(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ヒノキチオールを含む化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20241219BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K8/35
A61K8/19
A61K8/73
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535220
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 EP2022081223
(87)【国際公開番号】W WO2023110225
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/137864
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】メリントン,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】タン,シュエジ
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,イアン・ジェフリー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB331
4C083AB332
4C083AB341
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD212
4C083AD412
4C083AD551
4C083AD552
4C083CC38
4C083EE07
(57)【要約】
i)ヒノキチオール;ii)金属酸化物又は金属塩[当該金属はマンガン、スズ及びバリウムから選択される。];及びiii)カチオン性ガラクトマンナン、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、カチオン性セルロース、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、トリアルキルアンモニオエチル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーから選択されるカチオン性ポリマーを含む化粧品組成物であって、前記金属酸化物又は金属塩のヒノキチオールに対する重量比が1:10~20:1である化粧品組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ヒノキチオール;
ii)金属がマンガン、スズ及びバリウムから選択される金属酸化物又は金属塩;及び
iii)カチオン性ガラクトマンナンガム、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、カチオン性セルロース、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、トリアルキルアンモニオエチル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーから選択されるカチオン性ポリマー
を含む化粧品組成物であって、
前記金属酸化物又は金属塩のヒノキチオールに対する重量比が1:10~20:1である化粧品組成物。
【請求項2】
前記金属塩のヒノキチオールに対する重量比が1:10~10:1、好ましくは1:5~5:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマーがジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマーのうちの一つであり、好ましくはポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記カチオン性ポリマーが(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマーのうちの一つであり、好ましくはアクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド/アクリルアミドコポリマーである、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーがカチオン性ガラクトマンナンのうちの一つであり、好ましくはカチオン性フェヌグリークガムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性ポリマーがカチオン性セルロースであり、好ましくはPolyquaternium10である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記金属塩が水溶性であり、好ましくは塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、塩化スズ、臭化スズ、ヨウ化スズ、硝酸スズ、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム及び硝酸バリウムから選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が当該組成物の0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、さらに好ましくは0.2~2重量%の量でヒノキチオールを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が当該組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.05~2重量%、より好ましくは0.2~1重量%の量で前記カチオン性ポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が当該組成物の0.1~10重量%、より好ましくは0.2~5重量%、さらに好ましくは0.5~2重量%の量で前記金属酸化物又は金属塩を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物がクレンジング界面活性剤を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記クレンジング界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含み、好ましくはエトキシル化度3未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物がヘアケア組成物、好ましくはシャンプーである、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚、頭皮及び/又は毛髪上へのヒノキチオールの沈着方法であって、個体の皮膚、頭皮及び/又は毛髪表面上に請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物を適用し、次にその表面を水で洗い流す段階を含む方法。
【請求項15】
皮膚、頭皮及び/又は毛髪上へのヒノキチオールの沈着を促進するための請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物、好ましくはリンスオフ組成物、より好ましくはヘアケア組成物に関するものである。詳細には、本発明は、ヒノキチオールを含む化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒノキチオールは、抗真菌、抗菌及び抗増殖特性などの多様な生理活性を有する、元々T.プリカタ(T. plicata)の心材から単離されるトロポロンである。ヒノキチオールは、オーラルケア、ヘアケア及びスキンケア製品に使用されている。一般に、ヒノキチオールは、界面活性剤、水、ポリマー並びに着色成分及び芳香成分を含む、製品のベース組成物に溶解される。使用者が組成物を毛髪、口腔又は皮膚に適用した場合、ヒノキチオールの化合物がその上に沈着する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような活性物質に共通する問題は、洗浄プロセス時に所望の表面への活性物質の沈着がごく少ないということである。所望の表面とは、代表的には、皮膚、頭皮、及び/又は毛髪である。過度のリンスプロセス時には、ヒノキチオールの大部分が界面活性剤とともに洗い流される可能性がある。結果的に、洗浄プロセス時にヒノキチオールが皮膚、頭皮及び/又は毛髪の表面上に沈着するのを改善する必要性が残っている。
【0004】
本発明者らは、予想外に、特定の金属酸化物又は金属塩とカチオン性ポリマーとの組み合わせが、皮膚、頭皮及び/又は毛髪の表面へのヒノキチオールの沈着を促進し得ることを認めた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本発明は、
i)ヒノキチオール;
ii)金属がマンガン、スズ及びバリウムから選択される金属酸化物又は金属塩;
iii)カチオン性ガラクトマンナン、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、カチオン性セルロース、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、トリアルキルアンモニオエチル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーから選択されるカチオン性ポリマー
を含む化粧品組成物であって、
前記金属酸化物又は金属塩のヒノキチオールに対する重量比が1:10~20:1である化粧品組成物に関する。
【0006】
第2の態様において、本発明は、皮膚、頭皮及び/又は毛髪上へのヒノキチオールの沈着方法であって、個体の皮膚、頭皮及び/又は毛髪表面上に第1の態様の化粧品組成物を適用し、次にその表面を水で洗い流す段階を含む方法に関する。
【0007】
第3の態様において、本発明は、皮膚、頭皮及び/又は毛髪上へのヒノキチオールの沈着を促進するための第1の態様の組成物の使用に関する。
【0008】
本発明の他のすべての態様は、以下の詳細な説明及び実施例を考慮すると、より容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
化粧品組成物
本明細書で使用される「化粧品組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの皮膚、毛髪及び/又は頭皮に局所適用するための組成物を含むことを意味する。そのような組成物は、一般に、数秒~最長24時間の期間にわたり、身体の所望の局所表面に適用される。適用時間が例えば数秒~数分程度で短く、その後、組成物が水ですすぎ落とされるか拭き取られる場合、そのような組成物は、クレンジング組成物又はウォッシュオフ組成物として知られる。他方、組成物が、例えば数分~24時間のより長い期間にわたり適用され、通常のパーソナルクリーニングのプロセス時に通常洗い流される場合、そのような組成物はリーブオン組成物として知られる。本発明による組成物は、外観、クレンジング、臭気制御又は一般的な審美性も改善するために人体に適用される任意の製品を含む。
【0010】
ヘアケア組成物
本明細書で使用される「ヘアケア組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの毛髪及び/又は頭皮に局所適用するための組成物を含むことを意味する。そのような組成物は、一般に、リーブオン又はリンスオフとして分類することができ、外観、クレンジング、臭気制御又は一般的な審美性も改善するためにヒト身体に適用される任意の製品を含む。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ジェル又はバーの形態であり得る。そのような組成物の非限定的な例には、リーブオンヘアローション、クリーム、及びリンスオフシャンプー、コンディショナー、シャワージェル又はトイレバーなどがある。本発明の組成物は好ましくはリンスオフ組成物であり、特に好ましいものはシャンプー又はコンディショナーであり、最も好ましくはシャンプーである。
【0011】
カチオン電荷密度
本明細書で用いられる「カチオン電荷密度」は、所与のポリマーの重量単位当たりのカチオン電荷の数を指す。カチオン電荷密度は、WO2013/011122、特に8頁8~17行に記載されている置換度から計算することができ、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドと反応させることによって得られるカチオン性グアーポリマーの場合、カチオン電荷密度は、以下の式を使用して置換度から計算することができる。
【0012】
カチオン電荷密度(グラム当たりのミリ当量(meq/g))=(DS×1000)/(162+151×DS)
分子量
本明細書で用いられる「分子量」は、所与のポリマーの重量平均分子量を指す。所与のポリマーの重量平均分子量(WAVG MW)は、絶対較正(ユニバーサル較正)を用いたSEC(サイズ排除クロマトグラフィ)分析によって測定される。較正には多糖類標準プルラン及びデキストランを使用した。
【0013】
分子量
本明細書で用いられる「分子量」は、所与のポリマーの重量平均分子量を指す。所与のポリマーの重量平均分子量(WAVG MW)は、絶対較正(ユニバーサル較正)を用いたSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)分析によって測定される。較正には多糖類標準プルラン及びデキストランを使用した。
【0014】
その他
実施例を除いて、又は他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量又は反応の条件、材料の物理的特性及び/又は使用を示す本明細書の全ての数字は、「約」という用語によって修飾されていると理解されてもよい。
【0015】
全ての量は、特に明記しない限り、最終ヘアケア組成物の重量に基づく。
【0016】
留意すべき点として、値の任意の範囲を明確にする場合、任意の特定の上限値が任意の特定の下限値と関連付けられ得る。
【0017】
誤解を避けるために、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」又は「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された段階又は選択肢は網羅的である必要はない。
【0018】
本明細書に見られる本発明の開示は、請求項に多数項従属性がない又は反復性がないと見られ得るという事実にかかわらず、互いに多数項従属するものとして、請求項に見られる全ての実施形態を網羅すると見なされるべきである。
【0019】
本発明の特定の態様(例えば、本発明の組成物)に関して特徴が開示されている場合、そのような開示は、本発明のいかなる他の態様(例えば、本発明の方法)にも準用して適用されると見なされるべきである。
【0020】
ヒノキチオール
本発明によるヒノキチオール(ベータ-ツヤプリシン)は、2位のヒドロキシ基及び4位のイソプロピル基で置換されたシクロヘプタ-2,4,6-トリエン-1-オンであるモノテルペノイドである。CAS番号は499-44-5であり、化合物は以下の一般式(I)を有する。
【化1】
本発明の組成物中のヒノキチオールの量は、化粧品組成物の種類及び使用される他の抗菌剤の正確な性質によって決まると考えられる。組成物は、組成物の0.01%~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1%~3重量%、さらに好ましくは0.2~2重量%の前記ヒノキチオールを含むことが好ましい。
【0021】
カチオン性ポリマー
本発明の組成物は、カチオン性ガラクトマンナン、カチオン性セルロース、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、トリアルキルアンモニオエチル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーから選択されるカチオン性ポリマーを含む。
【0022】
当該組成物は、分子量が50k~3000kダルトンであり、電荷密度が0.5~7meg/gであるカチオン性ポリマーを含むことが好ましい。
【0023】
カチオン性ポリマーは、100万~250万ダルトン、より好ましくは150万~220万ダルトンの分子量を有することが好ましい。
【0024】
カチオン性ポリマーがカチオン性ガラクトマンナンガムである場合、それはカチオン性グアー、タラ、シナモン、イナゴマメ及びフェヌグリークガムからなる群から選択することができ、好ましくはそのカチオン性ガラクトマンナンガムはフェヌグリークガムである。
【0025】
或いは、カチオン性ポリマーはカチオン性セルロースであることができる。カチオン性セルロースは、例えば、Dow Chemicalから、UCARE JR(商標)及びLR(商標)シリーズのポリマーで、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩として入手可能であり、業界(CTFA)ではPolyquaternium10と呼ばれている。別の種類のカチオン性セルロースには、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩などがあり、業界(CTFA)ではPolyquaternium24と呼ばれている。これらの材料はDow Chemical社から商品名ポリマーLM-200で入手可能である。最も好ましいものはPolyquaternium10であり、特には分子量(GPCによる重量平均)が0.50万~3百万ダルトンの範囲であり、電荷密度が0.5~3meq/gの範囲であるPolyquaternium10である。好ましいPolyquaternium10は、例えばDow ChemicalからUCARE(商標名)JR30Mとして入手可能である。
【0026】
そのカチオン性ポリマーは、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマーの一つであることができる。それは、下記のような繰り返し単位(II)を含む。
【化2】
式中、
R1、R2はメチル又は他のアルキルであり;YはCl、Br又はIである。
【0027】
好ましくは、それは、Polyquaternium-6(PDADMAC)、Polyquaternium-7、Polyquaternium-4、Polyquaternium-22及びPolyquaternium-39のうちの一つであることができる。より好ましくは、それはPolyquaternium-6(PDADMAC)である。
【0028】
そのカチオン性ポリマーは、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマーのうちの一つであることができる。それは、下記のような繰り返し単位(III)を含む。
【化3】
式中、
R3はH又はメチルであり、
R4、R5、R6はメチル又は他のアルキルであり、
ZはCl、Br又はIである。
【0029】
好ましくは、それは、ポリ塩化アクリルアミドプロピルトリモニウム、塩化アクリルアミドプロピルトリモニウム/アクリルアミドコポリマー、polyquaternium-28、polyquaternium-43、polyquaternium-47、polyquaternium-53、polyquaternium-55、polyquaternium-69、polyquaternium-74、polyquaternium-113のうちの一つであることができる。より好ましくは、それは塩化アクリルアミドプロピルトリモニウム/アクリルアミドコポリマーである。適切なコポリマーの1例は、Ashland社からN-HanceSP-100(登録商標)という商標名で市販されている。N-Hance SP-100(登録商標)の電荷密度は1.8~2.2meq/gであり、分子量は1,800,000~2,200,000g/molである。
【0030】
そのカチオン性ポリマーは、トリアルキルアンモニオエチル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーのうちの一つであることができる。それは、下記のような繰り返し単位(IV)を含む。
【化4】
式中、
R7はH又はメチルであり、
R8、R9、R10はメチル又は他のアルキルであり、
LはCl、Br、I又はCH3SO3である。
【0031】
好ましくは、それはPolyquaternium-5、Polyquaternium-11、Polyquaternium-37のうちの一つであることができる。
【0032】
一般に、カチオン性多糖ポリマーの場合、非修飾単量体糖環単位のヒドロキシル基が、カチオン置換の部位となる。置換度(DS)は、代表的には、ほとんどの多糖の単量体糖単位が置換可能なヒドロキシル基を平均して三つ有するため、0~3の範囲である。DSに加えて、ポリマー上のカチオン電荷は、カチオン電荷密度として定量することもできる。DSは、これまでさまざまな方法で測定されてきた。たとえば、ポリマーのカチオン電荷密度は、窒素測定の化学試験下で米国薬局方に記載されているケルダール法によって測定された窒素含有量のパーセントに基づいて計算される場合があり、グラム当たりのミリ当量(meq)で表されている。しかしながら、本発明におけるポリマーのカチオン電荷密度は、重水(D2O)と重塩化水素(DCl)の混合物の溶媒中で1H NMRによって測定される置換度から計算される。
【0033】
多くの場合、1H NMR測定から得られたDSは、二つの方法が異なる要因の影響を受けるため、ケルダール法から得られたDSと比較するには適さない可能性がある。
【0034】
入手可能なグアーの分子量の広い範囲において、本発明で使用するカチオン性グアーは、「中等度の」分子量と考えられる分子量を有する。電荷密度の広い範囲において、本発明で使用する上記の範囲は、「中等度の」範囲と考えられる。
【0035】
カチオン性ポリマーは、好ましくは組成物の0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%、さらに好ましくは0.1~2重量%、最も好ましくは0.2~1重量%の量で存在する。
【0036】
金属酸化物又は金属塩
本発明の組成物は、金属酸化物又は金属塩を含み、その金属はマンガン、スズ及びバリウムから選択される。
【0037】
組成物が金属酸化物を含む場合、それは好ましくは酸化マンガン、酸化スズ及び酸化バリウムから選択される。
【0038】
金属塩は化粧品用途に適している。金属塩は、例えば、金属カルボキシレート、金属ハロゲン化物、金属スルファジアジン、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水酸化物、金属オキシ塩化物、金属水酸化物、金属アセチルアセトネート、金属PCA(ピロリドンカルボン酸)、金属PCAメチルシラノール、金属アセチルチロシン酸メチルシラノール、金属アセチルメチオネート、金属アミノアセチルアミドイミダゾリルプロピオネート、金属ピコリネート、金属ペプチド、金属ATP、金属DNA、金属アミノ酸塩、金属ケイ酸塩、金属キノリン及び誘導体;金属ピリチオン及びピリジンチオールの他の金属塩;金属リン酸塩、クロロフィリン金属錯体;金属クロロフィル;EDTA金属二ナトリウム;及びそれらの混合物から選択される。
【0039】
好適な金属カルボキシレートには、乳酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、サリチル酸塩、アスピリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ウンデシレン酸塩、ウスニン酸塩、ネオデカン酸塩及びリシノール酸塩などがある。
【0040】
好適な金属ハロゲン化物には、金属塩化物、金属臭化物及び金属ヨウ化物などがある。
【0041】
より好ましくは、本発明の組成物は、水溶性金属塩を含み、それは好ましくは塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、塩化スズ、臭化スズ、ヨウ化スズ、硝酸スズ、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム及び硝酸バリウムから選択される。
【0042】
本発明の金属酸化物又は金属塩は、組成物の0.1~10重量%、より好ましくは0.2~5重量%、さらに好ましくは0.5~2重量%の量で存在することが好ましい。
【0043】
理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、ヒノキチオールがこれらの特定の金属酸化物又は金属塩と錯体を形成できるため、特定のカチオン性ポリマーの存在によってヒノキチオールの沈着が改善されると考えている。
【0044】
組成物中の金属酸化物又は金属塩のヒノキチオールに対する重量比は、1:10~20:1、好ましくは1:10~10:1、より好ましくは1:5~5:1である。
【0045】
化粧品組成物
本発明の組成物は、好ましくは化粧品として許容される担体を含む。化粧品として許容される担体は、組成物が、例えばシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、手洗い若しくは洗顔製品、クリーム、ローション、ゲル、粉末、軟膏、デオドラント、手指消毒剤又は石鹸バーとして調製され、残りの成分がそれに応じて変化し得るようなものである。
【0046】
組成物は、リンスオフ及びリーブオン製品を含む皮膚又は毛髪製品、より好ましくはヘアケア組成物であることが好ましい。より好ましくは、組成物はリンスオフ製品である。組成物がクレンジング界面活性剤を含むことが好ましい。
【0047】
本発明の組成物は好ましくは、アニオン性界面活性剤を含むクレンジング界面活性剤を含む。
【0048】
好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な例は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルカリールスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、N-アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボン酸並びにそれらの塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム並びにモノ-、ジ-及びトリエタノールアミン塩である。アルキル基及びアシル基は、一般に、8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であってもよい。アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボン酸並びにそれらの塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位を含有してもよい。本発明の組成物に使用される代表的なアニオン性界面活性剤としては、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウム又はそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0049】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートである。好ましいアルキルサルフェートは、C8-18アルキルサルフェート、より好ましくはC12-18アルキルサルフェートであり、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンとの塩の形態である。例としては、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)又はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。アニオン性界面活性剤がアルキルエーテルサルフェートであることが特に好ましい。好ましいアルキルエーテルサルフェートは、式:RO(CH2CH2O)nSO3M、式中、Rは、8~18個(好ましくは12~18個)の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルであり、nは、少なくとも0.5より大きく、好ましくは1~3、より好ましくは1~2の平均値を有する数であり、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである、を有する。一例は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)である。好ましいアルキルエーテルサルフェートは、0.5~3、好ましくは1~3、より好ましくは1~2の平均エトキシ化度を有するラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
【0050】
アニオン性界面活性剤は、エトキシル化度が3未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、好ましくはエトキシル化度が2未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、より好ましくはラウレス硫酸ナトリウム(1EO)であることが好ましい。
【0051】
アニオン性界面活性剤は、代表的には、組成物の0.5~20重量%、より好ましくは2~16重量%、最も好ましくは3~16重量%のレベルで本発明の組成物中に存在する。
【0052】
好適な両性界面活性剤の例としては、アルキルアミンオキサイド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタインなどがあり、アルキル基は8~19個の炭素原子を有する。
【0053】
好ましくは、両性界面活性剤はベタイン界面活性剤である。ベタイン界面活性剤がアルキルアミドプロピルベタインのうちの一つであることが好ましい。コカミドプロピルベタイン(CAPB)が特に好ましい。
【0054】
好ましい実施形態において、組成物は、組成物の重量基準で0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは1~5重量%の両性界面活性剤を含む。
【0055】
エトキシル化アニオン性界面活性剤の両性界面活性剤に対する比については、アニオン性界面活性剤の両性界面活性剤に対する比が10:1未満、好ましくは2:1~10:1、より好ましくは3:1~9:1である。
【0056】
本発明で使用する組成物中のクレンジング界面活性剤の総量は、通常、組成物全体の3~35重量%、好ましくは5~25重量%、最も好ましくは7~16重量%である。
【0057】
ヘアケア組成物
好ましくは、組成物は、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアジェル、ヘアセラム、ムース又はヘアオイルである。
【0058】
好ましい実施形態では、ヘアケア組成物はシャンプー、特にリンスオフシャンプーである。本発明で使用するシャンプー組成物は一般に水性であり、すなわち、それは主成分として水若しくは水溶液又はリオトロピック液晶相を有する。好適には、シャンプー組成物は、組成物の総重量基準で50~98重量%、好ましくは60~92重量%の水を含む。このような組成物は、水性ベースを有すると称される。
【0059】
抗フケ剤は、フケに対して活性な化合物であり、代表的には抗菌剤、好ましくは抗真菌剤である。抗フケ剤は、代表的には、マラセチアに対して約50mg/mL以下の最小発育阻止濃度を示す。
【0060】
ヒノキチオールに加えて、本発明によるヘアケア組成物はまた、それとは異なる遊離のさらなる抗フケ剤を含んでもよい。存在する場合には必ず、本発明のヘアケア組成物は、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.5%~2%のさらなる抗フケ剤を含む。
【0061】
追加の抗フケ剤は、好ましくは、ピロクトン化合物、アゾール、硫化セレン、サリチル酸及びそれらの組み合わせから選択される。アゾールとしては、ケトコナゾール及びクリンバゾール、好ましくはクリンバゾールが挙げられる。追加の抗フケ剤は、ピロクトン化合物であることが好ましく、ピロクトンオラミンであることがより好ましい。
【0062】
ヘアケア組成物は、コンディショニング効果を提供するためのコンディショニング剤を追加で含んでもよい。好ましくは、ヘアケア組成物は、15ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未満、より好ましくは5ミクロン未満、最も好ましくは3ミクロン未満の平均液滴径(D3,2)を有する水不溶性コンディショニング剤の個別分散液滴を含む。水不溶性コンディショニング剤の平均液滴径(D3,2)は、例えばMalvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0063】
水不溶性コンディショニング剤は、炭化水素油、脂肪エステル及びそれらの混合物などの非シリコーン油性又は脂肪性材料を含む非シリコーンコンディショニング剤を含み得る。好ましくは、水不溶性コンディショニング剤は乳化シリコーン油である。
【0064】
適切なシリコーンとしては、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA名称ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。また、CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンも、本発明の組成物(特にシャンプー及びコンディショナー)に使用するのに適している。また、例えばWO96/31188号に記載されているように、わずかな架橋度を有するシリコーンガムも、本発明の組成物に使用するのに適している。好ましくは、シリコーン油は、ジメチコン、ジメチコノール又はそれらの混合物を含む。
【0065】
本発明のヘアケア組成物に使用するのに適した乳化シリコーンは、Dow Corning及びGEのシリコーンなどの、シリコーン供給者からプレフォームシリコーン乳濁液として入手可能である。このようなプレフォームシリコーン乳濁液の使用は、シリコーン粒径の加工及び制御を容易にするために好ましい。このようなプレフォームシリコーン乳濁液は、代表的には、適切な乳化剤を追加で含み、乳化重合などの化学的乳化プロセスによって、又は高剪断ミキサーを使用した機械的乳化によって調製することができる。適切なプレフォームシリコーン乳濁液の例としては、DC1785、DC1788、DC7128が挙げられ、すべてDow Corningから入手可能である。これらはジメチコノール/ジメチコンの乳濁液である。
【0066】
使用され得る別の種類のシリコーンは、少なくとも1つの一級、二級若しくは三級アミン基又は四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味するアミノ官能性シリコーンなどの官能化シリコーンである。適切なアミノ官能性シリコーンの例としては、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。
【0067】
水不溶性コンディショニング剤は、一般に、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量基準で、0.05~15%、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.5~8%、最も好ましくは1~5%の量で存在する。
【0068】
好ましくは、本発明の組成物は、懸濁剤をさらに含む。適切な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガム及び結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミド及びそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレート及びポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488又はCarbopol 493として市販されている。多官能剤で架橋されたアクリル酸のポリマーも使用され得る。これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941及びCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例は、Carbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標名)材料は、Goodrichから入手可能である。
【0069】
アクリル酸とアクリレートエステルとの適切な架橋ポリマーは、Pemulen TR1又はPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0070】
上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用してもよい。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0071】
懸濁剤は、一般に、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量基準で0.1~10%、より好ましくは0.2~6%、最も好ましくは0.3~4%の量で存在し、その中に包含されるすべての範囲が含まれる。
【0072】
潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、防腐剤もまた、本発明のヘアケア組成物に組み込んでもよい。適切な伝統的な防腐剤としては、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、及び様々な四級アンモニウム化合物が挙げられる。本発明で使用され得る防腐剤の種類の例示的で非限定的な例としては、例えば、フェノキシエタノール、サリチル酸ナトリウム、メチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニル、カプリリルグリコール、EDTA二ナトリウム又はそれらの混合物が挙げられる。特に好ましい実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸ナトリウム又はそれらの混合物である。防腐剤は、好ましくは、ヘアケア組成物の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用される。
【0073】
本発明のヘアケア組成物は化粧品成分を含むことがさらに好ましい。好ましくは、化粧品成分は、シリコーン、抗フケ剤以外の抗菌剤、起泡力増進剤、香料、カプセル化剤(例えば、カプセル化芳香)、染料、着色剤、顔料、防腐剤、増粘剤、タンパク質、リン酸エステル、緩衝剤、pH調整剤、真珠光沢剤(例えば、雲母、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、エチレングリコールジステアレート(INCIグリコールジステアレート))及び/又は乳白剤、粘度調整剤、皮膚軟化剤、日焼け止め剤、乳化剤、感覚活性剤(sensate active)(例えば、メントール及びメントール誘導体)、ビタミン、鉱油、精油、脂質、天然活性物質、グリセリン、天然毛髪栄養素、例えば植物抽出物、果実抽出物、糖誘導体及びアミノ酸、微結晶性セルロース並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0074】
好ましくは、本発明の組成物は、全組成物の、0.01重量%~20重量%の少なくとも一つの化粧品成分、より好ましくは0.05重量%~10重量%、さらにより好ましくは0.075重量%~7.5重量%、最も好ましくは0.1重量%~5重量%の少なくとも一つの化粧品成分を含む。
【0075】
本発明の組成物はまた、その特性を増強し、細菌/真菌の増殖をさらに阻害するために抗菌活性物質と組み合わせて使用した場合に相乗的な抗菌利益を与える相乗的な抗菌化合物を含んでもよい。これらの化合物の非限定的な例としては、アルコール基(例えば、ホノキオール、マグノロール又はペオノール)を有する化合物、ピペラジン、並びに天然植物抽出物、すなわちチモール及びテルペニオールに見られるフェノール化合物が挙げられる。
【0076】
方法及び使用
本発明は、第1の態様の組成物を個体の皮膚、頭皮及び/又は毛髪表面に塗布し、その後にその表面を水で洗い流す段階を含む、ヒノキチオールを皮膚、頭皮及び/又は毛髪に沈着させる方法を提供する。この方法は、本質的に非治療的である。好ましくは、それは美容目的である。
【0077】
本発明はまた、皮膚、頭皮及び/又は毛髪へのヒノキチオールの沈着を促進するための、第1の態様の組成物の使用を提供する。その使用は、本質的に非治療的である。好ましくは、それは美容目的である。
【0078】
本発明はまた、頭皮又は毛髪でのフケの症状を予防又は緩和するのに使用するための第1の態様の組成物を提供する。
【0079】
本発明はまた、フケを軽減する方法に使用するための第1の態様の組成物も提供する。
【0080】
使用形態
本発明の組成物は主として、リンスオフ組成物又はリーブオン組成物で、好ましくはシャンプーのようなリンスオフ組成物で、個体の頭皮及び/又は毛髪の少なくとも一部に局所適用することを意図したものである。
【0081】
組成物がシャンプーである場合、組成物は毛髪に局所的に適用され、次いで毛髪及び頭皮に擦り込まれる。次いで、毛髪の乾燥前に水で洗い流される。
【0082】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明され、特に明記しない限り、引用されるすべてのパーセントは総重量に基づく重量基準である。
【0083】
実施例は、本発明を例示することを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図していない。
【実施例】
【0084】
実施例1
本実施例は、本発明の範囲に含まれる第一スズ塩とカチオン性ポリマーの組み合わせが、ヒノキチオールの沈着を改善できることを実証した。表1に詳述する製剤による組成物を調製する。すべての成分は、製剤全体の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表されている。
【0085】
表1
【表1】
方法
代表的な沈着評価プロトコールを、次のように使用する。
【0086】
ヘアピース洗浄:
(1)ヘアピース(2.5g/6インチ、2回脱色欧州人ヘア)を三つずつセットにして、水道水で30秒間リンスする(流量4リットル/分、室温)。
【0087】
(2)そのヘアピース3個のセットをシンクの隣の表面に平らに置き、1mLの注射器を使用して、必要なシャンプー0.75g(ヘアピース3つについて髪1gあたり0.1g)をヘアピースに沿って塗布する。シャンプーが確かに均一に覆うようにする(ヘアピース1個当たり約0.25gであるべき)。
【0088】
(3)シャンプーを髪に30秒間揉み込む。
【0089】
(4)ヘアピースを5秒ごとに指でこすって30秒間リンスする。
【0090】
(5)段階(2)~(4)を繰り返す。
【0091】
(6)2回目のリンス後は櫛で梳かない。オーブンのドアをアルミホイルで覆うなどして、ヘアピースを光から保護しながら、50℃で90分間乾燥させる。
【0092】
(7)残りのヘアピース3個のセットについても、そのプロセスを繰り返す(各ヘアピース3個セットは一つのシャンプーで洗う。)。
【0093】
ヘアピース抽出:
(1)各乾燥ヘアピース(金属クリップを除く)を60mLの琥珀色ジャーに切り分けて入れる。これは手袋をした指にヘアピースを巻き付けることによって行うことができる。
【0094】
(2)抽出溶媒(この場合はメタノール)20mLをジャーに加え、密封して1時間放置する。
【0095】
(3)1時間後、抽出メタノール溶液1mLを採取し、0.2μmのPTFEフィルターを通して琥珀色UPLCスクリューキャップバイアルに移す。
【0096】
(4)適切なUPLC法を用いて分析する。
【0097】
ヒノキチオール沈着効力=(UPLCで測定した沈着ヒノキチオールの量)/(毛髪に塗布したヒノキチオールの理論的総量)×100%
結果
平均沈着量(3回のそのような実験)を表2にまとめてある(誤差は2回測定の標準偏差を表す)。
【0098】
表2
【表2】
本発明の範囲内のスズ塩とカチオン性ポリマーとの組み合わせを含むサンプル1及び2は、本発明の範囲外であるサンプルA~Dと比較して、ヒノキチオールの沈着が改善されることを示した。
【0099】
実施例2
この例は、本発明の範囲内のマンガン塩とカチオン性ポリマーとの組み合わせが、ヒノキチオールの沈着を改善できることを実証した。表3に詳述する製剤による組成物を調製する。すべての成分は、全製剤の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【0100】
表3
【表3】
方法
実施例1に開示したものと同じ沈着評価方法を使用した。
【0101】
結果
平均沈着量(3回のそのような実験)を表4にまとめてある(誤差は2回測定の標準偏差を表す)。
【0102】
表4
【表4】
本発明の範囲内のマンガン塩とカチオン性ポリマーとの組み合わせを含むサンプル3~5は、本発明の範囲外であるサンプルE~Iと比較して、ヒノキチオールの沈着が改善されることを示した。
【0103】
実施例3
本実施例は、本発明の範囲外であるマンガン塩及びカチオン性ポリマーの組み合わせがヒノキチオールの沈着を改善できないことを実証した。表5に詳述された製剤による組成物を調製する。すべての成分は、全製剤の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【0104】
表5
【表5】
方法
実施例1に開示したものと同じ沈着評価方法を使用した。
【0105】
結果
平均沈着量(3回のそのような実験)を表6にまとめてある(誤差は2回測定の標準偏差を表す)。
【0106】
表6
【表6】
上記のサンプルL及びMの結果は、本発明の範囲外であるマンガン塩及びカチオン性ポリマーを含む組成物がヒノキチオールの沈着を改善できないことを示している。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ヒノキチオール;
ii)金属がマンガン、スズ及びバリウムから選択される金属酸化物又は金属塩;及び
iii)カチオン性ガラクトマンナンガム、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、カチオン性セルロース、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマー、トリアルキルアンモニオエチル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーから選択されるカチオン性ポリマー
を含む化粧品組成物であって、
前記金属酸化物又は金属塩のヒノキチオールに対する重量比が1:10~20:1である化粧品組成物。
【請求項2】
前記金属塩のヒノキチオールに対する重量比が1:10~10:1、好ましくは1:5~5:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマーがジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマーのうちの一つであり、好ましくはポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記カチオン性ポリマーが(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウムハライドホモポリマー及びコポリマーのうちの一つであり、好ましくはアクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド/アクリルアミドコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーがカチオン性ガラクトマンナンのうちの一つであり、好ましくはカチオン性フェヌグリークガムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性ポリマーがカチオン性セルロースであり、好ましくはPolyquaternium10である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記金属塩が水溶性であり、好ましくは塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、塩化スズ、臭化スズ、ヨウ化スズ、硝酸スズ、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム及び硝酸バリウムから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が当該組成物の0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、さらに好ましくは0.2~2重量%の量でヒノキチオールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が当該組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.05~2重量%、より好ましくは0.2~1重量%の量で前記カチオン性ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が当該組成物の0.1~10重量%、より好ましくは0.2~5重量%、さらに好ましくは0.5~2重量%の量で前記金属酸化物又は金属塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物がクレンジング界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記クレンジング界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含み、好ましくはエトキシル化度3未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物がヘアケア組成物、好ましくはシャンプーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚、頭皮及び/又は毛髪上へのヒノキチオールの沈着方法であって、個体の皮膚、頭皮及び/又は毛髪表面上に請求項1に記載の組成物を適用し、次にその表面を水で洗い流す段階を含む方法。
【請求項15】
皮膚、頭皮及び/又は毛髪上へのヒノキチオールの沈着を促進するための請求項1に記載の組成物の使用。
【国際調査報告】