(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】コンピュータ実施方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241219BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20241219BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20241219BHJP
G06N 3/02 20060101ALI20241219BHJP
G06N 3/0464 20230101ALI20241219BHJP
G06N 3/0455 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H10/60
G06N20/00
G06N3/02
G06N3/0464
G06N3/0455
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535269
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2022084339
(87)【国際公開番号】W WO2023110477
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リュー ジン
(72)【発明者】
【氏名】デ メロ オリヴェイラ ルカス
(72)【発明者】
【氏名】ワチター‐ステール イリナ
(72)【発明者】
【氏名】ゲセルト ニルス トルベン
(72)【発明者】
【氏名】ウェーレ サイモン
(72)【発明者】
【氏名】プラブ デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】エスラミ パラストゥ
(72)【発明者】
【氏名】デ クレイン マチュー
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA15
5L099AA22
5L099AA23
5L099AA26
(57)【要約】
分析のために患者データを照合するコンピュータ実施方法は、複数の患者データ記録を含む1組の入力データを受け取るステップであって、上記複数の患者データ記録が医用画像データ及び少なくとも1つの他の患者データ形式を含む、ステップと、対応する符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録を処理することによって複数の患者データ記録のそれぞれに対するベクトルを生成するステップであって、ベクトルを生成するために使用される符号化アルゴリズムが患者データ記録の形式に基づいて選択され、ベクトルが機械学習モデルにより使用されるためのものである、ステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析のために患者データを照合するコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法が、
複数の患者データ記録を含む1組の入力データを受け取るステップであって、前記複数の患者データ記録が医用画像データ及び少なくとも1つの他の患者データ形式を含む、ステップと、
対応する符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録を処理することによって前記複数の患者データ記録のそれぞれに対するベクトルを生成するステップであって、前記ベクトルを生成するために使用される前記符号化アルゴリズムが前記患者データ記録の前記形式に基づいて選択され、前記ベクトルが機械学習モデルにより使用されるためのものである、ステップと
を有する、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記機械学習モデルを使用して前記ベクトルを分析するステップと、
ある患者の健康に関する情報を含む出力を生ずるステップと
をさらに有する、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記ベクトルを分析するステップの前に前記ベクトルを組み合わせるステップをさらに有する、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記ベクトルを組み合わせるステップが、前記ベクトルを組み合わせて1次元的又は多次元的ベクトルを形成することを有する、請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記出力が、ある患者の疾病の診断、発症、及び/又は進行に関する予測である、請求項2から4のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記機械学習モデルが再帰型及び/又は回帰型モデルである、請求項2から5のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記複数の患者データ記録が、複数の時点で取得される前記患者データ記録を含み、
前記機械学習モデルを使用して前記ベクトルを分析するステップは、前記患者データ記録が作成された時点に基づいて各患者データ記録への重み付けを行うことを有する、請求項2から6のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記機械学習モデルが医用データ対を使用して訓練され、各医用データ対が、
それぞれの患者の前記複数の患者データ記録と、
前記患者の疾病診断及び/又は進行データと
を含む、請求項2から7のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの他の患者データ形式が、ある患者に関する非医用画像データである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記非画像医用データが生理学的データを含む、請求項9に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記非医用画像データが、テキストベースデータ、信号データ、及び表形式データのうちの少なくとも1つの形態である、請求項9又は10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記対応する符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録を処理することにより前記複数の患者データ記録のそれぞれに対して前記ベクトルを生成するステップが、ニューラルネットワークモデル、従来型の前記機械学習モデル、信号処理、及び/又は統計モデルを使用して行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記ニューラルネットワークが、畳み込みニューラルネットワーク、トランスフォーマニューラルネットワーク、又は完全接続ニューラルネットワークである、請求項12に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記複数の患者データ記録が、複数の時点で取得される前記患者データ記録を含み、
前記複数の患者データ記録のそれぞれに対する前記ベクトルを生成するステップが、時間分解特徴ベクトルを生成することを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
分析のために患者データを照合するシステムであって、前記システムが、
1組の命令を表す命令データを備えるメモリと、
前記メモリと通信し前記1組の命令を実行する1つ又は複数のプロセッサとを備え、前記1組の命令が、前記プロセッサによって実行される際に前記プロセッサに請求項1から14のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法を行わせる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分析のために患者データを照合するコンピュータ実施方法及び分析のために患者データを照合するシステムである。
【背景技術】
【0002】
患者の健康の評価、及び特に疾病発症予測及び疾病進行予測などの将来的な健康の予測は、治療計画の決定に必須である。患者の健康管理記録の形態での縦断的情報(すなわち経時的に得られる情報)が、特定の状態に直接的に関連するもの及び全般的なものの両方について、豊富に存在する。全般的なデータに関して、健康又は特定の状態の評価は特定の患者(例えば年齢や性別)及び生活様式(例えば食事や喫煙状況)により影響を受けることが多く、それら全ては疾病の可能性又は進行に影響を与える場合がある。患者が状態に対して既にモニタされているか又は調査を受けている場合、様々な情報、及び多くの場合は画像データ又は生理学的データなどの調査レポートを伴う複数の経時的な研究が通常は存在する。これら全ては、リスク又は健康問題を識別して発症又は進行を予測するために使用され得る。
【0003】
しかし、データは通常極めて複雑且つ不均一であり、その全てが織り込まれ得るようにこの情報を理解することは難しい。例えば、これを手作業で再検討することは手間がかかり、特定の医療従事者の経験及び専門知識に左右され、誤りが発生しやすいか又は不正確となるおそれがある。自動分析はデータの不均一な性質により制限される。
【0004】
米国特許出願第2018144466A1号は、画像取得用の改善された深層学習のための方法及び装置を開示する。例示的な装置は、訓練学習デバイスの第1のDLNから生成される第2のDLNを実施するための第2のプロセッサを含む配備された学習デバイスを含み、配備された学習デバイスは、画像取得のための第2の入力を受け取ることに応答して第2の撮像システム設定パラメータを撮像システムに提供するように構成されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様において、分析のために患者データを照合するコンピュータ実施方法であって、上記コンピュータ実施方法が、複数の患者データ記録を含む1組の入力データを受け取るステップであって、上記複数の患者データ記録が医用画像データ及び少なくとも1つの他の患者データ形式を含む、ステップと、対応する符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録を処理することによって複数の患者データ記録のそれぞれに対するベクトルを生成するステップであって、ベクトルを生成するために使用される符号化アルゴリズムが患者データ記録の形式に基づいて選択され、ベクトルが機械学習モデルにより使用されるためのものである、ステップとを有するコンピュータ実施方法が提供される。
【0006】
実施形態が、不均一なデータ形式、具体的には患者データ(患者データ記録)の異なる形式を前処理する方法を提供することで、患者の健康又は特定の状態に関する出力を提供するための、これらデータ形式の以後の処理が可能となる。これにより、後の分析は、特定のデータ形式に限定されず、意図されない重み付けを特定のデータ形式に対して行わないため、出力の正確性及び感度を向上できる。データは医療記録(例えば、電子医療記録(EMR)、放射線科情報システム、心臓病学情報システム、及び/又は画像保管通信システム(PACS))から取得可能であり、従って相当量の不均一な患者データを組み合わせることができる。
【0007】
特に、様々な医療入力に対する最も重要な情報の性質及び位置は異なるため、ベクトル化処理を使用することは異なるデータ形式のそれぞれに保持される重要な情報をより良好に保全する。例えば、単一の符号化アルゴリズムを使用してデータを同化するシステムと比較して、実施形態は、その特定のデータ形式に対して適切な又は最適化されたアルゴリズム又はモデルを使用することで各記録からの不均一なデータが符号化される(すなわち特徴ベクトルが生成される)方法を提供する。このことにより、データ完全性が保たれて各記録の重要な特徴が後の処理のために維持されることが確実になり、後の分析の正確性及び感度の両方を向上させることができる。さらに、これはデータ形式と関連付けられる異なるデータモデル、フォーマット、及びセマンティクスに関連付けられる問題を克服する。その後、ベクトルは、出力を決定するために組み合わせ/分析されてもよい。
【0008】
各符号化アルゴリズムはデータ形式に固有の(例えば、医用画像データ若しくは特定の形式の医用画像データ、又は非医用画像データ若しくは特定の形式の非画像医用データに固有の)モデルである。モデルはデータをベクトルに変換するために使用され得る。符号化アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、従来の機械学習、信号処理、及び/又は統計モデルである。深層学習モデルの例として、畳み込みニューラルネットワーク(例えば3次元畳み込みネットワーク)、トランスフォーマ(transformer)ニューラルネットワーク、及び完全接続ネットワークが挙げられるが、それらに限定はされない。いくつかの実施形態において、モデルはニューラルネットワーク(例えば3次元畳み込みネットワーク、完全接続ネットワーク)などの機械学習モデルである。
【0009】
この前処理により、患者の健康に関する出力(例えば状態の発生又は進行に関する予測)を提供するために機械学習モデル又はアルゴリズムを使用することが可能となり、そのような出力は、データ形式に固有の前処理ステップによって変化に対してより正確且つより高感度となる。
【0010】
少なくとも1つのデータ入力(すなわち患者データ記録又は「患者データ」)は医用画像データを含み、それに対応して医用画像データ記録に基づいたベクトルの生成は、医用画像データに固有であり、且ついくつかの場合において特定の形式の医用画像データに固有である符号化アルゴリズムを使用することを有する。医用画像データは、例えば2次元、3次元、2次元+t、又は3次元+t医用画像データ(例えば超音波画像、MRI画像)を含める、特定の解剖学的領域のスキャン又はフレームを含んでもよい。
【0011】
少なくとも1つの他の形式のデータは、データを前処理するために異なる符号化アルゴリズムが使用されるような、上記医用画像データ形式とは異なる形式のデータである(これは異なるフォーマットであるか又は異なるセマンティクスを有する、異なるモデルである)。いくつかの実施形態において、このデータは、(例えば異なるモダリティにより得られる)異なる医用画像データ形式、及び/又は(例えば生理学的データ(例えばECG信号などの信号)若しくはテキストベースの医用データ(例えば診察/診断レポート)としての)非医用画像データ形式である。一実施形態において、少なくとも1つの他の患者データ形式は患者に関する非医用画像データである。上記コンピュータ実施方法の一実施形態において、非画像医用データは生理学的データを含む。上記コンピュータ実施方法の一実施形態において、非医用画像データは、テキストベースデータ、信号データ、及び表形式データのうちの少なくとも1つの形態である。
【0012】
受け取られ分析されるデータは単一の患者に関係し、従って出力は単一の患者に関係するものとなる。上記方法で使用されるデータは、単一の時点(例えば単一の研究若しくは調査)から取得されてもよく、又は複数の時点(例えば異なる時間(例えば複数日)に起きる異なる研究若しくは調査)から取得されていてもよい。使用されるデータは、特定の状態に関するもの(例えば状態をモニタすること若しくは評価することを対象とした研究)か、又は特定の状態に寄与するより全般的な健康状態への考慮を有するものである。
【0013】
一実施形態において、上記コンピュータ実施方法は、機械学習モデルを使用してベクトルを分析するステップと、患者の健康に関する情報を含む出力を生ずるステップと、をさらに有する。従って、そのような実施形態において、上記方法は患者の健康に関する情報を含む出力を提供する又は生ずるためのものである。
【0014】
機械学習エンジン又はモデル(これは例えば従来の機械学習モデル又は深層学習モデルを使用する分類/回帰モデルであってもよい)を通じて機械学習を使用することは、より微細な経時的変化が感知され得ることによって出力はより正確且つ高感度になることができるため、追加的な恩恵をもたらす。実施形態において、機械学習モデルは特徴ベクトルの形態で入力を受け取り、機械学習エンジンを使用して出力を、例えばデータ(例えば画像)間の経時的変化を決定する。機械学習モデルは、機械学習モデルが出力を提供することができるように訓練される。いくつかの実施形態において、画像及び関連する出力を含む訓練情報を含有する訓練データベースが提供される。
【0015】
一実施形態において、上記方法は、ベクトルを分析する前にベクトルを組み合わせるステップをさらに有する。出力ベクトルを組み合わせるステップは、ベクトルを1次元的ベクトル又は多次元的ベクトルとして積層することなど、いくつかの異なる手法を使用して行われ得る。従って、上記コンピュータ実施方法の一実施形態において、ベクトルを組み合わせるステップはベクトルを組み合わせて1次元的又は多次元的ベクトルを形成することを有する。いくつかの実施形態における、上記コンピュータ実施方法の、画像、信号、及び非画像データをいずれも含む複数の形式のデータを、時間を経て処理する能力により、疾病発症又は進行を予測するためのそれ以前の試みの正確性を著しく向上させることが可能となる。
【0016】
一実施形態において、上記コンピュータ実施方法の出力は、患者の疾病の診断、発症、及び/又は進行に関する予測を含む。疾病の診断、発症、及び/又は進行についての情報を含む出力を生ずることは、これ以外では容易には取得できないであろう情報を取得するために医師によってその出力が使用され得るため、有益である。単一の記録よりもむしろ複数の患者データ記録を含むベクトルを考慮する予測モデルを有することにより、疾病の診断、発症、及び/又は進行について、より正確な予測を立てることが可能となる。従って、そのような実施形態において、上記方法は患者の疾病の診断、発症、及び/又は進行に関する予測を提供する又は生ずるためのものである。
【0017】
上記コンピュータ実施方法の一実施形態において、機械学習モデルは、再帰型ニューラルネットワークなどの再帰型及び/又は回帰型モデルである。上記方法で使用されるデータが異なる時点で取得され(すなわち縦断的データ)、回帰型/再帰型モデル(再帰型ニューラルネットワークなど)が使用される実施形態は、時間的特徴が考慮され得るため、特に有利な場合がある。例えば、データが取得された時間が分析の重み付けのために使用されてもよい。例としては、ゲート付き回帰型ユニット(GRUs)、長・短期記憶(LSTM)、又は他の回帰型モデルが挙げられる。
【0018】
一実施形態において、複数の患者データ記録は複数の時点で取得される患者データ記録を含み、機械学習モデルを使用してベクトルを分析するステップは、記録が作成された時点に基づいて各患者データ記録への重み付けを行うことを有する。いくつかの実施形態において、重み付けは、より最近取得されたデータにより多くの重みを与える。この例として、最近撮られたスキャンをそれ以前の時点に撮られたスキャンより重く重み付けすることがある。これにより、疾病の診断、発症、及び/又は進行に関する予測の正確性を向上させることが可能となる。疾病予測に対していくつかのリスクスコア(例えばフラミンガムリスクスコア)が現れるが、これらは一般的なものであり、1つの研究又は調査のみに依存する。疾病予測に対して縦断的データを考慮する実施形態は、経時的に取得されるデータを考慮することによって且つ変化をモニタすることによって、これらリスクスコアに勝る向上された正確性を提供する。
【0019】
このことは、そのような分析に使用され得る患者の医療記録、及びより一般的には健康管理システムには大量の縦断的情報が大抵の場合は存在するため、特に有利でもある。
【0020】
患者データが複数の時点(例えば異なる日付又は研究)で取得されるデータを含む一実施形態において、各患者データはそれと関連付けられるタイムスタンプを含み、ベクトルの生成はタイムスタンプに基づく時間分解特徴ベクトルを有する。そのような実施形態において、後の処理は、複数の時間分解特徴ベクトルに基づいて疾病発症/進行予測を決定する。これら実施形態において、ベクトルは回帰型モデル(回帰型/再帰型ニューラルネットワーク(RNN)及び/又は長・短期記憶(LSTM)など)を用いて分析されてもよい。これらは、より正確且つ向上された出力を提供すべく時間的情報を分析するために使用されてもよい。
【0021】
一実施形態において、機械学習モデルは訓練される。訓練は、機械学習モデルを使用するベクトルの分析の前に又はその一環として生じてもよい。一実施形態において、訓練は医用データ対(medical data duplets)を使用して行われ、各医用データ対は、(i)それぞれの患者の複数の患者データ記録、並びに(ii)その患者の疾病診断及び/又は進行データを含む。
【0022】
上記コンピュータ実施方法は、医用画像データを含むいくつかの形式のデータを処理することができる。従って、経時的に得られた、この機械学習モデルを訓練するために使用される、広いプールの潜在的訓練データが存在する。
【0023】
一実施形態において、対応する符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録を処理することにより複数の患者データ記録のそれぞれに対してベクトルを生成することが、ニューラルネットワークモデル、従来の機械学習モデル、信号処理、及び/又は統計モデルを使用して行われる。ニューラルネットワークなどのこれらモデルは、性能が経時的に向上するようなデータを用いて訓練される。符号化アルゴリズムを改善することは、ベクトルを生ずるために必要な処理能力及び時間を減少させる可能性を有する。一実施形態において、ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク、トランスフォーマニューラルネットワーク、又は完全接続ニューラルネットワークである。畳み込みニューラルネットワークは医用画像データの処理に対して特に効果的であり、重要な情報がベクトルに維持されることを保証する。
【0024】
一実施形態において、医用画像データは2次元又は3次元データの形態である。
【0025】
一実施形態において、複数の患者データ記録は複数の時点で取得される患者データ記録を含み、複数の患者データ記録のそれぞれに対するベクトルを生成するステップが時間分解特徴ベクトルを生成することを有する。
【0026】
一実施形態において、患者データ記録は患者人口統計データを含む。これは、スカラデータのベクトルが生ずるようなスカラデータであってもよい。
【0027】
一実施形態において、複数の患者データ記録は、(i)少なくとも1つの医用画像(すなわち医用画像データ)を含む第1の患者データ記録と、(ii)生理学的信号を含む非画像医用データを含む第2の患者データ記録と、(iii)テキストベースの医用データを含む第3の患者データ記録とを含む。データのこの組み合わせは従来的には特に組み合わせるのが難しいが、開示される方法では、これら3つのデータ形式を使用して健康パラメータのより正確な決定を可能とする改善された前処理を提供する。
【0028】
本発明の第2の態様において、分析のために患者データを照合するシステムであって、上記システムが、1組の命令を表す命令データを備えるメモリと、メモリと通信するように、且つ上記1組の命令を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサとを備え、上記1組の命令が、プロセッサによって実行される際にプロセッサに前述のコンピュータ実施方法を行わせるシステムが提供される。
【0029】
上記方法で行われる処理を参照する場合、上記方法は単一のプロセッサ又はコンピュータによって実行されることに限定されないことを理解されたい。代わりに、上記方法は、例えば分散ネットワークを使用して、異なる位置に設けられ相互接続されている複数のプロセッサによって行われてもよい。この例として、分散ネットワーク(例えば「クラウド」ベースネットワーク)に転送又は保存された複数のデータ源からの画像の処理がある。さらに、任意の処理段階がネットワーク内の異なるプロセッサにおいて生じる。
【0030】
様々な必要機能を行うために、ソフトウェア及び/又はハードウェアと共に、プロセッサが任意の好適な様式で実施される。本開示の様々な実施形態に採用されるプロセッサ構成要素の例として、従来型のマイクロプロセッサ、特定用途用集積回路(ASICs)、及び現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGAs)が挙げられるが、それらに限定はされない。プロセッサは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM(登録商標)のような揮発性及び不揮発性コンピュータメモリなどの1つ又は複数の非一時的記憶媒体と関連付けられる。非一時的記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は制御装置で実行される際に必要な機能を実行する、1つ又は複数のプログラムにより符号化される。様々な記憶媒体は、それに記憶される1つ又は複数のプログラムが信号処理ユニット、特性判定ユニット、及び/又はプロセッサにロードされ得るように、プロセッサ若しくは制御装置内に固定されているか又は可搬式である。
【0031】
実施形態において、上記システムは、出力を表示するためのディスプレイなどのユーザインタフェースを備える。代替的に又は追加的に、上記システムは、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、遠隔サーバなどの外部装置へ出力を伝送するように構成されている、無線送信機などの通信インタフェース装置を備える。
【0032】
第3の態様において、分析のために患者データを照合する方法(疾病の診断、進行、又は発症を予測する方法など)であって、上記方法が、(i)複数の患者データ記録を含む入力データを取得するステップであって、上記複数の患者データ記録が医用画像データ及び少なくとも1つの他の患者データ形式を含むステップと、(ii)対応する符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録を処理することによって複数の患者データ記録のそれぞれに対するベクトルを生成するステップであって、ベクトルを生成するために使用される符号化アルゴリズムが患者データ記録の形式に基づいて選択され、ベクトルが機械学習モデルにより使用されるためのものであるステップと、を有する方法が提供される。上記方法は、本明細書で定義される任意の実施形態に関して記載されるようなコンピュータ実施方法を使用する。
【0033】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、以下に記載される実施形態を参照して明瞭になるであろう。
【0034】
本発明のよりよい理解のために、且つ本発明がどのように実施されるかをより明確に示すために、単なる例として添付の図面が以下より参照される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態によるコンピュータ実施方法の模式図である。
【
図2】本発明の他の実施形態によるコンピュータ実施方法の模式図である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるコンピュータ実施方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
詳細な説明及び具体的な例は、装置、システム、及び方法の例示的実施形態を示す一方で、例解のみを目的とすることが意図されており、本発明の範囲を限定することは意図されていないことを理解されたい。本発明の装置、システム、及び方法のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からよりよく理解されるであろう。図は単に概略的なものであり縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。また、同一の参照符号が同一又は同様の部分を示すために図面全体を通して使用されることも理解されたい。
【0037】
開示される実施形態の変形形態が、図面、開示内容、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された本発明を実施する当業者によって理解され、もたらされてもよい。特許請求の範囲において、「有する」という語は他の要素又はステップを排除せず、単数形の要素は複数性を排除しない。
【0038】
単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されるいくつかの項目の機能を果たす。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0039】
用語「適合されている」が特許請求の範囲又は明細書で使用される場合、用語「適合されている」は用語「構成されている」と等価であることが意図されることに留意されたい。
【0040】
特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0041】
図1は、分析のために患者データを照合するコンピュータ実施方法100の概略的概要を提供し、方法100は患者の健康に関する情報を含む出力140を提供するために使用される。
【0042】
示されるように、方法100は2つの異なる患者データ形式(単一の患者に関する)に対応する2つの別個の分岐を有する。具体的には、方法100は、医用画像データ110を受け取ること及び非医用画像患者データ110’を受け取ることを有する1組の入力データを受け取るステップを有する。実施形態において、医用画像データは、2次元、3次元、2次元+t、又は3次元+tデータ(超音波又はMRI画像データなど)の形態である。いくつかの実施形態において、非医用データは、テキストベースデータ(例えばテキストベースの医学的検査データ、診察結果、診断、及び患者人口統計情報)又は生理学的信号であってもよい。
【0043】
従って、受け取られるデータは不均一である。この実施形態において、医用画像データ及び非医用画像データは、それらが調査下の健康状態との関連性を有するという点で関連する。入力データは、健康管理データベース又は複数のデータベースから抽出又は受け取られる。例えば、このデータは、EMRs、放射線科情報システム、心臓病学情報システム、及び/又はPACSから抽出又は受け取られる。代替的に、これは、医療装置又はセンサなどの、データを取得するために使用される装置又は機器から抽出又は受け取られる。臨床、操作、及び人口統計データ源とインタフェース接続することは、HL7、DICOM及びFHIRなどの任意の利用可能な先行技術のIT通信プロトコルによって行われ得る。
【0044】
各データ形式は別個に調製(前処理)される。従って、方法100は、第1のステップで受け取られる医用画像データ110に対する第1のベクトル120を生成するステップをさらに有する。第1のベクトル120を生成するステップは、医用画像データに最適化され固有である符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録(すなわちこの場合は医用画像データ)を処理することを有する。符号化アルゴリズムは、AI又は機械学習アルゴリズム又はモデルである。医用画像データに対する物の例として、畳み込みニューラルネットワーク(例えば3次元畳み込みネットワーク)及び完全接続ネットワークが挙げられるが、それらに限定はされない。
【0045】
方法100は、第1のステップで受け取られる非医用画像データ110’に対する第2のベクトル120’を生成するステップも有する。この場合、ベクトル120’を生成するステップは、特定のデータ形式に最適化され固有である符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録(すなわちこの場合は非医用画像データ)を処理することを有する。このアルゴリズムは、データ抽出が各データ形式に最適化されており、それによって特に正確であり、且つ各特定のデータ形式の重要な特徴及び情報が維持され後の処理において考慮される出力を提供するような、第1のベクトルを符号化するために使用されるものとは異なる符号化アルゴリズムである。
【0046】
従って、患者データの各形式に対して、データ形式に適しているモデルが構築され得る。これらモデルは異なるデータ源からのデータをベクトルに変換する。
【0047】
方法100は、機械学習モデル130を使用してベクトルを分析するステップをさらに有する。これは、第1のステップ110、110’において受け取られる複数の異なる入力を考慮する、患者の健康に関する情報を含む出力140を提供するように、ベクトルを分析し組み合わせることを有する。
【0048】
出力は複数の形態であってもよい。それは、健康の指標(診断など)を含むか、又は疾病の診断、発症、及び/若しくは進行に関する予測(例えば予期される進行)を含んでもよい。それは、特定の関心領域又は同様のものを示す医用画像又はモデルを含む。出力は関連するシステムのディスプレイに提供されてもよい。
【0049】
図1の概括的方法100は、単一の時点で(すなわち患者の単一の調査若しくは研究の一部として)取得される異なるデータ形式を処理するために使用されてもよく、又は異なる時点で取得される(例えば患者の異なる調査若しくは研究の一部として取得されるか、若しくはある期間を跨ぐ)異なるデータ形式を処理するために使用されてもよい。他の実施形態において、データは異なる時点で取得されるが、取得された又は記録された時間は考慮されない。そのような実施形態において、そのデータは単一の時点で取得されるデータのように扱われる。
【0050】
データが単一の時点で取得される場合(又は時間情報が考慮されない場合)、ベクトル120、120’を生成するステップからの出力ベクトルが、訓練のために回帰/分類モデルに供給されてもよい。これは、履歴上の疾病診断及び/又は進行情報を使用することもさらに有し、従来の機械学習モデル又は深層学習モデルを使用して分類/回帰モデルが訓練されてもよい。
【0051】
データが複数の時点で取得され、且つ時間要素(すなわち時間的特徴)を考慮すべきである場合、ベクトル120、120’を生成するステップからの出力ベクトルが、疾病訓練のために再帰型/回帰型モデル(例えば回帰型ニューラルネットワーク、RNN、及び/又は長・短期記憶(LSTM))に供給されてもよい。組み合わせるステップは、積層された1次元的ベクトル又は多次元的ベクトルとして複数の時間ベクトルを組み合わせることをまず有する。RNN及び/又は長・短期記憶(LSTM)などの回帰型モデルの使用が、時間的情報を分析して、より正確で改善された出力を提供するために使用されてもよい。ステップ130において生成されるベクトルは時間分解特徴ベクトルであってもよい。
【0052】
図2は、疾病又は状態の発生に関する予測を提供する方法200の第2の実施形態を示す。この実施形態においては、複数のデータ形式が存在し、各データ形式内には異なる時点で取得される複数の患者記録が存在する。このことは、2つの異なるデータ形式に対応する2つの主分岐、及びデータが取得された異なる時点にそれぞれ対応する2つの副分岐として示される。
【0053】
第1の分岐で示されるように、方法200は、第1の時点で取得される医用画像データを受け取ること210、及び第2の異なる時点で取得される同じ形式の医用画像データを受け取ること210Aを有する、1組の入力データを受け取るステップを有する。これは、例えば、疾病の進行のモニタリングにおいて一般的であるような、第1の日付に取得される解剖学的領域のスキャンに対応する第1の画像、及び後の日付に取得される同じ領域の同じ形式のスキャンに対応する第2の画像である。
【0054】
入力データは、上記方法が第1の時点(これは医用画像データが取得されたときと同じ時点に一致する必要はない)で取得される非医用画像患者データを受け取るステップ210’、及び第2の時点(これは医用画像データが取得されたときと同じ時点に一致する必要はない)で取得される非医用画像患者データを受け取るステップ210A’も有するような、非医用画像患者データも含む。
【0055】
方法200は、入力データに基づいてベクトルを生成するステップ220、220’、200A’をさらに有する。具体的には、データの各形式は別個に調製(処理)される。
【0056】
この実施形態において、方法200は、第1のステップ210、210Aにおいて受け取られる医用画像データに対するベクトルを生成するステップ220をさらに有する。このステップは、医用画像データに最適化され固有である符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録(すなわちこの場合は複数の医用画像データ)を処理することを有する。この実施形態において、医用画像データが取得された日付は、時間分解ベクトルを生ずるために合成ベクトルに符号化される。一実施形態において、単なる例として、ステップ220の一部としての分析の前にこれらベクトルは単一の時間分解ベクトルへと組み合わせられ得る。他の実施形態において、これらベクトルは、別個のベクトルとして次のステップにおける分析モデルに提供されてもよい。
【0057】
上記方法は、第1のステップ210’、210A’において受け取られる非医用画像データに対する第2のベクトルを生成するステップ220’、220A’も有する。このステップは、特定の形式の非画像データに最適化され固有である符号化アルゴリズムを使用して各患者データ記録(すなわちこの場合は複数の非画像データ)を処理することを有する。この実施形態において、データが取得された日付は、対応する時間分解ベクトルを生ずるために合成ベクトルに符号化される。この実施形態において、単なる例として、これらベクトルは、別個のベクトルとして次のステップにおける分析モデルに提供される。他の実施形態において、これらベクトルは分析の前に単一の時間分解ベクトルへと組み合わせられ得る。
【0058】
方法200は、機械学習モデル230を使用してベクトルを分析するステップをさらに有する。これは、第1のステップ210、210A、210’、210A’において受け取られる複数の異なる入力及びデータの時間的特徴を考慮する、患者の健康に関する情報を含む出力240を提供するように、ベクトルを分析し組み合わせることを有する。
【0059】
前述の実施形態の分析ステップで使用される機械学習モデルは、情報の対を使用して訓練されてもよい。各医用データ対は、それぞれの患者の異なる形式の医用データの複数のデータセットと、上記それぞれの患者に対する疾病診断及び/又は進行データとを含んでもよい。これにより、モデルは、特定の疾病の指標を決定し予測の正確性を向上させるために訓練され得る。時間的データが使用される場合、これは、当該の状態の発生又は進行に関する予測を洗練するためにも使用されてもよい。
【0060】
図3は、患者の状態の発生に関する予測を提供する方法300のさらなる実施形態を概略的に示す。
【0061】
この実施形態における方法は、3つの異なる時点に対応する3つの別の組のデータを含む、1組の入力データ310、310’、310”を受け取る。従って、上記方法は、第1の時点で取得される、ある患者に関する第1の医用データ310を受け取るステップと、第2の時点で取得される、ある患者に関する第2の医用データ310’を受け取るステップと、この時点で取得される、ある患者に関する第3の医用データ310”を受け取るステップとを有する。
【0062】
この実施形態において、第1の医用データは、第1の研究の一部として第1の時点で全て取得される、医用画像データ311、生理学的信号に関する医用データ312、及び診断レポートに関するテキストベース医用データ313を含む。第2の医用データは、第2の研究の一部として第2の時点で全て取得される、医用画像データ311’、及び診断レポートに関するテキストベース医用データ313’を含む。第3の医用データは、第3の研究の一部として第3の時点で全て取得される、医用画像データ311”、及び生理学的信号に関する医用データ312”を含む。
【0063】
この実施形態において、方法300は、所定且つデータ形式に固有の符号化アルゴリズムを使用して各研究(研究ごと)内の各データ形式を個別に処理し、それにより各研究内の各データ形式に対する個別のベクトルを生成する。その後、各研究に対する複数のベクトルは(各研究内で)組み合わせられ、各研究に対する多次元的又は積層されたベクトルを提供する。これらは、時間的分析ができるように時間固有情報と共にそれぞれ符号化される。
【0064】
具体的には、方法300は、第1のデータセット320に対するベクトルを生成するステップであって、それ自体が、医用画像符号化モデル(すなわち医用画像データをベクトルに変換するように適合された又は構成されたモデル)を使用して医用画像データ321に対する第1のベクトルを生成することと、生理学的信号符号化モデル(すなわち生理学的信号データをベクトルに変換するように適合された又は構成されたモデル)を使用して生理学的信号に関する医用データ322に対する第2のベクトルを生成することと、テキストベースデータ符号化モデル(すなわちテキストベースデータをベクトルに変換するように適合された又は構成されたモデル)を使用してテキストベース医用データ323に対する第3のベクトルを生成することと、を有するステップ、をさらに有する。その後、これらは組み合わせ325がなされ、時間的情報を符号化する多次元的又は積層されたベクトルを提供する。データ形式に固有のモデルを使用することで、データのそれぞれに存在する全ての重要な情報が維持されベクトルに符号化されることが確実になる。
【0065】
方法300は、医用画像符号化モデルを使用して医用画像データ321’に対する第1のベクトルを生成することと、テキストベースデータ符号化モデルを使用してテキストベース医用データ323’に対する第2のベクトルを生成することとを有する、第2のセット320’に対するベクトルを生成するステップも有する。その後、これらは組み合わせ325’がなされ、時間的情報を符号化する多次元的又は積層されたベクトルを提供する。
【0066】
方法300は、医用画像符号化モデルを使用して医用画像データ321”に対する第1のベクトルを生成することと、生理学的信号符号化モデルを使用して生理学的信号に関する医用データ322”に対する第2のベクトルを生成することとを有する、第3のデータセット320”に対するベクトルを生成するステップをさらに有する。その後、これらは組み合わせ325”がなされ、時間的情報を符号化する多次元的又は積層されたベクトルを提供する。
【0067】
その後、この工程からの合成ベクトルは、次の処理ステップ330で組み合わせられ分析される。特に、ベクトルは、この実施形態においてはデータの時間的特徴を分析し考慮する回帰型ニューラルネットワークを含む機械学習モデルを訓練するために使用される。この実施形態における方法は、記録が作成された時点に基づいて各患者データ記録への重み付けを行うステップを有する。
【0068】
分析からの結果は、3つの研究及び各研究内のデータを考慮する、患者の状態の発生に関する予測の形態での出力340となる。
【0069】
本発明は上記の具体的な実施形態及び例を参照して説明されているが、本発明から逸脱することなく実施形態及び例に修正がなされ得ることが理解されよう。
【国際調査報告】