(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電池パック及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20241219BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241219BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H01M50/249
H01M50/271 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534666
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2022098343
(87)【国際公開番号】W WO2023240387
(87)【国際公開日】2023-12-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼占宇
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲興▼地
(72)【発明者】
【氏名】王▲鵬▼
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AS07
5H040AY08
5H040AY10
5H040NN00
(57)【要約】
本出願は、電池パック(100)及び電力消費装置に関し、筐体(10)及び電池セル(20)を含み、筐体(10)は、囲んで収容キャビティ(s)を形成し、電池セル(20)は、収容キャビティ(s)内に収容され、ここで、筐体(10)は、支え部材(11a)を含み、電池セル(20)は、支え部材(11a)の表面に設置され、支え部材(11a)の最小厚さHと電池パック(100)の重量Mは、0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgを満たす。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックであって、
囲んで収容キャビティを形成する筐体、
及び前記収容キャビティ内に収容される電池セルを含み、
ここで、前記筐体は、支え部材を含み、前記電池セルは、前記支え部材の表面に設置され、支え部材の最小厚さHと前記電池パックの重量Mは、0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgを満たす、電池パック。
【請求項2】
前記支え部材の最小厚さHは、0.2mm<H<20mmを満たす、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池セルは、前記支え部材に吊り下げられる、請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記電池セルの前記支え部材に面する外面は、第一の外面であり、前記電池セルは、電極端子を含み、前記電極端子は、前記電池セルの前記第一の外面以外の外面に配置される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記電池セルは、前記第一の外面と背中合わせに設置される第二の外面を有し、前記電極端子は、前記第二の外面に配置される、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池セルは、前記支え部材と接着される、請求項1から5のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記支え部材は、前記筐体の頂部に位置し、且つ前記収容キャビティを画定するために用いられる、請求項1から6のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記支え部材は、支え部及び接続部を有し、前記接続部は、前記支え部のエッジを囲んで接続され、前記支え部は、前記収容キャビティを画定するために用いられ、前記接続部は、前記筐体の前記支え部材以外の部分に接続され、前記電池セルは、前記支え部に設置される、請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記支え部は、前記接続部に対して前記収容キャビティから離反する方向に沿って突設される、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記支え部と前記接続部の厚さが等しい、請求項8に記載の電池パック。
【請求項11】
前記筐体はさらに、自体の底部に位置する底蓋を含み、前記底蓋は、前記収容キャビティを画定するために用いられ、前記底蓋は、前記電池セルと間隔をあけて設置される、請求項1から10のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記筐体は、フレーム及び底蓋をさらに含み、前記フレームは、囲んで鉛直方向における両端に貫通して設置されるキャビティを形成し、前記底蓋及び前記支え部材は、それぞれ前記キャビティの鉛直方向における背中合わせの両端に被せ、前記底蓋、前記フレーム及び前記支え部材は、共に囲んで前記収容キャビティを形成する、請求項1から10のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記支え部材は、前記フレームと固定接続されるか又は一体成形される、請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
電力消費装置であって、請求項1から13のいずれか1項に記載の電池パックを含み、前記電池パックは、前記電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる、電力消費装置。
【請求項15】
前記電力消費装置は、車両を含み、前記電池パックは、前記車両の車体の底部に設置される、請求項14に記載の電力消費装置。
【請求項16】
前記支え部材は、前記筐体の頂部に位置し、鉛直方向では、前記支え部材と前記車体との距離Lは、L≧0を満たす、請求項15に記載の電力消費装置。
【請求項17】
前記電池パックは、前記支え部材を介して前記車体に取り付けられる、請求項15又は16に記載の電力消費装置。
【請求項18】
前記支え部材は、前記車体シャーシの少なくとも一部を形成するように構成される、請求項17に記載の電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池パック及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー技術がますます成熟するにつれて、新エネルギー自動車も徐々に大衆の視野に入っている。新エネルギー自動車の主なコア技術は、電池パックであり、電池パックの安全性、安定性は、車両の性能を直接決める。
【0003】
電池パックは、一般的に筐体及び筐体内に設けられる電池セルを含み、筐体は、電池セルの重量を支えるために用いられ、筐体自体が力を受けられなければ、電池パックの強度が弱いため爆発・発火などの安全事故を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑み、本出願は、電池パック及び電力消費装置を提供する。
【0005】
第一の態様によれば、本出願は、筐体及び電池セルを含む電池パックを提供し、筐体は、囲んで収容キャビティを形成し、電池セルは、収容キャビティ内に収容され、ここで、筐体は、支え部材を含み、電池セルは、支え部材の表面に設置され、支え部材の最小厚さHと電池パックの重量Mは、0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgを満たす。
【0006】
本出願の技術案では、支え部材は、電池セルの重量を支えるために用いられ、支え部材の厚さHと電池パックの重量Mが0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgという条件を満たす場合、電池パックの構造強度が高く、発火・爆発の問題が発生せず、同時に電池パックのエネルギー密度が比較的高く、電池パックの航続能力がより高い。
【0007】
いくつかの実施例では、支え部材の最小厚さHは、0.2mm<H<20mmを満たす。この時、支え部材は、比較的良い構造強度を有し、電池パック全体の強度が比較的高く、電池パックは、発火及び爆発しにくい。同時に電池パック全体に対する支え部材の体積占有が比較的小さく、電池パックの空間利用率が比較的高く、電池パックのエネルギー密度が比較的高い。
【0008】
いくつかの実施例では、電池セルは、支え部材に吊り下げられる。この時、電池セルは、支え部材の下方に吊り下げられ、底蓋は、筐体の底部に位置し、電池パックの内部をメンテナンスする時、底蓋を取り外せば電池セルを露出させることができ、支え部材を取り外す必要がなく、同時に、電池パックをメンテナンスする時、電池セルを下方から支え部材に着脱することができ、特に支え部材が車両シャーシの少なくとも一部として力を受ける時、支え部材の下方から電池セルを着脱するだけで支え部材を取り外す必要がなく、電池パックのメンテナンスを容易に実現する。
【0009】
いくつかの実施例では、電池セルの支え部材に面する外面は、第一の外面であり、電池セルは、電極端子を含み、電極端子は、電池セルの第一の外面以外の外面に配置される。この時、電極端子は、電池セルの第一の外面以外の外面に位置し、各電極端子を接続する各種部材(例えばサンプリングハーネス、高圧ハーネス、防護構造など)は、電池セルと底蓋との間の空間及び/又は電池セルと本体の内側面との間の空間によって配置することができ、各部材の配置をより容易にする。且つ、この時、電極端子が設置されていない第一の外面と支え部材とを接続することにより、電池セルと支え部材との貼り合わせを実現することができ、電池セルと支え部材との間の空間を節約し、電池パックの空間利用率を向上させることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、電池セルは、第一の外面と背中合わせに設置される第二の外面を有し、電極端子は、第二の外面に配置される。この時、第二の外面と底蓋との間に緩衝空間を有し、且つ電極端子の電池セルから延出する部分は、この緩衝空間内に位置し、このように電極端子に接続されるワイヤハーネス及び接続シートを緩衝空間内に配置することができる。同時に、緩衝空間はさらに、底蓋に打ち付ける外力が電池セルに作用して電池セルを損傷することを遮断することができる。そのため、緩衝空間は、外力の影響を中断するだけでなく、ワイヤハーネスなどのレイアウトを行うこともでき、一挙両得である。
【0011】
いくつかの実施例では、電池セルは、支え部材と接着される。この時、電池セルと支え部材との間は、接続が容易だけでなく、電池パックの構造を簡略化することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、支え部材は、筐体の頂部に位置し、収容キャビティを画定するために用いられる。この時、支え部材は、筐体の頂部の構造とし、筐体は、支え部材を介して取付体に取り付けることができる。支え部材に設置される電池セルは、支え部材の強度を補強することができ、さらに電池パック頂部の剛性を向上させる。
【0013】
いくつかの実施例では、支え部材は、支え部及び接続部を有し、接続部は、支え部のエッジを囲んで接続され、支え部は、収容キャビティを画定するために用いられ、接続部は、筐体の支え部材以外の部分に接続され、電池セルは、支え部に設置される。この時、支え部材は、支え部を介して収容キャビティを画定し、且つ接続部を介して本体と支え部材以外の構造との接続を実現し、構造が明確である。
【0014】
いくつかの実施例では、支え部は、接続部より収容キャビティから離反する方向に沿って突設される。支え部が接続部より収容キャビティから離反して突出する場合、支え部は、支え部材の補強構造とすることができ、支え部材の耐屈曲性を向上させる。
【0015】
いくつかの実施例では、支え部と接続部の厚さが等しい。この場合、支え部材の成形がより容易になる。
【0016】
いくつかの実施例では、筐体はさらに、自体の底部に位置する底蓋を含み、底蓋は、収容キャビティを画定するために用いられ、底蓋は、電池セルと間隔をあけて設置される。この時、底蓋に作用する外力が電池セルに伝達されて電池セルを損傷することを回避でき、特に電池パックが車両の底部に取り付けられ且つ底蓋が電池パックの最も低い箇所に位置する場合、車両の走行中に地面の石などが電池パックの底部に飛散して底蓋を打ち付けやすく、この時、緩衝空間は、外力が電池セルに伝達して電池セルに影響を与えることを中断できる。
【0017】
いくつかの実施例では、筐体は、フレーム及び底蓋をさらに含み、フレームは、囲んで鉛直方向における両端に貫通して設置されるキャビティを形成し、底蓋と支え部材は、それぞれキャビティの鉛直方向における背中合わせの両端に被せ、底蓋、フレーム及び支え部材は、共に囲んで収容キャビティを形成する。この時、フレームを基礎とし、且つ支え部材及び底蓋をそれぞれフレームの鉛直方向の両端に接続した後に電池パックの収容キャビティを形成することができ、筐体構造が比較的シンプルである。
【0018】
いくつかの実施例では、支え部材は、フレームと固定接続されるか又は一体成形される。支え部材がフレームと一体成形され、本体が一体成形される場合、本体は、底蓋に接続されるだけで筐体の組み立てを実現でき、筐体の組み立てが容易である。支え部材がフレームと固定接続される場合、支え部材とフレームの成形プロセスが比較的容易であり、筐体のプロセスコストを低減させることができる。
【0019】
第二の態様によれば、本出願はさらに、電力消費装置を提供し、この電力消費装置は、上記電池パックを含み、電池パックは、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる。
【0020】
いくつかの実施例では、電力消費装置は、車両を含み、電池パックは、車両の車体の底部に設置される。この時、電池パックを車体の底部に設置することで、車体内部の空間を占有することがなく、車体の体積と重量の低減に寄与する。
【0021】
いくつかの実施例では、支え部材は、筐体の頂部に位置し、鉛直方向では、支え部材と車体との距離Lは、L≧0を満たす。この時、支え部材と車体との距離Lがゼロに等しい場合、電池パックは、より大きな電気量及び比較的高いエネルギー密度を有することができ、車両の航続能力が高い。支え部材と車体との距離Lがゼロより大きい場合、支え部材の取り付けは、より柔軟である。
【0022】
いくつかの実施例では、本体は、筐体の頂部に位置する支え部材を含み、支え部材は、収容キャビティを画定するために用いられ、電池パックは、支え部材を介して車体に取り付けられる。電池セルが支え部材に設置される場合、電池セルと支え部材で形成される構造は、車体に接続され、電池パックの頂部の強度を向上させ、さらに電池パックの取り付け強度を向上させることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、支え部材は、車体シャーシの少なくとも一部を形成するように構成される。この時、従来のシャーシと電池パックとの間の隙間が占有する空間を電池パック内に分けて電池パックの空間を向上させることができ、このように電池パックのエネルギーの向上に寄与し、さらに車両の航続能力を向上させることができる。
【0024】
本出願の一つ又は複数の実施例の詳細は、以下の図面及び記述において提示される。本出願の他の特徴、目的、および利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の好ましい実施の形態の詳細な記述を読むことによって、様々な他の利点と利益は、当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施の形態の目的を示すために用いられるだけであるが、本出願に対する制限と考えられない。なお全ての図面では、同じ図面番号で同じ部材を示す。図面において、
【
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例による電池セルの構造概略図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例による電池パックの構造概略図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施例による底蓋の構造概略図である。
【
図8】本出願の別のいくつかの実施例による底蓋の構造概略図である。
【
図10】
図6に示す底蓋の鉛直方向における正投影概略図である。
【
図11】本出願のいくつかの実施例における電池セルの外形概略図である。
【
図13】本出願のいくつかの実施例における支え部材の構造概略図である。
【
図14】本出願の別のいくつかの実施例における支え部材の構造概略図である。
【
図15】
図14に示す支え部材の鉛直方向における正投影図である。
【
図17】本出願のいくつかの実施例における電池パックが車体に用いられる概略図である。
【
図20】本出願のいくつかの実施例における電池パックと車体の取り付け関係の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳細に記述する。以下の実施例が本出願の技術案をより明瞭に説明するためのものに過ぎないため、例のみとし、これによって本出願の保護範囲を限定してはならない。
【0027】
特に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術的と科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0028】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「第一」、「第二」などは、異なる対象を区別するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆し又は指示される技術的特徴の数、特定の順序又は主従関係を暗黙的に明示すると理解されるべきではない。本出願の実施例の記述において、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。
【0029】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記述された実施例が他の実施例と組み合わされることが可能であることを明示的且つ非明示的に理解することができる。
【0030】
本出願の実施例の記述において、用語である「及び/又は」は、ただ関連対象を記述する関連関係に過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本明細書における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0031】
本出願の実施例の記述において、用語である「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は、二組以上(二組を含む)を指し、「複数枚」は、二枚以上(二枚を含む)を指す。
【0032】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本出願の実施例の記述を容易にし記述を簡略化するためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願の実施例に対する限定として理解してはならない。
【0033】
本出願の実施例の記述において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願の実施例での具体的な意味を理解してもよい。
【0034】
現在、市場の発展動向から見ると、電池パックの応用は、ますます広範になっている。電池パックは、水力、火力、風力と太陽光発電所などのエネルギー貯蔵電源システムだけでなく、そして電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動交通機関、及び軍事装備と航空宇宙等の複数の分野に広く適用される。電池パックの応用分野の連続的な拡大につれて、その市場の需要量も絶えず増大している。
【0035】
本発明者は、電池パック内の電池セルが電池パックの筐体に力を受け、筐体自体が力を受けられなければ、電池パックの構造強度が比較的弱く、発火・爆発などの安全事故が発生しやすいことに気付いた。
【0036】
電池パックの安全性及び耐用年数を向上させるために、出願人は、研究により、筐体において電池重量を支える部材の厚さと電池パックの重量との間の関係を合理的に設計することにより、電池パックが比較的に良い構造強度を有することを保証できることを発見した。
【0037】
以上の考えに基づき、電池パックの安全性及び耐用年数を向上させるために、本発明者は、鋭意研究した結果、電池パックを設計し、電池パックは、筐体及び電池セルを含み、筐体は、囲んで収容キャビティを形成し、電池セルは、収容キャビティ内に収容され、ここで、筐体は、支え部材を含み、電池セルは、支え部材の表面に設置され、支え部材の最小厚さHと電池パックの重量Mは、0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgを満たす。この時、支え部材は、電池セルの重量を支えるために用いられ、支え部材の厚さHと電池パックの重量Mが0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgという条件を満たす場合、電池パックの構造強度が高く、発火・爆発の問題が発生せず、同時に電池パックのエネルギー密度が比較的高く、電池パックの航続能力がより高い。
【0038】
本出願の実施例に開示された電池パックは、車両、船舶又は航空機などの電力消費装置に用いることができるが、これらに限定されない。本出願に開示された電池パックを用いてこの電力消費装置の電源システムを構成することができる。本出願に係る取付体は、電力消費装置において電池パックを取り付けるための構造である。
【0039】
本出願の実施例は、電池パックを電源として使用する電力消費装置を提供し、電力消費装置は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙航空機などであってもよいが、これらに限定されない。ここで、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具を含んでもよく、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船玩具及び電動飛行機玩具等であり、宇宙機は、飛行機、ロケット、宇宙航空機及び宇宙船などを含んでもよい。
【0040】
以下の実施例は、説明の便宜上、本出願の一実施例の電力消費装置が車両1000であることを例にして説明する。
【0041】
図1を参照すると、
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図である。車両1000は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1000の内部に電池パック100が設置され、電池パック100は、車両1000の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池パック100は、車両1000への給電に用いられてもよく、例えば電池パック100は、車両1000の操作電源とされてもよい。車両1000はさらに、コントローラとモータとを含んでもよく、コントローラは、電池パック100を制御してモータに給電するために用いられ、例えば車両1000の起動、ナビゲーションと走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0042】
本出願のいくつかの実施例では、電池パック100は、車両1000の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0043】
図2を参照すると、
図2は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図である。電池セル20とは、電池パック100を構成する最小ユニットである。
図2に示すように、電池セル20は、端蓋21と、ケース22と、電極アセンブリ23と、他の機能性部材とを含む。
【0044】
端蓋21とは、ケース22の開口箇所に被せられて電池セル20の内部環境を外部環境から遮断する部材を意味する。端蓋21の形状は、ケース22と整合するようにケース22の形状に適合してもよいが、これに限定されない。選択的に、端蓋21は、一定の硬度と強度を有する材質(例えばアルミニウム合金)で製造されてもよく、このように、端蓋21は、押し出されて衝突する時に変形が発生しにくく、電池セル20はより高い構造強度を備えることができ、安全性能も向上できる。端蓋21に電極端子21aなどの機能性部材が設置されてもよい。電極端子21aは、電池セル20の電気エネルギーを出力又は入力するために、電極アセンブリ23に電気的に接続されるために用いられてもよい。いくつかの実施例において、端蓋21には、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に内部圧力を逃すための放圧機構がさらに設置されてもよい。端蓋21の材質は、種々のもの、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、プラスチックなどであってもよく、本出願の実施例は、これについて特に限定しない。いくつかの実施例では、端蓋21の内側に絶縁部材がさらに設置されてもよく、短絡のリスクを低減させるように、絶縁部材は、ケース22内の電気的接続部材と端蓋21とを隔離するために用いられてもよい。例示的には、絶縁部材は、プラスチック、ゴムなどであってもよい。
【0045】
ケース22は、電池セル20の内部環境を形成するように端蓋21に嵌合されるためのアセンブリであり、ここで、形成された内部環境は、電極アセンブリ23、電解液及び他の部材を収容するために用いられてもよい。ケース22と端蓋21は、独立した部材であってもよく、ケース22上に開口が設置されてもよく、開口箇所で端蓋21に開口を被せさせることによって電池セル20の内部環境を形成する。それに限らず、端蓋21とケース22を一体化させてもよく、具体的には、端蓋21とケース22は、他の部材がケースに入る前に先ず一つの共通の接続面を形成しておいてもよく、ケース22の内部をパッケージングする必要がある時に、さらに端蓋21にケース22を被せさせる。ケース22は、様々な形状と様々な寸法、例えば直方体形、円柱体形、六角柱形などであってもよい。具体的には、ケース22の形状は、電極アセンブリ23の具体的な形状と寸法の大きさに応じて決定されてもよい。ケース22の材質は、種々のものが可能であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、プラスチックなどであってもよく、本出願の実施例は、これについて特に制限されない。
【0046】
電極アセンブリ23は、電池セル20内で電気化学反応を発生させる部材である。ケース22内には、一つ又は複数の電極アセンブリ23が含まれてもよい。電極アセンブリ23は、主に正極板と負極板が捲回され、又は積畳配置されて形成されており、且つ一般的に正極板と負極板との間にセパレータが設けられる。正極板と負極板の、活物質を有する部分は、電極アセンブリ23の本体11を構成し、正極板と負極板の、活物質を有しない部分は、それぞれ正極タブと負極タブを構成する。正極タブと負極タブは、共に本体11の一端に位置してもよく、又はそれぞれ本体11の両端に位置してもよい。電池の充放電中、正極活物質と負極活物質が電解液と反応し、タブは、電極端子21aに接続されて電流回路を形成する。
【0047】
図3は、本出願のいくつかの実施例による電池パック100の構造概略図であり、
図4は、
図3に示す電池パック100の構造分解図である。本出願のいくつかの実施例によれば、
図3及び
図4を参照すると、本出願の実施例は、電池セル20及び筐体10を含む電池パック100を提供し、筐体10に収容キャビティsが形成され、電池セル20は、収容キャビティs内に収容される。
【0048】
電池パック100において、電池セル20は、複数であってもよく、複数の電池セル20間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続とは、複数の電池セル20には、直列接続もあり、並列接続もあることを意味している。複数の電池セル20間は直接に直列接続又は並列接続又は直並列接続し、複数の電池セル20からなる全体を筐体10内に収容してもよく、無論、電池パック100は、複数の電池セル20をまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュール形式を構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して一体を形成し、筐体10内に収容したものであってもよい。電池パック100はさらに、他の構造を含んでもよく、例えばこの電池パック100はさらに、複数の電池セル20間の電気的な接続を実現するためのバスバー部材を含んでもよい。ここで、各電池セル20は、二次電池又は一次電池であってもよく、リチウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池であってもよく、これに限定されない。電池セル20は、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよい。
【0049】
筐体10は、様々な形状であってもよく、例えば円柱体、直方体などであり、筐体10の具体的な構造は、様々な構造方式を採用することができる。
【0050】
いくつかの実施例では、引き続き
図3及び
図4を参照すると、筐体10は、本体11及び本体11の底部に設置される底蓋12を含み、底蓋12は、本体11と共に囲んで電池セル20を収容する収容キャビティsを形成する。
【0051】
本体11は、一体成形される構造であってもよく、複数の部品で組み付けられて形成されてもよい。本体11は、中空状のケース22構造であってもよく、それ自体は、第一の空間を画定し、第一の空間の底部は、開放され、底蓋12は、第一の空間の開放箇所に被せる。底蓋12は、片側開口の中空構造を呈してもよく、自体は、第二の空間を備えてもよく、底蓋12が備える第二の空間は、本体11が備える第一の空間と全体的に収容キャビティsを形成する。底蓋12自体は、収容キャビティsを形成する空間を備えなくてもよく、底蓋12が、本体11が備える第一の空間の開放箇所に被せられる場合、底蓋12は、本体11が備える第一の空間をシールし且つ両者が囲んで第一の空間と同等の収容キャビティsを形成し、この時、底蓋12は、平板状構造を呈してもよい。無論、筐体10の収容キャビティsは、本体11が備える第一の空間の部分で形成されてもよく、この時、底蓋12は、第一の空間の開放箇所に被せ且つ第一の空間に凹み且つ第一の空間の一部の空間を占有し、底蓋12に占有される一部の空間を除く第一の空間は、筐体10の収容キャビティsを形成する。
【0052】
理解できるように、この時、底蓋12は、筐体10の底部に位置し、且つ本体11と共に収容キャビティsを画定するために用いられる。具体的には、底蓋12は、板状構造、ブロック状構造などであってもよいが、それらに限らなく、平板状、曲板状などであってもよく、具体的に限定しない。
【0053】
電池セル20が収容キャビティsに位置する場合、電池セル20は、底蓋12及び/又は本体11上に設置されてもよい。
【0054】
本体11が複数の部品で組み立てられて形成される場合、電池セル20は、そのうちの一つの部品上に設置されてもよく、全ての部品上に設置されてもよい。一つの実施例では、本体11は、頂蓋(図示せず)、囲い板(図示せず)及び支持板(図示せず)を含んでもよく、囲い板は、囲んで鉛直方向における両端に開口する第三の空間を形成し、頂蓋及び底蓋12は、それぞれ第三の空間の鉛直方向における両端にシールして被せ、頂蓋、囲い板及び底蓋12は、共に囲んで収容キャビティsを形成し、支持板は、第三の空間内に位置し、電池セル20は、支持板上に支持される。他の実施例では、本体11は、以下に記載の支え部材11a及びフレーム11bを含んでもよく、具体的に以下に詳しく記述する。
【0055】
底蓋12と本体11との間は、溶接、ホットメルト接続、接着、締結接続、係止などの方式によって両者の固定を実現することができる。ここで、締結接続とは、締結具13によって接続を実現することを指し、締結具13は、ボルト、プラグ、リベット、ピン、ネジなどの部材を含む。ここで、係止とは、係合構造によって固定を実現することを指し、例えば底蓋12上にフックを有し、本体11上に係止口を有し、フックが係止口内に係合される時に底蓋12と本体11との係合固定を実現することができる。無論、底蓋12と本体11との接続方式は、これらに限らなく、本出願では、網羅しない。
【0056】
いくつかの実施例では、底蓋12は、本体11とシール接続され且つ共に密閉された収容キャビティsを形成する。
【0057】
底蓋12と本体11とのシール接続方式は、様々であり、底蓋12と本体11との間にシール材を設置し、シール材によって底蓋12と本体11をシール接続する方式、底蓋12と本体11との間は、シーラントによってシール接続する方式、底蓋12と本体11との間は、互いに挿着されて挿着面で構成された遮断構造によってシール接続する方式であってもよいが、それらに限らない。
【0058】
この時、電池パック100の筐体10は、自体の底蓋12によって自体の本体11と囲んでシールされた収容キャビティsを形成し、筐体10内に他のシール構造を別途設置する必要がなく、電池パック100の構造を簡略化し、電池パック100のコストを削減し、且つ電池パック100の安全性及び耐用年数を保証することができる。
【0059】
本出願の記述では、電池パック100の底蓋12は、本体11の底部に位置し、即ち
図3及び
図4に示す上下方位において底蓋12は、本体11の底部に位置する。実際の使用状況では、
図3及び
図4に示す上下方位は、鉛直方向であってもよいが、それに限らなく、電池パック100の実際の取り付け状況に応じて決められる。指摘すべきこととして、本出願の下記記述では、鉛直方向を参照として電池パック100の各構造の位置関係、サイズなどについて記述し、電池パック100の使用方式を限定するものではなく、方案をより明確に記述するためだけである。
【0060】
いくつかの実施例では、底蓋12は、シール材を介して本体11にシール接続される。
【0061】
シール材とは、流体や固体微粒子などが隣接する接合面間から漏れることを防止できる部品であり、外部不純物、例えばほこりと水分などが電池パック100内に侵入することを防止できる。シール材が本体11と底蓋12をシール接続することとは、シール材が本体11と底蓋12の対向する二つの表面の間に接続され、且つこの二つの表面の間に環状の接触界面を有することであり、外部の水分が自体と二つの表面との接触断面を介して電池パック100の内部に入ることを防止することができ、さらにシール効果を果たす。
【0062】
シール材は、選択的にシールリング、ガスケットである。具体的には、シール材は、選択的にゴム、シリカゲルなどの材料で製造されてもよい。具体的には、シール材は、選択的にOリングシール材、方形シール材、異形シール材などである。シール材の具体的な形状は、底蓋12及び本体11の対向する二つの表面の形状に適合させることができる。例えば底蓋12及び本体11の対向する二つの表面が環状面である場合にシール材は、Oリングシール材であってもよい。
【0063】
この時、底蓋12は、シール材によって本体11とシール接続を実現し、シールが確実で且つコストが比較的低い。
【0064】
説明すべきこととして、底蓋12は、シール材によって本体11とのシールを実現した後、さらに他の方式によって本体11との間に固定接続することができる。他の方式は、係止、挿着、ねじ接続、リベット打ち、溶接、接着などを含むが、それらに限らない。理解できるように、底蓋12がシーラントによって本体11にシールされる場合、シーラントの接着性に基づいて、シーラントの接着性能が要件(即ち底蓋12と本体11との間は、固定され且つ分離しない)を満たす時に、他の方式を用いて両者を固定接続しなくてもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、底蓋12は、本体11の底部に取り外し可能に接続される。
【0066】
底蓋12が本体11に取り外し可能に接続されるということとは、底蓋12が本体11に接続される時に、底蓋12が本体11に対して本体11に完全に接続され且つ収容キャビティsを形成する第一の状態を有し、及び本体11に不完全に接続され又は分離して電池セル20が開放するように露出させることができる第二の状態を有し、底蓋12は、外力操作で第一の状態から第二の状態に切り替えることができ、且つ第二の状態から第一の状態に切り替えることができることであり、この過程においていかなる部品も損傷しない。
【0067】
底蓋12が本体11に対して、本体11に不完全に接続され且つ収容キャビティsを開放させる第二の状態を有する場合、底蓋12と本体11との取り付け方式は、底蓋12と本体11とが回転可能に接続され且つ締結具13又は係合方式によって固定接続を実現できる方式であってもよい。底蓋12が本体11に対して収容キャビティsを閉じるまで回転すると、底蓋12と本体11とは、締結具13又は係合方式によって固定接続され、電池セル20は、収容キャビティs内に収容されて見えず、この時、底蓋12は、第一の状態にある。締結具13を取り外すか又は係合接続を解除する時、底蓋12は、本体11に対して収容キャビティsを開放し且つ電池セル20を露出させる位置まで回動することができ、この時、底蓋12は、第二の状態にある。ここで、底蓋12と本体11との回転可能な接続は、底蓋12と本体11が回転軸を介して回転可能な接続であってもよいが、それに限らない。
【0068】
底蓋12が本体11に対して本体11と分離し且つ収容キャビティsを開放させる第二の状態を有する場合、底蓋12と本体11との取り付け方式は、底蓋12と本体11とが締結具13又は係合方式のみによって固定接続を実現する方式であってもよい。締結具13を底蓋12と本体11に取り付けるか又は底蓋12と本体11との係合構造を係合すると、底蓋12と本体11は、完全な固定を実現し且つ共に収容キャビティsを形成し、電池セル20は、収容キャビティs内に収容されて見えず、この時、底蓋12は、第一の状態にある。締結具13を取り外すか又は全ての係合接続を解除すると、底蓋12は、本体11から分離することができ、さらに電池セル20を露出させ、この時、底蓋12は、第二の状態にある。
【0069】
底蓋12が第一の状態にある時に本体11と収容キャビティsを形成することで電池セル20に保護を形成できる。底蓋12が第二の状態にある時に電池パック20本体が露出され、このように関係者による電池セル20のメンテナンス又は交換を容易にする。
【0070】
いくつかの実施例では、
図4を参照すると、底蓋12は、締結具13を介して本体11に取り外し可能に接続される。
【0071】
締結具13とは、二つ又は二つ以上の部品(又は部材)を一体に締結できる部材を指し、ネジ、ボルト、リベット、プラグ、ピン、溶接ピンなどであってもよいが、それに限らない。
【0072】
この時、底蓋12は、締結具13を介して本体11に取り外し可能に接続され、着脱を容易にするだけでなく、構造がシンプルで、経済的である。
【0073】
図5は、本出願のいくつかの実施例による底蓋12の構造概略図であり、
図6は、
図5に記載の底蓋12の上面図であり、
図7は、
図5に示す底蓋12の正面図である。
図8本出願の別のいくつかの実施例による底蓋12の構造概略図である。
【0074】
いくつかの実施例では、底蓋12の最小厚さhは、0.2mm<h<20mmを満たす。
【0075】
底蓋12の厚さとは、鉛直方向の断面における底蓋12の鉛直方向の両側表面間の距離を指す。底蓋12の最小厚さhは、底蓋12の鉛直方向の両側面間の最短距離である。底蓋12の各箇所の厚さが均一である場合、底蓋12は、平板状(
図8に示す)を呈してもよく、底蓋12の最小厚さは、底蓋12の各箇所が備える等しい厚さである。底蓋12の厚さが均一でない場合、底蓋12の最小厚さは、底蓋12の最も薄い箇所の厚さである。
【0076】
具体的には、底蓋12の最小厚さhは、選択的に0.3mm、0.5mm、0.8mm、1mm、1.5mm、1.8mm、2mm、2.5mm、2.8mm、3mm、3.5mm、3.8mm、4mm、4.5mm、4.7mm、5mm、5.5mm、5.8mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mm、10.5mm、11mm、11.5mm、12mm、12.5mm、13mm、13.5mm、14mm、14.5mm、15mm、16mm、16.5mm、17mm、17.5mm、18mm、18.5mm、19mm、19.5mmなどである。好ましくは、0.5mm≦h≦3mmである。
【0077】
この時、証明されるように、底蓋12の最小厚さhが0.2mm<h<20mmを満たす場合、電池パック100の重量を効果的に低減することができ、且つ構造強度が合理的である。
【0078】
説明すべきこととして、本出願の記述では、鉛直方向を参考として、ある構造の「厚さ」とは、鉛直方向の断面におけるこの構造の鉛直方向の両側表面の間の距離を指し、下記記述では、「厚さ」を過度に解釈せず、ここでの記述を参照することができる。無論、理解できるように、鉛直方向は、本出願の方案をより容易に説明するためのものに過ぎず、電池パック100の使用方式を限定するものではない。
【0079】
いくつかの実施例では、電池セル20の重量mと底蓋12の最小厚さhは、0.03mm/Kg≦h/m≦100mm/Kgを満たす。
【0080】
電池セル20の重量mとは、単体の電池セル20の重量mを指す。電池パック100が複数の電池セル20を含む場合、電池セル20の重量は、各電池セル20の重量である。
【0081】
具体的には、底蓋12の最小厚さhと電池セル20の重量mとの比は、選択的に0.04mm/Kg、0.05mm/Kg、0.1mm/Kg、0.4mm/Kg、0.8mm/Kg、1mm/Kg、1.5mm/Kg、2mm/Kg、2.5mm/Kg、3mm/Kg、3.5mm/Kg、4mm/Kg、5mm/Kg、6mm/Kg、8mm/Kg、10mm/Kg、12mm/Kg、13mm/Kg、15mm/Kg、16mm/Kg、18mm/Kg、20mm/Kg、30mm/Kg、35mm/Kg、40mm/Kg、45mm/Kg、50mm/Kg、55mm/Kg、60mm/Kg、65mm/Kg、68mm/Kg、70mm/Kg、75mm/Kg、80mm/Kg、85mm/Kg、90mm/Kg、95mm/Kg、98mm/Kgである。
【0082】
【0083】
表1は、GB 38031-2020 『電気自動車用動力蓄電池安全要求』の基準に従って試験を行う場合、複数組の底蓋12の最小厚さh、電池セル20の重量mの比が電池パック100の安全性能に与える影響の試験結果を示す。表1から分かるように、h/mが0.02mm/Kgに等しい場合、電池パック100が発火・爆発しやすく、その原因は、電池パック100の構造強度が要求を満たすことができないためである。h/Mが0.02mm/Kgより大きい場合、底蓋12の構造強度が比較的良く、電池パック100は、発火及び爆発しにくいが、h/mが大きすぎると空間の浪費及びエネルギー密度が低すぎることを引き起こしやすいため、h/Mは、100mm/Kgを超えないことが好ましい。
【0084】
この時、証明されるように、底蓋12の最小厚さhと電池セル20の重量mが0.03mm/Kg≦h/m≦100mm/Kgを満たす場合、電池パック100は、比較的良い構造強度を有するだけでなく、エネルギー密度が比較的高く、発火・爆発しにくい。
【0085】
いくつかの実施例では、
図5から
図7を併せて参照すると、底蓋12は、蓋部12a及び取付部12bを有し、取付部12bは、囲んで蓋部12aのエッジに接続され、蓋部12aは、収容キャビティsを画定するために用いられ、取付部12bは、本体11に接続される。
【0086】
蓋部12aが収容キャビティsを画定するために用いられることとは、蓋部12aと本体11が共に囲んで収容キャビティsを形成することであり、取付部12bは、本体11と接続され、収容キャビティsの画定に関与しない。蓋部12aは、板状、ブロック状部材であってもよく、平板状、曲板状の部材であってもよく、具体的に限定しない。
図6から分かるように、取付部12bが蓋部12aのエッジに囲まれることとは、取付部12bが蓋部12aのエッジに沿って連続して設けられて首尾が密閉して接続される構造を呈することである。理解できるように、鉛直方向における投影では、取付部12bは、一定の幅を有し、このように本体11との間に適切な接触面積を有することができ、取付部12bと本体11との間の位置決め及び取り付けを容易にするだけでなく、さらにシール材の設置を容易にし、取付部12bと本体11とのシール性を向上させることにも寄与する。
【0087】
蓋部12aと取付部12bは、一体成形されてもよい。底蓋12が金属材質(例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼など)である場合、蓋部12aと取付部12bは、ダイカスト、鍛造、熱間プレス、冷間プレスなどの方式を用いて一体成形されてもよい。底蓋12がプラスチック材質(例えばPP、PE、ABSなど)である場合、蓋部12aと取付部12bは、射出成形を用いて一体成形されもよい。蓋部12aと取付部12bは、単独で成形されてから一体に接続されてもよい。蓋部12aと取付部12bが金属材質である場合、蓋部12aと取付部12bは、一体に溶接、接着されてもよい。蓋部12aと取付部12bがプラスチック材質である場合、蓋部12aと取付部12bを一体に接着されてもよい。無論、蓋部12aと取付部12bは、係止、リベット打ちなどの他の方式によって一体に固定接続されてもよい。
【0088】
蓋部12aと取付部12bは、同一平面内に位置してもよい。具体的に選択的に、蓋部12aと取付部12bは、いずれも本体11に面する二つの表面が同一平面内に位置し、及び/又は蓋部12aと取付部12bは、いずれも本体11に背向する二つの表面が同一平面に位置する。蓋部12aと取付部12bがいずれも本体11に面する二つの表面及びいずれも本体11に背向する二つの表面がいずれもそれぞれ同一平面に位置する場合、蓋部12aと取付部12bは、平板状の底蓋12(
図8に示す)を形成することができる。
【0089】
蓋部12aと取付部12bは、同一平面内に位置しなくてもよい。具体的には、蓋部12aは、取付部12bに対して本体11に向かって凹み、又は蓋部12aは、取付部12bに対して本体11に背向して突出し、具体的に限定しない。蓋部12aと取付部12bの厚さは、等しくてもよく、等しくなくてもよく、具体的に限定しない。
【0090】
この時、底蓋12は、蓋部12aを介して収容キャビティsを画定し、且つ取付部12bを介して本体11との接続を実現し、構造が明確であり、取り付けを容易にする。
【0091】
理解できるように、底蓋12が本体11にシール接続される場合、底蓋12は、取付部12bを介して本体11にシール接続され、即ち取付部12bは、本体11にシール接続される。取付部12bと本体11との間のシール接続方式は、シール材によるシール接続、シーラントによるシール接続などであってもよく、具体的に網羅しない。シール材は、上記記述で言及されたシール材であってもよく、シール材の設置方式は、上記記載を参照することができ、異なる点は、シール材が取付部12bと本体11との間に設置されることである。取付部12bと本体11との間がシーラントでシール接続される場合、シーラントは、取付部12bと本体11とが接触する全ての表面に塗布されてもよい。
【0092】
理解できるように、底蓋12は、本体11に取り外し可能に接続される場合、底蓋12は、取付部12bを介して本体11に取り外し可能に接続され、即ち取付部12bは、本体11に取り外し可能に接続される。取付部12bと本体11との取り外し可能な接続方式は、上記記述に記載の底蓋12と本体11との取り外し可能な方式を参照することができ、底蓋12における本体11に取り外し可能に接続される部位を取付部12bに設置すればよいため、取付部12bと本体11との取り外し可能な接続方式については、ここでこれ以上説明しない。
【0093】
いくつかの実施例では、取付部12bは、本体11に取り外し可能に接続される。
【0094】
具体的には、底蓋12は、取付部12bに設置される固定孔12cをさらに含み、締結具13は、取付部12b上の固定孔12cに穿設された後に本体11に締結される。固定孔12cは、鉛直方向において取付部12bを貫通する貫通孔であり、具体的には、固定孔12cは、滑らかな貫通孔(例えば締結具13がリベットである場合)であってもよく、ねじ山を有する貫通孔(例えば締結具13がネジである場合)、又は他の方式の貫通孔(例えば六角孔、角孔、長孔など)であってもよい。固定孔12cの具体的な形式は、締結具13の具体的な形式及び具体的な設定方式に基づいて決められ、ここでこれ以上説明しない。
【0095】
いくつかの実施例では、蓋部12aと取付部12bの厚さは、等しい。
【0096】
蓋部12aと取付部12bが一体成形される場合、両者は、上記記述に記載の方式を用いて一体成形を実現することができ、例えばダイカスト一体成形、冷間プレス一体成形、熱間プレス一体成形、射出成形一体成形などであり、ここでこれ以上説明しない。蓋部12aと取付部12bの厚さが等しいため、成形時に同一の金属板に基づいてプレス、切断などの方式によって迅速に加工することができる。
【0097】
この時、蓋部12aと取付部12bの厚さが等しく、成形時に各箇所の応力が均等であり、一体成形の成形率を向上させることができ、簡単な板材切断などの方式を用いて迅速に加工することもでき、底蓋12の構造がよりシンプルであり、加工がより容易である。
【0098】
いくつかの実施例では、
図7を参照すると、蓋部12aは、取付部12bより収容キャビティsから離反する方向に沿って突設される。
【0099】
上記から分かるように、蓋部12aは、収容キャビティsを画定し、蓋部12aが収容キャビティsから離反して突出することとは、蓋部12aが本体11から離反して突出することである。つまり、蓋部12aと取付部12bは、鉛直方向においてずらして配置され、蓋部12aは、底蓋12の最も低い箇所に位置する。
【0100】
蓋部12aが取付部12bより収容キャビティsから離反して突出する場合、蓋部12aと取付部12bとの間に一定の冗長空間を形成することができ、この冗長空間は、蓋部12aと電池セル20との間の距離を増加させることができ、外力が蓋部12aに作用する時にこの冗長空間によって外力を低減させ、外力が電池セル20に作用して、電池セル20に損傷をもたらすことを低減又は回避することができ、特に電池パック100が車両1000の底部に取り付けられ且つ底蓋12が電池パック100の最も低い箇所に位置する場合、車両1000の走行中に地面の石などが電池パック100の底部即ち底蓋12に飛散し、底蓋12を打ち付けやすく、この時、冗長空間は、外力の打ち付けによる電池セル20への影響を減少させることができる。同時に、蓋部12aは、取付部12bに対して突出し、底蓋12の蓋部12aは、底蓋12の補強構造とすることができ、底蓋12の耐屈曲性を向上させる。
【0101】
理解できるように、本出願の実施例では、底蓋12は、筐体10の底部に位置し、且つ収容キャビティsを画定するために用いられる。
【0102】
図9は
図4に示す電池パック100の断面図である。いくつかの実施例では、
図9を参照すると、底蓋12は、電池セル20と間隔をあけて設置される。
【0103】
底蓋12は、電池セル20と間隔をあけて設置されることとは、鉛直方向では、底蓋12と電池セル20との間に設定間隔rが保たれることである。この設定間隔rの作用で底蓋12と電池セル20との間に緩衝空間が形成され、底蓋12に作用する外力が電池セル20に伝達されて電池セル20を損傷することを回避でき、特に電池パック100が車両1000の底部に取り付けられ且つ底蓋12が電池パック100の最も低い箇所に位置する場合、車両1000の走行中に地面の石などが電池パック100の底部に飛散して底蓋12を打ち付けやすく、この時、緩衝空間は、外力が電池セル20に伝達して電池セル20に影響を与えることを中断できる。
【0104】
底蓋12と電池セル20が間隔をあけて設置される方式は、上記実施例における突出した蓋部12aと取付部12bとの間に形成された冗長空間によって形成される方式でもよく、さらに電池セル20における本体11内に位置し且つ底蓋12に向かう一端と本体11の底蓋12に向かう一端との間に設定距離が保たれる方式でもよく、つまり、電池セル20は、本体11によって画定された収容キャビティsの一部の範囲内のみに位置し、底蓋12によって画定された収容キャビティsの範囲内に位置せず、それにより電池セル20と底蓋12との間に設定間隔rが保たれて緩衝空間を形成することを保証する。
【0105】
理解できるように、電池パック100内に複数の電池セル20を含む場合、全ての電池セル20は、いずれも底蓋12と間隔をあけて設置される。さらに電池セル20のサイズを統一するために、各電池セル20と底蓋12との間の間隔距離は、等しい。
【0106】
いくつかの実施例では、
図5及び
図6を参照すると、底蓋12は、収容キャビティsに面する特徴面dを有し、特徴面dは、平面として構成される。
【0107】
特徴面dが収容キャビティsに面することは、特徴面dが底蓋12において収容キャビティsを画定できる内面であることを示す。特徴面dが平面として構成されるとは、本体11と底蓋12との配置方向では、特徴面dがこの配置方向に垂直な平面であることを指す。実際の状況では、本体11と底蓋12とが鉛直方向に沿って配置される場合、底蓋12の特徴面dは、水平面と平行な平面である。本体11と底蓋12とが水平方向に沿って配置される場合、底蓋12の特徴面dは、鉛直面と平行な平面である。
【0108】
特徴面dが平面である場合、特徴面dは、収容キャビティs内に収容された各電池セル20との間により均等な距離(この距離は、ゼロであってもよい)を保つことができる。特徴面dと電池セル20との間の距離が比較的均等に保たれる場合、収容キャビティsは、より多くの電池セル20を収容することができ、即ち収容キャビティsの空間利用率がより高くなり、電池パック100は、より高いエネルギー密度を有することができ、電池パック100の航続能力がより高くなる。
【0109】
理解できるように、底蓋12が上記蓋部12aと上記取付部12bとを有する場合、特徴面dは、蓋部12aが収容キャビティsに面する内面構造によって形成されてもよい。さらに理解できるように、底蓋12が電池セル20と間隔をあけて設置される場合、特徴面dと電池セル20との間に間隔をあけて設置される。
【0110】
いくつかの実施例では、蓋部12aの収容キャビティsから離反する外面は、特徴面dと平行である。
【0111】
蓋部12aは、収容キャビティsの外面から離反して特徴面dと鉛直方向に沿って背中合わせに配置される。蓋部12aの外面は、大気環境に接触し、且つ外力による打ち付けを受けるために用いられる。蓋部12aの外面が特徴面dと同一平面であり、特に底蓋12と本体11が鉛直方向に沿って車両1000の底部に配置され且つ底蓋12が電池パック100の最も低い箇所に位置する場合、蓋部12aの外面が平面を呈する時に電池パック100が生成する風抵抗を大幅に低減させすることができ、車両1000の走行抵抗を低減させ、車両1000の走行エネルギー消費を低減させ、電池パック100の航続能力を向上させることに寄与する。
【0112】
図10は、
図6に示す底蓋12の鉛直方向における正投影概略図である。ここで、S1は、特徴面dの投影面積を示し、S2は、底蓋12の投影面積を示す。
【0113】
いくつかの実施例では、鉛直方向では、特徴面dの正投影の面積S1と底蓋12の正投影の面積S2は、S1/S2≧0.2を満たす。さらに、S1/S2≧0.5である。
【0114】
図10に示す実施例では、鉛直方向における正投影では、特徴面dは、第一の特徴辺d1、第二の特徴辺d2、第三の特徴辺d3、第四の特徴辺d4の首尾接続によって囲まれて形成され、特徴面dの正投影の面積S1は、第一の特徴辺d1、第二の特徴辺d2、第三の特徴辺d3及び第四の特徴辺d4によって画定される領域面積である。底蓋12の正投影の面積S2は、底蓋12のエッジによって画定される領域面積である。
【0115】
具体的には、特徴面dの正投影の面積S1と底蓋12の正投影の面積S2との比は、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1であってもよい。
【0116】
【0117】
表2は、NEDC(New European Driving Cycle)基準に従って試験した複数組の特徴面dの正投影の面積S1と底蓋12の正投影の面積S2との比が電池パック100の航続距離に与える影響を示す。S1/S2が0.2より小さい場合、電池パック100の航続距離が比較的悪く、その原因は、特徴面dが比較的小さい場合、収容キャビティsの空間利用率が比較的低く、電池パック100内に収容される電池セル20の数が比較的少なく、電池パック100のエネルギー密度が比較的低く、電池パック100の航続距離が比較的短く、試験結果が比較的悪い。S1/S2の比が0.2以上に達する時(特にS1/S2が0.5以上に達する時)、比が大きいほど、電池パック100の航続距離が良くなり、その原因は、特徴面dが大きいほど、収容キャビティsの空間利用率がより高くなり、電池パック100のエネルギー密度が高くなるため、電池パック100の航続距離がますます高くなり、試験結果がますます良くなるからである。
【0118】
特徴面dが平面であるため、特徴面dが底蓋12に占める面積が大きいほど、底蓋12における特徴面dに対して凹んでいる又は突出している内面の面積が小さくなる。特徴面dに対して凹んでいる内面は、収容キャビティsにおける一部の空間を不規則にして電池セル20を取り付けられなくなり、収容キャビティsの空間利用率を低くする。特徴面dの突出した内面に対して形成された収容キャビティsの一部の空間も不規則であるため電池セル20を収容できず、収容キャビティsの空間利用率が低い。収容キャビティsの空間利用率が低い場合、電池パック100内の単位空間の電池セル20が占める体積が小さく、電池パック100のエネルギー密度が低い。そのため、特徴面dが底蓋12に占める面積が大きいほど、電池パック100の空間利用率が大きくなり、電池パック100のエネルギー密度がより高くなり、電池パック100の航続距離がより良くなる。
【0119】
いくつかの実施例では、
図10を参照すると、鉛直方向では、特徴面dの正投影は、矩形を呈する。
【0120】
図10に示すように、矩形を呈する特徴面dは、第一の特徴辺d1、第二の特徴辺d2、第三の特徴辺d3及び第四の特徴辺d4によって囲まれて画定される領域である。電池パック100では、複数の電池セル20の多くは、組み立てられて矩形構造を形成し、特徴面dの構造は、矩形を呈し、電池パック100内の電池セル20で形成された全体構造に適応することができ、収容キャビティs内により多くの電池セル20を配置することに寄与し、電池パック100のエネルギー密度を向上させる。
【0121】
無論、他の実施例では、鉛直方向では、特徴面dの正投影は、他の形状、例えば円形、多角形、楕円形及び他の異形を呈してもよい。
【0122】
本出願の実施例では、本体11は、支え部材11aを含む。
【0123】
支え部材11aは、本体11において収容キャビティsを画定するための部材(例えば支え部材11aは、上記で言及された頂蓋又はフレームである)であってもよく、収容キャビティsを画定するために用いられないが、収容キャビティs内に位置する部材(例えば支え部材11aは、上記で言及された支持板である)であってもよく、具体的に限定しない。支え部材11aが収容キャビティsを画定するために用いられる場合、支え部材11aは、本体11において底蓋12に直接接続される部材(例えば上記で言及されたフレーム)であってもよく、底蓋12に接続されない部材(例えば上記で言及された頂蓋)であってもよい。
【0124】
いくつかの実施例では、電池セル20は、支え部材11aの表面に設置される。
【0125】
この時、支え部材11aは、電池セル20の重量を支えることができる部材であり、支え板、支えロッド、支えブロック、支えシール、支えフレーム、支えロープなどであってもよく、具体的に限定しない。具体的には、電池セル20は、支え部材11aに支えられ、この時、電池セル20は、支え部材11aの上方に設置されてもよい。具体的には、電池セル20は、支え部材11aに掛けられてもよく、この時、電池セル20は、支え部材11aの電池セル20の重力方向と平行する壁面に掛けてもよい。
【0126】
電池セル20は、支え部材11aの上方(例えば支え部材11aが収容キャビティs内に位置する支持板とする場合)に設置されてもよく、電池セル20は、支え部材11aの下方(例えば支え部材11aが収容キャビティsを画定するための頂蓋である場合)に設置されてもよく、電池セル20は、支え部材11aの側方(例えば支え部材11aが収容キャビティsを画定するためのフレームである場合)に設置されてもよい。
【0127】
いくつかの実施例では、電池セル20は、支え部材11aと接着される。
【0128】
具体的には、電池セル20と支え部材11aとの間は、例えばエポキシ樹脂接着剤、アクリル酸エステル接着剤などの接着剤で接着を実現してもよく、具体的に限定しない。この時、電池セル20と支え部材11aとの間が接着され、接続を容易にするだけでなく、電池パック100の構造を簡略化することができる。
【0129】
いくつかの実施例では、電池セル20は、支え部材11aの表面に設置され、且つ支え部材11aの最小厚さHと電池パック100の重量Mは、0.0002mm/Kg<H/M≦0.2mm/Kgを満たす。
【0130】
支え部材11aの厚さとは、支え部材11aのうち電池セル20が設置される側の表面と背中合わせの他方側表面との間の距離を指す。電池セル20が支え部材11aの鉛直方向の表面に設置される場合、支え部材11aの最小厚さHとは、支え部材11aの鉛直方向における両側表面の距離が最小である箇所を指し、電池セル20が支え部材11aの水平方向の表面に位置する場合、支え部材11aの厚さとは、支え部材11aの水平方向における両側表面の距離が最小である箇所を指す。
【0131】
電池パック100の重量は、本体11、底蓋12、電池セル20及び他の構成構造(例えばワイヤハーネス、熱管理システム、電源管理システムなど)の全重量を含む。
【0132】
具体的には、支え部材11aの最小厚さHと電池パック100の重量Mとの比は、0.0003mm/Kg、0.0005mm/Kg、0.0008mm/Kg、0.001mm/Kg、0.003mm/Kg、0.005mm/Kg、0.008mm/Kg、0.01mm/Kg、0.03mm/Kg、0.05mm/Kg、0.06mm/Kg、0.08mm/Kg、0.1mm/Kg、0.12mm/Kg、0.15mm/Kg、0.16mm/Kg、0.19mm/Kg、0.2mm/Kgに設計されてもよい。
【0133】
【0134】
表3は、GB 38031-2020『電気自動車用動力蓄電池安全要求』の基準に従って試験した複数組の支え部材11aの最小厚さHと電池パック100の重量Mとの比が電池パック100の安全性能に与える影響結果を示す。表3から分かるように、H/Mの比が0.0002mm/Kgを超えない場合、電池パック100が発火・爆発し、その原因は、電池パック100の構造強度が要件を満たさないことである。H/Mの比が0.0002mm/Kgを超える場合、電池パック100が発火・爆発しない。しかしながら、H/Mが大きすぎる場合(例えば0.1を超える場合)、電池パック100の重量が小さく支え板の厚さが大きいため、単位体積内の電池セル20の占める電池パック100の占有率が比較的低く、空間利用率が比較的低く、電池パック100のエネルギー密度が低すぎ、電池パック100の使用コストが比較的高い。さらに、0.0005mm/Kg≦H/M≦0.1mm/Kgであり、この時、電池パック100の構造強度は、要件を満たし且つ電池パック100のエネルギー密度が比較的高く、電池パック100の航続能力がより強く且つ発火・爆発などの安全事故が発生しない。
【0135】
いくつかの実施例では、支え部材11aの最小厚さHは、0.2mm<H<20mmを満たす。
【0136】
具体的には、支え部材11aの最小厚さHは、0.3mm、0.5mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.2mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、9mm、10mm、12mm、15mm、16mm、18mm、19mmであってもよい。さらに、0.5mm≦H≦10mmであり、この時、支え部材11aは、比較的良い構造強度を有し、電池パック100全体の強度が比較的高く、電池パック100は、発火及び爆発しにくい。同時に電池パック100全体に対する支え部材11aの体積占有が比較的小さく、電池パック100の空間利用率が比較的高く、電池パック100のエネルギー密度が比較的高い。
【0137】
いくつかの実施例では、
図3及び
図4を参照すると、電池セル20は、支え部材11aに吊り下げられる。
【0138】
電池セル20が支え部材11aに吊り下げられることとは、電池セル20が支え部材11aの鉛直方向の下方に設置され、電池セル20の重量を支え部材11aによって支えられることである。電池セル20が支え部材11aに吊り下げられる方式は、電池セル20が支え部材11aの下表面に直接接着される方式、電池セル20が締結具13を介して支え部材11aに接続され且つ支え部材11aの下方に位置する方式、電池セル20がフックなどを介して支え部材11aに掛けられて支え部材11aの下方に位置する方式などを含む。
【0139】
この時、電池セル20は、支え部材11aの下方に吊り下げられ、底蓋12は、筐体10の底部に位置し、電池パック100の内部をメンテナンスする時、底蓋12を取り外せば電池セル20を露出させることができ、支え部材11aを取り外す必要がなく、電池パック100のメンテナンスがより容易になる。同時に、電池パック100をメンテナンスする時、電池セル20を下方から支え部材11aに着脱することができ、特に支え部材11aが車両1000のシャーシの少なくとも一部として力を受ける時、支え部材11aの下方から電池セル20を着脱するだけで支え部材11aを取り外す必要がなく、電池パック100のメンテナンスを容易にする。
【0140】
図11は、本出願のいくつかの実施例における電池セル20の外形概略図である。
図12は、
図11に示す電池セル20の正面図である。
【0141】
いくつかの実施例では、
図4及び
図11を併せて参照すると、電池セル20の支え部材11aに面する外面は、第一の外面m1であり、電池セル20は、電極端子21aを含み、電極端子21aは、電池セル20の第一の外面m1以外の外面に配置される。
【0142】
上記で紹介したように、電極端子21aは、電池セル20の内部の電極アセンブリ23と電気的に接続されるために用いられて、電池セル20の電気エネルギーを出力又は入力するための部材である。電極端子21aは、外部と電気的に接続するために、電池セル20から少なくとも部分的に延出している。電池セル20間の直列接続、並列接続は、いずれもそれぞれの電極端子21a間の直列接続、並列接続によって実現される。電極端子21aは、導電性を有し、電気伝送を実現し、アルミニウム電極、銅電極などであってもよい。
【0143】
電極端子21aは、電池セル20の第一の外面m1以外の外面に配置される。第一の外面m1は、支え部材11aに面しており、通常は、滑らかな表面であり、その上には、電極端子21aや注液孔などの構造が突出または、凹んでいない。電池セル20が支え部材11aに吊り下げられる場合、第一の外面m1は、電池セル20の上向きの外面である。具体的な一つの実施例では、電池セル20は、上記のケース22及び端蓋21を含み、ケース22及び端蓋21は、電池セル20が電極アセンブリ23を収容する内部環境を形成する。端蓋21は、ケース22の一端に位置し、電極端子21aは、端蓋21上に配置され、この時、ケース22のいずれか一つの外面は、いずれも電池セル20の第一の外面m1とすることができる。
【0144】
電極端子21aは、正極端子と負極端子とを含み、正極端子は、電極アセンブリ23における正極板と電気的に接続するために用いられ、負極端子は、電極アセンブリ23における負極板と電気的に接続するために用いられる。説明すべきこととして、正極端子と負極端子は、電池セル20の同一外面(例えば角形電池セル20)に配置されてもよく、電池セル20の異なる二つの外面(例えば円柱形電池セル20)にそれぞれ配置されてもよい。正極端子及び負極端子が電池セル20の異なる二つの外面に配置される場合、第一の外面m1は、電池セル20においてこの二つの外面と異なる表面である。
【0145】
電池パック100は、電池セル20以外に、通常、各電池セル20を電気的に接続するサンプリングハーネス、高圧ハーネス、電池セル20を保護する防護構造などの部材がさらに設置され、この時、電極端子21aを電池セル20の第一の外面m1以外の他の表面に配置し、電極端子21aにサンプリングハーネス、高圧ハーネス、防護構造などの部材を配置する場合、支え部材11aに制限されずに電池セル20と本体11の支え部材11a以外の構造との間の空間(例えば電池セルと底蓋との間の空間及び/又は電池セルと本体の内側面との間の空間)によって各部材を配置することができ、各部材の設置をより容易にする。同時に第一の外面m1は、滑らかな表面であるため、第一の外面m1を支え部材11aと貼り合わせることができ、このように電池セル20と支え部材11aとの貼り合わせ取り付けを実現することができ、電池セル20と支え部材11aとの間に空間を予め残す必要がなく、電池パック100の空間利用率の向上に寄与する。
【0146】
いくつかの実施例では、
図11及び
図12を併せて参照すると、電池セル20は、第一の外面m1と背中合わせに設置される第二の外面m2を有し、電極端子21aは、第二の外面m2に配置される。
【0147】
第二の外面m2は、電池セル20が第一の外面m1と背中合わせに設置される外面であり、電池セル20が支え部材11aに吊り下げられる場合、第二の外面m2は、底蓋12と対向する。上記で記述したように、電池セル20と底蓋12との間は、間隔をあけて設置されてもよい。この時、第二の外面m2と底蓋12との間に緩衝空間を有し、且つ電極端子21aの電池セル20から延出する部分は、この緩衝空間内に位置し、このように電極端子21aに接続されるワイヤハーネス及び接続シートは、緩衝空間内に配置することができる。同時に、緩衝空間はさらに、上記で言及された底蓋12に打ち付ける外力が電池セル20に作用して電池セル20を損傷することを遮断することができる。そのため、緩衝空間は、外力の影響を中断するだけでなく、ワイヤハーネスなどのレイアウトを行うこともでき、一挙両得である。また、緩衝空間や電池パック100の空間利用率も向上する。
【0148】
無論、他の実施例では、
図11及び
図12を参照すると、電極端子21aは、電池セル20において第一の外面m1と交差する第三の外面に配置されてもよい。
【0149】
本出願のいくつかの実施例では、
図4、
図5及び
図9を参照すると、支え部材11aは、筐体10の頂部に位置し、且つ収容キャビティsを画定するために用いられる。底蓋12は、筐体10の底部に位置するため、支え部材11aは、底蓋12に対向して配置される。支え部材11aは、筐体10の頂部の構造とし、筐体10は、支え部材11aを介して取付体に取り付けることができる。この時、支え部材11aに設置される電池セル20は、支え部材11aの強度を補強することができ、さらに電池パック100の頂部の剛性を向上させることができ、このように電池パック100の応用シナリオを頂部が力を受けるシナリオに拡張することができ、例えば車両1000のシャーシの一部として使用する。
【0150】
図13は、本出願のいくつかの実施例における支え部材11aの構造概略図である。
図14は、本出願の別のいくつかの実施例における支え部材11aの構造概略図である。
図15は、
図14に示す支え部材11aの鉛直方向における正投影図である。
【0151】
いくつかの実施例では、支え部材11aは、収容キャビティsに面する支え面fを有し、支え面fは、平面として構成される。
【0152】
支え面fは、支え部材11aの収容キャビティsに面する内面であり、且つ収容キャビティsを画定するために用いられる。支え面fが平面として構成されることとは、本体11と底蓋12との配置方向において、支え面fが配置方向に垂直な平面であることを意味する。実際の状況では、本体11と底蓋12とが鉛直方向に沿って配置される場合、支え部材11aと底蓋12とは、鉛直方向に沿って対向して設置され、支え部材11aの支え面fは、水平面と平行な平面である。本体11と底蓋12とが水平方向に沿って配置される場合、支え部材11aと底蓋12とは、水平方向に沿って対向して設置され、支え部材11aの支え面fは、鉛直面と平行な平面である。
【0153】
図13に示すように、支え面fは、支え部材11aの収容キャビティsに面する内面の全部であってもよく、この時、支え部材11aは、平板状を呈してもよい。
図14及び
図15に示すように、支え面fは、支え部材11aの収容キャビティsに面する内面の一部であってもよく、この時、支え面fは、支え部材11aの内面における収容キャビティsを画定するための部分のみである。
【0154】
支え面fが平面である場合、支え面fと収容キャビティs内に収容される各電池セル20との間に比較的均等な距離(この距離は、ゼロであってもよい)を保つことができる。支え面fと電池セル20との間の距離がより均等に保たれる場合、収容キャビティs内により多くの電池セル20を収容することができ、つまり、収容キャビティsの空間利用率がより高くなり、電池パック100は、より高いエネルギー密度を有することができ、電池パック100の航続能力がより高い。
【0155】
いくつかの実施例では、電池セル20は、支え面fに設置される。電池セル20は、支え面fを介して支え部材11aに取り付けられている。電池セル20は、支え面fに接着されてもよく、締結具13などを介して支え面fに固定接続されてもよく、支え面fに溶接、係止されてもよいが、具体的に限定しない。
【0156】
支え面fが平面であるため、支え面fは、自体に設置される電池セル20と大きな接触面積を有することができ、電池セル20の取り付けがより強固になる。同時に、支え面fが平面を呈する場合、曲面などの平坦でない面を呈する場合に比べて、支え面fは、より多くの電池セル20との接続を実現することができ、電池パック100内の電池セル20の取り付け数を向上させ、さらに電池パック100の空間利用率及びエネルギー密度を向上させることができる。
【0157】
理解できるように、電池セル20が支え部材11aに吊り下げられる場合、この時、電池セル20は、支え面fに吊り下げられる。
【0158】
いくつかの実施例では、鉛直方向では、支え面fの正投影の面積N1と支え部材11aの正投影の面積N2は、N1/N2≧0.2を満たす。さらに、N1/N2≧0.5である。
【0159】
図15に示す実施例では、鉛直方向における正投影では、支え面fは、第一の支え辺f1、第二の支え辺f2、第三の支え辺f3及び第四の支え辺f4の首尾接続によって囲まれて形成され、支え面fの正投影の面積N1は、第一の支え辺f1、第二の支え辺f2、第三の支え辺f3及び第四の支え辺f4によって画定される領域面積である。支え部材11aの正投影の面積N2は、支え部材11aのエッジによって画定される領域面積である。
【0160】
具体的には、支え面fの正投影の面積N1と支え部材11aの正投影の面積N2との比は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1であってもよい。
【0161】
【0162】
表4は、NEDC(New European Driving Cycle)基準に従って試験を行う場合、複数組の支え面fの正投影の面積N1と支え部材11aの正投影の面積N2との比が電池パック100の航続距離に与える影響を示す。N1/N2が0.2より小さい場合、電池パック100の航続距離が比較的悪く、その原因は、支え面fが比較的小さい場合、支え部材11aに支えられる電池セル20の数が比較的少なく、収容キャビティsの空間利用率が比較的低く、電池パック100のエネルギー密度が比較的低いため、電池パック100の航続距離が比較的短くなり、試験結果が比較的悪い。N1/N2の比が0.2以上に達する時(特にN1/N2が0.5以上に達する時)、比が大きいほど、電池パック100の航続距離が良くなり、その原因は、支え面fが大きいほど、支え部材11aに支えられる電池セル20の数が多くなり、収容キャビティsの空間利用率が高くなり、電池パック100のエネルギー密度が高くなるため、電池パック100の航続距離がますます高くなり、試験構造がますます良くなる。支え部材11aが
図13に示す平板構造である場合、この時の支え面fの正投影面積N1は、支え部材11aの正投影面積N2と等しく、電池パック100の航続効果が最も高い。
【0163】
いくつかの実施例では、鉛直方向では、支え面fの正投影は、矩形を呈する。
【0164】
図15に示すように、矩形を呈する支え面fは、第一の支え辺f1、第二の支え辺f2、第三の支え辺f3及び第四の支え辺f4によって囲まれて画定される領域である。電池パック100では、複数の電池セル20の多くは、組み立てられて矩形構造を形成し、支え面fを矩形に構成し、電池で形成された全体構造に適応することができ、収容キャビティs内により多くの電池セル20を配置することに寄与し、電池パック100のエネルギー密度を向上させる。
【0165】
無論、他の実施例では、鉛直方向では、支え面fの正投影は、他の形状を呈してもよく、例えば円形、多角形、楕円形及び他の異形であってもよい。
【0166】
いくつかの実施例では、
図14を参照すると、支え部材11aは、支え部11a1及び接続部11a2を有し、接続部11a2は、囲んで支え部11a1のエッジに接続され、支え部11a1は、収容キャビティsを画定するために用いられ、接続部11a2は、筐体10の支え部材11a以外の部分に接続される。
【0167】
支え部11a1は、収容キャビティsを画定するために用いられ、接続部11a2は、筐体10の支え部材11a以外の部分に接続されるために用いられ、収容キャビティsの画定に関与しない。支え部11a1は、板状、ブロック状部材であってもよく、平板状、曲板状の部材であってもよく、具体的に限定しない。
図14から分かるように、接続部11a2が支え部11a1のエッジに囲まれることとは、接続部11a2が支え部11a1のエッジに沿って連続して設けられて首尾が密閉して接続される構造を呈することである。理解できるように、鉛直方向における投影では、接続部11a2は、一定の幅を有し、このように筐体10の支え部材11a以外の他の構造と適切な接触面積を有することができ、接続部11a2と筐体10の支え部材11a以外の他の構造との取り付け接続を実現することをさらに容易にする。
【0168】
支え部11a1と接続部11a2とは、一体成形されてもよい。支え部材11aが金属材質(例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼など)である場合、支え部11a1と接続部11a2は、ダイカスト、鍛造、熱間プレス、冷間プレスなどの方式を用いて一体成形されてもよい。支え部材11aがプラスチック材質(例えばPP、PE、ABSなど)である場合、支え部11a1と接続部11a2とは、射出成形を用いて一体成形されてもよい。支え部11a1と接続部11a2とは、単独で成形してから一体に接続されてもよい。支え部11a1と接続部11a2が金属材質である場合、支え部11a1と接続部11a2とは、一体に溶接、接着されてもよい。支え部11a1と接続部11a2がプラスチック材質である場合、支え部11a1と接続部11a2を一体に接着されてもよい。無論、支え部11a1と接続部11a2とは、係止、リベット打ちなどの他の方式によって一体に固定接続されてもよい。
【0169】
具体的には、接続部11a2は、本体11の支え部材11a以外の部分に接続され、接続方式は、一体成形であっても固定接続であってもよい。接続部11a2が本体11の支え部材11a以外の部分と一体成形される場合、つまり、本体11は、一体成形品であり、ダイカスト、鍛造、熱間プレス、冷間プレス、射出成形などの方式によって一体成形されてもよい。接続部11a2が本体11の支え部材11a以外の部分に固定接続される場合、締結具13を介して締結接続、係合構造の係止接続などの方式で固定接続されてもよく、具体的に限定しない。
【0170】
支え部11a1と接続部11a2とは、同一平面内に位置してもよい。具体的に選択的に、支え部11a1と接続部11a2とは、いずれも底蓋12に面する二つの表面が同一平面内に位置し、及び/又は支え部11a1と接続部11a2は、いずれも底蓋12に背向する二つの表面が同一平面に位置する。支え部11a1と接続部11a2がいずれも底蓋12に面する二つの表面及びいずれも底蓋12に背向する二つの表面がいずれもそれぞれ同一平面に位置する場合、支え部11a1と接続部11a2とは、平板状の支え部材11a(
図13に示す)を形成することができる。
【0171】
支え部11a1と接続部11a2とは、同一平面内に位置しなくてもよい。具体的には、支え部11a1は、接続部11a2に対して収容キャビティsから離反して突出し、又は支え部11a1は、接続部11a2に対して収容キャビティsに向かって凹み、具体的に限定しない。支え部11a1と接続部11a2の厚さは、等しくてもよく、等しくなくてもよく、具体的に限定しない。
【0172】
この時、支え部材11aは、支え部11a1を介して収容キャビティsを画定し、且つ接続部11a2を介して本体11と支え部材11a以外の構造との接続を実現し、構造が明確である。
【0173】
理解できるように、支え部材11aが上記支え部11a1及び上記接続部11a2を含む場合、電池セル20は、支え部11a1に設置される。
【0174】
理解できるように、支え部材11aが上記支え部11a1及び上記接続部11a2を含む場合、支え部11a1の収容キャビティsに面する内面構造は、支え面fを形成する。
【0175】
いくつかの実施例では、支え部11a1は、接続部11a2より収容キャビティsから離反する方向に沿って突設される。
【0176】
上記から分かるように、支え部11a1は、収容キャビティsを画定し、支え部11a1が収容キャビティsから離反して突出することとは、支え部11a1と接続部11a2が鉛直方向にずらして配置されることである。支え部11a1は、支え部材11aの最も高い箇所に位置する。この時、支え部11a1と接続部11a2との間は、収容キャビティsの一部となる一定の空間を形成でき、この空間は、電池セル20を収容できる。
【0177】
支え部11a1が接続部11a2より収容キャビティsから離反して突出する場合、支え部11a1は、支え部材11aの補強構造とすることができ、支え部材11aの耐屈曲性を向上させる。
【0178】
いくつかの実施例では、支え部11a1と接続部11a2の厚さが等しい。
【0179】
支え部11a1と接続部11a2の厚さが等しい場合、支え部11a1と接続部11a2とは、同一の板材を介してダイカスト、冷間プレス、熱間プレスによって一体成形されてもよく、支え部材11aの成形は、より容易になる。同時に、支え部11a1と接続部11a2の厚さが等しく、成形時に各箇所の応力が均等であり、支え部材11aの成形率を向上させることができる。
【0180】
いくつかの実施例では、支え部11a1の収容キャビティsから離反する外面は、支え面fと平行である。
【0181】
支え部11a1の収容キャビティsから離反するの外面は、支え面fと鉛直方向に沿って背中合わせに設置される。支え部11a1の外面は、大気環境に接触可能である。電池パック100が車両1000に取り付けられる場合、外面が平面を呈する支え部11a1は、車両1000の走行抵抗を低減させ、車両1000の走行エネルギー消費を低減させ、電池パック100の航続能力を向上させることができる。
【0182】
いくつかの実施例では、
図3、
図4及び
図9を参照すると、本体11は、フレーム11b及び支え部材11aを含み、フレーム11bは、囲んで鉛直方向における両端に貫通して設置されるキャビティqを形成し、底蓋12及び支え部材11aは、それぞれキャビティqの鉛直方向における背中合わせの両端に被せ、底蓋12、フレーム11b及び支え部材11aは、共に囲んで収容キャビティsを形成する。
【0183】
フレーム11b自体は、囲んで鉛直方向における両端に貫通するキャビティqを形成し、支え部材11aは、キャビティqの頂部に被せ、底蓋12は、キャビティqの底部に被せ、つまり、支え部材11aは、筐体10の頂部に位置し且つ収容キャビティsを画定するために用いられ、底蓋12は、筐体10の底部に位置し且つ収容キャビティsを画定するために用いられる。フレーム11b、支え部材11a及び底蓋12の三者が囲んで収容キャビティsを形成する。フレーム11b、支え部材11a及び底蓋12は、同じ材料で製造されてもよく、例えばアルミニウム合金、銅合金、鋼材、プラスチックなどである。無論、フレーム11b、支え部材11a及び底蓋12は、異なる材料で製造されてもよく、具体的に限定しない。鉛直方向における正投影では、フレーム11bは、矩形、円形、多角形などを呈してもよく、具体的に限定しない。
【0184】
支え部材11aが上記支え部11a1及び接続部11a2を含む場合、支え部材11aは、接続部11a2を介してフレーム11bに接続される。底蓋12が上記蓋部12aと上記取付部12bとを含む場合、底蓋12は、取付部12bを介してフレーム11bに接続される。
【0185】
この時、フレーム11bを基礎とし、且つ支え部材11a及び底蓋12をそれぞれフレーム11bの鉛直方向の両端に接続した後に電池パック100の収容キャビティsを形成することができ、筐体10の構造が比較的シンプルである。
【0186】
いくつかの実施例では、支え部材11aは、フレーム11bに固定接続されるか又は一体成形される。支え部材11aとフレーム11bは、射出成形、ダイカスト、鍛造、冷間プレス、熱間プレスなどの方式を用いて一体成形されてもよい。支え部材11aとフレーム11bは、締結具13の締結、係合構造の係止、溶接、接着、ホットメルト接続などによって固定接続を実現することができる。
【0187】
支え部材11aとフレーム11bが一体成形され、本体11が一体成形される場合、本体11は、底蓋12に接続されるだけで筐体10の組み立てを実現でき、筐体10の組み立てが容易である。支え部材11aがフレーム11bに固定接続される場合、支え部材11aとフレーム11bの成形プロセスが比較的容易であり、筐体10のプロセスコストを低減させることができる。
【0188】
理解できるように、支え部材11aが支え部11a1及び接続部11a2を有する場合、接続部11a2によってフレーム11bに接続される。底蓋12が蓋部12aと取付部12bとを有する場合、取付部12bによってフレーム11bと接続される。
【0189】
図16は、
図4に示す電池パック100の正面図である。
図16及び
図12を参照すると、いくつかの実施例では、鉛直方向では、電池セル20の高さHcと電池パック100の高さHpは、0.02≦Hc/Hp≦0.98を満たす。
【0190】
電池セル20の高さHcとは、本体11と底蓋12とが鉛直方向に沿って配置される時の、電池セル20の鉛直方向における最大長さを指す。
図12に記載の電池セル20を例として、電池セル20の第一の外面m1は、電極端子21aが位置する外面と背中合わせに設置される場合、電池セル20の最大長さとは、電極端子21aと第一の外面m1との間の距離を指す。無論、電池セル20の第一の外面m1が電極端子21aが位置する外面と隣接する場合、電池セル20の高さHcとは、電池セル20の第一の外面m1からそれと背中合わせに設置される外面までの距離を指す。
【0191】
電池パック100の高さHpとは、本体11と底蓋12とが鉛直方向に沿って配置される時の、電池パック100の鉛直方向における最大長さを指す。
【0192】
具体的には、電池セル20の高さHcと電池パック100の高さHpとの比は、0.02、0.03、0.05、0.08、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、0.98であってもよい。
【0193】
【0194】
表5は、GB 38031-2020『電気自動車用動力蓄電池安全要求』の基準に従って試験した、複数組の電池セル20の高さHcと電池パック100の高さHpとの比が電池パック100の安全性に与える影響を示す。表5から分かるように、Hc/Hpが0.98を超えると、筐体10の構造が占める電池パック100の高さが小さく、筐体10の強度が要求を満たすことができず、発火・爆発の安全事故が発生する。0.02≦Hc/Hpである場合、筐体10の構造強度は、要求を満たすことができ、発火及び爆発の状況が発生しない。Hc/Hpが0.2より小さい場合、筐体10の構造強度は、要求を満たすことができるが、電池パック100の空間利用率が低く、エネルギー密度が低すぎる。
【0195】
さらに、0.5≦Hc/Hp<0.94であり、電池パック100の強度が要求を満たすだけでなく、発火・爆発の安全事故が発生しないだけでなく、且つ電池パック100の空間利用率が比較的高く、電池パック100のエネルギー密度が比較的高い。
【0196】
本出願のいくつかの実施例によれば、電池パック100は、筐体10及び電池セル20を含み、筐体10は、囲んで収容キャビティsを形成し、電池セル20は、収容キャビティs内に収容され、ここで、筐体10は、支え部材11aを含み、電池セル20は、支え部材11aの表面に設置され、支え部材11aの最小厚さHと電池パック100の重量Mは、0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgを満たす。この時、支え部材11aは、電池セル20の重量を支えるために用いられ、支え部材11aの厚さHと電池パック100の重量Mが0.0002mm/kg<H/M≦0.2mm/kgという条件を満たす場合、電池パック100の構造強度が高く、発火・爆発の問題が発生せず、同時に電池パック100のエネルギー密度が高く、電池パック100の航続能力がより高い。
【0197】
他方では、本出願はさらに、電力消費装置を提供する。この電力消費装置は、上記いずれかの実施例による電池パック100を含み、電池パック100は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる。電力消費装置についての紹介は、上記記述における記載を参照でき、ここでこれ以上説明しない。
【0198】
この電力消費装置は、上記電池パック100を含むため、それは、上記実施例における全ての有益な効果を有し、ここでこれ以上説明しない。
【0199】
図17は、本出願のいくつかの実施例における電池パック100が車体200に適用される概略図である。
図18は、
図17に示す構造の第一の分解状態図である。
図19は、
図17に示す構造の第二の分解状態図である。
【0200】
いくつかの実施例では、
図17から
図19を参照すると、電力消費装置は、車両1000を含み、電池パック100は、車両1000の車体200の底部に設置される。車両1000についての紹介は、上記記述における記載を参照でき、ここでこれ以上説明しない。
【0201】
車両1000の車体200とは、車両1000が人を乗せて荷物を積むための部分を指し、運転キャビン、乗員キャビン、エンジンキャビン、荷物キャビンなどを含む。車体200は、一般的に車体200のケース22及び車体200のケース22に設けられたドア、窓、ガーニッシュ、シート、空気調節装置などを含む。車体200のケース22は、一般的に車両1000の縦梁、横梁、シャーシ及び支柱などの主な耐力素子及びそれらに繋がる板金部材で構成される構造を指す。本出願の実施例では、電池パック100が車体200の底部に設置されることとは、主に電池パック100が車体200のケース22の底部に設置されることである。
【0202】
この時、電池パック100を車体200の底部に設置することで、車体200内部の空間を占有することがなく、車体200の体積及び重量の低減に寄与する。
【0203】
図20は、本出願のいくつかの実施例における電池パック100と車体200の取り付け関係の概略図である。いくつかの実施例では、
図20を参照すると、本体11は、筐体10の頂部に位置する支え部材11aを含み、支え部材11aは、収容キャビティsを画定するために用いられ、鉛直方向では、支え部材11aと車体200との距離Lは、L≧0を満たす。
【0204】
電池パック100は、車体200の底部に位置し、支え部材11aは、筐体10の頂部に位置するため、電池パック100において支え部材11aは、車体200との距離が最も近い。支え部材11aと車体200との距離Lとは、鉛直方向において、支え部材11aの最も高い箇所と自体の上方に位置する車体200との距離を指す。支え部材11aが上記支え部11a1及び上記接続部11a2を含む場合、支え部材11aと車体200との距離Lは、支え部11a1の収容キャビティsから離反する外面とその上方に位置する車体200との間の距離である。
【0205】
支え部材11aと車体200との距離Lが0に等しい場合、支え部材11aは、車体200に貼り合わせ、支え部材11aと車体200との距離Lが0より大きい場合、支え部材11aは、車体200から離間し且つ貼り合わせない。理解できるように、この時、底蓋12は、支え部材11aの底部に位置し、底蓋12と車体200との距離gは、0より大きい。
【0206】
電池パック100が車体200の下方に設置される場合、電池パック100の底部から車体200までの距離内の範囲は、電池パック100が占有する取り付け空間である。支え部材11aと車体200との間に間隔がある場合、電池パック100と車体200との間に一定の無駄な空間が存在し、支え部材11aを車体200と貼り合わせると、電池パック100と車体200との間に存在する無駄な空間を電池パック100の空間範囲内に画定することができ、このように車体200の下方が同じ空間を占有する場合、電池パック100と車体200を貼り合わせることで電池パック100の体積を向上させることができ、さらに電池パック100の電気量及びエネルギー密度を増加させることができる。
【0207】
この時、支え部材11aと車体200との距離Lがゼロに等しい場合、電池パック100は、より大きな電気量及び比較的高いエネルギー密度を有することができ、車両1000の航続能力が高い。支え部材11aと車体200との距離Lがゼロより大きい場合、支え部材11aの取り付けは、より柔軟である。
【0208】
いくつかの実施例では、
図17から
図19を参照すると、本体11は、筐体10の頂部に位置する支え部材11aを含み、支え部材11aは、収容キャビティsを画定するために用いられ、電池パック100は、支え部材11aを介して車体200に取り付けられる。
【0209】
電池パック100は、車体200の底部に位置し、支え部材11aは、筐体10の頂部に位置するため、電池パック100において支え部材11aは、車体200との距離が最も近く、電池パック100は、支え部材11aを介して車体200に取り付けられ、具体的に支え部材11aは、締結具13(例えばネジ、ボルト、リベットなど)、溶接などの方式によって車体200に固定されてもよい。
【0210】
電池セル20が支え部材11aに設置される場合、電池セル20と支え部材11aで形成される構造は、車体200に接続され、電池パック100の頂部強度を向上させ、さらに電池パック100の取り付け強度を向上させることができる。
【0211】
いくつかの実施例では、支え部材11aは、車体200のシャーシの少なくとも一部を形成するように構成される。
【0212】
シャーシは、車体200の一部として、伝動系、走行系、ステアリング系及びブレーキ系の四つの部分で構成される組み合わせであり、車両1000のエンジン及びその各部材、アセンブリを支持し、取り付けるために用いられ、車両1000の全体造形を形成し、エンジンの動力を受け、正常な走行を保証する。
【0213】
シャーシは、車体200の底部に位置し、支え部材11aは、直接シャーシの少なくとも一部とする。即ち、支え部材11aは、車体200のシャーシの少なくとも一部を形成するために用いられる。このように、支え部材11aと車体200のシャーシを一体に統合し、このように従来のシャーシと電池パック100との間の隙間が占有する空間を電池パック100内に分けて電池パック100の空間を向上させることができ、このように電池パック100のエネルギーを向上させることに寄与し、さらに車両1000の航続能力を向上させることができる。
【0214】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図17から
図19を参照すると、電力消費装置は、車両1000を含み、車両1000の車体200の底部に電池パック100が設置される。電池パック100は、筐体10及び電池セル20を含み、筐体10は、その頂部に位置する支え部材11aを含み、電池セル20は、筐体10内に位置し且つ支え部材11aに吊り下げられ、且つ電池セル20の電極端子21aは、電池セル20の支え部材11aから離反する外面に位置し、支え部材11aは、車両1000のシャーシの少なくとも一部を形成する。
【0215】
この時、電池セル20は、支え部材11aに吊り下げられ、支え部材11aの強度を向上させ、さらに電池セル20の頂部の強度を向上させることができ、支え部材11aをシャーシとする時に一定の受力要求に達することができる。同時に、電池セル20の電極端子21aは、支え部材11aから離反し、電池セル20を支え部材11aに直接取り付けることができ、電池セル20と支え部材11aとの間の隙間を省き、且つ節約された隙間を電池セル20の取り付け空間を増加させるために用いられ、電池パック100のエネルギーを向上させ、さらに車両1000の航続能力を向上させることができる。
【0216】
以上の前記実施例の各技術的特徴は、いずれか組み合わせを行うことができ、記述を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを記述せず、しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載の範囲と見なすべきである。
【0217】
以上の前記実施例は、本出願のいくつかの実施の形態のみを示し、その記述は、より具体的で詳細であるが、それによって特許請求の範囲を限定するものと理解すべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の構想から逸脱しない前提で、さらにいくつかの変形及び改良を行うことができ、これらは、いずれも本出願の保護範囲に属する。そのため、本出願特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【符号の説明】
【0218】
1000、車両、100、電池パック、200、車体、10、筐体、11、本体、11a、支え部材、11a1、支え部、11a2、接続部、11b、フレーム、12、底蓋、12a、蓋部、12b、取付部、12c、固定孔、13、締結具、s、収容キャビティ、q、キャビティ、f、支え面、f1、第一の支え辺、f2、第二の支え辺、f3、第三の支え辺、f4、第四の支え辺、d、特徴面、d1、第一の特徴辺、d2、第二の特徴辺、d3、第三の特徴辺、d4、第四の特徴辺、20、電池セル、21、端蓋、21a、電極端子、22、ケース、23、電極アセンブリ、m1、第一の外面、m2、第二の外面、m3、第三の外面。
【国際調査報告】