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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画素欠陥を検出するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20241219BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241219BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241219BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20241219BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09F9/00 352
G09G3/20 670B
G09G3/20 621J
G09G3/20 621E
G09G3/20 622K
G09G3/20 622R
G09G3/20 623V
G09G3/20 623X
G09G3/20 641D
G09G3/20 670Q
G09G3/20 670P
H01L33/00 L
H04N5/66 103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534483
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2021138841
(87)【国際公開番号】W WO2023108550
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, チェンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ユエ, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ, チーミン
【テーマコード(参考)】
5C058
5C080
5C380
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C058AA13
5C058BA32
5C080AA07
5C080BB06
5C080CC03
5C080DD15
5C080DD16
5C080DD28
5C080EE02
5C080EE22
5C080EE25
5C080EE26
5C080EE29
5C080FF13
5C080GG07
5C080HH13
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ07
5C380AA03
5C380AB04
5C380AB32
5C380BA29
5C380CA13
5C380CA51
5C380CB01
5C380CB04
5C380CB29
5C380CB31
5C380CF61
5C380CF68
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA22
5C380DA32
5C380DA33
5C380DA34
5C380DA35
5C380DA41
5C380EA12
5C380FA05
5C380FA21
5C380FA23
5C380FA24
5C380FA25
5C380GA02
5C380GA03
5C380GA18
5C380HA10
5C380HA15
5F142GA02
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435KK05
(57)【要約】
マイクロLED配列を有するマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムを提供する。該システムは、マイクロLED制御モジュール、画像収集モジュール、画素欠陥データ処理モジュール、および画素欠陥判定モジュールを備える。マイクロLED制御モジュールは、複数の部分パターン画像を表示するためにマイクロLED配列パネルの画素をオンまたはオフにするように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ発光ダイオード(LED)配列を含むマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムであって、
複数の部分パターン画像を表示するために前記マイクロLED配列パネルにおける画素のオンまたはオフを制御するように構成されたマイクロLED制御モジュールと、
複数の露光プロセスによって前記マイクロLED配列パネルの複数の部分パターン画像を取得するように構成された画像収集モジュールと、
前記画像収集モジュールによって取得した前記複数の部分パターン画像を部分パターン画像データに変換するように、および前記部分パターン画像データの全てを組み合わせることによってマイクロLED配列画像データ全体を取得するように構成された画素欠陥データ処理モジュールと、
前記マイクロLED配列画像データ全体を解析および処理することによって欠陥検出モデルを構築するように構成された画素欠陥判定モジュールと
を備える、システム。
【請求項2】
前記画像収集モジュールは、複数の部分パターン画像を取得するために複数の事前設定部分パターンに対応して前記画素がオンにされている前記マイクロLED配列パネルの前記画像を収集する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マイクロLED制御モジュールは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体を形成するために重ね合わせられるN個の事前設定部分パターンを取得し、
次いで、前記マイクロLED制御モジュールは、第Nの事前設定部分パターンに従って前記マイクロLED配列パネルにおける前記画素をオンにし、
前記画像収集モジュールは、オンにした前記画素により前記マイクロLED配列パネルを画像化することによって第Nの部分パターン画像を取得し、Nは正の整数であり2以上である、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
各事前設定部分パターンにおいて、オンにされる必要がある1つの画素が、行方向にも列方向にもN個の画素位置ごとに配置され、各事前設定部分パターンにおいて、第(N+1)の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第Nの行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って1画素位置ずつ水平方向にずらされ、各事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある前記画素は、N行ごとに繰り返される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第(N+1)の事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第Nの事前設定部分パターンの前記第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素位置と比較して、前記第2の方向に沿って少なくとも1画素ずつ水平方向にずらされる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
それぞれの事前設定部分パターンにおける前記パターンは、画素の複数の第1の方向の平行線によって形成され、前記複数の第1の方向の平行線は第2の方向に沿って事前設定された間隔で配置され、前記事前設定部分パターンは、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、…、および第Nの事前設定部分パターンを含み、前記第Nの事前設定部分パターンは、前記マイクロLED配列における各行または各列に沿って第(N-1)の事前設定部分パターンと比較して少なくとも1画素ずつオンにされる必要がある前記画素をずらすことによって取得される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の方向は前記第2の方向と異なっている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
それぞれの事前設定部分パターンにおける画素は、行方向におよび/または列方向に少なくとも1画素ずつ互いに分離され、前記N個の事前設定部分パターンは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体を形成するために重ねられ、Nは正の整数である、請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
それぞれの事前設定部分パターンは、N個の画素を含む分解行列を含み、
前記事前設定部分パターンのグループは、
前記行方向および前記列方向に第1の分解行列を繰り返すことによって形成される第1の事前設定パターンであって、前記第1の分解行列はオンにされる必要がある第1の画素を含む、第1の事前設定パターンと、前記行方向および前記列方向に第2の分解行列を繰り返すことによって形成される第2の事前設定部分パターンであって、前記第2の分解行列はオンにされる必要がある第2の画素を含む、第2の事前設定部分パターンと、前記行方向および前記列方向に第Nの分解行列を繰り返すことによって形成される第Nの事前設定部分パターンであって、前記第Nの分解行列はオンにされる必要がある第Nの画素を含む、第Nの事前設定部分パターンとを含み、対象画素配列パターンはN個の事前設定部分パターンを重ねることによって形成され、Nは2以上の整数である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記分解行列は少なくとも、2行以上および2列以上を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第Nの事前設定部分パターンでオンにされる必要がある前記画素は、少なくとも1画素ずつ前記行方向に沿っておよび少なくとも1画素ずつ前記列方向に沿って、互いに分離される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記分解行列においてオンにされる必要がある前記画素は、ある特定の順序で1つずつ形成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記分解行列においてオンにされる必要がある前記画素は、左から右までおよび上から下までの順序で1つずつ形成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
オンにされる必要がある前記画素の位置は、異なる事前設定部分パターンにおいて異なっている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記対象画素配列パターンにおける列数は、前記分解行列における列数の整数倍ではなく、前記行方向に沿った最後の分解行列は不完全である、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記画素欠陥判定モジュールは、前記マイクロLED配列画像データ全体の事前設定された特徴に一致しない画素欠陥点をさらに判定し、前記画素欠陥点に従って前記マイクロLED配列パネルの検出検出モデルを判定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
画素欠陥点を判定する前に、前記画素欠陥判定モジュールは、前記マイクロLED配列画像データ全体に対する正規化処理をさらに実行し、前記マイクロLED配列画像データは画素のグレースケール値を含み、前記事前設定された特徴はそれぞれの画素の事前設定されたグレースケール値である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記事前設定された特徴はユーザ入力から取得された事前設定された閾値であり、前記正規化処理は少なくとも、行ごとに前記マイクロLED配列画像データ全体のグレースケール分布を解析することを含み、前記画素欠陥判定モジュールは、さらに、前記画素グレースケール値および前記事前設定された特徴に従って前記画素を正常タイプと異常タイプとに分類する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記異常タイプは、各々の前記事前設定された閾値に対応する、ドット落ち、暗画素、および明るすぎる画素を含み、前記異常タイプは、死角、カットオフライン、暗線、暗領域、明るすぎるライン、および明るすぎる領域をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記マイクロLED配列画像データに従って前記マイクロLED配列パネルの欠陥パターン全体を表示し、前記欠陥検出モデルに従って前記マイクロLED配列パネルの前記画素グレースケール値および欠陥画素を表示するように、ならびに前記欠陥画素を着色するように構成された表示モジュールをさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記マイクロLED配列画像データ全体が得られた後、前記表示モジュールは、前記マイクロLED配列画像データに従ってマイクロLED配列画像をさらに表示する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、前記マイクロLED配列パネルまたは半導体ウエハを配設するための試料台をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記マイクロLED配列パネルの位置は、前記試料台の位置を調節することによって前記画像収集モジュールと整列するように調節される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記画像収集モジュールは、光学部品、電子光学部品、および/または前記部分パターンを検出するための検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記システムは、光学処理モジュールおよび光学判定モジュールをさらに備え、前記マイクロLED制御モジュールは、さらに、前記マイクロLED配列における前記画素の全てをオンにし、前記画像収集モジュールは前記オンにした画素により前記マイクロLED配列の光信号を取得し、次いで、前記光学処理モジュールは前記光信号を前記マイクロLED配列の電気データに変換し、最後に、前記光学判定モジュールは、前記電気データを解析および処理して、前記マイクロLED配列の光学モデルを得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記画像収集モジュールは、前記オンにした画素により前記マイクロLED配列の前記光信号を検出するための光学検出器をさらに含む、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、発光ダイオードの技術分野に関し、より詳細には、マイクロ発光ダイオード(LED)配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
面積が格段に小さくなり解像度が高くなったマイクロLEDは、世界で人気が高くなっている。複数のマイクロLEDを含むマイクロLED配列パネルを使用して、カメラモジュール、投光モジュール、表示モジュール、VR/AR光モジュールなどの様々な種類のデバイスを形成することができる。
【0003】
しかしながら、マイクロLED配列パネルによって表示される発光領域および画像は以前よりはるかに小さくなっているため、従来の方法によって画素欠陥を検出し識別することは容易ではない。よって、操作者は、マイクロLEDパネルの様々なパターンを表示するグラフィカルユーザインターフェースを通してウエハ、チップ、およびマスクを精査してパターン欠陥を識別する必要がある。
【0004】
残念ながら、マイクロLED配列パネルのパターン欠陥は、従来の方法によってはパターンにおいて明確に表示できない。
【0005】
上記の内容は、本願の技術的解決策の理解を助けるためだけに使用されるものであり、上記が先行技術であると認めることにはならない。
【発明の概要】
【0006】
上記の欠点を克服するために、本開示は、画素欠陥を検出して、検出効率および検出効果を改善するシステムを提供する。
【0007】
そのような目的を達成するために、本開示は、マイクロ発光ダイオード(LED)配列を含むマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムであって、
複数の部分パターン画像を表示するためにマイクロLED配列パネルにおける画素のオンまたはオフを制御するように構成されたマイクロLED制御モジュールと、
複数の露光プロセスによってマイクロLED配列パネルの複数の部分パターン画像を取得するように構成された画像収集モジュールと、
画像収集モジュールによって取得した複数の部分パターン画像を部分パターン画像データに変換するように、および部分パターン画像データの全てを組み合わせることによってマイクロLED配列画像データ全体を取得するように構成された画素欠陥データ処理モジュールと、
マイクロLED配列画像データ全体を解析しおよび処理することによって欠陥検出モデルを構築するように構成された画素欠陥判定モジュールと
を備えるシステムを提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、画像収集モジュールは、複数の部分パターン画像を取得するために複数の事前設定部分パターンに対応して画素がオンにされているマイクロLED配列パネルの画像を収集する。
【0009】
いくつかの実施形態では、マイクロLED制御モジュールは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体をN個の部分に分割することによってN個の事前設定部分パターンを取得し、
次いで、マイクロLED制御モジュールは、第Nの事前設定部分パターンに従ってマイクロLED配列パネルにおける画素をオンにし、
画像収集モジュールは、オンにした画素によりマイクロLED配列を画像化することによって第Nの部分パターン画像を取得し、ここで、Nは整数であり2以上である。
【0010】
いくつかの実施形態では、各事前設定部分パターンにおいて、オンにされる必要がある1つの画素が、行方向にも列方向にもN個の画素位置ごとに配置され、各事前設定部分パターンにおいて、第(N+1)の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第Nの行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って1画素位置ずつ水平方向にずらされ、各事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は、N行ごとに繰り返される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第(N+1)の事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第Nの事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素位置と比較して、第2の方向に沿って少なくとも1画素ずつ水平方向にずらされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、それぞれの事前設定部分パターンにおけるパターンは、画素の複数の第1の方向の平行線によって形成され、複数の第1の方向の平行線は第2の方向に沿って事前設定された間隔で配置され、事前設定部分パターンは、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、…、および第Nの事前設定部分パターンを含み、第Nの事前設定部分パターンは、マイクロLED配列における各行または各列に沿って第(N-1)の事前設定部分パターンと比較してオンにされる必要がある画素を少なくとも1画素ずつずらすことによって取得される。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の方向は第2の方向と異なっている。
【0014】
いくつかの実施形態では、それぞれの事前設定部分パターンは、N個の画素を含む分解行列を含み、
事前設定部分パターンのグループは、行方向および列方向に第1の分解行列を繰り返すことによって形成される第1の事前設定パターンであって、第1の分解行列はオンにされる必要がある第1の画素を含む、第1の事前設定パターンと、行方向および列方向に第2の分解行列を繰り返すことによって形成される第2の事前設定部分パターンであって、第2の分解行列はオンにされる必要がある第2の画素を含む、第2の事前設定部分パターンと、行方向および列方向に第Nの分解行列を繰り返すことによって形成される第Nの事前設定部分パターンであって、第Nの分解行列はオンにされる必要がある第Nの画素を含む、第Nの事前設定部分パターンとを含み、対象画素配列パターンはN個の事前設定部分パターンを重ねることによって形成され、Nは2以上の整数である。
【0015】
いくつかの実施形態では、分解行列は少なくとも、2行以上および2列以上を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、第Nの事前設定部分パターンでオンにされる必要がある画素は、少なくとも1画素ずつ行方向に沿っておよび少なくとも1画素ずつ列方向に沿って、互いに分離される。
【0017】
いくつかの実施形態では、分解行列においてオンにされる必要がある画素は、ある特定の順序で1つずつ形成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、分解行列においてオンにされる必要がある画素は、左から右までおよび上から下までの順序で1つずつ形成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、オンにされる必要がある画素の位置は、異なる事前設定部分パターンにおいて異なっている。
【0020】
いくつかの実施形態では、対象画素配列パターンにおける列数は、分解行列における列数の整数倍ではなく、行方向に沿った最後の分解行列は不完全である。
【0021】
いくつかの実施形態では、画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体の事前設定された特徴に一致しない画素欠陥点をさらに判定し、画素欠陥点に従ってマイクロLED配列パネルの検出検出モデルを判定する。
【0022】
いくつかの実施形態では、画素欠陥点を判定する前に、画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体に対する正規化処理をさらに実行し、マイクロLED配列画像データは画素のグレースケール値を含み、事前設定された特徴はそれぞれの画素の事前設定されたグレースケール値である。
【0023】
いくつかの実施形態では、事前設定された特徴はユーザ入力から取得された事前設定された閾値であり、正規化処理は少なくとも、行ごとにマイクロLED配列画像データ全体のグレースケール分布を解析することを含み、画素欠陥判定モジュールは、さらに、画素グレースケール値および事前設定された特徴に従って画素を正常タイプと異常タイプとに分類する。
【0024】
いくつかの実施形態では、異常タイプは、各々の事前設定された閾値に対応する、ドット落ち、暗画素、および明るすぎる画素を含み、異常タイプは、死角、カットオフライン、暗線、暗領域、明るすぎるライン、および明るすぎる領域をさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、システムは、マイクロLED配列画像データに従ってマイクロLED配列パネルの欠陥パターン全体を表示し、欠陥検出モデルに従って表示画面上にマイクロLED配列パネルの画素グレースケール値および欠陥画素を表示するため、ならびに欠陥画素を着色するための表示モジュールをさらに備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列画像データ全体が得られた後、表示モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体に従ってマイクロLED配列画像をさらに表示する。
【0027】
いくつかの実施形態では、システムは、マイクロLED配列パネルまたは半導体ウエハを配設するための試料台をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列パネルの位置は、試料台の位置を調節することによって画像収集モジュールと整列するように調節される。
【0029】
いくつかの実施形態では、画像収集モジュールは、光学部品、電子光学部品、および/または部分パターンを検出するための検出器を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、システムは、光学処理モジュールおよび光学判定モジュールをさらに備え、マイクロLED制御モジュールは、さらに、マイクロLED配列における画素の全てをオンにし、画像収集モジュールはオンにした画素によりマイクロLED配列の光信号を取得し、次いで、光学処理モジュールは光信号をマイクロLED配列の電気データに変換し、最後に、光学判定モジュールは、電気データを解析および処理して、マイクロLED配列の光学モデルを得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、画像収集モジュールは、オンにした画素によりマイクロLED配列の光信号を検出するための光学検出器をさらに含む。
【0032】
以下の詳細な説明および添付の図面によって、本開示の多くの他の利点および特徴についてさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムを示すブロック図である。
図2】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列の複数の事前設定部分パターンを示す概略図である。
図3】本開示の別の実施形態によるマイクロLED配列の複数の事前設定部分パターンを示す概略図である。
図4】本開示の別の実施形態によるマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムを示すブロック図である。
図5】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列パネルの欠陥検出モデルを構築するための方法のフローチャートである。
図6】本開示の一実施形態による図5のステップ1のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、本開示をさらに理解してもらうためにいくつかの実施形態を詳細に参照する。論じられる特定の実施形態および添付の図面は単に、本開示を作成および使用する特定のやり方を示しているに過ぎず、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0035】
図1を参照すると、一実施形態によるマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムは、マイクロLED制御モジュール、画像収集モジュール、画素欠陥データ処理モジュール、および画素欠陥判定モジュールを備える。マイクロLED制御モジュールは、複数の部分パターン画像を表示するためにマイクロLED配列パネルに含まれるマイクロLED配列における画素のオンまたはオフを制御するように構成される。画像収集モジュールは、複数の露光プロセスによってマイクロLED配列パネルにおけるマイクロLED配列の複数の部分パターン画像を取得するように構成される。画素欠陥データ処理モジュールは、画像収集モジュールによって取得したそれぞれの部分パターン画像に対応する部分パターン画像データを取得し、および部分パターン画像データの全てを組み合わせることによってマイクロLED配列画像データ全体を取得するように構成される。画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体を解析および処理することによって欠陥検出モデルを構築するように構成される。
【0036】
マイクロLED制御モジュールは、複数の部分パターン画像を表示するために複数のオンおよびオフ動作を行うことによってマイクロLED配列における画素を制御し、画像収集モジュールは、複数の部分パターン画像を取得するために、複数の事前設定部分パターンに対応するオンにされた画素によりマイクロLED配列を画像化する。詳細には、マイクロLED制御モジュールは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体を形成するために重ねられたN個の事前設定部分パターンを取得する。次いで、マイクロLED制御モジュールは、各事前設定部分パターンに従ってマイクロLED配列パネルにおいてオンにされる必要がある画素をオンにする。画像収集モジュールは、複数の露光プロセスにおいて各事前設定部分パターンに従ってオンにされた画素によりマイクロLED配列によって表示された画像を取り込むことによって、N個の部分パターン画像を取得し、ここで、Nは正の整数であり2以上である。
【0037】
図2を参照すると、それぞれの白のボックスは、オンにされる必要がある画素を表す。各事前設定部分パターンにおいて、オンにされる必要がある1つの画素が、行方向にも列方向にもN個の画素ごとに配置される。そして、各事前設定部分パターンにおいて、第(N+1)の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第Nの行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って(例えば、左から右へ)1画素位置ずつ水平方向にずらされる。さらに、各事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は、N行ごとに繰り返される。
【0038】
さらに、第(N+1)の事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第Nの事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って(例えば、左から右へ)少なくとも1画素ずつ水平方向にずらされる。事前設定部分パターンは任意の順序で配置可能であり、事前設定部分パターンの位置は選択的に変更可能であることに留意されたい。事前設定されたマイクロLEDパターン全体は、画素のN個の事前設定部分パターンを重ね合わせることによって形成可能である。
【0039】
さらに、実施形態において画素欠陥を検出するとき、広範な検出で見落としがないことを確実にするために、検出効率および検出効果を考慮して、Nには、例えば、3、または3の任意の倍数が選択されることに留意されるべきである。
【0040】
例えば、オンにされる必要がある1つの画素は、各行および各列において3画素ごとに配置される。そして、各事前設定部分パターンにおいて、第2の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って(例えば、左から右へ)1画素ずつ水平方向にずらされ、第3の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第2の行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って(例えば、左から右へ)1画素ずつ水平方向にずらされるなど行われる。また、各事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は、3行ごとに繰り返される。さらに、第2の事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第1の部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って(例えば、左から右へ)少なくとも1画素ずつ水平方向にずらされ、第3の部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素は、第2の事前設定部分パターンの第1の行においてオンにされる必要がある第1の画素と比較して、第2の方向に沿って(例えば、左から右へ)少なくとも1画素ずつ水平方向にずらされる。
【0041】
それぞれの事前設定部分パターンにおけるパターンは、画素の複数の第1の方向の平行線によって形成され、複数の第1の方向の平行線は第2の方向に沿って事前設定された間隔で配置され、事前設定部分パターンは、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、…、および第Nの事前設定部分パターンを含み、第Nの事前設定部分パターンは、マイクロLED配列における各行または各列に沿って第(N-1)の事前設定部分パターンと比較してオンにされる必要がある画素を少なくとも1画素ずつずらすことによって取得される。
【0042】
さらに、第1の方向は第2の方向と異なっている。いくつかの実施形態では、Nは3であり、事前設定された間隔は2画素であり、またはNは2であり、事前設定された間隔は1画素である。図2に示される実施形態では、事前設定部分パターンは、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、および第3の事前設定部分パターンを含む。図2を参照すると、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、および第3の事前設定部分パターンは、左から右の順に配置され、白のボックスはオンにされる必要がある画素を表す。図2において、大きなボックスのそれぞれのボックスは事前設定部分パターンを表す。より大きいボックスにおける複数のより小さいボックスのそれぞれのボックスは、事前設定マイクロLED部分パターンの画素を表す。事前設定された第1の部分パターンは、白のボックスによって形成された複数の平行線を含む。
【0043】
平行線は、事前設定マイクロLED部分パターンにおいて任意の方向に沿ったものであり得、例えば、平行線は、事前設定マイクロLED部分パターンにおいて、行方向に沿って、列方向に沿って、もしくは斜め方向に沿って、または任意の他の方向に沿って形成可能であることに留意されたい。いくつかの実施形態では、第1の方向が行方向に沿ったものであるとき、第2の方向は列方向に沿ったものであり、換言すれば、平行線は垂直方向に下に向かっており、または、第1の方向が列方向に沿ったものであるとき、第2の方向は行方向に沿ったものであり、換言すれば、平行線は水平方向にずらされ、または、第1の方向が行方向以外の任意の方向に沿ったものであるとき、第2の方向は行方向に沿ったものであり、換言すれば、平行線は水平方向にずらされる。
【0044】
ここで、図2を参照すると、一例として、第1の方向は大きなボックスの斜め方向に沿ったものである。第1の事前設定部分パターンは、大きなボックスにおける対角線、および行方向に沿った2画素の間隔で対角線に平行な他の線を含む。図2において、第2の事前設定部分パターンの平行線は、第1の事前設定部分パターンの平行線と比較して行方向に沿って1画素ずらされ、第3の事前設定部分パターンの平行線は、第2の事前設定部分パターンの平行線と比較して行方向に沿って1画素ずらされる。よって、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、および第3の事前設定部分パターンは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体を形成するために重ね合わせられ得る。
【0045】
図3を参照すると、別の実施形態では、図3における第1の事前設定部分パターンは、図2における第1の事前設定部分パターンと同じである。図2のパターンと図3のパターンとの相違は以下になる。
【0046】
図3における第2の事前設定部分パターンは図2における第3の事前設定部分パターンであり、図3における第3の事前設定部分パターンは図2における第2の事前設定部分パターンである。換言すれば、事前設定部分パターンは任意の順序で配置可能である。
【0047】
ここで、画素は、ICシステムなどのマイクロLED制御モジュールの制御下でオンにされる。画素は、第1の事前設定部分パターンから第Nの事前設定部分パターンの順で、事前設定部分パターンに従ってオンにされる。
【0048】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列パネルの画素は、事前設定部分パターンのそれぞれのパターンに従ってオンにされる。それぞれの事前設定パターンにおける画素は、行方向および/または列方向に少なくとも1画素ずつ互いに分離されるため、マイクロLED配列パネルにおいてオンにされた画素は、行方向または列方向に互いに隣接していない。その結果、隣接LED(すなわち、隣接画素)間のクロストークは阻止される。それぞれの事前設定部分パターンはN個の画素を含む分解行列を含む。事前設定部分パターンのグループは、行方向および列方向に第1の分解行列を繰り返すことによって形成される第1の事前設定パターンであって、第1の分解行列はオンにされる必要がある第1の画素を含む、第1の事前設定パターンと、行方向および列方向に第2の分解行列を繰り返すことによって形成される第2の事前設定部分パターンであって、第2の分解行列はオンにされる必要がある第2の画素を含む、第2の事前設定部分パターンと、行方向および列方向に第Nの分解行列を繰り返すことによって形成される第Nの事前設定部分パターンであって、第Nの分解行列はオンにされる必要がある第Nの画素を含む、第Nの事前設定部分パターンとを含み、対象画素配列パターンはN個の事前設定部分パターンを重ねることによって形成され、Nは2以上の整数である。
【0049】
好ましくは、分解行列は、少なくとも、2行以上および2列以上を含む。さらに、第Nの事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は、少なくとも1画素ずつ行方向に沿って、および少なくとも1画素ずつ列方向に沿って互いに分離される。別の実施形態では、分解行列においてオンにされる必要がある画素は、ある特定の順序で1つずつ形成される。さらに、分解行列においてオンにされる必要がある画素は、左から右までおよび上から下までの順序で1つずつ形成される。オンにされる必要がある画素の位置は、異なる事前設定部分パターンにおいて異なっている。対象画素配列パターンにおける列数は、分解行列における列数の整数倍ではなく、行方向に沿った最後の分解行列は不完全である。
【0050】
例えば、図7を参照すると、各2×2分解行列は、以下:第1の画素、第2の画素、第3の画素、および第4の画素のような4つの画素を左から右および上から下の順に含む。第1の画素は左から右への第1の行の第1の位置にあり、第2の画素は左から右への第1の行の第2の位置にあり、第3の画素は左から右への第2の行の第1の位置にあり、第4の画素は左から右への第2の行の第2の位置にある。第1の事前設定部分パターンにおいて、第1の2×2分解行列における第1の画素はオンにされる必要があり、第1の分解行列は、左から右におよび上から下に繰り返されて、第1の事前設定部分パターンを形成する。第2の事前設定部分パターンにおいて、第2の2×2分解行列における第2の画素はオンにされる必要があり、第2の分解行列は、左から右におよび上から下に繰り返されて、第2の部分パターンを形成する。第3の部分パターンにおいて、第3の2×2分解行列における第3の画素はオンにされる必要があり、第3の分解行列は、左から右におよび上から下に繰り返されて、第3の事前設定部分パターンを形成する。第4の部分パターンにおいて、第4の2×2分解行列における第4の画素はオンにされる必要があり、第4の分解行列は、左から右におよび上から下に繰り返されて、第4の事前設定部分パターンを形成する。
【0051】
さらに、各事前設定部分パターンの中でオンにされる必要がある画素は、分解行列において異なる画素位置にある。図7を再び参照すると、第1の事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は、第1の2×2分解行列における第1の画素であるが、第2の事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は、第2の2×2分解行列における第2の画素であり、第1の画素の位置および第2の画素の位置は、2×2分解行列では同じではない。同様に、第3の事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は第3の画素であるが、第4の事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素は第4の画素であり、第3の画素の位置および第4の画素の位置は、2×2分解行列では同じではない。従って、異なる事前設定部分パターンにおいてオンにされる必要がある画素の位置は異なっている。
【0052】
対象画素配列パターンにおける列数が分解行列における列数の整数倍でない場合、行方向に沿った最後の分解行列は不完全であり、オンにされる必要がある画素を含まない場合があることに留意されたい。例えば、図7を参照すると、それぞれの事前設定部分パターンにおける左側破線の矩形は、行方向における最後の分解行列を表し、第1の事前設定部分パターンにおいて、第1の行方向における最後の分解行列は2×2配列を含むことができず、2×1配列のみを含むことができ、第2の画素および第4の画素は最後の分解行列に含まれない。よって、第1の画素および第3の画素は、行方向において最後の分解行列になるように繰り返されるが、第2の画素および第4の画素は繰り返されず、行方向において最後の分解行列にならない。対象画素配列パターンにおける行数が分解行列における行数の整数倍ではない場合、列方向に沿った最後の分解行列は不完全なものであり得る。例えば、図8を参照すると、矢印方向は繰り返される分解行列の方向を表し、破線の矩形は分解行列を表し、最後の点で描かれた矩形は列方向における最後の分解行列を表し、第1の部分パターンにおいて、第1の列方向における最下部の分解行列は、3×3配列を含むことができず、2×3配列のみを含むことができ、第7の画素、第8の画素、および第9の画素は、最後の分解行列に含まれない。よって、第1の画素から第6の画素は繰り返されて列方向において最後の分解行列になるが、第7の画素、第8画素、および第9の画素は繰り返されず、列方向における最後の分解行列にならない。
【0053】
例えば、Nが9である場合のマイクロLED配列パネルの9個の事前設定部分パターンを示す図8を参照すると、ここで、分解行列は9画素を有する3×3配列である。図8において、第1の事前設定部分パターン、第2の事前設定部分パターン、第3の事前設定部分パターン、…、および第9の事前設定部分パターンとして、左から右および上から下までの9個の事前設定部分パターンが示されており、9個の部分パターンのそれぞれにおいて、オンにされる必要がある画素は行方向に沿って2画素ずつ、および列方向に沿って2画素ずつ互いに分離される。9個の部分パターンは対象画素配列パターンを形成するために重ねられ得る。
【0054】
さらに、3×3分解行列においてオンにされる必要がある画素は、ある特定の順序で1つずつ判定される。いくつかの実施形態では、分解行列においてオンにされる必要がある画素は、左から右および上の行から下の行までの順序で1つずつ判定される。例えば、各3×3分解行列は、以下:第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、…、および第9の画素のような9個の画素を、左から右および上から下の順に含む。第1の画素は左から右への第1の行の第1の位置にあり、第2の画素は左から右への第1の行の第2の位置にあり、第3の画素は左から右への第1の行の第3の位置にあり、第4の画素は左から右への第2の行の第1の位置にあり、第5の画素は左から右への第2の行の第2の位置にあり、第6の画素は左から右への第2の行の第3の位置にあり、第7の画素は左から右への第3の行の第1の位置にあり、第8の画素は左から右への第3の行の第2の位置にあり、第9の画素は左から右への第3の行の第3の位置にある。第1の事前設定部分パターンにおいて、各3×3分解行列の第1の行における第1の画素はオンにされる必要があるため、各分解行列の第1の画素は、左から右および上から下まで繰り返されて、第1の事前設定部分パターンを形成する。第2の事前設定部分パターンにおいて、各3×3分解行列の第1の行における第2の画素はオンにされる必要があるため、各分解行列の第2の画素は、左から右および上から下まで繰り返されて、第2の事前設定部分パターンを形成する。第3の事前設定部分パターンにおいて、各3×3分解行列の第1の行における第3の画素はオンにされる必要があるため、各分解行列の第3の画素は、左から右および上から下まで繰り返されて、第3の事前設定部分パターンを形成する。第4の事前設定部分パターンにおいて、各3×3分解行列の第2の行における第1の画素はオンにされる必要があるため、各分解行列の第4の画素は、左から右および上から下まで繰り返されて、第4の事前設定部分パターンを形成するなどが行われ、第9の事前設定部分パターンが形成される。
【0055】
さらに、各事前設定部分パターンの中でオンにされる必要がある画素は、分解行列において異なる画素位置にある。図8を再び参照すると、第1の事前設定部分パターンにおいて繰り返される必要がある画素は、3×3分解行列における第1の画素であり、第2の事前設定部分パターンにおいて繰り返される必要がある画素は、3×3分解行列における第2の画素であり、第3の事前設定部分パターンにおいて繰り返される必要がある画素は、3×3分解行列における第3の画素であり、第1の画素、第2の画素、および第3の画素は、各3×3分解行列において同じ位置にはない。同様に、3×3分解行列において、各事前設定部分パターンにおいて繰り返される必要がある画素の位置は、別の事前設定部分パターンにおいて繰り返される必要がある画素の位置と異なっている。従って、異なる事前設定部分パターンにおいて繰り返される必要がある画素の位置は異なっている。
【0056】
事前設定部分パターンは、複数の露光プロセス用に複数の事前設定部分パターンのグループを構成することに留意されたい。さらに、複数の露光プロセスにおける事前設定部分パターンは任意の順序で露光可能である。
【0057】
画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体の事前設定された特徴に一致しない画素欠陥点をさらに判定し、画素欠陥点に従ってマイクロLED配列パネルの欠陥検出モデルを判定する。ここで、事前設定された特徴は、ユーザ入力から取得された1つまたは複数の事前設定された閾値を含む。画素欠陥点を判定する前に、画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体に対する正規化処理をさらに実行し、すなわち、マイクロLED配列画像データ全体に含まれる画素の特徴値に対する正規化処理を実行する。マイクロLEDパターン画像データは画素のグレースケール値を含み、事前設定された特徴はそれぞれの画素の事前設定されたグレースケール値である。正規化処理は少なくとも、行ごとにマイクロLED配列画像データ全体のグレースケール分布を解析することを含む。画素欠陥判定モジュールは、さらに、画素グレースケール値および事前設定された特徴に従って画素を正常タイプと異常タイプとに分類する。いくつかの実施形態では、異常タイプは、各々の画素グレースケール値および事前設定された閾値に対応する、ドット落ち、暗画素、および明るすぎる画素を含む。事前設定された閾値は、第1の閾値および第2の閾値などのいくつかの閾値を含む。例えば、ゼロのグレースケール値を有する画素は死点画素であり、第1の閾値を下回るグレースケール値を有する画素は暗点画素であり、第1の閾値と第2の閾値との間のグレースケール値を有する画素は基準点画素であり、第2の閾値を上回るグレースケール値を有する画素は明るすぎる点の画素である。様々な事前設定された閾値は経験値であることに留意されたい。8ビットの画像を例として、第1の設定閾値は40であり得、第2の設定閾値は60であり得る。当然ながら、上記の値は例に過ぎず実際にはこれらに限定されない。異常タイプは、死角、カットオフライン、暗線、暗領域、明るすぎるライン、および明るすぎる領域をさらに含み得る。
【0058】
システムは、欠陥検出モデルに従って表示画面上にマイクロLED配列パネルの画素グレースケール値および欠陥画素を表示し、さらに、欠陥画素を着色して着色した画素の欠陥を表示画面上に示すための表示モジュールをさらに備える。さらに、マイクロLED配列画像データ全体が得られた後、表示モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体に従ってマイクロLED配列画像をさらに表示する。
【0059】
図1を再び参照すると、システムは、マイクロLED配列パネルまたは半導体ウエハを配設するための試料台をさらに含む。マイクロLED配列パネルの位置は、試料台の位置を調節することによって画像収集モジュールと整列するように調節される。画像収集モジュールは、光学部品、グレーカメラ、電荷結合素子(CCD)、光電子増倍管(PMT)などの電子光学部品、および/または部分パターン画像を検出するための検出器を含む。
【0060】
カットオフライン参照すると、システムは、光学処理モジュールおよび光学判定モジュールをさらに備え、画像収集モジュールは、少なくともいくつかの画素をオンにしてまた画素をオンにせずに、マイクロLED配列の光学画像を取り込むための光学検出器をさらに含む。例えば、マイクロLED制御モジュールは、マイクロLED配列における画素の全てをオンにし、光学検出器はマイクロLED配列から光信号を取得し、次いで、光学処理モジュールは、光信号または画像データを電気データに変換し、最後に、光学判定モジュールは、電気データを解析および処理して、マイクロLED配列の光学モデルを得る。光学モデルは、マイクロLED配列からの発する光の波長、半値幅、およびCIE(国際照明委員会)のXY、発光パワー、色度座標、および絶対輝度などの様々な光学パラメータを含む。オンにされるマイクロLED配列の画素がないとき、画像収集モデルは、マイクロLED配列から電気信号をさらに取得し、次いで、別の電気プロセッサがこの電気信号を解析および処理して、マイクロLED配列の電気モデルを得る。電気モデルは、事前設定された負電圧下で取得される電流値を含むことができる。
【0061】
以下で、図5および図6を参照すると、前述のシステムによって実行される画素欠陥を検出するための方法は以下のステップを含む。
【0062】
ステップ1では、画像収集モジュールは、複数の露光プロセスによってマイクロLED配列パネルにおけるマイクロLED配列の複数の部分パターン画像を取得し、それぞれの露光プロセスではマイクロLED配列の1つの部分パターンを得る。
【0063】
ここで、ステップ1において、複数の部分パターン画像は、二値画像またはグレースケール画像であってよい。さらに、部分パターン画像のそれぞれは、別の実施形態では、マイクロLEDパターン全体の1/Nであり、ここで、Nは正の整数であり2以上である。
【0064】
ステップ1は以下のステップをさらに含む。
【0065】
ステップ101では、マイクロLED制御モジュールは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体をN個の部分に分割することによってN個の事前設定部分パターンを取得し、Nは正の整数であり2以上である。
【0066】
ここで、N個の事前設定部分パターンのそれぞれのパターンは、事前設定されたマイクロLEDパターン全体の1区分を含み、事前設定されたマイクロLEDパターン全体は、N個の事前設定部分パターンの全てを重ね合わせることによって形成される。ステップ101の詳細は図2および図3の前述の説明に言及され得、この説明についてここでは繰り返すことはない。
【0067】
さらに、画素は、事前設定部分パターンに従って、第1の事前設定部分パターンから第Nの事前設定部分パターンの順にオンにされる。詳細な手順については、以下のように説明可能である。
【0068】
ステップ102では、マイクロLED制御モジュールは、第1の事前設定部分パターンに従ってマイクロLED配列パネルにおける画素をオンにする。
【0069】
ここで、画素は、第1の事前設定パターンに従ってICシステムなどのマイクロLED制御モジュールの制御下でオンにされる。画素は暗室または任意の環境においてオンにされ得ることに留意されたい。
【0070】
ステップ103では、画像収集モジュールは、オンにされた画素によりマイクロLED配列を画像化することによって第1の部分パターン画像を取得する。
【0071】
ここで、画像収集モジュールは、グレーカメラ、CCD、PMTなどの任意の光学部品/電子光学部品を含む。第1の事前設定部分パターンに従って画素がオンにされるマイクロLED配列によって表示された画像は、光学モジュール(例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ)によって取り込まれて第1の部分パターン画像を形成する。光学モジュールが画像を取り込んでいるとき、非稼働状態で画素欠陥を有する画素がいくつかあり、これらの画素は画像光を発することができない。その結果、第1の部分パターン画像において、画素欠陥を有する画素の輝度は、理論上の欠陥のない画素の輝度と異なる。この輝度差を得るために、この実施形態では、相対的に単一の輝度を有する二値パターンを使用して、事前設定されたマイクロLEDパターン全体を、第1の現在の部分パターン画像が形成されることに基づいて形成する。二値パターンにおける画素は2種類の輝度のみを有し、画像化後の輝度差は明確になり、これは、画素の輝度に従って画素欠陥を検出する際に有利である。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の部分パターン画像は二値画像であり得る。二値画像における画素は、2種類の輝度、例えば、黒または白のみを有する。
【0073】
いくつかの他の実施形態では、第1の部分パターン画像はグレースケール画像であってよい。グレースケールカメラを直接使用して第1の現在の部分パターンに従ってマイクロLED配列における画素をオンにすることによって得られる画像を収集し、次いで、グレースケール画像を得ることができ、またはカラーカメラを使用して撮影した後、得られた画像をグレー化するが、この実施形態ではこれらに限定されない。
【0074】
二値画像とは異なり、グレースケール画像は、黒、白、および黒と白との間の多数の異なるグレーレベルを含む。グレーレベルは、第1の部分パターン画像の輝度を表すことができ、例えば、白は最も明るいことを意味し、黒は最も暗いことを意味する。従って、グレースケールの第1の部分パターン画像に示される画素の輝度に基づいて、マイクロLED配列におけるどの画素が画像光を発しないかを判定することができる。第1の部分パターンを定義するために「第1」を使用することは、説明の便宜上に過ぎず、本開示にいずれの限定も与えるものではないことは理解されるべきである。
【0075】
ステップ104では、ステップ102および103を繰り返して、第2の部分パターン画像、次いで第3の部分パターン画像、…、および第Nの部分パターン画像を得る。ここで、いくつかの実施形態において、Nはこの実施形態では3である。
【0076】
ステップ2では、画像収集モジュールは、それぞれの部分パターン画像に対応する部分パターン画像データを取得する。
【0077】
ここで、部分パターン画像データは、部分パターン画像データにおけるそれぞれの画素のデータを含む。ステップ2において、ステップ1で上述されるように、部分パターン画像データは二値画像データまたはグレースケール画像データであってよい。
【0078】
ステップ3では、画素欠陥データ処理モジュールは、部分パターン画像データの全てを組み合わせることによってマイクロLED配列画像データ全体を取得する。
【0079】
マイクロLED配列画像データ全体は、マイクロLED配列画像全体におけるそれぞれの画素のデータを含む。
【0080】
例えば、マイクロLED配列画像データ全体における画素のデータは、部分パターン画像データの全ての対応する画素のデータを組み合わせることによって得られる。図2を例として、マイクロLED配列画像データ全体の最上行における最左画素のグレースケール値は、第1の部分パターン画像データの最上行における最左画素の第1のグレースケール値、第2の部分パターン画像データの最上行における最左画素の第2のグレースケール値、および第3の部分パターン画像データの最上行における最左画素の第3のグレースケール値を合計することによって得られる。
【0081】
ここで、ステップ3では、マイクロLED配列画像データ全体が得られた後、表示モジュールがマイクロLED配列画像データ全体に従ってマイクロLED配列画像を表示することをさらに含む。マイクロLED配列画像はグレースケール画像である。
【0082】
ステップ4では、画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体を解析および処理することによって欠陥検出モデルを得る。
【0083】
ここで、ステップ4は以下のステップをさらに含む。
【0084】
ステップ401では、画素欠陥判定モジュールは、マイクロLED配列画像データ全体の事前設定された特徴に一致しない画素欠陥点を判定する。
【0085】
ここで、ステップ401では、画素欠陥点を判定する前に、画素欠陥判定モジュールがマイクロLED配列画像データ全体に対する正規化処理を実行することをさらに含み、マイクロLED配列画像データは画素のグレースケール値を含み、事前設定された特徴はそれぞれの画素の事前設定されたグレースケールレベルである。
【0086】
さらに、ステップ401では、事前設定された特徴はユーザ入力から取得された事前設定された閾値であり、正規化処理は少なくとも、画素欠陥判定モジュールが行ごとにマイクロLED配列画像データ全体のグレースケール分布を解析することを含む。
【0087】
事前設定された特徴からグレースケールが変化した画素欠陥は、グレースケール分布に基づいて判定される。ステップ401において、グレースケール分布は、マイクロLED配列のグレースケール画像データの輝度変化である。行ごとにグレースケール画像データのグレー分布を解析するとき、Roberts cross演算子、Prewitt演算子、Sobel演算子、Kirsch演算子、コンパス演算子、Canny演算子、および/またはラプラス演算子などのエッジ検出演算子を使用して、グレースケール画像データのそれぞれの画素の行においてより大きい輝度変化を有する画素を検出し、それぞれの画素の行における境界上に位置する画素としてそれらを使用することができる。
【0088】
ステップ401は、画素欠陥判定モジュールが、事前設定された特徴に従って画素グレースケール値を正常タイプと異常タイプとに分類することをさらに含み、異常タイプは、各々の事前設定された閾値に対応する、ドット落ち、暗画素、および明るすぎる画素を含む。事前設定された閾値は、第1の閾値および第2の閾値などのいくつかの閾値を含む。例えば、ゼロのような閾値は死点であり、第1の閾値を下回る画素値は暗点であり、第1の閾値と第2の閾値との間の画素値は基準点であり、第2の閾値を上回る画素値は明るすぎる点である。様々な事前設定された閾値は経験値であることに留意されたい。8ビットの画像を例として、第1の事前設定された閾値は40であり得、第2の設定閾値は60であり得る。当然ながら、上記の値は例に過ぎず、実際にはこれらに限定されない。
【0089】
ステップ402では、画素欠陥判定モジュールは、画素欠陥点に従ってマイクロLED配列パネルの検出検出モデルを判定する。
【0090】
さらに、検出検出モデルは、それぞれの画素に対応する異なる画素タイプを含む。異常タイプは、死角、カットオフライン、暗線、暗領域、明るすぎるライン、および明るすぎる領域をさらに含む。マイクロLED配列全体のグレースケール画像上の画素欠陥点を判定した後、欠陥点で構成される画素欠陥領域または画素欠陥線の少なくとも1つの輪郭は、マイクロLED配列全体のグレースケール画像におけるそれぞれの画素欠陥点の座標に従って判定可能である。
【0091】
欠陥領域または欠陥線が特定のグレースケール特徴を有し、グレースケール特徴がグレースケール画像のグレースケールレベルと関連付けられることは理解され得ることである。欠陥領域の画素の輝度は同じグレースケールに近いまたは等しい、例えば、黒に近いまたは20を下回るグレースケール値に近い。
【0092】
ステップ05では、表示モジュールは、マイクロLED配列画像データに従ってマイクロLED配列パネルの欠陥パターン全体を表示する。
【0093】
ここで、ステップ05は、以下:表示モジュールが欠陥検出モデルに従って表示画面上にマイクロLED配列パネルの画素グレースケール値および欠陥画素を表示する、詳細なステップを含む。
【0094】
ここで、表示モジュールは、表示画面と電気的に接続されている。画素グレースケール値を有する欠陥画素は表示画面上に表示される。さらに、ステップ05は、表示モジュールが欠陥画素を着色し、着色された画素欠陥を表示画面上に示すことをさらに含む。ここで、欠陥画素は、暗い、ドット落ち、明るすぎるなどの異なるタイプの欠陥を含む。よって、異なる欠陥画素の色は互いに異なっているが、同じ欠陥タイプを有する欠陥画素の色は同じである。
【0095】
上記の説明は本開示の実施形態に過ぎず、本開示はこれらに限定されない。本開示の概念および原理から逸脱することなくなされた修正、等化の置換、および改善は、本開示の保護範囲内にあるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
図1】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムを示すブロック図である。
図2】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列の複数の事前設定部分パターンを示す概略図である。
図3】本開示の別の実施形態によるマイクロLED配列の複数の事前設定部分パターンを示す概略図である。
図4】本開示の別の実施形態によるマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するためのシステムを示すブロック図である。
図5】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列パネルの欠陥検出モデルを構築するための方法のフローチャートである。
図6】本開示の一実施形態による図5のステップ1のフローチャートである。
図7本開示の別の実施形態によるマイクロLED配列の、2×2分解行列を有する複数の事前設定部分パターンを示す概略図である。
図8本開示の別の実施形態によるマイクロLED配列の、3×3分解行列を有する複数の事前設定部分パターンを示す概略図である。
【国際調査報告】