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特表2024-546745記憶媒体、記憶素子、記憶媒体構成方法、およびデータ送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】記憶媒体、記憶素子、記憶媒体構成方法、およびデータ送信方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20241219BHJP
   G11C 8/12 20060101ALI20241219BHJP
   G06F 13/16 20060101ALI20241219BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G11C7/10 100
G11C8/12 200
G06F13/16 510B
G06F13/16 520B
G06F13/38 330B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534382
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 CN2022136803
(87)【国際公開番号】W WO2023104011
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111491741.0
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210138758.6
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲暁▼明
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160MM01
(57)【要約】
本出願は、記憶媒体、記憶素子、記憶媒体構成方法、およびデータ送信方法を開示し、データ処理技術分野に関する。この記憶媒体は少なくとも2つの媒体ダイを含み、少なくとも2つの媒体ダイが信号線で順次接続されて閉ループが形成され、少なくとも2つの媒体ダイは、バスを通じたデータ送信のためのものである。信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。本出願で提供される記憶媒体は、信号線のレベルに基づいて、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断できる。したがって、準備が完了した後に、媒体ダイはデータ送信を完遂するためにバスを自律的に占用でき、データ送信効率が改善される。加えて、少なくとも2つの媒体ダイが順次接続されて閉ループが形成されるので、媒体ダイの優先度は、媒体ダイのパッケージングが完了した後に調整できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体であって、前記記憶媒体は、少なくとも2つの媒体ダイを備え、前記少なくとも2つの媒体ダイは、信号線で順次接続されて閉ループを形成し、前記少なくとも2つの媒体ダイは、バスを通じたデータ送信のためのものであり、
前記信号線のレベルは、前記信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、
記憶媒体。
【請求項2】
いずれかの信号線のレベルは一定レベルであり、またはそれぞれの信号線のレベルは一定レベルである、請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項3】
前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを備え、前記セレクタは、前記セレクタの第1の端部または第2の端部を選択するように構成され、前記第1の端部は、前記レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものであり、前記第2の端部は、前記信号線で接続された2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する、請求項1または2に記載の記憶媒体。
【請求項4】
前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイの一方は、前記セレクタと前記レジスタとを備える、請求項3に記載の記憶媒体。
【請求項5】
前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイは、前記セレクタと前記レジスタとをそれぞれ備える、請求項4に記載の記憶媒体。
【請求項6】
前記信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【請求項7】
前記信号線の前記レベルが前記一定レベルである場合、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項8】
前記信号線の前記レベルが、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記データ送信状況に基づいて制御される場合、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項9】
前記記憶媒体はステートマシンをさらに備え、前記ステートマシンは、前記媒体ダイの状況を記録するように構成され、前記媒体ダイの前記状況は、アイドル状態、準備完了状態、データ送信状態、および別の媒体ダイのデータ送信状態を含み、前記別の媒体ダイの前記データ送信状態は、前記媒体ダイが後続する前記別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する、請求項1から8のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【請求項10】
前記媒体ダイは、第1のデータピンと第2のデータピンとを備え、前記バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを備え、前記第1のデータピンは、前記第1のデータバスに接続されるように構成され、前記第2のデータピンは、前記第2のデータバスに接続されるように構成され、
前記第1のデータバスは、データを送信するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用され、前記第2のデータバスは、前記少なくとも2つの媒体ダイへデータを送信するためのものである、
請求項1から9のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【請求項11】
記憶素子であって、前記記憶素子は、コントローラと、請求項1から10のいずれか一項に記載の記憶媒体とを備え、前記コントローラは、前記バスを通じて前記記憶媒体に備わった前記少なくとも2つの媒体ダイに接続され、
前記コントローラは、前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信し、前記第1の媒体ダイが、前記少なくとも2つの媒体ダイのうちのいずれかの媒体ダイである、ように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記コントローラによって送信された前記データ送信命令を受信するように構成され、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記データ送信命令と前記記憶媒体内の前記信号線のレベルとに基づいて、前記バスを通じて前記コントローラへデータと前記データに対応するデータ識別子とを送信し、前記信号線の前記レベルが、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、ように構成される、
記憶素子。
【請求項12】
前記信号線のうちの第1の信号線のレベルは、一定レベルであり、前記信号線のうちの前記第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、前記第2の信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、前記第1の信号線は、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、前記データ送信命令は、前記データを送信することを第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイは、前記データ送信命令に従って準備を完了するように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記第1の信号線が前記一定レベルであることが検出され、かつ第3の信号線のレベルを使用することによって、前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信し、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、前記許可が、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、ように構成される、
請求項11に記載の記憶素子。
【請求項13】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記送信が完了した後に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していると判断したことに応じて、前記第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断された場合に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、請求項12に記載の記憶素子。
【請求項14】
前記信号線のうちの第1の信号線のレベルは、データ送信状況に基づいて前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの次の媒体ダイとによって制御され、前記信号線のうちの前記第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、一定レベルであり、前記第1の信号線は、前記第1の媒体ダイと前記次の媒体ダイとの間にあり、前記データ送信命令は、データを送信することを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイは、前記データ送信命令に従って準備を完了するように構成され、
前記第1の媒体ダイは、第3の信号線のレベルを使用することによって、前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、前記次の媒体ダイに許可を要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御し、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、前記許可が、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、ように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を与えたと判断された場合に、前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するように構成される、
請求項11に記載の記憶素子。
【請求項15】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記送信が完了した後に、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線のレベルを制御するように構成され、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を取り消したと判断するように構成される、
請求項14に記載の記憶素子。
【請求項16】
前記第1の媒体ダイは、前記第1の媒体ダイが前記送信を完了する前に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していないと判断された場合に、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するように構成される、請求項15に記載の記憶素子。
【請求項17】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の媒体ダイが前記送信を完了する前に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していると判断された場合に、前記送信が完了した後に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、請求項16に記載の記憶素子。
【請求項18】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を取り消したと判断された後に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請しており、かつ前記第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断された場合に、前記次の媒体ダイに許可を要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するように構成され、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を与えたと判断された場合に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、
請求項15から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項19】
前記バスは、前記第1のデータバスと前記第2のデータバスとを備え、
前記第1の媒体ダイは、前記第1のデータバスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するように構成され、前記第2のデータバスは、書き込まれる必要があるデータを前記少なくとも2つの媒体ダイへ送信するために前記コントローラによって使用される、
請求項12から18のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項20】
それぞれの信号線のレベルは一定レベルであり、前記データ送信命令は、準備を行うことを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイは、第1の信号線が前記一定レベルであり、かつ第3の信号線も前記一定レベルであることが検出されたときに、前記データ送信命令に従って前記準備を完了し、前記第1の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの前の媒体ダイとの間にある、ように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記コントローラの制御下で前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するように構成される、
請求項11に記載の記憶素子。
【請求項21】
前記バスは、前記第1のデータバスと前記第2のデータバスとを備え、
前記第1の媒体ダイは、ターゲットデータバスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信し、前記ターゲットデータバスが、前記第1のデータバスまたは前記第2のデータバスであり、さらに、書き込まれる必要があるデータを前記少なくとも2つの媒体ダイへ送信するために前記コントローラによって使用される、ように構成される、
請求項20に記載の記憶素子。
【請求項22】
前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの前記媒体ダイは、前記セレクタと前記レジスタとを備え、
前記セレクタは、前記信号線の前記レベルが前記一定レベルであることに応じて、前記セレクタの前記第1の端部を選択済みであり、前記第1の端部は、前記レジスタに関連付けられた前記信号線のレベルを前記一定レベルに構成するためのものであり、
前記セレクタは、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、前記セレクタの前記第2の端部を選択済みであり、前記第2の端部は、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルが前記データ送信状況に基づいて制御されることを指示する、
請求項11から21のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項23】
前記信号線は、前記要請信号線と前記フィードバック信号線とを備え、前記信号線の前記レベルが前記一定レベルであることに応じて、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項11から22のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項24】
前記信号線は、前記要請信号線と前記フィードバック信号線とを備え、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルが前記データ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項11から22のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項25】
前記記憶媒体は前記ステートマシンを備え、前記ステートマシンは、前記第1の媒体ダイの状況を記録するように構成され、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記準備を完了する前と、前記第1の媒体ダイが前記データと前記データ識別子の送信を完了した後に、アイドル状態であり、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記準備を完了した後に、準備完了状態であり、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するときに、データ送信状態であり、
前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前記前の媒体ダイを許可した後に、前記第1の媒体ダイの前記状況は、別の媒体ダイのデータ送信状態であり、前記別の媒体ダイの前記データ送信状態は、前記第1の媒体ダイが後続する前記別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する、
請求項11から24のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項26】
記憶媒体構成方法であって、前記方法は、請求項1から10のいずれか一項に記載の記憶媒体を構成するために適用され、前記方法は、
前記記憶媒体の信号線情報を得るステップであって、前記信号線情報が前記記憶媒体内の前記信号線を指示する、ステップと、
前記信号線情報によって指示される前記信号線のレベルを構成するステップであって、前記信号線の前記レベルが、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記記憶媒体に備わる前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、ステップと
を含む、方法。
【請求項27】
前記いずれか1つの信号線のレベルは、一定レベルであり、残りの信号線のレベルは、前記残りの信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、または、
それぞれの信号線のレベルは、一定レベルである、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの前記媒体ダイは、前記セレクタと前記レジスタとを備え、前記セレクタは、前記セレクタの前記第1の端部または前記第2の端部を選択するように構成され、前記第1の端部は、前記レジスタに関連付けられた前記信号線のレベルを前記一定レベルに構成するためのものであり、前記第2の端部は、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示し、
前記信号線情報によって指示される前記信号線のレベルを構成する前記ステップは、
前記セレクタが前記第1の端部または前記第2の端部を選択することを可能にするように前記セレクタを構成するステップ
を含む、
請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
データ送信方法であって、前記方法は、請求項11から25のいずれか一項に記載の記憶素子に適用され、前記方法は、
前記コントローラによって、前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの前記第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信するステップであって、前記第1の媒体ダイが、前記少なくとも2つの媒体ダイのうちのいずれかの媒体ダイである、ステップと、
前記第1の媒体ダイによって、前記コントローラによって送信された前記データ送信命令を受信するステップと、
前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令と前記記憶媒体内の前記信号線のレベルとに基づいて、前記バスを通じて前記コントローラへデータと前記データに対応するデータ識別子とを送信するステップであって、前記信号線の前記レベルが、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、ステップと
を含む、方法。
【請求項30】
前記信号線のうちの前記第1の信号線のレベルは、一定レベルであり、前記信号線のうちの前記第1の信号線以外の前記第2の信号線のレベルは、前記第2の信号線で接続された前記2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、前記第1の信号線は、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの前記次の媒体ダイとの間にあり、前記データ送信命令は、データを送信することを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令と前記記憶媒体内の前記信号線のレベルとに基づいて、前記バスを通じて前記コントローラへデータと前記データに対応するデータ識別子とを送信する前記ステップは、
前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令に従って準備を完了するステップと、
前記第1の信号線が前記一定レベルであることを検出し、前記第3の信号線のレベルを使用することによって、前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前記前の媒体ダイを許可していないと判断した場合に、前記第1の媒体ダイによって、前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するステップであって、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記前の媒体ダイとの間の前記第2の信号線であり、前記許可が、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、ステップと
を含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信する前記ステップの後に、前記方法は、
前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していると判断したことに応じて、前記第1の媒体ダイによって、前記第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断した場合に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するステップ
をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記信号線のうちの前記第1の信号線のレベルは、データ送信状況に基づいて前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの前記次の媒体ダイとによって制御され、前記信号線のうちの前記第1の信号線以外の前記第2の信号線のレベルは、前記一定レベルであり、前記第1の信号線は、前記第1の媒体ダイと前記次の媒体ダイとの間にあり、前記データ送信命令は、データを送信することを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令と前記記憶媒体内の前記信号線のレベルとに基づいて、前記バスを通じて前記コントローラへデータと前記データに対応するデータ識別子とを送信する前記ステップは、
前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令に従って準備を完了するステップと、
前記第3の信号線のレベルを使用することによって、前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前記前の媒体ダイを許可していないと判断した場合に、前記第1の媒体ダイによって、前記次の媒体ダイに許可を要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するステップであって、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記前の媒体ダイとの間の前記第2の信号線であり、前記許可が、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、ステップと、
前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を与えたと判断した場合に、前記第1の媒体ダイによって、前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するステップと
を含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信する前記ステップの後に、前記方法は、
前記第1の媒体ダイによって、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するステップと、
前記第1の媒体ダイによって、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を取り消したと判断するステップと
をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の媒体ダイによって、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御する前記ステップは、
前記送信を完了する前に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していないと判断した場合に、前記第1の媒体ダイによって、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するステップ
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は、
前記送信を完了する前に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していると判断した場合に、前記第1の媒体ダイによって、前記送信を完了した後に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するステップ
をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の媒体ダイによって、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を取り消したと判断する前記ステップの後に、前記方法は、
前記第1の媒体ダイが、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請しており、かつ前記第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断した場合に、前記第1の媒体ダイによって、前記次の媒体ダイに許可を要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するステップをさらに含み、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を与えたと判断された場合に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、
請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記バスは、前記第1のデータバスと前記第2のデータバスとを備え、
前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信する前記ステップは、
前記第1の媒体ダイによって、前記第1のデータバスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するステップであって、前記第2のデータバスが、書き込まれる必要があるデータを前記少なくとも2つの媒体ダイへ送信するために前記コントローラによって使用される、ステップ
を含む、
請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
それぞれの信号線のレベルは一定レベルであり、前記データ送信命令は、準備を行うことを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令と前記記憶媒体内の前記信号線のレベルとに基づいて、前記バスを通じて前記コントローラへデータと前記データに対応するデータ識別子とを送信する前記ステップは、
前記第1の信号線が前記一定レベルであり、かつ前記第3の信号線も前記一定レベルであることを検出したときに、前記第1の媒体ダイによって、前記データ送信命令に従って前記準備を完了するステップであって、前記第1の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの前記次の媒体ダイとの間にあり、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの前記前の媒体ダイとの間にある、ステップと、
前記第1の媒体ダイによって、前記コントローラの制御下で前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するステップと
を含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記バスは、前記第1のデータバスと前記第2のデータバスとを備え、
前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信する前記ステップは、
前記第1の媒体ダイによって、前記ターゲットデータバスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するステップであって、前記ターゲットデータバスが、前記第1のデータバスまたは前記第2のデータバスであり、さらに、書き込まれる必要があるデータを前記少なくとも2つの媒体ダイへ送信するために前記コントローラによって使用される、ステップ
を含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの前記媒体ダイは、前記セレクタと前記レジスタとを備え、
前記セレクタは、前記信号線の前記レベルが前記一定レベルであることに応じて、前記セレクタの前記第1の端部を選択済みであり、前記第1の端部は、前記レジスタに関連付けられた前記信号線のレベルを前記一定レベルに構成するためのものであり、
前記セレクタは、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、前記セレクタの前記第2の端部を選択済みであり、前記第2の端部は、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルが前記データ送信状況に基づいて制御されることを指示する、
請求項29から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記信号線は、前記要請信号線と前記フィードバック信号線とを備え、前記信号線の前記レベルが前記一定レベルであることに応じて、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項29から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記信号線は、前記要請信号線と前記フィードバック信号線とを備え、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルが前記データ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項29から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記記憶媒体は前記ステートマシンを備え、前記ステートマシンは、前記第1の媒体ダイの状況を記録するように構成され、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記準備を完了する前と、前記第1の媒体ダイが前記データと前記データ識別子の送信を完了した後に、アイドル状態であり、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記準備を完了した後に、準備完了状態であり、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するときに、データ送信状態であり、
前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前記前の媒体ダイを許可した後に、前記第1の媒体ダイの前記状況は、別の媒体ダイのデータ送信状態であり、前記別の媒体ダイの前記データ送信状態は、前記第1の媒体ダイが後続する前記別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する、
請求項29から42のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月8日に提出された「データ送信方法および記憶装置」と題する中国特許出願第202111491741.0号、および2022年2月15日に中国国家知識産権局に提出された「記憶媒体、記憶素子、記憶媒体構成方法、およびデータ送信方法」と題する中国特許出願第202210138758.6号の優先権を主張するものであり、これらの中国特許出願は両方ともその全体が参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、データ処理技術分野に関し、特に、記憶媒体、記憶素子、記憶媒体構成方法、およびデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0003】
記憶媒体は媒体ダイ(die)を含み、媒体ダイはデータ送信のためのものである。媒体ダイはまず、データ送信の前に準備を完了する必要がある。
【0004】
従来技術は記憶媒体を提供する。この記憶媒体は個別の媒体ダイを含む。そのような構造の記憶媒体に基づくと、コントローラはまず、媒体ダイへ命令を送信し、媒体ダイは、受信した命令に従って準備を行う。次に、コントローラは、媒体ダイに対してポーリングチェックを実行する。コントローラは、媒体ダイが準備を完了したことをポーリングチェックで確認した後に、準備を完了した媒体ダイとデータ送信を行う。
【0005】
しかしながら、コントローラが媒体ダイに対してポーリングチェックを実行するこのようなプロセスは、処理リソースを費やすばかりでなく、データ送信プロセスの遅延を増大させる。したがって、従来技術で提供される記憶媒体でデータ送信を行うと、費やされる処理リソースの量が多くなり、データ送信プロセスの遅延が長くなる。
【発明の概要】
【0006】
従来技術で提供される記憶媒体でデータ送信が行われることで、費やされる処理リソースの量が多く、データ送信プロセスの遅延が長いという問題を解決するために、本出願は、記憶媒体、記憶素子、記憶媒体構成方法、およびデータ送信方法を提供する。本出願で提供される技術的解決策は、以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、記憶媒体が提供される。この記憶媒体は少なくとも2つの媒体ダイを含み、少なくとも2つの媒体ダイが信号線で順次接続されて閉ループが形成され、少なくとも2つの媒体ダイは、バスを通じたデータ送信のためのものである。信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。
【0008】
本出願では、媒体ダイは、信号線のレベルに基づいて、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断できる。したがって、準備が完了した後に、媒体ダイは、データ送信を完遂するためにバスを自律的に占用でき、処理リソースを消費して媒体ダイが準備を完了したかどうかをポーリング方式でチェックすることはない。これにより、処理リソースが節約され、データ送信遅延が減り、データ送信効率が改善される。加えて、少なくとも2つの媒体ダイが順次接続されて閉ループが形成されるため、本出願では、媒体ダイの優先度を媒体ダイのパッケージング中に決める必要がなく、パッケージングの後に調整できる。
【0009】
いくつかの可能な実装では、いずれかの信号線のレベルは一定レベルであり、またはそれぞれの信号線のレベルは一定レベルである。いずれかの信号線のレベルが一定レベルである場合は、信号線に接続された2つの媒体ダイの一方が最も高い優先度を有する。少なくとも2つの媒体ダイにおいて、残りの媒体ダイの優先度は、最も高い優先度を有する媒体ダイに基づいて判断され、それぞれの媒体ダイは異なる優先度を有する。あるいは、それぞれの信号線のレベルが一定レベルである場合は、それぞれの媒体ダイが同じ優先度を有する。本出願では、信号線のレベルを制御することによって、媒体ダイの優先度を調整できる。
【0010】
いくつかの可能な実装では、少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを含み、セレクタは、セレクタの第1の端部または第2の端部を選択するように構成され、第1の端部は、レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものであり、第2の端部は、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する。媒体ダイに基づいて、セレクタとレジスタを通じて信号線のレベルがさらに制御され、制御方式は柔軟である。
【0011】
いくつかの可能な実装では、信号線で接続された2つの媒体ダイの一方がセレクタとレジスタとを含む。これは、セレクタとレジスタを配置する一方式を提供し、構造が簡素で使いやすい。
【0012】
いくつかの可能な実装では、信号線で接続された2つの媒体ダイがセレクタとレジスタとをそれぞれ含む。これは、セレクタとレジスタを配置する別の方式を提供し、信号線のために余分なセレクタとレジスタを提供し、高い信頼性を達成する。
【0013】
いくつかの可能な実装では、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含む。
【0014】
いくつかの可能な実装では、信号線のレベルが一定レベルである場合、要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、第2のレベルは、許可が与えられることを意味するので、媒体ダイは許可を要請することなく許可され得、媒体ダイは最も高い優先度を有する。
【0015】
いくつかの可能な実装では、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御される場合、要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。媒体ダイは、バスを通じてデータ送信を実行する順序について別々の媒体ダイ間で交渉を行うために、データ送信状況に基づいてコントローラのレベルを自律的に制御する。
【0016】
いくつかの可能な実装では、記憶媒体はステートマシンをさらに含み、ステートマシンは、媒体ダイの状況を記録するように構成され、媒体ダイの状況は、アイドル状態、準備完了状態、データ送信状況、および別の媒体ダイのデータ送信状態を含み、別の媒体ダイのデータ送信状態は、媒体ダイが後続する別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する。データ送信プロセスで媒体ダイが正常に動作できるかどうかを監視するのを助け、媒体ダイの異常がデータ送信プロセスにおよぼす影響を回避するため、ステートマシンはそれぞれの媒体ダイの状況を記録する。
【0017】
いくつかの可能な実装では、媒体ダイは、第1のデータピンと第2のデータピンとを含み、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含み、第1のデータピンは、第1のデータバスに接続されるように構成され、第2のデータピンは、第2のデータバスに接続されるように構成され、第1のデータバスは、データを送信するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用され、第2のデータバスは、少なくとも2つの媒体ダイへデータを送信するためのものである。この実装では、読み取り/書き込み分離を実現し、読み取りプロセスと書き込みプロセスとの対立を回避するために、読み取りプロセスと書き込みプロセスとで別々のデータバスが使用される。
【0018】
第2の態様によると、記憶素子が提供される。この記憶素子は、コントローラを含み、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる記憶媒体をさらに含む。コントローラは、バスを通じて記憶媒体に含まれる少なくとも2つの媒体ダイに接続される。
【0019】
コントローラは、少なくとも2つの媒体ダイのうちの第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信するように構成され、第1の媒体ダイは、少なくとも2つの媒体ダイのうちのいずれかの媒体ダイである。
【0020】
第1の媒体ダイは、コントローラによって送信されたデータ送信命令を受信するように構成される。
【0021】
第1の媒体ダイはさらに、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するように構成され、信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。
【0022】
いくつかの可能な実装では、信号線のうちの第1の信号線のレベルは、一定レベルであり、信号線のうちの第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、第2の信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御される。第1の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、データ送信命令は、データを送信することを第1の媒体ダイに命令する。第1の媒体ダイは、データ送信命令に従って準備を完了するように構成される。第1の媒体ダイは、第1の信号線が一定レベルであることが検出され、かつ第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信するように構成され、第3の信号線は、第1の媒体ダイと前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。この実装では、第1の媒体ダイが最も高い優先度を有し、したがって、前の媒体ダイが許可されていないと判断される限りは、データ送信のためにバスを占用できる。
【0023】
いくつかの可能な実装では、第1の媒体ダイはさらに、送信が完了した後に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していると判断したことに応じて、第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断された場合に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するように構成される。前の媒体ダイが許可を要請するときに、第1の媒体ダイは、第1の媒体ダイがデータ送信のためにバスを占用する必要がなければ、前の媒体ダイを許可できる。
【0024】
いくつかの可能な実装では、信号線のうちの第1の信号線のレベルは、データ送信状況に基づいて第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとによって制御され、信号線のうちの第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、一定レベルである。第1の信号線は、第1の媒体ダイと次の媒体ダイとの間にあり、データ送信命令は、データを送信することを第1の媒体ダイに命令する。第1の媒体ダイは、データ送信命令に従って準備を完了するように構成される。第1の媒体ダイは、第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、次の媒体ダイに許可を要請するために、第1の信号線のレベルを制御するように構成され、第3の信号線は、第1の媒体ダイと前の媒体ダイとの間に位置する第2の信号線であり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。第1の媒体ダイは、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を与えたと判断された場合に、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するように構成される。この実装では、第1の媒体ダイは最も高い優先度を有さない。したがって、前の媒体ダイが許可されていないと判断することに加えて、第1の媒体ダイはさらに、より高い優先度を有する次の媒体ダイによって許可される必要があり、その後、データ送信のためにバスを占用できる。
【0025】
いくつかの可能な実装では、媒体ダイはさらに、送信が完了した後に、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御するように構成される。第1の媒体ダイはさらに、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断するように構成される。第1の媒体ダイは以前に許可を要請しているので、第1の媒体ダイはさらに、バスを解放して別の媒体ダイにデータ送信のためにバスを占用させるために、許可を取り消すことを要請する必要がある。
【0026】
いくつかの可能な実装では、第1の媒体ダイは、第1の媒体ダイが送信を完了する前に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していないと判断された場合に、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御するように構成される。第1の媒体ダイによって実行される送信プロセスで前の媒体ダイが第1の媒体ダイに許可を要請しない場合、第1の媒体ダイは、送信を完了した後に、許可を取り消すことを直截的に要請する。
【0027】
いくつかの可能な実装では、第1の媒体ダイはさらに、第1の媒体ダイが送信を完了する前に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していると判断された場合に、送信が完了した後に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するように構成される。第1の媒体ダイによって実行される送信プロセスで前の媒体ダイが第1の媒体ダイに許可を要請する場合は、送信を完了した後に、第1の媒体ダイは、一時的に、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請せず、前の媒体ダイを許可する。
【0028】
いくつかの可能な実装では、第1の媒体ダイはさらに、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断された後に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請しており、かつ第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断された場合に、次の媒体ダイに許可を要請するために、第1の信号線のレベルを制御するように構成される。第1の媒体ダイはさらに、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を与えたと判断された場合に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するように構成される。第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請した後に、前の媒体ダイが許可を要請していると判断した場合、第1の媒体ダイはさらに、前の媒体ダイを許可するために、次の媒体ダイに許可を再度要請する必要がある。
【0029】
いくつかの可能な実装では、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含む。第1の媒体ダイは、第1のデータバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信するように構成され、第2のデータバスは、書き込まれる必要があるデータを少なくとも2つの媒体ダイへ送信するためにコントローラによって使用される。この実装は、読み取り/書き込み分離のためのものである。
【0030】
いくつかの可能な実装では、それぞれの信号線のレベルは一定レベルであり、データ送信命令は、準備を行うことを第1の媒体ダイに命令する。第1の媒体ダイは、第1の信号線が一定レベルであり、かつ第3の信号線も一定レベルであることが検出されたときに、データ送信命令に従って準備を完了するように構成され、第1の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、第3の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの前の媒体ダイとの間にある。第1の媒体ダイは、コントローラの制御下でバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するように構成される。この実装では、それぞれの媒体ダイが同じ優先度を有し、媒体ダイはコントローラの制御下でデータ送信プロセスを完了する必要がある。この実装は、従来技術の通信プロトコルに適合し得る。
【0031】
いくつかの可能な実装では、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含む。第1の媒体ダイは、ターゲットデータバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するように構成される。ターゲットデータバスは、第1のデータバスまたは第2のデータバスである。ターゲットデータバスはさらに、書き込まれる必要があるデータを少なくとも2つの媒体ダイへ送信するためにコントローラによって使用される。この実装は、読み取り/書き込み組み合わせ方式であり、従来技術の通信プロトコルに適合し得る。
【0032】
いくつかの可能な実装では、少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを含む。セレクタは、信号線のレベルが一定レベルであることに応じて、セレクタの第1の端部を選択済みであり、第1の端部は、レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものである。セレクタは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、セレクタの第2の端部を選択済みであり、第2の端部は、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する。
【0033】
いくつかの可能な実装では、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含む。信号線のレベルが一定レベルであることに応じて、要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。
【0034】
いくつかの可能な実装では、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含む。信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。
【0035】
いくつかの可能な実装では、記憶媒体はステートマシンを含み、ステートマシンは、第1の媒体ダイの状況を記録するように構成される。第1の媒体ダイの状況は、第1の媒体ダイが準備を完了する前と、第1の媒体ダイがデータとデータ識別子の送信を完了した後に、アイドル状態である。第1の媒体ダイの状況は、第1の媒体ダイが準備を完了した後に、準備完了状態である。第1の媒体ダイの状況は、第1の媒体ダイがコントローラへデータとデータ識別子を送信するときに、データ送信状態である。第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可した後に、第1の媒体ダイの状況は、別の媒体ダイのデータ送信状態であり、別の媒体ダイのデータ送信状態は、第1の媒体ダイが後続する別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する。
【0036】
第3の態様によると、記憶媒体構成方法が提供される。本方法は、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の記憶媒体を構成するために適用され、本方法は、記憶媒体の信号線情報を得るステップであって、信号線情報が記憶媒体内の信号線を指示する、ステップと、信号線情報によって指示される信号線のレベルを構成するステップであって、信号線のレベルが、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために記憶媒体に含まれる少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、ステップとを含む。本出願では、記憶媒体を得るために媒体ダイがパッケージされた後に、信号線のレベルを構成することによって媒体ダイの優先度を調整できる。
【0037】
いくつかの可能な実装では、いずれか1つの信号線のレベルは、一定レベルであり、残りの信号線のレベルは、残りの信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、または、それぞれの信号線のレベルは、一定レベルである。
【0038】
いくつかの可能な実装では、少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを含み、セレクタは、セレクタの第1の端部または第2の端部を選択するように構成され、第1の端部は、レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものであり、第2の端部は、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する。信号線情報によって指示される信号線のレベルを構成するステップは、セレクタが第1の端部または第2の端部を選択することを可能にするようにセレクタを構成するステップを含む。
【0039】
第2の態様および第3の態様の可能な実装の一部によって達成される技術的効果については、第1の態様の対応する実装によって達成される技術的効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0040】
第4の態様によると、データ送信方法が提供される。本方法は、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の記憶素子に適用され、本方法は、
【0041】
コントローラが、少なくとも2つの媒体ダイのうちの第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信するステップであって、第1の媒体ダイが、少なくとも2つの媒体ダイのうちのいずれかの媒体ダイである、ステップを含む。
【0042】
第1の媒体ダイは、コントローラによって送信されたデータ送信命令を受信する。
【0043】
第1の媒体ダイは、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信し、信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。
【0044】
可能な一実装では、信号線のうちの第1の信号線のレベルは、一定レベルであり、信号線のうちの第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、第2の信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、第1の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、データ送信命令は、データを送信することを第1の媒体ダイに命令する。
【0045】
第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の媒体ダイがデータ送信命令に従って準備を完了することを含む。第1の信号線が一定レベルであることを検出し、第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断した場合、第1の媒体ダイは、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信し、第3の信号線は、第1の媒体ダイと前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。
【0046】
可能な一実装では、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信するステップの後に、本方法は、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していると判断したことに応じて、第1の媒体ダイが、第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断した場合に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。
【0047】
可能な一実装では、信号線のうちの第1の信号線のレベルは、データ送信状況に基づいて第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとによって制御され、信号線のうちの第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、一定レベルであり、第1の信号線は、第1の媒体ダイと次の媒体ダイとの間にあり、データ送信命令は、データを送信することを第1の媒体ダイに命令する。
【0048】
第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の媒体ダイがデータ送信命令に従って準備を完了することを含む。第1の媒体ダイは、第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断した場合に、次の媒体ダイに許可を要請するために、第1の信号線のレベルを制御し、第3の信号線は、第1の媒体ダイと前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。第1の媒体ダイは、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を与えたと判断した場合に、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信する。
【0049】
可能な一実装では、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するステップの後に、本方法は、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。第1の媒体ダイは、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断する。
【0050】
可能な一実装では、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御することは、送信を完了する前に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していないと判断した場合に、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御することを含む。
【0051】
可能な一実装では、本方法は、送信を完了する前に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していると判断した場合に、第1の媒体ダイが、送信を完了した後に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。
【0052】
可能な一実装では、第1の媒体ダイが、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断したことの後に、本方法は、第1の媒体ダイが、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請しており、かつ第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断した場合に、第1の媒体ダイが、次の媒体ダイに許可を要請するために、第1の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。第1の媒体ダイはさらに、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を与えたと判断された場合に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するように構成される。
【0053】
可能な一実装では、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含み、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するステップは、第1の媒体ダイが、第1のデータバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信するステップであって、第2のデータバスが、書き込まれる必要があるデータを少なくとも2つの媒体ダイへ送信するためにコントローラによって使用される、ステップを含む。
【0054】
可能な一実装では、それぞれの信号線のレベルは一定レベルであり、データ送信命令は、準備を行うことを第1の媒体ダイに命令する。第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の信号線が一定レベルであり、かつ第3の信号線も一定レベルであることを検出したときに、第1の媒体ダイがデータ送信命令に従って準備を完了することを含み、第1の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、第3の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの前の媒体ダイとの間にある。第1の媒体ダイは、コントローラの制御下でバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信する。
【0055】
可能な一実装では、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含み、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するステップは、第1の媒体ダイが、ターゲットデータバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信するステップであって、ターゲットデータバスが、第1のデータバスまたは第2のデータバスであり、さらに、書き込まれる必要があるデータを少なくとも2つの媒体ダイへ送信するためにコントローラによって使用される、ステップを含む。
【0056】
可能な一実装では、少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを含み、セレクタは、信号線のレベルが一定レベルであることに応じて、セレクタの第1の端部を選択済みであり、第1の端部は、レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものであり、セレクタは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、セレクタの第2の端部を選択済みであり、第2の端部は、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する。
【0057】
可能な一実装では、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含み、信号線のレベルが一定レベルであることに応じて、要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。
【0058】
可能な一実装では、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含む。信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。
【0059】
可能な一実装では、記憶媒体はステートマシンを含み、ステートマシンは、第1の媒体ダイの状況を記録するように構成される。第1の媒体ダイの状況は、第1の媒体ダイが準備を完了する前と、第1の媒体ダイがデータとデータ識別子の送信を完了した後に、アイドル状態である。第1の媒体ダイの状況は、第1の媒体ダイが準備を完了した後に、準備完了状態である。第1の媒体ダイの状況は、第1の媒体ダイがコントローラへデータとデータ識別子を送信するときに、データ送信状態である。第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可した後に、第1の媒体ダイの状況は、別の媒体ダイのデータ送信状態であり、別の媒体ダイのデータ送信状態は、第1の媒体ダイが後続する別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する。
【0060】
第4の態様の可能な実装によって達成される技術的効果については、第2の態様の対応する実装によって達成される技術的効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図2】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図3】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図4】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図6】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図7】本出願の一実施形態による記憶媒体の構造の概略図である。
図8】本出願の一実施形態による記憶素子の構造の概略図である。
図9】本出願の一実施形態による記憶素子の構造の概略図である。
図10】本出願の一実施形態による記憶媒体構成方法のフローチャートである。
図11】本出願の一実施形態によるデータ送信方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本出願の実装で使用される用語は、本出願の特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本出願を限定することを意図するものではない。
【0063】
本出願の一実施形態は、記憶媒体を提供する。図1を参照されたい。記憶媒体は、少なくとも2つの媒体ダイを含む。少なくとも2つの媒体ダイが信号線で順次接続されて閉ループが形成され、少なくとも2つの媒体ダイは、バスを通じたデータ送信のためのものである。信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。
【0064】
バスは、少なくとも2つの媒体ダイによって共用される。それぞれの媒体ダイがデータ送信のためにバスを同時に占用することから生じる対立を回避するため、それぞれの媒体ダイは、信号線のレベルを使用することによって、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断する。本出願のこの実施形態で提供される記憶媒体では、準備を行うための命令を使用して媒体ダイが命令された後に、媒体ダイが準備を完了したかどうかをポーリング方式でチェックするために処理リソースを消費する必要はない。準備が完了した後に、媒体ダイは、信号線のレベルを使用することによって、バスを占用してデータ送信を完遂するために、バスを通じてデータ送信を実行する順序を自律的に判断できる。これにより、処理リソースが節約され、データ送信遅延が減り、データ送信効率が改善される。
【0065】
信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイ間の許可要請、許可、許可取り消し要請、および許可取り消しのためのものであり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。準備を完了した媒体ダイについて、少なくとも2つの媒体ダイにより高い優先度を有する媒体ダイがある場合は、バスを通じてデータ送信を実行する順序が信号線のレベルを使用して判断されるときに、準備を完了した媒体ダイは、より高い優先度を有する各媒体ダイに許可を要請するために、信号線のレベルを制御する。バスを占用する必要がない場合、より高い優先度を有する媒体ダイは、準備を完了した媒体ダイを許可するために、信号線のレベルを制御し、準備を完了した媒体ダイは、許可された後に、データ送信のためにバスを占用する。データ送信が完了した後に、準備を完了した媒体ダイはさらに、より高い優先度を有する各媒体ダイに許可を取り消すことを要請するために、信号線のレベルを制御する。バスを解放するため、より高い優先度を有する媒体ダイは、準備を完了した媒体ダイの許可を取り消すために、信号線のレベルを制御する。あるいは、少なくとも2つの媒体ダイにより高い優先度を有する媒体ダイがない場合は、準備を完了した媒体ダイが許可を要請する必要はなく、データ送信を完遂するために直截的にバスを占用する。データ送信が完了した後には、許可を取り消す要請なしにバスを解放できる。
【0066】
従来技術では、記憶媒体が少なくとも2つの媒体ダイを含む場合に、少なくとも2つの媒体ダイが信号線で順次接続されるだけであり、閉ループが形成されないことに留意されたい。加えて、従来技術では、媒体ダイの優先度が媒体ダイの接続順序に依拠する。記憶媒体を得るために媒体ダイがパッケージ(package)された後に、媒体ダイの接続順序は変わらない。したがって、媒体ダイの優先度も変わらない。したがって、従来技術では、媒体ダイの優先度を媒体ダイのパッケージング中に決める必要があり、パッケージングが完了した後には変わらない。
【0067】
しかしながら、本出願のこの実施形態では、少なくとも2つの媒体ダイが信号線で順次接続され、さらに閉ループが形成される。記憶媒体を得るために媒体ダイがパッケージされた後に、媒体ダイの接続順序は変わらないが、閉ループ構造のため、いずれかの媒体ダイの優先度が変わると、媒体ダイの優先度を調整するために、残りの媒体ダイの優先度も適応的に変わり得る。したがって、本出願のこの実施形態では、媒体ダイの優先度を媒体ダイのパッケージング中に決める必要はなく、パッケージングが完了した後でも調整できる。
【0068】
例示的な実施形態では、信号線のレベルは、以下の2つのケースを、すなわちA1およびA2を、含む。
【0069】
ケースA1:いずれかの信号線のレベルは一定レベルであり、残りの信号線のレベルは、残りの信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御される。
【0070】
信号線のレベルが信号線で接続された2つの媒体ダイ間の許可要請、許可、許可取り消し要請、および許可取り消しのためのものであることは、上記の説明から分かる。したがって、いずれかの信号線のレベルが一定レベルに構成され、一定レベルが、その信号線に接続された1つの媒体ダイが許可を要請することなく許可されることを可能にする場合、その媒体ダイが最も高い優先度を有すると判断できる。残りの信号線のレベルは、残りの信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御されるので、残りの媒体ダイの優先度は、最も高い優先度を有する媒体ダイに基づいて判断され得る。例えば、最も高い優先度を有する媒体ダイが後続する他の媒体ダイの優先度は、順次低下する。
【0071】
図2を参照されたい。例えば、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含む。要請信号線は、許可を要請するためのもの、または許可を取り消すことを要請するためのものであり、フィードバック信号線は、許可のためのもの、または許可を取り消すためのものである。
【0072】
例示的な実施形態では、信号線のレベルが一定レベルであるときに、要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味するので、媒体ダイは要請信号線を通じて許可を要請する必要がない。フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味するので、媒体ダイは許可を要請することなく直截的に許可される。
【0073】
例示的な実施形態では、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御される場合、要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、第3のレベルは、許可が要請されることを意味する。媒体ダイは、実際のデータ送信状況に基づいて要請信号線のレベルを制御できる。許可を要請する必要がある場合は、要請信号線のレベルが第3のレベルになるように制御される。許可の取り消しを要請する必要がある場合は、要請信号線のレベルが第1のレベルになるように制御される。
【0074】
フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、第4のレベルは、許可が与えられないことを意味する。媒体ダイは、実際のデータ送信状況に基づいて要請信号線のレベルを制御できる。許可を与える必要がある場合は、要請信号線のレベルが第2のレベルになるように制御される。許可を取り消す必要がある場合は、要請信号線のレベルが第4のレベルになるように制御される。
【0075】
例えば、第1のレベルは第4のレベルと同じであり、第3のレベルは第2のレベルと同じであり、第1のレベルは第3のレベルより低い。この場合、第1のレベルと第4のレベルは、ローレベルとも呼ばれ、0で表され得る。第2のレベルと第3のレベルは、ハイレベルとも呼ばれ、1で表され得る。この場合、要請信号線がハイレベル(第3のレベル)であることは許可が要請されることを意味し、フィードバック信号線がハイレベル(第2のレベル)であることは許可が与えられることを意味するので、要請信号線とフィードバック信号線はいずれもアクティブハイ信号線である。
【0076】
図3および図4を参照されたい。記憶媒体が媒体ダイ0~3を含む一例を用いて媒体ダイの優先度を説明する。RDY 3のレベルは一定レベル、すなわち0であり、ACK 0のレベルは一定レベル、すなわち1である。したがって、媒体ダイ3は、媒体ダイ0に許可を要請することなく許可され得、最も高い優先度を有する。加えて、媒体ダイ0と媒体ダイ1は、データ送信状況に基づいてRDY 0およびACK 1のレベルを制御する。RDY 0は、媒体ダイ0から媒体ダイ1に向けられ、ACK 1は、媒体ダイ1から媒体ダイ0に向けられているので、媒体ダイ0と媒体ダイ1との間で、媒体ダイ0は、媒体ダイ1に許可を要請し、または許可を取り消すことを媒体ダイ1に要請し、媒体ダイ1は、媒体ダイ0を許可し、または媒体ダイ0の許可を取り消す。したがって、媒体ダイ0の優先度は、媒体ダイ1の優先度より低い。同様に、媒体ダイ1と媒体ダイ2は、データ送信状況に基づいてRDY 1およびACK 2のレベルを制御し、媒体ダイ1の優先度は、媒体ダイ2の優先度より低い。媒体ダイ2と媒体ダイ3は、データ送信状況に基づいてRDY 2およびACK 3のレベルを制御し、媒体ダイ2の優先度は、媒体ダイ3の優先度より低い。したがって、媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0の優先度は、降順である。
【0077】
ケースA2:それぞれの信号線のレベルは、一定レベルである。
【0078】
ケースA2では、それぞれの信号線のレベルが一定レベルであるため、それぞれの媒体ダイは最も高い優先度を有する媒体ダイであり、少なくとも2つの媒体ダイは同じ優先度を有する。
【0079】
例えば、信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを含む。信号線のレベルが一定レベルである場合、要請信号線およびフィードバック信号線のレベルについては、前述のケースA1の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0080】
図5を参照されたい。引き続き、記憶媒体が媒体ダイ0~3を含む一例を用いて媒体ダイの優先度を説明する。RDY 3のレベルは一定レベル、すなわち0であり、ACK 0のレベルは一定レベル、すなわち1である。したがって、媒体ダイ3は、媒体ダイ0に許可を要請することなく許可され得、最も高い優先度を有する。加えて、RDY 0、RDY 1、およびRDY 2のレベルも一定レベル、すなわち0であり、ACK 1、ACK 2、およびACK 3のレベルも一定レベル、すなわち1であるため、同様に、媒体ダイ0、媒体ダイ1、および媒体ダイ2も最も高い優先度を有する。したがって、媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0は、同じ優先度を有する。
【0081】
例示的な実施形態では、少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを含み、セレクタは、セレクタの第1の端部または第2の端部を選択するように構成され、第1の端部は、レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものであり、第2の端部は、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する。したがって、セレクタは、信号線のレベルを一定レベルにするために、または、信号線で接続された2つの媒体ダイによって信号線のレベルをデータ送信状況に基づいて制御させるために、第1の端部または第2の端部を選択するように制御される。媒体ダイの優先度は信号線のレベルに関係するため、このようにして媒体ダイの優先度を柔軟に調整できる。
【0082】
信号線が要請信号線とフィードバック信号線とを含む場合、信号線で接続された2つの媒体ダイは、要請信号線とフィードバック信号線を制御するために、要請信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含むだけでなく、フィードバック信号線に対応するセレクタおよびレジスタをも含む。
【0083】
例えば、いずれかの信号線のレベルは、レジスタの値を設定することによって構成される。レジスタが異なる値に設定されると、信号線のレベルが変わる。例えば、要請信号線の場合、レジスタが1に設定されると、要請信号線のレベルは第3のレベルになる。レジスタが0に設定されると、要請信号線のレベルは第1のレベルになる。別の例として、フィードバック信号線の場合、レジスタが1に設定されると、要請信号線のレベルは第2のレベルになる。レジスタが0に設定されている場合、要請信号線のレベルは第4のレベルになる。
【0084】
勿論、セレクタおよびレジスタによって信号線のレベルを調整する方式は、前述の説明における一例にすぎず、本出願の実施形態を限定することを意図するものではない。例えば、本出願の実施形態では、代わりに、媒体ダイは、信号線のレベルを一定レベルになるように制御できるだけでなく、データ送信状況に基づいて信号線のレベルを制御することもできる。
【0085】
例示的な実施形態では、いずれかの信号線で接続された2つの媒体ダイについて、レジスタとセレクタは以下の2つの方式で配置される。
【0086】
第1の配置方式では、信号線で接続された2つの媒体ダイの一方がセレクタとレジスタとを含む。図6を参照されたい。例えば、いずれかの信号線が要請信号線とフィードバック信号線とを含む場合、2つの媒体ダイの一方は、要請信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含むだけでなく、フィードバック信号線に対応するセレクタおよびレジスタをも含む。
【0087】
図6に示されているように、セレクタは、0と1とを含む台形として示されており、第1の端部は0として示され、第2の端部は1として示されている。レジスタはセレクタの第1の端部0に接続されている。媒体ダイ0は、RDY 0およびACK 1に関連付けられたセレクタおよびレジスタを含み、媒体ダイ1は、RDY 1およびACK 0に関連付けられたセレクタおよびレジスタを含む。RDY 0とACK 1を説明のための一例として使用し、RDY 1とACK 0はここでは説明しない。
【0088】
媒体ダイ0において、RDY 0に関連付けられたセレクタが第1の端部0を選択する場合、RDY 0のレベルはレジスタによって構成され、または、RDY 0に関連付けられたセレクタが第2の端部1を選択する場合、RDY 0のレベル(媒体ダイ0内のrdy_out)は、データ送信状況に基づいて媒体ダイ0によって制御され、媒体ダイ1によって検出され得るRDY 0のレベル(媒体ダイ1内のrdy_in)は、RDY 0のレベルである。加えて、媒体ダイ0において、ACK 1に関連付けられたセレクタが第1の端部0を選択する場合、ACK 1のレベルはレジスタによって構成され、または、ACK 1に関連付けられたセレクタが第2の端部1を選択する場合、ACK 1のレベル(媒体ダイ1内のack_out)は、データ送信状況に基づいて媒体ダイ1によって制御され、媒体ダイ0によって検出され得るACK 1のレベル(媒体ダイ0内のack_in)は、ACK 1のレベルである。
【0089】
第2の配置方式では、信号線で接続された2つの媒体ダイがセレクタとレジスタとをそれぞれ含む。図7を参照されたい。例えば、信号線が要請信号線とフィードバック信号線とを含む場合、2つの媒体ダイはそれぞれ、要請信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含むだけでなく、フィードバック信号線に対応するセレクタおよびレジスタをも含む。
【0090】
図7に示されているように、セレクタは、0と1とを含む台形として示されており、第1の端部は0として示され、第2の端部は1として示されている。レジスタはセレクタの第1の端部0に接続されている。媒体ダイ0と媒体ダイ1はいずれも、RDY 0およびACK 1に関連付けられたセレクタおよびレジスタを含むだけでなく、RDY 1およびACK 0に関連付けられたセレクタおよびレジスタをも含む。RDY 0とACK 1を説明のための一例として使用し、RDY 1とACK 0はここでは説明しない。
【0091】
媒体ダイ0と媒体ダイ1において、RDY 0に関連付けられたセレクタが両方とも第1の端部0を選択する場合、RDY 0のレベルはレジスタによって構成され、または、RDY 0に関連付けられたセレクタが両方とも第2の端部1を選択する場合、RDY 0のレベル(媒体ダイ0内のrdy_out)は、データ送信状況に基づいて媒体ダイ0によって制御され、媒体ダイ1によって検出され得るRDY 0のレベル(媒体ダイ1内のrdy_in)は、RDY 0のレベルである。加えて、媒体ダイ0と媒体ダイ1において、ACK 1に関連付けられたセレクタが両方とも第1の端部0を選択する場合、ACK 1のレベルはレジスタによって構成され、または、ACK 1に関連付けられたセレクタが両方とも第2の端部1を選択する場合、ACK 1のレベル(媒体ダイ1におけるack_out)は、データ送信状況に基づいて媒体ダイ1によって制御され、媒体ダイ0によって検出され得るACK 1のレベル(媒体ダイ0におけるack_in)は、ACK 1のレベルである。
【0092】
勿論、図7に示されているケースは一例にすぎず、セレクタとレジスタを配置する方式を限定するものではない。例えば、図7に示されているケースに加えて、2つの媒体ダイの一方が要請信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含み、他方の媒体ダイがフィードバック信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含むケースもあり得る。別の例として、2つの媒体ダイの一方が、要請信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含み、またはフィードバック信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含み、他方の媒体ダイが、要請信号線に対応するセレクタおよびレジスタを含むだけでなく、フィードバック信号線に対応するセレクタおよびレジスタをも含むケースもあり得る。
【0093】
上記の2つの配置方式について、ここでは配置方式2を一例として用いてセレクタとレジスタを説明する。
【0094】
図3および図4を参照されたい。媒体ダイ3と媒体ダイ0は、RDY 3およびACK 0に関連付けられたセレクタおよびレジスタをそれぞれ含む。RDY 3およびACK 0に関連付けられたセレクタは、第1の端部(第1の端部は0として示されている)を選択し、その結果、レジスタは、RDY 3のレベルを一定レベルに、すなわち0に、構成し、ACK 0のレベルを一定レベルに、すなわち1に、構成する。媒体ダイ0と媒体ダイ1は、RDY 0およびACK 1に関連付けられたセレクタおよびレジスタをそれぞれ含み、媒体ダイ1と媒体ダイ2は、RDY 1およびACK 2に関連付けられたセレクタおよびレジスタをそれぞれ含み、媒体ダイ2と媒体ダイ3は、RDY 2およびACK 3に関連付けられたセレクタおよびレジスタをそれぞれ含む。RDY 0、ACK 1、RDY 1、ACK 2、RDY 2、およびACK 3に関連付けられたセレクタはすべて、第2の端部(第2の端部は1として示されている)を選択する。したがって、媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0の優先度は、降順である。
【0095】
図5を参照されたい。媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0に含まれるすべてのセレクタは、第1の端部を選択し、その結果、媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0は、同じ優先度を有する。
【0096】
加えて、前述の2つの配置方式で1つの媒体ダイが複数のセレクタを含んでもよい。いくつかの実装では、複数のセレクタの第1の端部は同じレジスタに対応する。複数のビットがレジスタ上に配置され、複数のセレクタの第1の端部と一対一に対応する。1つのビットは、そのビットに対応するセレクタに関連付けられた信号線のレベルを構成できる。いくつかの他の実装では、複数のセレクタの第1の端部は、複数のレジスタと一対一に対応する。この場合は、各レジスタ上に1ビットだけ配置すればよい。ここでは詳細を説明しない。
【0097】
媒体ダイはバスを通じたデータ送信のためのものであるため、媒体ダイはバスに接続される必要がある。例えば、媒体ダイは、ピン(pin)を含み、ピンを通じてバスに接続される。例示的な実施形態では、媒体ダイは第1のデータピンと第2のデータピンとを含み、バスは第1のデータバスと第2のデータバスとを含む。第1のデータピンは、第1のデータバスに接続されるように構成され、第2のデータピンは、第2のデータバスに接続されるように構成される。第1のデータバスは、データを送信するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用され、第2のデータバスは、少なくとも2つの媒体ダイへデータを送信するためのものである。
【0098】
少なくとも2つの媒体ダイによってデータを送信するプロセスは、読み取り(read)プロセスであり、第1のデータバスは、読み取りバスとも呼ばれる。少なくとも2つの媒体ダイへデータを送信するプロセスは書き込み(write)プロセスであり、第2のデータバスは書き込みバスとも呼ばれる。読み取りプロセスと書き込みプロセスで別々のデータバスが使用されるため、読み取り/書き込み分離が実現される。本出願の実施形態で読み取り/書き込み分離を採用する理由は以下の通りである。
【0099】
読み取りプロセスにおいて、媒体ダイが準備を完了し、信号線のレベルを使用することによって、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断する場合、媒体ダイは、データ送信のためにバスを自律的に占用できる。したがって、読み取りプロセスは、媒体ダイによって制御されるプロセスである。書き込みプロセスでは、媒体ダイが媒体ダイへ送信されるデータを受信し、次いでそのデータを書き込む必要があるため、書き込みプロセスはデータ送信側(例えば、コントローラ)によって制御されるプロセスである。読み取りプロセスと書き込みプロセスは、別々の物(媒体ダイまたはデータ送信側)によって制御される。したがって、読み取りプロセスと書き込みプロセスとの対立を回避するために、読み取りプロセスと書き込みプロセスで別々のデータバスを使用する必要がある。
【0100】
第1のデータバスと第2のデータバスの両方が双方向データ送信機能を有することを理解されたい。前述の実施形態では、読み取り/書き込み分離を実現するために、第1のデータバスは、単にデータを送信するために媒体ダイによって使用され、第2のデータバスは、単に媒体ダイへデータを送信するためのものである。例えば、第1のデータバスまたは第2のデータバスがターゲットデータバスとして使用される。実際の要件に基づいて、ターゲットデータバスは、代わりに、データを送信するために媒体ダイによって使用されるだけでなく、媒体ダイへデータを送信するためにも使用され得る。このケースは、読み取り/書き込み分離ではなく読み取り/書き込み組み合わせを実現する。
【0101】
例えば、媒体ダイは、上記の説明のピンに加えて、信号線に接続されるように構成されたピンをさらに含む。図6および図7を参照されたい。信号線が要請信号線とフィードバック信号線とを含む場合、媒体ダイに含まれ信号線に接続されるように構成されたピンは、要請信号線に接続されるように構成された出力ピン(output pin,o/p)とフィードバック信号線に接続されるように構成された入力ピン(input pin,i/p)である。
【0102】
例示的な実施形態では、記憶媒体はステートマシンをさらに含む。このステートマシンは、媒体ダイの状況を記録するように構成される。媒体ダイの状況は、アイドル状態(I)、準備完了状態(R)、データ送信状態(T)、および別の媒体ダイのデータ送信状態(B)を含む。別の媒体ダイの状態データ送信状態は、その媒体ダイが後続する別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する。媒体ダイの状態については、図11に示されている以下のデータ送信方法に対応する説明を参照されたい。
【0103】
本出願の一実施形態は、記憶素子をさらに提供する。図8に示されているように、記憶素子は、コントローラと記憶媒体とを含む。コントローラは、バスを通じて記憶媒体に含まれる少なくとも2つの媒体ダイに接続される。記憶媒体は、図1から図7のいずれかに示されている記憶媒体である。バスは、コントローラと媒体ダイとの間のデータ送信のためのものである。データ送信プロセスは、前述の読み取りプロセスと書き込みプロセスとを含む。読み取りプロセスでは、媒体ダイがコントローラへデータを送信する。書き込みプロセスでは、コントローラが媒体ダイへデータを送信する。
【0104】
例えば、図9に示されているように、バスは、読み取り/書き込み分離を実現するために、第1のデータバスと第2のデータバスとを含む。引き続き図9を参照されたい。第1のデータバスは、DQ_RとDQS_Rとを含む。DQ_Rは、コントローラへデータを送信するために媒体ダイによって使用され、DQS_Rは、コントローラへクロック信号を送信するために媒体ダイによって使用され、コントローラと媒体ダイは、読み取りプロセスにおいてクロック信号を整列させる。第2のデータバスは、DQ_WとDQS_Wとを含む。DQ_Wは、媒体ダイへデータを送信するためにコントローラによって使用され、DQS_Wは、媒体ダイへクロック信号を送信するためにコントローラによって使用され、コントローラと媒体ダイは、書き込みプロセスにおいてクロック信号を整列させる。クロック信号はクロックサイクルを示し、クロックサイクルは、コントローラと媒体ダイとの間のデータ送信のための最小時間単位である。
【0105】
引き続き図9を参照されたい。第1のデータバスと第2のデータバスに加えて、コントローラと媒体ダイとの間にはチップイネーブル(chip enable、CE)バスとチップアドレス(chip address、CA)バスがさらに含まれる。CEバスは、媒体ダイへイネーブル信号を送信するためにコントローラによって使用され、その結果、媒体ダイはデータ送信能力を有する。CAバスは、媒体ダイへデータ送信命令を送信するためにコントローラによって使用され、データ送信命令は、アドレス情報と作業タイプとを含む。アドレス情報は、送信されるべきデータの媒体ダイにおける物理アドレスを示す。作業タイプは、媒体ダイによって行われるべき作業を示す。例えば、媒体ダイによって行われるべき作業は、読み取りや書き込みなどを含むが、これらに限定されない。
【0106】
本願のこの実施形態で提供される図8または図9に示されている記憶素子は、データ送信を実行するように構成されてよい。データ送信方法については、図11に対応する以下の説明を参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0107】
本出願の一実施形態は、記憶媒体構成方法をさらに提供する。本方法は、図1から図7のいずれか1つに示されている記憶媒体を構成するために適用される。本方法が、図8または図9に示されている記憶素子のコントローラに適用され得ることに留意されたい。あるいは、本方法は、図1から図7のいずれか1つに示されている記憶媒体に接続され得る別の電子デバイスに適用されてもよい。図10に示されているように、記憶媒体構成方法は、以下のステップ1001およびステップ1002を含む。
【0108】
ステップ1001:記憶媒体の信号線情報を得、信号線情報は記憶媒体内の信号線を指示する。
【0109】
記憶媒体の信号線情報は、記憶媒体を得るために媒体ダイをパッケージする過程で生成されてよい。信号線情報を得る方式は、本出願の実施形態で限定されない。
【0110】
ステップ1002:信号線情報によって指示される信号線のレベルを構成し、信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために記憶媒体に含まれる少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。
【0111】
媒体ダイの優先度は、信号線のレベルを構成することによって調整され得る。例えば、上記の説明におけるケースA1、図3、および図4に対応して、1本の信号線のレベルは一定レベルであり、残りの信号線のレベルは、残りの信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御される。別の例として、上記の説明におけるケースA2および図5に対応して、それぞれの信号線のレベルは一定レベルである。
【0112】
例示的な実施形態では、少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを含む。セレクタとレジスタについては、前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。相応に、信号線情報によって指示される信号線のレベルを構成することは、セレクタが第1の端部または第2の端部を選択することを可能にするようにセレクタを構成することを含む。
【0113】
信号線について、信号線は対応するターゲット媒体ダイを有する。ターゲット媒体ダイは、信号線に関連付けられたセレクタおよびレジスタを含む。したがって、本出願の実施形態では、信号線のレベルを構成する必要があるときに、信号線に対応するターゲット媒体ダイが最初に判断される。次いで、ターゲットダイに含まれるセレクタは、信号線のレベルを構成するために、セレクタが第1の端部または第2の端部を選択することを可能にするように構成される。
【0114】
本出願の一実施形態は、データ送信方法をさらに提供する。本方法は、図8または図9に示されている記憶素子に適用される。図11に示されているように、本方法は、以下のステップ1101からステップ1103を含む。
【0115】
ステップ1101:コントローラは、少なくとも2つの媒体ダイのうちの第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信し、第1の媒体ダイは、少なくとも2つの媒体ダイのうちのいずれかの媒体ダイである。
【0116】
コントローラはまず、図9に示されているCEバスを通じて第1の媒体ダイへイネーブル信号を送信し、イネーブル信号は、第1の媒体ダイをイネーブルする。次に、コントローラは、図9に示されているCAバスを通じて第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信する。
【0117】
ステップ1102:第1の媒体ダイは、コントローラによって送信されたデータ送信命令を受信する。
【0118】
コントローラが第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信するので、第1の媒体ダイは相応にデータ送信命令を受信する。
【0119】
ステップ1103:第1の媒体ダイは、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信し、信号線のレベルは、信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために少なくとも2つの媒体ダイによって使用される。
【0120】
第1の媒体ダイは、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信し、データ識別子は、少なくとも2つの媒体ダイのうちのどの媒体ダイがデータを送信するかを判断するためにコントローラによって使用される。例えば、データ識別子は第1の媒体ダイの識別子であり、第1の媒体ダイの識別子は第1の媒体ダイを指示する。この場合、コントローラは、データと第1の媒体ダイの識別子を受信した後に、第1の媒体ダイの識別子に基づいて、データが少なくとも2つの媒体ダイのうちの第1の媒体ダイによって送信されると判断できる。
【0121】
例示的な実施形態において、第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、以下の3つのケースB1~B3を含む。
【0122】
ケースB1:信号線のうちの第1の信号線のレベルは、一定レベルであり、信号線のうちの第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、第2の信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、第1の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、データ送信命令は、データを送信することを第1の媒体ダイに命令する。
【0123】
ケースB1では、第1の媒体ダイが最も高い優先度を有する媒体ダイであり、第1の媒体ダイが後続する媒体ダイの優先度は降順である。図3を参照されたい。例えば、第1の媒体ダイは媒体ダイ3である。媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0の優先度は、降順である。
【0124】
データ送信命令は、コントローラへデータとデータ識別子を送信することを第1の媒体ダイに命令する。この場合、第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の媒体ダイがデータ送信命令に従って準備を完了することを含む。データとデータ識別子は、第1の信号線が一定レベルであることが検出され、かつ第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、バスを通じてコントローラへ送信され、第3の信号線は、第1の媒体ダイと前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。
【0125】
準備を完了した第1の媒体ダイは、データ送信能力を有する。第1の信号線が一定レベルであることを検出すると、第1の媒体ダイは、次の媒体ダイに許可を要請する必要がないと判断し、次の媒体ダイによって既に許可されている。第1の媒体ダイが、第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが前の媒体ダイを許可していないと判断した場合、それは、第1の媒体ダイが後続する媒体ダイのいずれもデータ送信を実行していないことを意味する。したがって、第1の媒体ダイは、バスがアイドルであると判断でき、したがって、バスを通じてデータ送信を実行でき、具体的には、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信できる。
【0126】
引き続き図3を参照されたい。第1の媒体ダイは、媒体ダイ3である。第1の信号線はRDY 3とACK 0であり、第3の信号線はRDY 2とACK 3である。RDY 3のレベルが0であり、ACK 0のレベルが1であり、ACK 3のレベルが0であることを検出すると、媒体ダイ3は、バスがアイドルであると判断し、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信する。
【0127】
例えば、第1の媒体ダイがバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信した後に、本方法は、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していると判断したことに応じて、第1の媒体ダイが、第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断した場合に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。ケースB1では第1の媒体ダイが最も高い優先度を有するため、前の媒体ダイが第1の媒体ダイに許可を要請するときに、第1の媒体ダイが送信を実行していなければ、前の媒体ダイは許可され得る。第1の媒体ダイが送信を実行していないことは、第1の媒体ダイがバスを通じてコントローラにデータとデータ識別子を実行していないことを意味する。
【0128】
いくつかの実装では、送信を開始した後、送信を完了する前に、第1の媒体ダイは、前の媒体ダイが許可を要請していると判断する。この場合、送信を完了した後に、第1の媒体ダイは、第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断し、したがって、送信を完了した後に前の媒体ダイを許可する。いくつかの他の実装では、送信を開始して送信を完了した後に、第1の媒体ダイは、前の媒体ダイが許可を要請していると判断する。この場合、第1の媒体ダイは、前の媒体ダイを直截的に許可できる。
【0129】
引き続き図3を参照されたい。媒体ダイ2は、媒体ダイ3に許可を要請するために、RDY 2のレベルを1になるように制御する。媒体ダイ3は、RDY 2のレベルが1であることを検出すると、媒体ダイ2が許可を要請していると判断する。媒体ダイ3によってバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信していないことに応じて、媒体ダイ3は、媒体ダイ2を許可するために、ACK 3のレベルを1になるように制御する。
【0130】
例えば、第1の媒体ダイが前の媒体ダイを許可するために第3の信号線のレベルを制御した後に、本方法は、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を取り消すことを要請していると判断したことに応じて、第1の媒体ダイが、前の媒体ダイの許可を取り消すために、第3の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。
【0131】
図3に示されているように、媒体ダイ3が媒体ダイ2を許可した後に、媒体ダイ2はさらに、許可を取り消すことを媒体ダイ3に要請するために、RDY 2のレベルを0になるように制御することができる。媒体ダイ3は、RDY 2のレベルが0であることを検出すると、媒体ダイ2が許可を取り消すことを要請していると判断する。そして、媒体ダイ3は、許可を取り消すことを媒体ダイ2に要請するために、ACK 3のレベルを0になるように制御する。
【0132】
ケースB2:信号線のうちの第1の信号線のレベルは、データ送信状況に基づいて第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとによって制御され、信号線のうちの第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは一定レベルであり、第1の信号線は、第1の媒体ダイと次の媒体ダイとの間にある。
【0133】
ケースB2では、第1の媒体ダイが最も高い優先度を有さない。第1の媒体ダイが後続する媒体ダイの優先度は降順であり、第1の媒体ダイに後続する媒体ダイの優先度は昇順である。図4を参照されたい。例えば、第1の媒体ダイは媒体ダイ1である。媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0の優先度は、降順である。
【0134】
データ送信命令は、コントローラへデータとデータ識別子を送信することを第1の媒体ダイに命令する。第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の媒体ダイがデータ送信命令に従って準備を完了することを含む。第1の媒体ダイは、第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断した場合に、次の媒体ダイに許可を要請するために、第1の信号線のレベルを制御し、第3の信号線は、第1の媒体ダイと前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、許可は、バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する。第1の媒体ダイは、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を与えたと判断した場合に、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信する。
【0135】
準備を完了した第1の媒体ダイは、データ送信能力を有する。第1の媒体ダイが、第3の信号線のレベルを使用することによって、第1の媒体ダイが前の媒体ダイを許可していないと判断した場合、それは、第1の媒体ダイが後続する媒体ダイのいずれもデータ送信を実行していないことを意味する。しかしながら、第1の媒体ダイは最も高い優先度を有していないので、第1の媒体ダイはさらに、より高い優先度を有する媒体ダイに許可を要請する必要がある。より高い優先度を有する媒体ダイによって許可されると、第1の媒体ダイは、バスがアイドルであると判断でき、したがって、バスを通じてデータ送信を実行でき、具体的には、バスを通じてコントローラへデータを送信できる。
【0136】
図4を参照されたい。第1の媒体ダイは、媒体ダイ1である。第1の信号線はRDY 1とACK 2であり、第3の信号線はRDY 0とACK 1である。ACK 1のレベルが0であることを検出すると、媒体ダイ1は、媒体ダイ2に許可を要請するために、RDY 1のレベルを1になるように制御する。媒体ダイ2がバスを占用する必要がない場合、媒体ダイ2は、最も高い優先度を有する媒体ダイ3に許可を要請するために、RDY 2のレベルを1になるように制御する。媒体ダイ3がバスを占用する必要がない場合、媒体ダイ3は、媒体ダイ2を許可するために、ACK 3のレベルを1になるように制御する。ACK 3のレベルが1であることを検出した後に、媒体ダイ2は、媒体ダイ1を許可するために、ACK 2のレベルを1になるように制御するために、媒体ダイ2が媒体ダイ3によって許可されていると判断する。ACK 2のレベルが1であることを検出した後に、媒体ダイ1は、媒体ダイ1が媒体ダイ2によって許可されていると判断し、ACK 1のレベルが0であることを参照して、バスがアイドルであると判断する。媒体ダイ1は、バスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信できる。
【0137】
例示的な実施形態では、第1の媒体ダイがバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信した後に、本方法は、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。第1の媒体ダイは、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断する。送信を開始して完了した後に、第1の媒体ダイはバスを占用し続ける必要がない。したがって、第1の媒体ダイは、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請し、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断する。
【0138】
図4を参照されたい。例えば、媒体ダイ1は、許可を取り消すことを媒体ダイ2に要請するために、RDY 1のレベルを0になるように制御する。媒体ダイ2は、許可を取り消すことを最も高い優先度を有する媒体ダイ3に要請するために、RDY 2のレベルを0になるように制御する。媒体ダイ3は、媒体ダイ2の許可を取り消すために、ACK 3のレベルを0になるように制御する。ACK 3のレベルが0であることを検出した後に、媒体ダイ2は、媒体ダイ1の許可を取り消すために、ACK 2のレベルを0になるように制御するために、媒体ダイ3が許可を取り消したと判断する。ACK 2のレベルが0であることを検出した後に、媒体ダイ1は、媒体ダイ2が許可を取り消したと判断し、バスは解放される。
【0139】
例示的な実施形態では、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御することは、送信を完了する前に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していないと判断した場合に、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御することを含む。図4を参照されたい。例えば、媒体ダイ1が送信を完了する前後にRDY 0のレベルが常に0のままであるなら、送信を完了した後に、媒体ダイ1は、媒体ダイ0が許可を要請していないと判断する。そして、媒体ダイ1は、許可を取り消すことを要請するために、RDY 1のレベルを0になるように制御できる。
【0140】
例示的な実施形態では、本方法は、送信を完了する前に、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請していると判断した場合に、第1の媒体ダイが、送信を完了した後に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。第1の媒体ダイによって実行される送信プロセスで前の媒体ダイが第1の媒体ダイに許可を要請する場合は、送信を完了した後に、第1の媒体ダイは、一時的に、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請せず、前の媒体ダイを許可する。図4を参照されたい。例えば、媒体ダイ1が送信を開始した後に、かつ媒体ダイ1が送信を完了する前に、媒体ダイ0は、RDY 0のレベルを1になるように制御する。この場合、媒体ダイ1が送信を完了した後に、RDY 0のレベルが1であることが検出されるため、媒体ダイ1は、一時的に、RDY 1のレベルを0になるように制御せず、媒体ダイ0を許可するために、ACK 1のレベルを1になるように制御する。
【0141】
例示的な実施形態では、第1の媒体ダイが、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断した後に、本方法は、第1の媒体ダイが、第3の信号線のレベルを使用することによって、前の媒体ダイが許可を要請しており、かつ第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断した場合に、第1の媒体ダイが、次の媒体ダイに許可を要請するために、第1の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。第1の媒体ダイはさらに、第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を与えたと判断された場合に、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御するように構成される。第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請した後に、前の媒体ダイが許可を要請していると判断した場合、第1の媒体ダイはさらに、前の媒体ダイを許可するために、次の媒体ダイに許可を再度要請する必要がある。
【0142】
図4を参照されたい。例えば、媒体ダイ1が許可を取り消すことを要請した後に、RDY 1およびACK 2のレベルは両方とも0である。この場合、媒体ダイ0は、媒体ダイ1に許可を要請するために、RDY 0のレベルを1になるように制御する。この場合、媒体ダイ1は、媒体ダイ2に許可を要請するために、再度RDY 1のレベルを1に設定する必要がある。ACK 2のレベルが1であることが検出された後には、媒体ダイ2が許可を与えたと判断される。次いで、媒体ダイ1はさらに、媒体ダイ0を許可するために、ACK 1のレベルを1になるように制御する。
【0143】
例えば、第1の媒体ダイが、前の媒体ダイを許可するために、第3の信号線のレベルを制御した後に、本方法は、第1の媒体ダイが、第3の信号線のレベルに基づいて、前の媒体ダイが許可を取り消すことを要請していると判断した場合に、第1の媒体ダイが、許可を取り消すことを次の媒体ダイに要請するために、第1の信号線のレベルを制御するステップをさらに含む。第1の信号線のレベルを使用することによって、次の媒体ダイが許可を取り消したと判断された後には、前の媒体ダイの許可を取り消すために、第3の信号線のレベルが制御される。図4を参照されたい。例えば、媒体ダイ0は、許可を取り消すことを媒体ダイ1に要請するために、RDY 0のレベルを0になるように制御する。媒体ダイ1は、許可を取り消すことを媒体ダイ2に要請するために、RDY 1のレベルを0になるように制御し、ACK 2のレベルが0であることを検出した後に、媒体ダイ2が許可を取り消したと判断する。そして、媒体ダイ1はさらに、媒体ダイ0の許可を取り消すために、ACK 1のレベルを0になるように制御する。
【0144】
例示的な実施形態では、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含む。前述のケースB1とケースB2の場合、第1の媒体ダイがバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の媒体ダイが第1のデータバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信することを含み、第2のデータバスは、読み取り/書き込み分離を実現するために、書き込まれる必要があるデータを少なくとも2つの媒体ダイへ送信するためにコントローラによって使用される。
【0145】
クロックサイクルがデータ送信のための最小時間単位であることは、図9に対応する上記の説明から分かる。いくつかの実装では、第1の媒体ダイは、最初のクロックサイクルでデータ識別子をコントローラへ送信し、最初のクロックサイクルの後の少なくとも1つのクロックサイクルでコントローラへデータを送信する。いくつかの他の実装では、第1の媒体ダイは、別々のクロックサイクルでデータ識別子とデータを代わるがわるに送信する。
【0146】
ケースB3:それぞれの信号線のレベルは、一定レベルである。
【0147】
ケースB3では、それぞれの媒体ダイが同じ優先度を有する。図5を参照されたい。例えば、第1の媒体ダイは、媒体ダイ3、媒体ダイ2、媒体ダイ1、および媒体ダイ0のいずれか1つであってよい。
【0148】
データ送信命令は、準備を行うことを第1の媒体ダイに命令する。第1の媒体ダイが、データ送信命令と記憶媒体内の信号線のレベルとに基づいて、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の信号線が一定レベルであり、かつ第3の信号線も一定レベルであることを検出したときに、第1の媒体ダイがデータ送信命令に従って準備を完了することを含み、第1の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、第3の信号線は、第1の媒体ダイと第1の媒体ダイの前の媒体ダイとの間にある。第1の媒体ダイは、コントローラの制御下でバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信する。
【0149】
第1の信号線が一定レベルであることを検出すると、第1の媒体ダイは、次の媒体ダイに許可を要請する必要がないと判断し、次の媒体ダイによって既に許可されている。第3の信号線が一定レベルであることを検出すると、第1の媒体ダイは、前の媒体ダイが許可を要請していないと判断し、前の媒体ダイを既に許可している。したがって、第1の媒体ダイは、それぞれの媒体ダイが等しい優先度を有し、それぞれの媒体ダイの間で許可や許可の取り消しは必要ないと判断する。この場合、第1の媒体ダイは直截的に準備を行うことができる。例えば、データ送信命令に従って準備を完了した後に、第1の媒体ダイは、コントローラによって送信される別の命令を待ち続けることができる。別の命令は、コントローラへデータとデータ識別子を送信することを第1の媒体ダイに命令する。
【0150】
図5を参照されたい。例えば、第1の媒体ダイは媒体ダイ2である。この場合、第1の信号線はRDY 2とACK 3であり、第3の信号線はRDY 1とACK 2である。データ送信命令を受信した後に、媒体ダイ2は、RDY 2のレベルが0であり、ACK 3のレベルが1であり、RDY 1のレベルが0であり、ACK 2のレベルが1であることを検出する。この場合、媒体ダイ2は、データ送信命令に従って準備を行う。次に、コントローラによって送信される別の命令を受信した後に、媒体ダイ2は、別の命令に従ってデータとデータ識別子をコントローラへ送信できる。
【0151】
ケースB3では、別の命令を受信した後に、第1の媒体ダイが、バスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信する。ケースB3では、第1の媒体ダイは、準備を完了した後に、バスを通じて送信されるべきデータを自律的に判断しない。したがって、第1の媒体ダイは、データ送信を完遂するためにバスを自律的に占用するのではなく、コントローラの制御下でデータ送信を完遂する必要がある。従来技術で提供される通信プロトコルでは、媒体ダイもコントローラの制御下でデータ送信を完遂する必要がある。したがって、ケースB3は、従来技術の通信プロトコルに適合し得る。従来技術の通信プロトコルは、共通フラッシュインターフェース(common flash interface、CFI)プロトコルなどを含むが、これらに限定されない。
【0152】
例示的な実施形態では、バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを含む。第1の媒体ダイがバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することは、第1の媒体ダイがターゲットデータバスを通じてコントローラへデータとそのデータに対応するデータ識別子とを送信することを含み、ターゲットデータバスは、第1のデータバスまたは第2のデータバスであり、さらに、読み取り/書き込み組み合わせを実現するために、書き込まれる必要があるデータを少なくとも2つの媒体ダイへ送信するためにコントローラによって使用される。ターゲットデータバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信する方式については、上記の説明における第1のデータバスを通じてコントローラへデータとデータ識別子を送信する方式を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0153】
加えて、例示的な実施形態では、記憶媒体はステートマシンを含む。ステートマシンは、第1の媒体ダイの状況、すなわち、アイドル状態、準備完了状態、データ送信状態、および別の媒体ダイのデータ送信状態を記録するように構成される。図11に示されているデータ送信方法では、ステートマシンは、以下の方式で第1の媒体ダイの状況を記録する。
【0154】
ステートマシンは、第1の媒体ダイが準備を完了する前と、第1の媒体ダイがデータとデータ識別子の送信を完了した後に、第1の媒体ダイの状況をアイドル状態として記録する。第1の媒体ダイが準備を完了した後は、第1の媒体ダイの状況は準備完了状態である。第1の媒体ダイがコントローラへデータとデータ識別子を送信するときは、第1の媒体ダイの状況はデータ送信状態である。第1の媒体ダイが第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可した後は、第1の媒体ダイが後続する別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを指示するために、第1の媒体ダイの状況は別の媒体ダイのデータ送信状態である。
【0155】
要するに、本出願のこの実施形態では、媒体ダイは、信号線のレベルに基づいて、バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断できる。したがって、媒体ダイが準備を完了したかどうかをポーリング方式でチェックするために処理リソースを消費することはなく、媒体ダイは、準備が完了した後に、データ送信を完遂するためにバスを自律的に占用できる。これにより、処理リソースが節約され、データ送信遅延が減り、データ送信効率が改善される。
【0156】
加えて、少なくとも2つの媒体ダイが順次接続されて閉ループが形成されるため、本願のこの実施形態では、媒体ダイの優先度を媒体ダイのパッケージング中に決める必要はなく、パッケージングの後に調整できる。
【0157】
任意選択の実施形態では、記憶媒体は、読み取り専用記憶媒体とランダムアクセス記憶媒体とを含み得る。記憶媒体は、不揮発性ランダムアクセス記憶媒体をさらに含み得る。例えば、記憶媒体は、デバイスタイプに関する情報をさらに記憶できる。記憶媒体は、揮発性記憶媒体または不揮発性記憶媒体であってよく、または揮発性記憶媒体と不揮発性記憶媒体の両方を含み得る。不揮発性記憶媒体は、ストレージスケールメモリ(storage scale memory、SCM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(electrically EPROM、EEPROM)、またはフラッシュメモリであってよい。揮発性記憶媒体は、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)であってよく、外部キャッシュとして使用される。限定ではなく例として、多くの形態のRAM、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(static RAM、SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(dynamic random access memory、DRAM)、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンスト・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンク・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchlink DRAM、SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバス・ランダム・アクセス・メモリ(direct rambus RAM、DR RAM)が使用されてよい。
【0158】
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用することによって実装されてよい。ソフトウェアを使用して実施形態を実装する場合は、前述の実施形態の全部または一部がコンピュータプログラム製品の形態で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされ実行されると、手順または機能の全部または一部が本出願に従って生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、またはその他のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、または或るコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体へ送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、或るウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターへ有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者回線)または無線(例えば、赤外線、電波、またはマイクロ波)方式で送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な何らかの使用可能な媒体であってよく、または1つ以上の使用可能な媒体を統合したサーバもしくはデータセンターなどのデータ記憶装置であってもよい。使用可能な媒体は、磁気式媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光学式媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Disk))などであってよい。
【0159】
本出願において、「first(第1)」および「second(第2)」などの用語は、基本的に同じ役割と機能を有する同じアイテムまたは類似のアイテムを区別するために使用される。論理または時系列の観点から「first(第1)」、「second(第2)」、および「nth(n番目)」の間に依存関係はなく、数量や実行順序が限定されないことを理解されたい。以下の説明では、「first(第1)」および「second(第2)」などの用語を使用して様々な要素が説明されているが、これらの要素がこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されたい。これらの用語は、単に1つの要素を別の要素と区別するために使用されている。
【0160】
本出願の実施形態において、プロセスの連続番号が実行順序を意味しないことをさらに理解されたい。プロセスの実行順序は、プロセスの機能および内部ロジックに従って判断されるべきであり、本出願の実施形態の実装過程に対するいかなる限定としても解釈されるべきではない。
【0161】
本出願において、「at least one(少なくとも1つの)」という用語は、1つ以上を意味する。本出願において、「a plurality of(複数の)」という用語は、2つ以上を意味する。例えば、「a plurality of second devices(複数の第2のデバイス)」は「two or more second devices(2つ以上の第2のデバイス)」を意味する。「system(システム)」および「network(ネットワーク)」という用語は通常、本明細書において互換的に使用され得る。
【0162】
本明細書の様々な例の説明で使用されている用語が、特定の例を説明することを意図しているにすぎず、限定を構成することを意図していないことを理解されたい。例えば、様々な例の説明と添付の特許請求の範囲で使用されている単数形の「a(或る)(「a(或る)」および「an(或る)」)」ならびに「the(その)」は、文脈において明確に別段の指定がない限り、複数形をも含むことが意図される。
【0163】
「if(もし~ならば)」という用語が、「when(とき)」(「when(とき)」または「upon(次第)」)、「in response to determining(判断したことに応じて)」、または「in response to detecting(検出したことに応じて)」という意味に解釈され得ることをさらに理解されたい。同様に、「if it is determined that(~と判断された場合)」または「if(a stated condition or event)is detected((述べられている状態または事象)が検出された場合)」という語句は、文脈によっては「when it is determined that(~と判断されたとき)」、「in response to determining(判断したことに応じて)」、「when(a stated condition or event)is detected((述べられている状態または事象)が検出されたとき)」、または「in response to detecting(a stated condition or event)((述べられている状態または事象)を検出したことに応じて)」という意味に解釈され得る。
【0164】
上記の説明は、本出願の実施形態にすぎず、本出願を限定することを意図するものではない。本出願の原理から逸脱することなく行われる任意の修正、等価な置換、改良などは、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【符号の説明】
【0165】
0 媒体ダイ、第1の端部
1 媒体ダイ、第2の端部
2 媒体ダイ
3 媒体ダイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体であって、前記記憶媒体は、少なくとも2つの媒体ダイを備え、前記少なくとも2つの媒体ダイは、信号線で順次接続されて閉ループを形成し、前記少なくとも2つの媒体ダイは、バスを通じたデータ送信のためのものであり、
前記信号線のレベルは、前記信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、
記憶媒体。
【請求項2】
いずれかの信号線のレベルは一定レベルであり、またはそれぞれの信号線のレベルは一定レベルである、請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項3】
前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの一媒体ダイは、セレクタとレジスタとを備え、前記セレクタは、前記セレクタの第1の端部または第2の端部を選択するように構成され、前記第1の端部は、前記レジスタに関連付けられた信号線のレベルを一定レベルに構成するためのものであり、前記第2の端部は、前記信号線で接続された2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがデータ送信状況に基づいて制御されることを指示する、請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項4】
前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイの一方は、前記セレクタと前記レジスタとを備える、請求項3に記載の記憶媒体。
【請求項5】
前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイは、前記セレクタと前記レジスタとをそれぞれ備える、請求項4に記載の記憶媒体。
【請求項6】
前記信号線は、要請信号線とフィードバック信号線とを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【請求項7】
前記信号線の前記レベルが定レベルである場合、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項8】
前記信号線の前記レベルが、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによってータ送信状況に基づいて制御される場合、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項9】
前記記憶媒体はステートマシンをさらに備え、前記ステートマシンは、前記媒体ダイの状況を記録するように構成され、前記媒体ダイの前記状況は、アイドル状態、準備完了状態、データ送信状態、および別の媒体ダイのデータ送信状態を含み、前記別の媒体ダイの前記データ送信状態は、前記媒体ダイが後続する前記別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する、請求項1から5のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【請求項10】
前記媒体ダイは、第1のデータピンと第2のデータピンとを備え、前記バスは、第1のデータバスと第2のデータバスとを備え、前記第1のデータピンは、前記第1のデータバスに接続されるように構成され、前記第2のデータピンは、前記第2のデータバスに接続されるように構成され、
前記第1のデータバスは、データを送信するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用され、前記第2のデータバスは、前記少なくとも2つの媒体ダイへデータを送信するためのものである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【請求項11】
記憶素子であって、前記記憶素子は、コントローラと憶媒体とを備え、前記コントローラは、スを通じて前記記憶媒体に備わったなくとも2つの媒体ダイに接続され、
前記少なくとも2つの媒体ダイは、信号線で順次接続されて閉ループを形成し、前記少なくとも2つの媒体ダイは、バスを通じたデータ送信のためのものであり、前記信号線のレベルは、前記信号線で接続された2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用され、
前記コントローラは、前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの第1の媒体ダイへデータ送信命令を送信し、前記第1の媒体ダイが、前記少なくとも2つの媒体ダイのうちのいずれかの媒体ダイである、ように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記コントローラによって送信された前記データ送信命令を受信するように構成され、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記データ送信命令と前記記憶媒体内の前記信号線のレベルとに基づいて、前記バスを通じて前記コントローラへデータと前記データに対応するデータ識別子とを送信し、前記信号線の前記レベルが、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって制御され、前記バスを通じてデータ送信を実行する順序を判断するために前記少なくとも2つの媒体ダイによって使用される、ように構成される、
記憶素子。
【請求項12】
前記信号線のうちの第1の信号線のレベルは、一定レベルであり、前記信号線のうちの前記第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、前記第2の信号線で接続された2つの媒体ダイによってデータ送信状況に基づいて制御され、前記第1の信号線は、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、前記データ送信命令は、前記データを送信することを第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイは、前記データ送信命令に従って準備を完了するように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記第1の信号線が前記一定レベルであることが検出され、かつ第3の信号線のレベルを使用することによって、前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信し、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、前記許可が、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、ように構成される、
請求項11に記載の記憶素子。
【請求項13】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記送信が完了した後に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していると判断したことに応じて、前記第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断された場合に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、請求項12に記載の記憶素子。
【請求項14】
前記信号線のうちの第1の信号線のレベルは、データ送信状況に基づいて前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの次の媒体ダイとによって制御され、前記信号線のうちの前記第1の信号線以外の第2の信号線のレベルは、一定レベルであり、前記第1の信号線は、前記第1の媒体ダイと前記次の媒体ダイとの間にあり、前記データ送信命令は、データを送信することを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイは、前記データ送信命令に従って準備を完了するように構成され、
前記第1の媒体ダイは、第3の信号線のレベルを使用することによって、前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前の媒体ダイを許可していないと判断された場合に、前記次の媒体ダイに許可を要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御し、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記前の媒体ダイとの間の第2の信号線であり、前記許可が、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、ように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を与えたと判断された場合に、前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するように構成される、
請求項11に記載の記憶素子。
【請求項15】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記送信が完了した後に、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線のレベルを制御するように構成され、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を取り消したと判断するように構成される、
請求項14に記載の記憶素子。
【請求項16】
前記第1の媒体ダイは、前記第1の媒体ダイが前記送信を完了する前に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していないと判断された場合に、前記許可を取り消すことを前記次の媒体ダイに要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するように構成される、請求項15に記載の記憶素子。
【請求項17】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の媒体ダイが前記送信を完了する前に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請していると判断された場合に、前記送信が完了した後に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、請求項16に記載の記憶素子。
【請求項18】
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を取り消したと判断された後に、前記第3の信号線の前記レベルを使用することによって、前記前の媒体ダイが許可を要請しており、かつ前記第1の媒体ダイが送信を実行していないと判断された場合に、前記次の媒体ダイに許可を要請するために、前記第1の信号線の前記レベルを制御するように構成され、
前記第1の媒体ダイはさらに、前記第1の信号線の前記レベルを使用することによって、前記次の媒体ダイが前記許可を与えたと判断された場合に、前記前の媒体ダイを許可するために、前記第3の信号線の前記レベルを制御するように構成される、
請求項15から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項19】
前記バスは、1のデータバスと2のデータバスとを備え、
前記第1の媒体ダイは、前記第1のデータバスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するように構成され、前記第2のデータバスは、書き込まれる必要があるデータを前記少なくとも2つの媒体ダイへ送信するために前記コントローラによって使用される、
請求項12から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項20】
それぞれの信号線のレベルは一定レベルであり、前記データ送信命令は、準備を行うことを前記第1の媒体ダイに命令し、
前記第1の媒体ダイは、第1の信号線が前記一定レベルであり、かつ第3の信号線も前記一定レベルであることが検出されたときに、前記データ送信命令に従って前記準備を完了し、前記第1の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの次の媒体ダイとの間にあり、前記第3の信号線が、前記第1の媒体ダイと前記第1の媒体ダイの前の媒体ダイとの間にある、ように構成され、
前記第1の媒体ダイは、前記コントローラの制御下で前記バスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信するように構成される、
請求項11に記載の記憶素子。
【請求項21】
前記バスは、1のデータバスと2のデータバスとを備え、
前記第1の媒体ダイは、ターゲットデータバスを通じて前記コントローラへ前記データと前記データに対応する前記データ識別子とを送信し、前記ターゲットデータバスが、前記第1のデータバスまたは前記第2のデータバスであり、さらに、書き込まれる必要があるデータを前記少なくとも2つの媒体ダイへ送信するために前記コントローラによって使用される、ように構成される、
請求項20に記載の記憶素子。
【請求項22】
前記少なくとも2つの媒体ダイのうちの前記媒体ダイは、レクタとジスタとを備え、
前記セレクタは、前記信号線の前記レベルが定レベルであることに応じて、前記セレクタの1の端部を選択済みであり、前記第1の端部は、前記レジスタに関連付けられた前記信号線のレベルを前記一定レベルに構成するためのものであり、
前記セレクタは、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがデータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、前記セレクタの2の端部を選択済みであり、前記第2の端部は、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルが前記データ送信状況に基づいて制御されることを指示する、
請求項11から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項23】
前記信号線は、請信号線とィードバック信号線とを備え、前記信号線の前記レベルが定レベルであることに応じて、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項11から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項24】
前記信号線は、請信号線とィードバック信号線とを備え、前記信号線で接続された前記2つの媒体ダイによって前記信号線の前記レベルがータ送信状況に基づいて制御されていることに応じて、前記要請信号線のレベルは、第1のレベルまたは第3のレベルであり、前記第1のレベルは、許可が要請されないことを意味し、前記第3のレベルは、許可が要請されることを意味し、前記フィードバック信号線のレベルは、第2のレベルまたは第4のレベルであり、前記第2のレベルは、許可が与えられることを意味し、前記第4のレベルは、許可が与えられないことを意味し、前記許可は、前記バスを通じてデータ送信を実行することが許されることを意味する、請求項11から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【請求項25】
前記記憶媒体はテートマシンを備え、前記ステートマシンは、前記第1の媒体ダイの状況を記録するように構成され、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが備を完了する前と、前記第1の媒体ダイが前記データと前記データ識別子の送信を完了した後に、アイドル状態であり、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記準備を完了した後に、準備完了状態であり、
前記第1の媒体ダイの前記状況は、前記第1の媒体ダイが前記コントローラへ前記データと前記データ識別子を送信するときに、データ送信状態であり、
前記第1の媒体ダイが前記第1の媒体ダイの前記前の媒体ダイを許可した後に、前記第1の媒体ダイの前記状況は、別の媒体ダイのデータ送信状態であり、前記別の媒体ダイの前記データ送信状態は、前記第1の媒体ダイが後続する前記別の媒体ダイがデータ送信を実行していることを意味する、
請求項11から17のいずれか一項に記載の記憶素子。
【国際調査報告】