(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20241219BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20241219BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G01R31/00
H01M50/569
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534688
(86)(22)【出願日】2023-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 KR2023013531
(87)【国際公開番号】W WO2024080570
(87)【国際公開日】2024-04-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0129776
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンジュン
【テーマコード(参考)】
2G036
5H030
5H043
【Fターム(参考)】
2G036BA35
2G036BB08
2G036CA09
5H030AS06
5H030FF42
5H043AA05
5H043HA35
(57)【要約】
本発明は、複数のスロットを備えたケースと、スロットに装着される少なくとも一つ以上の電流センシングモジュールを連結するためのセンサーコネクタを備えたセンサーボードと、BMSとの通信および制御手段を備えたメインボードと、を含むことを特徴とする統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つ以上の電流センシングモジュールと、
複数のスロットを備えたケースと、
前記スロットに装着される少なくとも一つ以上のセンサーボードと、
通信および制御手段を備えたメインボードと、を含み、
前記センサーボードは、前記電流センシングモジュールを連結するためのセンサーコネクタを備えている、統合型電流センシング装置。
【請求項2】
前記センサーボードは、前記電流センシングモジュールから測定された信号を前記メインボードに伝達する、
請求項1に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項3】
前記メインボードは、前記センサーボードから受信される前記測定された信号を取り合わせて診断するメイン制御部と、BMSとの通信のための信号伝送部と、を含む、
請求項2に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項4】
前記電流センシングモジュールは連結端子を備え、前記センサーボードの前記センサーコネクタに連結される、
請求項1に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項5】
前記電流センシングモジュールは、ホール(Hall)タイプ、フラックスゲート(Flux gate)タイプまたはシャント(Shunt)タイプの電流センサーである、
請求項1に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項6】
前記センサーボードは、前記電流センシングモジュールのタイプ別に異なるように構成される、
請求項5に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項7】
前記ケースは、連結溝を含む上部カバーと、BMSとの通信のための外部連結部と、をさらに含む、
請求項1に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項8】
前記センサーコネクタは、前記電流センシングモジュールとの連結のために前記連結溝から突出する、
請求項7に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項9】
前記センサーボードおよび電流センシングモジュールは、BMSとの通信手段を除く、
請求項1に記載の統合型電流センシング装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の統合型電流センシング装置を使用して電流を測定する方法であって、
少なくとも一つ以上の電流センシングモジュールから測定された電流量をセンサーボードが受信する第1段階と、
前記センサーボードが測定された電流量をデジタルに変換してメインボードに伝達する第2段階と、
前記メインボードが受信された電流値を予め保存された臨界値と比較して異常有無を診断する第3段階と、
異常電流値と診断される場合、BMSに通知し、アラームを発生する第4段階と、を含む、電流を測定する方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の統合型電流センシング装置を含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年10月11日付け韓国特許出願第10-2022-0129776号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックに関し、詳しくは少なくとも一つ以上の電流センサーモジュールを連結するセンサーボードと、BMSと通信する手段および電流センシングモジュールを制御する手段を備えたメインボードとを含む統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会で必要不可欠に使用されている各種の電子機器のエネルギー源として使用されている二次電池は、モバイル機器の使用量の増加および複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。使用者の需要を満たすために、小型機器には多数の電池セルを配置しているが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結する電池モジュールまたはこのような電池モジュールを多数備えた電池パックが使用される。
【0004】
このような二次電池を用いるバッテリーパックは、電流を測定するための電流センサーを備えている。電流センサーは、バッテリーパックの充放電経路に流れる電流を測定してバッテリーパックの状態をモニタリングし、バッテリーパックに流れる過電流などを感知する。
【0005】
そして、電流センサーを介して測定された電流はBMS(Battery Management System)に伝送されることで、SOC(State Of Charge)を計算する情報として活用されるかまたは充放電過程が正常になされているかを判断する根拠として活用することができる。
【0006】
しかし、電流センサーは多数のバッテリーモジュールのそれぞれに備えられなければならず、測定された電流量をBMSに個別的に伝送しなければならない。これにより、それぞれの電流センサーはBMSとの通信のための追加回路を備えることになるので、コストが増加する問題点が発生する。
【0007】
また、安全レベルを高めるために、少なくとも二つ以上の電流センサーを配置し、これらの測定値の誤差比較によって診断するかまたは振動や衝撃によって電流センサーに異常が発生して安定的な測定が難しい場合、これを補助する補助センサーによって二重化する必要があるので、多数の電流センサーを隣接して配置する必要がある。
【0008】
特許文献1は、BMSが直接電流センサーを制御することを特徴とし、BMSおよび一つの電流センサーは、電源供給、GND、出力電圧ラインと直接電気的に連結されている。よって、バッテリーパック内に備えられる電流センサーの数が増加するほど、BMSの負荷も一緒に増加することになる問題点が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0077713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような問題点を解決するために、本発明は、電流を測定する最小限の回路のみを備えた複数の電流センサーの連結とBMSとの通信および制御とのための統合ボードを備えた統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するために、本発明による統合型電流センシング装置は、少なくとも一つ以上の電流センシングモジュール(400)と、複数のスロット(110)を備えたケース(100)と、スロット(110)に装着される少なくとも一つ以上のセンサーボード(300)と、通信および制御手段を備えたメインボード(200)と、を含み、前記センサーボード(300)は、前記電流センシングモジュール(400)を連結するためのセンサーコネクタ(310)を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、センサーボード(300)は、前記電流センシングモジュール(400)から測定された信号をメインボード(200)に伝達することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、メインボード(200)は、前記センサーボード(300)から受信される前記測定された信号を取り合わせて診断するメイン制御部(210)と、BMSとの通信のための信号伝送部(220)と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、電流センシングモジュール(400)は連結端子(405)を備え、前記センサーボード(300)の前記センサーコネクタ(310)に連結されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、電流センシングモジュール(400)は、ホール(Hall)タイプ、フラックスゲート(Fluxgate)タイプまたはシャント(Shunt)タイプの電流センサーであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、センサーボード(300)は、前記電流センシングモジュール(400)タイプ別に異なるように構成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、ケース(100)は、連結溝(130)を含む上部カバー(120)と、BMSとの通信のための外部連結部(140)と、をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、センサーコネクタ(310)は、前記電流センシングモジュール(400)との連結のために、前記連結溝(130)から突出することを特徴とする。
【0019】
また、本発明による統合型電流センシング装置において、センサーボード(300)および電流センシングモジュール(400)は、BMSとの通信手段を除くことを特徴とする。
【0020】
また、本発明による統合型電流センシング装置を使用して電流を測定する方法は、少なくとも一つ以上の電流センシングモジュール(400)から測定された電流量をセンサーボード(300)が受信する第1段階と、前記センサーボード(300)が測定された電流量をデジタルに変換してメインボード(200)に伝達する第2段階と、前記メインボード(200)が受信された電流値を予め保存された臨界値と比較して異常有無を診断する第3段階と、異常電流値と診断される場合、BMSに通知し、アラームを発生する第4段階と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上で説明したように、本発明による統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックによれば、電流センサーが共通して備えなければならないBMSとの通信手段および連結コネクタなどを一つに統合することにより、関連した重複部品を最小化して電流センサーの製造コストを節減する利点がある。
【0022】
また、本発明による統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックによれば、それぞれの電流センサーから測定された電流値をBMSに伝送するに先立ち、早期に取り合わせて診断することができるので、BMSの負荷を最小化することができるという利点がある。
【0023】
さらに、本発明による統合型電流センシング装置およびこれを含むバッテリーパックによれば、電流センサーだけでなく、温度センサー、電解液漏液センサーなどのバッテリーパック内部の多様なセンサーを統合してBMSに伝送することにより、通信のためのワイヤ連結を簡素化することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来技術による電流センサーとBMSとの間の連結構成図である。
【
図2】本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置の斜視図である。
【
図3】
図2の統合型電流センシング装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置の内部構成図である。
【
図5】本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置によって電流を測定する例を示す図である。
【
図6】本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置を使用して電流を測定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判定される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0026】
また、図面全般にわたって類似の機能および作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されているというとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むことは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0027】
以下、本発明による統合型電流センシング装置を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は従来技術によるBMS1と通信することができる複数の電流センサー2を示す。このような電線3の電流量を測定する電流センサー2は、電源ライン(VCC、GND)の他にBMSとの通信のための追加のライン(図面符号4参照)と通信回路部品および電流センサーの種類別に電流量を増幅するなどの回路部品を内蔵する必要があるため、費用が増加する問題点が発生する。
【0029】
図2は本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置の斜視図であり、
図3は
図2の分解斜視図である。
【0030】
図2および
図3に示すように、本発明の実施例による統合型電流センシング装置は、メインボード200およびセンサーボード300を含むケース100と、外部でワイヤを介して連結される電流センシングモジュール400と、を含む。
【0031】
まず、ケース100は、各種のボードを固定装着して電気的に互いに連結することができる複数のスロット110と、開閉可能な上部カバー120と、を含む。
【0032】
また、ケース100は別途の外部連結部140を備えることで、電源供給および外部、特にBMSとの通信などのための多様な連結手段を提供する。好ましくは、電源供給およびBMSとの通信のためのワイヤ連結が可能なコネクタであるが、無線通信のためのアンテナをさらに備えることができる。
【0033】
図2および
図3には示していないが、それぞれのスロット110はバスタイプの回路を備えることにより、メインボード200と少なくとも1種以上のセンサーボード300との間に信号の送受信および電源供給が可能であり、必要に応じて拡張が可能である。これは当該技術分野で通常の技術者であれば容易に設計することができるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
上部カバー120は複数の連結溝130を備える。この連結溝130を通してセンサーボード300に備えられた少なくとも一つ以上のセンサーコネクタ310が外部に容易に露出されるようにして、電流センシングモジュール400のワイヤの末端に備えられた連結端子405と容易に締結できるようにする。そして、センサーボード300に備えられたセンサーコネクタ310の位置によって連結溝130の位置は多様に変更可能である。
【0035】
以上で説明したケース100はスロットの位置によって多様な形態になることができる。例えば、既存の汎用パーソナルコンピュータのように、メインボード200はマザーボード(mother board)のように別途のスロットに装着されないこともでき、マザーボード内に備えられたメモリモジュールが装着されるスロットのようにセンサーボード300をドーターボード(daughter board)の形態に連結することができるので、ケース100およびスロット110の形態は限定されず、通常の技術者のレベルで多様に変形可能である。
【0036】
図2および
図3を参照すると、電流センシングモジュール400は、センサーボード300に連結するためのワイヤおよび連結端子405を含む。
【0037】
また、電流センシングモジュール400は、用途および目的によって、非接触式電流センサーおよび接触式電流センサーに区分される。すなわち、電線に流れる電流によってコアで発生する磁界の大きさを測定するホール電流センサー、電流の周辺で発生する磁界をMI(magneto Impedance)素子を用いてホール効果によって電圧に変換して測定するフラックスゲート(flux gate)電流センサー、およびシャント抵抗(shunt resister)による電圧降下を電流に変換する抵抗を検出する直接連結方式のシャント電流センサーに区分される。
【0038】
これらの電流センシングモジュール400を連結するためのセンサーボード300は、電流センシングモジュール400の種類に関係なくいずれにも連結可能であるが、好ましくはホール電流センサー、フラックスゲート電流センサーおよびシャント電流センサーに区分して別途のセンサーボード300を備えることができる。したがって、一種の電流センサーを複数備えるセンサーボード300の回路部を単純化することができる。
【0039】
また、電流センシングモジュール400に連結されているワイヤの数およびコネクタ405、310は多様に構成できるので、
図2および
図3に示すものに限定されず、多様な変形が可能である。
【0040】
以下、
図4および
図5を参照して、電流センシングモジュール400、センサーボード300およびメインボード200の詳細機能および構成について詳細に説明する。
【0041】
図4は本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置の内部構成図である。
【0042】
図4を参照すると、統合型電流センシング装置10のケース100の内部には、メインボード200と各種電流センシングモジュール400とを連結するセンサーコネクタ310を備えた、少なくとも一つ以上のセンサーボード300を含んでいる。
【0043】
PCB基板から製造されるセンサーボード300およびメインボード200は、連結バス230に連結され得る。しかし、バスの形態ではなく、一つのセンサーボード300およびメインボード200をPCB上の回路パターンを介して直接的に連結することができる。これは通常の技術者レベルで容易に設計することができるので、センサーボード300とメインボード200との間の連結構造は限定されない。
【0044】
また、センサーボード300は電流センシングモジュール400のタイプによって異なるように構成され、少なくとも一つ以上の電流センシングモジュール400を連結することができる。
【0045】
通常のホール電流センサーは、電流が流れる電線が通過する磁性体コアによって集束された磁場の変化に比例する電流(または電圧)を発生させるホール素子を備え、ホール素子から出力されるアナログ電流値をデジタル電流データに変換して出力するA/D変換を実行し、これにより変換出力されるデジタル電流データを生成した後、予め設定されたデータ値と比較演算し、その結果値をBMSに伝送する。
【0046】
図4において、ホール電流センサー410は、ホール素子から出力されるアナログ電流値をセンサーボード300に伝達する機能のみを果たすことができる。また、センサーボード300は、アナログ電流値をデジタル電流データに変換出力するA/D変換、およびこれにより変換出力されるデジタル電流値を生成する役割を担当する。
【0047】
一方、シャント電流センサー420はバッテリーのプラス(+)端と負荷との間に配置され、連結されたシャント抵抗を介して電圧を降下し、降下した電圧信号によってシャント抵抗の両端で測定された電圧の差を算出した後、算出された電圧差を用いて電流を算出する。ここで、シャント抵抗の抵抗値およびシャント抵抗の両端にかかる電圧の差からオームの法則を用いて電流を算出する。これは公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0048】
ただし、このようなシャント電流センサーは、電圧信号降下および電流測定手段によって測定された電流に基づいてMCUでバッテリー状態を予測する演算を実施する素子を含む一つの回路で構成され、また、演算結果をBMSに伝送する伝送手段も単一のセンサー内に含まなければならない。
【0049】
これを解決するために、
図4のシャント電流センサー420は、シャント抵抗の両端で測定された電圧のみを測定してセンサーボード300に伝送し、センサーボード300は電圧降下および電流測定手段を備え、演算およびBMS伝送回路はメインボード200に備えられるので、少なくとも二つ以上の電流センサーの場合に回路部品の重複を防止することができる。
【0050】
図4を参照すると、メインボード200は、メイン制御部210および信号伝送部220を含み、
図4には示されていないが、このためのMCU(Micro Controller Unit)を含み、別途の電源供給およびセンサーボード300と連結するための連結手段を備えることができる。
【0051】
メイン制御部210は、センサーボード300を介して所定の時間間隔で周期的に電流センサーによって電流を測定するように制御するか、またはセンサーボード300から伝送される電流の測定値を予め保存された臨界値と比較して、電流に異常がないかまたは電流センサーが誤動作するかなどを判断することができるので、BMSの機能の一部を代わることができる。
【0052】
また、信号伝送部220は、メイン制御部210からBMSにデータを伝達する通信回路およびプロトコルを含む。
【0053】
図5は本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置によって電流を測定する例を示す図である。
【0054】
図5を参照すると、電流センシングモジュール400は、ホール電流センサー410と、シャント電流センサー420とに区分され、それぞれ互いに異なるセンサーボード300にワイヤ415、425を介して連結され得る。
【0055】
また、並列に連結された電流ラインLのそれぞれの電流を、ホール電流センサー410およびシャント電流センサー420で同時に測定することができ、これらの電流測定の誤差を、BMSではないメインボード200のメイン制御部210で比較して短絡や漏洩などをすぐ診断することができ、正常の電流値を有する状態であれば別にBMSに通知する必要がなく、また、BMSの制御なしにメインボード200で自ら測定することができる。
【0056】
本発明の好適な変形実施例では、センサーボード300は電流センシングモジュール400だけでなく、温度センサー、電圧センサー、湿度センサーなどのバッテリーパック内部の各種のセンサーとの連結のためのインターフェースをさらに備え、これらのそれぞれのセンサーによってセンシングされた測定値を、追加としてメインボード200に伝達することができ、メインボード200はそれぞれのセンサーに適した制御および診断機能とBMSとの連結手段を提供することができる。
【0057】
図6は本発明の好適な実施例による統合型電流センシング装置を使用して電流を測定する手順を示すフローチャートである。
【0058】
好適な実施例による統合型電流センシング装置を使用して電流を測定する方法は、少なくとも一つ以上の電流センシングモジュール400から測定された電流量をセンサーボード300が受信する第1段階と、センサーボード300が測定された電流量をデジタルに変換してメインボード200に伝達する第2段階と、メインボード200が受信された電流値を予め保存された臨界値と比較して異常有無を診断する第3段階と、異常電流値と診断される場合、BMSに通知し、アラームを発生する第4段階と、を含むことができる。
【0059】
具体的には、第1段階は、少なくとも一つ以上の電流センシングモジュール400のホール素子やシャント抵抗から出力されるアナログ電流値をセンサーボード300が受信する段階であり、第2段階は、センサーボード300がアナログ電流値をデジタル電流データに変換出力するA/D変換を実施し、これにより変換出力されるデジタル電流値を生成してメインボード200に伝達する段階である。
【0060】
第3段階は、メインボード200がセンサーボード300から伝達された電流値の異常有無を診断する段階であり、測定された電流値と予め保存された当該電流センシングモジュール400の電流値の臨界値とを比較し、臨界値範囲を超える場合、異常状態と判定する診断機能を果たす。ここで、異常状態と診断されると、BMSに通知し、アラームを発生する第4段階を実施し、正常状態であると、第1段階を繰り返し実施することができる。
【0061】
また、メインボード200は、予め設定された周期で反復的に電流センシングモジュール400を動作させることができるが、必要に応じて、選択的にBMSの制御信号に応じて電流センシングモジュール400を動作させることもできる。
【0062】
これまで、本発明について具体的な実施例を参照して説明した。しかし、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0063】
10 統合型電流センシング装置
100 ケース
110 スロット
120 上部カバー
130 連結溝
140 外部連結部
200 メインボード
210 メイン制御部
220 信号伝送部
230 連結バス
300 センサーボード
310 センサーコネクタ
400 電流センシングモジュール
405 連結端子
410 ホール電流センサー
415、425 ワイヤ
420 シャント電流センサー
L 電流ライン
【国際調査報告】