(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】関節運動回転切削器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61B17/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535184
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 US2021064168
(87)【国際公開番号】W WO2023113827
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524221374
【氏名又は名称】ジョイント・プリザベーション・イノベーションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】バティア,サンジーブ
(72)【発明者】
【氏名】ミレット,ピーター・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】オリコ,ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL04
(57)【要約】
回転切削器具は、近位端および遠位端を有する細長いハウジングを含み、細長いハウジングは、第1の軸の周りに円周方向に延在する。ドライブシャフトは、細長いハウジング内に配設され、近位端と遠位端との間に延在し、第1の軸の周りに回転可能である。切削ビットハウジングは、細長いハウジングの遠位端に結合され、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で関節運動軸の周りにドライブシャフトに対して回転可能である。回転切削ビットは、切削ビットハウジングおよびドライブシャフトに結合され、切削ビットハウジングと共に関節運動軸の周りに回転可能であり、回転切削ビットおよびドライブシャフトは、等速ジョイントを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転切削器具であって、
近位端および遠位端を有する細長いハウジングであって、第1の軸の周りに円周方向に延在する、細長いハウジングと、
前記細長いハウジング内に配設され、前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記第1の軸の周りに回転可能なドライブシャフトと、
前記細長いハウジングの前記遠位端に結合され、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で関節運動軸の周りに前記ドライブシャフトに対して回転可能な切削ビットハウジングと、
多面ボールを含む回転切削ビットであって、前記切削ビットハウジングおよび前記ドライブシャフトに結合され、前記切削ビットハウジングと共に前記関節運動軸の周りに回転可能であり、前記回転切削ビットの前記多面ボールおよびドライブシャフトは、等速ジョイントを形成する、回転切削ビットとを備える、回転切削器具。
【請求項2】
前記細長いハウジングの前記近位端に結合され、前記回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、前記非関節運動位置と前記1つまたは複数の関節運動位置との間で前記細長いハウジングに対して選択的に回転させるように構成されるコントローラアセンブリをさらに備える、請求項1に記載の回転切削器具。
【請求項3】
前記細長いハウジングと前記ドライブシャフトとの間に配設され、前記切削ビットハウジング内の溝に係合するように構成される係合部材を含む関節運動シャフトをさらに備え、
前記コントローラアセンブリは、前記関節運動シャフトに結合され、前記関節運動シャフトを、前記細長いハウジングに対して並進させるように構成され、
前記細長いハウジングに対する前記関節運動シャフトの並進は、前記回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、関節運動軸の周りに前記細長いハウジングに対して回転させる、請求項2に記載の回転切削器具。
【請求項4】
前記コントローラアセンブリは、第1のトリガーおよび第2のトリガーを含み、前記第2のトリガーは、前記関節運動シャフトを、前記細長いハウジングに対して並進させるように構成され、前記第1のトリガーは、前記細長いハウジングに対して前記関節運動シャフトの位置を解放可能にロックするように構成される、請求項3に記載の回転切削器具。
【請求項5】
前記第1のトリガーは、前記第2のトリガーの段付き構造に当接するように構成されるアームを含み、それにより、少なくとも1つの方向への前記第2のトリガーの回転は、前記第1のトリガーの前記アームによって防止される、請求項4に記載の回転切削器具。
【請求項6】
前記段付き構造は、それぞれが前記1つまたは複数の関節運動位置の異なる関節運動位置に対応する1つまたは複数の段付き表面を含む、請求項5に記載の回転切削器具。
【請求項7】
前記関節運動シャフトおよび係合部材は、前記関節運動シャフトおよび係合部材と一体形成された細長いアームによって互いに結合され、前記関節運動シャフト、係合部材、および細長いアームは、全体的に剛性のある材料を含む、請求項3に記載の回転切削器具。
【請求項8】
前記ドライブシャフトは、前記回転切削ビットの前記多面ボールを受け取るように構成される回転ソケットを含み、前記多面ボールおよび回転ソケットは前記等速ジョイントを形成する、請求項1に記載の回転切削器具。
【請求項9】
前記回転ソケットは、前記ドライブシャフトに回転可能に固定され、それにより、前記第1の軸の周りの前記ドライブシャフトの回転は、前記回転ソケットを、前記第1の軸の周りに回転させ、
前記回転ソケットは、前記多面ボールを受け取るための受け取りエリアを画定し、
前記受け取りエリアは、全体的に六角形の形状を有し、前記多面ボールは六角ボールである、請求項8に記載の回転切削器具。
【請求項10】
前記回転ソケットは、前記回転ソケットの周りに円周方向に延在する溝を含み、前記細長いハウジングは、2つの締結具を受け取るように構成され、それにより、前記2つの締結具は、前記溝内に少なくとも部分的に受け取られて、前記第1の軸の周りの前記回転ソケットの並進を防止する、請求項8に記載の回転切削器具。
【請求項11】
前記細長いハウジングの前記遠位端に結合された接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記関節運動軸を回転可能に画定し、前記切削ビットハウジングを前記細長いハウジングに接続する、請求項1に記載の回転切削器具。
【請求項12】
前記切削ビットハウジングは、前記接続部材に対してスナップフィット式である、請求項11に記載の回転切削器具。
【請求項13】
前記回転切削ビットは、前記回転切削ビットの中心シャフトの周りに円周方向に延在する溝を含み、前記溝は、前記回転切削ビットが、意図される切削軸に対して並進することを防止するために締結具を受け取るように構成される、請求項1に記載の回転切削器具。
【請求項14】
関節鏡回転切削器具であって、
近位端および遠位端を有する細長いハウジングであって、第1の軸の周りに円周方向に延在する、細長いハウジングと、
前記細長いハウジング内に配設され、前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記第1の軸の周りに回転可能なドライブシャフトと、
前記細長いハウジングの前記遠位端に結合され、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で関節運動軸の周りに前記ドライブシャフトに対して回転可能な切削ビットハウジングと、
多面ボールを含む回転切削ビットであって、前記切削ビットハウジングおよび前記ドライブシャフトに結合され、前記切削ビットハウジングと共に前記関節運動軸の周りに回転可能であり、前記回転切削ビットの前記多面ボールおよびドライブシャフトは、等速ジョイントを形成する、回転切削ビットと、
前記細長いハウジングの前記近位端に結合され、前記回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、前記非関節運動位置と前記1つまたは複数の関節運動位置との間で前記細長いハウジングに対して選択的に回転させるように構成されるコントローラアセンブリと、
前記細長いハウジングと前記ドライブシャフトとの間に配設され、前記切削ビットハウジング内の溝に係合するように構成される係合部材を含む関節運動シャフトとを備え、
前記コントローラアセンブリは、前記関節運動シャフトに結合され、前記関節運動シャフトを、前記細長いハウジングに対して並進させるように構成され、
前記細長いハウジングに対する前記関節運動シャフトの並進は、前記回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、関節運動軸の周りに前記細長いハウジングに対して回転させる、関節鏡回転切削器具。
【請求項15】
前記コントローラアセンブリは、第1のトリガーおよび第2のトリガーを含み、前記第2のトリガーは、前記関節運動シャフトを、前記細長いハウジングに対して並進させるように構成され、前記第1のトリガーは、前記細長いハウジングに対して前記関節運動シャフトの位置を解放可能にロックするように構成される、請求項14に記載の関節鏡回転切削器具。
【請求項16】
前記第1のトリガーは、前記第2のトリガーの段付き構造に当接するように構成されるアームを含み、それにより、少なくとも1つの方向への前記第2のトリガーの回転は、前記第1のトリガーの前記アームによって防止される、請求項15に記載の関節鏡回転切削器具。
【請求項17】
前記段付き構造は、それぞれが前記1つまたは複数の関節運動位置の異なる関節運動位置に対応する1つまたは複数の段付き表面を含む、請求項16に記載の関節鏡回転切削器具。
【請求項18】
前記ドライブシャフトは、前記回転切削ビットの前記多面ボールを受け取るように構成される回転ソケットを含み、前記多面ボールおよび回転ソケットは前記等速ジョイントを形成する、請求項14に記載の関節回転切削器具。
【請求項19】
前記回転ソケットは、前記ドライブシャフトに回転可能に固定され、それにより、前記第1の軸の周りの前記ドライブシャフトの回転は、前記回転ソケットを、前記第1の軸の周りに回転させ、
前記回転ソケットは、前記多面ボールを受け取るための受け取りエリアを画定し、
前記受け取りエリアは、全体的に六角形の形状を有し、前記多面ボールは六角ボールである、請求項18に記載の関節回転切削器具。
【請求項20】
前記回転ソケットは、前記回転ソケットの周りに円周方向に延在する溝を含み、前記細長いハウジングは、2つの締結具を受け取るように構成され、それにより、前記2つの締結具は、前記溝内に少なくとも部分的に受け取られて、前記第1の軸の周りの前記回転ソケットの並進を防止する、請求項18に記載の関節回転切削器具。
【請求項21】
前記細長いハウジングの前記遠位端に結合された接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記関節運動軸を回転可能に画定し、前記切削ビットハウジングを前記細長いハウジングに接続する、請求項14に記載の関節回転切削器具。
【請求項22】
回転切削ビットであって、
切削ヘッドと、
前記切削ヘッドに結合された中心シャフトであって、前記中心シャフトの周りに円周方向に延在する溝を画定する、中心シャフトと、
前記切削ヘッドと反対の前記中心シャフトに結合された多面ボールであって、1つまたは複数の面付き表面を含み、前記1つまたは複数の面付き表面は、軸方向に全体的に湾曲し、前記軸方向に垂直に切り取られた各断面の外縁に沿って全体的に平坦である、多面ボールと、を備える、回転切削ビット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本発明は、一般に、手術切削器具に関し、より詳細には、関節運動可能なヘッドを有する手術回転切削器具に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]骨棘は、人間の関節、脊柱、および頭蓋骨において典型的に発症し、頻繁に、衝突または神経圧迫からの痛みの原因である可能性がある。棘は、関節運動の喪失、および罹患関節または隣接組織の退行性摩耗を引き起こす可能性がある。手術介入が必要とされる状況において、これらの骨棘は、関節鏡または内視鏡の直接観察の下で、固定位置で真っ直ぐであるかまたは傾斜することができる関節鏡または観血的手術バリなどの、従来の回転切削器具を使用して典型的に除去される。上記バリの固定位置は、従来の手術バリの届く範囲をしばしば制限する。したがって、これらのタイプのバリを使用して、骨棘を、関節鏡的に、内視鏡的に、観血的に、またはロボット制御で、特に、到達するのが難しいエリアから、狭い空間において、またはカニューレを通して作業するときに、除去することは、しばしば、難しいかまたはほぼ不可能である。さらに、骨棘が存在する骨の湾曲は、従来の関節鏡または観血的手術バリを用いるとそれらの固定位置のせいで、手術中に骨棘に達することを難しくまたはさらに不可能にする。
【0003】
[0004]従来の関節鏡または観血的手術バリは、しばしば、低い安定性を有する、急速に摩耗または劣化する、かつ/または使用中に過剰の振動およびノイズを生成し、それは、限定はしないが、関節鏡視下手術、内視鏡脊椎手術、観血的手術、およびロボット手術応用などの手術処置中に、それらの使用に悪影響を及ぼす。関節鏡バリは、切削または穿孔ヘッドを含み、切削または穿孔ヘッドを軸の周りに回転させ、それにより、切削または穿孔ヘッドが骨棘をそり取るまたは除去することを可能にするために、回転可能に駆動されるように設計される。切削または穿孔ヘッドの回転速度は、関節鏡バリが上記骨棘を効果的にそり取るまたは除去する能力に直接影響を及ぼす。したがって、関節鏡視下手術中に、手術の安全性および効果を確実にするために、特定の回転速度または回転速度の特定の範囲が所望され得る。従来の関節鏡バリにおいて、穿孔ヘッドの回転速度は、穿孔ヘッドが関節運動すると悪影響を及ぼされ、それにより、上記バリの使用は、所望の回転速度において制限される。さらに、関節鏡バリのサイズは、解剖学的制約により、および、最小侵襲性手術におけるそれらの使用により比較的小さい。したがって、上記バリの構成要素を製造する困難さは、それらの比較的小さいサイズによって増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005]したがって、関節鏡視下手術、内視鏡手術、観血的手術、およびロボット手術において使用するための回転切削または穿孔器具であって、関節運動するときに、一定の所望の回転速度で確実に動作することができる関節運動可能な切削または穿孔ヘッドを有する、回転切削または穿孔器具の必要性が当技術分野に存在する。さらに、高い安定性も有し、急速に劣化または摩耗せず、過剰の振動および/またはノイズを生成せず、容易に製造され得る、回転切削または穿孔器具の必要性が当技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]一実施形態において、近位端および遠位端を有する細長いハウジングを含む回転切削器具が存在し、細長いハウジングは、第1の軸の周りに円周方向に延在する。回転切削器具は、細長いハウジング内に配設され、近位端と遠位端との間に延在し、第1の軸の周りに回転可能なドライブシャフトをさらに含む。回転切削器具は、細長いハウジングの遠位端に結合され、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で関節運動軸の周りにドライブシャフトに対して回転可能な切削ビットハウジングをさらに含む。回転切削器具は、多面ボールを含む回転切削ビットであって、切削ビットハウジングおよびドライブシャフトに結合され、切削ビットハウジングと共に関節運動軸の周りに回転可能であり、回転切削ビットの前記多面ボールおよびドライブシャフトは、等速ジョイントを形成する、回転切削ビットをさらに含む。
【0006】
[0007]幾つかの実施形態において、回転切削器具は、細長いハウジングの近位端に結合され、回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で細長いハウジングに対して選択的に回転させるように構成されるコントローラアセンブリをさらに含む。幾つかの実施形態において、回転切削器具は、細長いハウジングとドライブシャフトとの間に配設され、切削ビットハウジング内の溝に係合するように構成される係合部材を含む関節運動シャフトをさらに含む。コントローラアセンブリは、関節運動シャフトに結合され、関節運動シャフトを、細長いハウジングに対して並進させるように構成され得、細長いハウジングに対する関節運動シャフトの並進は、回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、関節運動軸の周りに細長いハウジングに対して回転させることができる。
【0007】
[0008]幾つかの実施形態において、コントローラアセンブリは、第1のトリガーおよび第2のトリガーを含み、第2のトリガーは、関節運動シャフトを、細長いハウジングに対して並進させるように構成され、第1のトリガーは、細長いハウジングに対して関節運動シャフトの位置を解放可能にロックするように構成される。幾つかの実施形態において、第1のトリガーは、第2のトリガーの段付き構造に当接するように構成されるアームを含み、それにより、少なくとも1つの方向への第2のトリガーの回転は、第1のトリガーのアームによって防止される。幾つかの実施形態において、段付き構造は、それぞれが1つまたは複数の関節運動位置の異なる関節運動位置に対応する1つまたは複数の段付き表面を含む。幾つかの実施形態において、関節運動シャフトおよび係合部材は、関節運動シャフトおよび係合部材と一体形成された細長いアームによって互いに結合され、関節運動シャフト、係合部材、および細長いアームは、全体的に剛性のある材料を含む。
【0008】
[0009]幾つかの実施形態において、ドライブシャフトは、回転切削ビットの多面ボールを受け取るように構成される回転ソケットを含み、多面ボールおよび回転ソケットは等速ジョイントを形成する。幾つかの実施形態において、回転ソケットは、ドライブシャフトに回転可能に固定され、それにより、第1の軸の周りのドライブシャフトの回転は、回転ソケットを、第1の軸の周りに回転させ、回転ソケットは、多面ボールを受け取るための受け取りエリアを画定し、受け取りエリアは、全体的に六角形の形状を有し、多面ボールは六角ボールである。幾つかの実施形態において、回転ソケットは、回転ソケットの周りに円周方向に延在する溝を含み、細長いハウジングは、2つの締結具を受け取るように構成され、それにより、2つの締結具は、溝内に少なくとも部分的に受け取られて、第1の軸の周りの回転ソケットの並進を防止する。
【0009】
[0010]幾つかの実施形態において、回転切削器具は、細長いハウジングの遠位端に結合された接続部材をさらに含み、接続部材は、関節運動軸を回転可能に画定し、切削ビットハウジングを細長いハウジングに接続する。幾つかの実施形態において、切削ビットハウジングは、接続部材に対してスナップフィット式である。幾つかの実施形態において、回転切削ビットは、回転切削ビットの中心シャフトの周りに円周方向に延在する溝を含み、溝は、回転切削ビットが、意図される切削軸に対して並進することを防止するために締結具を受け取るように構成される
【0010】
[0011]別の実施形態において、近位端および遠位端を有する細長いハウジングであって、第1の軸の周りに円周方向に延在する、細長いハウジングと、細長いハウジング内に配設され、近位端と遠位端との間に延在し、第1の軸の周りに回転可能なドライブシャフトとを含む関節鏡回転切削器具が存在する。関節鏡回転切削器具は、細長いハウジングの遠位端に結合され、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で関節運動軸の周りにドライブシャフトに対して回転可能な切削ビットハウジングと、多面ボールを含む回転切削ビットであって、切削ビットハウジングおよびドライブシャフトに結合され、切削ビットハウジングと共に関節運動軸の周りに回転可能であり、回転切削ビットの多面ボールおよびドライブシャフトは、等速ジョイントを形成する、回転切削ビットとをさらに含む。関節鏡回転切削器具は、細長いハウジングの近位端に結合され、回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、非関節運動位置と1つまたは複数の関節運動位置との間で細長いハウジングに対して選択的に回転させるように構成されるコントローラアセンブリと、細長いハウジングとドライブシャフトとの間に配設され、切削ビットハウジング内の溝に係合するように構成される係合部材を含む関節運動シャフトとをさらに含む。コントローラアセンブリは、関節運動シャフトに結合され、関節運動シャフトを、細長いハウジングに対して並進させるように構成され、細長いハウジングに対する関節運動シャフトの並進は、回転切削ビットおよび切削ビットハウジングを、関節運動軸の周りに細長いハウジングに対して回転させる。
【0011】
[0012]幾つかの実施形態において、コントローラアセンブリは、第1のトリガーおよび第2のトリガーを含み、第2のトリガーは、関節運動シャフトを、細長いハウジングに対して並進させるように構成され、第1のトリガーは、細長いハウジングに対して関節運動シャフトの位置を解放可能にロックするように構成される。幾つかの実施形態において、第1のトリガーは、第2のトリガーの段付き構造に当接するように構成されるアームを含み、それにより、少なくとも1つの方向への第2のトリガーの回転は、第1のトリガーのアームによって防止される。幾つかの実施形態において、段付き構造は、それぞれが1つまたは複数の関節運動位置の異なる関節運動位置に対応する1つまたは複数の段付き表面を含む。幾つかの実施形態において、ドライブシャフトは、回転切削ビットの多面ボールを受け取るように構成される回転ソケットを含み、多面ボールおよび回転ソケットは等速ジョイントを形成する。
【0012】
[0013]幾つかの実施形態において、回転ソケットは、ドライブシャフトに回転可能に固定され、それにより、第1の軸の周りのドライブシャフトの回転は、回転ソケットを、第1の軸の周りに回転させ、回転ソケットは、多面ボールを受け取るための受け取りエリアを画定し、受け取りエリアは、全体的に六角形の形状を有し、多面ボールは六角ボールである。幾つかの実施形態において、回転ソケットは、回転ソケットの周りに円周方向に延在する溝を含み、細長いハウジングは、2つの締結具を受け取るように構成され、それにより、2つの締結具は、溝内に少なくとも部分的に受け取られて、第1の軸の周りの回転ソケットの並進を防止する。幾つかの実施形態において、関節鏡回転切削器具は、細長いハウジングの遠位端に結合された接続部材をさらに含み、接続部材は、関節運動軸を回転可能に画定し、切削ビットハウジングを細長いハウジングに接続する。
【0013】
[0014]別の実施形態において、切削ヘッドと、切削ヘッドに結合された中心シャフトであって、中心シャフトの周りに円周方向に延在する溝を画定する、中心シャフトと、切削ヘッドと反対の中心シャフトに結合された多面ボールであって、1つまたは複数の面付き表面を含み、1つまたは複数の面付き表面は、軸方向に全体的に湾曲し、軸方向に垂直に切り取られた各断面の外縁に沿って全体的に平坦である、多面ボールとを含む回転切削ビットが存在する。
【0014】
[0015]上記要約ならびに関節運動回転切削器具の実施形態の以下の詳細な説明は、例示的な実施形態の添付図面と併せて読まれるとよりよく理解される。しかしながら、本発明が、示す厳密な配置構成および手段に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0016]
【
図1】[0017]本開示の例示的な実施形態による関節運動回転切削器具の斜視図である。
【
図2】[0018]
図1に示す関節運動回転切削器具の遠位端の部分分解図である。
【
図3A】[0019]
図1の回転切削ビットの側面斜視図である。
【
図3B】[0020]
図1の回転切削ビットの多面ボールの拡大側立面図である。
【
図3C】[0021]
図1の回転切削ビットの後立面図である。
【
図4】[0022]
図1の関節運動回転切削器具の遠位端の拡大斜視図であり、回転切削ビットは関節運動位置にある。
【
図5】[0023]回転切削ビットは非関節運動位置にある
図1の関節運動回転切削器具の遠位端の拡大斜視図である。
【
図6】[0024]
図1の関節運動回転切削器具の遠位端の拡大底部斜視図である。
【
図7A】[0025]細長いハウジングが除去され、関節運動ヘッドアセンブリが非関節運動位置にある状態の
図1の関節運動回転切削器具の遠位端の拡大側立面図である。
【
図7B】[0026]細長いハウジングが除去され、関節運動ヘッドアセンブリが関節運動位置にある状態の
図1の関節運動回転切削器具の遠位端の拡大側立面図である。
【
図8】[0027]
図1の関節運動回転切削器具のコントローラアセンブリおよび近位端の部分分解図である。
【
図9】[0028]コントローラハウジングの半分が省略された状態で示された
図1のコントローラアセンブリの斜視図である。
【
図10】[0029]
図1のコントローラアセンブリの第2のトリガーの斜視図である。
【
図11】[0030]
図1の関節運動回転切削器具の側面断面立面図である。
【
図12】[0031]
図1の関節運動回転切削器具に結合され得る別の回転切削ビットの斜視図である。
【
図13】[0032]
図1の関節運動回転切削器具の遠位端の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0033]同様の参照数字が全体を通して同様の要素を示す図面を詳細に参照すると、
図1~13において、本発明の例示的な実施形態による、全体的に100で指定される関節運動回転切削器具が示される。
【0017】
[0034]
図1を参照すると、関節運動回転切削器具100は、細長いハウジング102、関節運動ヘッドアセンブリ104、およびコントローラアセンブリ106を含むことができる。関節運動ヘッドアセンブリ104は、以下でより詳細に論じるように、関節運動回転切削器具100が1つまたは複数の所望の角度で切除する(例えば、穿孔する、そり取る、または切削する)ことを可能にするために関節運動可能である切削および/または穿孔手段(例えば、回転切削ビット112)を含むことができる。コントローラアセンブリ106は、以下でより詳細に論じるように、関節運動位置と非関節運動位置との間で関節運動ヘッドアセンブリ104の関節運動を選択的に制御するように構成され得る。幾つかの実施形態において、関節運動回転切削器具100は、関節鏡処置で使用されるように構成される関節鏡関節運動回転器具とすることができる。例えば、関節運動回転切削器具100は、身体からの骨棘の除去を含む関節鏡処置で使用されるように構成され得る。関節運動ヘッドアセンブリ104は、身体から上記骨棘を効果的に切削する、穿孔する、またはそり取るように構成され得る。幾つかの実施形態において、関節運動回転切削器具100は、ロボット手術環境で使用されるように構成され得る。例えば、関節運動回転切削器具100は、関節鏡視下手術を実施するためにロボットデバイスによって使用されるように構成され得る。
【0018】
[0035]関節運動ヘッドアセンブリ104および/またはコントローラアセンブリ106は、細長いハウジング102に結合され得る。例えば、コントローラアセンブリ106および関節運動ヘッドアセンブリ104はそれぞれ、細長いハウジング102に異なる位置で結合され得る。コントローラアセンブリ106は、細長いハウジング102の近位端108に結合され得る。関節運動ヘッドアセンブリ104は、近位端108と反対の、細長いハウジング102の遠位端110に結合され得る。細長いハウジング102は、第1の軸Aに沿って延在することができる。幾つかの実施形態において、細長いハウジング102は、第1の軸Aの周りに円周方向に延在し、それにより、細長いハウジング102は、全体的に円形の断面形状を有する。細長いハウジング102は、以下でより詳細に論じるように、1つまたは複数の構成要素が細長いハウジング102内に配置され得るように中空とすることができる。幾つかの実施形態において、細長いハウジング102は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、細長いハウジング102は、ステンレス鋼(例えば、316ステンレス鋼)を含む。
【0019】
[0036]関節運動ヘッドアセンブリ104は、回転切削ビット112を含むことができ、回転切削ビット112は、所望の回転速度で切削軸Cの周りで回転すると、所望の表面(例えば、組織、骨、または軟骨)を切除するように構成される。回転切削ビット112は、切除するための1つまたは複数の表面(例えば、フルート)を画定する切削ヘッド123を含むことができる。幾つかの実施形態において、切削ヘッド123は、回転切削ビット112と一体形成される。単一のタイプの切削ヘッド123が図に示されるが、任意のタイプの切削ヘッド123(例えば、異なるフルートパターンを有する切削ヘッド)が使用され得ることが理解されるであろう。例えば、
図12に示すように、回転切削ビット212が存在し、回転切削ビット212は、2重カットバリパターン(double cut burr pattern)を有する切削ヘッド223を含むことを除いて、回転切削ビット112と全体的に同じである。回転切削ビット212は、回転切削ビット112と交換可能であることができ、回転切削ビット112と全体的に同じ方法で機能することができる。幾つかの実施形態において、回転切削ビット112は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、回転切削ビット112は、炭化物および炭素鋼の組み合わせを含む。再び
図1参照すると、関節運動ヘッドアセンブリ104は、回転切削ビット112を少なくとも部分的にカバーする切削ビットハウジング114を含むことができる。切削ビットハウジング114は、回転切削ビット112の所定の部分が、望ましくない表面に接触することが防止されるように、および/または使用中にデブリを妨害するように、回転切削ビット112に対するガードまたは鞘として働くことができる。回転切削ビット112および/または切削ビットハウジング114は、それぞれが関節運動軸の周りに回転するように細長いハウジング102に回転可能に結合され得る。例えば、回転切削ビット112および/または切削ビットハウジング114は、1つまたは複数の関節運動位置と非関節運動位置との間で関節運動軸Bの周りに関節運動することができる。関節運動ヘッドアセンブリ104の関節運動は、関節運動軸Bの周りの回転切削ビット112の回転を指すことができる。幾つかの実施形態において、切削ビットハウジング114は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、切削ビットハウジング114は、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK:polyetheretherketone」)を含む。他の実施形態において、切削ビットハウジング114は、ステンレス鋼を含む。
【0020】
[0037]幾つかの実施形態において、回転切削ビット112および切削ビットハウジング114は、関節運動軸Bの周りの回転に関して互いにしっかりと結合される。例えば、回転切削ビット112および切削ビットハウジング114は、或る方向への関節運動軸Bの周りの切削ビットハウジング114の回転が、回転切削ビット112を同じ方向に関節運動軸Bの周りに回転させるように結合され得る。幾つかの実施形態において、回転切削ビット112は、切削軸Cの周りの回転に関して、切削ビットハウジング114に回転可能に結合される。例えば、回転切削ビット112は、切削軸Cの周りに回転し、一方、切削ビットハウジング114は、切削軸Cに対して固定されたままである。こうして、関節運動ヘッドアセンブリ104は、異なる位置の間で関節運動軸Bの周りに回転され得、回転切削ビット112は、切削および/または穿孔のために切削軸Cの周りに回転され得る。
【0021】
[0038]
図1~2を参照すると、関節運動回転切削器具100は、切削軸Cの周りに回転切削ビット112を回転させるように構成されるドライブシャフト116を含むことができる。ドライブシャフト116は、第1の軸Aに沿って延在し、細長いハウジング102内に少なくとも部分的に配置され得る。例えば、ドライブシャフト116の一部分は、
図1に示すように、第1の軸Aに沿って細長いハウジング102の近位端108から外方に延在する。ドライブシャフト116の残りの部分は、第1の軸Aに沿って細長いハウジング102の近位端108から遠位端110まで延在する。
図2に示されるものは、細長いハウジング102の遠位端110および関節運動ヘッドアセンブリ104の部分分解図であり、組み立てられると、ドライブシャフト116が、細長いハウジング102の遠位端110を超えて延在することがない場合があることが理解されるであろう。ドライブシャフト116は、第1の軸Aの周りに円周方向に延在し、ドライブシャフト116が細長いハウジング102内に配置されることを可能にするために細長いハウジング102より小さい直径を有することができる。幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116は、ステンレス鋼(例えば、304ステンレス鋼)を含む。
【0022】
[0039]ドライブシャフト116は、回転運動を外部ドライブ手段(例えば、モーター)から回転切削ビット112に移すように構成され得、それにより、回転切削ビット112は、切削軸Cの周りに回転可能に駆動される。幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116は、第1の軸Aの周りに回転可能であり、それにより、第1の軸Aの周りのドライブシャフト116の回転は、回転切削ビット112を切削軸Cの周りに回転させる。幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116にしっかり結合され、外部ドライブ手段を関節運動回転切削器具100に結合するように構成されるドライブインターフェース109が存在する。ドライブインターフェース109は、ドライブシャフト116に回転可能に固定され得、それにより、ドライブインターフェース109の回転は、ドライブシャフト116を回転させる。こうして、ドライブシャフト116は、回転運動を外部ドライブ手段からドライブインターフェース109を介して回転切削ビット112に移すことができる。幾つかの実施形態において、ドライブインターフェース109は、ドライブシャフト116に着脱可能に結合され得、それにより、異なるドライブインターフェースがドライブシャフト116に結合され得る。幾つかの実施形態において、ドライブインターフェース109は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、ドライブインターフェース109は、合成ポリマー(例えば、Nylon 6/6、Nylon 12)を含む。幾つかの実施形態において、ドライブインターフェース109は、ステンレス鋼を含む。
【0023】
[0040]回転切削ビット112は、回転ソケット118によってドライブシャフト116に回転可能に結合され得る。回転ソケット118は、回転ソケット118がドライブシャフト116と共に回転するように、ドライブシャフト116にしっかりと結合され得る。回転ソケット118は、回転切削ビット112を回転ソケット118に結合するように構成される受け取りエリア120を含むことができる。受け取りエリア120は、回転切削ビット112が受け取りエリア120から係脱することなく関節運動軸Bの周りに回転されることを可能にするために、回転切削ビット112の対応する面付き表面に係合するように構成される1つまたは複数の全体的に平坦な内側表面120iを画定することができる。幾つかの実施形態において、回転切削ビット112は、回転切削ビット112の近位端に配設された多面ボール122を含む。多面ボール122は、受け取りエリア120の内側表面120iに係合するように構成される1つまたは複数の面付き表面を画定する。幾つかの実施形態において、多面ボール122上の面付き表面の数および受け取りエリア120の内側表面120iの数は、互いに対応する。例えば、多面ボール122は、全体的に六角形の断面形状を有する六角ボールとすることができ、受け取りエリア120は、全体的に六角形の形状を形成する6個の内側表面120iを画定することができる。こうして、多面ボール122の1つまたは複数の面付き表面は、受け取りエリア120の内側表面120iに係合することができる。したがって、多面ボール122は、受け取りエリア120内に受け取られると、関節運動軸Bの周りで回転可能でありながら、第1の軸Aおよび/または切削軸Cの周りで回転ソケット118に回転可能に固定される。こうして、多面ボール122は、回転ソケット118によってドライブシャフト116に回転可能に結合され、それにより、ドライブシャフト116の回転は、回転切削ビット112を回転させる。幾つかの実施形態において、回転ソケット118は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、回転ソケット118は、ステンレス鋼(例えば、440ステンレス鋼)を含む。
【0024】
[0041]多面ボール122は、
図3A~3Cを参照してよりよく理解され得る。
図3Bに示すように、多面ボール122は、面付き表面122a~122fを含むことができる。
図3Bにおいて、多面ボール122は、上立面図で示され、多面ボール122の反対面は、全体的に同じ構成である反対側の面付き表面122a~122fと全体的に同じ面を含むことができることが理解されるであろう。幾つかの実施形態において、面付き表面122a~122fは、軸方向Mに湾曲し、軸方向Mに垂直に切り取られた各断面の外縁に沿って全体的に平坦である。例えば、各面付き表面122a~122fは、
図3Bに最もよく示されるように、軸方向に湾曲する。幾つかの実施形態において、各面付き表面122a~122fは、軸Mから各面付き表面122a~122fの外縁まで測定される対応する曲率半径を有することができる。
【0025】
[0042]幾つかの実施形態において、面付き表面122a~122cのそれぞれは、全体的に同じ曲率半径を有することができ、面付き表面122d~122fのそれぞれは、全体的に同じ曲率半径を有することができる。幾つかの実施形態において、面付き表面122a~122cの曲率半径は、面付き表面122d~122fの曲率半径と異なるとすることができる。他の実施形態において、曲率半径は、多面表面122a~122fのそれぞれについて全体的に同じとすることができる。したがって、湾曲した態様の面付き表面122a~122fは、多面ボール122が、受け取りエリア120内に配設され、受け取りエリアの対応する内側表面120iに係合すると、関節運動軸Bの周りに回転することを可能にすることができる。述べたように、面付き表面122a~122fは、
図3Bに最もよく示されるように、軸方向Mに垂直に切り取られた各断面の外縁に沿って全体的に平坦であることができる。したがって、全体的に平坦な態様の面付き表面122a~122fは、受け取りエリア120の内側表面120iに係合することができ、それにより、多面ボール122は、第1の軸Aおよび/または切削軸Cの周りの回転に関して回転ソケット118に回転可能に固定される。幾つかの実施形態において、面付き表面122a~122fは、平滑仕上げを有するように機械加工され得る。幾つかの実施形態において、機械加工中に、面付き表面122a~122fは、過剰の熱の蓄積を低減し、それにより、機械加工中の面付き表面122a~122fの意図しない反りを低減するために潤滑され得る。幾つかの実施形態において、面付き表面122a~122fは、面付き表面122a~122fの潤滑性を増加させるために、或る材料および/または複合材料でコーティングされ得る。
【0026】
[0043]
図3Cおよび4を参照すると、幾つかの実施形態において、多面ボール122は、多面ボール122の2つの反対の側縁に垂直な方向に測定された幅W
1を有する。側縁は、上側多面表面122a~122cおよび下側多面表面が交わる多面ボール122の縁を指すことができる。換言すると、多面ボール122の側縁は、
図3Cに示す六角形形状の外縁を形成する。幾つかの実施形態において、受け取りエリア120は、受け取りエリア120の2つの反対の側部表面に垂直な方向に測定された幅W
2を有する。例えば、幅W
2は、受け取りエリア120の2つの反対の内側表面120i間で測定され得る。幾つかの実施形態において、多面ボール122の幅W
1は、受け取りエリア120の幅W
2に全体的に等しい。幾つかの実施形態において、多面ボール122の幅W
1は、受け取りエリア120の幅W
2よりわずかに小さい。例えば、多面ボール122の幅W
1は、約2.3114mm(0.091インチ)と約2.3368mm(0.092インチ)との間とすることができる。受け取りエリア120の幅W
2は、約2.3622mm(0.093インチ)と約2.4384mm(0.096インチ)との間とすることができる。
【0027】
[0044]
図4を参照すると、幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116および回転切削ビット112は、回転切削ビット112の角度によらず一定回転速度でドライブシャフト116が回転切削ビット112に動力を伝達することができるような等速ジョイントを形成する。換言すれば、ドライブシャフト116の回転速度は、回転切削ビット112の角度によらず、回転切削ビット112の回転速度に全体的に等しいとすることができる。例えば、回転切削ビット112は、切削軸Cが第1の軸Aから角度θでオフセットする関節運動位置にある状態で示される。幾つかの実施形態において、角度θは、約0度と約30度との間とすることができる。ドライブシャフト116は、第1の軸Aの周りに第1の回転速度で回転することができ、それにより、回転ソケット118を、第1の軸の周りに同じ回転速度で回転させる。回転ソケット118が第1の回転速度で回転するにつれて、受け取りエリア120も、同じ速度で回転する。受け取りエリア120の内側表面の多面ボール122との係合は、多面ボール122、したがって、回転切削ビット112を切削軸Cの周りに第2の回転速度で回転させ、第2の回転速度は、第1の回転速度に全体的に等しい。
【0028】
[0045]回転切削ビット112は、
図4において、ドライブシャフト116に対して或るオフセット角度で示されるが、回転切削ビット112の回転速度が、回転切削ビット112およびドライブシャフト116が整列されると、ドライブシャフト116と全体的に同じとすることができることが理解されるであろう。例えば、
図5に示すように、回転切削ビット112は、ドライブシャフト116と整列した状態で(例えば、非関節動作位置に)示される。非関節動作位置において、切削軸Cおよび第1の軸Aは、切削軸Cが、第1の軸Aからオフセットしないように整列され得る。換言すれば、切削軸Cは、第1の軸Aに平行でありかつ第1の軸Aに沿って配置される、または、その逆も同様である。したがって、ドライブシャフト116、回転ソケット118、および回転切削ビット112は、回転切削ビット112が非関節動作位置にあるときに、第1の軸Aおよび/または切削軸Cの周りに、全体的に同じ速度で回転することができる。
【0029】
[0046]ドライブシャフト116と回転切削ビット112との間に(例えば、回転ソケット118および多面ボール122を介して)等速ジョイントを形成することによって、関節運動回転切削器具100は、回転切削ビット112の角度によらず、一貫性のある所望の速度で切削および穿孔することが可能であることができる。例えば、最小侵襲性手術において、関節運動回転切削器具100の安全操作は、回転切削ビット112の最低回転速度が維持されることを必要とする。上記で論じるように等速ジョイントを設けることによって、回転切削ビット112は、回転切削ビット112の角度によらず所望の回転速度でドライブシャフト116によって一貫して回転して駆動され得る。
【0030】
[0047]
図4において、回転切削ビット112が最大30度の角度θにあるときに、回転切削ビット112が一定速度で回転可能に駆動されることを可能にするための、多面ボール122と回転ソケット118との間に形成される単一の等速ジョイントが存在する。しかしながら、1つまたは複数のさらなる等速ジョイント(例えば、全部で2つ以上の等速ジョイント)が直列に設けられ得、それにより、回転切削ビット112が30度より大きい角度θで切削軸Cの周りに回転可能に駆動され得ることが理解されるであろう。例えば、別の回転ソケット(図示せず)が設けられ得、別の回転ソケットは、受け取りエリア120と全体的に同じ受け取りエリア、および、受け取りエリアと対向するさらなる回転ソケットの端部に配置された多面ボール122と全体的に同じ多面ボールを含む。さらなる回転ソケットの多面ボールは、回転ソケット118の受け取りエリア120内に受け取られ得、それにより、第1の等速ジョイントが、回転ソケット118とさらなる回転ソケットとの間に形成される。さらに、回転切削ビット112の多面ボール122は、多面ボール122が回転ソケット118の受け取りエリア120内に受け取られる方法と全体的に同じ方法でさらなる回転ソケットの受け取りエリア内に受け取られて、第2の等速ジョイントを形成することができる。こうして、さらなる回転ソケットは、回転ソケット118に対して回転することができ、回転切削ビット112は、さらなる回転ソケットに対して回転することができ、それにより、関節運動のより大きい角度θが達成され得る。例えば、さらなる等速ジョイントを設けることによって、関節運動ヘッドアセンブリ104は、35度、40度、または45度まで回転される可能性があるとすることができる。
【0031】
[0048]したがって、各等速ジョイントは、回転切削ビット112を選択的に回転させるために直列に使用され得る。上記で論じたように互いに直列に結合される等速ジョイントは、遠位および近位等速ジョイントとして特徴付けられ得、遠位等速ジョイントは、回転切削ビット112と一体形成される多面ボールから形成されるジョイントである。同様に、近位等速ジョイントは、回転ソケット118に直接結合される多面ボールから形成されるジョイントであることになる。近位および遠位等速ジョイントは、第1の軸Aに対して独立に回転され得、それにより、異なる関節運動角度が達成され得る。例えば、近位等速ジョイントは、回転ソケット118に対して回転され得、一方、遠位等速ジョイントは、回転切削ビット112の第1の関節運動角度を達成するために、近位等速ジョイントと整列したままである。したがって、遠位等速ジョイントは、第1の関節運動角度より大きい回転切削ビット112の第2の関節運動角度を達成するために、近位等速ジョイントに対して回転され得る。しかしながら、近位等速ジョイントが回転ソケット118と整列したままである間に、遠位等速ジョイントが、第1の関節運動角度を達成するために、近位等速ジョイントに対して回転され得ることが理解されるであろう。
【0032】
[0049]上記で述べたように、関節運動ヘッドアセンブリ104は、細長いハウジング102に対して選択的に回転されて、ユーザ(例えば、医師、外科医、ロボット手術デバイス)が、切削および/または穿孔が起こる角度を調整可能に選択することを可能にすることができる。再び
図2を参照すると、細長いハウジング102の遠位端110に結合され、関節運動ヘッドアセンブリ104を細長いハウジング102に回転可能に結合するように構成される接続部材124が存在することができる。接続部材124は、細長いハウジング102内に配置されるように構成される主本体126、および、主本体126にしっかり結合され、細長いハウジング102の遠位端110に当接するように構成されるリップ部128を含むことができる。例えば、接続部材124の主本体126は、細長いハウジング102の内側表面の直径より小さい直径を有して、主本体126が細長いハウジング102内に配設されることを可能にすることができる。リップ部128は、細長いハウジング102の遠位端110に当接するように主本体126から突出することができ、それにより、主本体126が細長いハウジング102の近位端108に向かって変位されることを防止する。幾つかの実施形態において、接続部材124は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、接続部材124は、ポリエーテルエーテルケトンを含む。幾つかの実施形態において、接続部材124は、ステンレス鋼を含む。
【0033】
[0050]幾つかの実施形態において、接続部材124は、流体、組織、および/または他のデブリが多面ボール122と回転ソケット118との間に形成された等速ジョイントに接触することを防止するためにシールを作成するように構成される。例えば、接続部材124は、流体、組織、および/または他のデブリが、接続部材124がその内部に配置される細長いハウジング102の遠位端110の開口を通して細長いハウジング102に入ることを防止するように構成され得る。幾つかの実施形態において、回転ソケット118の受け取りエリア120は、流体、組織、および/または他のデブリが、受け取りエリアの内側表面120iに係合した多面ボール122の部分に接触することを防止することもできる。例えば、受け取りエリア120は、多面ボール122の所定の部分を封止し、それにより、流体、組織、および/またはデブリが、多面ボール122のこれらの部分に接触することを防止する。こうして、接続部材124および/または回転ソケット118は、多面ボール122と回転ソケット118との間に形成された等速ジョイントに入る流体、組織、および/またはデブリによって引き起こされ得る回転ソケット118からの回転切削ビット112の意図しない移動または係脱を防止することができる。
【0034】
[0051]
図2をさらに参照すると、幾つかの実施形態において、主本体126は、主本体126を細長いハウジング102にしっかり結合するために1つまたは複数の締結具(例えば、ピン、ネジ、ボルト)を受け取るように構成される。例えば、主本体126は、リップ部128が細長いハウジング102の遠位端110に当接すると、細長いハウジング102内の1つまたは複数の対応するアパーチャ132と整列するように構成される1つまたは複数のアパーチャ130を含むことができる。アパーチャ130および132が整列すると、ピンは、細長いハウジング102内のアパーチャ132のそれぞれを通して挿入され、接続部材124の主本体126上のアパーチャ130を通して延在することができる。例えば、
図13に示すように、アパーチャ132および130は、互いに整列し、それにより、ピンは、アパーチャ132を通して挿入され、アパーチャ130を通して延在して、主本体126を細長いハウジング102にしっかり結合することができる。再び
図2を参照すると、ピンは、挿入されると、アパーチャ130、132の側壁に当接することができ、それにより、細長いハウジング102に対する接続部材124の移動を防止する。こうして、接続部材124は、細長いハウジング102に対して並進方向及び回転方向に固定され得る。示さないが、ピンは、細長いハウジング102から外方に突出しないようにサイズ設定され得るかつ/または形作られ得る。換言すれば、ピンは、アパーチャ130および132内に受け取られると、細長いハウジング102の外側表面と同一平面になるようにサイズ設定され得るかつ/または形作られ得る。幾つかの実施形態において、細長いハウジング102は、細長いハウジング102の遠位端110に隣接し、互いに反対に配置された2つのアパーチャ132を含む。同様に、接続部材124の主本体126は、2つのアパーチャ130を含むことができる。幾つかの実施形態において、アパーチャ130およびアパーチャ132の少なくとも一方のアパーチャは、全体的に円形の断面形状を有することができる、または、細長いスリットとすることができる。
【0035】
[0052]幾つかの実施形態において、回転ソケット118は、細長いハウジング102に対して並進方向に固定され得る。例えば、回転ソケット118は、細長いハウジング102に対して固定されたままであることができ、第1の軸Aの周りに回転され得る。回転ソケット118は、回転ソケット118の周りに円周方向に延在する窪んだ溝119を含むことができる。組み立てられると、窪んだ溝119は、アパーチャ130、132と整列することができ、それにより、接続部材124を細長いハウジング102にしっかり結合するために使用されるピン(複数可)は、窪んだ溝119を通して延在することができる。ピンは、窪んだ溝119内に少なくとも部分的に受け取られ得、それにより、回転ソケット118は、細長いハウジング102に対して並進すること(例えば、第1の軸Aに沿う並進)を防止され得る。例えば、ピンは、細長いハウジング102にしっかり結合され、アパーチャ130、132を通して延在し、窪んだ溝119内に少なくとも部分的に据えられ得る。したがって、回転ソケット118は、ピンからの妨害がほとんどないまたは全くない状態で第1の軸Aの周りに回転することができるが、限定はしないが、第1の軸Aに沿うような方向への並進をピンによって防止される。こうして、回転ソケット118の位置は、回転ソケット118が第1の軸Aの周りに回転するため固定され、それにより、ドライブシャフト116によって駆動されるときの回転切削器具112の意図しない移動または押しやりを防止するまたは少なくとも最小にする。
【0036】
[0053]上記で述べたように、接続部材124は、関節運動ヘッドアセンブリ104を細長いハウジング102に回転可能に結合するように構成され得る。接続部材124は、主本体126と反対の方向にリップ部128から突出する2つのアーム134を含むことができる。アーム134のそれぞれは、切削ビットハウジング114を接続部材124に結合するように構成される突出部136を含むことができる。幾つかの実施形態において、突出部136は、アーム134と一体形成される。突出部136は、関節運動軸Bの周りに円周方向に延在することができ、それにより、切削ビットハウジング114は、突出部136を介して接続部材124に結合されると、関節運動軸Bの周りに回転することができる。例えば、切削ビットハウジング114は、2つのアパーチャ138(切削ビットハウジング114の両側に1つずつのアパーチャ)を含むことができ、2つのアパーチャは、突出部136をアパーチャ内に受け取るように構成される。こうして、切削ビットハウジング114は接続部材124に回転可能に結合され得る。幾つかの実施形態において、アーム134は、切削ビットハウジング114が接続部材124と係合状態になるようスナップフィットされ得るように弾性変形可能とすることができる。例えば、アーム134は、互いに向かって内方に弾性変形することができる。なぜなら、切削ビットハウジング114がアーム134にわたって摺動し、ついには、アパーチャ138が突出部136と整列し、それにより、アーム134がそれらの非変形状態に戻ることを可能にするからである(
図2に示す)。こうして、接続部材124および切削ビットハウジング114の組み立ては、突出部136が着脱可能ピンと置換される場合より容易であり得る。
【0037】
[0054]
図2および6を参照すると、切削ビットハウジング114は、関節運動軸Bの周りに回転切削ビット112を回転させるように構成され得る。切削ビットハウジング114は、回転切削ビット112の少なくとも一部分を受け取るようにサイズ設定されたアパーチャ115を含むことができ、それにより、回転切削ビット112は、切削ビットハウジング114によって、関節運動軸Bの周りに回転することができる。例えば、回転切削ビット112の中心シャフト113は、アパーチャ115を通して延在する。こうして、回転切削ビット112は、回転切削ビット112が切削軸Cの周りに切削ビットハウジング114に対して回転することを可能にしながら、関節運動軸Bの周りの回転に関して切削ビットハウジング114に回転して固定される。幾つかの実施形態において、回転切削ビット112は、切削ビットハウジング114および回転ソケット118から着脱可能であり、それにより、回転切削ビット112は、回転切削ビット112と同様の別の回転切削ビットまたは異なる回転切削ビットと置換され得る。
【0038】
[0055]幾つかの実施形態において、切削ビットハウジング114は、切削ビットハウジング114と一体形成され、回転切削ビット112を少なくとも部分的にカバーするように構成されるシールド111を含む。シールドは、回転切削ビット112の所定の部分が、望ましくない表面に接触することが防止されるように、および/または使用中にデブリを妨害するように、回転切削ビット112に対するガードまたは鞘として働くことができる。幾つかの実施形態において、回転切削ビット112は、中心シャフト113の周りに円周方向に延在し、切削軸Cに沿う回転切削ビット112の意図しない並進を防止するように構成される溝121を含むことができる。例えば、切削ビットハウジング114は、示さない締結具(例えば、ネジ、ボルト、ピン)を受け取るための2つのアパーチャ117を画定する。アパーチャ117は、回転切削ビット112が回転ソケット118に係合し、アパーチャ115を通して延在すると、回転切削ビット112内の溝121と全体的に整列することができる。こうして、締結具は、アパーチャ117を通して延在し、溝121内に少なくとも部分的に配置され得、それにより、締結具は、回転切削ビット112が切削軸Cの周りに回転することを可能にしながら、切削軸Cに沿って並進することを防止する。
【0039】
[0056]再び
図2を参照すると、細長いハウジング102内に配置され、関節運動軸Bの周りに関節運動ヘッドアセンブリ104を選択的に回転させるように構成される関節運動シャフト140が存在することができる。関節運動シャフト140は、主シャフト142、細長いアーム144、および係合部材146を含むことができる。幾つかの実施形態において、主シャフト142、細長いアーム144、および係合部材146は一体形成される。主シャフト142は、ドライブシャフト116と細長いハウジング102との間に配置され得る。幾つかの実施形態において、主シャフト142は、近位端108と遠位端110との間で実質的に細長いハウジング102の長さに沿って延在する。主シャフト142は、第1の軸Aの周りに円周方向に延在することができる。細長いアーム144は、主シャフト142から突出し、係合部材146を主シャフト142に結合することができる。幾つかの実施形態において、細長いアーム144は、細長いアーム144の一部分が接続部材124のリップ部128を通過して延在するように、接続部材124を横切って延在するようにサイズ設定される。接続部材124は、接続部材124の上部表面に沿って配置されたトラック148を画定し、細長いアーム144の少なくとも一部分を受け取るようにサイズ設定され得る。幾つかの実施形態において、関節運動シャフト140は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、関節運動シャフト140は、ステンレス鋼(例えば、316ステンレス鋼)を含む。
【0040】
[0057]幾つかの実施形態において、関節運動シャフト140は、第1の軸Aに平行な方向に細長いハウジング102に対して並進して、関節運動ヘッドアセンブリ104を関節運動軸Bの周りに回転させるように構成される。例えば、係合部材146は、切削ビットハウジング114に係合して、関節運動軸Bの周りに切削ビットハウジング114を選択的に関節運動させるように構成され得る。切削ビットハウジング114は、切削ビットハウジング114の上部表面に沿って配置され、係合部材146を受け取るように構成される溝150を含むことができる。したがって、関節運動シャフト140が、第1の軸Aに平行な方向に並進すると、係合部材146も、同じ方向に並進する。したがって、切削ビットハウジング114内の溝150の係合部材146との係合は、係合部材146が細長いハウジング102に対して並進すると、切削ビットハウジング114を関節運動軸Bの周りに回転させることができる。上記で論じたように、切削ビットハウジング114は、関節運動軸Bの周りに回転に関して回転切削ビット112に回転して固定され得る。こうして、第1の軸Aに全体的に平行な方向への関節運動シャフト140の並進は、回転切削ビット112を関節運動軸Bの周りに回転させることができる。
【0041】
[0058]幾つかの実施形態において、関節運動シャフト140は、回転切削ビット112が使用中である(例えば、切削軸Cの周りに回転可能に駆動される)ときに、回転切削ビット112の意図しない移動を防止するように構成される。例えば、使用時(例えば、最小侵襲性関節鏡視下手術中に)、回転切削ビット112は、患者の身体内に配設され、切削軸Cの周りに回転可能に駆動されて、骨棘を切削またはそり取ることができる。上記使用中に、回転切削ビット112は、ユーザ(例えば、外科医)によって選択された関節運動角度(例えば、
図4に示す)に配設され得、その関節運動角度は、もし回転切削ビット112の角度が意図せず変化する場合、望ましくないおよび/または危険である場合がある。したがって、関節運動シャフト140は、回転切削ビット112の意図しない運動に抗するため、全体的に剛性のある材料(例えば、金属、剛性プラスチック、金属合金)を含むことができる。幾つかの実施形態において、主シャフト142、細長いアーム144、および係合部材146は同じ材料を含む。例えば、主シャフト142、細長いアーム144、および係合部材146は、ステンレス鋼(例えば、316ステンレス鋼)を含むことができる。幾つかの実施形態において、主シャフト142、細長いアーム144、および係合部材146の少なくとも1つは、異なる材料を含む。
【0042】
[0059]関節運動シャフト140の並進および関節運動ヘッドアセンブリ104の対応する回転は、
図7A~7Bを参照してよりよく理解され得る。
図7A~7Bにおいて、非関節運動位置(例えば、
図7Aに示す)および関節運動位置(例えば、
図7Bに示す)の関節運動ヘッドアセンブリ104の側立面図が示される。関節運動シャフト140の並進をよりよく示すために、細長いハウジング102は示されない、しかしながら、細長いハウジング102が、関節運動シャフト140を実質的に閉囲することができ、細長いハウジング102の遠位端110が接続部材124のリップ部128に当接するように配置され得ることが理解されるであろう。
図7Aに示すように、関節運動シャフト140の係合部材146は、切削ビットハウジング114の溝150に係合し、関節運動ヘッドアセンブリ104は、第1の軸Aおよび切削軸Cが全体的に整列するように非関節運動位置にある。
【0043】
[0060]非関節運動位置において、関節運動シャフト140の主シャフト142は、接続部材124から距離d
1にある。関節運動シャフト140は、第1の軸Aに平行な方向に接続部材124に向けて並進され得、それにより、関節運動ヘッドアセンブリ104は、
図7Bに示すように、関節運動位置にある。関節運動位置において、主シャフト142は、接続部材124から距離d
2にあり、距離d
2は距離d
1より短い。
図7Bにおいて、関節運動ヘッドアセンブリ104は、第1の軸Aに対して角度θになるように関節運動する。換言すれば、切削軸Cは、第1の軸Aに対して角度θにあり、その角度は約15度または約30度であることができる。幾つかの実施形態において、角度θは、約0度と約15度との間である。幾つかの実施形態において、角度θは、約15度と約30度との間である。幾つかの実施形態において、角度θは、30度未満である。
【0044】
[0061]幾つかの実施形態において、関節運動ヘッドアセンブリ104の角度θは、コントローラアセンブリ106によって選択的に制御され得る。
図1および8を参照すると、コントローラアセンブリ106は、2つのハウジングセクション152a、152bで形成されるコントローラハウジング152、第1のトリガー154、および第1のトリガー154から離れかつそれと異なる第2のトリガー156を含むことができる。ハウジングセクション152aおよび152bは、細長いハウジング102の近位端108に隣接して細長いハウジング102に結合され得る。幾つかの実施形態において、ハウジングセクション152aおよび152bは、細長いハウジング102に対して固定されるように、細長いハウジング102にしっかり結合される。幾つかの実施形態において、ハウジングセクション152a、152bは、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、ハウジングセクション152a、152bは、合成ポリマー(例えば、Nylon 6/6、Nylon 12)を含む。幾つかの実施形態において、ハウジングセクション152a、152bは、ステンレス鋼を含む。幾つかの実施形態において、第1のトリガー154および/または第2のトリガー156は、金属、金属合金、プラスチック材料、および/または複合材料を含む。幾つかの実施形態において、第1のトリガー154および/または第2のトリガー156は、合成ポリマー(例えば、Nylon 6/6、Nylon 12)を含む。幾つかの実施形態において、第1のトリガー154および/または第2のトリガー156は、ステンレス鋼を含む。
【0045】
[0062]第1のトリガー154および第2のトリガー156は、ハウジングセクション152aおよび152bの少なくとも一方に回転可能に結合され得る。例えば、ハウジングセクション152bは、第1のトリガー154をハウジングセクション152bに回転可能に結合するように構成される第1の突出部158および第2のトリガー156をハウジングセクション152bに回転可能に結合するように構成される第2の突出部160を含むことができる。幾つかの実施形態において、ハウジングセクション152aは、突出部を含むことができ、突出部は、第1および第2の突出部158、160と同様であり、第1および第2の突出部158、160と整列するようにハウジングセクション152a上に配置される。例えば、第1の突出部158は、第1のトリガー軸T1に沿って延在することができ、第2の突出部160は、第2のトリガー軸T2に沿って延在することができ、ハウジングセクション152bから延在する対応する突出部(図示せず)は、それらの同じ軸T1、T2に沿ってそれぞれ延在することができる。第1および第2の突出部158、160は、第1および第2のトリガー154、156のそれぞれをハウジングセクション152bにそれぞれ回転可能に結合するように構成され得る。全体的に同じである突出部を有するハウジングセクション152aが、第1および第2のトリガー154、156をハウジングセクション152aに回転可能に結合するように同様に構成され、簡潔にするために説明されないことになることが理解されるであろう。換言すれば、ハウジングセクション152bに対する第1および第2のトリガー154、156の結合の説明が、ハウジングセクション152aについて、全体的に同じであることが理解されるであろう。
【0046】
[0063]幾つかの実施形態において、第1のトリガー154は、第1の突出部158の少なくとも一部分を受け取るように構成されるアパーチャ162を含むことができ、それにより、第1のトリガー154は、ハウジングセクション152bに結合され、第1のトリガー軸T1の周りに回転可能である。同様に、第2のトリガー156は、第2の突出部160の少なくとも一部分を受け取るように構成されるアパーチャ164を含むことができ、それにより、第2のトリガー156は、ハウジングセクション152bに結合され、第2のトリガー軸T2の周りに回転可能である。第1のトリガー154は、コントローラハウジング152から少なくとも部分的に出て延在するように構成されるユーザ係合可能部分166を含むことができる。例えば、コントローラハウジング152は、ユーザ係合可能部分166がそこを通して延在する、第1の突出部158に隣接する開口168を含むことができる。同様に、第2のトリガー156は、コントローラハウジング152から少なくとも部分的に出て延在するように構成されるユーザ係合可能部分170を含むことができ、コントローラハウジング152は、第2の突出部160に隣接する開口172を含むことができる。したがって、第2のトリガー156のユーザ係合可能部分170は、開口172を通して延在することができる。
【0047】
[0064]こうして、ユーザは、第1および第2のトリガー154、156を、それぞれ第1および第2のトリガー軸T1およびT2の周りに選択的に回転させるために、第1および第2のトリガー154、156のユーザ係合可能部分166、170に力を加えることができる。幾つかの実施形態において、第2のトリガー156の回転は、関節運動ヘッドアセンブリ104を関節運動位置に回転させるように構成され、第1のトリガー154の回転は、関節運動ヘッドアセンブリ104を非関節運動位置に向かって回転させるように構成される。
【0048】
[0065]
図8~9を参照すると、第2のトリガー156は、第2のトリガー軸T
2に全体的に平行でかつそれから離間する軸Dの周りに円周方向に延在する少なくとも1つのドライブアパーチャ174を含むことができる。幾つかの実施形態において、第2のトリガー156は、それぞれが軸Dの周りに円周方向に延在し、それぞれが全体的に同じ直径を有する2つのドライブアパーチャ174を含む。ドライブアパーチャ174はそれぞれ、第2のトリガー156を関節運動シャフト140に結合するために、締結具(例えば、ネジ、ボルト、ピン)を受け取るように構成され得る。例えば、各ドライブアパーチャ174は、第2のトリガー156上に配置され、それにより、第2のトリガー156が第2の突出部160に結合されると、各ドライブアパーチャ174は、関節運動シャフト140を通して延在する対応するシャフトアパーチャ176に整列する。こうして、締結具は、各ドライブアパーチャ174および対応するシャフトアパーチャ176を通して延在することができ、それにより、第2のトリガー156は、関節運動シャフト140に結合される。
【0049】
[0066]幾つかの実施形態において、第2のトリガー軸T
2の周りの第1の方向(例えば、時計回りの方向)への第2のトリガー156の回転は、関節運動ヘッドアセンブリ104(
図7Bに示す)を、関節運動位置に向かって回転させる。例えば、第2のトリガー156が時計回りの方向に回転するため、第2のトリガー156の関節運動シャフト140との係合は、ドライブアパーチャ174および対応するシャフトアパーチャ176を介して、第2のトリガー156を関節運動シャフト140に対して回転させ、それにより、関節運動シャフト140を細長いハウジング102の近位端108から外方に並進させる。したがって、
図2および7Bを参照して論じたように、関節運動シャフト140の関節運動ヘッドアセンブリ104との係合は、関節運動ヘッドアセンブリ104を関節運動位置まで回転させることができる。こうして、第2のトリガー156は、関節運動ヘッドアセンブリ104を、例えば
図7Bに示すように、関節運動位置まで回転させるように構成され得る。
【0050】
[0067]同様に、第2のトリガー軸T
2の周りの第1の方向と反対の第2の方向(例えば、反時計回りの方向)への第2のトリガー156の回転は、関節運動ヘッドアセンブリ104(
図7Aに示す)を、非関節運動位置に向かって回転させることができる。例えば、第2のトリガー156が反時計回りの方向に回転するため、第2のトリガー156の関節運動シャフト140との係合は、ドライブアパーチャ174および対応するシャフトアパーチャ176を介して、第2のトリガー156を関節運動シャフト140に対して回転させ、それにより、関節運動シャフト140を細長いハウジング102の近位端108に向かって並進させる。したがって、
図2および7Bを参照して論じたように、関節運動シャフト140の関節運動ヘッドアセンブリ104との係合は、関節運動ヘッドアセンブリ104を非関節運動位置に向かって回転させることができる。こうして、第2のトリガー156は、関節運動ヘッドアセンブリ104を、例えば
図7Aに示すように、非関節運動位置に向かって回転させるように構成され得る。
【0051】
[0068]
図7Bおよび9~10を参照すると、第2のトリガー156および第1のトリガー154は、関節運動ヘッドアセンブリ104(
図7Bに示す)を1つまたは複数の関節運動位置に解放可能に維持することができる。幾つかの実施形態において、第2のトリガー156は、それぞれが第1のトリガー154のアーム180に係合するように構成される1つまたは複数の段付き表面を画定する段付き構造178を含む。段付き構造178は、それぞれが、関節運動ヘッドアセンブリ104の異なる所定の関節運動位置に対応する2つの段付き表面179a~179bを含む。幾つかの実施形態において、段付き表面179aは、関節運動ヘッドアセンブリ104が第1の軸Aに対して約30度の角度θにある第1の関節運動位置に対応する(参照のために
図7Bを見られたい)。同様に、段付き表面179bは、関節運動ヘッドアセンブリ104が第1の軸Aに対して約15度の角度θにある第2の関節運動位置に対応することができる(参照のために
図7Bを見られたい)。幾つかの実施形態において、第1のトリガー154のアーム180は、関節運動ヘッドアセンブリ104が第1または第2の関節運動位置にあるときに段付き表面179a~179bに係合する。幾つかの実施形態において、アーム180は、関節運動ヘッドアセンブリ104が非関節運動位置にあるときに(例えば、角度θがゼロ度であるときに)段付き構造178の上部平坦表面179cに載る。幾つかの実施形態において、アーム180は、付勢部材182によって段付き構造178との係合状態に向かって付勢される。付勢部材182は、圧縮ばねまたは当業者に知られている任意の他の付勢部材とすることができる。
【0052】
[0069]関節運動ヘッドアセンブリ104が第1または第2の関節運動位置にあるとき、第1のトリガー154のアーム180は、対応する段付き表面179a、179bに当接することができ、それにより、第2のトリガー156は、少なくとも1つの(例えば、時計回りの)方向に第2のトリガー軸T2の周りに回転することを防止される。例えば、アーム180が段付き表面179a、179bの1つの段付き表面に当接するとき、第1のトリガー154は、反時計回りの方向への第2のトリガー156の回転を防止する、または少なくとも回転に抗する。上記で論じたように、第2のトリガー156は、関節運動ヘッドアセンブリ104に結合される関節運動シャフト140に結合され、それにより、第2のトリガー156の回転、関節運動シャフト140の並進、および関節運動ヘッドアセンブリ104の回転はそれぞれ互いに対応する。換言すれば、第2のトリガー156の回転は、関節運動シャフト140の並進を引き起こし、それが、関節運動ヘッドアセンブリ104を回転させる、そして、その逆も同様である。したがって、第1のトリガー154は、アーム180が段付き表面179a、179bの1つの段付き表面に係合するとき、少なくとも1つの(例えば、細長いハウジング102の近位端108に向かう)方向への関節運動シャフト140の並進に抗するまたは並進を防止することができ、それにより、少なくとも1つの方向への関節運動ヘッドアセンブリ104の回転も防止する。こうして、第1のトリガー154は、関節運動軸Bの周りの回転切削ビット112の意図しない回転を防止するまたは少なくとも回転に抗するために、回転切削ビット112が切削または穿孔しているときに関節運動ヘッドアセンブリ104に対してさらなる安定性を提供することができる。
【0053】
[0070]幾つかの実施形態において、第1のトリガー154は、第1のトリガー154のアーム180が第2のトリガー156の段付き構造178に係合している間に、少なくとも1つの(例えば、時計回りの)方向への第2のトリガー156の回転を可能にするように構成されていてもよい。例えば、アーム180が段付き表面179bに当接すると、第2のトリガー156は、時計回りの方向に自由に回転することができ、それにより、アーム180は段付き表面179bと係脱し、段付き表面179aに係合する。こうして、第1のトリガー154は、ユーザが関節運動ヘッドアセンブリ104を第2の関節運動位置から第1の関節運動位置まで自由に回転させることを可能にすることができる。
【0054】
[0071]幾つかの実施形態において、ユーザは、第1のトリガー154を手動で回転させることができ、それにより、関節運動ヘッドアセンブリ104は、非関節運動位置(
図7Aに示す)に向かって自動的に回転される。例えば、ユーザは、第1のトリガー154のユーザ係合可能部分166に力を加えて、第1のトリガー154を、第1のトリガー軸T
1の周りに反時計回りに回転させることができる。こうして、アーム180は、第2のトリガー156の段付き構造178から係脱され得、それにより、第2のトリガー156が反時計回りの方向に回転されることを可能にする。幾つかの実施形態において、第2の付勢部材184が存在し、第2の付勢部材184は、コントローラハウジング152内に配設され、関節運動ヘッドアセンブリ104が非関節運動位置にある第1の位置に向かって第2のトリガー156を付勢するように構成される。したがって、アーム180が段付き構造178に係合しないように、ユーザが第1のトリガー154を反時計回りの方向に手動で回転させると、第2の付勢部材184は、第2のトリガー156を第1の位置まで回転させる。したがって、第2の付勢部材184は、関節運動シャフト140を細長いハウジング102の近位端108に向かって付勢し、それにより、関節運動ヘッドアセンブリ104を非関節運動位置に向かって同様に付勢する。これは、ユーザが、関節運動位置の任意の1つの関節運動位置と非関節運動位置との間で関節運動ヘッドアセンブリ104を選択的に回転させることを可能にすることができる。
【0055】
[0072]幾つかの実施形態において、関節運動回転切削器具100は、ヘッドアセンブリ104の関節運動が必要とされないかつ/または有益でない手術処置において使用されるように構成され得る。換言すれば、特定の手術環境において、関節運動ヘッドアセンブリ104が関節運動軸Bの周りに回転可能でないことを除いて、関節運動回転切削器具100と同様の回転切削器具を設けることが有益である場合がある。例えば、口腔および顎顔面手術処置において、関節運動ヘッドアセンブリ104の関節運動は必要とされない場合があるおよび/または関節運動ヘッドアセンブリ104を固定角度θで設け、それにより、穿孔または切削するときに回転切削ビット112の安定性を上げることが有益である場合がある。関節運動ヘッドアセンブリ104は、非関節運動位置(例えば、角度θが0度である)または任意の関節運動位置(例えば、角度θが0度より大きいかつ/または最大約30度である)でしっかり配向され得る。そのような実施形態において、回転切削ビット112と回転ソケット118との間に形成される等速ジョイントは、上記で説明したのと全体的に同じように機能することができる。換言すれば、切削ビットハウジング114は、所定の角度θで固定されるように、接続部材124にしっかり結合され得る。したがって、回転切削ビット112は、上記で説明したように切削ビットハウジング114に結合され得、回転切削ビット112の多面ボール122は、回転ソケット118の受け取りエリア120内に受け取られ得、それにより、或る回転速度における回転ソケット118の回転は、回転切削ビット112を、全体的に同じ回転速度で回転させる。
【0056】
[0073]幾つかの実施形態において、関節運動回転切削器具100は、振動鋸機構(図示せず)と共に使用されるように構成され得る。例えば、回転切削ビット112は、全体的に切削軸Cに沿って振動する鋸、ブレード、またはやすりによって置換され得る。鋸は、関節運動軸Bの周りに関節運動可能であり、関節運動回転切削器具100は、ドライブシャフト116の回転運動を、切削軸Cに沿う振動する直線運動に変換するように構成される振動機構(図示せず)を含むことができる。幾つかの実施形態において、振動機構は、細長いハウジング102内に配置され、遠位端110に隣接して位置付けされる。他の実施形態において、振動機構は、切削ビットハウジング114内に配置される。
【0057】
[0074]
図2および11を参照すると、関節運動回転切削器具100は、関節運動ヘッドアセンブリ104に隣接して流体を吸引するように構成される流体吸入取り入れ口186を含むことができる。幾つかの実施形態において、ドライブインターフェース109に結合されたドライブ手段は、ドライブシャフト116を駆動し、流体吸入取り入れ口186を通して流体を同時に吸引するためにモーターを含むことができる。例えば、ドライブ手段は、負圧、吸入、および/または吸引を生成するための手段を含むことができる。幾つかの実施形態において、流体吸入取り入れ口186は、細長いハウジング102上に形成され、流体がそこを通過することができる開口として働く。幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116と関節運動シャフト140と接続部材124との間に形成されたチャネル188であって、流体吸入取り入れ口186と流体連通状態にある、チャネル188が存在し、それにより、流体は、流体吸入取り入れ口186を通り、チャネル188を通って流れ得る。幾つかの実施形態において、チャネル188と流体連通状態の流体受け取り手段が存在し、それにより、吸引された流体は、チャネル188および関節運動回転切削器具100から除去され得る。幾つかの実施形態において、ドライブシャフト116を囲む流体シール式パーティション(図示せず)が存在し、それにより、吸引された流体はドライブシャフト116に接触しない。他の実施形態において、ドライブシャフト116は、限定はしないが、溝または突出部などの、流体吸入取り入れ口186を通った流体の吸引を補助する要素を含むことができる。
【0058】
[0075]幾つかの実施形態において、流体吸入取り入れ口186を通して吸引される流体は、
図2を参照して上記で説明したように、接続部材124および/または回転ソケット118の受け取りエリア120によって、回転切削ビット112と回転ソケット118との間に形成された等速ジョイントに接触することを防止され得る。他の実施形態において、関節運動回転切削器具100は、流体吸入取り入れ口186を含まない場合がある。例えば、非関節鏡応用(例えば、ロボット手術応用、内視鏡脊椎手術応用)において、流体の吸引は、必要とされない場合がある。そのような応用において、流体吸入取り入れ口186は含まれない場合があり、それにより、細長いハウジング102は、流体吸入取り入れ口186用の開口を含まない。
【0059】
[0076]幾つかの実施形態において、関節運動回転切削器具100は、コントローラアセンブリ106の遠位端から細長いハウジング102の遠位端110まで測定された長さL
1を有し、細長いハウジング102は直径D
3を有する。幾つかの実施形態において、長さL
1は、約200ミリメートルと約250ミリメートルとの間である。幾つかの実施形態において、長さL
1は、少なくとも200ミリメートルである。幾つかの実施形態において、長さL
1は、250ミリメートル以下である。幾つかの実施形態において、長さL
1は、少なくとも200ミリメートルである。幾つかの実施形態において、長さL
1は、225ミリメートル以下である。幾つかの実施形態において、長さL
1は、約212ミリメートルである。細長いハウジング102の直径D
3は、約5ミリメートルと約10ミリメートルとの間であることができる。幾つかの実施形態において、細長いハウジング102の直径D
3は、5ミリメートルより大きい。幾つかの実施形態において、直径D
3は、約10ミリメートル以下である。幾つかの実施形態において、直径D
3は、約8ミリメートル以下である。幾つかの実施形態において、直径D
3は、約7ミリメートルである。長さL
1および直径D
3が、意図される手術使用に対応することができ、したがって、意図される手術使用に応じて変更され得ることが理解されるであろう。例えば、脊椎手術使用のために構成される
図11に示す関節運動回転切削器具100は、
図11に示すものと異なる長さおよび/または直径を有することができる。
【0060】
[0077]幅広い本発明の概念から逸脱することなく、上記で示され説明された例示的な実施形態に対して変更が行われる可能性があることが当業者によって認識されるであろう。したがって、本発明が、示され説明された例示的な実施形態に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨および範囲内の変更をカバーすることが意図されることが理解される。例えば、例示的な実施形態の特定の特徴は、特許請求される本発明の一部であるかまたは一部でない場合があり、開示される実施形態の種々の特徴は組み合わされ得る。本明細書で特に述べない限り、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、1つの要素に限定されるのではなく、代わりに、「少なくとも1つ(at least one)」を意味するものとして読まれるべきである。
【0061】
[0078]本発明の図および説明の少なくとも一部が、本発明の明確な理解のために関連する要素に的を絞るために簡略化されており、一方、当業者が認識することになる他の要素を、明確にするために除外することが、本発明の一部分を構成することもできることが理解される。しかしながら、そのような要素が当技術分野でよく知られているため、また、そのような要素が本発明のよりよい理解を必ずしも促進しないため、そのような要素の説明は、本明細書で提供されない。
【0062】
[0079]さらに、本発明の方法が本明細書で述べるステップの特定の順序に依存しない限り、ステップの特定の順序は、特許請求の範囲に対する制限として解釈されるべきでない。本発明の方法を対象とするいずれの特許請求項も、書かれた順序でのそれらのステップの実施に限定されるべきでなく、当業者は、ステップが、変動し、本発明の趣旨および範囲内に依然として留まることができることを容易に認識することができる。
【国際調査報告】