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特表2024-546771自動車リアフォグライトのための拡散特徴
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】自動車リアフォグライトのための拡散特徴
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20241219BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20241219BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20241219BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20241219BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20241219BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20241219BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20241219BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241219BHJP
   F21W 103/40 20180101ALN20241219BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/15
F21S43/14
F21V5/04 650
F21V5/04 250
F21V5/04 350
F21S43/19
F21S43/27
G02B5/02 B
F21Y115:10
F21W103:40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534528
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022052679
(87)【国際公開番号】W WO2023114195
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/288,933
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ティミンガー,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA18
(57)【要約】
光拡散レンズ、自動車照明システム、および光拡散レンズの製造方法が記載されている。光拡散レンズは、外面を含む。外面は、第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される。第1のシリンドリカルレンズは、第1の軸に沿って光を分配するように構成される。第2のシリンドリカルレンズは、第2の軸に沿って光を分配するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の軸に沿って光を分配するように構成された第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1の軸に沿って光を分配するように構成された第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される外面を含む、光拡散レンズ。
【請求項2】
前記光拡散レンズの深さは、第3の軸に平行である、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項3】
前記第3の軸は、光軸である、請求項2に記載の光拡散レンズ。
【請求項4】
前記光拡散レンズは、光を十字形パターンで実質的に均一に分配するように構成されている、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項5】
前記外面は、前記光拡散レンズの光出射面である、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項6】
前記第1の軸と前記第2の軸とは実質的に垂直である、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項7】
前記第1のシリンドリカルレンズは、第1の頂点を有し、前記第2のシリンドリカルレンズは、第2の頂点を有し、前記外面は、前記第1の頂点と前記第2の頂点のうちの小さい方に等しい第3の頂点を有する、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項8】
前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズとは、前記第1のシリンドリカルレンズの第1の面と前記第2のシリンドリカルレンズの第2の面とが一致するように重ね合わせられている、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項9】
自動車用照明システムであって、
少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、
前記少なくとも1つのLEDに隣接する少なくとも1つのコリメート構造と、
前記少なくとも1つのコリメート構造に隣接する光拡散構造であって、前記光拡散構造は、互いに機械的に結合された複数の光拡散レンズであって、前記複数の光拡散レンズの各光拡散レンズは、第2の軸に沿って光を分配するように構成された第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1の軸に沿って光を分配するように構成された第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される外面を含む、複数の光拡散レンズを含む、光拡散構造と、を含む、システム。
【請求項10】
前記複数の光拡散レンズのそれぞれの外面は、前記少なくとも1つのLEDによって放射される光の光出射面である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
各光拡散レンズは、前記光を十字形パターンで実質的に均一に分配するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記光拡散構造は、前記光を実質的に均一に分配するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記光拡散構造は、前記光を十字形パターンで実質的に均一に分配するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズとは、前記第1のシリンドリカルレンズの第1の面と前記第2のシリンドリカルレンズの第2の面とが一致するように重ねられている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
複数の連結された光拡散レンズは、行と列に配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
複数の連結された光拡散レンズは、格子を形成している、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
各光拡散レンズの前記第1の軸は、連結された光拡散レンズの前記第1の軸と一致すること、および平行であることのうちの少なくとも1つである、請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
各光拡散レンズの前記第2の軸は、連結された光拡散レンズの前記第2の軸と一致すること、および平行であることのうちの少なくとも1つである、請求項9に記載のシステム。
【請求項19】
光拡散レンズを製造する方法であって、
第2の軸に沿って光を分配するように構成された第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1の軸に沿って光を分配するように構成された第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される形状にレンズの外面を切断するステップ、を含む、方法。
【請求項20】
前記第1のシリンドリカルレンズの第1の頂点が前記第1の軸に沿って平行になるように、前記第1のシリンドリカルレンズを前記第1の軸に沿って位置決めし、
前記第2のシリンドリカルレンズの第2の頂点が前記第2の軸に沿って平行になるように、前記第2のシリンドリカルレンズを前記第2の軸に沿って位置決めし、
前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズを共通のフットプリント上に重ねることによって前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズを結合し、及び
結合された前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズのブール交差を実行することによって、
コンピュータプログラムにおいて前記形状を生成するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車リアフォグライトのための拡散特徴に関する。
【背景技術】
【0002】
リアフォグライトは規制されており、十字型方向範囲内の光の強度分布において高いレベルの均一性を有することが要求される。したがって、リアフォグライトの光学設計は、十字型方向範囲内の光出力の均一な分布を保証しなければならない。従来、発光ダイオード(LED)フォグライトでは、透明なコリメート要素が第1の面の光学系に組み込まれ、拡散特徴が第2の面の光学系に組み込まれる。このようなフォグライトでは、拡散特徴は、第1の面によってコリメートされたLED発光光からの光強度の均一に照らされた十字型分布を形成するように設計される必要がある。
【発明の概要】
【0003】
光拡散レンズ、自動車照明システム、及び光拡散レンズの製造方法が記載される。光拡散レンズは、外面を含む。外面は、第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される。第1のシリンドリカルレンズは、第1の軸に沿って光を分配するように構成される。第2のシリンドリカルレンズは、第2の軸に沿って光を分配するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付図面に関連して一例として示される以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
【0005】
図1】光拡散レンズの斜視図である。
図2A】設計および製造中の図1の光拡散レンズの異なる位相の斜視図である。
図2B図1の光拡散レンズの製造方法のフローチャートである。
図3】光学系の斜視図である。
図4】自動車のリアフォグライトモジュールの斜視図である。
図5】配光例のチャートである。
図6図5のチャートの凡例である。
図7図5のチャートにおいてyが0度の場合のx軸に沿った光度の折れ線グラフである。
図8図5のチャートにおいてxが0度の場合のy軸に沿った光度の折れ線グラフである。
図9】リアコンビネーションランプシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
自動車リアフォグライトのための光拡散レンズ、拡散構造、および光学システムの実施例は、添付図面を参照して以下により十分に説明される。これらの実施例は相互に排他的ではなく、1つの実施例に見られる特徴を1つ以上の他の実施例に見られる特徴と組み合わせて、追加の実施を達成することができる。したがって、添付の図面に示された実施例は、単に説明の目的のために提供されたものであり、本開示を何ら制限することを意図したものではないことが理解されよう。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0007】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書において様々な要素を説明するために使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用され得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連するリストされた項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含むことができる。
【0008】
層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上に」延びていると称される場合、それは、別の要素の上に直接存在してもよく、または、別の要素の上に直接延びていてもよく、または、介在要素が存在していてもよいことが理解されよう。対照的に、要素が、別の要素の「直上に」ある、または「直上に」延びていると称される場合、介在要素が存在しなくてもよい。要素が、別の要素に「接続されている」または「結合されている」と称される場合、それは、別の要素に直接接続または結合されてもよく、および/または、1つ以上の介在要素を介して別の要素に接続または結合されてもよいことも理解されよう。対照的に、要素が、別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と称される場合、要素と別の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図に示された任意の方向に加えて、要素の異なる方向を含むように意図されていることが理解されよう。
【0009】
特に明記されていない限り、本明細書では、「下」、「上」、「上部」、「下部」、「水平」または「垂直」などの相対的な用語を使用して、図に示されたように、1つの要素、層または領域と別の要素、層または領域との関係を記述することができる。これらの用語は、図に示された方向に加えて、装置の異なる方向を含むように意図されていることが理解されよう。
【0010】
上述したように、自動車のリアフォグライトの規制では、十字型の方向範囲内の光の強度分布に高いレベルの均一性が要求される。例えば、規制では、照明器具から放射される光の光度が十字型の方向範囲内で同じレベルであることが要求される場合がある。例えば、規制では、照明器具の左10度および右10度の範囲内にある光水平線と、照明器具の下5度および上5度の範囲内にある光垂直線が同じレベルの光強度を有することが要求される場合がある。例えば、電気駆動部品および光源の製造を含むリアフォグライトの製造の許容される変動および公差は、強度分布に関する規制を満たすことを困難にする。
【0011】
異なる要素の組み合わせを光拡散構造に組み込んで、所望の十字型の強度分布を形成することができる。例えば、光拡散構造は、単一のLEDの前にある多数の異なる要素、または多数の異なるLEDの前にある多数の識別可能な個別の要素から構成され、個別の要素は、共通の光分布を形成するために重ねられる。要素には、レンズ表面のセクションだけでなく、円筒プリズムまたはフラットトップピラミッドの形状のレンズを含めることができる。個別の要素を重ね合わせると、複数の要素が配光の中心に寄与し、より強い中心が作成される可能性がある。ただし、規制に従って、中心点は、十字型の強度分布の残りの部分よりも明るく、より強くすることはできません。この影響を回避または修正することは、製造または生産中に許容される許容範囲で特に困難な場合がある。アセンブリ内の光学系とLEDの間の変位などの許容範囲では、光の全体的な分布に対する要素による個々の寄与の多くの場合、細かくバランスのとれたアプローチが失敗し、均一な分布であるべきものに大きな強度差が生じる可能性がある。さらに、プリズムなどの個々の要素の製造は複雑な場合がある。
【0012】
したがって、照明器具からの光を十字形または菱形の分布などの所望の分布パターンに均一に分布させることができる単一の表面を形成するために組み合わされた2つのシリンドリカルレンズ表面のセクションを含む光拡散レンズが有利である場合がある。円筒面は幾何学的な円筒に限定されない。代わりに、円筒面は円弧状の輪郭の直線的な押し出しによって作られた任意の面を含むことができる。単一の面上に同一の光拡散レンズからなる光拡散構造が有利である。
【0013】
図1は、例示的な光拡散レンズ100の斜視図である。図示された光拡散レンズ100は、外面110を含む。光拡散レンズ100の外面110の形状は、少なくとも二つのレンズのブール交差の結果とすることができる。ブール交差は、二つ以上のソースオブジェクトに共通する部分のみを保持することによってオブジェクトを成形する操作とすることができる。ブール交差は、コンピュータプログラムで実行することができる。例えば、ブール交差は、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアで実行することができる。光拡散レンズ100は、光拡散レンズ100を通過する光の分布を制御することができる。光拡散レンズ100は、外面110から出る光を分配するように構成することができる。レンズ100は、PMMA、ポリカーボネート、またはガラスなどの透明プラスチックで構成することができる。光拡散レンズ100は、所望のパターン内で光を均一に分配することができる。例えば、光拡散レンズ100は、照明器具からの光を十字形の方向範囲に均一に分配することができる。光拡散レンズ100は、光を所望のパターンに分配するために複数の要素を重ね合わせる必要性を排除することができる。光拡散レンズ100は、より強い発光中心を生成することなく、光を均一に分配することができる。
【0014】
図2A及び図2Bは、光拡散レンズ100の製造方法を示す。光拡散レンズ100は、上述した光拡散レンズのいずれであってもよい。
【0015】
図2Aは、設計および製造中の図1の光拡散レンズ100の異なる相の斜視図である。図2Bは、光拡散レンズ100を製造する方法2000のフローチャートである。図に示すように。例えば、第1のレンズ210および第2のレンズ220を組み合わせて、図1の光拡散レンズ100の形状を形成することができる。第1のレンズ210および第2のレンズ220は、CADソフトウェアなどのコンピュータプログラムで組み合わせることができる。この例では、2つのレンズが拡散特徴100を形成するように構成されているが、3つ以上のレンズを組み合わせて光拡散レンズ100を形成することもできる。レンズ210,220は、シリンドリカルレンズであってもよい。しかし、レンズ210,220の形状および位置は、所望の配光パターンに依存してもよい。例えば、図1の光拡散レンズ100の所望の配光パターンは、十字型であってもよい。
【0016】
図2Aに示すように、第一のレンズ210は、円筒形の第一のレンズ210の頂点が第一の軸に平行に走る第一の軸に沿って位置決めすることができる(図2B、2010)。第一のレンズ210は、CADソフトウェア内で位置決めすることができる。第一の軸は、x軸または水平と定義することができる。第一のレンズ210は、円筒形の外側表面214を含むことができる。第一のレンズ210の外側表面214は、光を第一の軸から半径方向外側に分配するように構成することができる。図2Aに示すように、第二のレンズ220は、円筒形の第二のレンズ220の頂点が第二の軸に平行に走る第二の軸に沿って位置決めすることができる(図2B、2020)。第二のレンズ220は、CADソフトウア内で位置決めすることができる。第二の軸は、y軸または垂直として定義することができる。第二のレンズ220は、円筒形の外側表面216を含むことができる。第二レンズ20の外面216は、光を第二軸から半径方向外側に分配するように構成することができる。第一軸及び第二軸は、互いに実質的に垂直であってもよい。レンズ210,220の深さは、第三軸に沿って延びてもよい。第三軸は、z軸又は光軸として規定されてもよい。第三軸は、第一軸及び第二軸に対して実質的に垂直であってもよい。
【0017】
図2Aに示すように、第一レンズ210及び第二レンズ220は、共通の頂点を共有しなくてもよい。例えば、第二レンズ220は、第一レンズ210よりも大きな又は高い頂点を有することができる。第一レンズ210及び第二レンズ220は、それぞれ、均一性を提供し、製造を単純化するために、実質的に正方形のフットプリントを有することができる。第一のレンズ210および第二のレンズ220のパラメータを使用して、手動およびアルゴリズムベースの変動によって光拡散レンズ100の光学機能を最適化することができる。最適化され得るレンズのパラメータは、レンズのサイズ、レンズの厚さ、レンズの曲率、および非球面パラメータを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、レンズの横方向サイズは1 mmから5 mmの範囲であり、レンズの厚さは0.2 mmから2 mmの範囲であり、Y曲率は0.66であり、X曲率は0.71であり得る。
【0018】
図2Aに示すように、第一のレンズ210および第二のレンズ220は、重ねられて、結合レンズ230を形成する(図2B、2030)。第一のレンズ210および第二のレンズ220は、CADソフトウェアにおいてオーバーレイされてもよい。第一のレンズ210および第二のレンズ220は、同じフットプリント上に画定されてもよい。第一のレンズ210および第二のレンズ220は、第一のレンズ210の表面212と第二のレンズ220の対応する表面222とが整列するようにオーバーレイされ、位置決めされてもよい。結合レンズ230は、第一レンズ210の外面214と第二レンズ220の外面216とによって画定される外面218を含むことができる。図2Aに示すように、結合レンズ230の外面218の中心は、二つの層または表面を有することができる。第一層は、第一レンズ210の外面214の中心であり、第二層は、第二レンズ220の外面216の中心であることができる。
【0019】
図2Aに示すように、光拡散レンズ100は、結合レンズ230のブール交差によって形成されてもよい(図2B、2040)。ブール交差は、CADソフトウェアで実行されてもよい。ブール交差は、結合された第一レンズ210および第二レンズ220のうち、第一レンズ210および第二レンズ220の両方に共通の部分を保持してもよい。第一レンズ210のうち、第二レンズ220と重ならない部分を除去してもよい。また、第一レンズ210と第二レンズ220との共通部分のみを残して光拡散レンズ100としてもよい。また、光拡散レンズ100の外表面110は、複合レンズ230の第一レンズ210と第二レンズ220との重複領域の断面によって規定されてもよい。なお、複合レンズ230のうち、第一レンズ210と第二レンズ220のいずれか一方のみによって規定される領域は除去されてもよい。結合レンズ230とは異なり、光拡散レンズ100の外側表面110は、単一層または表面であってもよい。光拡散レンズ100の単一層の外側表面110は、外側表面110から出射する光を、例えば十字形のような所望のパターンで実質的に均一に分配してもよい。
【0020】
光拡散レンズ100は、外側表面110がCADソフトウェアで生成され得るブール交差の結果である形状を有するようにレンズを切断することによって形成され得る(図2B、2050)。光拡散レンズ100は円筒面から構成されるので、光拡散レンズ100のツーリングは単純であり得る。円筒面は、輪郭の直線押し出しであり得る。光拡散レンズ100の表面は、円筒面のみで構成することができる。光拡散特徴100は、直線工具によって製造することができる。換言すれば、光拡散レンズ100の外面110は、直線運動のみを有する切削工具によって製造することができる。リニアツーリングは、多くの場合、より複雑な表面に必要とされる三次元制御切削運動よりも高速かつ高精度である。
【0021】
図3は、光学システム300の斜視図である。光学システム300は、自動車のリアフォグライト用に構成することができる。光学システム300は、LED310、コリメート構造320、および光拡散構造330を含む。LED310は、一つまたは複数のLEDであってもよく、いくつかの実施形態では、LEDまたは発光セグメントの一つまたは複数の行および/または列のアレイであってもよい。いくつかの実施形態では、LEDは非常に小さく、近接して配置されていてもよく、したがって、マイクロLEDと呼ばれてもよい。LED310によって放射された光は、コリメート構造320および光拡散構造330を通過してもよい。光拡散構造330は、LED310からの光を所望のパターンで均一に分配してもよい。
【0022】
光拡散構造330は、複数の光拡散レンズ100a~nを含むことができる。光拡散レンズ100a~nは、グリッド構造を形成するように行および列で隣接して結合されてもよい。複数の光拡散レンズ100は、前述した光拡散レンズ100のいずれであってもよい。複数の光拡散レンズ100a~nの各々の光拡散レンズ100の外面110は、光拡散構造330の外部から延びてもよい。各光拡散レンズ100の第一の軸は、接続された光拡散レンズ100の第一の軸と整列または平行であってもよい。各光拡散レンズ100の第二の軸は、接続された光拡散レンズ100の第二の軸と整列または平行であってもよい。各光拡散レンズ100は、個々に均一な所望のパターンで光を分配することができる。複数の光拡散レンズ100a~nは、共に均一な所望のパターンで光を分配することができる。図示の実施例では、各光拡散レンズ100及び複数の光拡散レンズ100a~nは、光を十字状に分配する。LEDがマイクロLEDなどのLEDのアレイである場合、光拡散レンズ100a~nの各々は、アレイ内のLEDまたは発光セグメントの1つに対向して配置されてもよい。
【0023】
照明器具からの光を所望の形状の方向、例えば十字状の分配方向に分配するために複数の要素を必要とする光拡散構造とは異なり、光拡散構造330は、1つまたは複数のLEDまたは発光セグメントの光を所望のパターンで分配する単一の要素であってもよい。光拡散機能330は、所望のパターンで光を分配するために複数の異なる要素を重ね合わせる必要性を排除することができる。光拡散機能330は、より強い発光中心を生成することなく、光を均一に分配することができる。
【0024】
図4は、リアフォグライトモジュール400の斜視図である。図示されたリアフォグライトモジュール400は、回路基板420、少なくとも一つのLEDまたは発光セグメント310、および光拡散構造330を含む。上述のように、リアフォグライトモジュール400は、複数のLED310を含むことができる。例えば、モジュール400は、二つまたは三つのLED310を含むことができる。図4の例示的なモジュール400は、3つのLED310を含む。各LED310は、1つまたは複数のLEDで構成されてもよく、一部の実施形態では、LEDまたは発光セグメントの1つまたは複数の行および/または列のアレイであってもよい。各LED310の反対側に、1つの光コリメート構造320を設けてもよい。コリメート構造320は、複数の表面を含んでもよい。リアフォグライトモジュール400は、光拡散レンズ100a~nのアレイを含む光拡散構造330を含むことができる。光拡散構造330は、リアフォグライトモジュール400の出力面を形成することができる。コリメート構造320および光拡散構造330を含む、リアフォグライトモジュール400の光学系は、単一の固体透明ユニットであってもよい。リアフォグライトモジュール400は、車両のリアフォグライトの対応するキャビティに嵌合してセットすることができる。リアフォグライトモジュール400は、車両のリアコンビネーションランプの一部とすることができる。複数のリアフォグライトモジュール400は、車両のリアコンビネーションランプの一部とすることができる。リアフォグライトモジュール400は、車両によって電力が供給される電気システムに接続するように構成することができる。
【0025】
図5は、図4に示すリアフォグライトモジュール400などのリアフォグライトモジュールからのシミュレーションされた配光の一例を示すチャートである。図5のチャートは、リアフォグライトモジュール400の第一またはx軸および第二またはy軸に沿った配光を示す。チャート座標0,0または原点は、リアフォグライトモジュール400のおおよその中心を表すことができる。図5のチャートにおける濃淡は、図6に示すチャート凡例に対応する。図6に示すように、濃淡は、カンデラで測定された光度を示す。図5のチャートに示すように、光は十字形パターンで分配される。yが0度のときのx軸に沿った光度を図7に示す。xが0度のときのy軸に沿った光度を図8に示す。図7および図8に示すように、光度は実質的に均一である。
【0026】
本明細書に記載される例示的な光拡散構造330は、自動車のリアフォグライトのランプハウジング内に取り付けられるLEDなどの追加の光学部品と組み合わせることができる。
【0027】
図9は、本明細書に記載する実施形態および実施例の一つ以上を組み込むことができるリアコンビネーションランプシステム700の一例を示す図である。図9に示すリアコンビネーションランプシステム700の一例は、電力線702、データバス704、入力フィルタおよび保護モジュール706、バストランシーバ708、センサモジュール710、LED直流/直流(DC/DC)モジュール712、論理低ドロップアウト(LDO)モジュール714、マイクロコントローラ716、およびアクティブリアコンビネーションランプ718を含む。
【0028】
電力線702は、車両から電力を受け取る入力を有してもよく、データバス704は、車両と車両リアコンビネーションランプシステム700との間でデータを交換することができる入力/出力を有してもよい。例えば、リアコンビネーションランプシステム700は、停止、テールターン、リアフォグ、およびバックアップの指示など、車両の他の位置からの指示を受信してもよく、必要に応じて、車両の他の位置にフィードバックを送信してもよい。センサモジュール710は、データバス704に通信可能に結合されてもよく、例えば、環境条件(例えば、時刻、雨、霧、または周囲光レベル)、車両状態(例えば、駐車中、走行中、走行速度、走行方向)、および他の物体の存在/位置(例えば、車両や歩行者)に関する追加データを、リアコンビネーションランプシステム700または車両内の他の位置に提供してもよい。車両データバスに通信可能に結合された任意の車両コントローラとは別個のリアフォグライトコントローラも、リアコンビネーションランプシステム700に含まれてもよい。図9において、リアフォグライトコントローラは、マイクロコントローラ(μC)716などのマイクロコントローラであってもよい。マイクロコントローラ716は、データバス704に通信可能に結合されてもよい。
【0029】
入力フィルタおよび保護モジュール706は、電力線702に電気的に結合されてもよく、例えば、伝導放出を低減し、電力イミュニティを提供するために様々なフィルタを支持してもよい。さらに、入力フィルタおよび保護モジュール706は、静電放電(ESD)保護、負荷ダンプ保護、交流発電機電界減衰保護、および/または逆極性保護を提供してもよい。
【0030】
LED DC/DCモジュール712は、入力フィルタおよび保護モジュール106と活性リアフォグライト718との間に結合されて、フィルタリングされた電力を受け取り、駆動電流を提供して、活性リアフォグライト718内のLEDアレイ内のLEDに電力を供給してもよい。LED DC/DCモジュール712は、約13.2ボルトの公称電圧を有する7から18ボルトの間の入力電圧と、LEDアレイの最大電圧(例えば、負荷、温度またはその他の要因による要因または局所的な較正および運転条件の調整によって決定される)よりもわずかに高い(例えば0.3ボルト)出力電圧とを有することができる。
【0031】
ロジックLDOモジュール714は、入力フィルタおよび保護モジュール706に結合されて、フィルタリングされた電力を受け取ることができる。また、ロジックLDOモジュール714は、マイクロコントローラ716および能動型リアコンビネーションランプ718に結合されて、マイクロコントローラ716および/またはCMOSロジックなどの能動型リアコンビネーションランプ718内の電子機器に電力を供給することができる。
【0032】
バストランシーバ708は、例えば、汎用非同期受信機送信機(UART)又はシリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースを有することができ、マイクロコントローラ716に結合することができる。マイクロコントローラ716は、センサモジュール710からのデータに基づいて、又はそれを含む車両入力を変換することができる。変換された車両入力は、アクティブリアフォグライト718内の画像バッファに転送可能なビデオ信号を含むことができる。さらに、マイクロコントローラ716は、起動中にデフォルトの画像フレームをロードし、オープン/ショートピクセルをテストすることができる。実施形態では、SPIインターフェースは、CMOS内の画像バッファをロードすることができる。画像フレームは、フルフレーム、差分フレーム、または部分フレームであってもよい。マイクロコントローラ716の他の特徴は、ロジックLDO出力だけでなく、ダイ温度を含むCMOSステータスの制御インターフェース監視を含むことができる。実施形態では、LED DC/DC出力は、ヘッドルームを最小にするように動的に制御することができる。画像フレームデータを提供することに加えて、サイドマーカーまたはターンシグナルライト、ストップライトおよび/またはフォグライトの起動と併せて補完的に使用するなどの他のリアコンビネーション機能も制御することができる。
【0033】
実施形態を詳細に説明したので、当業者は、本明細書の説明を前提として、開示された概念の精神から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に変更を加えることができることを理解するであろう。したがって、開示の範囲が図示および説明された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、保護の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。クレームにおいて、「comprising」という語は、他の要素又は工程を排除しない。また、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除しない。相互に異なる従属クレームに特定の手段が記載されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。クレームにおける参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光拡散レンズであって、
外面であって、前記外面が第1のシリンドリカルレンズ及び第2のシリンドリカルレンズの形状を含んだ面部分を含むように、前記外面は、第2の軸に沿って光を分配するように構成された前記第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1の軸に沿って光を分配するように構成された前記第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定され、前記外面は、前記光拡散レンズの光出射面である、外面を含む、光拡散レンズ。
【請求項2】
前記光拡散レンズの深さは、第3の軸に平行である、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項3】
前記第3の軸は、光軸である、請求項2に記載の光拡散レンズ。
【請求項4】
前記光拡散レンズは、光を十字形パターンで実質的に均一に分配するように構成されている、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項5】
前記第1の軸と前記第2の軸とは実質的に垂直である、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項6】
前記第1のシリンドリカルレンズは、第1の頂点を有し、前記第2のシリンドリカルレンズは、第2の頂点を有し、前記外面は、前記第1の頂点と前記第2の頂点のうちの小さい方に等しい第3の頂点を有する、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項7】
前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズとは、前記第1のシリンドリカルレンズの第1の面と前記第2のシリンドリカルレンズの第2の面とが一致するように重ね合わせられている、請求項1に記載の光拡散レンズ。
【請求項8】
自動車用照明システムであって、
少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、
前記少なくとも1つのLEDに隣接する少なくとも1つのコリメート構造と、
前記少なくとも1つのコリメート構造に隣接する光拡散構造であって、前記光拡散構造は、互いに機械的に結合された複数の光拡散レンズであって、前記複数の光拡散レンズの各光拡散レンズは、第2の軸に沿って光を分配するように構成された第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1の軸に沿って光を分配するように構成された第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される外面であって、前記複数の光拡散レンズのそれぞれの前記外面は、前記少なくとも1つのLEDによって放射される光の光出射面である、外面を含む、複数の光拡散レンズを含む、光拡散構造と、を含む、システム。
【請求項9】
各光拡散レンズは、前記光を十字形パターンで実質的に均一に分配するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記光拡散構造は、前記光を実質的に均一に分配するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記光拡散構造は、前記光を十字形パターンで実質的に均一に分配するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズとは、前記第1のシリンドリカルレンズの第1の面と前記第2のシリンドリカルレンズの第2の面とが一致するように重ねられている、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
複数の連結された光拡散レンズは、行と列に配置されている、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
複数の連結された光拡散レンズは、格子を形成している、請求項に記載のシステム。
【請求項15】
各光拡散レンズの前記第1の軸は、前記複数の光拡散レンズのうちの連結された1つの前記第1の軸と一致すること、および平行であることのうちの少なくとも1つである、請求項に記載のシステム。
【請求項16】
各光拡散レンズの前記第2の軸は、前記複数の光拡散レンズのうちの連結された1つの前記第2の軸と一致すること、および平行であることのうちの少なくとも1つである、請求項に記載のシステム。
【請求項17】
光拡散レンズを製造する方法であって、
外面が第1のシリンドリカルレンズ及び第2のシリンドリカルレンズの形状を含んだ面部分を含むように、第2の軸に沿って光を分配するように構成された前記第2のシリンドリカルレンズと重ねられた第1の軸に沿って光を分配するように構成された前記第1のシリンドリカルレンズのブール交差によって画定される前記形状にレンズ材料前記外面を切断するステップであって、前記外面は、前記光拡散レンズの光出射面である、ステップ、を含む、方法。
【請求項18】
前記第1のシリンドリカルレンズの第1の頂点が前記第1の軸に沿って平行になるように、前記第1のシリンドリカルレンズのコンピュータ生成表現を前記第1の軸に沿って位置決めし、
前記第2のシリンドリカルレンズの第2の頂点が前記第2の軸に沿って平行になるように、前記第2のシリンドリカルレンズのコンピュータ生成表現を前記第2の軸に沿って位置決めし、
前記第1のシリンドリカルレンズのコンピュータ生成表現と前記第2のシリンドリカルレンズのコンピュータ生成表現を共通のフットプリント上に重ねることによって前記第1のシリンドリカルレンズの前記コンピュータ生成表現と前記第2のシリンドリカルレンズの前記コンピュータ生成表現を結合し、及び
記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズの結合されたコンピュータ生成表現のブール交差を実行することによって、
コンピュータプログラムにおいて前記形状を生成するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】