像信号端子180は、いずれも第1の動力受容部210と第2の動力受容部260とブリッジ部322とが3面をなす第1のスペース323または第2のスペース324に配置されてもよい。また、実施形態によれば、制御信号端子170は、第1のスペース323に配置され、映像信号端子180は、第2のスペース324に配置されてもよい。また、実施形態によれば、制御信号端子170は、第2のスペース324に配置され、映像信号端子180は、第1のスペース323に配置されてもよい。
すなわち、制御信号端子170または映像信号端子180は、一箇所にまとめて配置されてもよく、それぞれ分離して配置されてもよい。
【0113】
図1を参照すると、動力受容部200と垂直フレーム320の接続体がなすH字型において、ブリッジ部322の上段に形成される第1のスペース323に制御信号端子170と映像信号端子180が一緒に位置し、ブリッジ部322に形成された貫通孔にライトガイド結合部160と送気チューブ結合部150が位置する構造で線が配置されてもよい。
【0114】
垂直フレーム320の後面には、水平フレーム330が延在形成されてもよい。水平フレーム330は、第1の水平フレーム330と第2の水平フレーム330とが一対で構成されてもよく、第1の水平フレーム330と第2の水平フレーム330の後端には、リング状のリング部334が形成されてもよい。
【0115】
制御信号端子170と接続される制御信号線、映像信号端子180と接続される映像信号線、ライトガイドケーブル、送気チューブおよび動力伝達ケーブル400のうち1つ以上は、いずれも前述したリング部334を通過してコネクタ100の外部に引き出されてもよく、ユニバーサルコード140と操作部まで延在形成されてもよい。
【0116】
実施形態によれば、チェーンスライダ結合体360は、動力伝達チェーン361、上段スライダ362、下段スライダ363を含んで構成されてもよい。チェーンスライダ結合体360は、動力伝達チェーン361の両端に上段スライダ362と下段スライダ363がそれぞれ結合される構造であってもよい。
【0117】
実施形態によれば、水平フレーム330には、水平スライドレール部332が形成されてもよく、上段スライダ362と下段スライダ363は、この水平スライドレール部332に乗って安定的に直線往復運動をすることができる。
【0118】
上段スライダ362と下段スライダ363は、それぞれ動力伝達ケーブル400と接続されてもよく、スプロケット352の回転によってスプロケット352に噛み合っている動力伝達チェーン361が動き、動力伝達チェーン361の両端に結合された上段スライダ362と下段スライダ363が動力伝達チェーン361によって互いに反対方向に直線運動することにより、動力伝達ケーブル400を押したり引っ張ったりすることができる。
【0119】
上段スライダ362と下段スライダ363にはそれぞれ動力伝達ケーブル400が結合されているため、ペアリングされた一対の動力伝達ケーブル400のうち一方が引っ張られれば、他方は押される方式で湾曲部まで動力を伝達することができる。
【0120】
実施形態によれば、スライドレール部の後方には軸固定部340が形成されてもよく、回転体350の一側は、軸固定部340に設けられ、他側は、水平フレーム330上に設けられて回転することができる。
【0121】
実施形態によれば、回転体350は、スプロケット352が水平フレーム330側に配置され、ピニオンギヤ351がスプロケット352の外側に配置されてもよい。この場合、メインフレーム310、すなわち、水平フレーム330には、スプロケット352と動力伝達チェーン361を保護するガイド部331が突出形成され、回転体350とチェーンスライダ結合体360を保護することができる。
【0122】
本実施形態において、動力伝達ケーブル400は、コネクタの動力伝達部から伝達された動力を湾曲部まで伝達する機能を果たすことができる。本実施形態による動力伝達ケーブル400の構成は、メカニカルストリング410、ストリング保護管430、ホルダ420を含んでいてもよい。
【0123】
動力伝達ケーブル400の構造は、メカニカルストリング410がストリング保護管430の内部に挿入され、ストリング保護管430の中でスライド運動ができる構造である。動力伝達ケーブル400は、対をなすものが2セット備えられてもよい。すなわち、実施形態によれば、動力伝達ケーブル400は、少なくとも4本備えられてもよい。ペアリングされる一対のメカニカルストリング410の一方は、上段スライダと結合し、他方は、下段スライダと結合して動くことができる。ストリング保護管430は、メカニカルストリングを保護する機能を果たすことができる。コネクタ、ユニバーサルコード、操作部、挿入部などの内部には、多数の線が複雑に配置される。したがって、ユニバーサルコードや挿入部が絡まった場合、内部の線も絡まって内視鏡が故障してしまう恐れがある。メカニカルストリング410は、ストリング保護管430構成によって本実施形態による動力伝達ケーブル400をストリング保護管430の内部で移動するようにするため、ストリングの絡まりを根本的に防ぐ。
【0124】
動力伝達ケーブル400において、ホルダ420は、ストリング保護管430の先端に接続され、水平フレームで突出形成されたピン固定部333に係止されて設けられてもよい。ピン固定部333は、複数のピンで形成され、製作者は、ホルダ420をピン固定部333に設け、ストリング保護管430とホルダ420から引き出されるメカニカルストリング410を上段スライダおよび下段スライダに結合して動力を伝達されることができる。ストリング保護管430は、伸びると直径が小さくなる構造を有する。したがって、製作者は、ホルダ420をピン固定部333の所望の位置に固定することにより、ストリング保護管430の長さを設定することができ、メカニカルストリング410に所定の摩擦力を提供することができる。
【0125】
本発明の明細書(特に特許請求の範囲)における「前記」という用語およびそれに類似した指示用語の使用は、単数および複数の両方に該当するものであり得る。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、上記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がない場合)、発明の詳細な説明に上記範囲を構成する各個別の値を記載したものと同様である。
【0126】
本発明による方法を構成するステップに関して、明白な順序の記載またはそれに反する記載がなければ、上記ステップは適切な順序で行うことができる。本発明は、必ずしも上記ステップの記載順序に限定されるものではない。本発明における全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、上記例または例示的な用語により本発明の範囲が限定されるわけではない。また、当業者は、様々な修正、組み合わせおよび変更が加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件および要因に応じて構成できることを理解するであろう。
【0127】
よって、本発明の思想は、上述した実施形態に限定されて定められてはならず、添付の特許請求の範囲だけでなく、その特許請求の範囲と均等なまたはそれから等価的に変更された全ての範囲は、本発明の思想の範疇に属するといえる。
【符号の説明】
【0128】
100:コネクタ
110:ハウジング
120:カバー部
130:コード保護部
140:ユニバーサルコード
150:送気チューブ結合部
160:ライトガイド結合部
170:制御信号端子
180:映像信号端子
200:動力受容部
210:第1の動力受容部
220:第1のスライドレール部
230:第1のスライダ
231:第1の結合部
232:第1のスライダ本体
240:第1のストッパ
250:レール構造
251:ラックギヤ
252:後方支持台
260:第2の動力受容部
270:第2のスライドレール部
280:第2のスライダ
281:第2の結合部
282:第2のスライダ本体
290:第2のストッパ
300:動力伝達部
310:メインフレーム
320:垂直フレーム
321:接続部位
322:ブリッジ部
323:第1のスペース
324:第2のスペース
330:水平フレーム
331:ガイド部
332:水平スライドレール部
333:ピン固定部
334:リング部
335:中央スペース
340:軸固定部
350:回転体
351:ピニオンギヤ
352:スプロケット
360:チェーンスライダ結合体
361:動力伝達チェーン
362:上段スライダ
363:下段スライダ
400:動力伝達ケーブル
410:メカニカルストリング
420:ホルダ
430:ストリング保護管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】