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特表2024-546746生体サンプルの自動式調製のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】生体サンプルの自動式調製のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/26 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
C12M1/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534384
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 US2022051973
(87)【国際公開番号】W WO2023107461
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/287,159
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513165469
【氏名又は名称】ビーディー キエストラ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,トン
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA09
4B029BB01
4B029CC01
4B029GA08
4B029GB02
4B029GB05
4B029HA02
4B029HA05
4B029HA09
(57)【要約】
検査及び分析用の生体サンプルを様々なレセプタクルに接種するための自動式プラットフォーム。ラボオートメーションシステムは、後続の分析のための培地の接種を自動化するために使用される複数のモジュールを含む。この点において、ラボオートメーションシステムは、検体/指示情報を入力しペトリ皿の在庫を格納するためのモジュールを有する。別のモジュールは、レセプタクルをサンプルと関連付ける固有の識別子でサンプルレセプタクルをラベル付けするために使用される。更に別のモジュールは、サンプルを取り出してレセプタクルに接種するためのロボットを含む。サンプル接種モジュールは、複数のスライドを受け取り、これらスライドに接種し、分析のためにスライドを更に処理する装置も含む。サンプル接種アセンブリは、処理を迅速化するためにスライドが接種モジュールから出てオペレータに送り出されることを可能にするモジュールを含み、そのモジュールは、スライドをスライドに接種される予定のサンプルと関連付けるために機械可読コードをスライドに施すためのプリンタも含む。最後に、ラボオートメーションシステムは、サンプルで培養培地に画線するモジュールを含む。従って、本開示の自動式ラボシステムは、ラボオペレータによる入力を最小限にしつつ確実なサンプルを提供する。
【選択図】図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析用の生体サンプルを調製する自動式システムであって、
サンプルが接種される予定のスライドか、又は、サンプルが接種されたスライドを受け取るスライド処理モジュールを備え、該モジュールは、
スライドストレージカセットと、
スライドを前記スライドストレージカセットに入れ、かつ、前記スライドストレージカセットから取り出す自動式アーム機構と、
スライドを前記自動式アーム機構から取り出すか、又は、前記自動式アーム機構に提供するスライド移送アセンブリと、
スライドを前記スライド移送アセンブリから受け取り、かつ、アセンブリに搬送するスライドプリンタ移送アセンブリであって、前記アセンブリは機械可読コードをスライド上に配置する、前記スライドプリンタ移送アセンブリと、
前記自動式システムからスライドを搬出する搬出アセンブリであって、前記自動式システムからスライドを送り出すためにエアクッションが生成される、前記搬出アセンブリと、
を備える、自動式システム。
【請求項2】
前記スライド移送アセンブリはスライド移送ヘッドを備え、前記スライド移送アセンブリは前記スライド移送ヘッドを第1の位置から第2の位置に動かす、請求項1に記載の自動式システム。
【請求項3】
前記第1の位置において、前記スライド移送ヘッドは、スライドを前記自動式アーム機構に移送するか又は前記自動式アーム機構から取り出すために、前記自動式アーム機構と位置合わせされる、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項4】
前記スライドプリンタ移送アセンブリはスライドキャリアを備え、前記第2の位置において、前記スライド移送ヘッドは前記スライドキャリアと位置合わせされ、そうすることで、スライドがそれらの間で移送される、請求項2又は請求項3に記載の自動式システム。
【請求項5】
前記スライド移送ヘッドは、陰圧供給源に連結されており、スライドは、前記第1の位置から前記第2の位置への移動又は前記第2の位置から前記第1の位置への移動のために、陰圧の力によって前記スライド移送ヘッドに固定される、請求項2~請求項4のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項6】
前記スライド移送ヘッドが、前記自動式アーム機構と前記スライドプリンタ移送アセンブリとのうちの一方からスライドを受け取るときに、前記陰圧はオンである、請求項4又は請求項5に記載の自動式システム。
【請求項7】
前記スライド移送ヘッドがスライドを前記スライド移送アセンブリから解放して前記スライドプリンタ移送アセンブリに移送するときに、前記陰圧はオフである、請求項4~請求項6のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項8】
前記スライド移送ヘッドは、スライドが前記スライド移送ヘッドによって保持されるときにスライドを位置決めするための少なくとも1つの位置合わせ構造を備える、請求項2~請求項7のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項9】
前記スライド移送ヘッドは、前記スライド移送ヘッドが前記第1の位置及び前記第2の位置のうちの一方から前記第1の位置及び前記第2の位置のうちの他方に動かされることを可能にするガイドレールに取り付けられている、請求項2~請求項8のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項10】
前記スライド移送アセンブリは、前記スライド移送ヘッドが前記第2の位置にあるときにそのことを検出するセンサを更に備える、請求項2~請求項9のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項11】
前記スライドキャリアは、スライドが前記スライド移送ヘッドによって保持されるときにスライドを位置決めするための少なくとも1つの位置合わせ構造を備える、請求項4に記載の自動式システム。
【請求項12】
前記スライドキャリアは、少なくとも第1の鉛直位置及び第2の鉛直位置を有する、請求項11に記載の自動式システム。
【請求項13】
前記スライドキャリアは、少なくとも第1の横方向位置、第2の横方向位置、及び第3の横方向位置を有する、請求項12に記載の自動式システム。
【請求項14】
前記第1の鉛直位置は、前記第2の鉛直位置に対して上方にある、請求項12又は請求項13に記載の自動式システム。
【請求項15】
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第2の鉛直位置にあるときに、前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置と前記第3の横方向位置との間で動かされる、請求項14に記載の自動式システム。
【請求項16】
前記スライドキャリアは、前記第1の横方向位置にあるときにのみ前記第1の鉛直位置にある、請求項14又は請求項15に記載の自動式システム。
【請求項17】
前記スライドプリンタアセンブリは、鉛直レール及び水平レールを備え、前記スライドキャリアは、前記鉛直レールに沿って前記第1の鉛直位置と前記第2の鉛直位置との間で動かされる、請求項13~請求項16のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項18】
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置と前記第3の横方向位置との間で動かされるときに、前記水平レールに沿って動かされる、請求項17に記載の自動式システム。
【請求項19】
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第2の位置にあるときにプリンタに隣接する、請求項13に記載の自動式システム。
【請求項20】
前記スライドキャリアは、前記第3の位置にあるときに前記搬出アセンブリに隣接する、請求項19に記載の自動式システム。
【請求項21】
前記スライドキャリアを横方向に動かすための送りねじを更に備え、前記スライドキャリアは、前記送りねじによって前記水平レールに沿って動かされる、請求項17又は請求項18に記載の自動式システム。
【請求項22】
前記搬出アセンブリは、空気供給源に連結された少なくとも2つのレールを備え、前記少なくとも2つのレールは複数の開口を有し、前記空気供給源からの空気が前記複数の開口を通って流れることで前記エアクッションが生成される、請求項4~請求項21のいずれか1つに記載の自動式システム。
【請求項23】
前記少なくとも2つのレールは前記搬出アセンブリの窓から移送位置まで延び、前記移送位置において、前記エアクッションは、スライドを、前記スライドキャリアから、かつ、前記少なくとも2つのレール上に浮揚させる、請求項22に記載の自動式システム。
【請求項24】
自動式装置においてスライドに接種する方法であって、
カートリッジアセンブリに複数のスライドを格納すること、
自動的に複数のスライドを前記カートリッジアセンブリに入れ、かつ、複数のスライドを前記カートリッジアセンブリから取り出すこと、
前記カートリッジアセンブリから1つのスライドを取り出すこと、
この取り出されたスライドを、機械可読コードをスライド上に配置するように構成されたプリンタに移送すること、及び、
前記プリンタが配置されているハウジングからスライドを搬出する搬出アセンブリと、前記カートリッジアセンブリと、のうちの一方に、スライドを送り出すこと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2021年12月8日に米国特許商標庁に出願された米国特許仮出願第63/287,159号の優先権及び利益を主張するものであり、その文献を本出願に引用して援用する。
【0002】
本明細書には、自動式ラボにおける生体サンプルの自動式調製のためのシステム、装置、及び方法が記載されている。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ、ネットワーキング、及びロボット技術の進歩によって、多様なワークフロープロセスの合理化にはオートメーションが有用なツールになっている。具体的には、検査室(ラボラトリ)の設定におけるオートメーションの使用が、検査室で分析用の検体を調製するプロセスを合理化するために採用されてきた。生体サンプル(例えば、患者サンプル、環境サンプルなど)を分析するための検査室環境において、以前に手動だったプロセスを自動化することは、人件費を有意に削減し、量を有意に増大させ、サンプルを分析し結果を報告するためにかかる時間を有意に短縮する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、自動式設備を使用しても、生体サンプルがアッセイ及び検査(テスト)のために調製される手法が多岐にわたるため、ほとんどのラボオートメーションシステムは依然として、従業員が、自動式検査のためにサンプルを手動で調製し、そのサンプルを検査プラットフォーム間で(すなわち、サンプル調製モジュールからアッセイモジュールに)移送することを必要とする。単一のアッセイのために様々な又は多数の従業員を必要とするラボ環境は、手動によるサンプルの取り扱い及び処理に遅れが生じるため、最大の効率を実現しない。それらの遅れは、患者の診断及び治療に無駄な遅れを引き起こす恐れがある。更に、オペレータが疲れているか、注意散漫であるか、又はそうではなく集中していないときには、オペレータのエラー(例えば、ヒューマンエラー)が起きる場合があり、処理エラーを招く可能性があり、そのため、診断が不正確になり、診断が遅れ、サンプルが紛失されるか、又は台無しになる恐れがある。このようなエラーは、場合によっては、患者に悪影響を及ぼし、リソースを無駄にする可能性がある。
【0005】
従って、当技術分野において、少数のラボオペレータによる最小限の介入で一日中、安全に、確実に、及びばらつきなくペトリ皿(petri dish)、ブロスチューブ(broth tube)、及びスライド(slide:スライドガラス)に配置された画線培養(streaked culture)など、様々な形式で多様な生体サンプルを調製できるラボオートメーションシステムの必要がある。
【0006】
自動式サンプルを調製するための市販のシステムの一例には、BD Kiestra(商標)InoqulA(商標)という自動式サンプル調製プラットフォームがある。BD Kiestra(商標)InoqulA(商標)は、分析用の生体サンプル調製に関する一定の処理を自動化するシステムである。サンプル処理のための自動式システムが、Berntsen, M.らに付与された「System and Method for the Automated Preparation of Biological Samples」という名称の米国特許第11,106,007号に記載されており、その文献を本出願に引用して援用する。しかし、自動式システムは時間と共に、動的な処理優先順位に合わせて調節するために、その動作に柔軟性が必要である。従って、生体サンプル調製のための自動式プラットフォームの改良が引き続き求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載するシステム、装置、及び方法は、単一のサンプルから様々な形式で検査するための複数の生体サンプルを調製できる自動式プラットフォームの提供に関する、上記の課題に対処する。詳細には、同じサンプルを使用して、下流での処理(例えば、インキュベーション(培養))、検出(すなわち、撮像)、及び分析のための1つ又は2つ以上のレセプタクルに接種(inoculate)する。レセプタクルとは、本明細書で用いるように、手動接種、自動接種、又はその両方によってサンプルを受け取ることができる容器又は他の構造である。サンプルを受け取ることができるレセプタクル又は容器は、典型的には、サンプル中の目標微生物の存在又は不在に関するサンプルのアッセイを容易にする(支援する)、栄養素などの成分を有する基板(substrate:基質)又は培地を収容する。ただし、培地も基板も有しないレセプタクル又は容器も企図される。プレートは、全体を通して区別なくプレート又はペトリ皿と呼ばれる。他の例示的な容器又はレセプタクルには、限定されるものではないが、チューブ、スライドなどが含まれる。本明細書には、プレート、例えば、プレーティング培地(plated media:平板培地)を収容するペトリ皿、ブロスチューブ、ならびに検査及び分析用の生体サンプルを有するスライドに接種できる、自動式プラットフォームが記載されている。この点において、本明細書に記載する生体サンプル調製のための自動式プラットフォームは、より少ないラボ従業員で管理できる、ばらつきなく確実な自動式サンプル調製を提供する。
【0008】
本明細書に記載するラボオートメーションシステムは、後続の分析のための、複数のペトリ皿の培地への接種、複数のブロスチューブへの接種、及び複数のスライドへの接種を自動化するために使用される、複数のモジュールを含む。ラボオートメーションは、対象の生体サンプルに行われる予定の1つ又は複数の検査又はアッセイに関する「指示(order)」を受け取る。この指示は、システムによって処理され、システムは、この指示を満たすためにサンプルが接種される予定のサンプルレセプタクル(例えば、ペトリ皿、ブロスチューブ、スライドなど)を待ち行列に入れる。この点において、固有の識別子(例えば、バーコード)が、サンプル及びサンプルが接種される予定のすべてのレセプタクルと関連付けられる。
【0009】
この点において、ラボオートメーションシステムは、検体/指示情報を入力しペトリ皿の在庫(inventory)を格納するためのモジュールを1つ有する。ペトリ皿は培養培地を保持し、その培養培地は、培地で増殖するタイプの微生物を含有するサンプルが培地に接種される場合に、培地での微生物の増殖を補助する栄養素を含有する。様々な培養培地があり、それぞれが、微生物の増殖を促すか又は一定のタイプの微生物のために選択される様々な栄養素及び他の添加物(例えば、ビタミン、インジケータ、塩化ナトリウム、及び、所望のコンシステンシーを培地に提供する他の成分、及び、当業者に周知の他の添加物。本明細書に記載するシステム、装置、及び方法は、いずれか1つのタイプ又は組成の増殖培地と共に使用することに限定されない)を有する。ペトリ皿の在庫は、典型的には、ペトリ皿の選択を提供し、その選択には、あるタイプの培養培地を担持するそれらのペトリ皿の一部分、第2のタイプの培地を担持する別の部分などがある。すなわち、ペトリ皿の在庫は、培養培地の選択を提供し、必要とされるサンプルアッセイを最良に補助する培養培地が選択される。いくつかの指示は、各ペトリ皿に異なるタイプの培養培地が配置される2つ以上のペトリ皿によって実現される。
【0010】
別のモジュールにラベリングモジュールがあり、ラベリングモジュールは、複数のレセプタクルをサンプルと関連付ける固有の識別子で、複数のサンプルレセプタクルをラベル付けする。ラベリングモジュールは、接種後のペトリ皿用のストレージを提供するストレージモジュールと組み合わせられる。代替の実施形態において、ラベリングモジュールは、エラープレート(例えば、正しくラベル付けできなかった又は適切に接種できなかったプレート)を格納することもできる。
【0011】
更に別のモジュールにサンプル接種モジュールがある。このモジュールでは、サンプル指示に従ったサンプル処理のために要求される、サンプル容器からのサンプルの取り出し(抜き出し)、及び複数のレセプタクル(例えば、複数のプレート、複数のブロスチューブ、複数のスライドなど)への接種を行うロボットがある。接種モジュールにおけるロボットは、1つ又は複数のタイプのレセプタクルを取り扱い、ロボットピペッタを使用してその中にサンプルを入れるように自動化されている。粘性又は非液体のサンプルを使用する接種の場合は、ループ(loop)、スワブ(swab)などのサンプル移送用の道具を使用してある容器から別の容器にサンプル移送できる従来のロボット装置を使用することが可能ではない。以下でより詳細に論じるように、後からサンプルがその上に画線される培地(すなわち、培養培地)の接種の間は、画線モジュールにおけるサンプルによる培養培地の後続の画線のために、レセプタクルには磁気ビーズ(magnetic bead)も配置(載置)される。
【0012】
サンプル接種モジュールは、複数のスライドを受け取り、それらスライドに自動式手法で接種し、分析のためにそれらスライドを更に処理する装置を含む。一実施形態において、スライド調製モジュールは、複数のスロットを有するカートリッジとして構成されており、各スロットはスライドを受け取るように適合されている。スライドカートリッジは、後続の処理のために、接種されたスライドを加熱し、それを乾燥させるように適合された、加熱要素及び熱循環要素を備える。一態様では、サンプル接種モジュールは、プリンタモジュール及び優先スライドモジュールを含む。プリンタは、接種モジュールにロードされる(入れられる)複数のスライド上に機械可読コードを提供する。優先スライドモジュールは、促進処理のためにオペレータがモジュールから優先スライドを取り出すための機構を提供する。
【0013】
接種モジュールは、接種が完全に自動化された第1の部分を含むことができる。その部分において、液体サンプルが、上記で説明したようにレセプタクル(例えば、培地皿、ブロスチューブ、又はスライド)にピペットで移される。接種モジュールの半自動又は手動の第2の部分は、ピペッタを使用して簡単に移送されないサンプル(例えば、固体又は非液体のサンプル)又は自動式プロセスを介して移送されないサンプルのために設けられる。接種モジュールのその第2の部分において、培地は、オペレータが手動のピペッタ、ループ、及び/もしくはスワブを使用することによって、又はサンプルを接種するためにスワブもしくはループなどの道具の使用を制御できるロボット機器によって、手動で接種される。レセプタクル、例えば、プレーティング培地への接種が自動であっても半自動であっても手動であっても、下流の画線モジュールは、プレーティング培地にサンプルを画線するために接種されたプレートを受け取る。付加的に、手動で接種されるプレートが培養培地に画線されることになる実施形態においては、自動画線用の磁気ビーズがラボオペレータによって培養培地上に配置(載置)される。
【0014】
プレーティング培地の画線は、接種された培養培地に配置された磁気ビーズを使用して実現される。磁気ビーズの動きは、ビーズが所定のパターンで動くようにする磁石に応答し、そうすることで、所定の培地におけるサンプルを培養培地に画線する。磁気ビーズを使用した培養培地への自動式サンプル画線は、共通して所有される米国特許出願第12/740,746号(米国特許出願公開第2010/0330654号)に記載されており、その文献を本出願に引用して援用する。
【0015】
更なる利点が、本明細書に記載するシステム及び方法の様々な態様によって実現され、以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】自動式ラボに組み込まれることになる自動式接種システムの斜視図である。
図2A図1のシステムの接種モジュールの分解斜視図である。
図2B図1のシステムの接種モジュールの分解斜視図である。
図2C図1のシステムの接種モジュールの分解斜視図である。
図3A】接種モジュールのピペット領域の斜視図を示す。
図3B】接種モジュールのピペット領域の斜視図を示す。
図4A】スライド調製アセンブリを示す。
図4B】スライド調製アセンブリを示す。
図4C】スライド調製アセンブリを示す。
図5】サンプル画線モジュールの斜視図である。
図6A】画線モジュールの正面斜視図を示す。
図6B】画線モジュールの背面斜視図を示す。
図7】画線モジュールの蓋マニピュレータを示す。
図8】自動式ラボに組み込まれることになる自動式接種システムの斜視図である。
図9A】スライド調製アセンブリを示す。
図9B】スライド調製アセンブリを示す。
図10A図9A図9Bのスライド調製アセンブリを使用して優先スライドを取り出して送り出すためのプロセスを示す。
図10B図9A図9Bのスライド調製アセンブリを使用して優先スライドを取り出して送り出すためのプロセスを示す。
図10C図9A図9Bのスライド調製アセンブリを使用して優先スライドを取り出して送り出すためのプロセスを示す。
図10D図9A図9Bのスライド調製アセンブリを使用して優先スライドを取り出して送り出すためのプロセスを示す。
図11A】ロボットの斜視図を示す。
図11B】ロボットの斜視図を示す。
図11C】ロボットの斜視図を示す。
図12A】ロボットの斜視図を示す。
図12B】ロボットの斜視図を示す。
図12C】ロボットの斜視図を示す。
図12D】ロボットの斜視図を示す。
図13A】スライドプリンタアセンブリの斜視図を示す。
図13B】スライドプリンタアセンブリの斜視図を示す。
図14】スライドアンロードアセンブリ上にスライドを配置するロボットの斜視図である。
図15A】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
図15B】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
図15C】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
図15D】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
図15E】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
図15F】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
図15G】スライドアンロードアセンブリの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施形態が図面を参照しながら詳細に記載されており、図面では、同様の参照番号は同様又は同一の要素を識別する。開示されている実施形態は、様々な形態で実施できる本開示の単なる例に過ぎないことを理解されたい。不要な詳細で本開示を不明瞭にすることを避けるために、周知の機能又は構造は詳細には説明しない。従って、本明細書で論じられる特定の構造上及び機能上の詳細は、限定と解釈するべきではなく、単に特許請求のための根拠として、及び実質的に任意の適切な細部構造で本開示を様々に採用するように当業者に教示するための典型的な根拠として解釈するべきである。
【0018】
図1は、本明細書に記載するシステム及び装置の一実施形態による、自動式接種システム1を示す。自動式接種システム1は、4つのモジュール、すなわち、指示及び在庫モジュール1000、ラベリング及び調製サンプルストレージモジュール2000、接種モジュール3000、及び画線モジュール4000を含む。好ましい実施形態は4つの別々のモジュールを示すが、モジュールのいずれかを個別に使用してよく、他のモジュールの機能に大きな影響を及ぼさずかつその機能を妨げずに、個々のモジュールを取り除くことができることを当業者は認識するであろう。
【0019】
指示及び在庫モジュール1000は、ディスプレイ1100、ペトリ皿として示されているサンプルレセプタクルを格納するための4つのストレージラック1200A、1200B、1200C、及び1200Dを含む。ストレージラックは、血液寒天培地、チョコレート寒天培地、マッコンキー寒天培地などの様々な培地を担持するペトリ皿の在庫を提供する。培地は、モノプレート(プレート全体で同じ目標物の増殖を補助する1つの連続的な培地)、バイプレート(2つのセクターがあり、それぞれが、異なる目標物の増殖を補助する異なる培地を有する)、トリプレート(3つのセクターがあり、それぞれが、異なる目標物の増殖を補助する異なる培地を有する)、又はクワッドプレート(4つのセクターがあり、それぞれが、異なる目標物の増殖を補助する異なる培地を有する)として構成することができる。指示モジュール(オーダーリングモジュール)1000は、検体ラベルを読み取るためにバーコードリーダ又はRFIDリーダなどのスキャナと通信する。このようなスキャナは、従来のものであり、図示されていない。代替の実施形態において、情報は、スキャニングの代わりに、オペレータによって手動で入力される。
【0020】
システムによって受け取られた検体のラベルが以下で論じるようにスキャナによって読み取られると、検体に関する情報がディスプレイ1100上に表示される。次いで、ラボオペレータは、培地のタイプと、画線と、検体を調製及び検査するための他の関連情報とを、手動で入力することができる。代替的に、検体上のラベルは、指示された培地のタイプと、画線と、指示又はオペレータによって指定された1つ又は複数のサンプルレセプタクルの接種に関する他の情報とを明示することができる。従って、代替の実施形態において、ラボオペレータは、接種を開始するために、検体をスキャンするだけでよい。
【0021】
培地のタイプが指示モジュール1000に入力された後、適切な培地が複数のストレージラック1200のうちの1つから(手動で又は自動で)取り出される。コンベヤシステム1230(一部が図1のラック2200の下に位置する)は、選択された培地をストレージラックから、サンプルコードと関連するコードでストレージレセプタクルをラベル付けするためのストレージモジュールに運ぶ。ストレージラック1200A~1200Dは、任意の所望の数のペトリ皿を保持することができ、そのように格納されるペトリ皿の数は設計の選択の問題である。容量は、ラックのサイズに加えて、そのように格納されたペトリ皿のサイズに応じて変わる。ストレージラックは、プレーティング培地のライブラリを格納すること及び整理することの両方のために使用できる。一実施形態において、複数のストレージラックの各セットは、典型的には、特定のタイプの培地を担持する複数の皿を収容することができる。例えば、ストレージスタック1200Aは、血液寒天培地を用いて調製された複数の皿だけを保持することができ、ストレージスタック1200Bは、チョコレート寒天培地を用いて調製された複数の皿を収容することができる。
【0022】
代替的に、ストレージラック1200A~1200Dはそれぞれ、複数の皿を格納するための段を3つ収容することができる。各ストレージラック1200の3つの段はそれぞれ、異なる培地を担持する複数のペトリ皿を収容することができる。例えば、ストレージスタック1200Aの第1の段は、マッコンキー寒天培地を担持する複数のペトリ皿を収容でき、ストレージスタック1200Aの第2の段は、血液寒天培地を担持する複数のペトリ皿を収容でき、ストレージスタック1200Aの第3の段は、チョコレート寒天培地を担持する複数のペトリ皿を収容できる。指示モジュール1000は、様々な培地のタイプが格納される箇所の管理(把握)をする。
【0023】
この点において、プレーティング培地の場合は、オペレータが様々な培地を有する複数のプレート又は皿を調製することによって開始する。ブロスチューブの場合は、ラボオペレータは、接種用の様々なブロス(例えば、チオグリコール酸ブロス、ラウリルトリプトースブロスなど)を有するブロスチューブを調製することもできる。典型的には、調製されたブロスチューブは、以下で更に詳細に論じるように、サンプルが接種される接種モジュール3000中に配置される。
【0024】
プレート又は皿に入った培地が凝固すると、オペレータは、皿をストレージラック1200A~1200Dにロードする(入れる)。ブロスチューブの場合、チューブは、ラックに入った状態で接種モジュールに送り出されるか、又はそのモジュール内に配置されたラック内に配置される。次いで、オペレータは、ディスプレイ1100を介してそれぞれのストレージラック中での様々な培地の箇所を記録する。代替的に、オペレータ又は製造者は、皿又はチューブがどのタイプの培地を収容しているかを示す、ラベル、バーコード、又はRFIDタグを皿又はブロスチューブに設置できる。従って、代替の実施形態において、指示モジュール1000は、皿又はチューブから直接的に培地のタイプを読み取ることができる。
【0025】
ペトリ皿の一定の培地上にサンプルが接種されるときに、ストレージラック1200A~1200Dは、それぞれの培地を担持する1つの皿をコンベヤシステム1230に入れる(置く)。この点において、ラック1200A~1200Dはそれぞれ、1つのペトリ皿をコンベヤに放出する一方向ゲートを有する。
【0026】
コンベヤシステム1230は、ペトリ皿を指示モジュール1000からラベリング及びストレージモジュール2000に運ぶ。ラベリング及びストレージモジュール2000は、ストレージラック2200A及び2200B及びラベリングデバイス2100を含む。
【0027】
ストレージラック2200A及び2200Bは、ストレージラック1200A~1200Dと構造的に同様である。ストレージラック2200A及び2200Bとストレージラック1200A~1200Dとの間の主な違いは、一方向ゲートの向きである。この点において、ストレージラック2200A及び2200Bは、ペトリ皿にサンプルが接種され、画線された後で、ペトリ皿を回収及び整理するために使用される。
【0028】
本実施形態によれば、ラベリング及びストレージモジュール2000のコンベヤシステム1230は、典型的には、2つのトラックを有する。第1のトラックは、典型的には、皿を指示モジュール1000からラベリングデバイス2100を介して接種モジュール3000に搬送する。第2のトラックは、培地がサンプルで画線された後に、画線モジュール4000から皿を受け取る。代替的に、コンベヤシステム1230が単一のトラックを有してよく、その単一のトラックは、皿を指示モジュール1000から接種モジュール3000に搬送することと、画線された皿を画線モジュール4000から受け取ることとの両方のために働くことを、当業者は理解するであろう。
【0029】
図1の実施形態には2つのストレージラック2200A及び2200Bだけが示されているが、ラベリング及びストレージモジュール2000の好ましい実施形態は、典型的には、4つのストレージラックを有する。しかし、当業者は、任意の数のストレージラックを使用して、接種及び画線された後にペトリ皿を回収及び整理できることを認識するであろう。代替的に、ラベリング及びストレージモジュール2000は、いずれのストレージラックも有しなくてよく、皿は、サンプルの診断検査を容易にする(支援する)ために、コンベヤシステムに沿って下流の箇所(当該箇所は更なる機器又はモジュールでよい)まで送られてよい。このような機器の一例には、共通して所有される「System and Method for Incubation and Reading of Biological Cultures」という名称の米国特許出願第14/687,400号に記載されているような、インテリジェントインキュベータ及び画像取り込みシステムがあり、その文献の開示を引用して援用する。
【0030】
動作の際に、上記で論じたバーコードリーダ又はRFIDリーダと同様の、ワイヤレス(無線)又はワイヤード(有線)のリーダ(図示せず)がストレージラック2200A及び2200Bのそれぞれの下方にある。光学式文字認識又はオブジェクト文字認識(OCR)など、ラベル及びサンプルコードを読み取るための他の従来の機構も企図される。接種及び画線されたペトリ皿がリーダによってログ記録されると、そのペトリ皿はラック2200A又は2200Bのうちの一方にロードされる(入れられる)。この点において、コンベヤシステムは、皿を持ち上げてそのそれぞれのラックに入れる機構を含む。上記で言及したように、ラック2200A及び2200Bは一方向ゲートを含み、一方向ゲートは、皿をラックに渡すことを可能にし、かつ、皿が下方のコンベヤシステムに落下することを防ぐ。好ましい実施形態において、ストレージラック2200A及び2200Bは、使用されるペトリ皿の高さに基づいて、接種及び画線された複数のペトリ皿を保持することができる。ラックのサイズ及びラックが保持するペトリ皿の数は、概して、設計の選択の問題である。
【0031】
本実施形態によれば、ラベリング及びストレージモジュール2000のラベリングデバイス2100は、ラベル、バーコード、RFIDタグ、又はそれらの任意の組み合わせを、指示モジュール1000から受け取った皿に取り付ける。この点において、ラベリングデバイス2100は、蓋マニピュレータと、プリンタと、ラベルを皿に貼付する機構とを含む。代替的に、ラベリングデバイス2100は、ペトリ皿に位置するスマートチップに情報を書き込むRFIDライタとすることができる。
【0032】
一実施形態において、ラベリングデバイス2100は、指示モジュール1000からペトリ皿を受け取る。蓋マニピュレータは、有利には、プリンタがラベルを印刷して当てる間に蓋を傾ける。次いで、ラベルは、機構を使用してペトリ皿に貼付される。この点において、蓋を傾けることは、蓋を完全に取り外すこととは対照的に、サンプル及び/又はラベリングデバイスの夾雑の可能性を低下させる。
【0033】
本実施形態において、ラベルは、サンプル、皿の培地、及び画線パターンにペトリ皿をリンクさせる情報を含むことができる。付加的に、ラベルは、有利には、調製されたサンプルの後続の処理に関する情報を含むことができる。例えば、ラベルは、雰囲気の条件、インキュベーションの開始時刻及び終了時刻、撮像間隔など、インキュベーションに関する時間及び条件を含むことができる。ラベルに関する追加的な情報は、本明細書に記載する実施形態から当業者には容易に明らかになる。
【0034】
ペトリ皿は、ラベリング及びストレージモジュール2000によってラベル付けされた後に、コンベヤシステム2300のトラックを介して動かされ、接種モジュール3000に搬送される。
【0035】
図1に示す接種モジュール3000は、典型的には、フード3950で覆われている。好ましい実施形態において、フード3950は、ラボオペレータが接種モジュール3000を通るペトリ皿の動きを追跡可能にする窓を含む。更に、フード3950を開放することで、ラボオペレータが、接種モジュール3000に生じる可能性のある問題のトラブルシューティングを行い、また、接種のためにサンプル及び他のタイプのレセプタクル(例えば、ブロスチューブ及びスライド)を接種モジュール内に配置することが可能になる。接種モジュールは、サンプル成分による検査室環境の汚染を防止できるフィルタ(例えば、HEPAフィルタ)も含む。この点において、サンプルの移送中に、いくつかのサンプルはエアロゾル化される可能性があり、フィルタはそれらのサンプルが環境中に逃げることを防止する。好ましい実施形態において、フィルタはフード3950に位置する。しかし、サンプルがラボ環境中に逃げることを防止するために、いくつかの箇所でフィルタを使用できることを当業者は認識するであろう。
【0036】
動作の際に、接種モジュール3000は、ペトリ皿、プレート、ブロスチューブ、及びスライドなどのレセプタクルにサンプルを接種する。本明細書に記載する実施形態はレセプタクルと容器とを区別なく言及するが、それらが多種多様のレセプタクルを含むことを当業者は理解するであろう。この点において、レセプタクル及び容器は、サンプルを受け取ることができる任意の要素を含むことができ、その任意の要素は、その要素が任意の栄養素又は添加物を含む(例えば、皿、プレート、ブロスチューブなど)か又は含まない(例えば、スライド)かに関係なく、生体サンプルの分析を可能にする。
【0037】
複数のペトリ皿に接種する間に、接種モジュール3000は、複数のペトリ皿のそれぞれに磁気ビーズも分注(ディスペンス)する。磁気ビーズは、単体の材料から構成されてもよく、複合体でもよい。この点において、接種モジュール3000は、単一のサンプル容器から、複数の異なるレセプタクル(例えば、皿、プレート、ブロスチューブ、スライドなど)への接種を行う。接種モジュール3000については、図2A及び図2Bに関して更に詳細に論じる。
【0038】
皿にサンプルを接種し、磁気ビーズを受け取った後で、接種されたペトリ皿は、典型的には、コンベヤシステムに沿って画線モジュール4000に運ばれる。画線モジュールは、画線機構4100及びディスプレイ4900を含む。
【0039】
図1に示す画線モジュール4000は、培地にサンプルを手動で接種してその後にサンプルを培地に画線する装備を含むこともできる。この点において、あるレセプタクルから別のレセプタクルにサンプルを移送できる、手動のピペッタ、ループ、スワブ、及び他の装置が有利には提供され、そうすることで、ロボットピペッタを使用して容易に移送されない固体サンプル及び/又は高粘度サンプルをラボオペレータが手動で接種することができる。サンプルを手動で接種することは、当技術分野で広く知られており、本明細書では更に詳細には論じない。皿が接種された後で、ラボオペレータは磁気ビーズを、培養された培地に配置する。次いで、上記で言及したように、手動で接種されたサンプル及び自動で接種されたサンプルは両方とも、典型的には、画線機構4100に提供される。
【0040】
画線機構4100は複数の磁石を含み、それら磁石によって、ペトリ皿に入れられた磁気ビーズが、接種された培地を指定のパターンに従ってサンプルで画線する。画線機構4100は、図5図6A図6B、及び図7に関して以下で更に詳細に論じる。
【0041】
画線モジュール4000はディスプレイ4900も含む。ディスプレイ4900は、ペトリ皿が自動式接種ステーション1を横断するときに、ペトリ皿に関する任意の問題をトラブルシューティングし追跡するためにラボオペレータによって使用される。これは、システムにペトリ皿をリジェクトさせる読み間違い又は他のエラーメッセージがある場合に、バッチに対するサンプル処理をリセットする機能も含む。このような状況では、特定のサンプルが接種されている2つ以上のレセプタクルがあるときに、リジェクトされたペトリ皿にのみやり直しが必要になる。サンプルの残りは、通常はバッチ全体がリジェクトされない限り、処理し続けることができる。本実施形態によれば、リジェクトされたペトリ皿は、オペレータがそれらを取り出すためにラック2200に運ばれる。ディスプレイ4900もインターフェースを提供し、そのインターフェースは、有利には、不適切に接種されたか又はそうではなく自動式接種プロセスを完了しなかった可能性があるペトリ皿がシステムから取り出されるように、ラボオペレータが要求することを可能にする。
【0042】
ペトリ皿が画線機構4100によって画線された後で、磁気ビーズは、ペトリ皿から取り出されて廃棄される。次いで、画線された皿は、別のコンベヤシステムに沿ってストレージラック2200Aもしくは2200Bに移動するか、又は上記で論じたようにインキュベーションシステムに直接的に運ばれる。
【0043】
図2A及び図2Bを参照すると、接種モジュール3000の内部が、異なる視点から示されている。上記で言及したように、接種モジュール3000は、ペトリ皿によって担持される培養培地に、検体及び磁気ビーズの両方を接種する。この点において、接種モジュール3000は、典型的には、リーダ3010、蓋マニピュレータ3090、磁気ビーズ分注ユニット3060、ロボットアセンブリ3030、ピペットユニット3300、及び振動モジュール3070を含む。
【0044】
図2A及び図2Bは、接種モジュール3000内に配置されたラック3020も示す。図2A及び図2Bにはラックが1つだけ示されているが、様々なサンプルサイズを有するいくつかのラックを接種モジュール3000内に配置できることを当業者は認識するであろう。ラックは、閉鎖ベッセルに格納された検体を収容し、そのベッセルは、ロボットピペッタアセンブリ3030によって自動的に開放できるキャップを有する。
【0045】
好ましい実施形態によれば、ラック3020は、ラボオペレータによって調製されたブロスチューブを保持するために使用することもできる。典型的には、ブロスチューブは、好ましくは、検体を格納するラックとは別のラックに格納される。この点において、接種されることになるブロスチューブを収容するラックは、サンプル検体を収容するラックに隣接して位置してよい。ブロスチューブの接種は、以下で更に詳細に論じる。
【0046】
本明細書に記載する実施形態は、ロボットピペッタアセンブリについて言及する。ただし、接種機器又はループもしくはスワブなどのツールを操作できる多関節ロボットなど、他のデバイスを使用して培地に接種できることを、当業者は認識するであろう。更に、ロボットアセンブリ3030は、互換性のある構成要素を含むことができ、そのため、ロボットアセンブリは、ピペットを介して移送するための適切な粘度のサンプルを移送するためのピペッタとして機能できるが、アタッチメントを交換すると、液体中に懸濁する粒子であるサンプルのためのループを取り扱うこともできる。
【0047】
使い捨てのピペットチップ(ピペット先端部)の在庫を格納するピペットユニット3300は、ピペットキャリア3040、スライド調製アセンブリ3400、及び廃棄ピペットレセプタクル3050を含む。図3A及び図3Bはピペットユニット3300を示す。スライド調製アセンブリ3400については、図4に関して以下で更に詳細に論じる。
【0048】
図3A及び図3Bを参照すると、ピペットユニット3300は、ピペットキャリア3040及びスライド調製アセンブリ3400を含む。ピペットキャリア3040は、ピペットを保持しているように示されているが、ピペットキャリア3040がループ及びスワブのためのストレージ空間を含むこともでき、そのためロボットアセンブリ3030が分注機構を変更できるか、又はそのためループ及びスワブをサンプル接種モジュールにおける半自動又は自動のサンプル移送のために使用できることを当業者は認識するであろう。図3A及び図3Bは、磁気ビーズ分注ユニット3060用のカップ3065、及び蓋マニピュレータ3090も示す。
【0049】
図2A図2B図2C図3A、及び図3Bを参照すると、皿が接種モジュール3000に入るときに、バーコードリーダ3010は、ペトリ皿上に配置されたラベルをラベラー2100によって読み取る。ラベルが読み取られた後に、読み取られたペトリ皿にリンクしたサンプルに対応するサンプルを保持するレセプタクルが、ロボットアセンブリ3030又は他のx-y座標ロボット(図示せず)によって、ラック3020から取り出され、振動モジュール3070に配置される。次いで、振動モジュール3070は、サンプルの均質性を保証するためにサンプルレセプタクルを振動(例えば、ボルテックス撹拌)させ、続いて、サンプルレセプタクルからキャップを取り外す。
【0050】
振動モジュール3070が接種用のサンプルを調製している間に、ペトリ皿は、コンベヤシステムに沿って蓋マニピュレータ3090の下の箇所まで動かされる。蓋マニピュレータ3090は、ペトリ皿から蓋を取り外し、皿を磁気ビーズ分注ユニット3060の下の箇所まで進める。蓋マニピュレータユニット3090が、吸引デバイス、つめ、もしくはクランプ機構(締め付け機構)、又はペトリ皿上の蓋をつかむ及び/又は持ち上げて再配置するための任意の他の適切な手段を有することができることを、当業者は認識するであろう。
【0051】
一方、ロボットアセンブリ3030は、清潔なピペットチップをピペットキャリア3040から取り出し、振動モジュール3070は検体を調製する。ロボットピペッタアセンブリ3030は、清潔なピペットチップを用いて、所定の量のサンプル(例えば、約1から約2μl)を、振動モジュール3070に位置する検体ストレージレセプタクルから取り出す。次いで、ロボットピペッタアセンブリ3030は、引き続き、培地上の所定の箇所にサンプルを分注することによってペトリ皿に接種する。ほぼ同じ時間に、磁気ビーズ分注ユニット3060は、ペトリ皿内の別の箇所に1つの磁気ビーズを分注する。
【0052】
サンプル及び磁気ビーズがペトリ皿の培地上に配置された後で、蓋マニピュレータ3090はペトリ皿に蓋を戻す。その後、ペトリ皿は、コンベヤ3500を介して画線モジュール4000に運ばれる。画線モジュール4000の動作については以下で論じる。
【0053】
付加的なレセプタクル(例えば、ブロスチューブ、スライドなど)は、有利には、振動モジュール3070において検体がデキャッピングされている間に接種できる。例えば、検体用のブロスチューブが指示されたときに、ロボットアセンブリ3030又は別のx-y座標ロボットは、様々なブロスで調製されたブロスチューブを収容するラックから適切なブロスチューブを取り出すことができる。ブロスチューブは、典型的には、そのキャップが取り外される保持ステーション(図示せず)に移送される。
【0054】
ロボットピペッタアセンブリ3030は、別の量のサンプル(例えば、約1から約2μl)を検体ストレージレセプタクルから取り出す。ロボットピペッタアセンブリ3030は、ブロス中にサンプルを分注することによってブロスチューブに接種する。本実施形態(例えば、いくつかのレセプタクルが同じサンプルから接種される実施形態)によれば、プレーティング培地に接種するために使用されたものと同じピペットチップを使用して、ブロスチューブに接種することができる。代替的に、ロボットピペッタアセンブリ3030は、有利には、夾雑のリスクを低下させるために清潔なピペットを入手することができる。
【0055】
ブロスチューブが接種されると、キャップはブロスチューブに戻される。次いで、典型的には、ロボットアセンブリ3030は、ラボオペレータが後で取り出すためにブロスチューブをラック3020に戻す。
【0056】
接種モジュール3000は、スライドに接種するためのスライド調製アセンブリ3400も含む。スライド調製アセンブリ3400は、自動式接種及びスライド調製を提供するように、ロボットアセンブリ及び接種モジュールの他の構成要素と協働する。
【0057】
図4A図4Cを参照すると、スライド調製アセンブリ3400が示されている。スライド調製アセンブリ3400は、スライドカートリッジ3410、スライドカートリッジホルダ3420、自動式アーム機構3430、及びリーダ3450を含む。
【0058】
スライドカートリッジ3410は、図4Aに示すように、複数のスライドを受け取り、保持することができる。一実施形態において、スライドカートリッジ3410は、最大40のスライドを受け取るためのスロット又はコンパートメント3412を含む。スライドカートリッジの容量は、単に、例えば、設計の選択の問題である。付加的に、スライドカートリッジ3410は、個々のカートリッジそれぞれの間に十分なクリアランスを有し、そのことによって、ロボット機構3430が、個々のスロット3412からスライドを持ち上げるか又はつかみ、そのスライドをスライドカートリッジ3410から取り出すか又はその中に滑り込ませることを可能にする。
【0059】
スライドカートリッジホルダ3420は、ピペットユニット3300の凹形コンパートメントによって受け取られる。スライドカートリッジホルダ3420は、有利には、スライド上の接種されたサンプルを乾燥させるための機構を有する。図示の実施形態において、その機構は、サイドヒートプレート3425、ボトムヒートプレート3414、ファン3418、及びバックエアチャネル3416である。それらヒートプレートは、約30℃と約90℃との間の温度までスライドを加熱することができる。好ましい実施形態において、ヒートプレートは、スライドカートリッジにおいてスライド上のサンプルを乾燥させるために、40℃と65℃との間までスライドを加熱する。
【0060】
いくつかの実施形態において、スライドカートリッジホルダ3420は、ロッキング機構3427も含む。ロッキング機構3427は、凹形スライドカートリッジホルダ3420内の適位置にスライドカートリッジ3410を固定するために使用される。ロッキング機構3427は、加熱機構を始動及び/又は停止する信号を送信するインジケータを含むことができる。ロッキング機構は、接種用のスライドのカートリッジが凹形コンパートメントに配置されて接種の準備ができたことをシステムに示すこともできる。
【0061】
スライド調製アセンブリ3400はアーム機構3430も含む。アーム機構3430の一例は、本体3432、スライドアーム3434、及びキャッチプレート3446を含む。この点において、アーム機構3430は、検体調製のためにスライドカートリッジ3410からスライドを取り出すために使用される。
【0062】
アーム機構3430のスライドアーム3434は、有利には、スライド3436が本体3432上に位置しているかどうかを判定するために、センサ3438(スライド3436の下に想像線で示されている)を含むことができる。本体3432は、スライドを取り出すためにアーム機構3430を鉛直(垂直)及び水平に動かすための1つ又は複数のモータを含むこともできる。本体3432は、モータ3439に取り付けられた歯車3443と噛み合うように構成されたレール3441も有する。モータ3439が歯車3443を回転させると、スライドアーム3434がカートリッジ3410に入り、また、カートリッジ3410から出る。
【0063】
スライドアーム3434は、有利には、スライドがスライドカートリッジ3410のコンパートメント3412から取り出されるときに、スライドアーム3434上でのスライド3436の位置を維持するように少なくとも1対のリベット3431を一端に含む。他の実施形態において、本体3432は、スライドをスライドアーム3434に固定するために使用される複数のヒンジ連結した把持部を有する。スライドアーム3434は、スライドカートリッジ3410のコンパートメント3412の両側に配置されたスライド補助部(スライド支持部)(図示せず)の間にフィットし、上昇及び後退されるときにコンパートメント3412からスライド3436を取り出すように構成されており、そのスライド補助部は、コンパートメント中でスライドを支持するが、スライドアーム3434がスライド3436の下でコンパートメント3412に入ることを可能にする。ただし、これは、スライドがコンパートメントから取り出され、その中に再配置されることを可能にするために導入できる、多数の異なる機構のうちの一例である。
【0064】
代替の実施形態において、リベット3431は、スライドの相補的な構造に係合することができる。更に他の代替の実施形態において、本体3432に位置するセンサ3438がスライドの存在を判定できるように、スライドアーム3434はその中に位置する孔(図示せず)を有することができる。スライドをコンパートメント中に進め、そこからスライドを取り出すために、スライドアーム3434をスライドに係合可能にする他の機構が当業者には広く知られている。
【0065】
キャッチプレート3446は、スライドアーム3434の下に配置されており、空気がモジュールを通り抜けできるように孔3448を1つ又は複数含む。キャッチプレート3446は、モジュールの動作中又は清掃中に物体がモジュールの底部に落下することを防止できる。
【0066】
スライド調製アセンブリ3400は、バーコードリーダ又はRFIDリーダなどのリーダ3450も含む。リーダ3450は、スライド上に接種されることになるサンプルに対応する、スライド上のラベルを検証(確認)するために使用される。
【0067】
好ましい実施形態において、スライド調製アセンブリ3400は、スライド検体が調製予定であるという信号を受信する。いくつかの実施形態において、その信号は、調製用スライドを担持(保持)するカートリッジ3410が接種のための凹形スライドカートリッジホルダ3420に配置されるときにロッキング機構3427がロック位置に動かされることによって生成され得る。代替の実施形態において、凹形コンパートメントは、スライドカートリッジ3410が内部に位置するときにそのことを検出するセンサ(図示せず)を有することができる。スライドカートリッジ3410が存在することを信号が検出すると、スライドが調製予定であるという信号が送信される。付加的に、検体上のラベル情報を読み取ることは、スライドが特定の検体のために指示(注文、順序付け)されたという信号を接種モジュール3000に提供することができる。
【0068】
スライド検体が調製予定であるというインジケーション(指示)を受信した後に、アーム機構3430は、所定の位置に移動して、スライドアーム3434を使用してスライドカートリッジ3410からスライドを取り出す。アーム機構3430は、選択されたコンパートメント3412とスライドアームを位置合わせするシャフト3444に連結されている。シャフト3444は、シャフトが動かされたときにカートリッジ3410に対してアーム機構を動かす、ねじ棒、スプラインなどとすることができる。シャフト3444は、プーリー3442及びドライブベルト、チェーンなどによってモータ3440に接続されている。位置合わせされると、モータ3439は、歯車3443を回転させて、リベット3431がスライド3436の端部の背後にくるまで、選択されたスライドの下方のコンパートメント3412中にスライドアーム3434を動かす。次いで、アーム機構3430は、スライド3436がスライドアーム3434に着座するまで引き上げられる。モータ3439が回転して、スライドカートリッジ3410のコンパートメント3412からスライドアーム3434及びスライド3436を後退させると、リベット3431は、スライドをスライドアーム3434上に維持するようにスライド3436に係合する。スライドアーム3434がカートリッジ3410から離れると、アーム機構3430は、スライドがリーダ3450又はピペッタアセンブリ3030の近傍にくるまで、シャフト3444によって引き上げられる。
【0069】
代替の実施形態において、スライドは、アーム機構3430によって確実に把持される。アーム機構がスライドを把持するように構成することは、特定の機構の機能であり、本明細書で詳細には記載しない。自動式物体ハンドリング分野の当業者であれば適切な把持機構を構成することができる。
【0070】
スライドがアーム機構3430に連結された状態で、リーダ3450は、典型的には、スライド上に配置されたラベルを読み取る。リーダは、バーコードスキャナ又はRFIDリーダなど、エンコードされた情報を読み取ることができるどのタイプのリーダでもよいことを、当業者は認識するであろう。
【0071】
ラベルが読み取られると、検体は、検体ラック3020から取り出され、上記で論じたように振動モジュール3070まで動かされる。振動モジュール3070は、そこから抽出されたサンプルが均質であることを保証する。ロボットピペッタ3030は、サンプルレセプタクルからキャップを取り外す。
【0072】
代替的に、上記で論じたように、検体が既に振動モジュール3070に位置する間に、スライドを取得できる。有利には、これは、ロボットアセンブリが同じサンプルを繰り返し取り出すことを防ぐ。更に、この機構は、上記で説明したように、比較的短い期間に様々なタイプのレセプタクルが単一の検体から接種されることを可能にする。
【0073】
ロボットアセンブリ3030は、ピペットキャリア3040から清潔なピペットを取り出す。ロボットピペッタアセンブリ3030は、スライド接種のための均質のサンプルのうちの所定の量のサンプル(例えば、約1から約2μl)を取り出す。ロボットピペッタアセンブリ3030は、従来の自動式ポジショニングセンサ(静電容量に基づいて距離を検出できる静電容量センサなど)を使用して、ピペットチップをスライド上に所定の距離でポジショニング(位置決め)し、所定の量のサンプルをスライド上に分注して、スライドのうちのサンプルを受け取ることが意図された領域をぬらす。ロボットピペッタアセンブリ3030は、スライドがアーム機構3430上にある間に、スライド3436の上に移動してサンプルを分注する。好ましくは、スライドは、サンプルを受け取る領域の周りに疎水性バリアを備え、そのため、表面張力によって、分注されたサンプルがスライド上の所望の箇所に維持される。ロボットピペッタアセンブリ3030は、任意選択で、スライド上に分注されたサンプルの一部分を吸い込んでスライド上にサンプルの薄い膜(フィルム)だけを残すように構成されている。
【0074】
スライドからサンプルを吸い込んだ後で、ロボットピペッタアセンブリ3030は、スライドに接種するために使用したピペットチップと一緒に、サンプルのうちの吸い込まれた部分を廃棄する。この点において、ピペットチップは、スライドの表面に触れたか又は接種モジュール3000に位置する他の夾雑物と接触した可能性がある。従って、吸い込まれた検体及びピペットチップは、検体、他の皿、又は接種モジュールの夾雑(汚染)を防ぐために廃棄される。
【0075】
一方、サンプルが接種されたスライドは、取り出し動作と同様にして、アーム機構3430によってスライドカートリッジ3410に戻され、従って、スライド上で検体を乾燥させることができる。アーム機構3430は、スライド3436を戻すときにコンパートメント3412中に延在できるポジショナー3445を更に含む。そのことはスライド3436をスライドカートリッジ3410のコンパートメント3412に確実に戻すことを助けると考えられる。
【0076】
スライドを乾燥させるためのプロセスは、ボトムヒートプレートを起動させることで始まる。ファンも起動させて、ファンが、ボトムヒートプレートから生成された高温の空気をバックエアチャネルを通して押しやる。上記で言及したように、バックエアチャネルは、カートリッジホルダ3420の片側で鉛直(垂直)に延び、高温の空気がスライドカートリッジ3410中のスライドの上を通過するように複数の孔を有する。代替の実施形態において、スライドカートリッジホルダ3420は、スライドを乾燥させるのを助けるためにサイドヒートプレート3425も有する。ボトムヒートプレートの代わりにサイドヒートプレート3425を使用できることを当業者は認識するであろう。
【0077】
すべてのスライドが乾燥された後で、スライドカートリッジ3410を接種モジュール3000から取り出すことができる。この点において、更なるサンプル調製(例えば、染色)及びサンプル検査のために、ラボオペレータが、スライドカートリッジ3410からスライドを取り出す。例えば、サンプルは、顕微鏡下で視認できるか又は他のそのような拡大鏡デバイスによって点検(検査)できるように調製される。
【0078】
図5を参照すると、サンプル画線モジュール4000が示されている。上記で論じたように、サンプル画線モジュール4000は、ディスプレイ4900及び画線機構4100を含む。サンプル画線モジュール4000は、複数の皿を搬送するために一連のコンベヤも含む。コンベヤは、広く知られており、本明細書では更に詳細には説明しない。
【0079】
付加的に、画線モジュール4000は、バーコードスキャナ又はRFIDリーダなど、1つ又は複数の読み取りデバイスを含むこともできる。代替の実施形態において、画線モジュール4000は、スライド、プレート、及びチューブをラボオペレータが手で調製するための装備を含むこともできる。この点において、ロボットピペッタアセンブリ3030は、高粘度の検体に関する制限を有する。例えば、不十分な量の高粘度の検体が皿に配置される場合がある。従って、ペトリ皿及びスライドを手動で調製する必要がある場合がある。画線モジュール4000は、皿及びスライドを手動で調製するように材料を供給することによってそのような必要を満たす。
【0080】
上記で論じたように、画線モジュール4000は、高粘度のサンプル又は懸濁した粒子を有するサンプルを接種するために、例えば、手動ピペッタ、ループ、又はスワブなどの装備を含む。付加的に、画線モジュール4000は、ラボオペレータがサンプルを手動で調製するための、様々な培養された培地を有するペトリ皿、ブロスチューブ、及びスライドを格納することもできる。ラボオペレータが適切なサンプル分注デバイスを用いてレセプタクルに接種すると、有利には、培地上へのサンプルの自動式画線を容易にする(支援・促進する)ように、培養された培地に磁気ビーズが載置される。次いで、手動で調製されたサンプルは、サンプルを自動的に画線するために画線機構4100に提供される。
【0081】
図6A及び図6Bを参照すると、画線モジュール4000の内部が示されており、ペトリ皿を操作しそこから蓋を取り外すために使用される機構が明らかである。画線機構4100は、典型的には、蓋管理ユニット4150及び表面の下方に位置する複数の磁石を含む。
【0082】
蓋管理ユニット4150は、図7に更に詳細に示されている。この点において、蓋管理ユニット4150は、典型的には、少なくとも1つの蓋マニピュレータユニット4152を有する蓋管理機構4151を含む。図7は、5つの蓋マニピュレータユニット4152A、4152B、4152C、4152D、及び4152Eを示す。蓋マニピュレータユニット4152A、4152B、4152C、4152D、及び4152Eは、有利には、複数のプレートが画線されたときに複数の磁石を取り戻すことができるように、複数の皿から複数の蓋を取り外す。次いで、ペトリ皿から取り出された磁石はレセプタクルに移され、そこから、磁石を廃棄するか又は洗って再使用することができる。画線モジュール4000の表面の下に位置する複数の磁石は、磁気ビーズに所定の画線パターンで培養培地に画線させるために使用される。このパターンは、オペレータによってプログラムできるか、又は特定のサンプルと関連付けられたサンプル命令の一部とすることができる。
【0083】
画線パターンは、ジグザグパターン、t字状の画線など、任意の公知の画線パターンでよい。画線パターンは、本明細書に記載する実施形態から当業者には容易に明らかになる。
【0084】
蓋マニピュレータユニット4152A、4152B、4152C、4152D、及び4152Eが、検体皿上の蓋を把持し、持ち上げ、再配置するための吸引デバイス、クランプ、フック、又は任意の他の適切な手段を有してよいことを当業者は認識するであろう。図示の実施形態が5つの蓋マニピュレータユニットを示しているが、必要に応じてより多くの又はより少ない蓋マニピュレータユニットを使用できることを当業者は認識するであろう。
【0085】
蓋管理ユニット4150は、蓋マニピュレータユニットのそれぞれに対応する磁石4154A、4154B、4154C、4154D、及び4154Eも含む。磁石4154A、4154B、4154C、4154D、及び4154Eは、画線パターンが完成した後に磁気ビーズを皿の外に持ち上げるように構成されている。
【0086】
動作の際に、磁石4154A、4154B、4154C、4154D、及び4154Eは、典型的には、画線パターンが完成した後に起動する。磁気ビーズは、有利には、皿から持ち上げられる。蓋マニピュレータユニット4152A、4152B、4152C、4152D、及び4152Eは蓋を皿に戻す。複数のペトリ皿はコンベヤシステム(図示せず)まで進み、そこで、インキュベータなどのサンプル処理ステーションまで運ばれるか、又は上記で説明したように複数のペトリ皿はスタッキングシステムまで運ばれ、そこで、更なる処理のためにオペレータによって回収される。複数の皿が画線モジュール4000から離れると、磁石4154A、4154B、4154C、4154D、及び4154Eは作動停止され、複数の磁気ビーズは、有利には、生物医学的廃棄物レセプタクル中に落下するか又はそうではなく入れられる。
【0087】
図8は、自動式ラボに組み込まれることになる自動式接種システムの斜視図である。左から右に説明すると、図示のシステムは、処理するための複数の培養培地プレートを受け取るためのモジュール110を有することができる。これは、図1に示す調製サンプルストレージモジュール2000の代替的な構成である。モジュール110は、複数の培養培地プレートのための大容量ストレージを提供し、図示のように、マガジンは8個のスタックを有し、そのスタック中に培養培地プレートをロード又はアンロードできる。培養培地プレートをスタックに追加しそこから取り出すためのコンベヤ及び自動式機構(すなわち、スタッカー/デスタッカー)が、例えば、2021年9月16日公開の「Automated Specimen Processing Systems and Methods」という名称のDeinum, J.らによる国際公開第2021/180836号に記載されており、その文献を本出願に引用して援用する。モジュールは、システムの要求を満たすために必要ないくつかの培養培地プレートを受け入れるように構成することができる。このような自動式スタッカー/デスタッカーのストレージ容量が大きいため、多数の培養培地プレート、すなわち、最大50、最大100、最大150、最大200、最大250、最大300、最大350、最大400、最大450、最大500、最大550、最大600、又はそれよりも多くの培養培地プレートを連続してロードすることで、システムへの培養培地プレートのリロードを必要とすることによって引き起こされる可能性がある中断を軽減することができる。大容量であるため、様々な培地タイプ(6タイプ以上、8タイプ以上、12タイプ以上など)を担持する複数の培養培地プレートをシステム中にロードでき、これもやはり中断を軽減する。システムは、複数のモノプレート及び複数のバイプレートを収容することができる。図示のように、システムは、特定のサンプルを受け取るために選択された複数の培養培地プレートに自動的にバーコードを付与するプレートバーコード付与モジュール120(ラベリングデバイス2100の一例として)を有する。培養培地プレートには、液体及び非液体のサンプルを接種できる。本明細書の他の箇所に記載したように、バーコード付与モジュールは、プレーティングされた培養皿とのサンプルのラベル関連付けを行い、次いで、これを使用して、システムを通してプレーティングされた培養皿を追跡し、いずれかの検査結果をサンプルと関連付けることができる。接種モジュール130は、上記の図1(3000)及び図2A図2Cに示すように完全に自動化されたモジュールである。接種モジュール130は、検査室の検査プロトコルに基づいた複数の培養培地プレート及び複数のブロスへの液体サンプルの接種のために完全に自動化されている。接種モジュール130の動作は、図2Aから図2Cを参照しながら上記で説明した。検査レセプタクル(すなわち、プレーティングされた培養皿、スライドなど)にサンプルを分注するために使用されるピペットは、導電性でも非導電性でもよい。導電性のピペットチップが有利である。というのも、導電性のピペットチップは、ピペットチップがサンプルに触れたときのインジケーションと、ピペットチップが、サンプルを担持する接種表面(すなわち基板)から引き戻されるときに、サンプルのストリンガーを担持するときのインジケーションとの両方を提供するからであり、サンプルのストリンガー(糸引き)は、ピペットチップがモジュール表面の上で搬送されるときにピペットチップから落下した場合に、モジュール表面を汚染させる可能性がある。
【0088】
図8において、サンプルは、複数のポート140を介してモジュール130に受け取られる。それらポートは、図2Aに示すサンプルラック3020を収容することができる。サンプルは、特定のサンプルの処理を優先できるようにしてラックに入れられ得る。
【0089】
上記で説明したように、接種モジュールは、接種モジュール3000の動作に関して更に記載したように磁気ビーズも培養培地プレートに入れる。磁気ビーズは、プレーティングされた培養皿における培養培地の表面にサンプルを画線するために使用される。基板の表面上での磁気ビーズの動きを制御するように磁石を使用した自動式サンプル画線は、手動画線と比べると、サンプル間で画線パターンの高い均一性及び多数の離散したコロニーを生み出すばらつきの少ない画線を含む利点を手動の画線よりも提供する。二次培養の必要が軽減される/なくなる。磁気ビーズ画線は蓋が培養培地プレート上にある状態で行うことができるので、蓋を外して手動画線を行うときに起きる可能性のあるエアロゾルの伝達を軽減させる状況下で、画線を行うことができる。
【0090】
サンプル画線はモジュール150/160で行われる。接種モジュールは、分析用のサンプルを受け取るプレート、ブロス、及びスライド上に接種される、固体サンプル及び液体サンプルの両方を分配することができる。このような接種モジュールによって、サンプルの処理方法の変更、固体サンプルタイプの液化など、時間を浪費するプロセスの必要が避けられる。
【0091】
上記で言及したように、システムは、スライド調製アセンブリ3400と共に動作するように構成されている。システムは、このようなアセンブリがシステムの任意選択の特性でよいように構成することができる。任意選択のスライド調製モジュールは、図8に200として示されている。スライド調製アセンブリ3400の機能に加えて、スライド調製モジュール200は、自動式スライド接種、自動式スライドバーコード付与、及び優先スライド用の専用スライド出力など、付加的な機能を有することができる。図9Aを参照すると、図4Aを参照しながら記載したスライドカートリッジ3410は、図9Aでは222として示されており、スライドカートリッジ222が受け取られるスライド調製アセンブリ3400は、図9Aでは220として示されている。スライド調製モジュールのそれらの態様は、先に図4A図4Cに関して記載しており、前述の文脈から再度の記載はしない。
【0092】
図9A及び図9Bは、スライド調製アセンブリ220の側部のパネル224を示す。パネル224はその中にアクセス窓225を有する。アクセス窓は、スライド調製アセンブリ220及びスライド搬送ロボット300の協働によって、スライド210がスライドカートリッジ222に入れられ、また、そこから取り出されることを可能にする。この点において、アクセス窓は、自動式アーム機構3430(図4B)と位置合わせされ、そうすることで、スライドは自動式アーム機構3430を使用してスライドカートリッジ222から取り出すことができ、次いで、スライド搬送ロボット300によって取り出されるように窓224と位置合わせされるように搬送できる。スライド搬送ロボット300は、自動式アーム機構3430からスライドを搬送できるか又はスライドを(スライドカートリッジ222に戻すために)自動式アーム機構3430に戻すことができる。図9Aは、アセンブリ222用のハウジングを示し、このアセンブリはスライド調製アセンブリ3400の先に説明した機能を補助する。アセンブリ200は、自動式アーム機構3430とのアセンブリ200のインターフェースであるスライド搬送ロボット300を含む。スライド搬送ロボット300は、スライドプリンタロボット400とやり取りし、スライドにコード(例えばバーコード)を印刷するプリンタにスライドを搬送し、スライド210を優先スライドモジュール600に搬送することもできる。一態様において、スライド搬送ロボット300は、陰圧(負圧・真空)を用いて移送する間に、スライド210をロボット300に固定する。アセンブリ200は、優先スライドモジュールとのオペレータインターフェースである優先スライドモジュール600を有する。優先スライドモジュール600はインターフェース616を有するカバーアセンブリ610を有し、インターフェース616を用いてオペレータがアセンブリ200と対話して制御できる。スライド210は、スライドプリンタロボット400から窓モジュール612に送り出され、窓モジュール612は、インターフェース616を固定するフレーム付き開口部(613、614、615)を有する。インターフェース及び窓はすべてサイドパネル611に配置されている。
【0093】
図9Bは、プリンタモジュール500及び優先スライドモジュール600の内部を明示する。スライド移送ロボット300は、スライド210(図示せず)を保持するスライド陰圧プレートと、スライド移送ロボット300が水平に動かされることを可能にするレール320などの移動構造とを有する。スライドプリンタ500は、スライドプリンタロボット400が、自動式アーム機構3430から取り出されたスライド210を、スライド移送ロボット300を介して、スライド上にバーコードなどの機械可読コードを配置するためのスライドプリンタ500のモジュールに動かすことができるように配置される。そこから、スライド210は、アセンブリ200からのディスペンス(搬出)のために優先スライドモジュール600まで搬送できる。代替的に、スライド移送ロボット300は、自動式アーム機構3430からスライド210を取り出すことができ、そこから、次いで、スライド210がスライドプリンタロボットに移送され、次いで、スライドプリンタモジュール500まで動かされる。次いで、機械可読コードがスライド210に印刷された後に、スライド210は、スライドプリンタロボット400及びスライド移送ロボット300を介してスライド処理モジュール220に戻される。
【0094】
スライドプリンタロボットは、モータ450によって駆動される送りねじ430を有し、送りねじ430は、スライド移送ロボット300の下方から又は優先スライドモジュール600に隣接する位置から、スライドプリンタロボット400によって担持(保持)されるスライド210にコードを印刷するスライドプリンタモジュール500の下の位置への、スライドプリンタロボット400の横方向の動きのためのガイドとして働く。スライドプリンタロボット400の横方向の動きを制御するためのガイドレール420も設けられる。
【0095】
優先スライドモジュール600は、オペレータによって取り出されることになるスライド210を搬送するレール622及び624を有する。スライド210は、スライドプリンタロボット400のスライドキャリア410からエアクッション上で搬送される。スライドキャリア410は凹形面を有することができ、凹形面は、スライドをキャリア上に確実に保持するが、スライドをスライドキャリア410から優先スライドモジュール600に移送するためにエアクッション(レール622及び624によって提供される)に搬送するために、又は、自動式アーム機構3430に搬送するために、スライド移送ロボット300がキャリアからスライド210を取り出すことを可能にする。
【0096】
図10A図10Dを参照すると、図4B図4C及び図9A図9Bのスライド調製アセンブリの中への及び外へのスライド移送ロボットの横方向の動きが示されている。図10Aにおいて、スライド移送ロボット300は、自動式アーム機構3430とのインタラクション(やりとり)のためにアクセス窓225を通ってスライド調製アセンブリ3400中に延びており(拡張されており)、そこからスライド移送ロボット300はスライドを取得できるか、又は、そこにスライド移送ロボットはスライドを配置できる。上記で述べたように、レール320は、スライド移送ロボット300の横方向の動きを可能にする。
【0097】
図10Bにおいて、スライド移送ロボット300は、アセンブリ200中に後退されている。図示のように、スライドプリンタロボット400は、鉛直ガイドレール(垂直ガイドレール)420によって上昇して、スライド移送ロボット300のすぐ下に配置される。この位置において、スライド移送ロボットの陰圧が起動されて、スライド移送ロボット300からスライドプリンタロボット400へのスライド210の移送を引き起こす。スライド210がスライド移送ロボット300からスライドプリンタロボット400に移送される場合は、陰圧がオフにされて、スライド210がスライド移送ロボットからスライドプリンタロボットに落下することが可能になる。スライドがスライドプリンタロボット400からスライド移送ロボット300に移送される場合は、陰圧がオンにされる。
【0098】
図10Cにおいて、スライドプリンタロボット400は、その、より低い位置に戻され、スライドプリンタアセンブリ500中に横方向に進んでいる。上記で述べたように、スライドプリンタロボットは、モータ450と協働する送りねじ430によって横方向に進み得る。モータ450(水平の動きのための)は、歯車452及び454ならびにベルト456を介して送りねじ430に接続されている。図12A参照。
【0099】
図10Dを参照すると、スライドプリンタロボットは、優先スライドモジュール600に隣接するように進んだ状態が示されている。その位置において、スライド210は、レール622及び624によって提供された(生成された)エアクッションによって進められ、スライドプリンタロボット400のスライドキャリア410から離れて、優先スライドモジュールに至り、そこでスライドがオペレータによって取り出される。
【0100】
図11A図11Cは、様々な視点から見たスライド移送ロボット300を示す。図11Aは、スライド移送ロボット300の上面斜視図である。スライド移送ロボット300は、スライド陰圧プレート310を有することができる。陰圧は、陰圧ライン352を介してスライド陰圧プレート310に供給される。先に記載したように、陰圧ヘッド310は、ガイドレール320を使用して横方向に進められる。ガイドレール320は、ブロック330によって支持され、ガイドレール320は、歯車342と協働するモータ340を使用して進められ、歯車342は、図示のように、陰圧ヘッド310を横方向に動かすように、ガイドレール320に沿った歯(図示せず)と協働する歯を有する。スライド陰圧プレート310はブラケット362を有することができ、ブラケット362は、スライド陰圧プレートがその後退位置に進められるときに、センサ360と係合して、スライド陰圧プレート310がスライドプリンタロボット400からスライドを受け取るか又は供給する位置にあることをアセンブリに知らせる。
【0101】
スライド移送ロボット300の底面斜視図である図11Bを参照すると、ガイドレール320の歯322が示されている。スライド陰圧プレート310の底部は、ガイド構造312、313、314、及び316を有することができ、それらは、スライド陰圧プレート上の予め定められた箇所にスライド210を固定し、自動式アーム機構3430との間の及びスライド移送ロボット400、具体的にはスライドキャリア410との間の、スライドの正確な移送を保証する。スライド陰圧プレート310の底部は、スライド210をスライド陰圧プレート310に固定するために複数の開口を有することもできる。このような開口は、スライド陰圧プレート310へのスライド210の固定を助ける吸引カップを含むことができる。ガイド構造は、スライドがスライド陰圧プレート310内で適切に位置決めされたときに、スライドの周縁に位置するように方向付けされた複数のタブでよい。
【0102】
別の態様において、スライド移送ロボットは、陰圧を必要としないでスライドを把持するための自動式スライドグリッパーアセンブリを有する。このようなグリッパーは、必要に応じてスライド210をつかむか又は放す、格納可能なフランジを含むことができる。このような代替的な機構は、本明細書で詳細には記載しない。
【0103】
図11Cは、図11Bにスライド陰圧プレート310に受け取られたスライド210を付け足した図である。上記で説明したように、ガイド構造312、313、314、及び315は、スライド210の周縁に位置する。
【0104】
図12A図12Dは、スライドプリンタロボット400の様々な斜視図を示す。図12Aを参照すると、上面斜視図は、補助部材(支持部材)412、414、及び416を含むスライドキャリア410を示し、それら補助部材は、プリンタアセンブリ500がスライドの正しい箇所に機械可読コードを印刷するようにスライドキャリア410上へのスライド210の高精度の載置を保証し、優先スライドアセンブリ600中へのスライド210の高精度の受け取り及びスライド移送ロボット300との間のスライド210の高精度の移送を保証する。送りねじ430は、歯車452及び454ならびにベルト456を介してモータ450によって制御される。モータ460を使用して上記で説明したようなスライドキャリア410の鉛直の動きを助ける鉛直ガイドレール420も示されている。スライドキャリア410は、ガイドレール440に沿って横方向に動き、送りねじ430とのモータ450の協働によって進められる。
【0105】
スライドプリンタロボット400の斜視正面図である図12Bを参照すると、スライドキャリア410の鉛直の動きをもたらすモータ460によって制御される歯車462が示されている。そのために、鉛直ガイドレール420は、歯車462の歯と係合する歯422を有する。鉛直ガイドレール420はブラケット472も備え、ブラケット472は、スロットセンサ470によって受け取られるときに、スライドキャリアがスライドキャリアの横方向の動きのために正しい鉛直位置(垂直位置)にあることを示す。
【0106】
図12Cを参照すると、鉛直の動きのためのモータ460、ガイドレール440、及びスロットセンサ470をより明確に示すように、反対側から見たスライド移送ロボット400の上面斜視図が提供されている。
【0107】
図12Dを参照すると、スライド移送ロボット400の上面斜視端面図が、ブロック480がガイドレール440に係合してその長さ方向に移動する状態を明示している。また、スライド移送ロボット300までのスライドキャリアアセンブリの鉛直の動きのためにスライドキャリア410が正しい位置にあるときに、スロットセンサ490と協働して連絡するブラケット492も示されている。
【0108】
図13A及び図13Bは、プリンタアセンブリ500の異なる斜視図を示す。スライドキャリアは、スライドキャリア410によって担持(保持)されるスライド210に機械可読コードを印刷するために、スライドプリンタ510の下に配置される。スライドプリンタ510の下に配置されるスライドがないときにスライドプリンタ510の下を移動するプリンタカバー520も示されている。図520は、スライドキャリア410がプリンタ550の下に配置されているときに、プリンタアセンブリ500の下方からカバー520が取り外される状態を示す。
【0109】
図14は、優先スライドアセンブリ600に隣接して配置されたスライドプリンタロボット400の斜視図である。詳細には、スライドキャリア410はスライド210を補助するものとして示されており、スライド210は、レール622及び624によって提供されるエアクッションを介して、優先スライドアセンブリ中に及びスライドキャリアから送り出される。スライド210は、エアクッションによってレール622及び624に沿って進められると、ガイド構造632及び634によって横方向が拘束される。スライドキャリア410へのスライドの移送を引き起こす優先スライドアセンブリの動作は、図15A図15Gを参照しながら記載する。
【0110】
図15Aは、先に説明したカバー610を示す優先スライドアセンブリ600の正面図である。スライド210は、窓612に形成された棚で受け取られる。窓612の中にあるときにオペレータがスライド210を簡単につかんで取り出すように、ノッチ(切欠)618が設けられている。
【0111】
図15Bは、カバー610の裏側を示し、横方向ガイド構造632、634及びエアクッションレール622、624が示されている。エアクッションレール622、624には空気導管642、644を介して空気が提供される。インターフェース616及びインターフェース616用補助構造(支持構造)614、615の裏側も示されている。
【0112】
図15Cは、レール622及び624の複数の空気孔628を示す優先スライドアセンブリ600の正面部分図である。スライド210をスライドキャリア410から推進するためにスライド210を浮揚させるようにレール622及び624の遠位端にノズル623及び625が設けられており、そのため、スライド210が下向きのレール622及び624に沿って進むことができる。
【0113】
図15Dは、各ガイドレール622及び624用の空気ポート642及び644を示す、優先アセンブリ600の裏側部分図である。横方向のガイド632及び634もノッチ618と同様に示されている。
【0114】
図15E図15Gは、優先スライドが優先スライドアセンブリ600から送り出される方法を示す。機械可読コードを有するスライドは、ガイドレール622及び624によって提供されたエアクッションに沿って進められ、横方向ガイド632及び634によって案内される。スライドは、ガイドレール622及び624に沿って窓612に至るまで進められ、そこでオペレータによって取り出される。
【0115】
上記のラボオートメーションシステムは、プロセスを標準化し、すべての検体タイプに関してばらつきのない高品質の画線を保証する。更に、ラボオートメーションは、効率を高め、短い所要時間でよりばらつきのない結果をもたらす。
【0116】
上記の記述から及び様々な図面を参照することで、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に特定の修正を行うこともできることを理解するであろう。図面には本開示のいくつかの実施形態を示してきたが、本開示は当技術分野の許容する限り範囲が広く、本明細書はそのように読むべきでものであるため、本開示をそれらに限定することは意図していない。従って、上記の記述は、限定と解釈するべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈するべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲及び精神の範囲内に包含される他の修正例を想起するであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析用の生体サンプルを調製する自動式システムであって、
サンプルが接種される予定のスライドか、又は、サンプルが接種されたスライドを受け取るスライド処理モジュールを備え、該モジュールは、
スライドストレージカセットと、
スライドを前記スライドストレージカセットに入れ、かつ、前記スライドストレージカセットから取り出す自動式アーム機構と、
スライドを前記自動式アーム機構から取り出すか、又は、前記自動式アーム機構に提供するスライド移送アセンブリと、
スライドを前記スライド移送アセンブリから受け取り、かつ、プリンタに搬送するスライドプリンタ移送アセンブリであって、前記プリンタは機械可読コードをスライド上に配置する、前記スライドプリンタ移送アセンブリと、
前記自動式システムからスライドを搬出する搬出アセンブリであって、前記自動式システムからスライドを送り出すためにエアクッションが生成される、前記搬出アセンブリと、
を備える、自動式システム。
【請求項2】
前記スライド移送アセンブリはスライド移送ヘッドを備え、前記スライド移送アセンブリは前記スライド移送ヘッドを第1の位置から第2の位置に動かす、請求項1に記載の自動式システム。
【請求項3】
前記第1の位置において、前記スライド移送ヘッドは、スライドを前記自動式アーム機構に移送するか又は前記自動式アーム機構から取り出すために、前記自動式アーム機構と位置合わせされる、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項4】
前記スライドプリンタ移送アセンブリはスライドキャリアを備え、前記第2の位置において、前記スライド移送ヘッドは前記スライドキャリアと位置合わせされ、そうすることで、スライドがそれらの間で移送される、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項5】
前記スライド移送ヘッドは、陰圧供給源に連結されており、スライドは、前記第1の位置から前記第2の位置への移動又は前記第2の位置から前記第1の位置への移動のために、陰圧の力によって前記スライド移送ヘッドに固定される、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項6】
前記スライド移送ヘッドが、前記自動式アーム機構と前記スライドプリンタ移送アセンブリとのうちの一方からスライドを受け取るときに、前記陰圧はオンである、請求項5に記載の自動式システム。
【請求項7】
前記スライド移送ヘッドがスライドを前記スライド移送アセンブリから解放して前記スライドプリンタ移送アセンブリに移送するときに、前記陰圧はオフである、請求項5に記載の自動式システム。
【請求項8】
前記スライド移送ヘッドは、スライドが前記スライド移送ヘッドによって保持されるときにスライドを位置決めするための少なくとも1つの位置合わせ構造を備える、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項9】
前記スライド移送ヘッドは、前記スライド移送ヘッドが前記第1の位置及び前記第2の位置のうちの一方から前記第1の位置及び前記第2の位置のうちの他方に動かされることを可能にするガイドレールに取り付けられている、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項10】
前記スライド移送アセンブリは、前記スライド移送ヘッドが前記第2の位置にあるときにそのことを検出するセンサを更に備える、請求項2に記載の自動式システム。
【請求項11】
前記スライド移送ヘッドは、スライドが前記スライド移送ヘッドによって保持されるときにスライドを位置決めするための少なくとも1つの位置合わせ構造を備える、請求項4に記載の自動式システム。
【請求項12】
前記スライドキャリアは、少なくとも第1の鉛直位置及び第2の鉛直位置を有する、請求項11に記載の自動式システム。
【請求項13】
前記スライドキャリアは、少なくとも第1の横方向位置、第2の横方向位置、及び第3の横方向位置を有する、請求項12に記載の自動式システム。
【請求項14】
前記第1の鉛直位置は、前記第2の鉛直位置に対して上方にある、請求項13に記載の自動式システム。
【請求項15】
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第2の鉛直位置にあるときに、前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置と前記第3の横方向位置との間で動かされる、請求項14に記載の自動式システム。
【請求項16】
前記スライドキャリアは、前記第1の横方向位置にあるときにのみ前記第1の鉛直位置にある、請求項14に記載の自動式システム。
【請求項17】
前記スライドプリンタ移送アセンブリは、鉛直レール及び水平レールを備え、前記スライドキャリアは、前記鉛直レールに沿って前記第1の鉛直位置と前記第2の鉛直位置との間で動かされる、請求項13に記載の自動式システム。
【請求項18】
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置と前記第3の横方向位置との間で動かされるときに、前記水平レールに沿って動かされる、請求項17に記載の自動式システム。
【請求項19】
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第2の横方向位置にあるときに前記プリンタに隣接する、請求項13に記載の自動式システム。
【請求項20】
前記スライドキャリアは、前記第3の横方向位置にあるときに前記搬出アセンブリに隣接する、請求項19に記載の自動式システム。
【請求項21】
前記スライドキャリアを横方向に動かすための送りねじを更に備え、前記スライドキャリアは、前記送りねじによって前記水平レールに沿って動かされる、請求項17に記載の自動式システム。
【請求項22】
前記搬出アセンブリは、空気供給源に連結された少なくとも2つのレールを備え、前記少なくとも2つのレールは複数の開口を有し、前記空気供給源からの空気が前記複数の開口を通って流れることで前記エアクッションが生成される、請求項4に記載の自動式システム。
【請求項23】
前記少なくとも2つのレールは前記搬出アセンブリの窓から移送位置まで延び、前記移送位置において、前記エアクッションは、スライドを、前記スライドキャリアから、かつ、前記少なくとも2つのレール上に浮揚させる、請求項22に記載の自動式システム。
【請求項24】
自動式装置においてスライドに接種する方法であって、
カートリッジアセンブリに複数のスライドを格納すること、及び、
数のスライドを前記カートリッジアセンブリに自動的に入れ、かつ、複数のスライドを前記カートリッジアセンブリから自動的に取り出すこと、
を含み、
前記方法は、
前記カートリッジアセンブリから1つのスライドを取り出すこと、
この取り出されたスライドを、機械可読コードをスライド上に配置するように構成されたプリンタに移送すること、及び、
前記プリンタが配置されているハウジングからスライドを搬出する搬出アセンブリと、前記カートリッジアセンブリと、のうちの一方に、スライドを送り出すこと、
更に含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
上記の記述から及び様々な図面を参照することで、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に特定の修正を行うこともできることを理解するであろう。図面には本開示のいくつかの実施形態を示してきたが、本開示は当技術分野の許容する限り範囲が広く、本明細書はそのように読むべきでものであるため、本開示をそれらに限定することは意図していない。従って、上記の記述は、限定と解釈するべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈するべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲及び精神の範囲内に包含される他の修正例を想起するであろう。
尚、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
分析用の生体サンプルを調製する自動式システムであって、
サンプルが接種される予定のスライドか、又は、サンプルが接種されたスライドを受け取るスライド処理モジュールを備え、該モジュールは、
スライドストレージカセットと、
スライドを前記スライドストレージカセットに入れ、かつ、前記スライドストレージカセットから取り出す自動式アーム機構と、
スライドを前記自動式アーム機構から取り出すか、又は、前記自動式アーム機構に提供するスライド移送アセンブリと、
スライドを前記スライド移送アセンブリから受け取り、かつ、アセンブリに搬送するスライドプリンタ移送アセンブリであって、前記アセンブリは機械可読コードをスライド上に配置する、前記スライドプリンタ移送アセンブリと、
前記自動式システムからスライドを搬出する搬出アセンブリであって、前記自動式システムからスライドを送り出すためにエアクッションが生成される、前記搬出アセンブリと、
を備える、自動式システム。
[請求項2]
前記スライド移送アセンブリはスライド移送ヘッドを備え、前記スライド移送アセンブリは前記スライド移送ヘッドを第1の位置から第2の位置に動かす、請求項1に記載の自動式システム。
[請求項3]
前記第1の位置において、前記スライド移送ヘッドは、スライドを前記自動式アーム機構に移送するか又は前記自動式アーム機構から取り出すために、前記自動式アーム機構と位置合わせされる、請求項2に記載の自動式システム。
[請求項4]
前記スライドプリンタ移送アセンブリはスライドキャリアを備え、前記第2の位置において、前記スライド移送ヘッドは前記スライドキャリアと位置合わせされ、そうすることで、スライドがそれらの間で移送される、請求項2又は請求項3に記載の自動式システム。
[請求項5]
前記スライド移送ヘッドは、陰圧供給源に連結されており、スライドは、前記第1の位置から前記第2の位置への移動又は前記第2の位置から前記第1の位置への移動のために、陰圧の力によって前記スライド移送ヘッドに固定される、請求項2~請求項4のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項6]
前記スライド移送ヘッドが、前記自動式アーム機構と前記スライドプリンタ移送アセンブリとのうちの一方からスライドを受け取るときに、前記陰圧はオンである、請求項4又は請求項5に記載の自動式システム。
[請求項7]
前記スライド移送ヘッドがスライドを前記スライド移送アセンブリから解放して前記スライドプリンタ移送アセンブリに移送するときに、前記陰圧はオフである、請求項4~請求項6のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項8]
前記スライド移送ヘッドは、スライドが前記スライド移送ヘッドによって保持されるときにスライドを位置決めするための少なくとも1つの位置合わせ構造を備える、請求項2~請求項7のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項9]
前記スライド移送ヘッドは、前記スライド移送ヘッドが前記第1の位置及び前記第2の位置のうちの一方から前記第1の位置及び前記第2の位置のうちの他方に動かされることを可能にするガイドレールに取り付けられている、請求項2~請求項8のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項10]
前記スライド移送アセンブリは、前記スライド移送ヘッドが前記第2の位置にあるときにそのことを検出するセンサを更に備える、請求項2~請求項9のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項11]
前記スライドキャリアは、スライドが前記スライド移送ヘッドによって保持されるときにスライドを位置決めするための少なくとも1つの位置合わせ構造を備える、請求項4に記載の自動式システム。
[請求項12]
前記スライドキャリアは、少なくとも第1の鉛直位置及び第2の鉛直位置を有する、請求項11に記載の自動式システム。
[請求項13]
前記スライドキャリアは、少なくとも第1の横方向位置、第2の横方向位置、及び第3の横方向位置を有する、請求項12に記載の自動式システム。
[請求項14]
前記第1の鉛直位置は、前記第2の鉛直位置に対して上方にある、請求項12又は請求項13に記載の自動式システム。
[請求項15]
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第2の鉛直位置にあるときに、前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置と前記第3の横方向位置との間で動かされる、請求項14に記載の自動式システム。
[請求項16]
前記スライドキャリアは、前記第1の横方向位置にあるときにのみ前記第1の鉛直位置にある、請求項14又は請求項15に記載の自動式システム。
[請求項17]
前記スライドプリンタアセンブリは、鉛直レール及び水平レールを備え、前記スライドキャリアは、前記鉛直レールに沿って前記第1の鉛直位置と前記第2の鉛直位置との間で動かされる、請求項13~請求項16のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項18]
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第1の横方向位置と前記第2の横方向位置と前記第3の横方向位置との間で動かされるときに、前記水平レールに沿って動かされる、請求項17に記載の自動式システム。
[請求項19]
前記スライドキャリアは、前記スライドキャリアが前記第2の位置にあるときにプリンタに隣接する、請求項13に記載の自動式システム。
[請求項20]
前記スライドキャリアは、前記第3の位置にあるときに前記搬出アセンブリに隣接する、請求項19に記載の自動式システム。
[請求項21]
前記スライドキャリアを横方向に動かすための送りねじを更に備え、前記スライドキャリアは、前記送りねじによって前記水平レールに沿って動かされる、請求項17又は請求項18に記載の自動式システム。
[請求項22]
前記搬出アセンブリは、空気供給源に連結された少なくとも2つのレールを備え、前記少なくとも2つのレールは複数の開口を有し、前記空気供給源からの空気が前記複数の開口を通って流れることで前記エアクッションが生成される、請求項4~請求項21のいずれか1つに記載の自動式システム。
[請求項23]
前記少なくとも2つのレールは前記搬出アセンブリの窓から移送位置まで延び、前記移送位置において、前記エアクッションは、スライドを、前記スライドキャリアから、かつ、前記少なくとも2つのレール上に浮揚させる、請求項22に記載の自動式システム。
[請求項24]
自動式装置においてスライドに接種する方法であって、
カートリッジアセンブリに複数のスライドを格納すること、
自動的に複数のスライドを前記カートリッジアセンブリに入れ、かつ、複数のスライドを前記カートリッジアセンブリから取り出すこと、
前記カートリッジアセンブリから1つのスライドを取り出すこと、
この取り出されたスライドを、機械可読コードをスライド上に配置するように構成されたプリンタに移送すること、及び、
前記プリンタが配置されているハウジングからスライドを搬出する搬出アセンブリと、前記カートリッジアセンブリと、のうちの一方に、スライドを送り出すこと、
を含む、方法。
【国際調査報告】