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特表2024-546774在宅腎代替療法のための臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】在宅腎代替療法のための臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボット
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241219BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024534538
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022081363
(87)【国際公開番号】W WO2023114717
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】17/551,608
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ジェイムズ ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】マーティス, アイザック ディーン
(72)【発明者】
【氏名】コーネル, ブライアン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ, ケント アラン
(72)【発明者】
【氏名】ダネク, ジュディ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】
在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボットが、本明細書において開示される。仮想アシスタント/チャットボットは、腎代替療法に関連する患者の要求または問題に関する情報をタイプする、話す、または、そうでなければ提供することによって、患者が仮想チャットセッションに従事することを可能にするように構成される患者に面するユーザインターフェースを含む。仮想アシスタント/チャットボットは、患者の要求に応答するためのロジックを提供するように構成されたバックエンドサーバベースのシステムも含む。ロジックは、患者の問い合わせを解決するための一連の質問および回答を定義する。アシスタント/チャットボット質問および患者回答のシーケンスは、特定の患者回答/要求が患者からのさらなる情報に関するさらなる質問をもたらすように、ノード配置で構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボットシステムであって、前記システムは、
ネットワークに通信可能に結合されたインターフェースであって、前記インターフェースは、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのためのインターフェースと通信するように構成されている、インターフェースと、
仮想アシスタントまたはチャットボットのための患者問合せトリアージデータ構造を記憶しているメモリデバイスであって、前記データ構造は、透析または医療デバイスの動作に関連する複数の潜在的な問題を含み、各問題は、応答アクションにつながる質問および可能な回答の階層を含み、前記応答アクションは、臨床医との直接通信接続と、音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムとの通信接続とを含む、メモリデバイスと、
前記インターフェースおよび前記メモリデバイスに通信可能に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
前記ユーザデバイス上のアプリケーションまたは前記医療デバイスのインターフェースから問い合わせメッセージを受信することと、
前記仮想アシスタントまたはチャットボットを使用して対話型セッションを提供することであって、前記対話型セッションは、応答アクションが識別されるまでさらなる情報を受信するために1つ以上のプロンプトを伴って質問の階層を通して進行する、ことと、
前記応答アクションが直接通信に関連する場合、臨床医デバイスのアドレスまたは番号を決定し、前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースと前記臨床医デバイスとの間で通信セッションが開始されるようにすることと、
前記応答アクションが前記音声メールシステム、前記人と人とのチャットシステム、または前記電子メールシステムに関連する場合、臨床医のアカウントを決定し、患者が前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースを使用して臨床医のための要求メッセージを送信することを可能にすることと
を行うように構成されている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記対話型セッションからの前記さらなる情報の少なくとも一部を前記臨床医のための前記要求メッセージと合体させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサ、前記メモリデバイス、および前記インターフェースは、クラウドコンピューティング環境の中に位置している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記問い合わせメッセージおよび前記さらなる情報は、発話として受信され、前記プロセッサは、前記発話をテキストに変換するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記音声メールシステム、前記人と人とのチャットシステム、または前記電子メールシステムのための前記臨床医の前記アカウントから臨床医応答メッセージを受信することと、
前記臨床医応答メッセージを前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースに送信することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記応答アクションは、自動応答アクションをさらに含み、
前記応答アクションが前記自動応答アクションに関連する場合、前記プロセッサは、前記自動応答アクションを示す情報を前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースに送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記自動応答アクションは、患者ガイドからの回答、医療デバイス消耗品のための注文に関する回答、前記医療デバイスの動作に関する回答、または一般的な患者の健康または医学的状態に関する事前にプログラムされた回答のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記応答アクションは、医療デバイス製造業者応答アクションをさらに含み、
前記応答アクションが前記医療デバイス製造業者応答アクションに関連する場合、前記プロセッサは、製造業者デバイスのアドレスまたは番号を決定し、前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースと前記製造業者デバイスとの間で通信セッションが開始されるようにするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記医療デバイス製造業者応答アクションは、前記医療デバイスのための消耗品の再注文、前記医療デバイスに伴う技術的問題、または前記医療デバイスに伴う動作上の問題のうちの少なくとも1つに関連する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記医療デバイスは、腹膜透析機械、血液透析機械、持続的腎代替療法(「CRRT」)機械、注入ポンプ、または患者制御鎮痛(「PCA」)機械のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記問い合わせメッセージを受信した後、前記医療デバイスからの治療データまたは電子医療記録からの前記患者に関連する患者データのうちの少なくとも1つにアクセスすることと、
前記治療データまたは前記患者データの少なくとも一部を前記対話型セッションの一部として前記質問の階層を通して進行するための回答として使用することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記問い合わせメッセージを受信した後、前記医療デバイスからの治療データ、または電子医療記録からの前記患者に関連する患者データのうちの少なくとも1つにアクセスすることと、
前記治療データまたは前記患者データの少なくとも一部を前記臨床医のための前記要求メッセージと共に含むことと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記治療データは、(i)透析処方箋のための治療パラメータ、(ii)1つ以上の透析治療を行なうことによる結果、(iii)前記医療デバイスに関連する診断情報、または(iv)前記医療デバイスの現在の状態のうちの少なくとも1つを含み、
前記患者データは、電子医療記録情報、検査結果、電子臨床医ノート、以前の医療診断、患者の生理学的データ、または患者の人口統計データのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記患者問合せトリアージデータ構造の階層は、病院システムまたは診療所のプロトコルに基づいて修正されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボット方法であって、前記方法は、
プロセッサにおいて、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースから問い合わせメッセージを受信することと、
前記プロセッサを介して、仮想アシスタントまたはチャットボットを使用して対話型セッションを提供することであって、前記対話型セッションは、応答アクションが識別されるまでさらなる情報を受信するために1つ以上のプロンプトを伴って質問の階層を通して進行し、前記仮想アシスタントまたはチャットボットのための命令は、前記仮想アシスタントまたはチャットボットのための患者問合せトリアージデータ構造も記憶しているメモリデバイスに記憶され、前記データ構造は、透析または医療デバイスの動作に関連する複数の潜在的な問題を含み、各問題は、応答アクションにつながる質問および可能な回答の前記階層を含み、前記応答アクションは、臨床医との直接通信接続と、音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムとの通信接続とを含む、ことと、
前記応答アクションが直接通信に関連する場合、前記プロセッサを介して、臨床医デバイスのアドレスまたは番号を決定し、前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースと前記臨床医デバイスとの間で通信セッションが開始されるようにすることと、
前記応答アクションが前記音声メールシステム、前記人と人とのチャットシステム、または前記電子メールシステムに関連する場合、臨床医のアカウントを決定し、患者が前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースを使用して臨床医のための要求メッセージを送信することを可能にすることと
を含む、方法。
【請求項16】
前記プロセッサを介して、前記対話型セッションからの前記さらなる情報の少なくとも一部を前記臨床医のための前記要求メッセージと合体させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記問い合わせメッセージおよび前記さらなる情報は、発話として受信され、前記方法は、前記発話をテキストに変換することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサにおいて、前記音声メールシステム、前記人と人とのチャットシステム、または前記電子メールシステムのための前記臨床医の前記アカウントから臨床医応答メッセージを受信することと、
前記プロセッサを介して、前記臨床医応答メッセージを前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースに送信することと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記応答アクションは、自動応答アクションをさらに含み、
前記応答アクションが前記自動応答アクションに関連する場合、前記方法は、前記自動応答アクションを示す情報を前記ユーザデバイス上の前記アプリケーションまたは前記医療デバイスの前記インターフェースに送信することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記自動応答アクションは、患者ガイドからの回答、医療デバイス消耗品のための注文に関する回答、前記医療デバイスの動作に関する回答、または一般的な患者の健康または医学的状態に関する事前にプログラムされた回答のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プロセッサを介して、前記問い合わせメッセージを受信した後、前記医療デバイスからの治療データ、処方された療法またはプログラム、または電子医療記録からの患者に関連する患者データのうちの少なくとも1つにアクセスすることと、
前記プロセッサを介して、前記治療データ、前記処方された療法またはプログラム、または前記患者データの少なくとも一部を臨床医のための前記要求メッセージと共に含むことと
をさらに含み、
前記処方された療法またはプログラムは、透析処方箋のための治療パラメータを含み、前記治療データは、(i)1つ以上の透析治療を行なうことによる結果、(ii)前記医療デバイスに関連する診断情報、または(iii)前記医療デバイスの現在の状態のうちの少なくとも1つを含み、
前記患者データは、電子医療記録情報、検査結果、電子臨床医ノート、以前の医療診断、患者の生理学的データ、または患者の人口統計データのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの透析療法(例えば、腎代替療法)は、患者によって自宅で自分で施されることができる。透析療法は、自動腹膜透析(「APD」)、連続携行式腹膜透析(「CAPD」)、および血液透析(「HD」)を含むことができる。これらの自分で施される療法に関して、訪問看護師は、典型的に、療法を自ら行なうように患者を訓練する。訪問看護師は、定期的にスケジュールされる診療所訪問の範囲外にある患者の問い合わせおよび他の予定外の対話に応答する役割も担う。例えば、新規の患者は、特定の構成要素(透析流体バッグまたは使い捨てカセットおよび移送セットなど)をどのように注文するか、または透析機械上の特定の警報にどのように反応するかなど、療法を施すことに関する質問がある場合、看護師を呼び得る。これらの緊急でない問い合わせに加えて、場合によっては、患者は、腹膜炎の合併症または症状を経験しているときなど、より緊急の問題で看護師を呼び得る。特定のツールが、検索可能なオンラインデータベースなどの多くの問い合わせに回答するために存在するが、多くの高齢者である患者のために最も快適な方法は、電話を使用して看護師と対話することである。透析療法が毎日行なわれるので、訪問看護師は、これらの問題および問い合わせが患者の透析療法を遅らせないことを確実にするために、緊急でない要求であっても、すぐに応答しなければならない。
【0002】
訪問看護師との対話に関して、透析患者の2つの極端な行動がある。極端な例では、患者は、比較的深刻な状況に関しても、看護師に迷惑をかけたくない。これらのタイプの患者は、看護師との問題をエスカレートする前、腹膜炎などの緊急の問題を長時間放置し得る。これは、問題が早期に自己識別されない場合、まれではあるが重大な合併症につながり得る。他方の極端な例では、特定の患者は、週に複数回、自分の看護師に過度に電話をかける。これらの場合、患者は療法を行なうための自信を有していないこともあり、時には、単に、さらなる心理社会的支援を望み得る。
【0003】
典型的に、日中、看護師は、新しい患者を訓練し、診療所で患者と対話することを任される。場合によっては、在宅透析患者からの予定外の呼び出しが、看護師のワークフローまたはスケジュールされたタスクを中断し得る。他の場合、訪問看護師は、在宅患者が電話した場合、患者の電話に直接回答することができないこともある。一部の診療所は、患者の問い合わせ電話に回答するための管理アシスタントを有するが、これらのアシスタントは、医学的に訓練されておらず、常に利用できるとは限らない。小規模な透析診療所では、1人の看護師が他のケアエリアで働く場合もあり、それは、患者の呼び出しおよび要求に対応できるまでに数時間から数日かかることを意味する。ほとんどの診療所は、音声メールに直接接続された看護師の電話回線を有しており、それによって、看護師は、「通常の」営業時間後にこれらの音声メールに応答する。
【0004】
スケジュール立案者のために残念なことに、看護師は、予定外の患者対話に応答するためにかなりの時間を費やす。第1に、予定外の対話は、看護師が対話の緊急性を決定するための時間を必要とする。次いで、看護師は、質問に対する簡単な回答のためであっても、フォローアップするために、または、患者の要求を受けたことを患者に知らせるために時間を費やさなければならない。予定外の患者対話に応答する総時間は、最大10時間/週であり得る。
【0005】
したがって、在宅透析患者との予定外の対話の少なくとも一部をオフロードするシステムが、必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボットが、本明細書において開示される。仮想アシスタント/チャットボットは、透析機械またはスマートフォン上またはタブレット上のアプリケーション(例えば、アプリ)によって提供され得る患者に面するユーザインターフェースを含む。患者に面するユーザインターフェースは、腎代替療法または透析療法に関連する患者の要求または問題に関する情報をタイプすること、話すこと、またはさもなければ提供することによって、患者が仮想チャットセッションに従事することを可能にするように構成される。仮想アシスタント/チャットボットは、患者の要求に応答するためのロジックを提供するように構成されたバックエンドサーバベースのシステムも含む。ロジックは、患者問い合わせを解決するための質問および回答のロジックシーケンスを定義するメモリデバイスまたはデータ構造に記憶された命令によって定義され得る。アシスタント/チャットボット質問および患者回答のシーケンスは、特定の患者回答/要求が患者からのさらなる情報に対するさらなるアシスタント/チャットボット質問をもたらすように、ノード配置で構成され得る。しかしながら、全てのアシスタント/チャットボット質問に関する患者からの回答に依存するのではなく、アシスタント/チャットボット質問の少なくとも一部は、医療デバイス(例えば、透析機械)からの医療デバイスデータを使用して自動的に(または少なくとも一部が自動的に)決定され得るか、または、患者の電子医療記録内に含まれ得る。
【0007】
本明細書に記載のロジックは、看護師および他の透析臨床医の作業負荷をより良好に管理するために、患者の要求を分類、優先順位付け、および/またはエスカレーションするように構成される。例えば、本明細書に記載の仮想アシスタント/チャットボットロジックは、患者の問い合わせに自動的に応答するように、または、患者の問い合わせがより詳細な医学的フォローアップのために一次臨床医にルーティングされるべきかどうかを決定するように構成される。本明細書に記載の仮想アシスタント/チャットボットロジックは、患者の問い合わせが、優先順位の低い問題のために音声メールボックス、仮想メッセージボックス、電子メールインボックス、および/または看護師の回答サービス(例えば、訪問看護師)にルーティングされるべきか、または、代わりに、より緊急性の高い医療緊急事態のために看護師に直接接続されるべきかどうかを決定するようにも構成される。また、本明細書に記載の仮想アシスタント/チャットボットロジックは、技術的問題を解決するために、警報を再発生させるために、または透析流体バッグなどの透析消耗品を再注文するために、患者の問い合わせが透析機械(または他の医療デバイス)の製造業者にルーティングされるべきかどうかを決定するようにも構成される。
【0008】
例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックは、比較的単純な問題に関する患者と看護師との間の直接の対話を減らすように構成される。さらに、仮想アシスタント/チャットボットロジックは、入ってくる患者の対話を適切な通信経路にトリアージして、重大な緊急事態のみが臨床医および看護師の注意を直ちに喚起することを確実にするように構成される。したがって、例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックは、透析治療との患者の従事を増大させ、それによって、より良い臨床転帰を提供する自動化されたシステムを提供する。
【0009】
看護師に迷惑をかけたくない患者は、自身が混乱していないことを知って、以前の対話より多く仮想アシスタント/チャットボットを使用し得る。看護師または臨床医は、必要に応じてこれらの患者と定期的に対話し得るが、仮想アシスタント/チャットボットロジックは、より緊急の要求を識別し、看護師が自分のスケジュール内に収まり、患者にとって便利な時間にあまり緊急でない議論をスケジュールすることを可能にする。したがって、仮想アシスタント/チャットボットロジックは、腹膜炎またはカテーテルの変位などのより重度の病状がより早く解決される機会を改善しながら、透析治療の患者の順守を改善するのに役立つ。
【0010】
さらに、より多くの要求対話を開始する患者に関して、仮想アシスタント/チャットボットロジックは、特定の患者の問い合わせが最も適切な情報源または通信媒体にルーティングされることを確実にするためのスクリーンを提供する。この構成は、1人の患者が日常的に看護師のスケジュールを乱さないことを確実にし、代わりに、より深刻な問題に関してのみ看護師の注意を喚起する。さらに、これらの患者は、より多くの直接の対話を期待し得るので、仮想アシスタント/チャットボットは、看護師または他の臨床医が必要な情報で適切に応答できるように、最初の患者通信中に十分な情報を取得する。
【0011】
全体として、本明細書に記載の仮想アシスタント/チャットボットロジックは、臨床医の混乱を80%程度減らすことができる。臨床医は依然として患者の問い合わせの50%-75%に応答しなければならないこともあるが、これらの問い合わせは、臨床医が彼らのスケジュールまたはワークフローが許するように応答することを可能にする通信システムで待ち行列に入れられる。1年間にわたって、例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックは、重大でない混乱に対処することにおいて200時間にわたって臨床医の時間を省き得る。
【0012】
本開示の例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックおよび方法論は、例えば、血漿フェリス、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)血液透析濾過(「HDF」)および持続的腎代替療法(「CRRT」)治療のための流体送達に適用可能である。本明細書に記載の医療用流体データ転送システムは、腹膜透析(「PD」)、静脈内薬物送達、および栄養学的流体送達にも適用可能である。これらのモダリティは、本明細書では集合的にまたは一般的に個別に医療用流体送達または治療と呼ばれ得る。
【0013】
上記モダリティは、1つ以上のポンプ、バルブ、ヒータ(必要な場合)、オンライン医療用流体生成機器(必要な場合)、圧力センサ、導電率センサ、温度センサ、空気検出器、血液漏出検出器などのいずれか1つ以上、または全てなどのセンサ、ユーザインターフェース、および1つ以上のプロセッサおよびメモリを使用して上記機器を制御し得る制御ユニットなど、医療用流体を送達するために必要な構成要素を収容する医療用流体送達機械によって提供され得る。また、医療用流体送達機械は、血液を浄化するための透析器または血液濾過器および/または水、透析流体、または他の流体を精製するための限外濾過器などの1つ以上のフィルタも含み得る。
【0014】
本明細書に記載の医療用流体送達機械および医療用流体データ転送システムおよび方法論は、家庭用機械と共に使用され得る。例えば、システムは、患者の利便性で操作される家庭用HD、HF、またはHDF機械で使用され得る。そのような家庭用システムの1つは、本願の譲受人に譲渡され、2004年11月4日に出願された「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」と題する2011年10月4日に発行された米国特許第8,029,454号(「’454特許」)に記載されている。他のこのような家庭用システムは、2008年8月27日に出願された「Enclosure for a Portable Hemodialysis System」と題する2013年3月12日に発行された米国特許第8,393,690号(「’690特許」)に記載されている。上記各参考文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0015】
以下で詳細に説明するように、本開示の例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックおよび方法論は、多くの異なる種類のデバイス、患者、臨床医、医師、サービス要員、電子医療記録(「EMR」)データベース、ウェブサイト、患者および臨床医の通信を介して生成されたデータを処理するリソース計画システム、およびビジネスインテリジェンスを備えている多くの機械を含み得る包括的なプラットフォームまたはシステム内で動作し得る。本開示の例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックおよび方法論は、システム全体内でその規則およびプロトコルに違反することなくシームレスに動作する。
【0016】
本明細書の開示に照らして、決して本開示を限定するものではないが、特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせることができる本開示の第1の側面において、在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボットシステムは、ネットワークに通信可能に結合されるインターフェースを含む。インターフェースは、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのためのインターフェースと通信するように構成される。システムは、仮想アシスタントまたはチャットボットのための患者問合せトリアージデータ構造を記憶しているメモリデバイスも含む。データ構造は、透析または医療デバイスの動作に関連する複数の潜在的な問題を含み、各問題は、応答アクションにつながる質問および可能な回答の階層を含む。応答アクションは、臨床医との直接通信接続、および音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムとの通信接続を含む。システムは、インターフェースおよびメモリデバイスに通信可能に結合されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースから問い合わせメッセージを受信し、応答アクションが識別されるまでさらなる情報を受信するために1つ以上のプロンプトを伴って質問の階層を通して進行するために仮想アシスタントまたはチャットボットを使用して対話型セッションを提供するように構成される。
応答アクションが直接通信に関連する場合、プロセッサは、臨床医デバイスのアドレスまたは番号を決定し、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースと臨床医デバイスとの間で通信セッションが開始されるようにするように構成される。応答アクションが音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または前記電子メールシステムに関連する場合、プロセッサは、臨床医のアカウントを決定し、患者がユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースを使用して臨床医のための要求メッセージを送信することを可能にするように構成される。
【0017】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第2の側面によれば、プロセッサは、対話型セッションからのさらなる情報の少なくとも一部を臨床医のための要求メッセージと合体させるようにさらに構成される。
【0018】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第3の側面によれば、プロセッサ、メモリデバイス、およびインターフェースは、クラウドコンピューティング環境の中に位置する。
【0019】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第4の側面によれば、問い合わせメッセージおよびさらなる情報は、発話として受信され、プロセッサは、発話をテキストに変換するように構成される。
【0020】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第5の側面によれば、プロセッサは、音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムのための臨床医のアカウントから臨床医応答メッセージを受信し、臨床医応答メッセージをユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースに送信するようにさらに構成される。
【0021】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第6の側面によれば、応答アクションは、自動応答アクションをさらに含み、応答アクションが自動応答アクションに関連する場合、プロセッサは、自動応答アクションを示す情報をユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースに送信するように構成される。
【0022】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第7の側面によれば、自動応答アクションは、患者ガイドからの回答、医療デバイス消耗品のための注文に関する回答、医療デバイスの動作に関する回答、または一般的な患者の健康または医学的状態に関する事前にプログラムされた回答のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第8の側面によれば、応答アクションは、医療デバイス製造業者応答アクションをさらに含み、応答アクションが医療デバイス製造業者応答アクションに関連する場合、プロセッサは、製造業者デバイスのアドレスまたは番号を決定し、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースと製造業者デバイスとの間で通信セッションが開始されるようにするように構成される。
【0024】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第9の側面によれば、医療デバイス製造業者応答アクションは、医療デバイスのための消耗品の再注文、医療デバイスに伴う技術的問題、または医療デバイスに伴う動作上の問題のうちの少なくとも1つに関連する。
【0025】
特に明記しない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第10の側面によれば、医療デバイスは、腹膜透析機械、血液透析機械、持続的腎代替療法(「CRRT」)機械、注入ポンプ、または患者制御鎮痛(「PCA」)機械のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第11の側面によれば、プロセッサは、問い合わせメッセージを受信した後、医療デバイスからの治療データまたは電子医療記録からの患者に関連する患者データのうちの少なくとも1つにアクセスし、治療データまたは患者データの少なくとも一部を対話型セッションの一部として質問の階層を通して進行するための回答として使用するようにさらに構成される。
【0027】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第12の側面によれば、プロセッサは、問い合わせメッセージを受信した後、医療デバイスからの治療データ、または電子医療記録からの患者に関連する患者データのうちの少なくとも1つにアクセスし、治療データまたは患者データの少なくとも一部を臨床医のための要求メッセージと共に含むようにさらに構成される。
【0028】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第13の側面によれば、治療データは、(i)透析処方箋のための治療パラメータ、(ii)1つ以上の透析治療を行なうことによる結果、(iii)医療デバイスに関連する診断情報、または(iv)医療デバイスの現在の状態のうちの少なくとも1つを含み、患者データは、電子医療記録情報、検査結果、電子臨床医ノート、以前の医療診断、患者の生理学的データ、または患者の人口統計データのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第14の側面によれば、患者問合せトリアージデータ構造の階層は、病院システムまたは診療所のプロトコルに基づいて修正されるように構成される。
【0030】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第15の側面によれば、在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボット方法は、プロセッサにおいて、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースから問い合わせメッセージを受信することと、プロセッサを介して、応答アクションが識別されるまでさらなる情報を受信するために1つ以上のプロンプトを伴って質問の階層を通して進行するべく仮想アシスタントまたはチャットボットを使用して対話型セッションを提供することとを含み、仮想アシスタントまたはチャットボットのための命令は、仮想アシスタントまたはチャットボットのための患者問合せトリアージデータ構造も記憶しているメモリデバイスに記憶される。データ構造は、透析または医療デバイスの動作に関連する複数の潜在的な問題を含み、各問題は、応答アクションにつながる質問および可能な回答の階層を含む。応答アクションは、臨床医との直接通信接続、および音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムとの通信接続を含む。方法は、前記応答アクションが直接通信に関連する場合、プロセッサを介して、臨床医デバイスのアドレスまたは番号を決定するとともに、ユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースと臨床医デバイスとの間で通信セッションが開始されるようにすることとることも含む。方法は、応答アクションが音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムに関連する場合、臨床医のアカウントを決定し、患者がユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースを使用して、臨床医のための要求メッセージを入力することを可能にすることをさらに含む。
【0031】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第16の側面によれば、方法は、プロセッサを介して、対話型セッションからのさらなる情報の少なくとも一部を臨床医のための要求メッセージと合体させることをさらに含む。
【0032】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第17の側面によれば、問い合わせメッセージおよびさらなる情報は発話として受信され、方法は、発話をテキストに変換することを含む。
【0033】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第18の側面によれば、方法は、プロセッサにおいて、音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または電子メールシステムのための臨床医のアカウントから臨床医応答メッセージを受信することと、プロセッサを介して、臨床医応答メッセージをユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースに送信することとをさらに含む。
【0034】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第19の側面によれば、応答アクションは、自動応答アクションをさらに含み、応答アクションが自動応答アクションに関連する場合、方法は、自動応答アクションを示す情報をユーザデバイス上のアプリケーションまたは医療デバイスのインターフェースに送信することをさらに含む。
【0035】
特に明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第20の側面によれば、自動応答アクションは、患者ガイドからの回答、医療デバイス消耗品のための注文に関する回答、医療デバイスの動作に関する回答、または一般的な患者の健康または医学的状態に関する事前にプログラムされた回答のうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の他の側面と組み合わせて使用し得る本開示の第21の側面によれば、方法は、プロセッサを介して、問い合わせメッセージを受信した後、医療デバイスからの治療データ、処方された療法またはプログラム、または電子医療記録からの患者に関連する患者データのうちの少なくとも1つにアクセスすることと、プロセッサを介して、医療デバイスデータ、処方された療法またはプログラム、または医療情報の少なくとも一部を臨床医のための要求メッセージと共に含むこととをさらに含み、処方された療法またはプログラムは、透析処方箋のための治療パラメータを含み、治療データは、(i)1つ以上の透析治療を行なうことによる結果、(ii)医療デバイスに関連する診断情報、または(iii)医療デバイスの現在の状態のうちの少なくとも1つを含み、患者データは、電子医療記録情報、検査結果、電子臨床医ノート、以前の医療診断、患者の生理学的データ、または患者の人口統計データのうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
本開示の第22の側面では、図1図6のいずれか1つ以上に関連して開示された構造、機能、および代替形態のいずれかは、図1図6の任意の他の1つ以上に関連して開示された任意の他の構造、機能、および代替形態と組み合わせられることができる。
【0038】
したがって、本開示および上記側面に照らして、本開示の利点は、仮想アシスタント/チャットボットロジックを使用して患者の医療関連要求を自動的にトリアージするシステムである。
【0039】
本開示の別の利点は、仮想アシスタント/チャットボットロジックとの対話型セッション中に患者によって提供された情報を使用して、彼らの問い合わせがそれほど緊急でないか、準緊急であるか、または重大な緊急であるかを決定し、緊急度に基づいて適切な応答アクションを提供することである。
【0040】
本開示のさらなる利点は、患者データおよび/または治療データを使用して、患者への問い合わせに対する応答アクションをより迅速に収束させることである。
【0041】
本開示のさらなる利点は、患者データおよび/または治療データを患者への問い合わせに対する応答アクションのためのコンテンツの一部として使用することである。
【0042】
さらなる特徴および利点が、以下の詳細な説明および図に記載されており、これらから明らかになる。本明細書に記載の特徴および利点は、全てを含むものではなく、特に、多くのさらなる特徴および利点が、図面および説明を考慮すると当業者には明らかである。また、どんな特定の実施形態も、本明細書に記載される全ての利点を有する必要はなく、個々の有利な実施形態を別々に特許請求することが明確に企図されている。さらに、本明細書で使用される言語は、主に読みやすさおよび説明目的のために選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本開示の一実施形態による少なくとも1つの医療用流体送達機械を含む医療システムを示す概略図である。
【0044】
図2】本開示の一実施形態による臨床医サーバを含む図1の医療システムの概略図である。
【0045】
図3】本開示の実施形態の一例による臨床医サーバの図である。
【0046】
図4】本開示の実施形態の一例による患者の問い合わせをトリアージするために仮想アシスタント/チャットボットロジックによって実行されるプロセスの図である。
【0047】
図5】本開示の実施形態の一例によるパーソナルモバイル通信デバイス上に提供されるアプリケーションのインターフェースを示す図である。
【0048】
図6】本開示の実施形態の一例による応答アクションに応答するための臨床医アプリケーションによって提供されるダッシュボードの図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
在宅腎代替療法における臨床ワークフローを改善するための仮想アシスタント/チャットボットが、本明細書において開示される。仮想アシスタント/チャットボットは、応答が自動化された態様で提供され得るとき、および臨床医または医療デバイスの製造業者からの応答が必要とされるときを決定するために、入ってくる患者要求の自動化されたトリアージを提供するように構成されている。仮想アシスタント/チャットボットは、臨床スタッフの直接の負担を減らしながら、患者の要求が迅速に対応されることを確実にする。仮想アシスタント/チャットボットは、患者の要求が可能な限り効率的かつタイムリーな態様で処理されることを確実にすることによって、患者の従事および治療順守を適宜に向上させるように構成される。
【0050】
本明細書で説明するように、仮想アシスタント/チャットボットは、透析機械、またはスマートフォンまたはタブレット上のアプリケーション(例えば、アプリ)によって提供され得る患者に面するユーザインターフェースを含む。患者に面するユーザインターフェースは、腎臓代替療法または透析療法に関連する質問または問題に関する情報をタイプすること、話すこと、または、そうでなければ提供することによって、患者が仮想チャットセッションに従事することを可能にするように構成される。仮想アシスタント/チャットボットは、患者の要求に応答するためのロジックを提供するように構成されたバックエンドサーバベースのシステムも含む。ロジックは、メモリデバイスに記憶された命令、または患者問い合わせを解決するための質問および回答のロジックシーケンスを定義するデータ構造によって定義され得る。
【0051】
本明細書において、処方された療法またはプログラムおよび対応する治療への参照がなされる。処方された療法またはプログラムは、患者に治療を施すために医療用流体送達機械がどのように動作するかを定義する1つ以上のパラメータに対応する。腹膜透析療法に関して、パラメータは、患者の腹膜腔に圧送されるべき新鮮透析流体の量(または速度)、流体が患者の腹膜腔に留まるべき時間(すなわち、滞留時間)、および滞留期間が終了した後に患者から圧送または排出されるべき使用済み透析流体および限外濾過(「UF」)の量(または速度)を指定し得る。複数のサイクルによる治療に関して、パラメータは、各サイクルのための充填量、滞留量、および排出量と、治療の経過中に実行されるべきサイクルの総数(1日に1つの治療が提供されるか、または日中および夜中に別々の治療が提供される)とを指定し得る。さらに、パラメータ(またはデバイスプログラム)は、医療医流体送達機械によって治療が施されるべき日付/時間/日(例えば、スケジュール)を指定し得る。さらに、処方された療法のパラメータは、デキストロース濃度などの透析流体の濃度レベルに加えて、各治療のために投与されるべき透析流体の総量を指定し得る。
【0052】
処方された療法は、医療用流体送達機械によって提供される各治療のパラメータを指定し得るが、機械によって報告される治療データは異なり得る。本明細書で論じられるように、治療データは、測定、検出、または決定されたパラメータ値を示す医療用流体送達機械によって生成されたデータを指す。例えば、処方された療法が、各々が45分の滞留時間を有する5つの別々のサイクルを治療が備えているべきことを指定し得るが、医療用流体送達機械は、各々が30分の滞留時間を有するより少ないサイクルが提供される治療を施し得る。処方されたパラメータとの差は、患者が療法プログラムを無視したこと、または治療を時期尚早に停止したことに起因し得る。医療用流体送達機械は、治療がどのよう施されているかを監視し、動作を示すパラメータを適宜に提供する。治療データのためのパラメータは、例えば、患者に投与された透析流体の総量、動作されたサイクル数、サイクルあたりの充填量、サイクルあたりの滞留時間、サイクルあたりの排出時間/量、除去されたUFの推定量、治療開始時間/日付、および/または治療終了時間/日付を含み得る。治療データは、充填速度および排出速度(それらは、圧送された流体の量を圧送に費やされた時間で割ることによって決定される)などの計算されたパラメータも含み得る。治療データは、治療中に発生した警報の識別、警報の持続時間、警報の時間、警報に関連するイベント、および/または警報を引き起こした問題が解決されたかどうか、または警報が消音されたかどうかに関する表示をさらに含み得る。治療データは、医療用流体送達機械が停止/一時停止された時間/持続時間または治療が終了した時間などのイベントデータも含み得る。
【0053】
治療データに加えて、医療用流体送達システムは、患者データを使用し得る。本明細書に開示されるように、患者データは、病歴、処方歴、現在/過去の治療、検査結果などの電子医療記録(「EMR」)に含まれ得る医療データに対応する。これに加えて、または代えて、患者データは、臨床医/患者によって提供され得る人口統計データ、処方された療法またはプログラム内で指定され得る人口統計データ、および/または患者登録を介して提供され得る人口統計データを含み得る。人口統計データは、患者の年齢、性別、患者の運動レベル、患者の腎状態、処方歴などを含み得る。いくつかの実施形態において、患者データは、識別子を含み得、識別子は、医療用流体送達システムが受信したデータをデータベースに配置された適切な患者レコードに記憶することを可能にする。識別子は、患者識別子、患者名、および/または医療用流体送達システムの識別子を含み得る。
【0054】
本明細書で議論されるように、医療用流体送達機械は、患者の住宅に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態において、医療用流体送達機械は、フルサービス医療施設および/またはセルフサービス医療施設に位置し得る。いくつかの実施形態において、患者は、自分の住居に位置する第1の医療用流体送達機械を使用し、セルフサービス医療施設に位置する第2の医療用流体送達機械を使用し得る。これらの実施形態において、医療用流体送達システムは、第1および第2の医療用流体送達機械からの治療データを組み合わせるように構成される。
【0055】
本明細書で開示されるように、仮想アシスタント/チャットボットロジックは、1つ以上の計算構造を使用するように構成され、1つ以上の計算構造は、1つ以上の患者回答に基づいて患者との対話を定義するデータ構造において指定される。実質的に任意のデータ構造が使用され得ることが理解されるべきである。例えば、質問、回答、および結果は、グラフデータベース構造におけるノードおよびリンクとして記憶され得る。別の例では、質問、回答、および結果は、リレーショナル、シーケンシャル、または階層データ構造において記憶され得る。回答と質問との間のリンクは、実施されるべき次のアクションを選択するために仮想アシスタント/チャットボットロジックを案内するように、構成される。
【0056】
容易に利用可能な処方された療法、治療データ、および/または患者データの使用は、本明細書に開示される仮想アシスタント/チャットボットロジックが、患者から必要とされる回答を減らしながら、応答アクションをより正確かつ迅速に識別することを可能にする。場合によっては、最初は低脈絡または不明瞭に見える患者の要求または質問は、要求と併せて、処方された療法、治療データ、および/または患者データを分析する仮想アシスタント/チャットボットロジックによって、より容易に明らかになる。一例では、患者は、「この警報に疲れている」と述べることによって、本明細書に開示されている仮想アシスタント/チャットボットロジックとの対話を開始し得る。それ自体、この記述は、不明確であり、圧力警報、閉塞警報、低流量警報、低電池警報などを指すことができる。しかしながら、仮想アシスタント/チャットボットロジックが、どの警報が最近トリガされたかを識別する医療用流体送達機械からの治療データと併せてそのようなステートメントを受信すると、患者がこれらの最近トリガされた警報を参照している可能性が高い。したがって、例示的な仮想アシスタント/チャットボットロジックは、過剰な質問で患者に負担をかけることなく、全ての患者の問い合わせに応答する必要があることによって臨床スタッフに負担をかけることもなく、利用可能なデータを使用して適切な応答アクションに迅速に収束する。
【0057】
(I.医療用流体送達システムの実施形態)
本明細書に開示される例示的な医療用流体送達システムは、1つ以上の医療用流体送達機械を含む。医療用流体送達機械の一例は、腎不全療法機械である。腎不全療法機械に関しては、様々な原因により、患者の腎システムが、故障し得る。腎不全は、いくつかの生理学的障害を生じさせる。例えば、腎不全を経験している患者は、もはや、水とミネラルとのバランスをとること、または毎日の代謝負荷を排出することができない。窒素代謝の有毒な最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸等)が、患者の血液および組織に蓄積し得る。
【0058】
腎不全および腎機能低下は、透析で治療されている。透析は、正常に機能する腎臓がそうでなければ除去するであろう排泄物、毒素および過剰な水を身体から除去する。腎機能の代替のための透析治療は、治療が救命であるので多くの人々にとって重要である。
【0059】
腎不全療法の一タイプが血液透析(「HD」)であり、HDは一般に拡散を使用して患者の血液から老廃物を除去する。拡散勾配が、拡散を引き起こすために、患者の血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解液との間で半透性透析器を横切って生じる。
【0060】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する別の腎代替療法である。HFは、治療中に体外回路に置換液または置換流体(典型的に10から90リットルのそのような液)を加えることによって達成される。治療の合間に患者によって蓄積された置換流体および流体は、HF治療の過程にわたって限外濾過され、中分子および大分子を除去することにおいて特に有益な対流輸送機構を提供する(血液透析では、透析セッション間に得られた流体と共に除去される廃棄物は少量であるが、その限外濾過液の除去からの溶質抗力は、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0061】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流クリアランスと拡散クリアランスとを組み合わせた治療モダリティである。HDFは、標準的な血液透析と同様、透析器を通して流れる透析流体を使用して、拡散クリアランスを提供する。さらに、置換溶液が、体外回路に直接供給され、対流クリアランスを提供する。
【0062】
ほとんどのHD(HF、HDF)治療は、センターで行われる。在宅血液透析(「HHD」)への傾向が、一つには、HHDが毎日実施されることができ、一般に週2回または3回行われる施設内血液透析治療より療法上の利益を提供するので、今日、存在する。研究は、頻繁な治療が、あまり頻繁ではないがおそらくより長い治療を受けている患者より多くの毒素および老廃物を除去することを示している。治療を受けている患者は、治療前に2または3日分の毒素を蓄積している施設内の患者と比較して、それほど多くのダウンサイクルを経験しない。特定の地域では、最も近い透析センターが、患者の自宅から何マイルも離れている可能性があり、ドアツードアの治療時間が1日の大部分を消費することを引き起こす。対照的に、HHDは、患者がリラックスしている、仕事をしている、または他の様態で生産的である間、一晩中または日中に起こり得る。
【0063】
別のタイプの腎不全療法は腹膜透析であり、それは、透析流体とも呼ばれる透析溶液をカテーテルを介して患者の腹膜腔に注入する。透析流体は、腹膜腔の腹膜と接触する。廃棄物、毒素および過剰な水は、拡散および浸透により、患者の血流から腹膜膜を通過して透析流体中に入り、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して生じる。透析における浸透圧剤は、浸透圧勾配をもたらす。使用済みまたは費やされた透析流体が、患者から排出され、患者から老廃物、毒素および過剰な水を除去する。このサイクルは、例えば複数回繰り返される。
【0064】
連続携行式腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、並びに潮流量透析および連続流量腹膜透析(「CFPD」)を含む様々な種類の腹膜透析療法がある。CAPDは、手動の透析治療である。ここで、患者は、埋め込まれたカテーテルをドレインに手動で接続し、使用済みまたは費やした透析流体が患者の腹膜腔から排出することを可能にする。次いで、患者は、カテーテルを新鮮透析流体のバッグに接続し、新鮮透析流体をカテーテルを通して患者に注入する。患者は、カテーテルを新鮮透析流体バッグから切り離し、透析流体が腹膜腔内に滞留することを可能にし、排泄物、毒素、および過剰な水の移送が、行われる。滞留期間の後、患者は、例えば1日4回、手動透析手順を繰り返し、各治療は、1時間~6時間続く。手動腹膜透析は、患者のかなりの時間および労力を必要とし、大きな改善の余地を残している。
【0065】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療が排出、充填および滞留サイクルを含むという点でCAPDに類似している。しかしながら、APD機械は、通常、患者の睡眠中にサイクルを自動的に実行する。APD機械は、患者が手動で治療サイクルを実行する必要がなく、日中に物資を輸送する必要がない。APD機械は、埋め込まれたカテーテル、新鮮透析流体の供給源またはバッグ、および流体ドレインに流体接続する。APD機械は、透析流体供給源からカテーテルを経て患者の腹膜腔に新鮮透析流体を圧送する。APD機械は、透析流体が空洞内に滞留し、廃棄物、毒素、および過剰な水の移送が行われることも可能にする。供給源は、複数の滅菌透析流体バッグを含み得る。
【0066】
APD機械は、使用済みまたは費やされた透析液を患者の腹膜腔からカテーテルを介してドレインに圧送する。手動プロセスと同様、透析中、いくつかの排出、充填および滞留サイクルが、起こる。「最後の充填」は、APDの終わりに起こり、次の治療まで患者の腹膜腔に残る。
【0067】
機械によって実行される上記モダリティのいずれも、スケジュールされたベースで稼働し得、起動手順を必要とし得る。例えば、透析患者は、典型的に、1日おき、毎日など、処方された療法またはプログラムによって指定されたスケジュールに基づいて治療を行う。血液処理機械は、典型的に、例えば消毒手順を実行するために、設定のための処理の前に一定の時間を必要とする。上記モダリティの患者は、多忙な生活を送り、治療のために予定された日に実行すべきプロジェクトまたは実行すべき用事を有し得る。
【0068】
患者のための在宅治療の魅力の多くは、患者が主に自身のスケジュールに従って自宅で治療を行うことを可能にすることによって提供される生活様式の柔軟性を中心としている。しかしながら、在宅医療用流体送達機械は、患者に指示し、患者を拘束するソフトウェアタイマを含み得る。家庭用血液透析システムは、例えば、治療前、治療中、および治療後のシーケンスを開始するために、患者が家庭用血液透析機械のすぐ近くにいることを必要とし得る。
【0069】
特定の一例では、療法機械は、治療の合間にそれらを消毒することによって特定の構成要素を再利用し得る。機械は、1つ以上の消毒タイマを使用し得、消毒タイマは、患者または介護者が消毒タイマが満了する前に機械を使用して治療を開始することを要求する。そうでなければ、患者は、治療を開始する前に別の消毒手順が完了するまで待たなければならない。一実施形態における療法機械は、機械のグラフィカルユーザインターフェースを介して治療開始時間の期限を通信する。
【0070】
本開示のシステムおよび方法論のソフトウェアは、機械が「患者接続」ソフトウェア状態にあるときはいつでも、患者および/または介護者と機械との間の通信を無効にすることが考えられる。例えば、臨床医が現在患者を治療している機械にコマンドを送信しようとする場合、コマンドは、ミドルウェアソフトウェアアプリケーションによってさえぎられ、その結果、コマンドは、機械に転送されない。ミドルウェアソフトウェアアプリケーションは、その後、機械がビジーであり、通信を受け付けていないことを知らせるために臨床医に返信することができる。
【0071】
本明細書に記載の例は、血液、透析流体、置換流体または静脈内薬物(「IV」)などの医療用流体を送達する任意の医療用流体送達システムに適用可能である。例は、本明細書で集合的または一般的に個別に処方された療法またはプログラムと呼ばれるあらゆる形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、持続的腎代替療法(「CRRT」)および腹膜透析(「PD」)などの腎不全療法に特によく適している。或いは、医療用流体送達機械は、大容量蠕動型ポンプまたはシリンジポンプなどの薬物送達または栄養学的流体送達デバイスであり得る。本明細書に記載の機械は、家庭環境で使用され得る。例えば、データ転送構成要素とともに動作する機械は、例えば、患者が眠っている間に夜間に実行され得る家庭用HD機械とともに使用され得る。或いは、本開示の医療用流体データ転送システムおよび方法論は、病院および/または診療所の臨床医または看護師を支援するために使用され得る。
【0072】
ここで図面、特に図1を参照すると、医療システム10が示される。例示的なシステム10は、多くの医療用流体送達機械90(その一種類は以下で詳細に説明される)を含む。医療システム10の機械90は、同じタイプ(例えば、全てPDマシン)であり得るか、または、異なるタイプ(例えば、HD、PD、CRRT、および医学的または栄養学的流体送達の混合物)であり得る。
【0073】
単一の医療用流体送達部90が接続サーバ118と通信するものとして示されているが、システム10は、上でリストアップした同じタイプまたは異なるタイプの複数の医療用流体送達システムおよび機械の動作を管理する。例えば、サーバ118に接続され、システム10と共に動作するM台の血液透析機械90、N台の血液濾過機械90、O台のCRRT機械90、P台の腹膜透析機械90、Q台の家庭用薬物送達機械90、およびR台の栄養または薬物送達機械90があり得る。M~Rの数は、同じであることも、異なることもあり、0であり得、1であり得、2以上であり得る。図1では、医療用流体送達機械90は、療法機械90として示される(ホームが破線で示される)。
【0074】
療法機械90は、その前端で水処理デバイス60から精製水を受け取り得る。水処理デバイス60は、一実施形態において、イーサネット(登録商標)ケーブルを介して療法機械90に接続する。図示の実施形態の療法機械90は、血圧計104、重量計、例えば無線重量計106、および無線タブレットユーザインターフェース122などのユーザインターフェースなど、水処理デバイス60以外の他のデバイスと共に動作する。療法機械90は、一実施形態において、モデム102を介してサーバ118に無線で接続する。これらの構成要素の各々は、図1の破線によって画定されるように、患者の自宅内に配置され得る(しかし、そうである必要はない)。構成要素60,104,106および122のいずれか、または複数、または全ては、療法機械90と有線または無線で通信し得る。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFiTM、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、赤外線、または任意の他の適切な無線通信技術を介し得る。或いは、構成要素60,104,106および122のいずれか、または複数または全ては、有線通信を介して療法機械90と通信し得る。
【0075】
例示的な接続サーバ118は、医療デバイスシステムハブ120を介して医療用流体送達機械90と通信する。例示的なシステムハブ120は、各療法機械90およびその周辺機器に関するデータおよび情報が、機械90とサーバ118に接続された他のデバイスとの間で接続サーバ118を介して前後に移動することを可能にする。図示の実施形態において、システムハブ120は、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、ビジネスインテリジェンスのポータル160、HIPAA準拠データベース124、製品開発チーム128、および例えば診療所または病院126aから126nに維持される電子医療記録データベースに接続される。接続サーバ118および/またはポータル130,150、160は、ゲートウェイデバイスを含み得る。
【0076】
図示の電子医療記録(「EMR」)データベースは、診療所または病院126aから126nに位置し、患者に関する電子情報を記憶し得る。システムハブ120は、機械90のログファイル(例えば、治療データ)から収集されたデータを病院または診療所のデータベース126a~126nに送信し、その患者の医療記録をマージまたは補足し得る。診療所または病院126a~126nのデータベースは、患者特有の治療および処方データ(例えば、処方された療法またはプログラム)を含み得、そのようなデータベースへのアクセスは高度に制限され得る。例示的な企業リソース計画システム140は、苦情、請求情報、およびライフサイクル管理情報など、患者および臨床医のウェブサイトアクセスを介して生成されたデータを取得し、コンパイルするように構成される。ウェブポータル150は、患者および患者を治療する診療所152a~152nが公開されているウェブサイトにアクセスすることを可能にする。ビジネスインテリジェンスポータル160は、システムハブ120からデータを収集し、そのデータをマーケティング162、研究および開発164、および品質/医薬品安全性監視166に提供する。
【0077】
本明細書に記載のシステム、方法、および手順は、1つ以上のコンピュータプログラムまたは構成要素を使用して実施され得ることを理解すべきである。構成要素のプログラムは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み出し専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、磁気または光ディスク、光メモリ、または他の記憶媒体を含む任意のコンピュータ読み取り可能な媒体上の一連のコンピュータ命令として提供され得る。命令は、プロセッサによって実行されるように構成され得、プロセッサは、一連のコンピュータ命令を実行すると、本明細書に記載の開示された方法および手順の全部または一部の実行を実行または容易にする。
【0078】
一実施形態において、療法機械90は、患者の自宅において患者に対して在宅腹膜透析などの在宅治療を実行し、次いで、その治療の結果を(治療データとして)システムハブ120に報告し、システムハブは、1つ以上のサーバと通信し得る。以下でより詳細に説明するように、1つ以上のサーバは、その患者の健康および幸福を管理する役割を担う臨床医、医師、および/または看護師に報告するために治療データを分析する。
【0079】
一実施形態における療法機械90は、例えばLinux(登録商標)オペレーティングシステムを使用してログファイルを書き込む。ログファイルは、周辺デバイスデータを含む関連する療法機械90のデータを文書化する。ログファイルは、拡張マークアップ言語(「XML」)、カンマ区切り値(「CSV」)、またはテキストファイルのうちの任意の1つ以上を含み得る。ログファイルは、療法機械90のソフトウェアによって管理されるファイルサーバリポジトリに配置される。周辺デバイス、例えば水処理デバイス60にデータを記憶することも考えられ、データは、機械90に送られない。そうでなければ、そのようなデータは、周辺デバイスへの有線または無線接続を介して取得され得るか、または、他のデータ接続または記憶媒体を介してダウンロードされ得る。
【0080】
一実施形態において、療法機械90は、例えばインターネットを介して、モデム102とシステムハブ120との間で治療データを転送するために接続サービスを使用する。ここで、専用線が、モデム102を介して療法機械90を接続サーバ118に接続するために、各患者の自宅に提供され得る。療法機械90は、一実施形態において、別個の、例えば3G、4G、または5Gのモデム102を使用してインターネットにアクセスする。モデム102は、Vodafone(商標)などのインターネットサービスプロバイダ(「ISP」)を使用し得る。一実施側面では、接続性サービスプロバイダ(例えば、接続サーバ118のプロバイダ)によって開発された接続エージェント114が、療法機械90にインストールされ、機械の一次制御プロセッサ(「ACPU」)50上で実行される。医療デバイスと接続サーバ118との間の安全な管理接続116を提供するAxeda(商標)によって適切な接続サービスが、提供される。
【0081】
図1の例示的な接続エージェント114は、療法機械90が、接続サーバ118に接続し、接続サーバ118との間で治療データを転送することを可能にするように構成される。エージェント114およびサーバ118を介して動作する接続サービスは、機械90との接続が安全であることを確実にし、データが機械90のファイアウォールを正しく通過することを確実にし、データまたはシステムクラッシュがあったかどうかを検出し、接続サーバ118が正しい療法機械90と通信することを確実にする。
【0082】
一実施形態において、療法機械90は、接続エージェント114がオンまたはアクティブ化されたときにのみ、接続サーバ118に接続し得る。治療中および治療後消毒中、機械90およびその周辺機器が機能している間、一実施形態では、接続エージェント114は、自動的にオフにされ、それは、療法機械90が治療中および消毒中、または機械90が稼働中または稼働中に任意のエンティティと通信し、データを送受信することを防止する。一実施形態において、療法機械90がアイドル状態であるとき、例えば、治療および消毒後が完了した後、ACPU50は、接続エージェント114をオンにする。一実施形態において、接続エージェント114は、療法中(および、おそらく前療法中)、オフである。治療後、接続エージェント114は、療法機械90からログファイルを取得し、接続サービスを使用して治療データを接続サーバ118に転送する。接続サービスは、データパケットをそれらの適切な宛先にルーティングするが、一実施形態において、データを修正、アクセス、または暗号化しない。
【0083】
図1の医療システム10システムでは、接続サーバ118を介した接続性サービスは、システムハブ120を介して、サービスポータル130、診療所または病院126a~126n、およびウェブポータル150などの様々な場所にデータを通信し得る。接続サーバ118は、サービス要員132a~132nおよび/または臨床医が、適切な療法機械90および3G、4G、または5Gモデム102などのネットワーク上の様々な資産と、機械またはモデムのシリアル番号を含むそれらの関連情報とを追跡および検索することを可能にする。接続サーバ118は、サービス要員のディレクタ134によって承認され、サービスポータル130を介して遠隔で取得されたファームウェア更新を受信し、ファームウェア更新を認可された療法機械90および水処理デバイス60などの関連する周辺機器に提供するためにも使用され得る。
【0084】
(A.例示的な医療用流体送達システムの接続性の実施形態)
図2は、本開示の例示的な実施形態による図1の医療システム10の図を示す。例示的な医療システム10は、例えば、患者によって操作されるパーソナルモバイル通信デバイス122(例えば、ユーザデバイス)と、臨床医によって操作される臨床医デバイス152とを含む。また、医療システム10は、図1に関連して前述したそれぞれのデバイスと同様の療法機械90(例えば、医療用流体送達機械)も含む。パーソナルモバイル通信デバイス122および療法機械90は、例えば、患者の自宅、セルフサービス診療所、および/またはサービス付き診療所に位置し得る。
【0085】
療法機械90は、任意の種類の血液透析機械、腹膜透析機械、CRRT機械、薬物および/または栄養学的流体送達機械、およびそれらの組み合わせを含み得る。療法機械90は、例えば、連続周期的腹膜透析(「CCPD」)、潮流自動化腹膜透析(「APD」)、および連続流腹膜透析(「CFPD」)を提供し得る。療法機械90は、典型的に、患者が眠っている間、自動的に排出、充填、および滞留サイクルを実行し得る。
【0086】
例示的な療法機械90は、命令を表示し、ユーザからの制御入力を受信するための1つ以上の制御インターフェース201も含み得る。制御インターフェース201は、ボタン、制御パネル、および/またはタッチスクリーンを含み得る。制御インターフェース201は、ユーザが療法機械90の画面上の特定のウィンドウまたはユーザインターフェースにナビゲートすることを可能にするようにも構成され得る。制御インターフェース201は、療法機械90を動作または制御するための命令をさらに提供し得る。
【0087】
例示的な療法機械90は、臨床医サーバ204および/または臨床医データベース206から遠隔で1つ以上の処方された療法またはプログラム202を受信し得る。これに加えて、または代えて、療法機械90は、制御インターフェース201を介して処方された療法またはプログラム202でローカルにプログラムされ得る。本明細書で論じられるように、処方された療法202は、療法機械90が患者(例えば、図1の患者12)に1つ以上のスケジュールされた治療をどのように施すかを指定するパラメータを含む。療法パラメータ202は、各段階の持続時間に加えて、腹膜透析療法のための多数の充填-滞留-排出サイクルを含み得る。療法パラメータは、投与されるべき透析流体の総量(および/またはサイクルごとに投与されるべき流体の量)、デキストロース濃度、および/または目標UF除去レベルも含み得る。療法パラメータ202は、治療日のスケジュールおよび総治療持続時間も含み得る。いくつかの実施形態において、臨床医サーバ204は、処方された療法パラメータのいずれかを遠隔で更新し得る。
【0088】
医療システム10が、体重計、血圧計、注入ポンプ(例えば、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、歩行型ポンプ、マルチチャネルポンプ)、酸素センサ、呼吸モニタ、血糖計、血圧モニタ、心電図(「ECG」)モニタ、および/または心拍数モニタなどのさらなる医療デバイスを含み得ることを理解すべきである。他の例では、医療用流体データ転送システム90は、より少ない医療デバイスおよび/または療法機械90と統合された医療デバイスを含み得る。
【0089】
図2に示すように、療法機械90は、ネットワーク210を介して接続サーバ118に通信可能に結合される。図1に関連して前述したように、接続サーバ118は、療法機械90とシステムハブ120との間の双方向通信を提供する。ネットワーク210は、インターネット、セルラーネットワーク、またはそれらの組み合わせを含む任意の有線または無線ネットワークを含み得る。
【0090】
例示的なシステムハブ120は、臨床医サーバ204および臨床医データベース206にも通信可能に結合される。以下でより詳細に説明するように、臨床医サーバ204は、患者要求がどのように処理されるべきかを決定するための1つ以上の命令、ルーチン、アルゴリズム、アプリケーション、またはプログラム(例えば、仮想アシスタント/チャットボット)212を実行するように構成される。臨床医データベース204は、システム10に関連する各患者の処方された療法またはプログラム202を記憶するように構成される。臨床医データベース206は、それぞれの療法機械90からの治療データ213および/または患者データ214(例えば、患者のEMR)を含む各患者の1つ以上のレコードも記憶するように構成される。
【0091】
図示の例では、臨床医サーバ204は、仮想アシスタント/チャットボットロジック212を実行するための1つ以上の命令、ルーチン、アルゴリズム、アプリケーション、またはプログラムを記憶するメモリデバイス220に通信可能に結合される。メモリデバイス220は、応答アクション238を決定するための患者との自動対話を定義する1つ以上のデータ構造および/または命令222も記憶し得る。仮想アシスタント/チャットボットロジック212および/または1つ以上のデータ構造および/または命令222を実行するための1つ以上の命令、ルーチン、アルゴリズム、アプリケーション、またはプログラムは、臨床医サーバ204の1つ以上のプロセッサによって実行されると、臨床医サーバ204に本明細書に記載の動作を実行させる機械読み取り可能な命令を含み得る。
【0092】
本明細書で説明するように、応答アクション238は、患者の問い合わせまたは要求に必要な応答のレベルに基づいて臨床医サーバ204によって実行される動作である。応答アクション238は、自動応答が適切であると決定し、緊急性の低いまたは緊急性の低い患者の問い合わせに対処するための技術的/医療情報を伴う(応答アクション238としての)1つ以上のメッセージを患者に送信することを含み得る。応答アクション238は、患者の問い合わせが中程度の緊急度を有し、問い合わせが(応答アクション238として)音声メールシステム、人と人とのチャットシステム、または臨床医の電子メールシステムに1つ以上のメッセージで送信されるべきであると決定することも含み得る。いくつかの実施形態において、臨床医サーバ204は、患者によって提供された名前、(患者データ214に提供された)患者との文書化された過去の関係に基づいて、または要求に関連する役割または責任に基づいて、どの臨床医がメッセージを受信すべきかを決定する。臨床医を識別した後、臨床医サーバ204は、対応するアカウントを決定し、応答アクション238をアカウントに送信する。いくつかの実施形態において、臨床医サーバ204は、患者に問い合わせを入力するように促す。これに加えて、または代えて、臨床医サーバ204は、患者と仮想アシスタント/チャットボット212との対話からの情報を使用して、応答アクション238のためのコンテンツを自動的に作成する。この方法において、データ202,213、214は、患者との対話をナビゲートするために使用されるだけでなく、特定の要求情報を臨床医に伝達するための患者応答と併せて使用され得る。
【0093】
一例では、患者は、自分のパーソナルモバイル通信デバイス122上のアプリケーション140を介して、警報を解決できないことを開始することによって問い合わせを開始し得る。応答して、臨床医サーバ204は、仮想アシスタント/チャットボット212を使用して、患者が警報を解決しようと既に試みたアクションを患者から決定する。さらに、臨床医サーバ204は、関連する治療データ213を見つけて、警報の種類および/または警報が起動された最近の日付/時刻を決定する。このデータの収集に基づいて、臨床医サーバ204は、患者の問い合わせが中レベルであると決定し(断続的な警報は煩わしいが重大ではないので)、応答アクション238の情報を入力するように患者を適宜に促し、および/または、臨床医サーバ204は、応答アクション238のためのコンテンツを作成するために、仮想アシスタント/チャットボット212および/または治療データ213/患者データ214への患者応答の少なくとも一部を使用し、応答アクション238のためのコンテンツは、テキストメッセージ、マルチメディアメッセージ、電子メールメッセージなどとして解決警報に関連付けられた適切な臨床医アカウントに提供される。一例では、応答アクション238は、さらなるコンテキストのために、警報ベースの治療データ213および/または患者データ214に加えて、患者からの記録された直接の問い合わせ(おそらく警報を示す療法機械90の表示インターフェース201のビデオまたは画像を含む)を含む。
【0094】
臨床医サーバ204が患者要求が重大または緊急であると決定した場合、臨床医サーバ204は、臨床医を識別し、識別された臨床医の臨床医デバイス152と患者のパーソナルモバイル通信デバイス122との間の直接通信リンクを確立する。通信は、音声通話、ビデオ通話、および/またはアクティブチャットセッションを含み得る。
【0095】
図2に示すように、例示的な医療システム10は、ネットワーク230を介した臨床医デバイス152および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122へのデータの送信を容易にするためのウェブポータル150を含む。例示的なネットワーク230は、インターネット、セルラーネットワーク、またはそれらの組み合わせなどの任意の有線および/または無線ネットワークを含み得る。ネットワーク210および230は、同じネットワークを含み得る。
【0096】
ウェブポータル150は、治療データ213、患者データ214、および/または応答アクション238の通信を提供する1つ以上のアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)または他のネットワークインターフェースを含み得る。ウェブポータル150は、臨床医デバイス152とパーソナルモバイル通信デバイス122との間に通信セッションを確立することもできる。場合によっては、ウェブポータル150は、許可されたユーザおよび/またはデバイスのみが臨床医サーバ204および/または臨床医データベース206と通信できるように、ゲートウェイデバイスおよび/またはファイアウォールとして構成され得る。さらに、ウェブポータル150は、各接続デバイス122および152のための別々のセッションを作成し得る。
【0097】
臨床医デバイス152および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122は、臨床医サーバ204および/または臨床医データベース206と通信するためにウェブポータル150とインターフェースするように構成されたそれぞれのアプリケーション240および242を含み得る。例えば、アプリケーション240は、患者の要求または質問を受信するように構成されたデータフィールドを有する1つ以上のユーザインターフェースを含み得る。アプリケーション240は、仮想アシスタント/チャットボット212と対話するために音声またはビデオ通話が臨床医サーバ204にルーティングされことを可能にするためにパーソナルモバイル通信デバイス122の電話機能と共に動作するようにも構成される。また、アプリケーション242は、患者が仮想アシスタント/チャットボット212および/または臨床医デバイス152と対話するための情報を入力することを可能にするために、電子メールサービス、テキストメッセージサービス、またはマルチメディアメッセージサービスへのアクセスも含み得る(または、提供し得る)。
【0098】
臨床医デバイス152のアプリケーション242は、臨床医サーバ204から応答アクション238を受信するための1つ以上のインターフェースで構成される。インターフェースは、臨床医がパーソナルモバイル通信デバイス122からの要求または問い合わせに対する応答を提供することを可能にする。また、アプリケーション242は、パーソナルモバイル通信デバイス122から音声またはビデオ通話を受信することを可能にするために、臨床医デバイス152の電話機能を用いて動作するようにも構成される。アプリケーション242は、(臨床医サーバ204を介して応答アクション238によって提供される)患者の問い合わせを閲覧し、応答するために電子メールサービス、テキストメッセージサービス、またはマルチメディアメッセージサービスへのアクセスを含み得る(または、供し得る)
【0099】
他の例では、アプリケーション240および242は、臨床医サーバ204によってホストまたは管理されるウェブポータル150を介して1つ以上のウェブページにアクセスするように構成されたウェブブラウザである。これらの他の例では、臨床医サーバ204は、ユーザインターフェースおよび対応するデータフィールドを1つ以上のウェブページに提供する。ユーザは、所望のデータを閲覧または入力するためにウェブブラウザと対話し得る。アプリケーション240および242は、デバイス122および152上に固有の制御または他のインストールされたアプリケーションも含み得る。
【0100】
場合によっては、ウェブポータル150は、処方された療法またはプログラム202、治療データ213、および/または患者データ214をテキストベースの標準またはHealth-Level-7(「HL7」)標準(例えば、医療標準)からウェブベースのメッセージ(例えば、HTTPメッセージ、ハイパーテキストマークアップ言語(「HTML」)メッセージ、拡張マークアップ言語(「XML」)メッセージ、Java(登録商標)Scriptオブジェクト表記(「JSON」)ペイロードなど)に変換するように構成される。他の実施形態において、接続サーバ118は、臨床医サーバ204による処理および臨床医データベース206による記憶のために、療法機械90からのHL7処方療法またはプログラム202、治療データ213、および/または患者データ214をテキストベースまたはウェブベースのフォーマット(例えば、JSONフォーマット)に変換するように構成される。
【0101】
図2に示す例では、例示的なパーソナルモバイル通信デバイス122および臨床医デバイス152は、命令を記憶するメモリ252と通信するプロセッサ250を含む。命令の少なくとも一部は、それぞれのアプリケーション240および242を定義または指定し、アプリケーション240および242は、セッサ250によって実行されると、仮想アシスタント/チャットボット212を使用して患者の問い合わせを処理するためのインターフェースをプロセッサ250に提供させる。プロセッサ250は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、コントローラなどとして構造化されたデジタルおよび/またはアナログ回路を含み得る。メモリ252は、揮発性または不揮発性の記憶媒体を含む。さらに、メモリ252は、任意のソリッドステートまたはディスク記憶媒体を含み得る。
【0102】
図2の例示的な医療システム10は、療法機械90の製造業者に関連付けられた第三者サーバ260も含み得る。場合によっては、臨床医サーバ204は、患者の問い合わせが療法機械90の動作または技術的問題に関連すると決定する。これらの場合、臨床医にメッセージを送信する代わりに、臨床医サーバ204は、応答アクション238を含むメッセージを第三者サーバ260に送信する。応答アクション238は、ライブ通信セッションを開くこと、または第三者サーバ260に関連するコールセンターまたは他の診断センターにテキストメッセージ、マルチメディアメッセージ、電子メールなどを提供することを含み得る。
【0103】
(II.臨床医サーバ-仮想アシスタント/チャットボットの実施形態)
前述したように、図2の例示的な臨床医サーバ204は、患者の要求をトリアージするために患者との対話型セッションを提供するように構成される。図3は、本開示の例示的な実施形態による臨床医サーバ204の図を示す。図示の例では、臨床医サーバ204は、臨床医サーバ204が特定の動作をどのように実行するかを指定する命令またはソフトウェアモジュール302-320を含む。命令302-320は、仮想アシスタント/チャットボットロジック212の動作を実行するために臨床医サーバ204によって使用される。図3に示すブロックは、命令302-320によって定義される特定の動作を表す。他の実施形態において、ブロックのいくつかは、組み合わされ得るか、さらに分割され得るか、または、さらなるブロックを含み得る。さらに、臨床医サーバ204は中央に配置されているように示されているが、他の実施形態において、臨床医サーバ204および/または臨床医データベース206はクラウドコンピューティング環境内に展開され得る。
【0104】
例示的な命令302-320は、パーソナルモバイル通信デバイス122からオーディオまたは音声コマンドを受信する発話テキスト変換モジュール302を含む。発話テキスト変換モジュール302は、録音された人間の発話を含むデジタルデータおよび/またはアナログ信号を受信する。発話テキスト変換モジュール302は、1つ以上の発話テキスト変換アルゴリズムを用いて、デジタルデータおよび/またはアナログ信号をテキストに変換するように構成される。
【0105】
発話テキスト変換モジュール302は、変換されたテキストを言語処理モジュール304に送信し、言語処理モジュールは、ユーザの既知のまたは学習されたアクセント、発話、またはスラングに基づいて受信されたテキストを修正するための1つ以上のアルゴリズムを使用するように構成される。言語処理モジュール304は、様々なタイプのユーザのための既知のアクセント、発話、および/またはスラングのライブラリを含み得る。言語処理モジュール304は、患者が特定のアクセント、発話、および/またはスラングにどれだけよく合致するかに基づいて、適切なテキスト修正子を選択する。場合によっては、言語処理モジュール304は、ユーザの識別されたアクセント、発話、またはスラングに基づいてテキストを識別および/または修正するために、1つ以上の機械学習アルゴリズムを使用し得る。言語処理モジュール304は、ユーザのアクセント、発話、またはスラングを考慮した修正テキストを出力する。例えば、言語処理モジュール304は、母音、定数、および途切れの組み合わせを含むテキスト入力を発話テキスト変換モジュール302から受信し得る。言語処理モジュール304を介してフィルタリングした後、母音、定数、および途切れの文字列は、テキスト単語および/または句に修正され、それらは、発話認識モジュール306に入力される。
【0106】
発話認識モジュール306は、受信した単語または句の意味を決定するために、1つ以上の自然言語処理アルゴリズムを動作させるように構成される。いくつかの実施形態において、発話認識モジュール306は、単語または句の列の意味を識別し、識別された意味は、メタデータとして、別個のデータフィールドに記憶されるか、または単語および/または句に付加される。発話認識モジュール306は、単語または句を分析し、質問が尋ねられていること、および質問の主題を識別し得る。この例では、発話認識モジュール306は、単語または句が質問および質問に関連付けられたキーワードに対応することを付加する。発話認識モジュール306によって実行される処理は、より定義された言語パラメータに基づく後続の分析を可能にするフォーマットされた情報を追加する。
【0107】
いくつかの実施形態において、発話認識モジュール306は、患者との仮想セッションを開始するための特定のキーワードを検索するように構成される。仮想セッションがまだ進行中でない場合、発話認識モジュール306は、セッションを開始することを示す特定のキーワードまたはフレーズのためのテキストおよびフレーズをリッスンまたは処理する。例えば、仮想アシスタント/チャットボットは、「クラリア(Claria)」と呼ばれ得る。したがって、発話認識モジュール306は、「クラリア」という用語または類似のスペルを検索する。合致する場合、発話認識モジュール306は、患者との仮想セッションを開始し、「クラリア」という用語を含むフレーズを処理する。この時点で、発話認識モジュール306は、後続の単語および/または句を仮想会話の一部として処理する。しかしながら、合致がなされない場合、発話認識モジュール306は、テキストをさらなる処理から切り捨て、他の患者の会話または周囲の部屋の音を記録することを控える。仮想アシスタント/チャットボット212が、療法機械90のユーザインターフェース201またはパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240によって表示される対応するアイコンを選択することによって患者によって起動され得ることも理解すべきである。
【0108】
例示的な臨床医サーバ204は、発話認識モジュール306および/またはデータ202,213、および/または214からのテキストを仮想アシスタント/チャットボットロジック212に適用するように構成された応答エンジン308も含む。したがって、応答エンジン308への潜在的な入力は、発話認識モジュール306からのテキストおよび/または療法機械90のユーザインターフェース201またはパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240によって提供されるチャットボットプログラムからのテキストを含む。入力は、処方された療法またはプログラム202、治療データ213、および/または患者データ214も含む。
【0109】
例示的な適応インターフェース308は、療法機械90のユーザインターフェース201またはパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240に入力されたテキストおよび/または他の入力を受信するように構成された入力インターフェース310を含む。入力は、適応インターフェース308に患者との仮想対話型セッションを開始させるアイコンの選択を含み得る。入力は、療法機械90のユーザインターフェース201またはパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240を介してチャットセッションに入力されるテキストも含み得る。場合によっては、応答エンジン308は、療法機械90のユーザインターフェース201またはパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240上で仮想チャットまたはテキストメッセージングセッションを開くことによって仮想チャットセッションを起動する。ユーザによってフィールドまたはテキストボックスに入力されたテキストは、療法機械90のユーザインターフェース201またはパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240によって、入力インターフェース310を介して応答エンジン308に送信される。場合によっては、入力インターフェース310は、テキストメッセージングアプリケーションに接続する1つ以上のアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)を含み得、テキストメッセージングアプリケーションは、入力されたテキストの応答エンジン308へのルーティングを可能にする。テキストに加えて、入力インターフェース308は、画像、ビデオ、絵文字、または表示されたオプションの選択指示を受け入れることができる。
【0110】
療法機械90から治療データ213を受信するために、サーバ204は、機械インターフェース312を含む。例示的なメモリインターフェース312は、療法機械90から治療データ213を要求または受信するように構成される。いくつかの実施形態において、適応インターフェース308は、患者が仮想対話型セッションを開始したことを検出した後に、機械インターフェース312を使用して治療データ213を要求するように構成される。別の実施形態において、適応インターフェース302は、仮想アシスタント/チャットボットロジック212が質問に回答すること、応答アクション238を決定すること、または応答アクション238のコンテンツを作成することを行うために特定の医療情報を使用するように構成されている場合、機械インターフェース312を使用して、関連する治療データ213および/または患者データ214(および処方された療法またはプログラム)のために臨床医データベース206を検索し得る。
【0111】
図4は、本開示の例示的な実施形態による患者の問い合わせをトリアージするために仮想アシスタント/チャットボットロジック212によって実行されるプロセス400の図である。例示的なプロセス400は、患者がパーソナルモバイル通信デバイス122および/または療法機械90の表示インターフェース201上でアプリケーション240を使用して問い合わせを開始すると始まる。仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、ロジックを使用して、1つ以上のフォローアップ質問を選択する。換言すれば、仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、応答アクション238が識別されるまでさらなる情報を受信するための1つ以上のプロンプトを伴う質問の階層を介して進むための対話型セッションを提供する。いくつかの実施形態において、仮想アシスタント/チャットボットロジック212の要求/回答/質問の階層は、病院システムまたは診療所のプロトコルに基づいて修正され得る。
【0112】
図5は、本開示の例示的な実施形態によるパーソナルモバイル通信デバイス122上に提供されるアプリケーション240のインターフェースを示す図である。イベントAにおいて、アプリケーション240は、限外濾過の傾向を含む少なくともいくつかの治療データ213を表示する。インターフェースは、患者が仮想アシスタント/チャットボットロジック212を開始することを可能にするアイコン500を含む。イベントBは、仮想アシスタント/チャットボットロジック212のための対話型インターフェース502を表示するアプリケーションを示す。対話型インターフェース502は、問題または質問に関して患者に尋ねる仮想アシスタント/チャットボットロジック212からの自動テキストを含む。図示されているように、患者は、ミニキャップを使い果たしている(すなわち、PD使い捨て物品)とタイプまたは発話している。対話型インターフェース502は、汎用仮想アシスタントの写真または患者の臨床医の写真も表示し得る。患者によって提供されたテキストまたは発話は、前述したように、臨床医サーバおよび/または仮想アシスタント/チャットボットロジック212によって処理される。
【0113】
仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、起こり得る問題および問題に関連するキーワードのリストを含む。応答エンジン308は、仮想アシスタント/チャットボットロジック212と連携して、キーワードマッチングを実行して、患者がどの問題を参照している可能性が高いかを決定する。上記例では、患者は、警報で助けが必要であることを示すが、警報のタイプ(例えば、閉塞警報、透析流体漏れ警報、低容器警報、圧送警報、過充填警報など)を識別することができない。この場合、仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、各警報タイプに関連付けられたキーワードを特定する。患者にさらなる質問をする代わりに、応答エンジン308は、治療データ213を使用して閉塞警報がアクティブであると決定する。このさらなる情報は、問題が閉塞警報に関連すると応答エンジン308および/または仮想アシスタント/チャットボットロジック212が決定することを可能にする。
【0114】
仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、起こり得る問題のデータ構造を含む。各問題は、問題に関連する1つ以上のキーワードを有する。キーワードは、データ202,213および/または214の分析と、問題に関連する患者の集団からの患者応答とに基づいて予め選択される。例えば、閉塞警報の問題は、「警報、警告、ノイズ、点滅、ビープ音、および警戒」などのキーワードを含む。キーワードは、閉塞検出に関連する(治療データ213に含まれる)療法機械90によって生成された診断識別子も含み得る。これらのキーワードは、診断トラブルコード、閉塞検出のためのフィールド識別子、またはイベント識別子を含み得る。
【0115】
仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、受信したテキストおよびデータ202,213、および/または214を高次の問題の各々と比較するように構成される。仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、キーワードとの比較に基づいて、最大の合致スコアまたは確率を有する問題を選択する。仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、合致が60%または75%などの合致閾値を超えない場合、選択を妨げることができる。この例では、仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、どの問題が最大の合致スコアを有するかに基づいて患者に質問すべきフォローアップ質問を含む。
【0116】
仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、可能な問題の少なくともいくつかのための質問および回答の階層を含み得る。これらのさらなる質問および回答は、問題をより正確な問題にさらに改良し、より良い解決策を提供し得る。例えば、より高次の問題は、単に警報を指し得る。下位レベルの質問および回答は、異なる種類の警報のキーワードおよび基準を提供する。場合によっては、上記閉塞警報の例のように、回答は、患者からのさらなる入力なしに、データ202,213および/または214から直接決定され得る。しかしながら、より低いレベルの回答のいずれかが決定されることができない場合、仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、どの質問がフォローアップのために患者に提供されるかを選択するために、より高いレベルの問題の各可能な回答に関連付けられたリストアップされた質問を使用する。仮想アシスタント/チャットボットロジック212の階層は、問題/副問題横断を提供し、問題/副問題横断は、応答アクション238を決定するために、患者によって経験される可能性が高い問題に応答エンジン308に迅速に収束させる。
【0117】
階層内のある時点で、サブ問題に関する回答が応答アクション238に関連付けられる。仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、応答アクション238に関して、閾値を超える合致またはほぼ合致があるときを決定する。この合致に基づいて、応答エンジン308は、応答アクション238を患者および/または識別された臨床医に送信する。場合によっては、応答アクション238は、下位問題の階層を通って進む必要なしに、上位レベルの問題のために提供され得る。したがって、仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、応答エンジン308が、どの問題が患者によって経験されているかを識別するために患者と対話する方法を定義する。
【0118】
図4に示すように、決定された臨界レベルに基づくいくつかの異なる可能な応答アクション238がある。いくつかの実施形態において、仮想アシスタント/チャットボットロジック212は、3つのレベルを有し得る。他の実施形態において、より少ないレベルまたはより多いレベルが存在し得る。3レベル構成では、最低レベルは、人間の介入なしに自動的に回答し得る基本的な患者の質問または要求に対応する。これらは、患者のガイド、供給品の再注文、および/または療法機械90に関する一般的な情報に関する質問/要求を含む。中レベルは、時間が許すときに臨床医が対処するための要求/患者の質問に対応し、それによって、臨床医のワークフローを中断しない。これらの質問または要求は、軽度または中程度の医学的問題および/または療法機械90に伴うまれな問題に関連し得る。重要レベルは、臨床医がすぐに回答する必要がある質問/要求に対応する。これらの応答アクション238は、臨床医サーバ204によってフラグが立てられ、優先順位が付けられ、エスカレーションされる。これらの質問/要求または患者の問い合わせは、腹膜炎、流体状態、および療法機械90に関する頻繁なまたは進行中の問題に関連し得る。
【0119】
図4は、処方された療法またはプログラム202、治療データ213、および/または患者データ214の少なくとも一部も示し、それらは、より迅速に応答アクション238に収束するために、または応答アクション238のコンテンツを作成するために仮想アシスタント/チャットボットロジック212によって使用され得る。処方された療法またはプログラム202は、1つ以上の透析処方箋またはプログラムにおいて定義される治療パラメータを含む。PDに関して、処方された療法またはプログラム202は、総充填量、サイクル数、充填速度、サイクル当たりの充填量、滞留時間、排出速度、サイクルまたは治療当たりに除去される予期される限外濾過(「UF」)、透析流体濃度(例えば、デキストロース濃度)、または治療スケジュールのうちの1つ以上を含み得る。HDに関して、処方された療法またはプログラム202は、治療時間、血液循環速度、透析流体循環速度、透析流体量、治療スケジュール、または透析流体濃度を指定し得る。注入療法に関して、処方された療法またはプログラム202は、注入速度、注入される流体の体積、流体の種類/体積、流体の薬物または成分濃度、および総注入時間を含み得る。処方された療法またはプログラム202は、療法機械90および/または臨床医データベース206(患者のEMRに記憶されている)から受信し得る。
【0120】
治療データ213は、透析治療がどのように行われたかを記載する。図4に示すように、治療データ213は、PD治療に関して、治療が行われた日付/時間、治療当たりのサイクル数、充填量、排出量、除去されたUFの推定量または測定量、および治療中に発生した任意の事象の少なくとも1つを含み得る。イベントは、警報、警告、限界値または閾値と矛盾する患者入力、ライン閉塞、ライン漏れ/断線、治療の一時停止などを含み得る。場合によっては、治療データ213は、療法機械90が1つ以上のセンサ(血圧センサまたはカフ、体重計、心拍数センサ、ECGセンサなど)に接続されている(または、それらを含む)場合、生理学的データも含み得る。全体として、治療データ213は、透析治療がどのように行われたかの要約を提供する。
【0121】
治療データ213は、デバイス情報をさらに含み得る。例えば、デバイス情報508は、機械がプライミングシーケンスにあるか、洗浄/消毒シーケンスにあるか、PD治療のサイクルを開始しようとしているか、充填段階を通して進行しているか、滞留段階を通して進行しているか、排出段階を通して進行しているか、またはサイクルまたは治療を終了しているかなど、療法機械90の正しい状態を含み得る。デバイス情報は、1つ以上のポンプ、バルブ、または他の透析構成要素において検出された障害などの診断情報も含み得る。
【0122】
患者データ214は、療法機械90の監視を通して容易に決定することができない患者に固有の情報に関する。患者データ214は、患者の活動情報、患者の人口統計情報、および患者の医療情報を含み得る。患者活動情報は、患者との1つ以上の質問および回答セッションを通して決定される。これに加えて、または代えて、患者の活動情報は、患者のEMRから決定され得る。
【0123】
一例では、PD治療は、完了するために3または4時間要し得る。この時間中、患者は、少なくともサイクルの透析流体の充填および排出段階(患者のために退屈であり得る)中、療法機械90に流体接続される。時間を埋めるのを助けるために、臨床医サーバ204は、治療データ213から、充填段階が次の30分間生じるであろうことを決定するように構成され得る。臨床医サーバ204は、発話認識モジュール306から、周囲環境が静かであると決定するようにも構成される。これらの状態に基づいて、臨床医サーバ204は、いくつかの患者データ214を取得するための時間を埋めるための患者との仮想セッションを開始するように構成され得、患者データ214は、ダイエット情報、流体摂取量、投薬、活動レベル、精神状態、および睡眠パターンを含み得る。臨床医サーバ204は、「今日は何を食べましたか?」、「どの薬を服用していますか?」、「今日は何をしましたか?」、および、「具合はどうですか」および「どのように寝ましたか?」などの単純な質問で患者を促すことができる。患者応答は、臨床医サーバ204によって患者データ214として記録される。臨床医サーバ204は、傾向が決定されることを可能にするために患者データ214にタイムスタンプを付けることができる。場合によっては、臨床医サーバ204は、質問し、フォローアップ質問が必要かどうかを決定するために仮想アシスタント/チャットボットロジック212を使用し得る。治療中に質問することに加えて、臨床医サーバ204は、患者を中断する可能性が低い時間に、治療後または治療前に質問し得る。
【0124】
患者の活動情報のために患者に促すことに加えて、臨床医サーバ204は、患者の人口統計情報のために患者に促し得る。或いは、臨床医サーバ204は、臨床医データベース206に記憶された1つ以上のEMRから患者人口統計情報を取得し得る。図4に示すように、患者人口統計情報は、性別、年齢、体重、人種、民族、および地理的位置を含み得る。臨床医サーバ204は、仮想アシスタント/チャットボットロジック212を使用して、治療前、治療中、または治療後に患者から患者人口統計情報を取得し得る。
【0125】
臨床医サーバ204は、同じ仮想セッションを使用して、患者医療情報のために患者を促し得る。或いは、臨床医サーバ204は、接続された生理学的センサを使用して患者の医療情報の少なくとも一部を取得するために、療法機械90を使用し得る。さらに他の例では、臨床医サーバ204は、1つ以上のEMRから患者データ214の患者医療情報を取得する。全体として、患者データ214は、仮想セッションを介して取得される少なくともいくつかの被験者情報を含み得る患者の健康の要約を提供する。
【0126】
図4に示すように、プロセス400は、患者要求を適切な応答アクション238にトリアージすることを含む。第1の応答アクション238aは、患者に自動応答を提供することに対応する。第1の応答アクション238aは、指定された低レベルの問い合わせのために選択される。応答は、医療および/または製品の文書化の特定のセクションおよび/または患者データ214のセクション(例えば、患者のEMR)を参照する。臨床医サーバ204は、情報をコピーし、応答アクション238aとして1つ以上の応答メッセージに情報を含む。メッセージは、テキストまたはマルチメディアメッセージ、音声メッセージ、および/または視聴覚メッセージとして伝達され得る。応答アクション238aを介して、以下の質問および応答を提供し得る。
例1:質問は、チャットボットおよび/または患者ガイドによって回答され得る。
「新しい溶液バッグをどのように接続するか?」
患者ガイドの93ページの情報で回答
チャットボットが応答し、呼び出しを閉じる
例2:日常的であるが患者特有の質問
「ミニキャップが不足しているのですが、次の送達はいつですか?」
簡単に回答され得る明確なはい/いいえを伴うもの。
チャットボットは、直接回答する-データベースが回答すべき簡単な質問に。
【0127】
図4の応答アクション238b、238e、および238fは、重要レベルの応答に対応する。ここで、臨床医サーバ204は、患者が臨床医、看護師、または医師との接触に置かれる必要があると決定する。臨床医サーバ204は、患者の応答およびデータ202,213、および/または214と共に仮想アシスタント/チャットボットロジック212を使用して、応答の重要性を決定することに加えて、どの施術者が応答を処理するために最良であるかを決定する。個人を識別した後、臨床医サーバ204は、通信セッションを確立するために、電子アドレス帳におけるそれらの電話番号または仮想識別子を決定する。臨床医サーバ204は、音声通話、ビデオ通話、会議通話、および/またはライブテキストセッションを確立するための通信インターフェース314を含み得る。通信インターフェース314は、それぞれの応答アクション238b、238e、または238fを介してセッションを確立するために、識別された臨床医デバイス152およびパーソナルモバイル通信デバイス122に1つ以上のメッセージを送信し得る。いくつかの実施形態において、通信インターフェース314は、臨床医デバイス152のアプリケーション242上で閲覧するための応答アクション238のためのコンテンツを追加する。コンテンツは、仮想セッション中に患者によって提供された情報、および/またはデータ202,213、および/または214の関連部分を含み得る。以下は、対話の例である。
例3:緊急質問、すぐに看護師に直接送信
「胃が痛み、流出物が濁っています。どうすればよいですか?」
緊急のメモ/メッセージのエスカレーションで看護師に連絡する;そして、患者に入ってくるように伝える
【0128】
いくつかの実施形態において、臨床医サーバ204は、療法機械90の製造業者へのメッセージのための応答アクション238cを選択する。応答アクション238cは、製造業者のコールセンターによって時間内に対処され得るテキストメッセージ、音声メール、電子メールなどを含み得る。緊急の場合、臨床医サーバ204は、前述のようにライブセッションを確立する。以下は、対話の例である。
例4:質問は、チャットボットによって回答し得る。
「新しい溶液バッグに何か浮いているものがあるが、どうすればよいか」
「それを使用しないで;製品監視につなぎます」で回答
チャットボットが応答し、呼び出しを閉じる
【0129】
図4は、メッセージが臨床医に提供される応答アクション238dも示す。これらの場合、臨床医サーバ204は、患者および/またはデータ202,213、および/または214との仮想対話から決定されたいくつかの情報を含む電子メール、テキストメッセージ、音声メッセージなどを構築する。さらに、臨床医サーバ204は、臨床医のために音声メールまたは他のテキストを残すように患者を促し得る。これらの例では、臨床医サーバ204は、通信インターフェース316を使用して、応答アクション238dを臨床医の適切な通信アカウントに送信する。以下は、対話の例である。
例5:回答が難しい質問は、優先順位付けスコアが与えられた診療所に音声メールを残す。患者ガイドで回答されることはできないが、緊急ではない。
「もうすぐ24時間の収集を行なうが、その方法を忘れた;助けてくれますか?」
看護師はメッセージを受け取り、指示で後にコールバックし得る。
【0130】
図6は、本開示の例示的な実施形態による応答アクション238dに応答するために臨床医アプリケーション242によって提供されるダッシュボード600の図である。ダッシュボード600は、患者のリストおよび各患者に関連付けられた応答アクション238dを日ごとに表示する。ダッシュボード600は、臨床医が応答アクション238dを選択することを可能にするように構成される。選択に応答して、アプリケーション242のダッシュボード600は、臨床医が応答を入力または記録するためのインターフェースを提供し、応答は、その後、臨床医サーバ204を介してパーソナルモバイル通信デバイス122のアプリケーション240に送信される。
【0131】
ダッシュボード600は、どの応答アクション238dが対処されたかに関しての指示も提供する。いくつかの実施形態において、ダッシュボード600は、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間などの閾値時間内に応答が提供されない場合、臨床医の注意を引くために、アイコンの色を変更するか、そうでなければ応答アクション238dを促進する。さらに、応答アクション238dが閾値内で対処されなかった場合、臨床医サーバ204は、応答アクション238dを他の臨床医のダッシュボードに提供し得る。ダッシュボード600は、臨床医が応答アクション238aを別の臨床医にルーティングすることをも可能にし得る。
【0132】
(III.結論)
本明細書に記載の現在好ましい実施形態に対する様々な変更および修正が当業者には明らかであることを理解すべきである。そのような変更および修正は、本主題の技術思想および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を損なうことなく行なうことができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】