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特表2024-546788液体投与ディスペンサー及び前記液体投与ディスペンサーを含む液体容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】液体投与ディスペンサー及び前記液体投与ディスペンサーを含む液体容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20241219BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20241219BHJP
   B05B 11/10 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B05B11/00 101K
B05B11/00 101E
B05B11/10 101E
B05B11/10 101K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534633
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022085053
(87)【国際公開番号】W WO2023104994
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2030093
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2031330
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521568579
【氏名又は名称】スマートシール エーエス
【氏名又は名称原語表記】SMARTSEAL AS
【住所又は居所原語表記】Kvitsoygata 10,4014 Stavanger,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イェルン・ヘリット・アントン・ゲビンク
(72)【発明者】
【氏名】ルネ・クリスティアン・クヌートセン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CC04
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB13
3E084DC04
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC01
3E084GA01
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB12
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD22
3E084LD27
(57)【要約】
以下を含む、液体投与ディスペンサーが提供される:
-第1開口部と第2開口部を含む内部空間を画定するハウジング;
-ディスペンシングユニット;
-ハウジングに配置され、第1開口部を選択的に開閉するよう第1バルブ;
-第2開口部を通る液体の流れを開閉するための、第1バルブとディスペンシングユニット間のクロージャ;ここでクロージャは、休止位置と圧縮位置との間で軸方向に移動可能な、第2バルブとベースを含む。
-第1バルブと第2バルブとの間に配置された圧縮可能な弾性要素;
ディスペンシングユニットは、外部作動力が加えられると、クロージャのベースを休止位置から圧縮位置に移動させ、クロージャを軸方向に圧縮位置から休止位置へ押し進めることができ、第2バルブは、クロージャが休止位置から圧縮位置へ移動されるときに、ベースに対して移動して、第1流体流路と第2流体流路との間に第3流体流路を開くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体投与ディスペンサーであって、
-第1開口部と第2開口部を含む内部空間を画定するハウジング;ここで、前記ハウジングは容器に取り付けられるように構成されており、前記容器から前記第1開口部を通って前記内部空間に第1流体流路が形成される;
-前記ハウジングに取り付けられるか、前記ハウジングと一体化するように構成されたディスペンシングユニット;これにより、前記ハウジングの前記内部空間から第2開口部を通って前記ハウジングの外側にあるディスペンシング出口に第2流体流路が形成される;
-前記内部空間に配置され、前記第1開口部を選択的に開閉するように構成された第1バルブ;
-前記第1バルブと前記ディスペンシングユニットの間の前記内部空間に配置されたクロージャ;ここで、前記クロージャは、前記第1流体流路から前記第2流体流路まで延びる第3流体流路を選択的に開閉するように構成され、前記クロージャは、第2バルブとベースを含み、前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一方は、休止位置と圧縮位置との間で軸方向に移動可能である;
-前記第1バルブと前記クロージャの前記第2バルブとの間の前記内部空間に配置され、前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一方を前記圧縮位置から前記休止位置に付勢するように構成された圧縮可能な弾性要素;
前記ディスペンシングユニットは、前記ディスペンシングユニットに外部作動力が加えられると、前記ベース及び前記第2バルブのうちの少なくとも一方を前記休止位置から前記圧縮位置に移動するように構成され、
前記クロージャの前記第2バルブは、前記ベースに対して移動可能であり、前記ベースと前記第2バルブのうちの少なくとも一方が前記ディスペンシングユニットによって前記休止位置から前記圧縮位置に移動されるときに前記第3流体流路を開き、及び/又は、前記クロージャの前記ベースと前記第2バルブのうちの少なくとも一方が前記圧縮可能な弾性要素によって前記圧縮位置から前記休止位置に移動されるときに前記第3流体流路を閉じるようにさらに構成される、
液体投与ディスペンサー。
【請求項2】
前記第1バルブは、前記第2バルブが前記休止位置に移動されたときに前記第1開口部を閉じ、前記第2バルブが前記圧縮位置に移動されたときに前記第1開口部を開くように構成される、請求項1に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項3】
前記第1バルブが一方向バルブである、請求項1又は2に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項4】
さらに、前記ディスペンシングユニットが前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部とを軸方向に前記休止位置から前記圧縮位置に向かって移動させることで、前記圧縮可能な弾性要素を圧縮することにより、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を増大させ、及び/又は、前記圧縮された弾性要素が前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部とを軸方向に前記圧縮位置から前記休止位置に向かって移動させることにより、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を低下させるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項5】
前記ハウジングの前記内部空間の圧力が上昇したときに前記ハウジングの前記内部空間から液体を前記ディスペンシングユニットに押し込むように、及び/又は、前記ハウジングの前記内部空間の圧力が低下したときに前記容器から液体を前記ハウジングの前記内部空間に押し込むように構成される、請求項4に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項6】
前記第1流体流路と前記第2流体流路との間の前記第3流体流路を開くことは、前記クロージャが前記休止位置から前記圧縮位置に移動することによって生じる前記内部空間の圧力上昇によって、前記第2バルブの中央部分が前記ベースに対して閉鎖位置から開放位置に移動することを可能にすることを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項7】
前記第1流体流路と前記第2流体流路との間の前記第3流体流路を閉じることは、前記クロージャが前記圧縮位置から前記休止位置に移動することで生じる前記内部空間の圧力低下によって、前記第2バルブの中央部分が前記ベースに対して開放位置から閉鎖位置に移動することを可能にすることを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項8】
中央部分の前記閉鎖位置から前記開放位置への相対移動の方向が、前記ベースの前記休止位置から前記閉鎖位置への移動の方向と反対になるように構成され、及び/又は、中央部分の前記開放位置から前記閉鎖位置への相対移動の方向が、前記ベースの前記圧縮位置から前記休止位置への移動の方向と反対である、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項9】
作動力が前記ディスペンシングユニットに加えられたときに、
前記ディスペンシングユニットは、作動力を前記クロージャを介して前記弾性要素に伝達し、前記弾性要素を圧縮し、
前記内部空間のサイズが縮小され、前記ハウジング内の液体圧力が増加し、
前記第1バルブが前記第1開口部を閉じ、及び
前記第2バルブが前記ベースに対して軸方向外側に移動し、及び/又は変形し、これにより前記クロージャが前記第2開口部を閉じるのを停止する
ようにさらに構成された、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項10】
前記圧縮位置において前記ディスペンシングユニットに対する作動力が除去されるか又は減少されるとき、
前記ディスペンサーは前記休止位置まで上昇し、及び
前記ハウジング内の圧力が低下して、前記容器から前記第1開口部を通って前記内部空間に液体を引き出す
ようにさらに構成された、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項11】
前記ディスペンシングユニットに対する作動力が減少されるか又は除去されるとき、
前記クロージャによって前記弾性要素に伝達される作動力が減少又は除去され、前記弾性要素が伸長できるようになり、
前記内部空間のサイズが拡大され、前記ハウジング内の液体圧力が減少し、
前記第2バルブが前記ベースに対して半径方向内側に移動し、及び/又は休止形状に変形して戻り、これにより前記クロージャが前記第2開口部を閉じ、
前記第1バルブが前記第1開口部を閉じるのを停止し、及び
前記弾性要素が前記ディスペンシングユニットを前記内部空間から外側に押し出す
ようにさらに構成された、請求項10に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項12】
さらに、前記第2開口部の半径方向外側に配置されたリング状のハウジングカバーを含み、前記クロージャ及び前記弾性要素が前記内部空間から出ることを防ぎ、
好ましくは、前記休止位置において、前記ハウジングカバーは前記弾性要素の膨張を最大限度に制限する、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項13】
前記休止位置及び前記圧縮位置の両方において、前記内部空間はそれぞれ所定のサイズを有し、前記圧縮位置に移動するときに所定の液体投与量を移動させる、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項14】
前記第1バルブは、前記第1開口部を閉じるために変形し、及び/又は少なくとも部分的に前記第1開口部内に移動するように構成された薄い可撓性シートを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項15】
前記第1バルブが前記圧縮可能な弾性要素に取り付けられているか、又は一体形成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項16】
前記第1バルブ及び前記弾性要素は、前記第1開口部の縁部全体に実質的に分布する複数の位置で接続されている、請求項15に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項17】
前記第1バルブ及び前記弾性要素は、前記第1開口部の縁の半分に渡って分布する1つ以上の位置で接続されている、請求項15又は16に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項18】
前記ハウジング、前記弾性要素、前記第1バルブ、前記クロージャ、及び前記ディスペンシングユニットは、実質的に単一の材料、好ましくは完全に単一の材料で構成され、
前記単一の材料は好ましくはプラスチック、より好ましくはポリエチレン、PEである請求項1~17のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項19】
前記第1バルブ及び前記弾性要素は、単一の部品、好ましくは単一の射出成形部品として実装される、請求項15~18のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項20】
前記第2バルブには、下降ストローク中に前記ベースと前記第2バルブとの間の前記クロージャの内部圧縮空間から液体が排出されるように、前記内部空間に隣接する部分に少なくとも1つの追加の穴、例えば、半径方向に実質的に等間隔に配置された多数の穴が設けられている、請求項1~19のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項21】
前記第2バルブの中央部分は、前記ディスペンシングユニットに向かって軸方向に延びており、前記中央部分は本質的に円筒形を有し、及び/又は、前記中央部分は、放射状に配置された複数の穴を含み、
放射状に配置された前記複数の穴は、前記中央部分が前記閉鎖位置にあり、前記クロージャが前記休止位置にあるときに前記穴を閉じるために、前記ベースの関連する閉鎖部分に対応して配置されるように構成され、
放射状に配置された前記複数の穴は、前記中央部分が前記開放位置にあり、前記クロージャが前記圧縮位置にあるときに前記穴を開くために、前記ベースの対応する閉鎖部分の軸方向外側に位置するように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項22】
前記クロージャには、前記ベースと前記第2のバルブとの間の前記クロージャの圧縮空間に配置された追加の弾性要素、好ましくは他の部品と同じ材料で作られたスプリングが設けられる、請求項1~21のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項23】
前記圧縮位置から前記休止位置への移動中に、前記第2バルブは変形し、休止形状に戻る、請求項1~22のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項24】
前記弾性要素は、前記ハウジングの内壁に沿って、実質的に前記内部空間を囲って広がって延在する、請求項1~23のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項25】
前記弾性要素はバネを含み、好ましくは前記弾性要素は単一のバネ要素からなる、請求項1~24のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項26】
容器と、請求項1~5のいずれかに記載の液体投与ディスペンサーとを含むシステムであって、前記液体投与ディスペンサー及び前記容器は、前記液体投与ディスペンサーが前記容器に取り外し可能に接続できるように構成されている、システム。
【請求項27】
請求項1~25のいずれかに記載の液体投与ディスペンサーを操作する方法、又は請求項26に記載のシステムを操作する方法。
【請求項28】
前記ディスペンシングユニットが前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部を軸方向に前記休止位置から前記圧縮位置に向かって移動させ、前記圧縮可能な弾性要素を圧縮することで、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を増大させることによって、所定の量の液体を分配すること、及び/又は、前記圧縮された弾性要素が前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部を軸方向に前記圧縮位置から前記休止位置に向かって移動させることで、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を低下させることによって、前記ハウジングに所定量の液体を充填することを含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体投与ディスペンサー及び前記液体投与ディスペンサーを含む液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
包装業界では、石鹸や食用油などの消費財のディスペンサーなど、液体ディスペンサーが必要である。液体ディスペンサーは、ユーザーの操作に応じて、例えば容器から液体を制御された状態で放出することを目的としている。液体ディスペンサーの例としては、液体ポンプヘッドがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの既知の液体ディスペンサーは、ユーザーの操作に応じてほぼ連続的に液体を放出し、さまざまな数のユーザー操作、例えば数回のポンプストロークの後に、ディスペンシングシステムを通じて一定量の液体を生成する。ディスペンシングされる液体の量は、通常、一貫性がなく、予測できない。特定の用途では、例えば、液体をレシピに従ってディスペンシングした後に混合する必要がある場合、液体が標準化された洗浄プロトコルで使用される場合、又は液体が高価な場合など、これは特に不利になる可能性がある。特定の用途では、一定量の液体を放出するために複数のポンプが必要になることが不利になる可能性がある。
【0004】
本開示の第一の目的は、好ましくは単一の操作で、一貫して予測可能な方法で液体を分配することができる液体投与ディスペンサーを提供することである。
【0005】
包装業界では、多数の液体ディスペンサーが使用されている。液体ディスペンサーの部品には、プラスチックや金属など、さまざまな材料が使用されている。例えば、液体ディスペンサーには、プラスチック部品に加えて、重力の影響で開口部を閉じるための金属ボールや、ステンレス鋼のスプリングが含まれている場合がある。特定の材料を使用すると、ディスペンサーの部品の製造コストが増加する。部品から液体ディスペンサーを製造及び組み立てるには、さまざまな技術が必要になる場合がある。例えば、部品を接着又は溶接したり、大きな力で部品をはめ込んだりする。特定の材料と技術を使用すると、製造と組み立てが複雑になり、ディスペンサーを小型で製造及び組み立てる際の容易さが制限される。
【0006】
本開示の第二の目的は、容易に、簡単に、及び/又は低コストで製造及び組み立てることができる液体投与ディスペンサーを提供することである。
【0007】
液体ディスペンサーは、液体の汚染、液体の劣化、摩耗及び裂けにより、寿命が限られていることがよくある。さらに、寿命が限られていることや衛生プロトコルなどの他の理由により、液体ディスペンサーは定期的な交換スケジュールの対象となる場合がある。そのため、特に消費者やホスピタリティ業界による液体ディスペンサーの使用は、比較的多くの廃棄物の発生につながる。
【0008】
本開示の第3の目的は、例えば洗浄、リサイクル、又は燃焼によって廃棄物流として容易に処理できる液体投与ディスペンサーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下を含む液体投与ディスペンサーを提供することにより、第1の目的、第2の目的、及び第3の目的のうち少なくとも1つを達成する:
-第1開口部と第2開口部を含む内部空間を画定するハウジング;ここで、前記ハウジングは容器に取り付けられるように構成されており、容器から前記第1開口部を通って前記内部空間に第1流体流路が形成される;
-前記ハウジングに取り付けられるか、前記ハウジングと一体化するように構成されたディスペンシングユニット;これにより、前記ハウジングの前記内部空間から第2開口部を通って前記ハウジングの外側にあるディスペンシング出口に第2流体流路が形成される;
-前記内部空間に配置され、前記第1開口部を選択的に開閉するように構成された第1バルブ;
-前記第1バルブと前記ディスペンシングユニットの間の前記内部空間に配置されたクロージャ;ここで、前記クロージャは、前記第1流体流路から前記第2流体流路まで延びる第3流体流路を選択的に開閉するように構成され、前記クロージャは、第2バルブとベースを含み、前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一方は、休止位置と圧縮位置との間で軸方向に移動可能である;
-前記第1バルブと前記クロージャの前記第2バルブとの間の前記内部空間に配置され、前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一方を前記圧縮位置から前記休止位置に付勢するように構成された圧縮可能な弾性要素;
前記ディスペンシングユニットは、前記ディスペンシングユニットに外部作動力が加えられると、前記ベース及び前記第2バルブのうちの少なくとも一方を前記休止位置から前記圧縮位置に移動するように構成され、
前記クロージャの前記第2バルブは、前記ベースに対して移動可能であり、前記ベースと前記第2バルブのうちの少なくとも一方が前記ディスペンシングユニットによって前記休止位置から前記圧縮位置に移動されるときに前記第3流体流路を開き、及び/又は、前記クロージャの前記ベースと前記第2バルブのうちの少なくとも一方が前記圧縮可能な弾性要素によって前記圧縮位置から前記休止位置に移動されるときに前記第3流体流路を閉じるようにさらに構成される。
【0010】
本開示の実施形態では、第1バルブは、第2バルブが休止位置に移動されたときに第1開口部を閉じ、第2バルブが圧縮位置に移動されたときに第1開口部を開くように構成される。
【0011】
本開示の実施形態では、第1バルブは一方向バルブである。
【0012】
本開示の実施形態では、ディスペンサーは、ディスペンシングユニットがベースと第2バルブの少なくとも一部とを軸方向に休止位置から圧縮位置に向かって移動させることで、前記圧縮可能な弾性要素を圧縮することにより、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を増大させ、及び/又は圧縮された弾性要素がベース及び第2バルブの少なくとも一部を軸方向に圧縮位置から休止位置に向かって移動させることにより、ハウジングの内部空間の圧力を低下させるようにさらに構成される。
【0013】
本開示の実施形態では、ディスペンサーは、ハウジングの内部空間の圧力が上昇したときにハウジングの内部空間から液体をディスペンシングユニットに押し込むように、及び/又は、ハウジングの内部空間の圧力が低下したときに容器から液体をハウジングの内部空間に押し込むように構成されている。
【0014】
本開示の実施形態では、第3流体流路を開くことは、クロージャが休止位置から圧縮位置に移動することによって生じる内部空間の圧力上昇によって、第2バルブの中央部分がベースに対して閉鎖位置から開放位置に移動することを可能にすることを含む。
【0015】
本開示の実施形態では、第1流体流路と第2流体流路との間の第3流体流路を閉じることは、クロージャが圧縮位置から休止位置に移動することで生じる内部空間の圧力低下によって、第2バルブの中央部分がベースに対して開放位置から閉鎖位置に移動することを可能にすることを含む。
【0016】
本開示の実施形態では、ディスペンサーは、中央部分の閉鎖位置から開放位置への相対移動の方向が、ベースの休止位置から閉鎖位置への移動の方向と反対になるように構成され、及び/又は、中央部分の開放位置から閉鎖位置への相対移動の方向が、ベースの圧縮位置から休止位置への移動の方向と反対になるように構成される。
【発明の効果】
【0017】
本開示による液体投与ディスペンサーは、限られた数の部品と実質的に単一の材料から便利に製造できるように構成されている。このディスペンサーは、さまざまな液体での使用に適応でき、さまざまなスケールとサイズで実現できる。このディスペンサーは、各動作ストロークで一貫した予測可能な投与量を投与するように構成されている。このディスペンサーは実質的に単一の材料で作られているため、便利で比較的環境に優しい方法で廃棄できる。
【0018】
本開示は、以下の図を参照して、いくつかの例示的な実施形態に従ってさらに詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A図1A、1B及び2は、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の断面図を示す。
図1B図1A、1B及び2は、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の断面図を示す。
図1C図1Cは、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の透視図を示す。
図2図2は、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の断面図を示す。
図3図3は、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の分解図を示す。
図4A図4A~4Dは、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の動作中の構成を示す斜視図である。
図4B図4A~4Dは、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の動作中の構成を示す斜視図である。
図4C図4A~4Dは、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の動作中の構成を示す斜視図である。
図4D図4A~4Dは、液体投与ディスペンサーの第1の実施形態の動作中の構成を示す斜視図である。
図5図5は、液体投与ディスペンサーの第2の実施形態の外観を示す。
図6図6は、液体投与ディスペンサーの第2の実施形態の断面図を示す。
図7図7及び図8は、液体投与ディスペンサーの第2の実施形態の分解図を示す。
図8図7及び図8は、液体投与ディスペンサーの第2の実施形態の分解図を示す。
図9図9及び図10は、液体投与ディスペンサーの第2の実施形態による第2バルブの透視図を示す。
図10図9及び図10は、液体投与ディスペンサーの第2の実施形態による第2バルブの透視図を示す。
図11図11は、液体投与ディスペンサーの第3の実施形態の外観を示す。
図12図12は、液体投与ディスペンサーの第3の実施形態の断面図を示す。
図13図13及び図14は、液体投与ディスペンサーの第3の実施形態の分解図を示す。
図14図13及び図14は、液体投与ディスペンサーの第3の実施形態の分解図を示す。
図15図15は、液体投与ディスペンサーの第3の実施形態による第2バルブの透視図を示す。
図16図16は、液体投与ディスペンサーの第3の実施形態による単一の部品として具体化された弾性要素及び第1バルブの透視図を示す。
図17図17は、液体投与ディスペンサーを備えた容器の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一般
以下の説明では、説明の目的で、本開示を完全に理解できるように、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本開示は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることは明らかである。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスは、網羅的に詳細には説明されていない。
【0021】
本明細書及び添付の請求項で使用されている単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の定めがない限り、複数の指示対象を含むことに留意する。請求項は、任意の要素を除外するように作成されてもよいことにさらに留意する。したがって、この記述は、請求項の要素の記載又は「否定的な」制限の使用に関連して、「唯一」、「のみ」などの排他的な用語を使用するための前提となることを意図している。
【0022】
例示的な実施形態の説明
以下の説明で「液体容器」という概念に言及する場合、内容物を保持するためのあらゆるタイプのホルダー、例えば石鹸や油などの液体用のボトルを考慮することができる。ただし、ここで説明する液体投与ディスペンサーは、この特定のタイプの液体容器への適用に限定されない。実際、ここで定義されるディスペンサーは、液体ジャー、フラスコ、樽、カートン、ポーチなど、その他のタイプの容器にも適用できるが、容器は、液体を保持する目的のために設計されていない物体又はシステム、例えば自然に発生する液体源である場合もある。
【0023】
液体容器の一例を図17に示す。この図は、上端に1つの出口開口部を有するボトル形状の液体容器200を示す。液体投与ディスペンサー100は、液体容器200のこの上端に取り付けられ、液体容器200の内部から出口開口部を介して液体容器200の外部環境に投与量の液体を選択的に投与するように構成されている。投与量の液体の投与は、後述するように、液体投与ディスペンサー100のディスペンシングユニット110を(例えば手動で)操作することによって実行できる。
【0024】
1つの液体投与ディスペンサー100の実施形態は、例えば、図1~4、図6~9、及び図11~14に示されている。より具体的には、図1~4は、液体投与容器100の第1の実施形態のさまざまな視点を示し、図6~9は、液体投与容器100の第2の実施形態のさまざまな視点を示し、図11~14は、液体投与容器100の第3の実施形態のさまざまな視点を示している。以下の説明は、各実施形態に一般的に適用できる。説明が特定の実施形態の特徴に言及している場合は、その旨が示される。示された実施形態は例示的なものであり、特許請求の範囲内で他の実施形態も考えられる。代替として説明されていない特定の実施形態の特徴は、通常、同じ実施形態内で組み合わせることができる。
【0025】
図1~4、6~9、11~14、及び17を参照すると、液体投与ディスペンサー100は、容器200内の第1位置から液体を取り出し、取り出した液体を容器から容器外の第2位置に排出又は分配するように構成されている。液体は、一連の連続した投与量で分配される。液体投与ディスペンサー100は、専門の食品サービス又は医療環境で有利に操作され得るが、他の環境、例えば家庭のキッチンや浴室、又は作業場などへの適用でも、本明細書で説明されている利点を享受できる。
【0026】
液体ディスペンサー100は、ポリプロピレン(PE)、ポリウレタン(PU/PUR)、ポリフェニルエーテル(PPE)、又はポリフェニレンオキシド(ブレンド)(PPO)などの1つ以上のプラスチック材料から製造されるのが有利である。液体投与ディスペンサー100の部品はすべて同じ材料で作られているのが望ましい(すなわち、液体投与ディスペンサー100は単一材料の液体投与ディスペンサーである)。他の実施形態では、液体投与ディスペンサー100は、密接に関連した材料であり、製造及び/又は廃棄(例えば、液体投与ディスペンサーが廃棄されて廃棄物となる場合)の目的で同じクラスの材料に属するものとして扱われる可能性がある、わずか数種類(例えば、2種類)の異なる材料で作られる。
【0027】
特に有益な実施形態では、液体投与ディスペンサー100のすべての部品はポリプロピレンで作られている。この場合、バルブ(すなわち、後述するクロージャ190の第1バルブ160及び/又は第2バルブ130)は低密度ポリプロピレン(LDPE)(又はポリフェニルエーテル)で作られることができ、液体投与ディスペンサー10の他のすべての部品は高密度ポリプロピレン(HDPE)で作られる。別の例では、液体投与ディスペンサー100のすべての部品はポリウレタンで作られる。
【0028】
液体投与ディスペンサー100の部品は、任意のプラスチック製造又は成形技術によって製造できる。実質的にすべての部品は射出成形を使用して製造されるのが有利であるが、代わりに又は追加で、押し出し、3D印刷、又はコンピュータ数値制御(CNC)による機械加工などの減算プロセスなどの他の技術を使用することもできる。
【0029】
図は、液体投与ディスペンサー100の異なる実施形態を示す。各実施形態において、液体投与ディスペンサー100は、ハウジング150(概ね円筒形のハウジングであってもよい)、容器端に第1(下側)開口部151、ディスペンス端に第2(上側)開口部152を有し、第2開口部152の近くに配置された第1バルブ160と、第1開口部151の近くに配置されたクロージャ190(クロージャ190は、ハウジング150内で軸方向に移動可能な第2バルブ130及びベース120を含む)と、クロージャ190の少なくともベースに作用する円錐ばねなどの弾性要素140と、ハウジング150及び/又はクロージャ190に取り外し可能に接続され、クロージャ190を作動(すなわち、開閉)し、液体の流れをディスペンシング出口112に誘導して、ハウジング150から環境に投与量の液体をディスペンシング又は排出するように構成されたディスペンシングユニット110とを含む。少なくとも第2及び第3の実施形態では、液体投与ディスペンサー100は、さらに(任意選択の)ハウジングカバー170、170’を含んでもよい。ハウジング150は、ハウジング150の内面、第1バルブ160、及びクロージャ190の第1バルブによって区切られた内部容積(内部空間180とも呼ばれる)を定義する。内部容積/空間180は、第1開口部151及び第2開口部152を介して反対側で開いている。液体投与ディスペンサー100の動作は内部空間180内の圧力レベルに依存するため、内部空間180にはそれ以上の開口部はなく、少なくとも密閉できない開口部はない。
【0030】
図1Aを参照すると、第1開口部151と第2開口部152との間には、縦方向の仮想軸IAが定義され、これに対して軸方向A、半径方向R、及び周方向Cが定義される。軸方向には、容器200に向かう内側と外側とが区別される。ハウジング150及びディスペンサー100の他の部品は、ディスペンシングユニット110を除いて、この軸IAを中心に実質的に放射状に対称であることが好ましいことに留意されたい。これは、液体投与ディスペンサー100の設計を可能な限り単純にするためであるが、本開示の利点の少なくとも一部を実現するためには必須ではない。
【0031】
一例として、液体投与ディスペンサー100は液体容器200の上部に配置され、その場合、仮想軸IAは実質的に垂直となり、第1開口部151はハウジング150の底側に配置され、第2開口部152はハウジング150の上部側に配置される。これは、図に描かれている部品の向きである。しかし、液体投与ディスペンサー100の動作は基本的に重力に依存しないため、本発明の利点を実現するために、液体投与ディスペンサー100を特定の向きに配置したり、操作したりする必要はない。例えば、第1開口部151は、第2開口部152よりも高い位置に配置できる。ただし、特定の条件下では、液体投与ディスペンサー100の特定の実施形態を特定の方向に配置及び/又は操作することによって生じる、部品及び/又は容器内の液体に対する重力の影響を考慮して、液体投与ディスペンサー100の部品の寸法及び材料を適合させる必要がある場合がある。これは、例えば、部品又は部品の一部の剛性又は表面積を調整することによって行われる。
【0032】
上述のように、液体投与ディスペンサー100は、ハウジング150と、任意選択でハウジングカバー170とから構成される。詳細については、図2、11~14を参照してされたい。ハウジング150の内部容積又は空間180は、その第1開口部151を介して前述の液体容器200に接続されるように構成されている。ハウジング150は、この液体容器200に固定的に接続されていてもよく、液体容器200と一体的に形成されていてもよい(すなわち、液体容器200と一体的に製造されている)。あるいは、液体投与ディスペンサー100は、図6及び12に示すように、ねじ山157などの接続手段を備えており、液体投与ディスペンサー100のハウジング150を液体容器200に取り外し可能に接続できるようになっている。
【0033】
ハウジング150の第1開口部151は、特定のサイズ及びタイプの液体容器200の開口部に適合するように寸法が決められている。図示の実施形態では、ハウジング150には、前述の容器(軸方向内側)の端部に、第1開口部151に接続する軸方向に延びる入口部分155が設けられている。
【0034】
この円筒状に延びる入口部分155は円筒状であり、円筒状ハウジング150と同心円状に配置されていてもよく、又は偏心位置に配置してもよい。特定の実施形態では、入口部分155にはパイプ153が設けられる。パイプ153は剛性であってもよく、又は少なくとも部分的に柔軟であってもよい(図17を参照)。図示の実施形態では、第1開口部151の直径は、内部空間180の直径よりも(半径方向(R)に)実質的に小さい。これにより、第1開口部151を閉じるのが容易になり、第1バルブ160(後述)の動作が促進される可能性があるが、本明細書で述べた利点の少なくとも1つを達成するために必須ではない。
【0035】
接続状態でディスペンサー100の他の部品がない場合、ハウジング150の内部空間180は、第2開口部152を介して動作環境に開放されるように構成される。この動作環境は、人間の作業環境又は生活環境である場合もあれば、液体貯蔵庫や輸送システムなどのデバイスである場合もある。図示の実施形態では、第2開口部152の半径方向の直径は、内部空間180の直径と実質的に等しい。これにより、部品の組み立てが容易になり、また、第2バルブ130の表面積を大きくするためのスペースを確保することで、第1バルブ120、130(後述)の動作が容易になるが、本開示の利点の少なくとも1つを実現するためには必須ではない。
【0036】
ハウジング150をディスペンサー100の他の部品から分離して見ると、ハウジング150の内部空間180は、第1開口部151を横切る平面から第2開口部152を横切る平面まで伸びていると理解できる。しかし、動作中、任意の1つの構成における内部空間180の有効な形状及びサイズは、第1バルブ160及びクロージャ190の形状及び軸方向のサイズによって決まる。動作においては、液体投与ディスペンサー100のディスペンシングユニット110が休止状態から圧縮状態へ、又はその逆に動かされるときに、ディスペンシングユニット110に向かって所定の液体投与量を移動させるために必要な力を生成するために、内部空間180が休止状態(休止位置又は初期位置とも呼ばれる)及び圧縮状態(圧縮位置とも呼ばれる)の両方において所定のサイズを有すること、又は少なくとも2つの状態の間に所定のサイズの差を有することが重要である。
【0037】
ディスペンサーのハウジング150は、前述の第1開口部151及び第2開口部152を除き、内部空間180をすべての側面で環境から遮断する必要がある。第2開口部152の側面には、液体の流れを可能にするための通路を形成する必要があるが、同時に、クロージャ190及び弾性要素140は、動作中、特に上昇ストローク中に内部空間180から出ないようにする必要がある。休止状態では、弾性要素140の膨張は、内部空間180の他端にある支持部154と連動するエンドストップによって最大限に制限されることが望ましい。液体投与ディスペンサー100は、これらの目的の1つ以上を達成するためにハウジングカバー170を備えていてもよい。
【0038】
(任意選択の)ハウジングカバー170は、ディスペンシングユニット110及びクロージャ190、すなわち第2バルブ130及びベース120の一部を環境から保護する役割も果たす。これにより、汚染の低減、摩耗の低減、及び/又はディスペンサーを損傷したり、その動作の有効性を低減したりする可能性のある、望ましくない方向への部品の変形及び/又は移動の低減といった利点が得られる。
【0039】
ディスペンサー100の製造中、内部空間180に配置される部品がハウジング150に組み立てられた後、ハウジングカバー170がハウジング150上に配置され、接着剤又は機械的接続、例えばねじ接続(図示せず)によってハウジング150の外側に固定接続されることが可能である。
【0040】
ハウジング150は、例えば、内部ねじ山157を備えたキャップなどの接続部分156を含んでもよい。図6及び図12の第2及び第3の実施形態でそれぞれわかるように、このキャップは、最初に第2開口部付近のハウジング150の残りの部分の軸方向外側から半径方向外側に延び、次に軸方向内側に延びていてもよい。この方法では、ほぼリング状の空洞158が定義され、その空洞の半径方向の内側又は外側の壁にねじ山157が設けられ、液体投与ディスペンサー100を容器200の対応するねじ山に接続することができる。代わりに、スナップ留めされる接続の半分など、異なるタイプの接続部分156が設けられることもできる。接続部分156は、標準的な容器のタイプとサイズに適合するように調整できる。
【0041】
ハウジング150、特にハウジング150の接続部分156には、その外側に隆起、不規則なパッチ、又はその他の把持部分159が設けられ、人やデバイスなどのユーザーが液体投与ディスペンサー100をより容易に把持できるようにすることができる。
【0042】
第1バルブ
上述のように、液体投与ディスペンサー100は、第1バルブ160を含む。第1バルブ160は、(バルブ)フラップ又はストッパーとも呼ばれ、本質的には一方向バルブである。一方向バルブは、容器200からの液体が内部空間180に流れ込むことを可能にする一方で、液体が内部空間180から容器200に戻ることを本質的に防止するか、少なくとも阻止するように構成されることが好ましい。第1バルブ160は、ハウジング150内の容器200と内部空間180の間に配置されており、第1開口部151を選択的に閉じたり開いたりする。図示の実施形態では、第1バルブ160は、弾性要素140の固定下端に多数の接続ロッド161を介して接続された薄い可撓性シート162を含む。このように連結された薄い可撓性シート162は、液体容器200内の圧力と内部空間180内の圧力との差に応じて移動したり変形したりすることができる。液体容器200内の圧力が内部空間180内の圧力よりも高い場合(例えば、ディスペンシングユニット110が弾性要素140の影響を受けて圧縮位置から休止位置に移動され、内部空間180内に負圧が生じる場合)、第1バルブ160が開き、液体が容器200から液体投与ディスペンサー100の内部空間180に流れる。一方、液体容器200内の圧力が内部空間180内の圧力よりも低い場合(例えば、ディスペンシングユニット110が初期位置又は休止位置にある場合、又はディスペンシングユニット110が弾性要素140のバネ作用に逆らって休止位置から圧縮位置に移動された場合)、液体が内部空間180から液体容器200に逆方向に(逆方向に)流れるのが防止される。このようにして、第1バルブ160は、液体投与ディスペンサー100のハウジングに向かって軸方向にのみ液体の流れを許可する一方向バルブとして機能することができる。
【0043】
より具体的には、第1バルブ160は、容器200から内部空間180への液体の流れが存在しない場合に、第1開口部151を覆うように構成及び配置され、実質的に第1開口部151全体にわたって延びる。その場合、容器200から内部空間180への液体の流れが存在する場合、例えば、デバイスが上昇ストロークを実行するために内部空間180の圧力が低下する場合(後述)、第1バルブ160は移動又は変形し、液体が第1開口部151を流れるようにすることができる。
【0044】
第1バルブ160の材料特性及び幾何学的寸法は、異なるタイプの液体での使用に液体投与ディスペンサー100を適合させるために変更することができる。例えば、特に粘性の高い液体を使用する場合、液体の流れが遅いことを考慮して、第1バルブ160の剛性を高め、第1バルブ160が長時間開いた非カバー位置に留まるのを防ぐことが有利であり得る。液体投与ディスペンサーを、粘性の低い(より流動しやすい)液体の投与に使用する場合は、第1バルブ160の剛性を低くすることができる。
【0045】
前述のように、第1バルブ160は、第1開口部151を通って内部空間180から容器200へ流れる液体に対して、少なくとも休止状態ではある程度の抵抗を与え、液体が内部空間180から望ましくない方向に流出しないようにすることが好ましい。これは、内部空間180内の液体に対する重力の影響を考慮して、液体投与ディスペンサー100が図示の向きで使用される場合に少なくとも必要である。
【0046】
内部空間180の内部からの一定レベルの液体圧力及び/又は弾性要素140から作用する力に応じて、第1バルブ160は変形し、及び/又は少なくとも部分的に第1開口部151内に移動し、内部空間180から容器200に向かう液体の流れに対して第1開口部151をほぼ完全に閉じる。これにより、第1バルブは、内部空間180内の液体圧力の(さらなる)上昇に寄与することができる。
【0047】
クロージャ-ベースと第2バルブ
液体投与ディスペンサー100は、さらに、第2バルブ130(すなわち、第1の実施形態による第2バルブ130、第2の実施形態による第2バルブ1301、及び第3の実施形態による第2バルブ1302)及びベース120(やはり、第1の実施形態によるベース120、第2の実施形態によるベース1201、及び第3の実施形態によるベース1202)を含むクロージャ190を含む。クロージャ190は、ハウジング150内、より具体的にはハウジング150の内部空間180内に配置され、ディスペンシング出口112につながる第2開口部152を選択的に閉じたり開いたりしする。クロージャ190は、第2バルブ130とベース120で構成され、他の要素は含まれないのが好ましい。第2バルブ130は、少なくとも部分的に可撓性材料(すなわち、ベース120の材料よりも可撓性のある材料)で作られている。可撓性材料により、第2バルブ130は、作動中に液体圧力下及び/又は他の要素又は部品からの力の影響下で初期状態から変形状態に変形し、圧力及び/又は力が除去されると、変形状態から初期状態に自動的に戻ることが可能になる。一般的に、上述のように、ベース120は、第2バルブ130の材料よりも剛性のある材料で作られている。ベース120は、動作中に本質的に変形せず、第2バルブ130の材料を変形させるほど十分に剛性であり得る。第2バルブ130のさまざまな実施形態の詳細については、図、特に第1実施形態については図1~4、第2実施形態については図6~10、第3実施形態については図12~15を参照してされたい。
【0048】
第1、第2、及び第3の実施形態では、第2バルブ130、1301、1302は、第2バルブの中央部分に設けられた1つ以上の放射状開口部/穴134を除いて、ハウジングの第2開口部152を完全に密閉するように構成されている。言い換えれば、液体が内部容積又は空間180から第2開口部152を通ってディスペンシングユニット110のディスペンシング出口112に向かって通過できる唯一の方法は、これらの1つ以上の放射状開口部/穴134を経由することである(すなわち、当然に開放位置でのみ)。さらに、第2バルブ130、1301、1302は、ハウジング150に堅牢に取り付けられている。示されている実施形態では、第2バルブ130、1301、1302の上端は、ハウジング150に取り付けられた円周シール138を形成し、それによって、バルブとハウジングの間に液密シールが形成され、第2バルブ130とハウジングの間の接続部を介して内部容積/空間180から液体が漏れるのを防ぐ。他の実施形態では、第2バルブ130は、例えば接着などによってハウジングの内面に直接接続されるか、又は、液体投与ディスペンサー100の動作中に第2バルブを局所的に所定の位置に保持するように、リング状の押し込み要素(図示せず)によってハウジングの内面にしっかりと押し付けられてもよい。
【0049】
第1、第2及び第3の実施形態のそれぞれにおいて、第2バルブ130、1301、1302は、内部空間180からディスペンシングユニット110に向かって軸方向に延びる中央部分133を含む。中央部分133とベースは、互いに対して移動可能であり、中央部分133の放射状穴134は、放射状穴134がベース120、1201、1202によって遮られない開放位置に配置され、内部空間180内の液体がディスペンシングユニットに向かって流れることが可能になり、また、放射状穴134がベース120、1201、1202によって遮られ、内部空間180がディスペンシングユニットから完全に密閉される閉鎖位置に配置される。中央部分133とベース120、1201、1202との相対的な動きは、ディスペンシングユニット110をハウジング150内の内部空間180に手動で押し込むことによって引き起こされることができ、これにより内部空間180の容積が減少しようとする。内部空間180内の液体は非圧縮性であるため、中央部分133は閉鎖位置から開放位置へ押し出される。中央部分133のベースに対する相対的な動きは、中央部分が必ず移動することを意味するものではないことに留意されたい。本開示の一部の実施形態及び特定の状況下では、バルブの中央部分133は所定の位置に留まりながら、ベースはハウジング150に対して移動する。他の実施形態では、中央部分は、実際には、ハウジングに対して、例えば軸方向外側方向(又は軸方向内側方向、後者の場合、ベースは中央部分よりも長い距離にわたって移動する)に移動される。
【0050】
以下では、第1、第2、及び第3の実施形態についてさらに詳しく説明する。第1及び第2の実施形態では、第2バルブ130、1301及びベース120、1201は、第2バルブの半径方向外側部分131(半径方向外側部分131は、多かれ少なかれ軸方向に延びている)がハウジング150の内面とベース120の間に配置されるように構成されている。半径方向外側部分131は、ベースの関連部分全体を放射状に取り囲むことができる。第3の実施形態では、第2バルブ1302図12を参照)及び関連するベース1302は、概ね軸方向に延びる外側部分と、この外側部分の内面に沿ってスライドするように配置されたベース(後述)が省略されるという点で、より単純な設計となっている。
【0051】
図15を参照すると、第2バルブ1302がさらに詳細に示されている。第2バルブ130は、ディスペンサーの仮想軸IAを中心に実質的に放射状に対称であってもよい。第2バルブ130の半径方向外側部分131はハウジング150の内側に配置され、中間部分132は最初に半径方向及び軸方向内側に延びて内部空間180に入る。第2バルブ130の中央部分133は、1つ以上の穴134、例えば、外側の突起の周りに実質的に均等に分散された複数の半径方向に配置された穴を含む軸方向外側突起を形成する。放射状の穴134は、バルブ1302の第1の部分と、バルブ1302の第2のドーム型の部分135とを接続する複数の接続要素136の間に形成される。
【0052】
前述のように、第2バルブ130、1301、1302の各実施形態の中央部分133は、内部空間180内の液体からの圧力によって移動及び/又は変形するように構成されている。次に、中央部分133は軸方向外側に移動し、その半径方向開口部又は半径方向穴134をベース120、1201、1202の外側に軸方向に移動させて、クロージャ190を開くことができる。第2バルブ130、1301、1302は、ベースからの圧力、内部空間180内の液体、又は他の部品からの力によって以前に変形されている限り、圧力又は力が除去されると自動的に休止形状に戻るような材料特性をさらに有することが好ましい(休止形状は、基本的に初期状態に対応する)。このため、部分155の表面積がほぼドーム型であることが有利である。また、中央部分133の断面積、より具体的にはドーム型部分135の断面積が第2開口部152の面積に比べて大きいこと(すなわち、第2開口部152の比較的大きな部分を覆うこと)と、ドーム型部分135の断面積が第1開口部111及び/又はディスペンシングユニット110の流体流路113の面積に比べて小さいことが有利である。この点で、第3の実施形態の構成が特に有利である。
【0053】
各実施形態において、ベース120、1201、1202は、ディスペンシングユニット110に接続されているか、又は一体に形成されている。ディスペンシングユニット110がハウジング内に移動されると、例えば手動で押し下げられると(すなわち、ハウジング150の内部空間180内に軸方向に移動されると)、ベース120、1201、1202は同じ方向に移動する。同様に、圧縮された弾性要素140によって生成されるバネ力の影響下で、ベース120、1201、1202が反対方向、すなわちハウジングから軸方向に移動されると、ディスペンシングユニット110はベース120、1201、1202とともに移動する。
【0054】
さらに、第1、第2及び第3の実施形態のそれぞれにおけるベース120、1201、1202は、少なくとも部分的に剛性材料で作られていてもよく、及び/又は適切な形状を選択することによって剛性にされてもよい。剛性は、関連する第2バルブ130、1301、1302の少なくとも一部を移動及び/又は変形できる程度に十分でなければならない。一方では、ハウジングに対する第2バルブのシール機能が維持され、他方では、第2バルブの中央部分が、内部空間180からディスペンシング出口112への液体の通路をそれぞれ開くか閉じるかするために、閉鎖位置から開放位置へ、又は開放位置から閉鎖位置へ選択的に移動できるようになる。いくつかの実施形態では、ベース120、1201は、外力がディスペンシングユニット110に、したがってベースに及ぼされたときに、ハウジングの軸方向に多かれ少なかれ延びる第2バルブ130、1301の前述の半径方向外側部分131に沿って休止位置から圧縮位置までスライドするように構成された円筒形の軸方向部分を有し、それによって、円周シール138がシール機能を維持しながら第2バルブを変形させる。他の実施形態では、ベース1202は、第2バルブ1302に押圧力を加えるように構成され、それによって、第2バルブを休止位置から圧縮位置まで軸方向にさらに内部空間180内へ移動させる。どちらの状況でも、内部空間180内の圧力が増加する(変形又は移動により内部空間180の容積が減少し、第1バルブ160が第1開口部181を閉じるため)。この圧力の増加により、今度は第2バルブ130の可動中央部分133が移動する(これにより、容積が再び増加するか、少なくとも容積が一定に保たれる)。その結果、第2バルブ130を含むクロージャ190が閉鎖位置から開放位置に移動する。逆に、外力が除去されるか、又は少なくとも十分に減少すると、弾性要素140の作用により、第2バルブ130及びベース120は圧縮位置から休止位置に戻る。これにより、内部空間180の容積が再び増加し、内部空間180内の圧力が低下する。この圧力の低下により、(1)第1バルブ160が第1開口部181を開き、追加の液体がハウジング150に入るようになり、(2)第2バルブの中央部分133が開放位置から閉鎖位置に戻る(一部の実施形態では、第2バルブ130の柔軟な部分のバネ作用によって、変形した第2バルブ130が元の位置に戻るように促される)。
【0055】
ベース120、1201、1202の各実施形態は、第2バルブ130の中央部分133の放射状穴134を閉鎖するために、閉鎖部分122、例えば1つ以上の放射状突起(第1及び第2実施形態、特に図2及び6を参照)を備えたリング状部分121を含む。
【0056】
第1の実施形態を参照すると、動作中に液体投与ディスペンサー100が完全に圧縮された位置にない場合、第2バルブ130の中間部分132から軸方向外側に、クロージャ190内にほぼリング状の圧縮空間192が形成され得る。液体は、内部空間180又は外部空間182からこの圧縮空間192に引き込まれ得る。この液体は、クロージャ190の動作を妨げ得る。したがって、第2の実施形態などの特定の実施形態では、第2バルブ130に少なくとも1つの穴137が設けられている(図9を参照)。これは、例えば、図9及び10に見られる丸い穴など、半径方向に等間隔に配置された多数の穴であり得る。これらの役割は、第2バルブ130の内部空間180に隣接する部分、例えば半径方向外側部分131又は中間部分132にあり得、これにより、下降ストローク中にそのような液体が圧縮空間192から出ることができる。
【0057】
特定の実施形態、例えば第1及び第2の実施形態では、クロージャ190のベースは、圧縮空間192内に配置されたほぼリング状の軸方向内側に延びる突起123を含み、その形状は第2バルブ130の中間部分132の軸方向外側の形状に対応し、動作サイクルの少なくとも一部の間、中間部分132を支持する。他の実施形態では、バルブの構成及び材料特性に応じて、これは必要ではない場合がある(第3の実施形態を参照)。
【0058】
弾性要素
前述のように、ベース120は、ディスペンシングユニット110から第2バルブ130、1301、1302を介して弾性要素140に力を伝達するように構成できる。この弾性要素140の詳細については、特に図16を参照されたい。示されている実施形態では、弾性要素140はスプリング要素であり、好ましくは圧縮スプリング要素、より好ましくはコイルスプリング要素などである。好ましくは、弾性要素140は単一のスプリング要素で構成されている。弾性要素140は、ハウジング150の壁の内面の輪郭に沿って内部空間180内に配置される。弾性要素140は、第1開口部と第2開口部の間に配置され、クロージャ190のベース120によって加えられる外力によって軸方向に圧縮され、(十分に大きい)力が存在しない場合に自動的に伸びるように構成される。
【0059】
特定の実施形態では、さまざまな部品の寸法に応じて、クロージャ190には、ベース120と第2バルブ130の間のクロージャの圧縮空間192に配置された、追加の弾性要素191(図示せず)、好ましくは他の部品と同じ材料で作られたスプリングを設ける必要がある場合がある。この追加の弾性要素191は、上向きストローク中に第2バルブ130をベース120に対して休止位置に移動及び/又は変形させるために軸方向の反力を加える。この反力は、下向きストローク中に第2バルブ130を移動及び/又は変形させる弾性要素140及び/又は液体圧力によって加えられる力よりも小さくてもよい。代替的に又は追加的に、この反力は、第2バルブ130、1301、1302自体の柔軟な部分によって生成されてもよい。
【0060】
弾性要素140は、さまざまな方法で実現できる。例えば、弾性要素140は、軸方向の一方の端から他方の端まで伸びる1つ以上の巻き線を含むことができ、又は、図16に示すように、周方向に交互に配置されたパターンでノード143で交わる、周方向に交互に配置された軸方向の対角部分142を含むことができる。後者の例による弾性要素140は、同じサイズの内部空間180に収まる弾性要素140を使用して、より強い力を提供できる。
【0061】
弾性要素140は、クロージャ190とハウジング150の反対側の端(例えば底部)との間に配置される。ハウジング150は、弾性要素140の形状をガイドし、及び/又は弾性要素140からの力を制御可能に受け取るように構成された支持部154を任意選択で含んでもよい。支持部154は、ハウジング150の内壁に沿って内部空間180の周囲にほぼ放射状に延びる、軸方向に外側に延びるリングであることが好ましい。
【0062】
弾性要素140は、第1バルブ160を放射状に囲み、バルブシートとして機能して、第1バルブ160を第1開口部151上の同じ一般的な位置に維持する。第1バルブ160は、弾性要素140に接続されることができ、例えば固定的に接続され得る。第1バルブ160は、弾性要素140と一体の部品として、好ましくは単一の射出成形部品として具体化することができる。第1バルブ160と弾性要素140とを接続し、必要に応じてこれらの部品を単一の部品として具体化することは、製造及び組み立てにおいて、また第1バルブ160と弾性要素140との間の力の伝達において有利である。
【0063】
弾性要素140は、さらに、圧縮によって弾性要素140が半径方向にわずかに座屈するように構成されてもよい。これは、第1バルブ160に(小さな)力を加える効果を有する。この力は、第1バルブ160を圧縮及び/又は移動させて、第1開口部151をより適切に閉じることができる。例えば、第1バルブ160を、ハウジング150から第1開口部151に伸びるパイプ153内に少なくとも部分的に移動させることによって、この力によって第1開口部151がより適切に閉じられる。さらに、弾性要素140及び第1バルブ160は、弾性要素140が伸びると、第1バルブ160を引っ張り、第1バルブ160を変形及び/又は移動させて第1開口部151から外したり、第1開口部151から離れるようにしたりするように構成されてもよい。
【0064】
第1バルブ160と弾性要素140は、第1開口部151の縁のほぼ全周に渡って分散された複数の位置で、例えば3つの接続ロッド161などの多数の延長部161を介して接続されるか(第3の実施形態、特に図16を参照)、又は、第1開口部151の縁の一部のみに分散された1つ以上の位置で、例えば第1開口部151の縁の半分に渡って、このような延長部161を介して接続される(第2の実施形態、例えば図6を参照)。後者の構成では、ディスペンサーが休止状態に向かって移動するときに、第1バルブ160が斜め又は湾曲した状態で開くため、第1バルブ160が変形及び/又は移動しやすくなり、容器200から内部空間180への液体の流れが可能になるという特性がある(図4Dに図示)。これは、より粘性の高い液体など、特定の構成及び用途では有利である。
【0065】
ディスペンシングユニット
上述のように、液体投与ディスペンサー100は、ディスペンシングユニット110をさらに備えている。ディスペンシングユニット110は、例えばユーザーがディスペンシングユニット110を押すことによって生じる軸方向の力(図示の構成では押し下げ力)を受け取るように構成された作動面114を含むことができる。この作動面114は、受け取った力を均等に分散するために、ディスペンサー100の半径方向の中心に配置することが好ましい。図示のように、作動面114は人間の手によって作動するように構成されているが、代替的に、作動面114は、ユーザーとして機能する他の何らかのソース、例えば別の身体部分又はデバイスから作動力を受け取るように構成されてもよい。ディスペンシングユニット110は、クロージャ190のベース120、1201、1202に接触するように配置されており、これにより、加えられた作動力がベースに伝達される。
【0066】
ディスペンシングユニット110は、クロージャ190付近の第1開口部111から環境に通じるディスペンシング出口112まで延びる液体流路113を備え、内部空間180から環境まで有効な流体流路を延長することができる。第1開口部111は、作動面114の下の液体投与ディスペンサー100の半径方向中心に配置され、ディスペンシング出口112は、作動面114の汚染を回避するため、及び/又は動作状況の他の要件に適合するために、半径方向外側の位置に配置され、及び/又は、例えば、半径方向外側に向かって、又は作動面114から離れる方向など、本質的に任意の方向を向いていてもよい。
【0067】
ディスペンシングユニット110の特定の実施形態の詳細については、特に図6を参照されたい。ディスペンシングユニット110は、比較的幅の広い内側部分115、比較的薄い中間部分116、及び再び比較的幅の広い外側部分117から構成される。中間部分116は、流体流路113から構成され、ハウジングカバー170内の通路(存在する場合)を通って延びる。内側部分115は、クロージャ190のベース120との接触面118で終わってもよい。外側部分117は、作動面114で終わってもよい。このような形状は、ディスペンシングユニット110をハウジング150内に保持するのに有利である。
【0068】
ディスペンシングユニット110は、1つの部品(第1の実施形態を参照)で構成されてもよいし、複数の部品が互いに接続され、好ましくは固定されて(第2及び第3の実施形態を参照)、ディスペンシングユニット110を形成してもよい。ディスペンシングユニット110を構成する部分の少なくとも1つは、クロージャ190のベース120に固定的に取り付けられるか、又は単一の部品として製造される(図示せず)こともできる。ディスペンサー100を組み立てるには、ディスペンシングユニット100が少なくとも2つの部品1191、1192を含む場合が有利である。この場合、軸方向内側部分115と中間部分116の一部を含む少なくとも1つの軸方向内側部品1191が最初に液体投与ディスペンサー100に追加され、次にハウジングカバー170がディスペンサー100に追加され、次に中間部分116の一部と軸方向外側部分117を含む少なくとも1つの軸方向外側部品1192が追加される。この場合、軸方向内側部品1191の中間部分116の一部は、流体流路113の一部を構成し、軸方向外側部品1192の中間部分116の一部は、前者の部分にしっかりとフィットする流体流路113の別のより広い部分を構成することができる。
【0069】
液体投与ディスペンサー100は、例えば4、5、又は6個の部品など、限られた数の部品で構成されており、組み立てが簡単になるだけでなく、必要に応じて分解も簡単にできるという利点がある。液体投与ディスペンサー100の部品数の制限は、個々の部品がそれぞれ複数の機能を果たすという特徴によって優れた機能性を提供することと組み合わせることができる。上で説明した部品を参照して、いくつかの例を以下に示す。
【0070】
ディスペンシングユニット110は、液体投与ディスペンサー100を操作するための作動面114を提供してもよく、環境に向かう流体流路113を提供してもよい。ベース130は、第2開口部152を気密に閉じることができ、第2開口部152を開閉するように動くことができる。第2バルブ120は、第2バルブ130が閉じる相手となることができ、第2バルブ130とハウジング110にしっかりと密着して、液体投与ディスペンサー100の部品を一体化させることができる。弾性要素140は、クロージャ190に逆行力を与え、第1バルブ160に力を与えて、第1開口部151を閉じるのに役立つ。弾性要素140と第1バルブ160は、単一の部品として一緒に具体化されることができ、第1バルブ160は、休止状態では内部空間180から容器200への液体の逆流を防止し、圧縮状態では内部空間180内の高圧を達成することに寄与することができる。
【0071】
液体投与ディスペンサー100のさらなる動作について、第1の実施形態を参照して以下に説明する。図4A~4Dは、動作サイクルを構成する上昇ストローク及び下降ストローク中の液体投与ディスペンサー100の第1の実施形態の構成の透視図を示す。ハウジング150及びハウジングカバー170は動作サイクル中に移動又は変形しないので、これらの部品の説明は以下では省略する。
【0072】
ディスペンサー100の動作サイクルを説明するために、ディスペンサー100の内部及び周囲に複数の空間を区別することができる。特に図2を参照する。第1開口部151の外側にある内部空間181は、容器200に接続されていても、容器200の一部であってもよい。内部空間180は、ハウジング150の内部に存在する。外側空間182は、クロージャ190とディスペンシングユニット110によって区切られており、任意選択で、ハウジング150の壁の間に部分的に放射状に配置でき、ディスペンシングユニット110のディスペンシング出口112の環境の隣に配置できる。
【0073】
さらに、ディスペンサー100を通る液体の流れには、いくつかの段階がある。図1A及び1Bを参照すると、一般的に、液体の流れは、ハウジング150の第1開口部151と第2開口部152の間の仮想軸IAに沿った軸方向である。詳細には、第1段階では、液体は容器200内で始まり、第1方向Diで、内部空間181から第1開口部151の第1バルブ160を通過して内部空間180に流れる。第2ステップでは、液体は、第2方向Diiで、内部空間180から第2開口部152のクロージャ190を通過して外側空間182に流れる。第3ステップでは、液体は、外側空間182からディスペンシングユニット110の流体流路113を経由して、第3方向Diiiで環境に流れる。
【0074】
液体投与ディスペンサー100は、動作サイクルの上昇又は下降中に個々の液体がこれらのステップの0、1、又は複数回実行され、それに応じてディスペンサー100全体を流れるのに1回又は複数回の動作サイクルがかかるように構成できる。
【0075】
図4Aは、ディスペンサー100の第1の実施形態の休止状態を示している。示されている休止状態では、液体投与ディスペンサー100は圧縮されておらず、仮想軸AIに沿って最大限に伸びており、その伸びはハウジング150とハウジングカバー170によって制限されている。第1バルブ160は、内部空間180のすぐ内側に配置され、必要に応じて第1開口部151を覆い、特定の方向で、例えば重力の影響下で発生する可能性のある、第1方向Diに逆らう液体の流れを防止する。
【0076】
クロージャ190は、第2バルブ130とベース120が軸方向に最大限に離れている非圧縮状態にあり、第2バルブ130の1つ以上の穴134がベース120の1つ以上の閉鎖部分122によって閉鎖されている。このようにして、第2方向Dii及び/又は第2方向Diiに第2開口部152を通る液体の流れが防止される。
【0077】
弾性要素140は最大限に伸長し、軸方向外側でクロージャ190に当接し、第1バルブ要素130を介してベース120に効果的に当接し、軸方向内側でハウジング150の支持部154に当接する。ディスペンシングユニット110は、例えば対応するリング状の表面を介してベース120に当接する。
【0078】
内部空間180には、好ましくは実質的に液体で満たされた量の液体が収容される。内部空間181では、液体は典型的には第1開口部151に接する。外側空間182には、いくらかの量の液体が残る。
【0079】
図4Bは、ディスペンサー100の第1の実施形態の下降ストロークを示している。示されている下降ストロークの間、液体投与ディスペンサー100は、以下のように軸方向に徐々に圧縮されている。
【0080】
作動面114を介してディスペンシングユニット110に作動力が加えられる。ディスペンシングユニット110は、クロージャ190のベース120の軸方向外側に押し付けられる。これにより、クロージャ190は軸方向内側に押し付けられ、軸方向内側に移動するにつれて、弾性要素140によって抵抗される。これにより、ベース120は、半径方向外側の部分で第2バルブ130に押し付けられる。弾性要素140は徐々に圧縮される。その結果、内部空間180のサイズが小さくなるため、内部空間180内の圧力が高まり、液体が第2方向Diiの第2開口部152に向かって流れるようになる。結果として生じる液体の圧力により、第2バルブ130の中央部分133がベース120に対して軸方向外側に押し出される。場合によっては、例えば内部空間180が非圧縮性の液体で完全に満たされている場合など、中央部分133が絶対的な意味で軸方向外側に移動することもある。
【0081】
この軸方向外側への移動中、第2バルブ130は弾性変形を受け、中間部分132が湾曲又は座屈する。特定の実施形態では、第2バルブ130の弾性変形によって、主に半径方向外側部分131及び中間部分132によって生成され、中央部分133に作用する追加の力が生成され、この力が中央部分133の軸方向外側への移動に寄与する。軸方向外側への移動の結果、第2バルブ130の1つ以上の穴134がベース120の1つ以上の閉鎖部分122の軸方向外側に移動され、クロージャ190が開く。
【0082】
弾性要素140は、軸方向外側ではクロージャ190によって押され、第1バルブ要素130を介してベース120によって押され、軸方向内側ではハウジング150の支持部154に当接して徐々に圧縮されている。弾性要素140は、軸方向内側でわずかに変形して、第1バルブ160に半径方向内側の力を加えることができる。
【0083】
第1バルブ160は、内部空間180内の液体から圧力を受けることができ、さらに、又は代わりに、圧縮弾性要素140からの力を受けることができる。その結果、第1バルブ160は、徐々に変形及び/又は移動して第1開口部181を閉じ、任意選択で、徐々に変形及び/又は少なくとも部分的に第1開口部181内に移動し、第1開口部を閉じて、内部空間180内の液体圧力の上昇によって主に引き起こされる第1方向Diに逆らう液体の流れを防止する。
【0084】
外側空間182では、液体は第3方向Diiiに環境に向かって流れ、内部空間180内の液体の量は徐々に減少する。
【0085】
図4Cは、ディスペンサー100の第1の実施形態の圧縮状態を示している。この圧縮状態では、液体投与ディスペンサー100は軸方向に最大限に圧縮されているが、代わりに、ユーザーは最大圧縮が達成される前に下降ストロークを終了することができる。第1バルブ160は、第1開口部に配置されており、必要に応じて、第1開口部内で少なくとも部分的に変形及び/又は移動されて、第1開口部を閉じ、特定の方向で重力の影響を受けて発生する可能性のある第1方向Diに逆らう液体の流れを防止する。
【0086】
ディスペンシングユニット110は、ベース120の軸方向外側に押し付けられている。クロージャ190は圧縮状態にあり、第2バルブ130とベース120は軸方向に押し付けられ、第2バルブ130の1つ以上の穴134は、ベース120の1つ以上の閉鎖部分122の軸方向外側に位置する。クロージャ190はまだ開いているが、第2開口部152を通る実質的な液体の流れはもはや発生しない。
【0087】
弾性要素140は、実質的に最大限に圧縮されており、軸方向外側ではベース120及び第1バルブ要素130を介してクロージャ190によって押し付けられ、軸方向内側ではハウジング150の支持部154に支えられている。
【0088】
内部空間180には一定量の液体が含まれており、通常、現在の圧力レベルではほぼ正確に液体で満たされており、すなわち、空きスペースは存在せず、液体が外に流れ出ることはない。内部空間181では、通常、液体は第1開口部151に接しており、必要に応じて第1バルブ160にわずかな圧力がかかる。外側空間182には、通常、休止状態とほぼ同じ量の液体が残っている。
【0089】
図4Dは、ディスペンサー100の第1の実施形態の上昇ストロークを示している。図の下降ストロークの間、液体投与ディスペンサー100は徐々に減圧され、休止状態に戻る。
【0090】
ディスペンシングユニット110は、受ける作動力が少ないか、又は作動力を受けない。弾性要素140は徐々に減圧し、ベース120によって第1バルブ要素130を介してクロージャ190の軸方向外側に力を加え、ハウジング150の軸方向内側の支持部154に支えられる。弾性要素140は、第1バルブ160に半径方向内側に力が加わった場合、その力を減少させる。
【0091】
第2バルブ130の中央部分133は、ベース120に対して軸方向内側に移動し、第2バルブ130の1つ以上の穴134は、ベース120の1つ以上の閉鎖部分122と反対側に移動し、1つ以上の閉鎖部分122によって閉じられ、第2方向Diiへの液体の流れが不可能になる。この軸方向内側への移動中、第2バルブ130は弾性変形を受け、元の形状に戻る。
【0092】
その結果、内部空間180のサイズが大きくなるため、内部空間180内の圧力が低下し、液体が内部空間181から第1開口部151を通って第1方向Diに内部空間180に流れ込む。これは、第1バルブ160によって可能になる。第1バルブ160は、該当する場合は第1開口部151から出て、液体の流れの圧力の結果として半径方向外側に移動する。この半径方向外側への動きは、第1バルブ160のすべての円周側で実質的に同じである場合もあれば、第1バルブ160が斜め又は湾曲した形で、例えば円周側の1つだけで開く場合もある。
【0093】
内部空間180内の液体の量は徐々に増加する。内部空間181では、液体は第1開口部151に向かって移動する。外部空間182では、液体の流れは発生しない。ディスペンシングユニット110は、クロージャ190の軸方向外側からの力の結果として、徐々に半径方向外側に移動する。
【0094】
次に、動作サイクル中に液体投与ディスペンサー100を通過する液体の流れについてさらに詳しく説明する。
【0095】
液体投与ディスペンサー100が最初に容器200に適用されるとき、液体投与ディスペンサー100は実質的に液体が空であり、空気などの環境流体以外のすべての流体が空であり得る。液体投与ディスペンサー100を効果的に動作させるためには、ディスペンサー100の内部空間180に、また必要に応じて内部空間181及び/又は外側空間182に初期量の液体を引き込むために、ディスペンシングユニット110を数回作動させる必要がある場合がある。
【0096】
液体投与ディスペンサー100は、投与されるすべての投与量が同じサイズになるように構成される。
【0097】
上昇ストローク中、一回分の投与量に等しい量の液体が、方向Diで内部空間181から内部空間180に移動する。投与量は、休止状態の内部空間180の容積よりも小さく、休止状態の内部空間180の容積と圧縮状態の内部空間180の容積との差に等しい。
【0098】
下降ストローク中、一回分の投与量に相当する量の液体が内部空間180から方向Diiへ移動し、一回分の投与量に相当する量の液体が方向Diiiへ環境に放出される。休止状態では、液体の量は外側空間182に残る。投与量は、この残りの量より多くても少なくてもよい。外側空間182と一回分の投与量の相対的な量に応じて、個々の液体が外側空間182を通過するのに複数の動作サイクルが必要になる場合がある。
【0099】
個々の液体がディスペンサー100内を移動するには、複数の動作サイクルが必要になる場合がある。例えば、個々の液体がディスペンサー内を移動するには、2.5サイクルの動作が必要になる場合がある。これは、上昇ストローク中に内部空間181から内部空間180に移動し、その後の下降ストローク中に方向Diiで内部空間180から外側空間182に移動し、別の下降ストローク中に方向Diiiで外側空間182から環境に移動することによって行われる。
【0100】
あるいは、液体の個々の小片が、たった1回の下降ストロークの間に、内部空間180から外側空間182を通って環境に移動することもある。
【0101】
本発明によるディスペンサー100は、反対方向、すなわち方向Di、Dii、及び/又はDiiiと反対方向への液体の流れを実質的に許可しない。これにより、液体投与ディスペンサー100又は容器200内にある液体が環境からの物質によって汚染されるのを防ぐことができるという利点がある。
【0102】
図17は、液体投与ディスペンサー100を備えた容器200の実施形態を示す。図示の実施形態では、容器200はボトルである。
【0103】
容器200と液体投与ディスペンサー100は、互いに固定して接続されていてもよく、又は、例えば、それぞれのねじ山を使用したねじ留めによって取り外し可能に取り付けられていてもよい。液体投与ディスペンサー100は、第1開口部151と容器200内の液体との間に接続が形成され、液体がディスペンサー100に引き込まれる限り、容器200内又は上に固定されていない状態で配置されていてもよい。
【0104】
本開示は、記載された特定の側面に限定されず、したがって変化する可能性があることを理解されたい。また、本明細書で使用されている用語は、特定の側面を説明するためだけのものであり、本開示の範囲は添付の請求項によってのみ制限されるため、限定することを意図したものではないことも理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体投与ディスペンサーであって、
-第1開口部と第2開口部を含む内部空間を画定するハウジング;ここで、前記ハウジングは容器に取り付けられるように構成されており、前記容器から前記第1開口部を通って前記内部空間に第1流体流路が形成される;
-前記ハウジングに取り付けられるか、前記ハウジングと一体化するように構成されたディスペンシングユニット;これにより、前記ハウジングの前記内部空間から第2開口部を通って前記ハウジングの外側にあるディスペンシング出口に第2流体流路が形成される;
-前記内部空間に配置され、前記第1開口部を選択的に開閉するように構成された第1バルブ;
-前記第1バルブと前記ディスペンシングユニットの間の前記内部空間に配置されたクロージャ;ここで、前記クロージャは、前記第1流体流路から前記第2流体流路まで延びる第3流体流路を選択的に開閉するように構成され、前記クロージャは、第2バルブとベースを含み、前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一方は、休止位置と圧縮位置との間で軸方向に移動可能である;
-前記第1バルブと前記クロージャの前記第2バルブとの間の前記内部空間に配置され、前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一方を前記圧縮位置から前記休止位置に付勢するように構成された圧縮可能な弾性要素;
前記ディスペンシングユニットは、前記ディスペンシングユニットに外部作動力が加えられると、前記ベース及び前記第2バルブのうちの少なくとも一方を前記休止位置から前記圧縮位置に移動するように構成され、
前記クロージャの前記第2バルブは、前記ベースに対して移動可能であり、前記ベースと前記第2バルブのうちの少なくとも一方が前記ディスペンシングユニットによって前記休止位置から前記圧縮位置に移動されるときに前記第3流体流路を開き、及び/又は、前記クロージャの前記ベースと前記第2バルブのうちの少なくとも一方が前記圧縮可能な弾性要素によって前記圧縮位置から前記休止位置に移動されるときに前記第3流体流路を閉じるようにさらに構成される、
液体投与ディスペンサー。
【請求項2】
前記第1バルブは、前記第2バルブが前記休止位置に移動されたときに前記第1開口部を閉じ、前記第2バルブが前記圧縮位置に移動されたときに前記第1開口部を開くように構成される、請求項1に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項3】
前記第1バルブが一方向バルブである、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項4】
さらに、前記ディスペンシングユニットが前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部とを軸方向に前記休止位置から前記圧縮位置に向かって移動させることで、前記圧縮可能な弾性要素を圧縮することにより、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を増大させ、及び/又は、前記圧縮された弾性要素が前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部とを軸方向に前記圧縮位置から前記休止位置に向かって移動させることにより、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を低下させるように構成されている、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項5】
前記ハウジングの前記内部空間の圧力が上昇したときに前記ハウジングの前記内部空間から液体を前記ディスペンシングユニットに押し込むように、及び/又は、前記ハウジングの前記内部空間の圧力が低下したときに前記容器から液体を前記ハウジングの前記内部空間に押し込むように構成される、請求項4に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項6】
前記第1流体流路と前記第2流体流路との間の前記第3流体流路を開くことは、前記クロージャが前記休止位置から前記圧縮位置に移動することによって生じる前記内部空間の圧力上昇によって、前記第2バルブの中央部分が前記ベースに対して閉鎖位置から開放位置に移動することを可能にすることを含む、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項7】
前記第1流体流路と前記第2流体流路との間の前記第3流体流路を閉じることは、前記クロージャが前記圧縮位置から前記休止位置に移動することで生じる前記内部空間の圧力低下によって、前記第2バルブの中央部分が前記ベースに対して開放位置から閉鎖位置に移動することを可能にすることを含む、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項8】
中央部分の閉鎖位置から開放位置への相対移動の方向が、前記ベースの前記休止位置から前記圧縮位置への移動の方向と反対になるように構成され、及び/又は、中央部分の前記開放位置から前記閉鎖位置への相対移動の方向が、前記ベースの前記圧縮位置から前記休止位置への移動の方向と反対である、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項9】
作動力が前記ディスペンシングユニットに加えられたときに、
前記ディスペンシングユニットは、作動力を前記クロージャを介して前記弾性要素に伝達し、前記弾性要素を圧縮し、
前記内部空間のサイズが縮小され、前記ハウジング内の液体圧力が増加し、
前記第1バルブが前記第1開口部を閉じ、及び
前記第2バルブが前記ベースに対して軸方向外側に移動し、及び/又は変形し、これにより前記クロージャが前記第2開口部を閉じるのを停止する
ようにさらに構成された、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項10】
前記圧縮位置において前記ディスペンシングユニットに対する作動力が除去されるか又は減少されるとき、
前記ディスペンサーは前記休止位置まで上昇し、及び
前記ハウジング内の圧力が低下して、前記容器から前記第1開口部を通って前記内部空間に液体を引き出す
ようにさらに構成された、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項11】
前記ディスペンシングユニットに対する作動力が減少されるか又は除去されるとき、
前記クロージャによって前記弾性要素に伝達される作動力が減少又は除去され、前記弾性要素が伸長できるようになり、
前記内部空間のサイズが拡大され、前記ハウジング内の液体圧力が減少し、
前記第2バルブが前記ベースに対して半径方向内側に移動し、及び/又は休止形状に変形して戻り、これにより前記クロージャが前記第2開口部を閉じ、
前記第1バルブが前記第1開口部を閉じるのを停止し、及び
前記弾性要素が前記ディスペンシングユニットを前記内部空間から外側に押し出す
ようにさらに構成された、請求項10に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項12】
さらに、前記第2開口部の半径方向外側に配置されたリング状のハウジングカバーを含み、前記クロージャ及び前記弾性要素が前記内部空間から出ることを防ぎ、
好ましくは、前記休止位置において、前記ハウジングカバーは前記弾性要素の膨張を最大限度に制限する、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項13】
前記休止位置及び前記圧縮位置の両方において、前記内部空間はそれぞれ所定のサイズを有し、前記圧縮位置に移動するときに所定の液体投与量を移動させる、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項14】
前記第1バルブは、前記第1開口部を閉じるために変形し、及び/又は少なくとも部分的に前記第1開口部内に移動するように構成された薄い可撓性シートを含む、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項15】
前記第1バルブが前記圧縮可能な弾性要素に取り付けられているか、又は一体形成される、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項16】
前記第1バルブ及び前記弾性要素は、前記第1開口部の縁部全体に実質的に分布する複数の位置で接続されている、請求項15に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項17】
前記第1バルブ及び前記弾性要素は、前記第1開口部の縁の半分に渡って分布する1つ以上の位置で接続されている、請求項15に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項18】
前記ハウジング、前記弾性要素、前記第1バルブ、前記クロージャ、及び前記ディスペンシングユニットは、実質的に単一の材料、好ましくは完全に単一の材料で構成され、
前記単一の材料は好ましくはプラスチック、より好ましくはポリエチレン、PEである請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項19】
前記第1バルブ及び前記弾性要素は、単一の部品、好ましくは単一の射出成形部品として実装される、請求項15~18のいずれか一項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項20】
前記第2バルブには、下降ストローク中に前記ベースと前記第2バルブとの間の前記クロージャの内部圧縮空間から液体が排出されるように、前記内部空間に隣接する部分に少なくとも1つの追加の穴、例えば、半径方向に実質的に等間隔に配置された多数の穴が設けられている、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項21】
前記第2バルブの中央部分は、前記ディスペンシングユニットに向かって軸方向に延びており、前記中央部分は本質的に円筒形を有し、及び/又は、前記中央部分は、放射状に配置された複数の穴を含み、
放射状に配置された前記複数の穴は、前記中央部分が閉鎖位置にあり、前記クロージャが前記休止位置にあるときに前記穴を閉じるために、前記ベースの関連する閉鎖部分に対応して配置されるように構成され、
放射状に配置された前記複数の穴は、前記中央部分が開放位置にあり、前記クロージャが前記圧縮位置にあるときに前記穴を開くために、前記ベースの対応する閉鎖部分の軸方向外側に位置するように構成される、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項22】
前記クロージャには、前記ベースと前記第2バルブとの間の前記クロージャの圧縮空間に配置された追加の弾性要素、好ましくは他の部品と同じ材料で作られたスプリングが設けられる、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項23】
前記圧縮位置から前記休止位置への移動中に、前記第2バルブは変形し、休止形状に戻る、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項24】
前記弾性要素は、前記ハウジングの内壁に沿って、実質的に前記内部空間を囲って広がって延在する、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項25】
前記弾性要素はバネを含み、好ましくは前記弾性要素は単一のバネ要素からなる、請求項に記載の液体投与ディスペンサー。
【請求項26】
容器と、請求項に記載の液体投与ディスペンサーとを含むシステムであって、前記液体投与ディスペンサー及び前記容器は、前記液体投与ディスペンサーが前記容器に取り外し可能に接続できるように構成されている、システム。
【請求項27】
請求項に記載の液体投与ディスペンサーを操作する方法、又は請求項26に記載のシステムを操作する方法。
【請求項28】
前記ディスペンシングユニットが前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部を軸方向に前記休止位置から前記圧縮位置に向かって移動させ、前記圧縮可能な弾性要素を圧縮することで、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を増大させることによって、所定の量の液体を分配すること、及び/又は、前記圧縮された弾性要素が前記ベースと前記第2バルブの少なくとも一部を軸方向に前記圧縮位置から前記休止位置に向かって移動させることで、前記ハウジングの前記内部空間の圧力を低下させることによって、前記ハウジングに所定量の液体を充填することを含む、請求項26に記載の方法。
【国際調査報告】